説明

画像形成装置、ネットワークシステム、制御方法、およびコンピュータプログラム

【課題】ファームウェアを配信する配信システムの負荷を軽減することができる手法を提供する。
【解決手段】画像形成装置131が、配信サーバ133に対してプレ確認を行い、配信サーバ133から返されるプレ確認の結果に基づいて、配信サーバ133が画像形成装置131に適用されているファームウェアより新しいファームウェアを有するかを判断する。配信サーバ133が画像形成装置131に適用されているファームウェアより新しいファームウェアを有する場合に、画像形成装置131が、配信サーバ133に対して適用可能ファームウェア確認要求を行い、配信サーバ133から適用可能ファームウェア確認の結果として返されるファームウェアをダウンロードする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、ネットワークシステム、制御方法、およびコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置等の周辺装置の稼働状態を遠隔的に監視する監視システムが提案されている。この監視システムによる監視環境下において、監視システムの一機能として、画像形成装置のファームウェアをアップデート(更新)することが考えられる。ここで、ファームウェアのバージョンアップや、画像形成装置に障害が発生したことにより、画像形成装置に適用されているファームウェアを更新する必要が生じる場合がある。
【0003】
このような場合に、従来は、サービスマンが顧客先に訪問し、手作業でファームウェアを更新していた。従って、ファームウェアの更新のためのコストが高いものとなっていた。そこで、最近では、配信サーバが、インターネットを介し、電子メール等を利用して、画像形成装置にファームウェアを配信するシステムが提案されている。
【0004】
特許文献1は、ホストPCが備えるプリンタドライバが、印刷処理を行う度にプリンタの動作ファームウェアの状態と利用アプリケーションが要求するファームウェアとを比較し、必要なモジュールだけプリンタにダウンロードする方式を提案している。また、特許文献2は、携帯情報端末から音楽サーバに対する音楽データファイルのダウンロード要求が集中したとき、そのファイルを音楽サーバが配信サーバに送り、配信サーバが、時間的に分散して携帯情報端末にファイル転送を行う通信システムを提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−67228号公報
【特許文献2】特開2002−14919号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、画像形成装置にファームウェアを配信する従来のシステムは、画像形成装置に適用されているファームウェアより新しいファームウェアを配信サーバが管理しているか否かにかかわらず、適用可能ファームウェア確認を実行していた。
【0007】
適用可能ファームウェア確認は、画像形成装置に配信する最適なファームウェアを決定する処理である。配信サーバを含む配信システムにおいては、例えば、画像形成装置が適用しているファームウェアと配信サーバが管理するファームウェアとを、ファームウェアが含む各々のモジュールのバージョン等について比較することを通じて最適なファームウェアを決定する。従って、配信サーバは、適用可能ファームウェア確認の実行に大きな負荷がかかる。その結果、例えば配信サーバが管理するファームウェアの定期アップデート機能を使用して、世界中の画像形成装置から配信システムに対して適用可能ファームウェア確認の依頼が来ると、配信システムの負荷の限界を越えてしまうという問題があった。
【0008】
本発明は、ファームウェアを配信する配信システムの負荷を軽減することができる手法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一実施形態の画像形成装置は、ネットワークを介して、配信システムからファームウェアの配信を受ける画像形成装置であって、あらかじめ設定されているスケジュールに従って、前記配信システムに対して、該配信システムが前記画像形成装置に適用されているファームウェアより新しいファームウェアを管理しているかの問い合わせを行う問い合わせ手段と、前記問い合わせに応じて前記配信システムから新しいファームウェアを管理していることを示す通知を受信した際に、前記配信システムに対して、前記画像形成装置への適用対象となるファームウェアの配信の要求を行う要求手段と、前記画像形成装置への適用対象となるファームウェアがある場合には、前記配信システムより適用対象のファームウェアをダウンロードするダウンロード手段と、前記ダウンロードされたファームウェアを前記画像形成装置に適用する適用手段と、前記要求に応じて、前記配信システムから再び前記問い合わせを行うべき時間を含む指示を受信する受信手段とを備え、前記問い合わせ手段は、前記受信手段により受信した指示に含まれる時間に、再び前記問い合わせを行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、多数の画像形成装置から配信システムに対してファームウェアの配信要求があった場合における配信システムの負荷を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本実施形態のネットワークシステムの全体構成例を示す図である。
【図2】監視センタホストと監視装置のハードウェア構成例を示す図である。
【図3】画像形成装置のハードウェア構成例を示す図である。
【図4】監視センタホストの機能ブロック図の例である。
【図5】監視装置、画像形成装置の機能ブロック図の例である。
【図6】監視センタホスト、配信サーバ、監視装置、画像形成装置におけるメモリマップの構造を示す図である。
【図7】ネットワークシステム内の動作処理を説明する図である。
【図8】配信サーバの機能を説明する例である。
【図9】画像形成装置の動作処理フローの例を説明する図である。
【図10】配信サーバの動作処理フローの例を説明する図である。
【図11】ファーム情報の比較処理の例を説明するフローチャートである。
【図12】他の実施形態における配信サーバの動作処理フローを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は、本実施形態のネットワークシステムの全体構成例を示す図である。本実施形態のネットワークシステムは、ネットワークを介して画像形成装置に対してファームウェアを配信するシステムである。本実施形態の制御方法は、このネットワークシステムによって実現される。ネットワークシステムは、ネットワーク132を介して接続された、販売会社システム(101,106)と、顧客システム(114,119,129)と、配信サーバ133と、監視センタホスト111とを有する。この例では、ネットワーク132はインターネットである。
【0013】
販売会社システム101、106は、顧客システムが備える画像形成装置のファームウェアを販売する販売会社のシステムである。これらの販売会社システムは、監視センタホスト111に対して、監視対象の画像形成装置に関する情報や監視に関する設定を登録する。販売会社システム101は、PC104、ホストコンピュータ(以下、ホストと記述する)102、データベース103を備える。PC104、ホスト102、データベース103は、LAN106を介して接続されている。販売会社システム106は、PC109、ホスト107、データベース108を備える。PC109、ホスト107、データベース108は、LAN110を介して接続されている。PC104とPC109、ホスト102とホスト107、データベース103とデータベース108は、同一の構成を有する。従って、以下では、販売会社システム101が備える各処理部を例にとって説明する。
【0014】
PC104は、販売会社の管轄の地域や顧客の販売情報やネットワークシステムに関する情報をデータベース103に蓄積して管理する。また、PC104は、監視センタホスト111が管理するWebサイトにアクセスして、監視センタホスト111が管理する情報の閲覧等を行う。ホスト102は、監視センタホスト111が提供するUI(User Interface)を介して、監視対象の画像形成装置に関する情報や監視に関する設定を登録する。ホスト102が、PC104の機能と同一の機能を有するようにしてもよい。
【0015】
監視センタホスト111は、販売会社システムが備えるホストによって登録された、監視対象の画像形成装置に関する情報や監視に関する設定をマージして一括管理する。また、監視センタホスト111は、各監視装置や画像形成装置131に対して、監視に関する設定を行う。また、監視センタホスト111は、ネットワーク132を介して、顧客システム内に設けられた監視装置117、122、123から、監視対象の画像形成装置の稼働状態を示す情報を受信する。監視センタホスト111が、画像形成装置から画像形成装置の稼働状態を示す情報、カウンタ情報を直接受信してもよい。監視センタホスト111は、受信した画像形成装置の稼働状態を示す情報、カウンタ情報を、LAN113を介して接続されているデータベース112に記憶して管理する。すなわち、監視センタホスト111は、画像形成装置の状態を監視する情報処理装置である。そして、監視センタホスト111は、監視センタホスト111にネットワーク132を介してアクセスしたPC104、109に、データベース112に記憶された情報を閲覧させるためのWebページを提供している。
【0016】
なお、監視センタホスト111が、データベース112に記憶された情報を加工し、この加工した情報を閲覧させるためのWebページをPCに提供するようにしてもよい。監視センタホスト111は、例えば、Webページを、ユーザ認証を行うことを通じて、販売会社別、顧客別、ユーザの権限別に閲覧内容を限定して提供する。監視センタホスト111は、Webページを閲覧したPCがこのWebページ上で入力した情報に基づいて、データベース112に記憶された情報を変更することができる。
【0017】
画像形成装置の稼働状態は、例えば、トナー切れ、ドアオープン、ドラム交換、カートリッジなし、冷却ファン異常、基板異常、原稿台ガラス汚れ、ステイプル切れ、給紙センサ光量不足を含む。また、画像形成装置の稼働状態は、フォントメモリオーバーフロー、レンダリングエラー、定着器異常、カウンタ異常、両面ユニット異常、紙詰まりを含む。また、カウンタ情報は、販売会社の課金対象となる課金カウンタ、顧客の部門別に集計された部門カウンタ、用紙サイズ別に集計されたサイズ別カウンタ、画像形成装置内の部品の消耗度を示す部品カウンタを含む。課金カウンタは、画像形成装置の印刷枚数を示し、部門カウンタは顧客が設定している部門毎の印刷枚数を示す。部品カウンタは、例えばドラムなどの部品では、その回転数をカウンタとし、スキャナランプなどの部品では、時間(秒)をカウンタとする。
【0018】
データベース112には、監視対象の監視装置の情報、画像形成装置の稼働状態を示す情報、カウンタ情報等が記憶される。監視センタホスト111が、監視対象の画像形成装置から、画像形成装置に発生した障害に関する情報を収集し、この障害に関する情報をデータベース112に記憶するようにしてもよい。また、監視センタホスト111が、データベース112内に記憶した情報を外部装置(例えば、販売会社システムのホスト)に通知するようにしてもよい。
【0019】
配信サーバ133は、ネットワーク132を介して画像形成装置に対してファームウェアを配信する配信装置である。配信対象となるファームウェアは、データベース134に記憶されている。データベース134は、LAN135を介して配信サーバ133と接続されている。なお、データベース134は、物理的に配信サーバ133内に存在してもよい。データベース134は、配信サーバ133からアクセスが可能であれば、ネットワーク132に接続された他の場所に存在していてもよい。なお、LAN113とLAN135とを一つのLANとして構成し、データベース134とデータベース112とがデータを共有するようにしてもよい。本実施形態においては、配信サーバ133とデータベース112を合わせて配信システムと呼ぶ。
【0020】
図1中には、監視センタホスト111およびデータベース112と、配信サーバ133およびデータベース134が、1つずつしか示されていない。しかし、実際には、多くの画像形成装置および監視装置からの情報収集や、ファームウェア配信の負荷分散を行なうために、複数の監視センタホスト、データベースに分散処理をさせるケースもある。
【0021】
次に、顧客側のシステムについて説明する。図1に示すネットワークシステムは、顧客システム114、119、129を備える。顧客システム114は、A社X事業所が有するシステムである。顧客システム119は、A社Y事業所が有するシステムである。顧客システム129は、B社が有するシステムである。顧客システム114においては、監視装置117が、LAN118に接続された画像形成装置115、116を監視する。顧客システム119においては、監視装置122が、LAN128上の画像形成装置120、121、124、125を監視する。また、監視装置123が、LAN128上の画像形成装置126、127を監視する。各々の監視装置は、同一の構成を有する。各々の監視装置は、監視装置が設けられた顧客システム内の監視対象の画像形成装置から稼働状態を示す情報、カウント情報を受信し、不図示のデータベースに記憶して管理する。また、監視装置は、上記データベースに記憶した情報をネットワーク132を介して監視センタホスト111に送信する。顧客システム129においては、画像形成装置131自身が、画像形成装置131の稼働状態を示す情報、カウンタ情報を、LAN130及びネットワーク132を介して監視センタホスト111に送信する。
【0022】
図1に示すネットワークシステム内のネットワーク132を介した通信には、HTTP/SOAPプロトコルを利用する。HTTPは、HyperText Transfer Protocolの略称である。SOAPは、Simple Object Access Protocolの略称である。SOAPは、XML(eXtended Markup Language)をベースとして、あるコンピュータから他のコンピュータのデータやサービスを呼び出すためのプロトコルである。本実施形態では、SOAPはHTTPの上に実装される。SOAPによる通信は、XML文書に付帯情報を付けたSOAPメッセージを交換する。従って、SOAPをサポートするコンピュータには、SOAPメッセージを生成するSOAPメッセージ生成部と、SOAPメッセージを解釈するSOAPメッセージ解釈部とを備える。例えば、上述した画像形成装置の稼働状態を示す情報は、SOAPメッセージによって監視センタホスト111に送信される。
【0023】
図2は、図1に示す監視センタホストと監視装置のハードウェア構成例を示す図である。図2(A)は、監視センタホスト111のハードウェア構成例を示す。なお、本実施形態のネットワークシステムが備える配信サーバ、ホストのハードウェア構成は、図2(A)に示す監視センタホストのハードウェア構成と同様である。
【0024】
監視センタホスト111は、第1CPU201、第2CPU202、ROM203、RAM204、第1HDD205、第2HDD206、操作部207、表示部208、NetworkI/F209を備える。各々の処理部は、システムバス211を介して接続されている。第1CPU(Central Processing Unit )201、第2CPU202は、監視センタホスト111全体を制御する。ROM(Read Only Memory)203は、書き換え不可能な記憶手段であり、監視センタホスト111の各処理に関わるプログラムやデータを記憶する。RAM(Random Access Memory)204は、監視センタホスト111の各処理に関わる一時的なデータを記憶する。第1HDD205、第2HDD206は、監視センタホスト111が実行する処理に関するプログラムやデータ、一時的なデータ、監視対象の画像形成装置に関する情報、画像形成装置から収集した情報等を記憶する。
【0025】
HDDは、Hard Disk Driveの略称である。第1HDD205又は第2HDD206は、例えば、画像形成装置から収集した部品カウンタ、課金カウンタ、部門カウンタ等を記憶する。操作部207は、ユーザの操作に応じた指示を入力する。操作部207は、例えばキーボード、ポインティングデバイスを備える。表示部208は、監視センタホスト111の動作状況や、監視センタホスト111上で動作する各プログラムが出力する情報を表示する。NetworkI/F(Interface )209は、ネットワーク132を介して外部装置と情報交換を行う。外部機器I/F210は、外部記憶機器等を接続する。
【0026】
図2(B)は、監視装置のハードウェア構成例を示す。図2(B)では、監視装置117のハードウェア構成を例にとって説明する。図2(B)に示す監視装置のハードウェア構成は、PC104、109のハードウェア構成にも適用可能である。監視装置117は、CPU301、ROM302、RAM303、HDD304、入力装置305、表示部306、NetworkI/F307、外部機器I/F308を備える。各々の処理部は、システムバス309を介して接続されている。CPU301は、監視装置117全体を制御する。ROM302は、監視装置117が実行する処理に関するプログラムやデータを記憶する。RAM303は、監視装置117が実行する処理に関する一時的なデータを記憶する。HDD304は、監視装置117が実行する処理に関するプログラムやデータ、一時的なデータ、監視対象の画像形成装置に関する情報、画像形成装置から収集した情報等を記憶する。入力装置305は、ユーザの操作に応じた指示を入力する。入力装置305は、例えばキーボード、ポインティングデバイスを備える。表示部306は、監視装置117の動作状況や、監視装置117上で動作する各プログラムが出力する情報を表示する。外部機器I/F308は、外部記憶機器等を接続する。
【0027】
図2(C)は、監視装置のハードウェア構成の他の例を示す図である。図2(C)に示す例では、監視装置117は、CPU401、ROM402、FlashROM403、シリアルI/F404、NetworkI/F405を備える。各々の処理部は、システムバス406を介して接続されている。CPU401、ROM402は、それぞれ、図2(B)に示すCPU301、ROM302と同様の機能を有する。FlashROM403は、監視装置117が実行する処理に関するデータおよび一時的なデータ、監視対象の画像形成装置に関する情報、画像形成装置から収集した情報などを記憶する。シリアルI/F404は、監視装置117上のプログラムがエラー情報やログを外部装置に出力する処理を媒介する。NetworkI/F405は、ネットワーク132を介して外部装置と情報交換を行う。
【0028】
図3は、図1に示す画像形成装置のハードウェア構成例を示す図である。図3では、画像形成装置131のハードウェア構成を例にとって説明する。画像形成装置は、例えば、プリンタ及びファクシミリ機能が統合的に設けられた複合機、PCなどからデータを受信し印刷するプリンタ(電子写真方式及びインクジェット方式を含む)、スキャナー、ファクシミリ等である。図3では、画像形成装置が複合機である場合を例にとって説明する。なお、図1に示す画像形成装置のうち、画像形成装置131以外の画像形成装置のハードウェア構成は、画像形成装置131のハードウェア構成と同様である。
【0029】
画像形成装置131は、原稿給送部501、イメージリーダ502、画像形成部503、排紙部504、NetworkI/F505、CPU506、ROM507、RAM508、HDD509、操作部510、表示部511を備える。各々の処理部は、システムバス512を介して接続されている。原稿給送部501は、イメージリーダ502の指示に従って原稿を読み込む。イメージリーダ502は、原稿給送部501に対して原稿の読み込み指示を行う。画像形成部503は、読み込まれた原稿や、ネットワーク132で受信したデータを印刷画像に変換・印刷出力する。排紙部504は、印刷出力された紙を排出し、ソート処理、ステイプル処理を行う。NetworkI/F505は、LAN130およびネットワーク132を介して外部装置と情報交換を行う。
【0030】
CPU506は、画像形成装置131全体を制御する。CPU506は、画像形成装置131の動作状態を監視し、障害等の特定のイベントが発生した場合には、障害等を示す状態情報を、予め定めた宛先へと送信する。この宛先は、例えば監視センタホスト111や監視装置などである。ROM507は、画像形成装置131が実行する処理に関するプログラムやデータを記憶する。RAM508は、画像形成装置131が実行する処理に関する一時的なデータを記憶する。HDD509は,画像形成装置131が実行する処理に関するプログラムやデータ、一時的なデータ、画像形成装置131へ送信されてきたユーザデータなどを記憶する。ROM507又はHDD509には、画像形成装置131が画像形成装置131の稼働状態を示す情報を監視センタホスト111に直接送信する機能を実現するプログラムが予め記憶されている。操作部510は、ユーザの操作に応じた指示を入力する。表示部511は、画像形成装置131の動作状況と、ユーザの操作に関する情報を表示する。
【0031】
図4は、監視センタホストの機能ブロック図の例である。監視センタホスト111は、SOAP通信部601、SOAPメッセージ解析部602、SOAPメッセージ作成部603、収集情報処理部604、監視制御部605、データベースアクセス部606を備える。SOAP通信部601は、監視装置又は画像形成装置からNetworkI/F209を介してSOAPデータを受信して、SOAPメッセージ解析部602に渡す。また、SOAP通信部601は、SOAPメッセージ作成部603が作成したSOAPデータをNetworkI/F209を介して監視装置又は画像形成装置に送信する。SOAPメッセージ解析部602は、SOAPメッセージを解析する。SOAPメッセージ作成部603は、収集情報処理部604、監視制御部605からの指示に従ってSOAPメッセージを作成する。
【0032】
収集情報処理部604は、SOAPメッセージ解析部602によるSOAPメッセージの解析結果に基づいて、監視装置、画像形成装置131、または配信サーバ133から送信された情報を取得する。収集情報処理部604は、取得した情報をデータベースアクセス部606を介してデータベース112に格納する。
【0033】
また、収集情報処理部604は、データベース112に格納された情報に対して各種処理を実行する。例えば、データベース112に格納されている情報に基づいて、画像形成装置のカウンタ情報の集計、エラー情報、または画像形成装置に対応するファームウェアの最新情報を作成し、作成した情報を担当サービスマンや顧客側管理者へ通知する。このために、収集情報処理部604は、SOAPメッセージ作成部603に対してSOAPメッセージの作成を指示する。監視制御部605は、監視装置または画像形成装置に対して情報を取得するスケジュールの管理や、画像形成装置の監視設定に関する制御を行う。
【0034】
図5は、監視装置、画像形成装置の機能ブロック図の例である。図5(A)は、監視装置117の機能ブロック図の例を示す。監視装置117は、SOAP通信部701、SOAPメッセージ作成部702、SOAPメッセージ解析部703、監視制御部704、デバイス情報処理部705、情報蓄積部706を備える。SOAP通信部701は、監視センタホスト111からネットワーク132を介してSOAPメッセージを受信し、SOAPメッセージ解析部703に渡す。また、SOAP通信部701は、SOAPメッセージ作成部702が作成したSOAPメッセージを監視センタホスト111、配信サーバ133に送信する。SOAPメッセージ作成部702は、デバイス情報処理部705、監視制御部704からの指示に従ってSOAPメッセージを作成する。SOAPメッセージ解析部703は、SOAPメッセージを解析する。
【0035】
監視制御部704は、監視センタホスト111による画像形成装置の監視設定に応じた処理を行う。具体的には、監視制御部704は、監視対象の画像形成装置の情報を情報蓄積部706に記憶・更新する。また、監視制御部704は、監視対象の画像形成装置から取得した情報を情報蓄積部706に記憶する。また、監視制御部704は、情報蓄積部706に記憶した画像形成装置の情報を監視センタホスト111に送信する処理を行う。また、監視制御部704は、情報蓄積部706に記憶した画像形成装置の情報を監視センタホスト111に送信する処理を行う。このために、監視制御部704は、SOAPメッセージ作成部702に対してSOAPメッセージの作成を指示する。
【0036】
デバイス情報処理部705は、監視制御部704によるスケジュール管理に従って、画像形成装置から画像形成装置の稼働状態を示す情報を取得し、情報蓄積部706に記憶する。また、デバイス情報処理部705は、情報蓄積部706に記憶した情報を含むSOAPメッセージをSOAP通信部701を介して監視センタホスト111に送信する制御を行う。このために、デバイス情報処理部705は、SOAPメッセージ作成部702に対してSOAPメッセージの作成を指示する。
【0037】
図5(B)は、画像形成装置の機能ブロック図の例を示す。図5(B)では、画像形成装置131の機能を例にとって説明する。画像形成装置131は、通信制御部80とダウンロード制御部81とを備える。通信制御部80は、画像形成装置131と外部装置との間の通信を制御する。ダウンロード制御部81は、画像形成装置131へのファームウェアのダウンロードに関する制御を行う。ダウンロード制御部81は、配信サーバ133に対して、プレ確認要求を行って、プレ確認の結果を問い合わせる問い合わせ手段として機能する。プレ確認は、配信サーバ133が、問い合わせ元の画像形成装置131に適用されているファームウェアより新しいファームウェアを管理しているかを確認する処理である。本実施形態では、プレ確認は、後述する適用可能ファーム確認よりも、処理の負荷が軽い。本実施形態では、ダウンロード制御部81は、あらかじめ設定されているスケジュールに従って、プレ確認要求を行う。このために、ダウンロード制御部81は、通信制御部80に指示して、プレ確認要求を含むSOAPメッセージを作成させる。
【0038】
ダウンロード制御部81は、通信制御部80を通じて、プレ確認を行った配信サーバ133から問い合わせ結果すなわちプレ確認の結果を受信する。具体的には、ダウンロード制御部81は、上記問い合わせに応じて配信サーバ133から新しいファームウェアを管理していることを示す通知を受信する。ダウンロード制御部81は、受信したプレ確認の結果に基づいて、配信サーバ133が画像形成装置131に適用されているファームウェアより新しいファームウェアを有するかを判断する。また、ダウンロード制御部81は、配信サーバ133が画像形成装置131に適用されているファームウェアより新しいファームウェアを有すると判断した際に、以下の処理を行う要求手段として機能する。ダウンロード制御部81は、配信サーバ133に対して、適用可能ファーム確認要求を行う。適用可能ファーム確認要求は、適用可能ファーム確認の実行を求める要求である。適用可能ファーム確認は、配信サーバ133が、画像形成装置131への適用対象となるファームウェアを決定し、決定されたファームウェアを画像形成装置131に配信する処理である。
【0039】
ダウンロード制御部81は、適用可能ファーム確認要求とともに、画像形成装置131に適用されているファームウェアに関する情報である第1のファーム情報を配信サーバ133に対して送信する。第1のファーム情報は、適用可能ファーム確認要求に含まれる。このために、ダウンロード制御部81は、通信制御部80に指示して、適用可能ファーム確認要求を含むSOAPメッセージを作成させる。なお、ダウンロード制御部81は、配信サーバ133が画像形成装置131に適用されているファームウェアより新しいファームウェアを有しないと判断した場合に、配信サーバ133に対して、適用可能ファーム確認要求を行わない。これにより、配信サーバ133は、この画像形成装置131からの適用可能ファーム確認要求を受けないので、負荷が軽減される。
【0040】
後述するように、適用可能ファーム確認要求を受けた配信サーバ133は、適用可能ファーム確認要求に含まれる第1のファーム情報と、第2のファーム情報との比較結果に基づいて、画像形成装置131への適用対象となるファームウェアを決定する。第2のファーム情報は、予め記憶手段(図8中のファームデータ記憶部1005)に記憶された、配信サーバ133が有するファームウェアに関する情報である。配信サーバ133は、決定したファームウェアを画像形成装置131に配信する。そして、ダウンロード制御部81は、通信制御部80を通じて、配信サーバ133からファームウェアURLの送信を受ける。ファームウェアURLは、ファームウェアが格納されているデータベース上のロケーションを示す情報(ロケーション情報)である。そして、ダウンロード制御部81は、ファームウェアURLすなわち配信サーバ133より適用対象のファームウェアを画像形成装置131にダウンロードするダウンロード手段として機能する。なお、ダウンロード制御部81が、配信サーバ133からファームウェアを直接受信し、受信したファームウェアを画像形成装置131にダウンロードするようにしてもよい。また、ダウンロード制御部81は、ダウンロードされたファームウェアを画像形成装置133に適用する適用手段としても機能する。画像形成装置の制御方法をコンピュータに実行させるコンピュータプログラムは、図5(B)に示す画像形成装置131が備える処理部の機能によって実現される。
【0041】
図5(C)は、図5(B)中の通信制御部80の機能ブロック図の例である。図5(C)中には、通信制御部80が備える処理部のうち、SOAPによる通信に関する機能を実現する処理部を示す。通信制御部80は、SOAP通信部801、SOAPメッセージ作成部802、SOAPメッセージ解析部803、ネットワーク情報取得部804、デバイス情報収集部805を備える。SOAP通信部801は、監視センタホスト111、配信サーバ133からネットワーク132を介してSOAPメッセージを受信する。SOAP通信部803は、受信したSOAPメッセージをSOAPメッセージ解析部803に渡す。また、SOAP通信部801は、SOAPメッセージ作成部802が作成したSOAPメッセージを監視センタホスト111、配信サーバ133に送信する。SOAPメッセージ作成部802は、ネットワーク情報取得部804、デバイス情報処理部805、または図5(B)中に示すダウンロード制御部81からの指示に従ってSOAPメッセージを作成する。例えば、SOAPメッセージ作成部702は、プレ確認要求を含むSOAPメッセージや、適用可能ファームウェア確認要求を含むSOAPメッセージを作成する。SOAPメッセージ解析部803は、SOAPメッセージを解析し、解析結果をネットワーク情報取得部804、デバイス情報取得部806、または図5(B)に示すダウンロード制御部81に渡す。
【0042】
ネットワーク情報取得部804は、DHCP環境において、IP(Internet Protocol)アドレス、DNSサーバ、ゲートウェイアドレスを自動的に取得する。DHCPは、Dynamic Host Configuration Protocolの略称である。DNSは、Domain Name Serverの略称である。ネットワーク情報取得部804がHDD509(図3を参照)に保存されたネットワーク情報を取得するようにしてもよい。デバイス情報収集部805は、画像形成装置131内部のスケジュール、または監視センタホスト111からの指示に従って、画像形成装置131の稼働状態を示す情報、カウンタ情報を取得する。デバイス情報収集部805は、取得したこれらの情報を含むSOAPメッセージの作成を、SOAPメッセージ作成部802に対して指示する。
【0043】
図6は、監視センタホスト、配信サーバ、監視装置、画像形成装置におけるメモリマップの構造を示す図である。監視センタホスト111、配信サーバ133は、本実施形態に関するプログラムをRAM204(図2(A))にロードして、ロードしたプログラムを実行する。各監視装置は、本実施形態に関するプログラムをRAM303(図2(B))またはFlashROM403(図2(C))にロードして、ロードしたプログラムを実行する。また、各画像形成装置は、本実施形態に関するプログラムをRAM508(図3)にロードして、ロードしたプログラムを実行する。図6に示すメモリマップは、監視センタホスト、配信サーバ、監視装置、画像形成装置が、上記RAMまたはFlashROMにプログラムをロードした状態におけるメモリマップである。図6に示すメモリマップは、基本I/O(Input Output)プログラム901、システム・プログラム902、各種処理プログラム903、関連データを格納するエリア904、プログラムのワークエリア905で構成されている。
【0044】
基本I/Oプログラム901は、装置への情報の入力と装置からの情報の出力を制御する。システム・プログラム902は、各種処理プログラムに動作環境を提供する。各種処理プログラムは、本実施形態の処理を実行するプログラムである。なお、容量の制約により、基本I/Oプログラム901乃至ワークエリア905として利用する領域が足りなくなった場合、図2(A)に示す第1HDD205又は第2HDD206をRAM204の領域の一部として扱うことも可能である。また、図2(B)に示すHDD304をRAM303の領域の一部として扱うことも可能である。同様に、図3に示すHDD509をRAM508の領域の一部として扱うことも可能である。
【0045】
図7は、本実施形態のネットワークシステム内の動作処理を説明する図である。
図7(A)は、画像形成装置131と配信システム内の配信サーバ133との動作処理シーケンスの例を示す。まず、画像形成装置131が、配信サーバ133に対して、プレ確認要求を行う(図7(A)のP1)。画像形成装置131は、プレ確認要求とともに、配信サーバ133がプレ確認の実行に用いるデータであるプレ確認用データを配信サーバ133に対して送信する。プレ確認要求は、プレ確認用データを含む。
【0046】
図7(B)は、プレ確認用データの例を示す。プレ確認用データは、シリアルNo.、最終更新時刻、現在時刻を含む。シリアルNo.は、画像形成装置131を一意に識別する識別情報である。最終更新時刻は、画像形成装置131に適用されているファームウェアの最終更新時刻である。現在時刻は現在の時刻である。
【0047】
図7(A)に戻って、配信サーバ133が、プレ確認用データに基づいて、プレ確認を行う(図7(A)中のP2)。プレ確認の詳細については、図8を参照して後述する。そして、配信サーバ133は、配信サーバ133が画像形成装置131に適用されているファームウェアより新しいファームウェアを有するか否かを示す情報をプレ確認の結果として画像形成装置131に返す(図7(A)中のP3)。画像形成装置131は、配信サーバ133から返されたプレ確認の結果に基づいて、配信サーバ133が画像形成装置131に適用されているファームウェアより新しいファームウェアを有するか否かを判断する。画像形成装置131は、配信サーバ133が画像形成装置131に適用されているファームウェアより新しいファームウェアを有しないと判断した場合は処理を終了する。
【0048】
画像形成装置131は、配信サーバ133が画像形成装置131に適用されているファームウェアより新しいファームウェアを有すると判断した場合に、配信サーバ133に対して、適用可能ファームウェア確認要求を行う(図7(A)中のP4)。適用可能ファームウェア確認要求は、配信サーバ133が適用可能ファームウェア確認の実行に用いるデータである適用可能ファームウェア確認用データを含む。
【0049】
図7(C)は、適用可能ファームウェア確認用データの例を示す。適用可能ファームウェア確認用データは、画像形成装置のシリアルNoと、画像形成装置131に適用されているファームウェアのファーム情報(第1のファーム情報)を含む。
【0050】
図7(D)は、第1のファーム情報の例を示す。第1のファーム情報は、ファームグループバージョンとファームタイプといったデータ構成を有する。ファームグループバージョンは、第1のファーム情報に対応するファームウェア全体のバージョンである。ファームタイプは、ファームウェアに含まれる各々のモジュールのタイプである。各々のファームタイプに対してバージョンが対応付けられている。第1のファーム情報に含まれる、ファームタイプとバージョンとの対応情報は、第1のファーム情報に対応するファームウェアの構成情報である。以下では、この対応情報をファーム構成情報と記述する。
【0051】
図7(A)に戻って、適用可能ファームウェア確認要求を受けた配信サーバ133が、適用可能ファームウェア確認を実行する(図7(A)中のP5)。すなわち、配信サーバ133が、画像形成装置131から受信した適用ファームウェア確認用データを用いて、画像形成装置131への適用対象となるファームウェアを決定する。そして、配信サーバ133が、決定したファームウェアをダウンロードするために用いる情報として、ファームウェアURL、リリースノート等を、画像形成装置131に対して送信する(図7(A)中のP6)。画像形成装置131は、受信したファームウェアURLからファームウェアをダウンロードして、インストールする。なお、適用可能ファームウェア確認の詳細については後述する。
【0052】
図8は、配信サーバの機能を説明する例である。図8(A)は、配信サーバ133の機能ブロック図の例である。配信サーバ133は、通信I/F部1001、通信データ制御部1002、データ制御部1003、ファームデータ検索部1004、ファームデータ記憶部1005、商品データ検索部1006、商品データ記憶部1007を備える。
【0053】
通信I/F部1001は、配信サーバ133と配信サーバ133の外部の装置(例えば画像形成装置131)との間の通信を媒介する。通信データ制御部1002は、配信サーバ133と外部の装置との間の通信を制御する。例えば、通信データ制御部1002は、通信I/F部1001を通じて、画像形成装置131からプレ確認要求、適用可能ファームウェア確認要求を受けて、データ制御部1003に渡す。また、通信データ制御部1002は、データ制御部1003から、プレ確認の結果、画像形成装置131への適用対象となるファームウェアのダウンロードに用いる情報を受け、通信I/F部1001を通じて画像形成装置131に送信する。
【0054】
データ制御部1003は、通信データ制御部1002から渡されたプレ確認要求を受け、このプレ確認要求に応じて、プレ確認を実行する応答手段として機能する。すなわち、データ制御部1003は、配信サーバ133が画像形成装置131に適用されているファームウェアより新しいファームウェアを管理しているかを判断する。具体的には、データ制御部1003は、商品データ検索部1006に指示して商品データ記憶部1007を検索させる。これにより、データ制御部1003は、商品データ記憶部1007から、プレ確認要求に含まれる画像形成装置のシリアルNo.に対応付けられている商品コードを取得する。商品コードは、画像形成装置131の商品毎に設定されているユニークなコードである。
【0055】
データ制御部1003は、ファームデータ検索部1004に指示してファームデータ記憶部1005を検索させる。ファームデータ検索部1004は、上記取得された商品コードに対応付けられている第2のファーム情報を検索し、検索により得られた第2のファーム情報に対応するファームウェアの登録時刻を検索する。データ制御部1003は、商品コードに対応付けられる1または複数のファームウェアの登録時刻を取得する。登録時刻は、配信サーバ133が管理しているファームウェアが配信サーバ133に登録された時刻である。データ制御部1003は、プレ確認要求に含まれる最終更新時刻と、上記取得した各々の登録時刻とを比較し、該比較結果に基づいて、配信サーバ133が画像形成装置131に適用されているファームウェアより新しいファームウェアを有するかを判断する。これにより、配信サーバ133は、プレ確認を、後述する適用可能ファームウェア確認の実行にかかる負荷より小さい負荷で実行することができる。
【0056】
最終更新時刻より後の登録時刻がある場合、データ制御部1003は、配信サーバ133が画像形成装置131に適用されているファームウェアより新しいファームウェアを有すると判断する。最終更新時刻より後の登録時刻がない場合、データ制御部1003は、配信サーバ133が画像形成装置131に適用されているファームウェアより新しいファームウェアを有しないと判断する。そして、データ制御部1003は、上記判断結果をプレ確認の結果(問い合わせ結果)として画像形成装置131に対して応答する。すなわち、データ制御部1003は、画像形成装置131からの問い合わせに応じて(応答して)、新しいファームウェアを管理していることを示す通知を行う。
【0057】
また、データ制御部1003は、通信データ制御部1002から渡された適用可能ファームウェア確認要求を受け、適用可能ファームウェア確認要求に応じて、適用可能ファームウェア確認を実行する。すなわち、データ制御部1003は、画像形成装置131への適用対象となるファームウェアを決定して画像形成装置131に対して配信する。
【0058】
データ制御部1003は、以下のようにして画像形成装置131への適用対象となるファームウェアを決定する。データ制御部1003は、適用可能ファームウェア確認要求に含まれる第1のファーム情報と、ファームデータ記憶部1005に記憶された第2のファーム情報とを比較する。第2のファーム情報は、配信サーバ133が有するファームウェアすなわち配信サーバ133に登録されたファームウェアに関する情報である。
【0059】
図8(B)は、第2のファーム情報の例を示す。第2のファーム情報は、図7(D)に示す第1のファーム情報に商品コードが追加された構成を有する。ファームグループバージョンは、第2のファーム情報に対応するファームウェア全体のバージョンである。ファームタイプは、ファームウェアに含まれる各々のモジュールのタイプである。各々のファームタイプに対してバージョンが対応付けられている。第2のファーム情報に含まれる、ファームタイプとバージョンとの対応情報は、第2のファーム情報に対応するファーム構成情報である。
【0060】
データ制御部1003は、第1のファーム情報と第2のファーム情報との比較結果に基づいて、画像形成装置131への適用対象となるファームウェアを決定する。具体的には、データ制御部1003は、商品データ検索部1006に指示して商品データ記憶部1007を検索させる。これにより、データ制御部1003は、商品データ記憶部1007から、適用可能ファームウェア確認要求に含まれる画像形成装置のシリアルNo.に対応付けられている商品コードを取得する。続いて、データ制御部1003は、ファームデータ検索部1004に指示してファームデータ記憶部1005を検索させる。ファームデータ検索部1004は、上記取得された商品コードに対応付けられている第2のファーム情報に含まれるファームグループバージョンを検索する。データ制御部1003は、検索によって得られたファームグループバージョンのうち、第1のファーム情報が含むファームグループバージョンより新しいファームグループバージョンを取得する。
【0061】
データ制御部1003は、第1のファーム情報が含むファームグループバージョンより新しいファームグループバージョンを含む第2のファーム情報を決定する。そして、データ制御部1003は、決定した第2のファーム情報が含むファーム構成情報と、第1のファーム情報が含むファーム構成情報とを比較し、該比較結果に基づいて、画像形成装置131への適用対象となるファームウェアを決定する。これにより、データ制御部1003は、第1のファーム情報内の情報を全ての第2のファーム情報内の情報と比較する場合と較べて、画像形成装置131への適用対象となるファームウェアを迅速に決定することができる。具体的には、データ制御部1003は、第1のファーム情報が含むファームタイプのバージョンと、第2のファーム情報が含むファームタイプのバージョンとを、同じファームタイプ毎に比較する。第2のファーム情報が含むファームタイプのバージョンのうち、第2のファーム情報が含むファームタイプのバージョンより新しいバージョンがある場合、データ制御部1003は、以下の処理を行う。データ制御部1003は、この第2のファーム情報に対応するファームウェアを、画像形成装置131への適用対象となるファームウェアとして決定する。
【0062】
本実施形態では、データ制御部1003は、適用可能ファームウェア確認要求を受けた後、上述した適用可能ファームウェア確認を実行する前に、配信サーバ133の負荷が予め決められた閾値以上となったかを判断する。具体的には、データ制御部1003は、配信サーバ133が備えるCPUの使用率が予め決められた閾値以上となったかを判断する。データ制御部1003が、配信サーバ133と外部装置との間の通信のセッション数が予め決められた閾値以上となったかを判断するようにしてもよい。
【0063】
配信サーバ133の負荷が予め決められた閾値以上となった場合に、データ制御部1003は、画像形成装置131に対して、リスケジュール時間を含む遅延要求を行う。遅延要求は、画像形成装置131に対して、リスケジュール時間を経過した後にプレ確認要求を再度行うことを求める(指示する)要求である。すなわち、リスケジュール時間は、再びプレ確認要求を行うべき時間である。データ制御部1003が、配信サーバ133の負荷が軽くなるまで(所定の値以下になるまで)の時間をリスケジュール時間として算出し、算出したリスケジュール時間を遅延要求において指定する。負荷が予め決められた閾値以上となっていない場合、データ制御部1003は、上述した適用可能ファームウェア確認を実行する。
【0064】
ファームデータ検索部1004は、データ制御部1003からの指示に従ってファームデータ記憶部1005を検索する。商品データ検索部1006は、データ制御部1003からの指示に従って商品データ記憶部1007を検索する。ファームデータ記憶部1005には、第2のファーム情報と、第2のファーム情報に対応するファームウェアの配信サーバ133への登録時刻とが予め記憶されている。商品データ記憶部1007には、画像形成装置のシリアルNo.に対応付けられている商品コードが予め記憶されている。
【0065】
図9は、画像形成装置の動作処理フローの例を説明する図である。まず、画像形成装置131のダウンロード制御部81が、操作部510を用いたユーザの操作入力に基づいて、定期的にアップデートを行うためのスケジュール設定として、アップデート日時を設定する(ステップS1)。ステップS1において、ダウンロード制御部81が、監視センタホスト111からの指示に従ってアップデート日時を設定するようにしてもよい。
【0066】
次に、ダウンロード制御部81が、アップデート日時になったかを判断する(ステップS2)。アップデート日時になっていない場合は、ステップS2に戻る。アップデート日時になった場合は、ダウンロード制御部81が、配信サーバ133に対してプレ確認要求を行い(ステップS3)、プレ確認を行った配信サーバ133からプレ確認の結果を受信する。続いて、ダウンロード制御部81が、受信したプレ確認の結果に基づいて、配信サーバ133が画像形成装置131に適用されているファームウェアより新しいファームウェア(以下、最新ファームウェアと記述)を有するかを判断する(ステップS4)。
【0067】
配信サーバ133が最新ファームウェアを有さない場合は、処理を終了する。配信サーバ133が最新ファームウェアを有する場合、ダウンロード制御部81が、配信サーバ133に対して、適用可能ファーム確認要求を行う(ステップS5)。続いて、ダウンロード制御部81が、適用可能ファーム確認要求に応じた配信サーバ133から受信手段すなわち通信制御部80を介して遅延要求を受けたかを判断する(ステップS6)。配信サーバ133から遅延要求を受けていない場合、ダウンロード制御部81が、配信サーバ133から返されるファームウェアURLから、画像形成装置131への適用対象となるファームウェアをダウンロードして適用する(ステップS9)。
【0068】
配信サーバ133から遅延要求を受けた場合、ダウンロード制御部81が、遅延要求において指定されているリスケジュール時間を設定する(ステップS7)。続いて、ダウンロード制御部81が、上記設定したリスケジュール時間になったかを判断する(ステップS8)。設定したリスケジュール時間になっていない場合は、ステップS8に戻る。設定したリスケジュール時間になった場合は、ステップS3に戻り、ダウンロード制御部81が、再度プレ確認要求を行う。これにより、配信サーバ133は、リスケジュール時間が経過し負荷が軽減された後に画像形成装置131から要求(プレ確認要求、適用可能ファーム確認要求)を受けることができる。
【0069】
図10は、配信サーバの動作処理フローの例を説明する図である。まず、配信サーバ133のデータ制御部1003が、通信I/F部1001および通信データ制御部1002を通じて、画像形成装置131からプレ確認要求を受ける(ステップS11)。次に、データ制御部1003が、プレ確認を実行する(ステップS12)。データ制御部1003が、配信サーバ133が最新ファームウェアを有するかを判断する(ステップS13)。配信サーバ133が最新ファームウェアを有しない場合、データ制御部1003が、画像形成装置131に対して、最新ファームウェアを有しないことを通知する(ステップS18)。配信サーバ133が最新ファームウェアを有する場合、データ制御部1003が、画像形成装置131に対して、最新ファームウェアを有することを通知する(ステップS14)。
【0070】
次に、データ制御部1003が、通信I/F部1001および通信データ制御部1002を通じて、画像形成装置131から適用可能ファームウェア確認要求を受ける(ステップS15)。続いて、データ制御部1003が、配信サーバ133の負荷が閾値以上となったかを判断する(ステップS16)。ここでの配信サーバ133の負荷とは、主に画像形成装置131などの外部装置から配信サーバ133への通信の負荷であって、この負荷が異常に高くないかを判断している。配信サーバ133の負荷が閾値以上となった場合、データ制御部1003が、画像形成装置131に対して、リスケジュール時間を指定して遅延要求を行う(ステップS17)。
【0071】
配信サーバ133の負荷が閾値以上となっていない場合、データ制御部1003が、以下に説明する適用可能ファームウェア確認を実行する。すなわち、データ制御部1003が、ファーム情報の比較処理を行う(ステップS19)。すなわち、データ制御部1003が、適用可能ファームウェア確認要求に含まれる第1のファーム情報と、ファームデータ記憶部1005内の第2のファーム情報とを比較し、該比較結果に基づいて、画像形成装置131への適用対象のファームウェアを決定する。以下では、画像形成装置131への適用対象のファームウェアを適用対象ファームウェアと記述する。
【0072】
次に、データ制御部1003が、適正な適用対象ファームウェアがあるかを判断する(ステップS20)。データ制御部1003が、適正な適用対象ファームウェアがないと判断した場合は、データ制御部1003は、画像形成装置131に対して、配信サーバ133が適用対象ファームウェアを有さないことを通知する(ステップS22)。データ制御部1003が、適正な適用対象ファームウェアがあると判断した場合は、データ制御部1003は、当該適用対象ファームウェアを画像形成装置131にダウンロードさせるために、以下の処理を行う。データ制御部1003は、当該適正な適用対象ファームウェアに対応するファームウェアURLを画像形成装置131に返す(ステップS21)。前述したように、ファームウェアURLは、具体的には、ファームウェアが格納されているデータベース上のロケーションを示す情報であり、画像形成装置131は、この情報に基づき適用対象のファームウェアをダウンロードする。
【0073】
本実施形態の画像形成装置は、配信サーバ133に対して適用可能ファームウェア確認要求をする前に、適用可能ファームウェア確認より処理負荷が低いプレ確認の実行を要求する。そして、画像形成装置131は、プレ確認の結果に基づいて、配信サーバ133が最新ファームウェアを有すると判断した場合にのみ、配信サーバ133に対して適用可能ファームウェア確認要求をする。従って、本実施形態の画像形成装置によれば、画像形成装置に対してファームウェアを配信する配信サーバの負荷を軽減することができる。
【0074】
図11は、図10のステップS19におけるファーム情報の比較処理の例を説明するフローチャートである。この例では、図10のステップS15においてデータ制御部1003が受けた適用可能ファームウェア確認要求は、図7(D)に示す第1のファーム情報を含むものとする。
【0075】
まず、データ制御部1003が、適用可能ファームウェア確認要求に含まれる画像形成装置のシリアルNo.を取得する(ステップS191)。続いて、データ制御部1003が、商品データ記憶部1007から、ステップS191において取得したシリアルNo.に対応付けられた商品コードを検索して取得する(ステップS192)。この例では、取得された商品コードは、“0000XXXX”であるものとする。
【0076】
次に、データ制御部1003が、ファームデータ記憶部1005内の第2のファーム情報のうち、上記取得された商品コード“0000XXXX”に対応する第2のファーム情報があるかを判断する(ステップS193)。商品コード“0000XXXX”に対応する第2のファーム情報がない場合、データ制御部1003は、適正な適用対象ファームウェアがないと判断して(ステップS201)、処理を終了する。
【0077】
商品コード“0000XXXX”に対応する第2のファーム情報がある場合、データ制御部1003が、この第2のファーム情報に含まれるファームグループバージョンを検索する(ステップS194)。データ制御部1003が、ステップS194における検索によって得られたファームグループバージョンのうち、第1のファーム情報が含むファームグループバージョンより新しいファームグループバージョンがあるかを判断する。図7(D)に示す第1のファーム情報が含むファームグループバージョンは、“0015”である。従って、データ制御部1003は、ステップS194における検索によって得られたファームグループバージョンのうち、“0015”以上のファームウェアグループバージョンがあるかを判断する(ステップS195)。“0015”以上のファームウェアグループバージョンがない場合は、ステップS201に進む。
【0078】
“0015”以上のファームウェアグループバージョンがある場合、データ制御部1003が、この“0015”以上のファームウェアグループバージョンを含む第2のファーム情報内のファームタイプを検索する(ステップS196)。すなわち、データ制御部1003が、第2のファーム情報内のファームタイプが第1のファーム情報内のファームタイプを全て含むかを判断する(ステップS197)。第2のファーム情報内のファームタイプに含まれない第1のファーム情報内のファームタイプがある場合は、ステップS201に進む。第2のファーム情報内のファームタイプが第1のファーム情報内のファームタイプを全て含む場合、データ制御部1003が、以下の処理を行う。データ制御部1003が、第2のファーム情報内のファームタイプのバージョンを検索し(ステップS198)。第2のファーム情報内のファームタイプのバージョンと、第1のファーム情報内のファームタイプのバージョンとを、同じファームタイプ毎に比較する。データ制御部1003が、第2のファーム情報内のファームタイプのバージョンのうち、第1のファーム情報内のファームタイプのバージョンより新しいバージョンがあるかを判断する(ステップS199)。第2のファーム情報内のファームタイプのバージョンのうち、第1のファーム情報内のファームタイプのバージョンより新しいバージョンがない場合は、ステップS201に進む。
【0079】
第2のファーム情報内のファームタイプのバージョンのうち、第1のファーム情報内のファームタイプのバージョンより新しいバージョンがある場合、データ制御部1003は、以下の処理を行う。データ制御部1003は、第2のファーム情報に対応するファームウェアを適用対象ファームウェアに決定し、決定した適用対象ファームウェアが適正であると判断する(ステップS200)。
【0080】
図12は、他の実施形態における配信サーバの動作処理フローを示す図である。図12中のステップS31乃至S36は、図10中のステップS11乃至S16と同様である。また、図12中のステップS38乃至S42は、図10中のステップS18乃至S22と同様である。図12に示す例では、配信サーバ133が、公知技術であるCPUの仮想化技術を用いて、CPUすなわち配信装置を制御する制御手段を動的に追加する機能を有する。
【0081】
データ制御部1003が、配信サーバ133の負荷が閾値以上となったと判断した場合(ステップS36)、ステップS37に遷移する。ステップS37においては、配信サーバ133が、外部との通信を行うために割り当てているCPUを動的に追加する。また、ステップS37において、配信サーバ133が、配信サーバ133と外部装置との通信のセッション数の上限を大きくするようにしてもよい。その後、配信サーバ133は、再度、画像形成装置131にプレ確認の要求を行わせるための指示を送信する。画像形成装置131は、この指示を受け取り次第、プレ確認を行うことになる。なお、ここでは画像形成装置131にプレ確認の要求を行わせるための指示の代わりに、画像形成装置131に適用可能ファームウェアの確認要求を行わせるための指示を画像形成装置131に対して送信してもよい。図12を参照して説明した他の実施形態における配信サーバ133によれば、配信サーバ133の負荷が上限に達した場合に、配信サーバ133の負荷を軽減することができる。
【0082】
(その他の実施例)
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。この場合、そのプログラム、及び該プログラムを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して、配信システムからファームウェアの配信を受ける画像形成装置であって、
あらかじめ設定されているスケジュールに従って、前記配信システムに対して、該配信システムが前記画像形成装置に適用されているファームウェアより新しいファームウェアを管理しているかの問い合わせを行う問い合わせ手段と、
前記問い合わせに応じて前記配信システムから新しいファームウェアを管理していることを示す通知を受信した際に、前記配信システムに対して、前記画像形成装置への適用対象となるファームウェアの配信の要求を行う要求手段と、
前記画像形成装置への適用対象となるファームウェアがある場合には、前記配信システムより適用対象のファームウェアをダウンロードするダウンロード手段と、
前記ダウンロードされたファームウェアを前記画像形成装置に適用する適用手段と、
前記要求に応じて、前記配信システムから再び前記問い合わせを行うべき時間を含む指示を受信する受信手段とを備え、
前記問い合わせ手段は、前記受信手段により受信した指示に含まれる時間に、再び前記問い合わせを行うことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記問い合わせ手段による問い合わせには、画像形成装置の識別情報と当該画像形成装置に適用されているファームウェアの最終更新時刻とが含まれることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記配信システムでは、前記問い合わせに含まれる最終更新時刻と、前記配信システムが管理しているファームウェアの登録時刻とを比較した際の比較結果に基づいて、前記配信システムが前記画像形成装置に適用されているファームウェアより新しいファームウェアを管理しているかが判断され、さらに当該判断結果に基づき、前記問い合わせに応じて新しいファームウェアを管理していることを示す通知が前記画像形成装置に対して行われることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記要求手段による要求には、画像形成装置に適用されているファームウェアのバージョンを示す情報が含まれることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
ネットワークを介して、配信システムからファームウェアの配信を受ける画像形成装置における制御方法であって、
あらかじめ設定されているスケジュールに従って、前記配信システムに対して、該配信システムが前記画像形成装置に適用されているファームウェアより新しいファームウェアを管理しているかの問い合わせを行う問い合わせ工程と、
前記問い合わせに応じて前記配信システムから新しいファームウェアを管理していることを示す通知を受信した際に、前記配信システムに対して、前記画像形成装置への適用対象となるファームウェアの配信の要求を行う要求工程と、
前記画像形成装置への適用対象となるファームウェアがある場合には、前記配信システムより適用対象のファームウェアをダウンロードするダウンロード工程と、
前記ダウンロードされたファームウェアを前記画像形成装置に適用する適用工程と、
前記要求に応じて、前記配信システムから再び前記問い合わせを行うべき時間を含む指示を受信する受信工程とを備え、
前記問い合わせ工程では、前記受信工程で受信した指示に含まれる時間に、再び前記問い合わせを行うことを特徴とする制御方法。
【請求項6】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の手段としてコンピュータを機能させるためのコンピュータプログラム。
【請求項7】
画像形成装置と、ネットワークを介して前記画像形成装置に対してファームウェアを配信する配信システムとを備えるネットワークシステムであって、
前記画像形成装置は、
あらかじめ設定されているスケジュールに従って、前記配信システムに対して、該配信システムが前記画像形成装置に適用されているファームウェアより新しいファームウェアを管理しているかの問い合わせを行う問い合わせ手段と、
前記配信システムから新しいファームウェアを管理していることを示す通知を受信した際に、前記配信システムに対して、前記画像形成装置への適用対象となるファームウェアの配信の要求を行う要求手段と、
前記画像形成装置への適用対象となるファームウェアがある場合には、前記配信システムより適用対象のファームウェアをダウンロードするダウンロード手段と、
前記ダウンロードされたファームウェアを前記画像形成装置に適用する適用手段と、
前記要求に応じて、前記配信システムから再び前記問い合わせを行うべき時間を含む指示を受信する受信手段とを備え、
前記配信システムは、
前記画像形成装置からの前記問い合わせに応じて、前記画像形成装置に適用されているファームウェアより新しいファームウェアを管理している際に、前記画像形成装置に対して新しいファームウェアを管理していることを示す通知を行う応答手段と、
前記画像形成装置からの要求に応じて、前記画像形成装置への適用対象となるファームウェアがある場合には、当該ファームウェアを画像形成装置にダウンロードさせるために、当該ファームウェアが格納されているロケーション情報を前記画像形成装置に返す手段と、
前記画像形成装置からの要求を受けた際に、前記配信システムにおける通信の負荷が閾値以上の場合には、前記画像形成装置が再び前記問い合わせを行うべき時間を含む指示を送信する送信手段とを備え、
前記画像形成装置が備える前記問い合わせ手段は、前記受信手段により受信した指示に含まれる時間に、再び前記問い合わせを行うことを特徴とするネットワークシステム。
【請求項8】
前記配信システムでは、前記問い合わせに含まれる前記画像形成装置に適用されているファームウェアの最終更新時刻と、前記配信システムが管理しているファームウェアの登録時刻とを比較した際の比較結果に基づいて、前記配信システムが前記画像形成装置に適用されているファームウェアより新しいファームウェアを管理しているかが判断され、
前記応答手段は、当該判断結果に基づき、前記問い合わせに応じて新しいファームウェアを管理していることを示す通知を行うことを特徴とする請求項7に記載のネットワークシステム。
【請求項9】
前記要求手段による要求には、画像形成装置に適用されているファームウェアのバージョンを示す情報が含まれることを特徴とする請求項7または8に記載のネットワークシステム。
【請求項10】
前記配信システムは、前記要求に含まれる画像形成装置に適用されているファームウェアのバージョンを示す情報に基づき、前記配信システムが管理している新しいファームウェアの中から前記画像形成装置への適用対象となるファームウェアを決定することを特徴とする請求項7乃至9のいずれか1項に記載のネットワークシステム。
【請求項11】
画像形成装置と、ネットワークを介して前記画像形成装置に対してファームウェアを配信する配信システムとを備えるネットワークシステムにおける制御方法であって、
前記画像形成装置が、あらかじめ設定されているスケジュールに従って、前記配信システムに対して、該配信システムが前記画像形成装置に適用されているファームウェアより新しいファームウェアを管理しているかの問い合わせを行う問い合わせ工程と、
前記配信システムが、前記画像形成装置からの前記問い合わせに応じて、前記画像形成装置に適用されているファームウェアより新しいファームウェアを管理している際に、前記画像形成装置に対して新しいファームウェアを管理していることを示す通知を行う応答工程と、
前記画像形成装置が、前記配信システムから新しいファームウェアを管理していることを示す通知を受信した際に、前記配信システムに対して、前記画像形成装置への適用対象となるファームウェアの配信の要求を行う要求工程と、
前記配信システムが、前記画像形成装置からの要求に応じて、前記画像形成装置への適用対象となるファームウェアがある場合には、当該ファームウェアを画像形成装置にダウンロードさせるために、当該ファームウェアが格納されているロケーション情報を前記画像形成装置に返す工程と、
前記ロケーション情報を返された前記画像形成装置が、前記配信システムより適用対象のファームウェアをダウンロードするダウンロード工程と、
前記画像形成装置が、前記ダウンロードされたファームウェアを前記画像形成装置に適用する適用工程とを有し、
前記配信システムが、前記画像形成装置からの要求を受けた際に、前記配信システムにおける通信の負荷が閾値以上の場合には、前記画像形成装置が再び前記問い合わせを行うべき時間を含む指示を送信し、
前記画像形成装置が、前記要求に応じた前記配信システムから再び前記問い合わせを行うべき時間を含む指示を受信し、
前記画像形成装置が、前記受信工程で受信した指示に含まれる時間に、再び前記問い合わせを行うことを特徴とする制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−56199(P2012−56199A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−201880(P2010−201880)
【出願日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】