説明

画像形成装置、プリントパック陳列棚およびプリント料金計算装置

【課題】プリントを自動パッキングするプリント生産システムにおいて、商品としてのプリントパックの陳列や検索、料金計算等の手間を大幅に低減できる画像形成装置、プリントパック陳列棚およびプリント料金計算装置を提供する。
【解決手段】プリントパックに、このプリントパックを識別する識別情報を記憶するICタグを挿入し、ICタグの識別情報を用いたプリントパックの検索や、データベースとの情報のやり取りを行うことにより、前記課題を解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリントを作成して自動包装してプリントパックとする画像形成に関し、詳しくは、製品としてのプリントパックの検索やプリント料金の計算等を容易にできる画像形成装置、プリントパック陳列棚、およびプリント料金計算装置に関する。
【背景技術】
【0002】
パーソナルコンピュータ(PC)やPDA(Personal Digital Assistance)等の普及に伴い、デジタルカメラの普及率が拡大している。さらに、撮影機能を有する携帯電話も普及している。
デジタルカメラや携帯電話等で撮影された画像は、PC等に取り込まれて処理され、ホームページや年賀状等の各種の用途に使用されるのが通常である。しかしながら、これらで撮影した画像を高品位な(写真)プリントとして残したいという要望も多い。これに対応して、近年では、ラボ店等の専門の業者によって、デジタルカメラや携帯電話等で撮影された画像からのプリント作成が行われている。
【0003】
デジタルカメラ等で撮影した画像のプリント作成をプリント業者に注文する場合には、例えば、ラボ店等の店頭や各種商業施設内等に設置されるプリント注文受付機(以下、受付機とする)を用いて行われる。
【0004】
受付機は、通常、撮影した画像(画像データ)を記憶するメモリーカード、ICカード、CD−Rなどの記録媒体を装填し、あるいは、直接もしくは接続手段を用いてデジタルカメラや携帯電話を接続すると、画像を読み取って、注文画面と共にディスプレイに表示する。
顧客は、タッチパネルとなっているディスプレイや所定の入力方法を用いて、プリント作成する画像、プリントサイズ、画像毎のプリント枚数などの注文情報を入力する。注文が確定して、出力指示が出されると、画像と注文情報とが対応付けされて、例えばラボ店などのサーバや画像処理装置に送られ、此処からデジタルのフォトプリンタに画像が供給されて、注文情報に応じたプリントが作成、出力される。
【0005】
また、近年では、インターネットなどの通信手段を利用して、写真注文ソフトウエアのインストールやラボ店のホームページの閲覧等によって、自宅のパーソナルコンピュータを受付機として作用させ、通信手段によって画像および注文情報をラボ店等に送って、プリント作成を注文する、いわゆるネット注文も行われている。
【0006】
従来の写真フィルムからのプリント作成では、ラボ店等の店頭でプリント作成注文を受け付けると、DP袋と呼ばれる専用の袋に顧客(プリント注文者)の氏名や連絡先(住所、電話番号等)などを記録して写真フィルム(パトローネやカートリッジ等)を収容し、プリント作成を行う際に、DP袋から写真フィルムを取り出して現像処理を行い、現像済のフィルムを用いて(仕上がり写真)プリントを作成して、プリントと現像済のフィルムとを対応するDP袋に入れて、顧客に返却している。
【0007】
これに対し、デジタルカメラ等で撮影した画像からのプリント作成では、写真フィルムが存在しない。そのため、出荷時の作業が簡単になり、プリントの作成から包装までの工程を自動化することができる。
例えば、特許文献1には、注文情報が記憶される注文情報記憶部と、(写真)プリントを作成するための画像データ記憶部と、画像データに基づいて感光材料を露光する画像露光部と、注文情報を画像データに変換して画像露光部にって注文情報プリントを感光材料に露光させる注文情報制御部とを有し、かつ、プリント収納袋にプリントおよび注文情報プリントを収納するプリント受け入れ手段を有し、あるいはさらに、注文情報プリントおよび所定数のプリントを収容したプリント収納袋を閉塞する機構を有するデジタルのフォトプリンタ(写真処理機)が開示されている。
【特許文献1】特開2003−35938号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
このように、デジタルカメラ等で撮影した画像からのプリント作成では、フィルムを取り扱わないため、プリント作成から、プリントの袋詰め(以下、プリントを袋詰めしたものをプリントパックとする)までを自動化することができ、ラボ店などにおける手間を大幅に低減することができる。
【0009】
ところで、このようなプリントパックも含め、プリントを注文した顧客に提供する際には、例えば、プリント(前記プリントパックやプリントを収容するDP袋)を陳列棚に配列しておき、顧客から受け取った引換券の受付番号をもとに、陳列棚から店員がプリントを探して、引換券およびプリント料金と交換でプリントを渡している。あるいは、省力化のために、同様に陳列棚にプリントを配列しておき、顧客が自身のプリントを探して取り出し、レジでプリント料金を清算する方法が取られる場合もある。
【0010】
いずれの場合であっても、プリントの件数が多い場合には、顧客でも店員でも、陳列棚から目的とするプリントを探し出すのが大変である。また、顧客や店員がプリントを探し易くするには、顧客の名前順や受付番号順など、定められた順番でプリントを配列しておく必要があり、やはり、店員の手間が大変である。
すなわち、現状では、前述のようなプリントパックによってラボ店などにおける手間を大幅に低減することができるものの、作成したプリントパックを手間を掛けずに顧客に提供する技術は、知られていない。
【0011】
本発明の目的は、前記従来技術の問題点を解決することにあり、(仕上がり写真)プリントの自動包装を行って、プリントパックとして提供するに際し、多数のプリントパックを収容する陳列棚から目的とするプリントパックを容易に探し出すことができ、また、プリント料金の清算も容易に行うことができ、さらに、大サイズプリントを合わせて注文された件や、枚数が多くて1つのプリントパックに入りきらず複数にパックが別れてしまった件など、1つのプリントパック以外にもプリントを有する場合に、商品の取り忘れや渡し忘れも防止することができる画像形成装置、プリントパック陳列棚、およびプリント料金計算装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記目的を達成するために、本発明の画像形成装置は、画像データに応じて記録媒体に画像を記録して、前記画像データを再生したプリントを作成する画像形成部と、前記画像形成部が作成したプリントをまとめて袋詰めしてプリントパックとするパッカーとを有し、かつ、前記パッカーは、ICタグを前記プリントパックに投入する手段と、前記ICタグの情報を読み取る手段および前記ICタグに情報を記録する手段の少なくとも一方とを有することを特徴とする画像形成装置を提供する。
【0013】
このような本発明の画像形成装置において、前記パッカーは、前記プリントとICタグとを、前記プリントパック内の互いに異なる領域に収容するのが好ましく、さらに、前記パッカーは、1つのプリントパックにおいて、同一件のプリントで、このプリントパックに収容されないプリントが有る場合には、このプリントパックに収容するICタグに、このプリントパック以外にもプリントが有る旨の情報を記録するのが好ましい。
【0014】
また、本発明のプリントパック陳列棚は、識別情報が記録されたICタグおよびプリントを収容するプリントパックを複数陳列する少なくとも1つの陳列部と、前記ICタグの情報を読み取る、各陳列部に配置されるICタグリーダと、目的とするプリントパックが存在することを示す出力を行う、各陳列部に配置される出力手段と、識別情報の入力手段とを有し、前記入力手段に入力された識別情報に応じて、前記ICタグリーダがプリントパックのICタグの識別情報を取得し、前記入力された識別情報を取得できたICタグリーダが対応する前記陳列部の出力手段が、前記目的とするプリントパックが存在することを示す出力を行うことを特徴とするプリントパック陳列棚を提供する。
【0015】
このような本発明のプリントパック陳列棚において、前記ICタグには、識別情報としてプリントパック毎の受付番号が記録されており、前記入力手段は、前記プリントパックの受付番号を入力されるのが好ましく、もしくは、前記識別情報がICタグに固有のタグIDであり、前記入力手段は、前記プリントパックの受付番号を入力され、さらに、プリントパック毎の受付番号と前記タグIDとを対応付けして記憶する記憶手段を有し、前記入力手段に受付番号が入力されたら、前記記憶手段を参照して受付番号に対応するタグIDを知見するのが好ましい。
【0016】
さらに、本発明のプリント料金計算装置は、識別情報が記録されたICタグおよびプリントを収容するプリントパックの前記ICタグの情報を読み取るICタグリーダと、前記ICタグリーダが読み取った情報を用いて、前記プリントパックに収容されるプリントのプリント料金を知見し、出力する出力手段とを有し、かつ、前記ICタグに記録された情報から、同一件のプリントで、このプリントパックに収容されないプリントが有ることを知見した場合に、このプリントパック以外にもプリントが有ることを報知することを特徴とするプリント料金計算装置を提供する。
【0017】
このような本発明のプリント料金計算装置において、同一件のプリントで、このプリントパックに収容されないプリントが有る旨の情報が、前記ICタグに記録されているのが好ましく、もしくは、各プリントパックのICタグの識別情報と、このプリントパックに関する情報とを対応付けして記憶するデータベースを有し、かつ、プリントパックに関する情報は、このプリントパック以外にもプリントが有るか否かの情報を含むものであり、前記ICタグから読み取った識別情報を用いてデータベースを検索して、前記プリントパックに関する情報を用いてプリントパックに収容されないプリントが有ることを知見するのが好ましい。
【発明の効果】
【0018】
このような本発明によれば、プリントを袋詰めしてプリントパックとして提供するプリント生産において、プリントと共に、受付番号などの識別情報等を記録したICタグをプリントパックに収容する。
従って、このICタグの情報を用いて、プリントを多数陳列するプリント陳列棚からの目的とするプリントパックの検出や、プリント料金の計算等を、容易かつ自動的に行うことができ、さらに、大サイズプリントを含む件や枚数が多くてプリントパックが複数に別れてしまった件など、1つのプリントパック以外にもプリントを有する場合に、商品の取り忘れや渡し忘れも防止することができる。
すなわち、本発明によれば、プリント作成において、処理を自動化してプリントパックとしてプリントを提供することによる手間の低減に加え、プリントパックの提供や料金清算の手間も大幅に低減することができ、ラボ店などにおける作業効率を大幅に向上することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の画像形成装置、プリントパック陳列棚、および料金計算装置について、添付の図面に示される好適実施例を基に詳細に説明する。
【0020】
図1は、本発明の画像形成装置、プリントパック陳列棚およびプリント料金計算装置を利用するプリント生産システムの一例を概念的に示すブロック図である。
図示例のプリント生産システム10(以下、システム10とする)は、主にデジタルカメラや携帯電話等で撮影された画像(画像データ)から、顧客の注文(注文データ)に応じた(仕上がり写真)プリントを作成し、プリントを収容してなるプリントパックとするもので、一例として、プリント注文受付機12(以下、受付機12とする)と、オーダーコントローラ14と、画像・オーダ情報データベース16(以下、画像・オーダDB16とする)と、画像処理装置17と、プリンタ18と、プリントパック陳列棚20と、プライシング装置22とを有して構成される。
受付機12、オーダコントローラ14、画像・オーダDB16、画像処理装置17、プリンタ18、およびプライシング装置22は、公知のネットワークによって接続されている。また、必要に応じて、プリントパック陳列棚20も、このネットワークによって接続されてもよいのは、もちろんである。
【0021】
なお、オーダコントローラ14、画像・オーダDB16、画像処理装置17、およびプリンタ18は、一体的に構成されてもよく、あるいは、全て別体で構成されてもよく、あるいは、オーダコントローラ14と画像・オーダDB16とが一体の構成や、画像・オーダDB16と画像処理装置17とプリンタ18とが一体の構成等であってもよく、オーダコントローラ14が画像・オーダDB16に内蔵される等、ある部位が他の部位を内蔵する構成であってもよい。
また、システム10は、これらの各部位を1以上有してもよい。
【0022】
受付機12は、ラボ店の店頭や商業施設等に設置され、デジタルカメラや撮影機能を有する携帯電話等の撮像装置で撮影された画像(画像データ)からのプリント作成の注文を受け付ける、公知のプリント注文受付機である。
【0023】
すなわち、受付機12は、顧客(プリント作成の注文者)によって記憶媒体が所定位置に装填され、あるいは、デジタルカメラや携帯電話などの撮像装置が接続されると、これらが記憶している画像(画像データ)を読み出し、ディスプレイに表示し、顧客に、プリントサイズや枚数などのプリント注文のための必要な情報(注文データ)の入力を促す。
顧客による注文が終了したら、受付機12は、1件(1オーダ)毎に、受付番号(受付ID)を生成し、画像と注文データと受付番号とを対応付けして、注文データをオーダコントローラ14に、画像を画像・オーダDB16に送る。また、1件の注文が終了すると、受付機12は、受付番号、注文内容、納期、受付番号を示すバーコード等を記載した受付伝票を作成して、出力する。
なお、注文データとしては、受付番号、プリントを作成する画像、プリントサイズ、枚数、納期などのプリント作成のための必須の情報に加え、受付日時、顧客ID、顧客の氏名、顧客の連絡先(電話番号など)、顧客の住所等が例示される。
【0024】
また、システム10においては、店頭等に設置される専用の受付機12ではなく、自宅などのPC(パーソナルコンピュータ)等から、インターネット等のコンピュータ通信ネットワークを用いてプリント作成を注文する、いわゆるネット注文や、携帯電話からのEメールでの注文等にも対応可能である。すなわち、この際には、顧客の自宅のPC等がシステム10のプリント注文受付機となる。この際においては、例えば、ラボ店等が開設しているホームページなどにアクセスして閲覧することで、PC等をシステム10のプリント注文受付機として作用させてもよく、専用の注文用ソフトウエアをPC等にダウンロードして、PC等をシステム10のプリント注文受付機として作用させてもよい。
これ以外にも、ラボ店等が有するPCに専用の注文受付用ソフトウエアをインストールすることで、このPCをシステム10のプリント注文受付機として作用させてもよい。
【0025】
さらに、システム10(プリンタ18)は、受付機12で受け付けた画像のみならず、写真フィルムをスキャナ(画像読取装置)で読み取って得られた画像(画像データ)からのプリント作成に対応してもよい。
【0026】
オーダコントローラ14は、受付機12から供給された注文データに応じて、オーダーテーブルを作成/更新し、かつ、オーダーテーブルに応じて、受付機12から供給された注文データを画像・オーダDB16に送る。
オーダーテーブルとは、各件毎の注文における注文データの内容(プリント枚数や納期等)に応じてオーダーコントローラ14が決定した、各画像毎のプリント処理順(プリントの作成順)を示すテーブルである。オーダーコントローラ14は、新しい件の注文データを受け取ったら、その件の納期等を判断して新しい処理順を決定して、オーダーテーブルを更新する。
【0027】
画像・オーダDB16は、受付機12から供給された画像を記憶すると共に、オーダコントローラ14のオーダテーブルを参照して、オーダテーブルに示された処理順に応じて、画像とオーダコントローラ14から供給された注文データとを対応付けして、画像処理装置17に送る。
また、画像・オーダDB16は、注文データから、1つのプリントパック毎(通常は、1件毎)に、プリントサイズやプリント枚数をまとめた処理情報を生成し、処理情報と受付番号とを対応付けして記憶する。ここで、処理情報には、その件の総パック数の情報、およびパック数に応じた追番が含まれる。例えば、受付番号1001番の件が1つのプリントパックに納まらず、2つに別れてしまう場合には、1つめのパックの処理情報に「受付番号1001、総パック数2、追番1」が付され、2つめのパックの処理情報に「受付番号1001、総パック数2、追番2」が付される。
なお、処理情報には、これ以外にも、注文データに含まれる各種の情報を有してもよいのは、もちろんである。また、画像・オーダDB16が記憶した画像や処理情報等は、不要になった時点で、適宜、消去すればよい。
【0028】
画像処理装置17は、画像・オーダDB16から供給された画像に、順次、所定の画像処理を施してプリンタ18での出力に対応するプリント用画像とし、プリント用画像を注文情報と対応付けしてプリンタ18に送る。なお、画像処理装置17で施す画像処理には特に限定はなく、画像の拡大/縮小(電子変倍処理)、階調補正、色/濃度補正、彩度補正、シャープネス処理等の公知の各種の画像処理が利用可能である。また、何れの画像処理も、公知の方法で実施すればよい。
さらに、画像処理装置17は、好ましい態様として、1つのプリントパック毎に、注文データに応じた各種の情報を示した注文プリントを作成するための注文プリント用画像(注文プリント用画像データ)を作成して、そのプリントパックに対応付けして、プリンタ18に供給する。プリンタ18への注文プリント用画像の供給は、後述するプリントパック80内で注文プリント(画像記録面)が表面に出るようにすればよく、例えば、プリンタ18が裏面排紙である場合には1件の最初に、表面排紙である場合には1件の最後に、注文プリント用画像をプリンタ18に供給すればよい。
【0029】
注文プリントの記載内容には、特に限定はなく、顧客自身が注文した件を確実に識別できるものであれば、注文データが有する各種の情報が記載可能である。
図2に、注文プリントの一例を示す。この注文プリントには、注文データに応じて、受付番号、受付日時、顧客ID、顧客の電話番号(TEL)、顧客の住所および氏名、プリントを作成した画像のファイル名と枚数、プリント料金、および、受付番号等を示すバーコードが記載されている。
なお、注文プリントに再生する情報は、これに限定はされず、これ以外にも、プリント店の店名、プリント店の宣伝、プリントのインデックス画像、割引券等が例示される。
【0030】
さらに、画像処理装置17は、1つのプリントパック(あるいは1件)の最後の画像(プリント用画像もしくは注文プリント用画像)を供給した後、プリントパック毎の区切りを示すソート情報をプリンタ18に出力する。
【0031】
プリンタ18は、画像処理装置17から供給されたプリント用画像および注文プリント用画像、ならびに注文データに応じて、感光材料A(印画紙)を露光して潜像を形成し、所定の湿式現像を施して、乾燥して(仕上がり写真)プリントとし、さらに、パッキング(袋詰め包装)してプリントパック80とするものである。また、プリンタ18は、各プリントパック80に、挿入されたプリント(件)の受付番号等を記録したICタグ90も挿入する。
図示例において、プリンタ18は、露光部30と、プロセサ32と、パッカー34とを有して構成される。なお、特に説明はしないが、感光材料Aは、搬送ローラ対等の公知の搬送手段によって、各部位に搬送される。
【0032】
図示例のプリンタ18において、露光部30には、感光材料Aを巻回してなる感光材料ロール38を収容するマガジン40を2個装填可能となっている。
感光材料Aは、マガジン40から引き出されて、カッタ42によってプリントサイズに応じて切断され、バックプリンタ44によってバックプリントを記録された後、所定の露光位置に供給される。
【0033】
画像処理装置17から供給された画像(プリント用画像および注文プリント用画像)は、露光ユニット46に送られる。
露光ユニット46は、画像に応じて変調した光ビームL(記録光)を主走査方向に偏向して、前記露光位置に入射する。一方、感光材料Aは、前記露光位置に位置されつつ、主走査方向と直交する副走査方向に走査搬送される。従って、感光材料Aは、画像に応じて変調された光ビームLによって二次元的に走査露光され、潜像を記録される。潜像を記録された感光材料Aは、順次、プロセサ32に供給される。
【0034】
プロセサ32は、現像部48および乾燥部50を有して構成される。
露光部30で潜像を形成され、プロセサ32に供給された感光材料Aは、まず、現像部48において、各処理槽に搬送されて、現像、漂白/定着、水洗の各処理を、順次、行われ、次いで、乾燥部50においてヒータ等によって乾燥され、搬送部52を経て、(仕上がり写真)プリントPとして、パッカー34(集積部68)に排出される。
また、プリントパック80に入らない大きなサイズのプリントは、搬送部52には搬送せず、乾燥部50から上方の大サイズプリント排出部54に排出する。この搬送路の切り替えは、例えば切り替えガイドを用いる方法等の公知の方法で行えばよい。
【0035】
パッカー36は、注文データに応じて、プリントを集積してパッキングするもので、包装用シートSを供給するシート供給部60と、開口手段62と、ストッパ64と、シール・カット部66と、集積部68と、製品収容部70とを有して構成される。また、パッカー36は、ICタグ挿入部58およびICタグライタ102を有し、各プリントパックに、ICタグ90を挿入すると共に、このプリントの件に対応する受付番号、総パック数および追番をICタグ90に記録する。
なお、パッキングは、通常は1件ずつ行うが、1件の枚数が多すぎて、プリントが1つのプリントパックに収容できない場合には、パッカー36は、1件のプリントパック80を複数に分けて作成する。
【0036】
ICタグ挿入部58は、図4に模式的に示すように、プリントパック80にICタグ90を挿入するもので、供給ロール92と、巻取りロール94と、ICタグ挿入手段96とを有して構成される。
ICタグ90は、アンテナやメモリなどを含むICチップ等を有し、ICタグリーダやICタグライタと無線で接続して情報の送信や受信/記録等を行う、例えばRFID(Radio Frequency IDentification)技術を利用する、公知のICタグである。
【0037】
図示例において、ICタグ90は、通常のICチップ等と同様、テープT(テープキャリア)に貼着された状態で供給される。テープTは、ロール状に巻回された状態で、供給ロール92に装填され、ガイドロール98および100に案内されて、ICタグ挿入手段96を経た所定の経路で搬送され、巻取りロール94で巻き取られる。
ICタグ挿入手段96は、テープTに貼着されたICタグ90を取り外して、所定の位置に落すことにより、後述するように切込みcを開放した包装用シートSにICタグ90を挿入する。
【0038】
包装用シートSは、図5に示すような、2枚のシートを重ね合わせて端部で接着してなる、筒状の透明な長尺シートであって、一面には、1つのプリントパック80に対応する間隔tで、長手方向と直交する方向に延在して切込みcが形成されている。
【0039】
シート供給部60において、包装用シートSはロール状に巻回されたシートロール72として、切込みcを有する面を集積部68に向けて装填され、ガイドロール72および搬送ローラ対76によって、所定の経路を搬送される。
開口手段62は、包装用シートSの切込みcの直下を保持(例えば、吸引による保持)して、包装用シートSの筒を開く方向(図中矢印a方向)に移動することで、包装用シートSの切込みcを開口させる。さらに、ファンによる風を上方から切込みcに吹きつけ、包装用シートSを膨らませるのが好ましい。
【0040】
開口手段62に対向する位置には、ICタグライタ102が配置される。
ICタグライタ102は、ICタグ90に受付番号等の所定の情報を記録する、公知のICタグライタである。なお、本発明においては、ICタグライタ102に変えて、ICタグへの情報記録機能に加え、ICタグの情報読取機能を有するICタグリーダ・ライタを配置してもよい。また、後述するように、プリントパック80の識別をICタグ90に固有の識別情報(タグID)で行う場合には、ICタグライタに変えて、ICタグリーダもしくはICタグリーダ・ライタを配置する。
【0041】
開口手段62およびICタグライタ102の下方には、シール・カット部66が配置される。
シール・カット部66は、例えば、加熱によって包装用シートSを融着(シール)かつ切断するもので、包装用シートSの搬送方向の中心部に幅方向に延在する微細な凸部を有するヒータを有する。また、図示例においては、シール・カット部66のヒータは、凸部、凸部の上部、凸部の下部で、独立して加熱をコントロールできるようになっている。
【0042】
図示例において、包装用シートSは、後述するように下端部80aをシールされた状態で、下部を搬送ローラ対76によって案内され、かつ、開口手段62によって切込を開放された状態で、ガイドロール74から垂下した状態で待機している。
この状態で、まず、ICタグ挿入部58のICタグ挿入手段96が1つのICタグ90をテープから剥がして、所定の位置に投入する。ICタグ90は、ガイド108に案内されれて落下し、開放された切込みcから包装用シートS内に投入される。
【0043】
次いで、シール・カット部66が、凸部よりも上(もしくは下)のみを加熱して、図4に示すように中間シール部80bを閉塞(シール)する。従って、図示例において、シール・カット部102は、この待機状態で包装用シートS(プリントパック80)の中間シール部80bの位置に対応するように配置される。
【0044】
また、ICタグライタ102が、包装用シートS内に投入されたICタグ90に、このプリントパック80に収容されるプリント(件)の受付番号、総パック数、および追番を記録する。
なお、ICタグ90に記録する情報は、受付番号等のみに限定はされず、これ以外にも、顧客ID、プリント枚数、プリント料金等、注文データに応じた各種の情報や注文プリントに記録する各種の情報を記録してもよい。
【0045】
ここで、例えば、1件のプリントの枚数が1つのプリントパックに収容可能な枚数を超えており、他にもプリントパックが有る場合や、この件の注文にプリントパック80に収容できない大サイズのプリントが含まれている場合のように、プリントパック80に収容されるプリントと同一の件で、このプリントパック80に収容されないプリントが存在する場合には、好ましい態様として、ICタグライタ102は、ICタグ90に、その旨を示す情報(以下、便宜的に「分割情報」とする)を記録する。
なお、分割情報は、注文データから画像・オーダDB16で生成して、注文データと共に画像・オーダDB16からプリンタ18に供給してもよく、1件のプリント作成の処理内容から、プリンタ18が生成してもよい。
【0046】
また、必要に応じて、中間シール部80bの閉塞あるいはさらにICタグ90への情報記録を終了した後に、シートロール72を回転して、包装用シートSを下降して所定位置まで送り出してもよい。
【0047】
一方、搬送部52から搬送されたプリントPは、集積部68に供給される。集積部68は、下端を前記開口手段62によって解放された包装用シートSの切込の開口部に向けて下方に傾斜する斜面で、通常の状態では、下端部のストッパ64が閉塞しいる。従って、搬送部52から、供給されたプリントPは、一旦、集積部68に集積される。
【0048】
パッカー34では、ICタグライタ102やシール・カット部66からの情報によって中間シール部80bの閉塞およびICタグ90への情報記録が終了していることを確認し、さらに、例えば、前記ソート情報、プリント枚数のカウント、注文プリントの集積部68への排出等によって、1件(1件の枚数が所定枚数を超える場合は所定枚数)のプリントP(注文プリントを含む)が集積部68に集積されたことを知見すると、ストッパ64を解放して、次のプリントPが集積部68に排出される前にストッパ64を閉塞する。
これにより、集積部68内のプリントPが落下して、開口手段62で開口された切込みcから包装用シートSに収容される。
【0049】
1件(あるいは所定枚数)のプリントPが包装用シートSに収容されると、開口手段62が包装用シートSを解放し(あるいはさらにファンを停止して)、次いで、シートロール72が回転して、切込みcがシール・カット部66に至る位置まで、包装用シートSを送り出す。
【0050】
前記包装用シートSの送り出しは、前記凸部が切込みcと一致する位置で停止する。次いで、シール・カット部66(その前記ヒータ)が包装用シートSに押圧され、包装用シートSを加熱して、切込みcの上部および下部で包装用シートSをシール(閉塞)し、かつ、凸部によって切込みcで包装用シートSを切断する。
これにより、次にプリントPを収容する包装用シートSの下端(シートロール72に繋がる包装用シートSの下端)、すなわち次のプリントパック80の下端80aを閉塞し、かつ、1件のプリントSを収容する包装用シートSの上端80cを閉塞かつ切断して、1個のプリントパック80を完成する。
【0051】
プリントPおよびICタグ90を収容するプリントパック80は、搬送ローラ対76および78によって搬送されて、ガイド82によって案内されて、製品収容部70に排出される。
なお、プリントPとICタグ90とは、図示例のように互いに異なる領域(隔離された空間)に収容するのには限定はされないが、好ましくは、図示例のように、プリントSとICタグ90とを、プリントパック80内の互いに異なる領域に収容することにより、ICタグ90がプリントSの中に紛れてしまう、ICタグ90がプリントSを損傷してしまう等の不都合を避けることができる。
【0052】
製品収容部70に排出されたプリントパック80は、例えば、オペレータや店員の手によって、プリントパック陳列棚20に陳列される。
図6に、プリントパック陳列棚20(以下、陳列棚20とする)の概念図を示す。
図6は陳列棚20の上面図であって、図示されるように、陳列部110、各陳列部11に配置されるICタグリーダ112ならびに表示部114、バーコードリーダ116、キーボード118、および、陳列棚20の動作を制御する制御手段(図示省略)とを有して構成される。
【0053】
図示例の陳列棚20は、一例として、5つ(5列)の陳列部110を有し、図中一番左の陳列部110に点線で示すように、陳列部110の配列方向と直交する方向に積層するような状態で、プリントパック80を収容する。従って、例えば、1つの陳列部110に約50個のプリントパックが収容可能であれば、陳列棚20は、合計で約250個のプリントパック80を収容できる。
なお、各陳列部110には、自身に収容されるプリントパックのICタグ90からの信号や、自身に配置されるICタグリーダ112からの信号が、隣接する陳列部110に行かないように、信号の遮蔽手段(シールド)が設けられている。
【0054】
各陳列部110に配置されるICタグリーダ112は、プリントパック80のICタグ90と信号のやり取り等を行って、ICタグ90に記録された情報を読み取る、公知のICタグリーダである。
なお、図示例においては、ICタグリーダ112は、各陳列部110に1つであるが、本発明は、これに限定はされず、陳列部110の大きさ等に応じて、必要であれば1つの陳列部110に複数のICタグリーダ112を配置してもよい。また、ICタグリーダ112や後述する表示部114は、必要に応じて数を増やすことにより、プリントパック80の陳列位置の範囲をより狭く指定でき、陳列棚20からのプリントパック80の検出をより迅速にできる。
【0055】
同様に、各陳列部110に対応して配置される表示部114は、制御手段の指示に応じて、自身が対応する陳列部110に目的とするプリントパック80が存在する旨を表示するものである。
このような表示部114は、「この列にお客様のプリントが有ります」等の表示をするディスプレイであってもよく、あるいは、目的とするプリントパックの存在を示す単なるランプ(例えば、通常は消灯しており、点灯や点滅で存在を示す)であってもよい。また、表示部114の表示に加えて目的とするプリントパック80が存在する旨の音声出力を行ってもよく、表示に変えて音声出力のみを行ってもよい。
【0056】
さらに、バーコードリーダ116は、公知のバーコードリーダであり、キーボード118も、テンキーなどのを有する公知のキーボードである。
【0057】
以下、陳列棚20の作用を説明することにより、本発明のプリントパック陳列棚について、より詳細に説明する。
この陳列棚20は、一例として、スーパーマーケットやラボ店の店内等において、顧客が自身が、注文したプリントを収容するプリントパック80を探し出すものである。なお、以下に説明する操作を店員等が行って、顧客にプリントパック80を手渡ししてもよいのは、もちろんである。
【0058】
プリンタ18の製品収容部70に排出されたプリントパック80は、店員やオペレータによって取り出され、陳列棚20の任意の陳列部110の任意の位置に収容される。
すなわち、店員は、受付番号や顧客の名前等に応じたプリントパック80の配列を考慮することなく、空き具合等に応じて、適当な陳列部110の適当な位置にプリントパック80を収容すればよい。
【0059】
一方、プリントを取りに来た顧客は、受付伝票を見て、陳列棚20のキーボード118を用いて受付伝票に示される受付番号を入力する。あるいは、バーコードリーダ116によって、受付伝票のバーコードを読み取らせ、受付番号を入力する。
【0060】
入力された受付番号は、陳列棚20の制御手段に供給される。制御手段は、各ICタグリーダ112に受付番号を供給すると共に、ICタグ90への問い合わせを指示する。これに応じて、各ICタグリーダ112は、受付番号および受付番号が一致した場合の返信指示を含む信号をICタグ90に発信する。
信号を受けたICタグ90は、自身に記録された受付番号を確認する。受付番号が一致しないICタグ90は、当然、何の作用もしない。これに対して、受付番号が一致したICタグ90は、返信指示に応じて、ICタグリーダ112に所定の信号、例えば、受付番号、総パック数および追番を返信する。一例として、前記受付番号1001の1パック目で有れば、「1002−2−1」の信号を返信する。
【0061】
返信信号を受信したICタグリーダ112は、自分が、ICタグ90から所定の返信信号を受信している旨の情報を制御手段に送る。
これに応じて、制御手段は、返信信号を受けたICタグリーダ112が配置された陳列部110の表示部114に、前述のように、この陳列部110に目的とするプリントパック80が存在する旨の表示を行う。また、追番より、2つのパックの内の1パック目であることも判断できるので、それに応じた情報を表示部114に表示してもよい。
【0062】
この表示を見た顧客が、この陳列部110から目的とするプリントパック80を探して、取り出すと、ICタグリーダ112は、返信信号を受信できなくなるので、返信信号を受信している旨の情報を制御手段に送ることを停止する。
これに応じて、制御手段は、対応する表示部114における表示を停止する。
【0063】
以上の例では、ICタグリーダ112は、受付番号を含む返信指示をICタグ90に送信したが、本発明は、これに限定はされず、例えば、受付番号を返信する旨の信号をICタグ90に送るようにしてもよい。
【0064】
先の例と同様、陳列棚20に受付番号が入力され、制御手段に受付番号が供給されると、制御手段は、各ICタグリーダ112に、受付番号と共に、ICタグ90に受付番号の問い合わせ信号を送る指示を出す。
これに応じて、ICタグリーダ112は、ICタグ90に対して、受付番号の問い合わせ信号(記録された受付番号の発信を指示する信号)を送信する。
問い合わせ信号を受けたICタグ90は、これに応じて、記録された受付番号等を返信する。なお、この際には、複数のICタグ90による返信の衝突を回避するために、ICタグは、信号を受信してから送信するまでの時間をランダムに決定(あるいは変更)できるようにしておくのが好ましい。
【0065】
制御手段から供給された受付番号の返信信号を受けたICタグリーダ112は、自分が、この受付番号の信号を受けている旨の情報を制御手段に送る。
以下、先の例と同様に、制御手段は、対応するICタグリーダ112が配置された陳列部110の表示部114に、目的とするプリントパック80が存在する旨の表示を行う。
【0066】
なお、このような各種の作用は、いずれも、ICタグやICタグリーダ等を用いる公知の方法で実施すればよい。
【0067】
以上の説明より明らかなように、本発明によれば、多数のプリントパックを陳列する場合であっても、受付番号や顧客の名前等に応じた配列を全く気にすることなく、空き具合等に応じて、適当な陳列部110の適当な位置にプリントパック80を収容すればよいので、店側では、プリントパックの陳列の手間を、大幅に低減できる。
また、顧客は、受付番号を入力するだけで、表示に応じた陳列部110のみで自分が依頼したプリントパック80を探せば良いので、多数のプリントパック80が陳列された陳列棚20から、自分のプリントパックを容易に探し出すことができる。
【0068】
陳列棚20から取り出されたプリントパック80は、例えばスーパーマーケットや店舗のレジ等において、プリント料金の清算のためにプライシング装置22に供される。
図1のブロック図に模式的に示すように、プライシング装置22は、ICタグリーダ130と、プライシング処理手段132と、価格マスターDB(データベース)134と、表示手段136と、伝票印刷手段138とを有して構成される。
【0069】
図示例において、ICタグリーダ130は、先のICタグリーダ112と同様の公知のICタグリーダである。
プライシング処理手段132は、料金計算やプライシング装置22の動作制御等を行うものであり、価格マスターDB134は、各サイズのプリントのプリント料金等を記憶するデータベースである。プライシング処理手段132に関しては、後に詳述する。
表示手段136は、LCD等の公知のディスプレイを用いる表示手段で、伝票印刷手段138も、ドットインパクトプリンタ等の公知のプリンタである。
【0070】
以下、プライシング装置22の作用について説明することにより、本発明のプリント料金計算装置について、より詳細に説明する。
レジ等にプリントパックが持ち込まれ、店員等の手でプリントパック80がプライシング装置22(そのICタグリーダ130による読み取り領域)に近づけられると、ICタグリーダ130がICタグ80に記録されている情報を読み取り、読み取った情報をプライシング処理手段132に送る。
プライシング処理手段132は、供給された情報から、このICタグ80に記録された受付番号を知見し、この受付番号を画像・オーダDB16に送り、処理内容を問い合わせる。前述のように、画像・オーダDB16は、1個のプリントパック毎にプリントサイズやプリント枚数等をまとめた処理情報を生成し、受付番号と対応付けして記憶している。画像・オーダDB16は、問い合わせのあった受付番号に対応する処理情報をプライシング処理手段132に送る。
【0071】
プライシング処理装置132は、処理情報から、このプリントパック80には、どのサイズのプリントが、それぞれ何枚有るのかを知見し、価格マスターDB134を参照して、料金計算を行い、表示手段136に料金を表示し、かつ、伝票印刷手段138で料金伝票を印刷/出力する。なお、表示/印刷するのは、料金のみに限定はされず、さらにプリントサイズやプリント枚数等、処理情報に含まれる各種の情報を表示および/または印刷してもよい。
【0072】
ここで、前述のように、プリント枚数が1つのプリントパック80に収容可能な枚数を超えている場合や、プリントパック80に収容できない大サイズのプリントが含まれている場合のように、プリントパック80に収容されるプリントと同一の件で、このプリントパック80に収容されないプリントが存在する場合には、ICタグ90に分割情報が記録されている。
プライシグ処理手段132は、ICタグリーダ130が読み取った情報の中に、分割情報が含まれていた場合には、料金等に加え、この件には、プライシング装置22に供給されたプリントパック80以外にも商品が有る旨を表示手段136に表示し、および/または、その旨を音声出力し、店員や顧客に知らせる。また、プライシグ処理手段132は、ICタグ90に記録された総パック数や追番から、一件のパック数が足りないことを判断して、同様の警告を出力してもよい。すなわち、本例においては、総パック数や追番も分割情報として作用している。
【0073】
以上の説明より明らかなように、本発明によれば、プリントパックの料金計算を容易に行うことができると共に、枚数が多くて1件が複数のプリントパックに別れてしまった場合や、1件の中にプリントパックに収容できない大サイズのプリントが存在する場合でも、このプリントパック以外の商品の取り忘れを防止できる。
【0074】
なお、以上の例では、分割情報をプリントパック80のICタグ90に記録していたが、本発明は、これに限定はされない。
例えば、前述のように生成した分割情報を、処理情報に対応付けして画像・オーダDB16に記憶しておく。前述のように、プライシング処理手段132から受付番号による処理内容の問い合わせを受けた画像・オーダDB16は、処理情報と共に、分割情報もプライシング処理手段132に送る。
以下同様に、プライシング処理手段132は、処理情報に応じた料金計算および表示・伝票出力と共に、このプリントパック80以外にも商品が有る旨の表示を表示手段136に表示する。
【0075】
以上の例では、プリントパック80のICタグ90に受付番号を記録しているが、本発明は、これに限定はされず、ICタグ90に予め記録されている固有の識別番号(タグID)を用いて、同様の処理を行うようにしてもよい。
【0076】
この際には、前述のように、プリンタ18のパッカー34に、ICタグライタ102に変えてICタグリーダを配置し(あるいは、先のように分割情報等をICタグ90に記録する場合にはICタグリーダ・ライタを配置し)、プリントパック80にICタグ90を封入する際に、ICタグ90に記録されているタグIDを読み取る。
パッカー34(プリンタ18)は、読み取ったタグIDを、このプリントパック80に挿入するプリントの受付番号と対応付けして、画像・オーダDB16に送る。
タグIDおよび受付番号を受け取った画像・オーダDB16は、対応している受付番号を検索して、受付番号にタグIDを対応付けして記憶する。
【0077】
プリント陳列棚20においては、前述のように、受付番号を入力されたら、画像・オーダDB16に問い合わせて、受付番号に対応するタグIDを取得する。すなわち、この態様においては、プリント陳列棚20は、前記ネットワークに接続される必要が有る。
以下、このタグIDを用いて、先と同様に、各陳列部110のICタグリーダ112がプリントパック80のICタグ90に問い合わせを行い、対応する返信を受けたICタグリーダ112の陳列部110の表示部114に表示を行う。
【0078】
他方、プライシング装置22では、ICタグリーダ130が読み取ったタグIDを、プライシング処理手段132が画像・オーダDB16に送り、処理内容を問い合わせる。
画像・オーダDB16では、まず、タグIDに対応する受付番号を知見し、次いで、この受付番号に対応する処理情報をプライシング処理手段132に送る。以下同様に、プライシング処理手段132が、処理情報から料金演算を行い、プリント料金を表示手段136に表示し、伝票の印刷を行う。
【0079】
また、本発明においては、画像・オーダDB16に問い合わせるのではなく、ICタグにプリント枚数等の処理情報を記録しておいて、プライシング装置22で料金計算してもよく、あるいは、ICタグ90に料金の情報を記録しておいて、プライシング装置22で料金の表示等を行ってもよい。
【0080】
以上、本発明の画像形成装置、プリントパック陳列棚およびプリント料金計算装置について詳細に説明したが、本発明は上記実施例に限定はされず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変更を行ってもよいのは、もちろんである。
例えば、以上の例では、プリンタ18(画像形成装置)として、感光材料(印画紙)を像様露光して潜像を形成し、所定の湿式現像処理を行う写真プリンタを用いているが、本発明は、これに限定はされず、インクジェットプリンタ、電子写真プリンタ等、公知のプリンタが各種利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明の画像形成装置、プリントパック陳列棚およびプリント料金計算装置を利用するプリント生産システムを概念的に示すブロック図である。
【図2】注文プリントの一例の概念図である。
【図3】図1に示すプリンタの概念図である
【図4】プリントパックの一例の概念図である。
【図5】包装用シートの一例の概略斜視図である。
【図6】図1に示すプリントパック陳列棚の一例の概念図である。
【符号の説明】
【0082】
10 (プリント)生産システム
12 (プリント注文)受付機
14 オーダーコントローラ
16 画像・オーダDB(画像・オーダ情報DB)
18 プリンタ
20 プリントパック陳列棚
22 プライシング装置
30 露光部
32 プロセサ
34 パッカー
38 感光材料ロール
40 マガジン
42 カッタ
44 バックプリンタ
46 露光ユニット
48 現像部
50 乾燥部
52 搬送部
54 大サイズプリント排出部
58 ICタグ挿入部
60 包装用シート供給部
62 開口手段
64 ストッパ
66 シール・カット部
68 集積部
70 製品収容部
72 シートロール
74 ガイドロール
76,78 搬送ローラ対
80 プリントパック
82,108 ガイド
90 ICタグ
92 供給ロール
94 巻取りロール
96 ICタグ挿入手段
98,100 ガイドロール
102 ICタグライタ
110 (プリントパック)陳列部
112,130 ICタグリーダ
114 表示部
116 バーコードリーダ
118 キーボード
132 プライシング処理手段
134 価格マスタDB(データベース)
136 表示手段
138 伝票印刷手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データに応じて記録媒体に画像を記録して、前記画像データを再生したプリントを作成する画像形成部と、
前記画像形成部が作成したプリントをまとめて袋詰めしてプリントパックとするパッカーとを有し、
かつ、前記パッカーは、ICタグを前記プリントパックに投入する手段と、前記ICタグの情報を読み取る手段および前記ICタグに情報を記録する手段の少なくとも一方とを有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記パッカーは、前記プリントとICタグとを、前記プリントパック内の互いに異なる領域に収容する請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記パッカーは、1つのプリントパックにおいて、同一件のプリントで、このプリントパックに収容されないプリントが有る場合には、このプリントパックに収容するICタグに、このプリントパック以外にもプリントが有る旨の情報を記録する請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
識別情報が記録されたICタグおよびプリントを収容するプリントパックを複数陳列する少なくとも1つの陳列部と、前記ICタグの情報を読み取る、各陳列部に配置されるICタグリーダと、目的とするプリントパックが存在することを示す出力を行う、各陳列部に配置される出力手段と、識別情報の入力手段とを有し、
前記入力手段に入力された識別情報に応じて、前記ICタグリーダがプリントパックのICタグの識別情報を取得し、前記入力された識別情報を取得できたICタグリーダが対応する前記陳列部の出力手段が、前記目的とするプリントパックが存在することを示す出力を行うことを特徴とするプリントパック陳列棚。
【請求項5】
前記ICタグには、識別情報としてプリントパック毎の受付番号が記録されており、
前記入力手段は、前記プリントパックの受付番号を入力される請求項4に記載のプリントパック陳列棚。
【請求項6】
前記識別情報がICタグに固有のタグIDであり、前記入力手段は、前記プリントパックの受付番号を入力され、さらに、プリントパック毎の受付番号と前記タグIDとを対応付けして記憶する記憶手段を有し、
前記入力手段に受付番号が入力されたら、前記記憶手段を参照して受付番号に対応するタグIDを知見する請求項4に記載のプリントパック陳列棚。
【請求項7】
識別情報が記録されたICタグおよびプリントを収容するプリントパックの前記ICタグの情報を読み取るICタグリーダと、前記ICタグリーダが読み取った情報を用いて、前記プリントパックに収容されるプリントのプリント料金を知見し、出力する出力手段とを有し、
かつ、前記ICタグに記録された情報から、同一件のプリントで、このプリントパックに収容されないプリントが有ることを知見した場合に、このプリントパック以外にもプリントが有ることを報知することを特徴とするプリント料金計算装置。
【請求項8】
同一件のプリントで、このプリントパックに収容されないプリントが有る旨の情報が、前記ICタグに記録されている請求項7に記載のプリント料金計算装置。
【請求項9】
各プリントパックのICタグの識別情報と、このプリントパックに関する情報とを対応付けして記憶するデータベースを有し、かつ、プリントパックに関する情報は、このプリントパック以外にもプリントが有るか否かの情報を含むものであり、
前記ICタグから読み取った識別情報を用いてデータベースを検索して、前記プリントパックに関する情報を用いてプリントパックに収容されないプリントが有ることを知見する請求項7に記載のプリント料金計算装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2006−227476(P2006−227476A)
【公開日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−43650(P2005−43650)
【出願日】平成17年2月21日(2005.2.21)
【出願人】(000005201)富士写真フイルム株式会社 (7,609)
【Fターム(参考)】