画像形成装置、プログラム、及び記録媒体
【課題】運用効率の向上を図った画像形成装置、プログラム、及び記録媒体を提供する。
【解決手段】所定期間における利用者毎の利用の制限を管理する画像形成装置であって、所定期間を複数に分割した分割期間毎に対応する印刷推奨ランクを設定して、設定した印刷推奨ランクに基づいて利用制限を補正するためのランク係数を算出するランク係数算出手段と、利用者の利用の種類毎に消費カウント数を設定し、利用者毎の消費カウント数を集計して管理するカウント数情報管理手段と、を備えた。
【解決手段】所定期間における利用者毎の利用の制限を管理する画像形成装置であって、所定期間を複数に分割した分割期間毎に対応する印刷推奨ランクを設定して、設定した印刷推奨ランクに基づいて利用制限を補正するためのランク係数を算出するランク係数算出手段と、利用者の利用の種類毎に消費カウント数を設定し、利用者毎の消費カウント数を集計して管理するカウント数情報管理手段と、を備えた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、プログラム、及び記録媒体に関し、特に運用効率の向上を図った画像形成装置、プログラム、及び記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、情報処理装置(以下画像形成装置を含むものとする)の利用をあらかじめ定めた期間内の上限カウント数で制限し、利用者に残カウント数を示すことにより印刷コストを抑える方法がある。また、出力モード(用紙サイズやカラーモード等)の設定内容から出力時の消費カウント数を算出する方法がある。
【0003】
ここで、印刷コストについて説明する。通常「A4判像密度5%」の原稿を印刷してコストを測定する。A4判像密度5%とは、面積比でA4用紙全体の5%にトナーが載っている原稿である。この原稿を基準として利用するのは、一般にビジネス文書の場合、印刷後に用紙の上に載るトナーの粉を1箇所に集めるとA4判用紙の5%の面積に敷き詰められるためである。この像密度5%の原稿を何枚印刷できるかを測定し、(トナーカートリッジの価格÷印刷枚数)で1枚当たりの印刷コストが計算できる。
【0004】
例えば特許文献1においては、消耗品や電力などの資源の使用目標の達成をサポートする目的で、使用目標の達成が困難と予測した場合にジョブモードを変更するという方法が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、ある期間内で上限カウント数を設定して印刷を制限するような運用下では、残カウントに余裕があるうちは両面印刷やモノクロ印刷でもよい場合でも片面印刷やカラー印刷を行ったり、縮小印刷すべきところを通常サイズで印刷することが行ったりする場合がある。また、残カウント数が無くなった利用者が印刷をしなければならない場合、残カウントが無い利用者は管理者に申請する等して印刷の許可を得る必要があり、残カウント切れ時における管理者の作業が発生するという問題があった。
【0006】
ここで、監理者は、利用者への注意喚起、利用者による画像形成装置の使用(印刷)状況把握、利用者の使用上限値設定、使用上限値超えの処理が挙げられる。
【0007】
そこで本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、運用効率の向上を図った画像形成装置、プログラム、及び記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明に係る画像形成装置は、所定期間における利用者毎の利用の制限を管理する画像形成装置であって、前記所定期間を複数に分割した分割期間毎に対応する印刷推奨ランクを設定して、前記設定した印刷推奨ランクに基づいて利用制限を補正するためのランク係数を算出するランク係数算出手段と、前記利用者の利用の種類毎に消費カウント数を設定し、前記利用者毎の消費カウント数を集計して管理するカウント数情報管理手段と、を備えたことを特徴とする。
【0009】
また本発明に係るプログラムは、所定期間における利用者毎の利用の制限を管理する画像形成装置のコンピュータが実行可能なプログラムであって、前記コンピュータに、ランク係数算出手段が、前記所定期間を複数に分割した分割期間毎に対応する印刷推奨ランクを設定して、前記設定した印刷推奨ランクに基づいて利用制限を補正するためのランク係数を算出する処理と、カウント数情報管理手段が、前記利用者の利用の種類毎に消費カウント数を設定し、前記利用者毎の消費カウント数を集計して管理する処理と、履歴係数算出手段が、前記利用者の利用に応じて積算した分割期間毎の積算消費カウント数に基づいて利用制限を補正するための履歴係数を算出する処理と、残カウント係数算出手段が、前記利用者の残りの消費カウント数と残りの分割期間数とに基づいて利用制限を補正するための残カウント係数を算出する処理と、利用制限手段が、前記ランク係数と前記履歴係数と前記残カウント係数と、に基づいて補正値を算出し、前記算出した補正値に基づいて前記利用者の利用制限を行う処理と、を実行させることを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る記録媒体は、上記プログラムを記録したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明により、運用効率の向上を図った画像形成装置、プログラム、及び記録媒体を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置の利用環境を説明する図である。
【図2】本発明の実施形態に係る画像形成装置の構成図である。
【図3】利用者のジョブ実行要求から、印刷制限内容を決定して利用者に通知するまでの流れについて説明するためのシーケンス図である。
【図4】出力モードと消費カウント数と、の対応関係について説明する図である。
【図5】管理者が設定する印刷推奨ランクと、印刷制限を補正するためのランク係数との関係について説明する図である。
【図6】管理者が印刷推奨ランクを設定する画面について説明する図である。
【図7】利用者が過去に利用した消費カウント履歴情報と、印刷制限を補正するための履歴係数の関係について説明する図である。
【図8】利用者の現在の残カウント数および残期間と、印刷制限を補正するための残カウント係数と、の関係について説明する図である。
【図9】印刷制限手段における、各係数から算出した補正値に応じた印刷制限について説明する図である。
【図10】印刷制限時に、利用者に対する印刷制限情報の通知画面例である。
【図11】利用者毎の上限カウント数と残カウント数を管理するテーブルについて説明する図である。
【図12】管理者が残カウント設定する画面について説明する図である。
【図13】利用者のジョブ実行要求から、利用者間の残カウント数調整を行い、印刷制限内容を決定して利用者に通知するまでの流れについて説明するためのシーケンス図である。
【図14】図2に示した画像形成装置による残カウント数の管理の様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の好適な実施の形態について以下に図面を参照して詳細に説明する。尚以下に述べる実施の形態は本発明の好適な実施の形態であるから、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。また、情報処理装置の一例として、画像形成装置を用いて説明する。
【0014】
<実施形態1>
図1は、本発明の実施形態に係る画像形成装置の利用環境を説明する図である。
【0015】
本実施形態に係る画像形成装置1は、様々な機器が接続されているネットワーク環境9に接続されている。接続されている機器としては、クライアントPC2と、クライアントPC3と、サーバ4と、サーバ5と、サーバ6と、モデム7と、FAX8と、が挙げられるが、特にこれらに限定されることはない。
【0016】
図2は、本発明の実施形態に係る画像形成装置の構成図である。
【0017】
本実施形態に係る画像形成装置は、CPU(Central Processing Unit)21と、表示手段22と、ROM(Read Only Memory)23と、RAM(Random Access Memory)24と、入力手段25と、I/O(In Put/Out Put)ポート26と、バスライン27と、を備える。
【0018】
CPU21は、画像形成装置を統括制御する回路であり、画像形成処理制御手段10と、カウント数情報管理手段11と、画像形成回数計測手段12と、印刷制限手段13と、印刷推奨ランク設定手段14と、印刷制限情報通知手段15と、残カウント数調整手段16と、を備えて構成される。CPU21は、例えばマイクロプロセッサが挙げられる。
【0019】
画像形成処理制御手段10は、利用者ごとの利用制限情報をチェックし、ジョブ実行可否を判断し、画像形成装置を制御する。
【0020】
カウント数情報管理手段11は、出力モードと消費カウント数との対応関係、利用者ごとの上限カウント数、残カウント数、および消費カウント履歴などを管理する。
ここで、画像形成装置の利用状況を把握する上で、利用者の印刷枚数だけで管理しようとすると同じ1枚の原稿を印刷する場合、カラー/モノクロの区別ができなくなる。このため、カウント数を用いることとした。
【0021】
画像形成回数計測手段12は、画像形成処理がなされたタイミングを検出し、その回数を計測する。
【0022】
印刷制限手段13は、装置使用時点での残カウント数と残期間、過去の消費カウント履歴、管理者の設定した印刷推奨ランクから、利用者の印刷制限に対する補正値を算出し、その補正値に基づいて利用者の印刷制限を行う。
【0023】
印刷推奨ランク設定手段14は、利用者が画像形成処理をする際に、印刷制限を補正するための印刷推奨ランクを、ある期間ごとに設定するためのものである。
【0024】
印刷制限情報通知手段15は、利用者に対し、これから印刷を実施する際に行われる印刷制限情報を通知するものである。
【0025】
残カウント調整手段16は、利用者間で残カウント数の授受を行うものである。
【0026】
表示手段22は、印刷設定枚数、用紙サイズ、カラー/モノクロ、片面/両面、縮小/拡大、印刷枚数、エラー発生状況等の印刷関係情報を表示する装置であり、例えば、液晶表示素子が挙げられる。
【0027】
ROM23は、画像形成装置を制御するためのプログラムを記憶した回路であり、例えば、マスクROMが挙げられる。
【0028】
RAM24は、画像データ、印刷設定枚数、用紙サイズ、カラー/モノクロ、片面/両面、縮小/拡大、印刷枚数、エラー発生状況等の印刷関係情報を一時的に記憶する回路であり、例えば、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)が挙げられる。
【0029】
入力手段25は、利用者もしくは監理者(監理者は画像形成装置を通常どおり利用する場合には利用者の1人でもある)が必要な操作を行うためのものであり、例えば、電源スイッチ、タッチパネルが挙げられる。
【0030】
I/Oポート26は、外部回路との情報の授受を行うためであり、例えばUSBポートが挙げられる。
【0031】
図3は、利用者のジョブ実行要求から、印刷制限内容を決定して利用者に通知するまでの流れについて説明するためのシーケンス図である。
【0032】
画像形成処理制御手段10は、利用者からログイン要求(S1)を受ける。利用者がログインすると、その利用者に対する残カウント情報の表示をカウント数情報管理手段11に要求する(S2)。ここで、カウント数情報管理手段11は、残カウントの表示と関連して、印刷制限情報を合わせて表示する(Sa)ことも管理している。そのため、印刷制限手段13に対して印刷制限要求(S3)を行う。
【0033】
印刷制限手段13は、印刷推奨ランク設定手段14から、管理者によって設定された印刷推奨ランク情報を取得する(S4)。また、カウント数情報管理手段11から、カウント情報として、利用者の残カウント数と残期間情報を取得する(S5)。これらの情報をもとに、印刷制限内容を決定し(S6)、後述する補正値を算出する(Sc)。そして、その結果を、印刷制限情報通知手段15を用いて、表示手段により文字や画像の形式で利用者に通知する(S7)。
【0034】
その後、利用者からジョブ実行要求(S8)を受けると、画像形成処理制御手段10は、カウント数情報管理手段11からカウント数情報を取得(S9)して、ジョブ実行可否判定を行う(S10)。そして実行可能な場合は、画像形成処理が行われる。画像形成処理が完了すると、画像形成回数計測手段12から画像形成情報が、カウント数情報管理手段11に通知される(S11)。カウント数情報管理手段11は、その情報をもとにカウント数情報に関する履歴情報の更新を行う(S12)。更新後表示手段22が履歴情報を表示する(Sb)。
このような動作により、監理者は、画像形成装置の運用において、印刷に関わるコストを予算の範囲内に抑えることができる。
【0035】
図4は、出力モードと消費カウント数との対応関係について説明する図である。
【0036】
カウント数情報管理手段11では、出力モードと消費カウント数との対応関係を管理する。
【0037】
出力モードは、カラーモードとしてカラーまたはモノクロの指定が可能であり、用紙サイズとしてA3またはA4の指定が可能であるとした場合の、各モードの組合せによる印刷1枚あたりの消費カウント数を示している。図4に示すようにモノクロよりもカラーの方が、消費カウント数が多く、A4よりもA3の方が、消費カウント数が多くなる。
【0038】
図5は、管理者が設定する印刷推奨ランクと、印刷制限を補正するためのランク係数との関係について説明する図である。
【0039】
ランク係数は、平均的な状態を1.00とし、1.00を超えていれば印刷制限が通常より強い状態であることを示し、1.00未満であれば印刷制限を通常より弱い状態であることを示す値であり、この値は管理者が設定できるようになっている。
【0040】
図5では、上限カウントが適用されるある期間を、期間1〜期間8に分割した場合について説明する。管理者は、各期間に対して、任意の正の整数値を印刷推奨ランクとして設定できる。この値は、印刷を強く制限したい期間に対して印刷推奨ランクを高く設定し、弱く制限したい期間に対して印刷推奨ランクを低く設定するようになっている。
【0041】
図5では、監理者が、期間1〜期間3は印刷推奨ランクを1と設定し、期間4〜期間6は印刷推奨ランクを2と設定し、期間7〜期間8は印刷推奨ランクを3と設定した場合を示している。
【0042】
各期間の数値は、相対的な値(※)として判断され、全期間で印刷推奨ランクの平均が1.00となるような値がランク係数として算出される。(※ここで、全ての期間に対して印刷推奨ランクを1と設定した場合と、全ての期間に対して印刷推奨ランクを2と設定した場合は、どちらもランク係数は全ての期間で1.00となる。)
【0043】
ランク係数の算出式は以下の数式(1)となる。
(印刷推奨ランク)=(期間分割数)×(対象期間の印刷推奨ランク)/(印刷推奨ランクの総和)……(1)
ここで、数式(1)は、画像形成装置による印刷に関して最も利用して欲しい期間や最も利用を自粛して欲しい期間を運用に反映させるための数値である印刷推奨ランクを算出するための数式である。
【0044】
対象期間として期間7を例にすると、ランク係数は、
8×3/15=1.60
となる。
【0045】
上限カウントが適用される1ヶ月という期間に対し、日ごとに印刷推奨ランクが設定可能とする場合、例えば月末に印刷が集中して残カウント切れが懸念されるときに、月末の印刷推奨ランクを高めに設定して印刷制限をかけるという使い方ができる。
【0046】
図6は、管理者が印刷推奨ランクを設定する画面について説明する図である。
【0047】
管理者は、各期間に対して印刷推奨ランクを設定できる。本実施形態では期間1〜期間8を設定期間名称としているが、実際の運用では日にち毎の印刷推奨ランクの設定や、週毎の印刷推奨ランクの設定が行われる。設定したい期間の部分にタッチして印刷推奨ランクを入力する。全ての印刷推奨ランクの設定が終了したら右上の設定ボタンで決定する。
これらの操作により、監理者は、利用者の利用状況を集計し、利用状況に応じて利用者に注意喚起をすることができる。
【0048】
また、監理者は、印刷推奨ランクを、サマータイム、計画停電等の電力環境や、土日操業、早出残業等の業務形態等に対応して設定することができるので、画像形成装置の効率的な運用を行うことができる。
【0049】
<実施形態2>
次に、本発明に係る実施形態2について説明する。
実施形態2では、利用者の利用履歴に基づいて、印刷制限を補正する点について説明する。
図7は、利用者が過去に利用した消費カウント履歴情報と、印刷制限を補正するための履歴係数の関係について説明する図である。
【0050】
履歴係数は、過去のある期間に対して利用者に与えられた上限カウント数に対し、平均的なペースで利用した場合を1.00とし、1.00を超えていれば平均を超えるペースでカウントを消費していたことを示し、1.00未満であれば平均に満たないペースでカウントを消費していたことを示す値である。
【0051】
上限カウントが適用されるある期間を期間1〜期間8に分割した場合について説明する。
最初に、ある利用者が、各期間に消費したカウントが履歴として保存されている。図7では、上限カウント数が300である利用者が、期間1に30カウントを消費、期間2に20カウントを消費、・・・、トータルで260カウントを利用していたことを表す履歴情報を示した図である。各期間の消費カウント数と、その利用者の上限カウント数とから、各期間に対して履歴係数が算出される。
【0052】
履歴係数の算出式は以下の数式(2)となる。
(履歴係数)=(期間分割数)×(対象期間の消費カウント数)/(上限カウント数)……(2)
この数式(2)は、例えば、電力量が低いとき(電力会社が公表する電力予報の数字が小さいとき)は印刷してもよいが、電力量が高いとき(電力予報の数字が大きいとき)はなるべく印刷しないようにいう監理者の意思を反映させるための数式の一種である。
【0053】
対象期間として期間7を例にすると、この利用者の上限カウント数は300であるので、履歴係数は、
8×60/300=1.60
となる。
【0054】
上限カウントが適用される1ヶ月という期間に対し、日ごとの消費カウント数を履歴として保存するような使い方ができる。
【0055】
<実施形態3>
次に、本発明に係る実施形態3について説明する。
実施形態3では、利用者の現在の残カウント値と補正値とについて説明する。
図8は、利用者の現在の残カウント数および残期間と、印刷制限を補正するための残カウント係数の関係について説明する図である。
【0056】
残カウント係数は、現在の上限カウント適用期間において利用者に与えられた上限カウント数に対し、平均的なペースで利用した場合を1.00とし、1.00を超えると平均を超えるペースでカウントを消費していることを示し、1.00未満であれば平均に満たないペースでカウントを消費していることを示す値である。
【0057】
ここで、上限カウントが適用されるある期間を期間1〜期間8に分割した場合について説明する。
【0058】
図8は、3つのケースを想定した場合のそれぞれに対する残カウント係数を示している。ケース1は、ある期間に対してまだ印刷を利用していない状態であり、残カウント係数は1.00である。ケース2は、半分の期間を過ぎた時点で、200カウントを消費して残カウント100となった状態であり、残カウント係数は1.50となり平均を超えるペースであることを示している。ケース3は、4分の3の期間を過ぎた時点で、150カウントを消費して残カウント150となった状態であり、残カウント係数は0.50となり平均に満たないペースでカウントを消費していることを示している。
【0059】
残カウント係数の算出式は以下の数式(3)となる。
(残カウント係数)=((上限カウント数)/(期間分割数))/((残カウント数)/(残期間))……(3)
数式(3)は、利用者が現在、あとどのくらい印刷できるのかを把握すると共に、監理者が利用者の利用状況を把握するための数式である。
【0060】
ケース2を例にすると、
(300/8)/(100/4)=1.50
となる。
【0061】
上限カウントが適用される1ヶ月という期間に対し、残日数と残カウント数とに対して残カウント係数を算出するという使い方ができる。
【0062】
図9は、印刷制限手段における、各係数から算出した補正値に応じた印刷制限について説明する図である。
【0063】
印刷制限手段13では、ランク係数、履歴係数、残カウント係数から補正値を算出する。機器に設定されている補正値の閾値(図9では、1.2と1.8を閾値とした例を示している。)により、実際に利用者に対して制限する内容を決定する。
【0064】
補正値の算出手段は以下の数式(4)となる。
(補正値)=(((ランク係数)+(履歴係数))/2)×(残カウント係数)……(4)
この数式(4)は、電力予報の数値が変化した場合や想定外の使用状況を反映させるための数値を算出するための数式であり、利用者の過去の使用状況に応じて努力目標に近づけることができる。
これらの数式(1)〜(4)を用いることにより、画像形成装置を安定した使い方に近づけることができ、効率的な運用をすることができる。
【0065】
以下に、図5、図7、図8の例をもとに説明する。
<ケース1>
利用者は「期間1」で印刷を実行しようとしている状況である。
このとき、
ランク係数:0.53
履歴係数:0.80
残カウント係数:1.00
であるため、
補正値=0.67
となる。
従って、利用者は印刷制限がかかることなく、利用できることになる。
【0066】
<ケース2>
利用者は半分の期間を過ぎた時点であるため、「期間5」で印刷実行しようとしている状況である。
このとき、
ランク係数:1.07
履歴係数:1.07
残カウント係数:1.50
であるため、
補正値=1.60
となる。
従って、利用者は両面集約印刷を強制される旨が通知され、印刷実行すると制限のかけられた出力モードで印刷される。この制御により、印刷の枚数を強制的に減らすことで消費カウントを低減する。
【0067】
<ケース3>
利用者は「期間7」で印刷を実行しようとしている状況である。
このとき、
ランク係数:1.60
履歴係数:1.60
残カウント係数:0.50
であるため、
補正値=0.80
となる。
従って、ケース1と同様、利用者は印刷制限がかかることなく、利用できることになる。
【0068】
図10は、印刷制限時に、利用者に対する印刷制限情報の通知画面例である。
【0069】
印刷制限時に、利用者に対する印刷制限情報の通知画面例を示す。この例は、図9で「両面、集約印刷を強制」された場合に、メッセージで通知する場合の画面例である。
【0070】
図11は、利用者毎の上限カウント数と残カウント数を管理するテーブルについて説明する図である。
【0071】
この例では、4人の利用者がいることを示したテーブルである。A管理者は、上限400カウントに対し、現時点で138カウントが残っていることを示している。また、B社員は、上限200カウントを使いきり、残カウントが無いことを示している。C社員は、上限300カウントに対し、残カウント230残っていることを示し、D社員は、上限300カウントに対し、残カウント153残っていることを示している。
【0072】
図12は、管理者が残カウント設定する画面について説明する図である。
【0073】
ここでは、利用者の残カウントが切れた場合等に、利用者間で残カウントの受け渡しを行い、調整するための画面を示している。また、この画面は管理者のみが例えば、パスワード入力、もしくは指紋認証により操作できる画面である。
【0074】
図11で示すカウント数の状態を例に、A管理者がC社員の残カウントをB社員に移す場合について説明する。矢印キーを押下し、C社員からB社員に値を移し、OKキーを押下することでカウント数管理テーブルが更新される。
【0075】
図13は、利用者のジョブ実行要求から、利用者間の残カウント数調整を行い、印刷制限内容を決定して利用者に通知するまでの流れについて説明するためのシーケンス図である。
同図において、ステップS1からステップS12までは図3に示したシーケンス図と同様のため説明を省略する。
図13に示したシーケンス図の図3に示したシーケンス図との相違点は、残カウント数調整手段16が加わった点である。
【0076】
すなわち、カウント数情報管理手段11から残カウント数が残カウント数調整手段16に通知されると(ステップSd)、残カウント数調整手段16は、残カウント数が上限値を超えた利用者に対して残カウント数が上限値未満の社員であって使用が可能な社員の残カウント数を融通するように調整し、残カウント数の調整結果を印刷制限手段13に通知する(ステップSe)。印刷制限手段13は、印刷制限通知手段15に印刷制限情報通知要求を送る(ステップSf)。印刷制限通知手段15は、表示手段22に残カウント数の調整結果を表示させる(ステップSb)。
このような動作により、監理者は、画像形成装置の運用において、残カウント数が上限値を超えた社員と残カウント数に余裕がある社員との間で残カウント数を授受することにより、必要な印刷を行うことができ、しかも印刷に関わるコストを予算の範囲内に抑えることができる。
【0077】
図14は、図2に示した画像形成装置による残カウント数の管理の様子を示す図である。
図14において、横軸は期間を示し、縦軸は消費カウント数を示している。実線L1は、理想的な特性曲線を示し、破線L2aは比較的早めに消費カウント数が上限カウント数に到達し、かつ全く管理しなかった場合の特性曲線を示し、一点鎖線L2bは、本願プログラムを備えた画像形成装置の特性曲線を示している。破線L3aは、比較的遅めに消費カウント数が上限カウント数に到達し、かつ全く管理しなかった場合の特性曲線を示し、二点鎖線L3bは、本願プログラムを備えた画像形成装置の特性曲線を示している。
【0078】
一点鎖線L2bは、印刷カウント数が比較的多い場合に、利用者に対して、ランク係数を大きく変更して残カウント数の減り方に加速感を与えたり、メールで通知したりすることにより、片面印刷から両面印刷に変更を促したり、縮約させたりすることで上限カウント数以下に抑えたものである。
【0079】
また、二点鎖線L3bは、印刷カウント数が増加して上限カウント数に接近する場合に利用者に対して、ランク係数を大きく変更して残カウント数の減り方に加速感を与えたり、メールで通知したりすることにより、片面印刷から両面印刷に変更を促したり、縮約させたりすることで上限カウント数以下に抑えたものである。
【0080】
すなわち、本画像形成装置は、利用者の残カウント数が少ないうちは特に抑制はしないものの、残カウント数が上限カウント数に接近しそうな場合に理想的な特性曲線L1に近づくように消費カウント数を調整するようになっている。
尚、図14においては、特性曲線が上限値以下に抑える場合について説明したが、理想的な特性曲線L1以下に抑えるようにしてもよい。
【0081】
尚、上述する実施形態は、本発明の好適な実施形態であり、上記実施形態のみに本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更を施した形態での実施が可能である。
【0082】
以上において、本画像形成装置は、装置の使用時点での残カウント数と残期間、過去の消費カウント履歴、管理者の設定した印刷推奨ランクから、利用者の印刷制限に対する補正値を算出し、その補正値を種々の状況で変化させることにより利用者の印刷制限が可能である。
【0083】
また本画像形成装置は、管理者が所定期間において分割した複数の分割期間に対して印刷推奨ランクを設定すると、分割期間毎の印刷推奨ランクに基づいてランク係数を算出し、利用者の分割期間毎の消費カウント数に基づいて履歴係数を算出し、利用者の所定期間における残カウント数に基づいて残カウント係数を算出し、ランク係数と履歴係数と残カウント係数とから補正値を算出し、算出した補正値に対応した印刷制限を行うことで、管理者にとって煩わしい印刷推奨ランクの管理作業を低減することが可能である。
【0084】
<本実施形態の作用効果>
上記の実施形態によれば、装置使用時点での残カウント数と残期間、過去の消費カウント履歴、管理者の設定した印刷推奨ランクから、利用者の印刷制限に対する補正値を算出し、その補正値を種々の状況で変化させて利用者の印刷制限をかけるので、利用者の残カウント切れ時における、管理者の管理面での煩わしさを低減させることができる。
【0085】
本発明に係る画像形成装置の利用制限手段は、補正値を所定の値で段階的に区切り、段階的に区切った補正値に応じた利用制限を行うことを特徴とする。
【0086】
また本発明に係る画像形成装置は、利用者に利用制限情報を通知する表示手段を有することを特徴とする。
【0087】
また本発明に係る画像形成装置の設定する印刷推奨ランクは、利用者毎に設定できることを特徴とする。
【0088】
また本発明に係る画像形成装置の設定する印刷推奨ランクは、利用者の所属するグループ毎に設定できることを特徴とする。
【0089】
本発明に係る画像形成装置の利用制限方法の利用制限工程は、補正値を所定の値で段階的に区切り、段階的に区切った補正値に応じた利用制限を行うことを特徴とする。
【産業上の利用可能性】
【0090】
本発明によれば、情報処理装置、画像形成装置などの用途に適用できる。
【符号の説明】
【0091】
1 画像形成装置(情報処理装置)
2、3 クライアントPC
4、5、6 サーバ
7 モデム
8 FAX
9 ネットワーク
10 画像形成処理制御手段
11 カウント数情報管理手段
12 画像形成回数計測手段
13 印刷制限手段
14 印刷推奨ランク設定手段
15 印刷制限情報通知手段
【先行技術文献】
【特許文献】
【0092】
【特許文献1】特開2007−249563号公報
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、プログラム、及び記録媒体に関し、特に運用効率の向上を図った画像形成装置、プログラム、及び記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、情報処理装置(以下画像形成装置を含むものとする)の利用をあらかじめ定めた期間内の上限カウント数で制限し、利用者に残カウント数を示すことにより印刷コストを抑える方法がある。また、出力モード(用紙サイズやカラーモード等)の設定内容から出力時の消費カウント数を算出する方法がある。
【0003】
ここで、印刷コストについて説明する。通常「A4判像密度5%」の原稿を印刷してコストを測定する。A4判像密度5%とは、面積比でA4用紙全体の5%にトナーが載っている原稿である。この原稿を基準として利用するのは、一般にビジネス文書の場合、印刷後に用紙の上に載るトナーの粉を1箇所に集めるとA4判用紙の5%の面積に敷き詰められるためである。この像密度5%の原稿を何枚印刷できるかを測定し、(トナーカートリッジの価格÷印刷枚数)で1枚当たりの印刷コストが計算できる。
【0004】
例えば特許文献1においては、消耗品や電力などの資源の使用目標の達成をサポートする目的で、使用目標の達成が困難と予測した場合にジョブモードを変更するという方法が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、ある期間内で上限カウント数を設定して印刷を制限するような運用下では、残カウントに余裕があるうちは両面印刷やモノクロ印刷でもよい場合でも片面印刷やカラー印刷を行ったり、縮小印刷すべきところを通常サイズで印刷することが行ったりする場合がある。また、残カウント数が無くなった利用者が印刷をしなければならない場合、残カウントが無い利用者は管理者に申請する等して印刷の許可を得る必要があり、残カウント切れ時における管理者の作業が発生するという問題があった。
【0006】
ここで、監理者は、利用者への注意喚起、利用者による画像形成装置の使用(印刷)状況把握、利用者の使用上限値設定、使用上限値超えの処理が挙げられる。
【0007】
そこで本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、運用効率の向上を図った画像形成装置、プログラム、及び記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明に係る画像形成装置は、所定期間における利用者毎の利用の制限を管理する画像形成装置であって、前記所定期間を複数に分割した分割期間毎に対応する印刷推奨ランクを設定して、前記設定した印刷推奨ランクに基づいて利用制限を補正するためのランク係数を算出するランク係数算出手段と、前記利用者の利用の種類毎に消費カウント数を設定し、前記利用者毎の消費カウント数を集計して管理するカウント数情報管理手段と、を備えたことを特徴とする。
【0009】
また本発明に係るプログラムは、所定期間における利用者毎の利用の制限を管理する画像形成装置のコンピュータが実行可能なプログラムであって、前記コンピュータに、ランク係数算出手段が、前記所定期間を複数に分割した分割期間毎に対応する印刷推奨ランクを設定して、前記設定した印刷推奨ランクに基づいて利用制限を補正するためのランク係数を算出する処理と、カウント数情報管理手段が、前記利用者の利用の種類毎に消費カウント数を設定し、前記利用者毎の消費カウント数を集計して管理する処理と、履歴係数算出手段が、前記利用者の利用に応じて積算した分割期間毎の積算消費カウント数に基づいて利用制限を補正するための履歴係数を算出する処理と、残カウント係数算出手段が、前記利用者の残りの消費カウント数と残りの分割期間数とに基づいて利用制限を補正するための残カウント係数を算出する処理と、利用制限手段が、前記ランク係数と前記履歴係数と前記残カウント係数と、に基づいて補正値を算出し、前記算出した補正値に基づいて前記利用者の利用制限を行う処理と、を実行させることを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る記録媒体は、上記プログラムを記録したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明により、運用効率の向上を図った画像形成装置、プログラム、及び記録媒体を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置の利用環境を説明する図である。
【図2】本発明の実施形態に係る画像形成装置の構成図である。
【図3】利用者のジョブ実行要求から、印刷制限内容を決定して利用者に通知するまでの流れについて説明するためのシーケンス図である。
【図4】出力モードと消費カウント数と、の対応関係について説明する図である。
【図5】管理者が設定する印刷推奨ランクと、印刷制限を補正するためのランク係数との関係について説明する図である。
【図6】管理者が印刷推奨ランクを設定する画面について説明する図である。
【図7】利用者が過去に利用した消費カウント履歴情報と、印刷制限を補正するための履歴係数の関係について説明する図である。
【図8】利用者の現在の残カウント数および残期間と、印刷制限を補正するための残カウント係数と、の関係について説明する図である。
【図9】印刷制限手段における、各係数から算出した補正値に応じた印刷制限について説明する図である。
【図10】印刷制限時に、利用者に対する印刷制限情報の通知画面例である。
【図11】利用者毎の上限カウント数と残カウント数を管理するテーブルについて説明する図である。
【図12】管理者が残カウント設定する画面について説明する図である。
【図13】利用者のジョブ実行要求から、利用者間の残カウント数調整を行い、印刷制限内容を決定して利用者に通知するまでの流れについて説明するためのシーケンス図である。
【図14】図2に示した画像形成装置による残カウント数の管理の様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の好適な実施の形態について以下に図面を参照して詳細に説明する。尚以下に述べる実施の形態は本発明の好適な実施の形態であるから、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。また、情報処理装置の一例として、画像形成装置を用いて説明する。
【0014】
<実施形態1>
図1は、本発明の実施形態に係る画像形成装置の利用環境を説明する図である。
【0015】
本実施形態に係る画像形成装置1は、様々な機器が接続されているネットワーク環境9に接続されている。接続されている機器としては、クライアントPC2と、クライアントPC3と、サーバ4と、サーバ5と、サーバ6と、モデム7と、FAX8と、が挙げられるが、特にこれらに限定されることはない。
【0016】
図2は、本発明の実施形態に係る画像形成装置の構成図である。
【0017】
本実施形態に係る画像形成装置は、CPU(Central Processing Unit)21と、表示手段22と、ROM(Read Only Memory)23と、RAM(Random Access Memory)24と、入力手段25と、I/O(In Put/Out Put)ポート26と、バスライン27と、を備える。
【0018】
CPU21は、画像形成装置を統括制御する回路であり、画像形成処理制御手段10と、カウント数情報管理手段11と、画像形成回数計測手段12と、印刷制限手段13と、印刷推奨ランク設定手段14と、印刷制限情報通知手段15と、残カウント数調整手段16と、を備えて構成される。CPU21は、例えばマイクロプロセッサが挙げられる。
【0019】
画像形成処理制御手段10は、利用者ごとの利用制限情報をチェックし、ジョブ実行可否を判断し、画像形成装置を制御する。
【0020】
カウント数情報管理手段11は、出力モードと消費カウント数との対応関係、利用者ごとの上限カウント数、残カウント数、および消費カウント履歴などを管理する。
ここで、画像形成装置の利用状況を把握する上で、利用者の印刷枚数だけで管理しようとすると同じ1枚の原稿を印刷する場合、カラー/モノクロの区別ができなくなる。このため、カウント数を用いることとした。
【0021】
画像形成回数計測手段12は、画像形成処理がなされたタイミングを検出し、その回数を計測する。
【0022】
印刷制限手段13は、装置使用時点での残カウント数と残期間、過去の消費カウント履歴、管理者の設定した印刷推奨ランクから、利用者の印刷制限に対する補正値を算出し、その補正値に基づいて利用者の印刷制限を行う。
【0023】
印刷推奨ランク設定手段14は、利用者が画像形成処理をする際に、印刷制限を補正するための印刷推奨ランクを、ある期間ごとに設定するためのものである。
【0024】
印刷制限情報通知手段15は、利用者に対し、これから印刷を実施する際に行われる印刷制限情報を通知するものである。
【0025】
残カウント調整手段16は、利用者間で残カウント数の授受を行うものである。
【0026】
表示手段22は、印刷設定枚数、用紙サイズ、カラー/モノクロ、片面/両面、縮小/拡大、印刷枚数、エラー発生状況等の印刷関係情報を表示する装置であり、例えば、液晶表示素子が挙げられる。
【0027】
ROM23は、画像形成装置を制御するためのプログラムを記憶した回路であり、例えば、マスクROMが挙げられる。
【0028】
RAM24は、画像データ、印刷設定枚数、用紙サイズ、カラー/モノクロ、片面/両面、縮小/拡大、印刷枚数、エラー発生状況等の印刷関係情報を一時的に記憶する回路であり、例えば、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)が挙げられる。
【0029】
入力手段25は、利用者もしくは監理者(監理者は画像形成装置を通常どおり利用する場合には利用者の1人でもある)が必要な操作を行うためのものであり、例えば、電源スイッチ、タッチパネルが挙げられる。
【0030】
I/Oポート26は、外部回路との情報の授受を行うためであり、例えばUSBポートが挙げられる。
【0031】
図3は、利用者のジョブ実行要求から、印刷制限内容を決定して利用者に通知するまでの流れについて説明するためのシーケンス図である。
【0032】
画像形成処理制御手段10は、利用者からログイン要求(S1)を受ける。利用者がログインすると、その利用者に対する残カウント情報の表示をカウント数情報管理手段11に要求する(S2)。ここで、カウント数情報管理手段11は、残カウントの表示と関連して、印刷制限情報を合わせて表示する(Sa)ことも管理している。そのため、印刷制限手段13に対して印刷制限要求(S3)を行う。
【0033】
印刷制限手段13は、印刷推奨ランク設定手段14から、管理者によって設定された印刷推奨ランク情報を取得する(S4)。また、カウント数情報管理手段11から、カウント情報として、利用者の残カウント数と残期間情報を取得する(S5)。これらの情報をもとに、印刷制限内容を決定し(S6)、後述する補正値を算出する(Sc)。そして、その結果を、印刷制限情報通知手段15を用いて、表示手段により文字や画像の形式で利用者に通知する(S7)。
【0034】
その後、利用者からジョブ実行要求(S8)を受けると、画像形成処理制御手段10は、カウント数情報管理手段11からカウント数情報を取得(S9)して、ジョブ実行可否判定を行う(S10)。そして実行可能な場合は、画像形成処理が行われる。画像形成処理が完了すると、画像形成回数計測手段12から画像形成情報が、カウント数情報管理手段11に通知される(S11)。カウント数情報管理手段11は、その情報をもとにカウント数情報に関する履歴情報の更新を行う(S12)。更新後表示手段22が履歴情報を表示する(Sb)。
このような動作により、監理者は、画像形成装置の運用において、印刷に関わるコストを予算の範囲内に抑えることができる。
【0035】
図4は、出力モードと消費カウント数との対応関係について説明する図である。
【0036】
カウント数情報管理手段11では、出力モードと消費カウント数との対応関係を管理する。
【0037】
出力モードは、カラーモードとしてカラーまたはモノクロの指定が可能であり、用紙サイズとしてA3またはA4の指定が可能であるとした場合の、各モードの組合せによる印刷1枚あたりの消費カウント数を示している。図4に示すようにモノクロよりもカラーの方が、消費カウント数が多く、A4よりもA3の方が、消費カウント数が多くなる。
【0038】
図5は、管理者が設定する印刷推奨ランクと、印刷制限を補正するためのランク係数との関係について説明する図である。
【0039】
ランク係数は、平均的な状態を1.00とし、1.00を超えていれば印刷制限が通常より強い状態であることを示し、1.00未満であれば印刷制限を通常より弱い状態であることを示す値であり、この値は管理者が設定できるようになっている。
【0040】
図5では、上限カウントが適用されるある期間を、期間1〜期間8に分割した場合について説明する。管理者は、各期間に対して、任意の正の整数値を印刷推奨ランクとして設定できる。この値は、印刷を強く制限したい期間に対して印刷推奨ランクを高く設定し、弱く制限したい期間に対して印刷推奨ランクを低く設定するようになっている。
【0041】
図5では、監理者が、期間1〜期間3は印刷推奨ランクを1と設定し、期間4〜期間6は印刷推奨ランクを2と設定し、期間7〜期間8は印刷推奨ランクを3と設定した場合を示している。
【0042】
各期間の数値は、相対的な値(※)として判断され、全期間で印刷推奨ランクの平均が1.00となるような値がランク係数として算出される。(※ここで、全ての期間に対して印刷推奨ランクを1と設定した場合と、全ての期間に対して印刷推奨ランクを2と設定した場合は、どちらもランク係数は全ての期間で1.00となる。)
【0043】
ランク係数の算出式は以下の数式(1)となる。
(印刷推奨ランク)=(期間分割数)×(対象期間の印刷推奨ランク)/(印刷推奨ランクの総和)……(1)
ここで、数式(1)は、画像形成装置による印刷に関して最も利用して欲しい期間や最も利用を自粛して欲しい期間を運用に反映させるための数値である印刷推奨ランクを算出するための数式である。
【0044】
対象期間として期間7を例にすると、ランク係数は、
8×3/15=1.60
となる。
【0045】
上限カウントが適用される1ヶ月という期間に対し、日ごとに印刷推奨ランクが設定可能とする場合、例えば月末に印刷が集中して残カウント切れが懸念されるときに、月末の印刷推奨ランクを高めに設定して印刷制限をかけるという使い方ができる。
【0046】
図6は、管理者が印刷推奨ランクを設定する画面について説明する図である。
【0047】
管理者は、各期間に対して印刷推奨ランクを設定できる。本実施形態では期間1〜期間8を設定期間名称としているが、実際の運用では日にち毎の印刷推奨ランクの設定や、週毎の印刷推奨ランクの設定が行われる。設定したい期間の部分にタッチして印刷推奨ランクを入力する。全ての印刷推奨ランクの設定が終了したら右上の設定ボタンで決定する。
これらの操作により、監理者は、利用者の利用状況を集計し、利用状況に応じて利用者に注意喚起をすることができる。
【0048】
また、監理者は、印刷推奨ランクを、サマータイム、計画停電等の電力環境や、土日操業、早出残業等の業務形態等に対応して設定することができるので、画像形成装置の効率的な運用を行うことができる。
【0049】
<実施形態2>
次に、本発明に係る実施形態2について説明する。
実施形態2では、利用者の利用履歴に基づいて、印刷制限を補正する点について説明する。
図7は、利用者が過去に利用した消費カウント履歴情報と、印刷制限を補正するための履歴係数の関係について説明する図である。
【0050】
履歴係数は、過去のある期間に対して利用者に与えられた上限カウント数に対し、平均的なペースで利用した場合を1.00とし、1.00を超えていれば平均を超えるペースでカウントを消費していたことを示し、1.00未満であれば平均に満たないペースでカウントを消費していたことを示す値である。
【0051】
上限カウントが適用されるある期間を期間1〜期間8に分割した場合について説明する。
最初に、ある利用者が、各期間に消費したカウントが履歴として保存されている。図7では、上限カウント数が300である利用者が、期間1に30カウントを消費、期間2に20カウントを消費、・・・、トータルで260カウントを利用していたことを表す履歴情報を示した図である。各期間の消費カウント数と、その利用者の上限カウント数とから、各期間に対して履歴係数が算出される。
【0052】
履歴係数の算出式は以下の数式(2)となる。
(履歴係数)=(期間分割数)×(対象期間の消費カウント数)/(上限カウント数)……(2)
この数式(2)は、例えば、電力量が低いとき(電力会社が公表する電力予報の数字が小さいとき)は印刷してもよいが、電力量が高いとき(電力予報の数字が大きいとき)はなるべく印刷しないようにいう監理者の意思を反映させるための数式の一種である。
【0053】
対象期間として期間7を例にすると、この利用者の上限カウント数は300であるので、履歴係数は、
8×60/300=1.60
となる。
【0054】
上限カウントが適用される1ヶ月という期間に対し、日ごとの消費カウント数を履歴として保存するような使い方ができる。
【0055】
<実施形態3>
次に、本発明に係る実施形態3について説明する。
実施形態3では、利用者の現在の残カウント値と補正値とについて説明する。
図8は、利用者の現在の残カウント数および残期間と、印刷制限を補正するための残カウント係数の関係について説明する図である。
【0056】
残カウント係数は、現在の上限カウント適用期間において利用者に与えられた上限カウント数に対し、平均的なペースで利用した場合を1.00とし、1.00を超えると平均を超えるペースでカウントを消費していることを示し、1.00未満であれば平均に満たないペースでカウントを消費していることを示す値である。
【0057】
ここで、上限カウントが適用されるある期間を期間1〜期間8に分割した場合について説明する。
【0058】
図8は、3つのケースを想定した場合のそれぞれに対する残カウント係数を示している。ケース1は、ある期間に対してまだ印刷を利用していない状態であり、残カウント係数は1.00である。ケース2は、半分の期間を過ぎた時点で、200カウントを消費して残カウント100となった状態であり、残カウント係数は1.50となり平均を超えるペースであることを示している。ケース3は、4分の3の期間を過ぎた時点で、150カウントを消費して残カウント150となった状態であり、残カウント係数は0.50となり平均に満たないペースでカウントを消費していることを示している。
【0059】
残カウント係数の算出式は以下の数式(3)となる。
(残カウント係数)=((上限カウント数)/(期間分割数))/((残カウント数)/(残期間))……(3)
数式(3)は、利用者が現在、あとどのくらい印刷できるのかを把握すると共に、監理者が利用者の利用状況を把握するための数式である。
【0060】
ケース2を例にすると、
(300/8)/(100/4)=1.50
となる。
【0061】
上限カウントが適用される1ヶ月という期間に対し、残日数と残カウント数とに対して残カウント係数を算出するという使い方ができる。
【0062】
図9は、印刷制限手段における、各係数から算出した補正値に応じた印刷制限について説明する図である。
【0063】
印刷制限手段13では、ランク係数、履歴係数、残カウント係数から補正値を算出する。機器に設定されている補正値の閾値(図9では、1.2と1.8を閾値とした例を示している。)により、実際に利用者に対して制限する内容を決定する。
【0064】
補正値の算出手段は以下の数式(4)となる。
(補正値)=(((ランク係数)+(履歴係数))/2)×(残カウント係数)……(4)
この数式(4)は、電力予報の数値が変化した場合や想定外の使用状況を反映させるための数値を算出するための数式であり、利用者の過去の使用状況に応じて努力目標に近づけることができる。
これらの数式(1)〜(4)を用いることにより、画像形成装置を安定した使い方に近づけることができ、効率的な運用をすることができる。
【0065】
以下に、図5、図7、図8の例をもとに説明する。
<ケース1>
利用者は「期間1」で印刷を実行しようとしている状況である。
このとき、
ランク係数:0.53
履歴係数:0.80
残カウント係数:1.00
であるため、
補正値=0.67
となる。
従って、利用者は印刷制限がかかることなく、利用できることになる。
【0066】
<ケース2>
利用者は半分の期間を過ぎた時点であるため、「期間5」で印刷実行しようとしている状況である。
このとき、
ランク係数:1.07
履歴係数:1.07
残カウント係数:1.50
であるため、
補正値=1.60
となる。
従って、利用者は両面集約印刷を強制される旨が通知され、印刷実行すると制限のかけられた出力モードで印刷される。この制御により、印刷の枚数を強制的に減らすことで消費カウントを低減する。
【0067】
<ケース3>
利用者は「期間7」で印刷を実行しようとしている状況である。
このとき、
ランク係数:1.60
履歴係数:1.60
残カウント係数:0.50
であるため、
補正値=0.80
となる。
従って、ケース1と同様、利用者は印刷制限がかかることなく、利用できることになる。
【0068】
図10は、印刷制限時に、利用者に対する印刷制限情報の通知画面例である。
【0069】
印刷制限時に、利用者に対する印刷制限情報の通知画面例を示す。この例は、図9で「両面、集約印刷を強制」された場合に、メッセージで通知する場合の画面例である。
【0070】
図11は、利用者毎の上限カウント数と残カウント数を管理するテーブルについて説明する図である。
【0071】
この例では、4人の利用者がいることを示したテーブルである。A管理者は、上限400カウントに対し、現時点で138カウントが残っていることを示している。また、B社員は、上限200カウントを使いきり、残カウントが無いことを示している。C社員は、上限300カウントに対し、残カウント230残っていることを示し、D社員は、上限300カウントに対し、残カウント153残っていることを示している。
【0072】
図12は、管理者が残カウント設定する画面について説明する図である。
【0073】
ここでは、利用者の残カウントが切れた場合等に、利用者間で残カウントの受け渡しを行い、調整するための画面を示している。また、この画面は管理者のみが例えば、パスワード入力、もしくは指紋認証により操作できる画面である。
【0074】
図11で示すカウント数の状態を例に、A管理者がC社員の残カウントをB社員に移す場合について説明する。矢印キーを押下し、C社員からB社員に値を移し、OKキーを押下することでカウント数管理テーブルが更新される。
【0075】
図13は、利用者のジョブ実行要求から、利用者間の残カウント数調整を行い、印刷制限内容を決定して利用者に通知するまでの流れについて説明するためのシーケンス図である。
同図において、ステップS1からステップS12までは図3に示したシーケンス図と同様のため説明を省略する。
図13に示したシーケンス図の図3に示したシーケンス図との相違点は、残カウント数調整手段16が加わった点である。
【0076】
すなわち、カウント数情報管理手段11から残カウント数が残カウント数調整手段16に通知されると(ステップSd)、残カウント数調整手段16は、残カウント数が上限値を超えた利用者に対して残カウント数が上限値未満の社員であって使用が可能な社員の残カウント数を融通するように調整し、残カウント数の調整結果を印刷制限手段13に通知する(ステップSe)。印刷制限手段13は、印刷制限通知手段15に印刷制限情報通知要求を送る(ステップSf)。印刷制限通知手段15は、表示手段22に残カウント数の調整結果を表示させる(ステップSb)。
このような動作により、監理者は、画像形成装置の運用において、残カウント数が上限値を超えた社員と残カウント数に余裕がある社員との間で残カウント数を授受することにより、必要な印刷を行うことができ、しかも印刷に関わるコストを予算の範囲内に抑えることができる。
【0077】
図14は、図2に示した画像形成装置による残カウント数の管理の様子を示す図である。
図14において、横軸は期間を示し、縦軸は消費カウント数を示している。実線L1は、理想的な特性曲線を示し、破線L2aは比較的早めに消費カウント数が上限カウント数に到達し、かつ全く管理しなかった場合の特性曲線を示し、一点鎖線L2bは、本願プログラムを備えた画像形成装置の特性曲線を示している。破線L3aは、比較的遅めに消費カウント数が上限カウント数に到達し、かつ全く管理しなかった場合の特性曲線を示し、二点鎖線L3bは、本願プログラムを備えた画像形成装置の特性曲線を示している。
【0078】
一点鎖線L2bは、印刷カウント数が比較的多い場合に、利用者に対して、ランク係数を大きく変更して残カウント数の減り方に加速感を与えたり、メールで通知したりすることにより、片面印刷から両面印刷に変更を促したり、縮約させたりすることで上限カウント数以下に抑えたものである。
【0079】
また、二点鎖線L3bは、印刷カウント数が増加して上限カウント数に接近する場合に利用者に対して、ランク係数を大きく変更して残カウント数の減り方に加速感を与えたり、メールで通知したりすることにより、片面印刷から両面印刷に変更を促したり、縮約させたりすることで上限カウント数以下に抑えたものである。
【0080】
すなわち、本画像形成装置は、利用者の残カウント数が少ないうちは特に抑制はしないものの、残カウント数が上限カウント数に接近しそうな場合に理想的な特性曲線L1に近づくように消費カウント数を調整するようになっている。
尚、図14においては、特性曲線が上限値以下に抑える場合について説明したが、理想的な特性曲線L1以下に抑えるようにしてもよい。
【0081】
尚、上述する実施形態は、本発明の好適な実施形態であり、上記実施形態のみに本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更を施した形態での実施が可能である。
【0082】
以上において、本画像形成装置は、装置の使用時点での残カウント数と残期間、過去の消費カウント履歴、管理者の設定した印刷推奨ランクから、利用者の印刷制限に対する補正値を算出し、その補正値を種々の状況で変化させることにより利用者の印刷制限が可能である。
【0083】
また本画像形成装置は、管理者が所定期間において分割した複数の分割期間に対して印刷推奨ランクを設定すると、分割期間毎の印刷推奨ランクに基づいてランク係数を算出し、利用者の分割期間毎の消費カウント数に基づいて履歴係数を算出し、利用者の所定期間における残カウント数に基づいて残カウント係数を算出し、ランク係数と履歴係数と残カウント係数とから補正値を算出し、算出した補正値に対応した印刷制限を行うことで、管理者にとって煩わしい印刷推奨ランクの管理作業を低減することが可能である。
【0084】
<本実施形態の作用効果>
上記の実施形態によれば、装置使用時点での残カウント数と残期間、過去の消費カウント履歴、管理者の設定した印刷推奨ランクから、利用者の印刷制限に対する補正値を算出し、その補正値を種々の状況で変化させて利用者の印刷制限をかけるので、利用者の残カウント切れ時における、管理者の管理面での煩わしさを低減させることができる。
【0085】
本発明に係る画像形成装置の利用制限手段は、補正値を所定の値で段階的に区切り、段階的に区切った補正値に応じた利用制限を行うことを特徴とする。
【0086】
また本発明に係る画像形成装置は、利用者に利用制限情報を通知する表示手段を有することを特徴とする。
【0087】
また本発明に係る画像形成装置の設定する印刷推奨ランクは、利用者毎に設定できることを特徴とする。
【0088】
また本発明に係る画像形成装置の設定する印刷推奨ランクは、利用者の所属するグループ毎に設定できることを特徴とする。
【0089】
本発明に係る画像形成装置の利用制限方法の利用制限工程は、補正値を所定の値で段階的に区切り、段階的に区切った補正値に応じた利用制限を行うことを特徴とする。
【産業上の利用可能性】
【0090】
本発明によれば、情報処理装置、画像形成装置などの用途に適用できる。
【符号の説明】
【0091】
1 画像形成装置(情報処理装置)
2、3 クライアントPC
4、5、6 サーバ
7 モデム
8 FAX
9 ネットワーク
10 画像形成処理制御手段
11 カウント数情報管理手段
12 画像形成回数計測手段
13 印刷制限手段
14 印刷推奨ランク設定手段
15 印刷制限情報通知手段
【先行技術文献】
【特許文献】
【0092】
【特許文献1】特開2007−249563号公報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定期間における利用者毎の利用の制限を管理する画像形成装置であって、
前記所定期間を複数に分割した分割期間毎に対応する印刷推奨ランクを設定して、前記設定した印刷推奨ランクに基づいて利用制限を補正するためのランク係数を算出するランク係数算出手段と、
前記利用者の利用の種類毎に消費カウント数を設定し、前記利用者毎の消費カウント数を集計して管理するカウント数情報管理手段と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記利用者の利用に応じて積算した分割期間毎の積算消費カウント数に基づいて利用制限を補正するための履歴係数を算出する履歴係数算出手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記利用者の残りの消費カウント数と残りの分割期間数とに基づいて利用制限を補正するための残カウント係数を算出する残カウント係数算出手段と、
前記ランク係数と前記履歴係数と前記残カウント係数と、に基づいて補正値を算出し、前記算出した補正値に基づいて前記利用者の利用制限を行う利用制限手段と、
を有することを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記利用制限手段は、前記補正値を所定の値で段階的に区切り、前記段階的に区切った前記補正値に応じた利用制限を行うことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記利用者に利用制限情報を通知する表示手段を有することを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記設定する印刷推奨ランクは、利用者毎に設定できることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記設定する印刷推奨ランクは、利用者の所属するグループ毎に設定できることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項8】
所定期間における利用者毎の利用の制限を管理する画像形成装置のコンピュータが実行可能なプログラムであって、
前記コンピュータに、
ランク係数算出手段が、前記所定期間を複数に分割した分割期間毎に対応する印刷推奨ランクを設定して、前記設定した印刷推奨ランクに基づいて利用制限を補正するためのランク係数を算出する処理と、
カウント数情報管理手段が、前記利用者の利用の種類毎に消費カウント数を設定し、前記利用者毎の消費カウント数を集計して管理する処理と、
履歴係数算出手段が、前記利用者の利用に応じて積算した分割期間毎の積算消費カウント数に基づいて利用制限を補正するための履歴係数を算出する処理と、
残カウント係数算出手段が、前記利用者の残りの消費カウント数と残りの分割期間数とに基づいて利用制限を補正するための残カウント係数を算出する処理と、
利用制限手段が、前記ランク係数と前記履歴係数と前記残カウント係数と、に基づいて補正値を算出し、前記算出した補正値に基づいて前記利用者の利用制限を行う処理と、
を実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項9】
請求項8記載のプログラムを記録したことを特徴とする記録媒体。
【請求項1】
所定期間における利用者毎の利用の制限を管理する画像形成装置であって、
前記所定期間を複数に分割した分割期間毎に対応する印刷推奨ランクを設定して、前記設定した印刷推奨ランクに基づいて利用制限を補正するためのランク係数を算出するランク係数算出手段と、
前記利用者の利用の種類毎に消費カウント数を設定し、前記利用者毎の消費カウント数を集計して管理するカウント数情報管理手段と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記利用者の利用に応じて積算した分割期間毎の積算消費カウント数に基づいて利用制限を補正するための履歴係数を算出する履歴係数算出手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記利用者の残りの消費カウント数と残りの分割期間数とに基づいて利用制限を補正するための残カウント係数を算出する残カウント係数算出手段と、
前記ランク係数と前記履歴係数と前記残カウント係数と、に基づいて補正値を算出し、前記算出した補正値に基づいて前記利用者の利用制限を行う利用制限手段と、
を有することを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記利用制限手段は、前記補正値を所定の値で段階的に区切り、前記段階的に区切った前記補正値に応じた利用制限を行うことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記利用者に利用制限情報を通知する表示手段を有することを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記設定する印刷推奨ランクは、利用者毎に設定できることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記設定する印刷推奨ランクは、利用者の所属するグループ毎に設定できることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項8】
所定期間における利用者毎の利用の制限を管理する画像形成装置のコンピュータが実行可能なプログラムであって、
前記コンピュータに、
ランク係数算出手段が、前記所定期間を複数に分割した分割期間毎に対応する印刷推奨ランクを設定して、前記設定した印刷推奨ランクに基づいて利用制限を補正するためのランク係数を算出する処理と、
カウント数情報管理手段が、前記利用者の利用の種類毎に消費カウント数を設定し、前記利用者毎の消費カウント数を集計して管理する処理と、
履歴係数算出手段が、前記利用者の利用に応じて積算した分割期間毎の積算消費カウント数に基づいて利用制限を補正するための履歴係数を算出する処理と、
残カウント係数算出手段が、前記利用者の残りの消費カウント数と残りの分割期間数とに基づいて利用制限を補正するための残カウント係数を算出する処理と、
利用制限手段が、前記ランク係数と前記履歴係数と前記残カウント係数と、に基づいて補正値を算出し、前記算出した補正値に基づいて前記利用者の利用制限を行う処理と、
を実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項9】
請求項8記載のプログラムを記録したことを特徴とする記録媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2012−30585(P2012−30585A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−142865(P2011−142865)
【出願日】平成23年6月28日(2011.6.28)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月28日(2011.6.28)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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