説明

画像形成装置、情報処理装置、および、画像形成用プログラム

【課題】画像形成システムにおいて、作業効率の低下の回避および一時的かつ局所的な静音の確保を図る。
【解決手段】画像形成システムは、複数の画像形成装置1A〜1Cを含む。画像形成装置1Aは、記録用紙に画像を形成するために稼動する稼動部を備え、当該稼動部に実行させるジョブの予約を受付ける。そして、画像形成装置1Aは、受付けたジョブの実行時に推測される上記稼動部の稼動音の音量が、当該画像形成装置1Aにおいて設定される静音レベルで制限される音量を超える場合には、上記予約を受付けたジョブの実行を他の画像形成装置(画像形成装置1Bまたは画像形成装置1C)に指示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、特に、複数の画像形成装置を含む画像形成システムにおける、各画像形成装置の稼動音に基づく制御に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、一般オフィス等で主流になっているネットワーク環境化で接続されている複数の画像形成装置に関し、その制御についての技術が種々開示されている。
【0003】
たとえば、特許文献1(特開2000−172476号公報)では、複数の画像形成装置と、当該複数の画像形成装置を管理する管理装置とによって構成されるシステムが開示されている。当該システムでは、或る画像形成装置の内部の温度が所定温度(危険温度)以上である場合、その温度情報が管理装置に送信される。管理装置は、当該温度情報が検出された画像形成装置に印刷待ちジョブが存在する場合には、他の画像形成装置に、その印刷待ちジョブを実行させる。これにより、作業効率等の低下の回避が図られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−172476号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
プリンタや複写機に代表される画像形成装置には、トナー画像を形成し、そのトナー画像を定着器により加熱および加圧することで記録媒体上に定着させて記録媒体上に画像を形成するものがある。この様な画像形成装置には、定着器から発生する熱を装置筐体に設けられた排気口から筐体外に排出するための排気ファンや、記録用紙を搬送するためのローラなど、様々な動作部材が配備されている。近年では、装置内に配備されているこれら動作部材が動作することで発生する稼動音が、騒音源として問題視される場面がある。
【0006】
その一方で、画像形成システムが構築された領域の中で、たとえばオフィスにおいて来客を応接する場所など、一時的かつ局所的に静音を確保したいという場合がある。
【0007】
本発明は、かかる実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、画像形成システムにおいて、作業効率の低下の回避および一時的かつ局所的な静音の確保を図ることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に従った画像形成装置は、複数の画像形成機器とともに画像形成システムを構成する画像形成装置であって、記録用紙に画像を形成するために稼動する稼動部と、稼動部に実行させるジョブの予約を受付ける受付手段と、ジョブを稼動部に実行させる制御手段とを備え、受付手段は、稼動部の稼動音の音量に関する制限情報の指示入力を取得し、制御手段は、受付手段が予約を受付けたジョブの実行時に推測される稼動部の稼動音の音量が制限情報で制限される音量を超える場合には、受付手段が予約を受付けたジョブの実行を稼動部に実行させる代わりに画像形成機器に指示する。
【0009】
好ましくは、制御手段は、各画像形成機器が設置されている位置に基づいて、ジョブの実行を指示する画像形成機器を決定する。
【0010】
好ましくは、制御手段は、設置されている位置が画像形成装置から離れている順に優先して、ジョブの実行を指示する画像形成機器を決定する。
【0011】
好ましくは、制御手段は、各画像形成機器における画像形成動作において推測される稼動音の音量が小さい順に優先して、ジョブの実行を指示する画像形成機器を決定する。
【0012】
好ましくは、制御手段は、各画像形成機器における画像形成後の用紙に対する後処理動作において推測される稼動音の音量が小さい順に優先して、ジョブの実行を指示する画像形成機器を決定する。
【0013】
好ましくは、制御手段は、受付手段が予約を受付けたジョブが、画像形成後の用紙に対する後処理動作を必要とないジョブである場合には、複数の画像形成機器の中で、画像形成後の用紙に対する後処理動作のための手段を有しない画像形成機器を優先して、ジョブの実行を指示する画像形成機器を決定する。
【0014】
好ましくは、制御手段は、受付手段が予約を受付けたジョブが、画像形成後の用紙に対する後処理動作を必要とするジョブである場合には、各画像形成機器の設置されている位置が画像形成装置から離れている順であって、後処理動作において推測される稼動音の音量の小さい順に、優先して、ジョブの実行を指示する画像形成機器を決定する。
【0015】
好ましくは、制御手段は、受付手段が予約を受付けたジョブが、モノクロで画像を形成するジョブである場合には、モノクロで画像を形成しカラーで画像を形成しない画像形成機器を優先して、ジョブの実行を指示する画像形成機器を決定する。
【0016】
好ましくは、制御手段は、受付手段が予約を受付けたジョブが、カラーで画像を形成するジョブである場合には、タンデム型のカラー画像形成機器であることを優先して、ジョブの実行を指示する画像形成機器を決定する。
【0017】
好ましくは、制限情報は、稼動部の稼動音の音量を制限するレベルである静音レベルであり、制御手段は、受付手段が予約を受付けたジョブの実行時に推測される稼動部の稼動音の音量についてのレベルであるジョブレベルを特定し、受付手段が予約を受付けたジョブに対して特定されたジョブレベルが、稼動部の稼動音について取得された静音レベルにおいて許容されるレベルを超えていると判断した場合に、受付手段が予約を受付けたジョブの実行時に推測される稼動部の稼動音の音量が制限情報で制限される音量を超えると判断する。
【0018】
本発明に従った情報処理装置は、複数の画像形成装置と通信可能な情報処理装置であって、各画像形成装置は、ジョブを実行する稼動部を含み、ジョブの予約を受付ける受付手段と、各画像形成装置についての、稼動部の稼動音の音量に関する制限情報を記憶する記憶手段と、受付手段が予約を受付けたジョブの実行時に推測される各画像形成装置の稼動部における稼動音の音量と、各画像形成装置についての制限情報によって制限される音量とに基づいて、複数の画像形成装置の中から、受付手段が予約を受付けたジョブを指示する画像形成装置を決定する決定手段とを備える。
【0019】
好ましくは、決定手段は、各画像形成装置が設置されている位置に基づいて、ジョブの実行を指示する画像形成装置を決定する。
【0020】
好ましくは、決定手段は、設置されている位置が特定の場所から離れている順に優先して、ジョブの実行を指示する画像形成装置を決定する。
【0021】
好ましくは、決定手段は、各画像形成装置における画像形成動作において推測される稼動音の音量が小さい順に優先して、ジョブの実行を指示する画像形成装置を決定する。
【0022】
好ましくは、決定手段は、各画像形成装置における画像形成後の用紙に対する後処理動作において推測される稼動音の音量が小さい順に優先して、ジョブの実行を指示する画像形成装置を決定する。
【0023】
好ましくは、決定手段は、受付手段が予約を受付けたジョブが、画像形成後の用紙に対する後処理動作を必要とないジョブである場合には、複数の画像形成装置の中で、画像形成後の用紙に対する後処理動作のための手段を有しない画像形成装置を優先して、ジョブの実行を指示する画像形成装置を決定する。
【0024】
好ましくは、決定手段は、受付手段が予約を受付けたジョブが、画像形成後の用紙に対する後処理動作を必要とするジョブである場合には、各画像形成装置の設置されている位置が特定の場所から離れている順であって、後処理動作において推測される稼動音の音量の小さい順に、優先して、ジョブの実行を指示する画像形成装置を決定する。
【0025】
好ましくは、決定手段は、受付手段が予約を受付けたジョブが、モノクロで画像を形成するジョブである場合には、モノクロで画像を形成しカラーで画像を形成しない画像形成装置を優先して、ジョブの実行を指示する画像形成装置を決定する。
【0026】
好ましくは、決定手段は、受付手段が予約を受付けたジョブが、カラーで画像を形成するジョブである場合には、タンデム型のカラー画像形成装置であることを優先して、ジョブの実行を指示する画像形成装置を決定する。
【0027】
好ましくは、制限情報は、稼動部の稼動音の音量を制限するレベルである静音レベルであり、決定手段は、受付手段が予約を受付けたジョブの実行時に推測される稼動部の稼動音の音量についてのレベルであるジョブレベルを特定し、記憶手段において記憶されている静音レベルが、受付手段が予約を受付けたジョブに対して特定されたジョブレベルを許容するレベルである画像形成装置を、受付手段が予約を受付けたジョブを指示する画像形成装置として決定する。
【0028】
本発明に従った画像形成用プログラムは、複数の画像形成装置を含む画像形成システムに接続可能なコンピュータにおいて実行される画像形成用プログラムであって、各画像形成装置は、記録用紙に画像を形成するために稼動する稼動部を含み、一の画像形成装置およびジョブを指定する指定手段、各画像形成装置についての、稼動部の稼動音の音量に関する制限情報を取得する取得手段、および、指定手段が指定したジョブの実行時に推測される指定手段が指定した画像形成装置の稼動部における稼動音の音量が、指定手段が指定した画像形成装置についての制限情報によって制限される音量を超える場合には、指定手段が指定したジョブの実行を、指定手段が指定した画像形成装置に指示する代わりに、他の画像形成装置に指示する指示手段として機能させる。
【0029】
好ましくは、指示手段は、各画像形成装置が設置されている位置に基づいて、ジョブの実行を指示する画像形成装置を決定する。
【0030】
好ましくは、指示手段は、設置されている位置が指定手段が指定した画像形成装置から離れている順に優先して、ジョブの実行を指示する画像形成装置を決定する。
【0031】
好ましくは、指示手段は、各画像形成装置における画像形成動作において推測される稼動音の音量が小さい順に優先して、ジョブの実行を指示する画像形成装置を決定する。
【0032】
好ましくは、指示手段は、各画像形成装置における画像形成後の用紙に対する後処理動作において推測される稼動音の音量が小さい順に優先して、ジョブの実行を指示する画像形成装置を決定する。
【0033】
好ましくは、指示手段は、指定手段が予約を受付けたジョブが、画像形成後の用紙に対する後処理動作を必要とないジョブである場合には、複数の画像形成装置の中で、画像形成後の用紙に対する後処理動作のための手段を有しない画像形成装置を優先して、ジョブの実行を指示する画像形成装置を決定する。
【0034】
好ましくは、指示手段は、指定手段が予約を受付けたジョブが、画像形成後の用紙に対する後処理動作を必要とするジョブである場合には、各画像形成装置の設置されている位置が指定手段が指定した画像形成装置から離れている順であって、後処理動作において推測される稼動音の音量の小さい順に、優先して、ジョブの実行を指示する画像形成装置を決定する。
【0035】
好ましくは、指示手段は、指定手段が予約を受付けたジョブが、モノクロで画像を形成するジョブである場合には、モノクロで画像を形成しカラーで画像を形成しない画像形成装置を優先して、ジョブの実行を指示する画像形成装置を決定する。
【0036】
好ましくは、指示手段は、指定手段が予約を受付けたジョブが、カラーで画像を形成するジョブである場合には、タンデム型のカラー画像形成装置であることを優先して、ジョブの実行を指示する画像形成装置を決定する。
【0037】
好ましくは、制限情報は、稼動部の稼動音の音量を制限するレベルである静音レベルであり、指示手段は、指定手段が予約を受付けたジョブの実行時に推測される、指定手段が指定した画像形成装置の稼動部の稼動音の音量についてのレベルであるジョブレベルを特定し、指定手段が予約を受付けたジョブに対して特定されたジョブレベルが、指定手段が指定した画像形成装置の稼動部の稼動音について取得された静音レベルにおいて許容されるレベルを超えていると判断した場合に、指定手段が予約を受付けたジョブの実行時に推測される稼動部の稼動音の音量が制限情報で制限される音量を超えると判断する。
【発明の効果】
【0038】
上記構成によれば、画像形成装置に対して予約されたジョブの動作時に想定される動作音が、画像形成装置に対して指示入力された制限情報で制限される音量を超える場合には、当該ジョブの実行が画像形成システム内の他の画像形成装置に指示される。
【0039】
これにより、画像形成システムにおいて、作業効率の低下の回避および一時的かつ局所的な静音の確保を図ることである。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本実施の形態に係る画像形成システムの構成を模式的に示す図である。
【図2】図1の画像形成装置の概略構成を示す図である。
【図3】図1の画像形成装置のハードウェア構成を模式的に示す図である。
【図4】図1のサーバのハードウェア構成の具体例を示す図である。
【図5】図1のPC(パーソナルコンピュータ)のハードウェア構成の具体例を示す図である。
【図6】モード設定処理のフローチャートである。
【図7】図6のジョブ実行処理のサブルーチンのフローチャートである。
【図8】図7のジョブレベル決定処理のサブルーチンのフローチャートである。
【図9】図7のジョブレベル決定処理のサブルーチンのフローチャートである。
【図10】装置情報の内容の具体例を示す図である。
【図11】画像形成装置の状態の内容の具体例を示す図である。
【図12】本実施の形態におけるジョブレベルのそれぞれについて、対応するジョブの内容を説明するための図である。
【図13】図7の転送処理のサブルーチンのフローチャートである。
【図14】図13の優先処理のサブルーチンのフローチャートである。
【図15】本発明の第2の実施の形態のサーバにおいて実行される処理のフローチャートである。
【図16】本発明の第3の実施の形態のPCにおいて実行される処理のフローチャートである。
【図17】図16の処理によって表示される画面の一例を示す図である。
【図18】図16の処理によって表示される画面の一例を示す図である。
【図19】図16の処理によって表示される画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下に、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品および構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。
【0042】
(第1の実施の形態)
[画像形成システムの全体構成]
図1は、本実施の形態に係る画像形成システムの構成を模式的に示す図である。
【0043】
図1を参照して、本実施の形態の画像形成システムは、画像形成装置1A〜1Cと、情報処理装置の一例であるサーバ2と、パーソナルコンピュータ(PC)3とを含む。画像形成装置1A〜1C、サーバ2、および、PC3は、ネットワークNを介して、互いに通信可能に構成されている。
【0044】
画像形成システムに含まれる画像形成装置の数は、図1に示される「3」に限定されない。画像形成装置1A〜1Cとしては、プリンタや、ファクシミリ送受信機や、コピー機やMFP(Multi Function Peripheral)等の画像形成装置が想定される。本明細書では、画像形成システムに含まれる画像形成装置(画像形成装置1A〜1C)を総称して、適宜「画像形成装置1」という。
【0045】
[画像形成装置の全体構成]
図2は、画像形成装置1の概略構成を示す図である。
【0046】
図2を参照して、画像形成装置1は、原稿を搬送する原稿搬送部20と、搬送された原稿を画像データとして読取る画像読取部26と、読取った画像データに基づいて画像を形成する画像形成部10と、記録用紙を給紙する給紙部15,16と、記録用紙に転写された画像を定着させるための定着部40と、記録用紙に対する後処理を実行するための後処理部30とを含む。また、画像形成装置1内には、全体を制御する制御部、指示等を入力を受付けるための操作部(後述する操作部112)、情報を表示する表示部(後述する表示部111)等が設けられる。また、画像形成装置1内には機内の温度を冷却するための機内用ファン200も設けられる。機内用ファン200は、画像形成部10に含まれる。
【0047】
原稿搬送部20の原稿台21上に載置された原稿は、搬送ローラ22等により搬送されて画像読取部26により読取られて、排紙トレイ23に排出される。
【0048】
また、画像読取部26のCCD(Charge Coupled Devices)24は、例えば原稿搬送部20で搬送された原稿を読取った画像データを取得する。そして、制御部50に出力する。
【0049】
画像形成部10は、像担持体である感光体、帯電部、露光装置、現像装置、転写ローラ等を有し、搬送される記録用紙Pに画像を形成して画像面が未定着である記録済みの記録用紙Pを定着部40へ出力する。なお、本例においては図示されていないが4つの現像装置が設けられており、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのそれぞれの色を用いてカラープリントが可能であるものとする。
【0050】
定着部40は、未定着である記録済みの記録用紙Pに対して定着処理を実行する。定着部40には、ファン310と、定着ローラ312と、定着ローラ312内に設けられたヒータ314とが設けられている。
【0051】
定着部40から必要に応じて後処理部30に排出されて、後処理部30において、パンチング、ステープル処理等の後処理が実行される。
【0052】
給紙部15,16は、記録用紙Pを画像形成部10に給紙する。
給紙部15には、複数のサイズの異なる記録用紙が収納されたカセット132,142,152が設けられる。カセット132,142,152にそれぞれ対応して、ピックアップローラ131,141,151が設けられ、カセットから記録用紙を画像形成部10に搬送する。また、給紙部16からもピックアップローラ161を介して画像形成部10に搬送される。なお、給紙部15,16から画像形成部10に1枚ずつ記録用紙が搬送される。
【0053】
また、画像形成部10には、用紙の傾き等の曲がりを補正するための補正ローラ(図示略)が設けられている。
【0054】
後処理部30は、画像形成後の用紙に対して、ステープル(ホチキス止め)するステープラ(後述するするステープラ87)、2つ折り等の折畳処理を施す折りユニット(後述する折りユニット88)、および、パンチ穴を開けるパンチユニット(後述するパンチユニット89)を含む。また、後処理部30は、画像形成部10において画像形成された用紙を排出するための排紙トレイ91およびメールビン92〜96と、当該用紙をメールビン92〜96に振り分けて出力するためのメールビンフィニッシャ97とを含む。
【0055】
[画像形成装置のハードウェア構成]
図3は、画像形成装置1のハードウェア構成を模式的に示す図である。
【0056】
図3を参照して、画像形成装置1は、当該画像形成装置1全体の制御を行なうCPU(Central Processing Unit)101と、データを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)102と、CPU101が実行するプログラムや定数などを記憶するROM(Read Only Memory)103と、画像データなどを記憶するための記憶部104と、排紙ユニット90における用紙の排出についての制御を行なう出力制御部105と、ネットワークを介してパーソナルコンピュータなどの他の機器と通信を行なうための通信I/O106と、画像形成装置1の状態や操作を補助する情報などを表示する表示部111と、ユーザが画像形成装置1に対して情報を入力するときに操作する操作部112と、画像読取部26と、画像形成部10と、後処理部30とを含む。
【0057】
本実施の形態の画像形成装置1では、出力制御部105は、排紙ユニット90に設けられている。また、CPU101、RAM102、ROM103、記憶部104、および、通信I/O106は、制御部100内に設けられている。なお、これらの配置場所は変更されても良い。
【0058】
後処理部30は、上記したステープラ87、ユニット88、パンチユニット89、および、メールビンフィニッシャ97を含む。
【0059】
[装置情報]
画像形成装置1では、ネットワークNを介してサーバ2に接続可能な複数の画像形成装置について、その位置等の情報を、たとえば記憶部104に記憶している。以下、本明細書では、ネットワークN上の複数の画像形成装置についての情報を、装置情報という。
【0060】
図10は、装置情報の具体例を示す図である。
図10を参照して、装置情報には、画像形成システムに含まれる画像形成装置毎に、位置情報として、緯度および経度が記憶されている。また、装置情報には、各画像形成装置において設定されている静音レベルが登録されている。静音レベルについては、図11を参照して、後述する。
【0061】
また、装置情報には、各画像形成装置が備える機能についての情報が含まれる(機能情報)。機能情報は、各画像形成装置が、カラー印刷が可能であるか、および、画像形成後の用紙の後処理をする機能を有するかを特定する情報を含む。
【0062】
なお、機能情報において、カラー印刷の機能を有する場合、当該機能が、4サイクル方式(1つのドラム上にシアン(C)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の各色の現像器を備えた方式)のカラープリンタによって実現されるか、または、タンデム方式(シアン(C)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の各色それぞれのドラムで画像形成する現像器を備えた方式)のカラープリンタによって実現されるかを特定する情報が記憶されている。なお、図10では、前者は「4サイクル」として示され、後者は「タンデム」として示されている。
【0063】
また、上記した後処理という機能は、メールビンフィニッシャ97、ステープラ87、折りユニット88、および、パンチユニット89によって実現される機能である。つまり、図10において、メールビンフィニッシャ97、ステープラ87、折りユニット88、および、パンチユニット89を有する画像形成装置は、後処理機能が「有り」として登録され、これらを備えていない画像形成装置については後処理機能が「無し」と登録されている。
【0064】
図10を参照して説明した装置情報は、画像形成装置1が、ネットワークNを介して他の画像形成装置と直接通信することにより取得されてもよいし、または、ネットワークNを介してサーバ2が各画像形成装置1と通信することによりサーバ2において生成され記憶されていてもよい。この場合、画像形成装置1のCPU101は、ネットワークNを介してサーバ2と通信することにより、装置情報を取得する。
【0065】
[サーバの構成]
図4は、サーバ2のハードウェア構成の具体例を示す図である。
【0066】
図4を参照して、サーバ2は、全体を制御するための演算装置であるCPU201と、サーバ2が本明細書に記載された機能を実現するためにCPU201が実行するプログラムなどを記憶するためのROM221と、CPU201でプログラムを実行する際の作業領域として機能するためのRAM222と、装置情報などを記憶するためのHD(Hard Disk)23と、ネットワークNを介した通信を制御するためのネットワークコントローラ25とを含む。
【0067】
[PCの構成]
図5は、PC3のハードウェア構成の具体例を示す図である。
【0068】
図5を参照して、PC3は、たとえば一般的なコンピュータなどによって構成されるものであり、一例として、全体を制御するための演算装置であるCPU301と、PC3が本明細書に記載された機能を実現するためにCPU301が実行するプログラムなどを記憶するためのROM31と、CPU301でプログラムを実行する際の作業領域として機能するためのRAM32と、PC3が本明細書に記載された機能を発揮するために必要なデータを記憶するHD33と、ネットワークNを介した通信を制御するためのネットワークコントローラ35とを含む。
【0069】
[画像形成装置の動作]
本実施の形態では、画像形成装置1は、画像形成部10による画像形成動作についての稼動音の音量を制限する静音モードでの動作が可能となっている。このため、画像形成装置1では、当該画像形成装置1を静音モードにするための設定や、当該静音モードを解除するための設定、その他、画像形成装置1の状態を設定するための入力が受付けられる。
【0070】
また、画像形成装置1は、予約を受付けたジョブについて、当該ジョブを自機で実行するか否かを判断する。具体的には、予約されたジョブの実行時に推測される画像形成部10等の稼動音が、その時点(または、当該ジョブが実行されるまでに画像形成装置1の状態(静音モード等の設定)が変更された場合には当該変更後の設定内容)において許容される音量であるか否かに基づいて、当該ジョブを自機で実行するか否かを決定する。
【0071】
以下、画像形成装置1の動作の中で、本実施の形態において特徴的なものについて、説明する。
【0072】
図6は、画像形成装置1に対して、操作部112を操作される等により、画像形成装置1の状態を指定する設定が入力されたときに実行される処理(モード設定処理)のフローチャートである。
【0073】
CPU101は、当該設定の入力を受付けると、モード設定処理を開始する。なお、モード設定の入力は、上記したように操作部112を操作することによって入力されてもよいし、または、ネットワークNを介して、サーバ2、PC3、もしくは、他の画像形成装置1から入力されてもよい。
【0074】
図6を参照して、モード設定処理では、CPU101は、まずステップSA10で、入力された情報が、画像形成装置1の状態を指定する入力であるか否かを判断し、そのような情報であると判断するとステップSA20へ処理を進め、そうではないと判断するとステップSA30へ処理を進める。ここで指定される状態とは、図11を参照して後述する通常、静音レベル1〜5、または、完全静音のいずれかである。
【0075】
ステップSA20では、CPU101は、入力された設定に基づく静音レベルの指定を受付け、ステップSA30へ処理を進める。このような指定が受付けられることにより、たとえば記憶部104に記憶される、自機について指定されている静音レベルを、入力された最新の静音レベルに更新する。また、CPU101は、自機の静音レベルを更新するとともに、更新後の静音レベルを、ネットワークNを介して、サーバ2、PC3、および/または、他の画像形成装置1に送信してもよい。これにより、サーバ2、PC3、および/または、他の画像形成装置1において記憶されている装置情報(図10参照)において、当該画像形成装置1(図1の画像形成装置1A〜1Cのいずれか)についての静音レベルを更新することができる。
【0076】
ここで、静音レベルとは、画像形成装置1の静音モードにおける、実行を許容されるジョブの範囲に対応したレベルである。
【0077】
本実施の形態において、画像形成装置1の状態とは、たとえば、図11に示されるように、通常モード、静音モード、完全静音モードを含み、特に、静音モードには静音レベル1〜5を含む。
【0078】
通常モードは、如何なるジョブも実行することが許容される状態である。静音モードは、画像形成部10および/または後処理部30において実行される動作の稼動音の音量が制限される状態である。完全静音とは、ジョブの実行が禁止される状態である。なお、静音モードは、稼動音を制限するレベルが異なる静音レベル1〜5を含む。
【0079】
静音レベル5は、ステープル動作を有しないジョブについて、ジョブの実行が許容される状態に対応している。つまり、画像形成装置1の静音レベルが5に設定されている場合には、画像形成装置1は、当該ジョブを自機では実行せず、ネットワークN上の他の画像形成装置1に実行させるように指示する。
【0080】
静音レベル4は、静音レベル5よりも許容される稼動音が低い状態に対応するレベルであって、静音レベル5で制限されるステープル動作に加え、さらに、メールビンフィニッシャ97の動作の動作を必要とするジョブの実行を禁止する状態に対応する。つまり、画像形成装置1の静音レベルが4に設定されているときには、メールビンフィニッシャ97の動作を要するジョブが、CPU101は、自機では実行せず、他の画像形成装置1に実行させるように指示する。
【0081】
静音レベル3は、上記した静音レベル4および5において禁止されるジョブに加え、排紙トレイ91に当該ジョブに係るすべての用紙を排紙することができる(つまり、メールビンフィニッシャ97を利用したメールビン92〜96への排紙が不要な)ジョブのみを実行するレベルである。つまり、静音レベルが3に設定されている状態では、画像形成装置1は、排紙トレイ91への排紙可能な枚数(後述する上限値1)以上のジョブメールビンフィニッシャ97によってメールビン92〜96に用紙を排出するジョブについては実行が禁止される。
【0082】
静音レベル2は、ジョブにおける用紙の総枚数が、所定の速度以下とできる枚数(後述する総枚数が上限値2)以下のジョブのみを実行する状態である。
【0083】
静音レベル1は、画像形成装置1の本体内の温度上昇が所定温度(危険温度)にならないレベルでファン200を停止する状況下で実行可能なジョブの実行のみを許可する状態に対応する。
【0084】
完全静音は、当該画像形成装置1においてすべてのジョブの実行を禁止する状態に対応する。
【0085】
図6に戻って、ステップSA20で静音レベルの指定を受付けた後、CPU101は、ステップSA30で、優先情報の入力があるか否かを判断し、あると判断するとステップSA40へ処理を進め、ないと判断するとステップSA50へ処理を進める。
【0086】
優先情報とは、自機に対して予約されたジョブを、設定された静音レベルに基づいて他の画像形成装置1に実行を指示する際に、システム内の複数の画像形成装置1の中で選択する際に優先される事項を規定する情報である。優先事項としては、装置が有している機能に関連した事項、現在処理対象となっている画像形成装置1からの距離に関する事項が考えられる。
【0087】
ステップSA40では、CPU101は、優先情報の入力を受付け、当該情報を記憶部104に記憶させて(既に記憶がある場合には当該優先情報を入力されたものに更新して)、ステップSA50へ処理を進める。
【0088】
ステップSA50では、CPU101は、当該画像形成装置1に対して予約されているジョブがあるか否かを判断し、あると判断するとステップSA60へ処理を進め、ないと判断するとステップSA10へ処理を戻す。
【0089】
ステップSA60では、予約されているジョブの実行のための処理(ジョブ実行処理)を実行した後、ステップSA10へ処理を進める。
【0090】
図7は、図6のジョブ実行処理のサブルーチンのフローチャートである。
図7を参照して、ジョブ実行処理では、CPU101は、まずステップSA610で、自機の状態が完全静音(図11参照)であるか否かを判断し、そうであると判断するとステップSA650へ処理を進め、そうではないと判断すると、ステップSA620へ処理を進める。
【0091】
ステップSA650では、自機に対して予約されているジョブを、他の画像形成装置1へ転送するための処理を実行して、処理を図6へリターンさせる。なお、ステップSA650の内容については、図13を参照して後述する。
【0092】
ステップSA620では、CPU101は、予約されているジョブのレベルを決定して、ステップS630へ処理を進める。
【0093】
ここで、ステップSA620の処理について、当該処理のサブルーチンのフローチャートである図8および図9を参照して説明する。
【0094】
まず、図8を参照して、ジョブのレベルの決定のために、CPU101は、まずステップSB10で、予約されているジョブが、ステープラ87の動作を必要とするか否かを判断し、そうであると判断するとステップSB20へ処理を進め、そうではないと判断するとステップSB30へ処理を進める。
【0095】
ステップSB20では、CPU101は、予約されているジョブのレベルをAと設定して、処理を図7へリターンさせる。
【0096】
一方、ステップSB30では、CPU101は、予約されているジョブが、メールビンフィニッシャ97の動作を必要とするか否かを判断し、必要とすると判断するとステップSB40へ処理を進め、必要としないと判断するとステップSB50へ処理を進める。
【0097】
ステップSB40では、CPU101は、予約されているジョブのレベルを5と決定して、図7へ処理をリターンさせる。
【0098】
ステップSB50では、CPU101は、予約されているジョブにおいて画像形成される用紙の枚数が、予め定められた数(上限値1(P1))を超えているか否かを判断し、超えていると判断するとステップSB60へ処理を進め、P1以下であると判断するとステップSB70へ処理を進める。
【0099】
ステップSB60では、CPU101は、予約されているジョブのレベルを4と決定して、図7へ処理をリターンさせる。
【0100】
一方、ステップSB70では、CPU101は、予約されているジョブにおける画像形成される用紙の枚数が、上記したP1より小さい値であって、予め定められた枚数である数(上限値2(P2))を超えているか否かを判断し、超えていると判断するとステップSB80へ処理を進め、P2以下であると判断するとステップSB90へ処理を進める。
【0101】
ステップSB80では、CPU101は、予約されているジョブのレベルを3と決定して、図7へ処理をリターンさせる。
【0102】
図9を参照して、ステップSB90では、CPU101は、自機において前回プリント動作(画像形成動作)を実行してから、まだ予め定められた一定時間が経過する前であるか否かを判断し、そうであると判断するとステップSB100へ処理を進め、既に一定時間が経過していると判断するとステップSB110へ処理を進める。
【0103】
ステップSB100では、CPU101は、予約されているジョブのレベルを2と決定して、図7へ処理をリターンさせる。
【0104】
一方、ステップSB110では、CPU101は、予約されているジョブのレベルを1と決定して、図7へ処理をリターンさせる。
【0105】
ここで、本実施の形態における「ジョブレベル」について説明する。
図12は、本実施の形態におけるジョブレベルのそれぞれについて、対応するジョブの内容を説明するための図である。
【0106】
本実施の形態では、ジョブレベルは、図12に示されるように、Aおよび1〜5の6のレベルを含む。ジョブレベル1〜5およびAは、図11を参照して説明した静音レベル1〜5およびAのそれぞれに対応する。
【0107】
つまり、ジョブレベルがAであれば、画像形成装置1が通常状態のときのみ、当該ジョブの実行が許可される。
【0108】
ジョブレベルが5であれば、画像形成装置1の状態が通常状態または静音レベル5のときのみ、当該ジョブの実行が許可される。
【0109】
ジョブレベルが4であれば、画像形成装置1の状態が通常状態または静音レベル4または5のときのみ、当該ジョブの実行が許可される。
【0110】
ジョブレベルが3であれば、画像形成装置1の状態が通常状態または静音レベル3〜5のときのみ、当該ジョブの実行が許可される。
【0111】
ジョブレベルが2であれば、画像形成装置1の状態が通常状態または静音レベル2〜5のときのみ、当該ジョブの実行が許可される。
【0112】
ジョブレベルが1であれば、画像形成装置1の状態が通常状態または静音レベル1〜5のときのみ、当該ジョブの実行が許可される。
【0113】
図7に戻って、ステップSA620で、予約されているジョブのジョブレベルを決定した後、CPU101は、ステップSA630へ処理を進める。
【0114】
ステップSA630では、CPU101は、ステップSA620で決定したジョブレベルが、記憶部104において記憶されている自機の状態(静音レベルを含む)を超えていないかどうかを判断し、超えていないと判断するとステップSA640へ処理を進め、そうではないと判断するとステップSA650へ処理を進める。なお、ジョブレベルが自機の状態を越えていない、とは、上記したように、ジョブレベルが画像形成装置1において設定されている状態(通常または静音レベル)において実行が許可される範囲にあることを意味する。
【0115】
ステップSA640では、CPU101は、予約されているジョブのプリント動作を実行して、図6へ処理をリターンさせる。
【0116】
以上説明したジョブ実行処理では、ステップSA630の判断結果に基づいて、予約されているジョブを自機で実行するか(ステップSA640)、または、他の画像形成装置1に転送して実行を指示するか(ステップSA650)が決定される。なお、ステップSA640の処理は、予約されているジョブの実行において発生することが推測される稼動音のレベルが、当該画像形成装置1において発生することを許容される稼動音のレベル(静音レベル)以下であるか否かの判断に相当する。そして前者が後者以下であると判断されると、ステップSA640で当該予約されているジョブを自機で実行し、前者が後者を上回ると判断すると、当該ジョブを他の画像形成装置1で実行されるように指示する。
【0117】
次に、ステップSA650における転送処理の内容について、当該処理のサブルーチンのフローチャートである図13を参照して、説明する。
【0118】
図13を参照して、転送処理では、CPU101は、まずステップSC10で、ネットワークN上の各画像形成装置1の情報を確認するために、装置情報(図10参照)を読込んで、ステップSC20へ処理を進める。
【0119】
ステップSC20では、CPU101は、ネットワークN上の他の画像形成装置1の中からジョブの転送先の画像形成装置1を決定するための条件を設定する処理(優先処理)を実行して、ステップSC30へ処理を進める。
【0120】
ここで、ステップSC20における優先処理の内容について、当該処理のサブルーチンのフローチャートである図14を参照して説明する。
【0121】
図14を参照して、優先処理では、CPU101は、まずステップSC210で、ステップSA620において決定したジョブレベルを読出して、ステップSC220へ処理を進める。
【0122】
ステップSC220では、CPU101は、ステップSC10で読込んだ装置情報を参照することにより、転送しようとするジョブ(予約されているジョブ)を実行可能な画像形成装置を選択して、ステップSC230へ処理を進める。
【0123】
なお、ステップSC220において、「実行可能な」画像形成装置とは、転送しようとするジョブが必要とする機能を備えている画像形成装置を意味する。たとえば、当該ジョブがカラー印刷を必要とするものであれば、ステップSC220では、カラー印刷機能を有する画像形成装置が選択される。また、転送しようとするジョブが、メールビンフィニッシャ97、ステープラ87、折りユニット88、または、パンチユニット89による処理を必要とするものであれば、ステップSC220では、後処理機能を有する画像形成装置が選択される。
【0124】
ステップSC230では、CPU101は、記憶部104において登録されている優先情報を読込むことにより、当該優先情報で、優先事項として距離が設定されているか否かを判断し、そうであると判断するとステップSC270へ処理を進める。
【0125】
一方、距離が優先事項として設定されていない場合には、ステップSC240へ処理を進める。
【0126】
ステップSC270では、ステップSC200で選択した画像形成装置を、自機から距離が離れている順に配列して、図13へ処理をリターンさせる。なお、自機からの各画像形成装置1への距離は、装置情報(図10参照)の位置情報に基づいて算出することができる。
【0127】
なお、装置情報において、各画像形成装置1の位置情報が記憶される代わりに、各画像形成装置1についての、処理対象となっている画像形成装置1からの距離の近い順序または距離の遠い順序が記憶されていても良い。具体的には、装置情報において、位置情報の代わりに、たとえば表1に示されるように、距離の遠い装置ほどレベルが高くなるように、各画像形成装置1について距離優先レベルが記憶されても良い。
【0128】
【表1】

【0129】
この場合、ステップSC270では、距離優先レベルの値が高い画像形成装置1ほど高い順位に配列される。
【0130】
ステップSC240では、CPU101は、優先情報において、優先事項として装置の機能が設定されているか否かを判断し、設定されていると判断するとステップSC260へ処理を進め、設定されていないと判断するとステップSC250へ処理を進める。
【0131】
ステップSC260では、CPU101は、ステップSC220で選択した画像形成装置を、備える機能のレベルが高い順に配列して、図13へ処理をリターンさせる。
【0132】
ここで、各画像形成装置1の機能のレベルは、たとえば、装置情報(図10参照)の機能情報の内容に基づいて決定される。具体的には、カラー印刷機能および後処理機能の双方を有しているものが最も高く、その次に、カラー印刷機能を有していないが後処理機能を有しているもの、その次に、後処理機能を有していないが、カラー印刷機能(タンデム)を有するもの、その次に、カラー印刷機能(4サイクル)を有するもの、その次に、カラー印刷機能および後処理機能のいずれも有していないものの順とされる。
【0133】
なお、装置情報では、各画像形成装置1について、機能情報の代わりに、表2に示されるような、各画像形成装置1の種類に対応した装置優先レベルが記憶されても良い。
【0134】
【表2】

【0135】
表2において、「モノクロプリンタ」は、卓上の小型低速プリンタを意味する。また、「カラープリンタ(1)」は、4サイクル方式のカラープリンタを意味する。また、カラープリンタ(2)は、タンデム方式のカラープリンタを意味する。また、「モノクロ複合機(1)」は、低速の(画像形成スピードが比較的遅い)複合機を意味する。「モノクロ複合機(2)」は、製本可能な(画像形成装置1における後処理部30を備える)モノクロ複合機を意味する。「カラー複合機(1)」は、カラー印刷が可能な複合機を意味する。「カラー複合機(2)」は、製本可能なカラー複合機を意味する。
【0136】
そして、この場合、装置優先レベルの値が高い画像形成装置1ほど高い順位に配列される。
【0137】
ステップSC250では、CPU101は、ステップSC220で選択した画像形成装置を、距離と装置の機能の双方を考慮して配列して、図13へ処理をリターンさせる。なお、双方を考慮した配列とは、たとえば、機能および距離について、ポイントを付与し、当該ポイントの高い順に配列することが考えられる。ポイントについては、たとえば、当該画像形成装置1から所定の距離だけ離れる毎に、1ポイントとする。また、後処理機能を有している場合には4ポイント、有していない場合には0ポイントを加算する。また、カラー印刷機能を有している場合、カラー(タンデム)の印刷機能を有していれば3ポイント、カラー(4サイクル)を有している場合には1ポイントを、それぞれ加算する。カラー機能を有していない場合には、ポイントは加算されない。
【0138】
このようにして、各画像形成装置についてポイントを算出し、当該ポイントが高い順に画像形成装置が配列される。
【0139】
なお、表1および表2を参照して説明したように、装置情報において距離優先レベルや装置優先レベルが記憶される場合には、これらのレベルの和の数値が高い順に、画像形成装置が配列される。
【0140】
図13に戻って、ステップSC20において、画像形成装置を選択し、かつ、配列した後、CPU101が、ステップSC30で、ジョブレベルおよび静音レベルに基づいた画像形成装置の選択を行なって、ステップSC40へ処理を進める。
【0141】
なお、ステップSC30では、具体的には、ステップSC220において選択された画像形成装置の中で、その静音レベルがステップSA620(図7参照)において決定されたジョブレベル以上のものであって、ステップSC250〜ステップSC270において最も上位に配列されている画像形成装置が選択される。
【0142】
ステップSC40では、CPU101は、ステップSC30において選択した画像形成装置に対して、転送しようとするジョブのデータを転送するための処理を実行して、処理を図7へリターンさせる。
【0143】
ステップSC40では、予約されているジョブのデータが、当該画像形成装置1に転送されている場合には、当該ジョブのデータが、ステップSC30で選択された画像形成装置に対して転送される。
【0144】
一方、ステップSA50では、ジョブ本体のデータはまだ当該画像形成装置1に送信されておらず、ジョブを予約する情報のみが当該画像形成装置1に送信されている状態も想定される。
【0145】
この場合、ステップSC40では、たとえばサーバ2など、予約されたジョブの本体のデータを記憶している装置に対して、ステップSC30に対して、当該ジョブの本体のデータを転送することを指示する。
【0146】
なお、ステップSC40では、データがステップSC30で選択した画像形成装置に転送されることが、表示部111において表示されてもよい。
【0147】
以上説明した本実施の形態において、図11を参照して説明した静音レベル等の画像形成装置1の状態は、画像形成装置においてジョブの実行の際の稼動音の音量に関する制限情報の一例であり、また、図12を参照して説明したジョブレベルは、ジョブの実行において発生することが推測される音量の指標の一例である。ただし、これらの情報や指標が特定される態様は、図11や図12を参照して説明されたものに限定されない。
【0148】
たとえば、画像形成装置についての上記制限情報は、画像形成装置が4サイクルカラープリンタの場合、たとえば表3のように、3つの状態のいずれかにその状態を設定されても良い。
【0149】
【表3】

【0150】
3つの状態とは、「通常状態」「静音レベル1状態」「完全静音状態」を含む。処理対象となる画像形成装置1の状態が、通常状態であれば、いかなるジョブも自機で実行する。静音レベル1状態であれば、予約されているジョブがモノクロ印刷であれば自機で実行し、カラー印刷を必要とすれば、他の画像形成装置1に当該ジョブの実行を指示する。完全静音状態であれば、予約されているジョブがいかなるジョブでも他の画像形成装置1に当該ジョブの実行を指示する。
【0151】
なお、以上説明した本実施の形態では、画像形成システムを構成する複数の画像形成装置1の中で、ジョブの予約を受けた画像形成装置1によって画像形成装置が構成され、そして、ジョブの転送となるそれ以外の画像形成装置1によって画像形成機器が構成される。
【0152】
[第2の実施の形態]
以上説明した第1の実施の形態では、画像形成システムにおいてある画像形成装置1に対してジョブが予約された場合、当該画像形成装置1は、予約されたジョブが、自機に設定されている静音レベルの設定内容に基づいて、当該予約されたジョブを実行できるか否かを判断し、実行できないと判断した場合、システムを構成する他の画像形成装置1に対して当該ジョブの実行を指示するための処理を実行した。
【0153】
本実施の形態では、図1の画像形成システムにおいて、画像形成装置1やPC3から、サーバ2に対して、予約ジョブの登録がなされる。サーバ2は、予約されたジョブが、当該予約内容において指定された画像形成装置1が実行できるか否かを判断し、実行できないと判断すると、他の画像形成装置1に当該ジョブの実行を指示する。
【0154】
図15は、本実施の形態のサーバ2において、ジョブの予約の際にCPU201が実行する処理のフローチャートである。なお、当該処理は、CPU201が、たとえばHD23やROM221に記憶されたプログラムを実行することによって、実現される。また、この処理が実行される前提として、サーバ2に対して、PC3または画像形成装置1から、ジョブを予約するための情報(予約情報)が送信されることとする。
【0155】
図15を参照して、CPU201は、まずステップSD10で、装置情報(図10参照)を読込んで、ステップSD20へ処理を進める。
【0156】
ステップSD20では、CPU201は、予約されたジョブのジョブレベルを決定して、ステップSD30へ処理を進める。なお、ジョブレベルの決定は、たとえば、図8および図9を参照して説明した内容に従って実現される。
【0157】
ステップSD30では、CPU201は、予約されたジョブの静音レベルとステップSD20で決定したジョブレベルとを比較することにより、予約情報で指定された画像形成装置が予約されたジョブを実行できるか否かを判断し、実行できると判断するとステップSD40へ処理を進め、実行できないと判断するとステップSD50へ処理を進める。なお、ステップSD30では、ステップSD20で決定されたジョブレベルが、予約情報で指定されている画像形成装置についての(装置情報において登録されている)静音レベルを超えない場合(図7のステップS630参照)には、当該ジョブを当該指定された画像形成装置が実行可能と判断し、そうではない場合には実行できないと判断する。
【0158】
ステップSD40では、CPU201は、予約されたジョブの実行を、当該予約情報で指定された画像形成装置1に対して指示して、処理を終了する。
【0159】
一方、ステップSD50では、CPU201は、当該予約されたジョブの実行を指示する画像形成装置を決定して、ステップSD60へ処理を進める。
【0160】
なお、ステップSD50における画像形成装置の決定は、図14を参照して説明したように、当該予約されたジョブを実行可能な画像形成装置を選択した後(ステップSC220参照)、選択した画像形成装置を、優先情報に従って配列して(ステップSC250〜ステップSC270参照)、さらに、配列された画像形成装置の中で設定されている静音レベルがステップSD20で決定されたジョブレベル以上の画像形成装置であって上記配列において最も順位が高い画像形成装置が選択される(ステップSC30参照)。
【0161】
ステップSD60では、CPU201は、ステップSD50で決定した画像形成装置に、予約されたジョブの処理を指示して、処理を終了させる。
【0162】
なお、本実施の形態では、サーバ2に対して送信された予約情報には、画像形成システムに含まれる画像形成装置1の中のいずれかを指定する情報が含まれた。そして、予約されたジョブのレベルが、指定された画像形成装置1では実行が許可されないものである場合には、他の画像形成装置1に実行が指示された。
【0163】
なお、予約情報には、画像形成装置1を指定する情報が含まれなくても良い。つまり、サーバ2が、画像形成システムに含まれる複数の画像形成装置1から、図15を参照して説明した処理に従ってジョブの実行を指示する画像形成装置が選択されても良い。なお、この場合、「指定された画像形成装置からの距離が離れている順」とあるは、「特定の場所から距離が離れている順」とされる。特定の場所とは、たとえば、オフィスにおいて、電話が設置された場所や、来客を迎える場所が考えられる。
【0164】
[第3の実施の形態]
本実施の形態の画像形成システムでは、PC3が、当該PC3にインストールされているプリントドライバを利用したジョブの予約(指示)に関する処理に特徴を有する。
【0165】
図16は、本実施の形態のPC3において、プリントジョブの指示のために実行される処理のフローチャートである。
【0166】
PC3においてプリントジョブが特定された状態で、当該ジョブの実行を指示するように指定された画像形成装置1(画像形成装置1A〜1Cのいずれか)のプリントドライバが起動されると、ステップSE10で、CPU301は、装置情報(図10参照)を読込んで、ステップSE20へ処理を進める。なお、本実施の形態では、装置情報が、PC3のHD33に記憶されていてもよいし、または、サーバ2もしくは画像形成装置1に登録されていてもよい。装置情報がサーバ2または画像形成装置1に登録されている場合には、ステップSE10では、CPU301は、ネットワークNを介して、装置情報を読込む。図17は、プリンタドライバによる表示画面の一例を示す図である。PC3においてプリンタドライバが起動されると、PC3のモニタとして当該PC3に接続されている表示装置において、図17に示されるような画面900が表示される。画面900は、ボタン901とボタン902を含む。ボタン902は、ジョブ実行の指示を中止するために操作されるボタンである。ボタン901は、当該プリンタドライバで特定される画像形成装置1にジョブの実行を指示するために操作されるボタンである。ボタン901が操作されたことに応じて、ステップSE10が実行される。
【0167】
ステップSE20では、CPU301は、特定されているジョブのジョブレベルを決定して、ステップSE30へ処理を進める。なお、ジョブレベルの決定は、図8および図9を参照して説明した内容に従って、たとえば、実現される。
【0168】
ステップSE30では、CPU301は、画像形成システムに含まれる画像形成装置であって、PC3にドライバをインストールされている画像形成装置の中から、上記のように特定されているジョブを実行可能な画像形成装置を選択して、ステップSE40へ処理を進める。ここで、ジョブを実行可能な画像形成装置とは、ステップSC220(図14参照)と同様に、当該ジョブが必要とする機能と、装置情報(図10参照)において登録されている各画像形成装置の機能情報とに基づいて判断される。
【0169】
ステップSE40では、ステップSE30で選択された画像形成装置の中の、最も上位に配列されている画像形成装置へのジョブの実行の指示の可否を問合せる画面を表示させて、ステップSE50へ処理を進める。
【0170】
なお、ステップSE40において、PC30にモニタとして接続されている表示装置に表示される画面の一例を、図18に示す。
【0171】
図18を参照して、画面910では、ステップSE30で選択された画像形成装置の中で最上位に配列された画像形成装置を特定する情報を含むメッセージ913が表示されている。
【0172】
また、画面910には、ジョブの実行を上記画像形成装置に指示することに同意する際に操作されるボタン911と、同意しないときに操作されるボタン912を含む。
【0173】
ステップSE50では、ステップSE40で表示させた情報に対する入力を受付け、当該入力が、ジョブの指示に同意するものであればステップSE70へ処理を進め、同意しないものであればステップSE60へ処理を進める。
【0174】
ステップSE70では、CPU301は、ステップSE30で選択した画像形成装置の中の最上位に配列された画像形成装置に対して、ジョブの実行を指示して、処理を終了させる。
【0175】
一方、ステップSE60では、CPU301は、ジョブの実行を指示する画像形成装置の指定を受付け、指定された画像形成装置にジョブの実行を指示して、処理を終了させる。
【0176】
なお、ステップSE60における画像形成装置の指定は、たとえば、ステップSE30で選択された画像形成装置を候補として上記表示装置に表示し、当該候補として表示された画像形成装置の中から画像形成装置を選択する情報を受付けることによって実現される。図19は、画像形成装置の候補を表示する画面の一例を示す図である。
【0177】
図19を参照して、画面920では、表示欄923に、画像形成装置の候補が表示されている。なお、表示欄923では、PC3にドライバをインストールされたすべての画像形成装置の名称(プリンタ1〜プリンタ7)が表示されている。但し、表示欄923では、ステップSE30で選択された画像形成装置の名称を、選択されなかった画像形成装置とは異なる態様で表示している。具体的には、たとえば、表示色や表示される文字の大きさを異ならせて表示する。図19では、表示欄923では、表示態様が異なることを、各画像形成装置の名称をハッチングを付すことによって異ならせている。たとえば、ハッチングが付された画像形成装置の名称(プリンタ3〜プリンタ6)が、ステップSE30で選択された画像形成装置の名称であり、それ以外の画像形成装置の名称(プリンタ、プリンタ2、プリンタ7)は、ステップSE30で選択された以外の画像形成装置の名称である。
【0178】
画面920において、ユーザは、ハッチングを付されて表示された名称の画像形成装置のみの中から、画像形成装置を選択することが許される。それ以外の画像形成装置を選択する入力を、CPU301は、受付けない。
【0179】
また、画面920には、選択された画像形成装置にジョブの実行を指示する際に操作されるボタン921と、ジョブの実行の指示を中止するために操作されるボタン922を含む。
【0180】
表示欄923において名称にハッチングを付されて表示された画像形成装置の中から1の画像形成装置が選択され、ボタン921が操作されると、CPU301は、指定された画像形成装置にジョブの実行を指示して(ステップSE60)、図16の処理を終了させる。
【0181】
なお、表示欄923では、ステップSE30において選択された画像形成装置の中で、最も上位に配列された画像形成装置の名称(プリンタ6)を、他の選択された画像形成装置の名称(プリンタ3〜プリンタ5)とは異なる態様で表示することが好ましい。
【0182】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0183】
1,1A〜1C 画像形成装置、2 サーバ、3 PC、101,201,301 CPU、N ネットワーク。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画像形成機器とともに画像形成システムを構成する画像形成装置であって、
記録用紙に画像を形成するために稼動する稼動部と、
前記稼動部に実行させるジョブの予約を受付ける受付手段と、
ジョブを前記稼動部に実行させる制御手段とを備え、
前記受付手段は、前記稼動部の稼動音の音量に関する制限情報の指示入力を取得し、
前記制御手段は、前記受付手段が予約を受付けたジョブの実行時に推測される前記稼動部の稼動音の音量が前記制限情報で制限される音量を超える場合には、前記受付手段が予約を受付けたジョブの実行を前記稼動部に実行させる代わりに前記画像形成機器に指示する、画像形成装置。
【請求項2】
前記制御手段は、各前記画像形成機器が設置されている位置に基づいて、前記ジョブの実行を指示する前記画像形成機器を決定する、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記制御手段は、設置されている位置が前記画像形成装置から離れている順に優先して、前記ジョブの実行を指示する前記画像形成機器を決定する、請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記制御手段は、各前記画像形成機器における画像形成動作において推測される稼動音の音量が小さい順に優先して、前記ジョブの実行を指示する前記画像形成機器を決定する、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記制御手段は、各前記画像形成機器における画像形成後の用紙に対する後処理動作において推測される稼動音の音量が小さい順に優先して、前記ジョブの実行を指示する前記画像形成機器を決定する、請求項1〜請求項4のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記制御手段は、前記受付手段が予約を受付けたジョブが、画像形成後の用紙に対する後処理動作を必要とないジョブである場合には、複数の前記画像形成機器の中で、画像形成後の用紙に対する後処理動作のための手段を有しない前記画像形成機器を優先して、前記ジョブの実行を指示する前記画像形成機器を決定する、請求項1〜請求項5のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記制御手段は、前記受付手段が予約を受付けたジョブが、画像形成後の用紙に対する後処理動作を必要とするジョブである場合には、各前記画像形成機器の設置されている位置が前記画像形成装置から離れている順であって、前記後処理動作において推測される稼動音の音量の小さい順に、優先して、前記ジョブの実行を指示する前記画像形成機器を決定する、請求項1〜請求項6のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記制御手段は、前記受付手段が予約を受付けたジョブが、モノクロで画像を形成するジョブである場合には、モノクロで画像を形成しカラーで画像を形成しない前記画像形成機器を優先して、前記ジョブの実行を指示する前記画像形成機器を決定する、請求項1〜請求項7のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記制御手段は、前記受付手段が予約を受付けたジョブが、カラーで画像を形成するジョブである場合には、タンデム型のカラー画像形成機器であることを優先して、前記ジョブの実行を指示する前記画像形成機器を決定する、請求項1〜請求項8のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記制限情報は、前記稼動部の稼動音の音量を制限するレベルである静音レベルであり、
前記制御手段は、
前記受付手段が予約を受付けたジョブの実行時に推測される前記稼動部の稼動音の音量についてのレベルであるジョブレベルを特定し、
前記受付手段が予約を受付けたジョブに対して特定されたジョブレベルが、前記稼動部の稼動音について取得された前記静音レベルにおいて許容されるレベルを超えていると判断した場合に、前記受付手段が予約を受付けたジョブの実行時に推測される前記稼動部の稼動音の音量が前記制限情報で制限される音量を超えると判断する、請求項1〜請求項9のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項11】
複数の画像形成装置と通信可能な情報処理装置であって、
各前記画像形成装置は、ジョブを実行する稼動部を含み、
ジョブの予約を受付ける受付手段と、
各前記画像形成装置についての、前記稼動部の稼動音の音量に関する制限情報を記憶する記憶手段と、
前記受付手段が予約を受付けたジョブの実行時に推測される各前記画像形成装置の前記稼動部における稼動音の音量と、各前記画像形成装置についての前記制限情報によって制限される音量とに基づいて、複数の前記画像形成装置の中から、前記受付手段が予約を受付けたジョブを指示する前記画像形成装置を決定する決定手段とを備える、情報処理装置。
【請求項12】
前記決定手段は、各前記画像形成装置が設置されている位置に基づいて、前記ジョブの実行を指示する前記画像形成装置を決定する、請求項11に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記決定手段は、設置されている位置が特定の場所から離れている順に優先して、前記ジョブの実行を指示する前記画像形成装置を決定する、請求項12に記載の情報処理装置。
【請求項14】
前記決定手段は、各前記画像形成装置における画像形成動作において推測される稼動音の音量が小さい順に優先して、前記ジョブの実行を指示する前記画像形成装置を決定する、請求項11〜請求項13のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項15】
前記決定手段は、各前記画像形成装置における画像形成後の用紙に対する後処理動作において推測される稼動音の音量が小さい順に優先して、前記ジョブの実行を指示する前記画像形成装置を決定する、請求項11〜請求項14のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項16】
前記決定手段は、前記受付手段が予約を受付けたジョブが、画像形成後の用紙に対する後処理動作を必要とないジョブである場合には、複数の前記画像形成装置の中で、画像形成後の用紙に対する後処理動作のための手段を有しない前記画像形成装置を優先して、前記ジョブの実行を指示する前記画像形成装置を決定する、請求項11〜請求項15のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項17】
前記決定手段は、前記受付手段が予約を受付けたジョブが、画像形成後の用紙に対する後処理動作を必要とするジョブである場合には、各前記画像形成装置の設置されている位置が特定の場所から離れている順であって、前記後処理動作において推測される稼動音の音量の小さい順に、優先して、前記ジョブの実行を指示する前記画像形成装置を決定する、請求項11〜請求項16のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項18】
前記決定手段は、前記受付手段が予約を受付けたジョブが、モノクロで画像を形成するジョブである場合には、モノクロで画像を形成しカラーで画像を形成しない前記画像形成装置を優先して、前記ジョブの実行を指示する前記画像形成装置を決定する、請求項11〜請求項17のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項19】
前記決定手段は、前記受付手段が予約を受付けたジョブが、カラーで画像を形成するジョブである場合には、タンデム型のカラー画像形成装置であることを優先して、前記ジョブの実行を指示する前記画像形成装置を決定する、請求項11〜請求項18のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項20】
前記制限情報は、前記稼動部の稼動音の音量を制限するレベルである静音レベルであり、
前記決定手段は、
前記受付手段が予約を受付けたジョブの実行時に推測される前記稼動部の稼動音の音量についてのレベルであるジョブレベルを特定し、
前記記憶手段において記憶されている前記静音レベルが、前記受付手段が予約を受付けたジョブに対して特定されたジョブレベルを許容するレベルである前記画像形成装置を、前記受付手段が予約を受付けたジョブを指示する前記画像形成装置として決定する、請求項11〜請求項19のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項21】
複数の画像形成装置を含む画像形成システムに接続可能なコンピュータにおいて実行される画像形成用プログラムであって、
各前記画像形成装置は、記録用紙に画像を形成するために稼動する稼動部を含み、
一の前記画像形成装置およびジョブを指定する指定手段、
各前記画像形成装置についての、前記稼動部の稼動音の音量に関する制限情報を取得する取得手段、および、
前記指定手段が指定したジョブの実行時に推測される前記指定手段が指定した前記画像形成装置の前記稼動部における稼動音の音量が、前記指定手段が指定した前記画像形成装置についての前記制限情報によって制限される音量を超える場合には、前記指定手段が指定したジョブの実行を、前記指定手段が指定した前記画像形成装置に指示する代わりに、他の前記画像形成装置に指示する指示手段として機能させるための、画像形成用プログラム。
【請求項22】
前記指示手段は、各前記画像形成装置が設置されている位置に基づいて、前記ジョブの実行を指示する前記画像形成装置を決定する、請求項21に記載の画像形成用プログラム。
【請求項23】
前記指示手段は、設置されている位置が前記指定手段が指定した前記画像形成装置から離れている順に優先して、前記ジョブの実行を指示する前記画像形成装置を決定する、請求項22に記載の画像形成用プログラム。
【請求項24】
前記指示手段は、各前記画像形成装置における画像形成動作において推測される稼動音の音量が小さい順に優先して、前記ジョブの実行を指示する前記画像形成装置を決定する、請求項21〜請求項23のいずれかに記載の画像形成用プログラム。
【請求項25】
前記指示手段は、各前記画像形成装置における画像形成後の用紙に対する後処理動作において推測される稼動音の音量が小さい順に優先して、前記ジョブの実行を指示する前記画像形成装置を決定する、請求項21〜請求項24のいずれかに記載の画像形成用プログラム。
【請求項26】
前記指示手段は、前記指定手段が予約を受付けたジョブが、画像形成後の用紙に対する後処理動作を必要とないジョブである場合には、複数の前記画像形成装置の中で、画像形成後の用紙に対する後処理動作のための手段を有しない前記画像形成装置を優先して、前記ジョブの実行を指示する前記画像形成装置を決定する、請求項21〜請求項25のいずれかに記載の画像形成用プログラム。
【請求項27】
前記指示手段は、前記指定手段が予約を受付けたジョブが、画像形成後の用紙に対する後処理動作を必要とするジョブである場合には、各前記画像形成装置の設置されている位置が前記指定手段が指定した前記画像形成装置から離れている順であって、前記後処理動作において推測される稼動音の音量の小さい順に、優先して、前記ジョブの実行を指示する前記画像形成装置を決定する、請求項21〜請求項26のいずれかに記載の画像形成用プログラム。
【請求項28】
前記指示手段は、前記指定手段が予約を受付けたジョブが、モノクロで画像を形成するジョブである場合には、モノクロで画像を形成しカラーで画像を形成しない前記画像形成装置を優先して、前記ジョブの実行を指示する前記画像形成装置を決定する、請求項21〜請求項27のいずれかに記載の画像形成用プログラム。
【請求項29】
前記指示手段は、前記指定手段が予約を受付けたジョブが、カラーで画像を形成するジョブである場合には、タンデム型のカラー画像形成装置であることを優先して、前記ジョブの実行を指示する前記画像形成装置を決定する、請求項21〜請求項28のいずれかに記載の画像形成用プログラム。
【請求項30】
前記制限情報は、前記稼動部の稼動音の音量を制限するレベルである静音レベルであり、
前記指示手段は、
前記指定手段が予約を受付けたジョブの実行時に推測される、前記指定手段が指定した前記画像形成装置の前記稼動部の稼動音の音量についてのレベルであるジョブレベルを特定し、
前記指定手段が予約を受付けたジョブに対して特定されたジョブレベルが、前記指定手段が指定した前記画像形成装置の前記稼動部の稼動音について取得された前記静音レベルにおいて許容されるレベルを超えていると判断した場合に、前記指定手段が予約を受付けたジョブの実行時に推測される前記稼動部の稼動音の音量が前記制限情報で制限される音量を超えると判断する、請求項21〜請求項29のいずれかに記載の画像形成用プログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate


【公開番号】特開2012−118931(P2012−118931A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−270622(P2010−270622)
【出願日】平成22年12月3日(2010.12.3)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】