説明

画像形成装置、画像変換装置および画像形成方法

【課題】画像データを高圧縮PDFフォーマットに変換する画像形成装置、画像変換装置および画像形成方法を提供する。
【解決手段】少なくとも一つは非ブロック符号であり、互いに解像度が異なる複数種類の符号から構成される第1の圧縮データをデコードして表示する画像表示装置と通信を行なう画像形成装置において、画像データを入力する入力部11と、入力部からの画像データを固定長ブロック符号で構成される第2の圧縮データに圧縮する圧縮部13と、圧縮部で圧縮された第2の圧縮データをデコードして一定レートで画像形成を行う画像形成部17と、第2の圧縮データを記憶する記憶部14と、記憶部が記憶した第2の圧縮データを第1の圧縮データに変換する符号変換部20をもつ画像形成装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブロック符号データを高圧縮PDF(Portable Document Format)データに変換する画像変換装置、また、この画像変換を行う画像形成装置および画像形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
画像情報は、大容量となるため、一般に圧縮を行なった上で保存・使用している。特に、カラー画像等では、DCTをベースとしたJPEGが普及しており、ウェーブレット変換をベースとしてJPEG2000も規格化されている。
【0003】
しかし、これらの技術は何れも写真画像を主要な対象としており、オフィス等における文書画像に対しては必ずしも十分な性能を発揮できていない。ここで、MFP(Multifunction Peripherals)等では、カラードキュメントの増加と共に、情報量の多いカラードキュメントを読み取ったカラー画像データを手軽に利用したいという要望が高まってきており、このような要望に応じた画像圧縮のアプリケーションとして、高圧縮PDFが知られている。また、文書画像に対処する方式として画像を写真か文字かに分けてそれぞれに適した圧縮方式を適用する技術が考案されている。
【0004】
特許文献1は、画像を文字と非文字の領域に分離し、それぞれに適した圧縮を行うが圧縮率を高めるために、非文字領域を1枚の画像として圧縮するために、文字領域を周囲の画素値で埋めることで文字領域を除去する技術を開示している。
【0005】
特許文献2は、後述する図9(a)の様に画像中の文字領域を抽出し、文字領域画像と文字領域を取り除いた写真領域画像を生成し、文字領域には領域毎に文字代表色を算出し、2値の形状情報と代表色に分離し、形状情報・写真領域画像それぞれに適した圧縮を行なうフォーマットに関連する技術を開示している。
【0006】
特許文献3は、後述する図9(b)の様に画像中の文字領域を抽出し、文字領域画像と文字領域を取り除いた写真領域画像を生成し、文字領域には文字領域を示す2値の形状情報と文字領域の色を表す情報に分離し、形状情報、文字領域の色情報、写真領域画像それぞれに適した圧縮を行うフォーマットに関連する技術を開示している。
【0007】
特許文献4は、後述する図9(c)の様に画像中の文字領域を抽出し、文字領域画像と文字領域を取り除いた写真領域画像を生成し、文字領域には文字領域の色毎に2値の形状情報を生成し、各色の2値形状情報、写真領域画像それぞれに適した圧縮を行なうフォーマットに関連する技術を開示している。
【0008】
特許文献5は、カラー画像を輝度と色差に変換し、輝度情報に関して文字と写真領域に応じて解像度と階調数を切り替えて固定長符号化してメモリに格納し、HDD等に格納するときは可変長符号化を行なう構成を開示している。
【0009】
また、非特許文献1は、特許文献1乃至4のような複数の圧縮方式を混在させた画像の具体的なアプリケーションである、『高圧縮PDF技術』を開示している。
【0010】
非特許文献2も、特許文献1乃至4のような複数の圧縮方式を混在させた画像の具体的なフォーマット規格である、ISO/IEC16485MRC(Mixed Raster Contents)の圧縮方法を開示している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、特許文献1乃至4および非特許文献1および2の技術は、高圧縮PDFの画像データをビューワー(Viewer)で閲覧することを対象にした圧縮技術であり、一定レートで画像形成を行うMFPの内部で用いられる固定長のブロック符号の画像データを高圧縮PDFの画像データに変換する技術を開示していない。すなわち、従来は、MFP内部でコピーやプリントのためプリンタ部に供給する画像データは、プリンタが一定レートでしか受け取れないので、画像データを外部装置へ可変レートで提供するには適さないという問題がある。
【0012】
また、特許文献5では、MFP内部で取り扱いやすくするための技術が開示されているが、あくまで内部信号としての技術であり、ビューワー閲覧に求められるような、一般的な圧縮特性である、高圧縮等は不十分である。
【0013】
本発明は、一定レートで画像形成を行う固定長のブロック符号の画像データを、高圧縮PDFフォーマットの画像データに符号変換する機能をもった画像形成装置、画像変換装置および画像形成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
課題を解決する一実施形態は、
少なくとも一つは非ブロック符号であり、互いに解像度が異なる複数種類の符号から構成される第1の圧縮データをデコードして表示する画像表示装置と通信を行なう画像形成装置において、
画像データを入力する入力部(11)と、
前記入力部からの前記画像データを、固定長ブロック符号で構成される第2の圧縮データに圧縮する圧縮部(13)と、
前記変換部で変換された前記第2の圧縮データをデコードして一定レートで画像形成を行う画像形成部(17)と、
前記第2の圧縮データを記憶する記憶部(14)と、
前記記憶部が記憶した前記第2の圧縮データを、前記第1の圧縮データに変換する変換部(20)と、を具備することを特徴とする画像形成装置である。
【発明の効果】
【0015】
符号変換部を画像形成装置に設けたことにより、例えば、画像形成に適したブロック符号データを、高圧縮PDFフォーマットに変換することが可能となり、高圧縮フォーマットを閲覧するビューワー(Viewer)のフォーマットを統一することができる。この結果、高圧縮PDFフォーマットを利用する外部のPC装置等において、画像形成を行った画像データを高圧縮PDFフォーマットのビューワーで閲覧することも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る符号変換部を含む画像形成装置の構成の一例を示すブロック図。
【図2】当該画像形成装置の第1圧縮部の構成の一例を示すブロック図。
【図3】当該画像形成装置の識別合成部の構成の一例を示すブロック図。
【図4】当該画像形成装置の第1の圧縮信号m3のフォーマットの説明図。
【図5】当該画像形成装置の第1復号部15の一例の構成図。
【図6】当該画像形成装置の第1の圧縮信号m3の復号処理の一例の説明図。
【図7】当該画像形成装置の符号変換部20の構成の一例を示すブロック図。
【図8】当該画像形成装置の符号変換処理の一例を示す説明図。
【図9】当該画像形成装置の高圧縮フォーマット処理の一例の説明図。
【図10】当該画像形成装置の第1実施形態の変形例である画像形成装置の構成の一例を示すブロック図。
【図11】当該画像形成装置の変形例の第1の圧縮部13’の一例のブロック図。
【図12】当該画像形成装置の変形例の第1の圧縮部13’の一例のブロック図。
【図13】当該画像形成装置の変形例の符号変換部20’の一例のブロック図。
【図14】第2実施形態である画像形成装置の構成の一例を示すブロック図。
【図15】当該画像形成装置の第1圧縮部13’の構成の一例を示すブロック図。
【図16】当該画像形成装置の第1の圧縮信号m3のフォーマットを示す説明図。
【図17】当該画像形成装置の符号変換部20”の構成の一例を示すブロック図。
【図18】第3実施形態である画像形成装置の構成の一例を示すブロック図。
【図19】当該画像形成装置の符号変換部26の構成の一例を示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
本発明の一実施形態に係る画像形成装置(MFP)における符号変換処理は、画像形成のための一定レートのブロック符号データを、『少なくとも一つは非ブロック符号であり、互いに解像度が異なる複数の符号から構成される圧縮データ』、いわゆる高圧縮PDFフォーマット(オブジェクト貼り付け方式およびMRC方式)に変換する。これにより、MFP等の内部に格納されたブロック符号データを外部のPC装置等のビューワー(Viewer)等で高画質に閲覧することができる。
【0018】
すなわち、通常、高圧縮PDFは、文字/写真等の画像の特徴情報を損なうことなく圧縮効率を高めているために可変長符号で構成されている。一方、画像形成装置内部の画像形成処理では定レートで印字処理されるため、一定レートのブロック符号データが用いられる。従って、画像形成装置の内部画像データは、このままではPC装置等のビューワーでは閲覧することができなかったが、本発明に係る画像形成装置における符号変換処理により、ブロック符号データであっても、『少なくとも一つは非ブロック符号であり、互いに解像度が異なる複数の符号から構成される圧縮データ』に変換されることで、ビューワー(Viewer)等で高画質に閲覧することができる。
【0019】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る符号変換部を含む画像形成装置の構成の一例を示すブロック図である。画像形成装置1は、原稿画像を読み出すスキャナ11と、スキャナ11から画像信号m1が与えられる識別部12と、識別部12から識別信号m2が与えられる第1圧縮部13と、第1圧縮信号m3が供給されるページメモリ14と、ページメモリ14から第1圧縮信号m3が供給される第1復号部15と、第1復号部15から復号識別信号m4および復号画像信号m5が供給されるフィルタ部16と、画像信号m6が供給されるプリンタ17を有している。さらに、画像形成装置1は、ページメモリ14に接続されるHDD19と、HDDに格納された第1の圧縮データm7を変換する符号変換部20と、変換された第2の圧縮データm8が供給されるI/F部21と、全体の動作を制御する制御部10を有している。また、I/F部21には、外部のPC装置22等が接続される。
【0020】
このような画像形成装置1において、スキャナ11から入力された画像信号m1から既知の識別部12で識別信号m2を生成し、画像信号m1と識別信号m2が第1圧縮部13で圧縮され、第1の圧縮信号m3を生成する。第1の圧縮信号m3は、ページメモリ14に格納・取り出され第1復号部15で復号されて、復号識別信号m4、復号画像信号m5を生成し、フィルタ部16で識別信号m4によりフィルタを切り替えて復号画像信号m5にフィルタ処理を施し、フィルタ処理された画像信号m6をプリンタ17で印字を行う。これらの動作は、制御部10の制御信号10により制御されている。
【0021】
第1の圧縮信号m3は、固定長で符号化されているため、ページメモリ14上で画像の回転処理が行える。さらにHDD19に格納・取り出すことで電子ソートが行える。
【0022】
HDDに格納された第1の圧縮データm7は、符号変換部20で第2の圧縮信号m8である、一例としていわゆる高圧縮PDFフォーマットに変換されて、PC装置22上でビューワー(Viewer)を使用して電子データの形式でスキャン画像を表示する。
【0023】
識別部12で出力される識別信号m2は、文字とそれ以外を識別する画素単位の信号で、文字ならば“1”、文字以外なら“0”が出力される。フィルタ部16は識別信号に応じて文字ならば高域強調フィルタをかけることで、画像の鮮鋭度が向上した画像がプリンタ17に出力される。このように画像形成装置では、識別信号を利用することで画質向上を図り、さらに固定長の圧縮データを扱うことで、内部のデータのハンドリングを向上している。
【0024】
次に、図2は、当該画像形成装置の第1圧縮部の構成の一例を示すブロック図である。第1の圧縮部13部は、図2において、画像信号m1、識別信号m2が供給されるブロック分割部31と、ブロック分割部31から分割画像信号m11、分割識別信号m12が供給される識別合成部32と、ランレングス符号化部(RLE)33と、識別合成部32から分割識別画像信号m13、合成信号m14、文字濃度信号m15が供給され、ランレングス符号化部(RLE)33から可逆識別画像符号m18が供給される符号合成部36と、ブロック分割部31から分割画像信号m11が供給されるJPEG圧縮部34とを有している。
【0025】
このような第1の圧縮部13部においては、ブロック分割部31で画像信号m1、識別信号m2を8×8サイズのブロックに分割し、分割画像信号m11、分割識別信号m12として出力する。分割識別信号と分割画像信号は識別合成部32で所定条件を満たした画像信号と合成された分割識別画像信号m13として出力される。分割識別画像信号m13は、既知のランレングス符号化部(RLE)33で可逆圧縮され可逆識別画像符号m18として出力される。
【0026】
次に、図3は、当該画像形成装置の識別合成部32の構成の一例を示すブロック図である。識別合成部32は、図3において、分割画像信号m11が供給される2値化回路41と、2値化回路41からの2値化画像信号m21と分割識別信号m12のアンドをとるアンド回路42と、アンド回路42の後段のカウンタ43と、分割識別信号m12と2値化画像信号m21が供給され選択を行なう選択部45と、カウンタ43からの出力としきい値を比較する比較器44と、2値化回路41からの2値化画像信号m21と分割画像信号m11が供給される平均化回路46を有している。
【0027】
このような識別合成部32において、2値化回路41で分割画像信号41を2値化し、2値化画像信号m21を得る。アンド回路42で、分割識別信号m12と2値化画像信号m21の画素単位でアンドを取る。識別信号は文字が“1”であり、一般的に文字の画像信号は濃度が高いため2値化回路で“1”になり易い、そのため、濃い文字画素のみで構成されたブロックはアンド回路42で“1”が出力されやすい。カウンタ43でブロック単位で“1”の画素数をカウントして、所定値以上カウントされたかどうかを示す合成信号m14を選択部45に出力する。
【0028】
選択部45は合成信号m14の値が“1”なら、画像と識別結果の相関が高いと判定して、画像と識別信号を合成した識別画像合成信号m22を分割識別画像信号m13として出力し、“0”なら分割識別信号m12を選択出力する。平均化回路46は、2値化で“1”となった画素のみ平均化して、文字濃度信号m15として出力する。分割画像信号m11は、既知のJPEG圧縮部34で非可逆圧縮され非可逆画像信号m16として出力される。
【0029】
符号合成部36は、分割識別画像信号m13の圧縮m18または非圧縮m13と合成信号m14と文字濃度信号m15と非可逆画像信号m16を合成して、ブロック辺り固定の符号サイズのデータm3として出力する。
【0030】
識別画像信号は、分割識別画像信号m13か可逆識別画像符号m14の内、長さの短い方を選択し、それでも所定符号量に収まらない場合は、符号量調整信号m17をJPEG圧縮部34に送出して、既知の方法で符号量を調整した非可逆画像信号m16を出力する。なお、JPEG圧縮部34では、ブロック独立に符号化を行い、ブロック間のDC差分を取らない。
【0031】
次に、図4は、当該画像形成装置の第1の圧縮信号m3のフォーマットの説明図である。
【0032】
第1の圧縮信号である固定長符号m3は、図4に示すように、識別信号の符号長(バイト単位)を示す識別符号長情報m31、識別信号の符号タイプを示す識別タイプ信号m32、識別タイプ信号は下図に示すように識別信号と合成信号、RLE圧縮か非圧縮かを示す4パターンである。
【0033】
00 識別のみ(m12) 圧縮(m18)
01 識別のみ(m12) 非圧縮(m13)
10 識別画像合成(m22) 圧縮(m18)
11 識別画像合成(m22) 非圧縮(m13)
また、識別符号長情報m31は最大でも分割識別信号m12のサイズ(8×8画素、1bit=8Byte)を超えることは無く、符号が0bitということはあり得ないので、0が長さ1byteを表し、7が長さ8byeを表すため3bitで表現できる。JPEG符号長情報m34も4bitで最大長さ16byteの符号長情報まで保持する。文字濃度信号m15の上位7bitを文字濃度m33に格納し、これらの情報識別信号は合計で2byte、識別符号m35は最大で8byte、JPEG符号m36は最大で16Byteで符号化されるため、第1の圧縮信号m3は、1ブロック(8×8画素)あたり26byteに固定長圧縮される。識別符号m35やJPEG符号m36が最大符号長に達しないときは、ダミーデータm37を挿入し固定長サイズデータとなる。
【0034】
この様に第1の圧縮信号m3は、ブロック単位で固定長データとして生成され、かつブロック単位で独立となるためデータとして扱いやすい。
【0035】
第1復号部15は、この逆変換であり、図5に示すように識別符号(m31、m32、m33、m35)とJPEG符号(m34、m36)に分離し、RLE復号部52で、識別タイプm32を元に、識別符号m35をRLE復号もしくは、そのまま復号データとして扱い、復号識別信号m4と復号文字濃度m42と識別符号に画像も含んでいるかどうかを示す識別復号状態信号m43を出力する。
【0036】
JPEG復号部53は、JPEG符号m36を復号し、復号JPEG信号m44を出力する。
【0037】
合成部54は、識別復号状態信号m43に応じて、そのブロックが画像と合わせて識別信号を圧縮していた場合には、復号JPEG信号m44に、復号識別信号m4の“1”の領域を復号文字濃度m42に置き換えた画像信号をオーバーライトして複合画像信号m5とする。“0”の画素には何もしない。
【0038】
また、識別信号に画像が含まれていない場合には、復号JPEG信号m44を複合画像信号m5として出力する。
【0039】
なお、画像信号m4, 画像信号m5は、両方とも、不図示のブロック/ラスタ変換でライン信号に変換出力される。
【0040】
上述した一連の圧縮・復号データの処理を図6に示す。(a)が識別部12で文字として識別される領域、(b)が文字として識別されない領域である。図6に示すように、文字などエッジ中心の画像は、JPEG単体ではボケて薄くなった画像が、合わせて符号化した識別信号及び濃度信号を復号・合成することである程度画質劣化を抑えて復号できており、文字と識別されない領域は、JPEG復号結果をそのまま復号画像として取り扱うが、その劣化は文字を圧縮・復号した場合よりも劣化が相対的に小さい。
【0041】
この様に第1の圧縮信号m3は、高画質にブロック符号化されたデータであるため、プリンタ17で高画質な印字が可能である。
【0042】
一方、第1の圧縮信号m3はプリンタに印字するだけでなく、符号変換部20で第2の圧縮信号m8に変換され、PC装置22において、ビューワー(Viewer)等で閲覧することも可能である。次いで本発明のポイントである符号変換部20について図7を用いて説明する。
【0043】
符号変換部20は、図7において、HDD19から出力された第1の圧縮データm7を受け、符号分離部61で識別符号(m31、m32、m33、m35)とJPEG符号(m34、m36)に分離する。RLE復号部62は、識別タイプm32が識別画像合成であった時(m32=10または11)、代表値及び2値画像として、それぞれを復号して出力する。即ち、代表値m51は文字濃度m33を8bitに変換出力し、2値画像はRLE圧縮されていれば識別符号m35をRLE復号、圧縮されていなければ、そのままビット画像に展開して出力する。
【0044】
入力 出力
識別タイプ 代表値 2値画像
m32 m51 m54
00 0 8×8の0
01 0 8×8の0
10 m33の8bit化 m35のRLE復号
11 m33の8bit化 m35をビット画像に
代表値結合部63は、代表値m51を画素値とする代表値m52のビットマップ画像を作成する。代表値は、8×8(圧縮のブロック単位)につき、一つであるため入力画像m1の1/8のビットマップ画像が生成される。このビットマップ画像(m52:8bit)を第2のJPEG圧縮部64でJPEG圧縮を行い、JPEG符号m53として出力する。
【0045】
2値結合部65は、ブロック単位の復号2値画像m54を1枚の2値画像m55に変換する。
【0046】
このビットマップは代表値m52と異なり、入力画像と同一解像度であり、CCITT−G4圧縮部66で既知の2値圧縮され、CCITT−G4符号m56として出力する。一般的に、ブロック単位で符号化が完結していたデータが、画像全体を圧縮する非ブロック符号で圧縮されるため、CCITT−G4符号m56の符号量は識別符号m35を画像全体分加算した符号量よりも小さくなる。
【0047】
JPEG変換部67は、分離されたJPEG符号m36を前ブロックとのDC差分を取る形式に変換して変換JPEG符号m57として出力する。第1の圧縮信号m3はブロック独立性を保持するためブロック間のDC差分を取らない形式で符号化されているが、変換JPEG符号m57ではブロック間の相関を使う一般的なJPEGの使い方に変換するので変換JPEG符号m57はJPEG符号m36に較べてより圧縮された符号として変換される。
【0048】
符号合成部68では、低解像度のJPEG符号m53と高解像度のJPEG符号m57と両者を画素単位で切り替える信号として使える高解像度2値の符号であるCCITT−G4符号m56で構成される第2の圧縮データm8に変換する。
【0049】
これらのデータ処理の説明を図8に示す。ここで説明のために、入力画像が(1)〜(9)の9つのブロックに分割されて第1圧縮部13で圧縮されると、第1の圧縮信号m3は9つの固定長符号データとして出力される。ここで説明のために、第1の圧縮信号m3を識別タイプ信号m35と文字濃度m33で代表して表記してあるが、文字が存在する(1)領域と(2)領域、及び文字に特徴が似ている線画部分である(9)領域が識別信号と画像信号の合成符号として圧縮されている。
【0050】
代表値結合部63では、代表値を取り出してビットマップ化するので、入力画像の1/8サイズのJPEG符号m53が生成され、2値結合部ではブロック符号化された2値画像が1枚の2値画像に合成され2値圧縮符号m56が生成される。JPEG変換部で第1の圧縮信号m3のJPEG符号m36より高圧縮なJPEG符号m57が生成される。
【0051】
符号合成部68で、2値画像m56が“1”の時、代表値のJPEG圧縮m53を選択し、“0”の時JPEG符号m36を選択して表示するようフォーマットを記述すると、既知の手法として示した図9の(b)と似たフォーマットに変換されることがわかる。
【0052】
つまり、MFP内部ではブロック単位の固定長で編集性・定レート性を優先して取り扱っていた圧縮データが、PC等の一般的な環境から画像を閲覧するのに最適な高圧縮で一般的な圧縮データに変換されるため、利便性が向上する。
【0053】
この実施形態では、固定長の符号形式が文字と識別信号が合成された信号であっても、JPEG符号はそのまま文字を含めて圧縮された符号で構成してある。しかし、符号変換部20でJPEG符号に対して文字画像部分を除去する変換をしたり、固定長の符号を例えば第1圧縮部13で文字に関してはJPEG圧縮部34では文字画像を除去(例えば0化)した画像を圧縮する構成とすれば、文字部を除いたJPEG圧縮符号となり、より高圧縮な符号に変換されることは明らかである。
【0054】
また、この実施形態ではモノクロ画像信号を例示したが、カラー画像に関しても効果を発揮することは明らかであり、識別信号がなく、画像信号のみを圧縮対象とした系にも効果があることは明らかである。
【0055】
さらに、符号変換部のフォーマット変換方法を、例えば2値画像m55を代表値m52に従って分割すれば、図9の(a)や(c)のフォーマットに変換することも可能である。
【0056】
また、この実施形態ではJPEG変換部67でDC差分の変換のみ行ったが、一旦復号して縮小後、再度JPEG圧縮することでより高圧縮に変換することも可能である。すなわち、周波数変換符号は、完全復号することなく、例えば所定より高周波のAC成分を全てカットすることで低解像度で高圧縮のフォーマットを作成する構成をとることもできる。
【0057】
以上述べたように、圧縮対象の画像信号の種類や変換対象の圧縮フォーマットや変換後の圧縮フォーマットは、この実施形態に限定されるものではなく、複数の符号化を用いてブロック符号化することで、画質と圧縮率と符号利便性を両立させている圧縮フォーマットを非ブロック符号を含む圧縮フォーマットに変換することで、より高圧縮なフォーマットへと変換することができる。
【0058】
(第1実施形態の変形例)
次に、第1実施形態の変形例を図10に示す。第1実施形態の変形例は、入力画像がスキャナからプリンタコントローラ23に代わり、識別信号を生成せずに、復号画像をそのままプリンタに出力する構成とした以外は、第1実施形態と基本的に同様である。
【0059】
変形例のポイントである、第1の圧縮部13’、第1の圧縮信号m3’と符号変換部20’と第2の圧縮信号m8’に関して説明する。
【0060】
第1の圧縮部13’は、図11において、画像信号m1’をブロック分割部71で16×16サイズに分割し、高解像度データ抽出部72で、ブロック内の多値数が“2”状態の時、その代表値m73と2値の形状情報m71を出力する。それ以外の時は、全て“0”出力を行なう。RLE圧縮73は、形状情報m71をRLE圧縮し、RLE圧縮したほうが非圧縮よりも符号長が短ければRLE圧縮結果を形状符号m72として出力し、非圧縮の方が符号長が短ければ非圧縮の形状情報を形状符号m72として出力する。
【0061】
低解像度変換部74は、16×16画像を2×2単位で平均化して8×8画像m74を生成する。JPEG圧縮部75は、画像をDC差分無しのJPEG符号m75に変換する。ただし第1実施形態と同様、符号合成部76の出力m76に合わせて符号長を調整する。
【0062】
符号合成部76は、形状符号m72、代表値m73、JPEG符号m75をブロック単位で固定長である第1の圧縮信号m3’に変換する。
【0063】
第1の圧縮信号m3’は図12に示すが、高解像度符号長コードm81、高解像度SWm82、RLE−SWm83、JPEG符号長m84、高解像度符号m85、代表値0:m86、代表値1:m87、JPEG符号m88、ダミー符号m89より構成されている。
【0064】
高解像度符号は16×16の2値の圧縮のため、最大32byteである。高解像度符号は無い場合もあるので0〜32の表現で6bit。高解像度SW、RLE−SWは、以下の取り決めで各1bitである。
【0065】
0 1
高解像度SW 高解像度符号無し 高解像度符号有り
(m85、m86、m87無し) 同左符号有り
RLE−SW 高解像度符号はRLE符号 高解像度符号は非RLE符号
JPEG符号長が第1実施形態と同様1byte以上で最大16byteのため、4bit。代表値0、1は、それぞれ高解像度信号の0、1に対する2つの代表値であり、形状符号の“0”、“1”の割当は、代表値0<代表値1の関係となるよう(大きい値の画素値を1に)行う。そして、42Byte固定長化のためのダミー信号が最後に付与される。
【0066】
16×16画素=256byteが42byteと1/6に固定長に圧縮されるフォーマットである。
【0067】
第1の復号部15では、この実施形態では画像信号のみを対象に圧縮しており、高解像度で圧縮された場合もされない場合もJPEG符号m88として画像情報を保持しているので、高解像度圧縮された符号が(m85、m86、m87)あった場合(高解像度SW=1)のみ、高解像度符号を復号した画像を出力し、それ以外はJPEG符号m88を復号し16×16に拡大した画像を復号画像として出力すればよい。
【0068】
符号変換部20’は図13に示すが、基本的に第1実施形態と同様で、JPEG符号m88は第1実施形態同様DC差分をとる変換を行い、第1の低解像度JPEG符号m97を得る。
【0069】
RLE復号部82は、RLE復号もしくはコードをビットマップ展開して2値ビットマップ画像m95として出力し、CCITTG4圧縮部86で高解像度2値符号m96を得る。代表値m91としては高濃度の代表値1の値を出力し、代表値結合部83で1枚のビットマップ化をし、第2のJPEG圧縮部84で第2の低解像度のJPEG圧縮符号m93を得る。
【0070】
ここで、高解像度符号が存在しない場合は第1実施形態同様、代表値m91も2値ビットマップ画像m94も“0”として処理される。
【0071】
第1の圧縮信号m7’は、原画と同じ解像度の高解像度符号と、その1/2解像度のJPEG符号で構成されているため、符号変換部20’による変換で高解像度2値符号m96と、その1/2解像度の第1の低解像度JPEG符号m97と1/8解像度の第2の低解像度JPEG符号m93を得て、第1実施形態と同様のフォーマットに変換することができる。
【0072】
符号変換部20’では、異なる解像度で構成された符号を変換する場合、第1実施形態に較べて低解像度化等の処理を用いなくても、簡易な構成で高圧縮なフォーマットに変換することができる。
【0073】
以上述べたように、圧縮対象の画像信号の種類や変換対象の圧縮フォーマットや変換後の圧縮フォーマットは、この実施形態に限定されるものではなく複数の符号化を用いて、異なる解像度でブロック符号化する。これにより、画質と圧縮率と符号利便性を両立させている圧縮フォーマットを非ブロック符号を含む圧縮フォーマットに変換することで、より高圧縮なフォーマットへと変換することができる。
【0074】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態の構成例を図14を用いて説明する。第2実施形態は、第1圧縮部13’、第1復号部15’、符号変換部20”、第1の圧縮信号m3’、第2の圧縮信号m8”が異なる以外は、第1実施形態と基本的に同様である。
【0075】
スキャナ11から入力された画像信号m1から識別部12で識別信号m2を生成し、第1圧縮部13’で画像信号m1と識別信号m2から固定長のブロック符号化した第1の圧縮信号m3’を生成し、ページメモリ14に格納・HDD19で電子ソートを行って読み出し後、第1復号部15で復号識別信号m4と復号画像信号m5を生成し、両信号を用いてフィルタ16でフィルタ処理をした画像信号m6をプリンタ17で印字出力する。
【0076】
符号変換部20”では第1の圧縮信号m3’を第2の圧縮信号m8”に変換して、PC装置22にてビューワー(Viewer)等で閲覧する構成であり、制御部10の制御信号により全体の動作を制御している。
【0077】
この実施形態の特徴である第1圧縮部13’の構成は図15の通りで、ブロック分割部91で画像信号m1と識別信号m2を2×2画素にブロック分解し、ブロック解像度決定部92で処理ブロックを高解像度で圧縮するか低解像度で圧縮するか決定する。今、識別信号は文字を“1”、非文字を“0”と表現しているため、2×2ブロックに識別信号m102に1画素でも“1”があったら処理ブロックを高解像度圧縮するよう、解像度情報m103を出力する(=1なら高解像度、=0なら低解像度)。
【0078】
2値誤差拡散部93は、画素単位で隣接ブロックの2値誤差拡散処理にも誤差を伝播する既知の誤差拡散処理を行い、2値誤差拡散画像m104を出力する。
【0079】
低解像度部94は、2×2画素の平均値m105を求める。128値誤差拡散部95は、2×2を1単位とした128値誤差拡散処理を行い、2値誤差拡散同様、隣接ブロックの128値誤差拡散処理にも誤差を伝播する、既知の多値誤差拡散処理を行い、128値誤差拡散画像m106を出力する。
【0080】
符号合成部96は、解像度情報m103に従い、解像度情報が“1”(高解像度)であれば2×2画素の2値誤差拡散画像m104と解像度情報を、“0”(低解像度))であれば、2×2画素を平均の128値誤差拡散画像m106と解像度情報を符号化する。
【0081】
ここで、符号フォーマットは図16に示すとおりである。すなわち、先頭1bitに解像度情報を格納し、(a)に示すように高解像度であれば、3bitのダミー信号を挿入後2×2の各画素位置の2値誤差拡散画像を格納する。(b)に示すように、低解像度であれば、2×2画素の平均を128値(7bit)誤差拡散した画素値を格納する。高解像度・低解像度とも4byteが1byteに1/4に固定長圧縮されることが判る。
【0082】
第1復号部15は、本符号の逆演算で、高解像度符号であれば、“0”を“0”、“1”を“255”に復号して2×2復号画像を得、低解像度符号であれば、多値誤差の代表値を算出して(例えば“0000000”は“0”、“1111111”は“255”)、同一値を2×2画素並べて復号画像を得る。
【0083】
次に、本発明のポイントである符号変換部20”について図17を用いて説明する。符号変換部20”は、図17に示すように、第1の圧縮信号m7”が供給される符号分離部101と、高解像度符号m111が供給される2値結合部102と、低解像度符号m114と、代表値m91で第1の圧縮信号m7”を高解像度符号m111と低解像度符号m114に分離し、高解像度符号m111は第1実施形態と同様に2値結合部102で1枚の2値ビットマップ画像m112に変換し、既知の2値圧縮であるCCITT−G4圧縮部103で圧縮し、2値圧縮符号m113を得る。
【0084】
低解像度符号m114はbit数変換部104で7bit→8bit変換され、8bitに変換した低解像度画像m115をJPEG圧縮部105で圧縮し、JPEG符号m116を得る。
【0085】
第1の圧縮信号m7”は解像度切り替え符号のため片方の解像度が符号化されていた場合は、片方の符号が存在しないが、符号分離部101で、夫々“0”が出力されるためデータの欠けは無い。
【0086】
符号合成部106では、両符号を低解像度の画像の上に2値の高解像度の1(8bit表現では“255”)のデータをオーバーライトするフォーマットに変換する。必要であれば、第1実施形態の代表値に相当する“255”を含めてフォーマット変換する。
【0087】
この変換処理で、同一の符号化方式で解像度のみ切り替えた符号を高解像度の2値と低解像度(高解像度の1/2解像度)の多値画像を組み合わせた、高圧縮・高画質のフォーマットに変換できる。第1の圧縮信号m7”が供給される符号分離部101で第1の圧縮信号m7”を高解像度符号m111と低解像度符号m114に分離し、高解像度符号m111は第1実施形態と同様に2値結合部102で1枚の2値ビットマップ画像m112に変換し、既知の2値圧縮であるCCITT−G4圧縮部103で圧縮して2値圧縮符号m113を得る。
【0088】
この実施形態では、第1の圧縮信号が2値と多値の組み合わせだったが4値と多値といった組み合わせや、カラー信号を対象にした場合には、第1実施形態同様、単なる2値画像と多値画像の組み合わせだけでなく、図9(a)〜(c)の様な2値情報+2値部分の色や多値レベルを組み合わせたフォーマットに変換することができる。
【0089】
またブロック単位の解像度識別信号を切り替えの2値情報として用い、2×2で平均化した高解像度データと低解像度データを切り替える構成にすれば、画質は若干低下するもののより高圧縮に変換できる。
【0090】
さらに、この実施形態では既知の複数の符号を用いるフォーマットに変換した例を示したが、例えば高解像度データは低解像度データと同じ解像度に平均化処理し、両者の合成画像を単純にJPEG圧縮することで、解像度切り替えという特殊なフォーマットが、全面同一解像度・均一処理のシンプルなフォーマットに変換され取り扱いが容易になる。
【0091】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態の構成例を図18に示す。第3実施形態は、第1実施形態の変形例であるプリンタからの画像を圧縮/復号信号と第2実施形態のスキャナからの画像を圧縮/復号信号を印字する、プリントとコピーの機能を持った装置であり、符号変換部が両者の信号を変換できる以外は、これら第1実施形態と同等である。
【0092】
すなわち、画像形成装置4は図18に示すように、図1の第1実施形態の画像形成装置1に加えて、プリンタコントローラ23とこの出力である画像信号m1’を圧縮する第2の圧縮部24と、この出力である第1の圧縮信号m3’がページメモリに格納され出力された第1の圧縮信号m3’についてこれを復号する第2の復号部25を更に有するものである。
【0093】
すなわち、画像形成装置4において、識別部12は、スキャナ11から入力された画像信号m1を元に識別部12で識別信号m2を生成し、第1の圧縮部13は、画像信号m1、識別信号m2に従って図16で示したフォーマットの圧縮信号である第1の圧縮信号m3を生成する。第1の圧縮信号m3はページメモリ14、HDD19で電子ソートを行い、読み出された後、第1の復号部15で復号され復号画像信号m5を復号識別信号m4を用いてフィルタ16でフィルタ処理が行なわれ、プリンタ17は、フィルタ処理を施した画像信号m6に基づいて印字処理を行なう。
【0094】
一方、プリンタコントローラ23で生成された画像信号m1’は、第2の圧縮部24で図12で示したフォーマットによる処理が施され、その結果、圧縮信号である第2の圧縮信号m3’が生成される。
【0095】
第2の圧縮信号m3’はページメモリ14、HDD19で電子ソートされ、読み出された後、第2の復号部25で復号され復号画像信号m4’に基づいてプリンタ17で印字処理が行なわれる。これらの動作は、制御部10の制御信号により制御される。
【0096】
本発明のポイントである符号変換部26は、第1の圧縮信号m3と第2の圧縮信号m3’を、それぞれ異なるフォーマットの第3の圧縮信号m122に変換し、PC装置22上でビューワー(Viewer)により画像を閲覧する。
【0097】
符号変換部26の構成は図19に示す通りである。すなわち、符号変換部26は、圧縮データm121を受けて、符号変換された圧縮データm122を出力するもので、圧縮データm121が供給される符号分離部111と、符号分離部111からの圧縮信号m130が供給されるRLE復号部112と、復号データm131が供給される代表値結合部113と、第2の低解像度多値ビットマップm132が供給される第2のJPEG圧縮部114と、RLE復号部112から2値データm134が供給さえる第1の2値結合部115と、第1の2値ビットマップ画像m135が供給されるCCITT−G4圧縮部116と、符号分離部111から高解像度符号m137が供給される第2の2値結合部117を有している。さらに、符号変換部26は、入力圧縮信号m139が供給されるJPEG変換部118と、入力圧縮信号m141が供給されるbit数変換部119と、低解像度画像m142が供給される第3のJPEG圧縮部120と、第1の低解像度JPEG符号m133と高解像度2値符号m136とJPEG符号140と第2のJPEG符号143が供給される符号合成部121を有している。
【0098】
このような構成において、符号変換部26は、圧縮データm121を受け、変換後の圧縮データm122を出力する。
【0099】
はじめに、第1の圧縮信号m3が符号分離部111に入力された時の動作は、JPEG変換部118において、JPEG符号m139がDC差分を行った第1の低解像度の第1JPEG符号m140に変換される。また、高解像度符号m130は、RLE復号部112にて代表値“1”が復号データm131として出力され、代表値結合部113で第2の低解像度多値ビットマップm132が生成され、第2のJPEG圧縮部114で第1の低解像度JPEG符号m133が生成される。
【0100】
また、RLE復号もしくは展開した2値データm134は、第1の2値結合部115で第1の2値ビットマップ画像m135が生成され、CCITT−G4圧縮部116にて高解像度2値符号m136を得る。
【0101】
第2の圧縮信号m3’が符号分離部111に入力された時の動作は、低解像度符号m141が、bit数変換部119で7bit→8bit変換した低解像度画像m142に変換され、第3のJPEG圧縮部120で第1の低解像度の第2のJPEG符号m143を得る。
【0102】
また、高解像度符号m137が第2の2値結合部117に供給され、第2の2値ビットマップ画像m138が生成され、CCITT−G4圧縮部116で高解像度2値符号m136に変換される。
【0103】
符号合成部121では、入力された圧縮信号のタイプによって、下記に示すように夫々異なる高圧縮画像フォーマットに変換する。
【0104】
今、入力解像度を600dpiとすると、第1の圧縮信号m3は、600dpiの2値圧縮符号m136+300dpiのJPEG符号m140+75dpiのJPEG符号m133に変換される。
【0105】
ただし、表示では、2値圧縮符号m136は2つのJPEG符号の表示切り替えに用いられ、“0”の時、JPEG符号m140、“1”の時、低解像度JPEG符号m133を表示する。
【0106】
第2の圧縮信号m3’は、600dpiの2値圧縮符号m136+300dpiのJPEG符号m143を表示する。ただし表示では、JPEG符号m143の上に、2値圧縮符号m136が“1”の画素のみ255でオーバーライトする。
【0107】
以上、述べたように符号変換の入力フォーマットに応じて、変換する符号フォーマットを切り替えるので、符号変換を低コスト、かつ、変換に伴う画質劣化の少ない高圧縮フォーマットを得ることができる。
【0108】
また、これまでの実施形態で述べてきた通り、符号変換部の構成によっては異なる入力フォーマットを同一の高圧縮フォーマットに変換することも可能であり、その場合、高圧縮フォーマットを閲覧するビューワー(Viewer)のフォーマットが統一できるので、高圧縮フォーマットを利用する装置やスイッチのコストを低減することができる。
【0109】
また、上記の実施形態では、切り替えの組み合わせとして符号フォーマットの違いで説明したが、例えば入力画像がモノクロかカラーかで切り替える仕組みを構成することも可能である。
【0110】
また、この実施形態ではモノクロデータを扱ったがカラー信号等、圧縮対象の画像信号の種類や変換対象の圧縮フォーマットや変換後の圧縮フォーマットは、この実施形態に限定されるものではなくブロック符号で構成された圧縮フォーマットを非ブロック符号を含む圧縮フォーマットに変換することで、より高圧縮なフォーマットへと変換することができる。
【0111】
すなわち、上述した実施形態において、JPEG画像データを高圧縮PDF画像データに変換することができる。つまり、JPEG画像データを完全復号することなく、高圧縮PDF化することができる。
【0112】
また、上述した実施形態においては、単純に分離して可逆部分を非ブロック化するだけでも効果を生じる。すなわち、JPEG部分を低解像度復号して、再変換・高周波係数カットだけでも効果を有している。
【0113】
また、上述した実施形態において、少なくとも複数のブロック符号のうち、どちらか一方は低解像変換を行なうことが可能である。
【0114】
また、上述した実施形態において、非ブロック符号は、可逆符号化方式の符号を変換対象とすることが可能である。
【0115】
以上、上述した符号変換部をもつ画像形成装置によれば、例えば、画像形成に適したブロック符号データを、高圧縮フォーマットに変換することが可能となり、高圧縮フォーマットを閲覧するビューワー(Viewer)のフォーマットを統一することができる。この結果、高圧縮フォーマットを利用する外部のPC装置等において、画像形成を行った画像データを高圧縮フォーマットのビューワーで閲覧することも可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0116】
【特許文献1】特許2611012号公報
【特許文献2】特開2002−77631号公報
【特許文献3】特開2001−78049号公報
【特許文献4】特開2005−20227号公報
【特許文献5】特開平11−69164号公報
【非特許文献】
【0117】
【非特許文献1】長谷川他:『高圧縮PDF技術』 RICHO Technical Report No30 P93〜97(Dec,2004)
【非特許文献2】ISO/IEC16485(MRC)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つは非ブロック符号であり、互いに解像度が異なる複数種類の符号から構成される第1の圧縮データをデコードして表示する画像表示装置と通信を行なう画像形成装置において、
画像データを入力する入力部と、
前記入力部からの前記画像データを、固定長ブロック符号で構成される第2の圧縮データに圧縮する圧縮部と、
前記圧縮部で圧縮された第2の圧縮データをデコードして一定レートで画像形成を行う画像形成部と、
前記第2の圧縮データを記憶する記憶部と、
前記記憶部が記憶した前記第2の圧縮データを、前記第1の圧縮データに変換する変換部と、を具備することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記変換部で変換した前記第1の圧縮データを前記画像表示装置に供給する通信部を更に有する請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
画像データを受けると、画像形成に適した画像データに変換して出力するプリンタコントローラを更に具備しており、
前記画像形成部は、前記プリンタコントローラからの出力を前記圧縮部により前記第2の圧縮データのフォーマットで圧縮された画像データを受け、この画像データをデコードして一定レートで画像形成を行うことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記第1圧縮データの非ブロック符号は、当該非ブロック符号以外の符号の解像度を切り替えるための選択情報であることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記非ブロック符号は、前記可逆符号化方式の符号を変換対象とすることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記非ブロック符号は周波数変換符号であり、完全に復号することなく、高周波成分をカットした低解像度信号であることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項7】
画像データを入力し、該画像データを固定長ブロック符号で構成される第1の圧縮データに圧縮し、
前記圧縮された第1の圧縮データをデコードして一定レートで画像形成を行い、
前記第1の圧縮データを記憶し、該記憶した前記第1の圧縮データを、少なくとも一つは非ブロック符号であり互いに解像度が異なる複数種類の符号から構成される第2の圧縮データに変換し、
前記第2の圧縮データをデコードして、画像表示装置において表示することを特徴とする画像形成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2010−28797(P2010−28797A)
【公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−104225(P2009−104225)
【出願日】平成21年4月22日(2009.4.22)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】