説明

画像形成装置、画像形成システム、情報処理方法、及び、コンピュータプログラム

【課題】新機能が追加された画像形成装置において、リクエストの内容を解析して好適に処理する画像形成装置、画像形成システム、情報処理方法、及び、コンピュータプログラムを提供すること。
【解決手段】当該画像形成装置に接続された機能実現手段の一覧を管理する一覧管理手段と、クライアント装置からの第一の記述形式によるリクエストを受信する通信手段と、リクエストを解析して該リクエストに含まれる機能実現手段の識別情報と要求項目とを取得して出力するリクエスト解析手段と、機能実現手段毎に、要求項目に対応する処理内容のデータ形式を保持するデータ形式保持手段と、リクエスト解析手段からの出力に基づいて、要求項目を処理内容のデータ形式にして機能実現手段に対して出力し、機能実現手段に対応する処理内容が無い場合には、要求項目を第二の記述形式にして機能実現手段に対して出力する処理内容取得手段と、を有する画像形成装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、 画像形成装置、画像形成システム、情報処理方法、及び、コンピュータプログラムに関する。
【0002】
従来から、ネットワークを介して接続された装置のファームウェアを更新してバージョンアップを行う技術がある。例えば、特開2004−139572号公報(特許文献1)には、画像形成装置のファームウェア更新を、所定の日時に行わせることにより、画像形成装置の稼働率の低下を回避する遠隔管理システム等の技術が開示されている。
【0003】
また例えば、特開2004−252704号公報(特許文献2)には、ネットワークを介して接続されたネットワーク接続機器間において、インストールされているソフトウェアのバージョン等をあわせるようにする機器管理装置の技術が開示されている。
【特許文献1】特開2004−139572号公報
【特許文献2】特開2004−252704号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1及び2に開示の技術では、画像形成装置に新機能を追加する際の容易性については考慮されていない。例えば、新機能を追加した画像形成装置において、その機能に係る処理を実行させるために、機能を実現する手段であるファームウェアの他に、各機能に対する指示を出力する中心的な制御を行うファームウェアも更新すると、機能の追加毎や機能の組合せが変更される毎にバージョンアップするファームウェアの管理や開発が煩雑になる。
【0005】
本発明は、上記の点に鑑みて、これらの問題を解消するために発明されたものであり、新機能が追加された画像形成装置において、リクエストの内容を解析して好適に処理する画像形成装置、画像形成システム、情報処理方法、及び、コンピュータプログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の画像形成装置は次の如き構成を採用した。
【0007】
本発明の画像形成装置は、当該画像形成装置に接続された機能実現手段の一覧を管理する一覧管理手段と、クライアント装置からの第一の記述形式によるリクエストを受信する通信手段と、前記リクエストを解析して該リクエストに含まれる機能実現手段の識別情報と要求項目とを取得して出力するリクエスト解析手段と、前記機能実現手段毎に、前記要求項目に対応する処理内容のデータ形式を保持するデータ形式保持手段と、前記リクエスト解析手段からの出力に基づいて、前記要求項目を前記処理内容のデータ形式にして前記機能実現手段に対して出力し、前記機能実現手段に対応する処理内容が無い場合には、前記要求項目を第二の記述形式にして前記機能実現手段に対して出力する処理内容取得手段と、を有する構成とすることができる。
【0008】
これにより、新機能が追加された画像形成装置において、リクエストの内容を解析して好適に処理する画像形成装置を提供することができる。
【0009】
なお、上記課題を解決するため、本発明は、さらに、上記画像形成装置を有する画像形成システム、上記画像形成装置又は上記画像形成システムにおける情報処理方法、及び、その情報処理方法をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムとしてもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明の画像形成装置、画像形成システム、情報処理方法、及び、コンピュータプログラムによれば、新機能が追加された画像形成装置において、リクエストの内容を解析して好適に処理する画像形成装置、画像形成システム、情報処理方法、及び、コンピュータプログラムを提供することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
〔本発明の実施の形態〕
(一のリクエストをそれぞれの装置が処理することを説明する図)
図1は、一のリクエストをそれぞれの装置が処理することを説明する図である。図1の画像形成システムは、クライアント装置であるPC15が、レーザプリンタ(以下、「LP」という。)25、複合機(以下、「MFP」という。)35、MFP36及び印刷機45と、ネットワークを介して接続されている。図1では、LP25、MFP35、MFP36及び印刷機45は、同一のインタフェースであり、リクエスト及びそのレスポンスの送受信に用いられるプロトコルは同一である。
【0012】
図1の画像形成システムにおいて、リクエストのデータフォーマットは、例えば、XMLの形式を有し、リクエストに含まれる要求項目のうち、各装置が有する機能実現部に対応する要求項目のみが、各装置において処理される。
【0013】
すなわち、PC15から送信されるリクエストaのうち、LP25は、自身が有する機能実現部に対応する箇所であるa1の部分の要求項目に対する処理を行う。同様に、MFP36は、自身が有する機能実現部に対応する箇所であるa2の部分の要求項目に対する処理を行う。MFP35と印刷機45とは、リクエストaに含まれる全ての要求項目に対応する機能実現部を有するので、それらに対応する処理を行う。このような要求項目の取捨選択は、例えば、各機器が有するWebService(以下、「WS」という。)部において行われる。
【0014】
図1より、PC15は、装置毎の機能実現部を考慮することなく、リクエストを出力することができる。これにより、装置毎の機能実現部やバージョンに対応してクライアントの機能実現部を変更する手間を省くことができる。
【0015】
ここで、PC15は、例えば、次の2つの方法によって各機器にアクセスすることが考えられる。
1. SNMP(Simple Network Management Protocol)を利用してMIB(Management Information Base)の情報にアクセスする。
2. HTTP(Hyper Text Transfer Protocol)上でSOAP(Simple Object Access Protocol)やXMLデータを利用する。
【0016】
上記1.では、MIBで定められている情報については、全ての装置からアクセスして取得することができるが、MIB以外の情報については、取得できない。一方、上記2.では、装置毎にインタフェースを定義して装置が有する情報にアクセスでき、その際に、SOAPやXMLが用いられる。しかしながら、2.では、プラットフォームやバージョンの違いにより、インタフェースが異なる場合には、PC15側でその違いに応じた処理が必要になる。
【0017】
なお、本実施の形態において、インタフェースとは、特に明記しない限り「ネットワークインタフェース」であり、例えば、SOAPにおけるURL等の装置を識別して呼びかけるための情報である。
【0018】
(要求項目を取捨選択することにより生じる課題)
図2は、WS部において要求項目を取捨選択することにより生じる課題を説明する図である。図2の画像形成装置37は、WS部371と一以上の機能実現部372を有する。WS部371がリクエストに含まれている要求項目のうち、予め登録されている要求項目を取得して、機能実現部372に振り分けている。
【0019】
しかしながら、機能実現部372が後から追加された場合には、その機能実現部に対応する要求項目が登録されていない場合も生じる。そのような場合に、要求項目がWS部371によって読み飛ばされてしまうと、機能実現部372が実装されているにも関わらず、要求項目が伝達されないために、その機能が実現されないという不具合が生じる。
【0020】
(未知の要求項目を伝達する例)
図3では、リクエストに含まれている要求項目のうち、予め登録されていない要求項目をも振り分けることを説明する図である。図3の画像形成装置38は、WS部381と機能実現部382を有する。図3では、リクエストaのうち、予め登録されている要求項目に係る部分a2と、登録されていない要求項目に係る部分a1の双方が、WS部381により、機能実現部382に振り分けられる。これにより、要求項目に対応する処理内容を、機能実現部382が実行することができる。
【0021】
予め登録されていない要求項目とは、例えば、WS部381が、その要求項目に対応するデータ形式を取得できない要求項目である。このような状態は、例えば、その機能実現部382が、画像形成装置38に新たに追加された機能に係る機能実現部である場合に生じる。
【0022】
(未知の応答項目を伝達する例)
図4は、予め登録されていない応答項目を含むメッセージを生成する処理を説明する図である。図4では、画像形成装置38が有する各機能実現部382から、WS部381に対し、応答項目が出力される。これらの応答項目は、機能実現部毎に対応する所定のデータ形式でもよい。しかし、WS部381が、その機能実現部に対応するデータ形式を取得できない場合には、予め定められる所定の記述形式により、応答項目が取得される。
【0023】
なお、WS部381が、応答項目のデータ形式を取得できない機能実現部382とは、例えば、画像形成装置38に対して新たに追加された機能に係る機能実現部であり、また例えば、その機能実現部に対する要求項目のデータ形式が取得できなかった機能実現部である。
【0024】
(システム構成の例)
図5は、本実施の形態による画像形成システムの構成の例を説明する図である。図5の画像形成システムは、PC1、PC2、PC3・・・と、MFP4、MFP5、MFP6・・・とが、LANに接続されている。これにより、各PCが、それぞれのMFPに対してリクエストを出力し、また各MFPからのレスポンスを受信する。
【0025】
(MFPの装置構成の例)
図6は、本実施の形態に係る画像形成装置であるMFPの装置構成の例を説明する図である。図6のMFP300は、例えば、情報処理ロジック部310、情報アクセス部330、情報保持部340、通信サーバ部351、通信クライアント部352、及び、ネットワークインタフェース(以下、「I/F」という。)390を有する。
【0026】
情報処理ロジック部310は、クライアント装置等からのリクエストを解析し、また、クライアント装置へのレスポンスを生成する。情報処理ロジック部310は、例えば、データ処理部311を有する。データ処理部311は、XMLで記述されるリクエストをパースし、またXMLで記述されるレスポンスを生成する。
【0027】
情報アクセス部330は、情報処理ロジック部310によって解析されたリクエストに含まれる要求項目に基づいて、情報保持部340に保持されている情報を取得し、またその情報を編集して置き換え、または情報を生成して情報保持部340に格納させる。情報保持部340は、画像形成装置300の状態や操作者毎の識別情報、画像データ等を格納する。
【0028】
通信サーバ部351と通信クライアント部352とは、クライアント装置に対して通信を行う手段である。ネットワークI/F390は、画像形成装置300とLANとを接続するためのインタフェースである。
【0029】
(本実施の形態の画像形成システムの機能構成の例)
図7は、本実施の形態による画像形成システムの機能構成の例を説明する図である。図7の画像形成システムは、画像形成装置500とクライアントPC600とが接続されている。なお、画像形成装置500とクライアントPC600とは、ネットワークを介して接続されてもよく、また直接接続されてもよい。
【0030】
画像形成装置500は、例えば、情報処理ロジック部510、機能実現手段530、一覧管理手段541、データ形式保持手段542、及び、通信手段550を有する。情報処理ロジック部510は、クライアントPC600から送信されるリクエストを解析してその中に含まれる要求項目を取得する。情報処理ロジック部510は、また、要求項目に対応するレスポンスを生成する。
【0031】
情報処理ロジック部510は、例えば、リクエスト解析手段511、処理内容取得手段512、レスポンス生成手段513、及び、メッセージ生成手段514を有する。リクエスト解析手段511は、第一の記述形式によって記述されるリクエストをその構文にしたがって解析する。第一の記述形式とは、例えば、XMLによって表記され、名前空間によって項目群が識別される記述形式である。リクエスト解析手段511は、例えば、XMLパーサとして構成される。これにより、リクエストに含まれる要求項目を取得することができる。
【0032】
処理内容取得手段512は、リクエスト解析手段511によって解析された内容に基づいて、機能実現手段の識別情報と要求項目に対応する処理内容とを取得する。処理内容取得手段512は、例えば、データ形式保持手段542に保持されている機能実現手段毎のデータ形式に基づいて、要求項目をそのデータ形式による処理内容に変換する。
【0033】
処理内容取得手段512は、要求項目に対応するデータ形式が取得できない場合には、その要求項目を所定の記述形式に変換する。所定の記述形式とは、例えば、第二の記述形式であり、名前空間名、変数又はタグ名、及び、値を有する、クラスとして構成されてよい。
【0034】
なお、データ形式が取得できない場合とは、例えば、その要求項目に対応する機能実現手段が、新たに追加されたものであるため、一覧管理手段541によって識別情報は管理されているものの、データ形式保持手段542には、その機能実現手段とのデータのインタフェースとなるデータ形式が登録されていない場合等である。
【0035】
これにより、画像形成装置500が有する新たに追加された機能実現手段に対しても、要求項目を出力して処理を指示することができる。
【0036】
レスポンス生成手段513は、機能実現手段530によって処理された要求項目に対応するレスポンスを生成する。レスポンス生成手段513が生成するレスポンスは、例えば、画像形成装置500の属するバージョンに基づいている。レスポンス生成手段513によって生成されるレスポンスは、機能実現手段530から出力される応答項目を含む。
【0037】
レスポンス生成手段513は、機能実現手段530から出力される機能実現手段毎に対応するデータ形式の応答項目を変換し、第一の記述形式によるレスポンスを生成する。レスポンス生成手段513は、またさらに、機能実現手段530から出力される応答項目が、第二の記述形式による場合には、その応答項目から必要な情報を取り出して、第一の記述形式によるレスポンスにその情報を含ませる。
【0038】
なお、応答項目が第二の記述形式による場合とは、その機能実現手段が、画像形成装置500に対して後から追加されたものであり、一覧管理手段541に識別情報が登録されているものの、データ形式保持手段542には、その機能実現手段とのデータのインタフェースとなるデータ形式が登録されていない場合等である。
【0039】
これにより、画像形成装置500が有する新たに追加された機能実現手段が出力する応答項目に対応するレスポンスを生成することができる。
【0040】
メッセージ生成手段514は、画像形成装置500における所定のイベントに基づいて、画像形成装置500の状態に係る情報が、所定の記述形式によって記述されたメッセージを生成する。所定のイベントとは、例えば、画像形成装置500におけるエラーの発生であり、より詳細には、ドアが開いた状態、用紙がない状態等の発生である。メッセージ生成手段514によって生成されるメッセージは、機能実現手段530から出力される状況項目を含む。
【0041】
メッセージ生成手段514は、機能実現手段530から出力される機能実現手段毎に対応するデータ形式の状況項目を変換し、第一の記述形式によるメッセージを生成する。メッセージ生成手段514は、またさらに、機能実現手段530から出力される状況項目が、第二の記述形式による場合には、その状況項目から必要な情報を取り出して、第一の記述形式によるメッセージにその情報を含ませる。
【0042】
なお、状況項目が第二の記述形式による場合とは、応答項目が第二の記述形式による場合と同様のケースである。これにより、画像形成装置500が有する新たに追加された機能実現手段が出力する状況項目に対応するメッセージを生成することができる。
【0043】
機能実現手段530は、処理内容取得手段512が取得した要求項目に基づいて、対応する処理を実行する。機能実現手段530は、例えば、図示しない記憶手段に格納されている情報を取得して出力し、また記憶手段に格納されている情報を編集して置き換え、また要求項目に基づいて新たな情報を生成して記憶手段に格納させる。なお、記憶手段には、上記の他、画像形成装置500の状態に係る情報を保持し、また画像形成装置500によって処理される画像の画像データ、画像形成装置500を使用する操作者の情報等を保持されてよい。
【0044】
機能実現手段530は、記憶手段に格納されている情報に係る処理を行う他に、画像形成装置500が有する画像形成機能、通信機能、ファクシミリ機能等に係る処理を行ってもよい。機能実現手段530は、また、画像形成装置500が有する構成の他に、画像形成装置500に接続される構成でもよい。
【0045】
一覧管理手段541は、画像形成装置500が有する機能実現手段の一覧を保持し管理する。新たに機能実現手段530が追加された場合には、一覧管理手段541によって管理される一覧が更新される。
【0046】
データ形式保持手段542は、機能実現手段毎に対応する、要求項目、応答項目、及び/又は、状況項目のデータ形式を保持する。これにより、処理内容取得手段512等が、第一の記述形式と、機能実現手段毎に対応するデータ形式との間の変換を行うことができる。
【0047】
通信手段550は、クライアントPC600との通信を行い、例えば、リクエストを受信し、レスポンスやメッセージを送信する。
【0048】
クライアントPC600は、画像形成装置500に対して、リクエストを送信し、またその応答であるレスポンスを受信する。これにより、クライアントPC600は、画像形成装置500の制御や画像形成装置500が有する情報の管理を行う。
【0049】
クライアントPC600は、例えば、情報処理ロジック部610と通信手段650とを有する。情報処理ロジック部610は、画像形成装置500に対して送信するリクエストを生成し、また、画像形成装置500から送信されるレスポンスを解析する。これにより、画像形成装置500のステータスを取得することができる。なお、ステータスとは、画像形成装置500の状態の他に、画像形成装置500が保持する情報でもよい。
【0050】
情報処理ロジック部610は、例えば、リクエスト生成手段611、レスポンス解析手段612、ステータス取得手段613を有する。リクエスト生成手段611は、画像形成装置500に対して要求する要求項目を含むリクエストを生成する。リクエスト生成手段611によって生成されるリクエストは、例えば、第一の記述形式で表記される。
【0051】
レスポンス解析手段612は、画像形成装置500から送信されるレスポンス又はメッセージを解析する。以下、レスポンスを例に説明するが、メッセージの場合も同様に処理される。レスポンス解析手段612は、例えば、レスポンスがXMLによって記述される場合に、XMLパーサとして構成される。
【0052】
ステータス取得手段613は、レスポンス解析手段612によって解析された応答項目又は状況項目に基づいて、画像形成装置500のステータスを取得する。ステータス取得手段613は、またさらに、取得したステータスに基づいて、機能実現手段630に対して応答項目を振り分ける。これにより、各機能実現手段が、その応答項目に対応する処理を実行することができる。
【0053】
ステータス取得手段613は、応答項目を、機能実現手段毎に対応するデータ形式に変換する。ステータス取得手段613は、またさらに、その応答項目に対応するデータ形式がデータ形式保持手段642に保持されていない場合には、その応答項目を第二の記述形式に変換して出力する。
【0054】
なお、応答項目が第二の記述形式による場合とは、画像形成装置500における場合と同様のケースであって、例えば、クライアント装置600に、新たに追加された機能実現手段630に対応する応答項目の場合である。これにより、クライアント装置が有する新たに追加された機能実現手段に対しても、応答項目又は状況項目を出力し、それらに対応する処理を実行させることができる。
【0055】
機能実現手段630、一覧管理手段641、データ形式保持手段642、及び、通信手段650の機能及び構成は、画像形成装置500が有する同名の手段と同様であり、容易に理解できるので、ここでは説明を省略する。
【0056】
(クライアントからのリクエストに基づく処理の例(その1))
図8は、画像形成装置300における、クライアントからのリクエストに基づく処理の例のシーケンス図である。図8のステップS101では、PC100から通信サーバ部351に対し、リクエストが送信される。リクエストは、例えば、条件を設定すること、情報を参照、変更、又は、削除することの要求項目を含む。リクエストは、また例えば、httpリクエストとして送信されてもよい。リクエストは、例えば、XML等の記述言語による第一の記述形式によって記述される。
【0057】
ステップS101に続いてステップS102に進み、通信サーバ部351から情報処理ロジック部310に対し、ステップS101で受信されたリクエストを処理する依頼が出力される。リクエストは、例えば、画像形成装置500が有する情報保持部340に保持されているアドレス帳のデータを操作する処理の要求である。
【0058】
ステップS102に続いてステップS103に進み、情報処理ロジック部310からデータ処理部311に対し、リクエストのデータを解析する依頼が出力される。
【0059】
ステップS103に続いてステップS104に進み、データ処理部311がリクエストを解析することにより、リクエストに含まれている要求項目を取得する。リクエストは、例えば、Atom Publishing Protocol(以下、「APP」という。)
、Atom、又は、その他の拡張形式の記述形式によって表記されている。そこで、データ処理部311は、それぞれの記述形式に応じて、要求項目と要求先の機能実現部の識別情報とを取得する。ここでは、例えば、情報アクセス部330の識別情報が取得される。
【0060】
データ処理部311は、取得された機能実現部の識別情報に基づいて、その機能実現部に対応するデータ形式に要求項目を変換して処理内容とする。機能実現部に対応するデータ形式が無い場合には、その要求項目を、予め定められている第二の記述形式に変換する。
【0061】
第二の記述形式とは、例えば、リクエストがXMLによって記述される場合に、その要求項目の属する名前空間名、変数名又はタグ名、及び、値を含むとよい。
【0062】
ステップS104に続いてステップS105に進み、データ処理部311から情報処理ロジック部310に対し、取得された処理内容又は第二の記述形式に変換された要求項目と、リクエストの解析が終了した通知が出力される。これに基づいて、情報処理ロジック部310は、要求項目毎に対応する処理内容又は第二の記述形式に変換された要求項目を取得する。
【0063】
ステップS105に続いてステップS106に進み、情報処理ロジック部310から情報アクセス部330に対し、処理内容を実行する要求が出力される。ステップS106に続いてステップS107に進み、情報アクセス部330が情報保持部340にアクセスすることにより、ステップS101で受信されたリクエストに基づく処理が行われる。
【0064】
ステップS107に続いてステップS108に進み、情報処理部340から情報アクセス部330に対し、処理が終了したことの通知が出力される。ステップS108に続いてステップS109に進み、情報アクセス部330から情報処理ロジック部310に対し、処理が終了したことの通知が出力される。ステップS109に続いてステップS110に進み、情報処理ロジック部310から通信サーバ部351に対し、処理が終了したことをPC100に通知する要求が出力される。ステップS110に続いてステップS111に進み、通信サーバ部351からPC100に対し、処理が終了したことの通知が送信される。ここでは、例えば、httpレスポンスとして送信される。
【0065】
(クライアントからのリクエストに基づく処理の例(その2))
図9は、画像形成装置300における、クライアントからのリクエストに基づく処理の例のシーケンス図であって、画像形成装置300からPC100に対してレスポンスが送信される処理の例である。図9のステップS201からステップS208は、図10のステップS101からステップS108と同一であるので、ここでは説明を省略する。
【0066】
ステップS208に続くステップS209では、情報アクセス部330から情報処理ロジック部310に対し、処理が終了した旨の応答項目が出力される。応答項目は、情報処理ロジック部310に対応する所定のデータ形式でもよく、また例えば、第二の記述形式によるものでもよい。なお、第二の記述形式とは、例えば、レスポンスがXMLによって記述される場合に、その応答項目の属する名前空間名、変数名又はタグ名、及び、値を含むとよい。
【0067】
ステップS209に続くステップS210では、情報処理ロジック部310からデータ処理部311に対し、レスポンスを生成する依頼が出力される。ステップS210に続いてステップS211に進み、データ処理部311が、ステップS204等で処理された処理内容毎に対応する応答項目を含むレスポンスを生成する。レスポンスは、第一の記述形式によって記述されており、例えば、XMLによって表記される。より詳細には、APP、Atom、又は、その他の拡張形式によって表記される。どの形式によって表記されるかは、例えば、どの形式でレスポンスを返して欲しいというリクエストの記述内容や、画像形成装置の形式のサポート状況によって異なる。
【0068】
ステップS211に続いてステップS212に進み、データ処理部311から情報処理ロジック部310に対し、レスポンスの生成が終了した通知とレスポンスとが出力される。なお、レスポンスが出力されることが、レスポンスの生成が終了した通知を兼ねてもよい。
【0069】
ステップS212に続いてステップS213に進み、情報処理ロジック部310から通信サーバ部351に対し、レスポンスとそのレスポンスを送信する依頼が出力される。ステップS213に続いてステップS214に進み、通信サーバ部351からPC100に対し、レスポンスが送信される。
【0070】
(メッセージを生成して送信する処理の例)
図10は、画像形成装置500からPC100に対し、所定のイベントに基づくメッセージが送信される場合の処理の例のシーケンス図である。図10のステップS301では、トリガとなるモジュールから情報処理ロジック部310に対し、イベントの発生が通知される。イベントとは、例えば、画像形成装置500が有するドアが開いた等の異常の発生である。
【0071】
ステップS301に続いてステップS302に進み、情報処理ロジック部310から情報アクセス部330に対し、データの取得依頼が出力される。これは、ステップS301で通知される内容が、イベントが発生したことを表す情報であって、その詳細は、情報保持部340によって保持されている情報を参照することにより、得られるからである。
【0072】
ステップS302に続いてステップS303に進み、情報アクセス部330から情報保持部340に対し、データ取得要求が出力される。ステップS303に続いてステップS304に進み、情報保持部340から情報アクセス部330に対し、データが出力される。このデータには、イベントの詳細な情報が含まれている。ステップS304に続いてステップS305に進み、情報アクセス部330から情報処理ロジック部310に対し、ステップS304で取得されたデータが出力される。
【0073】
情報アクセス部330から出力されるデータのデータ形式は、情報アクセス部330に対応するデータ形式でもよく、また例えば、第二の記述形式によって記述される形式でもよい。
【0074】
ステップS305に続いてステップS306に進み、情報処理ロジック部310からデータ処理部311に対し、メッセージの生成依頼が出力される。ステップS306に続いてステップS307に進み、データ処理部311が、データに含まれているイベントの詳細な情報に基づいて、メッセージを生成する。メッセージは、所定の記述形式によって表される。ステップS307に続いてステップS308に進み、データ処理部311から情報処理ロジック部310に対し、メッセージ作成が終了した通知と、メッセージが出力される。なお、メッセージが出力されることにより、作成が終了した通知を兼ねてもよい。
【0075】
ステップS308に続いてステップS309に進み、情報処理ロジック部310から通信クライアント部352に対し、メッセージの送信依頼が出力される。ステップS309に続いてステップS310に進み、通信クライアント部352からPC100に対し、メッセージが出力される。ここでは、例えば、httpリクエストとして送信される。
【0076】
ステップS310に続いてステップS311に進み、PC100から通信クライアント部352に対し、メッセージが受信された通知が送信される。ここでは、例えば、httpレスポンスとして送信される。ステップS311に続いてステップS312に進み、通信クライアント部352から情報処理ロジック部310に対し、メッセージが受信された通知が出力される。
【0077】
(リクエストを解析する処理の例)
図11は、情報処理ロジック部310及びデータ処理部311において、リクエストが解析される処理の例のフロー図である。図11の処理は、例えば、図8のステップS104又は図9のステップS204において、リクエスト解析手段511によって実行される。図11のステップS401では、データ処理部311に対してリクエストが入力される。
【0078】
図12に、リクエストの例を示す。図12は、例えば、画像形成装置500が有する図示しない記憶手段等に保持されるアドレス帳に新たなレコードを追加する要求の例である。なお、記憶手段は、例えば、データ形式保持手段542と一の構成でもよい。
【0079】
図12のリクエストは、HTTPリクエストヘッダー部R1と、要求項目を含む本体であるR2とを含む。本体R2の内、符号eが付された箇所の記述により、このリクエストが、Atomと、名前空間a及び名前空間vendorで定義される拡張形式とで、記述されていることが示されている。名前空間vendorで定義される拡張形式が、本実施の形態における新たに追加された機能に対する要求項目に対応する。
【0080】
R3は拡張形式で記述されている箇所である。R3には、名前「foo」に対応するメールアドレス、ファクシミリ番号等のレコードに係る情報、及び、それぞれ一の要求項目として含まれている。R3には、さらに、名前空間vendorにより識別されるタグを有する値gが含まれている。
【0081】
図11に戻り、ステップS401に続いてステップS402に進み、リクエスト解析手段511が、リクエストを先頭から解析することにより、標準形式の部分の判定を行う。ここでは、標準形式がA形式とB形式との何れであるかを判定し、A形式である場合には、ステップS403に進み、B形式である場合には、ステップS406に進む。
【0082】
なお、標準形式とは、例えば、リクエストがXMLによって記述されている場合には、汎用的な規格であるAPP又はAtom等をいう。また、本発明の実施の形態は、2種類のうちの1の標準形式を処理する例に限らず、3種類以上の複数の標準形式の中から何れか一以上の標準形式を処理してもよい。
【0083】
ステップS402に続くステップS403からステップS405では、A形式で記述されている箇所について、リクエスト解析手段511が要求項目を取得する。さらに、処理内容取得手段512がその要求項目に対応する処理内容を取得する。ここで取得される処理内容は、機能実現手段毎に対応するデータ形式を有する。この処理は、A形式で記述されている箇所が全て処理されるまで繰り返される。
【0084】
なお、機能実現手段の識別情報は、リクエスト解析手段511によって取得される。機能実現手段の識別情報は、リクエストの中の要求項目毎に含まれてもよく、またリクエストの中の記述形式毎に対応づけられて含まれてもよい。
【0085】
一方、ステップS402に続くステップS406からステップS408では、B形式で記述されている箇所について、リクエスト解析手段511と処理内容取得手段512とが、ステップS403からステップS405と同様の処理を行う。
【0086】
標準形式で記述されている箇所の処理が終了した後、独自形式の処理に進む。ステップS409では、リクエスト解析手段511が、リクエストの中の独自形式の有無を判断する。独自形式がある場合には、ステップS410に進み、独自形式がない場合には、ステップS414に進む。なお、ステップS409の判定は、独自形式の有無に代えて、画像形成装置500が処理する機能に対応する要求項目の項目群の有無の判定でもよい。画像形成装置500が処理する機能に対応する要求項目の項目群がある場合には、ステップS410に進み、ない場合には、ステップS415に進む。
【0087】
ステップS409に続くステップS410からS414では、リクエスト解析手段511が、リクエストに含まれている要求項目を取得する処理を、全ての要求項目が取得されるまで繰り返す。要求項目が取得される毎に、ステップS411において、処理内容取得手段512が、その要求項目に対応する処理内容の登録の有無を判断し、処理内容が登録されている場合には、ステップS412に進み、処理内容が登録されていない場合には、ステップS413に進む。
【0088】
ステップS411に続くステップS412では、処理内容取得手段512が、その処理内容を取得する。ここで取得される処理内容は、機能実現手段毎に対応するデータ形式を有する。一方、ステップS411に続くステップS413では、処理内容取得手段512が、要求項目を、第二の記述形式に変換する。
【0089】
図13は、要求項目を第二の記述形式に変換することを説明する図である。図13では、符号fを付した名前空間と符号g1を付した要素とから、要求項目h1が形成され、符号fを付した名前空間と符号g2を付した要素とから、要求項目h2が形成される。
【0090】
これにより、リクエストの中に、画像形成装置500に登録されていない機能に対する要求項目がある場合でも、その機能を実行することができる。したがって、画像形成装置500に対し、新たに追加された機能実現手段がある場合でも、リクエストを生成するクライアント装置等が、その機能に対するリクエストを出力することができる。
【0091】
図11に戻り、ステップS409又はステップS413の処理の後、ステップS414に進み、取得された処理内容が、情報処理ロジック部310に出力される。
【0092】
(レスポンス又はメッセージを生成する処理の例)
図14は、情報処理ロジック部310及びデータ処理部311において、レスポンス又はメッセージが生成される処理の例のフロー図である。図12の処理は、例えば、図9のステップS211において、レスポンス生成手段513によって実行され、また例えば、図10のステップS307においてメッセージ生成手段によって実行される。ここではレスポンス生成手段513によって実行される例について説明する。
【0093】
図14のステップS501では、情報処理ロジック部310からデータ処理部311に対し、レスポンスに含まれる応答項目のデータが入力される。ステップS501に続いてステップS502に進み、レスポンス生成手段513が、入力されたデータに基づいて、レスポンスの記述形式を選択する。ここでは、標準形式の部分を選択し、A形式によって記述する場合にはステップS503に進み、B形式によって記述する場合にはステップS506に進む。
【0094】
なお、本発明の実施の形態は2つの標準形式のうちの何れか一を選択する例に限らず、複数の標準形式のうちの何れか一以上を選択し、その標準形式により記述されるレスポンスを生成してよい。
【0095】
ステップS502に続くステップS503からステップS505では、レスポンス生成手段が、A形式によって記述される応答項目のデータがなくなるまで、その応答項目がA形式によって記述されるデータを生成する。一方、ステップS502に続くステップS506からステップS508では、同様にB形式によって記述される応答項目のデータがなくなるまで、その応答項目がB形式によって記述されるデータを生成する。
【0096】
ステップS505又はステップS508に続くステップS509では、レスポンス生成手段513が、応答項目のデータのうち、独自形式によって記述されるものの有無を判断する。独自形式によって記述されるものがある場合には、ステップS510に進み、ない場合には、ステップS515に進む。
【0097】
ステップS509に続くステップS510からステップS513では、独自形式によって記述される応答項目のデータがなくなるまで、レスポンス生成手段513によってその応答項目を独自形式によって記述する処理が繰り返される。ステップS511において、レスポンス生成手段513が、その応答項目が未知のデータであるか否かを判断する。未知のデータとは、例えば、その応答項目が予め登録されたデータ形式を有さないデータである。未知のデータは、例えば、第二の記述形式により記述される。第二の記述形式とは、例えば、名前空間名、変数名又はタグ名、及び、値を有する。
【0098】
既知のデータである場合には、ステップS512に進み、未知のデータである場合には、ステップS513に進む。ステップS511に続くステップS512では、レスポンス生成手段513が、取得された応答項目のデータ形式を参照して、第一の記述形式によるレスポンスを生成する。一方、ステップS511に続くステップS513では、レスポンス生成手段513が、取得された第二の記述形式による応答項目から、第一の記述形式によるレスポンスを生成する。
【0099】
図15は、第二の記述形式による応答項目から、第一の記述形式によるレスポンスが生成されることを説明する図である。図15では、符号r1を付した応答項目から、名前空間sと要素t1とが生成され、符号r2を付した応答項目から、名前空間sと要素t2とが生成される。
【0100】
図14に戻り、ステップS509又はステップS512に続いてステップS513に進み、レスポンス生成手段513によって生成されたレスポンスが、情報処理ロジック部310に対して出力される。
【0101】
(レスポンスの例)
図16及び図17は、レスポンスの例を説明する図である。図16は、図12のリクエストに対応して生成されるレスポンスの例である。図16では、図12のリクエストに基づいて処理された内容が含まれている。すなわち、アドレス帳に追加されたレコードの内容である、名前「foo」と、その名前に対応するメールアドレス、ファクシミリ番号等が、それぞれ一の応答項目として含まれている。さらに、符号u1を付した箇所に、名前空間vendorによって識別されるアドレス帳に対する操作処理の応答項目が含まれている。
【0102】
図17は、図12のリクエストに対応して生成されるレスポンスの例であって、図16とは異なるレスポンスの例である。図17のレスポンスは、faxAddressとfaxNumberとに係る応答項目が含まれていない。これは、このレスポンスを生成した画像形成装置が有する機能が、これらの情報をアドレス帳に含ませる機能を有していないためである。
【0103】
また、アドレス帳の中のデータを編集する場合には、HTTPのPUTを用い、リクエストが入力され、その応答であるレスポンスが出力されてもよい。また、アドレス帳の中のデータを参照する場合には、HTTPのGETを用い、レスポンスデータが出力されてもよい。また、アドレス帳の中のデータを削除する場合には、HTTPのDELETEを用い、リクエスト及びレスポンスのデータのやりとりがなくてもよい。
【0104】
(メッセージの例)
図18は、メッセージの例である。図18(A)は、画像形成装置に異常が発生したことを、クライアントPCに対して通知するメッセージの例であり、図18(B)は、そのメッセージに対して、クライアントPCから出力される応答の例である。
【0105】
図18(A)において、符号w1を付した名前空間と、符号w2を付した要素とが、第二の記述形式から変換されて得られた応答項目である。ここでは、メッセージは、HTTPリクエストとして送信され、応答はHTTPレスポンスとして返信されている。
【0106】
(画像形成装置の他の実施の形態)
図19から図21は、画像形成装置の他の装置における本実施の形態を説明する図である。図19及び図20は、画像形成装置39から、情報収集サーバ70に対して送信されるデータを介する仲介機器を説明する図である。
【0107】
図19では、画像形成装置39から情報収集サーバ70に対し、データaが出力される。画像形成装置39と情報収集サーバ70との間のデータを介する仲介機器80では、データaのうち、拡張部分であるa1を読み飛ばし、残りの部分であるa2を、情報収集サーバ70に対応する記述形式に変換して出力する。これにより、読み飛ばされた部分であるa1の情報が、情報収集サーバ70に伝達されない。
【0108】
図20は、図19の不具合を解消することを説明する図である。図20では、仲介機器81は、画像形成装置39から出力されるデータaを、情報収集サーバ70に対応する記述形式a'に変換して出力する。この際、未知のデータの部分については、例えば、第二の記述形式に変換することにより、情報収集サーバ70に対応するデータ形式ではないものの、汎用的なデータ形式として情報収集サーバ70に伝達することができる。これにより、情報収集サーバ70が、画像形成装置39から出力された情報を、全て取得することができる。
【0109】
図21は、画像形成装置39からのメッセージ等を取得して処理するクライアント装置を説明する図である。図21のクライアント装置16は、通信部161、機能実現部162、及び、機能実現部163を有する。通信部161は、画像形成装置39からのメッセージmを取得する。
【0110】
取得されたメッセージmは、レスポンス解析手段612により解析され、ステータス取得手段613により、予め登録されている状況項目が取得される。ステータス取得手段613は、また、レスポンスに含まれている状況項目のうち登録されていない状況項目の内容がある場合には、その状況項目を、第二の記述形式に変換する。
【0111】
機能実現部162は、機能実現部162に対応するデータ形式に変換された状況項目を取得して、その状況項目に対応する処理を行う。一方、機能実現部163は、第二の記述形式に変換された状況項目を取得して、その状況項目に対応する処理を行う。
【0112】
これにより、クライアント装置16において、新たな機能実現部が追加された場合でも、その機能に対応するデータ形式を登録することなく、汎用的な記述形式により、その機能実現部に対する入出力を行うことができる。
【0113】
(コンピュータの構成)
図22は、本実施形態の画像形成装置又はクライアント装置を実現するコンピュータの構成図である。図22のコンピュータは、主処理部400、入力デバイス410、表示装置420、プリンタ430、スキャナ440、及び、HDD490を有する。主処理部400は、コンピュータの機能を実現する主たる部分であり、CPU401、ROM408、及び、RAM409を有する。CPU401は、コンピュータプログラムをROM408等から読み出し、RAM409に展開することにより、本実施形態のコンピュータプログラムを実行する。ROM408は不揮発性のメモリであり、CPU401によって実行されるプログラム、及び、画像形成装置又はクライアント装置の制御に必要なパラメータ等を保持する。RAM409は、CPU401が処理を行う際の、ワークメモリである。
【0114】
入力デバイス410は、例えば、キーボード等であり、操作者が指示の入力を行う際に使用する。表示装置420は、コンピュータの状態等の表示を行う。プリンタ430は、画像を媒体に形成して出力する装置であり、スキャナ440は、媒体上に形成された画像を光学的に読み取る装置である。HDD490は、画像のデータ等の大容量のデータを格納する。
【0115】
本実施形態のコンピュータプログラムは、HDD490、又は、ROM408に格納される他に、その他図示しないドライブ装置に挿入可能な記録媒体に格納されていてもよい。
【0116】
以上、発明を実施するための最良の形態について説明を行ったが、本発明は、この最良の形態で述べた実施の形態に限定されるものではない。本発明の主旨をそこなわない範囲で変更することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0117】
【図1】一のリクエストをそれぞれの装置が処理することを説明する図。
【図2】要求項目を取捨選択することにより生じる課題を説明する図。
【図3】未知の要求項目を伝達する例を説明する図。
【図4】未知の応答項目を伝達する例を説明する図。
【図5】本実施の形態による画像形成システムの例を説明する図。
【図6】本実施の形態に係る画像形成装置であるMFPの装置構成の例を説明する図。
【図7】本実施の形態に係る画像形成システムの機能構成の例を説明する図。
【図8】クライアントからのリクエストに基づく処理の例のシーケンス図。
【図9】クライアントからのリクエストに基づく処理とレスポンスを送信する処理の例のシーケンス図。
【図10】イベントに基づくメッセージが送信される場合の処理の例のシーケンス図。
【図11】リクエストが解析される処理の例のフロー図。
【図12】リクエストの例。
【図13】要求項目を第二の記述形式に変換することを説明する図。
【図14】レスポンス又はメッセージが生成される処理の例のフロー図。
【図15】第二の記述形式による応答項目から第一の記述形式によるレスポンスが生成されることを説明する図。
【図16】レスポンスの例(その1)。
【図17】レスポンスの例(その2)。
【図18】メッセージの例。
【図19】画像形成装置から情報収集サーバに対して送信されるデータを介する仲介機器を説明する図(その1)。
【図20】画像形成装置から情報収集サーバに対して送信されるデータを介する仲介機器を説明する図(その2)。
【図21】画像形成装置からのメッセージ等を取得して処理するクライアント装置を説明する図。
【図22】本実施形態の画像形成装置又はクライアント装置を実現するコンピュータの構成図。
【符号の説明】
【0118】
1、2、3 PC
4、5、6、35、36、300MFP
15 クライアント装置
25 LP
37、38 画像形成装置
45 印刷機
310、510、610 情報処理ロジック部
311 データ処理部
330 情報アクセス部
340 情報保持部
351 通信サーバ部
352 通信クライアント部
390 ネットワークインタフェース
400 コンピュータの主処理部
401 CPU
408 ROM
409 RAM
410 入力デバイス
420 表示装置
430 プリンタ
440 スキャナ
490 HDD
500 画像形成装置
511 リクエスト解析手段
512 処理内容取得手段
513 レスポンス生成手段
514 メッセージ生成手段
530、630 機能実現手段
541、641 一覧管理手段
542、642 データ形式保持手段
550、650 通信手段
611 リクエスト生成手段
612 レスポンス解析手段
613 ステータス取得手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
当該画像形成装置に接続された機能実現手段の一覧を管理する一覧管理手段と、
クライアント装置からの第一の記述形式によるリクエストを受信する通信手段と、
前記リクエストを解析して該リクエストに含まれる機能実現手段の識別情報と要求項目とを取得して出力するリクエスト解析手段と、
前記機能実現手段毎に、前記要求項目に対応する処理内容のデータ形式を保持するデータ形式保持手段と、
前記リクエスト解析手段からの出力に基づいて、前記要求項目を前記処理内容のデータ形式にして前記機能実現手段に対して出力し、前記機能実現手段に対応する処理内容が無い場合には、前記要求項目を第二の記述形式にして前記機能実現手段に対して出力する処理内容取得手段と、
を有する画像形成装置。
【請求項2】
前記要求項目のそれぞれは、複数の項目群の何れか一に属し、
前記リクエストは前記項目群のうちの何れか一以上の項目群の要求項目を有する請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記処理内容取得手段は、前記要求項目が属する項目群に基づいて、前記要求項目に対応する処理内容の有無を判断する請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記データ形式保持手段は、さらに、前記機能実現手段毎に、前記処理内容に対応する応答項目のデータ形式を保持し、
前記機能実現手段から、前記応答項目のデータ形式による応答項目、及び/又は、前記第二の記述形式による応答項目を取得して、前記第一の記述形式により前記応答項目が記述されたレスポンスを生成するレスポンス生成手段を有し、
前記通信手段は、さらに、前記レスポンスを前記クライアント装置に送信する請求項1ないし3何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記応答項目は、該応答項目に対応する処理内容の要求項目が属する項目群に属する請求項4記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記データ形式保持手段は、さらに、前記機能実現手段毎に、該機能実現手段の状態に係る状況項目のデータ形式を保持し、
前記機能実現手段から、前記状況項目のデータ形式、及び/又は、前記第二の記述形式による状況項目を取得して、前記第一の記述形式により前記状況項目が記述されたメッセージを生成するメッセージ生成手段と、
を有し、
前記通信手段は、さらに、前記メッセージを前記クライアント装置に送信する請求項1ないし5何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記第一の記述形式はXMLよって表される記述形式であり、
前記項目群は名前空間によって識別される請求項2又は3記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記通信手段は、所定のプロトコルにより前記リクエストの受信を行う請求項1ないし7何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記通信手段は、所定のインタフェースにより前記クライアント装置との通信を行う請求項1ないし8何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項10】
クライアント装置と画像形成装置とが接続された画像形成システムであって、
前記クライアント装置は、
前記画像形成装置に対する要求項目を有するリクエストを第一の記述形式により生成するリクエスト生成手段と、
前記リクエストを送信する第一の通信手段と、
を有し、
前記画像形成装置は、
当該画像形成装置に接続された第二の機能実現手段の一覧を管理する第二の一覧管理手段と、
クライアント装置からの第一の記述形式によるリクエストを受信する第二の通信手段と、
前記リクエストを解析して該リクエストに含まれる第二の機能実現手段の識別情報と要求項目とを取得して出力するリクエスト解析手段と、
前記第二の機能実現手段毎に、前記要求項目に対応する処理内容のデータ形式を保持する第二のデータ形式保持手段と、
前記リクエスト解析手段からの出力に基づいて、前記要求項目を前記処理内容のデータ形式にして前記第二の機能実現手段に対して出力し、前記第二の機能実現手段に対応する処理内容が無い場合には、前記要求項目を第二の記述形式にして前記第二の機能実現手段に対して出力する処理内容取得手段と、
を有する画像形成システム。
【請求項11】
前記画像形成装置において、
前記データ形式保持手段は、さらに、前記第二の機能実現手段毎に、前記処理内容に対応する応答項目のデータ形式を保持し、
前記第二の機能実現手段から、前記応答項目のデータ形式による応答項目、及び/又は、前記第二の記述形式による応答項目を取得して、前記第一の記述形式により前記応答項目が記述されたレスポンスを生成するレスポンス生成手段を有し、
前記第二の通信手段は、さらに、前記レスポンスを前記クライアント装置に送信する請求項10記載の画像形成システム。
【請求項12】
前記クライアント装置は、さらに、
前記第一の通信手段により前記レスポンスを受信し、
当該クライアント装置に接続された第一の機能実現手段の一覧を管理する第一の一覧管理手段と、
前記レスポンスを解析して該レスポンスに含まれる機能実現手段の識別情報と応答項目とを取得して出力するレスポンス解析手段と、
前記機能実現手段毎に、前記応答項目に対応する処理内容のデータ形式を保持する第一のデータ形式保持手段と、
前記レスポンス解析手段からの出力に基づいて、前記応答項目を所定のデータ形式にして前記第一の機能実現手段に対して出力し、前記第一の機能実現手段に対応するデータ形式が無い場合には、前記応答項目を第二の記述形式にして前記第一の機能実現手段に対して出力する処理内容取得手段と、
を有する請求項1又は2記載の画像形成システム。
【請求項13】
前記応答項目のそれぞれは、複数の項目群の何れか一に属し、
前記レスポンスは前記項目群のうちの何れか一以上の項目群の応答項目を有し、
前記ステータス取得手段は、前記応答項目が属する項目群に基づいて、前記応答項目に対応する前記画像形成装置のステータスを取得する請求項12記載の画像形成システム。
【請求項14】
前記第一の通信手段による前記リクエストの送信と、前記第二の通信手段による前記レスポンスの送信とは、所定のプロトコルにより行われる請求項11ないし13何れか一項に記載の画像形成システム。
【請求項15】
前記第二の通信手段は、所定のインタフェースにより前記クライアント装置との通信を行う請求項10ないし14何れか一項に記載の画像形成システム。
【請求項16】
画像形成装置における情報処理方法であって、
クライアント装置からの第一の記述形式によるリクエストを受信する受信ステップと、
前記リクエストを解析して該リクエストに含まれる機能実現手段の識別情報と要求項目とを取得して出力するリクエスト解析ステップと、
前記リクエスト解析ステップからの出力に基づいて、前記要求項目を前記処理内容のデータ形式にして前記機能実現手段に対して出力し、前記機能実現手段に対応する処理内容が無い場合には、前記要求項目を第二の記述形式にして前記機能実現手段に対して出力する処理内容取得ステップと、
を有する情報処理方法。
【請求項17】
前記要求項目のそれぞれは、複数の項目群の何れか一に属し、
前記リクエストは前記項目群のうちの何れか一以上の項目群の要求項目を有する請求項16記載の情報処理方法。
【請求項18】
前記機能実現手段から、前記応答項目のデータ形式による応答項目、及び/又は、前記第二の記述形式による応答項目を取得して、前記第一の記述形式により前記応答項目が記述されたレスポンスを生成するレスポンス生成ステップと、
前記レスポンスを前記クライアント装置に送信する送信ステップと、
を有する請求項16又は17記載の情報処理方法。
【請求項19】
クライアント装置と画像形成装置とが接続された画像形成システムにおける情報処理方法であって、
前記クライアント装置が、前記画像形成装置に対する要求項目を有するリクエストを第一の記述形式により生成するリクエスト生成ステップと、
前記クライアント装置が、前記リクエストを送信する送信ステップと、
前記画像形成装置が、前記クライアント装置からの第一の記述形式によるリクエストを受信する受信ステップと、
前記画像形成装置が、前記リクエストを解析して該リクエストに含まれる機能実現手段の識別情報と要求項目とを取得して出力するリクエスト解析ステップと、
前記画像形成装置が、前記リクエスト解析ステップからの出力に基づいて、前記要求項目を前記処理内容のデータ形式にして前記機能実現手段に対して出力し、前記機能実現手段に対応する処理内容が無い場合には、前記要求項目を第二の記述形式にして前記第機能実現手段に対して出力する処理内容取得ステップと、
を有する情報処理方法。
【請求項20】
画像形成装置と通信を行うクライアント装置における情報処理方法であって、
前記画像形成装置からの第一の記述形式によるレスポンスを受信する受信ステップと、
前記レスポンスを解析して該レスポンスに含まれる機能実現手段の識別情報と応答項目とを取得して出力するレスポンス解析ステップと、
前記レスポンス解析ステップからの出力に基づいて、前記応答項目を所定のデータ形式にして前記機能実現手段に対して出力し、前記機能実現手段に対応するデータ形式が無い場合には、前記応答項目を第二の記述形式にして前記第一の機能実現手段に対して出力する処理内容取得ステップと、
を有する情報処理方法。
【請求項21】
請求項16ないし20何れか一項に記載の情報処理方法を、コンピュータに実行させるコンピュータプログラム。
【請求項22】
請求項21記載のコンピュータプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な情報記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2009−113390(P2009−113390A)
【公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−290216(P2007−290216)
【出願日】平成19年11月7日(2007.11.7)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】