説明

画像形成装置、画像形成制御方法及び画像形成制御プログラム

【課題】本発明は、画像設定が変更された際に、タプレビュー画像を速やかに表示する。
【解決手段】プリンタ装置1は、印刷データと該印刷データの印刷設定をハードディスク28に記憶して、CPU21が、該印刷データと該印刷設定に基づいてプレビュー画像を生成し、該プレビュー画像をオペレションパネル12のディスプレイに表示するとともに、ハードディスク28に記憶して、該ディスプレイに表示されているプレビュー画像に対応する印刷データの印刷設定がオペレションパネル12で変更されると、該印刷設定の変更がプレビュー画像を生成し直す必要のある変更であるか否かを判定して、生成し直す必要のある変更である場合には、変更後の該印刷設定と前記印刷データに基づいてプレビュー画像を再生成してディスプレイに表示し、生成し直す必要がない変更のときには、ハードディスク28に記憶されているプレビュー画像をディスプレイに表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、画像形成制御方法及び画像形成制御プログラムに関し、詳細には、印刷設定が変更された際に、プレビュー画像を速やかに表示する画像形成装置、画像形成制御方法及び画像形成制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
プリンタ装置、複写装置、複合装置等の画像形成装置においては、機能の増加と高度化に伴って、印刷設定に応じたプレビュー画像を印刷を開始する前に表示部に表示する機能を搭載するようになってきている。
【0003】
従来の画像形成装置におけるプレビュー画像表示機能は、印刷データから印刷設定に応じたプレビュー画像を生成して、該プレビュー画像を表示部に表示し、ユーザによって該プレビュー画像を確認して印刷設定の変更が行われると、再度、変更に応じたプレビュー画像を印刷データから生成して表示部に表示している。
【0004】
そして、従来、情報処理装置が、印刷対象の印刷ジョブに対応するプレビュー画像に関する展開処理内容に応じた確認レベルが指定されると、該確認レベルを示す情報と印刷ジョブとを画像形成装置に送信し、画像形成装置が、この確認レベルを示す情報と印刷ジョブに基づいてプレビュー画像を生成して表示する技術が提案されている(特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記公報記載の従来技術にあっては、印刷ジョブを送信する側の情報処理装置で予めプレビュー画像に関する情報である確認レベルを示す情報を送ることで、画像形成装置におけるプレビュー画像の生成の処理速度を向上させることはできる。
【0006】
ところが、近年、画像形成装置においては、受信した印刷ジョブをハードディスク等に蓄積し、印刷設定を変更して、印刷させることが行われるようになってきている。
【0007】
このような場合、公報記載の従来技術を適用しても、印刷設定が画像形成装置で変更されると、変更内容にかかわりなく、変更された印刷設定に応じたプレビュー画像をハードディスクに蓄積されている印刷ジョブの印刷データから再度生成し直して、表示部に表示するため、プレビュー画像を生成し直す分だけプレビュー画像の表示に時間がかかり、利用性を向上させる上で、改良の必要があった。
【0008】
すなわち、従来の画像形成装置にあっては、例えば、図7に示すように、ユーザが操作部で印刷ジョブを指定して印刷設定の変更を行うと、操作部が該印刷設定の変更を受け付けて、印刷データ記憶部に記憶されている該印刷ジョブの印刷設定を変更する。ユーザが、プレビュー画像の表示を操作部で指示操作すると、操作部がプレビュー画像の表示を制御部に送って、制御部が、プレビュー画像処理部に再度プレビュー画像を生成させて、生成されたプレビュー画像を操作部のディスプレイに表示する。
【0009】
したがって、プレビュー画像を生成し直す分だけプレビュー画像の表示に時間がかかり、利用性を向上させる上で、改良の必要があった。
【0010】
そこで、本発明は、印刷設定が変更された場合のプレビュー画像を表示するまでの待ち時間を短縮することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、請求項1記載の画像形成装置は、印刷データと該印刷データの印刷設定を記憶するデータ記憶手段と、前記印刷データと前記印刷設定に基づいてプレビュー画像を生成するプレビュー画像生成手段と、前記プレビュー画像を表示する表示手段と、前記プレビュー画像生成手段の生成した前記プレビュー画像を記憶するプレビュー画像記憶手段と、前記表示手段に表示されている前記プレビュー画像の前記印刷設定を変更する設定変更手段と、前記設定変更手段で前記プレビュー画像の前記印刷設定が変更されると、該印刷設定の変更がプレビュー画像を生成し直す必要のある変更であるか否かを判定し、生成し直す必要のある変更である場合には、変更後の該印刷設定と前記印刷データに基づいて前記プレビュー画像生成手段にプレビュー画像を再生成させて前記表示手段に表示させ、生成し直す必要がない変更である場合には、前記プレビュー画像記憶手段に記憶されている前記プレビュー画像を該表示手段に表示させる制御手段と、を備えていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、印刷設定が変更された場合のプレビュー画像を表示するまでの待ち時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施例を適用したプリンタ装置のブロック構成図。
【図2】コントローラの機能ブロック構成図。
【図3】プレビュー画像生成・表示制御処理の説明図。
【図4】プレビュー画像生成・表示制御処理を示すフローチャート。
【図5】プレビュー画像生成・表示制御処理の工程図。
【図6】画像処理を考慮したプレビュー画像生成・表示制御処理の工程図。
【図7】従来のプレビュー画像表示処理の工程図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の好適な実施例を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に述べる実施例は、本発明の好適な実施例であるので、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明によって不当に限定されるものではなく、また、本実施の形態で説明される構成の全てが本発明の必須の構成要件ではない。
【実施例1】
【0015】
図1〜図6は、本発明の画像形成装置、画像形成制御方法及び画像形成制御プログラムの一実施例を示す図であり、図1は、本発明の画像形成装置、画像形成制御方法及び画像形成制御プログラムの一実施例を適用したプリンタ装置1のブロック構成図である。
【0016】
図1において、プリンタ装置1は、コントローラ10、プリンタエンジン11及びオペレーションパネル12等を備えており、プリンタ装置1には、ネットワーク等によってパーソナルコンピュータ等のホストコンピュータPcが接続されている。
【0017】
オペレーションパネル(設定変更手段)12は、プリンタ装置1のモード(手動両面印刷モード、片面印刷モード、プリンタモード、複写モード等)やフォント等の設定操作、印刷設定操作、印刷設定変更操作及びプレビュー画像の表示指示操作等の各種操作を行うための各種操作キーを備えるとともに、プリンタ装置1の状態を表示する液晶ディスプレイ等のディスプレイ(表示手段)等を備えている。
【0018】
プリンタエンジン(画像形成手段)11は、図示しないが、所定の印刷方式(画像形成方式)、例えば、画像形成材としてインクを用いたインク噴射方式、画像形成材としてトナーを用いた電子写真方式等で用紙に画像形成する。プリンタエンジン11は、電子写真方式の場合、該電子写真方式で用紙に画像を印刷出力するのに必要な部品、例えば、用紙に画像を形成する画像形成ユニット、複数枚の用紙を載置して1枚ずつ画像形成ユニットに送り出す給紙部、画像形成ユニットで画像形成された用紙が順次排出されて対置される排紙部等を備え、該画像形成ユニットは、感光体、光書き込み部、現像部、帯電部及びクリーニング部等を備えている。プリンタエンジン11は、コントローラ10から送られてくる描画データ及び制御信号により光書き込み部を動作させて感光体上に静電潜像を形成し、現像部によりトナーを感光体上に供給して現像してトナー画像を形成する。プリンタエンジン11は、給紙部から用紙を感光体と転写部との間に給紙して、感光体上のトナー画像を用紙に転写させ、トナー画像の転写された用紙を定着部に搬送して、定着部で加熱・加圧して用紙上のトナー画像を定着させることで、画像を印刷して、排紙部に排出する。
【0019】
コントローラ10は、そのときに設定されている制御モード及びホストコンピュータPcからの制御コードに従って、ホストコンピュータPcからの印刷データを、描画データに変換してプリンタエンジン11へ出力する制御機構の総称であり、CPU(Central Processing Unit )21、ROM(Read Only Memory)22、RAM(Random Access Memory)23、NVRAM(Non-Volatile Random Access Memory)24、ネットワークI/F25、エンジンI/F26、パネルI/F27及びハードディスク28等を備えていて、上記各部は、バス29により接続されている。
【0020】
ROM22は、コントローラ10内でのデータの処理や管理及び周辺モジュールを制御するためのプログラム、具体的には、プリンタ装置1としての基本処理プログラム及び後述する本発明のプレビュー画像表示を伴う画像形成制御を行う画像形成制御方法を実行する画像形成制御プログラム等の各種プログラムを格納しているとともに、これらの各プログラムを実行するのに必要な各種データを格納している。
【0021】
RAM23は、CPU21のワークメモリとして利用されるとともに、ホストコンピュータPcからの印刷データをページ単位に管理して一時記憶するバッファ及びバッファに記憶されたデータを実際の印刷パターンである描画データに変換した描画データが展開されるフレームメモリ等として利用される。RAM23は、この印刷データまたは印刷データから変換された描画データ、あるいは、中間データを、複数ページ分蓄積する容量を有している。
【0022】
CPU(制御手段、プレビュー画像生成手段、特性取得手段)21は、ROM22に格納されているプログラムに基づいて、RAM23をワークメモリとして利用しつつ、プリンタ装置1の各部を制御して、印刷処理を行うとともに、後述する本発明のプレビュー画像表示を伴う画像形成制御を行う画像形成制御方法を実行する。
【0023】
NVRAM24は、プリンタ装置1の電源が切られているときにも記憶内容を保持するメモリであり、プリンタ装置1の電源がオフの際にも保持する必要のあるデータ、例えば、システム設定値、印刷枚数カウント値、印刷設定等の各種設定情報及び特に、後述する本発明のプレビュー画像表示を伴う画像形成制御を行う画像形成制御処理で使用する各種データや設定情報等をCPU21の制御下で格納される。
【0024】
ネットワークI/F25には、LAN(Local Area Network)等のネットワークを介して複数のホストコンピュータPcが接続されており、ネットワークI/F25は、ホストコンピュータPcから送信されてくる制御信号及びデータ(印刷データ等)を受け取るとともに、プリンタ装置1からホストコンピュータPcに送信するステータス信号等の送り出しを行うインターフェイスである。
【0025】
なお、ホストコンピュータPcは、通常のハードウェア及びソフトウェア構成のパーソナルコンピュータであり、プリンタ装置1に、任意のPDL(Page Description Language:ページ記述言語)で生成された印刷データ及び制御信号(印刷設定データ)等からなる印刷ジョブを送信する。
【0026】
エンジンI/F26には、上記プリンタエンジン11が接続されており、コントローラ10からプリンタエンジン11への制御信号や描画データ及びプリンタ装置1からコントローラ10へのステータス信号の授受を行う。
【0027】
パネルI/F27には、上記オペレーションパネル12が接続されており、パネルI/F27は、コントローラ10とオペレーションパネル12との間の信号の授受を行う。
【0028】
ハードディスク(データ記憶手段、プレビュー画像記憶手段、要再生成印刷設定記憶手段)28は、CPU21の制御下で、ホストコンピュータPcから受信した印刷ジョブ、図3に示すように、SDカード等の可搬性メモリ40から読み取った印刷ジョブ及びその他のデータ、例えば、1つの印刷ジョブに対して生成された複数のプレビュー画像、プレビュー画像を生成する必要のある印刷設定(以下、適宜、要再生成印刷設定という。)等を格納する。
【0029】
そして、プリンタ装置1は、ROM、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory )、EPROM、フラッシュメモリ、フレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory )、CD−RW(Compact Disc Rewritable )、DVD(Digital Video Disk)、SD(Secure Digital)カード、MO(Magneto-Optical Disc)等のコンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録されている本発明の画像形成制御方法を実行する画像形成制御プログラムを読み込んでROM22等に導入することで、後述する本発明のプレビュー画像表示を伴う画像形成制御処理を行う画像形成制御方法を実行する画像形成装置としてのプリンタ装置1として構築されている。この画像形成制御プログラムは、アセンブラ、C、C++、C#、Java(登録商標)等のレガシープログラミング言語やオブジェクト指向ブログラミング言語等で記述されたコンピュータ実行可能なプログラムであり、上記記録媒体に格納して頒布することができる。 プリンタ装置1は、上記画像形成制御プログラムが導入されることで、図2に示すように、コントローラ10に機能ブロックが構築され、コントローラ10は、制御機能部31、印刷データ記憶機能部32、プレビュー画像記憶機能部33、プレビュー画像処理機能部34及び再描画印刷設定記憶機能部35等が構築される。
【0030】
制御機能部(制御手段)31は、CPU21によって構築され、オペレーションパネル11のディスプレイへの各種情報、特に、プレビュー画像の表示を行うとともに、各種操作を検出して、該操作に応じた処理をプリンタ装置1の各部を制御して実行させる。特に、制御機能部31は、オペレーションパネル12のディスプレイへのプレビュー画像の表示に対して、印刷設定の変更が行われたか否かの取得と印刷設定の変更が行われた場合におけるプレビュー画像の再生成の必要の有無の判断及び該判断に伴うプレビュー画像の再生成の制御を行う。
【0031】
印刷データ記憶機能部(データ記憶手段)32は、ハードディスク28等で構築され、制御機能部31の制御下で、ホストコンピュータPcから受信した印刷ジョブ、すなわち、印刷データと印刷設定情報を記憶する。
【0032】
プレビュー画像処理機能部(プレビュー画像生成手段、特性取得手段)34は、CPU21によって構築され、制御機能部31の制御下で、印刷データ記憶機能部32に記憶されている印刷データを、PDLを用いてJPEG(Joint Picture Engineering Group)等の描画データに変換して該描画データから画像特性としてのプレビュー画像を生成するとともに、該プレビュー画像を解析して印刷設定を取得する。
【0033】
プレビュー画像記憶機能部(プレビュー画像記憶手段)33は、NVRAM24等で構築され、プレビュー画像処理機能部34が生成して制御機能部31によってオペレーションパネル12のディスプレイに表示されたプレビュー画像を記憶する。
【0034】
再描画印刷設定記憶部(用再生成印刷設定記憶手段)35は、NVRAM24等で構築され、各種印刷設定のうち、プレビュー画像に影響のある印刷設定(プレビュー画像を再生成する必要のある印刷設定)、例えば、トナーセーブ、解像度、カラーモード及びサイズ変倍等を記憶する。
【0035】
次に、本実施例の作用について説明する。本実施例のプリンタ装置1は、印刷設定が変更された場合に、プレビュー画像を表示する時間を短縮する。
【0036】
すなわち、プリンタ装置1は、図3に示すように、ホストコンピュータPcから送信されてきた印刷ジョブやSDカード等の印刷ジョブが書き込まれている可搬性メモリ40を図示しないメモリI/Fに挿入されて読み取った印刷ジョブを、取得すると(ST1)、破線矢印で示すように、ハードディスク28で構築される印刷データ記憶機能部32に蓄積する(ST2)。プリンタ装置1は、その後、ユーザによって、印刷データ記憶機能部32の印刷ジョブを指定して、プレビュー表示が指示操作されると(ST3)、CPU21で構築されるプレビュー画像処理機能部34が、印刷データ記憶機能部32に格納されている印刷ジョブの印刷データと印刷設定からPDLを用いてJPEG等のプレビュー画像を生成して(ST4)、オペレーションパネル12のディスプレイにプレビュー画像を表示するとともに(ST5)、ハードディスク28で構築されるプレビュー画像記憶機能部33に保管する(ST6)。その後、ユーザによって印刷設定の変更がオペレーションパネル112から行われると(ST7)、プリンタ装置1は、印刷設定の変更が再描画、すなわち、プレビュー画像の再生成を行う必要のある印刷設定(例えば、トナーセーブ、解像度、カラーモード、サイズ変倍等)の変更であるか否かを判定する再描画判定を行う(ST8)。プリンタ装置1は、プレビュー画像の再生成が不要なときには、既に生成してプレビュー画像記憶機能部33に保存されているプレビュー画像をオペレーションパネル12のディスプレイに表示出力し(ST5)、プレビュー画像の再生成が必要なときには、再度印刷データと変更後の印刷設定に基づいて、プレビュー画像処理機能部34がプレビュー画像を生成して(ST4)、オペレーションパネル12のディスプレイにプレビュー画像を表示するとともに(ST5)、ハードディスク28に保管する(ST6)。
【0037】
すなわち、プリンタ装置1は、ユーザによってオペレーションパネル12で印刷データ記憶機能部32に保管されている印刷データを指定して、プレビュー画像の表示が指示操作されると、制御機能部31が、図4に示すように、該印刷データのプレビュー画像の表示が1回目であるかチェックし(ステップS101)、1回目であるとき(ステップS101で、YESのとき)には、該印刷データと印刷設定情報をプレビュー画像処理機能部34に渡して、プレビュー画像処理機能部34が、プレビュー画像を生成する(ステップS102)。
【0038】
制御機能部31は、生成されたプレビュー画像を、プレビュー画像記憶機能部33に保存し(ステップS103)、生成されたプレビュー画像を、表示するプレビュー画像として設定して(ステップS104)、オペレーションパネル12のディスプレイに表示させる(ステップS105)。
【0039】
そして、ステップS101で、1回目のプレビューでないとき、すなわち、2回目以降のプレビューであるとき(ステップS101で、NOのとき)には、制御機能部32は、印刷設定に変更があったかチェックする(ステップS106)。
【0040】
すなわち、ユーザは、印刷設定の変更を行うときには、図5に示すように、オペレーションパネル12によって印刷設定変更の操作を行い、オペレーションパネル12がこの印刷設定の変更操作を検出して、制御機能部31が、印刷データ記憶機能部32の対象とする印刷ジョブの印刷設定を変更する。その後、ユーザが、オペレーションパネル12からプレビュー表示を指示操作すると、オペレーションパネル12が該操作を受け取って制御機能部31に通知する。
【0041】
そして、制御機能部31は、図4に示すように、ステップS106で、印刷設定に変更がないときには、先に生成してプレビュー画像記憶機能部33に格納されているプレビュー画像を、表示するプレビュー画像として決定して(ステップS107)、該プレビュー画像をプレビュー画像記憶機能部33から読み出してオペレーションパネル12のディスプレイに表示させる(ステップS105)。
【0042】
ステップS106で、印刷設定に変更があるときには、制御機能部31は、印刷設定の変更がプレビュー画像に影響のある印刷設定の変更であるか、すなわち、プレビュー画像の生成をやり直す必要のある印刷設定の変更であるかチェックする(ステップS108)。
【0043】
すなわち、図5に示すように、制御機能部31は、プレビュー画像の表示要求がオペレーションパネル12からあると、再描画印刷設定記憶機能部35からトナーセーブ、解像度、カラーモード及びサイズ変倍等のプレビュー画像の再生成を必要とする印刷設定(要再生成印刷設定)であるか否か判断する。
【0044】
そして、制御機能部31は、図4のステップS108で、印刷設定の変更がプレビュー画像に影響のない印刷設定の変更(プレビュー画像の再生成を必要としない印刷設定の変更)であるとき(ステップS108で、NOのとき)には、先に生成してプレビュー画像記憶機能部33に格納されているプレビュー画像を表示するプレビュー画像として決定して(ステップS107)、該プレビュー画像をプレビュー画像記憶機能部33から読み出してオペレーションパネル12のディスプレイに表示させる(ステップS105)。
【0045】
ステップS108で、プレビュー画像に影響のある印刷設定の変更であるとき(ステップS108で、YESのとき)には、制御機能部31は、ステップS102に移行して、図5にも示すように、プレビュー画像処理機能部34に、変更後の印刷設定と印刷データを渡して、プレビュー画像を再生成させ(ステップS102)、生成されたプレビュー画像を、プレビュー画像記憶機能部33に保存する(ステップS103)。また、制御機能部31は、生成されたプレビュー画像を、表示するプレビュー画像として設定して(ステップS104)、オペレーションパネル12のディスプレイに表示させる(ステップS105)。
【0046】
なお、上記説明においては、2回目以降のプレビュー画像の表示要求があった場合に、印刷設定にのみ基づいてプレビュー画像の再生成を行うか否か判断しているが、画像処理の内容についても考慮して、プレビュー画像の再生成を行うか否か判断してもよい。
【0047】
この場合、プリンタ装置1は、図6に示すように、ユーザによってオペレーションパネル12で印刷設定変更の操作が行われると、図5の場合と同様に、オペレーションパネル12がこの印刷設定変更操作を受け取って、印刷データ記憶機能部32の記憶する印刷設定のうち、変更対象として指定された印刷ジョブの印刷設定を変更し、その後、ユーザが、オペレーションパネル12からプレビュー表示を指示操作すると、オペレーションパネル12が該操作を受け取って制御機能部31に通知する。そして、制御機能部31は、印刷設定に変更があるときには、再描画印刷設定記憶機能部35からプレビュー画像に影響のある印刷設定を取得して、プレビュー画像の再生成を行う必要のある印刷設定の変更であるか判断する。
【0048】
そして、制御機能部31は、画像データ記憶機能部32から変更前の印刷設定と変更後の印刷設定の問い合わせを印刷データ記憶機能部32に行い、印刷データ記憶機能部32の記憶している印刷設定は変更されているため、プレビュー画像処理機能部34にプレビュー画像の取得要求を行う。プレビュー画像処理機能部34は、プレビュー画像記憶機能部33から再生成前のプレビュー画像を取得し、該再生成前のプレビュー画像から変更前の画像特性である印刷設定を取得して、印刷データ記憶機能部32に渡す。印刷データ記憶機能部32は、プレビュー画像処理機能部34から渡された変更前の印刷設定を制御機能部31に渡し、制御機能部31は、オペレーションパネル12から取得した変更後の印刷設定と、再生成前のプレビュー画像から取得した変更前の印刷設定からプレビュー画像を再生成する必要があるか判断する。
【0049】
制御機能部31は、プレビュー画像の再生成の必要があると判断すると、プレビュー画像処理機能部34にプレビュー画像を変更後の印刷設定に基づいて再生成させて、再生成された該プレビュー画像を、プレビュー画像記憶機能部33に保存させるとともに、制御機能部31に渡して、制御機能部31が、再生成された該プレビュー画像をオペレーションパネル12のディスプレイに表示させる。また、制御機能部31は、プレビュー画像の再生成の必要がないと判断すると、プレビュー画像処理機能部34にプレビュー画像の再生成させることなく、印刷設定変更前に作成されてプレビュー画像記憶機能部33に保管されているプレビュー画像をオペレーションパネル12のディスプレイに表示させて処理を終了する。
【0050】
例えば、プリンタ装置1は、印刷ジョブを受け付けたときの最初の印刷設定(変更前の印刷設定)において、カラーモードとして、フルカラーが指定されていて、変更後の印刷設定において、カラーモードが、モノクロに変更され、かつ、該印刷ジョブの印刷データがモノクロであった場合、変更前の印刷設定に基づいて生成されたプレビュー画像は、印刷データがモノクロであるため、カラーモードがフルカラーであってもモノクロである。そして、プリンタ装置1は、変更後の印刷設定がモノクロであるが、プレビュー画像の画像特性としての印刷設定を確認すると、モノクロであるため、制御機能部31が、モノクロのプレビュー画像を再生成する必要がないと判断し、プレビュー画像の再生成を行うことなく、印刷設定変更前に作成されてプレビュー画像記憶機能部33に保管されているプレビュー画像をオペレーションパネル12のディスプレイに表示する。
【0051】
このように、本実施例のプリンタ装置1は、印刷データと該印刷データの印刷設定をハードディスク28で構築される印刷データ記憶機能部(データ記憶手段)32に記憶して、CPU21で構築されるプレビュー画像処理機能部(プレビュー画像生成手段)34が、該印刷データと該印刷設定に基づいてプレビュー画像を生成し、CPU21で構築される制御機能部34が、該プレビュー画像をオペレーションパネル12のディスプレイ(表示手段)に表示するとともに、ハードディスク28で構築されるプレビュー画像記憶機能部(プレビュー画像記憶手段)33に記憶して、該ディスプレイに表示されている前記プレビュー画像の前記印刷設定がオペレーションパネル(設定変更手段)12で変更されると、該印刷設定の変更がプレビュー画像を生成し直す必要のある変更であるか否かを判定し、生成し直す必要のある変更である場合には、変更後の該印刷設定と前記印刷データに基づいてプレビュー画像処理機能部34にプレビュー画像を再生成させてディスプレイに表示させ、生成し直す必要がない変更である場合には、プレビュー画像記憶機能部33に記憶されている前記プレビュー画像をディスプレイに表示させる。
【0052】
したがって、一度プレビュー画像を表示した後に、印刷設定が変更されると、該印刷設定の変更がプレビュー画像の再生成を必要とする印刷設定の変更であるか否か判断して、プレビュー画像の再生成が必要な場合にのみプレビュー画像の再生成を行なって表示して、再生成が不要のときには、先に生成されているプレビュー画像を表示することができ、印刷設定が変更された場合のプレビュー画像を表示するまでの待ち時間を短縮することができる。
【0053】
また、本実施例のプリンタ装置1は、印刷データ記憶機能部32に記憶されている印刷データと該印刷データの印刷設定に基づいてプレビュー画像を生成するプレビュー画像生成処理ステップと、前記プレビュー画像をオペレーションパネル12のディスプレイに表示する表示処理ステップと、前記プレビュー画像生成処理ステップで生成された前記プレビュー画像をプレビュー画像記憶機能部33に記憶するプレビュー画像記憶処理ステップと、ディスプレイに表示されている前記プレビュー画像の前記印刷設定を変更する設定変更処理ステップと、前記設定変更処理ステップで前記プレビュー画像の前記印刷設定が変更されると、該印刷設定の変更がプレビュー画像を生成し直す必要のある変更であるか否かを判定し、生成し直す必要のある変更である場合には、変更後の該印刷設定と前記印刷データに基づいて前記プレビュー画像生成処理ステップでプレビュー画像を再生成させてディスプレイに表示させ、生成し直す必要がない変更である場合には、前記プレビュー画像記憶機能部33に記憶されている前記プレビュー画像をディスプレイに表示させる制御処理ステップと、を有している画像形成制御方法を実行している。
【0054】
したがって、一度プレビュー画像を表示した後に、印刷設定が変更されると、該印刷設定の変更がプレビュー画像の再生成を必要とする印刷設定の変更であるか否か判断して、プレビュー画像の再生成が必要な場合にのみプレビュー画像の再生成を行なって表示して、再生成が不要のときには、先に生成されているプレビュー画像を表示することができ、印刷設定が変更された場合のプレビュー画像を表示するまでの待ち時間を短縮することができる。
【0055】
さらに、本実施例のプリンタ装置1は、コンピュータに、印刷データ記憶機能部32に記憶されている印刷データと該印刷データの印刷設定に基づいてプレビュー画像を生成するプレビュー画像生成処理と、前記プレビュー画像をオペレーションパネル12のディスプレイに表示する表示処理と、前記プレビュー画像生成処理で生成された前記プレビュー画像をプレビュー画像記憶機能部33に記憶するプレビュー画像記憶処理と、ディスプレイに表示されている前記プレビュー画像の前記印刷設定を変更する設定変更処理と、前記設定変更処理で前記プレビュー画像の前記印刷設定が変更されると、該印刷設定の変更がプレビュー画像を生成し直す必要のある変更であるか否かを判定し、生成し直す必要のある変更である場合には、変更後の該印刷設定と前記印刷データに基づいて前記プレビュー画像生成処理でプレビュー画像を再生成させてディスプレイに表示させ、生成し直す必要がない変更である場合には、前記プレビュー画像記憶機能部33に記憶されている前記プレビュー画像をディスプレイに表示させる制御処理と、を実行させる画像形成制御プログラムを搭載している。
【0056】
したがって、一度プレビュー画像を表示した後に、印刷設定が変更されると、該印刷設定の変更がプレビュー画像の再生成を必要とする印刷設定の変更であるか否か判断して、プレビュー画像の再生成が必要な場合にのみプレビュー画像の再生成を行なって表示して、再生成が不要のときには、先に生成されているプレビュー画像を表示することができ、印刷設定が変更された場合のプレビュー画像を表示するまでの待ち時間を短縮することができる。
【0057】
また、本実施例のプリンタ装置1は、プレビュー画像の再生成を行う必要のある印刷設定を記憶するハードディスク28等で構築される再描画印刷設定記憶機能部(要再生成印刷設定記憶手段)35を備えており、制御機能部31が、変更後の印刷設定が、再描画印刷設定記憶機能部35に記憶されている印刷設定であると、プレビュー画像を生成し直す必要があると判定している。
【0058】
したがって、変更された印刷設定プレビュー画像の再生成を行う必要のある印刷設定の変更であるか否かを速やかにかつ適切に判定することができ、プレビュー画像を表示するまでの時間をより一層短縮することができる。
【0059】
さらに、本実施例のプリンタ装置1は、プレビュー画像記憶機能部33に記憶されているプレビュー画像の画像特性を取得するプレビュー画像処理機能部(特性取得手段)34を備えており、制御機能部31が、変更前後の印刷設定及び該プレビュー画像処理機能部34の取得した画像特性に基づいて、該印刷設定の変更がプレビュー画像を生成し直す必要のある変更であるか否かを判定している。
【0060】
したがって、印刷設定のみでは、判定することのできないプレビュー画像の再生成の要否を確実に判定することができ、プレビュー画像を表示するまでの時間をより一層短縮することができる。
【0061】
以上、本発明者によってなされた発明を好適な実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施例で説明したものに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0062】
1 プリンタ装置
10 コントローラ
11 プリンタエンジン
12 オペレーションパネル
Pc ホストコンピュータ
21 CPU
22 ROM
23 RAM
24 NVRAM
25 ネットワークI/F
26 エンジンI/F
27 パネルI/F
28 ハードディスク
29 バス
31 制御機能部
32 印刷データ記憶機能部
33 プレビュー画像記憶機能部
34 プレビュー画像処理機能部
35 再描画印刷設定記憶機能部
40 可搬性メモリ
【先行技術文献】
【特許文献】
【0063】
【特許文献1】特開2010−20545号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷データと該印刷データの印刷設定を記憶するデータ記憶手段と、
前記印刷データと前記印刷設定に基づいてプレビュー画像を生成するプレビュー画像生成手段と、
前記プレビュー画像を表示する表示手段と、
前記プレビュー画像生成手段の生成した前記プレビュー画像を記憶するプレビュー画像記憶手段と、
前記表示手段に表示されている前記プレビュー画像の前記印刷設定を変更する設定変更手段と、
前記設定変更手段で前記プレビュー画像の前記印刷設定が変更されると、該印刷設定の変更がプレビュー画像を生成し直す必要のある変更であるか否かを判定し、生成し直す必要のある変更である場合には、変更後の該印刷設定と前記印刷データに基づいて前記プレビュー画像生成手段にプレビュー画像を再生成させて前記表示手段に表示させ、生成し直す必要がない変更である場合には、前記プレビュー画像記憶手段に記憶されている前記プレビュー画像を該表示手段に表示させる制御手段と、
を備えていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記画像形成装置は、
プレビュー画像の再生成を行う必要のある印刷設定を記憶する要再生成印刷設定記憶手段を備え、
前記制御手段は、
変更後の前記印刷設定が、前記要再生成印刷設定記憶手段に記憶されている印刷設定であると、プレビュー画像を生成し直す必要があると判定することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記画像形成装置は、
前記プレビュー画像記憶手段に記憶されている前記プレビュー画像の画像特性を取得する特性取得手段を備え、
前記制御手段は、
前記変更前後の印刷設定及び前記特性取得手段の取得した前記画像特性に基づいて、該印刷設定の変更が前記プレビュー画像を生成し直す必要のある変更であるか否かを判定することを特徴とする請求項1または請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
データ記憶手段に記憶されている印刷データと該印刷データの印刷設定に基づいてプレビュー画像を生成するプレビュー画像生成処理ステップと、
前記プレビュー画像を表示手段に表示する表示処理ステップと、
前記プレビュー画像生成処理ステップで生成された前記プレビュー画像をプレビュー画像記憶手段に記憶するプレビュー画像記憶処理ステップと、
前記表示手段に表示されている前記プレビュー画像の前記印刷設定を変更する設定変更処理ステップと、
前記設定変更処理ステップで前記プレビュー画像の前記印刷設定が変更されると、該印刷設定の変更がプレビュー画像を生成し直す必要のある変更であるか否かを判定し、生成し直す必要のある変更である場合には、変更後の該印刷設定と前記印刷データに基づいて前記プレビュー画像生成処理ステップでプレビュー画像を再生成させて前記表示手段に表示させ、生成し直す必要がない変更である場合には、前記プレビュー画像記憶手段に記憶されている前記プレビュー画像を該表示手段に表示させる制御処理ステップと、
を有していることを特徴とする画像形成制御方法。
【請求項5】
コンピュータに、
データ記憶手段に記憶されている印刷データと該印刷データの印刷設定に基づいてプレビュー画像を生成するプレビュー画像生成処理と、
前記プレビュー画像を表示手段に表示する表示処理と、
前記プレビュー画像生成処理で生成された前記プレビュー画像をプレビュー画像記憶手段に記憶するプレビュー画像記憶処理と、
前記表示手段に表示されている前記プレビュー画像の前記印刷設定を変更する設定変更処理と、
前記設定変更処理で前記プレビュー画像の前記印刷設定が変更されると、該印刷設定の変更がプレビュー画像を生成し直す必要のある変更であるか否かを判定し、生成し直す必要のある変更である場合には、変更後の該印刷設定と前記印刷データに基づいて前記プレビュー画像生成処理でプレビュー画像を再生成させて前記表示手段に表示させ、生成し直す必要がない変更である場合には、前記プレビュー画像記憶手段に記憶されている前記プレビュー画像を該表示手段に表示させる制御処理と、
を実行させることを特徴とする画像形成制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−82130(P2013−82130A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−223567(P2011−223567)
【出願日】平成23年10月11日(2011.10.11)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】