説明

画像形成装置、画像形成方法及びプログラム

【課題】様々な環境温度においても、適切な濃度測定又は色測定を実行させることが可能な画像形成装置、画像形成方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】プリントヘッドによって記録紙上に画像を形成する画像形成部34と、筐体内の搬送路上に設けられ、記録紙への印画結果に基づいて濃度測定又は色測定を行う測定部3と、熱源を有して、搬送路上に設けられ、記録紙の表面を加工する加工部32と、筐体内の温度を測定する温度測定部20と、筐体内の温度が所定の温度範囲以下の場合、熱源又はプリントヘッドを駆動させ、筐体内温度を上昇させる制御部30とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、画像形成方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年はデジタルカメラの普及に伴い、家電量販店等に設置され、熱転写プリンタ等を使用したプリント自販機の需要が非常に高い。プリント需要の増加にあわせ、プリント物表面の風合いについては、光沢のみならずマット調に対する要求も高まっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007-98586号公報
【特許文献2】特開平01-036259号公報
【特許文献3】特開昭59-199271号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方、こうしたプリンタ自販機は、店舗入口など空調の効きが悪い場所に置かれるケースもある。したがって、様々な環境温度でも一定以上の画像を得られるという要求が設置者からなされている。
【0005】
プリント物表面風合いに対する要求に応えるために、特許文献1には凹凸が形成されたエンボスローラと対向して配置された加圧ローラとを備え、これらに印画物を挟み込んで印画紙表面に質感を付与する方法が開示されている。しかしながら、この発明は、環境温度変動に関する開示がなされていない。
【0006】
一方、画質を一定以上に保つための技術として、特許文献2、3には、画像評価パターンをプリントし、濃度をセンサーにより検出し、結果に応じて、予め設定された濃度になるようにヘッドを駆動することで画質が向上する方法が開示されている。
【0007】
ところで、濃度を検出するセンサーは、特に環境温度が低温時、安定しない。そのため、特許文献2、3では、環境温度が低温時において、濃度を検出するセンサーが安定しないことや、印画濃度が低くなってしまうことから、安定した画質が得られないといったことには、対応していない。
【0008】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、様々な環境温度においても、適切な濃度測定又は色測定を実行させることが可能な、新規かつ改良された画像形成装置、画像形成方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、プリントヘッドによって記録紙上に画像を形成する画像形成部と、筐体内の搬送路上に設けられ、記録紙への印画結果に基づいて濃度測定又は色測定を行う測定部と、熱源を有して、搬送路上に設けられ、記録紙の表面を加工する加工部と、筐体内の温度を測定する温度測定部と、筐体内の温度が所定の温度範囲以下の場合、熱源又はプリントヘッドを駆動させ、筐体内温度を上昇させる制御部とを備える、画像形成装置が提供される。
【0010】
上記加工部は、一対以上のニップローラであり、ニップローラのうち少なくとも1本に熱源が含まれてもよい。
【0011】
上記熱源又はプリントヘッドは、測定部より搬送路の下流側に位置してもよい。
【0012】
上記筐体内に筐体内の空気を外に放出するファンを更に備え、制御部は、筐体内温度が所定の温度範囲を超える場合、ファンを駆動させ、筐体内温度を低下させてもよい。
【0013】
上記ファンは熱源又はプリントヘッドの近傍に設けられ、筐体内温度を上昇させているとき、制御部は、ファンを熱源又はプリントヘッドから測定部の方向へ空気を流通させるように駆動させてもよい。
【0014】
上記筐体内温度が所定の温度範囲内にあるとき、画像形成部が記録紙上にパターンプリントを行い、測定部がパターンプリントによる印画結果に基づいて濃度測定又は色測定を行い、測定結果に基づいて、画像形成部による画像形成を調整してもよい。
【0015】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、画像形成部が、熱を発生させるプリントヘッドによって記録紙上に画像を形成するステップと、測定部が、筐体内の搬送路上に設けられ、記録紙への印画結果に基づいて濃度測定又は色測定を行うステップと、加工部が、熱源を有して、搬送路上に設けられ、記録紙の表面を加工するステップと、制御部が、筐体内温度が所定の温度範囲以下の場合、熱源又はプリントヘッドを駆動させ、筐体内温度を上昇させるステップとを備える画像形成方法が提供される。
【0016】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、画像形成部が、熱を発生させるプリントヘッドによって記録紙上に画像を形成するステップと、測定部が、筐体内の搬送路上に設けられ、記録紙への印画結果に基づいて濃度測定又は色測定を行うステップと、加工部が、熱源を有して、搬送路上に設けられ、記録紙の表面を加工するステップと、制御部が、筐体内温度が所定の温度範囲以下の場合、熱源又はプリントヘッドを駆動させ、筐体内温度を上昇させるステップとをコンピュータに実行させるためのプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0017】
以上説明したように本発明によれば、様々な環境温度においても、適切な濃度測定又は色測定を実行させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施形態に係るプリンタ装置1の構成を示すブロック図である。
【図2】同実施形態に係るプリンタ装置1の紙搬送経路と主要な部材を示す断面図である。
【図3】同実施形態に係るエンボスローラ14、加圧ローラ15、バックアップローラ16及びヒートローラ17と、これらを通過するロール紙2を示す側面図である。
【図4】同実施形態に係るエンボスローラ14、加圧ローラ15、バックアップローラ16及びヒートローラ17と、これらを通過するロール紙2を示す側面図である。
【図5】同実施形態に係るエンボスローラ14、加圧ローラ15、バックアップローラ16及びヒートローラ17と、これらを通過するロール紙2を示す側面図である。
【図6】同実施形態に係るエンボスローラ14、加圧ローラ15、バックアップローラ16及びヒートローラ17と、これらを通過するロール紙2を示す側面図である。
【図7】同実施形態に係るエンボスローラ14、加圧ローラ15、バックアップローラ16及びヒートローラ17と、これらを通過するロール紙2を示す側面図である。
【図8】同実施形態に係る補正用部材19及びスキャナ36を示す側面図である。
【図9】同実施形態に係る補正用部材19及びスキャナ36を示す側面図である。
【図10】同実施形態に係るプリンタ装置1の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0020】
なお、説明は以下の順序で行うものとする。
1.プリンタ装置1の構成
2.プリンタ装置1の印画・排紙動作
3.マット調処理
4.校正処理と温度調整
5.プリンタ装置1の動作
【0021】
<1.プリンタ装置1の構成>
図1は、本発明の一実施形態に係るプリンタ装置1の構成を示すブロック図である。プリンタ装置1は、スキャナ部3、温度センサー20、ファン27、加工部32、プリント部34などからなる。
【0022】
スキャナ部3は、測定部の一例であり、プリンタ装置1の筐体内の搬送路上に設けられ、ロール紙2への印画結果に基づいて濃度測定又は色測定を行う。濃度測定又は色測定は、筐体内温度が所定の範囲内にあるとき実行される。このとき、スキャナ部3は、記録紙上に形成された校正用のパターン等の印画結果に基づいて、濃度測定又は色測定を行う。スキャナ部3は、印画物を読み取るスキャナ36を有するほか、後述するように補正用部材19などからなる。
【0023】
温度センサー20は、温度測定部の一例であり、プリンタ装置1の筐体内の温度を測定する。温度センサー20は例えばスキャナ36の近傍に設置される。
【0024】
ファン27は、プリンタ装置1の筐体に設けられ、筐体内の空気を外に放出する。筐体内温度が所定の温度範囲を超える場合、ファン27が駆動することで、筐体内温度を低下させることができる。ファン27は例えば熱源である加工部32やプリント部34の近傍に設けられるようにしてもよい。そして、筐体内温度を低下させるときではなく、筐体内温度を上昇させているとき、ヒーター18又はプリント部34のプリントヘッド6からスキャナ36の方向へ空気を流通させる。これにより、スキャナ36の温度を迅速に上昇させることができる。
【0025】
制御部30は、例えばCPUであり、演算装置及び制御装置である。制御部30は、筐体内の温度が所定の温度範囲以下の場合、ヒーター18又はプリントヘッド6を駆動させ、筐体内温度を上昇させる。筐体内温度を上昇させているとき、制御部30は、ファン27をヒーター18又はプリントヘッド6からスキャナ36の方向へ空気を流通させるように駆動させる。一方、筐体内温度が所定の温度範囲を超える場合、ファン27を駆動させ、筐体内の空気を外に排出させ、筐体内温度を低下させる。
【0026】
加工部32は、熱源としてのヒーター18を有して、プリンタ装置1の筐体内の搬送路上に設けられ、ロール紙2の表面を加工する。加工部32は、後述するように、一対以上のニップローラであり、ニップローラのうち少なくとも1本にヒーター18が含まれる。
【0027】
プリント部34は、画像形成部の一例であり、プリントヘッド6によって記録紙上に画像を形成する。プリントヘッド6は、熱を発生させる場合、スキャナ部3の温度を上昇させる熱源として使用できる。プリント部34は、スキャナ部3によって測定された結果に基づく校正によって調整される。
【0028】
加工部32のヒーター18や、プリントヘッド6は、スキャナ部3より搬送路の下流側に位置させるとよい。これにより、戻し印画において、スキャンに要する時間を短縮できる。また、ロール紙2がプリントヘッド6によって熱を加えられるので、その温まったロール紙2がスキャナ部3に入ることによって、スキャナ部3の温度を上昇させることができる。
【0029】
<2.プリンタ装置1の印画・排紙動作>
本発明を昇華式サーマルプリンタ装置1に採用した実施形態を説明する。プリンタ装置1は、プリントヘッド6(サーマルヘッド)内の発熱素子に通電したときの発熱エネルギーを利用して、インクリボン11に塗布された昇華性染料を昇華させ、ロール紙(記録用紙)2上に転写させて印画するように構成されている。また、ロール紙2はロール形状を成してロール紙装填部にセットされており、必要に応じてそこから引き出して搬送されるようになっている。
【0030】
図2は、上記プリンタ装置1におけるロール紙2の搬送経路を側面から見たものである。ロール紙2は、給紙ローラ4によって繰り出され、折り返し部5を通って、複数のガイドローラ21に導かれながら、プリントヘッド6に至る。
【0031】
印画動作や排紙動作の際の紙送りはピンチローラ7及びキャプスタン8が担っており、給紙ローラ4と同期して緻密な正逆転制御が行われる。
【0032】
印画済みのロール紙2は、ガイド22に導かれて、カッターユニット9により所定サイズにカットされ、排出口23より排出される。折り返し部5は、略U字状の経路をなし、進入したロール紙2がそこで方向転換して排出されるように構成されている。この折り返し部5を組み込むことによって、プリンタ装置1内の限定されたスペースを有効に活用することができる上、ロール紙装填部と排出口23を同じ側(プリンタ装置1の前面側)に配置することが可能となり、プリンタ装置1の操作性を向上させることができる。
【0033】
インク色ごとに色分けされたインクリボン11は、供給リール12から引き出されると、各ガイドローラに導かれて、印画を行うプラテンローラ10上を通り、巻き取りリール13へ順次給送されるようになっている。
【0034】
印画の際は、プリントヘッド6がスタンバイポジションからプラテンローラ10へ接近してインクリボン11とともにロール紙2を挟持して、プリントヘッド6はプラテンローラ10を押圧した状態となる。そして階調データが入力されると、ロール紙2の給送を行いながら、プリントヘッド6内の発熱素子を選択的に通電駆動し、インクリボン11上のインクを昇華させることでロール紙2上にインクを転写して印画がおこなわれる。
【0035】
スキャナ部3のスキャナ36は、用紙搬送路上に設置されており、校正用の印画が済んだロール紙2がスキャナ36まで引き戻されたとき、ロール紙2上に印画された内容を読み込む。そして、最適な濃度となるようにプリントヘッド6内の発熱素子の通電量が調整される。
【0036】
<3.マット調処理>
プリントヘッド6とカッターユニット9の間には、印画の終了したロール紙2表面にマット調の処理を行なう機構が設置されている。図3〜7は、マット調処理の方法を示したものである。
【0037】
まず図3のように、一対のニップローラであるバックアップローラ16とヒートローラ17が離れた状態のところにロール紙2の印画が終了した部分が入って来る。その際、エンボスローラ14と加圧ローラ15も離れた状態である。
【0038】
その後、図4のように、バックアップローラ16とヒートローラ17でロール紙2を挟み、ロール紙2の裏から熱を加える。印画の終了したロール紙2の先端がバックアップローラ16とヒートローラ17の間に入ると、ヒートローラ17によって、ロール紙2は裏面から熱を加えられる。ヒートローラ17には例えばハロゲンヒーター18などが内蔵され、ヒートローラ17の材質にはアルミなどが用いられるが、熱が加えることができれば、特に方式は問わない。
【0039】
そして、印画の終了したロール紙2はヒートローラ17によって熱を加えられつつ、図5のようにロール紙2はエンボスローラ14の直下まで搬送される。
【0040】
その後、図6のようにエンボスローラ14と加圧ローラ15でロール紙2を挟んで搬送する。エンボスローラ14の表面には、模様が形作られており、この模様をロール紙2に押し付けることで、ロール紙2の表面を変形させ模様を転写できる。転写の結果、ロール紙2は、マット調の表面となる。
【0041】
なお、転写の際、ロール紙2のうち印画済み領域の次の未印画領域がヒートローラ17上に来た際には、図7のようにバックアップローラ16とヒートローラ17を離すため、未印画のロール紙2に影響を与えることは無い。同様にエンボスローラ14直下にロール紙2のうち未印画領域が来た際には、図3のようにエンボスローラ14と加圧ローラ15を離すことで、ロール紙2の未印画部分に影響を与えない。
【0042】
なお、ここでは、ロール紙2の表面処理の一例としてマット調処理を上げたが、エンボスローラ14の表面を変更すれば、マット調以外の質感でロール紙2の表面を処理する例にも適用できる。
【0043】
<4.校正処理と温度調整>
校正処理は、例えば、インクリボン11を交換した直後や、プリンタ装置1の電源が投入された直後に実行される。
【0044】
校正処理は、校正用の印画が済んだロール紙2がスキャナ36まで引き戻されて、スキャナ36がロール紙2に印画された内容を読み込む。そして、読み込み結果に基づいて、最適な濃度となるようにプリントヘッド6内の発熱素子の通電量が調整される。
【0045】
スキャナ36に対向する部分には、補正用部材19が設けられる。補正用部材19は、支持部26に支持されており、支点26aを基準にしてスキャナ36の表面に接触した位置(図9参照)と、スキャナ36から離隔した位置(図8参照)に移動できる。補正用部材19は、図9に示すようにロール紙2をスキャナ36表面に接触させる。これによって、スキャナ36はロール紙2に印画された内容を読み取れるようになる。
【0046】
また、補正用部材19の表面には、グレーのリファレンスチャート24と、白色のリファレンスチャート25が形成されている。グレーのリファレンスチャート24又は白色のリファレンスチャート25は、補正用部材19が移動することによって、スキャナ36の表面に接触可能である。ロール紙2に印画された内容だけでなく、グレーのリファレンスチャート24や、白色のリファレンスチャート25も読み込むことで、校正処理が実行される。
【0047】
このような一連の動作の中で、スキャナ36を用いて安定した校正を行うためには、プリンタ装置1の筐体内温度を一定に保つことが重要である。そこで、安定した校正を行うために適した筐体内の温度範囲を予め決定しておく。
【0048】
そこで、プリンタ装置1が低温環境に置かれている時など、筐体内の温度が下がっていることが温度センサー20によって検出された際には、マット調処理と関係なく、ヒートローラ17内のヒーター18を駆動させる。そして、筐体内の温度を一定にした後に、スキャナ36を用いた校正を行う。これによって、安定した印画品質を保つことができる。
【0049】
また、高温環境下や連続印画後など、プリンタ装置1の筐体内の温度が上昇していることが温度センサー20によって検出された際には、ファン27を用いて筐体内の冷却を行なう。その後、一定の温度まで下がった後にスキャナ36での校正を行う。これによって、安定した印画品質を保つことができる。
【0050】
<5.プリンタ装置1の動作>
以上説明した動作をまとめたものが、図10に示すフローチャートである。
【0051】
まず、印画処理前に校正処理を行う。校正処理を開始するに当たって、温度センサー20が筐体内の温度測定を開始する(ステップS1)。筐体内の温度が、予め決定しておいた安定した校正を行うために適した温度範囲よりも低い場合は、熱源としてヒートローラ17内のヒーター18を駆動させる(ステップS2)。これによって、筐体内温度を上昇させることができる。一方、筐体内の温度が、予め決定しておいた安定した校正を行うために適した温度範囲よりも高い場合は、ファン27を駆動させる(ステップS3)。これによって、筐体内温度を低下させることができる。
【0052】
そして、筐体内の温度が校正を行うために適した温度範囲であるとき、ロール紙2に校正用の印画を行い、スキャナ36による校正処理を実行する(ステップS4)。例えば、スキャナ36の検出結果に応じて、印画物が予め設定された濃度になるように、プリントヘッド6内の発熱素子の通電量が調整される。校正処理が完了すると、印画処理が実行される(ステップS5)。
【0053】
以上、本実施形態によれば、プリンタ装置1が様々な環境下に設置され、様々な環境温度においても、筐体内が常にほぼ一定の温度の下で校正を行うことができるので、非常に精度の高い校正を行うことができる。また、上記プリンタ装置1は、スキャナ部3と加工部32を有しており、濃度補正と表面処理が同時に行えるため、印画物の付加価値を高めることができる。更に、表面処理で使用するヒーターの熱源を利用するため、新たに熱源を設ける必要が無く、専用の機構が不要で、コストアップや装置の大型化、複雑化を避けることができる。また更に、室内以外の低温環境などでも一定のプリント品質を得ることができるため、プリンタ装置1の設置場所の選択肢が広がる。
【0054】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0055】
例えば、上記実施形態では、ヒートローラ17のヒーター18を熱源として用いた方法について述べたが、本発明はこの例に限定されない。例えば、ヒートローラ17の代わりにプリントヘッド6を熱源として使用することも可能である。
【0056】
また、スキャナ36による校正のタイミングやエンボスローラ14による表面処理のタイミングは、プリンタ装置1の印画を通じた試験結果などを考慮して適宜決定するのが望ましい。
【0057】
さらに、上記実施形態では、印画中にロール紙2の引き出し工程と巻き戻し工程を有する昇華式サーマルプリンタ装置1に採用した場合を開示したが、本発明はこの例に限定されない。例えば、インクジェット式プリンタ等の方式やカット紙を用いたプリンタについても適用が可能である。
【符号の説明】
【0058】
1 プリンタ装置
2 ロール紙
3 スキャナ部
4 給紙ローラ
5 折り返し部
6 プリントヘッド
7 ピンチローラ
8 キャプスタン
9 カッターユニット
10 プラテンローラ
11 インクリボン
12 供給リール
13 巻き取りリール
14 エンボスローラ
15 加圧ローラ
16 バックアップローラ
17 ヒートローラ
18 ヒーター
19 補正用部材
20 温度センサー
21 ガイドローラ
22 ガイド
23 排出口
24、25 リファレンスチャート
26 支持部
27 ファン
30 制御部
32 加工部
34 プリント部
36 スキャナ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリントヘッドによって記録紙上に画像を形成する画像形成部と、
筐体内の搬送路上に設けられ、前記記録紙への印画結果に基づいて濃度測定又は色測定を行う測定部と、
熱源を有して、前記搬送路上に設けられ、前記記録紙の表面を加工する加工部と、
前記筐体内の温度を測定する温度測定部と、
前記筐体内の温度が所定の温度範囲以下の場合、前記熱源又は前記プリントヘッドを駆動させ、前記筐体内温度を上昇させる制御部と
を備える、画像形成装置。
【請求項2】
前記加工部は、一対以上のニップローラであり、前記ニップローラのうち少なくとも1本に前記熱源が含まれる、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記熱源又は前記プリントヘッドは、前記測定部より前記搬送路の下流側に位置している、請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記筐体内に前記筐体内の空気を外に放出するファンを更に備え、
前記制御部は、前記筐体内温度が所定の温度範囲を超える場合、前記ファンを駆動させ、前記筐体内温度を低下させる、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記ファンは前記熱源又は前記プリントヘッドの近傍に設けられ、
前記筐体内温度を上昇させているとき、前記制御部は、前記ファンを前記熱源又は前記プリントヘッドから前記測定部の方向へ空気を流通させるように駆動させる、請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記筐体内温度が前記所定の温度範囲内にあるとき、
前記画像形成部が前記記録紙上にパターンプリントを行い、
前記測定部が前記パターンプリントによる印画結果に基づいて濃度測定又は色測定を行い、
測定結果に基づいて、前記画像形成部による画像形成を調整する、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項7】
画像形成部が、熱を発生させるプリントヘッドによって記録紙上に画像を形成するステップと、
測定部が、筐体内の搬送路上に設けられ、前記記録紙への印画結果に基づいて濃度測定又は色測定を行うステップと、
加工部が、熱源を有して、前記搬送路上に設けられ、前記記録紙の表面を加工するステップと、
制御部が、前記筐体内温度が所定の温度範囲以下の場合、前記熱源又は前記プリントヘッドを駆動させ、前記筐体内温度を上昇させるステップと
を備える、画像形成方法。
【請求項8】
画像形成部が、熱を発生させるプリントヘッドによって記録紙上に画像を形成するステップと、
測定部が、筐体内の搬送路上に設けられ、前記記録紙への印画結果に基づいて濃度測定又は色測定を行うステップと、
加工部が、熱源を有して、前記搬送路上に設けられ、前記記録紙の表面を加工するステップと、
制御部が、前記筐体内温度が所定の温度範囲以下の場合、前記熱源又は前記プリントヘッドを駆動させ、前記筐体内温度を上昇させるステップと
をコンピュータに実行させるためのプログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−61755(P2012−61755A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−208335(P2010−208335)
【出願日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】