説明

画像形成装置、画像形成装置の制御方法、および画像形成装置の制御プログラム

【課題】装置の小型化を図ることのできる画像形成装置、画像形成装置の制御方法、および画像形成装置の制御プログラムを提供する。
【解決手段】画像形成装置としてのMFPは、縦搬送モータ100と、本体側制御基板200と、センサ1および2とを備えている。縦搬送モータ100において、エンコーダ103は、縦搬送モータ100の回転数に応じた周波数を有するエンコーダ信号405を発生し、センサ信号重畳部113は、センサ1および2の論理状態の入力を受け付ける。センサ信号重畳部113は、センサ1および2の論理状態に基づいて、エンコーダ信号405のデューティ比を変調することにより、エンコーダ信号405にセンサ1および2の論理状態を重畳し、重畳後のエンコーダ信号401を出力する。本体側制御基板200において、センサ信号分離部203は、入力されたエンコーダ信号401を復調することにより、センサ1および2の論理状態を得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、画像形成装置の制御方法、および画像形成装置の制御プログラムに関し、より特定的には、画像形成装置を駆動するモータと、モータを制御する制御部と、センサとを備えた画像形成装置、画像形成装置の制御方法、および画像形成装置の制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真式の画像形成装置には、スキャナ機能、ファクシミリ機能、複写機能、プリンタとしての機能、データ通信機能、およびサーバ機能を備えたMFP(Multi Function Peripheral)、ファクシミリ装置、複写機、プリンタなどがある。画像形成装置の中には、表示部と入力部を有する操作パネルを含んでいるものが多い。
【0003】
画像形成装置には、画像形成装置内を搬送される用紙を各所で検出したり、可動部材の位置を検出したり、開閉可能なカバー(扉)の状態を検出したり、または給紙カセットなどに配置された用紙のサイズを検出したりするためなどに、多数のセンサが搭載されている。これらのセンサの状態を検知するために、従来、各センサと制御基板との間は配線で接続されていた。
【0004】
下記特許文献1〜6には、画像形成装置内の配線を削減し得る技術が開示されている。下記特許文献1には、エンコーダで測定したサーボモータの回転量を示すパルスを、(高周波の)交流電流による位置信号に変換して電源ラインに重畳し、コントローラ側で抽出する技術が開示されている。下記特許文献1では、エンコーダで測定したサーボモータの回転量が高周波の交流電流信号に変換される。
【0005】
下記特許文献2には、モータドライバーと、モータ位置検出器と、モータドライバーからモータ位置検出器へ電源を供給する電源ケーブルとを備えたモータ制御装置が開示されている。モータ位置検出器は、モータ位置のパラレル情報をシリアル情報にエンコードし、エンコードしたシリアル情報を結合回路を介して電源ケーブルでモータドライバへ送信する。モータドライバは、シリアル情報を結合回路から受信してパラレル情報にデコードし、その情報に基づいてモータを駆動する。
【0006】
下記特許文献3には、PWM(Pulse Width Modulation)信号のエッジ間で通信を行うことで、ノイズの影響を受けにくくする技術が開示されている。
【0007】
下記特許文献4には、A相、B相、およびZ相のパルス信号を出力するエンコーダと、コントローラとを2本の信号線を介して接続し、A相およびB相のパルス信号に対してZ相のパルス信号を重畳する技術が開示されている。
【0008】
下記特許文献5には、A相、B相、およびZ相のエンコーダ信号をU相、V相、およびW相の磁極信号で振幅変調して送信する技術が開示されている。
【0009】
さらに下記特許文献6には、ロータが永久磁石からなる同期型ACモータに取り付けるエンコーダにおいて、U相、V相、およびW相の磁極位置信号をZ相の原点信号に重畳する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開平8―168283号公報
【特許文献2】特開2003―18874号公報(特許第3702828号公報)
【特許文献3】特開2005―62951号公報
【特許文献4】特開平5―260783号公報
【特許文献5】特開平5―207775号公報
【特許文献6】特開平4―331488号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
従来の画像形成装置には、上述のように多数のセンサが搭載されているため、各センサと制御基板との間の配線が複雑になり、画像形成装置内に各配線のルートを確保するための空間が必要となっていた。また、各配線を制御基板に接続するためのコネクタが制御基板上には必要であり、制御基板のサイズが大きくなっていた。近年、画像形成装置において小型化の要望が高まってきている中、配線のための空間や制御基板上のコネクタなどが、画像形成装置の小型化を阻む要因となっていた。
【0012】
加えて、特にオフィスなどに用いられる中型以上の画像形成装置は、非常に多くのセンサと、その配線とが必要である。このため、画像形成装置を組み立てる際に手間がかかり、コネクタを誤った箇所に接続してコネクタの接続不良が起こる可能性が高いという問題があった。その結果、組み立て性およびメンテナンス性が悪いという問題や、組み立てコストおよびメンテナンスコスト(サービスコスト)が高いという問題があった。
【0013】
また、特許文献1〜3などで提案されているようなモータ信号を電源ラインなどに変調して重畳させる技術では、アナログ高周波信号を処理する回路がモータ側だけでなく制御基板側にも必要である。このため、構造が複雑であり、かつ高コストであった。また、モータ信号のインターフェースが特殊なものになるために、モータの選択自由度が著しく低下していた。また、この技術で用いられるモータは、配線量が比較的少なく配線量を減らす仕組みを必要としない小型の画像形成装置とは互換性が無い場合が多く、小型の画像形成装置に流用することができなかった。特許文献4〜6の技術でも、上記問題を解決することはできなかった。
【0014】
したがって、本発明の一の目的は、装置の小型化を図ることのできる画像形成装置、画像形成装置の制御方法、および画像形成装置の制御プログラムを提供することである。
【0015】
また、本発明の他の目的は、組み立て性およびメンテナンス性が良好な画像形成装置、画像形成装置の制御方法、および画像形成装置の制御プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の一の局面に従う画像形成装置は、画像形成装置を駆動するモータと、モータを制御する制御部と、センサとを備える画像形成装置であって、モータは、モータの回転数に応じた周波数を有するパルス信号列を発生するパルス発生手段と、センサの論理状態の入力を受け付ける第1の入力受付手段と、センサの論理状態に基づいて、パルス発生手段にて発生したパルス信号列のデューティ比を変調することにより、パルス発生手段にて発生したパルス信号列にセンサの論理状態を重畳する重畳手段と、重畳手段にて重畳したパルス信号列を出力する信号出力手段とを含み、制御部は、信号出力手段にて出力したパルス信号列の入力を受け付ける第2の入力受付手段と、第2の入力受付手段にて受け付けたパルス信号列を復調することにより、センサの論理状態を得る復調手段とを含む。
【0017】
上記画像形成装置において好ましくは、第1の入力受付手段は、複数のセンサの論理状態の入力を受け付け、重畳手段は、複数のセンサの論理状態に基づいて一のコードを作成するコード作成手段を含む。
【0018】
上記画像形成装置において好ましくは、重畳手段は、パルス発生手段にて発生したパルス信号列の周期を任意の個数の区間に分割する分割手段と、任意の個数の区間の各々におけるパルス信号の状態に一のコードの各桁の数値を反映させる反映手段とをさらに含む。
【0019】
上記画像形成装置において好ましくは、制御部は、第2の入力受付手段にて受け付けたパルス信号列の周期に基づいて、モータの回転数を取得する回転数取得手段をさらに含む。
【0020】
上記画像形成装置において好ましくは、第1の入力受付手段は、モータが駆動中の場合に検知を行うセンサであって、かつモータが停止中である場合に検知を行わないセンサの論理状態の入力を受け付ける。
【0021】
上記画像形成装置において好ましくは、第1の入力受付手段は、モータが停止中である場合に検知を行うセンサであって、かつモータが駆動中である場合に検知を行わないセンサの論理状態の入力を受け付け、モータが停止中の場合、信号出力手段は、第1の入力受付手段にて入力を受け付けたセンサの論理状態を出力する。
【0022】
上記画像形成装置において好ましくは、制御部は、第2の入力受付手段にて入力を受け付けたパルス信号列を構成するパルスの周期を検出する周期検出手段をさらに含み、周期検出手段にて検出したパルスの周期の、周期検出手段にて過去に検出したパルス周期に対する変化量が所定値以上である場合に、復調手段は、第2の入力受付手段にて過去に受け付けたパルス信号列の復調結果からセンサの論理状態を得る。
【0023】
上記画像形成装置において好ましくは、モータは、パルス発生手段にて発生したパルス信号列の一周期における、論理状態が反転するまでの時間を監視する時間監視手段と、時間監視手段にて前回の一周期において監視した時間に対して、時間監視手段にて監視した時間が所定の時間以上変化した場合に、信号出力手段にて出力するパルス信号列の論理状態を反転する論理反転手段とをさらに含む。
【0024】
上記画像形成装置において好ましくは、制御部は、第2の入力受付手段にて受け付けたパルス信号列に基づいて、モータを駆動するパルス信号列をモータに出力するパルス出力手段をさらに含む。
【0025】
上記画像形成装置において好ましくは、重畳手段は、パルス出力手段にて出力したパルス信号列の周期エッジタイミングを用いて、センサの論理状態を重畳する。
【0026】
上記画像形成装置において好ましくは、制御部は、パルス出力手段にて出力したパルス信号列により駆動されるモータにブレーキをかけるブレーキ手段をさらに含み、ブレーキ手段にてブレーキをかけている場合に、信号出力手段は、第1の入力受付手段にて入力を受け付けたセンサの論理状態を出力する。
【0027】
本発明の他の局面に従う画像読取装置の制御方法は、画像形成装置を駆動するモータと、モータを制御する制御部と、センサとを備える画像形成装置の制御方法であって、モータの回転数に応じた周波数を有するパルス信号列を発生するパルス発生ステップと、センサの論理状態の入力を受け付ける第1の入力受付ステップと、センサの論理状態に基づいて、パルス発生ステップにて発生したパルス信号列のデューティ比を変調することにより、パルス発生ステップにて発生したパルス信号列にセンサの論理状態を重畳する重畳ステップと、重畳ステップにて重畳したパルス信号列をモータから出力する信号出力ステップと、信号出力手段にて出力したパルス信号列の入力を制御部にて受け付ける第2の入力受付ステップと、第2の入力受付ステップにて受け付けたパルス信号列を復調することにより、センサの論理状態を得る復調ステップとを含む。
【0028】
本発明のさらに他の局面に従う画像読取装置の制御プログラムは、画像形成装置を駆動するモータと、モータを制御する制御部と、センサとを備える画像形成装置の制御プログラムであって、モータの回転数に応じた周波数を有するパルス信号列を発生するパルス発生ステップと、センサの論理状態の入力を受け付ける第1の入力受付ステップと、センサの論理状態に基づいて、パルス発生ステップにて発生したパルス信号列のデューティ比を変調することにより、パルス発生ステップにて発生したパルス信号列にセンサの論理状態を重畳する重畳ステップと、重畳ステップにて重畳したパルス信号列をモータから出力する信号出力ステップと、信号出力手段にて出力したパルス信号列の入力を制御部にて受け付ける第2の入力受付ステップと、第2の入力受付ステップにて受け付けたパルス信号列を復調することにより、センサの論理状態を得る復調ステップとをコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、装置の小型化を図ることのできる画像形成装置、画像形成装置の制御方法、および画像形成装置の制御プログラムを提供することができる。また本発明によれば、組み立て性およびメンテナンス性が良好な画像形成装置、画像形成装置の制御方法、および画像形成装置の制御プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の第1の実施の形態におけるMFPの概観を示す図である。
【図2】図1に示すMFPの一部の構成を示す断面図である。
【図3】図1のMFP1の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態における縦搬送モータと本体側制御基板との接続を模式的に示す図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態におけるセンサ信号伝送に関する制御構成を示すブロック図である。
【図6】エンコーダ103が発生する一般的なエンコーダ信号405の波形を示す図である。
【図7】センサ1および2の各々の論理状態をエンコーダ信号405に重畳する具体的な方法を説明する図である。
【図8】パルスの周期を5個の区間に分割したエンコーダ信号401を模式的に示す図である。
【図9】図5に示すセンサ信号重畳部113の詳細な構成を示すブロック図である。
【図10】図5に示すセンサ信号分離部203の詳細な構成を示すブロック図である。
【図11】パルスの周期を10個の区間に分割したエンコーダ信号401を模式的に示す図である。
【図12】縦搬送モータ100が停止中である場合に、センサ信号重畳部113から出力されるエンコーダ信号401を模式的に示す図である。
【図13】縦搬送モータ100にかかる負荷が急激に軽くなった場合に、本体側制御基板200に入力されるエンコーダ信号401の変化を模式的に示す図である。
【図14】縦搬送モータ100にかかる負荷が急激に軽くなった場合に、エンコーダ103が発生するエンコーダ信号405およびセンサ信号分離部203が発生するエンコーダ信号401の変化を模式的に示す図である。
【図15】本発明の第3の実施の形態における縦搬送モータと本体側制御基板との接続を模式的に示す図である。
【図16】ブレーキ信号がオンの状態での各信号を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
【0032】
以下の実施の形態においては、スキャナ機能、ファクシミリ機能、複写機能、プリンタとしての機能、データ通信機能、およびサーバ機能を備えたMFP(Multi Function Peripheral)が画像形成装置である場合について説明する。なお、画像形成装置はMFPの他、ファクシミリ装置、複写機、またはプリンタなどであってもよい。
【0033】
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態におけるMFPの概観を示す図である。図2は、図1に示すMFPの一部の構成を示す断面図である。
【0034】
図1および図2を参照して、本実施の形態における画像形成装置としてのMFP1は、用紙搬送部10と、トナー像形成部20と、定着部30とを主に備えている。MFP1の下部に配置された給紙装置40に装てんされた用紙SHは、画像形成時に1枚ずつ用紙搬送部10によって搬送経路Rに沿って搬送される。給紙装置40から搬送経路Rに給紙された用紙は、トナー像形成部20へ搬送される。トナー像形成部20は、中間転写ベルト230と2次転写ローラ240などを含んでいる。トナー像形成部20は、図示しないイメージングユニットにより中間転写ベルト230上に1次転写されたトナー像を、2次転写ローラ240によって用紙SHに転写する。トナー像が転写された用紙SHは、次に定着部30に搬送される。定着部30は、加熱ローラ310と加圧ローラ320などを含んでいる。定着部30は、トナー像が転写された用紙SHを、加熱ローラ310と加圧ローラ320とで挟みながら搬送し、その間に加熱および加圧を行う。これにより定着部30は、用紙SHに付着したトナーを熱に溶融させて用紙SHに定着させる。定着部30によってトナー像が定着された用紙SHは、その後排紙トレイ41へ排出される。
【0035】
用紙搬送部10は、ピックアップローラ51と、給紙ローラ52および捌きローラ53と、縦搬送ローラ54と、タイミングローラ55と、排紙ローラ56とを含んでいる。これらのローラは、搬送経路Rに沿って給紙装置40側から排紙トレイ41側に向かって、この順序で配置されている。
【0036】
図3は、図1のMFP1の構成を示すブロック図である。
【0037】
図3を参照して、MFP1は、制御部11と、画像処理部13と、画像形成部15と、ファクシミリ制御部17と、ネットワーク接続部19と、パネル操作部21と、画像読取部23と、縦搬送モータ100と、モータ25と、縦搬送センサ301と、給紙センサ303と、ドア開閉センサ305などを備えている。
【0038】
制御部11は、スキャンジョブ、コピージョブ、メール送信ジョブ、およびプリントジョブなどの各種ジョブについて、MFP1全体の制御を行なう。制御部11は、CPU(Central Processing Unit)11a、RAM11b、およびROM11cなどを含んでいる。CPU11aは、ROM11cに記憶された制御プログラムを実行する。CPU11aは、所定の処理を行なうことにより、RAM11b、ROM11cからのデータの読み込みや、RAM11bへのデータの書き込みを行なう。
【0039】
画像処理部13は、画像情報データをY、M、C、Kの各色の画像データに変換し、その色変換後の画像データを制御部11に与える。
【0040】
画像形成部15は、用紙搬送部10、トナー像形成部20、および定着部30などを制御することにより、画像形成動作を制御する。
【0041】
ファクシミリ制御部17は、ファクシミリの送受信を制御する。
【0042】
ネットワーク接続部19は、制御部11からの指示に従って、TCP/IPなどの通信プロトコルによって、LANなどを介して外部機器との通信を行なう。
【0043】
パネル操作部21は、ユーザからMFP1の操作を受け付けたり、ユーザへの各種情報の表示を行ったりするユーザインタフェースである。
【0044】
画像読取部23は、原稿の画像を読み取って、そのデータを制御部11へ送信する。
【0045】
縦搬送モータ100は、縦搬送ローラ54を駆動する。
【0046】
モータ25は、ピックアップローラ51、給紙ローラ52、捌きローラ53、タイミングローラ55、または排紙ローラ56などを駆動する。
【0047】
縦搬送センサ301は、縦搬送ローラ54を通過する用紙を検知する。給紙センサ303は、給紙ローラ52を通過する用紙を検知する。また給紙センサ303は、給紙ローラ52と捌きローラ53とにより用紙の連れ送り状態が解除されたか否かを検知する。ドア開閉センサ305は、MFP1に設けられたドアの開閉状態などを検出する。
【0048】
縦搬送センサ301および給紙センサ303は、縦搬送モータ100が駆動中の場合に検知(監視)を行うセンサであって、かつ縦搬送モータ100が停止中である場合に検知を行わないセンサである。ドア開閉センサ305は、縦搬送モータ100が停止中である場合に検知を行うセンサであって、かつ縦搬送モータ100が駆動中である場合に検知を行わないセンサである。
【0049】
図4は、本発明の第1の実施の形態における縦搬送モータと本体側制御基板との接続を模式的に示す図である。
【0050】
図4を参照して、本実施の形態では、縦搬送モータ100を利用してセンサ信号の伝送を行う。具体的には、電子写真装置の縦搬送モータ100におけるエンコーダおよびFGパターンから得られるパルス信号の周期の検出結果が目標値に一致するように、PWM信号によって縦搬送モータ100の駆動力を調節し、縦搬送モータ100の回転のフィードバック制御をメインの制御基板上のCPUなどで行う。
【0051】
縦搬送モータ100と本体側制御基板200とは互いに接続されている。本体側制御基板200には、制御部11を構成する電子部品(たとえばCPU11a)などが搭載されている。縦搬送モータ100は本体側制御基板200によって制御される。縦搬送モータ100は、用紙を搬送するDCブラシレスモータである。縦搬送モータ100は、コイル(モータコイル)101と、エンコーダ103(パルス発生手段の一例)と、モータ側制御基板105とを含んでいる。コイル101は、ロータ磁石を回転させる磁界を発生する。エンコーダ103は、縦搬送モータ100の回転数に応じた周波数を有するパルス信号列を発生する。モータ側制御基板105は、コイル101へ流す電流量を制御し、信号の送受信を行う。
【0052】
エンコーダ103は、縦搬送モータ100に内蔵されていてもよいし、縦搬送モータ100のモータ軸上またはモータ軸に機械的に連結された駆動軸上に設けられていてもよい。エンコーダ103が縦搬送モータ100に内蔵される場合には、モータ基板上にプリントされたパターン内に、ロータ磁石の回転によって起電力を発生し、その起電力によりパルスを生成してもよい。
【0053】
エンコーダ103が発生したパルス信号列は、モータ側制御基板105から出力されるエンコーダ信号401に反映され、MFP1内の縦搬送モータ100から離れた位置にある本体側制御基板200に送信される。
【0054】
一方、本体側制御基板200は、受信したエンコーダ信号401に基づいて、縦搬送モータ100の駆動を制御するためのPWM(Pulse Width Modulation)信号403を、縦搬送モータ100に送信する。具体的には、本体側制御基板200は、CPU11aやASIC(Application Specific Integrated Circuit)などでエンコーダ信号401のパルス周期を検出し、そのパルス周期が目標回転数に対応した周波数になるように、PWM信号403のデューティ比を変調する(以下、デューティ変調と呼ぶことがある)。PWM信号403のデューティ比は、縦搬送モータ100のコイル101に印可される平均電圧を制御する。つまり、PWM信号403は縦搬送モータ100の駆動力を可変できるため、結果として縦搬送モータ100は、本体側制御基板200によって目標回転速度で制御される。通常、PWM信号403はロジック信号(ハイ/ローで表される信号)である。縦搬送モータ100のコイル101に印可される平均電圧を制御するのは、ハイデューティ(Hi−Duty、1周期幅に対するハイレベルの幅)であってもローデューティ(Lo−Duty、1周期幅に対するローレベルの幅)であってもよい。
【0055】
モータ側制御基板105には複数のセンサが接続されている。縦搬送モータ100には、たとえば縦搬送センサ301、給紙センサ303、およびドア開閉センサ305が接続されている。モータ側制御基板105は、縦搬送センサ301、給紙センサ303、およびドア開閉センサ305の各々の論理状態の入力を受け付ける。そしてモータ側制御基板105は、エンコーダ103が発生したパルス信号列に、縦搬送センサ301、給紙センサ303、およびドア開閉センサ305の各々の論理状態を重畳し、重畳したエンコーダ信号401を本体側制御基板200に出力する。
【0056】
なお、本体側制御基板200は縦搬送モータ100に対して、回転方向切り替え信号などをさらに出力してもよい。
【0057】
図5は、本発明の第1の実施の形態におけるセンサ信号伝送に関する制御構成を示すブロック図である。なお、以降の説明では、縦搬送センサ301をセンサ1と記し、給紙センサ303をセンサ2と記す場合がある。
【0058】
図5を参照して、モータ側制御基板105は、PWMドライブ部111と、センサ信号重畳部113とを含んでいる。PWMドライブ部111およびセンサ信号重畳部113は、同一素子(IC(Integrated Circuit))内に形成されていてもよいし、別々の素子内に形成されていてもよい。本体側制御基板200は、たとえばセンサ信号分離部203をさらに含んでいる。センサ信号分離部203はASICに内蔵されていてもよい。
【0059】
CPU11aなどの制御によってセンサ信号分離部203から出力されるPWM信号403は、モータ側制御基板105のPWMドライブ部111を介してモータドライバ(図示なし)に入力される。モータドライバは、PWM信号403に基づいて縦搬送モータ100の平均駆動電圧を制御する。またPWM信号403は、PWMドライブ部111とともにセンサ信号重畳部113にも入力される。
【0060】
エンコーダ103が発生したパルス信号列であるエンコーダ信号(重畳前のエンコーダ信号)405は、センサ信号重畳部113に入力される。またセンサ信号重畳部113には、センサ1および2の各々の論理状態が入力される。そしてセンサ信号重畳部113は、センサ1および2の各々の論理状態に基づいて、エンコーダ103が発生したエンコーダ信号405をデューティー変調する。これにより、エンコーダ103が発生したエンコーダ信号405に、センサ1および2の各々の論理状態が重畳される。センサ信号重畳部113は、センサ1および2の各々の論理状態を重畳する際に、PWM信号403の周期エッジタイミングを用いる。そしてセンサ信号重畳部113は、重畳したパルス信号列であるエンコーダ信号(重畳後のエンコーダ信号)401を、本体側制御基板200のセンサ信号分離部203に出力する。
【0061】
センサ信号分離部203は、入力されたエンコーダ信号401を、エンコーダ信号405と、センサ1および2の各々の論理状態とに復調(分離)し、CPU11aに送信する。CPU11aは、エンコーダ信号401に基づいて、縦搬送モータ100を駆動するPWM信号403をセンサ信号分離部203から縦搬送モータ100に出力する。
【0062】
図6は、エンコーダ103が発生する一般的なエンコーダ信号405の波形を示す図である。
【0063】
図6を参照して、エンコーダ信号405は、縦搬送モータ100の回転数に比例したパルス信号列である。縦搬送モータ100のロータ磁石が1回転する毎に、エンコーダ103は一定数のパルスを生成する。したがって、パルスの周波数は縦搬送モータ100の回転数に比例する。周期T0はパルスの一周期である。
【0064】
本体側制御基板200(本体側)は、エンコーダ信号405のパルスの立ち上がりエッジ間の周期T0、立ち下がりエッジ間の周期T1、または両エッジの間隔の周期T2を求める。これらの周期を求める際の時間は、たとえばPWM信号403の周波数や、CPU11aの動作クロックなどを使用してカウントしてもよい。そして本体側制御基板200は、求めた周期を周波数に変換することで、縦搬送モータ100の現在の回転速度を得ている。
【0065】
本実施の形態では、本体側制御基板200は、エンコーダ信号405の立ち上がりエッジ間の周期T0(立ち上がりエッジ間隔)を使用して縦搬送モータ100の現在の回転速度を得ている。周期T0を使用する場合、実際に使用されるエンコーダ信号405の変化点は立ち上がりエッジのみであり、立ち下がりエッジは使用されない。よって、縦搬送モータ100の回転速度を得るために立ち下がりエッジの位置は重要ではなく、エンコーダ信号405のパルスのデューティ比が変化してもモータ回転速度の検出には影響しない。本実施の形態では、この性質を利用して、センサ1および2の各々の論理状態がエンコーダ信号405に重畳される。すなわちセンサ信号重畳部113は、エンコーダ信号405の周期に影響を及ぼさないように、センサ信号の状態をエンコーダ信号405のパルスのディーティ比情報(デューティ比)に変換して、変換後(重畳後)のエンコーダ信号401を本体側制御基板200のセンサ信号分離部203へ伝送する。
【0066】
図7は、センサ1および2の各々の論理状態をエンコーダ信号405に重畳する具体的な方法を説明する図である。
【0067】
図7を参照して、センサ1および2の各々からは、用紙の有無や扉の開閉状態をハイ/ローで表す1ビット信号が得られる。本実施の形態では電気的な出力レベルは本質的な問題ではないため、センサ1および2の各々の出力(ハイ/ロー)をオン/オフで表現している。
【0068】
センサ1および2のとり得る論理状態はそれぞれ1ビット、合計で2ビットであるため、センサ1および2のとり得る論理状態の組合せ(オン/オフの組合せ)は4つである。センサ信号重畳部113は、センサ1および2の論理状態を、以下の条件(1)〜(3)に基づいて3ビット信号にエンコード処理する。センサ1および2の論理状態の組合せは、条件(1)〜(3)のいずれかに該当する。
【0069】
条件(1):センサ1および2の論理状態がいずれも0(オフ)である場合、(000)という信号にエンコードする。
【0070】
条件(2):センサ1および2の論理状態がいずれも1(オン)である場合、(111)という信号にエンコードする。
【0071】
条件(3):センサ1および2の論理状態が0と1とが混在するものである場合、0同士または1同士をひとかたまりにし、かつ1がMSB(Most Significant Bit)側に並び、0がLSB(Least Significant Bit)側に並ぶようにエンコードする。
【0072】
条件(3)に従ってエンコードした後の信号は(100)または(110)となり、しれ以外の信号とはなり得ない。たとえば(101)という信号は2つの「1」が「0」によって分断されており、(010)という信号は2つの「0」が「1」によって分断されているため、センサ1および2の論理状態は割り当てられない。また、(011)および(001)という信号は、「1」がLSB側で「0」がMSB側になっているため、センサ1および2の論理状態は割り当てられない。ゆえに、センサ1および2の論理状態をエンコード処理することにより得られる3ビット信号は、(000)、(100)、(110)、および(111)の4つの状態のいずれかとなる。言い換えれば、3ビット信号の4つの状態はセンサ1および2のとり得る論理状態の組合せと一対一で対応する。
【0073】
なお、図7に示すセンサ1および2の論理状態と3ビット信号との対応は一つの例である。センサ1および2の論理状態と、3ビット信号の4つの状態との対応は任意であり、後述するデコード時の対応と一致していればよい。
【0074】
次にセンサ信号重畳部113は、得られた3ビット信号に基づいてエンコーダ信号405をデューティ変調することにより、3ビット信号をエンコーダ信号405に重畳させる。
【0075】
図8は、パルスの周期を5個の区間に分割したエンコーダ信号401を模式的に示す図である。
【0076】
図7および図8を参照して、センサ信号重畳部113は、エンコーダ信号405の周期T0を5個の区間に分割し、MSB側からLSB側へ向かって区間値d0=0〜4の各々を割り当てる。センサ信号重畳部113は、区間0を、センサ状態にかかわらず常にハイを維持する区間とし、区間4を、センサ状態にかかわらず常にローを維持する区間とする。次にセンサ信号重畳部113は、残った中央の区間1〜3に対して、上述の3ビット信号を割り当てる。センサ信号重畳部113は、3ビット信号のうちMSBを区間1に割り当て、中間ビットを区間2に割り当て、LSBを区間3に割り当てる。次にセンサ信号重畳部113は、割り当てられたビットの状態が1ならばその区間をハイにし、0であればその区間をローにする。その結果、3ビット信号に基づいてエンコーダ信号405をデューティ変調することにより、センサ1および2の論理状態がエンコーダ信号405に重畳され、それによりエンコーダ信号401が得られる。
【0077】
具体的には、(000)という3ビット信号に基づいてエンコーダ信号405を変調した場合には、図8中(a)に示すエンコーダ信号401が得られ、(100)という3ビット信号に基づいてエンコーダ信号405を変調した場合には、図8中(b)に示すエンコーダ信号401が得られる。(110)という3ビット信号に基づいてエンコーダ信号405を変調した場合には、図8中(c)に示すエンコーダ信号401が得られ、(111)という3ビット信号に基づいてエンコーダ信号405を変調した場合には、図8中(d)に示すエンコーダ信号401が得られる。
【0078】
次に、エンコーダ信号401の受信側(本体側制御基板200側)では、センサ信号分離部203が、エンコーダ信号401から3ビット信号を抽出する。3ビット信号の抽出ポイントは、区間1〜3のそれぞれ区間の中央付近であると、ノイズやモータ速度変動による影響を受けにくい。次にセンサ信号分離部203は、抽出した3ビット信号を復調(デコード)し、センサ1および2の論理状態を得る。デコード処理は、エンコード時と逆の対応を用いて行なわれる。
【0079】
なお本実施の形態では、エンコーダ信号405の立ち上がりエッジ間の周期T0(図6)を使用して縦搬送モータ100の現在の回転速度を得る場合について示したが、立ち下がりエッジ間の周期T1や、両エッジの間隔の周期T2を使用して回転速度を得てもよい。たとえば、周期T1を使用して回転速度を得る場合には、センサ1および2の論理状態を3ビット信号にエンコードするための条件(3)の代わりに、センサ1および2の論理状態が0と1とが混在するものである場合、0同士または1同士をひとかたまりにし、かつ0がMSB側に並び、1がLSB側に並ぶようにエンコードするという条件を用いてもよい。また、周期T2を使用して回転速度を得る場合には、エンコーダ信号405の半周期が変調後のエンコーダ信号401の一周期になるように(エンコーダ信号401の周波数がエンコーダ信号405の2倍になるように)エンコードすればよい。
【0080】
続いて、センサ信号重畳部113およびセンサ信号分離部203の詳細な構成について説明する。
【0081】
図9は、図5に示すセンサ信号重畳部113の詳細な構成を示すブロック図である。
【0082】
図9を参照して、センサ信号重畳部113は、周期カウンタ121と、区間幅決定部123と、区間幅カウンタ125と、区間カウンタ127と、信号セレクタ129(重畳手段および信号出力手段の一例)と、立ち上がりエッジ検出部131と、センサ信号エンコーダ133と、ビットセレクタ135(第1の入力手段の一例)とを含んでいる。
【0083】
エンコーダ103が発生したエンコーダ信号(重畳前のモータエンコーダ信号)405は、信号セレクタ129および立ち上がりエッジ検出部131の各々に出力される。立ち上がりエッジ検出部131は、エンコーダ信号405の立ち上がりエッジを検出し、周期カウンタ121は、この立ち上がりエッジに基づいて周期カウントを行う。周期カウンタ121には、カウント値が確定する度にカウンタリセットトリガが働く。区間幅決定部123は、周期カウンタ121で得た最新の確定済み周期カウント値c0を5で割った値を区間幅n0(=c0/5)に決定する。区間幅カウンタ125は、区間幅決定部123で決定した区間幅n0を最大値とする区間幅カウンタを動作させ、区間幅カウンタ125がカウントアップする毎に区間カウンタ127はその区間値d0のカウントを行なう。これにより、エンコーダ信号405のパルスの1周期が区間0〜区間4に5分割される。区間幅カウンタ125および区間カウンタ127には、立ち上がりエッジが検出される度にリセットトリガが働く。区間カウンタ127がカウントした区間値d0は、信号セレクタ129の選択信号部143と、ビットセレクタ135とに送信される。
【0084】
センサ1および2の各々の出力は、センサ信号エンコーダ133に送信される。センサ信号エンコーダ133は、センサ1および2の出力を論理状態に変換し、ビットセレクタ135に送信する。ビットセレクタ135は、センサ1および2の論理状態の入力を受け付けると、パルスの区間1〜3の各々におけるパルス信号の状態に、3ビット信号の(デコード値の)ビット2、ビット1、およびビット0の各桁の数値を反映させ、信号セレクタ129の送信部141へ出力する。
【0085】
信号セレクタ129は、センサ1および2の論理状態に基づいて、エンコーダ信号405のデューティ比を変調することにより、エンコーダ信号405にセンサ1および2の論理状態を重畳し、重畳後のエンコーダ信号401を出力する。
【0086】
選択信号部143は、区間カウンタ127が出力した区間値d0が0または4である場合には、エンコーダ側を選択し、信号セレクタ129に入力されたエンコーダ信号405を、送信部141から本体側制御基板200のセンサ信号分離部203へ直接送信する(または、区間値d0が0の場合にはハイ、4の場合にはローを固定的に出力してもよい)。また選択信号部143は、区間カウンタ127が出力した区間値d0が1〜3のいずれかである場合(1≦d0≦3の場合)には、デコーダ側を選択し、ビットセレクタ135から入力された区間1〜3の値を送信部141にてセンサ信号分離部203へ送信する。
【0087】
なお、区間幅カウンタ125の最大値(=区間幅n0)は、原則として前回の周期カウント値c0に基づいて算出される。また、立ち上がりエッジ検出部131、周期カウンタ121、区間幅カウンタ125、および区間カウンタ127の各々の動作の際にはPWM信号403の周波数がクロックとして使用されてもよい。搬送用途に用いるモータのエンコーダのパルス数はそれほど多くないため、PMW信号403の周波数を10倍程度高速に構成することで、PWM信号403をクロックとして利用してもよい。通常、PMW信号403のデューティ比は0%〜100%の範囲を取り得るが、PWM信号403をカウンタなどのクロックとして使用する場合には、デューティ比は0より大きく100%未満(0<Duty<100%)に設定され、デューティ比が0%および100%にはならないように僅かに制限される。
【0088】
エンコーダ信号405のパルスの周期はいくつの区間に分割されてもよい。たとえば、エンコーダ信号405のパルスの周期T0は8個の区間に割されてもよい。この場合区間4〜区間7は常にハイに固定してもよい。これにより、5分割する計算を8(2の3乗)分割する計算に置き換えることができ、区間幅カウンタ125の最大値を求める除算回路を大幅に簡略化することができる。
【0089】
図10は、図5に示すセンサ信号分離部203の詳細な構成を示すブロック図である。
【0090】
図10を参照して、センサ信号分離部203は、周期カウンタ221と、区間幅決定部223と、区間幅カウンタ225と、区間カウンタ227と、立ち上がりエッジ検出部231と、シフトレジスタ233(第2の入力受付手段の一例)と、センサ信号エンコーダ235(復調手段の一例)とを含んでいる。
【0091】
センサ信号重畳部113の送信部141から送信されたエンコーダ信号(重畳後のエンコーダ信号)401は、シフトレジスタ233および立ち上がりエッジ検出部231の各々に出力される。立ち上がりエッジ検出部231は、エンコーダ信号401の立ち上がりエッジを検出し、周期カウンタ221は、立ち上がりエッジ検出部231にて検出したエッジに基づいて周期カウントを行う。周期カウンタ221には、カウント値が確定する度にカウンタリセットトリガが働く。区間幅決定部223は、周期カウンタ221で得た最新の確定済み周期カウント値c1を10で割った値を、区間幅n1(=c1/10)に決定する。つまり、区間幅決定部223は、周期カウント値c1を10分割した値を区間幅n1(区間幅カウンタ225の最大値)とする点が、センサ信号重畳部113の区間幅決定部123とは異なる。区間幅カウンタ225は、区間幅決定部223で決定した区間幅n1を最大値とするカウントを行う。区間カウンタ227は、区間幅カウンタ225がカウントアップする毎にその区間値d1のカウントを行なう。これにより、エンコーダ信号401のパルスの1周期が区間0〜区間9に10分割される。区間幅カウンタ225および区間カウンタ227には、立ち上がりエッジが検出される度にリセットトリガが働く。区間カウンタ227がカウントした区間値d1は、シフトレジスタ233に送信される。
【0092】
なお、各カウンタの動作クロックとしてはPWM信号403を用いてもよいし、CPU11aなどの動作クロック信号413を用いてもよい。
【0093】
シフトレジスタ233は、区間値d1がたとえば2、4、および6である時の区間幅カウンタ225のカウントアップトリガのタイミングで、エンコーダ信号401を取り込み(サンプリングし)、エンコーダ信号401から3ビット信号を抽出する。シフトレジスタ233は、区間値d1がたとえば7である時の区間幅カウンタ225のカウンタリセットトリガのタイミングで、サンプリングした値をセンサ信号エンコーダ235に送信する(デコード値レジスタにロードする)。
【0094】
センサ信号エンコーダ235は、シフトレジスタ233から受信した3ビット信号をデコード(復調)することにより、センサ1および2の論理状態417および419を得て、これらをCPU11aへ送信する。
【0095】
なお、周期カウンタ221にて得た周期カウント値c1(モータエンコーダ信号周期カウント値)は、CPU11aに送信され、CPU11aは周期カウント値に基づいて縦搬送モータ100の回転数を取得する。
【0096】
図11は、パルスの周期を10個の区間に分割したエンコーダ信号401を模式的に示す図である。
【0097】
図11を参照して、(a)に示すエンコーダ信号401からは(000)の3ビット信号がデコードされ、(b)に示すエンコーダ信号401からは(100)の3ビット信号がデコードされる。(c)に示すエンコーダ信号401からは(110)の3ビット信号がデコードされ、(d)に示すエンコーダ信号401からは(111)の3ビット信号がデコードされる。
【0098】
縦搬送モータ100に接続するセンサは1つであってもよいし、縦搬送モータ100にはセンサが接続していなくてもよい。この場合には、センサを接続するモータ基板内の回路でプルアップもしくはプルダウンしておくことで、必ずしも二つのセンサを接続しなくてもよい構成となる。センサを接続しない構成であってもエンコーダ信号401のデューティ比が固定されるだけで、エンコーダ周期には影響しない。
【0099】
なお、本実施の形態では2つのセンサの論理状態を3ビット信号にエンコードし、エンコーダ信号401の周期を5分割してセンサの論理状態を重畳させる場合について示したが、3つのセンサの論理状態を重畳させることも可能である。この場合、3つのセンサの論理状態を7ビット信号にエンコードし、エンコーダ信号401の周期を9分割してセンサの論理状態を重畳させてもよい。さらに4つ以上のセンサの論理状態をエンコーダ信号401に重畳させることも可能である。
【0100】
続いて、縦搬送モータ100が停止中である場合にセンサ信号重畳部113が行う処理について説明する。
【0101】
図12は、縦搬送モータ100が停止中である場合に、センサ信号重畳部113から出力されるエンコーダ信号401を模式的に示す図である。(a)は縦搬送モータ100が駆動中である場合のエンコーダ信号405であり、(b)は縦搬送モータ100が停止中である場合のエンコーダ信号405でありであり、(c)は縦搬送モータ100が停止中である場合のエンコーダ信号401である。
【0102】
図12を参照して、縦搬送モータ100の駆動中(動作中)には、(a)に示すように、縦搬送モータ100の回転数に比例したパルス信号列よりなるエンコーダ信号405をエンコーダ103は発生する。一方、縦搬送モータ100の停止中には、(b)に示すように、エンコーダ103が発生するエンコーダ信号405は消失するので、センサ1および2の論理状態を重畳させるエンコーダ信号が存在しない。したがって、上述の方法でエンコーダ信号405に重畳させることが可能であるのは、モータ駆動中にのみ監視を行なうセンサの論理状態に限られる。
【0103】
したがって、縦搬送モータ100の停止中には、モータ停止中のみに監視するセンサであるドア開閉センサ305(以下、センサ3と呼ぶことがある)の論理状態が、(c)に示すようにエンコーダ信号401として直接(重畳されずに)出力されてもよい。(c)では、ドア開閉センサ303から一定時間ローが出力された後、ハイが出力されている。これにより、センサ3から本体側制御基板200まで配線をさらに減らすことができる。
【0104】
縦搬送モータ100が停止中か否かの判定は、周期カウンタ121がオーバーフローしたかどうかで判定し、周期カウンタ121がオーバーフローした場合は、エンコーダ信号401の出力が、そのドア開閉センサ305の出力値にダイレクトに切り替えられればよい。
【0105】
[第2の実施の形態]
上述のMFP1においては、縦搬送モータ100の回転数に急激な変動が生じる場合がある。このような場合、エンコーダ信号405やエンコーダ信号401にも急激な変動が生じ、センサ1および2の論理状態を一時的に安定して伝送できなくなるおそれがある。本実施の形態では、縦搬送モータ100の回転数に急激な変動が生じた場合にも、センサ1および2の論理状態を安定して伝送する方法について説明する。
【0106】
始めに、本体側制御基板200側(受信側)の動作について説明する。
【0107】
図13は、縦搬送モータ100にかかる負荷が急激に軽くなった場合に、本体側制御基板200に入力されるエンコーダ信号401の変化を模式的に示す図である。
【0108】
図13を参照して、縦搬送モータ100にかかる負荷が急激に軽くなり、縦搬送モータ100の回転数が一時的に上昇した場合、本体側制御基板200のセンサ信号分離部203に入力されたエンコーダ信号401におけるパルスPL1の周期T11は、前のパルスPL2の周期T12に比べて一時的に極端に短くなる。区間幅カウンタ225は、前のパルスPL2の周期T12から算出された区間幅に基づいてパルスPL1のカウントを行なうので、区間幅カウンタ225のカウントアップトリガのタイミングがずれる可能性がある。具体的には、前のパルスPL2では、区間値d1が2、4、および6の場合には、それぞれハイ、ハイ、およびローの出力がセンサ信号分離部203で検出されるのに対し、パルスPL1では、区間値d1が2、4、および6の場合には、区間幅カウンタ225のずれに起因して、それぞれハイ、ロー、およびローの出力がセンサ信号分離部203で誤検出される。
【0109】
本実施の形態においては、CPU11aは、パルスPL1をデコードすることで得られたセンサの論理状態を、制御部11のRAM11bなどに保留しておく。CPU11aは、パルスPL1の周期が終わるタイミング(次のパルスPL3に切り替わる立ち上がりエッジのタイミング)で、周期カウンタ221でのカウントに基づいてパルスPL1の周期T11を検出する。そしてCPU11aは、パルスPL1の周期T11が前の(過去の)パルスPL2の周期T12から所定時間(または所定割合)以上ずれた場合には、誤検出の可能性有りと判断して、保留しているパルスPL1のデコード結果を破棄し、前のパルスPL2のデコード結果を採用し、前のパルスPL2からセンサ1および2の論理状態を得る。一方、パルスPL1の周期T11の前の周期T12からのずれが所定時間(または所定割合)未満である場合には、誤検出の可能性無しと判断して、保留していたPL1のデコード結果を採用する。
【0110】
たとえば区間6の後端でパルスの出力をサンプリングする場合、区間6の後端のタイミングが、隣接する区間5の後端または区間7の後端にずれ込むと誤検出が生じる。このため、マージンは区間値d1の1つ分となることが好ましい。したがって、周期カウント値c1を10分割した値を1つの区間幅とする場合、上記の所定時間(または所定割合)は10%程度であることが好ましい。
【0111】
次に、縦搬送モータ100側(送信側)の動作について説明する。
【0112】
図14は、縦搬送モータ100にかかる負荷が急激に軽くなった場合に、エンコーダ103が発生するエンコーダ信号405およびセンサ信号分離部203が発生するエンコーダ信号401の変化を模式的に示す図である。(a)はエンコーダ信号405であり、(a)はエンコーダ信号401である。
【0113】
図14を参照して、縦搬送モータ100にかかる負荷が急激に軽くなり、縦搬送モータ100の回転数が一時的に上昇した場合、(a)に示すように、エンコーダ信号405におけるパルスPL4の周期T14は、前のパルスPL5の周期T15に比べて一時的に極端に短くなる。区間幅カウンタ125は、前のパルスPL5の周期T15から算出された区間幅に基づいてパルスPL4のカウントを行なう。このため、センサ信号重畳部113がたとえば(111)の3ビット信号をエンコーダ信号405に重畳する場合、(b)に示すように、パルスPL4の区間4を出力する前(区間3を出力中)に、次のパルスPL6の立ち上がりエッジ(区間0)が来る可能性がある。この場合、パルスPL4の区間3でハイを出力中に、パルスPL4の区間4のローを出力せずに次のパルスPL6の区間0のハイを出力するため、二つのパルスPL4およびPL6の周期区間が繋がる。このようなエンコーダ信号401が縦搬送モータ100から送信されると、本体側制御基板200側ではエンコーダ信号401のパルスの周期が広がったと解し、縦搬送モータ100の回転数が低下したと誤判定する可能性がある。
【0114】
本実施の形態においては、CPU11aは、エンコーダ信号405の一周期における、立ち上がりから立ち下がりまでの時間を監視する。たとえば、エンコーダ信号405のデューティ比が50%の場合には、パルスの立ち下がり位置は、(a)で示すように区間2のちょうど中央に位置することになる。縦搬送モータ100の回転数に変動がなければ、パルスPL4の立ち上がりから立ち下がりまでの時間は、前のパルスPL5の周期カウント値c0の半分の値(c0/2)になるはずである。したがって、この半分の値(c0/2)と、監視対象であるパルスPL4の立ち上がりから立ち下がりまでのカウント値とのずれ(変化量)が所定量未満の場合には、CPU11aはそのまま動作を続ける。一方、パルスPL4の立ち上がりから立ち下がりまでのカウント値とのずれが所定量以上の場合には、CPU11aは緊急動作として即座にエンコーダ信号401の信号をローに変化させる(エンコーダ信号401の論理状態を反転する)。この動作により、エンコーダ信号401の周期の誤検出が防止される。
【0115】
上記の所定量は、区間4の消失を防止する程度の値であればよい。たとえば、エンコーダ信号401のデューティ比が50%である場合には、パルスPL4の立ち下がりの位置が区間幅の半分以上ずれていると、残りの半周期を経過して区間4を出力するときには、合計で区間幅1つ分以上ずれ、それによりパルスPL4における区間4の消失を招くと予測される。したがって、パルスPL4の立ち下がりの位置が、半周期に対する区間4の半分の幅に相当する割合である周期カウント値c0の20%以上ずれた場合には、上述の緊急動作を行うようにしてもよい。
【0116】
[第3の実施の形態]
MFP1は、縦搬送モータ100が停止中の場合にも、たとえば用紙のサイズ検出に関わるセンサなどの複数のセンサの論理状態を本体側制御基板200に伝送してもよい。本実施の形態においては、縦搬送モータ100が停止中である場合にも複数のセンサの論理状態を伝送可能な構成について説明する。
【0117】
図15は、本発明の第3の実施の形態における縦搬送モータと本体側制御基板との接続を模式的に示す図である。
【0118】
図15を参照して、縦搬送モータ100は、本体側制御基板200のセンサ信号分離部203などから出力されたブレーキ信号407を受信可能である。一般的に、搬送系に使用されるモータには、停止動作を高速化するため、ブレーキ信号を受信可能なものがある。図15の構成では、ブレーキ信号407がオンの場合には、縦搬送モータ100の回転数を制御するPWM信号403に優先して、縦搬送モータ100にブレーキがかかる。したがって、本体側制御基板200は、縦搬送モータ100が停止中である場合にもブレーキ信号407をオンの状態に保つことにより、縦搬送モータ100を停止させた状態でPWM信号403を出力することができる。その結果、縦搬送モータ100が停止中である場合にも、複数のセンサの論理状態を縦搬送モータ100から本体側制御基板200へ伝送することができる。
【0119】
なお、上記以外の縦搬送モータ100および本体側制御基板200の構成は、第1の実施の形態における構成と同様であるので、同一の部材には同一の符号を付し、その説明は繰り返さない。
【0120】
図16は、ブレーキ信号がオンの状態での各信号を模式的に示す図である。(a)はブレーキ信号407であり、(b)はPWM信号403であり、(c)はエンコーダ信号405であり、(d)はエンコーダ信号401である。
【0121】
図16を参照して、(a)に示すようにブレーキ信号407がオンの状態で、(b)に示すようにPWM信号403を出力しても、縦搬送モータ100は停止したままである。この場合、(c)に示すようにエンコーダ信号405は発生しない。一方、周期T17が固定値とされたパルスPL7を含むエンコーダ信号401がたとえばセンサ信号重畳部113によって発生される。このエンコーダ信号401にはたとえばセンサ1および2の論理状態が重畳される。これにより、縦搬送モータ100が停止中である場合にも、センサ1および2の論理状態を縦搬送モータ100から本体側制御基板200へ伝送することができる。
【0122】
なお、縦搬送モータ100が駆動中である場合と停止中である場合とで、同じ組合せのセンサの論理状態をエンコーダ信号401で伝送してもよいし、互いに異なる組合せのセンサの論理状態を伝送してもよい。縦搬送モータ100が駆動中である場合と停止中である場合とで互いに異なる組合せのセンサの論理状態を伝送する場合、縦搬送モータ100が停止中か否かの判定は、第1の実施の形態と同様に周期カウンタ121がオーバーフローしたかどうかで判定してもよい。
【0123】
[実施の形態の効果]
上述の実施の形態では、用紙の有無やドアの開閉状態などを検出するセンサを縦搬送モータの制御基板に接続し、センサの出力をエンコードしてエンコーダ信号に重畳させ、本体側制御基板側で重畳後のエンコーダ信号をデコードして抽出する。上述の実施の形態によれば、センサの出力をエンコードした信号がエンコーダ信号に重畳されて伝送されるので、センサからの配線は近くのモータまで引き回すのみで済み、センサからの配線を本体側制御基板まで引き回す必要がなくなる。これにより、センサの配線量を減らすことができ、配線経路に必要な空間が小さくなる。さらに、本体側制御基板上のセンサコネクタも不要となる。その結果、装置の小型化を図ることができる。さらに、組み立て性が向上する。
【0124】
また、縦搬送モータがセンサを接続しない構成であってもよいので、配線量が比較的少なく配線量を減らす仕組みを必要としない小型の画像形成装置や、従来型のDCブラシレスモータを使用する画像形成装置との互換性を有している。2種類のインターフェースのモータを用意する必要は無い。すなわち、制御基板がセンサの近くにあり、センサの配線が問題とならない構成をMFPが有していたり、本体側制御基板がエンコーダ信号を復調してデコードし、センサ状態を抽出する構成を有していない従来型の構成を有していても、そのような本体側制御基板に対して本実施の形態のモータをそのまま適用することができる。
【0125】
また、センサの動作不良の発生時における原因調査において配線不良が疑われた場合に、センサと縦搬送モータとの間の短い距離の配線をチェックするだけでよい。縦搬送モータと本体側制御基板との間は縦搬送モータの動作チェックにより配線不良の有無が容易に確認できるためである。その結果、サービス性およびメンテナンス性が向上し、配線削減によるコストダウンばかりでなく、組み立てやサービスおよびメンテナンスに絡むコストダウンも可能となる。
【0126】
また、縦搬送モータの停止中に、縦搬送モータの停止中のみ監視するセンサの論理状態をそのままエンコーダ信号として出力することで、センサから本体側制御基板まで配線をさらに減らすことができる。
【0127】
また、第2の実施の形態によれば、縦搬送モータの回転数に急激な変動が生じた場合にも、センサの論理状態を安定して伝送することができる。
【0128】
さらに、第3の実施の形態によれば、縦搬送モータが停止中である場合にも複数のセンサの論理状態を本体側制御基板へ伝送することができる。
【0129】
[その他]
上述の実施の形態においては、縦搬送モータのエンコーダ信号にセンサの論理状態が重畳される場合について示したが、画像形成装置を駆動する他のモータ(用紙を搬送するローラを駆動するモータや、定着器のローラを駆動するモータなど)のエンコーダ信号にセンサの論理状態が重畳されてもよい。
【0130】
本体側制御基板は、PWM方式の信号でモータを駆動する代わりにPAM(Pulse Amplitude Modulation)方式の信号でモータを駆動してもよい。
【0131】
上述の実施の形態における処理は、ソフトウェアにより行なっても、ハードウェア回路を用いて行なってもよい。また、上述の実施の形態における処理を実行するプログラムを提供することもできるし、そのプログラムをCD−ROM、フレキシブルディスク、ハードディスク、ROM、RAM、メモリカードなどの記録媒体に記録してユーザに提供することにしてもよい。プログラムは、CPUなどのコンピュータにより実行される。また、プログラムはインターネットなどの通信回線を介して、装置にダウンロードするようにしてもよい。
【0132】
上述の実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0133】
1 MFP
10 用紙搬送部
11 制御部
11a CPU
11b RAM
11c ROM
12 区間カウンタ
13 画像処理部
15 画像形成部
17 ファクシミリ制御部
19 ネットワーク接続部
20 トナー像形成部
21 パネル操作部
23 画像読取部
25 モータ
30 定着部
40 給紙装置
41 排紙トレイ
51 ピックアップローラ
52 給紙ローラ
53 捌きローラ
54 縦搬送ローラ
55 タイミングローラ
56 排紙ローラ
100 縦搬送モータ
101 コイル
103 エンコーダ
105 モータ側制御基板
111 PWMドライブ部
113 センサ信号重畳部
121 周期カウンタ
123,223 区間幅決定部
125,225 区間幅カウンタ
127,227 区間カウンタ
129 信号セレクタ
131,231 立ち上がりエッジ検出部
133 センサ信号エンコーダ
135 ビットセレクタ
141 送信部
143 選択信号部
200 本体側制御基板
203 センサ信号分離部
221 周期カウンタ
230 中間転写ベルト
233 シフトレジスタ
235 センサ信号エンコーダ
240 2次転写ローラ
301 縦搬送センサ
303 給紙センサ
305 ドア開閉センサ
310 加熱ローラ
320 加圧ローラ
401,405 エンコーダ信号
403 PWM信号
407 ブレーキ信号
413 動作クロック信号
417,419 センサの論理状態
PL1〜PL7 パルス
R 搬送経路
SH 用紙
T0〜T2,T11,T12,T14,T15,T17 周期

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置を駆動するモータと、前記モータを制御する制御部と、センサとを備える画像形成装置であって、
前記モータは、
前記モータの回転数に応じた周波数を有するパルス信号列を発生するパルス発生手段と、
前記センサの論理状態の入力を受け付ける第1の入力受付手段と、
前記センサの論理状態に基づいて、前記パルス発生手段にて発生したパルス信号列のデューティ比を変調することにより、前記パルス発生手段にて発生したパルス信号列に前記センサの論理状態を重畳する重畳手段と、
前記重畳手段にて重畳したパルス信号列を出力する信号出力手段とを含み、
前記制御部は、
前記信号出力手段にて出力したパルス信号列の入力を受け付ける第2の入力受付手段と、
前記第2の入力受付手段にて受け付けたパルス信号列を復調することにより、前記センサの論理状態を得る復調手段とを含む、画像形成装置。
【請求項2】
前記第1の入力受付手段は、複数のセンサの論理状態の入力を受け付け、
前記重畳手段は、前記複数のセンサの論理状態に基づいて一のコードを作成するコード作成手段を含む、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記重畳手段は、前記パルス発生手段にて発生したパルス信号列の周期を任意の個数の区間に分割する分割手段と、前記任意の個数の区間の各々におけるパルス信号の状態に前記一のコードの各桁の数値を反映させる反映手段とをさらに含む、請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記第2の入力受付手段にて受け付けたパルス信号列の周期に基づいて、前記モータの回転数を取得する回転数取得手段をさらに含む、請求項1〜3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記第1の入力受付手段は、前記モータが駆動中の場合に検知を行うセンサであって、かつ前記モータが停止中である場合に検知を行わないセンサの論理状態の入力を受け付ける、請求項1〜4のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記第1の入力受付手段は、前記モータが停止中である場合に検知を行うセンサであって、かつ前記モータが駆動中である場合に検知を行わないセンサの論理状態の入力を受け付け、
前記モータが停止中の場合、前記信号出力手段は、前記第1の入力受付手段にて入力を受け付けたセンサの論理状態を出力する、請求項1〜5のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記第2の入力受付手段にて入力を受け付けたパルス信号列を構成するパルスの周期を検出する周期検出手段をさらに含み、
前記周期検出手段にて検出したパルスの周期の、前記周期検出手段にて過去に検出したパルス周期に対する変化量が所定値以上である場合に、前記復調手段は、前記第2の入力受付手段にて過去に受け付けたパルス信号列の復調結果から前記センサの論理状態を得る、請求項1〜6のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記モータは、
前記パルス発生手段にて発生したパルス信号列の一周期における、論理状態が反転するまでの時間を監視する時間監視手段と、
前記時間監視手段にて前回の一周期において監視した時間に対して、前記時間監視手段にて監視した時間が所定の時間以上変化した場合に、前記信号出力手段にて出力するパルス信号列の論理状態を反転する論理反転手段とをさらに含む、請求項1〜7のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記第2の入力受付手段にて受け付けたパルス信号列に基づいて、前記モータを駆動するパルス信号列を前記モータに出力するパルス出力手段をさらに含む、請求項1〜8のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記重畳手段は、前記パルス出力手段にて出力したパルス信号列の周期エッジタイミングを用いて、前記センサの論理状態を重畳する、請求項9に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記制御部は、前記パルス出力手段にて出力したパルス信号列により駆動されるモータにブレーキをかけるブレーキ手段をさらに含み、
前記ブレーキ手段にてブレーキをかけている場合に、前記信号出力手段は、前記第1の入力受付手段にて入力を受け付けたセンサの論理状態を出力する、請求項9または10に記載の画像形成装置。
【請求項12】
画像形成装置を駆動するモータと、前記モータを制御する制御部と、センサとを備える画像形成装置の制御方法であって、
前記モータの回転数に応じた周波数を有するパルス信号列を発生するパルス発生ステップと、
前記センサの論理状態の入力を受け付ける第1の入力受付ステップと、
前記センサの論理状態に基づいて、前記パルス発生ステップにて発生したパルス信号列のデューティ比を変調することにより、前記パルス発生ステップにて発生したパルス信号列に前記センサの論理状態を重畳する重畳ステップと、
前記重畳ステップにて重畳したパルス信号列を前記モータから出力する信号出力ステップと、
前記信号出力手段にて出力したパルス信号列の入力を前記制御部にて受け付ける第2の入力受付ステップと、
前記第2の入力受付ステップにて受け付けたパルス信号列を復調することにより、前記センサの論理状態を得る復調ステップとを含む、画像形成装置の制御方法。
【請求項13】
画像形成装置を駆動するモータと、前記モータを制御する制御部と、センサとを備える画像形成装置の制御プログラムであって、
前記モータの回転数に応じた周波数を有するパルス信号列を発生するパルス発生ステップと、
前記センサの論理状態の入力を受け付ける第1の入力受付ステップと、
前記センサの論理状態に基づいて、前記パルス発生ステップにて発生したパルス信号列のデューティ比を変調することにより、前記パルス発生ステップにて発生したパルス信号列に前記センサの論理状態を重畳する重畳ステップと、
前記重畳ステップにて重畳したパルス信号列を前記モータから出力する信号出力ステップと、
前記信号出力手段にて出力したパルス信号列の入力を前記制御部にて受け付ける第2の入力受付ステップと、
前記第2の入力受付ステップにて受け付けたパルス信号列を復調することにより、前記センサの論理状態を得る復調ステップとをコンピュータに実行させる、画像形成装置の制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−244793(P2012−244793A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−113230(P2011−113230)
【出願日】平成23年5月20日(2011.5.20)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】