説明

画像形成装置、画像形成装置の制御方法、プログラム

【課題】 割り込まれるジョブや割り込むジョブの状況に応じて、割り込まれるジョブの印刷停止および割り込むジョブの印刷開始のタイミングを制御することにより、割り込み印刷時の生産性低下を抑える。
【解決手段】 割り込み印刷処理を実行可能な画像形成装置であって、少なくとも1ページからなる印刷ジョブにRIP処理を施し画像データを生成するRIP部108と、生成された画像データに基づき印刷処理を行うプリンタ部113と、割り込むジョブに含まれるページに対するRIP処理が終了した場合に、割り込まれるジョブに対する印刷処理を中断し、割り込むジョブの印刷処理を開始するようプリンタ部113を制御するMFP制御部106とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷ジョブの処理中に他の印刷ジョブを割り込ませる割り込み機能を有する画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、所謂、商業的印刷業界では、現在でも、オフセット製版印刷機などの大規模な印刷装置等を用いているのが主流である。その業界では、第三者(顧客、クライアント)から印刷物(雑誌、新聞、カタログ、広告、グラビア等)の作成依頼を受注し、該クライアントの所望の印刷物を作成し、それを該クライアントに納品することでクライアントから報酬を得る。該印刷業界では、入稿、デザインやレイアウト、カンプ(プリンタ出力によるプレゼンテーション)、校正(レイアウト修正や色修正)、校正刷り(プルーフプリント)、版下作成、印刷、後処理加工、発送といった具合に様々な工程を踏んで作業を進めてきた。これは、上述のような印刷機の利用には版下作成を欠かすことができず、一度版下を作成すると、その修正は容易でなく、且つコスト的にかなり不利であるため、入念な校正、即ちレイアウトのチェックや色の確認作業が必須であったためである事等に起因する。このように、この手の業界では、大掛かりな装置を必要とし、尚且つ、クライアントが所望する印刷物を作成するのにある程度の時間も必要であった。しかもこれらそれぞれの作業には専門知識が必要であり、いわば職人と呼ばれる熟練者のノウハウが必要であった。
【0003】
一方最近では、電子写真方式やインクジェット方式の印刷装置の高速化、高画質化に伴い、上記のような印刷業界に対抗して、プリント・オン・デマンド(Print On Demand:以下、PODと表記する)と呼ばれる市場が出現しつつある。PODでは、印刷装置で扱うジョブより比較的小ロットのジョブを、大掛かりな装置やシステムを用いずに、短納期で取り扱えることを目指している。そのために、上記のような大規模な印刷機、印刷手法に変わって、例えば、ディジタル複写機やディジタル複合機等のディジタル画像形成装置を最大限に活用して、電子データを用いたディジタルプリントを実現している。このようなPOD市場では、従来の印刷業界に比べてディジタル化が融合し、コンピュータを利用した管理、制御が浸透してきており、コンピュータを利用してある程度、印刷業界のレベルに近づこうとしている。このような背景の中で、POD市場には、コピー・プリントショップ印刷会社の印刷サービスと言われるPFP(Print For Pay)が存在する。さらに、企業内社内向け印刷サービスと言われるCRD(Centralized Reproduction Department)などが存在する。
【0004】
このPFPやCRDにおける利点としては、オフセット印刷に対して安価であるのに加えて、短納期であることが挙げられる。そのため、POD市場においては、いかにして印刷装置のダウンタイムを削減して印刷の生産性を上げるかが課題となっている。
【0005】
POD市場では、顧客から入稿されたジョブをオペレータが順次処理(印刷)を行うといった形態が主となっている。そのような環境で、緊急のジョブが入って来た場合、現在印刷中のジョブを中断して緊急のジョブを印刷したい場合(割り込み印刷)がある。この割り込み印刷においても、生産性が重要視されている。
【0006】
割り込み印刷としては、特許文献1に記載された従来技術が考えられているが、部単位の印刷中に割り込む印刷を許すだけであり、トータルの印刷生産性では課題が残っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2001−246811号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
割り込み印刷は通常、印刷中のジョブ(ここでは割り込まれるジョブと呼ぶ)をジョブの途中でも割り込めるタイミングでまず一時停止し、指定したジョブ(ここでは割り込むジョブと呼ぶ)を印刷する。そして、その割り込むジョブの印刷が終わった後に元の割り込まれるジョブの残りを印刷する。しかしながら、割り込むジョブが多ページで各ページのRIP時間に長い時間を要するようなジョブの場合、割り込むジョブの印刷途中で重たいページのRIPのためサイクルダウンを起こすことにより、トータルの印刷スループットが低下することがある。特に、割り込まれるジョブがRIP済みジョブやVDPジョブのようにエンジンスピードで印刷できている場合、トータルの印刷スループットへの影響が顕著になる。
【0009】
そこで本発明では、割り込まれるジョブや割り込むジョブの状況に応じて、割り込まれるジョブの印刷停止および割り込むジョブの印刷開始のタイミングを制御することにより、割り込み印刷時の生産性低下を抑える画像形成装置を提供することが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、本発明における画像形成装置は、割り込み印刷指示に応じて、処理実行中である割り込まれるジョブに対する処理の途中で、前記割り込み指示が行われた割り込むジョブに対する処理を開始する割り込み印刷処理を実行可能な画像形成装置であって、少なくとも1ページからなる印刷ジョブにRIP処理を施し画像データを生成する生成手段と、前記生成手段により生成された画像データに基づき印刷処理を行う印刷手段と、前記生成手段により前記割り込むジョブに含まれるページに対するRIP処理が終了した場合に、前記割り込まれるジョブに対する印刷処理を中断し、前記割り込むジョブの印刷処理を開始するよう前記印刷手段を制御する制御手段とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明では、割り込まれるジョブや割り込むジョブの状況に応じて、割り込まれるジョブの印刷停止および割り込むジョブの印刷開始のタイミングを制御することにより、トータルの印刷生産性をなるべく落とさずに割り込み印刷を実施することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施形態に適用されるMFPの詳細ブロック図
【図2】MFP制御部のブロック図
【図3】MFP(4Dカラー系)断面図
【図4】RIP部のブロック図
【図5】出力画像処理部(カラー系)のブロック図
【図6】操作部の模式図
【図7】キー入力部の模式図
【図8】タッチパネル部の模式図
【図9】ジョブ状況画面の一例を示す図
【図10】ジョブ状況画面の一例を示す図
【図11】従来の割り込み印刷処理のタイムチャート
【図12】従来の割り込み印刷処理のタイムチャート
【図13】実施例1における割り込み印刷処理のタイムチャート
【図14】実施例1における割り込み印刷処理のフローチャート
【図15】実施例2における割り込み印刷処理のタイムチャート
【図16】実施例2における割り込み印刷処理のフローチャート
【図17】割り込まれるジョブと割り込むジョブの種類と割り込み印刷処理の対応表
【図18】ジョブの種類によって切り替える割り込み印刷処理のフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。
【実施例1】
【0014】
[MFPの構成]
図1は、本実施例に適用される画像形成装置であるMFP(Multi Function Peripheral:マルチファンクション周辺機器)100の詳細ブロック図である。
【0015】
MFP100は、自装置内部に複数のジョブのデータを記憶可能なハードディスク等のメモリを具備し、複数の機能を具備した画像形成装置である。その一機能例が、スキャナから出力されたジョブデータに対し該メモリを介してプリンタ部でプリント可能にするコピー機能である。また、コンピュータ等の外部装置から出力されたジョブデータに対し該メモリを介してプリント部でプリント可能にするプリント機能等を持つ。
【0016】
一般的にMFPには、フルカラー機器とモノクロ機器がある。色処理や内部データなどを除いて、基本的な部分において、フルカラー機器がモノクロ機器の構成を包含することが多い。そのため、ここではフルカラー機器を主に説明し、必要に応じて随時モノクロ機器の説明を加えることとする。
【0017】
又、本システムの構成に関し、上記の如く、複数の機能を具備した複合機能型の画像形成装置を説明する。それとともに、プリント機能のみを具備した単一機能型の画像形成装置等のSFP(Single Function Peripheral:単一機能周辺機器)を具備する構成でも良い。また、いずれか一方のタイプの画像形成装置のみを具備する構成でも良い。又、何れのタイプの画像形成装置であっても、複数台具備する構成でも良い。いずれにしても、本形態の制御が実現可能な構成であればよい。
【0018】
図1で示すように、MFP100は、紙原稿などの画像を読み取り、読み取られた画像データを画像処理する入力画像処理部101を備える。また、MFP100は、ファクシミリなどに代表される電話回線を利用した画像の送受信を行うFAX部102を備える。また、MFP100は、ネットワークを利用して画像データや装置情報をやりとりするNIC(Network Interface Card)部103を備える。さらに、MFP100は、外部装置と画像データなどの情報交換を行う専用インターフェース部104と、USBインターフェース(USB I/F)部105とを備えている。USB I/F部105は、USB(Universal Serial Bus)メモリ(リムーバブルメディアの一種)に代表されるUSB機器と画像データなどを送受する。そして、MFP制御部106では、MFPの用途に応じて画像データを一時保存したり、経路を決定したりといった交通整理の役割を担っている。
【0019】
次に、文書管理部111は、複数の画像データを格納可能なハードディスク等のメモリを具備している。例えば、画像形成装置が具備する制御部(例えばMFP制御部106のCPUなど)が主体となって、各種画像データを該ハードディスクに複数格納可能に制御する。そしてMFP制御部106は、文書管理部111に格納された画像データを適宜読み出して、プリンタ部113等の出力部に転送して、該プリンタ部113によるプリント処理等の出力処理を実行可能に制御する。各種画像データとは、入力画像処理部101からの画像データや、FAX部102を介して入力されたファクシミリジョブの画像データがある。また、NIC部103を介して入力されたコンピュータ等の外部装置からの画像データや、専用I/F部104やUSB I/F部105を介して入力された様々な画像データがありうる。また、オペレータからの指示により、ハードディスクから読み出した画像データを、コンピュータや他の画像形成装置等の外部装置に転送可能に制御する。
【0020】
圧縮伸張部110は、画像データを文書管理部111に記憶する際に、必要に応じて、画像データを圧縮して格納する。また、圧縮伸張部110は、圧縮して格納された画像データを読み出す際に元の画像データに伸張して戻す処理を行っている。また、データがネットワークを経由する際には、JPEG、JBIG、ZIPなど圧縮データを使用することも一般知られており、データがMFP100に入った後、この圧縮伸張部110にて解凍(伸張)される。
【0021】
リソース管理部112は、フォント、カラープロファイル、ガンマテーブルなど共通に扱われる各種パラメータテーブルなどが格納されている。それらを必要に応じて呼び出すことができると共に、新しいパラメータテーブルを格納したり、修正して更新したりすることができる。
【0022】
RIP部108は、PDLデータに対してRIP(Raster Image Processor)処理を施す。MFP制御部106は、PDL(Page Description Language)データが入力された場合に、RIP部108でRIP処理を行わせるよう制御する。出力画像処理部109は、MFP制御部106の制御に従って、プリントする画像に対して、必要に応じてプリントのための画像処理を行う。文書管理部111は、この際に作られる画像データの中間データやプリントレディデータ(プリントのためのビットマップデータやそれを圧縮したデータ)を必要に応じて再度格納する。
そして、画像形成を行うプリンタ部113に送られる。プリンタ部113でプリントアウトされたシートは後処理部114へ送り込まれ、シートの仕分け処理やシートの仕上げ処理が行われる。
【0023】
ここで、MFP制御部106は円滑にジョブを流す役割を担っており、MFP100の使い方に応じて、以下のようにパス切り替えが行われている。但し、中間データとして画像データを必要に応じて格納することは一般に知られているが、ここでは文書管理部111が始点、終点になる以外のアクセスは表記しない。また、必要に応じて利用される圧縮伸張部110と後処理部114、あるいは、全体のコアとなるMFP制御部106などの処理は省略して、おおよそのフローがわかるように記載する。
複写機能 :入力画像処理部→出力画像処理部→プリンタ部
FAX送信機能 :入力画像処理部→FAX部
FAX受信機能 :FAX部→出力画像処理部→プリンタ部
ネットワークスキャン :入力画像処理部→NIC部
ネットワークプリント :NIC部→RIP部→出力画像処理部→プリンタ部
外部装置へのスキャン :入力画像処理部→専用I/F部
外部装置からのプリント :専用I/F部→出力画像処理部→プリンタ部
外部メモリへのスキャン :入力画像処理部→USB I/F部
外部メモリからのプリント:USB I/F部→RIP部→出力画像処理部→プリンタ部
ボックススキャン機能 :入力画像処理部→出力画像処理部→文書管理部
ボックスプリント機能 :文書管理部→プリンタ部
ボックス受信機能 :NIC部→RIP部→出力画像処理部→文書管理部
ボックス送信機能 :文書管理部→NIC部
プレビュー機能 :文書管理部→操作部
上記以外にも、E−mailサービスやWebサーバ機能を初めとして、様々な機能との組み合わせが考えられるが、ここでは割愛する。
【0024】
また、ボックススキャン、ボックスプリント、ボックス受信、あるいは、ボックス送信とは、文書管理部111を利用したデータの書き込みや読み出しを伴うMFPの処理機能である。ジョブ毎やユーザ毎に文書管理部111内のメモリを分割して一次的にデータを保存して、ユーザIDやパスワードを組み合わせてデータの入出力を行う機能である。更に、操作部107は、上記の様々なフローや機能を選択したり操作指示したりするためのものであるが、操作部107の表示装置の高解像度化に伴い、文書管理部111にある画像データをプレビューし、確認後OKならばプリントするといったこともできる。
【0025】
[MFP制御部]
次に、MFP制御部106のブロック図である図2を用いてMFP制御部106について説明する。
【0026】
図2は、大きく分けて4つの部分から成っている。すなわち、入力信号を管理する入力管理部201、入力されたジョブを解釈する入力ジョブ制御部202、ジョブの設定情報を整理する出力ジョブ制御部203、そして、出力装置を割り当てる出力装置管理部204である。
【0027】
入力管理部201は、図1における各インタフェースからの入力信号及を整理したり、切り替えの順序を決定したりする役割を果たす。ここには、入力制御部が存在する。各インタフェースを介して送られてくる入力信号としては、紙原稿のスキャン画像信号やネットワークからのPDLデータといったMFP100の外部から入力された信号がある。それだけでなく、文書管理部111に保管してあった画像データの再プリントやRIP部108、出力画像処理部109との連携といったMFP100の内部で処理された信号も含まれる。
【0028】
入力ジョブ制御部202は、プロトコル解釈部とジョブ生成部から構成されている。入力制御部から送られてくる一連の操作要求は、コマンド(プロトコル)と呼ばれる命令信号で受信される。プロトコル解釈部はその操作要求の概要を解釈し、MFP100の内部で理解できる操作手順に変換する。一方、ジョブ生成部はプリントジョブ、スキャンジョブ、PDL展開ジョブ、ファックス受信ジョブ等様々なジョブを生成する。生成されたジョブは、MFP100の内部でどのような処理を施して、どこに送られるかといったそれぞれのシナリオが定義付けされて、そのシナリオに従ってMFP100の内部を流れることとなる。
【0029】
出力ジョブ制御部203では、ジョブ解析部、バインダ解析部、ドキュメント解析部及び、ページ解析部において、ジョブの設定情報(俗に、ジョブチケットと呼ばれる)と画像情報が作成される。ジョブ解析部では、印刷する文書名や印刷部数、出力先の排紙トレイ指定、複数バインダで構成されるジョブのバインダ順などジョブ全体に関わる設定情報の詳細が解析される。バインダ解析部では、製本方式の設定やステープルの位置、複数ドキュメントで構成されるバインダのドキュメント順などバインダ全体に関わる設定情報の詳細が解析される。ドキュメント解析部では、複数ページで構成されるドキュメントのページ順、両面印刷の指定、表紙や合紙の付加などドキュメント全体に関わる設定情報の詳細が解析される。ページ解析部では、画像の解像度、画像の向き(ランドスケープ/ポートレイト)等の各種設定ページ全体に関する設定情報の詳細が解析される。またページ解析部は、PDLデータが入力された場合にはRIP部108を呼び出し、PDLデータに対してRIP処理を施すよう制御する。尚、ページ画像情報は、RIP部108によるRIP処理により生成される。生成されたページ画像情報は、圧縮伸張部110において圧縮された後、文書管理部111に設定情報と関連付けされて格納される。
【0030】
出力装置管理部204は、出力装置割り当て部と出力装置制御部で構成されている。文書管理部111に保存された画像情報は圧縮伸張部110にて伸張され、関連付けられていた設定情報と一緒に読み出され、設定情報と画像情報は一対になって出力装置管理部204に送られてくる。出力装置割り当て部は、定義付けされたそれぞれのジョブのシナリオに基づいて、出力装置を割り当てる際に、複数のジョブが同時に処理を進めると出力装置の競合が発生するため、それを調停する役割を果たす。出力装置制御部は、プリンタ部113、後処理部114などどの出力装置を利用するかをスケジューリングする。
【0031】
[MFP100のハード構成]
次にMFP100のハード構成について、図3の断面図を用いて説明する。MFP100は、スキャナ部、レーザ露光部、感光ドラム、作像部、定着部、給紙/搬送部及び、これらを制御する不図示のプリンタ制御部から構成される。
スキャナ部は、原稿台に置かれた原稿に対して、照明を当てて原稿画像を光学的に読み取り、その像を電気信号に変換して画像データを作成する工程である。
レーザ露光部は、前記画像データに応じて変調されたレーザ光などの光線を等角速度で回転する回転多面鏡(ポリゴンミラー)に入射させ、反射走査光として感光ドラムに照射する。
【0032】
作像部は、感光ドラムを回転駆動し、帯電器によって帯電させ、前記レーザ露光部によって感光ドラム上に形成された潜像をトナーによって現像する。そして、そのトナー像をシートに転写し、その際に転写されずに感光ドラム上に残った微小トナーを回収するといった一連の電子写真プロセスの現像ユニット(現像ステーション)を4連持つことで実現している。シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の順に並べられた4連の現像ユニットは、シアンステーションの作像開始から所定時間経過後に、マゼンタ、イエロー、ブラックの作像動作を順次実行していく。このタイミング制御によって、シート上に色ずれのない、フルカラートナー像が転写される。
【0033】
定着部は、ローラやベルトの組み合わせによって構成され、ハロゲンヒータなどの熱源を内蔵し、前記作像部によってトナー像が転写されたシート上のトナーを、熱と圧力によって溶解、定着させる。
【0034】
給紙/搬送部は、シートカセットやペーパーデッキに代表されるシート収納庫を一つ以上持っており、前記プリンタ制御部の指示に応じてシート収納庫に収納された複数のシートの中から一枚分離し、作像部・定着部へ搬送する。シートは搬送され、前述の現像ステーションによって、各色のトナー像が転写され、最終的にフルカラートナー像がシート上に形成される。また、シートの両面に画像形成する場合は、定着部を通過したシートを再度作像部へ搬送する搬送経路を通るように制御する。
【0035】
プリンタ制御部は、MFP全体を制御するMFP制御部と通信して、その指示に応じて制御を実行すると共に、前述のスキャナ、レーザ露光、作像、定着、給紙/搬送の各部の状態を管理しながら、全体が調和を保って円滑に動作できるよう指示を行う。
【0036】
定着部を通過したシートは、搬送経路上の画像読み取りセンサ部を通り、この画像読み取りセンサ部で印字された画像データが読み取られる。読み取られた画像データは、出力画像の濃度測定や出力画像に異常がないかどうかを確認する検品等に使用される。
【0037】
[RIP部]
次に、RIP部108のブロック図である図4を用いて、RIP部108の構成について説明する。RIPとは、各種オブジェクト情報をメモリ上にビットマップ(ラスタイメージ)展開するプロセッサである。各種オブジェクト情報は、PDLで記述された文字、線画、図形などのベクトル情報、あるいは、色、パターン、写真などの画像走査線情報などである。元来、ハードウェアとして出力装置側に搭載されていたが、現在では、CPUの高速化によりソフトウェアで実現されている。
【0038】
RIP部108は、インタプリタ部401とレンダリング部402の2つの部分から成り立っている。インタプリタ部は、PDLの翻訳を行うPDL解釈部と、解釈したPDLデータからディスプレイリストと呼ばれる中間ファイルを生成するDL(Display List)生成部とで構成されている。一方、レンダリング部は、ディスプレイリストに対してカラーマッチングを行うCMM(Color Matching Module)部と、ディスプレイリストをビットマップ(ラスタイメージ)に展開するDL展開部とで構成されている。
【0039】
PDL解釈部は、入力されてきた様々な種類のPDLデータを解析する部分である。入力フォーマットとしては、Adobe社のPostScript(登録商標)言語やHP(Hewlett−Packard)社のPCL(Printer Control Language)言語などが有名である。これらは、ページ単位の画像を作成するためのプリンタ制御コードで記載されており、単純な文字コードのほか、図形描画のコードや写真画像のコードなども含まれている。また、PDF(Portable Document Format)というAdobe社の開発した文書表示用ファイル形式も様々な業界で多用されており、ドライバを使用せず直接MFPに投げ込まれたこのフォーマットも対象としている。そのほか、PPML(Personalized Print Markup Language)と呼ばれるVDP(Variable Data Print)向けフォーマットにも対応している。さらに、JPEG(Joint Photographic Experts Group)やTIFF(Tagged Image File Format)と呼ばれるカラー画像の圧縮フォーマットなどにも対応している。
【0040】
また、CMM部では、グレースケール、RGB、CMYKなど様々な画像データの入力が可能である。その他の色空間の場合には、一度CRD(Color Rendering Dictionary)にてCMYK空間に変換された後、カラーマッチングが施される。CMM部において、ICCプロファイルによる色調整が行われる。ICCプロファイルは、ソースプロファイルとプリンタプロファイルとがある。ソースプロファイルは、RGB(またはCMYK)データを一度規格化されたL*a*b*空間に変換し、このL*a*b*データを再度ターゲットとなるプリンタに適したCMYK空間に変換する。このとき、ソースプロファイルは、RGBプロファイルとCMYKプロファイルからなっている。入力画像がRGB系画像(Microsoft社のアプリケーションソフトやJPEG、TIFF画像等)の場合は、RGBプロファイルが選択される。CMYK系画像(Adobe社のPhotoshopやIllustratorの一部データなど)の場合にはCMYKプロファイルが選択される。次に、プリンタプロファイルは、各プリンタの色特性に合わせて作られている。RGB系画像の場合は、Perceptual(色味優先)やSaturation(鮮やかさ優先)を選択するのが好ましい。CMYK系画像の場合は、Colorimetric(色差最小)を選んで最適画像を出力することが多い。また、ICCプロファイルは、一般にルックアップテーブル形式で作られている。ソースプロファイルでは、RGB(またはCMYK)データが入力されると、一意にL*a*b*データに変換される。逆にプリンタプロファイルでは、L*a*b*データからプリンタにマッチしたCMYKデータに変換される。なお、カラーマッチングを必要としないRGBデータは、デフォルトの色変換によりCMYKデータに変換されて出力され、カラーマッチングを必要としないCMYKデータに対しては、そのまま出力される。
【0041】
RIP部108で展開された画像データは、MFP制御部106の制御のもと圧縮伸張部110を介して文書管理部111に保持される。
【0042】
[出力画像処理部]
次に出力画像処理部109のブロック図である図5を用いて出力画像処理部109について説明する。出力画像処理部109(カラー系)に入力される画像データは大きく分けて複写動作など入力画像処理部101からの出力データを扱うRGB系データとネットワークプリント動作などRIP部108からの出力データを扱うCMYK系データとに分かれている。
【0043】
前者の場合、下地除去部に入力され、後者の場合は、出力ガンマ補正部に入力される。
まず、下地除去部では、スキャナで読み取ったRGB画像データに対して、下地部を除去するための非線形変換を行う。
【0044】
次に出力ダイレクトマッピング部において、RGB画像データからCMYK画像データに変換される。変換においては、RGBそれぞれの値をルックアップテーブルに入力し、その出力値の総和からC(Cyan)成分を作る。同様に、M(Magenta)、Y(Yellow)、K(blacK)それぞれの成分もルックアップテーブルとその加算演算で形成している。このとき、入力画像処理部101にて検出された像域データに基づいて、3次元のルックアップテーブルが利用されており、文字領域と写真領域ではそれぞれ異なる種類のルックアップテーブルが適用されている。
【0045】
出力ガンマ補正部では、プリンタに対応した出力画像の濃度補正を行っている。CMYKそれぞれ一次元のルックアップテーブルを利用して、画像形成ごと異なる出力画像データのリニアリティを保つ役割を果たしており、一般的にカラーキャリブレーションの結果は、このルックアップテーブルに反映される。
【0046】
ハーフトーン処理部は、MFP機能に応じて、異なる種類のスクリーニングを択一的に適用することができる。一般に、複写動作などでは、モアレの起きにくい誤差拡散系のスクリーニングを利用し、プリント動作では、文字や細線の再現性を考えてディザマトリクスなどを利用した多値スクリーン系のスクリーニングを用いることが多い。前者は、注目画素とその周辺画素に対して誤差フィルタで重み付けし、階調数を保ちながら多値化の誤差を配分して補正していく方法である。一方、後者は、ディザマトリックスの閾値を多値に設定し、擬似的に中間調を表現する方法で、CMYK独立に変換し、入力画像データによって低線数と高線数とを切り替えて再現する。
【0047】
更に、スムージング処理部では、CMYKそれぞれに対し、エッジ部分をパターンマッチングにより検出し、より滑らかに再現されるパターンに変換することでジャギーを軽減する方法である。
【0048】
[操作部]
次に図6の操作部107の模式図を用いて操作部107について説明する。図6はMFP100の操作部107を表しており、操作部107は、キー入力部とタッチパネル部から成っている。それぞれの詳細を示したものが図7及び図8であり、以下にそれぞれの詳細を説明する。
【0049】
まず、図7は、キー入力部の模式図であり、定常的な操作設定を行うことができるキー入力部分である。操作部電源スイッチは、スタンバイモード(通常動作状態)とスリープモード(メインコントローラは、ネットワークプリントやファクシミリなどに備えて割り込み待ち状態でプログラムを停止して、消費電力を抑えている状態)を切り替えるものである。システム全体の電源供給を行う主電源スイッチがON状態で制御することができる。
【0050】
節電キーは、スタンバイモード時の定着器の制御温度を下げて、プリント可能な状態まで時間は要するが、消費電力を抑えることができるキーである。節電率の設定により制御温度を下げることもできる。
【0051】
スタートキーは、コピーや送信などの開始を指示するキーであり、ストップキーは、それを中断するキーである。テンキーは、各種設定の置数を行うためのキーであり、クリアキーは、その置数を解除するためのキーである。IDキーは、MFPの操作者を認証するために、予め設定された暗証番号を入力させるためのキーである。
【0052】
リセットキーは、各種設定を無効にし、デフォルト状態に戻すためのキーである。ヘルプキーは、ガイダンスやヘルプを表示させるためのキーであり、ユーザモードキーは、ユーザごとのシステム設定画面に移行するためのキーである。カウンタ確認キーは、MFP内に設けてあるプリント枚数などをカウントするソフトカウンタに記憶されている出力済み枚数を表示させるためのキーである。コピー/プリント/スキャン/ファックスなどの動作モード、カラー/白黒といった色モード、ラージ/スモールといった紙サイズなどに応じて、それぞれの出力済み枚数を表示させることができる。
【0053】
画像コントラストダイヤルは、タッチパネル部の液晶表示のバックライトを調光するなどして、画面の見易さを調整するためのダイヤルである。実行/メモリランプは、ジョブの実行中やメモリへのアクセス中に点滅して知らせるランプである。エラーランプは、ジョブの実行ができない場合やサービスマンコールなどのエラー、あるいは、ジャムや消耗品切れなどを知らせるオペレータコールなどの際に点滅して知らせるランプである。
【0054】
次に、図7は、LCD(Liquid Crystal Display:液晶表示部)とその上に貼られた透明電極からなるタッチパネルディスプレイを表した模式図である。LCDに表示されるキー相当の部分の透明電極を指で触れると、それを検知して別の操作画面を表示するなど予めプログラムされている。図7は、スタンバイモード時の初期画面であり、設定操作に応じて様々な操作画面を表示することができる。
【0055】
コピータブは、コピー動作の操作画面に遷移するためのタブキーである。送信タブは、ファックスやE−mail送信など送信(Send)動作を指示する操作画面に遷移するためのタブキーである。ボックスタブは、ボックス(ユーザごとにジョブを格納する記憶手段)にジョブを入出力操作するための画面に遷移するためのタブキーである。オプションタブは、スキャナ設定など拡張機能を設定するためのタブキーである。システムモニタキーは、MFPの状態や状況を表示するためのキーである。各タブを選択することで、それぞれの操作モードに遷移することができる。
【0056】
色選択設定キーは、カラーコピー、白黒コピー、あるいは自動選択かを予め選択するためのキーである。倍率設定キーは、等倍、拡大、縮小などの倍率設定を行う画面に遷移するキーである。後処理設定キーはステープルやパンチなどの有無、個数、位置などを設定する画面に遷移するキーである。両面設定キーは、片面印刷か両面印刷かを選択する画面に遷移するキーである。紙サイズ設定キーは、給紙段や紙サイズ、メディアタイプを選択する画面に遷移するキーである。画像モード設定キーは、文字モードや写真モードなど原稿画像に適した画像モードを選択するためのキーである。濃度設定キーは、出力画像を濃くしたり薄くしたり調整するためのキーである。
【0057】
次に、ステータス表示部は、スタンバイ状態、ウォームアップ中、ジャム、エラー等の簡易的な状態表示を行う表示部である。倍率表示部は、倍率設定キーで設定された倍率を表示し、紙サイズ表示部は、紙サイズ設定キーで設定された紙サイズやモードを表示し、枚数表示部は、テンキーで指定された枚数を表示したり、動作中に何枚目を印刷中かを表示したりする。更に、割り込みキーは、コピー動作中に別のジョブを割り込ませる場合に利用し、応用モードキーは、ページ連写、表紙・合紙設定、縮小レイアウト、画像移動など様々な画像処理やレイアウトなどの設定を行う画面に遷移するためのキーである。
【0058】
[ジョブ状況画面]
次に、印刷中または印刷待ちの印刷ジョブ(以降単にジョブと記載する)の状況画面に関して説明する。図8に示してあるタッチパネル上のプリントタブを選択すると、図9に示してあるジョブ状況画面が表示される。このジョブ状況画面には、印刷中または印刷待ちのジョブのリストが表示され、各ジョブに対して、ジョブ名、ユーザ名、状況等が表示される。ここで、ジョブリスト中の「プリントジョブ4.doc」はリストの背景色が他のジョブとは異なる状態で表示されており、ジョブがユーザによって選択されていることを示している。
【0059】
この選択されたジョブに対して、画面下にある「割り込み印刷実行」ボタンを押下した場合は、図10に示してあるように、現在印刷中のジョブ「プリントジョブ1.doc」の印刷が一時中断され、「プリントジョブ4.doc」の印刷が割り込んで開始される。「プリントジョブ4.doc」の印刷が完了したら、一時中断されていた「プリントジョブ1.doc」の印刷が再開される。
【0060】
ここで、ジョブの割り込み印刷を行う際のMFP100の制御に関して説明する。出力ジョブ制御部203に入力されたジョブは、ジョブ解析部によってジョブの設定情報が解析され、バインダ解析部、ドキュメント解析部、ページ解析部による処理を経て、RIP部108へ送られる。RIP部108で展開処理が行われた画像データは、圧縮伸張部110で圧縮処理され、文書管理部111で保持される。この文書管理部111では、ジョブの優先度に応じて印刷順序の管理が行われている。
【0061】
[従来の割り込み印刷処理]
図11を用いて、従来の割り込み印刷の概要を説明する。図11は左から右への水平方向を時間軸に取って、割り込まれるジョブ#1と割り込むジョブ#2の処理の関係を示している。尚、割り込まれるジョブ#1が割り込まれることなく処理されたら矢印1101のような時間で印刷されるものとする。
【0062】
三角印1102のタイミングで、ジョブ#2を処理実行中のジョブ#1に対して割り込む指示(割り込み印刷指示)がなされた場合、図11の下半分のような処理になる。まず、ジョブ#2のRIPが矢印1104のように開始される。そしてジョブ#2のRIPが進み印刷開始できるようになると、ジョブ#1の印刷は停止され、ジョブ#2の印刷が開始される(矢印1105)。ジョブ#2の印刷が終わると、ジョブ#1の残りを印刷を再開する(矢印1106)。
【0063】
[従来の割り込み印刷処理の課題]
図11で説明した、従来の割り込み処理の課題を図12を使って説明する。図12は、図11同様に割り込まれるジョブ#1と割り込むジョブ#2の処理の関係を示している。ジョブ#1が割り込まれることなく処理されたら矢印1301のような時間で印刷されるものとする。三角印1202のタイミングで、ジョブ#2のジョブ#1に対する割り込みが指示された場合、図12の下半分のような処理になる。まず、ジョブ#2のRIP処理が矢印1204のように開始される。ジョブ#2のRIP処理が進み印刷開始できるようになると、ジョブ#1の印刷が停止され、ジョブ#2の印刷が開始される(矢印1205)。ここで、図12が図11から異なるのは、ジョブ#2が処理に時間のかかる重たいジョブであり、RIP処理時間1204が長い点である。プリンタ部113による印刷は、例えばA4で毎分135枚のように印刷速度は決まっている。プリンタ部113の印刷速度にRIP処理が間に合わないようなジョブの場合、印刷を一旦停止し、RIP処理によって画像データが準備され次第印刷を再開する。印刷が一旦停止する場合、後回転と呼ばれる、停止するための処理時間がかかり、また印刷を再開するには前回転と呼ばれる、安定した印刷速度で印刷を再開するための処理時間がかかる。図12の1206,1207はその様子をあらわしている。その後ジョブ#2の印刷が終わると、割り込まれるジョブ#1の残りを印刷する(1208)。
【0064】
このように、割り込むジョブであるジョブ#2がRIP処理に時間のかかるジョブの場合、プリンタ部113が一旦停止するため、トータルの印刷スループットが低下してしまう。特に割り込まれるジョブ#1が全ページをRIP済みの状態で印刷を開始するような場合では、割り込まれるジョブ#1はプリンタ部113を一旦停止させずに連続プリント出来る。また、多くのバリアブルデータプリント(VDP)ジョブでは、再利用する画像を一回のRIPで済ませることにより各ページのRIP時間を節約するため、プリンタ部113を一旦停止させずに印刷できる。このようなケースでは、割り込むジョブ#2がプリンタ部113の一旦停止を発生させると、全体での印刷の生産性が著しく低下してしまう。
【0065】
[実施例1におけるMFP100による割り込み印刷処理]
次に本実施例におけるMFP100による割り込み処理の流れを、図13を用いて説明する。図13は、図12同様に割り込まれるジョブ#1と割り込むジョブ#2の処理の関係を示している。割り込まれるジョブ#1が割り込まれることなく処理されたら矢印1301の時間でRIP処理され、矢印1302の時間で印刷されるものとする。三角印1303のタイミングで、ジョブ#2のジョブ#1に対する割り込みが指示された場合、図13の下半分のような処理になる。まず、ジョブ#1のRIP処理が矢印1304のように中断されるとともに、ジョブ#2のRIP処理が矢印1306のように開始される。
【0066】
ここで、ジョブ#2のRIPが進み印刷開始できるようになっても、ジョブ#1の印刷をすぐには停止されず、条件が満たされた場合に停止される。この条件とは、「ジョブ#2に含まれる全ページのRIP処理が終了する」、または「ジョブ#1に含まれるのRIP処理が完了しているページまでの印刷が終わる」のいずれかである。このいずれかの条件が満たされれば、ジョブ#1の印刷は中断され(1305)、ジョブ#2の印刷が開始される(1307)。ジョブ#2のRIP(1306)が終了すると、ジョブ#1のリップが完了していない残りのページのRIPが再開される(1308)。そして、ジョブ#2の印刷(1307)が終了すると、ジョブ#1の残りのページの印刷が再開される(1309)。
【0067】
図13が図12で説明した従来の割り込み印刷処理に対して異なるのは、割り込むジョブ#2の印刷開始を条件に従って遅らせた点である。図13で説明した通り、割り込むジョブ#2のRIP処理をできるだけ進めてから割り込むジョブ#2の印刷を開始することにより、図12のようにプリンタ部113の印刷速度にRIP処理が間に合わず、印刷が一時停止することを避けている。その結果、ジョブ#2の印刷終了は早くなり、割り込まれるジョブ#1の再開印刷も含めて、全体として印刷時間の短縮が可能となる。
【0068】
図13で説明したMFP100における割り込み印刷処理の流れを、図14に示すフローチャートを用いて説明する。図14は、割り込み処理が指示された際の、MFP制御部106のCPUの処理である。尚、図14のフローチャートにおける各処理は、MFP制御部106のCPUが、同MFP制御部106のメモリまたはハードディスクとうに格納されているプログラムを実行することによって実現される。また、図14のフローチャートは、図9、図10で示す操作部107の画面上にて、割り込み印刷の実行指示がユーザによりなされた後の処理を示している。もちろん、割り込み印刷実行指示は、操作部107からに限らず、例えばMFP100とネットワーク介して接続されているクライアントPCのような外部装置から行われても構わない。
【0069】
1401にて、MFP制御部106は、RIP部108でRIP中のジョブが存在するか確認する。確認の結果、RIP中のジョブが存在しない場合、1403へ移行する。一方、RIP中のジョブが存在した場合、1402へ移行する。
【0070】
1402において、MFP制御部106は、RIP中のジョブのRIP処理を中断させ、1403へ処理を移す。1403にて、MFP制御部106は、割り込むジョブのRIP処理を開始するよう、RIP部108を制御する。
【0071】
1404にて、MFP制御部106は、割り込むジョブが印刷開始可能かどうかを判定する。割り込むジョブの条件によって印刷可能と判断するタイミングが異なるが、例えば、MFP制御部106は、割り込むジョブが片面正順印刷の場合は、1ページ目のRIPが終了すると印刷可能と判定する。印刷可能と判定された場合は、1405に移行し、印刷可能と判定されなかった場合は1404にて判定を続ける。
【0072】
1405にて、MFP制御部106は、割り込むジョブが全ページRIP済みかどうかを判定する。全ページRIP済みであると判定された場合は、1407に移行し、全ページRIP済みでないと判定された場合は、1406に移行する。
【0073】
1406において、MFP制御部106は、プリンタ部113で印刷中のジョブがあるかどうかを判定する。印刷中のジョブがあると判定された場合は、1405に移行し、印刷中のジョブがないと判定された場合は、1409に移行する。ここでの判定は、割り込むジョブのRIP処理が全ページ完了していない場合に行われ、割り込むジョブのRIP処理中に割り込まれるジョブの印刷をできるだけ印刷するための処理である。
【0074】
1407において、MFP制御部106は、プリンタ部113で印刷中のジョブがあるかどうかを判定する。印刷中のジョブがあると判定された場合は、1408に移行し、印刷中のジョブがないと判定された場合は、1409に移行する。ここでの判定は、割り込むジョブのRIP処理が全ページ完了している場合に行われ、割り込むジョブの印刷を開始する前に中断すべき印刷中のジョブがあるかどうかを確認するための処理である。
【0075】
1408において、MFP制御部106は、印刷中のジョブの印刷を中断するようプリンタ部113を制御する。1409において、MFP制御部106は、割り込むジョブの印刷を開始するようプリンタ部113を制御する。
【0076】
1410において、MFP制御部106は、RIP部108において割り込むジョブのRIP処理が全ページ分終了したかどうかを判定する。割り込むジョブのRIP処理が終了していないと判定された場合は1410にて判定を続け、RIP処理が終了していると判定された場合は1411に移行する。
【0077】
1411において、MFP制御部106は、RIP処理を中断されているジョブがあるかどうかを判定する。RIP処理を中断されているジョブがあると判定された場合は1412に移行し、RIP処理を中断されているジョブがないと判定された場合は1413に移行する。
【0078】
1412において、MFP制御部106は、RIP処理を中断されていたジョブのRIP処理を再開するようRIP部108を制御する。1413において、MFP制御部106は、割り込むジョブに含まれる全てのページの印刷が終了したかどうかを判定する。割り込むジョブの印刷が終了したと判定された場合1414に移行し、割り込むジョブの印刷が終了していないと判定された場合1413にて判定を続ける。
【0079】
1414にて、MFP制御部106は、印刷を中断されているジョブがあるかどうかを判定する。印刷を中断されているジョブがあると判定された場合1415に移行し、印刷を中断されているジョブがないと判定された場合割り込み処理を終了する。
【0080】
1415において、MFP制御部106は、印刷を中断されていたジョブの印刷を再開するようプリンタ部113を制御し、割り込み処理を終了する。
【0081】
以上説明したように、本実施例では、1504にて、割り込むジョブが印刷開始可能と判断された場合でも、すぐに割り込むジョブの印刷を開始するのではなく、1505、1506での判定で条件が満たされるのを待って割り込むジョブの印刷が開始される。そのため、プリンタ部113の印刷速度にRIP処理が間に合わず、印刷が一時停止することを防ぎ、その結果、割り込むジョブの印刷終了は早くなり、割り込まれるジョブの再開印刷も含めて、全体として印刷時間の短縮が可能となる。
【実施例2】
【0082】
実施例1においては、割り込むジョブに含まれる全ページのRIP処理が終了した場合、または割り込まれるジョブに含まれるのRIP処理が完了しているページまでの印刷が終わった場合に割り込むジョブの印刷を開始した。本実施例においては、割り込むジョブの印刷を開始する条件として、割り込むジョブに含まれるページのうち予め定められた所定ページ以上のRIP処理が終了した場合を加えた処理について説明する。
【0083】
尚、本実施例に適用されるMFPは、実施例1と同様であるため、説明は省略する。フローチャートを用いた処理の詳細説明に関しても、実施例1と差異のある部分についてのみ説明を行う。
【0084】
[実施例2におけるMFP100による割り込み印刷処理]
次に本実施例におけるMFP100による割り込み処理の流れを、図15を用いて説明する。図15は、図13同様に割り込まれるジョブ#1と割り込むジョブ#2の処理の関係を示している。割り込まれるジョブ#1が割り込まれることなく処理されたら矢印1501の時間でRIP処理され、矢印1502の時間で印刷されるものとする。三角印1503のタイミングで、ジョブ#2のジョブ#1に対する割り込みが指示された場合、図15の下半分のような処理になる。まず、ジョブ#1のRIP処理が矢印1504のように中断されるとともに、ジョブ#2のRIP処理が矢印1506のように開始される。
【0085】
ここで、ジョブ#2のRIPが進み印刷開始できるようになっても、ジョブ#1の印刷をすぐには停止されず、条件が満たされた場合に停止される。この条件とは、「ジョブ#2に含まれる全ページまたは所定ページ以上のRIP処理が終了する」、または「ジョブ#1に含まれるのRIP処理が完了しているページまでの印刷が終わる」のいずれかである。このいずれかの条件が満たされれば、ジョブ#1の印刷は中断され(1505)、ジョブ#2の印刷が開始される(1507)。尚、図15の例では所定ページ数を50ページとしているが、プリンタ部113の印刷速度等システムに最適な他の値の場合もある。また設定によって変更可能にしてもよく、さらにジョブのページ数やRIP処理にかかる処理時間等のジョブ情報に従って最適なページ数を自動的に決定する構成であっても構わない。ジョブ#2のRIP(1506)が終了すると、ジョブ#1のリップが完了していない残りのページのRIPが再開される(1508)。そして、ジョブ#2の印刷(1507)が終了すると、ジョブ#1の残りのページの印刷が再開される(1509)。
【0086】
図15が図13で説明した実施例1の割り込み印刷処理に対して異なるのは、割り込むジョブ#2の印刷開始を条件として、割り込むジョブ#2に含まれる所定ページ以上のRIP処理の終了を追加した点である。これにより、特に割り込むジョブ#2のページ数が多い場合、その割り込むジョブ#2を優先したいために割り込んでいるのに、割り込むジョブ#2の印刷開始が必要以上に遅くなってしまうことを防ぐことが可能となる。
【0087】
図15で説明したMFP100における割り込み印刷処理の流れを、図16に示すフローチャートを用いて説明する。図16は、割り込み処理が指示された際の、MFP制御部106のCPUの処理である。尚、図16のフローチャートにおける各処理は、MFP制御部106のCPUが、同MFP制御部106のメモリまたはハードディスクとうに格納されているプログラムを実行することによって実現される。また、図16のフローチャートは、図9、図10で示す操作部107の画面上にて、割り込み印刷の実行指示がユーザによりなされた後の処理を示している。もちろん、割り込み印刷実行指示は、操作部107からに限らず、例えばMFP100とネットワーク介して接続されているクライアントPCのような外部装置から行われても構わない。また、図16のフローチャートにおいて、1701〜1704、1706〜1715の処理は、図14のフローチャートにおける1401〜1404、1406〜1415の処理と同様であるため説明を省略し、1705の処理についてのみ説明する。
【0088】
1705にて、MFP制御部106は、割り込むジョブが全ページまたは所定ページ以上RIP済みかどうかを判定する。全ページまたは所定ページ以上RIP済みであると判定された場合は、1407に移行し、全ページまたは所定ページ以上RIP済みでないと判定された場合は、1406に移行する。
【0089】
以上のとおり本実施例における割り込み印刷処理では、割り込まれるジョブの全てのページのRIPを待たず、所定のページ数以上のRIPを終えると割り込むジョブの印刷を開始する。そのため、割り込むジョブのFPOTが不必要に遅くなることを防ぐことができる。ただし、所定のページ数移行のページでRIPに時間のかかるページが存在する時には、割り込むジョブの印刷中にサイクルダウンを発生してしまうことはありうる。従って、ジョブによっては、実施例1の割り込み印刷処理ほうが好ましいケースはわずかながらありうる。そのため、所定のページ数を設定可能とし、その設定が「0ページ」と設定された場合には、実施例1と同等の割り込み印刷処理処理をMFP制御部106が行うようにしてもよい。
【0090】
(その他の実施例)
その他の実施例として、割り込まれるジョブと割り込むジョブの種類に従って、割り込み印刷処理の制御方法を切り替える実施例について図17、図18を用いて説明する。
【0091】
ここでは、MFP制御部106の設定として、RIP while PrintかRIP then Printかを持ち、操作部107を通して管理者が変更できる。RIP while Printがデフォルト設定である。RIP while Print設定では、図2において、プリントジョブは、最終ページまで文書管理部111に保存されるのを待たず、必要なページが文書管理部111に保存され次第、出力装置管理部204を介してプリンタ部113に送られる。一方、RIP then Print設定では、プリントジョブは、最終ページまで文書管理部111に保存されてから、出力装置管理部204を介してプリンタ部113に送られる。また、MFP制御部106がRIP while Print設定であっても、ジョブに対してRIPのみ処理し、印刷せず文書管理部111へラスター付きジョブとして保存しておき、後から必要に応じてプリントすることができる。その場合はRIP then Printのジョブとしてみなす。RIP while Printのジョブは、1ページ目がプリンタ部113によって最も速く印字されるメリットがある。すなわち、FPOT(First Print Output Time)が最も短くなる。しかし、RIPに時間のかかるようなページが途中にあるとプリンタ部113の印刷速度にRIPが間に合わず、サイクルダウンを起こしトータルの印刷スループットが低下することがある。一方、RIP then Printのジョブは、最後のページまでRIP済みで印刷を開始するため、RIPが印刷速度に間に合わないことによるサイクルダウンは起こらず、プリンタ部113の印刷速度を最大限に活かせる。しかし、FPOTは長くなる。以上説明したとおり、RIP while Printのジョブとは、ジョブに含まれる全てのページのRIP処理が終了する前に印刷処理を開始するジョブである。また、RIP then Printのジョブとは、ジョブに含まれる全てのページのRIP処理が終了した後に印刷処理を開始するジョブである。
【0092】
さらに、ここでは、プリントジョブはジョブの属性としてVDP(バリアブルプリントジョブ)か非VDPのいずれかを持つ。VDPはVariable Data Printの略である。VDP用の記述言語であるPPMLやVPS、PDF/VT等で記述されたジョブであればVDPとみなし、そうでなければ非VDP(即ちバリアブルプリントジョブでない)とみなす。VDPジョブでは一般に、ページ間で再利用される共通背景画像のような画像のRIPを一回だけ行い、2回目からはそれを再利用することにより、RIP時間の短縮をはかることができる。そのため、RIP while Printでも印刷中のサイクルダウンを起こしにくく、連続プリントを見込める。
【0093】
割り込まれるジョブと割り込むジョブのこれらの属性に応じて、最適な割り込み印刷処理を適用させるための対応表を図17に示している。まず、割り込まれるジョブがRIP while Printかつ非VDPの場合、割り込まれるジョブはサイクルダウンが起こりうるジョブである。この場合、割り込むジョブもFPOT優先の従来処理なるようMFP制御部106が制御し、サイクルダウンが起こってもやむなしと判断する(第2の制御)。ここで従来処理とは、図11で説明した割り込み印刷処理である。次に、割り込まれるジョブがVDPまたはRIP then Printの場合は、連続プリントを見込める。連続プリントを見込めるジョブを印刷中に割り込むジョブは、極力サイクルダウンを起こさず、トータル印刷スループットが落ちないようにする。つまり、割り込むジョブがVDPまたはRIP then Printの場合は連続プリントを見込めるため、FPOT優先の従来処理を行うようMFP制御部106制御する(第2の制御)。割り込むジョブがRIP while Printかつ非VDPの場合はサイクルダウンが起こりうるので、新規処理を行うようMFP制御部106が制御する(第1の制御)。ここで新規処理とは、図16で説明した連続印刷優先の割り込み印刷処理である。
【0094】
図18に、割り込み処理が指示された際の、MFP制御部106の処理を示す。1801でMFP制御部106は割り込むジョブがRIP while Printかどうかをチェックする。そうでなければ1805でMFP制御部106はFPOT優先の割り込み印刷処理(従来処理)を行うよう制御する。このFPOT優先の割り込み印刷処理(従来処理)は、図12で説明した割り込み印刷処理である。1801で割り込むジョブがRIP while Printの場合、1802にてMFP制御部106は割り込むジョブがVDPジョブ化どうかをチェックする。そうであれば、1805でMFP制御部106はFPOT優先の割り込み印刷処理(従来処理)を行う。1802にて割り込むジョブがVDPジョブでなければ、1803にて、MFP制御部106は割り込まれるジョブがRIP while Printかチェックする。そうでなければ、MFP制御部106は連続印刷優先の割り込み印刷処理(新規処理)、すなわち図17で説明した割り込み印刷処理を行う。1803で割り込まれるジョブがRIP while Printの場合は、MFP制御部106は1804にて割り込まれるジョブがVDPかどうかをチェックする。そうであれば、MFP制御部106は連続印刷優先の割り込み印刷処理(新規処理)を行う。そうでなければ、1805でMFP制御部106はFPOT優先の割り込み印刷処理(従来処理)を行う。
【0095】
以上述べたように、割り込まれるジョブと割り込むジョブの種類や状況に応じて割り込むジョブの印刷開始タイミングを最適に制御することにより、割り込むジョブの印刷開始を必要以上に単純に遅らせることなく連続プリントを維持できるようになる。それにより、全体の印刷スループットを向上できる。
【0096】
以上、本発明の各実施例について具体例を挙げて説明したが、本発明は上記の実施例に限定されるものではない。また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施例の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。この場合、そのプログラム、及び該プログラムを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【符号の説明】
【0097】
100 MFP
106 MFP制御部
108 RIP部
113 プリンタ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
割り込み印刷指示に応じて、処理実行中である割り込まれるジョブに対する処理の途中で、前記割り込み指示が行われた割り込むジョブに対する処理を開始する割り込み印刷処理を実行可能な画像形成装置であって、
少なくとも1ページからなる印刷ジョブにRIP処理を施し画像データを生成する生成手段と、
前記生成手段により生成された画像データに基づき印刷処理を行う印刷手段と、
前記生成手段により前記割り込むジョブに含まれるページに対するRIP処理が終了した場合に、前記割り込まれるジョブに対する印刷処理を中断し、前記割り込むジョブの印刷処理を開始するよう前記印刷手段を制御する制御手段とを有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記生成手段により前記割り込むジョブに含まれるページに対するRIP処理が終了していない場合であっても、前記割り込まれるジョブに含まれるページのうち前記生成手段によりRIP処理の終了したページの印刷処理が終了した場合に、前記割り込まれるジョブに対する印刷処理を中断し、前記割り込むジョブの印刷処理を開始するよう前記印刷手段を制御する制御手段とを有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
割り込み印刷指示に応じて、処理実行中である割り込まれるジョブに対する処理の途中で、前記割り込み指示が行われた割り込むジョブに対する処理を開始する割り込み印刷処理を実行可能な画像形成装置であって、
少なくとも1ページからなる印刷ジョブにRIP処理を施し画像データを生成する生成手段と、
前記生成手段により生成された画像データに基づき印刷処理を行う印刷手段と、
前記生成手段により前記割り込むジョブに含まれるページのうち所定ページ以上に対するRIP処理が終了した場合に、前記割り込まれるジョブに対する印刷処理を中断し、前記割り込むジョブの印刷処理を開始するよう前記印刷手段を制御する制御手段とを有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記生成手段により前記割り込むジョブに含まれるページのうち前記所定ページ以上に対するRIP処理が終了していない場合であっても、前記割り込まれるジョブに含まれるページのうち前記生成手段によりRIP処理の終了したページの印刷処理が終了した場合に、前記割り込まれるジョブに対する印刷処理を中断し、前記割り込むジョブの印刷処理を開始するよう前記印刷手段を制御する制御手段とを有することを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記生成手段により前記割り込むジョブに含まれるページのうち前記所定ページ以上に対するRIP処理が終了した場合に、前記割り込まれるジョブに対する印刷処理を中断し、前記割り込むジョブの印刷処理を開始するよう前記印刷手段を制御する第1の制御と、前記割り込むジョブに対する印刷処理が可能となった場合に、前記割り込まれるジョブに対する印刷処理を中断し、前記割り込むジョブの印刷処理を開始するよう前記印刷手段を制御する第2の制御とをジョブの種類により切り替えることを特徴とする請求項3または4いずれかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記制御手段は、前記割り込むジョブの種類が、ジョブに含まれる全てのページのRIP処理が終了した後に印刷処理を開始するジョブまたは、バリアブルプリントジョブであった場合に、前記割り込み印刷処理における制御を前記第2の制御に切り替えることを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記制御手段は、前記割り込むジョブの種類が、ジョブに含まれる全てのページのRIP処理が終了した後に印刷処理を開始するジョブまたは、バリアブルプリントジョブではなく、かつ前記割り込まれるジョブの種類がジョブに含まれる全てのページのRIP処理が終了した後に印刷処理を開始するジョブまたはバリアブルプリントジョブであった場合に、前記割り込み印刷処理における制御を前記第1の制御に切り替えることを特徴とする請求項5または6いずれかに記載の画像形成装置。
【請求項8】
割り込み印刷指示に応じて、処理実行中である割り込まれるジョブに対する処理の途中で、前記割り込み指示が行われた割り込むジョブに対する処理を開始する割り込み印刷処理を実行可能な画像形成装置の制御方法であって、
少なくとも1ページからなる印刷ジョブにRIP処理を施し画像データを生成する生成工程と、
前記生成工程において生成された画像データに基づき印刷処理を行う印刷工程とを有し、
前記生成工程において前記割り込むジョブに含まれるページのうち所定ページ以上に対するRIP処理が終了した場合に、前記印刷工程において前記割り込まれるジョブに対する印刷処理を中断し、前記割り込むジョブの印刷処理を開始することを特徴とする画像形成装置の制御方法。
【請求項9】
前記生成工程により前記割り込むジョブに含まれるページのうち前記所定ページ以上に対するRIP処理が終了していない場合であっても、前記割り込まれるジョブに含まれるページのうち前記生成工程によりRIP処理の終了したページの印刷処理が終了した場合に、前記印刷工程において前記割り込まれるジョブに対する印刷処理を中断し、前記割り込むジョブの印刷処理を開始することを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置の制御方法。
【請求項10】
前記生成工程により前記割り込むジョブに含まれるページのうち前記所定ページ以上に対するRIP処理が終了した場合に、前記印刷工程において前記割り込まれるジョブに対する印刷処理を中断し、前記割り込むジョブの印刷処理を開始する第1の方法と、前記割り込むジョブに対する印刷処理が可能となった場合に、前記割り込まれるジョブに対する印刷処理を中断し、前記印刷工程において前記割り込むジョブの印刷処理を開始する第2の方法とをジョブの種類により切り替えることを特徴とする請求項8または9いずれかに記載の画像形成装置の制御方法。
【請求項11】
前記割り込むジョブの種類が、ジョブに含まれる全てのページのRIP処理が終了した後に印刷処理を開始するジョブまたは、バリアブルプリントジョブであった場合に、前記印刷工程における印刷方法を前記第2の方法に切り替えることを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置の制御方法。
【請求項12】
前記割り込むジョブの種類が、ジョブに含まれる全てのページのRIP処理が終了した後に印刷処理を開始するジョブまたは、バリアブルプリントジョブではなく、かつ前記割り込まれるジョブの種類がジョブに含まれる全てのページのRIP処理が終了した後に印刷処理を開始するジョブまたはバリアブルプリントジョブであった場合に、前記印刷工程における印刷方法を前記第1の方法に切り替えることを特徴とする請求項10または11いずれかに記載の画像形成装置の制御方法。
【請求項13】
請求項8乃至12に記載の画像形成装置の制御方法の各工程をコンピュータに実行させるためのコンピュータ実行可能なプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2012−11602(P2012−11602A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−148203(P2010−148203)
【出願日】平成22年6月29日(2010.6.29)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】