説明

画像形成装置、表示制御方法およびプログラム

【課題】投入金額と課金額とに従い、出力できる範囲と出力できない範囲とを識別可能に表示する。
【解決手段】ジョブを課金装置に投入される投入金額に応じて処理する画像形成装置であって、前記ジョブに対応する印刷設定に従ってジョブに対応する画像を出力するために必要な課金額を算定する算定手段と、ジョブに対応する印刷設定に従ってジョブに対応する画像データを表示部に表示させる表示制御手段とを備え、表示制御手段は、算定手段により算定された課金額と投入金額とを比較して、投入金額が不足する場合、出力できる出力可能範囲と出力できない出力範囲とを表示部に識別可能に表示させる表示制御手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置からジョブを受信して画像処理する画像形成装置、表示制御方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コンビニエンスストア等では、印刷したい文書や画像データを持ち込み、印刷処理を行うことが可能な画像出力機能と、画像出力に応じた料金を課金する課金機能とを供えた画像出力装置が導入されている。ユーザは画像出力に応じた料金を投入して、印刷処理や原稿のコピーを行うことが可能となっている。このような画像出力装置では、一般に白黒/カラー印刷や、用紙サイズ等の出力形態によって課金される料金が異なっている。
また、オフィス等では、印刷やコピー等の画像出力装置の利用をユーザごとに機能や/枚数を制限する部門管理を導入した画像出力のワークフローを利用したシステムを導入する事例が増えてきている。このような画像出力装置やシステムでは、白黒/カラー印刷や、用紙サイズ等の出力形態・出力枚数等の制限をユーザごとに割り当てるようになっており、ユーザは該制限に基づいた画像出力のみ可能となる。
【0003】
このような構成における従来技術として、画像出力装置に投入されている金額と、出力形態による課金額から印刷可/不可の状態判断の通知と、不可だった場合の不足金額の通知を行う方法が提案されている。
また、特許文献1のように、前記提案を含み、さらにユーザの印刷する/しないを示す印刷指示に基づいて、印刷ページごとの表示の切り替えと、その設定も考慮した不足金額の算出を行う方法も提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−183832号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記のような従来技術では、金額や部門管理等の制限による、画像出力不可な箇所をユーザが直感的に認識することが出来なかった。従って、画像出力不可を解消する方法も直感的に判断することが出来ず、様々な設定を試行錯誤して印刷指示を行う必要があった。
例えば、従来技術のように不足金額のみの表示では、金額の不足により、実際にドキュメントがどのような出力がなされるか、不足金額がどのような影響を与えているかを判断できない。これにより、また画像出力不可を解消するために、料金を追加すべきか、レイアウトを変更することが良いのか、好ましい設定変更の判断を行う情報が不足していた。
【0006】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、本発明の目的は、投入金額と課金額とに従い、出力できる範囲と出力できない範囲とを識別可能に表示できる仕組みをを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成する本発明の画像形成装置は以下に示す構成を備える。
ジョブを課金装置に投入される投入金額に応じて処理する画像形成装置であって、ジョブに対応する印刷設定に従ってジョブに対応する画像を出力するために必要な課金額を算定する算定手段と、ジョブに対応する印刷設定に従ってジョブに対応する画像データを表示部に表示させる表示制御手段とを備え、表示制御手段は、算定手段により算定された課金額と投入金額とを比較して、投入金額が不足する場合、出力できる出力可能範囲と出力できない非出力可能範囲とを表示部に識別可能に表示させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、投入金額と課金額とに従い、出力できる範囲と出力できない範囲とを識別可能に表示できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本実施形態を示す画像形成システムの一例を示す図である。
【図2】操作/表示部に表示されるUIの一例を示す図である。
【図3】画像形成装置のデータ処理手順を示すフローチャートである。
【図4】画像形成装置のデータ処理手順を示すフローチャートである。
【図5】画像形成装置のデータ処理手順を示すフローチャートである。
【図6】操作/表示部に表示されるUIの一例を示す図である。
【図7】操作/表示部に表示されるUIの一例を示す図である。
【図8】画像形成装置のデータ処理手順を示すフローチャートである。
【図9】画像形成装置のデータ処理手順を示すフローチャートである。
【図10】画像形成装置のデータ処理手順を示すフローチャートである。
【図11】画像形成装置で処理されたレイアウト処理例を説明する図である。
【図12】操作/表示部に表示されるUIの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。
〔第1実施形態〕
図1は、本実施形態を示す画像形成システムの一例を示す図である。本例が、ネットワーク上のPCを操作するユーザが画像形成装置100に印刷ジョブを出力した後、ユーザによる課金装置に対する料金支払いを条件として、プレビュー制御を行うシステムに対応する。なお、保持されている印刷ジョブの投入額と当該印刷ジョブに設定された印刷設定に対応する課金額との比較で求まる差額に従い、投入額で出力できる出力可能範囲とそれ以外の出力範囲とをプレビュー制御するシステムについて以下詳述する。
本実施形態では、画像形成装置として、MFP(Multi Function Printer)を例として説明する。しかしながら、もちろん、SFP(Single Function Printer)やLBP(Laser Beam Printer)、その他のプリント方式のプリンタでもよいことは言うまでもない。
図1において、画像形成装置100はイーサネット(登録商標)等のLAN(Local Area Network)にて、ホストコンピュータ(PC)160に接続されている。また、画像形成装置100は、USBメモリやCD−ROM、CD−RW、DVD−ROM、DVD−RW等の外部記憶装置161にも接続可能に構成されている。
【0011】
画像形成装置100は、リーダ装置140、プリンタ装置150、操作/表示部120、データ記憶部130、さらに、これら各構成要素を制御する制御装置(コントローラ部)110によって構成されている。
制御装置110は、CPU111、ROM112、RAM113等を有し、CPU111がROM112または他の記憶媒体に格納されたプログラムに基づいて、画像形成装置100全体を統括制御する。例えば、本実施形態ではCPU111に、それぞれ画像出力処理、料金管理処理、操作/表示部120の表示制御処理、プレビュー画像生成処理等を行うためのあらかじめ決められたプログラムをロードする構成をとる。
【0012】
プリンタ装置150では、受信した印刷ジョブあるいはリーダ装置140から入力された画像データの出力(プリント機能/コピー機能)を行う。
操作/表示部120は、画像出力処理を行うための各種印刷設定の操作を行うキーボード、及び画像出力設定を行う操作ボタンや、画像出力を行う際の出力結果の事前の表示を行う液晶パネルを備える。
データ記憶部130では、画像データやドキュメントデータ、印刷装置制御言語(例えば、ESCコード、PDL(Page Description Language))などの印刷データの格納/保存ができる。
例えば、LANを介してホストコンピュータ(PC)160より受信した画像データ・ドキュメント・PDL(印刷ジョブ)や、接続された外部記憶装置161のデータ、さらにはリーダ装置140を制御して読み込んだ画像データなどの格納/保存ができる。
【0013】
課金装置170は、ユーザが画像出力に必要な料金を投入する装置である。課金装置170から投入された金額に応じて、CPU111は料金管理処理と出力結果のプレビュー処理を操作/表示部120に行う。
また、部門管理サーバ171は、ユーザごとの画像出力などの制限を管理するサーバである。部門管理サーバ171で保持する該当するユーザの画像出力制限に基づき、CPU111は前記料金管理処理と前記出力結果のプレビュー処理を行う。
【0014】
上述のような構成の画像形成装置を例に挙げ、本発明の具体的な実施形態を以下に述べる。
図2は、図1に示した操作/表示部120のユーザインタフェースの一例を示す図である。本例は、画像出力設定画面200に対応する。本実施形態では、印刷設定をページ単位、部単位、画像処理単位のいずれか、または部単位と画像処理単位との組み合わせで設定可能な例である。
図2の(A)において、料金情報表示フィールド210は、画像出力の際に料金の各種情報を表示するフィールドである。
料金情報表示フィールド210は、投入金額表示フィールド211と不足金額表示フィールド212から構成される。投入金額表示フィールド211は、課金装置170から投入されている金額を表示するフィールドである。また、不足金額表示フィールド212は、用紙サイズや、モノ/カラー設定、Nup設定等を含む画像出力設定から算出する課金額と投入金額から、算出した不足金額を表示するフィールドである。
【0015】
印刷設定表示フィールド220は、画像出力する画像データやドキュメントをどのように画像出力するかを示す画像出力設定の各種情報を表示するフィールドである。印刷設定表示フィールド220は、画像出力設定フィールド221と部数設定フィールド222、特殊加工設定フィールド223から構成される。
また、印刷設定表示フィールド220は、ここではあくまで一例を示すものであり、他の画像出力の設定を保持していても構わない。
画像出力設定フィールド221は、画像出力の指示がなされた画像データやドキュメントのレイアウトやページ設定を示すものであり、例えば用紙サイズや白黒/カラー設定や、Nup(縮小レイアウト)設定、両面設定等を行うフィールドである。
部数設定フィールド222は、出力する画像データやドキュメントの部数を指定するフィールドである。ここではあくまで一例を示すものであり、例えばブック設定やステイプル等、他の画像出力の設定を保持していても構わない。
【0016】
特殊加工設定フィールド223は、グロス仕上げ等の特殊加工の設定を行うフィールドである。
プレビューモード選択フィールド230は、プレビューモードとして、画像データやドキュメントの表示単位を自動、部数、ページ、特殊加工のいずれかを選択可能に構成されている。
印刷不可ページプレビューフィールド240は、画像出力の指示がされる画像データやドキュメントのプレビュー処理の結果を表示するフィールドである。印刷不可ページプレビューフィールド240は、印刷可能ページプレビューフィールド241と、印刷不可ページプレビューフィールド242から構成される。なお、プレビュー処理の詳細については後述する。
画像出力開始ボタン250は、画像出力が指示される画像データやドキュメントを、設定される画像出力の設定に応じて出力を開始するボタンである。画像設定提案選択ボタン260は、投入金額に応じて画像設定の提案を行うか否かの設定を行うボタンである。
【0017】
図3は、本実施形態を示す画像形成装置のデータ処理手順の一例を示すフローチャートである。本例は、画像形成装置100が、印刷不可ページプレビューフィールド240に対して行うプレビュー処理例である。なお、S301〜S306は各ステップを示し、各ステップは、CPU111がROM112より制御プログラムをRAM113にロードして実行することで実現される。
まず、S301では、CPU111は現在の印刷モードがスプールモードであるのか、ダイナミックモードであるのかを判断する。ここで、印刷モードとは、画像出力するデータを、データ記憶部130に全てスプールしてから画像出力を行うモードをSpoolモードと呼び、画像出力するデータを、取得しながら随時画像出力を行うDynamicモードと呼ぶ。
【0018】
本実施形態では、例えば、外部記憶装置161の画像データを画像出力する際や、PC160から転送される画像データにSpoolモードの指定がある際に、Spoolモードとして処理を行う。また、PC160から転送される画像データにDynamicモードの指定がある際に、Dynamicモードとして処理を行う。さらに、操作/表示部120からユーザが任意に指定可能な構成をとっても構わない。
ここで、印刷モードがスプールモードであるとCPU111が判断した場合は、S302へ進み、ダイナミックモードであると判断した場合は、S304へ進む。
そして、S302で、CPU111は、PC160から受信した印刷ジョブから生成された印刷データをデータ記憶部130にスプールする。
ここで、データ記憶部130に格納される画像データやドキュメントは外部記憶装置161や、PC160から指定された画像データやドキュメントである。
次に、S303で、CPU111は、画像出力する画像データやドキュメントのプレビュー処理を行うが、課金されている料金と投入された金額との差額に応じてプレビュー処理を行う。つまり、スプールされた画像データやドキュメントを出力するために支払うべき料金と、ユーザが課金装置170に投入した料金とが不足する場合がある。そこで、画像出力が指定された内容から算出する課金額と投入金額を判断し、不足箇所の出力結果も含め、直感的にプレビューを行う課金プレビュー処理を行う。すなわち、CPU111は、プレビューされる画像データに、出力できる出力可能範囲と、出力できない非出力可能範囲とを識別可能に表示させる。なお、課金プレビュー処理の詳細については後述する。
【0019】
一方、S304では、CPU111が通常のプレビュー処理を行い、S305へ進む。ここで、通常のプレビュー処理とは、画像出力の際、事前の出力結果を表示する処理に対応する。ここでは詳細は割愛する。
次に、S305で、CPU111がプレビュー処理の制御処理を開始し、S306で、CPU111がプレビュー処理の更新が必要か、プレビュー処理を終了する必要があるか、特に処理が不要かを判断する。
ここで、プレビュー処理の更新が必要な条件としては、画像出力の設定が変更されたり、投入金額に変化があったりした場合、さらには画像出力する画像データやドキュメントに変更があった場合、それを検知して、S301へ戻る。また、S306で、状態に変化がないとCPU111が判断した場合は、S305へ戻り、プレビュー制御処理を繰り返す。
【0020】
また、プレビュー処理の終了が必要な場合は、画像出力開始ボタン250が押された場合であり、その際は、本プレビュー処理を終了する。
図4は、本実施形態を示す画像形成装置のデータ処理手順の一例を示すフローチャートである。本例は、S303の課金プレビュー処理の詳細例である。なお、S401〜S414は各ステップを示し、各ステップは、CPU111がROM112より制御プログラムをRAM113にロードして実行することで実現される。
なお、本実施形態では、印刷ジョブに設定された印刷設定に従う出力可能範囲とそれ以外の出力範囲をプレビューするモードには、自動プレビューモードと指定プレビューモードとがある。
例えば指定プレビューモードでは、ページ単位、部単位、あるいは画像処理単位をユーザが後述するユーザインタフェースを介して選択可能、あるいはPCのプリンタドライバで指定可能に構成されている。
【0021】
S401で、CPU111は、課金プレビュー処理の初期化処理を行う。具体的には、CPU111がRAM113で管理されるパラメータpreview _ numに「0」をセットする。ここで、パラメータpreview _ numは、完了したプレビュー処理の回数を示す情報であり、課金プレビュー処理の起動時に、「0」に初期化する。
そして、S402で、CPU111は印刷設定提案モードが指定されているかを判断する。本判断は、CPU111がユーザの操作に従い画像設定提案選択ボタン260の状態を判断するものであり、OFFが選択されているとCPU111が判断した場合、S403に進み、ONが選択されていると判断した場合、S404に進む。
そして、S403で、必用なプレビュー処理の回数のためのパラメータloop _numを初期化する。ここで、パラメータloop _numは、必要なプレビュー処理の回数を示すものであり、画像設定提案選択ボタン260がOFFである場合、指定された画像データやドキュメントを、指定された画像出力設定で画像出力するのみなので、「1」に初期化する。
【0022】
一方、S404では、S403と同様、必要なプレビュー処理の回数を初期化する処理である。ここで、画像設定提案選択ボタン260がONの場合なので、提案する画像設定の候補が複数存在することが想定されるため、プレビューする画像データやドキュメントも複数存在することになる。したがって、CPU111は、提案する印刷設定の数でパラメータloop _numを初期化する。
次に、S405で、CPU111は、課金装置170から投入金額情報を取得する。本処理は、課金装置170が管理する投入金額を取得する処理である。そして、S406で、CPU111は、画像出力に必用な金額情報を示す課金額を算出する処理を行う。ここで、課金額の算出方法は従来技術と同様の処理を行う。例えば、画像出力のための各設定ごとに必用な金額情報をあらかじめ定めておき、その値を元に課金額を算出する。ここで、CPU111は、機能設定に対応した算定テーブルを参照して課金額を算定する。
【0023】
そして、S407で、CPU111は、算定された課金額と取得した投入金額との差額に基づいて、投入金額が不足しているかどうかを判断する。
ここで、CPU111は、S405で課金装置170から取得した投入金額が、S406で算出した課金額との差額が「0」であるのか否かを判断して、投入額が不足しているか否かを判断する。ここで、投入額が不足しているとCPU111が判断した場合、S408に進み、不足しないと判断した場合、S411に進む。
そして、S408で、CPU111は、画像形成装置が自動でユーザに最適なプレビューモードを選択するか、ユーザが任意に設定するか、を示すモードの選択状態を判断する。実際には、プレビューモード選択フィールド230で、"自動"が選択されていたとCPU111が判断した場合、S410に進み、"自動"以外が選択されていたと判断した場合は、S409に進む。
そして、S409で、CPU111は、プレビューモード選択フィールド230で選択されたモードに応じて指定不足金額プレビュー処理を行い、S412へ進む。なお、指定不足金額プレビュー処理の詳細については後述する。
【0024】
一方、S410では、不足金額のプレビューをユーザが見やすいモードに自動でモードを選択してプレビューする自動不足金額プレビュー処理を行い、S412へ進む。なお、自動不足金額プレビュー処理の詳細については後述する。
次に、S412で、プレビュー回数情報を更新するためのパラメータpreview_nuをカウントアップしてプレビュー回数を更新する、S413へ進む。ここで、パラメータpreview_nuは、一連の画像出力設定のプレビュー処理をカウントするパラメータである。
そして、S413で、CPU111は課金プレビュー処理が完了したか否かを判断する。実際には、完了したプレビュー回数(preview _num)が、処理が必要なプレビュー回数(loop _num)以上になっているかどうかを判断する。ここで、課金プレビュー処理が完了していないとCPU111が判断した場合は、S405へ戻り、S405以降の処理を繰り返す。
【0025】
次に、S414で、CPU111は、画像出力のための設定に対して、ユーザが課金装置170に投入した投入金額の不足により、不可能な設定メニューのグレイアウト表示を行い、本処理を終了する。
実際には、CPU111が現在設定されている画像出力設定以外の設定を反映させた際の課金額を算出し、印刷が可能か否かを判断して操作/表示部120に表示すべき画像出力設定画面200のメニューの更新を行う。
例えば、現在モノクロ設定がされていたとすると、CPU111が画像出力設定をカラーにした際の課金額を算出する。そして、ユーザが課金装置170に投入した投入金額が不足しているとCPU111が判断した場合は、印刷設定表示フィールド220のモノ/カラー設定1601のメニュー表示をグレイアウト表示に切り替える。ここでは、モノ/カラー設定の場合の説明のみであるが、他のメニューに関しても同様の処理を行う処理も含めた構成としても構わない。
【0026】
図5は、本実施形態を示す画像形成装置のデータ処理手順の一例を示すフローチャートである。本例は、S409の指定不足金額プレビュー処理の詳細例である。なお、S501〜S504は各ステップを示し、各ステップは、CPU111がROM112より制御プログラムをRAM113にロードして実行することで実現される。
S501で、CPU111は、指定されるプレビュー方法の情報を取得し、実行する所定のプレビュー方法がいずれに該当するかを判断する。実際には、プレビューモード選択フィールド230により、"ページ"が指定されているとCPU111が判断した場合、S502に進む。
また、プレビューモード選択フィールド230により"部数"が指定されているとCPU111が判断した場合、S503に進む。さらに、プレビューモード選択フィールド230により"特殊加工"が指定されているとCPU111が判断した場合、S504に進む。
そして、S502で、CPU111は、印刷不可ページプレビューフィールド240にプレビュー画像を、ページ単位で表示する印刷不可ページプレビュー処理を行い、本処理を終了する。
実際の表示は図2の(A)に示すような、印刷不可ページプレビューフィールド242を表示する処理を行う。
図2の(A)において、印刷可能ページプレビューフィールド241は、印刷可能なページのプレビューを行うフィールドであり、課金額と投入金額から画像出力が可能なページを、通常プレビュー処理で表示する。なお、本実施形態では、印刷不可ページプレビューフィールド242は、印刷可能ページプレビューフィールド241に対してグレーアウト表示される領域に対応する。また、印刷可能ページプレビューフィールド241は、設定された印刷設定に従い出力できる出力可能範囲に対応し、印刷不可ページプレビューフィールド242は、それ以外の出力範囲に対応する。特に、印刷不可ページプレビューフィールド242は、課金額に相当する料金をユーザが投入していないため、その印刷処理を実行できない範囲として表示される領域に対応する。
【0027】
なお、画像出力が可能なページの特定を含め、本プレビュー処理の詳細は後述する。
印刷不可ページプレビューフィールド242は、印刷不可なページのプレビューを行うフィールドであり、課金額と投入金額から画像出力が不可能なページを、固有のプレビュー処理で表示する。なお、画像出力が不可能なページの特定を含め、本プレビュー処理の詳細は後述する。
また、固有のプレビュー処理としては、本実施例ではグレイアウト表示を行うが、他の方法であっても構わない構成をとる。
一方、S503では、CPU111が印刷不可ページプレビューフィールド240に表示するプレビュー画像を、部単位で表示する印刷不可部数プレビュー処理を行う。実際の表示は図6で示すように、印刷不可部数プレビューフィールド1100を表示する処理を行う。
【0028】
図6において、印刷不可部数プレビューフィールド1100は、印刷可能部数プレビューフィールド1101と、印刷不可部数プレビューフィールド1102から構成される。
印刷可能部数プレビューフィールド1101は、印刷可能な部のプレビューを行うフィールドであり、課金額と投入金額から画像出力が可能な部を、通常プレビュー処理で表示する。なお、画像出力が可能な部の特定を含め、プレビュー処理の詳細は後述する。
印刷不可部数プレビューフィールド1102は、印刷不可な部のプレビューを行うフィールドであり、課金額と投入金額から画像出力が不可能な部を、前記固有のプレビュー処理で表示する。なお、画像出力が不可能な部の特定を含め、処理の詳細は後述する。
また、固有のプレビュー処理としては、本実施形態ではグレイアウト表示を行うが、他の方法であっても構わない構成をとる。
一方、S504では、CPU111がプレビュー表示フィールドに表示するプレビュー画像を、特殊加工単位で表示する特殊加工不可プレビュー処理を行う。実際の表示は図7の(A)で示すような、特殊加工不可プレビューフィールド1200を表示する処理を行う。
図7の(A)において、特殊加工不可プレビューフィールド1200は、通常プレビューフィールド1201と、特殊加工不可マークフィールド1202の表示を行う。通常プレビューフィールド1201は、前記通常プレビュー処理を行うフィールドである。印刷可能/不可に関わらず、全ての画像出力ページのプレビューを1部分だけページ単位で行う。
特殊加工不可マークフィールド1202は、特殊加工不可か否かを、投入金額と課金額から算出し、画像出力可能であれば何も表示せず、画像出力が不可であれば特殊加工も画像出力不可であることを通知する警告表示を行う。
【0029】
図8は、本実施形態を示す画像形成装置のデータ処理手順の一例を示すフローチャートである。本例は、S410の自動不足金額プレビュー処理の詳細例である。なお、S601〜S607は各ステップを示し、各ステップは、CPU111がROM112より制御プログラムをRAM113にロードして実行することで実現される。
S601で、CPU111は、画像出力のためにユーザにより設定された各設定値に応じて、ユーザに最適なプレビューモードを自動で選択するための判断処理を行う。ここで、画像出力設定が"部指定のみ"であるとCPU111が判断した場合、S602に進む。
【0030】
また、画像出力設定が"特殊加工のみ"であるとCPU111が判断した場合、S603に進む。さらに、画像出力設定が"部/特殊加工無し"であると判断した場合、S604に進む。また、画像出力設定が"部/特殊加工有り"であるとCPU111が判断した場合、S605に進む。
そして、S602で、CPU111は、印刷不可部数プレビュー処理を行い、本処理を終了する。なお、S602の処理は、S503で示す処理と同様である。
また、S603で、CPU111は、特殊加工不可プレビュー処理を行い、本処理を終了する。なお、S603は、S504で示す処理と同様である。
また、S604で、CPU111は、印刷不可ページプレビュー処理を行い、本処理を終了する。なお、S604はS502で示す処理と同様である。
【0031】
さらに、S605で、CPU111は、投入金額が特殊加工を除いた画像出力設定で画像データの画像出力を行うための課金額を満たしているかどうかを判断する。ここで、課金額を満たしているとCPU111が判断した場合は、S607に進み、満たしていないと判断した場合は、S606に進む。
そして、S606で、CPU111は、印刷不可部数プレビュー処理を行い、本処理を終了する。なお、S606はS503で示す処理と同様である。
S607で、CPU111は特殊加工不可プレビュー処理を行い、本処理を終了する。S607は、S504で示す処理と同様である。
図9は、本実施形態を示す画像形成装置のデータ処理手順の一例を示すフローチャートである。本例は、図5及び図8に示した印刷不可ページプレビュー処理の詳細例である。なお、S701〜S709は各ステップを示し、各ステップは、CPU111がROM112より制御プログラムをRAM113にロードして実行することで実現される。
【0032】
S701で、CPU111は印刷可能なページ数の算出処理を行う。例えば、下記のように算出を行う。
印刷可能ページ数 =((投入金額÷(モノ/カラー単価)))× N-up
次に、S702で、CPU111は、印刷可能ページのためのプレビュー領域が不足するか否かを判断する。算出方法としては、例えば図6の(A)では印刷不可ページプレビューフィールド240で表示可能なプレビュー画像は4面となる。印刷可能ページは2ページ分である。さらに印刷不可ページのプレビューのため、最低1面を残しておく必要があるが、それでも利用する面は3面であり、プレビュー領域は不足しないと判断して、S703に進む。
【0033】
また、図7の(B)に示すようにプレビュー表示フィールドで表示可能なプレビュー画像は4面となる。印刷可能ページは4ページ分である。さらに印刷不可ページのプレビューのため、最低1面を残しておく必要があるが、利用する面は5面であり、プレビュー領域が不足すると判断して、S704に進む。
そして、S703で、CPU111は、S701で算出した印刷可能ページ数分のページの通常プレビュー処理を行い、図6に示す印刷可能ページプレビューフィールド241にプレビュー画像を表示する。
一方、S704では、CPU111が印刷可能ページのまとめ表示を行い、S705へ進む。具体的には、例えば図7の(B)に示すように、利用する面が5面となるため、印刷可能ページでは3面の利用に抑える必要がある。従って、CPU111は、1ページ目と2ページ目は通常プレビューを行い、3ページ目と4ページ目は印刷可能ページまとめプレビュー1302のようにまとめて表示する。
【0034】
次に、S705で、CPU111は、下記のように算出式に従い印刷不可なページ数の算出処理である。
印刷不可ページ数 = 全ページ数 − 印刷可能ページ数
そしえ、S706で、CPU111は、印刷不可ページのためのプレビュー領域が不足するか否かを判断する。
ここでは、算出方法として、例えば図6の(A)では印刷不可ページプレビューフィールド240で表示可能なプレビュー画像は4面となる。ここで、印刷可能ページで利用した面は2面であるため、印刷不可ページのプレビューに利用可能な面は2面になる。ただ印刷不可ページに利用する面は1面であり、プレビュー領域は不足しないと判断して、S707に進む。
【0035】
また、図7の(B)でもプレビュー表示フィールドで表示可能なプレビュー画像は4面となる。ここで、印刷可能ページで利用した面は3面であるため、印刷不可ページのプレビューに利用可能な面は1面になる。印刷不可ページに利用する面は96面であり、プレビュー領域が不足すると判断して、S708に進む。
そして、S707で、CPU111は、S705で算出した印刷不可ページ数分のページを、通常プレビュー処理した画像をさらにグレイアウト表示し、印刷不可ページプレビューフィールド1002に表示して、本処理を終了する。
一方、S708では、CPU111が印刷不可ページのまとめ表示を行う。例えば図7の(B)に示す例では、利用する面は96面であるが、印刷不可ページは1面の利用に抑える必要がある。従って、5ページ目から100ページ目までを、印刷不可ページまとめプレビュー1303のようにまとめて表示する。
【0036】
そして、S709では、CPU111がS708で表示した印刷不可ページまとめプレビュー1303をさらにグレイアウトして表示して、本処理を終了する。
図10は、本実施形態を示す画像形成装置のデータ処理手順の一例を示すフローチャートである。なお、図10の(A)は印刷不可部数プレビュー処理例に対応また、S801〜S803、S901、S902は各ステップを示し、各ステップは、CPU111がROM112より制御プログラムをRAM113にロードして実行することで実現される。
まず、S801で、CPU111は下記のように算出式に従い印刷可能な部数の抽出処理を行う。
印刷可能部数 = 投入金額 ÷((モノ/カラー単価)×(全ページ数÷N-up))
そして、CPU111は、上記のように算出した印刷可能ページ数分のページの前記通常プレビュー処理を行い、印刷可能部数プレビューフィールド1101に表示する。
【0037】
次に、S802で、CPU111はページの途中まで印刷が可能な部のプレビューを行うため、下記の算出式に基づいて算出した残投入額を含む印刷不可プレビュー処理を行う。下記で算出した金額を残投入金額として処理を行う。
残投入金額=投入金額−(印刷可能部数×全ページ数×(モノ/カラー単価))÷N-up
そして、上記のように算出した残投入金額を、投入金額として印刷不可ページプレビュー処理を行う。詳細には印刷可能ページ数分のページの通常プレビュー処理を行い、印刷可能部数プレビューフィールド1101に表示する。また印刷不可ページ数分のページについて通常プレビュー処理を行い、印刷不可部数プレビューフィールド1102に表示する。
そして、S803で、CPU111は、下記の算出式に基づいて算出した印刷不可部数の抽出処理を行う。
印刷不可部数 = 全部数 − 印刷可能部数
ここで、CPU111は、印刷可能部数はS802でプレビュー処理を行った場合は、1マイナスした値で算出する。
【0038】
そして、CPU111は、上記のように算出した印刷不可部数分を通常プレビュー処理した画像をさらにグレイアウト表示し、印刷不可部数プレビューフィールド1102に表示して、本処理を終了する。
特殊加工不可プレビュー処理が開始されると、S901で、CPU111が1部分の通常プレビュー処理を行う。そして、S902で、CPU111は、特殊加工が印刷不可である通知を示す表示を行い、本処理を終了する。
なお、S902が実行される場合とは、本処理を行う時点で投入金額が不足している場合に該当する。従って、まず複雑な画像設定を調整するより、特殊加工を外した方が金額に抑えるには好ましいと考えられる。従って、特殊加工プレビューでは特殊加工が不可であることをユーザに通知して、本処理を終了する。
【0039】
図11は、本実施形態を示す画像形成装置で処理されたレイアウト処理例を説明する図である。本例は、図2で示した画像設定提案選択ボタン260でONが設定された場合に、提案するレイアウトの構成例を3つの態様として示した例である。なお、提案処理自体は、従来提案される技術で行う。
図11に示すように、本実施形態では、それぞれレイアウトID1、レイアウトID2、レイアウトID3の3つの提案がなされている。
図12は、本実施形態を示す画像形成装置におけるユーザインタフェースの一例を示す図である。本例は、図11に示した提案レイアウト処理した場合のプレビュー状態を示している。
図12に示すユーザインタフェースは、図11に提案した3つのレイアウトを提案するため、CPU111がS402の判断処理で印刷設定提案モード指定があると判断し、S404でloop_ numに「3」を設定する。そして、CPU111がS405以降の一連の処理を3回繰り返すことで、レイアウト提案プレビュー1501、レイアウト提案プレビュー1502、レイアウト提案プレビュー1503が表示される。
【0040】
最後に、本実施形態ではユーザが投入する料金に応じて印刷可能/不可のプレビュー処理の説明を行ったが、料金のみに限定するものではない構成であっても構わない。したがって、例えば、部門での画像出力の管理システムにおける、ユーザの画像出力制限などに適用する構成も含む。
なお、本発明の各工程は、ネットワーク又は各種記憶媒体を介して取得したソフトウエア(プログラム)をパソコン(コンピュータ)等の処理装置(CPU、プロセッサ)にて実行することでも実現できる。
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても、1つの機器からなる装置に適用してもよい。また、本発明は、システムあるいは装置にプログラムを供給することによって達成される場合も適応可能である。この場合、本発明を達成するためのソフトウエアによって表されるプログラムを格納した記憶媒体を該システムあるいは装置に読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形(各実施形態の有機的な組合せを含む)が可能であり、それらを本発明の範囲から除外するものではない。
本発明の様々な例と実施形態を示して説明したが、当業者であれば、本発明の趣旨と範囲は、本明細書内の特定の説明に限定されるのではない。
【符号の説明】
【0041】
100 画像形成装置
110 制御装置
160 PC
170 課金装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ジョブを課金装置に投入される投入金額に応じて処理する画像形成装置であって、
前記ジョブに対応する印刷設定に従って前記ジョブに対応する画像を出力するために必要な課金額を算定する算定手段と、
前記ジョブに対応する印刷設定に従って前記ジョブに対応する画像データを表示部に表示させる表示制御手段とを備え、
前記表示制御手段は、前記算定手段により算定された課金額と前記投入金額とを比較して、前記投入金額が不足する場合、前記ジョブに対応する画像データのうち、出力できる出力可能範囲と出力できない非出力可能範囲とを表示部に識別可能に表示させることを備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記表示制御手段によって、前記出力可能範囲、又は非出力可能範囲を自動で表示するか否かを設定する設定手段をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記印刷設定は、白黒/カラーの設定、縮小レイアウトの設定、または用紙サイズの設定のいずれかを含むことを特徴とする請求項1又は2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記表示制御手段は、前記表示部に対して前記出力できない非出力可能範囲をグレーアウトで表示することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
ジョブを課金装置に投入される投入金額に応じて処理する画像形成装置の表示制御方法であって、
前記ジョブに対応する印刷設定に従って前記ジョブに対応する画像を出力するために必要な課金額を算定する算定工程と、
前記ジョブに対応する印刷設定に従って前記ジョブに対応する画像データを表示部に表示させる表示制御工程とを備え、
前記表示制御工程では、前記算定工程により算定された課金額と前記投入金額とを比較して、前記投入金額が不足する場合、前記ジョブに対応する画像データのうち、出力できる出力可能範囲と出力できない非出力可能範囲とを表示部に識別可能に表示させる表示制御工程と、
を備えることを特徴とする画像形成装置の表示制御方法。
【請求項6】
請求項5に記載の画像形成装置の表示制御方法をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−118212(P2011−118212A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−276341(P2009−276341)
【出願日】平成21年12月4日(2009.12.4)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】