説明

画像形成装置、表示制御方法

【課題】ユーザの使用に応じた画面を表示することで、利便性の向上を図る画像形成装置を提供する。
【解決手段】実施形態の画像形成装置は、表示部と、受信部と、認証情報取得部と、制御部とを有する。受信部は、ユーザの印刷ジョブを受信する。認証情報取得部は、ユーザ認証の際に用いられる情報である第1情報を取得する。制御部は、受信部により第1ユーザの印刷ジョブが受信され、認証情報取得部により取得される第1情報に基づいた認証結果が、第1ユーザであるとの結果である場合、認証の後の表示部の表示画面を、印刷ジョブに関する画面に切り替え制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この明細書に記載の実施形態は、画像形成装置のコントロールパネル上の表示を制御する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、接触/非接触IDカード認証、バイオメトリクス認証等の個人認証によって画像形成装置にログインしたとき、画像形成装置のコントロールパネルには、あらかじめ装置に設定されたデフォルトの画面が表示される。ユーザは、実行したい機能を選択することで、その機能についての設定画面を表示させる。その後、ユーザは、その機能について各種の設定をした後にジョブを実行する。
【0003】
また、ユーザ認証を要する画像形成装置でプリントする場合、ユーザは、パーソナルコンピュータ(以下、PCと称する)の編集アプリケーションを用いてドキュメントを編集し、プリンタドライバを介してPCから画像形成装置にプリントジョブ(印刷ジョブ)を発行する。その後、ユーザは画像形成装置まで向かい、認証を行った後に、自己の送信したジョブをコントロールパネル上から選択する。画像形成装置は、選択されたジョブのプリント処理を実行する。このような認証を要するプリント手段(プライベート印刷機能)は、トレイに排出される印刷物を第3者に視認されたくない場合、有効な手段となる。
【0004】
また、以下の技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−224767号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来技術の場合において、ユーザ認証後に表示されるデフォルト画面は、ユーザが使用したい機能と必ずしも合致するわけではない。使用したい機能と認証後に表示されているデフォルト画面とが一致しない場合、ユーザは、使用したい機能画面を選択する必要があり、その機能画面まで到達させるために、ボタン押下等の所定操作が必要となる。
【0007】
例えばコピー機能の使用頻度の高いユーザは、デフォルトの表示画面としてコピー機能の画面を設定している場合が多い。この場合において、上記プライベート印刷機能を使う際、画像形成装置に印刷データが受信されているにもかかわらず、認証後にはコピー機能の画面が表示されるため、ユーザは所定操作によりプリント機能の画面に切り替えてからジョブを実行することになる。
【0008】
本実施形態は上述した問題点を解決するためになされたものであり、画像形成装置のコントロールパネル上の表示を、ユーザ所望の画面となるように制御することで、ユーザの利便性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
実施形態の画像形成装置は、表示部と、受信部と、認証情報取得部と、制御部とを有する。受信部は、ユーザの印刷ジョブを受信する。認証情報取得部は、ユーザ認証の際に用いられる情報である第1情報を取得する。制御部は、受信部により第1ユーザの印刷ジョブが受信され、認証情報取得部により取得される第1情報に基づいた認証結果が、第1ユーザであるとの結果である場合、認証の後の表示部の表示画面を、印刷ジョブに関する画面に切り替え制御する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施形態の画像処理システムの全体構成を示す図である。
【図2】コントロールパネルに表示される画面イメージの一例であり、ログイン後にデフォルト画面が表示される例を示す図である。
【図3】プリント機能、スキャン機能の画面イメージの例を示す図である。
【図4】ボックス機能、外部送信機能の画面イメージの例を示す図である。
【図5】第1実施形態の画像形成装置の動作例を示すフローチャートである。
【図6】実施形態の画像形成装置がプリントジョブを既に受信している場合の、認証後の画面遷移例を示す図である。
【図7】第1実施形態の画像形成装置の動作例を示すフローチャートである(外部記憶装置判定実施)。
【図8】第2実施形態の画像形成装置の動作例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態の画像処理システムの構成の一例を示す図である。画像処理システム500は、画像形成装置100と、ユーザが使用するPC200を有し、画像形成装置100とPC200とはLAN(Local Area Network)300により接続されており、互いに通信可能である。
画像形成装置100は、プリント機能、コピー機能、スキャナ機能、ボックス機能、FAXやEメールの送受信機能等を有するMFP(Multifunction Peripheral)である。プリント機能とは、PCから発行されるプリントジョブ(印刷ジョブ)をシート(例えば紙媒体)に形成する機能であり、コピー機能は、原稿シートの像を他のシートに複写する機能である。またスキャナ機能とは、原稿シートをスキャンして電子データに変換し、記憶装置に永続的に記憶させる機能である。
【0012】
ボックス機能は、プリント用画像データやFAX送信用の画像データを記憶したり、スキャン機能により得られた画像データを記憶したりするための記憶領域を管理する機能である。本例では、記憶装置の記憶領域を、例えばユーザごとに予めパーティションで区切ってボックス化しておく。ユーザは、ボックス機能画面を用いてボックスに格納されているデータを選択したり、スキャンデータの出力先のボックスを選択したりする。パーティションで論理的に記憶装置を区切る以外にも、ファイルにアクセス権を付与してユーザごとに区切る実装でもよい。FAXやEメールの送受信機能は、外部へFAX、Eメールを送信する機能であり、また外部から送信されるFAXやEメールを印刷し、データを永続的に、例えば上記ボックスに記憶したりする機能である。
【0013】
画像形成装置100は、ADF51(ADF:auto document feeder)、画像読取部Rを有する。ADF51は、シート原稿の搭載を検知し、搭載されたシート原稿を、1枚ずつ画像読取部Rの透過ガラス板上に搬送する。画像読取部Rは、透過ガラス板上のシート原稿およびブック原稿の画像をスキャンして読み取る。画像読取部Rは、透過ガラス板上に配置される原稿を照射する発光体や、原稿からの反射光を反射ミラー経由で受光して電子データに変換するイメージセンサを有する。
【0014】
また画像形成装置100は、シートが搭載されるカセット部Cを有し、カセット部Cより供給されるシートに、画像読取部Rで読み取られる原稿像や、PC200より送信される画像データを形成する画像形成部Pを有する。画像形成部Pは、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の色ごとにプロセスユニットを有し、モノクロ印刷、カラー印刷を行うことができる。
【0015】
また画像形成装置100は、装置内のハードウェア機器を統括制御する制御ボード110を有する。制御ボード110は、プロセッサ111、メモリ112、NIC113(NIC:Network Interface Card)、外部データ送受信部114を有する。プロセッサ111は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)などの演算処理装置である。メモリ112は、揮発性の記憶装置であるRAM(Random Access Memory)や、不揮発性の記憶装置であるROM(Read Only Memory)、HDD(Hard disk drive)を含む記憶部である。NIC113は、LAN経由で外部機器との通信を制御する。
【0016】
外部データ送受信部114は、公衆通信網を介してFAX信号を送受信し、また外部記憶装置とデータを入出力する。外部データ送受信部114は、本例では、FAX送信、受信を制御するFAXボードを有し、USB(Universal Serial Bus)メモリやUSBハードディスクドライブ等の外部記憶装置と接続される、USB規格に準拠した接続端子を有する。態様によっては、PC200もUSB接続端子を介して接続される。
【0017】
画像形成装置100は、ユーザから設定値や実行指示を受け付け、またユーザに処理内容を表示するコントロールパネル120を有する。コントロールパネル120は、物理ボタンであるキーボード122、およびタッチパネルディスプレイ121を有する。キーボード122には、実行ボタンとともに、プリントボタン、コピーボタン、スキャンボタン、ボックスボタン、ファクシミリボタンの各ボタンが少なくともあり、これらボタンの押下により、プリント機能画面、コピー機能画面等の各機能の画面(例えばメニュー画面)がタッチパネルディスプレイ121に表示される。
【0018】
また画像形成装置100は、IC(Integrated Circuit)カードリーダ130を有する。ユーザは、所持しているID(Identification)カードをICカードリーダ130の近傍にかざす。これにより認証処理が行われる。本例では制御ボード110が認証処理を行うものとして説明するが、認証サーバ等がある場合は、当該認証サーバに認証処理を行わせる実装でもよい。この場合、画像形成装置100は、IDカードからの読み取り値を認証サーバに送信し、認証結果(許可または不許可)を認証サーバから受信する。また認証については、この非接触型IDカード認証以外にも、接触型のIDカード認証、バイオメトリクス認証、ユーザIDおよびパスワードの入力等でも構わない。
【0019】
PC200のハードウェア構成は、現存のPCと同様であり、プロセッサ204、メモリ205(揮発性・不揮発性の記憶装置を共に含む)、NIC206を有し、ユーザからの入力を受付けるキーボード202、マウス203、およびユーザに像を表示するモニター201を有する。メモリ205には、少なくとも画像形成装置100についてのプリンタドライバが事前に導入されている。NIC113とNIC206とがLAN300を介して互いに通信の制御を行っている。
【0020】
次に、コントロールパネル120に表示される各機能の画面イメージを図2〜図4に示すとともに、デフォルト設定である場合の画面遷移について説明する。尚、コントロールパネル120に表示される画面の制御は、プロセッサ111が、メモリ112に事前に記憶された表示制御プログラムを演算実行することで行われる。またメモリ112には、事前に表示用のレイアウトデータや、表示用画像データ、アイコン等を含んだオブジェクトデータが記憶されている。コントロールパネル120は、プロセッサ111の制御に応じて選定されるオブジェクトデータを表示する。
【0021】
まずコントロールパネル120は、待ち受け画面として、ユーザに認証を促す認証画面(D1)を表示する(図2上段)。デフォルト設定が有効である場合、ICカードリーダ130にユーザ個別のIDカードがかざされると、コントロールパネル120は、デフォルト画面としてコピー機能画面(D2)を表示する(図2下段)。画面D2には、コピー処理を行う際の各種設定項目があり、ユーザは画面D2を用いて、拡大縮小率、両面印刷設定、ソートの有無やステイプル設定、写真や文字等の原稿種別の設定などを行うことができる。またこの画面D2を用いてカラー/モノクロの別、出力濃度の設定も行うことができる。
【0022】
このコピー機能画面D2が表示された後に、キーボード122が操作されることで、図3、図4に示す各機能画面が表示される。
【0023】
図3(A)は、キーボード122内のプリントボタンが押下されるときに表示されるプリント機能画面(D3)である。図3(A)の例では、プリントジョブを受け付けたユーザの一覧が表示されている。ユーザは、この画面D3に表示されている一覧のうちから自己のIDを選択することで、送信したジョブのプリント処理を実行する。尚、認証を行うユーザが複数のプリントジョブを送信し、複数受け付けられている場合、コントロールパネル120は、画面D3でユーザIDが選択された後、画面D3から当該ユーザの送信したプリントジョブIDの一覧画面やドキュメントファイル名の一覧画面(いずれも不図示)に表示を切り替える。尚、ユーザ認証が前段階で行われているため、画像形成装置100はユーザIDを知り得ていることから、プリントボタンが押下されたときは、画面D3のユーザID一覧画面を表示せずに、認証を終えたユーザのプリントジョブIDやドキュメントファイル名の一覧表示画面を表示する実装でもよい。
【0024】
図3(B)は、キーボード122のスキャンボタンが押下されたときに表示されるスキャン機能画面(D4)である。画面D4では、スキャンデータのカラー/モノクロ設定、解像度、原稿種別についての設定以外に、スキャンデータの保存先(ボックス(e−FILING)や所定のフォルダ、USBメモリ)や,他者への送信先(E−MAIL)を選択することができる。また、PC200などのクライアントコンピュータに所定のドライバ等が導入されている場合は、そのクライアントコンピュータにスキャンデータを取り込むことも可能である(WS SCAN)。これらの設定は、ボタン群B1のうちから1つのボタンが押下されることで行われ、ボタン押下により、出力ファイル名や出力フォルダの設定、Eメール送信先のアドレス等の詳細設定画面が表示される。
【0025】
図4(A)は、ボックス機能画面(D5)である。この画面D5は、キーボード122内のボックスボタンが押下される場合に表示される。また図3(B)に示す画面D4で、「e−FILING」ボタンが押下される場合にも同様の設定画面が表示される。ユーザは、ボックス内に格納されている画像データをプリントする際、またスキャンデータ等の画像データをボックスに格納する際に、画面D5を用いてボックスを選定する。
【0026】
図4(B)は、FAX送信やEメール送信の際に表示される設定画面(D6)である。この画面D6は、ファクシミリボタンが押下されるときに表示され、また図3(B)に示す画面D4で、「E−MAIL」ボタンが押下される場合にも同様の設定画面が表示される。画面D6で、ユーザは送信先のFAX番号もしくはEメールアドレスを設定する。事前に登録されている場合は、ユーザは当該送信先ユーザを一覧内から選択することで、FAX送信先もしくはEメール送信先が設定される。
【0027】
従来技術においては、図2に示すように、ユーザ認証後は、ユーザが設定したデフォルト画面、もしくはシステムとして事前に設定されているデフォルト画面(本例ではコピー機能画面D2)が常に表示される。しかしながら、ユーザがPC200からプリントジョブを画像形成装置100へ送信し、当該ユーザが画像形成装置100で認証を済ませた場合、そのユーザが所望する機能はプリント機能である可能性が高い。よって、本実施形態では、印刷ジョブを受け付け、その印刷ジョブを送信したユーザについての認証が行われた場合、コントロールパネル120は、認証後にデフォルト画面ではなくプリント機能画面(D3)を表示する。
【0028】
図5を参照しつつ、画像形成装置100の動作例について説明する。図5に示すフローチャートの制御は、主に制御ボード110のプロセッサ111が行う。
【0029】
まず、ICカードリーダ130にIDカードがかざされるまで、処理は待機する(ACT100、Noのループ)。このとき、コントロールパネル120は、待ち受け画面を表示する。
【0030】
IDカードがかざされ、ICカードリーダ130がIDカード内の情報を取得した場合(ACT100、Yes)、制御ボード110は、ユーザデータベースを参照する(ACT101)。ユーザデータベースは、ユーザIDと、ユーザが所持しているIDカードの読み取り値とが少なくとも対応付けられた情報群であり、本例では、画像形成装置100のメモリ112に記憶されている。
【0031】
制御ボード110は、IDカードからの読み取り値が、事前にユーザデータベースに登録されているかを判定する(ACT102)。登録されていない場合(ACT102、No)、制御ボード110は、認証結果が不許可であった旨のメッセージをコントロールパネル120に表示させる(処理はACT100に戻る)。読み取り値が登録されている場合(ACT102、Yes)、制御ボード110は、読み取り値に対応したユーザIDをユーザデータベースから取得し、当該ユーザIDのプリントジョブがNIC113経由で既に受信されているかを判定する(ACT103)。
【0032】
認証を済ませたユーザのプリントジョブが既に受信されている場合(ACT103、Yes)、コントロールパネル120は、制御ボード110の指示に従い、プリント機能画面を表示する(ACT104)。このときのコントロールパネル120の表示遷移を図6に示す。本例では、事前に登録されているユーザのプリントジョブが受け付けられ、当該ユーザが自己のIDカードを用いて認証を行った場合、制御ボード110は、コントロールパネル120上の表示を、待ち受け画面(ユーザに認証を促す画面D1)からプリントジョブに関する画面(プリント機能画面D3)に切り替え制御を行う。コントロールパネル120は、制御ボード110からの指示に従い、表示画面を切り替える。
【0033】
その後、画面D3を用いたユーザ操作により、ユーザが選定したプリントジョブについての印刷処理が画像形成部Pで実行される(ACT106)。
【0034】
一方、認証を済ませたユーザについてのプリントジョブが受信されていない場合(ACT103、No)、コントロールパネル120は、デフォルトの画面(本例ではコピー用設定画面D2)を表示する(ACT105)。すなわち、認証済みユーザのプリントジョブを受信していない場合は、図2に示すような画面遷移となる。その後、ユーザにより任意の操作が行われ、プリントジョブ以外のその他の処理が行われる(ACT106)。ユーザがコントロールパネル120上のログアウトボタンを押下した場合(ACT107、Yes)、処理はACT100に戻り、コントロールパネル120上の表示は待ち受け画面(画面D1)に戻る。
【0035】
上記例では、画像形成装置100のデフォルト動作をコピー動作とし、デフォルト画面をコピー機能画面としているが、ユーザ指定のデフォルト動作、デフォルト画面としてもよい。この場合、ユーザごとに、デフォルト動作を示す設定情報を記憶する領域がメモリ112にあり、制御ボード110は、ユーザ認証の後に、事前に定義された認証ユーザの設定情報を取得する。制御ボード110は、取得した設定情報に従った動作がデフォルト動作となるように、画像形成装置100を制御する。
【0036】
また上記例では、プリントジョブを受信した後に、認証を済ませた場合、待ち受け画面(D1)からプリント機能画面(D3)に切り替わるものとしたが、他の機能画面(例えばデフォルト画面として設定されている画面)からプリント機能画面(D3)に切り替わるものとしてもよい。
【0037】
上記の実装例は、ユーザ認証前に既にプリントジョブを受信している場合、認証ユーザが合致した際はプリント機能の画面を表示する例であるが、このような、特定の状態である場合は特定の機能が用いられる可能性が高い、という例が上記例以外にもある。以下、パターン別に例示する。
【0038】
(第1パターン) USBメモリ等の外部記憶装置が外部データ送受信部114に挿入されている場合、認証後、ユーザはスキャン機能、プリント機能のいずれかを使用する可能性が高い。よって、ユーザ認証の前に外部データ送受信部114で外部記憶装置の挿入を検知する場合、制御ボード110は、スキャン機能、またはプリント機能のいずれかの画面表示となるようにコントロールパネル120を制御する。
【0039】
この動作について、図5のフローチャートを流用して説明する。ACT103で、制御ボード110は、認証前に外部データ送受信部114で外部記憶装置の挿入を検知しているか否かを判定する。認証前に検知済みである場合は、ACT104の動作として、コントロールパネル120は、スキャン機能画面D4、またはプリント機能画面D3のいずれかを表示する。スキャン機能画面D4、プリント機能画面D3のいずれを表示するかについて、ユーザは事前に設定することができる。
【0040】
(第2パターン) ADF51に原稿が挿入されている場合、認証後、ユーザはスキャン機能、コピー機能、FAX(Eメール)送信機能のいずれかを使用する可能性が高い。よって、ユーザ認証の前にADF51に原稿が挿入されている場合、制御ボード110は、スキャン機能、コピー機能、FAX(Eメール)送信機能のいずれかの画面表示となるようにコントロールパネル120を制御する。
【0041】
この動作について、図5のフローチャートを流用して説明する。ACT103で、制御ボード110は、認証前にADF51でシートの挿入を検知しているか否かを判定する。認証前に検知済みである場合、ACT104の動作として、コントロールパネル120は、スキャン機能画面D4、コピー機能画面D2、FAX(Eメール)送信機能画面D6のいずれかを表示する。いずれの表示をするかについて、ユーザは事前に設定することができる。
【0042】
(第3パターン) ADF51に原稿が挿入されており、且つ外部記憶装置が挿入されている場合、認証済みのユーザが所望する機能は、スキャン機能である可能性が高い。よって、制御ボード110は、ユーザ認証の前にADF51に原稿が挿入されており、且つユーザ認証の前に外部記憶装置が挿入されている場合、スキャン機能の画面表示となるようにコントロールパネル120の表示を制御する。
【0043】
この動作について、図5のフローチャートを流用して説明する。ACT103で、制御ボード110は、ユーザ認証の前にADF51でシートの挿入を検知しているかを判定し、且つ、ユーザ認証の前に外部データ送受信部114で外部記憶装置の挿入を検知しているかを判定する。両判定が共に肯定である場合、ACT104の動作として、コントロールパネル120は、スキャン機能画面D4を表示する。
【0044】
プライベート印刷時の制御(図5のフローチャートそのままの制御)と、上記第1〜第3パターンの制御のいずれか一つ、若しくは複数とを、組み合わせる実装でもよい。図7を参照しつつ説明する。
【0045】
図7は、図5に示したプライベート印刷時の制御と、上記第1パターンの制御、すなわち外部記憶装置の挿入有無の判定動作を加えたフローチャートである。ACT100からACT103までは、図5と同様である。ACT103で、認証を済ませたユーザのプリントジョブが受信されていない場合(ACT103、No)、制御ボード110は、次に、外部データ送受信部114に外部記憶装置(例えばUSBメモリ)が挿入されているかを判定する(ACT110)。挿入されている場合(ACT110、Yes)、制御ボード110は、スキャン機能画面D4またはプリント機能画面D3をコントロールパネル120が表示するように制御する(ACT111)。外部記憶装置が挿入されていない場合(ACT110、No)、コントロールパネル120にはデフォルトの画面が表示される(ACT105)。ACT111またはACT105の後に、ACT106の動作となる。
【0046】
ACT110の動作として、上記パターン2のADF51の原稿シート検知の判定や、上記パターン3のADF51の原稿シート検知有無の判定および外部データ送受信部114の接続検知有無の判定の両判定が行われてもよい。この場合、ACT111では、各パターンに対応した画面の表示となる。
【0047】
(第2実施形態)
第1実施形態では、ユーザからプリントジョブを受け付けていない状態でユーザ認証が行われた場合、デフォルトの画面を表示する実装例について説明した。第2実施形態の画像形成装置は、ユーザからプリントジョブを受け付けていない状態で、ユーザ認証が行われた場合は、認証処理が行われたユーザについての最も使用頻度の高い機能の画面を表示する。尚、第2実施形態において、ハードウェア構成や機能ごとの画面イメージは、第1実施形態のものと同様であるため、説明を省略する。また各ユニットの符号も第1実施形態のものを流用する。
【0048】
画像形成装置100のメモリ112には、ユーザごとの履歴情報を記憶する領域が確保される。本例での履歴情報とは、ユーザIDと、画像形成装置100の使用日時と、使用した機能のコードとを1つのレコードとして対応付けた情報である。この履歴情報は、ユーザが画像形成装置100を使用するごとに登録される。
【0049】
画像形成装置100は、プリントジョブを受け付けていない場合、認証を済ませたユーザの使用頻度を履歴情報から導出し、最も使用頻度の高い機能の画面を表示する。頻度の最も高い機能の導出方法として、本例では、例えば最近1カ月内、最近1週間内等の規定期間内や最近50回等の使用回数のうちで、いずれの機能が何回使用されたかを履歴情報から導出し、最も使用回数が多い機能を特定する。この実装例以外にも、同じ機能がその日は継続的、断続的に使用されている場合は、その機能の画面を表示する、とする実装や、履歴情報を時間帯ごとに集計し、使用されるときの時刻に応じた時間帯で最も使用頻度の高い機能画面を表示する、とする実装など、さまざまな実装ができる。
【0050】
図8を参照しつつ、第2実施形態の画像形成装置100の動作例を説明する。
【0051】
図8のACT100からACT113までは、第1実施形態と同様動作であるため、ここでの説明を省略する。画像形成装置100がプリントジョブを受信していない場合(ACT103、No)、制御ボード110は、認証処理が行われたユーザの履歴情報のうち、例えば最近1カ月分のレコードをメモリ112から取得する(ACT201)。
【0052】
次に制御ボード110は、取得した履歴情報を機能別にカウントし、最も値の大きい機能を導出する。これにより、最近の1カ月のうちで使用頻度の最も高い機能が選定される。制御ボード110は、使用頻度の最も高い機能に関しての画面を、コントロールパネル120が表示するように、コントロールパネル120を制御する(ACT202)。その後、第1実施形態と同様に、ACT106の処理に移行する。
【0053】
ACT106で、ユーザ所望のジョブが実行された後、制御ボード110は、今回使用した機能のコードを、使用日時、ユーザIDとともに履歴情報に追加更新する(ACT203)。尚、既に規定レコード分記憶されている場合は、制御ボード110は、最も古いレコードを削除した後に新規レコードを追加する。その後、第1実施形態と同様にログアウトの判定が行われる(ACT107)。
【0054】
第2実施形態の上記態様は、第1実施形態で説明した第1〜第3パターンの各動作に組み入れてもよい。すなわち、図7に示した動作に組み入れてもよい。この場合、図7のACT105がACT201、ACT202になり、また図7のACT106の後にACT203が実行される。
【0055】
表示部は、実施形態のコントロールパネル120に対応し、受信部は、NIC113に対応する。認証情報取得部は、ICカードリーダ130に対応し、制御部は制御ボード110(プロセッサ111、メモリ112)に対応する。原稿読取部は、画像読取部Rに対応し、原稿搬送部は、ADF51に対応する。また外部接続検知部は、外部データ送受信部114に対応する。また第1情報は、IDカードからの読み取り値に対応する。
【0056】
また印刷ジョブに関する画面は、プリント機能画面(D3)に対応するが、画面D3に示したユーザIDの一覧画面以外にも、認証を行ったユーザが送信したプリントジョブIDやドキュメントファイル名の一覧画面であってもよく、当該ドキュメントのプレビュー画面であってもよい。
【0057】
以上に詳述したように、この明細書に記載の技術によれば、プリントジョブを受け付け、この後にプリントジョブを送信したユーザの認証が行われた際には、プリントジョブに関する画面に切り替えることで、煩雑な操作をユーザにさせることが無くなる。これにより、ユーザの利便性が向上する。
【0058】
本発明は、その精神または主要な特徴から逸脱することなく、他の様々な形で実施することができる。そのため、前述の実施の形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、なんら拘束されない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する全ての変形、様々な改良、代替および改質は、すべて本発明の範囲内のものである。
【符号の説明】
【0059】
51 ADF、100 画像形成装置、110 制御ボード、111 プロセッサ、112 メモリ、113 NIC、114 外部データ送受信部、120 コントロールパネル、130 ICカードリーダ、200 PC、300 LAN、500 画像処理システム、R 画像読取部、P 画像形成部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部と、
ユーザの印刷ジョブを受信する受信部と、
ユーザ認証の際に用いられる情報である第1情報を取得する認証情報取得部と、
前記受信部により第1ユーザの印刷ジョブが受信され、前記認証情報取得部により取得される第1情報に基づいた認証結果が、前記第1ユーザであるとの結果である場合、前記認証の後の前記表示部の表示画面を、印刷ジョブに関する画面に切り替え制御する制御部と、
を有する画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成装置において、
前記制御部は、前記表示部の表示画面を、待ち受け画面から前記印刷ジョブに関する画面に切り替え制御する画像形成装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の画像形成装置において、
前記制御部は、さらに、前記受信部により前記第1ユーザの印刷ジョブが受信されていない場合、前記第1ユーザの、前記画像形成装置の使用履歴に関する情報を取得し、該情報に基づき、前記第1ユーザの使用頻度の最も高い機能についての画面を表示するように、前記表示部を制御する
画像形成装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
前記制御部は、さらに、事前に定義された前記第1ユーザの設定情報を取得し、該設定情報に従った動作がデフォルト動作となるように、前記画像形成装置を制御する
画像形成装置。
【請求項5】
請求項1または2に記載の画像形成装置において、さらに、
原稿をスキャンし、電子の画像データに変換する原稿読取部と、
原稿が搭載されたかを検知し、前記原稿を前記原稿読取部まで搬送する原稿搬送部と、を有し、
前記制御部は、さらに、前記受信部により前記第1ユーザの印刷ジョブが受信されていない場合であり、且つ、前記原稿搬送部で原稿が搭載されたと検知される場合、前記認証の後の前記表示部の表示画面を、前記原稿読取部によるスキャン処理に関する画面か、コピー処理に関する画面か、外部送信に関する画面かのいずれかに切り替え制御する
画像形成装置。
【請求項6】
請求項5に記載の画像形成装置において、さらに、
外部記憶装置との接続を検知する外部接続検知部を有し、
前記制御部は、さらに、前記受信部により前記第1ユーザの印刷ジョブが受信されていない場合であり、前記原稿搬送部で原稿が搭載されたと検知され、且つ、前記外部接続検知部により外部記憶装置が接続されたと検知される場合、前記認証の後の前記表示部の表示画面を、前記原稿読取部によるスキャン処理に関する画面に切り替え制御する
画像形成装置。
【請求項7】
請求項1または2に記載の画像形成装置において、さらに、
外部記憶装置との接続を検知する外部接続検知部を有し、
前記制御部は、さらに、前記受信部により前記第1ユーザの印刷ジョブが受信されていない場合であり、且つ、前記外部接続検知部により外部記憶装置が接続されたと検知される場合、前記認証の後の前記表示部の表示画面を、スキャン処理に関する画面か、コピー処理に関する画面かのいずれかに切り替え制御する
画像形成装置。
【請求項8】
表示部を有する画像形成装置が、
第1ユーザの印刷ジョブを受信し、
前記受信後に、ユーザ認証の際に用いられる情報を取得し、
取得される前記情報に基づいた認証結果が、前記第1ユーザであるとの結果である場合、前記認証の後の前記表示部の表示画面を、印刷ジョブに関する画面に切り替える
表示制御方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−35282(P2013−35282A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−160526(P2012−160526)
【出願日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】