説明

画像形成装置、2次元コードの生成及び読取方法、プログラム、及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体

【課題】2次元コードを情報記録媒体として有効に活用し、データ集積に関する効率性及びデータ漏洩に対する安全性を向上させることが可能な2次元コード生成及び読取を行う画像形成装置、2次元コードの生成及び読取方法等を提供する。
【解決手段】2次元コードを生成する2次元コード生成機構と、前記2次元コード生成機構により生成された2次元コードを読み取る2次元コード読取機構とを備える画像形成装置での2次元コードの生成及び読取方法において、コード化対象データを読み込むデータ読込工程、コード生成の条件を入力する生成条件入力工程、2次元コードの配置情報を算出する配置情報算出工程、及び2次元コードを分析して前記コード化対象データを抽出する分析抽出工程を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、2次元コードの生成及び読取方法、プログラム、及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関し、特に、データの集積率を向上させ、セキュリティ対策を講じた2次元コードの生成及び読取方法等に関するものである。
【背景技術】
【0002】
バーコードが普及し始めてから既に20数年が経過し、特に流通業界においてJAN(Japanese Article Number)コードのソースマーキングが進み、コンビニエンス・ストアやスーパー等のPOS(Point Of Sales)システム、EOS(Electronic Ordering System)に使用されるようになってから急速に各方面に普及し、現在では流通業界、産業界の情報システム化には不可欠のものとなっている。
【0003】
このようなバーコードは、情報を一方向に配置した1次元のバーコードと、情報を縦横の二方向に配置して1次元バーコードより情報量を増やした2次元のバーコードである2次元コードとに分けられる。上述したコンビニエンス・ストア等のPOSシステムで用いられているのは前者の1次元バーコードである。
【0004】
そして、バーコードの利用分野拡大に伴い、市場では近年新たな要望が出てきている。すなわち、より多くの情報を収納したい、もっと多くの文字種を表現した、もっと小さなスペースに印字したい、情報を暗号化したいといったニーズである。これらの市場ニーズに対応するために2次元コードが考案され、開発発表されてきた。
【0005】
2次元コードは、その種類に応じて規格化されており、大別してスタック型とマトリクス型に分類される。スタック型は、1次元バーコードを縮小し、縦方向に複数段に積み重ねた構造を有しており、代表的なものとしては「PDF417」、「Code49」等がある。他方、マトリクス型は、表示領域を黒と白のマス目パターンで表現し、これらのパターンの角度とサイズを読み取ることにより解読する仕組みが用いられる。マトリクス型の代表的なものでは「QRCode」、「Data Matrix」等が挙げられる。
【0006】
また、これらの2次元コードは、本来の情報であるシンボルキャラクタの他に、クワイエットゾーン、位置検出パターン、アライメントパターン、タイミングパターンが適宜含まれている。そして、これらを読み取って位置決めを行い、パターン(キャラクタ)の最小単位を特定し、読み取り開始位置より、上記シンボルキャラクタを認識して特定することによって、当該シンボルキャラクタに応じた情報を読み取る。
【0007】
ところで、例えば特許文献1では、情報の記録密度を高くすることが可能でありながら、2次元コード読取装置の製造コストの上昇を防止する技術が開示されている。当該技術では、データセル領域の少なくとも一部の領域に含まれるデータセルを複数のサブセルに分割し、それぞれのサブセルにデータを記録するように構成された2次元コードを読み取るもので、1個のサブセルを1個のデータセルの大きさの画像まで拡大するレンズを縦横に並べて構成されたレンズアレイを用いている。
【0008】
また、例えば特許文献2では、一の情報の部分を構成する部分2次元コードを配置した印刷物が開示されている。当該技術は、複数の部分2次元コードを一定の順番で、あるいはランダムに、様々な組合せで読み取ることにより、バリエーションに富んだ情報の復号化を可能とするものである。
【特許文献1】特開2003−346077号公報
【特許文献2】特開2005−25591号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
光ディスク、ハードディスク等の記録媒体は、集積率の向上により安価に提供されるようになり、あらゆる場面で利用されるようになってきた。そのため、1つの媒体に格納するデータ量も増えてきており、便利になる反面、故障や盗難に遭遇するとその被害も大きくなる。また、記録メディアの規格は次々と新しくなっており、数年も経つとその装置の販売が終了して保守もなくなり、記録したデータを取り出すことができなくなる危険性がある。しかし、その点、印刷物であれば読取機構は比較的簡単であるため、将来にわたって利用できる可能性が高い。
【0010】
先に述べたように、最近では2次元コードを用いることで狭い領域に多くの情報を格納できるようになってきたが、その利用方法は、狭い領域や一部分への印字というように、あくまでも人が判別できる情報の補填的な利用に止まっている。このため、収納できるデータ容量が比較的多いという2次元コードの特長を活かした利用ができていない状況となっている。
【0011】
他方、2次元コードはコード化されているので、人が見ただけでは情報の内容はわからず、その点では秘匿性があるといえる。ところが、2次元コードを読み取る2次元コードリーダが近年普及してきており、該コードリーダを使用すると2次元コードの情報を簡単に読み取ることができ、2次元コードであっても情報の秘匿性が決して高くないという状況になってきている。
【0012】
そこで、本発明は、2次元コードを情報記録媒体として有効に活用し、データ集積に関する効率性及びデータ漏洩に対する安全性を向上させることが可能な2次元コード生成及び読取を行う画像形成装置、2次元コードの生成及び読取方法等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
かかる目的を達成するために、請求項1記載の発明は、画像形成装置において、暗色及び明色の単位セルがマトリクス状に配列された2次元コードとして生成される対象であるコード化対象データを読み込むデータ読込手段と、前記2次元コードの生成に必要な条件で、誤り訂正レベル及び印刷用紙情報を含む生成条件を入力する生成条件入力手段と、前記データ読込手段により読み込まれたコード化対象データと、前記生成条件入力手段により入力された生成条件とに基づいて、前記2次元コードの種類、数及び配置を含む配置情報を算出する配置情報算出手段とを備える2次元コード生成機構と、前記配置情報算出手段により算出された配置情報に従って生成された2次元コードを分析して前記コード化対象データを抽出する分析抽出手段を備える2次元コード読取機構と、を有することを特徴とする。
【0014】
また、請求項2記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、前記配置情報算出手段は、単位セルとなる1つの前記2次元コードである構成部2次元コードを配列して前記コード化対象データとは別の情報を表す2次元コードである全体2次元コードを構成する場合の配置情報を算出することを特徴とする。
【0015】
また、請求項3記載の発明は、請求項2に記載の画像形成装置において、前記分析抽出手段は、前記配置情報算出手段により算出された配置情報に従って生成された全体2次元コードから前記コード化対象データについての付加情報を抽出することを特徴とする。
【0016】
また、請求項4記載の発明は、請求項1から3のいずれか1項に記載の画像形成装置において、前記配置情報算出手段は、1つの前記2次元コードを複数に分割した分割2次元コードをそれぞれ別の用紙に印刷する場合の配置情報を算出することを特徴とする。
【0017】
また、請求項5記載の発明は、請求項4に記載の画像形成装置において、前記分析抽出手段は、前記配置情報算出手段により算出された配置情報に従って生成された分割2次元コードから分割前の1つの前記2次元コードを求め、該2次元コードから前記コード化対象データを抽出することを特徴とする。
【0018】
また、請求項6記載の発明は、2次元コードを生成する2次元コード生成機構と、前記2次元コード生成機構により生成された2次元コードを読み取る2次元コード読取機構とを備える画像形成装置における2次元コードの生成及び読取方法であって、暗色及び明色の単位セルがマトリクス状に配列された2次元コードとして生成される対象であるコード化対象データを読み込むデータ読込工程と、前記2次元コードの生成に必要な条件で、誤り訂正レベル及び印刷用紙情報を含む生成条件を入力する生成条件入力工程と、前記データ読込工程により読み込まれたコード化対象データと、前記生成条件入力工程により入力された生成条件とに基づいて、前記2次元コードの種類、数及び配置を含む配置情報を算出する配置情報算出工程と、前記配置情報算出工程により算出された配置情報に従って生成された2次元コードを分析して前記コード化対象データを抽出する分析抽出工程と、を有することを特徴とする。
【0019】
また、請求項7記載の発明は、請求項6に記載の2次元コードの生成及び読取方法において、前記配置情報算出工程は、単位セルとなる1つの前記2次元コードである構成部2次元コードを配列して前記コード化対象データとは別の情報を表す2次元コードである全体2次元コードを構成する場合の配置情報を算出することを特徴とする。
【0020】
また、請求項8記載の発明は、請求項7に記載の2次元コードの生成及び読取方法において、前記分析抽出工程は、前記配置情報算出工程により算出された配置情報に従って生成された全体2次元コードから前記コード化対象データについての付加情報を抽出することを特徴とする。
【0021】
また、請求項9記載の発明は、請求項6から8のいずれか1項に記載の2次元コードの生成及び読取方法において、前記配置情報算出工程は、1つの前記2次元コードを複数に分割した分割2次元コードをそれぞれ別の用紙に印刷する場合の配置情報を算出することを特徴とする。
【0022】
また、請求項10記載の発明は、請求項9に記載の2次元コードの生成及び読取方法において、前記分析抽出工程は、前記配置情報算出工程により算出された配置情報に従って生成された分割2次元コードから分割前の1つの前記2次元コードを求め、該2次元コードから前記コード化対象データを抽出することを特徴とする。
【0023】
また、請求項11記載の発明は、請求項6から10のいずれか1項に記載の2次元コードの生成及び読取方法を画像形成装置に実行させるためのプログラムである。
【0024】
また、請求項12記載の発明は、請求項11に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、2次元コードを情報記録媒体として有効に活用し、データ集積に関する効率性及びデータ漏洩に対する安全性を向上させることが可能な2次元コード生成及び読取を行う画像形成装置、2次元コードの生成及び読取方法等が実現される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
本発明では、人が判別できる情報を全て排除し、印刷物にデータを格納する目的だけのために2次元コードを用いる。2次元コードレベル40を採用した例で説明すると、600dpi(dot per inch)、1セル4ドットでA4用紙に印刷した場合、最大で54個の2次元コードを印刷することができる。
【0027】
これは誤りレベルL(コードワードの約7%が復元可能)を採用した場合、英数字が231,984文字も格納できる計算で、このデータ量を同じ領域に印刷すると1辺当たり0.31mmの文字サイズとなり、1ポイント(1/72インチ、約0.3528mm)未満となる。上記の計算を元にすると600dpiでA3サイズの両面に印刷した場合、約1MB(Mega Byte)のデータが格納できる。上記では600dpiの例を示しているが、より解像度が向上した読取装置、印刷装置が出現すると、その容量も増やすことができる。
【0028】
そして、2次元コードのカラー化により、さらにその集積率を向上させることもできる。また、コードデータに識別番号や認証情報を付加したい場合は、2次元コードの配置を2次元コードの配列に従って配置することで、全体で1つの2次元コードを表すことができる。この集積方法は解像度や印刷する範囲により、何層にも実施することができる。なお、上記の配置をした場合は空白が生じ、格納するデータが減少するが、その空白部分に別の色で2次元コードを印刷することで、データ量の減少を抑え、全体を読み込む際にその色だけ除外することで全体情報を取得することができる。
【0029】
さらに、セキュリティ対策の1つとして2次元コード化する際に分割コードを利用し、意図的に別の印刷物となるようにすることができる。2次元コードは全てが揃わないと意味がないため、それぞれの印刷物を別々に管理することで簡易的なセキュリティ対策になる。印字できるもので二次元コードが印刷可能なサイズであれば、その材質や大きさは問わない。
【0030】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。
【0031】
図1は、本実施形態の画像形成装置でコード生成機構を中心とした構成を示したブロック図である。画像形成装置1は、文字、図形、記号、画像等のほかに、2次元コードを記録媒体に画像形成するのに好適に使用されるもので、コード生成機構10と、画像形成部20とから構成される。コード生成機構10は、入力部11、表示部12、出力部13、入出力部14、CPU15、及び記憶部16を有し、記憶部16は、メインメモリ17及びデータメモリ18を備える。
【0032】
コード生成機構10は、2次元コード生成の対象となるデータの読込み、コードの生成条件の入力、該データ及び生成条件に基づく2次元コードの生成等を行う。入力部11はデータを入力し、表示部12は入力操作を行う操作部、生成された2次元コードのプレビュー画面を表示する画面表示部等を有する。出力部13は、生成された2次元コードを記録媒体へ印刷するプロッタ部を有する。入出力部14は、通信回線50との入出力インタフェースである。CPU15は各部の制御を行い、記憶部16は各種データ等を記憶する。
【0033】
コード生成機構10は、入力部11や入出力部14からコード生成の対象データを取得することができ、取得されたデータは記憶部16内に格納される。入力部11等で取得されるコード生成の対象データは、テキストデータ、画像データ等の電子データである。入力部11は、マウス、キーボード、スキャナ、タブレット、CCDカメラ、デジタルカメラ等により構成することが可能である。
【0034】
記憶部16は、全体の制御を行うための制御プログラム等を記憶するメインメモリ17と、一時的にデータを記憶する作業領域として使用されるデータメモリ18等から構成される。メインメモリ17には取得データを2次元コードに変換するための変換データ等が格納されている。また、記憶部16には、パラメータ情報が記憶される。パラメータ情報は、2次元コード生成を行う際の条件を設定したもので、レーザ周波数、ビーム径等のほか、誤り訂正レベル、印刷用紙サイズ、多重化有無、多重化時の情報等がある。これらの条件は後述するように設定後にCPU15により読み込まれる。
【0035】
CPU15は、入力部11等から取得したコード生成の対象データと、記憶部16に記憶されているパラメータ情報及び2次元コード変換データを読み込み、これらを用いて2次元コードのレベル、配置、必要枚数等の情報を算出し、2次元コードを生成する。
【0036】
コード生成機構10は、生成した2次元コードを画像形成部20へ送出して、記録媒体上に2次元コードを印字させるように機能する。このとき、コード生成機構10は、2次元コードを表すデータとともに、制御信号を送出する。
【0037】
本実施形態では、画像形成装置内にコード生成機構10及び画像形成部20が搭載される構成としているが、コード生成機構10をパーソナルコンピュータ内に設けて、コード生成機構10と画像形成部20とをケーブルにより直接接続するような構成としてもよいし、無線LANやインターネット等の情報通信網を介して接続するように構成してもよい。
【0038】
図2は、本実施形態の画像形成装置でコード読取機構を中心とした構成を示したブロック図である。画像形成装置1は、コード読取機構30と、画像取込部40とから構成される。コード読取機構30は、入力部31、表示部32、出力部33、CPU34、及び記憶部35を有し、記憶部35は、メインメモリ36及びデータメモリ37を備える。
【0039】
入力部31は操作信号や電子データ等を入力し、表示部32は2次元コードのイメージデータやこれを復号化したデータを表示する。出力部33は、イメージデータ及び復号化データを印字し、あるいは電子媒体への出力等を行う。CPU34は各部の制御を行い、記憶部35は各種データ等を記憶する。
【0040】
記憶部35は、メインメモリ36及びデータメモリ37を有する。メインメモリ36には制御プログラムが格納されており、データメモリ37は作業領域として用いられ、また画像取込部40から取り込んだイメージデータや該イメージデータを復号化したデータ等が記憶されている。
【0041】
画像取込部40は、CCDカメラ等から構成され、コード読取機構30からの操作信号に基づいて2次元コードのイメージデータを取り込む。また、画像取込部40は、2次元コードをデジタル画像として取り込んでコード読取機構30へ送出する。なお、入力部31から電子データとして2次元コードデータを取り込んでもよく、この場合は画像取込部40及び入力部31によって取込部を構成する。
【0042】
CPU15は、画像取込部40から取り込んだイメージデータと、記憶部16に記憶されている2次元コード変換データから、コード生成された対象データ及びパラメータ情報を分析して、該対象データを抽出する。
【0043】
なお、本実施形態では、コード生成機構とコード読取機構が別々の機構としてCPU、記憶部、入力部等をそれぞれ有しているが、両機構の機能を1つに集約してコード生成読取機構することも可能である。その場合、該機構を構成する各部の数を節減することができ、コストを抑えることができる。
【0044】
図3は、本実施形態における2次元コードの印刷例を示した図で、文書101上に、複数種類の2次元コード102が印刷されている。2次元コード102は、データや条件に応じた数や大きさに分割され、印刷されている。なお、配置を工夫すれば、データの一部を抜き取ることや、その部分だけ保証レベルを変更することもできる。
【0045】
従来は人が判別できる情報の補填的利用となっていたが、本実施形態では、複数種類の2次元コード102のみを文書101に可能な限り印刷して、情報記録媒体として有効に活用している。
【0046】
図4は、本実施形態における2次元コードの印刷例を示した図で、1つの2次元コードを単位セルとして配列させて構成した別の2次元コードを表したものである。文書201上に大きな2次元コード(全体2次元コード)203が印字されており、全体2次元コード203は、小さな2次元コード(部分2次元コード)202が複数配置されて構成される。すなわち、全体2次元コードの黒で表現されたマス目パターンに部分2次元コード202が配置され、全体2次元コードと部分2次元コードが同じコード配列に従って配置される。
【0047】
全体2次元コード203は全体に情報を付加することができる。つまり、格納したい大容量のデータについては複数の部分2次元コードで表し、全体2次元コードは、該大容量データとは別の情報を意味する、例えば文書のIDや正当性を示すコード、認証情報等に利用できる。
【0048】
図5は、本実施形態における2次元コード生成の流れを示したフローチャートである。
【0049】
まず、コード化したい2次元コードの対象となるデータを読み込む(ステップS501)。次に、ユーザによる条件入力を行う(ステップS502)。ユーザは、入力部による情報入力を行い、該入力は、冗長性(誤り訂正レベル)、印刷用紙サイズ、多重化の有無や、多重化する際の情報といったをコード生成の条件の入力である。
【0050】
続いて、対象データ及び入力した生成条件に基づいて、2次元コードの配置情報の算出を行う(ステップS503)。ここでは、2次元コードのレベル、配置、必要枚数等を求める。次に、算出した配置情報を印刷データとして出力部に渡して、印刷結果のレイアウト確認を行う(ステップS504)。ここでの出力部はプリンタドライバを示しており、プリンタドライバでは、プレビュー機能により印刷内容を確認することができる。
【0051】
そして、レイアウト確認した印刷データを印刷するか否かが判断され、印刷する場合は(ステップS505/YES)、出力部に印刷要求が出され、イメージが印刷物上に印字される(ステップS506)。ここでの印刷部は例えばプロッタ部である。
【0052】
図6は、本実施形態における2次元コード読取の流れを示したフローチャートである。
【0053】
まず、2次元コードが印字された印刷物を画像取込部により読み込み、印刷物上のイメージを取り込む(ステップS601)。次に、取り込まれたイメージは、CPUによりコード化対象データとコード生成条件とに分析され、対象データが抽出される(ステップS602)。この分析・抽出のステップは、図5における配置情報の算出とおよそ逆の方法で行われる。そして、抽出されたコード化対象データのファイルが作成され、2次元コードの読取りが終了する(ステップS603)。
【0054】
なお、上述する実施形態は、本発明の好適な実施形態であり、上記実施形態のみに本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更を施した形態での実施が可能である。
【0055】
上記の実施形態によれば、紙を記憶メディアとすることで、バックアップや複製等の行為について、通常の複写機で簡単に行うことができる。
【0056】
また、上記の実施形態によれば、コード読取機構にコードを判別する機能を持たせることで、複写禁止や部分的な複写が可能かどうかを判別させ、動作させることができる。
【0057】
また、上記の実施形態によれば、2次元コードが全て揃わないと読取不可となる特性を利用して、それぞれの印刷物を別々に管理することにより、簡易かつ強固なセキュリティ対策を講じることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置の構成を示したブロック図である。
【図2】本発明の実施形態に係る画像形成装置の構成を示したブロック図である。
【図3】本発明の実施形態における2次元コードの印刷例を示した図である。
【図4】本発明の実施形態における2次元コードの印刷例を示した図である。
【図5】本発明の実施形態における2次元コード生成の流れを示したフローチャートである。
【図6】本発明の実施形態における2次元コード読取の流れを示したフローチャートである。
【符号の説明】
【0059】
1 画像形成装置
10 コード生成機構
11,31 入力部
12,32 表示部
13,33 出力部
14 入出力部
15,34 CPU
16,35 記憶部
17,36 メインメモリ
18,37 データメモリ
20 画像形成部
30 コード読取機構
40 画像取込部
50 通信回線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
暗色及び明色の単位セルがマトリクス状に配列された2次元コードとして生成される対象であるコード化対象データを読み込むデータ読込手段と、
前記2次元コードの生成に必要な条件で、誤り訂正レベル及び印刷用紙情報を含む生成条件を入力する生成条件入力手段と、
前記データ読込手段により読み込まれたコード化対象データと、前記生成条件入力手段により入力された生成条件とに基づいて、前記2次元コードの種類、数及び配置を含む配置情報を算出する配置情報算出手段とを備える2次元コード生成機構と、
前記配置情報算出手段により算出された配置情報に従って生成された2次元コードを分析して前記コード化対象データを抽出する分析抽出手段を備える2次元コード読取機構と、
を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記配置情報算出手段は、単位セルとなる1つの前記2次元コードである構成部2次元コードを配列して前記コード化対象データとは別の情報を表す2次元コードである全体2次元コードを構成する場合の配置情報を算出することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記分析抽出手段は、前記配置情報算出手段により算出された配置情報に従って生成された全体2次元コードから前記コード化対象データについての付加情報を抽出することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記配置情報算出手段は、1つの前記2次元コードを複数に分割した分割2次元コードをそれぞれ別の用紙に印刷する場合の配置情報を算出することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記分析抽出手段は、前記配置情報算出手段により算出された配置情報に従って生成された分割2次元コードから分割前の1つの前記2次元コードを求め、該2次元コードから前記コード化対象データを抽出することを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
2次元コードを生成する2次元コード生成機構と、前記2次元コード生成機構により生成された2次元コードを読み取る2次元コード読取機構とを備える画像形成装置における2次元コードの生成及び読取方法であって、
暗色及び明色の単位セルがマトリクス状に配列された2次元コードとして生成される対象であるコード化対象データを読み込むデータ読込工程と、
前記2次元コードの生成に必要な条件で、誤り訂正レベル及び印刷用紙情報を含む生成条件を入力する生成条件入力工程と、
前記データ読込工程により読み込まれたコード化対象データと、前記生成条件入力工程により入力された生成条件とに基づいて、前記2次元コードの種類、数及び配置を含む配置情報を算出する配置情報算出工程と、
前記配置情報算出工程により算出された配置情報に従って生成された2次元コードを分析して前記コード化対象データを抽出する分析抽出工程と、
を有することを特徴とする2次元コードの生成及び読取方法。
【請求項7】
前記配置情報算出工程は、単位セルとなる1つの前記2次元コードである構成部2次元コードを配列して前記コード化対象データとは別の情報を表す2次元コードである全体2次元コードを構成する場合の配置情報を算出することを特徴とする請求項6に記載の2次元コードの生成及び読取方法。
【請求項8】
前記分析抽出工程は、前記配置情報算出工程により算出された配置情報に従って生成された全体2次元コードから前記コード化対象データについての付加情報を抽出することを特徴とする請求項7に記載の2次元コードの生成及び読取方法。
【請求項9】
前記配置情報算出工程は、1つの前記2次元コードを複数に分割した分割2次元コードをそれぞれ別の用紙に印刷する場合の配置情報を算出することを特徴とする請求項6から8のいずれか1項に記載の2次元コードの生成及び読取方法。
【請求項10】
前記分析抽出工程は、前記配置情報算出工程により算出された配置情報に従って生成された分割2次元コードから分割前の1つの前記2次元コードを求め、該2次元コードから前記コード化対象データを抽出することを特徴とする請求項9に記載の2次元コードの生成及び読取方法。
【請求項11】
請求項6から10のいずれか1項に記載の2次元コードの生成及び読取方法を画像形成装置に実行させるためのプログラム。
【請求項12】
請求項11に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−59358(P2008−59358A)
【公開日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−236553(P2006−236553)
【出願日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】