説明

画像形成装置およびプロセスカートリッジ

【課題】プロセスカートリッジを画像形成装置から取り外したときに、感光体ドラムを保護することができる画像形成装置、および、その画像形成装置に装着されるプロセスカートリッジを提供すること。
【解決手段】
感光体ドラム18を備えるプロセスカートリッジ13をプロセスフレーム12に装着するときに、シャッタ41の操作部58が、プロセスフレーム12の位置決め板74に当接し、プロセスカートリッジ13のプロセスフレーム12に対する装着方向上流側に向かって揺動することにより、シャッタ41が、感光体ドラム18を被覆する閉位置から感光体ドラム18を露出する開位置に移動する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カラーレーザプリンタなどの画像形成装置、およびその画像形成装置に装着されるプロセスカートリッジに関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式のカラーレーザプリンタとして、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のトナーに対応して、4つの感光ドラムを備えるタンデム型カラーレーザプリンタが知られている。
このようなタンデム型カラーレーザプリンタとして、たとえば、装置本体に対して着脱可能な像担持体カートリッジに、複数の像担持体が相互に位置決めされて取り付けられているカラー画像形成装置が提案されている(たとえば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−15378号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかるに、特許文献1に記載の構成では、像担持体カートリッジは、像担持体を保護するための部材を備えていないので、像担持体カートリッジが装置本体から取り外されたときには、像担持体は、常時、露出している。
そのため、像担持体カートリッジが取り外されているときには、露出している像担持体が、周辺の物品と接触して、破損してしまうというおそれがある。
【0005】
そこで、本発明の目的は、プロセスカートリッジを画像形成装置から取り外したときに、感光体ドラムを保護することができる画像形成装置、および、その画像形成装置に装着されるプロセスカートリッジを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、第1の発明は、画像形成装置であって、画像形成装置本体と、前記画像形成装置本体に引き出し可能に装着されるプロセスフレームと、前記プロセスフレームに装着され、感光体ドラムを備えるプロセスカートリッジとを備え、前記プロセスカートリッジは、前記感光体ドラムに隣接する現像ユニット、前記感光体ドラムを被覆する閉位置と、前記感光体ドラムを露出する開位置とに移動するシャッタ部材、および、前記感光体ドラムの軸線方向において、前記現像ユニットの一方側端部に設けられ、前記現像ユニットに外部駆動源からの駆動力を前記感光体ドラムの軸線方向から入力する駆動入力部を備え、前記シャッタ部材は、前記駆動入力部に連結され、前記プロセスカートリッジを装着するときに、前記プロセスフレームと当接する操作部を備え、少なくとも前記駆動入力部の回転中心を支点として揺動自在に支持されており、前記操作部が、前記プロセスカートリッジを前記プロセスフレームに装着するときに、前記プロセスフレームと当接し、前記プロセスカートリッジの前記プロセスフレームに対する装着方向上流側に向かって揺動することにより、前記シャッタ部材が、前記閉位置から前記開位置に移動することを特徴としている。
【0007】
また、第2の発明は、プロセスカートリッジであって、間隔を隔てて対向配置される1対の側板、各前記側板間に架設される感光体ドラム、各前記側板間に配置され、前記感光体ドラムに隣接する現像ユニット、各前記側板間に配置され、前記感光体ドラムを被覆する閉位置と、前記感光体ドラムを露出する開位置とに移動するシャッタ部材、および、前記感光体ドラムの軸線方向において、前記現像ユニットの一方側端部に設けられ、前記現像ユニットに外部駆動源からの駆動力を前記感光体ドラムの軸線方向から入力する駆動入力部を備え、前記シャッタ部材は、少なくとも前記駆動入力部の回転中心を支点として揺動自在に支持されていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0008】
第1の発明によれば、感光体ドラムを被覆する閉位置と、感光体ドラムを露出する開位置とに移動するシャッタ部材を備えている。
そのため、シャッタ部材は、閉位置では、感光体ドラムを被覆して保護することができ、開位置では、感光体ドラムを露出させることができる。
そして、この画像形成装置では、プロセスカートリッジをプロセスフレームに装着するときに、プロセスカートリッジの操作部がプロセスフレームと当接し、プロセスカートリッジのプロセスフレームに対する装着方向上流側に向かって揺動することにより、シャッタ部材が開位置に移動する。
【0009】
そのため、プロセスカートリッジをプロセスフレームに装着する動作によって、プロセスフレームと、プロセスカートリッジの操作部とが当接し、それによって生じる反作用を利用して、装着方向上流側に向かって操作部を揺動させて、シャッタ部材を、閉位置から開位置に移動させることができる。
その結果、プロセスカートリッジをプロセスフレームに装着するまで、シャッタ部材を閉位置に位置させて、感光体ドラムを保護することができる一方、プロセスカートリッジをプロセスフレームに装着すれば、その動作に連動させて、シャッタ部材を開位置に移動させて、感光体ドラムを露出させることができる。
【0010】
また、シャッタ部材は、現像ユニットに外部駆動源からの駆動力を伝達する駆動入力部の回転中心を支点として揺動自在に支持されている。
そのため、シャッタ部材は、駆動入力部の回転中心を支点として揺動する。これにより、シャッタ部材が閉位置と開位置との間を移動しても、シャッタ部材が、現像ユニットへの駆動力の入力に干渉することを、防止することができる。
【0011】
その結果、現像ユニットへの駆動力の入力に干渉することなく、シャッタ部材を閉位置および開位置に移動させることができ、シャッタ部材が閉位置に移動したときには、感光体ドラムを保護することができる。
また、第2の発明によれば、感光体ドラムを被覆する閉位置と、感光体ドラムを露出する開位置とに移動するシャッタ部材を備えている。
【0012】
そのため、シャッタ部材は、閉位置では、感光体ドラムを被覆して保護することができ、開位置では、感光体ドラムを露出させることができる。
また、シャッタ部材は、現像ユニットに外部駆動源からの駆動力を伝達する駆動入力部の回転中心を支点として揺動自在に支持されている。
そのため、シャッタ部材は、駆動入力部の回転中心を支点として揺動する。これにより、シャッタ部材が閉位置と開位置との間を移動しても、シャッタ部材が、現像ユニットへの駆動力の入力に干渉することを、防止することができる。
【0013】
その結果、現像ユニットへの駆動力の入力に干渉することなく、シャッタ部材を閉位置および開位置に移動させることができ、シャッタ部材が閉位置に移動したときには、感光体ドラムを保護することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の画像形成装置の一例としてのカラーレーザプリンタの一実施形態を示す側断面図である。
【図2】図1に示すプロセスカートリッジの斜視図を示す。
【図3】図2に対応する正面図を示す。
【図4】図3に示すシャッタの斜視図を示す。
【図5】シャッタの開位置と閉位置とを説明する説明図であって、(a)は、シャッタが閉位置に配置されている状態を示し、(b)は、シャッタが開位置に配置されている状態を示す。
【図6】プロセスカートリッジをプロセスフレームに装着する動作を説明する説明図であって、(a)は、シャッタが閉位置に配置されており、操作部が位置決め板と当接した状態を示し、(b)は、操作部が揺動することにより、シャッタが閉位置から開位置へ移動する途中の状態を示し、(c)は、係止部が位置決め溝に嵌合され、シャッタが開位置に配置された状態を示す。
【図7】プロセスフレームを本体ケーシングに対して引き出し、または、押し込む動作を説明する説明図であって、(a)は、プロセスフレームが本体ケーシングに対して押し込まれて装着された状態を示し、(b)は、プロセスフレームが本体ケーシングから引き出された状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
1.カラーレーザプリンタの全体構成
図1に示すように、画像形成装置の一例としてのカラーレーザプリンタ1は、横置きタイプのタンデム型カラーレーザプリンタである。カラーレーザプリンタ1は、画像形成装置本体の一例としての本体ケーシング2内に、用紙Pを給紙するための給紙部3と、給紙された用紙Pに画像を形成するための画像形成部4とを備えている。
(1)本体ケーシング
本体ケーシング2は、画像形成部4を収容する側面視略矩形状のボックス状に形成されており、その一方側壁には、後述するプロセスフレーム12を着脱させるためのフロントカバー5が設けられている。
【0016】
なお、以下の説明において、フロントカバー5が設けられる側(図1における左側)を前側とし、その反対側(図1における右側)を後側とする。また、カラーレーザプリンタ1を前側から見たときを左右の基準とする。すなわち、図1の紙面手前側が右側であり、紙面奥側が左側である。
また、本体ケーシング2の左右方向両側壁には、上下方向略中央において、前後方向に沿って延びるフレームガイド溝78が形成されている(図7(a)参照。)。
(2)給紙部
給紙部3は、用紙Pを収容する給紙トレイ6を備えている。給紙トレイ6は、本体ケーシング2内の底部に着脱自在に装着されている。給紙トレイ6の前端部上方には、給紙ローラ7と、Uターンパスからなる給紙パス(図示せず)とが配置されている。
【0017】
給紙ローラ7の回転により、給紙トレイ6に収容されている用紙Pが給紙パス(図示せず)に向けて1枚ずつ給紙される。その後、用紙Pは、給紙パス(図示せず)から、画像形成部4(感光体ドラム18(後述)と搬送ベルト27(後述)との間)に向けて搬送される。
(3)画像形成部
画像形成部4は、スキャナ部8、プロセス部9、転写部10、および定着部11を備えている。
(3−1)スキャナ部
スキャナ部8は、本体ケーシング2の上部に配置されている。スキャナ部8は、鎖線で示すように、4つの感光体ドラム18(後述)に向けて、画像データに基づくレーザビームをそれぞれ出射し、感光体ドラム18(後述)を露光する。
(3−2)プロセス部
プロセス部9は、スキャナ部8の下方であって、給紙部3の上方に配置されており、1つのプロセスフレーム12と、各色に対応する4つのプロセスカートリッジ13とを備えている。
【0018】
プロセスフレーム12は、本体ケーシング2に、前後方向に沿って挿入または引き出し可能に装着されている。
プロセスカートリッジ13は、前後方向に沿って並列配置されるように、プロセスフレーム12に着脱自在に装着されている。具体的には、前側から後側に向かって、ブラックプロセスカートリッジ13K、イエロープロセスカートリッジ13Y、マゼンタプロセスカートリッジ13Mおよびシアンプロセスカートリッジ13Cが、順次配置されている。
(3−2−1)プロセスカートリッジ
各プロセスカートリッジ13は、それぞれ、側板の一例としての左右1対のユニット側壁14と、両ユニット側壁14間に支持されるドラムユニット15および現像ユニット16とを備えている。
【0019】
両ユニット側壁14は、後で詳述するが、側面視矩形状に形成され、左右方向に間隔を隔てて対向配置されている(図2参照。)。
ドラムユニット15は、両ユニット側壁14間の後側に配置され、感光体ドラム18、帯電ローラ19、クリーニングボックス17およびクリーニングブレード20を備えている。
【0020】
感光体ドラム18は、左右方向に沿って配置され、下方に向けて露出されるように、両ユニット側壁14に回転自在に支持されている。
帯電ローラ19は、感光体ドラム18の斜め後側上方に、感光体ドラム18と対向して接触するように配置され、両ユニット側壁14に回転自在に支持されている。
クリーニングボックス17は、感光体ドラム18および帯電ローラ19の後側に配置され、上下方向に沿って延びるボックス形状に形成されている。また、クリーニングボックス17は、感光体ドラム18との対向部分が開口されている。
【0021】
クリーニングブレード20は、感光体ドラム18の後方において、感光体ドラム18と対向して接触するように、クリーニングボックス17の開口部分近傍に支持されている。
現像ユニット16は、両ユニット側壁14間の前側に配置され、現像筐体21と、その現像筐体21に設けられる、供給ローラ23、現像ローラ22および層厚規制ブレード24とを備えている。
【0022】
現像筐体21は、左右1対の両側壁37(図3参照)と、両側壁37間に架設されるトナー収容仕切壁35およびローラ支持壁36とを一体的に備えている。
両側壁37は、両ユニット側壁14の対向方向内側に間隔を隔ててそれぞれ配置されている(図3参照)。
トナー収容仕切壁35は、上下方向に沿って延びる前壁、後側上方から下方へ延びるに従って前側に傾斜する後壁、および、前壁および後壁の上端部を連結する上壁を備えており、下端部が開放される側断面視略三角形状に形成されている。トナー収容仕切壁35によって区画される空間内には、各色に対応するトナーが収容されている。
【0023】
ローラ支持壁36は、トナー収容仕切壁35の前壁の下端部から連続して、トナー収容仕切壁35の後壁の下端部と上下方向に間隔が隔てられるように、後方に向かって延びる側断面視リップ形状に形成されている。
これによって、現像筐体21は、下端部が後方に向かって開放されるボックス形状に形成されている。
【0024】
現像ローラ22は、現像筐体21から後側に露出し、感光体ドラム18と接触するようにローラ支持壁36に配置されている。現像ローラ22は、ゴムローラが被覆される現像ローラ軸67を備えており、その現像ローラ軸67が両側壁37(図3参照)に回転自在に支持されている。
供給ローラ23は、現像ローラ22の前側においてローラ支持壁36に配置されている。供給ローラ23は、スポンジローラが被覆される供給ローラ軸68を備えており、その供給ローラ軸68が両側壁37(図3参照)に回転自在に支持されている。
【0025】
層厚規制ブレード24は、現像ローラ22の上側に配置され、トナー収容仕切壁35の後壁に支持されている。
(3−2−2)プロセスカートリッジでの現像動作
トナー収容仕切壁35によって区画される空間内のトナーは、供給ローラ23に供給され、さらに、現像ローラ22に供給され、供給ローラ23と現像ローラ22との間で正極性に摩擦帯電される。
【0026】
現像ローラ22に供給されたトナーは、現像ローラ22の回転に伴って、層厚規制ブレード24によって厚さが規制され、一定厚さの薄層として現像ローラ22の表面に担持される。
一方、感光体ドラム18の表面は、感光体ドラム18の回転に伴って、帯電ローラ19により一様に正帯電された後、クリーニングボックス17と現像筐体21との間を通過するスキャナ部8からのレーザビーム(図1破線参照。)の高速走査により露光される。これにより、用紙Pに形成すべき画像に対応した静電潜像が感光体ドラム18の表面に形成される。
【0027】
感光体ドラム18がさらに回転すると、現像ローラ22の表面に担持され、かつ、正帯電されているトナーが、感光体ドラム18の表面に形成されている静電潜像に供給される。これにより、感光体ドラム18の静電潜像は可視像化され、感光体ドラム18の表面には、反転現像によるトナー像が担持される。
なお、転写後に感光体ドラム18の表面に残存するトナーは、クリーニングブレード20によって掻き取られ、クリーニングボックス17内に収容される。
(3−3)転写部
転写部10は、本体ケーシング2内において、給紙部3の上方であって、プロセス部9の下方において、前後方向に沿って配置されている。この転写部10は、駆動ローラ25、従動ローラ26、エンドレスベルトの一例としての搬送ベルト27および転写ローラ28を備えている。
【0028】
駆動ローラ25および従動ローラ26は、前後方向に間隔を隔てて対向配置されており、それらの周りに搬送ベルト27が巻回されている。
転写ローラ28は、各感光体ドラム18と、搬送ベルト27を挟んで対向するように、それぞれ設けられている。
そして、給紙部3から給紙された用紙Pは、搬送ベルト27によって、前側から後側に向かって、各感光体ドラム18と各転写ローラ28とが対向する転写位置を順次通過するように搬送される。その搬送中に、各感光体ドラム18に担持されている各色のトナー像が、用紙Pに順次転写され、カラー画像が形成される。
(3−4)定着部
定着部11は、転写部10の後方に配置され、加熱ローラ29、および加熱ローラ29に対向する加圧ローラ30を備えている。転写部10において、用紙Pに転写されたカラー画像は、用紙Pが加熱ローラ29と加圧ローラ30との間を通過する間に、加熱および加圧されることによって用紙Pに熱定着される。
(4)排紙
トナー像が定着した用紙Pは、Uターンパスからなる排紙パス(図示せず)を通過して、排紙ローラ31に向けて搬送され、排紙ローラ31によって、本体ケーシング2の上面に形成された排紙トレイ32上に排紙される。
2.プロセス部の詳細
(1)プロセスカートリッジの詳細
プロセスカートリッジ13では、図2に示すように、上記したように、両ユニット側壁14間に、後側においてクリーニングボックス17が設けられ、前側において、現像筐体21が設けられている。
【0029】
クリーニングボックス17は、両ユニット側壁14に固定されている。
現像筐体21は、図3および図5に示すように、右側の側壁37において、駆動入力部の一例としての現像カップリング46、および、現像カップリング46と噛合する伝達要素の一例としてのギヤ列47を備えている。
現像カップリング46は、カップリングギヤ66と、カップリング継手65と、カップリングカバー64とを備えている。
【0030】
カップリングギヤ66は、右側の側壁37の前後方向および上下方向の略中央部分に配置され、右側の側壁37において回転自在に支持されている。
カップリング継手65は、カップリングギヤ66と一体的に回転するように、カップリングギヤ66と一体的に形成されており、右側の側壁37から右方へ突出するように、その軸線方向が左右方向に沿うように配置されている。
【0031】
カップリングカバー64は、円筒形状をなし、カップリング継手65を外嵌し、かつ、カップリングギヤ66を露出するように、右側の側壁37から右方へ突出するように設けられている。
ギヤ列47は、カップリングギヤ66に噛合する、現像ローラ駆動ギヤ49および供給ローラ駆動ギヤ50を備えている。
【0032】
現像ローラ駆動ギヤ49は、右側の側壁37から右方へ突出する現像ローラ軸67の右端部に固定されている。
供給ローラ駆動ギヤ50は、右側の側壁37から右方へ突出する供給ローラ軸68の右端部に固定されている。
プロセスカートリッジ13が、後述するように、本体ケーシング2に装着されると、カップリング継手65には、左右方向に進退自在の入力側継手(図示せず)が進出することにより、相対回転不能に結合される。
【0033】
入力側継手(図示せず)には、本体ケーシング2に設けられる外部駆動源の一例としてのモータ(図示せず)からの駆動力が伝達される。そのため、カップリング継手65には、モータ(図示せず)からの駆動力が、入力側継手(図示せず)を介して入力される。
すると、カップリング継手65と一体的に回転されるカップリングギヤ66が回転し、それと噛合する現像ローラ駆動ギヤ49および供給ローラ駆動ギヤ50が回転し、これによって、現像ローラ22および供給ローラ23が回転される。
【0034】
また、現像筐体21は、図3に示すように、左側の側壁37において、支持突部81が設けられている。支持突部81は、円柱形状に形成され、左右方向に投影したときに、カップリング継手65と中心軸線を共有するように配置され、左側の側壁37から左方へ突出するように設けられている。
そして、現像カップリング46(カップリングカバー64)は、右側のユニット側壁14を左右方向に貫通しており、それによって、現像カップリング46(カップリングカバー64)は、右側のユニット側壁14によって回転自在に支持されている。また、支持突部81は、左側のユニット側壁14を左右方向に貫通しており、それによって、支持突部81は、左側のユニット側壁14によって回転自在に支持されている。
【0035】
これによって、現像筐体21は、各ユニット側壁14と左右方向に間隔を隔てながら、両ユニット側壁14に支持されている。
両ユニット側壁14は、図2に示すように、搬送ベルト27の移動方向と直交する幅方向において、搬送ベルト27の外側に配置されるように、互いに間隔を隔てて左右方向に対向配置されており、側面視略矩形状に形成されている。
【0036】
また、両ユニット側壁14には、クリーニングボックス17および現像筐体21の下端部よりも、下方に延びる脚部43が設けられている。
脚部43は、ユニット側壁14の上側部分よりも前後方向において幅狭な、側面視矩形状に形成されている。これによって、両ユニット側壁14の前端縁および後端縁には、クリーニングボックス17の下端面と左右方向において面一となる、前後方向内方に切り込まれる段部44が形成される。
【0037】
また、両ユニット側壁14の上端部には、前端部において、切欠部42が形成されている。切欠部42は、ユニット側壁14の上端縁から前端縁にかけて、前方に向かうに従って下方に向かうように、斜めに切り欠かれている。
なお、右側のユニット側壁14には、感光体ドラム18に、モータ(図示せず)からの駆動力を入力するためのドラムカップリング45が設けられている(図2参照)。
【0038】
そして、両ユニット側壁14間には、シャッタ部材の一例としてのシャッタ41が設けられている。
シャッタ41は、図4に示すように、被覆部の一例としての被覆部材51と、被覆部材51を支持する左右1対の支持部材52とを備えている。
被覆部材51は、被覆板53、揺動軸54およびガイドレール55を一体的に備えている。
【0039】
被覆板53は、左右方向に沿って延びる板状をなし、中央部が下方に凹む側断面視湾曲形状に形成されている。
揺動軸54は、被覆板53の左右方向長さよりも長い左右方向長さの棒状に形成され、被覆板53の前端部において左右方向に沿って設けられている。また、揺動軸54の左右方向両端部は、被覆板53の左右方向両端縁よりも左右方向に突出している。
【0040】
ガイドレール55は、被覆板53の左右方向両端部において、被覆板53の上面から上方に向かって突出するように、それぞれ形成されている。また、ガイドレール55は、その上端縁が、用紙Pが通過する通紙領域の左右方向両外側において感光体ドラム18と接触するように、配置されている。左右のガイドレール55が感光体ドラム18と接触することにより、被覆板53が、感光体ドラム18の通紙領域と直接接触することを、防止できる。
【0041】
支持部材52は、支持部56、アーム部57、操作部58および係止部59を一体的に備えている。
支持部56は、側面視円環形状に形成されている。右側の支持部材52は、現像カップリング46のカップリングカバー64よりわずかに大径に形成されている。また、左側の支持部材52は、支持突部81よりわずかに大径に形成されている。
【0042】
アーム部57は、支持部56から連続して、支持部56の径方向外側に向かって延びている。また、アーム部57には、支持部56と反対側の遊端部において、貫通穴が形成されている。その貫通穴には、被覆部材51の揺動軸54の両端部が相対回転可能に挿通されている。これにより、アーム部57が、被覆部材51の左右方向両端部を揺動自在に支持している。
【0043】
操作部58は、側面視において、アーム部57との間に約120°の角度を形成するように、支持部56から連続して、支持部56の径方向外側に向かって延びている。すなわち、操作部58は、アーム部57との相対配置が、常に、アーム部57との間に約120°の角度を形成するように、位置固定されている。
係止部59は、操作部58の支持部56と反対側の遊端部に配置され、左右方向外側に向かって突出する円柱形状に形成されている。
【0044】
そして、図3および図4に示すように、右側の支持部材52は、右側のユニット側壁14と現像ユニット16の右側の側壁37との間において、カップリングカバー64に相対回転可能に外嵌されている。また、左側の支持部材52は、左側のユニット側壁14と現像ユニット16の左側の側壁37との間において、支持突部81に相対回転可能に外嵌されている。これにより、シャッタ41は、現像カップリング46および支持突部81の中心軸線(つまり、カップリング継手65の回転中心)を支点として、現像筐体21に揺動自在に支持される。
【0045】
また、これによって、左側の支持部材52の支持部56、アーム部57および操作部58は、左側のユニット側壁14と、現像ユニット16の左側の側壁37との間に配置される。また、右側の支持部材52の支持部56、アーム部57および操作部58は、右側のユニット側壁14と、現像ユニット16の右側の側壁37に配置されるギヤ列47との間に配置される。
【0046】
また、シャッタ41は、左右1対の第1コイルバネ61および左右1対の第2コイルバネ62を備えている。
第1コイルバネ61は、図4に示すように、被覆部材51の揺動軸54に巻回されており、一端が支持部材52のアーム部57に係止され、他端が被覆部材51の被覆板53に係止されている。これにより、被覆部材51は、常には、第1コイルバネ61の付勢力によって、揺動軸54を支点として、右側面視において反時計回りに付勢されている。
【0047】
第2コイルバネ62は、支持突部81および現像カップリング46に巻回されており、一端が支持部材52の操作部58に係止され、他端がユニット側壁14に係止されている。これにより、シャッタ41は、常には、第2コイルバネ62の付勢力によって、カップリング継手65の回転中心を支点として、右側面視において反時計回りに付勢されている。
【0048】
また、シャッタ41は、図5に示すように、カップリング継手65の回転中心を支点として揺動することにより、感光体ドラム18を被覆する閉位置(図5(a)参照)と、感光体ドラム18を露出する開位置(図5(b)参照)との間を移動する。
シャッタ41が閉位置に配置されているときには、図5(a)に示すように、被覆部材51は、ガイドレール55が感光体ドラム18の通紙領域の外側と接触するように、感光体ドラム18の下方に進出し、感光体ドラム18を被覆する。また、被覆部材51の下端縁は、ユニット側壁14の下端縁よりも上方に配置される。すなわち、被覆部材51は、ユニット側壁14を左右方向に投影した投影面内に配置される。また、操作部58は、ユニット側壁14の前端縁よりも前方に突出する。すなわち、操作部58は、ユニット側壁14を左右方向に投影した投影面内から前方に突出する。
【0049】
シャッタ41が開位置に配置されているときには、図5(b)に示すように、被覆部材51は、現像ユニット16と上下方向において対向配置するように、現像ユニット16の下方の空間に退避され、感光体ドラム18が露出される。また、操作部58は、係止部59が切欠部42に退避するように、配置される。
また、シャッタ41が開位置に配置されているときには、被覆部材51は、現像ユニット16側に投影した投影面内に、少なくとも、現像ローラ22の一部と、供給ローラ23の一部とを包含する。
(2)プロセスフレームの詳細
プロセスフレーム12は、硬質の樹脂から、4つのプロセスカートリッジ13を収容する枠状に形成され、図1に示すように、側壁の一例としての左右1対のフレーム側壁71、フロントビーム72、リヤビーム73および複数の位置決め板74を一体的に備えている。
【0050】
フレーム側壁71は、4つのプロセスカートリッジ13を左右方向に挟んで対向配置され、前後方向および上下方向に沿って延びるように形成されている。また、各フレーム側壁71には、図6に示すように、その上端から下方に向かって切り欠かれる収容部の一例としての4つの位置決め溝75が形成されている。
すなわち、各位置決め溝75は、各プロセスカートリッジ13がプロセスフレーム12に装着されたときの、各プロセスカートリッジ13の前端部に対応する位置に、位置決め板74と隣接するように、設けられている。
【0051】
各位置決め溝75は、シャッタ41の係止部59を受け入れるように、上側に向かって開く側面視略U字状に形成されている。
フロントビーム72は、図1に示すように、左右方向に延びる断面視略U字状に形成され、両フレーム側壁71の前端部間に架設されている。
リヤビーム73は、左右方向に延びる断面視略U字状に形成され、両フレーム側壁71の後端部間に架設されている。
【0052】
位置決め板74は、フロントビーム72とリヤビーム73との間において、等間隔を隔てて並列配置されるように、両フレーム側壁71間に3枚架設されている。また、位置決め板74は、左右方向および上下方向に延び、その左右方向両端部は、フレーム側壁71に連続している。
これにより、フロントビーム72、リヤビーム73および左右1対のフレーム側壁71に囲まれる空間は、3枚の位置決め板74により、前後方向に4等分されている。
【0053】
また、位置決め板74の下端部の左右方向両端には、プロセスカートリッジ13のユニット側壁14の段部44と当接する突条76が、搬送ベルト27の移動方向と直交する幅方向において、搬送ベルト27の外側に配置されるように、設けられている。
また、プロセスフレーム12の後端部には、フレームガイド軸77が、左右方向にわたって貫通されている(図7(a)参照。)。
【0054】
また、フレームガイド軸77の両端部は、両フレーム側壁71から左右方向外側に突出しており、本体ケーシング2のフレームガイド溝78にスライド自在に嵌合されている(図7(a)参照。)。
3.プロセスカートリッジの装着動作
プロセスカートリッジ13を本体ケーシング2に装着するには、図7(b)に示すように、まず、プロセスフレーム12を引き出し、プロセスカートリッジ13をプロセスフレーム12に装着する。なお、プロセスフレーム12を本体ケーシング2から引き出すと、プロセスフレーム12のフレームガイド軸77は、本体ケーシング2のフレームガイド溝78の最前端部に配置される。
【0055】
プロセスカートリッジ13をプロセスフレーム12に装着するには、図6(a)に示すように、両ユニット側壁14の前端部および後端部が前後の位置決め板74に沿うように位置を合わせて、上方からプロセスカートリッジ13をプロセスフレーム12へ挿入する。
すると、操作部58が、上方から位置決め板74の上端縁に当接する。そして、さらに下方に向かってプロセスカートリッジ13を挿入すると、操作部58は、位置決め板74から、下方から上方に向かう反作用を受けて、第2コイルバネ62の付勢力に抗して、上方に向かって揺動し始める。そして、同時に、アーム部57が前方に向かって揺動し始める。
【0056】
これにより、被覆部材51は前方に向かって引かれ、感光体ドラム18の下方から現像ユニット16の下方へ移動し始める。このとき、被覆部材51は、第1コイルバネ61の付勢力により、ガイドレール55が感光体ドラム18の外周面に沿いながら移動する。
そして、引き続き、プロセスカートリッジ13を挿入すると、図6(b)に示すように、被覆部材51が感光体ドラム18から外れて、感光体ドラム18が露出される。
【0057】
そして、引き続き、プロセスカートリッジ13を挿入すると、図6(c)に示すように、係止部59が位置決め溝75に嵌合されて、シャッタ41が開位置に固定される。なお、このとき、係止部59は、切欠部42に退避する。また、同時に、プロセスカートリッジ13の段部44がプロセスフレーム12の突条76に当接して、プロセスカートリッジ13の下方への挿入が規制される。これにより、プロセスカートリッジ13のプロセスフレーム12への装着が完了する。
【0058】
そして、このとき、プロセスカートリッジ13の前端部は、位置決め板74の後端面と前後方向において対向配置されており、操作部58は、その位置決め板74よりも後方、すなわち、現像ユニット16側に配置されている。また、係止部59の左右方向の外側面は、フレーム側壁71の左右方向の外側面と面一に配置される(図3参照)。
その後、図7(a)に示すように、本体ケーシング2に対して、後方に向かってプロセスフレーム12を押し込む。すると、プロセスフレーム12のフレームガイド軸77が、本体ケーシング2のフレームガイド溝78に沿って後方に向かって案内され、元のとおりに、本体ケーシング2にプロセスフレーム12が装着される。なお、プロセスカートリッジ13が本体ケーシング2に装着されると、プロセスフレーム12のフレームガイド軸77は、本体ケーシング2のフレームガイド溝78の最後端部に配置される。
5.実施形態の作用効果
(1)このカラーレーザプリンタ1によれば、図5に示すように、感光体ドラム18を被覆する閉位置と、感光体ドラム18を露出する開位置とに移動するシャッタ41を備えている。
【0059】
そのため、シャッタ41は、閉位置では、感光体ドラム18を被覆して保護することができ、開位置では、感光体ドラム18を露出させることができる。
また、図6に示すように、プロセスカートリッジ13を、上方から下方に向かってプロセスフレーム12に装着するときに、プロセスカートリッジ13の操作部58がプロセスフレーム12の位置決め板74と当接し(図6(a)参照)、上方に向かって揺動することにより(図6(b)参照)、シャッタ41が開位置に移動する(図6(c)参照)。
【0060】
そのため、プロセスカートリッジ13を、上方から下方に向かってプロセスフレーム12に装着する動作によって、プロセスフレーム12の位置決め板74と、プロセスカートリッジ13の操作部58とが上下方向において当接し、それによって生じる反作用を利用して、上方に向かって操作部58を揺動させて、シャッタ41を、閉位置から開位置に移動させることができる。
【0061】
その結果、プロセスカートリッジ13をプロセスフレーム12に装着するまで、シャッタ41を閉位置に位置させて、感光体ドラム18を保護することができる一方、プロセスカートリッジ13をプロセスフレーム12に装着すれば、その動作に連動させて、シャッタ41を開位置に移動させて、感光体ドラム18を露出させることができる。
また、シャッタ41は、図5に示すように、現像ユニット16において、本体ケーシング2に設けられるモータ(図示せず)からの駆動力を伝達するカップリング継手65の回転中心を支点として、揺動自在に支持されている。
【0062】
そのため、シャッタ41は、カップリング継手65の回転中心を支点として揺動する。これにより、シャッタ41が閉位置と開位置との間を移動しても、シャッタ41が、現像ユニット16への駆動力の入力に干渉することを、防止することができる。
その結果、現像ユニット16への駆動力の入力に干渉することなく、シャッタ41を閉位置および開位置に移動させることができ、シャッタ41が閉位置に移動したときには、感光体ドラム18を保護することができる。
(2)また、このカラーレーザプリンタ1によれば、操作部58は、図6に示すように、ユニット側壁14を感光体ドラム18の軸線方向(つまり、左右方向)に投影した投影面から、前側に突出しており、プロセスカートリッジ13を、上方から下方に向かってプロセスフレーム12に装着するときには、プロセスフレーム12の位置決め板74と当接し、上方に向かって揺動する。
【0063】
そのため、プロセスフレーム12の位置決め板74を利用して、操作部58を揺動させて、シャッタ41を開位置に移動させることができる。
その結果、簡単な構成で、シャッタ41を開位置に、確実に移動させることができる。
(3)また、このカラーレーザプリンタ1によれば、プロセスフレーム12は、図6(c)に示すように、シャッタ41が開位置に配置されているときに、操作部58を受け入れる位置決め溝75を備えている。
【0064】
そのため、操作部58は、プロセスカートリッジ13をプロセスフレーム12に装着した後において、プロセスフレーム12の位置決め溝75内に嵌合する。
その結果、プロセスカートリッジ13を装着したプロセスフレーム12のコンパクト化を図ることができる。
(4)また、このカラーレーザプリンタ1によれば、プロセスカートリッジ13がプロセスフレーム12に装着されているときには、プロセスカートリッジ13の前端部は、図6(c)に示すように、位置決め板74の後端面と対向配置されており、操作部58は、左右方向に投影したときに、位置決め板74よりも現像ユニット16側に配置されている。
【0065】
そのため、上下方向において、操作部58をプロセスフレーム12内に収めることができる。
また、プロセスカートリッジ13がプロセスフレーム12に装着されているときには、操作部58は、感光体ドラム18の軸線方向(つまり、左右方向)において、フレーム側壁71の外側面から内側に配置されている。
【0066】
そのため、左右方向において、操作部58をプロセスフレーム12内に収めることができる。
その結果、上下方向、および、左右方向において、プロセスカートリッジ13を装着したプロセスフレーム12のコンパクト化を図ることができる。
(5)また、このカラーレーザプリンタ1によれば、各ユニット側壁14は、図3に示すように、搬送ベルト27の移動方向と直交する幅方向(つまり、左右方向)において、搬送ベルト27の外側に配置されている。
【0067】
そのため、プロセスカートリッジ13を装着したときには、各ユニット側壁14の間において、感光体ドラム18と搬送ベルト27とを接触させることができる。
(6)また、このプロセスカートリッジ13によれば、図5に示すように、感光体ドラム18を被覆する閉位置と、感光体ドラム18を露出する開位置とに移動するシャッタ41を備えている。
【0068】
そのため、シャッタ41は、閉位置では、感光体ドラム18を被覆して保護することができ、開位置では、感光体ドラム18を露出させることができる。
また、シャッタ41は、図5に示すように、現像ユニット16において、本体ケーシング2に設けられるモータ(図示せず)からの駆動力を伝達するカップリング継手65の回転中心を支点として、揺動自在に支持されている。
【0069】
そのため、シャッタ41は、カップリング継手65の回転中心を支点として揺動する。これにより、シャッタ41が閉位置と開位置との間を移動しても、シャッタ41が、現像ユニット16への駆動力の入力に干渉することを、防止することができる。
その結果、現像ユニット16への駆動力の入力に干渉することなく、シャッタ41を閉位置および開位置に移動させることができ、シャッタ41が閉位置に移動したときには、感光体ドラム18を保護することができる。
(7)また、このプロセスカートリッジ13によれば、シャッタ41は、図3に示すように、被覆部材51の左右方向両端部を支持し、現像カップリング46に連結されるアーム部57が、感光体ドラム18の軸線方向(つまり、左右方向)において、各ユニット側壁14と現像ユニット16との間に配置されている。
【0070】
そのため、アーム部57を配置する空間を、新たにプロセスカートリッジ13に設けることなく、各ユニット側壁14と現像ユニット16との間の空間を利用して、アーム部57を配置することができる。
その結果、プロセスカートリッジ13に、コンパクトにシャッタ41を設けることができる。
(8)また、このプロセスカートリッジ13によれば、右側のアーム部57は、図3に示すように、現像ユニット16の右側において、右側のユニット側壁14とギヤ列47との間を通過する。
【0071】
そのため、現像ユニット16の右側において、ユニット側壁14とギヤ列47との間の空間を利用して、現像カップリング46とギヤ列47との駆動力の伝達に干渉することなく、アーム部57を配置することができる。
その結果、現像ユニット16において、駆動力の伝達経路の設計の自由度を確保しながら、プロセスカートリッジ13に、コンパクトにシャッタ41を設けることができる。
(9)また、このプロセスカートリッジ13によれば、シャッタ41の被覆部材51は、図5(b)に示すように、シャッタ41が開位置に配置されているときには、現像ユニット16と上下方向において対向している。そのため、現像ユニット16の下方の空間を利用して、シャッタ41を開位置に配置することができる。
【0072】
その結果、シャッタ41が開位置に配置されている場合において、プロセスカートリッジ13のコンパクト化を図ることができる。
(10)また、このプロセスカートリッジ13によれば、図5(a)に示すように、シャッタ41が閉位置に配置されているときに、被覆部材51は、ユニット側壁14を左右方向に投影した投影面内に収まっている。
【0073】
そのため、シャッタ41が閉位置に配置されている場合において、プロセスカートリッジ13のコンパクト化を図ることができる。
さらに、シャッタ41が閉位置に配置された状態で水平面に置くときに、シャッタ41が水平面に干渉することがない。
そのため、シャッタ41が閉位置に配置されている場合において、プロセスカートリッジ13を安定に水平面に置くことができる。
(11)また、このプロセスカートリッジ13によれば、操作部58は、ユニット側壁14を左右方向に投影した投影面から外側に突出している。
【0074】
そのため、プロセスカートリッジ13の外部から、確実に、操作部58を操作することができる。
また、プロセスカートリッジ13を装着するときに、操作部58が揺動することにより、シャッタ41が開位置に移動する。
そのため、プロセスカートリッジ13の装着動作に連動して操作部58を揺動させて、シャッタ41を開位置に移動させることができる。
【0075】
その結果、プロセスカートリッジ13の装着動作に連動して、確実に、操作部58を揺動させて、シャッタ41を開位置に移動させることができる。
(12)さらに、このプロセスカートリッジ13によれば、図5(b)に示すように、シャッタ41が開位置に配置されているときには、被覆部材51は、現像ユニット16側に投影した投影面内に、現像ローラ22および供給ローラ23の大部分を含んでいる。その結果、前後方向において、プロセスカートリッジ13のコンパクト化を図ることができる。
6.変形例
上記した説明では、支持部材52に係止部59を設けるとともに、フレーム側壁71に位置決め溝75を形成したが、支持部材52に係止部59を設けず、フレーム側壁71に位置決め溝75を形成しなくともよい。
【0076】
その場合には、プロセスカートリッジ13がプロセスフレーム12に装着されたときには、操作部58の支持部56と反対側における遊端部が、位置決め板74の上端と当接し、シャッタ41が開位置に固定される。
また、上記した説明では、シャッタ41にガイドレール55が設けられているが、感光体ドラム18にガイドレール55が設けられていてもよい。
【0077】
その場合には、感光体ドラム18の通紙領域の外側において、感光体ドラム18の外周にガイドレール55が設けられる。これにより、シャッタ41の被覆板53が、直接、感光体ドラム18の通紙領域に接触することを防止することができる。
【符号の説明】
【0078】
1 カラーレーザプリンタ
2 本体ケーシング
12 プロセスフレーム
13 プロセスカートリッジ
16 現像ユニット
18 感光体ドラム
27 搬送ベルト
41 シャッタ
46 現像カップリング
47 ギヤ列
51 被覆部材
56 アーム部
58 操作部
71 フレーム側壁
74 位置決め板
75 位置決め溝

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置本体と、
前記画像形成装置本体に引き出し可能に装着されるプロセスフレームと、
前記プロセスフレームに装着され、感光体ドラムを備えるプロセスカートリッジとを備え、
前記プロセスカートリッジは、
前記感光体ドラムに隣接する現像ユニット、
前記感光体ドラムを被覆する閉位置と、前記感光体ドラムを露出する開位置とに移動するシャッタ部材、および、
前記感光体ドラムの軸線方向において、前記現像ユニットの一方側端部に設けられ、前記現像ユニットに外部駆動源からの駆動力を前記感光体ドラムの軸線方向から入力する駆動入力部を備え、
前記シャッタ部材は、
前記駆動入力部に連結され、前記プロセスカートリッジを装着するときに、前記プロセスフレームと当接する操作部を備え、
少なくとも前記駆動入力部の回転中心を支点として揺動自在に支持されており、
前記操作部が、前記プロセスカートリッジを前記プロセスフレームに装着するときに、前記プロセスフレームと当接し、前記プロセスカートリッジの前記プロセスフレームに対する装着方向上流側に向かって揺動することにより、前記シャッタ部材が、前記閉位置から前記開位置に移動することを特徴とする、画像形成装置。
【請求項2】
前記プロセスカートリッジは、間隔を隔てて対向配置され、前記感光体ドラムを回転自在に支持する1対の側板を備え、
前記現像ユニットおよび前記シャッタ部材は、各前記側板の間に配置され、
前記操作部は、前記側板を前記感光体ドラムの軸線方向に投影した投影面から外側に突出しており、
前記プロセスフレームは、前記プロセスカートリッジの前記プロセスフレームに対する装着方向に沿って延びる位置決め板を備え、
前記操作部は、前記プロセスカートリッジを装着するときに、前記位置決め板と当接し、前記プロセスカートリッジの前記プロセスフレームに対する装着方向上流側に向かって揺動することを特徴とする、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記プロセスフレームは、前記シャッタ部材が前記開位置に配置されているときに、前記操作部を収容する収容部を備えていることを特徴とする、請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記プロセスフレームは、前記感光体ドラムの軸線方向における前記プロセスフレームの両端から、前記プロセスカートリッジの前記プロセスフレームに対する装着方向に沿って延びる側壁を備え、
前記プロセスカートリッジは、前記プロセスフレームに装着されたときには、前記位置決め板と対向配置され、
前記操作部は、前記プロセスカートリッジが前記プロセスフレームに装着されているときには、
前記感光体ドラムの軸線方向に投影したときに、前記位置決め板よりも前記現像ユニット側に配置され、
前記感光体ドラムの軸線方向において、前記側壁の外面よりも内側に配置されていることを特徴とする、請求項2または3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記感光体ドラムと接触するエンドレスベルトを備え、
各前記側板は、前記エンドレスベルトの移動方向と直交する幅方向において、前記エンドレスベルトの外側に配置されていることを特徴とする、請求項1ないし4のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
間隔を隔てて対向配置される1対の側板、
各前記側板間に架設される感光体ドラム、
各前記側板間に配置され、前記感光体ドラムに隣接する現像ユニット、
各前記側板間に配置され、前記感光体ドラムを被覆する閉位置と、前記感光体ドラムを露出する開位置とに移動するシャッタ部材、および、
前記感光体ドラムの軸線方向において、前記現像ユニットの一方側端部に設けられ、前記現像ユニットに外部駆動源からの駆動力を前記感光体ドラムの軸線方向から入力する駆動入力部を備え、
前記シャッタ部材は、少なくとも前記駆動入力部の回転中心を支点として揺動自在に支持されていることを特徴とする、プロセスカートリッジ。
【請求項7】
前記シャッタ部材は、
前記閉位置において、前記感光体ドラムを被覆する被覆部と、
前記感光体ドラムの軸線方向において前記被覆部の両端を支持し、前記駆動入力部に連結されるアーム部とを備え、
各前記側板と前記現像ユニットとは、前記感光体ドラムの軸線方向において、間隔を隔てて対向配置されており、
前記アーム部は、各前記側板と前記現像ユニットとの間に配置されていることを特徴とする、請求項6に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項8】
前記現像ユニットは、その一方側端部において、前記駆動入力部と噛合する伝達要素を備え、
前記アーム部は、一方側において、一方の前記側板と前記伝達要素との間を通過することを特徴とする、請求項7に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項9】
前記被覆部は、前記シャッタ部材が前記開位置に配置されているときに、前記現像ユニットと対向配置することを特徴とする、請求項7または8に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項10】
前記被覆部は、前記シャッタ部材が前記閉位置に配置されているときに、前記側板を前記感光体ドラムの軸線方向に投影した投影面内に、配置されていることを特徴とする、請求項7ないし9のいずれかに記載のプロセスカートリッジ。
【請求項11】
前記シャッタ部材は、前記駆動入力部に連結され、前記アーム部との相対配置が固定されている操作部を備え、
前記操作部は、前記側板を前記感光体ドラムの軸線方向に投影した投影面から外側に突出しており、
前記操作部の揺動により、前記シャッタ部材が、前記開位置に移動することを特徴とする、請求項7ないし10のいずれかに記載のプロセスカートリッジ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−79295(P2010−79295A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−197302(P2009−197302)
【出願日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】