説明

画像形成装置および画像形成システム

【課題】プリンタドライバの設定を、画像形成装置の構成品の新規装着や削除毎にユーザが画面に表示される各種構成品を確認して選択操作を行うことなく、自動的に行う方法の提供。
【解決手段】画像形成装置の装置構成を検出する構成検出部307と、構成検出部307が検出した装置構成を記憶する記憶部304と、構成検出部307が検出した装置構成が記憶部304に記憶されている装置構成と整合しない場合には、構成検出部307が検出した装置構成に基づいて定義ファイルを生成すると共に定義ファイル上書き用の上書きプログラムを生成し、プリンタドライバがインストールされている画像処理装置の送信アドレスが格納されている端末情報記憶部302と、送信アドレスに基づいて、装置構成変更情報を画像処理装置に送信する送信部311とを有し、装置構成変更情報に基づきプリンタドライバを自動的に更新する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置及び画像形成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置は各種構成品、例えば給紙ユニットや両面印刷ユニットやフィニッシャを装着して、様々な機能を追加できる。
画像処理装置は上記画像形成装置に画像データを送信し画像形成を行わせるソフトウエアであるプリンタドライバをインストールしている。
そして画像形成装置の装置構成の変更、即ち、構成品の新規追加や削除に対応させて上記プリンタドライバの内容を設定変更することで、画像形成装置に対し機能を発揮させることができる。
【0003】
従来、このプリンタドライバの構成品内容を設定変更するためには、下記特許文献に示されるように、画像処理装置が自己の表示画面に接続相手の画像形成装置の各種構成品つまりオプション装置を表示してユーザに選択させ、その結果をプリンタドライバの設定に反映させるというシステムが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−233482号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記システムでは、画像形成装置の構成品の新規装着や削除毎にユーザが画像処理装置の表示画面に表示される各種構成品を確認して選択操作を行う必要があるため、ユーザにとって面倒な作業であった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、装置構成の変更が可能な画像形成装置であって、自装置の装置構成を予め記憶する記憶部と、自装置の装置構成を検出する構成検出部と、上記構成検出部が検出した上記装置構成が上記記憶部に記憶されている装置構成と整合しない場合、プリンタドライバに適合させるための装置構成変更情報を生成する設定情報生成部とを含むことを特徴とする。
【0007】
他の発明はプリンタドライバがインストールされている画像処理装置と、装置構成の変更が可能な画像形成装置とが通信可能に接続された画像形成システムであって、上記画像形成装置は、自装置の装置構成を予め記憶する記憶部と、上記画像形成装置の装置構成を検出する構成検出部と、上記構成検出部が検出した上記装置構成が上記記憶部に記憶されている装置構成と整合しない場合、上記プリンタドライバに適合させるための装置構成変更情報を生成する設定情報生成部とを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、画像形成装置の装置構成が変更されると該装置側で自動的にプリンタドライバに適合する装置構成変更情報を生成するので、画像処理装置上で装置構成の選択操作を行うことなくプリンタドライバを更新することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】プリンタ100の機能ブロック図(実施例1)である。
【図2】画像形成システムの接続図(実施例1)である。
【図3】画像形成システムの構成図である。
【図4】登録PC情報管理データベース301の一例である。
【図5】プリンタドライバの定義ファイルの一例である。
【図6】プリンタドライバの設定画面例である。
【図7】実施例1のPC101とプリンタ100が初めて接続された時のプリンタの一連の動作を示すフローチャートである。
【図8】実施例1のプリンタ100の起動時及び一定時間経過毎の一連の動作を示すフローチャートである。
【図9】給紙ユニット2が装着されたときのプリンタドライバ定義ファイルの例である。
【図10】図9に示す定義ファイルが上書きされた後のプリンタドライバの設定画面例である。
【図11】ドライバがインストールされた場合と、オプション装置の装着状態が変更された場合の実施例1のPC101,プリンタ100,給紙ユニット1,給紙ユニット2間の信号の流れを纏めた図である。
【図12】プリンタドライバの定義ファイルの参考例である。
【図13】画像形成システムの接続図(実施例2)である。
【図14】プリンタ100の機能ブロック図(実施例2)である。
【図15】オプションモジュール管理データベース1400の一例である。
【図16】実施例2のプリンタ100の起動時及び一定時間経過毎の一連の動作を示すフローチャートである。
【図17】フィニッシヤが装着された時のプリンタドライバ定義ファイルの一例である。
【図18】フィニッシヤが装着された時のプリンタドライバの設定画面の一例である。
【図19】オプション装置の装着状態が変更された場合の実施例2のPC101,プリンタ100,給紙ユニット1,サーバPC1300、フィニッシャ間の信号の流れを纏めた図である。
【図20】本発明の変形例の機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【実施例1】
【0011】
(実施例1の構成の説明)
図2は画像形成システムの接続図である。
図2に示すように、画像形成システムは画像形成装置としてのプリンタ100と画像処理装置としてのパーソナルコンピュータ(以後、略してPCと称す)101がネットワーク102を介して接続されて構成される。
プリンタ100とPC101は共に双方向通信機能を有する。
プリンタ100とPC101は共に複数の台数を接続することも可能である。
【0012】
図3は画像形成システムの構成図である。
図3に示すように、プリンタ100は操作パネル200、CPU201、メモリ装置202、補助記憶装置203、ネットワークI/Fコントローラ204、データ処理部205、印刷部206、オプションI/Fコントローラ207を有する。
それぞれは、システムバス208を介して接続されている。
【0013】
操作パネル200は、プリンタ100の状態を表示したり、プリンタ100の入力動作を行ったりする。
【0014】
補助記憶装置203は接続するPC101の識別子及び自装置が装着している構成品つまりオプション装置のオプション識別子等のデータを記憶し、また、各種のプログラムを記憶する、例えばハードデイスクである。
【0015】
ネットワークI/Fコントローラ204はPC101と接続するネットワークI/F装置209を制御する。
データ処理部205は、印刷のために色空間変換や二値化処理などのデータ処理を行う。
【0016】
印刷部206は、データ処理部205により処理されたデータの印字を行う。
オプションI/Fコントローラ207は構成品つまりオプション装置と接続するオプションI/F装置210を制御する。
【0017】
CPU201は、メモリ装置202や補助記憶装置203に格納されたデータに基づいて各種の制御を行う。
CPU201は、プリンタ100の起動時及び一定時間経過毎に上記オプションI/Fコントローラ207、オプションI/F装置210を介してプリンタ100の装置構成を確認し、プリンタ100の装置構成が変更されている時には、接続しているPC101のプリンタドライバを新しい装置構成に適合させるために装置構成変更情報を生成し、上記ネットワークI/Fコントローラ204、ネットワークI/F装置209を介してPC101へ送信する。
【0018】
本実施例では、当初より装着されているオプション装置を具体的には給紙ユニット211とする。
給紙ユニット211はプリンタ100の基本構成となる既定オプション装置である。
【0019】
図3に示すように、PC101は、CPU212、メモリ装置213、補助記憶装置214、入出力コントローラ215、インタフェースコントローラ216を有する。
それぞれは、システムバス217を介して接続されている。
【0020】
入出力コントローラ215は入出力装置218を制御する。
入出力装置218は、データの入出力を行う装置であって、例えばキーボードとデイスプレイである。
インタフェースコントローラ216はプリンタ100と接続するインタフェース装置219を制御する。
【0021】
補助記憶装置214は、例えばハードデイスクであり、プリンタドライバ及びプリンタドライバのインストーラ等、各種のプログラムが格納されている。
【0022】
上記プリンタドライバには上記データベースが含まれており、該データベースにはプリンタ100の装着可能な既定オプション装置(例えば上記給紙ユニット211)の機能・形状等の細部仕様が該既定オプション装置に付与されたオプション識別子(例えばTray1)によって検索可能に記録されている。
【0023】
プリンタドライバには定義ファイルが含まれており、該定義ファイルには、接続しているプリンタ100に装着されている構成品つまりオプション装置のオプション識別子が記載されている。
【0024】
CPU212は、メモリ装置213や補助記憶装置214に格納されたプログラムとデータに基づき制御を行う。
プログラムとしてはプリンタドライバ及びインストーラが含まれ、CPU212はインストーラによりプリンタドライバをインストールすると共に、インストール完了後にPC情報、即ちコンピュータ名、IPアドレスをプリンタ100に上記インタフェースコントローラ216、インタフェース装置219を介して送信する。
【0025】
CPU212はプリンタドライバの定義ファイルに記載された該オプション識別子をキーとして上記データベースに記録されている該構成品つまりオプション装置の細部仕様を取り出し、細部仕様によって、設定画面の表示等をおこなわせる。
【0026】
図1は実施例1のプリンタ100の機能ブロック図である。
プリンタ100は、端末情報記憶部302、装置構成検出部303、記憶部304、送信部311で構成されている。
端末情報記憶部302は、PC情報受信部305、データベース更新部306、登録PC情報管理データベース301で構成されている。
【0027】
PC情報受信部305は、受信した情報がPCを特定するためのPC情報か否か等を判定する。
【0028】
装置構成検出部303とデータベース更新部306はCPU201が図3に示す補助記憶装置203に格納されている当該プログラムを実行することで構成される機能部である。
【0029】
データベース更新部306はPC情報受信部305が受信したPC101のPC情報を登録PC情報管理データベース301へ新規登録するか、もしくは該登録PC情報管理データベース301の該PC101に関する登録内容を更新する。
登録内容の更新とは例えば該PC101のIPアドレスの変更である。
【0030】
図4は登録PC情報管理データベース301の一例である。
登録PC情報管理データベース301には図4に示すように、PC101のID400、コンピュータ名401、IPアドレス402、ファイル名403、ファイルパス404が登録されている。
【0031】
図4のID400は登録PC情報管理データベース301へPC情報が登録される際に割り振られる番号である。
コンピュータ名401は登録されるPC101の名前である。
IPアドレス402は、登録されるPC101のIPアドレスである。
ファイル名403はプリンタドライバの設定画面の情報を定義する定義ファイル名である。
ファイルパス404はPC101の中でのファイル名403のファイルが格納されている場所のパスである。
【0032】
プリンタ100は、プリンタ100の起動時及び一定時間経過毎にプリンタ100の装置構成を確認し、プリンタ100の装置構成が変更されている時には、接続しているPC101のプリンタドライバを新しい装置構成に適合させるために装置構成変更情報を生成し、PC101へ送信する機能を有しているが、その機能の中核は装置構成検出部303が担う。
【0033】
上記装置構成検出部303は、構成検出部307、設定更新判定部308、設定情報生成部309、設定部310から構成されている。
【0034】
構成検出部307は起動時と一定時間間隔毎にオプションI/F装置210に対しプリンタ100に装着されている全ての構成品つまりオプション装置のオプション識別子を問い合わせ、全ての構成品つまりオプション装置のオプション識別子を取得する。
【0035】
設定更新判定部308は、構成検出部307が取得した上記オプション識別子が記憶部304に記憶されていない場合、新たに上記オプション識別子を記憶部304に記憶する。
また、既装着のオプション装置がはずされた場合は構成検出部307が該オプション識別子を取得していないので、上記記憶部304から該オプション識別子を削除する。
記憶部304に格納されていた情報と、今回構成検出部307で検出した情報が異なる場合、今回の検出情報で記憶部304の情報を上書きしても良い。
【0036】
設定情報生成部309は、PC101に連絡する定義ファイルにオプション識別子のみを設定する。
設定情報生成部309は、上記定義ファイルをプリンタドライバの既存の定義ファイルに上書きするための上書プログラムも生成する。
【0037】
設定部310は、登録されているPC101の識別情報を登録PC情報管理データベース301から取得して、該PC101に対して設定情報生成部309が生成した定義ファイルと上書プログラムを含む装置構成変更情報を送信するように送信部311に指示して該PC101へ装置構成変更情報を送信させる。
【0038】
PC101のCPU212は受信した上書きプログラムを実行し、インストールされているプリンタドライバの定義ファイルに受信した定義ファイルを上書き処理する。
【0039】
図5は設定情報生成部309が生成したプリンタドライバの定義ファイルの一例である。
図5の[Option]は、ファイルのセクションの名称であり、以下に続く英数字がプリンタ100に装着されているオプション装置のオプション識別子であることを示している。
即ち、2行目の Tray1 はプリンタ100の構成品つまりオプション装置である給紙ユニットのオプション識別子であり、この定義ファイルによってプリンタ100には既定オプション装置である給紙ユニットが1個だけ装着されていることが判る。
【0040】
PC101にインストールされているプリンタドライバには、上述したように、プリンタ100の既定オプション装置の機能・形状等の細部仕様が該オプション装置の名称とともに、該オプション装置のオプション識別子単位に記録されるデータベースが含まれている。
【0041】
図6は図5に示す定義ファイルに基づいてプリンタドライバにより給紙ユニットの細部仕様が組込まれ表示された設定画面例であり、給紙ユニットの形状寸法が反映されたプリンタの外観図が表示されている。
【0042】
(実施例1の動作の説明)
本発明の実施例1の動作について、図7から図11までを参照しながら詳細に説明する。
【0043】
図7はPC101にプリンタ100のプリンタドライバがインストールされた時(例えば、PC101とプリンタ100が初めて接続された時)のプリンタ100の一連の動作を示すフローチャートである。
この時、プリンタ100にはオプション識別子Tray1を有する給紙ユニットが1個だけ装着されている。
PC101とプリンタ100が初めて接続された時、PC101からは、PC情報がプリンタ100に送信される。
【0044】
ステップS600
PC情報受信部305はPC101から送信されてきた情報を受信する。
【0045】
ステップS601
PC情報受信部305は受信した情報がプリンタドライバ用のインストーラから送信されてきた情報であるか否かを(具体的には所定のフォーマットにあてはまるか否かを)判定する。
プリンタドライバ用のインストーラから送信されて来た情報と判定すればステップS602へ進み、さもなくば一連の初期動作を終了する。
【0046】
ステップS602
データベース更新部306はPC情報受信部305が受信した情報から、PC101のコンピュータ名やIPアドレス、プリンタドライバの定義ファイルとその格納先などをPC情報として抽出する。
【0047】
ステップS603
データベース更新部306は抽出したコンピュータ名をキーとして登録PC情報管理データベース301を検索する。
【0048】
ステップS604
検索の結果、登録PC情報管理データベース301内に受信した情報のコンピュータ名があれば、ステップS605に進み、無ければステップS606に進む。
【0049】
ステップS605
データベース更新部306は登録PC情報管理データベース301内の該コンピュータ名枠の情報を抽出したPC情報で更新し、IDを新しく振り直して格納する。
(例えばコンピュータ名を”COMPUTER5”とすると、図4のテーブルにて”COMPUTER5”の行の情報はステップS600にて受信し、ステップS602にて抽出した情報によって全て更新され、ID400は“1”の値から新規の値に与え直される。)
【0050】
ステップS606
データベース更新部306は登録PC情報管理データベース301(図4参照)にステップS602で抽出した情報を新規に登録する。ID400は追番で与えられる。
【0051】
ステップS607
設定情報生成部309は記憶部304に保存されているオプション識別子Tray1を取得する。
【0052】
ステップS608
設定情報生成部309はオプション識別子Tray1を記載した定義ファイルを生成する。
複数のオプション装置がある場合は、生成した上記定義ファイルに追記する。
図5は生成された定義ファイルを示す。
【0053】
ステップS609
該PC101のプリンタドライバに反映させる自装置のオプション識別子に関する処理が、設定情報生成部309がステップS607で取得したオプション識別子の全てに実施されたか否かを設定部310は確認する。全て実施済みならば、ステップS610に進み、未実施のオプション識別子があればステップS608に進む。
【0054】
ステップS610
設定部310は登録PC情報管理データベース301の最後尾(最新)に登録されている(即ちステップS600にて受信した、従ってID400の番号が一番大きい)PC101の情報を取得する。
【0055】
ステップS611
ステップS609の該PC101に対してステップS608で生成した該定義ファイルを送信するように、設定部310は送信部311に指示を出し、送信部311は上記定義ファイルを該PC101に送信する。
【0056】
その後、PC101においてCPU212は受信した定義ファイル情報に基づいて初期の定義ファイルを設定し、一連の初期動作を終了する。
【0057】
図8はプリンタ100がその後の起動時及び一定時間経過毎に装置構成の変更の有無を検知し、変更があると判定した時には、接続している全てのPC101に装置構成変更情報を送信する一連の動作を示すフローチャートである。
プリンタ100には既定オプション装置である給紙ユニットが1個だけ装着されていたが、現在、給紙ユニットが2個装着されており、記憶部304には給紙ユニットのオプション識別子が1個だけあることが記憶されている。
【0058】
ステップS700
プリンタ100が起動すると、構成検出部307は、全ての構成品つまりオプション装置(本実施例では2個の給紙ユニット即ち、給紙ユニット1及び給紙ユニット2)のオプション識別子を問い合わせる。
【0059】
ステップS701
オプションI/F装置210は給紙ユニット1のオプション識別子としてTray1及び給紙ユニット2のオプション識別子としてTray1を構成検出部307に返信する。
【0060】
ステップS702
設定更新判定部308は構成検出部307が取得したオプション識別子が記憶部304に既に記憶されているオプション識別子と整合するか否か判定する。整合していなければステップS703に進み、整合していれば一連の動作を終了する。
【0061】
ステップS703
設定更新判定部308は記憶部304に新しく取得したオプション識別子を記憶させる。その際、Tray1が2つあるので、今回新しく装着された給紙ユニット2のオプション識別子をTray2として記憶させる。
【0062】
ステップS704
設定情報生成部309はTray1以外に上記新規取得したオプション識別子Tray2を取得する。
【0063】
ステップS705
設定情報生成部309はオプション識別子Tray1及びTray2を記載した定義ファイルと該定義ファイルを上書きする上書プログラムを生成し、設定部310に送付する。
図9に生成された定義ファイルを示す。
【0064】
ステップS706
設定部310は端末情報記憶部302内の登録PC情報管理データベース301に登録されているプリンタに接続されているPC101のPC情報(図4参照)を取得する。
【0065】
ステップS707
設定部310はステップS705で生成した定義ファイルと該定義ファイルを上書きする上書プログラムとを含む装置構成変更情報を上記PC101に対して送信するよう送信部311に指示し、送信部311は上記装置構成変更情報をPC101へ送信する。
【0066】
ステップS708
設定部310はプリンタに接続されている全てのPC101へ、上記装置構成変更情報が送信済みで有るか否かを確認し、未送信のPC101が有ればステップS706に進み、送信済みで有ればステップS709に進む。
【0067】
上述のように、プリンタ100が自装置の装置構成に適合するようにプリンタドライバを変更させる装置構成変更情報をPC101に送信する一連の動作を終了する。
PC101側において、CPU212は受信した定義ファイルを上書きプログラムを用いて上記初期の定義ファイル上に上書きする。これにより、プリンタドライバの定義ファイルはTray1及びTray2が定義される。
【0068】
図10は図5に示す定義ファイルに図9に示す定義ファイルが上書きされた後のプリンタドライバの設定画面例である。
図10には給紙ユニット1と給紙ユニット2の形状寸法が反映されたプリンタの外観図が表示されている。
図10に示すように給紙方法として給紙ユニットの選択が可能になっている。
【0069】
図11はプリンタドライバがインストールされた場合とオプション装置の装着状態が変更された場合の実施例1の図7〜図8に示す動作をPC101,プリンタ100,給紙ユニット1,給紙ユニット2間の信号の流れとして纏めた図である。
尚、既定オプション装置の削除等の場合も図8に示す動作が応用例として適用される。
例えば、図9に示す定義ファイルが適用された後で、給紙ユニットが1台はずされた場合のプリンタ100がPC101に連絡する定義ファイルは図12に示すように記載される。
【0070】
(実施例1の効果)
プリンタとPCとが通信可能に接続される初期設定時、及び、構成品つまりオプション装置が新しく装着もしくははずされた時点でも、対象となる構成品のオプション識別子を記載した定義ファイルと該定義ファイルの上書きプログラムとを含む装置構成変更情報がプリンタからPCへ自動的に送信されるので、ユーザが該PC上で構成品の選択を行うことなくプリンタドライバを更新することができる。
【実施例2】
【0071】
本実施例では、画像形成装置としてのプリンタに該プリンタの既定オプション装置ではないオプション装置(例えば、フィニッシャや両面印刷ユニット)が新規装着された場合、該オプション装置の細部仕様を記したモジュールファイルを添付したオプション識別子を記載した定義ファイルと該定義ファイルをプリンタドライバに組込む上書きプログラムとを含む装置構成変更情報をプリンタが画像処理装置としてのPCへ自動的に送信する例について説明する。
【0072】
(実施例2の構成の説明)
PCにインストールされているプリンタドライバには、プリンタの既定オプション装置の細部仕様を記録するデータベースが含まれているが、PCの該データベースにプリンタに装着可能な、新規開発されたオプション装置についての細部仕様を予め記録させることは困難である。そこで、本実施例ではオプション装置の細部仕様を格納するオプションモジュール管理データベース1400を設け、新規開発されたオプション装置を装着した場合に細部仕様情報をPCに送信するようにしている。
【0073】
図13は本実施例の画像形成システムの接続図である。
実施例1と同様、ネットワーク102を介して接続されているPC101とプリンタ100は共に図13では1台ずつであるが、実際にはともに複数個接続されている。
図13に示すように、本実施例では図2の画像形成システムにサーバ用情報処理装置としてサーバPC1300が追加して設けられている。
サーバPC1300は上記オプションモジュール管理データベース1400を有している。
【0074】
図14は本実施例のプリンタ100の機能ブロック図である。
図14に示すように、本実施例では、サーバPC1300及び上記オプションモジュール管理データベース1400が追加して設けられている。
【0075】
また、本実施例では、プリンタ100にはオプション装置のオプション識別子を記憶する記憶部304の他に標準装置記憶部1401も設けられている。
記憶部304には構成検出部307によって装着が検出されると、実施例1と同様に、オプション装置のオプション識別子が記憶されているが、標準装置記憶部1401にはプリンタ100の既定オプション装置のオプション識別子、例えば Tray1、Tray2 が初期設定として記憶されている。そして、標準装置記憶部1401は、構成検出部307によって検出されたオプション装置が既定オプション装置であるか否かを判別する際に利用される。
【0076】
オプションモジュール管理データベース1400にはプリンタ100に装着可能で、新規に開発されたすべてのオプション装置の細部仕様情報が格納されており、新規にオプション装置が開発・供給される毎に格納内容が更新されている。
図15はオプションモジュール管理データベース1400の一例である。
図15に示すように、オプションモジュール管理データベース1400にはID1500やオプション識別子1501,モジュールファイル名1502及び該モジュールファイルが記憶される。
【0077】
ID1500は、オプションモジュール管理データベース1400へのオプション装置の情報登録時に割り振られる番号である。オプション識別子1501はプリンタ100に装着可能なオプション装置のオプション識別子である。モジュールファイル名1502はプリンタドライバでプリンタ100の構成品を使用するために必要な細部仕様を記したモジュールファイルの名称である。該モジュールファイルは各オプション装置の細部仕様情報を含んでいる。
【0078】
(実施例2の動作の説明)
実施例1の動作との違いを図16〜図19を参照しながら説明する。
図16は、プリンタ100がその後の起動時及び一定時間経過毎に装置構成の変更の有無を検知し、変更があると判定した時には、接続している全てのPC101に装置構成変更情報を送信する一連の動作を示すフローチャートである。(新規開発されたオプション装置の装着対応時)
【0079】
プリンタ100には既定オプション装置の給紙ユニット1と給紙ユニット2と新規にフィニッシャが装着されている。ここで、フィニッシャはプリンタ100の既定オプション装置では無く新規開発されたオプション装置であるとする。
【0080】
ステップS900
タイマーインタラプトがかかると、構成検出部307は、全てのオプション装置(本実施例では、給紙ユニット1と2及びフィニッシャを含む)にオプション識別子を問い合わせる。
【0081】
ステップS901
給紙ユニット1はオプション識別子としてTray1を、給紙ユニット2はオプション識別子としてTray1を、フィニッシャはオプション識別子としてFinisherを、構成検出部307に返信する。
設定更新判定部308はその際、オプション識別子Tray1を2つ受信するので、その1つをTray2と変更する。
【0082】
ステップS902
設定更新判定部308は構成検出部307が取得したオプション識別子が記憶部304に既に記憶されているオプション識別子と整合するかそれぞれについて判定する。整合していなければステップS903に進み、整合していれば一連の動作を終了する。
【0083】
ステップS903
設定更新判定部308は記憶部304に新しく取得した情報であるオプション識別子Finisherを追加記憶する。
【0084】
ステップS1600
設定更新判定部308は記憶部304に今回新規に保存されたオプション識別子が標準装置記憶部1401に記憶されているいずれかのオプション識別子と同一であるか否かを判定する。同一であればステップS904に進み、同一でなければステップS1601に進む。今回は、フィニッシャは既定オプション装置では無く、新規開発されたオプション装置としているのでステップS1601に進む。
【0085】
ステップS1601
フィニッシャのオプション識別子であるFinisherを設定情報生成部309は取得する。
【0086】
ステップS1602
設定情報生成部309はオプション識別子FinisherをキーにしてサーバPC1300にオプションモジュール管理データベース1400の検索を指示する。
【0087】
ステップS1603
検索の結果、設定情報生成部309はサーバPC1300により、該当モジュールファイル名(ここでは、opfin.dll)を取得し、引き続き該当モジュールファイルを取得する。
【0088】
ステップS904
設定情報生成部309は記憶部304に記憶してある全てのオプション識別子を取得する。
【0089】
ステップS905
設定情報生成部309は、ステップS1603にて取得したモジュールファイルを用いてオプション識別子を記載した定義ファイル(図17参照)を生成し、該定義ファイルと該モジュールファイルとを上書きする上書きプログラムを生成する。
図17に示すように、Tray1 と Tray2 は既に記憶部に保存してあるオプション識別子であり、新規に検出されたオプション識別子 Finisher は標準装置記憶部1401に記憶されていなかったために、新規開発されたオプション装置と判定され、opfin.dllという名のモジュールファイルがオプションモジュール管理データベース1400より取得される。
【0090】
ステップS906
設定部310は登録PC情報管理データベース301に登録されている本プリンタに接続されているPC101の情報を取得する。
【0091】
ステップS907
設定部310はステップS905で生成した定義ファイルとステップS1603で得たモジュールファイルとそれら情報を上書きする上書きプログラムを含む装置構成変更情報をPC情報を基にしてPC101に対して送信するよう送信部311に指示する。送信部311は上記装置構成変更情報をPC101に送信する。
【0092】
上記送信された上書きプログラムは受信したPC101のCPU212にて実行され、PC101にインストールされているプリンタドライバの定義ファイルが上書きされ、新しくプリンタ100に追加されたオプション装置(本実施例ではフィニッシャ)の機能をプリンタドライバで使用するために必要なモジュールファイルがプリンタドライバに付与される。
図17に示す定義ファイルが適用された時のプリンタドライバの設定画面例を図18に示す。
図18に示すように、設定画面にタブが追加され、フィニッシャの機能が選択できるようになっている。
【0093】
ステップS908
設定部310は本プリンタに接続されている全てのPC101へ、上記装置構成変更情報が送信済みで有るか否かを確認し、未送信のPC101が有ればステップS906に進む。
【0094】
新たに追加装着されたオプション装置が既定オプション装置ではない場合、該オプション装置の特性を記した該当モジュールファイルを定義ファイルなどとともに、装置構成変更情報としてPC101に向けて送信し、自装置の新たな装置構成に適合させるようにする一連の動作を終了する。
【0095】
図19はオプション装置の装着状態が変更された場合の実施例2の動作をPC101,プリンタ100,サーバPC1300、フィニッシャ間の信号の流れとして纏めた図である。
【0096】
(実施例2の効果)
以上のように実施例2によれば、プリンタに新しく追加された構成品つまりオプション装置が既定オプション装置では無く新規開発されたオプション装置の場合でも、新しいオプション装置の細部仕様を記したモジュールファイルを含む装置構成変更情報が該プリンタからPCに自動的に送信されるので、ユーザが該PC上で構成品つまりオプション装置の選択及び細部仕様情報の入力を行うことなくプリンタドライバを更新することができる。
【変形例】
【0097】
本変形例では、プリンタに既定オプション装置ではないスキャナーが新たに装着された場合、読取った画像データをUSBメモリに記憶させ、該スキャナーの細部仕様を記したモジュールファイルを添付したオプション識別子を記載した定義ファイルと該定義ファイルをプリンタドライバに組込む上書きプログラムとを含む装置構成変更情報を内部の記憶部に記憶する例について説明する。
【0098】
図20は本変形例のプリンタ100の機能ブロック図である。
図20に示すように、図14に示す実施例2の構成に新たにUSBポートを有するUSBメモリ312とスキャナーユニット313が追加されている。
【0099】
本変形例では、構成検出部307がスキャナーユニット313を検出するので、設定情報生成部309はスキャナーの識別子を含む新たな定義ファイル、及びその上書きプログラムを含む装置構成変更情報を生成する。そして、設定情報生成部309はこの装置構成変更情報を内部の記憶部304に格納する。
【0100】
スキャナーユニット313は原稿をスキャニングして画像データを読み取る。読み取られた画像データは所定の形式に変換されUSBポートを介してUSBメモリ312に記憶される。
【0101】
USBメモリ312はユーザが画像データを利用するために取り外される。
【産業上の利用可能性】
【0102】
実施例では、プリンタについて説明したが、FAXやスキャナ単体、MFP(Multi Function Printer)にも適用可能である。
【符号の説明】
【0103】
100 プリンタ
211 給紙ユニット
301 登録PC情報管理データベース
302 端末情報記憶部
303 装置構成検出部
304 記憶部
305 PC情報受信部
306 データベース更新部
307 構成検出部
308 設定更新判定部
309 設定情報生成部
310 設定部
311 送信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置構成の変更が可能な画像形成装置であって、
自装置の装置構成を予め記憶する記憶部と、
自装置の装置構成を検出する構成検出部と、
前記構成検出部が検出した前記装置構成が前記記憶部に記憶されている装置構成と整合しない場合、プリンタドライバに適合させるための装置構成変更情報を生成する設定情報生成部と、
を含むことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記装置構成変更情報は、前記プリンタドライバにて使用する構成品の定義ファイルと、該定義ファイル上書き用の上書きプログラムが含まれることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
プリンタドライバがインストールされている画像処理装置の送信アドレスが格納されている情報記憶部と、前記送信アドレスに基づいて前記装置構成変更情報を前記画像処理装置に送信する送信部とを更に含むことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
プリンタドライバがインストールされている画像処理装置と、装置構成の変更が可能な画像形成装置とが通信可能に接続された画像形成システムであって、
前記画像形成装置は、
自装置の装置構成を予め記憶する記憶部と、
前記画像形成装置の装置構成を検出する構成検出部と、
前記構成検出部が検出した前記装置構成が前記記憶部に記憶されている装置構成と整合しない場合、前記プリンタドライバに適合させるための装置構成変更情報を生成する設定情報生成部と、
を含むことを特徴とする画像形成システム。
【請求項5】
前記装置構成変更情報は、前記プリンタドライバにて使用する構成品の定義ファイルと、該定義ファイル上書き用の上書きプログラムが含まれることを特徴とする請求項4に記載の画像形成システム。
【請求項6】
前記装置構成変更情報は、前記定義ファイルに対応してオプション機能を追加するためのオプションモジュールを更に含むことを特徴とする請求項5に記載の画像形成システム。
【請求項7】
前記画像形成装置は、プリンタドライバがインストールされている画像処理装置の送信アドレスが格納されている情報記憶部と、前記送信アドレスに基づいて前記装置構成変更情報を前記画像処理装置に送信する送信部とを更に含むことを特徴とする請求項5,6のいずれかに記載の画像形成システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2010−170428(P2010−170428A)
【公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−13547(P2009−13547)
【出願日】平成21年1月23日(2009.1.23)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【出願人】(594202361)株式会社沖データシステムズ (259)
【Fターム(参考)】