説明

画像形成装置および画像形成方法

【課題】像担持体ローラーの凹部内に液体現像剤が蓄積するのを効果的に抑制しつつ、画像形成装置を小型コンパクトにかつ安価に製造する。
【解決手段】回転するとともに潜像が形成される感光体2と、潜像をトナー及びキャリアー液を含む液体現像剤で現像する現像部5と、凹部9cを有するローラー基材および凹部9cを除くローラー基材9aの外周面に設けられるブランケット9bを有する像担持体ローラー9と、像担持体ローラー9に当接されて像担持体ローラー9をクリーニングする像担持体ローラークリーニングローラー15bを有する像担持体ローラークリーニング部15とを備え、凹部9cに像担持体ローラー9の回転方向側に隣接する所定領域でのブランケット9bの厚さt1が、この所定領域を除く領域でのブランケット9bの厚さt2より薄い。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、凹部を有するとともに潜像担持体に当接して回転され、トナーとキャリアー液とを含む液体現像剤を用いて潜像担持体に現像されたトナー像が転写される転写ローラーを備える画像形成装置および画像形成方法の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、凹部を有する感光体に形成された潜像を液体トナーにより現像してトナー像を形成し、凹部を有する転写ローラーを感光体に当接させるとともに回転させることでトナー像を転写ローラーに転写し、転写ローラーに転写されたトナー像を転写紙等の転写材に転写する画像形成装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載の画像形成装置では、感光体に形成されたトナー像が転写ローラーに転写された後、感光体が感光体クリーニングローラーでクリーニングされて、感光体に残留する残留液体トナーが除去される。また、転写ローラーに転写されたトナー像が転写材に転写された後、転写ローラーが転写ローラークリーニングローラーでクリーニングされて、転写ローラーに残留する残留液体トナーが除去される。
【0004】
しかし、感光体が感光体クリーニングローラーでクリーニングされても残留液体トナーが完全に除去されることはなく、残留液体トナーは感光体に設けられた感光体の凹部内に蓄積される。そして、画像形成装置が長時間使用されると、感光体の凹部内に蓄積された液体トナーは凹部外に滲みだして、感光体の周辺の部材を汚してしまう。そこで、特許文献1に記載の画像形成装置では、ウエブクリーニング装置で感光体の凹部内をクリーニングしたり、吸引ポンプで感光体の凹部内に蓄積した液体トナーを吸引したりして、感光体の凹部内の液体トナーを除去している。なお、特許文献1には転写ローラーの凹部内に蓄積される液体トナーについては言及されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−317980号公報。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、特許文献1に記載の画像形成装置では、転写ローラーの凹部以外の外周面が感光体に当接される。このため、感光体のトナー像が転写ローラーに転写された後、感光体に残留する残留液体トナーが転写ローラーに転写される。その場合、凹部に転写ローラーの回転方向側に隣接する転写ローラーの外周面に転写された液体トナーは凹部に移動して転写ローラーの凹部内に蓄積される。そして、画像形成装置が長時間使用されると、転写ローラーの凹部内に蓄積された液体トナーは凹部外に滲みだして、転写ローラーの周辺の部材を汚してしまう。そこで、特許文献1に記載の感光体の凹部のクリーニングに用いられるウエブクリーニング装置や吸引ポンプを転写ローラーの凹部のクリーニングに適用することが考えられる。
【0007】
しかしながら、ウエブクリーニング装置や吸引ポンプは比較的大型であるとともに構造が複雑である。このため、大きなスペースが必要となるばかりでなく、コストが高いという問題がある。
【0008】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、転写ローラーの
凹部内に液体現像剤が蓄積するのを効果的に抑制しつつ、小型コンパクトにかつ安価に製造することのできる画像形成装置および画像形成方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前述の課題を解決するために、本発明に係る画像形成装置および画像形成方法によれば、液体現像剤で現像された像が転写される像担持体ローラーが周面に凹部を有するローラー基材および凹部を除くローラー基材の周面に設けられたブランケットを有する。そして、凹部に像担持体ローラーの回転方向側に隣接する所定領域を除く領域でのブランケットは第1の膜厚部にされるとともに、この所定領域でのブランケットは第1の厚さより薄い第2の厚さの膜厚部にされる。この第2の厚さの膜厚部は潜像担持体に接触しない非接触部である。したがって、像担持体ローラーの非接触部に潜像担持体から残留トナーおよび残留キャリアー液が移動することを抑制することができる。これにより、非接触部に付着する可能性のある残留トナーおよび残留キャリアー液をいずれもごく微量にすることが可能となる。その結果、残留トナーおよび残留キャリアー液の凹部内への蓄積を抑制することができるとともに、凹部から滲み出してくることが防止することができる。
【0010】
これにより、画像形成装置が長期間使用されても、凹部内に残留トナーが蓄積することにより、像担持体ローラー以外の他のローラーの汚染や転写材の汚染等の像担持体ローラーの周辺の部材の汚染をより効果的に防止することが可能となる。このようにして、前述の特許文献1に記載されているようなウエブクリーニング機構や吸引ポンプを不要にすることができ、画像形成装置を簡単な構造とすることができる。そして、画像形成装置が簡単な構造になることから、高い信頼性を得ることができるとともに省スペース化を図ることができる安価な画像形成装置を実現することができる。
【0011】
また、凹部に隣接しない所定領域でのブランケットは、第1の厚さより薄い第3の厚さの膜厚部にされる。この第3の厚さの膜厚部も潜像担持体に接触しない第2の非接触部である。そして、この第2の非接触部を非画像領域に設けることで、像担持体ローラーの1回転で2枚の転写材に対して画像を形成することが可能となるとともに、画像形成残留トナーおよび残留キャリアー液の擦り切りをより一層効率よく行うことができる。
【0012】
更に、像担持体ローラークリーニング部材により非接触部に付着する微量の残留トナーおよび微量の残留キャリアー液をほぼ完全に擦り切ることで、凹部内への残留トナーの蓄積を効率よく抑制することができる。その場合、像担持体ローラークリーニング部材に、像担持体ローラーの回転に対してカウンタ回転する像担持体ローラークリーニングローラーを用いることで、像担持体ローラーの非接触部に付着するごく微量なトナーを効果的に除去することができる。これにより、更に一層簡単な構造で凹部内への残留トナーの蓄積をより一層効率よく抑制することができる。
【0013】
更に、像担持体ローラークリーニング部材により像担持体ローラーに付着するトナーを擦り取る前に、クリーニング液塗布部によりクリーニング液が像担持体ローラーの表面に微量塗布される。これにより、像担持体ローラーの表面に付着するトナーがより一層容易に除去され、像担持体ローラーのクリーニング性能を向上させることが可能となる。その場合、クリーニング液に液体現像剤のキャリアー液を用いることで、専用のクリーニング液を用いないで済む。したがって、像担持体ローラーの表面に付着するトナーを容易にかつ安価に除去することができる。
【0014】
更に、凹部の開口周面を覆うカバー部材が設けられる。このカバー部材により、像担持体ローラークリーニング部材が凹部内に落ち込むのが防止される。したがって、像担持体ローラーをスムーズに回転させることが可能となる。その場合、凹部に隣接する非接触部に残留トナーがほとんど付着しないので、カバー部材を設けても、残留トナーが付着する
ことを効果的に抑制することができる。したがって、カバー部材に付着する可能性のある残留トナーをいずれもごくごく微量にすることが可能となる。これにより、カバー部材から凹部内に残留トナーが蓄積することを抑制することができるとともに、凹部からの残留トナーの滲み出しを防止することができる。
【0015】
更に、凹部の開口周面を覆うとともに液体現像剤を吸収する吸収部材が設けられる。したがって、吸収部材により、ごくごく微量のトナーを吸収することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明にかかる画像形成装置の実施の形態の第1例の一部を模式的にかつ部分的に示す図である。
【図2】第1例の転写ローラーの非接触部が感光体に接触しないことを説明する図である。
【図3】第1例の転写ローラーによるトナー像の転写を説明する図である。
【図4】第1例の転写ローラーの画像領域のクリーニングの終了を説明する図である。
【図5】第1例の転写ローラーの非接触部の擦り切りの終了を説明する図である。
【図6】本発明にかかる画像形成装置の実施の形態の第2例の一部を模式的にかつ部分的に示す図である。
【図7】本発明にかかる画像形成装置の実施の形態の第3例に用いられる転写ローラーを模式的にかつ部分的に示す図である。
【図8】本発明にかかる画像形成装置の実施の形態の第4例に用いられる転写ローラーを模式的にかつ部分的に示す図である。
【図9】本発明にかかる画像形成装置の実施の形態の第5例に用いられる転写ローラーを模式的にかつ部分的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を用いて本発明を実施するための形態について説明する。
図1は、本発明にかかる画像形成装置の実施の形態の第1例の一部を模式的にかつ部分的に示す図である。以下の説明において、各回転方向および各移動方向は、各図に矢印で示された方向である。
【0018】
図1に示すように、この第1例の画像形成装置1は、静電潜像を担持する潜像担持体である感光体2を備えている。この感光体2は図示しない駆動源により駆動されて反時計回りに回転する。
【0019】
感光体2の周囲には、それぞれ、帯電部3が配設されている。更に、帯電部3から、感光体2の回転方向に向かって、順に、露光部4、現像部5、感光体スクイーズ部6、一次転写部7、および感光体クリーニング部8が配設されている。なお、図1に図示されないが、一次転写部7と感光体クリーニング部8との間には、感光体2を除電する除電部が配設される。
【0020】
帯電部3はスコロトロンまたはコロトロン等の帯電部材で、感光体2の表面を一様に帯電する。また、露光部4はレーザー光等の潜像形成部材で、感光体2の一様帯電された表面に、静電潜像を形成する。
【0021】
現像部5は、液体現像剤貯留部5a、アニロックスローラー5b、現像剤量規制部材5c、中間ローラー5d、現像ローラー5e、中間ローラークリーニング部5f、現像ローラークリーニング部5g、および液体現像剤回収部5hを有する。液体現像剤貯留部5aは撹拌ローラー5iで撹拌されたトナーとキャリアー液とを含む液体現像剤を貯留する。
アニロックスローラー5bは反時計回りに回転されて液体現像剤貯留部5aに貯留されている液体現像剤を汲み上げる。現像剤量規制部材5cはアニロックスローラー5bで汲み上げられた液体現像剤の量を規制する。中間ローラー5dは反時計回りに回転される。そして、中間ローラー5dには、現像剤量規制部材5cで量規制されるとともにアニロックスローラー5cにより搬送される液体現像剤が供給される。現像ローラー5eは時計回りに回転されて中間ローラー5dから液体現像剤が供給される。そして、現像ローラー5eと感光体2とで形成される現像ニップにおいて、現像ローラー5eは供給された液体現像剤で感光体2に形成された静電潜像を現像して感光体2にトナー像を形成する。
【0022】
中間ローラークリーニング部5fは中間ローラー5dをクリーニングする。すなわち、中間ローラークリーニング部5fは、現像ローラー5eに液体現像剤を供給した後の中間ローラー5dに残留する液体現像剤を中間ローラークリーニングブレード5jで除去する。現像ローラークリーニング部5gは現像ローラー5eをクリーニングする。すなわち、現像ローラークリーニング部5gは、感光体2の静電潜像を現像した後の現像ローラー5eに残留する液体現像剤を現像ローラークリーニングローラー5kで除去する。そして、現像ローラークリーニングローラー5kに付着した液体現像剤は現像ローラークリーニングブレード5mで除去される。液体現像剤回収部5hは中間ローラークリーニング部5fで除去された液体現像剤および現像ローラークリーニング部5gで除去された液体現像剤を回収して貯留する。
【0023】
更に、感光体スクイーズ部6は、第1の感光体スクイーズローラー6a、第1の感光体スクイーズローラークリーニング部6b、第2の感光体スクイーズローラー6c、および第2の感光体スクイーズローラークリーニング部6dを有する。
【0024】
第1の感光体スクイーズローラー6aは現像ニップから感光体2の回転方向に向かい所定距離離れた位置に感光体2に当接されて配設される。そして、第1の感光体スクイーズローラー6aは感光体2をスクイーズして現像部5から現像された液体現像剤のキャリアー液および非画像部のトナー等を除去する。第1の感光体スクイーズローラークリーニング部6bは第1の感光体スクイーズローラー6aをクリーニングする。すなわち、第1の感光体スクイーズローラークリーニング部6bは、第1の感光体スクイーズローラー6aに付着する液体現像剤を第1の感光体スクイーズローラークリーニングブレード6eで除去する。第1の感光体スクイーズローラークリーニングブレード6eで除去された液体現像剤は第1の感光体スクイーズ貯留部6fに貯留される。第1の感光体スクイーズ貯留部6fに貯留された液体現像剤は現像部5の液体現像剤回収部5hに回収される。
【0025】
第2の感光体スクイーズローラー6cは第1の感光体スクイーズローラー6aから感光体2の回転方向に向かい所定距離離れた位置に感光体2に当接されて配設される。そして、第2の感光体スクイーズローラー6cは第1の感光体スクイーズローラー6aでスクイーズされた感光体2をスクイーズして液体現像剤(主に、キャリアー液)を除去する。第2の感光体スクイーズローラークリーニング部6dは第2の感光体スクイーズローラー6cをクリーニングする。すなわち、第2の感光体スクイーズローラークリーニング部6dは、第2の感光体スクイーズローラー6cに付着する液体現像剤を第2の感光体スクイーズローラークリーニングブレード6gで除去する。第2の感光体スクイーズローラークリーニングブレード6gで除去された液体現像剤は第2の感光体スクイーズ貯留部6hに貯留される。第2の感光体スクイーズ貯留部6hに貯留された液体現像剤は現像部5の液体現像剤回収部5hに回収される。
【0026】
一次転写部7には、時計回りに回転する転写ローラー9(本発明の像担持体ローラーに相当)が配設される。転写ローラー9は、円柱状のローラー基材9aと、シート状の弾性部材であるブランケット9bと一定厚みまたは略一定厚みのシート状のスペーサ部材9e
とを有する。ローラー基材9aはその外周部に設けられた凹部9cを有する。スペーサ部材9eは、凹部9cを除くローラー基材9aの外周面に貼着される。また、ブランケット9bは、その両端部が、それぞれ凹部9c内に軸方向に延設された一対の巻取軸10、11に巻き取られて固定される。そして、ブランケット9bは所定の張力が付与されてスペーサ部材9eの外周面に密着して巻き付けられて貼着される。
【0027】
ブランケット9bは、凹部9cと転写ローラー9の回転方向側に隣接する所定領域に設けられた薄膜厚部Aを有する。その場合、薄膜厚部Aを除くブランケット9bの部分側の薄膜厚部Aの厚さが、凹部9c側の薄膜厚部Aの厚さより厚くされている。そして、この薄膜厚部Aの厚さt1(具体的には、薄膜厚部Aの最大厚さ;本発明の第2の厚さに相当)は、薄膜厚部Aを除くブランケット9bの厚さt2(本発明の第1の厚さに相当)より薄い(t1<t2)。なお、図1には、厚さt1は理解し易く示すために便宜上最大長さの位置に示されていない。
【0028】
したがって、転写ローラー9の薄膜厚部Aの外周面の径R1は、凹部9cを除く転写ローラー9の他の外周面の半径R2より小さい(R1<R2)。その結果、転写ローラー9の薄膜厚部Aでの外周面は、転写ローラー9の外周面の半径R2と同じ径の二点鎖線で示す円弧状の仮想外周面Bより転写ローラー9の回転中心側に位置する。
【0029】
また、薄膜厚部Aの外周面は周方向に段差のない滑らかに連続した平坦または略平坦に形成される。なお、薄膜厚部Aの外周面は周方向に段差のない滑らかに連続して湾曲した凸面または周方向に段差のない滑らかに連続して湾曲した凹面に形成することもできる。そして、薄膜厚部Aの外周面と半径R2の外周面との境界は湾曲したR部で滑らかに連続して形成されるとともに、薄膜厚部Aの外周面と凹部9cの側壁面との境界も湾曲したR部で滑らかに連続して形成される。
【0030】
転写ローラー9は、ブランケット9bの外周面にトナー像が転写される画像領域(画像部)Cと外周面にトナー像が転写されない非画像領域(非画像部)Dとを有する。すなわち、凹部9cには画像が形成することができないので、凹部9cが設けられることで、転写ローラー9の外周面には非画像領域Dが存在する。そして、凹部9cおよび薄膜厚部Aは非画像領域Dに配設される。
【0031】
一次転写部7では、感光体2と転写ローラー9が、それぞれ予め定められた所定の食い込み量となるように定位置に位置決めされて画像形成装置1の装置本体(不図示)に回転可能に軸支されている。その場合、感光体2と転写ローラー9との食い込みにより、一次転写ニップ7a(後述する図3に図示)が形成される。そして、一次転写ニップ7aにより、感光体2に転写されたトナー像が転写ローラー9に転写される。
【0032】
一次転写部7より転写ローラー9の回転方向に向かって所定の位置に二次転写部12が配設される。二次転写部12は転写ローラー9と二次転写ローラー13を有する。そして、転写ローラー9と二次転写ローラー13は、それぞれ予め定められた所定の食い込み量となるように定位置に位置決めされて画像形成装置1の装置本体(不図示)に回転可能に軸支されている。その場合、転写ローラー9と二次転写ローラー13との食い込みにより、二次転写ニップ12aが形成される。そして、二次転写ニップ12aにより、転写ローラー9に転写されたトナー像が転写紙等の転写材14に転写される。図示しないが、二次転写部12で転写材14に転写されたトナー像は、液体現像剤を用いた従来の画像形成装置と同様に定着部で定着される。これにより、画像が転写材14に形成される。
【0033】
一次転写部7より転写ローラー9の回転方向と逆方向側には、本発明の像担持体ローラークリーニング部である転写ローラークリーニング部15が配設される。この転写ローラ
ークリーニング部15は、クリーニング部本体15a、本発明の像担持体ローラークリーニング部材である転写ローラークリーニングローラー15b、転写ローラークリーニングブレード15c、および転写ローラー9の液体現像剤回収部15dを有する。クリーニング部本体15aは画像形成装置1の装置本体に回動軸15eにより回動するように設けられる。転写ローラークリーニングローラー15bはクリーニング部本体15aに回転するように設けられる。そして、スプリング15fの付勢力でクリーニング部本体15aが回動軸15eを中心に回動するように付勢されることで、転写ローラークリーニングローラー15bが転写ローラー9の外周面に当接される。その場合、転写ローラークリーニングローラー15bは転写ローラー9の回転に対してカウンタ回転する。すなわち、転写ローラークリーニングローラー15bは、二次転写終了後に転写ローラー9をカウンタ回転でクリーニングして転写ローラー9に残留する液体現像剤を除去する。転写ローラークリーニングブレード15cは転写ローラークリーニングローラー15bに当接されてクリーニング部本体15aに設けられる。この転写ローラークリーニングブレード15cは転写ローラークリーニングローラー15bをクリーニングして転写ローラークリーニングローラー15bに付着する液体現像剤を除去する。液体現像剤回収部15dは、転写ローラークリーニングローラー15bから除去された液体現像剤を回収して貯留する。
【0034】
感光体クリーニング部8は感光体2をクリーニングする。すなわち、感光体クリーニング部8は、一次転写後に感光体2に残留する液体現像剤を感光体クリーニングブレード8aで除去する。そして、除去された液体現像剤は液体現像剤回収部8bに貯留される。
【0035】
ところで、第1例の画像形成装置1では、前述のように転写ローラー9が凹部9cと転写ローラー9の回転方向側に隣接して薄膜厚部Aを有する。また、感光体2および転写ローラー9がそれぞれ定位置に位置決めされて装置本体に回転可能に軸支されている。したがって、図2に示すように転写ローラー9が回転して転写ローラー9の薄膜厚部Aが感光体2の外周面に当接する位置に到達すると、転写ローラー9の外周面は感光体2から離間する。すなわち、転写ローラー9の薄膜厚部Aは感光体2と接触しない非接触部9dとなっている。そして、この転写ローラー9の非接触部9dはこのように感光体2と接触しないので、感光体2からトナーおよびキャリアー液が移動することが抑制される。
【0036】
更に、転写ローラー9の凹部9cにはシート状のカバー部材16が設けられる。このカバー部材16は凹部9cの開口周面(より具体的には、ブランケット9bの両端部間の間隙)を覆うように配設される。このカバー部材16は、転写ローラークリーニングローラー15bが凹部9cの開口周面(より具体的には、ブランケット9bの両端部間の間隙)に落ち込むことを防止する。
【0037】
次に、第1例の画像形成装置1における一次転写部7および二次転写部12の動作について説明する。
図3に示すように、一次転写部7の一次転写ニップ7aで感光体2から転写ローラー9の画像領域Cに転写されたトナー像は、転写ローラー9が更に回転することで二次転写部12の二次転写ニップ12aに進入してこの二次転写ニップ12aで転写材14に転写される。このとき、転写ローラー9の画像領域Cの転写ローラー回転方向での終端部が一次転写ニップ7aに位置するとき、画像領域Cの転写ローラー回転方向での先端が、転写ローラークリーニングローラー15bと感光体2との当接部に接近または到達する。
【0038】
一次転写部7での転写が終了すると、転写ローラー9が更に回転することで非画像領域Dが一次転写ニップ7aに進入する。更に転写ローラー9が回転すると、薄膜厚部Aが一次転写ニップ7aに進入する。このとき、図2を用いて前述したように薄膜厚部Aの外周面は感光体2から離間し、この感光体と接触しない。これにより、一次転写部7での転写後に感光体2に付着する残留液体現像剤は薄膜厚部Aにほとんど転写されず、薄膜厚部A
には微量の残留液体現像剤のみが付着する。
【0039】
また、二次転写部12での転写材14へのトナー像の転写が終了した後、転写ローラー9の表面には、転写残りの液体現像剤が残留する。転写ローラークリーニングローラー15bにより転写ローラー9がクリーニングされ、残留する液体現像剤のトナーおよびキャリアー液が転写ローラー9から除去される。このとき、転写ローラークリーニングローラー15bが転写ローラー9の回転に対してカウンタ回転するので、転写ローラー9の表面に付着する残留トナーおよび残留キャリアー液を擦り取る。擦り取られて転写ローラークリーニングローラー15bに付着するトナーおよびキャリアー液は、転写ローラークリーニングブレード15cで掻き落とされて液体現像剤回収部15dに回収される。液体現像剤回収部15dに回収されたトナーおよびキャリアー液は、図示しない廃トナーボックスへ搬送される。
【0040】
図4に示すように、凹部9cが二次転写ニップ12aを通過すると、画像領域Cの転写ローラー回転方向での終端が転写ローラークリーニングローラー15bと転写ローラー9との当接部に到達する。これにより、転写ローラークリーニングローラー15bによる画像領域Cのクリーニングが終了する。その後、転写ローラー9が更に回転すると、薄膜厚部Aが転写ローラー9と転写ローラークリーニングローラー15bとの当接位置に進入する。転写ローラー9が更に回転すると、薄膜厚部Aは転写ローラークリーニングローラー15bと当接しながら回転する。このとき、転写ローラークリーニングローラー15bが転写ローラー9の回転に対してカウンタ回転するので、転写ローラークリーニングローラー15bは薄膜厚部Aに付着するごく微量のトナーおよびごく微量のキャリアー液を擦り取る。
【0041】
そして、図5に示すように薄膜厚部Aの回転方向側端が転写ローラークリーニングローラー15bとの当接位置となる。これにより、転写ローラークリーニングローラー15bは転写ローラー9の薄膜厚部Aに付着するごく微量のトナーおよびごく微量のキャリアー液をほぼ完全に擦り切る。したがって、トナーおよびキャリアー液が薄膜厚部Aから隣接する凹部9cに設けられたカバー部材16にほとんど搬送されない。これにより、薄膜厚部Aに付着するごく微量のトナーおよびごく微量のキャリアー液が擦り切られた後のごくごく微量のトナーおよびごくごく微量のキャリアー液がカバー部材16に付着するだけでとなる。
【0042】
このように、ごくごく微量の残留トナーおよび残留キャリアー液がカバー部材16に付着するだけであることから、凹部9c内にこれらの残留トナーおよび残留キャリアー液がほとんど溜まることがないとともに、残留トナーおよび残留キャリアー液が凹部9cから滲み出してくることもない。
【0043】
第1例の画像形成装置1によれば、転写ローラー9が凹部9cに転写ローラー9の回転方向に隣接して薄膜厚部Aを有する。また、感光体2および転写ローラー9がそれぞれ定位置に位置決めされて装置本体に回転可能に軸支される。したがって、転写ローラー9の薄膜厚部Aを感光体2と接触しない非接触部9dとすることが可能となる。これにより、転写ローラー9の非接触部9dに感光体2から残留トナーおよび残留キャリアー液が移動することを抑制することができる。これにより、薄膜厚部Aに付着する可能性のある残留トナーおよび残留キャリアー液をいずれもごく微量にすることが可能となる。
【0044】
したがって、転写ローラー9の薄膜厚部Aに隣接する凹部9cのカバー部材16に残留トナーおよび残留キャリアー液が付着することを抑制することができ、カバー部材16に付着する可能性のある残留トナーおよび残留キャリアー液をいずれもごく微量にすることが可能となる。これにより、凹部9c内にこれらの残留トナーおよび残留キャリアー液が
溜まることを防止することができるとともに、残留トナーおよび残留キャリアー液が凹部9cから滲み出してくることも防止できる。更に、このように残留トナーが凹部9c内に蓄積することがほとんどないので、画像形成装置1が長期間使用されても、凹部9c内に残留トナーが蓄積することにより、転写ローラー9以外の他のローラーの汚染や転写材14の汚染等の転写ローラー9の周辺の部材の汚染をより効果的に防止することが可能となる。その結果、前述の特許文献1に記載されているようなウエブクリーニング機構や吸引ポンプを不要にすることができ、画像形成装置1を簡単な構造とすることができる。更に、このように画像形成装置1が簡単な構造になることから、高い信頼性を得ることができるとともに省スペース化を図ることができる安価な画像形成装置1を実現することができる。
【0045】
特に、転写ローラークリーニングローラー15bにより薄膜厚部Aに付着するごく微量の残留トナーおよびごく微量の残留キャリアー液をほぼ完全に擦り切ることで、カバー部材16に残留トナーおよび残留キャリアー液が付着することを更に効果的に抑制することができる。したがって、カバー部材16に付着する可能性のある残留トナーおよび残留キャリアー液をいずれもごくごく微量にすることが可能となる。
【0046】
また、ブランケット9bの非接触部9dの厚さt1が、感光体2に接触するブランケットの接触部の厚さt2より薄くすることで、より一層簡単な構造で凹部9c内への残留トナーの蓄積を抑制することができる。
【0047】
更に、感光体2に接触しない非接触部9dは、画像が形成されない非画像領域(非画像部)Dに設けられるので、非接触部9dが設けられても画像に影響を与えることはない。したがって、画像形成装置1が長期間使用されても、良質な画像を常に安定して得ることができる。
【0048】
図6は、本発明にかかる画像形成装置の実施の形態の第2例の一部を模式的にかつ部分的に示す図である。
図6に示すように、この第2例の画像形成装置1は、前述の第1例の画像形成装置1にクリーニング液塗布部であるキャリアー液塗布部17が配設されて構成される。その場合、キャリアー液塗布部17は、転写ローラークリーニング部15より転写ローラー9の回転方向と逆方向側に配設される。このキャリアー液塗布部17は、塗布部本体17a、キャリアー液貯留部17b、キャリアー液供給ローラー17c、およびキャリアー液塗布ローラー17dを有する。塗布部本体17aは画像形成装置1の装置本体に回動軸17eにより回転するように設けられる。キャリアー液貯留部17bは転写ローラー9に塗布するキャリアー液を貯留する。キャリアー液供給ローラー17cおよびキャリアー液塗布ローラー17dは互いにウィズ回転するように設けられる。その場合、キャリアー液塗布ローラー17dは転写ローラー9の回転に対してトレイル回転する。
【0049】
スプリング17fの付勢力で塗布部本体17aが回動軸17eを中心に回動するように付勢されることで、キャリアー液塗布ローラー17dが転写ローラー9の外周面に当接される。そして、キャリアー液供給ローラー17cは回転することでキャリアー液貯留部17b内に貯留されたキャリアー液を汲み上げてキャリアー液塗布ローラー17dに供給する。また、キャリアー液塗布ローラー17dは回転することで、キャリアー液塗布ローラー17dから供給されたクリーニング液であるキャリアー液を転写ローラー9の外周面に塗布する。
この第2例の画像形成装置1の他の構成は、第1例の画像形成装置1と同じである。
【0050】
このように構成された第2例の画像形成装置1においては、転写ローラークリーニング部15の転写ローラークリーニングローラー15bが転写ローラー9の表面に付着するト
ナーおよびキャリアー液を擦り取る前に、キャリアー液塗布ローラー17dによりキャリアー液が転写ローラー9の表面に微量塗布される。これにより、転写ローラー9の表面に付着するトナーがより一層容易に除去され、転写ローラー9のクリーニング性能を向上させることが可能となる。その場合、トナーを除去するために液体現像剤のキャリアー液を用いることで、専用のクリーニング液を用いないで済む。したがって、転写ローラー9の表面に付着するトナーを容易にかつ安価に除去することができる。
【0051】
この第2例の画像形成装置1の他の作用効果は、第1例の画像形成装置1の作用効果と同じである。なお、キャリアー液を転写ローラー9の表面に微量塗布して転写ローラー9のクリーニング性能を向上させることができるものであれば、キャリアー液塗布ローラー17d以外の他の塗布部材を用いることもできる。また、転写ローラー9の表面に微量塗布して転写ローラー9のクリーニング性能を向上させることができるものであれば、キャリアー液以外の他の塗布液を用いることもできる。
【0052】
図7は、本発明にかかる画像形成装置の実施の形態の第3例に用いられる転写ローラーを模式的にかつ部分的に示す図である。
図7に示すように、この第3例の画像形成装置1は、転写ローラー9の1回転で2枚分の転写材14に連続して転写することのできる転写ローラー9を有している。すなわち、第3例の転写ローラー9は、2個所の画像領域G、2個所の非画像領域H、第1の薄膜厚部E、および第2の薄膜厚部Fを有する。
【0053】
第1の薄膜厚部Eは、凹部9cが設けられる一方の非画像領域H内に設けられている。この第1の薄膜厚部Eにおけるブランケット9bの外周面の径R3(転写ローラー9の回転中心からの第1の薄膜厚部Eにおける外周面までの長さのうち、最大長さ)は、第1および第2の薄膜厚部E,F以外のブランケット9bの外周面の半径R2より小さい(R3
<R2)。なお、第3例の第1の薄膜厚部Eは図7には図1に示す第1例の薄膜厚部Aと異なる形状に示されているが、この第1例の薄膜厚部Aと同じ形状にされている。したがって、第1の薄膜厚部Eの厚さt1は、第1の薄膜厚部Eを除くブランケット9bの厚さt2より薄い。また、第2の薄膜厚部Fは他方の非画像領域H内に設けられている。この第2の薄膜厚部Fにおけるブランケット9bの外周面の径R4(転写ローラー9の回転中心からの第2の薄膜厚部Fにおける外周面までの長さのうち、最大長さ)は、第1および第2の薄膜厚部E,F以外のブランケット9bの外周面の半径R2より小さい(R4<R
2)。
なお、図7には、径R3,R4は理解し易くために便宜上最大長さの位置に示されていな
い。この第2の薄膜厚部Fの厚さt3(本発明の第3の厚さに相当)は、第1の薄膜厚部Eを除くブランケット9bの厚さt2より薄い(t3<t2)。これらの第1および第2の薄膜厚部E,Fは、第1および第2例の薄膜厚部Aと同様に感光体2に接触することは
なく、それぞれ本発明の非接触部9dおよび第2の非接触部9d′を構成する。また、第1の薄膜厚部Eは、凹部9cと転写ローラー9の回転方向両側に隣接して設けられる。一方、第2の薄膜厚部Fは、凹部9cに対向して設けられる。
この第3例の画像形成装置1の他の構成は、第1例の画像形成装置1と同じである。
【0054】
このように構成された第3例の画像形成装置1では、2枚の転写材14の間、つまり2個所の非画像領域Hに設けられた第1および第2の薄膜厚部E,Fにおいて、転写ローラ
ークリーニングローラー15bによる第1および第2の薄膜厚部E,Fに付着する微量の
残留トナーおよび微量の残留キャリアー液の擦り切りを行うことが可能となる。このように、2枚の転写材14の間の非画像領域Hを薄膜厚部Fに利用することで、残留トナーおよび残留キャリアー液の擦り切りを効率よく行うことができる。
この第3例の画像形成装置1の他の作用効果は、第1例の画像形成装置1と同じである。
【0055】
図8は、本発明にかかる画像形成装置の実施の形態の第4例に用いられる転写ローラーを模式的にかつ部分的に示す図である。
図8に示すように、この第4例の画像形成装置1は、前述の第1例の画像形成装置1のシート状のカバー部材16に代えて、トナーを吸収するブロック状のトナー吸収部材18がカバー部材16の配設位置に設けられる。このトナー吸収部材18は凹部9cの開口周面(より具体的には、ブランケット9bの両端部間の間隙)を覆うように配設される。このカバー部材18には、トナーを内部に吸収可能なスポンジ等の従来公知の適宜の材料を用いることができる。また、凹部9c内にトナー吸収部材支持部19が突設されており、トナー吸収部材18はこのトナー吸収部材支持部19に転写ローラー9の回転中心方向に支持される。そして、トナー吸収部材18によりごくごく微量のトナーおよび微量のキャリアー液が吸収される。また、トナー吸収部材18がトナー吸収部材支持部19に支持されることで、転写ローラークリーニングローラー15bが凹部9cの開口周面(より具体的には、ブランケット9bの両端部間の間隙)に落ち込むことが防止される。
この第4例の画像形成装置1の他の構成および他の作用効果は、いずれも第1例の画像形成装置1と同じである。
【0056】
図9は、本発明にかかる画像形成装置の実施の形態の第5例に用いられる転写ローラーを模式的にかつ部分的に示す図である。
前述の第1ないし第4例の画像形成装置1では、いずれも非接触部9dがブランケット9bの薄膜厚部で構成されている。これに対して、図9に示すように、この第5例の画像形成装置1は、一定または略一定の厚さのブランケット9bを用いている。そして、第5例の画像形成装置1では、非接触部9dは次のようにして設けられている。すなわち、スペーサ部材9eは凹部9cを除くとともに凹部9cと転写ローラー9の回転方向側に隣接する所定領域のローラー基材9aの外周面には設けられない。そして、一定または略一定の厚さのブランケット9bがスペーサ部材9eの外周面と、凹部9cを除くとともにスペーサ部材9eが設けられないローラー基材9aの外周面とに貼着される。
【0057】
このように、凹部9cを除くとともにスペーサ部材9eが設けられないローラー基材9aの外周面とに貼着されたブランケット9bの部分が非接触部9dとして構成される。すなわち、感光体2に接触しない非接触部9dのブランケット9bの外周面の径R1は、感光体2に接触する接触部のブランケット9bの外周面の径R2より小さい。この第5例の画像形成装置1によれば、一定または略一定の厚さのブランケットを用いることで、非接触部9dを簡単にかつ安価に設けることが可能となる。
この第5例の画像形成装置1の他の構成および他の作用効果は、いずれも第1例の画像形成装置1と同じである。
【0058】
なお、本発明の画像形成装置および画像形成方法は、前述の実施の形態の各例に限定されることはない。例えば、前述の実施の形態の各例では非接触部を1つまたは2つ設けているが、予め定められた数だけ設けることもできる。また、転写ローラークリーニング部材は転写ローラークリーニングローラー以外の他のクリーニング部材を用いることもできる。更に、前述の例ではトナーを容易に除去することを可能にするためにキャリアー液を用いているが、公知の他のクリーニング液を用いることもできる。要は、本発明の画像形成装置および画像形成方法は、特許請求の範囲に記載されている事項の範囲内で種々の設計変更が可能である。
【符号の説明】
【0059】
1…画像形成装置、2…感光体、3…帯電部、4…露光部、5…現像部、5e…現像ローラー、7…一次転写部、8…感光体クリーニング部、9…転写ローラー、9a…ローラー基材、9b…ブランケット、9c…凹部、9d…非接触部、9d′…第2の非接触部、1
2…二次転写部、12a…二次転写ニップ、13…二次転写ローラー、14…転写材、15…転写ローラークリーニング部、15b…転写ローラークリーニングローラー、15c…転写ローラークリーニングブレード、15e…回動軸、15f…スプリング、16…カバー部材、17…キャリアー液塗布部、17b…キャリアー液貯留部、17c…キャリアー液供給ローラー、17d…キャリアー液塗布ローラー、17e…回動軸、17f…スプリング、18…トナー吸収部材、19…トナー吸収部材支持部、A…薄膜厚部(小径部)、C…画像領域、D…非画像領域、G…画像領域、H…非画像領域、E…第1の薄膜厚部、F…第2の薄膜厚部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転するとともに潜像が形成される潜像担持体と、
前記潜像をトナー及びキャリアー液を含む液体現像剤で現像する現像部と、
周面に凹部を有するローラー基材と、前記凹部で支持されるとともに前記凹部を除く前記ローラー基材の周面に設けられ、第1の厚さの膜厚部及び第1の厚さより薄い第2の厚さの膜厚部を有するブランケットとを備え、前記潜像担持体と当接して前記ブランケットの前記第1の厚さの膜厚部の面に前記現像部で現像された像が転写される像担持体ローラーと、
前記像担持体ローラーと当接する前記像担持体ローラーをクリーニングする像担持体ローラークリーニング部材を有して像担持体ローラーをクリーニングする像担持体ローラークリーニング部と、
を備える
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記ブランケットの前記第2の厚さの膜厚部は、前記ローラー基材の前記凹部に隣接して配設される請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記像担持体ローラーは、前記第1の厚さよりも薄い第3の厚さの膜厚部を有し、
前記第3の厚さの膜厚部は、前記第2のの厚さの膜厚部に隣接しない位置に配設される請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記像担持体ローラークリーニング部材は、前記像担持体ローラーの周面の移動方向に対して周面が逆方向に移動するクリーニングローラーである請求項1ないし3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記像担持体ローラークリーニング部は、クリーニング液を前記像担持体ローラーに塗布するクリーニング液塗布部を備える請求項1ないし4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記凹部の開口周面を覆うカバー部材を備え、
前記カバー部材は前記像担持体ローラークリーニング部材と当接する請求項1ないし5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記凹部の開口周面を覆い、液体現像剤を吸収する吸収部材を備える請求項1ないし5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
回転する潜像担持体に潜像を形成し、
トナー及びキャリアー液を含む液体現像剤を用いて前記潜像を現像して像を形成し、
凹部を有するローラー基材の周面に第1の厚さの膜厚部及び前記第1の厚さよりも薄い第2の厚さの膜厚部を有するブランケットを配設した像担持体ローラーを回転させ、
前記ブランケットの前記第1の厚さの膜厚部と前記潜像担持体とを当接させて、前記潜像担持体に形成された前記像を前記像担持体ローラーに転写し、
前記像担持体ローラーを回転させて前記ブランケットの前記第2の厚さの膜厚部を前記潜像担持体に対向させて前記像担持体ローラーと前記潜像担持体とを離間するとともに、前記像担持体ローラーと当接する像担持体ローラークリーニング部材で前記像担持体ローラーをクリーニングする
ことを特徴とする画像形成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−208183(P2012−208183A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−71856(P2011−71856)
【出願日】平成23年3月29日(2011.3.29)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】