説明

画像形成装置および言語切替方法

【課題】画像形成装置において操作画面や印刷で使用する言語の切り替えに係わるユーザ負担を軽減する。
【解決手段】言語の種類を表した言語特定情報と個人認証データとを対応付けて個人情報登録テーブル用不揮発メモリ19に登録しておき、指紋認証などの個人認証手段27から個人認証データが入力されると、この個人認証データに対応付けられている言語特定情報を個人情報登録テーブル用不揮発メモリ19から検索して取得し、操作画面やレポート印刷などで使用する言語をこの言語特定情報が示す言語に切り替える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作画面やレポート印刷などで使用する言語を切り替え可能な画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
コピー機能、ファクシミリ機能、プリンタ機能などを備えた画像形成装置には、操作画面やリスト印刷で使用する言語を日本語、英語、ドイツ語などに切り替え可能に構成されたものがある。言語の切り替えは、通常、待機画面やメニュー画面からいくつかの操作を経て到達する言語設定画面で行なわれる。
【0003】
また、多機能化する画像形成装置の操作性向上を図るために、ユーザの習熟度に応じた初期画面を表示するようにした画像形成装置がある(たとえば、特許文献1参照。)。この装置では、基本機能だけを設定可能な簡易画面と、すべての機能を設定可能な標準画面とを用意し、いずれの画面を使用するかをユーザコード毎に予め登録しておき、入力されたユーザコードに応じて簡易画面と標準画面の一方を初期画面として表示するようになっている。
【0004】
【特許文献1】特開平8−307570号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
使用する言語が異なる複数のユーザが居る使用環境では、操作画面やレポート印刷で使用する言語をユーザに応じて頻繁に切り替えなければならない。しかしながら、待機画面やメニュー画面からいくつかの操作を経て到達する言語設定画面で言語を切り替えるまでは、そのユーザの理解できない若しくは理解し難い言語を使用した操作画面が表示されるので、そのユーザに合った言語に切り替えるまでの操作が分かり難いという問題があった。
【0006】
たとえば、英語しか理解できないユーザが、操作画面を日本語表示から英語表示に切り替えるためには、日本語で表示されたメニューの中を辿って言語設定画面まで到達した後に切り替え操作を行なわなければならず、非常な困難を伴う。
【0007】
また、特許文献1に開示された技術は、初期画面をユーザの習熟度に応じて簡易画面と標準画面のいずれかに切り替えるだけなので、言語の切り替えに係わるユーザ負担を軽減するものではなかった。
【0008】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、操作画面や印刷で使用する言語の切り替えに係わるユーザ負担を軽減することのできる画像形成装置および言語切替方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に係わる発明は、表示部(16、31)に表示する操作画面で使用する言語を切り替え可能な画像形成装置において、
言語の種類を表した言語特定情報とユーザ識別情報とを対応付けて登録したユーザ情報登録手段(19)と、
ユーザ識別情報が入力される入力手段(27、28、29)と、
前記入力手段(27、28、29)から入力されたユーザ識別情報で前記ユーザ情報登録手段(19)を検索し、前記ユーザ識別情報に対応付けて前記ユーザ情報登録手段(19)に登録されている言語特定情報を取得する検索手段(11)と、
操作画面で使用する言語を前記検索手段(11)の取得した言語特定情報が示す言語に切り替える言語切替手段(11)と、
を有する
ことを特徴とする画像形成装置である。
【0010】
上記発明によれば、ユーザ識別情報が入力手段(27、28、29)から入力されると、そのユーザ識別情報に対応付けて予め登録されている言語に操作画面で使用する言語が切り替えられる。
【0011】
ユーザ識別情報は、ユーザを一意に特定可能な情報であれば、ユーザ名やユーザ番号のほか、身体的特徴に係わる情報などであってもよい。ユーザを特定可能であれば、本人認証が行なわれなくてもよい。入力手段(27、28、29)は、画像形成装置に内蔵するほか、ケーブル接続された外部の認証装置からユーザ識別情報の入力を受けるように構成してもよい。
【0012】
請求項2に係わる発明は、表示部(16、31)に表示する操作画面で使用する言語を切り替え可能な画像形成装置において、
予め定めた複数種類の機能の中の1つが選択される機能選択手段と、
前記表示部(16、31)に前記機能別の操作画面を表示する表示制御手段(11)と、
言語の種類を表した言語特定情報とユーザ識別情報とを対応付けて登録したユーザ情報登録手段(19)と、
ユーザ識別情報が入力される入力手段(27、28、29)と、
前記入力手段(27、28、29)から入力されたユーザ識別情報で前記ユーザ情報登録手段(19)を検索し、前記ユーザ識別情報に対応付けて前記ユーザ情報登録手段(19)に登録されている言語特定情報を取得する検索手段(11)と、
前記入力手段(27、28、29)からユーザ識別情報が入力された時点で選択されている機能に係わる操作画面で使用する言語のみを、前記ユーザ識別情報に基づいて前記検索手段(11)が取得した言語特定情報の示す言語に切り替える言語切替手段(11)と
を有する
ことを特徴とする画像形成装置である。
【0013】
上記発明によれば、ユーザ識別情報が入力された時点で選択されている機能に係わる操作画面で使用する言語のみが、そのユーザ識別情報に対応付けて登録されている言語特定情報の示す言語に切り替えられる。機能別に操作画面が管理されていれば、表示部(16、31)に異なる機能に係わる2以上の操作画面が同時に表示されてもよい。たとえば、表示部(16、31)の画面領域が分割され、異なる機能に係わる操作画面が複数同時に表示される場合には、ユーザ識別情報が入力された時点で選択されている機能に係わる操作画面で使用する言語のみが切り替えられる。
【0014】
請求項3に係わる発明は、表示部(16、31)に表示する操作画面で使用する言語を切り替え可能な画像形成装置において、
予め定めた複数種類の機能の中の1つが選択される機能選択手段と、
前記表示部(16、31)に表示する操作画面を、前記機能選択手段で選択された機能に対応する操作画面に切り替える表示制御手段(11)と、
言語の種類を表した言語特定情報とユーザ識別情報とを対応付けて登録したユーザ情報登録手段(19)と、
ユーザ識別情報が入力される入力手段(27、28、29)と、
前記入力手段(27、28、29)から入力されたユーザ識別情報で前記ユーザ情報登録手段(19)を検索し、前記ユーザ識別情報に対応付けて前記ユーザ情報登録手段(19)に登録されている言語特定情報を取得する検索手段(11)と、
前記入力手段(27、28、29)からユーザ識別情報が入力された時点で前記表示部(16、31)に表示されている操作画面に係わる機能と同一の機能に属する操作画面で使用する言語のみを、前記ユーザ識別情報に基づいて前記検索手段(11)が取得した言語特定情報の示す言語に切り替える言語切替手段(11)と
を有する
ことを特徴とする画像形成装置である。
【0015】
上記発明によれば、表示部(16、31)には、機能選択手段で選択された機能に係わる操作画面が切り替え表示され、言語切替手段(11)は、ユーザ識別情報が入力された時点で表示されている操作画面に係わる機能と同一の機能に属する操作画面で使用する言語のみを切り替える。
【0016】
請求項4に係わる発明は、表示部(16、31)に表示する操作画面で使用する言語を切り替え可能な画像形成装置において、
予め定めた複数種類の機能の中の1つが選択される機能選択手段と、
前記表示部(16、31)に前記機能別の操作画面を表示する表示制御手段(11)と、
言語の種類を表した言語特定情報とユーザ識別情報とを対応付けて登録したユーザ情報登録手段(19)と、
ユーザ識別情報が入力される入力手段(27、28、29)と、
前記入力手段(27、28、29)から入力されたユーザ識別情報で前記ユーザ情報登録手段(19)を検索し、前記ユーザ識別情報に対応付けて前記ユーザ情報登録手段(19)に登録されている言語特定情報を取得する検索手段(11)と、
前記入力手段(27、28、29)からユーザ識別情報が入力された後に最初に選択された機能に係わる操作画面で使用する言語のみを、前記ユーザ識別情報に基づいて前記検索手段(11)が取得した言語特定情報の示す言語に切り替える言語切替手段(11)と
を有する
ことを特徴とする画像形成装置である。
【0017】
上記発明によれば、入力手段(27、28、29)からユーザ識別情報が入力された後に最初に選択された機能に係わる操作画面で使用する言語のみが、前記ユーザ識別情報に対応付けて登録されている言語に切り替えられる。
【0018】
請求項5に係わる発明は、前記複数種類の機能は、原稿を読み取ってその複製画像を記録紙上に形成して出力するコピー機能と、ファクシミリ機能と、プリンタ機能と、原稿を読み取って対応する画像データを出力するスキャナ機能の中の少なくとも1つを含む
ことを特徴とする請求項2、3または4に記載の画像形成装置である。
【0019】
上記発明によれば、大分類された機能毎に、操作画面で使用する言語が切り替えられる。複数種類の機能には、コピー機能、ファクシミリ機能、プリンタ機能、スキャナ機能の中のいずれか1つを含めば、他の機能、たとえば、電話機能を含めてもよい。
【0020】
請求項6に係わる発明は、前記言語切替手段(11)は、操作画面で使用する言語を前記検索手段(11)の取得した言語特定情報が示す言語に切り替えた後、この言語を前記入力手段(27、28、29)からユーザ識別情報が次に入力されるまで維持する
ことを特徴とする請求項1、2、3、4または5に記載の画像形成装置である。
【0021】
上記発明によれば、ユーザ識別情報の入力に基づいて切り替えた言語の使用は、入力手段(27、28、29)からユーザ識別情報が次に入力されるまで維持される。
【0022】
請求項7に係わる発明は、前記言語切替手段(11)は、操作画面で使用する言語を前記検索手段(11)の取得した言語特定情報が示す言語に切り替えた後にジョブの実行が終了したとき、操作画面で使用する言語を切り替え前の言語に戻す
ことを特徴とする請求項1、2、3、4または5に記載の画像形成装置である。
【0023】
上記発明によれば、言語を切り替えた後にジョブの実行が終了したとき、操作画面で使用する言語が切り替え前の言語に戻される。このジョブは、ユーザ識別情報を入力したユーザが投入したジョブである。
【0024】
請求項8に係わる発明は、前記言語切替手段(11)は、操作画面で使用する言語を前記検索手段(11)の取得した言語特定情報が示す言語に切り替えた後に無操作状態が所定時間継続したとき、操作画面で使用する言語を切り替え前の言語に戻す
ことを特徴とする請求項1、2、3、4または5に記載の画像形成装置である。
【0025】
上記発明によれば、言語を切り替えた後に無操作状態が所定時間継続したとき、操作画面で使用する言語が切り替え前の言語に戻される。
【0026】
請求項9に係わる発明は、前記言語切替手段(11)は、操作画面で使用する言語を前記検索手段(11)の取得した言語特定情報が示す言語に切り替えた後にジョブの投入操作が完了したとき、操作画面で使用する言語を切り替え前の言語に戻す
ことを特徴とする請求項1、2、3、4または5に記載の画像形成装置である。
【0027】
上記発明によれば、言語を切り替えた後にジョブの投入操作が完了したとき、操作画面で使用する言語が切り替え前の言語に戻される。このジョブは、ユーザ識別情報を入力したユーザが投入したジョブである。
【0028】
請求項10に係わる発明は、操作画面で使用する言語を切り替え前の言語に戻すことに代えて、操作画面で使用する言語を特定の言語に戻す
ことを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8または9に記載の画像形成装置である。
【0029】
上記発明によれば、ユーザ識別情報の入力に基づいて切り替えた表示言語は、所定のタイミングで特定の言語に戻される。たとえば、装置の初期値として登録されているデフォルトの言語に戻される。
【0030】
請求項11に係わる発明は、前記入力手段(27、28、29)は、非接触無線カードからユーザ識別情報を受信するものである
ことを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9または10に記載の画像形成装置である。
【0031】
上記発明によれば、ユーザ識別情報は、非接触無線カードから受信することで入力される。入力手段(27、28、29)は、非接触無線カードから情報を受信する受信手段の機能を果たす。
【0032】
請求項12に係わる発明は、前記入力手段(27、28、29)は、バイオメトリクス認証を利用してユーザ識別情報を取得するものである
ことを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9または10に記載の画像形成装置である。
【0033】
上記発明によれば、ユーザ識別情報は、バイオメトリクス認証を利用して入力される。バイオメトリクス認証は、指紋、手形、網膜、虹彩・声紋・顔・署名・手の甲の静脈パターンなどの個人の身体的特徴を利用した本人認証であり、バイオメトリクスと称されるものである。入力手段(27、28、29)は、ユーザの身体的特徴を読み取って認識し、この認識した身体的特徴と予め登録してある各ユーザの身体的特徴とを照合することで、ユーザを識別して認証する。
【0034】
請求項13に係わる発明は、表示部(16、31)に表示する操作画面に代えてまたは加えて、内部生成した印刷データに基づく印刷に使用する言語を切り替える
ことを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12に記載の画像形成装置である。
【0035】
上記発明によれば、内部生成した印刷データに基づく印刷に使用する言語が、入力されたユーザ識別情報に対応付けられている言語に切り替わる。内部生成した印刷データに基づく印刷には、たとえば、画像形成装置に登録されている履歴情報や各種の登録情報に基づくレポート印刷などが含まれる。
【0036】
請求項14に係わる発明は、言語の種類を表した言語特定情報とユーザ識別情報とを対応付けて記憶手段に登録しておき、
ユーザ識別情報が入力される入力ステップと、
この入力されたユーザ識別情報で前記記憶手段を検索して前記ユーザ識別情報に対応付けて登録されている言語特定情報を取得する検索ステップと、
所定の装置で使用する言語を前記取得した言語特定情報が示す言語に切り替える言語切替ステップと
を有する
ことを特徴とする言語切替方法である。
【0037】
上記発明によれば、入力されたユーザ識別情報に対応付けて予め登録されている言語に、装置で使用する言語が切り替えられる。装置での使用には、操作画面での使用のほか、リスト、レポートなどの印刷での使用、音声案内での使用などがある。対象の装置は、表示、印刷、音声出力などのいずれかにおいて言語を使用するものであればよい。また、ユーザ識別情報の入力方法や入力装置の設置状態(内蔵、外部接続)などは問わない。
【0038】
請求項15に係わる発明は、言語の種類を表した言語特定情報とユーザ識別情報とを対応付けて記憶手段に登録しておき、
予め定めた複数種類の機能の中の1つが選択される機能選択ステップと、
ユーザ識別情報が入力される入力ステップと、
この入力されたユーザ識別情報で前記記憶手段を検索して前記ユーザ識別情報に対応付けて登録されている言語特定情報を取得する検索ステップと、
前記ユーザ識別情報が入力された時点で選択されている機能に係わる動作で使用する言語のみを、前記取得した言語特定情報の示す言語に切り替える言語切替ステップと
を有する
ことを特徴とする言語切替方法である。
【0039】
上記発明によれば、ユーザ識別情報が入力された時点で選択されている機能に係わる動作で使用する言語のみが、そのユーザ識別情報に対応付けて登録されている言語特定情報の示す言語に切り替えられる。機能に係わる動作には、その機能に係わる操作画面の表示動作、内部データからレポートや帳票を自動作成して印刷出力する動作などがある。
【0040】
請求項16に係わる発明は、言語の種類を表した言語特定情報とユーザ識別情報とを対応付けて記憶手段に登録しておき、
予め定めた複数種類の機能の中の1つが選択される機能選択ステップと、
ユーザ識別情報が入力をされる入力ステップと、
この入力されたユーザ識別情報で前記記憶手段を検索して前記ユーザ識別情報に対応付けて登録されている言語特定情報を取得する検索ステップと、
ユーザ識別情報が入力された後に最初に選択された機能に係わる動作で使用する言語のみを、前記取得した言語特定情報の示す言語に切り替える言語切替ステップと
を有する
ことを特徴とする言語切替方法である。
【0041】
上記発明によれば、ユーザ識別情報が入力された後に最初に選択された機能に係わる動作で使用する言語のみが、前記ユーザ識別情報に対応付けて登録されている言語に切り替えられる。機能の選択は、機能の変更操作によって選択されるほか、現在の機能のままで操作が開始されたことをもって現在の機能が選択されたとしてもよい。
【発明の効果】
【0042】
本発明に係わる画像形成装置および言語切替方法によれば、ユーザ識別情報と言語の種類を表した言語特定情報とを対応付けて登録しておき、入力手段から入力されたユーザ識別情報に対応付けられて登録されている言語に操作画面で使用する言語を切り替えるので、ユーザは、操作部から言語の切り替え操作を別途行なうことなく、ユーザ識別情報を入力するだけで、自己の希望する言語に切り替えることができる。
【0043】
ユーザ識別情報の入力に基づいて切り替えた言語の使用を、入力手段からユーザ識別情報が次に入力されるまで維持するものでは、次のユーザが来るまではユーザ識別情報を再入力することなく自分に合った言語の操作画面で操作を続けることができる。たとえば、切り替えた言語のままで複数のジョブを連続投入することができる。
【0044】
ジョブの実行終了または無操作状態の所定時間継続、ジョブの投入操作の完了があったとき、操作画面で使用する言語を切り替え前の言語に戻すものでは、言語が切り替わったままの状態がいつまでも続くことが防止される。特に、特定(デフォルト)の言語に戻すものでは、ユーザ登録をしていないユーザに対しても違和感を与えることがない。
【0045】
非接触無線カードやバイオメトリクス認証を利用してユーザ識別情報を取得するものでは、ユーザは、操作キーなどを通じた操作を一切行なうことなく、自分に合った言語に切り替えることができる。すなわち、操作画面や操作パネル上の文字をまったく理解できなくても、自分の非接触無線カードを受信部に近づけたり、バイオメトリクス認証に係わる身体の部分を認識部に近づけたりするだけで、自分に合った言語に切り替えてその後の操作を行なうことができる。
【0046】
入力されたユーザ識別情報に対応付けて登録されている言語への切り替えを機能毎に独立に行なうものでは、異なる言語を使用する複数のユーザが画像形成装置の異なる機能を同時に使用する場合や一人のユーザの使用中に他のユーザが他の機能を割り込み使用する場合でも、各ユーザは自己に合った言語をそれぞれ使用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0047】
以下、図面に基づき本発明の実施の形態を説明する。
【0048】
図1は、本発明の実施の形態に係わる操作表示部を含む画像形成装置10の機能構成を示している。画像形成装置10は、原稿を読み取ってその複製画像を記録紙上に形成するコピー機能と、原稿を読み取って対応する画像データを出力するスキャナ機能と、受信した印刷データに応じた画像を記録紙上に形成して出力するプリンタ機能と、ファクシミリ機能とを備えた、いわゆるデジタル複合機として構成されている。
【0049】
画像形成装置10は、その動作を統括制御するシステム制御部11と、コピー機能に係わる動作を制御するコピー制御部12と、ファクシミリ機能に係わる動作を制御するファクシミリ制御部13と、スキャナ機能に係わる動作を制御するスキャナ制御部14と、プリンタ機能に係わる動作を制御するプリンタ制御部15とを備えている。
【0050】
これらは、CPU(中央処理装置)と、ROM(リード・オンリ・メモリ)と、RAM(ランダム・アクセス・メモリ)とを主要部とした回路で構成されている。ROMは、CPUが実行するプログラムや各種固定データが記憶し、RAMは、CPUがプログラムを実行する際に各種データを一時的に格納するワークメモリなどとして使用される。なお、システム制御部11は、検索手段と、言語切替手段と、表示制御手段としての機能を果たす。
【0051】
表示手段16は、操作画面を表示する機能を果たし、たとえば、表面にタッチパネルを備えた液晶ディスプレイで構成される。操作画面は、コピー機能、ファクシミリ機能、プリンタ機能、スキャナ機能などの機能毎に個別に設けてあり、選択された機能に応じた操作画面が切り替え表示されるようになっている。
【0052】
操作手段17は、液晶ディスプレイ上のタッチパネルおよび各種の操作スイッチで構成され、コピー機能やファクシミリ機能などの機能を選択する操作やその他の操作をユーザから受け付ける機能を果たす。
【0053】
メッセージデータベース手段18は、操作画面に表示するメッセージやレポート印刷時に使用するメッセージを複数種類の言語で記憶している。
【0054】
個人情報登録テーブル用不揮発メモリ19は、電源オフ後も記憶内容が保持される書き換え可能なメモリであり、ユーザ毎に各種のユーザ情報が登録される。
【0055】
画像読取手段21は、原稿画像を読み取って対応する画像データを取り込む機能を果たす。画像読取手段21は、原稿を照射する光源と、原稿をその幅方向に1ライン分読み取るラインイメージセンサと、ライン単位の読取位置を原稿の長さ方向に移動させる移動手段と、原稿からの反射光をラインイメージセンサに導いて結像させるレンズやミラーからなる光学経路とを備えている。ラインイメージセンサはCCD(Charge Coupled Device)などで構成される。ラインイメージセンサが出力するアナログ画像信号はA/D変換されて、デジタル画像データとして取り込まれる。
【0056】
画像メモリ手段22には、画像データや印刷データなどが格納される。
【0057】
画像出力手段23は、画像データに対応する画像を電子写真プロセスによって記録紙上に形成して出力する機能を果たす。画像出力手段23は、記録紙の搬送装置と、感光体ドラムと、帯電装置と、レーザーユニットと、現像装置と、転写分離装置と、クリーニング装置と、定着装置とを有する、いわゆるレーザープリンタのエンジンとして構成されている。
【0058】
LAN接続制御手段24は、LAN(ローカル・エリア・ネットワーク)と接続して通信する機能を果たす。
【0059】
モデム25は、デジタルデータをアナログ回線で送信するために音声信号に変換したり、受信した音声信号をデジタルデータに変換したりする変調復調装置である。ファクシミリ通信やデータ通信を行なう際に使用される。
【0060】
公衆網接続制御手段26は、ファクシミリ通信やデータ通信を行なう際に公衆網に接続するための制御を行なう。
【0061】
個人認証手段27は、ユーザを個人認証する機能を果たす。個人認証手段27には、指紋認証など身体的特徴を利用して個人認証を行なうバイオメトリクス認証手段のほか、非接触無線カード、磁気カード、携帯無線端末などからユーザ識別情報を受信あるいは読み取って個人認証する手段などを利用することができる。なお、バイオメトリクス認証とは、人間一人一人に固有の特徴、つまり「その人物であると認識するに十分な身体的特徴を使って認証を行なう仕組み」のことをいう。利用される身体的特徴は、指紋・手形・網膜・虹彩・声紋・顔・署名・手の甲の静脈パターンなどがある。バイオメトリクス認証は主に静的生体特徴(経時的変化がほとんどないと見なせるもの)を対象にしている。
【0062】
また、非接触無線カードは、RFID(Radio Frequency IDentification、電波方式非接触識別)方式を使用した無線ICタグを内蔵したカードである。
【0063】
認証インターフェイス手段28は、個人認証手段27との間のインターフェイス制御を行なうもので、USB(Universal Serial Bus)インターフェイス、RS−232Cインターフェイスなどが使用される。
【0064】
認証データ受信手段29は、認証インターフェイス手段28を通じて認証データ受信手段29からユーザ識別情報としての個人認証データを受信する機能を果たす。システム制御部11は、個人認証手段27が取得した個人認証データを認証インターフェイス手段28および認証データ受信手段29を通じて受け取り、これと個人情報登録テーブル用不揮発メモリ19若しくはその他の記憶手段に記憶してある認証ID情報とを照合して本人確認する認証処理を行なう。なお、認証処理を個人認証手段27で行ない、その認証結果を認証インターフェイス手段28および認証データ受信手段29を通じてシステム制御部11が取得するように構成してもよい。
【0065】
上記のように、個人認証手段27、認証インターフェイス手段28、認証データ受信手段29は、ユーザ識別情報が入力される入力手段としての機能を果たす。
【0066】
図2は、個人認証手段27として、画像形成装置10の外部に指紋認証ユニット27aを接続した場合の構成例を示している。画像形成装置10と指紋認証ユニット27aとの間は、USBインターフェイスまたはRS−232Cインターフェイスで接続されている。指紋認証ユニット27aの指紋パッドを画像形成装置10の操作部近辺に配置しておくことにより、ユーザがこの指紋パッドに触るだけの操作で個人認証が行なわれる。なお、指紋認証ユニット27aを画像形成装置10に内蔵してもよい。また、接続する認証手段の種類を変更可能に構成したり、2種以上の認証手段を接続可能あるいは内蔵したりするように構成してもよい。
【0067】
図3は、画像形成装置10の操作パネル30の一例を示している。操作パネル30の左部には、タッチパネルを備えた液晶ディスプレイの画面からなる画面表示部31が配置され、右部に各種の操作スイッチが配置されている。操作スイッチには、機能選択手段としての機能選択ボタン32〜35と、電源ボタン36と、スタートボタン37と、ストップボタン38と、テンキー入力部39と、各操作選択用ハードキー40と、リセットボタン41とがある。
【0068】
機能選択ボタン32〜35は、コピー機能を選択するためのコピー選択ボタン32と、ファクシミリ機能を選択するためのファクシミリ選択ボタン33と、プリンタ機能を選択するためのプリンタ選択ボタン34と、スキャナ機能を選択するためのスキャナ選択ボタン35で構成される。いずれかの機能選択ボタン32〜35を操作すると、該当する機能に係わる操作画面が画面表示部31に表示される。また、デフォルトではコピー機能が選択され、コピー機能に係わる操作画面が初期の待機画面として表示されるようになっている。
【0069】
スタートボタン37は、ユーザがジョブの実行開始を指示するための操作ボタンである。スタートボタン37の操作によりジョブの投入が完了する。ストップボタン38は、ジョブの実行を中止させるための操作ボタンである。
【0070】
テンキー入力部39は、コピー部数や電話番号などを入力するための操作ボタンである。各操作選択用ハードキー40は、ヘルプ機能や応用機能などを選択するための操作ボタンである。リセットボタン41は、設定した内容を取り消すための操作ボタンである。
【0071】
図4は、個人情報登録テーブル用不揮発メモリ19に格納される個人情報登録テーブル50の一例を示している。ユーザ情報登録手段としての個人情報登録テーブル50には、ユーザ毎に、認証ID情報と、ユーザ名と、ユーザIDと、言語種別コードとが対応付けて登録される。認証ID情報は、個人認証手段27が認証時に検出した個人別のユニークなユーザ識別情報である。たとえば、指紋認証の場合、登録した指紋のパターン毎に固有の認証ID情報が割り当てられる。個人認証手段27は、認証時に検出した指紋のパターンに対応する認証ID情報を個人認証データとして出力する。
【0072】
ユーザ名は、そのユーザを人間が分かり易く識別するための名称で、本名のほか、ニックネームなどでもよく、ユーザや管理者が任意に設定できる。ユーザ名には重複があってもかまわない。ユーザIDは、ユーザを一意に特定可能な識別情報で、既に登録済みのものと重複しないユーザIDが自動的に付与される。
【0073】
言語種別コード(言語特定情報)は、言語の種類を表した識別コードである。ここでは、「01」は日本語を、「02」は英語を、「03」は独語を、「04」はスペイン語を、「05」は仏語を、「06」はイタリア語を、「07」は中国語を表している。
【0074】
このほかの言語についても固有の数字を言語種別コードとして割り当ててある。
【0075】
このように、個人情報登録テーブル50には、ユーザ識別情報としての認証ID情報と言語特定情報としての言語種別コードとが対応付けて登録される。
【0076】
図5は、選択言語登録テーブル60の一例を示している。選択言語登録テーブル60には、コピー機能、ファクシミリ機能、スキャナ機能、プリンタ機能の機能毎にその機能の操作画面やレポート印刷で使用する言語の種類を表した言語種別コードが格納される。
【0077】
「デフォルトの言語種別コード」欄61には、不揮発メモリに格納されているデフォルト設定の言語種別コードが機能毎に登録される。
【0078】
「言語切り替え直前の言語種別コード」欄62には、切り替え直前の言語の種類を示す言語種別コードが機能毎に登録される。すなわち、この欄62には、個人認証により言語を切り替えるとき、切り替え前に表示していた言語の種類を表わす言語種別コードが登録される。登録されたデータは、後述するように、ジョブ終了時や未操作タイマのタイムアップにより言語を元に戻すときに参照される。
【0079】
「言語切り替え後の言語種別コード」欄63には、切り替え後の言語の種類を示す言語種別コードが機能毎に登録される。なお、「デフォルトの言語種別コード」欄61に登録されている言語種別コードが、主電源オン時に「言語切り替え直前の言語種別コード」欄62および「言語切り替え後の言語種別コード」欄63にそれぞれコピーされる。
【0080】
図6は、言語の切り替えに係わる動作の流れを示している。すなわち、コピー機能、ファクシミリ機能、スキャナ機能、プリンタ機能のいずれかの操作画面が表示されている状態で、個人認証手段27から認証インターフェイス手段28を介して認証データ受信手段29に個人認証データが入力されたときの動作を示している。
【0081】
たとえば、個人認証手段27として指紋認証手段を用いた場合は、指紋認証パッドを押下する操作により、指紋認証手段から認証インターフェイス手段28を介して認証データ受信手段29に個人認証データが渡される。また非接触無線カードを用いて個人認証する場合は、個人認証手段27としてのカードリーダにカードを差し込む若しくは近づける操作により、カードリーダから認証インターフェイス手段28を介して認証データ受信手段29に個人認証データが渡されることになる。他の認証手段を用いた場合も同様であり、個人認証手段27から認証インターフェイス手段28を介して認証データ受信手段29に個人認証データが渡される。
【0082】
個人認証手段27が操作されて、個人認証データが入力されると(ステップS101;Y)、この個人認証データに対応するユーザが登録されているか否かを検索する(ステップS102)。具体的には、入力された個人認証データと一致する認証ID情報が個人情報登録テーブル50に登録されているか否かを調べる。入力された個人認証データと一致する認証ID情報が個人情報登録テーブル50に登録されていない(ユーザ登録されていない)場合は(ステップS103;N)、個人情報の登録画面を表示し、個人情報の登録処理を行なう(ステップS104)。個人情報の登録では、そのユーザが希望する言語の種類などが登録される。個人情報の登録の詳細については後述する。
【0083】
入力された個人認証データと一致する認証ID情報が個人情報登録テーブル50に存在して該当するユーザが登録されているときは(ステップS103;Y)、現在表示中の言語の種類を示す言語種別コードを、選択言語登録テーブル60の「言語切り替え直前の言語種別コード」欄62に登録する(ステップS105)。この登録は、「言語切り替え直前の言語種別コード」欄62の中で、現在選択されている機能に対応する箇所に対して行なわれる。
【0084】
また、入力された個人認証データと一致する認証ID情報に対応付けられている言語種別コードを個人情報登録テーブル50から取得し、この言語種別コードが示す言語に操作画面で使用する言語を切り替える(ステップS106)。また、この言語種別コードを選択言語登録テーブル60の「言語切り替え後の言語種別コード」欄63の中の現在選択されている機能に対応する箇所へ登録する。
【0085】
たとえば、コピー機能に係わる操作画面が表示されている状態で個人認証が行なわれて言語を英語に切り替えた場合、コピー機能に係わる操作画面の言語だけが英語に切り替わり、ファクシミリ機能など他の機能に係わる操作画面の言語は変化しない。
【0086】
言語を切り替えた後、未操作タイマを起動する(ステップS107)。未操作タイマは、無操作状態の継続時間を計時する。未操作タイマがタイムアップするまでの時間は、たとえば、20秒に設定される。タイムアップまでの時間は、環境設定画面などから適宜変更することができる。
【0087】
ユーザによる操作がなく(ステップS108;N)、未操作タイマがタイムアップすると(ステップS109;Y)、操作画面で使用する言語を変更前の言語に戻す(ステップS113)。戻すべき言語は、先に選択言語登録テーブル60の「言語切り替え直前の言語種別コード」欄62に登録した言語種別コードにより認識する。
【0088】
未操作タイマがタイムアップする前に何らかのユーザ操作があると(ステップS108;Y)、未操作タイマを再スタートさせる(ステップS110)。このようにしてユーザ操作を順次受け付ける(ステップS111;N)。
【0089】
未操作タイマがタイムアップする前にジョブの投入操作があると(ステップS111;Y)、設定された内容に従ってジョブを実行する(ステップS112)。そして、ジョブの実行終了後に、操作画面で使用する言語を変更前の言語に戻す(ステップS113)。
【0090】
図7は、機能選択ボタン32〜35のいずれかを押下することによる操作画面の遷移を表している。コピー選択ボタン32、ファクシミリ選択ボタン33、プリンタ選択ボタン34、スキャナ選択ボタン35のいずれかを操作すると、画面表示部31に表示される操作画面が今回操作された機能選択ボタン32〜35に対応する機能の操作画面に切り替わる。
【0091】
たとえば、コピー画面を表示している状態(St1)で、ファクシミリ選択ボタン33が操作されると(Ev1)、ファクシミリ機能の操作画面に切り替わる(St2)。また、コピー画面を表示している状態(St1)で、プリンタ選択ボタン34が操作されると(Ev2)、プリンタ機能の操作画面に切り替わる(St3)。コピー画面を表示している状態(St1)で、スキャナ選択ボタン35が操作されると(Ev3)、スキャナ機能の操作画面に切り替わる(St4)。他の画面からについても図7に示すように遷移する。
【0092】
図8は、個人認証による言語の切り替え動作の一例を示している。この図では、当初、コピー画面とファクシミリ画面が共に日本語表示に設定されているものとする。日本語表示のコピー画面が表示されている(St10)ときに、指紋認証手段から個人認証データを受信し、個人情報登録テーブル50を検索した結果、この個人認証データと一致する認証ID情報に対応付けて英語を示す言語種別コードが登録されていたときは(Ev11)、操作画面が英語表示のコピー画面(St11)に切り替わる。
【0093】
コピー画面の表示は個人認証データの受信により英語表示に切り替わるが、他の機能に係わる操作画面の言語は変更されない。したがって、英語のコピー画面が表示された状態(St11)で、ファクシミリ選択ボタン33を押下すると(Ev12)、日本語表示のファクシミリ画面が表示される(St12)。またファクシミリ画面が表示された状態(St12)でコピー選択ボタン32を操作すると(Ev13)、操作画面は英語表示のコピー画面に戻る(St11)。
【0094】
これはスキャナ画面、プリンタ画面に遷移する場合も同様であり、コピー画面の表示中に受けた個人認証データに基づいてコピー機能以外の機能に係わる画面での言語切り替えは行なわれない。ファクシミリ、スキャナ、プリンタの各操作画面で個人認証データを受信した場合も、上記コピー画面と同様の処理となり、個人認証データを受信したときに表示していた機能に対応する操作画面の言語表示のみを切り替え、他の機能に関する操作画面の表示言語は変更されない。
【0095】
なお、英語のコピー画面が表示された状態で、コピージョブを終了した場合、若しくは未操作タイマがタイムアップした場合は(Ev14)、コピー画面の言語は切り替え前の言語(ここでは日本語)に戻り、日本語のコピー画面が表示される(St10)。
【0096】
次に、個人情報の登録動作について説明する。
【0097】
たとえば、図9に示すようなコピー画面130が表示された状態で個人認証手段27から個人認証を行ない、入力された個人認証データと一致する認証ID情報が個人情報登録テーブル50に登録されていない場合は、画面表示部31に図10に示すような個人情報登録画面140が表示される。個人情報登録画面140では、ユーザ名、ユーザIDおよびこのユーザに対応付ける言語の種類(言語種別コード)を登録する。
【0098】
「ユーザ名」ボタン141を操作すると、図示省略の名前登録画面に遷移し、任意のユーザ名を設定することができる。設定されたユーザ名はユーザ名表示欄142に表示される。ユーザIDは、個人情報登録テーブル50内で重複しないユニークな文字列が自動的に付与され、その付与されたユーザIDがユーザID表示欄143に自動的に表示される。
【0099】
選択言語表示欄145には、装置のデフォルト値に設定されている言語が初期表示される。「言語選択」ボタン144を操作すると、図11に示す言語選択画面150が画面表示部31に表示される。言語選択画面150には、選択可能な言語の種類を表した言語ボタン151が一覧表示され、いずれかの言語ボタン151を操作した後に「確定」ボタン152を操作すると、言語が確定する。言語が確定すると個人情報登録画面140が再び表示される。このとき選択言語表示欄145には言語選択画面150で指定した言語名が表示される。必要な事項を設定した後に「OK」ボタン146を操作すると、個人情報の登録が完了する。
【0100】
図12は、コピー画面で使用される言語が個人認証により英語から日本語に切り替わる様子の一例を示している。英語のコピー画面160が表示されている状態で個人認証が行なわれ、個人認証手段27の検出した個人認証データが個人情報登録テーブル50に登録されている場合、この個人認証データに対応付けて登録されている言語を使用したコピー画面に表示が切り替わる。ここでは、英語のコピー画面160から日本語のコピー画面170に切り替わっている。
【0101】
言語を切り替えた後、当該ユーザのコピージョブ終了時、若しくは未操作タイマのタイムアップ時に、元の言語に戻される。ここでは、日本語のコピー画面170から英語のコピー画面160に遷移する。
【0102】
図13は、ファクシミリ画面で使用される言語が個人認証により日本語から英語に切り替わる様子の一例を示している。日本語のファクシミリ画面180が表示されている状態で個人認証が行なわれ、個人認証手段27の検出した個人認証データが個人情報登録テーブル50に登録されている場合、この個人認証データに対応付けて登録されている言語を使用したファクシミリ画面の表示に切り替わる。ここでは、日本語のファクシミリ画面180から英語のファクシミリ画面190に切り替わっている。
【0103】
言語を切り替えた後、当該ユーザのファクシミリジョブが終了したとき、若しくは未操作タイマのタイムアップ時に元の言語を使用した日本語のファクシミリ画面180に遷移する。
【0104】
図14は、プリンタ画面で使用される言語が個人認証により日本語から英語に切り替わる様子の一例を示している。日本語のプリンタ画面210が表示されている状態で個人認証が行なわれ、個人認証手段27の検出した個人認証データが個人情報登録テーブル50に登録されている場合、この個人認証データに対応付けて登録されている言語を使用したプリンタ画面の表示に切り替わる。ここでは、日本語のプリンタ画面210から英語のプリンタ画面220に切り替わっている。
【0105】
言語を切り替えた後、当該ユーザのプリントジョブが終了したとき、若しくは未操作タイマのタイムアップ時に元の言語を使用した日本語のプリンタ画面210に遷移する。
【0106】
図15は、スキャナ画面で使用される言語が個人認証により日本語から英語に切り替わる様子の一例を示している。日本語のスキャナ画面230が表示されている状態で個人認証が行なわれ、個人認証手段27の検出した個人認証データが個人情報登録テーブル50に登録されている場合、この個人認証データに対応付けて登録されている言語を使用したスキャナ画面の表示に切り替わる。ここでは、日本語のスキャナ画面230から英語のスキャナ画面240に切り替わっている。
【0107】
言語を切り替えた後、当該ユーザのスキャンジョブが終了したとき、若しくは未操作タイマのタイムアップ時に元の言語を使用した日本語のスキャナ画面230に遷移する。
【0108】
図16は、個人認証によって言語を切り替えたユーザがコピージョブの設定操作を行なっている途中で他のユーザがファクシミリ選択ボタン33を操作した場合の画面遷移の一例を示している。
【0109】
この例では、コピー画面、ファクシミリ画面共に言語が日本語に設定されているものとする。図16(a)は、日本語のコピー画面が表示されている状態で、個人情報登録テーブル50の言語種別コードを「英語」に設定登録しているユーザが個人認証した場合に切り替え表示される画面250を示している。このユーザは、言語種別コードを「英語」に設定しているので、英語のコピー画面250に切り替わっている。
【0110】
図16(b)は、図16(a)に示す英語のコピー画面250が表示された状態で、他のユーザがファクシミリ選択ボタン33を操作した場合に画面表示部31に表示される日本語のファクシミリ画面260の一例を示している。ファクシミリ画面160で使用される言語は、コピー画面で使用される言語の種類とは関係なく独立に管理されている。このため、英語のコピー画面250が表示されている状態でファクシミリ選択ボタン33を操作すると、日本語のファクシミリ画面260が表示される。なお、日本語のファクシミリ画面260に係わるファクシミリジョブの投入が完了すると、英語のコピー画面250に戻る。
【0111】
以上、本発明の実施の形態を図面によって説明してきたが、具体的な構成は実施の形態に示したものに限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。たとえば、実施の形態では個人認証手段27を画像形成装置10の外付け構成としたが、画像形成装置10に内蔵してもよい。
【0112】
また、実施の形態では、言語を切り替えた後、そのユーザに係わるジョブの実行終了時に言語を切り替え前の言語に戻すように構成したが、ジョブの投入が完了した時点で言語を元に戻してもよい。また、切り替え前の言語に戻す代わりに、初期設定された言語に戻してもよい。
【0113】
このほか、ジョブが終了した場合でも、次のユーザが個人認証を試みるまで若しくは個人認証されるまで、切り替え後の言語を維持するように構成してもよい。
【0114】
また、実施の形態では、個人認証が行なわれた時点で選択されている機能(表示されている機能)に係わる操作画面のみを言語切り替えの対象としたが、個人認証を行なってから機能を選択した場合に、選択後の機能に係わる画面の言語が今回の個人認証に基づく言語に切り替わるように構成してもよい。たとえば、個人認証してから最初に選択した機能に係わる操作画面について言語を切り替えるように構成したり、個人認証した時点で即座に言語が切り替わり、この言語が次にジョブの投入操作が完了するまで維持されたりするように構成してもよい。
【0115】
また実施の形態では、主として操作画面で使用する言語を切り替える例を示したが、表示に加えて若しくは表示に代えて、レポート印刷など内部生成した印刷データに基づく印刷に使用する言語を切り替えるように構成してもよい。
【0116】
実施の形態では、複数の機能を有する画像形成装置10を例に説明したが、単機能の装置であってもかまわない。また、画像形成装置10の機能は、実施の形態で例示したコピー機能、ファクシミリ機能、プリンタ機能、スキャナ機能に限定されるものではない。
【0117】
また、個人認証によりユーザを特定するようにしたが、ユーザを識別し特定できれば、本人認証されなくてもよい。したがって、操作部からユーザIDの入力を求め、この入力されたユーザIDに対応付けて登録されている言語に表示や印刷で使用する言語を切り替えるように構成してもよい。
【0118】
切り替えた言語を元に若しくは初期値に戻す契機には、ジョブ終了、ジョブ投入完了、未操作タイマのタイムアップのほか、たとえば、操作のキャンセルやストップボタンの操作などを含めてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0119】
【図1】本発明の実施の形態に係わる画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態に係わる画像形成装置と指紋認証ユニットとの接続状態の一例を示す説明図である。
【図3】本発明の実施の形態に係わる画像形成装置が有する操作パネルの一例を示す正面図である。
【図4】個人情報登録テーブル用不揮発メモリに格納される個人情報登録テーブルの一例を示す説明図である。
【図5】選択言語登録テーブルの一例を示す説明図である。
【図6】本発明の実施の形態に係わる画像形成装置における言語切り替えの動作を示す流れ図である。
【図7】機能選択ボタンのいずれかを押下することによる操作画面の遷移を示す説明図である。
【図8】個人認証による言語の切り替え動作の一例を示す説明図である。
【図9】コピー画面の一例を示す説明図である。
【図10】個人情報登録画面の一例を示す説明図である。
【図11】言語選択画面の一例を示す説明図である。
【図12】コピー画面で使用される言語が個人認証により英語から日本語に切り替わる様子の一例を示す説明図である。
【図13】ファクシミリ画面で使用される言語が個人認証により日本語から英語に切り替わる様子の一例を示す説明図である。
【図14】プリンタ画面で使用される言語が個人認証により日本語から英語に切り替わる様子の一例を示す説明図である。
【図15】スキャナ画面で使用される言語が個人認証により日本語から英語に切り替わる様子の一例を示す説明図である。
【図16】個人認証によって言語を切り替えたユーザがコピージョブの設定操作を行なっている途中で他のユーザがファクシミリ選択ボタンを操作した場合の画面遷移の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0120】
11…システム制御部
12…コピー制御部
13…ファクシミリ制御部
14…スキャナ制御部
15…プリンタ制御部
16…表示手段
17…操作手段
18…メッセージデータベース手段
19…個人情報登録テーブル用不揮発メモリ
21…画像読取手段
22…画像メモリ手段
23…画像出力手段
24…LAN接続制御手段
25…モデム
26…公衆網接続制御手段
27…個人認証手段
27a…指紋認証ユニット
28…認証インターフェイス手段
29…認証データ受信手段
30…操作パネル
31…画面表示部
32〜35…機能選択ボタン
32…コピー選択ボタン
33…ファクシミリ選択ボタン
34…プリンタ選択ボタン
35…スキャナ選択ボタン
36…電源ボタン
37…スタートボタン
38…ストップボタン
39…テンキー入力部
40…各操作選択用ハードキー
41…リセットボタン
50…個人情報登録テーブル
60…選択言語登録テーブル
61…「デフォルトの言語種別コード」欄
62…「言語切り替え直前の言語種別コード」欄
63…「言語切り替え後の言語種別コード」欄
130…コピー画面
140…個人情報登録画面
141…「ユーザ名」ボタン
142…ユーザ名表示欄
143…ユーザID表示欄
144…「言語選択」ボタン
145…選択言語表示欄
146…「OK」ボタン
150…言語選択画面
151…言語ボタン
152…「確定」ボタン
160…英語のコピー画面
170…日本語のコピー画面
180…日本語のファクシミリ画面
190…英語のファクシミリ画面
210…日本語のプリンタ画面
220…英語のプリンタ画面
230…日本語のスキャナ画面
240…英語のスキャナ画面
250…英語のコピー画面
260…日本語のファクシミリ画面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部に表示する操作画面で使用する言語を切り替え可能な画像形成装置において、
言語の種類を表した言語特定情報とユーザ識別情報とを対応付けて登録したユーザ情報登録手段と、
ユーザ識別情報が入力される入力手段と、
前記入力手段から入力されたユーザ識別情報で前記ユーザ情報登録手段を検索し、前記ユーザ識別情報に対応付けて前記ユーザ情報登録手段に登録されている言語特定情報を取得する検索手段と、
操作画面で使用する言語を前記検索手段の取得した言語特定情報が示す言語に切り替える言語切替手段と、
を有する
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
表示部に表示する操作画面で使用する言語を切り替え可能な画像形成装置において、
予め定めた複数種類の機能の中の1つが選択される機能選択手段と、
前記表示部に前記機能別の操作画面を表示する表示制御手段と、
言語の種類を表した言語特定情報とユーザ識別情報とを対応付けて登録したユーザ情報登録手段と、
ユーザ識別情報が入力される入力手段と、
前記入力手段から入力されたユーザ識別情報で前記ユーザ情報登録手段を検索し、前記ユーザ識別情報に対応付けて前記ユーザ情報登録手段に登録されている言語特定情報を取得する検索手段と、
前記入力手段からユーザ識別情報が入力された時点で選択されている機能に係わる操作画面で使用する言語のみを、前記ユーザ識別情報に基づいて前記検索手段が取得した言語特定情報の示す言語に切り替える言語切替手段と
を有する
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
表示部に表示する操作画面で使用する言語を切り替え可能な画像形成装置において、
予め定めた複数種類の機能の中の1つが選択される機能選択手段と、
前記表示部に表示する操作画面を、前記機能選択手段で選択された機能に対応する操作画面に切り替える表示制御手段と、
言語の種類を表した言語特定情報とユーザ識別情報とを対応付けて登録したユーザ情報登録手段と、
ユーザ識別情報が入力される入力手段と、
前記入力手段から入力されたユーザ識別情報で前記ユーザ情報登録手段を検索し、前記ユーザ識別情報に対応付けて前記ユーザ情報登録手段に登録されている言語特定情報を取得する検索手段と、
前記入力手段からユーザ識別情報が入力された時点で前記表示部に表示されている操作画面に係わる機能と同一の機能に属する操作画面で使用する言語のみを、前記ユーザ識別情報に基づいて前記検索手段が取得した言語特定情報の示す言語に切り替える言語切替手段と
を有する
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
表示部に表示する操作画面で使用する言語を切り替え可能な画像形成装置において、
予め定めた複数種類の機能の中の1つが選択される機能選択手段と、
前記表示部に前記機能別の操作画面を表示する表示制御手段と、
言語の種類を表した言語特定情報とユーザ識別情報とを対応付けて登録したユーザ情報登録手段と、
ユーザ識別情報が入力される入力手段と、
前記入力手段から入力されたユーザ識別情報で前記ユーザ情報登録手段を検索し、前記ユーザ識別情報に対応付けて前記ユーザ情報登録手段に登録されている言語特定情報を取得する検索手段と、
前記入力手段からユーザ識別情報が入力された後に最初に選択された機能に係わる操作画面で使用する言語のみを、前記ユーザ識別情報に基づいて前記検索手段が取得した言語特定情報の示す言語に切り替える言語切替手段と
を有する
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
前記複数種類の機能は、原稿を読み取ってその複製画像を記録紙上に形成して出力するコピー機能と、ファクシミリ機能と、プリンタ機能と、原稿を読み取って対応する画像データを出力するスキャナ機能の中の少なくとも1つを含む
ことを特徴とする請求項2、3または4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記言語切替手段は、操作画面で使用する言語を前記検索手段の取得した言語特定情報が示す言語に切り替えた後、この言語を前記入力手段からユーザ識別情報が次に入力されるまで維持する
ことを特徴とする請求項1、2、3、4または5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記言語切替手段は、操作画面で使用する言語を前記検索手段の取得した言語特定情報が示す言語に切り替えた後にジョブの実行が終了したとき、操作画面で使用する言語を切り替え前の言語に戻す
ことを特徴とする請求項1、2、3、4または5に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記言語切替手段は、操作画面で使用する言語を前記検索手段の取得した言語特定情報が示す言語に切り替えた後に無操作状態が所定時間継続したとき、操作画面で使用する言語を切り替え前の言語に戻す
ことを特徴とする請求項1、2、3、4または5に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記言語切替手段は、操作画面で使用する言語を前記検索手段の取得した言語特定情報が示す言語に切り替えた後にジョブの投入操作が完了したとき、操作画面で使用する言語を切り替え前の言語に戻す
ことを特徴とする請求項1、2、3、4または5に記載の画像形成装置。
【請求項10】
操作画面で使用する言語を切り替え前の言語に戻すことに代えて、操作画面で使用する言語を特定の言語に戻す
ことを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8または9に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記入力手段は、非接触無線カードからユーザ識別情報を受信するものである
ことを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9または10に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記入力手段は、バイオメトリクス認証を利用してユーザ識別情報を取得するものである
ことを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9または10に記載の画像形成装置。
【請求項13】
表示部に表示する操作画面に代えてまたは加えて、内部生成した印刷データに基づく印刷に使用する言語を切り替える
ことを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12に記載の画像形成装置。
【請求項14】
言語の種類を表した言語特定情報とユーザ識別情報とを対応付けて記憶手段に登録しておき、
ユーザ識別情報が入力される入力ステップと、
この入力されたユーザ識別情報で前記記憶手段を検索して前記ユーザ識別情報に対応付けて登録されている言語特定情報を取得する検索ステップと、
所定の装置で使用する言語を前記取得した言語特定情報が示す言語に切り替える言語切替ステップと
を有する
ことを特徴とする言語切替方法。
【請求項15】
言語の種類を表した言語特定情報とユーザ識別情報とを対応付けて記憶手段に登録しておき、
予め定めた複数種類の機能の中の1つが選択される機能選択ステップと、
ユーザ識別情報が入力される入力ステップと、
この入力されたユーザ識別情報で前記記憶手段を検索して前記ユーザ識別情報に対応付けて登録されている言語特定情報を取得する検索ステップと、
前記ユーザ識別情報が入力された時点で選択されている機能に係わる動作で使用する言語のみを、前記取得した言語特定情報の示す言語に切り替える言語切替ステップと
を有する
ことを特徴とする言語切替方法。
【請求項16】
言語の種類を表した言語特定情報とユーザ識別情報とを対応付けて記憶手段に登録しておき、
予め定めた複数種類の機能の中の1つが選択される機能選択ステップと、
ユーザ識別情報が入力される入力ステップと、
この入力されたユーザ識別情報で前記記憶手段を検索して前記ユーザ識別情報に対応付けて登録されている言語特定情報を取得する検索ステップと、
ユーザ識別情報が入力された後に最初に選択された機能に係わる動作で使用する言語のみを、前記取得した言語特定情報の示す言語に切り替える言語切替ステップと
を有する
ことを特徴とする言語切替方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2006−26972(P2006−26972A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−206012(P2004−206012)
【出願日】平成16年7月13日(2004.7.13)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】