画像形成装置および転写部材の離隔状態の検出方法
【課題】フォトインタラプタを用いることなく転写部材の離隔状態の検出を低コストで行うこと。
【解決手段】電子写真プロセスにおいて形成されるトナー像を中間転写ベルト23から転写材に転写するように構成された画像形成装置1であって、中間転写ベルト23に対し圧接状態となることによって転写を行わせるとともにその圧接状態と離隔状態との間で移動可能な二次転写ローラ28と、二次転写ローラ28を圧接状態と離隔状態とに移動駆動する接離駆動装置SKとを有し、中間転写ベルト23の裸面の状態を検出するIDCセンサ33の出力の変化に基づいて二次転写ローラ28の圧接状態または離隔状態を検出する。
【解決手段】電子写真プロセスにおいて形成されるトナー像を中間転写ベルト23から転写材に転写するように構成された画像形成装置1であって、中間転写ベルト23に対し圧接状態となることによって転写を行わせるとともにその圧接状態と離隔状態との間で移動可能な二次転写ローラ28と、二次転写ローラ28を圧接状態と離隔状態とに移動駆動する接離駆動装置SKとを有し、中間転写ベルト23の裸面の状態を検出するIDCセンサ33の出力の変化に基づいて二次転写ローラ28の圧接状態または離隔状態を検出する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、プリンタ、MFP、ファクシミリ、またはこれらの複合機などの画像形成装置、および画像形成装置における転写部材の圧接離隔状態の検出方法に関する。例えば、二次転写ローラの中間転写ベルトへの接離の検出に利用される。
【背景技術】
【0002】
従来より、電子写真方式の複写機、プリンタ、ファクシミリ、複合機またはMFP(Multi Function Peripherals)と呼称される多機能機などの画像形成装置では、感光体ドラム上に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成し、そのトナー像を中間転写ベルトに一次転写し、それをさらに記録紙に二次転写し、これを定着することにより画像形成を行う。トナー像を中間転写ベルトから記録紙に二次転写を行うために、像担持体である中間転写ベルトに対して圧接状態となる二次転写ローラが設けられている。
【0003】
このような画像形成装置において、二次転写ローラは、中間転写ベルトに対して、圧接状態と離隔状態との間で移動可能である。通常の画像形成(印字)時には圧接状態となっているが、画像形成を行わないときには離隔状態とすることが一般的である。
【0004】
また、中間転写ベルトまたは感光体ドラム上にテスト用のトナーパッチ(画像安定化パターン)を形成し、トナーパッチの状態を濃度検出手段であるIDCセンサで検知して画像形成条件を調整することが行われる。その際にも、二次転写ローラなどがトナーで汚れないようにするため、二次転写ローラを離隔状態とすることが一般的である。
【0005】
さて、二次転写ローラの移動のために接離駆動装置が備えられるが、接離駆動装置によって離隔状態または圧接状態に確実に切り換わったか否かを検出するために、従来においてはフォトインタラプタなどの光学センサが用いられている。
【0006】
しかし、圧接/離隔の検出のためにフォトインタラプタを用いると、それにともなって部品点数が増加してコストアップとなる。これに対して、専用のフォトインタラプタを用いることなく、ジャム検出のためのフォトインタラプタを兼用した装置が提案されている(特許文献1)。
【特許文献1】特開2004−264455
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上に述べた従来の装置では、記録紙の到達および通過タイミングの検知と二次転写ローラの圧接/離隔の検出とを1つのフォトインタラプタで兼用することから、記録紙の到達および通過タイミングの検知のための特別な転写前センサフラグを用いる必要があり、ジャム検出の動作などに制約を受けることがある。
【0008】
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたもので、フォトインタラプタを用いることなく転写部材の圧接離隔状態の検出を低コストで行うことのできる画像形成装置および検出方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る装置は、電子写真プロセスにおいて形成されるトナー像を像担持体から転写材に転写するように構成された画像形成装置であって、前記像担持体に対し圧接状態となることによって前記転写を行わせるとともにその圧接状態と離隔状態との間で移動可能な転写部材と、前記転写部材を圧接状態と離隔状態とに移動駆動する接離駆動装置と、を有し、前記像担持体の裸面の状態を検出する検出手段の出力の変化に基づいて前記転写部材の圧接状態または離隔状態を検出するように構成される。
【0010】
本発明に係る他の形態の装置は、前記像担持体上のトナー像の濃度を検出するように設けられた濃度検出手段と、前記像担持体に対し圧接状態となることによって前記転写を行わせるとともにその圧接状態と離隔状態との間で移動可能な転写部材と、前記転写部材を圧接状態と離隔状態とに移動駆動する接離駆動装置と、を有し、前記濃度検出手段は、前記接離駆動装置による前記転写部材の移動にともなって前記像担持体に対する位置または姿勢が変化するように取り付けられており、前記濃度検出手段によって前記像担持体の裸面の状態を検出したときの出力の変化に基づいて前記転写部材の圧接状態または離隔状態を検出するように構成される。
【0011】
好ましくは、前記濃度検出手段は、前記像担持体の表面からの反射光の量を検知して出力する光学式のセンサである。
【0012】
また、前記接離駆動装置によって前記転写部材が離隔状態となるように駆動してから所定の時間を経過しても、前記濃度検出手段の出力によって離隔状態であることを検出しないときに、前記接離駆動装置によって前記転写部材が離隔状態となるように再度駆動する。
【0013】
また、前記接離駆動装置によって前記転写部材が離隔状態となるように駆動してから所定の時間を経過しまたは前記接離駆動装置によって前記転写部材が離隔状態となるように所定の回数にわたって駆動したにも係わらず、前記濃度検出手段の出力によって離隔状態であることを検出しないときに、異常である旨の信号を出力する。
【0014】
また、前記濃度検出手段の出力に応じて、前記像担持体と前記転写部材とのNIP幅の制御を行う。
【0015】
本発明に係る他の形態の装置は、前記像担持体に対し圧接状態となることによって前記転写を行わせるとともにその圧接状態と離隔状態との間で移動可能な転写部材と、前記転写部材を圧接状態と離隔状態とに移動駆動する接離駆動装置と、を有し、前記転写部材の裸面の状態を検出する検出手段の出力の変化に基づいて前記転写部材の圧接状態または離隔状態を検出するように構成される。
【0016】
本発明に係る方法は、電子写真プロセスにおいて形成されるトナー像を像担持体から転写材に転写するように構成された画像形成装置において、前記像担持体に対し圧接状態となることによって前記転写を行わせる転写部材の離隔状態を検出する方法であって、前記像担持体の裸面の状態を検出する検出手段の出力の変化に基づいて前記転写部材の圧接状態または離隔状態を検出する。
【0017】
本発明に係る他の形態の方法は、前記像担持体上のトナー像の濃度を検出するように設けられた濃度検出手段を、前記接離駆動装置による前記転写部材の移動にともなって前記像担持体に対する位置または姿勢が変化するように取り付けておき、前記濃度検出手段によって前記像担持体の裸面の状態を検出したときの出力の変化に基づいて前記転写部材の圧接状態または離隔状態を検出する。
【発明の効果】
【0018】
本発明によると、フォトインタラプタを用いることなく転写部材の圧接離隔状態の検出を低コストで行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
図1は本発明に係る実施形態の画像形成装置1の概略の構成を示す図、図2および図3は接離駆動装置SKの構成の例を示す図、図4はトナーパッチの例を示す図、図5は安定化のための動作のブロック図である。なお、図2は二次転写ローラが離隔状態である場合を示し、図3は二次転写ローラが圧接状態である場合を示す。
【0020】
図1において、画像形成装置1は、電子写真方式を用いたデジタル複合機またはプリンタなどであり、タンデム方式のプリントエンジンを内蔵している。
【0021】
すなわち、画像出力装置1には、Y(イエロー),M(マジェンタ),C(シアン),K(ブラック)の各色の作像ユニット24Y,M,C,Kがタンデム形式で一列に配置されている。各作像ユニット24Y,M,C,Kは、それぞれ、感光体ドラム41、感光体ドラム41の表面を均一に帯電させる帯電チャージャ42、各色の画像データに応じて感光体ドラム41の表面を露光することにより静電潜像を形成する露光部43、静電潜像を各色のトナーで現像してトナー像を形成する現像部44、中間転写ベルト23を挟んで各感光体ドラム41に対向する位置に配置された転写ローラ22、感光体ドラム41の表面に残留するトナーを回収してクリーニングするクリーナ45などからなる。
【0022】
なお、本明細書および図面において、Y,M,C,Kの各色に対応する部材について、それぞれの符号の末尾にY,M,C,Kの符号をそれぞれ付すことがある。
【0023】
中間転写ベルト23は、各感光体ドラム42Y,M,C,Kの上部に沿うように、ローラ25,26の間に張りわたされ、ローラ25の回転によって図1の矢印M1方向に走行する。各転写ローラ22Y,M,C,Kは、各感光体ドラム42Y,M,C,Kに対して中間転写ベルト23を圧接させる圧接位置と、各感光体ドラム42Y,M,C,Kから中間転写ベルト23を離隔(離間または退避ともいう)させる離隔位置との間で、移動可能となっている。中間転写ベルト23が感光体ドラム42Y,M,C,Kに圧接することによって、感光体ドラム42のトナー像が中間転写ベルト23に一次転写される。
【0024】
中間転写ベルト23に一次転写されたトナー像は、二次転写ローラ28によって、給紙カセット27から給紙された転写材である記録紙PAに二次転写される。記録紙PAは、その後、定着部29で定着され、排紙トレイ30に排出される。二次転写ローラ28は、種々の形式または構成の接離駆動装置(接離機構)によって、中間転写ベルト23に対し圧接状態と離隔状態とに位置が切り換えられる。なお、ローラ26の近辺に、ベルトクリーナ31および廃トナーボックス32が設けられている。
【0025】
ローラ25の近傍には、中間転写ベルト23上のトナー像の濃度を検出する濃度検出手段である、光学式のIDCセンサ33が設けられている。つまり、IDCセンサ33は、中間転写ベルト23の表面に光を照射し、反射して返ってきた光の量を検知する。IDCセンサ33の発光量を制御することも可能である。また、発光部分はIDCセンサ33とは別個の投光器によってもよい。
【0026】
中間転写ベルト23上のトナー像の濃度が低いときつまり載っているトナーが少ないときは、中間転写ベルト23で反射した光が多く返ってきて光量が多くなり、トナー像の濃度が高いときつまりトナーが多く載っているときは、光がトナーに遮られて反射光量が低下する。このようにして、IDCセンサ33は、中間転写ベルト23の表面の状態を確認する。IDCセンサ33によって検出されたトナー像の濃度によって、露光部43による光量の制御、現像部44における現像条件の制御などを行って画像調整を行う。実際には、画像調整用に作成したY,M,C,Kの各パターン(トナーパッチ)についての濃度を検出する。
【0027】
本実施形態では、IDCセンサ33は2つ設けられているが、1つまたは3つ以上でもよい。また、IDCセンサ33の取り付け位置および取り付け方法についても、ここで述べた以外の種々の位置または方法を採用してもよい。
【0028】
制御部21は、CPU211、メモリ212、制御用回路213、通信インタフェース214、および磁気記憶装置215などによって構成され、画像データに対して画像処理を行うとともに、画像形成装置1の各部の動作を制御する。以下においては、特に、二次転写ローラ28の中間転写ベルト23への圧接と離隔の検出および制御について詳しく説明する。
【0029】
なお、画像形成装置1における作像手段または作像方法、各部の構成または構造などは上に述べた例に限らない。また、画像形成装置1として、モノクロ/カラーの複写機、プリンタ、ファクシミリ、またはこれらの複合機などであってよい。
【0030】
図2および図3において、接離駆動装置SKは、ホルダー51、および、ホルダー51によって移動可能に保持されたスライダー52を備えている。スライダー52は、二次転写ローラ28の回転軸を支持するとともに、ホルダー51に対してスライド移動することにより、二次転写ローラ28を離隔位置(図2の状態)と圧接位置(図3の状態)との間で移動可能に支持する。ホルダー51にはスプリング53が設けられ、スライダー52はスプリング53によって圧接位置に向かって付勢されている。
【0031】
二次転写ローラ28を離隔位置に戻すために、ホルダー51に対して位置関係が決められた軸を中心として回転可能なレバー54、および図示しないモータによって回転するカム55が設けられている。レバー54は、その一方のアーム54aに設けた長穴がスライダー52の突起部に係合しており、他方のアーム54bに回転するカム55が当接して押され、これによってレバー54が回動する。
【0032】
図2に示す状態では、カム55によってアーム54bが押されており、これによってレバー54が右回転してスライダー52をスプリング53の付勢力に抗して移動させており、これによって二次転写ローラ28は離隔位置となっている。
【0033】
図3に示す状態では、アーム54bはカム55からフリーの状態となっており、したがって二次転写ローラ28はスプリング53の付勢力によって押されて圧接位置となっている。
【0034】
また、IDCセンサ33は、スライダー52またはレバー54と連動して姿勢が変化する可動ユニット56の先端部に取り付けられており、レバー54の回動にともなって図の上下方向のみに移動する。つまり、図2に示すように二次転写ローラ28が離隔状態となったときにはIDCセンサ33は中間転写ベルト23に接近し、図3に示すように二次転写ローラ28が圧接状態となったときにはIDCセンサ33は中間転写ベルト23から離れる。
【0035】
次に、IDCセンサ33による画像調整について説明する。
【0036】
画像調整(画像安定化動作)は、環境変化または経時変化などによる画質のバラツキを抑えるために、予め設定されたタイミング毎に、各色の画像濃度および階調性の調整が行われる。
【0037】
画像調整において、所定のシステムスピード、露光量、現像バイアス、帯電電位などのプロセス条件が設定された後、中間転写ベルト23上にトナーパッチが作成される。トナーパッチの濃度つまりトナー量(トナー付着量)および色毎の位置ずれ量が、IDCセンサ33によって検出される。
【0038】
図4に示すように、トナーパッチTPは、中間転写ベルト23の表面の両端に近い位置に形成され、中間転写ベルト23の走行とともに移動する。これを、2つのIDCセンサ33によって検出する。IDCセンサ33からは、トナーパッチTPの濃度に応じた電圧が出力される。この電圧出力(センサ出力)S3を、IDCセンサ33の特性に基づいてトナーの付着量に変換する。変換された付着量の値に基づいて、狙いの付着量となるように、感光体ドラム41の帯電電圧、現像バイアス電圧、露光部43の光量などを調整する。
【0039】
図5に示すように、安定化制御において、カブリマージン制御(B11)、IDC光量制御(B12)、最大濃度制御(B13)、ガンマ補正制御(B14)、レジスト補正制御(B15)、およびクリーニング(B16)が、この順で行われる。この間において、二次転写ローラ28は離隔状態にある。
【0040】
つまり、画像調整の際には、中間転写ベルト23の表面にトナーパッチTPを作成するので、中間転写ベルト23に二次転写ローラ28が圧接していると、二次転写ローラ28を汚してしまい、また通常の印字時には記録紙PAの裏をトナーで汚してしまうことがある。このようなことを避けるため、画像調整を実施する際には二次転写ローラ28を離隔状態としておくのである。
【0041】
したがって、画像調整を実施する際に、離隔指令S2が出力され、これによって接離駆動装置SKが動作して二次転写ローラ28が離隔状態となる。IDCセンサ33などによって構成される接離検出装置STが離隔状態を検出した後に、画像調整のシーケンスが実行される。
【0042】
なお、トナーパッチTPの配置および個数、安定化制御の内容および順番などは、上に述べた例に限ることなく、他の種々の構成を採用することができる。IDCセンサ33として、光学式、超音波式、磁気式、その他の種々の方式または構造のセンサを用いることができる。IDCセンサ33の個数および配置なども上に述べた例に限られない。
【0043】
次に、二次転写ローラ28が圧接状態であるかまたは離隔状態であるかを検出するための接離検出装置STについて説明する。なお、接離検出装置STは、IDCセンサ33、可動ユニット56、および制御部21などによって構成される。つまり、制御部21によって、センサ出力S3に基づく接離状態の判断および異常検知の判断などを行う判断部、NIP幅の制御を行うNIP幅制御部などが設けられる。そのような判断部または制御部は、ハードウエア、ソフトウエア、またはそれらの組み合わせによって構成することが可能である。
【0044】
接離検出装置STにおいては、IDCセンサ33によって中間転写ベルト23の裸面の状態、つまりトナーが載っていないときの表面の状態を検出し、これによるIDCセンサ33の出力S3の変化に基づいて二次転写ローラ28の圧接状態または離隔状態を検出する。その場合に、本実施形態においては、IDCセンサ33の出力S3がしきい値Thよりも大きいときに離隔状態であることを検出する。
【0045】
図6はIDCセンサ33の可動構成を模式的に示す図、図7はIDCセンサ33の距離特性を示す図、図8は接離検出動作を説明するためのタイミング図である。
【0046】
図7に示すように、IDCセンサ33の出力S3は、ある位置(基準位置)からの距離に応じて変化する。なお、図7において、曲線TF1〜5は、それぞれ、トナー付着量が「0」「0.27」「0.60」「2.40」「5.13」のときのセンサ出力S3を示す。つまり、曲線TF1が、中間転写ベルト23の裸面を検出したときのセンサ出力S3である。
【0047】
そこで、図2および図6(A)に示すように二次転写ローラ28が離隔状態であるときに、つまり可動ユニット56によってIDCセンサ33が中間転写ベルト23に最も接近した状態となっているときに、IDCセンサ33の出力S3が最大となるようにIDCセンサ33と中間転写ベルト23との距離を調整し、そのときのIDCセンサ33の位置を基準位置とする。
【0048】
IDCセンサ33は、接離状態(圧接状態または離隔状態)を検出する際には、中間転写ベルト23の裸面を検出しており、そのときのIDCセンサ33の出力S3は、図7の例では4.5Vとなる。
【0049】
他方、図3および図6(B)に示すように二次転写ローラ28が圧接状態であるときに、IDCセンサ33は上方向に移動して中間転写ベルト23から離れており、つまり基準位置よりも距離が大きくなっており、したがってIDCセンサ33の出力S3は低下する。
【0050】
例えば、圧接状態では離隔状態と比べてIDCセンサ33が基準位置から上方へ3mm移動するように構成した場合には、IDCセンサ33の出力S3は1.88Vとなる(図7)。ここで、しきい値Thを例えば3Vとしておくと、離隔状態と圧接状態とを区別して判断することができる。
【0051】
すなわち、図8において、例えばそれまで離隔状態であったときに、時間t1において例えば制御部21で圧接指令S1が出力されると、接離駆動装置SKに設けられた図示しないモータによってカム55が回転し、二次転写ローラ28が離隔状態から圧接状態に移行する。これにともなって、中間転写ベルト23の裸面を検出しているIDCセンサ33は中間転写ベルト23から離れ、その出力S3が低下する。
【0052】
そこで、しきい値Thを適当なレベルに設定しておくことによって、離隔状態から圧接状態に切り換わったことが検出され、その旨の検出信号S4が出力される。
【0053】
そして、時間t2において離隔指令S2が出力されると、図示しないモータによってカム55が逆方向に回転し、二次転写ローラ28が圧接状態から離隔状態に移行する。なお、カム55を同じ方向に回転させてもよい。これにともなって、IDCセンサ33は中間転写ベルト23に近づいて基準位置に戻り、センサ出力S3が増大する。センサ出力S3がしきい値Thよりも大きくなったことによって、圧接状態から離隔状態に切り換わったことが検出され、その旨の検出信号S4が出力される。
【0054】
なお、離隔指令S2が出力されてから離隔状態に切り換わったか否かの判断まで、数秒例えば5秒程度待つようにしてもよい。
【0055】
検出信号S4に基づいて、画像形成または画像調整などにおけるシーケンスが進められる。また、所定のタイミングで検出信号S4が出力されないときに、異常信号またはエラー信号が出力される。なお、検出信号S4は、圧接状態または離隔状態を示す2値信号でもよく、それぞれを示す2ビットの信号でもよい。また、電気的物理的な信号であってもよく、情報処理におけるソフトの内部の信号、例えばフラグのようなものでもよい。
【0056】
なお、センサ出力S3の値は単なる一例である。また、センサ出力S3と接離状態との関係は上に述べたのと逆であってもよい。つまり圧接状態でセンサ出力S3が大きくなるように構成することも可能である。
【0057】
ところで、圧接指令S1または離隔指令S2を出力した後でも、接離駆動装置SKのトラブルなどによって、圧接状態または離隔状態を示す検出信号S4が出力されない場合が考えられる。次に、その場合の処理動作の例について説明する。
【0058】
つまり、例えば、離隔指令S2を出力してから、つまり二次転写ローラ28が離隔状態となるように駆動してから、所定の時間を経過しても離隔状態であることを示す検出信号S4が出力されないときに、再度離隔指令S2を出力し、接離駆動装置SKによって二次転写ローラ28が離隔状態となるように再度駆動する。
【0059】
また、離隔指令S2を出力してから所定の時間を経過し、または離隔指令S2を所定の回数n、例えば3回にわたって出力したにも係わらず、離隔状態であることを示す検出信号S4が出力されないときに、異常である旨の信号を出力する。
【0060】
例えば、離隔指令S2によって離隔動作を行ったのにセンサ出力S3がしきい値Thである3V以上にならない場合、または圧接指令S1によって圧接動作を行ったのにセンサ出力S3が3V以下にならない場合に、異常と判断し、または離隔動作または圧接動作のリトライを行う。
【0061】
また、圧接指令S1を出力してから所定の時間を経過した場合や圧接指令S1を所定の回数出力した場合にも、上と同様に再度圧接指令S1を出力したり異常信号を出力するようにしてもよい。
【0062】
次に、センサ出力S3の変化に基づいてNIP幅(ニップ幅)の制御を行う例について説明する。
【0063】
すなわち、接離駆動装置SKによって二次転写ローラ28が離隔状態となるように駆動した後、センサ出力S3に基づいて、中間転写ベルト23と二次転写ローラ28とのNIP幅の制御を行うことが可能である。
【0064】
ここでいうNIP幅とは、二次転写ローラ28とこれに対向するローラ25または中間転写ベルト23とが接触している幅である。二次転写ローラ28の接離動作において、離隔指令S2によって離隔動作が実施された後、センサ出力S3の値に基づいて、二次転写ローラ28とトナー像の担持体である中間転写ベルト23とのNIP幅を制御する。
【0065】
例えば、目標とするNIP幅でのセンサ出力S3が1.8Vであるとすれば、センサ出力S3が1.8Vとなるように、カム55の回転によって二次転写ローラ28を移動させれば良い。
【0066】
次に、接離検出装置STの制御動作の一例について、フローチャートを参照して説明する。
【0067】
図9は接離検出装置STによる離隔状態の検出動作の例を示すフローチャート、図10は接離検出装置STによる圧接状態の検出動作の例を示すフローチャート、図11はセンサ出力S3によるNIP幅の制御の例を示すフローチャートである。
【0068】
図9において、離隔動作を開始し(#11)、センサ出力S3を検出する(#12)。センサ出力S3がしきい値Thである3V以上であれば(#13でイエス)、離隔状態であると判断する(#14)。センサ出力S3が3V以下であれば(#13でノー)、リトライを行い(#15)、それによってセンサ出力S3が3V以上となれば(#16でイエス)、正常に離隔状態になったと判断する(#14)。センサ出力S3が3V以上にならなければ(#16でノー)、エラーとする。
【0069】
図10において、圧接動作を開始し(#21)、センサ出力S3を検出する(#22)。センサ出力S3がしきい値Thである3V以下であれば(#23でイエス)、圧接状態であると判断する(#24)。センサ出力S3が3V以上であれば(#23でノー)、リトライを行い(#25)、それによってセンサ出力S3が3V以下となれば(#26でイエス)、圧接状態になったと判断する(#24)。センサ出力S3が3V以下にならなければ(#26でノー)、エラーとする。
【0070】
図11において、センサ出力S3を検出し(#31)、それが1.8Vであれば(#32)、そのまま終了する。センサ出力S3が1.8Vでなければ、1.8Vとなるように、カム55の回転によってNIP幅(圧接量)を調整する。
【0071】
以上、上に述べた実施形態では、IDCセンサ33が可動式の場合であり、IDCセンサ33の距離を変える場合の例を説明した。これに対して、中間転写ベルト23の裸面に対するIDCセンサ33の姿勢を変えるように構成してもよい。
【0072】
図12はIDCセンサ33の可動構成の他の例を模式的に示す図である。
【0073】
図12において、二次転写ローラ28の接離状態に応じて、可動ユニット56が変位し、中間転写ベルト23の裸面に対するIDCセンサ33の角度が変化する。つまり、IDCセンサ33の検出角度が変わることによって、検出面である中間転写ベルト23の裸面との距離も変化し、これによってセンサ出力S3が変化する。センサ出力S3の変化に基づいて、二次転写ローラ28の接離状態を検出するのである。
【0074】
また、IDCセンサ33を移動させることなく、二次転写ローラ28を検出するように固定的に設けることとしてもよい。
【0075】
図13はIDCセンサ33を固定して取り付けた場合の例を模式的に示す図である。
【0076】
図13において、IDCセンサ33は、二次転写ローラ28の上方において、圧接状態において二次転写ローラ28の中心軸上の真上となるように固定されている。離隔状態では、二次転写ローラ28が移動することによって、IDCセンサ33は二次転写ローラ28の中心軸上からずれた位置となり、これによってセンサ出力S3は低下する。このようなセンサ出力S3の変化に基づいて、二次転写ローラ28の接離状態を検出することができる。
【0077】
この場合においても、接離駆動装置SKの異常の検知、およびNIP幅の制御などについて、可動式の場合と同様に行うことが可能である。
【0078】
なお、IDCセンサ33と二次転写ローラ28との位置関係については、離隔状態となったときに二次転写ローラ28がIDCセンサ33の直下に移動してくるように構成してもよい。IDCセンサ33ではなく別の検出センサを用いてもよい。
【0079】
上に述べた実施形態によると、フォトインタラプタのような専用の検出装置を搭載することなく、二次転写ローラ28の接離状態を低コストで容易に検出することができる。つまり、二次転写ローラ28が圧接状態であるかまたは離隔状態であるかを、IDCセンサ33による裸面状態の検出時のセンサ出力S3に基づいて判断できるので、二次転写ローラ28の圧接/離隔専用のセンサを廃止することができ、コストダウンとなる。
【0080】
上に述べた実施形態では、IDCセンサ33が可動式の場合と固定式の場合について説明した。これらの実施形態に限らず、二次転写ローラ28の圧接/離隔にともなう位置変化を検出する構成であればどのような構成でもよい。IDCセンサ33によって二次転写ローラ28の接離状態を検出したが、感光体ドラム41に対する一次転写ローラの接離状態を検出するように構成してもよい。
【0081】
上に述べた実施形態において、制御部21、IDCセンサ33、可動ユニット56、接離駆動装置SK、接離検出装置ST、または画像形成装置1の全体または各部の構造、構成、回路、形状、寸法、個数、材質、処理内容または処理順序などは、本発明の趣旨に沿って適宜変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】本発明に係る実施形態の画像形成装置の概略の構成を示す図である。
【図2】接離駆動装置の構成の例を示す図である。
【図3】接離駆動装置の構成の例を示す図である。
【図4】トナーパッチの例を示す図である。
【図5】安定化のための動作のブロック図である。
【図6】IDCセンサの可動構成を模式的に示す図である。
【図7】IDCセンサの距離特性を示す図である。
【図8】接離検出動作を説明するためのタイミング図である。
【図9】接離検出装置による離隔状態の検出動作の例を示すフローチャートである。
【図10】接離検出装置による圧接状態の検出動作の例を示すフローチャートである。
【図11】センサ出力S3によるNIP幅の制御の例を示すフローチャートである。
【図12】IDCセンサの可動構成の他の例を模式的に示す図である。
【図13】IDCセンサを固定して取り付けた場合の例を模式的に示す図である。
【符号の説明】
【0083】
1 画像形成装置
21 制御部
23 中間転写ベルト(像担持体)
25 ローラ
28 二次転写ローラ(転写部材)
33 IDCセンサ(検出センサ)
56 可動ユニット
SK 接離駆動装置
ST 接離検出装置
PA 記録紙(転写材)
TP トナーパッチ
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、プリンタ、MFP、ファクシミリ、またはこれらの複合機などの画像形成装置、および画像形成装置における転写部材の圧接離隔状態の検出方法に関する。例えば、二次転写ローラの中間転写ベルトへの接離の検出に利用される。
【背景技術】
【0002】
従来より、電子写真方式の複写機、プリンタ、ファクシミリ、複合機またはMFP(Multi Function Peripherals)と呼称される多機能機などの画像形成装置では、感光体ドラム上に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成し、そのトナー像を中間転写ベルトに一次転写し、それをさらに記録紙に二次転写し、これを定着することにより画像形成を行う。トナー像を中間転写ベルトから記録紙に二次転写を行うために、像担持体である中間転写ベルトに対して圧接状態となる二次転写ローラが設けられている。
【0003】
このような画像形成装置において、二次転写ローラは、中間転写ベルトに対して、圧接状態と離隔状態との間で移動可能である。通常の画像形成(印字)時には圧接状態となっているが、画像形成を行わないときには離隔状態とすることが一般的である。
【0004】
また、中間転写ベルトまたは感光体ドラム上にテスト用のトナーパッチ(画像安定化パターン)を形成し、トナーパッチの状態を濃度検出手段であるIDCセンサで検知して画像形成条件を調整することが行われる。その際にも、二次転写ローラなどがトナーで汚れないようにするため、二次転写ローラを離隔状態とすることが一般的である。
【0005】
さて、二次転写ローラの移動のために接離駆動装置が備えられるが、接離駆動装置によって離隔状態または圧接状態に確実に切り換わったか否かを検出するために、従来においてはフォトインタラプタなどの光学センサが用いられている。
【0006】
しかし、圧接/離隔の検出のためにフォトインタラプタを用いると、それにともなって部品点数が増加してコストアップとなる。これに対して、専用のフォトインタラプタを用いることなく、ジャム検出のためのフォトインタラプタを兼用した装置が提案されている(特許文献1)。
【特許文献1】特開2004−264455
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上に述べた従来の装置では、記録紙の到達および通過タイミングの検知と二次転写ローラの圧接/離隔の検出とを1つのフォトインタラプタで兼用することから、記録紙の到達および通過タイミングの検知のための特別な転写前センサフラグを用いる必要があり、ジャム検出の動作などに制約を受けることがある。
【0008】
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたもので、フォトインタラプタを用いることなく転写部材の圧接離隔状態の検出を低コストで行うことのできる画像形成装置および検出方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る装置は、電子写真プロセスにおいて形成されるトナー像を像担持体から転写材に転写するように構成された画像形成装置であって、前記像担持体に対し圧接状態となることによって前記転写を行わせるとともにその圧接状態と離隔状態との間で移動可能な転写部材と、前記転写部材を圧接状態と離隔状態とに移動駆動する接離駆動装置と、を有し、前記像担持体の裸面の状態を検出する検出手段の出力の変化に基づいて前記転写部材の圧接状態または離隔状態を検出するように構成される。
【0010】
本発明に係る他の形態の装置は、前記像担持体上のトナー像の濃度を検出するように設けられた濃度検出手段と、前記像担持体に対し圧接状態となることによって前記転写を行わせるとともにその圧接状態と離隔状態との間で移動可能な転写部材と、前記転写部材を圧接状態と離隔状態とに移動駆動する接離駆動装置と、を有し、前記濃度検出手段は、前記接離駆動装置による前記転写部材の移動にともなって前記像担持体に対する位置または姿勢が変化するように取り付けられており、前記濃度検出手段によって前記像担持体の裸面の状態を検出したときの出力の変化に基づいて前記転写部材の圧接状態または離隔状態を検出するように構成される。
【0011】
好ましくは、前記濃度検出手段は、前記像担持体の表面からの反射光の量を検知して出力する光学式のセンサである。
【0012】
また、前記接離駆動装置によって前記転写部材が離隔状態となるように駆動してから所定の時間を経過しても、前記濃度検出手段の出力によって離隔状態であることを検出しないときに、前記接離駆動装置によって前記転写部材が離隔状態となるように再度駆動する。
【0013】
また、前記接離駆動装置によって前記転写部材が離隔状態となるように駆動してから所定の時間を経過しまたは前記接離駆動装置によって前記転写部材が離隔状態となるように所定の回数にわたって駆動したにも係わらず、前記濃度検出手段の出力によって離隔状態であることを検出しないときに、異常である旨の信号を出力する。
【0014】
また、前記濃度検出手段の出力に応じて、前記像担持体と前記転写部材とのNIP幅の制御を行う。
【0015】
本発明に係る他の形態の装置は、前記像担持体に対し圧接状態となることによって前記転写を行わせるとともにその圧接状態と離隔状態との間で移動可能な転写部材と、前記転写部材を圧接状態と離隔状態とに移動駆動する接離駆動装置と、を有し、前記転写部材の裸面の状態を検出する検出手段の出力の変化に基づいて前記転写部材の圧接状態または離隔状態を検出するように構成される。
【0016】
本発明に係る方法は、電子写真プロセスにおいて形成されるトナー像を像担持体から転写材に転写するように構成された画像形成装置において、前記像担持体に対し圧接状態となることによって前記転写を行わせる転写部材の離隔状態を検出する方法であって、前記像担持体の裸面の状態を検出する検出手段の出力の変化に基づいて前記転写部材の圧接状態または離隔状態を検出する。
【0017】
本発明に係る他の形態の方法は、前記像担持体上のトナー像の濃度を検出するように設けられた濃度検出手段を、前記接離駆動装置による前記転写部材の移動にともなって前記像担持体に対する位置または姿勢が変化するように取り付けておき、前記濃度検出手段によって前記像担持体の裸面の状態を検出したときの出力の変化に基づいて前記転写部材の圧接状態または離隔状態を検出する。
【発明の効果】
【0018】
本発明によると、フォトインタラプタを用いることなく転写部材の圧接離隔状態の検出を低コストで行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
図1は本発明に係る実施形態の画像形成装置1の概略の構成を示す図、図2および図3は接離駆動装置SKの構成の例を示す図、図4はトナーパッチの例を示す図、図5は安定化のための動作のブロック図である。なお、図2は二次転写ローラが離隔状態である場合を示し、図3は二次転写ローラが圧接状態である場合を示す。
【0020】
図1において、画像形成装置1は、電子写真方式を用いたデジタル複合機またはプリンタなどであり、タンデム方式のプリントエンジンを内蔵している。
【0021】
すなわち、画像出力装置1には、Y(イエロー),M(マジェンタ),C(シアン),K(ブラック)の各色の作像ユニット24Y,M,C,Kがタンデム形式で一列に配置されている。各作像ユニット24Y,M,C,Kは、それぞれ、感光体ドラム41、感光体ドラム41の表面を均一に帯電させる帯電チャージャ42、各色の画像データに応じて感光体ドラム41の表面を露光することにより静電潜像を形成する露光部43、静電潜像を各色のトナーで現像してトナー像を形成する現像部44、中間転写ベルト23を挟んで各感光体ドラム41に対向する位置に配置された転写ローラ22、感光体ドラム41の表面に残留するトナーを回収してクリーニングするクリーナ45などからなる。
【0022】
なお、本明細書および図面において、Y,M,C,Kの各色に対応する部材について、それぞれの符号の末尾にY,M,C,Kの符号をそれぞれ付すことがある。
【0023】
中間転写ベルト23は、各感光体ドラム42Y,M,C,Kの上部に沿うように、ローラ25,26の間に張りわたされ、ローラ25の回転によって図1の矢印M1方向に走行する。各転写ローラ22Y,M,C,Kは、各感光体ドラム42Y,M,C,Kに対して中間転写ベルト23を圧接させる圧接位置と、各感光体ドラム42Y,M,C,Kから中間転写ベルト23を離隔(離間または退避ともいう)させる離隔位置との間で、移動可能となっている。中間転写ベルト23が感光体ドラム42Y,M,C,Kに圧接することによって、感光体ドラム42のトナー像が中間転写ベルト23に一次転写される。
【0024】
中間転写ベルト23に一次転写されたトナー像は、二次転写ローラ28によって、給紙カセット27から給紙された転写材である記録紙PAに二次転写される。記録紙PAは、その後、定着部29で定着され、排紙トレイ30に排出される。二次転写ローラ28は、種々の形式または構成の接離駆動装置(接離機構)によって、中間転写ベルト23に対し圧接状態と離隔状態とに位置が切り換えられる。なお、ローラ26の近辺に、ベルトクリーナ31および廃トナーボックス32が設けられている。
【0025】
ローラ25の近傍には、中間転写ベルト23上のトナー像の濃度を検出する濃度検出手段である、光学式のIDCセンサ33が設けられている。つまり、IDCセンサ33は、中間転写ベルト23の表面に光を照射し、反射して返ってきた光の量を検知する。IDCセンサ33の発光量を制御することも可能である。また、発光部分はIDCセンサ33とは別個の投光器によってもよい。
【0026】
中間転写ベルト23上のトナー像の濃度が低いときつまり載っているトナーが少ないときは、中間転写ベルト23で反射した光が多く返ってきて光量が多くなり、トナー像の濃度が高いときつまりトナーが多く載っているときは、光がトナーに遮られて反射光量が低下する。このようにして、IDCセンサ33は、中間転写ベルト23の表面の状態を確認する。IDCセンサ33によって検出されたトナー像の濃度によって、露光部43による光量の制御、現像部44における現像条件の制御などを行って画像調整を行う。実際には、画像調整用に作成したY,M,C,Kの各パターン(トナーパッチ)についての濃度を検出する。
【0027】
本実施形態では、IDCセンサ33は2つ設けられているが、1つまたは3つ以上でもよい。また、IDCセンサ33の取り付け位置および取り付け方法についても、ここで述べた以外の種々の位置または方法を採用してもよい。
【0028】
制御部21は、CPU211、メモリ212、制御用回路213、通信インタフェース214、および磁気記憶装置215などによって構成され、画像データに対して画像処理を行うとともに、画像形成装置1の各部の動作を制御する。以下においては、特に、二次転写ローラ28の中間転写ベルト23への圧接と離隔の検出および制御について詳しく説明する。
【0029】
なお、画像形成装置1における作像手段または作像方法、各部の構成または構造などは上に述べた例に限らない。また、画像形成装置1として、モノクロ/カラーの複写機、プリンタ、ファクシミリ、またはこれらの複合機などであってよい。
【0030】
図2および図3において、接離駆動装置SKは、ホルダー51、および、ホルダー51によって移動可能に保持されたスライダー52を備えている。スライダー52は、二次転写ローラ28の回転軸を支持するとともに、ホルダー51に対してスライド移動することにより、二次転写ローラ28を離隔位置(図2の状態)と圧接位置(図3の状態)との間で移動可能に支持する。ホルダー51にはスプリング53が設けられ、スライダー52はスプリング53によって圧接位置に向かって付勢されている。
【0031】
二次転写ローラ28を離隔位置に戻すために、ホルダー51に対して位置関係が決められた軸を中心として回転可能なレバー54、および図示しないモータによって回転するカム55が設けられている。レバー54は、その一方のアーム54aに設けた長穴がスライダー52の突起部に係合しており、他方のアーム54bに回転するカム55が当接して押され、これによってレバー54が回動する。
【0032】
図2に示す状態では、カム55によってアーム54bが押されており、これによってレバー54が右回転してスライダー52をスプリング53の付勢力に抗して移動させており、これによって二次転写ローラ28は離隔位置となっている。
【0033】
図3に示す状態では、アーム54bはカム55からフリーの状態となっており、したがって二次転写ローラ28はスプリング53の付勢力によって押されて圧接位置となっている。
【0034】
また、IDCセンサ33は、スライダー52またはレバー54と連動して姿勢が変化する可動ユニット56の先端部に取り付けられており、レバー54の回動にともなって図の上下方向のみに移動する。つまり、図2に示すように二次転写ローラ28が離隔状態となったときにはIDCセンサ33は中間転写ベルト23に接近し、図3に示すように二次転写ローラ28が圧接状態となったときにはIDCセンサ33は中間転写ベルト23から離れる。
【0035】
次に、IDCセンサ33による画像調整について説明する。
【0036】
画像調整(画像安定化動作)は、環境変化または経時変化などによる画質のバラツキを抑えるために、予め設定されたタイミング毎に、各色の画像濃度および階調性の調整が行われる。
【0037】
画像調整において、所定のシステムスピード、露光量、現像バイアス、帯電電位などのプロセス条件が設定された後、中間転写ベルト23上にトナーパッチが作成される。トナーパッチの濃度つまりトナー量(トナー付着量)および色毎の位置ずれ量が、IDCセンサ33によって検出される。
【0038】
図4に示すように、トナーパッチTPは、中間転写ベルト23の表面の両端に近い位置に形成され、中間転写ベルト23の走行とともに移動する。これを、2つのIDCセンサ33によって検出する。IDCセンサ33からは、トナーパッチTPの濃度に応じた電圧が出力される。この電圧出力(センサ出力)S3を、IDCセンサ33の特性に基づいてトナーの付着量に変換する。変換された付着量の値に基づいて、狙いの付着量となるように、感光体ドラム41の帯電電圧、現像バイアス電圧、露光部43の光量などを調整する。
【0039】
図5に示すように、安定化制御において、カブリマージン制御(B11)、IDC光量制御(B12)、最大濃度制御(B13)、ガンマ補正制御(B14)、レジスト補正制御(B15)、およびクリーニング(B16)が、この順で行われる。この間において、二次転写ローラ28は離隔状態にある。
【0040】
つまり、画像調整の際には、中間転写ベルト23の表面にトナーパッチTPを作成するので、中間転写ベルト23に二次転写ローラ28が圧接していると、二次転写ローラ28を汚してしまい、また通常の印字時には記録紙PAの裏をトナーで汚してしまうことがある。このようなことを避けるため、画像調整を実施する際には二次転写ローラ28を離隔状態としておくのである。
【0041】
したがって、画像調整を実施する際に、離隔指令S2が出力され、これによって接離駆動装置SKが動作して二次転写ローラ28が離隔状態となる。IDCセンサ33などによって構成される接離検出装置STが離隔状態を検出した後に、画像調整のシーケンスが実行される。
【0042】
なお、トナーパッチTPの配置および個数、安定化制御の内容および順番などは、上に述べた例に限ることなく、他の種々の構成を採用することができる。IDCセンサ33として、光学式、超音波式、磁気式、その他の種々の方式または構造のセンサを用いることができる。IDCセンサ33の個数および配置なども上に述べた例に限られない。
【0043】
次に、二次転写ローラ28が圧接状態であるかまたは離隔状態であるかを検出するための接離検出装置STについて説明する。なお、接離検出装置STは、IDCセンサ33、可動ユニット56、および制御部21などによって構成される。つまり、制御部21によって、センサ出力S3に基づく接離状態の判断および異常検知の判断などを行う判断部、NIP幅の制御を行うNIP幅制御部などが設けられる。そのような判断部または制御部は、ハードウエア、ソフトウエア、またはそれらの組み合わせによって構成することが可能である。
【0044】
接離検出装置STにおいては、IDCセンサ33によって中間転写ベルト23の裸面の状態、つまりトナーが載っていないときの表面の状態を検出し、これによるIDCセンサ33の出力S3の変化に基づいて二次転写ローラ28の圧接状態または離隔状態を検出する。その場合に、本実施形態においては、IDCセンサ33の出力S3がしきい値Thよりも大きいときに離隔状態であることを検出する。
【0045】
図6はIDCセンサ33の可動構成を模式的に示す図、図7はIDCセンサ33の距離特性を示す図、図8は接離検出動作を説明するためのタイミング図である。
【0046】
図7に示すように、IDCセンサ33の出力S3は、ある位置(基準位置)からの距離に応じて変化する。なお、図7において、曲線TF1〜5は、それぞれ、トナー付着量が「0」「0.27」「0.60」「2.40」「5.13」のときのセンサ出力S3を示す。つまり、曲線TF1が、中間転写ベルト23の裸面を検出したときのセンサ出力S3である。
【0047】
そこで、図2および図6(A)に示すように二次転写ローラ28が離隔状態であるときに、つまり可動ユニット56によってIDCセンサ33が中間転写ベルト23に最も接近した状態となっているときに、IDCセンサ33の出力S3が最大となるようにIDCセンサ33と中間転写ベルト23との距離を調整し、そのときのIDCセンサ33の位置を基準位置とする。
【0048】
IDCセンサ33は、接離状態(圧接状態または離隔状態)を検出する際には、中間転写ベルト23の裸面を検出しており、そのときのIDCセンサ33の出力S3は、図7の例では4.5Vとなる。
【0049】
他方、図3および図6(B)に示すように二次転写ローラ28が圧接状態であるときに、IDCセンサ33は上方向に移動して中間転写ベルト23から離れており、つまり基準位置よりも距離が大きくなっており、したがってIDCセンサ33の出力S3は低下する。
【0050】
例えば、圧接状態では離隔状態と比べてIDCセンサ33が基準位置から上方へ3mm移動するように構成した場合には、IDCセンサ33の出力S3は1.88Vとなる(図7)。ここで、しきい値Thを例えば3Vとしておくと、離隔状態と圧接状態とを区別して判断することができる。
【0051】
すなわち、図8において、例えばそれまで離隔状態であったときに、時間t1において例えば制御部21で圧接指令S1が出力されると、接離駆動装置SKに設けられた図示しないモータによってカム55が回転し、二次転写ローラ28が離隔状態から圧接状態に移行する。これにともなって、中間転写ベルト23の裸面を検出しているIDCセンサ33は中間転写ベルト23から離れ、その出力S3が低下する。
【0052】
そこで、しきい値Thを適当なレベルに設定しておくことによって、離隔状態から圧接状態に切り換わったことが検出され、その旨の検出信号S4が出力される。
【0053】
そして、時間t2において離隔指令S2が出力されると、図示しないモータによってカム55が逆方向に回転し、二次転写ローラ28が圧接状態から離隔状態に移行する。なお、カム55を同じ方向に回転させてもよい。これにともなって、IDCセンサ33は中間転写ベルト23に近づいて基準位置に戻り、センサ出力S3が増大する。センサ出力S3がしきい値Thよりも大きくなったことによって、圧接状態から離隔状態に切り換わったことが検出され、その旨の検出信号S4が出力される。
【0054】
なお、離隔指令S2が出力されてから離隔状態に切り換わったか否かの判断まで、数秒例えば5秒程度待つようにしてもよい。
【0055】
検出信号S4に基づいて、画像形成または画像調整などにおけるシーケンスが進められる。また、所定のタイミングで検出信号S4が出力されないときに、異常信号またはエラー信号が出力される。なお、検出信号S4は、圧接状態または離隔状態を示す2値信号でもよく、それぞれを示す2ビットの信号でもよい。また、電気的物理的な信号であってもよく、情報処理におけるソフトの内部の信号、例えばフラグのようなものでもよい。
【0056】
なお、センサ出力S3の値は単なる一例である。また、センサ出力S3と接離状態との関係は上に述べたのと逆であってもよい。つまり圧接状態でセンサ出力S3が大きくなるように構成することも可能である。
【0057】
ところで、圧接指令S1または離隔指令S2を出力した後でも、接離駆動装置SKのトラブルなどによって、圧接状態または離隔状態を示す検出信号S4が出力されない場合が考えられる。次に、その場合の処理動作の例について説明する。
【0058】
つまり、例えば、離隔指令S2を出力してから、つまり二次転写ローラ28が離隔状態となるように駆動してから、所定の時間を経過しても離隔状態であることを示す検出信号S4が出力されないときに、再度離隔指令S2を出力し、接離駆動装置SKによって二次転写ローラ28が離隔状態となるように再度駆動する。
【0059】
また、離隔指令S2を出力してから所定の時間を経過し、または離隔指令S2を所定の回数n、例えば3回にわたって出力したにも係わらず、離隔状態であることを示す検出信号S4が出力されないときに、異常である旨の信号を出力する。
【0060】
例えば、離隔指令S2によって離隔動作を行ったのにセンサ出力S3がしきい値Thである3V以上にならない場合、または圧接指令S1によって圧接動作を行ったのにセンサ出力S3が3V以下にならない場合に、異常と判断し、または離隔動作または圧接動作のリトライを行う。
【0061】
また、圧接指令S1を出力してから所定の時間を経過した場合や圧接指令S1を所定の回数出力した場合にも、上と同様に再度圧接指令S1を出力したり異常信号を出力するようにしてもよい。
【0062】
次に、センサ出力S3の変化に基づいてNIP幅(ニップ幅)の制御を行う例について説明する。
【0063】
すなわち、接離駆動装置SKによって二次転写ローラ28が離隔状態となるように駆動した後、センサ出力S3に基づいて、中間転写ベルト23と二次転写ローラ28とのNIP幅の制御を行うことが可能である。
【0064】
ここでいうNIP幅とは、二次転写ローラ28とこれに対向するローラ25または中間転写ベルト23とが接触している幅である。二次転写ローラ28の接離動作において、離隔指令S2によって離隔動作が実施された後、センサ出力S3の値に基づいて、二次転写ローラ28とトナー像の担持体である中間転写ベルト23とのNIP幅を制御する。
【0065】
例えば、目標とするNIP幅でのセンサ出力S3が1.8Vであるとすれば、センサ出力S3が1.8Vとなるように、カム55の回転によって二次転写ローラ28を移動させれば良い。
【0066】
次に、接離検出装置STの制御動作の一例について、フローチャートを参照して説明する。
【0067】
図9は接離検出装置STによる離隔状態の検出動作の例を示すフローチャート、図10は接離検出装置STによる圧接状態の検出動作の例を示すフローチャート、図11はセンサ出力S3によるNIP幅の制御の例を示すフローチャートである。
【0068】
図9において、離隔動作を開始し(#11)、センサ出力S3を検出する(#12)。センサ出力S3がしきい値Thである3V以上であれば(#13でイエス)、離隔状態であると判断する(#14)。センサ出力S3が3V以下であれば(#13でノー)、リトライを行い(#15)、それによってセンサ出力S3が3V以上となれば(#16でイエス)、正常に離隔状態になったと判断する(#14)。センサ出力S3が3V以上にならなければ(#16でノー)、エラーとする。
【0069】
図10において、圧接動作を開始し(#21)、センサ出力S3を検出する(#22)。センサ出力S3がしきい値Thである3V以下であれば(#23でイエス)、圧接状態であると判断する(#24)。センサ出力S3が3V以上であれば(#23でノー)、リトライを行い(#25)、それによってセンサ出力S3が3V以下となれば(#26でイエス)、圧接状態になったと判断する(#24)。センサ出力S3が3V以下にならなければ(#26でノー)、エラーとする。
【0070】
図11において、センサ出力S3を検出し(#31)、それが1.8Vであれば(#32)、そのまま終了する。センサ出力S3が1.8Vでなければ、1.8Vとなるように、カム55の回転によってNIP幅(圧接量)を調整する。
【0071】
以上、上に述べた実施形態では、IDCセンサ33が可動式の場合であり、IDCセンサ33の距離を変える場合の例を説明した。これに対して、中間転写ベルト23の裸面に対するIDCセンサ33の姿勢を変えるように構成してもよい。
【0072】
図12はIDCセンサ33の可動構成の他の例を模式的に示す図である。
【0073】
図12において、二次転写ローラ28の接離状態に応じて、可動ユニット56が変位し、中間転写ベルト23の裸面に対するIDCセンサ33の角度が変化する。つまり、IDCセンサ33の検出角度が変わることによって、検出面である中間転写ベルト23の裸面との距離も変化し、これによってセンサ出力S3が変化する。センサ出力S3の変化に基づいて、二次転写ローラ28の接離状態を検出するのである。
【0074】
また、IDCセンサ33を移動させることなく、二次転写ローラ28を検出するように固定的に設けることとしてもよい。
【0075】
図13はIDCセンサ33を固定して取り付けた場合の例を模式的に示す図である。
【0076】
図13において、IDCセンサ33は、二次転写ローラ28の上方において、圧接状態において二次転写ローラ28の中心軸上の真上となるように固定されている。離隔状態では、二次転写ローラ28が移動することによって、IDCセンサ33は二次転写ローラ28の中心軸上からずれた位置となり、これによってセンサ出力S3は低下する。このようなセンサ出力S3の変化に基づいて、二次転写ローラ28の接離状態を検出することができる。
【0077】
この場合においても、接離駆動装置SKの異常の検知、およびNIP幅の制御などについて、可動式の場合と同様に行うことが可能である。
【0078】
なお、IDCセンサ33と二次転写ローラ28との位置関係については、離隔状態となったときに二次転写ローラ28がIDCセンサ33の直下に移動してくるように構成してもよい。IDCセンサ33ではなく別の検出センサを用いてもよい。
【0079】
上に述べた実施形態によると、フォトインタラプタのような専用の検出装置を搭載することなく、二次転写ローラ28の接離状態を低コストで容易に検出することができる。つまり、二次転写ローラ28が圧接状態であるかまたは離隔状態であるかを、IDCセンサ33による裸面状態の検出時のセンサ出力S3に基づいて判断できるので、二次転写ローラ28の圧接/離隔専用のセンサを廃止することができ、コストダウンとなる。
【0080】
上に述べた実施形態では、IDCセンサ33が可動式の場合と固定式の場合について説明した。これらの実施形態に限らず、二次転写ローラ28の圧接/離隔にともなう位置変化を検出する構成であればどのような構成でもよい。IDCセンサ33によって二次転写ローラ28の接離状態を検出したが、感光体ドラム41に対する一次転写ローラの接離状態を検出するように構成してもよい。
【0081】
上に述べた実施形態において、制御部21、IDCセンサ33、可動ユニット56、接離駆動装置SK、接離検出装置ST、または画像形成装置1の全体または各部の構造、構成、回路、形状、寸法、個数、材質、処理内容または処理順序などは、本発明の趣旨に沿って適宜変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】本発明に係る実施形態の画像形成装置の概略の構成を示す図である。
【図2】接離駆動装置の構成の例を示す図である。
【図3】接離駆動装置の構成の例を示す図である。
【図4】トナーパッチの例を示す図である。
【図5】安定化のための動作のブロック図である。
【図6】IDCセンサの可動構成を模式的に示す図である。
【図7】IDCセンサの距離特性を示す図である。
【図8】接離検出動作を説明するためのタイミング図である。
【図9】接離検出装置による離隔状態の検出動作の例を示すフローチャートである。
【図10】接離検出装置による圧接状態の検出動作の例を示すフローチャートである。
【図11】センサ出力S3によるNIP幅の制御の例を示すフローチャートである。
【図12】IDCセンサの可動構成の他の例を模式的に示す図である。
【図13】IDCセンサを固定して取り付けた場合の例を模式的に示す図である。
【符号の説明】
【0083】
1 画像形成装置
21 制御部
23 中間転写ベルト(像担持体)
25 ローラ
28 二次転写ローラ(転写部材)
33 IDCセンサ(検出センサ)
56 可動ユニット
SK 接離駆動装置
ST 接離検出装置
PA 記録紙(転写材)
TP トナーパッチ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子写真プロセスにおいて形成されるトナー像を像担持体から転写材に転写するように構成された画像形成装置であって、
前記像担持体に対し圧接状態となることによって前記転写を行わせるとともにその圧接状態と離隔状態との間で移動可能な転写部材と、
前記転写部材を圧接状態と離隔状態とに移動駆動する接離駆動装置と、を有し、
前記像担持体の裸面の状態を検出する検出手段の出力の変化に基づいて前記転写部材の圧接状態または離隔状態を検出するように構成されている、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
電子写真プロセスにおいて形成されるトナー像を像担持体から転写材に転写するように構成された画像形成装置であって、
前記像担持体上のトナー像の濃度を検出するように設けられた濃度検出手段と、
前記像担持体に対し圧接状態となることによって前記転写を行わせるとともにその圧接状態と離隔状態との間で移動可能な転写部材と、
前記転写部材を圧接状態と離隔状態とに移動駆動する接離駆動装置と、を有し、
前記濃度検出手段は、前記接離駆動装置による前記転写部材の移動にともなって前記像担持体に対する位置または姿勢が変化するように取り付けられており、前記濃度検出手段によって前記像担持体の裸面の状態を検出したときの出力の変化に基づいて前記転写部材の圧接状態または離隔状態を検出するように構成されている、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
前記濃度検出手段は、前記像担持体の表面からの反射光の量を検知して出力する光学式のセンサである、
請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記接離駆動装置によって前記転写部材が離隔状態となるように駆動してから所定の時間を経過しても、前記濃度検出手段の出力によって離隔状態であることを検出しないときに、前記接離駆動装置によって前記転写部材が離隔状態となるように再度駆動する、
請求項2または3記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記接離駆動装置によって前記転写部材が離隔状態となるように駆動してから所定の時間を経過しまたは前記接離駆動装置によって前記転写部材が離隔状態となるように所定の回数にわたって駆動したにも係わらず、前記濃度検出手段の出力によって離隔状態であることを検出しないときに、異常である旨の信号を出力する、
請求項2または3記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記濃度検出手段の出力に応じて、前記像担持体と前記転写部材とのニップ幅の制御を行う、
請求項2または3記載の画像形成装置。
【請求項7】
電子写真プロセスにおいて形成されるトナー像を像担持体から転写材に転写するように構成された画像形成装置であって、
前記像担持体に対し圧接状態となることによって前記転写を行わせるとともにその圧接状態と離隔状態との間で移動可能な転写部材と、
前記転写部材を圧接状態と離隔状態とに移動駆動する接離駆動装置と、を有し、
前記転写部材の裸面の状態を検出する検出手段の出力の変化に基づいて前記転写部材の圧接状態または離隔状態を検出するように構成されている、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
電子写真プロセスにおいて形成されるトナー像を像担持体から転写材に転写するように構成された画像形成装置において、前記像担持体に対し圧接状態となることによって前記転写を行わせる転写部材の離隔状態を検出する方法であって、
前記像担持体の裸面の状態を検出する検出手段の出力の変化に基づいて前記転写部材の圧接状態または離隔状態を検出する、
ことを特徴とする画像形成装置における転写部材の離隔状態の検出方法。
【請求項9】
電子写真プロセスにおいて形成されるトナー像を像担持体から転写材に転写するように構成された画像形成装置において、前記像担持体に対し圧接状態となることによって前記転写を行わせる転写部材の離隔状態を検出する方法であって、
前記像担持体上のトナー像の濃度を検出するように設けられた濃度検出手段を、前記接離駆動装置による前記転写部材の移動にともなって前記像担持体に対する位置または姿勢が変化するように取り付けておき、前記濃度検出手段によって前記像担持体の裸面の状態を検出したときの出力の変化に基づいて前記転写部材の圧接状態または離隔状態を検出する、
ことを特徴とする画像形成装置における転写部材の離隔状態の検出方法。
【請求項1】
電子写真プロセスにおいて形成されるトナー像を像担持体から転写材に転写するように構成された画像形成装置であって、
前記像担持体に対し圧接状態となることによって前記転写を行わせるとともにその圧接状態と離隔状態との間で移動可能な転写部材と、
前記転写部材を圧接状態と離隔状態とに移動駆動する接離駆動装置と、を有し、
前記像担持体の裸面の状態を検出する検出手段の出力の変化に基づいて前記転写部材の圧接状態または離隔状態を検出するように構成されている、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
電子写真プロセスにおいて形成されるトナー像を像担持体から転写材に転写するように構成された画像形成装置であって、
前記像担持体上のトナー像の濃度を検出するように設けられた濃度検出手段と、
前記像担持体に対し圧接状態となることによって前記転写を行わせるとともにその圧接状態と離隔状態との間で移動可能な転写部材と、
前記転写部材を圧接状態と離隔状態とに移動駆動する接離駆動装置と、を有し、
前記濃度検出手段は、前記接離駆動装置による前記転写部材の移動にともなって前記像担持体に対する位置または姿勢が変化するように取り付けられており、前記濃度検出手段によって前記像担持体の裸面の状態を検出したときの出力の変化に基づいて前記転写部材の圧接状態または離隔状態を検出するように構成されている、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
前記濃度検出手段は、前記像担持体の表面からの反射光の量を検知して出力する光学式のセンサである、
請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記接離駆動装置によって前記転写部材が離隔状態となるように駆動してから所定の時間を経過しても、前記濃度検出手段の出力によって離隔状態であることを検出しないときに、前記接離駆動装置によって前記転写部材が離隔状態となるように再度駆動する、
請求項2または3記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記接離駆動装置によって前記転写部材が離隔状態となるように駆動してから所定の時間を経過しまたは前記接離駆動装置によって前記転写部材が離隔状態となるように所定の回数にわたって駆動したにも係わらず、前記濃度検出手段の出力によって離隔状態であることを検出しないときに、異常である旨の信号を出力する、
請求項2または3記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記濃度検出手段の出力に応じて、前記像担持体と前記転写部材とのニップ幅の制御を行う、
請求項2または3記載の画像形成装置。
【請求項7】
電子写真プロセスにおいて形成されるトナー像を像担持体から転写材に転写するように構成された画像形成装置であって、
前記像担持体に対し圧接状態となることによって前記転写を行わせるとともにその圧接状態と離隔状態との間で移動可能な転写部材と、
前記転写部材を圧接状態と離隔状態とに移動駆動する接離駆動装置と、を有し、
前記転写部材の裸面の状態を検出する検出手段の出力の変化に基づいて前記転写部材の圧接状態または離隔状態を検出するように構成されている、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
電子写真プロセスにおいて形成されるトナー像を像担持体から転写材に転写するように構成された画像形成装置において、前記像担持体に対し圧接状態となることによって前記転写を行わせる転写部材の離隔状態を検出する方法であって、
前記像担持体の裸面の状態を検出する検出手段の出力の変化に基づいて前記転写部材の圧接状態または離隔状態を検出する、
ことを特徴とする画像形成装置における転写部材の離隔状態の検出方法。
【請求項9】
電子写真プロセスにおいて形成されるトナー像を像担持体から転写材に転写するように構成された画像形成装置において、前記像担持体に対し圧接状態となることによって前記転写を行わせる転写部材の離隔状態を検出する方法であって、
前記像担持体上のトナー像の濃度を検出するように設けられた濃度検出手段を、前記接離駆動装置による前記転写部材の移動にともなって前記像担持体に対する位置または姿勢が変化するように取り付けておき、前記濃度検出手段によって前記像担持体の裸面の状態を検出したときの出力の変化に基づいて前記転写部材の圧接状態または離隔状態を検出する、
ことを特徴とする画像形成装置における転写部材の離隔状態の検出方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2007−248839(P2007−248839A)
【公開日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−72557(P2006−72557)
【出願日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
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