説明

画像形成装置および電気機器

【課題】低コストで美観を向上させることのできる画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成を行う装置本体の少なくとも一部を収容する枠体(フレーム200)と、前記枠体とは色彩または明度を異にし、当該枠体の少なくとも一部と対向させて外装を施す複数の外装部材(カバー100〜104)と、前記枠体における前記外装部材同士で形成される目地の少なくとも一部と対向する部位に形成された開口部Hとを有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置および電気機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来からプリンタ等の画像形成装置などでは、画像形成処理等を行う装置本体を板金製のフレーム(枠体)に収容し、そのフレームの外側をプラスチック等の樹脂で成形した複数のカバー(外装部材)で覆って形成した筐体ユニットが用いられている。
【0003】
ところで、前記カバーの合わせ目には隙間を生じることがあり、この隙間から板金製のフレームが視認される場合があった。
【0004】
板金製のフレームを用いた画像形成装置に関する技術は、例えば特開2008−105831号公報など種々提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−105831号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、低コストで美観を向上させることのできる画像形成装置および電気機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するため、請求項1の発明に係る画像形成装置は、画像形成を行う装置本体の少なくとも一部を収容する枠体と、前記枠体とは色彩または明度を異にし、当該枠体の少なくとも一部と対向させて外装を施す複数の外装部材と、前記枠体における前記外装部材同士で形成される目地の少なくとも一部と対向する部位に形成された開口部とを有することを特徴とする画像形成装置。
【0008】
請求項2の発明に係る電気機器は、機器本体の少なくとも一部を収容する枠体と、前記枠体とは色彩または明度を異にし、当該枠体の少なくとも一部と対向させて外装を施す複数の外装部材と、前記枠体における前記外装部材同士で形成される目地の少なくとも一部と対向する部位に形成された開口部とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば以下の効果を奏することができる。
【0010】
すなわち、請求項1に記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、低コストで美観を向上させる画像形成装置を提供することができる。
【0011】
請求項2に記載の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、低コストで美観を向上させる電気機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】実施の形態に係るプリンタPR1の全体構成を示す斜視図である。
【図2】実施の形態に係るプリンタPR1の概略構成を示す構成図である。
【図3】実施の形態に係るプリンタPR1の要部を示す斜視図である。
【図4】実施の形態に係るプリンタPR1の要部を示す正面図である。
【図5】実施の形態に係るプリンタPR1におけるフレームの一部を示す正面図である。
【図6】実施の形態に係るプリンタPR1におけるフレームの内側の一部を示す斜視図である。
【図7】実施の形態に係るプリンタPR1におけるフレームの構成例を示す斜視図である。
【図8】比較対象としての画像形成装置の要部を示す斜視図である。
【図9】比較対象としての画像形成装置の要部を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一例としての実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。ここで、添付図面において同一の部材には同一の符号を付しており、また、重複した説明は省略されている。なお、ここでの説明は本発明が実施される最良の形態であることから、本発明は当該形態に限定されるものではない。
【0014】
本発明についての実施の形態に係る画像形成装置について説明する前に、図8、図9を参照して比較対象となる例について述べる。
【0015】
プリンタ等の画像形成装置などでは、画像形成処理等を行う装置本体を板金製のフレーム(枠体の一例)200に収容し、そのフレーム200の外側をプラスチック等の樹脂で成形した複数のカバー(外装部材の一例)100〜104で覆って形成した筐体ユニットが用いられている。
【0016】
ここで、カバー100〜104の合わせ目には隙間150〜153を生じることがあり、例えば図8に示すように隙間150〜153を介して板金製のフレーム200の一部が視認されて美観を損なう場合があった。
【0017】
このような不具合を解消するために、図9に示す比較対象では、隙間150〜153に対応するフレーム200の部位に例えば黒色等の暗色系の塗料を塗布して板金の地金が見えないようにしていた。
【0018】
しかし、該当箇所に塗料を塗布する作業に手間が掛かり、コストが嵩むという課題があった。
【0019】
そこで、本発明者は、上記課題を解消すべく鋭意研究の結果、本発明を案出するに至った。
【0020】
図1から図7を参照して、本発明についての実施の形態に係るプリンタPR1について説明する。
【0021】
ここで、図1は実施の形態に係るプリンタPR1の全体構成を示す斜視図、図2は実施の形態に係るプリンタPR1の概略構成を示す構成図、図3はの要部を示す斜視図、図4はその正面図である。また、図5は、プリンタPR1におけるフレーム200の一部を示す正面図、図6はフレーム200の内側の一部を示す斜視図、図7はプリンタPR1におけるフレームの構成例を示す斜視図である。
【0022】
図1に示すように、本実施の形態に係る画像形成装置の一種としてのプリンタPR1は、スキャナ機能、プリンタ機能等を備えたいわゆる複合機であり、上部にスキャナ装置160を備えている。
【0023】
中段部には印刷した用紙を排出する排出トレイ107が設けられ、この排出トレイ107の下方にはトナーカートリッジの交換等を行う際に開放される開閉カバー162が設けられている。
【0024】
開閉カバー162の下方には、印刷用紙をサイズ毎に収容する収容部161が設けられている。
【0025】
なお、図1において符号101〜104は、樹脂で成形される外装部材としてのカバーである。
【0026】
そして、カバー101〜104の合わせ目には、例えば十字型の隙間300が形成されている。
【0027】
また、図2は、プリンタPR1の構成例を概略的に示している。
【0028】
図2に示されるように、プリンタPR1には、複数の巻きかけローラ12に張架され、モータ(図示省略)の駆動により矢印E方向に搬送される無端ベルト状の中間転写体ベルト14の長手方向に沿って、複数の画像形成ユニット15(詳細は後述する)が配設されている。
【0029】
プリンタPR1は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4色に対応するトナー像を形成する画像形成ユニット15Y、15M、15C、15Kがそれぞれ配設されている。
【0030】
なお、各色毎に設けられた部材については、符号の末尾に各々の色を示すアルファベット(Y/M/C/K)を付与して示すが、特に色を区別せずに説明する場合は、この符号末尾のアルファベットを省略して説明する。
【0031】
各画像形成ユニット15により形成された互いに異なる色のトナー像は、中間転写体ベルト14のベルト面上で、互いに重なり合うように中間転写体ベルト14に各々転写され、中間転写体ベルト14上にカラーのトナー像が形成される。
【0032】
4つの画像形成ユニット15よりも中間転写体ベルト14の搬送方向下流側には、対向する2つのローラ26A、26Bからなる転写装置26が配設されている。
【0033】
中間転写体ベルト14上に形成された最終トナー像は、このローラ26A、26Bの間に送り込まれ、プリンタPR1の底部に設けられた用紙トレイ29から取り出されて、同じくローラ26A、26Bの間に搬送されてきた用紙28に転写される。
【0034】
また、最終トナー像が転写された用紙28の搬送経路には、加圧ローラ30Aと加熱ローラ30Bとからなる定着装置30が配設されている。
【0035】
定着装置30に搬送された用紙28は、加圧ローラ30Aと加熱ローラ30Bとによって搬送されることにより用紙28上のトナーが溶融すると共に用紙28に圧着されて、定着される。これにより、用紙28上に所望の画像(カラー画像)が形成される。画像が形成された用紙28は装置外へ排出される。
【0036】
一方、転写装置26よりも中間転写体ベルト14の搬送方向下流側には、転写装置26によって用紙28に転写されずに中間転写体ベルト上に残留したトナーを回収するクリーナ32が配設されている。クリーナ32には、中間転写体ベルト14に接するようにブレード34が備えられており、残留したトナーを擦り取ることによって回収するようになっている。
【0037】
そして、上述のように画像形成処理やその他の処理を行う各種装置は、板金製のフレーム200に組み付けられている。
【0038】
板金の材質は、特には限定されないが、例えば鉄、ステンレス、アルミニウム等が用いられ、これらの金属からなる外装部材にプレス金型を用いて板の形状変化をさせたり、切断やくり抜き等の加工を加えてフレーム200に成形される。
【0039】
また、フレーム200の外側は、プラスチック等の樹脂で成形した複数のカバー(外装部材の一例)100〜104で外装が施されるようになっている。
【0040】
ここで、先にも説明したように、カバー100〜104の合わせ目には隙間150〜153を生じることがある。
【0041】
そして、隙間150〜153を介して板金製のフレーム200の一部が視認される虞があるが、図3〜図7に示すように、本実施の形態に係るプリンタPR1では、これらのカバー100〜104の合わせ目の隙間(目地)150〜153の少なくとも一部と対向する板金製のフレーム200の部位に長穴型の開口部Hを形成している。
【0042】
なお、開口部Hの形成の仕方は特には限定されないが、例えば設計段階で予めカバー100〜104の合わせ目の隙間(目地)150〜153の位置を確認し、当該隙間(目地)150〜153の内、目立たなくすべき部位を特定した上で、その目立たなくすべき部位に対向するフレーム200の部位をプレス加工でくり抜いて形成される。
【0043】
また、開口部Hの形状も長穴型に限定されず、円形、方形、長方形等の形状としてもよい。
【0044】
また、図3〜図7に示すように、板金製のフレーム200には、開口部H以外にネジ止めや各種部材を取り付ける等の目的で、複数の孔部250、251が形成されている。
【0045】
また、図7に示すフレーム200の構成例においては、各種装置を収容する収容部201が形成されている。
【0046】
以上述べたように、本実施の形態によれば、カバー100〜104の合わせ目の隙間(目地)150〜153に、フレーム200の開口部Hが対向するので、隙間(目地)150〜153から板金製のフレーム200の一部が視認されることがない。
【0047】
特に、プリンタPR1のフレーム200内は暗いため、開口部Hに対向する隙間150〜153は略黒色等に視認されることとなり、目立ち難くなる。
【0048】
また、フレーム200とカバー100〜104の色彩または明度に大きな差がある場合に、隙間150〜153から視認されるフレーム200が目立ち難くなる。
【0049】
したがって、カバー100〜104の合わせ目の隙間(目地)150〜153に対向する板金製のフレーム200に黒色等の塗料を塗布する手間が省かれ低コストで美観が向上される。
【0050】
なお、カバー100〜104とフレーム200との間隔が、隙間150〜153を介してフレーム200が視認される距離となる場合に、開口部Hによるフレーム200を目立たなくさせる作用がより有効となる。
【0051】
以上本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本明細書で開示された実施の形態はすべての点で例示であって開示された技術に限定されるものではないと考えるべきである。すなわち、本発明の技術的な範囲は、前記の実施の形態における説明に基づいて制限的に解釈されるものでなく、あくまでも特許請求の範囲の記載に従って解釈すべきであり、特許請求の範囲の記載技術と均等な技術および特許請求の範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0052】
例えば、図3〜図7に示すように、板金製のフレーム200には、ネジ止めや各種部材を取り付ける等の目的で、複数の孔部250が形成されているが、カバー100〜104の合わせ目の隙間(目地)150〜153の少なくとも一部がこれらの孔部250の何れかの位置と対向するように設計してもよい。
【0053】
また、上記実施の形態では、プリンタ等の画像形成装置に本発明を適用する場合について述べたが、これに限定されず、板金製のフレームを用い、外装部を複数のカバーで構成する構造を備える電気機器(例えば、大型のテレビ受像機など)に本発明を適用するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明による画像形成装置および電気機器は、プリンタや複合機等に適用することができる。
【符号の説明】
【0055】
PR1 プリンタ
100〜104 カバー
200 板金製のフレーム
201 収容部
150〜153 隙間
H 開口部
250、251 孔部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成を行う装置本体の少なくとも一部を収容する枠体と、
前記枠体とは色彩または明度を異にし、当該枠体の少なくとも一部と対向させて外装を施す複数の外装部材と、
前記枠体における前記外装部材同士で形成される目地の少なくとも一部と対向する部位に形成された開口部と、
を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
機器本体の少なくとも一部を収容する枠体と、
前記枠体とは色彩または明度を異にし、当該枠体の少なくとも一部と対向させて外装を施す複数の外装部材と、
前記枠体における前記外装部材同士で形成される目地の少なくとも一部と対向する部位に形成された開口部と、
を有することを特徴とする電気機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−103409(P2012−103409A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−250759(P2010−250759)
【出願日】平成22年11月9日(2010.11.9)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】