説明

画像形成装置及びその制御方法

【課題】画像形成性能に比べてデータ転送速度が遅いことに起因する不具合を解消し、かつ異常画像を発生させないこと。
【解決手段】同期検知センサ210,同期検知部211,走査周期計測部212を経て得られるライン同期信号の周期に対して短い周期を持つ疑似ライン同期信号を疑似ライン同期信号発生部213で発生させる。疑似ライン同期信号に基づいて、ビデオDMAC202とラインバッファ204間のデータ転送性能低下を検出する。データ転送性能低下が検出された場合に、レーザ出力制御部207aやポリゴンモータ制御部209を用いてプロッタ出力性能を緩和する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置及びその制御方法に関し、特に、画像形成性能に比べてデータ転送速度が遅いことに起因する不具合を解消する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明に関連する技術としては、特許文献1に記載の技術がある。特許文献1には、複数LSI間でなされる共有メモリの競合に起因したライン同期エラーに対して、製品機能に影響を及ぼす同期エラーを的確に解消することを目的とした発明が記載されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
複数の制御装置を備える電子機器において複数の制御装置が一つのメモリを共有する場合、共有メモリの競合によりアクセスが待たされるケースが発生するという問題点がある。このとき、どれぐらい待たされるかは競合状態によるため事前に予測ができない。特にリードアクセス時に待たされることを想定して、先読みのバッファを設置することでこの問題点を解決することが考えられる。しかしながら、先に述べたように予測ができないことから、事前にどの程度の容量の先読みバッファを設置しておけばよいかの計算は難しい。また、過度に容量の大きい先読みバッファを設置した場合、無駄になってしまう。また、先読みバッファの容量を超えてリードアクセスを待たされた場合、プロッタ装置のライン同期信号に対してデータが間に合わなくなり、異常画像が発生してしまう。
【0004】
特許文献1ではプロッタ出力データのリード応答がライン同期信号に対して未達になった場合のライン同期エラーの検出は実施しているが、ライン同期エラーが発生した際の異常画像を受容しており、ユーザビリティが考慮されていない。
【0005】
本発明は、上記実情に鑑みて、画像形成性能に比べてデータ転送速度が遅いことに起因する不具合を解消し、かつ異常画像を発生させない画像形成装置及びその制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明は、第1の態様として、複数の機能を搭載し、該複数の機能による要求を送出して共有メモリへアクセスするとともに、ライン同期信号にしたがってデータ転送を行い、転送されたデータをプロッタへ出力する画像形成装置であって、前記ライン同期信号の周期に対して短い周期を持つ疑似ライン同期信号を発生させる疑似ライン同期信号発生手段と、前記疑似ライン同期信号に基づいてデータ転送性能低下を検出するデータ転送性能監視手段と、データ転送性能低下が検出された場合にプロッタ出力性能を緩和する出力性能制御手段と、を備えることを特徴とする、画像形成装置を提供するものである。
【0007】
また、上記目的を達成するため、本発明は、第2の態様として、複数の機能を搭載し、該複数の機能による要求を送出して共有メモリへアクセスするとともに、ライン同期信号にしたがってデータ転送を行い、転送されたデータをプロッタへ出力する画像形成装置の制御方法であって、前記ライン同期信号の周期に対して短い周期を持つ疑似ライン同期信号を発生させ、前記疑似ライン同期信号に基づいてデータ転送性能低下を検出し、データ転送性能低下が検出された場合にプロッタ出力性能を緩和することを特徴とする、画像形成装置の制御方法を提供するものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、画像形成性能に比べてデータ転送速度が遅いことに起因する不具合を解消し、かつ異常画像を発生させないことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明を実施するための形態のMFP100の全体構成を示すブロック図である。
【図2】図1のプロッタ制御ASIC112の詳細な構成を示すブロック図である。
【図3】図1のプロッタ装置113で(真の)ライン同期信号を得る機構を示す模式図である。
【図4】図3の機構を用いて得られる同期検知信号と(真の)走査周期を示す図である。
【図5】図2の擬似ライン同期信号発生部213が生成する疑似ライン同期信号と擬似的な走査周期を示す図である。
【図6】実施形態1における同期検知信号・擬似ライン同期信号とビデオデータ・ライン終端信号の関係を示す図である。
【図7】実施形態1において、擬似ライン同期信号エラーステータス・レベル1の発生回数とレベル2エラーステータスの関係を示す図である。
【図8】実施形態1の割り込み処理の流れを示すフローチャート(その1)である。
【図9】実施形態1の割り込み処理の流れを示すフローチャート(その2)である。
【図10】実施形態1の割り込み処理により出力性能が緩和される態様を説明するための図である。
【図11】実施形態1の割り込み処理の流れを示すフローチャート(その3)である。
【図12】実施形態1の割り込み処理により出力性能が緩和されたのち、出力性能を復旧させる態様を説明するための図である。
【図13】実施形態2の割り込み処理の流れを示すフローチャート(その1)である。
【図14】実施形態2の割り込み処理の流れを示すフローチャート(その2)である。
【図15】実施形態3の割り込み処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら説明する。下記の実施形態1−3は、本発明を電子写真方式の画像形成装置に適用した実施形態である。
【0011】
(実施形態1)
[全体構成]
図1に本実施形態のMFP100の全体構成を示す。
MFP100は、スキャナ装置109とプロッタ装置113を備え、複写機やスキャナとして機能するが、他に図示しない通信手段を備え、ファクシミリや印刷機として機能してもよい。以下では複写機として機能する場合の構成及び動作を例に説明する。
【0012】
第1プロセッサ101はMFP100のアプリケーション制御や描画をおこなう主プロセッサである。バスコントローラ104を介して第1ROM103、第1RAM102を接続し、第1ROM103は第1プロセッサ101で実行する第1ソフトウェアを内蔵する。また、バスコントローラ104はPCI−EXPRESSインタフェース114を介してプロッタ制御ASIC112と接続し、PCI−EXPRESSインタフェース115を介してコピー制御ASIC110と接続する。
【0013】
コピー制御ASIC110はハードディスクコントローラを内蔵しており、ハードディスクドライブ111を接続する。コピー制御ASIC110はPCI−EXPRESSインタフェース116を介してスキャナ制御ASIC108と接続する。スキャナ制御ASIC108にはスキャナ装置109を接続する。
【0014】
第2プロセッサ105はスキャナ制御ASIC108およびプロッタ制御ASIC112を制御する用途のプロセッサである。プロセッサバス117を介して第2ROM107、第2RAM106を接続し、第2ROM107は第2プロセッサ105で実行する第2ソフトウェアを内蔵する。また、プロセッサバス117にはスキャナ制御ASIC108およびプロッタ制御ASIC112を接続する。
【0015】
[全体のフロー]
MFP100が複写機として機能する場合の動作の流れを説明する。原稿画像はスキャナ装置109により読み込まれる。スキャナ装置109から入力した画像はスキャナ制御ASIC108で画像処理を施しPCI−EXPRESSインタフェース115・バスコントローラ104を介して第1RAM102に印刷画像データとして書き込まれる。プロッタ制御ASIC112はバスコントローラ104・PCI−EXPRESSインタフェース114経由で第1RAM102から印刷画像データを読み出す。
【0016】
図2に、プロッタ制御ASIC112の詳細構成を示す。図2には、プロッタ装置113を構成する要素の内、本実施形態に関係するもの(ポリゴンミラー208、同期検知センサ210、LD(レーザダイオード)207)を示している。
【0017】
プロッタ制御ASIC112は、画像濃度に応じてLD207を点灯させ、回転するポリゴンミラー208を制御して感光体上に作像する。以降、電子写真方式のプロセスで印刷が実行される。画像形成処理の詳細については、当業者によく知られているため説明を省略する。
【0018】
[立ち上げ]
上述した全体のフローより、プロッタ制御ASIC112の立ち上げ処理について、さらに詳細に説明する。プロッタ装置113の立ち上げ時、第1ソフトウェアがビデオDMAC202を起動する。ビデオDMAC202はアービタ201・PCI−EXPRESSエンドポイントコントローラ200・PCI−EXPRESSインタフェース114・バスコントローラ104を介して第1RAM102に配置された印刷画像データの読み出しを開始する。読み出した印刷画像データは一定量ビデオDMAC内で保持する。
【0019】
一方、第2ソフトウェアがポリゴンモータ制御部209を起動し、ポリゴンミラー208が回転する。次に第2ソフトウェアはレーザ出力制御部207を起動し、ライン同期を取るためのLD207の点灯をおこなう。
【0020】
図3に、プロッタ装置113でライン同期信号を得る機構の模式図を示す。
図3に示すように、LD207がレーザ光を出射すると、回転するポリゴンミラー208で反射したレーザ光が概ね一定の間隔で同期検知センサ210に入力する。その結果、図4に示すような同期検知信号が走査周期毎に発生する。
【0021】
第2ソフトウェアが同期検知部211の走査周期計測イネーブルレジスタをONにすると、同期検知部211は周期的な同期検知信号の間隔をクロックでカウントし、同期検知部211の検知結果に基づいて走査周期計測部212が走査周期を計測する。このようにして得られた走査周期を、本明細書では「真の走査周期」と呼ぶ。
【0022】
ところで、本実施形態においては、この真の走査周期に対して、第2ソフトウェアが疑似のライン同期信号を発生させて擬似的な走査周期を得る。以下に、疑似ライン同期信号の生成処理について説明する。
【0023】
[擬似ライン同期信号の生成]
擬似ライン同期信号発生部213は、内部に疑似ライン同期信号発生イネーブルレジスタと疑似ライン同期信号比率レジスタを有する。
第2ソフトウェアが擬似ライン同期信号発生部213の擬似ライン同期信号発生イネーブルレジスタをONにすると、擬似ライン同期信号発生部213は真の走査周期に対して事前に擬似ライン同期信号比率レジスタに設定された比率で擬似ライン同期信号を生成する。疑似ライン同期信号により、擬似的な走査周期が得られる(図5)。
【0024】
[転送開始〜擬似ライン同期信号エラー検出]
次に、第2ソフトウェアがラインバッファ制御部203を起動すると、ビデオDMAC202・ラインバッファ204間のデータ転送が開始する。ビデオDMAC202・ラインバッファ204間の転送は同期検知信号(擬似ではない方)を起点にライン単位で実行され、ラインの終了時にはライン終端信号によりビデオDMAC202からラインバッファ制御部203にライン終了を通知する。
【0025】
ビデオDMAC202・ラインバッファ204間のデータ転送の間、ラインバッファ制御部203では、擬似ライン同期信号発生部213で定期的に生成される擬似ライン同期信号までにビデオDMAC202からのライン終端信号が発生しなかった場合に擬似ライン同期信号エラーステータス・レベル1を生成し、割り込みコントローラ214を介して第2プロセッサ105に通知する。
【0026】
図6に同期検知信号・擬似ライン同期信号とビデオデータ・ライン終端信号の関係を示す。図6中に例示したビデオデータの転送を左から順に1番目、2番目と数えることとすると、1番目と2番目の転送は、擬似ライン同期信号発生前にライン終端信号が発生している。しかし、3番目の転送で擬似ライン同期信号発生後にライン終端信号が発生している。ラインバッファ制御部203は、このようなケースを検知すると、擬似ライン同期信号エラーステータス・レベル1を生成する。
【0027】
ラインバッファ制御部203は、疑似ライン同期信号エラーを監視する監視ブロック(以下、疑似ライン同期信号エラー監視ブロックという)を有し、同ブロックにより擬似ライン同期信号エラーステータス・レベル1が生成された回数をカウントする(図7)。また、疑似ライン同期信号エラー監視ブロックは、レベル2エラー閾値レジスタを有する。図7中のレベル2エラーステータスについては、連続的な疑似ライン同期信号エラー検出の処理の説明で述べる。
【0028】
[割り込み処理(その1)]
第2ソフトウェアは、ライン同期エラー通知信号を受け取ると、割り込み処理を行う。図8は割り込み処理の流れを示すフローチャート(その1)である。図8において、第2ソフトウェアは、ライン同期エラー通知信号により、割り込み要因・擬似ライン同期信号エラーステータス・レベル1を確認すると(ステップS101,S102)、連続印刷の場合は一旦紙搬送を停止し(ステップS103)、紙間時間を一段階落として印刷を再開する(ステップS104)。単ページ印刷の場合は何も行わない。
【0029】
[連続的な擬似ライン同期信号エラー検出]
図7に示したように、擬似ライン同期信号エラー監視ブロックは、擬似ライン同期信号エラーステータス・レベル1発生毎にレベル1エラーカウンタを1加算する。このレベル1エラーカウンタが事前に設定されたレベル2エラー閾値レジスタ値以上になると、擬似ライン同期信号エラーステータス・レベル2を生成し、割り込みコントローラ214を介して第2プロセッサ105に通知する。
【0030】
[割り込み処理(その2)]
割り込み処理(その1)で説明したように、第2ソフトウェアは、ライン同期エラー通知信号を受け取ると、割り込み処理を行う。図8のステップS102で、第2ソフトウェアは、割り込み要因・擬似ライン同期信号エラーステータス・レベル1ではないことを確認すると、図9に示す処理を行う。
【0031】
図9において、第2ソフトウェアは割り込み要因・擬似ライン同期信号エラーステータス・レベル2を確認すると(ステップS106/Yes)、連続印刷の場合は一旦紙搬送を停止し(ステップS107)、線速設定を現在のものから一段階下げて再設定する(ステップS109。線速を遅くする処理は、ポリゴンモータ制御部209がポリゴンミラー208の回転数を落とすことで実施する。
【0032】
なお、図7に示すように、第2ソフトウェアが擬似ライン同期信号エラーステータス・レベル2要因をクリアすると、擬似ライン同期信号エラー監視ブロックはレベル1エラーカウンタを0にクリアする。
【0033】
[擬似ライン同期信号周期の再計算]
割り込み処理(その2)で線速を変更すると、ポリゴンミラー208の回転数が低くなるため、同期検知信号の間隔(走査周期)が長くなる。それに応じて再計算された擬似ライン同期信号周期は初回(又は前回)設定時よりも長くなり必要とされる性能が緩和され、緩和された出力性能に応じた性能低下検出を引き続きおこなう(図10)。
以上に説明した出力性能検出方法によれば、このように出力性能を変更した場合でも検出のための再設定が不要であるという効果がある。
【0034】
[さらに性能が悪化するケース]
線速を下げた状態で擬似ライン同期信号エラーステータス・レベル1が発生する場合は、割り込み処理(その1)を同様に実行する。更に擬似ライン同期信号エラーステータス・レベル2が発生する場合は、更に線速を下げる設定をおこなう。線速を限界まで下げた上で擬似ライン同期信号エラーステータス・レベル2が発生する場合は(図9のステップS108/Yes)、印刷動作を停止し(ステップS110)、図示しない操作部(あるいはMFP100に接続するパーソナルコンピュータ等、ユーザインタフェース)に、「負荷増大に伴う印刷一時停止」等のエラーメッセージを表示し(ステップS111)、ユーザからの再開指示がなされるまで待機する。
【0035】
[線速の復旧]
線速を下げた状態での印刷完了時、第2ソフトウェアは擬似ライン同期信号エラーステータス・レベル1要因を確認し、要因が立っていなければ、線速を一段階上げる設定をおこなう(図8のステップS101,S102/No,図9のステップS106/No,図11のステップS112/Yes,S113/No,S114)。線速が既に上限である場合には線速変更はせず、紙間時間が最速でなれば一段階紙間時間を速める(ステップS115,S116)。既に紙間時間が最速であれば、何もしない。
【0036】
線速を変更すると、ポリゴンミラー208の回転数が速くなるため、同期検知信号の間隔(走査周期)が短くなり、それに応じて擬似ライン同期信号周期(擬似的な走査周期)が短くなり、復旧した出力性能に応じた性能低下検出を引き続きおこなう(図12)。
以上に説明した出力性能検出方法によれば、このように出力性能を復旧した場合でも検出のための再設定が不要であるという効果がある。
【0037】
以上に説明した本実施形態によれば、真のライン転送性能よりも厳しい性能に対して性能低下を検出する。そのため、実際に性能低下が、真の性能に対して未達となり異常画像が発生する程深刻になる前に、当該性能低下を検出することができる。したがって、出力性能を低下させながらも正常な画像を出力することが可能になる。
また、本実施形態によれば、単発のライン転送性能低下と連続的なライン転送性能低下に対してそれぞれ、紙間の調整、線速の調整というプロッタ出力性能の制御を行う。紙間の調整は、比較的軽微な出力性能の緩和であり、線速の調整は紙間の調整よりも大きい出力性能の緩和である。そのため、この構成によれば、適切に出力性能を緩和することができる。
【0038】
(実施形態2)
実施形態2は、実施形態1の構成に加え、第2ソフトウェアがスキャナ装置109の制御を行うものである。以下、図13と図14を参照して説明する。
【0039】
[転送開始〜擬似ライン同期信号エラー検出]
全体の構成から転送開始、疑似ライン同期信号エラー検出までは、実施形態1と同様である。
【0040】
[割り込み処理(その3)]
図13に示すように、第2ソフトウェアは割り込み要因・擬似ライン同期信号エラーステータス・レベル1を確認すると、実施形態1の割り込み処理(その1)に加え、スキャナ装置109の読取動作を一時停止する(ステップS201,S202)。
【0041】
[スキャナ読取動作の復旧]
図14に示すように、印刷完了時、第2ソフトウェアは擬似ライン同期信号エラーステータス・レベル1およびレベル2要因を確認し、要因が立っていなければ、実施形態1の[線速の復旧]に加えてスキャナ読取動作の復旧再開をおこなう(ステップS203,S204)。
【0042】
(実施形態3)
実施形態3は、実施形態1,実施形態2の構成に加えて、割り込み信号を第1プロセッサ101に対しても通知し、第1プロセッサ101が実行する第1ソフトウェアにより、コピー制御ASIC110に対しても割り込み制御する構成である。
【0043】
実施形態3は、[転送開始〜擬似ライン同期信号エラー検出]までは実施形態1と同様である。更に、割り込みを第1プロセッサ101に対しても通知する。第2プロセッサ105では実施形態1又は実施形態2の割り込み処理が行われる。
【0044】
[割り込み処理(その4)]
図15に示すように、第1ソフトウェアは、コピー制御ASIC110のハードディスクコントローラが動作している場合、ハードディスクコントローラを一時停止する(ステップS301,S302)。
【0045】
[ハードディスク動作の再開]
図15に示すように、印刷完了時、第1ソフトウェアは擬似ライン同期信号エラーステータス・レベル1要因を確認し、要因が立っていなければ、ハードディスクドライブの動作再開をおこなう(ステップS102/No,S303,S304,S305)。
【0046】
実施形態2,3の構成によれば、メモリの競合状態に起因する性能低下を検出し、プロッタ装置以外の転送性能を低下させることで、メモリの競合状態を緩和し、プロッタ出力性能の回復ができる効果がある。
【符号の説明】
【0047】
100 MFP
101 第1プロセッサ
102 第1RAM
103 第1ROM
104 バスコントローラ
105 第2プロセッサ
106 第2RAM
107 第2ROM
108 スキャナ制御ASIC
109 スキャナ装置
110 コピー制御ASIC
111 ハードディスクドライブ
112 プロッタ制御ASIC
113 プロッタ装置
202 ビデオDMAC
203 ラインバッファ制御部
204 ラインバッファ
207 LD(レーザダイオード)
208 ポリゴンミラー
209 ポリゴンモータ制御部
210 同期検知センサ
211 同期検知部
212 走査周期計測部
213 疑似ライン同期信号発生部
214 割り込みコントローラ
【先行技術文献】
【特許文献】
【0048】
【特許文献1】特開2008−219195号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の機能を搭載し、該複数の機能による要求を送出して共有メモリへアクセスするとともに、ライン同期信号にしたがってデータ転送を行い、転送されたデータをプロッタへ出力する画像形成装置であって、
前記ライン同期信号の周期に対して短い周期を持つ疑似ライン同期信号を発生させる疑似ライン同期信号発生手段と、
前記疑似ライン同期信号に基づいてデータ転送性能低下を検出するデータ転送性能監視手段と、
データ転送性能低下が検出された場合にプロッタ出力性能を緩和する出力性能制御手段と、
を備えることを特徴とする、画像形成装置。
【請求項2】
前記疑似ライン同期信号発生手段は、前記出力性能制御手段によるプロッタ出力性能の緩和により、前記ライン同期信号の周期が長くなった場合、前記疑似ライン同期信号の発生周期を再計算し、
前記データ転送性能監視手段は、再計算された前記疑似ライン同期信号の発生周期に基づいてデータ転送性能低下を検出することを特徴とする、請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記出力性能制御手段は、プロッタ出力性能が緩和されている状態で、前記データ転送性能監視手段によるデータ転送性能低下が検出されない場合、プロッタ出力性能を段階的に復旧させることを特徴とする、請求項1又は2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記データ転送性能監視手段は、データ転送性能低下を検出した回数をカウントしておき、
前記出力性能制御手段は、データ転送性能低下が検出された場合に第1の方法でプロッタ出力性能を緩和し、さらに、前記回数が所定の閾値を超えた場合に、第2の方法でプロッタ出力性能を緩和することを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記第1の方法が、前記プロッタに用紙を搬送する速度を遅くする方法であって、
前記第2の方法が、用紙に画像形成際に用紙を走査する速度を遅くする方法であることを特徴とする、請求項4記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記プロッタに画像データを入力する入力手段を備え、
前記出力性能制御手段は、前記入力手段を一時停止して前記プロッタへのデータ転送性能を低下させることを特徴とする、請求項1から5のいずれか1項記載の画像形成装置。
【請求項7】
複数の機能を搭載し、該複数の機能による要求を送出して共有メモリへアクセスするとともに、ライン同期信号にしたがってデータ転送を行い、転送されたデータをプロッタへ出力する画像形成装置の制御方法であって、
前記ライン同期信号の周期に対して短い周期を持つ疑似ライン同期信号を発生させ、
前記疑似ライン同期信号に基づいてデータ転送性能低下を検出し、
データ転送性能低下が検出された場合にプロッタ出力性能を緩和することを特徴とする、画像形成装置の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2011−61736(P2011−61736A)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−212372(P2009−212372)
【出願日】平成21年9月14日(2009.9.14)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】