説明

画像形成装置及びプリンタドライバプログラム

【課題】編集画面上では1ページ内に収まるように編集された画像が、複数ページに分割されて印刷される印刷ミスを防ぐことができるとともに、ユーザが所望するレイアウトの印刷画像を少ない負荷で得ることのできる画像形成装置を提供する。
【解決手段】プリンタ部34と表示部とを含む印刷システム10は、画像データの印刷ページ数が2ページ以上になるか否かを判定するページ数判定機能と、ページ数判定機能によって、画像データの印刷ページ数が2ページ以上になると判定された場合に、表示部に対し、画像データに基づく画像の印刷を行なうか否かをユーザに判断させるための印刷確認用ダイアログボックスを表示させる表示制御機能と、ユーザによる上記判断を受付ける受付機能と、受付機能が受付けた判断に基づいて、プリンタ部34に対し、画像データに基づく画像の印刷を行なわせる印刷制御機能とを有する制御部を含むようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置及びプリンタドライバプログラムに関し、特に、印刷ミスを低減するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
PC(Personal Computer)用アプリケーションソフトには、ページという概念が曖昧なものがある。このようなアプリケーションソフトによって編集されたファイルに基づく画像を印刷する場合に、編集画面上の画像と印刷画像とが異なるという問題がある。例えば、表計算ソフトである「Microsoft Excel(登録商標)」によって編集されたファイル(以下「Excelファイル」と記す場合がある。)に基づく画像を印刷する場合に、ユーザが印刷範囲の設定を行なわず、編集画面のみを参照して印刷指示を出すと、編集画面上では1ページ内に収まるように編集された画像が、複数ページに分割されて印刷されてしまうことがある。このような印刷ミスが生じると、記録用紙及びトナー等の記録剤が無駄に消費されてしまうおそれがある。
【0003】
上記した印刷ミスを防ぐための方法として、ユーザが印刷前にプレビュー画面を確認する方法がある。しかし、そのような方法を使用する習慣のないユーザ、又は、プレビュー画面を確認する時間のないユーザ等は、上記した印刷ミスを防ぐことは困難である。
【0004】
他の方法として、後掲の特許文献1に開示される技術がある。この技術では、印刷対象データに基づいて形成された第1次イメージデータにおける最終ページの余白の割合が一定以上である場合に、最終ページの余白以外の内容部分を最終ページより前のページに含めた第2次イメージデータを形成し、形成した第2次イメージデータに基づいて印刷を行なっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−219294号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に開示される技術では、最終ページの余白以外の内容部分を最終ページより前のページに詰める処理が機械的に行なわれるので、得られる印刷画像が、ユーザが所望するレイアウトとは異なるおそれがある。また、得られる印刷画像がユーザが所望するレイアウトとは異なる場合には、処理に要する負荷の大きい第2次イメージデータの作成処理が無駄になってしまう。
【0007】
本発明の目的は、編集画面上では1ページ内に収まるように編集された画像が、複数ページに分割されて印刷される印刷ミスを防ぐことができるとともに、ユーザが所望するレイアウトの印刷画像を少ない負荷で得ることのできる、画像形成装置及びプリンタドライバプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の局面に係る画像形成装置は、ユーザにより指定された画像データに基づく画像を印刷する印刷手段と、画像データに基づく画像を表示する表示手段とを含む画像形成装置であって、画像データの印刷ページ数が2ページ以上になるか否かを判定するページ数判定手段と、ページ数判定手段によって、画像データの印刷ページ数が2ページ以上になると判定された場合に、表示手段に対し、画像データに基づく画像の印刷を行なうか否かをユーザに判断させるための確認画像を表示させる表示制御手段と、ユーザによる画像データに基づく画像の印刷を行なうか否かの判断を受付ける受付手段と、受付手段が受付けた判断に基づいて、印刷手段に対し、画像データに基づく画像の印刷を行なわせる印刷制御手段とを含む。
【0009】
このように、画像データの印刷ページ数が2ページ以上である場合に、画像データに基づく画像の印刷を行なうか否かをユーザに判断させるための確認画像が表示されるので、ユーザは、確認画像に基づいて上記判断を行なうことができる。したがって、編集画面上では1ページ内に収まるように編集された画像が、複数ページに分割されて印刷される印刷ミスを防ぐことができる。また、印刷手段は、ユーザによる上記判断に基づいて印刷を行なうので、ユーザは、印刷を行なわないと判断した場合に画像データを編集し直すことができる。したがって、少ない負荷で、ユーザが所望するレイアウトの印刷画像を得ることができる。
【0010】
好ましくは、画像形成装置は、画像データの1ページ目を除いた印刷ページの中に、予め定めるしきい値以下の大きさの印刷領域を有する印刷ページがあるか否かを判定する印刷領域判定手段をさらに含み、表示制御手段は、ページ数判定手段によって、画像データの印刷ページ数が2ページ以上になると判定された場合であって、かつ、印刷領域判定手段によって、画像データの1ページ目を除いた印刷ページの中に、予め定めるしきい値以下の大きさの印刷領域を有する印刷ページがあると判定された場合に、表示手段に対し、確認画像を表示させる。
【0011】
これにより、ユーザは、確認画像に基づく、画像データに基づく画像の印刷を行なうか否かの判断をより一層容易に行なうことができる。したがって、編集画面上では1ページ内に収まるように編集された画像が、複数ページに分割されて印刷される印刷ミスをより一層容易に防ぐことができる。
【0012】
より好ましくは、印刷領域判定手段は、画像データがページ記述言語に変換されたPDL(Page Description Language)データである場合に、画像データの1ページ目を除いた印刷ページの中に、予め定めるしきい値以下のオブジェクト数を有する印刷ページがあるか否かを判定することで、予め定めるしきい値以下の大きさの印刷領域を有する印刷ページがあるか否かを判定する。これにより、より一層容易かつ確実に、予め定めるしきい値以下の大きさの印刷領域を有する印刷ページがあるか否かの判定を行なうことができる。
【0013】
より好ましくは、印刷領域判定手段は、画像データがビットマップ形式に変換されたGDI(Graphical Device Interface)データである場合に、画像データの1ページ目を除いた印刷ページの中に、予め定めるしきい値以下のドット数を有する印刷ページがあるか否かを判定することで、予め定めるしきい値以下の大きさの印刷領域を有する印刷ページがあるか否かを判定する。これにより、より一層容易かつ確実に、予め定めるしきい値以下の大きさの印刷領域を有する印刷ページがあるか否かの判定を行なうことができる。
【0014】
さらに好ましくは、画像形成装置は、画像データが、予め定める所定のアプリケーションソフトによって編集された画像データであるか否かを判定するアプリケーション判定手段をさらに含み、表示制御手段は、ページ数判定手段によって、画像データの印刷ページ数が2ページ以上になると判定され、かつ、印刷領域判定手段によって、画像データの1ページ目を除いた印刷ページの中に、予め定めるしきい値以下の大きさの印刷領域を有する印刷ページがあると判定され、かつ、アプリケーション判定手段によって、画像データが、予め定める所定のアプリケーションソフトによって編集された画像データであると判定された場合に、表示手段に対し、確認画像を表示させる。
【0015】
これにより、ユーザは、確認画像に基づく、画像データに基づく画像の印刷を行なうか否かの判断をさらに容易に行なうことができる。したがって、編集画面上では1ページ内に収まるように編集された画像が、複数ページに分割されて印刷される印刷ミスをさらに容易に防ぐことができる。
【0016】
さらに好ましくは、予め定める所定のアプリケーションソフトによって編集された画像データに基づく画像は、印刷手段によって印刷された場合と、表示手段によって表示された場合とで異なる。これにより、編集画面上では1ページ内に収まるように編集された画像が、複数ページに分割されて印刷される印刷ミスをさらに確実に防ぐことができる。
【0017】
さらに好ましくは、表示制御手段は、表示手段に対し、確認画像として、画像データの印刷ページ数と、画像データに基づく画像の印刷を行なうか否かをユーザに判断させるための確認メッセージとを含むダイアログボックスを表示させる。
【0018】
これにより、ユーザは、確認画像に基づく、画像データに基づく画像の印刷を行なうか否かの判断をさらに容易に行なうことができる。したがって、編集画面上では1ページ内に収まるように編集された画像が、複数ページに分割されて印刷される印刷ミスをさらに容易に防ぐことができる。
【0019】
さらに好ましくは、印刷手段は、受付手段が、ユーザによる画像データに基づく画像の印刷を行なう旨の判断を受付けた場合に、画像データに基づく画像の印刷を行なう。これにより、ユーザは、より一層確実に、印刷を行なわないと判断した場合に画像データを編集し直すことができる。したがって、少ない負荷で、ユーザが所望するレイアウトの印刷画像をより一層確実に得ることができる。
【0020】
本発明の第2の局面にかかるプリンタドライバプログラムは、コンピュータを、ユーザにより指定された画像データに基づく画像を印刷する印刷手段と、画像データに基づく画像を表示する表示手段とを含む画像形成装置として機能させるプリンタドライバプログラムであって、当該コンピュータを、画像データの印刷ページ数が2ページ以上になるか否かを判定するページ数判定手段と、ページ数判定手段によって、画像データの印刷ページ数が2ページ以上になると判定された場合に、表示手段に対し、画像データに基づく画像の印刷を行なうか否かをユーザに判断させるための確認画像を表示させる表示制御手段と、ユーザによる画像データに基づく画像の印刷を行なうか否かの判断を受付ける受付手段と、受付手段が受付けた判断に基づいて、印刷手段に対し、画像データに基づく画像の印刷を行なわせる印刷制御手段として機能させる。
【0021】
このように、画像データの印刷ページ数が2ページ以上である場合に、画像データに基づく画像の印刷を行なうか否かをユーザに判断させるための確認画像が表示されるので、ユーザは、確認画像に基づいて上記判断を行なうことができる。したがって、編集画面上では1ページ内に収まるように編集された画像が、複数ページに分割されて印刷される印刷ミスを防ぐことができる。また、印刷手段としての機能は、ユーザによる上記判断に基づいて印刷を行なうので、ユーザは、印刷を行なわないと判断した場合に画像データを編集し直すことができる。したがって、少ない負荷で、ユーザが所望するレイアウトの印刷画像を得ることができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、画像データの印刷ページ数が2ページ以上である場合に、画像データに基づく画像の印刷を行なうか否かをユーザに判断させるための確認画像が表示されるので、ユーザは、確認画像に基づいて上記判断を行なうことができる。したがって、編集画面上では1ページ内に収まるように編集された画像が、複数ページに分割されて印刷される印刷ミスを防ぐことができる。また、印刷手段は、ユーザによる上記判断に基づいて印刷を行なうので、ユーザは、印刷を行なわないと判断した場合に画像データを編集し直すことができる。したがって、少ない負荷で、ユーザが所望するレイアウトの印刷画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の一実施の形態に係る印刷システムの構成を示す図である。
【図2】情報処理装置の構成を示すブロック図である。
【図3】本実施の形態に係る印刷確認処理を実現するためのコンピュータプログラムの制御構造をフローチャート形式で示す図である。
【図4】印刷確認用ダイアログボックスの一例を示す図である。
【図5】作成された画像データに基づく印刷画像の一例を示す図である。
【図6】作成された画像データに基づく印刷画像の一例を示す図である。
【図7】本変形例に係る印刷確認処理を実現するためのコンピュータプログラムの制御構造をフローチャート形式で示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下の説明及び図面においては、同一の部品には同一の参照符号及び名称を付してある。それらの機能も同様である。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
【0025】
図1は、本発明の一実施の形態に係る印刷システム10の構成を示す図である。図1を参照して、印刷システム10は、デジタル複合機22と、情報処理装置12とを含み、全体として画像形成装置として動作する。デジタル複合機22及び情報処理装置12は、LAN(Local Area Network)回線等からなるネットワーク20を介して互いに接続され、画像データを含む各種データを相互に送受できる。
【0026】
情報処理装置12は、デジタル複合機22を利用するために一般のユーザによって操作される、例えば、PC等の端末装置である。なお、図1には情報処理装置12を1つのみ図示するが、実際には多数存在する。
【0027】
印刷システム10において、情報処理装置12からデジタル複合機22に対して印刷ジョブの実行を命令する印刷指示信号と、印刷対象となる画像データとが送信されると、デジタル複合機22はその印刷指示信号に応答して、印刷ジョブを実行する。
【0028】
〈ハードウェア構成〉
[デジタル複合機22]
図1を参照して、デジタル複合機22は、制御部24、スキャナ部32、プリンタ部34、画像処理部35、操作パネル36、NIC(Network Interface Card)38、及び、電源制御部39を含む。
【0029】
制御部24は、実質的にコンピュータであって、CPU40、ROM42、RAM44及びHDD46を含む。CPU40には、BUSライン26が接続されており、このBUSライン26には、ROM42、RAM44、及び、HDD46が電気的に接続される。CPU40は、操作パネル36等からの指示に応じて各種コンピュータプログラムを実行することによって、デジタル複合機22の各部の動作及び情報処理装置12との通信等の所望の処理を実行する。上記の各種コンピュータプログラムは、予めROM42又はHDD46に記憶されており、所望の処理の実行時において、当該ROM42又はHDD46から読出されてRAM44に転送される。CPU40は、CPU40内の図示しないプログラムカウンタと呼ばれるレジスタに格納された値によって指定される、RAM44内のアドレスからプログラムの命令を読出し、解釈する。CPU40はまた、読出された命令によって指定されるアドレスから演算に必要なデータを読出し、そのデータに対し命令に対応する演算を実行する。実行の結果も、RAM44、HDD46及びCPU40内のレジスタ等の、命令によって指定されるアドレスに格納される。
【0030】
HDD46には、デジタル複合機22の一般的な動作を実現するためのコンピュータプログラムが記憶される。このコンピュータプログラムは、ネットワーク20及びNIC38を介して情報処理装置12から提供される。なお、このコンピュータプログラムは、そのコンピュータプログラムが記録された、例えばDVD等の記録媒体によって提供されてもよい。すなわち、コンピュータプログラムの記録媒体としてのDVDが、デジタル複合機22内に内蔵されるDVDドライブ(図示せず。)に装着され、そのDVDからコンピュータプログラムが読出されてHDD46にインストールされてもよい。
【0031】
HDD46は、他に、画像データ等を含む各種データを記憶する。
【0032】
BUSライン26には、さらに、スキャナ部32、プリンタ部34、画像処理部35、操作パネル36、NIC38、及び、電源制御部39が電気的に接続される。
【0033】
スキャナ部32は、原稿検知センサ及びCCD(Charge−Coupled Device)ラインセンサ(以上いずれも図示せず。)を含む。原稿検知センサは、ユーザによって手動で、又は、自動原稿搬送装置(図示せず。)によって、原稿載置台(図示せず。)上に載置された原稿の画像表面に対し光源(図示せず。)から光を照射することによって得られる反射光像をCCDラインセンサ上に結像させる。CCDラインセンサは、結像された反射光像を順次光電変換して画像データとして画像処理部35に対して出力する。すなわち、スキャナ部32は、原稿のコピー時又はスキャン時に、原稿載置台に載置される原稿から原稿検知センサによって画像情報を読取り、読取った画像情報をCCDラインセンサによって電気信号に変換して画像データとして画像処理部35に対して出力する。
【0034】
プリンタ部34は、画像メモリ48及び印字部50を含む。画像メモリ48は、RAMを含み、印刷データをページ単位で一時的に記憶する。画像メモリ48は、制御部24等からの指示に応じて、印字部50に送信するための、例えば、画像処理部35から入力される印刷データをページ単位で一時的に記憶し、記憶した印刷データを印字部50による画像形成に同期して、印字部50に対して出力する。印字部50は、感光体ドラム、帯電器、LSU(Laser Scanning Unit)、現像装置、転写装置、クリーニング装置及び定着装置(以上いずれも図示せず。)、並びに、デジタル複合機22に着脱自在に装着されるトナーカートリッジを含む。印字部50は、さらに、デジタル複合機22に着脱自在に装着される、手差し給紙トレイ、第1給紙トレイ及び第2給紙トレイ(以上いずれも図示せず。)を含む。これらの給紙トレイは、この順で上下に並ぶように設置され、記録用紙を保持し、用紙搬送部(図示せず。)に記録用紙を送給する。手差し給紙トレイは、ユーザが手動により所望の記録用紙を設置するためのトレイであり、第1給紙トレイ及び第2給紙トレイは、異なる大きさの記録用紙を保持するためのトレイである。印字部50は、制御部24等からの指示に応じて、上記給紙トレイのいずれかから用紙搬送部を介して搬送される記録用紙上に、画像メモリ48から送信される印刷データに基づく画像を印刷する。
【0035】
画像処理部35は、MPU(Micro Processing Unit、図示せず。)を含む。画像処理部35は、スキャナ部32、又は、情報処理装置12から受信した画像データに対して、例えば、ラスタライズ処理等の所定の画像処理を含む各種処理を施して所定の階調の印刷データを作成し、プリンタ部34に対して出力する。
【0036】
画像処理部35は、情報処理装置12から受信した画像データが、ページ記述言語に変換されたPDLデータである場合には、ラスタライズ処理等の所定の画像処理を施して印刷データを作成する。一方、情報処理装置12から受信した画像データが、ビットマップ(BMP)形式に変換されたGDIデータである場合には、既に情報処理装置12において施されている、ラスタライズ処理等の処理を除いた各種処理を施して、印刷データを作成する。
【0037】
操作パネル36は、液晶ディスプレイからなる表示出力部と、操作ボタン及びタッチパネル等からなる操作インターフェイス部とを含む。表示出力部は、デジタル複合機22の状態及び各種処理の状態に関する情報等の各種情報をユーザに提供する。操作インターフェイス部は、ユーザがデジタル複合機22を操作するためのインターフェイスを提供する。操作パネル36は、また、液晶ディスプレイとタッチパネルとを重ねて構成される、ユーザに対して対話的な操作インターフェイスを提供する。この対話的な操作インターフェイスは、タッチパネルからデジタル複合機22全体の動作に対するユーザの指示を受付けて、その指示の内容を液晶ディスプレイに表示するとともに、その指示に応じた制御信号を制御部24又は画像処理部35のMPUに対して出力する。操作パネル36は、さらに、電源オン指示及び電源オフ指示を入力するための電源ボタン、並びに、印刷ジョブを開始させるための印刷スタートキー等を含む。
【0038】
NIC38は、ネットワーク20とのインターフェイスをとる。デジタル複合機22は、このNIC38を介して、ネットワーク20上の情報処理装置12と、所定の通信プロトコルに従ったデータ通信を行なうことができる。デジタル複合機22は、NIC38を介して、情報処理装置12から印刷ジョブ等の各種処理の実行を命令する命令信号を受信することができる。
【0039】
電源制御部39は、外部電源52と電気的に接続される。電源制御部39は、デジタル複合機22の各部の動作に必要な電力を外部電源52から取得し、取得した電力をデジタル複合機22の各部に供給する。
【0040】
デジタル複合機22は、上述した各部を動作させることによって、操作パネル36からのユーザの入力操作による指示又は情報処理装置12等からの指示に応じて、原稿画像を読取り記録用紙に印刷するコピーモード、情報処理装置12等から送信される画像データを受信して記録用紙に印刷する印刷モード、及び、原稿画像を読取り情報処理装置12等に送信するスキャナモード等の各種のモードのいずれかを実行する。
【0041】
[情報処理装置12]
図2は、情報処理装置12の構成を示すブロック図である。図2を参照して、情報処理装置12は、制御部100、HDD112、操作部114、表示部116、及び、NIC118を含む。
【0042】
制御部100は、実質的にコンピュータであって、CPU122、ROM124、及び、RAM126を含む。CPU122には、BUSライン128が接続されており、このBUSライン128には、ROM124及びRAM126が電気的に接続される。CPU122は、デジタル複合機22等を含む外部装置又は操作部114等からの指示に応じて各種コンピュータプログラムを実行することによって、情報処理装置12の各部の動作及び外部装置との通信等の所望の処理を実行する。上記の各種コンピュータプログラムは、予めROM124又はHDD112に記憶されており、所望の処理の実行時において、当該ROM124又はHDD112から読出されてRAM126に転送される。CPU122は、CPU122内の図示しないプログラムカウンタと呼ばれるレジスタに格納された値によって指定される、RAM126内のアドレスからプログラムの命令を読出し、解釈する。CPU122はまた、読出された命令によって指定されるアドレスから演算に必要なデータを読出し、そのデータに対し命令に対応する演算を実行する。実行の結果も、RAM126,HDD112及びCPU122内のレジスタ等の、命令によって指定されるアドレスに格納される。
【0043】
BUSライン128には、さらに、HDD112、操作部114、表示部116、及び、NIC118が電気的に接続される。HDD112は、磁気記憶媒体を備え、表示部116に各種画面を表示させるための画像データ等を含む各種データを記憶する。
【0044】
HDD112は、後述する印刷確認処理において、画像データの印刷ページの中に、印刷領域が極端に少ない印刷ページがあるか否かを判定するための、予め定めるしきい値を記憶する。このしきい値は、印刷ページにおける印刷領域の大きさが予め定めるしきい値以下である場合に、印刷領域が極端に少ないと判定されるように設定される。本実施の形態では、予め定めるしきい値として、PDLデータにおいて印刷領域の大きさを示す指標となるオブジェクト数が使用される。ここで、オブジェクト数とは、PDLデータに含まれる、ページ記述言語によってオブジェクトとして記述されたデータの数を示す。
【0045】
HDD112は、さらに、デジタル複合機22に対し、印刷ジョブを実行させるためのプリンタドライバプログラム(以下単に「プリンタドライバ」と記す。)を記憶する。情報処理装置12は、このプリンタドライバを実行することによって、ユーザによって指定されたファイルの内容に基づく画像をデジタル複合機22に印刷させる動作、及び、後述する印刷確認処理等を実現することができる。なお、このプリンタドライバは、そのプリンタドライバが記録された外部記憶装置、例えばDVD等の記録媒体によって提供されてもよい。すなわち、プリンタドライバの記録媒体としてのDVDが、情報処理装置12内に内蔵されるDVDドライブ(図示せず。)に装着され、そのDVDからプリンタドライバが読出されてHDD112にインストールされてもよい。
【0046】
HDD112は、さらに、各種アプリケーションソフトを記憶する。情報処理装置12は、このアプリケーションソフトを実行することによって、ファイルの内容を編集する動作、及び、ファイルの内容を閲覧する動作等を実現することができる。各種アプリケーションソフトとしては、例えば、Microsoft(登録商標)社の「Microsoft Office(登録商標)」における表計算ソフトである「Microsoft Excel(登録商標)」、及び、ワープロソフトである「Microsoft Word(登録商標)」等がある。これらのアプリケーションソフトによって編集されたファイルのファイル名の末尾には、各アプリケーションソフトに関連付けられた特定の拡張子が付される。これらのアプリケーションソフトは、OS(Operating System)の制御に従って実行される。OSは、指定されたファイルのファイル名に付される拡張子に基づいて、拡張子に関連付けられるアプリケーションソフトの実行ファイル名を取得し、取得した実行ファイル名に基づいて、対応するアプリケーションソフトを実行する。
【0047】
操作部114は、ユーザの指示等に応じた各種入力及び文字入力等を行なうためのキーボード、及び、マウス等のポインティングデバイス等を含む入力装置である。操作部114は、インターフェイス(図示せず。)を介してBUSライン128と接続される。
【0048】
表示部116は、情報処理装置12の処理結果等を表示するための、液晶ディスプレイ等からなる表示装置である。表示部116は、表示部116を駆動させるためのビデオ回路(図示せず。)を介してBUSライン128と接続される。
【0049】
情報処理装置12は、NIC118を介してネットワーク20に接続されており、ネットワーク20上に接続されるデジタル複合機22等を含む外部装置とのデータ通信が可能である。情報処理装置12は、NIC118を介して、印刷ジョブ等の各種処理の実行を命令する命令信号を、デジタル複合機22に対して送信することができる。
【0050】
情報処理装置12の各部には電源(図示せず。)が接続され、この電源から電力が供給されることで、情報処理装置12の各部が動作する。
【0051】
情報処理装置12は、ユーザによる操作部114からの入力操作によって、所定のファイルが指定されるとともに、印刷ジョブを実行することを要求する指示がなされると、後述する印刷確認処理を行ない、印刷確認処理の結果に応じて、印刷ジョブの実行を命令する印刷指示信号と、指定されたファイルに基づく画像データとをデジタル複合機22に対して送信する。
【0052】
〈ソフトウェア構成〉
[情報処理装置12]
図3は、本実施の形態に係る印刷確認処理を実現するためのコンピュータプログラムの制御構造をフローチャート形式で示す図である。上述したように、HDD112に記憶されるプリンタドライバの一部は、印刷確認処理を実行するようにプログラミングされている。この印刷確認処理は、CPU122が、上記プリンタドライバの一部であるコンピュータプログラムに従って、情報処理装置12の各部の動作を制御することによって、ハードウェアとコンピュータプログラムとの協働により実現する、アプリケーション判定機能、ページ数判定機能、印刷領域判定機能、表示制御機能、及び、受付機能等によって実行される。
【0053】
なお、アプリケーション判定機能とは、画像データが、予め定める所定のアプリケーションソフトによって編集されたファイルに基づく画像データであるか否かを判定する機能のことであり、ページ数判定機能とは、画像データの印刷ページ数が2ページ以上になるか否かを判定する機能のことであり、印刷領域判定機能とは、画像データの1ページ目を除いた印刷ページの中に、予め定めるしきい値以下の大きさの印刷領域を有する印刷ページがあるか否かを判定する機能のことであり、表示制御機能とは、上記各判定機能による判定結果に応じて、表示部116に対し、画像データに基づく画像の印刷を行なうか否かをユーザに判断させるための確認メッセージを含む印刷確認用ダイアログボックスを表示させる機能のことであり、受付機能とは、ユーザによる、画像データに基づく画像の印刷を行なうか否かの判断を受付ける機能のことである。
【0054】
印刷確認処理を実現するためのコンピュータプログラムを含むプリンタドライバは、情報処理装置12の電源が投入されることによって起動される。
【0055】
図3を参照して、印刷確認処理を実現するためのコンピュータプログラムは、操作部114からの入力操作によって、所定のファイルが指定されるとともに、表示部116に表示される印刷ボタン(図示せず。)がクリックされるまで待機するS101と、ステップS101において、所定のファイルが指定され、印刷ボタンがクリックされたと判定された場合(YESの場合)に実行され、指定されたファイルに基づくPDLデータを画像データとして作成するステップS102とを含む。
【0056】
このプログラムはさらに、指定されたファイルのファイル名に付される拡張子に基づいて、拡張子に関連付けられるアプリケーションソフトの実行ファイル名を取得するステップS103と、取得した実行ファイル名に基づいて、指定されたファイルがExcelファイルであるか否かを判定するステップS104とを含む。
【0057】
このプログラムはさらに、ステップS104において、Excelファイルであると判定された場合(YESの場合)に実行され、作成したPDLデータに基づいて、画像データの印刷ページ数が2ページ以上になるか否かを判定するステップS105と、ステップS105において、印刷ページ数が2ページ以上になると判定された場合(YESの場合)に実行され、PDLデータの1ページ目を除いた印刷ページにおけるオブジェクト数をページ毎に算出するステップS106とを含む。
【0058】
このプログラムはさらに、算出したオブジェクト数に基づいて、PDLデータの1ページ目を除いた印刷ページの中に、予め定めるしきい値以下のオブジェクト数を有する印刷ページがあるか否かを判定するステップS107と、ステップS107において、予め定めるしきい値以下のオブジェクト数を有する印刷ページがあると判定された場合(YESの場合)、すなわち、印刷領域が極端に少ない印刷ページがあると判断された場合に実行され、ビデオ回路(図示せず。)を制御して、表示部116に対し、印刷確認用ダイアログボックスを表示させるステップS108とを含む。
【0059】
図4は、印刷確認用ダイアログボックス400の一例を示す図である。図4を参照して、印刷確認用ダイアログボックス400は、編集画面401上に表示されるダイアログボックスであって、「印刷ページ数は、2枚です。本当に印刷してもよろしいですか?」等の、画像データに基づく画像の印刷を行なうか否かをユーザに判断させるための確認メッセージ402と、ユーザによる印刷ジョブを実行する旨の要求を受付ける印刷確認ボタン404と、ユーザによる印刷ジョブを実行しない旨の要求を受付ける印刷中止ボタン406とを含む。
【0060】
このプログラムはさらに、印刷確認ボタン404がクリックされたか否かを判定するステップS109と、ステップS109において、印刷確認ボタン404がクリックされていないと判定された場合(NOの場合)に実行され、印刷中止ボタン406がクリックされたか否かを判定するステップS110とを含む。ステップS110において、印刷中止ボタン406がクリックされたと判定された場合(YESの場合)には、制御はステップS101に戻り、印刷中止ボタン406がクリックされていないと判定された場合(NOの場合)には、制御はステップS109に戻る。
【0061】
このプログラムはさらに、ステップS109において、印刷確認ボタン404がクリックされたと判定された場合(YESの場合)、又は、ステップS104、ステップS105若しくはステップS107にてNOの場合に実行され、デジタル複合機22に対し、印刷指示信号及び画像データを送信するステップS111とを含む。
【0062】
〈動作〉
図1〜図4を参照して、本実施の形態に係る印刷システム10は、印刷ジョブの実行時において、以下のように動作する。なお、印刷ジョブ実行時における動作を除く、印刷システム10の一般的な機能を実現するための動作は、従来の印刷システムにおける動作と同様である。
【0063】
情報処理装置12のユーザは、情報処理装置12の電源を投入し、アプリケーションソフトの1つである「Microsoft Excel(登録商標)」を実行して、Excelファイルを表示部116に表示される編集画面上で編集する。このとき、ユーザは、印刷画像が1ページ内に収まるようにExcelファイルを編集する。Excelファイルの編集後、ユーザは、操作部114からの入力操作によって編集したExcelファイルを指定するとともに、表示部116に表示される印刷ボタン(図示せず。)をクリックすることで、指定したExcelファイルの印刷を要求する指示を出す。
【0064】
所定のファイルが指定されるとともに、印刷ボタンがクリックされると(S101にてYES)、CPU122は、指定されたExcelファイルに基づくPDLデータを画像データとして作成する(S102)。
【0065】
図5は、作成された画像データに基づく印刷画像500の一例を示す図である。図5を参照して、印刷画像500は、1ページ目の画像データに基づく第1印刷画像502と、2ページ目の画像データに基づく第2印刷画像504とを含む。第2印刷画像504は、印刷領域が極端に少ない。また、印刷画像500は1ページ内に収まらないので、ユーザが所望するレイアウトではない。
【0066】
CPU122は、さらに、指定されたExcelファイルのファイル名に付される拡張子に基づいて、拡張子に関連付けられるアプリケーションソフトの実行ファイル名を取得する(S103)。本実施の形態において、画像データのファイル名には「xls」という拡張子が付されている。したがって、CPU122は、この拡張子に関連づけられるアプリケーションソフトである「Microsoft Excel(登録商標)」の実行ファイル名「C:¥Program Files¥Microsoft Office¥OFFICE11¥EXCEL.exe」を取得する。
【0067】
CPU122は、取得した実行ファイル名に基づいて、指定されたファイルがExcelファイルであると判定するとともに(S104にてYES)、作成したPDLデータに基づいて、画像データの印刷ページ数が2ページ以上になるか否かを判定する(S105)。
【0068】
このとき、画像データの印刷ページ数は2ページであるので(図5参照)、CPU122は、画像データの印刷ページ数が2ページ以上になると判定し(S105にてYES)、PDLデータの1ページ目を除いた印刷ページにおけるオブジェクト数をページ毎に算出する(S106)。そして、算出したオブジェクト数に基づいて、PDLデータの1ページ目を除いた印刷ページの中に、予め定めるしきい値以下のオブジェクト数を有する印刷ページがあるか否かを判定する(S107)。
【0069】
本実施の形態では、第2印刷画像504は印刷領域が極端に少ないので、算出されたオブジェクト数は、予め定めるしきい値以下である。したがって、CPU122は、予め定めるしきい値以下のオブジェクト数を有する印刷ページがあると判定し(S107にてYES)、ビデオ回路(図示せず。)を制御して、表示部116に対し、印刷確認用ダイアログボックス400(図4参照)を表示させる(S108)。
【0070】
ユーザは、確認メッセージ402の内容を確認して、印刷中止ボタン406をクリックした後、「Microsoft Excel(登録商標)」を再度実行して、Excelファイルを表示部116に表示される編集画面上で編集し直す。Excelファイルの再編集後、ユーザは、操作部114からの入力操作によって編集し直したExcelファイルを指定するとともに、表示部116に表示される印刷ボタンをクリックすることで、指定したExcelファイルの印刷を要求する指示を出す。
【0071】
印刷中止ボタン406がクリックされた後(S110にてYES)、所定のファイルが指定されるとともに、印刷ボタンがクリックされると(S101にてYES)、CPU122は、指定されたExcelファイルに基づくPDLデータを画像データとして作成する(S102)。
【0072】
図6は、作成された画像データに基づく印刷画像600の一例を示す図である。図6を参照して、印刷画像600は、1ページ目の画像データに基づく第1印刷画像602を含む。印刷画像600は1ページ内に収まるので、ユーザが所望するレイアウトである。
【0073】
CPU122は、さらに、上述と同様にして、指定されたExcelファイルのファイル名に付される拡張子「xls」に基づいて、拡張子に関連付けられるアプリケーションソフトの実行ファイル名「C:¥Program Files¥Microsoft Office¥OFFICE11¥EXCEL.exe」を取得する(S103)。
【0074】
CPU122は、取得した実行ファイル名に基づいて、指定されたファイルがExcelファイルであると判定するとともに(S104にてYES)、作成したPDLデータに基づいて、画像データの印刷ページ数が2ページ以上になるか否かを判定する(S105)。
【0075】
このとき、画像データの印刷ページ数は1ページであるので(図6参照)、CPU122は、画像データの印刷ページ数が2ページ以上にならないと判定し(S105にてNO)、デジタル複合機22に対し、印刷指示信号及び画像データを送信する(S111)。
【0076】
デジタル複合機22のNIC38によって、印刷指示信号及び画像データが受信されると、画像処理部35は、受信した画像データであるPDLデータに対して、ラスタライズ処理等の所定の画像処理を含む各種処理を施して印刷データを作成し、プリンタ部34に対して出力する。
【0077】
プリンタ部34は、画像処理部35から入力される印刷データに基づく画像を、記録用紙に印刷する。
【0078】
[変形例]
印刷システム10の変形例は、HDD112に記憶される予め定めるしきい値として、GDIデータにおいて印刷領域の大きさを示す指標となるドット数が使用される点、及び、印刷確認処理を実現するためのプログラムが異なる点を除いて、上記の実施の形態に係る印刷システム10と同一の構成である。本変形例において、印刷システム10と同一の機能を有する構成部には同一の参照符号及び名称を付し、それらについての詳細な説明は繰返さない。
【0079】
〈ソフトウェア構成〉
図7は、本変形例に係る印刷確認処理を実現するためのコンピュータプログラムの制御構造をフローチャート形式で示す図である。図7を参照して、本変形例に係る印刷確認処理を実現するためのコンピュータプログラムにおいて、ステップS202、ステップS205、ステップS206及びステップS207における処理を除く各処理は、図3に示すコンピュータプログラムによって実行される各処理と同様である。以下、異なる部分について説明する。
【0080】
このプログラムは、指定されたファイルに基づくGDIデータを画像データとして作成するステップS202と、作成したGDIデータに基づいて、画像データの印刷ページ数が2ページ以上になるか否かを判定するステップS205と、GDIデータの1ページ目を除いた印刷ページにおけるドット数をページ毎に算出するステップS206と、算出したドット数に基づいて、PDLデータの1ページ目を除いた印刷ページの中に、予め定めるしきい値以下のドット数を有する印刷ページがあるか否かを判定するステップS207とを含む。なお、ステップS208は、ステップS207において、予め定めるしきい値以下のドット数を有する印刷ページがあると判定された場合(YESの場合)に実行される。
【0081】
〈動作〉
図1,図2,図4〜図7を参照して、印刷システム10の変形例は、印刷ジョブの実行時において、以下のように動作する。なお、印刷ジョブ実行時における動作を除く、印刷システム10の変形例の一般的な機能を実現するための動作は、従来の印刷システムにおける動作と同様である。
【0082】
情報処理装置12のユーザは、情報処理装置12の電源を投入し、アプリケーションソフトの1つである「Microsoft Excel(登録商標)」を実行して、Excelファイルを表示部116に表示される編集画面上で編集する。このとき、ユーザは、印刷画像が1ページ内に収まるようにExcelファイルを編集する。Excelファイルの編集後、ユーザは、操作部114からの入力操作によって編集したExcelファイルを指定するとともに、表示部116に表示される印刷ボタンをクリックすることで、指定したExcelファイルの印刷を要求する指示を出す。
【0083】
所定のファイルが指定されるとともに、印刷ボタンがクリックされると(S201にてYES)、CPU122は、指定されたExcelファイルに基づくGDIデータを画像データとして作成する(S202)。
【0084】
CPU122は、さらに、指定されたExcelファイルのファイル名に付される拡張子「xls」に基づいて、拡張子に関連付けられるアプリケーションソフトの実行ファイル名「C:¥Program Files¥Microsoft Office¥OFFICE11¥EXCEL.exe」を取得する(S203)。
【0085】
CPU122は、取得した実行ファイル名に基づいて、指定されたファイルがExcelファイルであると判定するとともに(S204にてYES)、作成したGDIデータに基づいて、画像データの印刷ページ数が2ページ以上になるか否かを判定する(S205)。
【0086】
このとき、画像データの印刷ページ数は2ページであるので(図5参照)、CPU122は、画像データの印刷ページ数が2ページ以上になると判定し(S205にてYES)、GDIデータの1ページ目を除いた印刷ページにおけるドット数をページ毎に算出する(S206)。そして、算出したドット数に基づいて、GDIデータの1ページ目を除いた印刷ページの中に、予め定めるしきい値以下のドット数を有する印刷ページがあるか否かを判定する(S207)。
【0087】
本変形例では、第2印刷画像504(図5参照)は、印刷領域が極端に少ないので、算出されたドット数は、予め定めるしきい値以下である。したがって、CPU122は、予め定めるしきい値以下のドット数を有する印刷ページがあると判定し(S207にてYES)、ビデオ回路(図示せず。)を制御して、表示部116に対し、印刷確認用ダイアログボックス400(図4参照)を表示させる(S208)。
【0088】
ユーザは、確認メッセージ402の内容を確認して、印刷中止ボタン406をクリックした後、「Microsoft Excel(登録商標)」を再度実行して、Excelファイルを表示部116に表示される編集画面上で編集し直す。Excelファイルの再編集後、ユーザは、操作部114からの入力操作によって編集し直したExcelファイルを指定するとともに、表示部116に表示される印刷ボタンをクリックすることで、指定したExcelファイルの印刷を要求する指示を出す。
【0089】
印刷中止ボタン406がクリックされた後(S210にてYES)、所定のファイルが指定されるとともに、印刷ボタンがクリックされると(S201にてYES)、CPU122は、指定されたExcelファイルに基づくGDIデータを画像データとして作成する(S202)。
【0090】
CPU122は、さらに、上述と同様にして、指定されたExcelファイルのファイル名に付される拡張子「xls」に基づいて、拡張子に関連付けられるアプリケーションソフトの実行ファイル名「C:¥Program Files¥Microsoft Office¥OFFICE11¥EXCEL.exe」を取得する(S203)。
【0091】
CPU122は、取得した実行ファイル名に基づいて、指定されたファイルがExcelファイルであると判定するとともに(S204にてYES)、作成したGDIデータに基づいて、画像データの印刷ページ数が2ページ以上になるか否かを判定する(S205)。
【0092】
このとき、画像データの印刷ページ数は1ページであるので(図6参照)、CPU122は、画像データの印刷ページ数が2ページ以上にならないと判定し(S205にてNO)、デジタル複合機22に対し、印刷指示信号及び画像データを送信する(S211)。
【0093】
デジタル複合機22のNIC38によって、印刷指示信号及び画像データが受信されると、画像処理部35は、受信した画像データであるGDIデータに対して、既に情報処理装置12において施されている、ラスタライズ処理等の処理を除いた各種処理を施して印刷データを作成し、プリンタ部34に対して出力する。
【0094】
プリンタ部34は、画像処理部35から入力される印刷データに基づく画像を、記録用紙に印刷する。
【0095】
〈作用・効果〉
上記実施の形態及び変形例によれば、印刷システム10は、ユーザにより指定されたファイルに基づいて作成された画像データに基づく画像を印刷するプリンタ部34と、画像データに基づく画像を表示する表示部116とを含む画像形成装置であって、画像データが、予め定める所定のアプリケーションソフトによって編集された画像データであるか否かを判定するアプリケーション判定機能と、画像データの印刷ページ数が2ページ以上になるか否かを判定するページ数判定機能と、画像データの1ページ目を除いた印刷ページの中に、予め定めるしきい値以下の大きさの印刷領域を有する印刷ページがあるか否かを判定する印刷領域判定機能と、ページ数判定機能によって、画像データの印刷ページ数が2ページ以上になると判定され、かつ、印刷領域判定機能によって、画像データの1ページ目を除いた印刷ページの中に、予め定めるしきい値以下の大きさの印刷領域を有する印刷ページがあると判定され、かつ、アプリケーション判定機能によって、画像データが、予め定める所定のアプリケーションソフトによって編集された画像データであると判定された場合に、表示部116に対し、画像データに基づく画像の印刷を行なうか否かをユーザに判断させるための印刷確認用ダイアログボックス400を表示させる表示制御機能と、ユーザによる上記判断を受付ける受付機能と、受付機能が受付けた判断に基づいて、プリンタ部34に対し、画像データに基づく画像の印刷を行なわせる印刷制御機能とを有する制御部100を含む。
【0096】
このように、画像データの印刷ページ数が2ページ以上である場合であって、かつ、画像データの1ページ目を除いた印刷ページの中に、予め定めるしきい値以下の大きさの印刷領域を有する印刷ページがある場合であって、かつ、画像データが、予め定める所定のアプリケーションソフトによって編集された画像データである場合に、画像データに基づく画像の印刷を行なうか否かをユーザに判断させるための印刷確認用ダイアログボックス400が表示されるので、ユーザは、印刷確認用ダイアログボックス400に基づいて上記判断を容易に行なうことができる。したがって、編集画面上では1ページ内に収まるように編集された画像が、複数ページに分割されて印刷される印刷ミスを容易に防ぐことができる。また、プリンタ部34は、ユーザによる上記判断に基づいて印刷を行なうので、ユーザは、印刷を行なわないと判断した場合に画像データを編集し直すことができる。したがって、少ない負荷で、ユーザが所望するレイアウトの印刷画像を得ることができる。
【0097】
また上記実施の形態によれば、制御部100の印刷領域判定機能は、画像データがページ記述言語に変換されたPDLデータである場合に、画像データの1ページ目を除いた印刷ページの中に、予め定めるしきい値以下のオブジェクト数を有する印刷ページがあるか否かを判定することで、予め定めるしきい値以下の大きさの印刷領域を有する印刷ページがあるか否かを判定する。また上記変形例によれば、制御部100の印刷領域判定機能は、画像データがビットマップ形式に変換されたGDIデータである場合に、画像データの1ページ目を除いた印刷ページの中に、予め定めるしきい値以下のドット数を有する印刷ページがあるか否かを判定することで、予め定めるしきい値以下の大きさの印刷領域を有する印刷ページがあるか否かを判定する。
【0098】
これにより、より一層容易かつ確実に、予め定めるしきい値以下の大きさの印刷領域を有する印刷ページがあるか否かの判定を行なうことができる。
【0099】
また上記実施の形態及び変形例によれば、予め定める所定のアプリケーションソフトによって編集された画像データに基づく画像は、プリンタ部34によって印刷された場合と、表示部116によって表示された場合とで異なる。このような所定のアプリケーションソフトとしては、上記した「Microsoft Excel(登録商標)」に限定されない。例えば、電子メールの送受信等を行なうためのアプリケーションソフトである「メーラ」、Webページの閲覧等を行なうためのアプリケーションソフトである「Webブラウザ」、又は、テキストファイルの作成及び編集等を行なうためのアプリケーションソフトである「テキストエディタ」等であってもよい。
【0100】
これにより、編集画面上では1ページ内に収まるように編集された画像が、複数ページに分割されて印刷される印刷ミスをさらに確実に防ぐことができる。
【0101】
また上記実施の形態及び変形例によれば、制御部100の表示制御機能は、表示部116に対し、印刷確認用ダイアログボックス400として、画像データの印刷ページ数と、画像データに基づく画像の印刷を行なうか否かをユーザに判断させるための確認メッセージ402とを含むダイアログボックスを表示させる。
【0102】
これにより、ユーザは、印刷確認用ダイアログボックス400に基づく、画像データに基づく画像の印刷を行なうか否かの判断をさらに容易に行なうことができる。したがって、編集画面上では1ページ内に収まるように編集された画像が、複数ページに分割されて印刷される印刷ミスをさらに容易に防ぐことができる。
【0103】
また上記実施の形態及び変形例によれば、プリンタ部34は、制御部100の受付機能が、ユーザによる画像データに基づく画像の印刷を行なう旨の判断を受付けた場合に、画像データに基づく画像の印刷を行なう。これにより、より一層確実に、ユーザは、印刷を行なわないと判断した場合に画像データを編集し直すことができる。したがって、少ない負荷で、ユーザが所望するレイアウトの印刷画像をより一層確実に得ることができる。
【0104】
今回開示された実施の形態は単に例示であって、この発明が上記した実施の形態のみに制限されるわけではない。この発明の範囲は、発明の詳細な説明の記載を参酌した上で、特許請求の範囲の各請求項によって示され、そこに記載された文言と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含む。
【符号の説明】
【0105】
10 印刷システム
20 ネットワーク
12 情報処理装置
22 デジタル複合機
24,100 制御部
26,128 BUSライン
32 スキャナ部
34 プリンタ部
35 画像処理部
36 操作パネル
38,118 NIC
39 電源制御部
40,122 CPU
42,124 ROM
44,126 RAM
46,112 HDD
48 画像メモリ
50 印字部
52 外部電源
114 操作部
116 表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザにより指定された画像データに基づく画像を印刷する印刷手段と、前記画像データに基づく画像を表示する表示手段とを含む画像形成装置であって、
前記画像データの印刷ページ数が2ページ以上になるか否かを判定するページ数判定手段と、
前記ページ数判定手段によって、前記画像データの印刷ページ数が2ページ以上になると判定された場合に、前記表示手段に対し、前記画像データに基づく画像の印刷を行なうか否かをユーザに判断させるための確認画像を表示させる表示制御手段と、
前記ユーザによる前記画像データに基づく画像の印刷を行なうか否かの判断を受付ける受付手段と、
前記受付手段が受付けた前記判断に基づいて、前記印刷手段に対し、前記画像データに基づく画像の印刷を行なわせる印刷制御手段と、を含む、画像形成装置。
【請求項2】
前記画像データの1ページ目を除いた印刷ページの中に、予め定めるしきい値以下の大きさの印刷領域を有する印刷ページがあるか否かを判定する印刷領域判定手段をさらに含み、
前記表示制御手段は、前記ページ数判定手段によって、前記画像データの印刷ページ数が2ページ以上になると判定された場合であって、かつ、前記印刷領域判定手段によって、前記画像データの1ページ目を除いた印刷ページの中に、予め定めるしきい値以下の大きさの印刷領域を有する印刷ページがあると判定された場合に、前記表示手段に対し、前記確認画像を表示させる、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記印刷領域判定手段は、前記画像データがページ記述言語に変換されたPDLデータである場合に、前記画像データの1ページ目を除いた印刷ページの中に、予め定めるしきい値以下のオブジェクト数を有する印刷ページがあるか否かを判定することで、予め定めるしきい値以下の大きさの印刷領域を有する印刷ページがあるか否かを判定する、請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記印刷領域判定手段は、前記画像データがビットマップ形式に変換されたGDIデータである場合に、前記画像データの1ページ目を除いた印刷ページの中に、予め定めるしきい値以下のドット数を有する印刷ページがあるか否かを判定することで、予め定めるしきい値以下の大きさの印刷領域を有する印刷ページがあるか否かを判定する、請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記画像データが、予め定める所定のアプリケーションソフトによって編集された画像データであるか否かを判定するアプリケーション判定手段をさらに含み、
前記表示制御手段は、前記ページ数判定手段によって、前記画像データの印刷ページ数が2ページ以上になると判定され、かつ、前記印刷領域判定手段によって、前記画像データの1ページ目を除いた印刷ページの中に、予め定めるしきい値以下の大きさの印刷領域を有する印刷ページがあると判定され、かつ、前記アプリケーション判定手段によって、前記画像データが、予め定める所定のアプリケーションソフトによって編集された画像データであると判定された場合に、前記表示手段に対し、前記確認画像を表示させる、請求項2〜請求項4のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記予め定める所定のアプリケーションソフトによって編集された前記画像データに基づく画像は、前記印刷手段によって印刷された場合と、前記表示手段によって表示された場合とで異なる、請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記表示制御手段は、前記表示手段に対し、前記確認画像として、前記画像データの印刷ページ数と、前記画像データに基づく画像の印刷を行なうか否かをユーザに判断させるための確認メッセージとを含むダイアログボックスを表示させる、請求項1〜請求項6のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記印刷手段は、前記受付手段が、前記ユーザによる前記画像データに基づく画像の印刷を行なう旨の判断を受付けた場合に、前記画像データに基づく画像の印刷を行なう、請求項1〜請求項7のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【請求項9】
コンピュータを、ユーザにより指定された画像データに基づく画像を印刷する印刷手段と、前記画像データに基づく画像を表示する表示手段とを含む画像形成装置として機能させるプリンタドライバプログラムであって、
当該コンピュータを、
前記画像データの印刷ページ数が2ページ以上になるか否かを判定するページ数判定手段と、
前記ページ数判定手段によって、前記画像データの印刷ページ数が2ページ以上になると判定された場合に、前記表示手段に対し、前記画像データに基づく画像の印刷を行なうか否かをユーザに判断させるための確認画像を表示させる表示制御手段と、
前記ユーザによる前記画像データに基づく画像の印刷を行なうか否かの判断を受付ける受付手段と、
前記受付手段が受付けた前記判断に基づいて、前記印刷手段に対し、前記画像データに基づく画像の印刷を行なわせる印刷制御手段として機能させる、プリンタドライバプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−191805(P2010−191805A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−36881(P2009−36881)
【出願日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】