説明

画像形成装置及び現像バイアス電圧制御方法

【課題】現像ローラーに印加する現像バイアス電圧の調整の簡単にすること。
【解決手段】リーク検知部101がリーク発生を検知すると、リーク発生時間計測部102は、リーク発生時間を計測する。現像バイアス電圧制御部103は、計測されたリーク発生時間から現像バイアス電圧の下げ幅を決定する。次に現像バイアス電圧制御部103は、リーク発生時間が予め定められた時間Tより短いとき、ピーク電圧又は直流電圧の何れか一方を変化させて上記の下げ幅分だけ現像バイアス電圧を下げる制御を行う。一方、リーク発生時間が予め定められた時間T以上であるとき、現像バイアス電圧制御部103はピーク電圧及び直流電圧の両方を変化させて上記の下げ幅分だけ現像バイアス電圧を下げる制御を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式の画像形成装置及びこのような画像形成装置における現像バイアス電圧制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式を利用した、コピー機、プリンター、ファクシミリ等の画像形成装置は、像担持体(例えば、感光体ドラムや転写ベルト)と、画像データに基づいた光を出射して像担持体に静電潜像を形成する露光装置と、像担持体に形成された静電潜像に現像剤(トナー)を供給して該静電潜像を顕像化する現像装置を備えている。
【0003】
このような現像装置では、現像ローラーに印加される現像バイアス電圧を高くすると、トナー像の形成に必要な量のトナーを像担持体に供給することが容易となる一方で、現像バイアス電圧のピーク値と像担持体の表面電位との間の電位差が大きくなって、像担持体と現像ローラーとの間でリーク(気中放電)が発生しやすくなる。リークが発生すると、像担持体上にランダムな黒点(ノイズ)が発生する、所謂現像リークが発生し、良好な画質のトナー像が形成されない。更に、周辺機器の故障も招きやすくなる。
【0004】
逆に、リークを避けるために現像バイアス電圧を低くすると、トナー像の形成に必要な量のトナーが像担持体に供給されにくくなり、トナー像に濃度ムラが発生する。その結果、良好な画質のトナー像が形成されない。
【0005】
従って、現像ローラーには、リークが発生しないように現像バイアス電圧を設定する必要がある。従来より、像担持体と現像ローラーとの間のリークを防ぐ方法として、特許文献1〜5に記載されているように、電源からの異常出力の回数(即ち、リークの回数)をカウントして所定回数以上連続した場合に印字動作を停止する方法や、現像ローラーに印加する電圧を変化させてリークが生じる際の電圧を検出した後に現像バイアス電圧を設定する方法があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−126878号公報
【特許文献2】特開平07−287482号公報
【特許文献3】特開平6−348116号公報
【特許文献4】特開平7−287482号公報
【特許文献5】特開平6−148997号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上記の方法は、異常出力の回数が所定回数以上連続した場合に印字動作が停止するだけであって、印字を再開する場合にはユーザーが手動で現像バイアス電圧の調整をする等の対応が必要であった。また、現像ローラーに印加する電圧を変化させて最適な現像バイアス電圧を設定する方法は設定に時間と手間がかかってしまう。
【0008】
そこで、本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、現像ローラーに印加する現像バイアス電圧の調整の簡単化を図った画像形成装置及び現像バイアス電圧制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載の発明の画像形成装置は、現像剤であるトナーを表面に担持して搬送する現像ローラーと、当該現像ローラーに現像バイアス電圧を印加する電圧印加部とを有する現像装置と、画像データに基づいた静電潜像が形成され、当該静電潜像が前記現像ローラーから供給されるトナーによって顕像化したトナー像を担持する像担持体と、前記現像ローラーと前記像担持体との間で発生する電圧リークを検出する検出手段と、前記検出手段の検出結果を用いて前記電圧リークが発生してから終了するまでのリーク発生時間を算出する算出手段と、前記算出手段が算出したリーク発生時間に比例して前記現像バイアス電圧の下げ幅を決定し、前記電圧印加部に対して前記現像バイアス電圧の値を前記下げ幅分低下させる制御を行う制御手段と、を備えている。
【0010】
また、請求項3に記載の発明の現像バイアス電圧制御方法は、現像剤であるトナーを表面に担持して搬送する現像ローラーと当該現像ローラーに現像バイアス電圧を印加する電圧印加部とを有する現像装置と、画像データに基づいた静電潜像が形成され、当該静電潜像が前記現像ローラーから供給されるトナーによって顕像化したトナー像を担持する像担持体と、を備えた画像形成装置の現像バイアス電圧制御方法であって、前記現像ローラーと前記像担持体との間で発生する電圧リークを検出する検出ステップと、前記検出ステップにおける検出結果を用いて前記電圧リークが発生してから終了するまでのリーク発生時間を算出する算出ステップと、前記算出ステップにて算出されたリーク発生時間に比例して前記現像バイアス電圧の下げ幅を決定する決定ステップと、前記電圧印加部が前記現像ローラーに印加する前記現像バイアス電圧の値を前記決定ステップにて決定された前記下げ幅分低下させる制御を行う制御ステップと、を含んだものである。
【0011】
従来、リークが発生したときは印字動作を停止させて手動で現像バイアス電圧を調整したり、現像バイアス電圧を変化させながらリークが発生する電圧値を検出して最適な現像バイアス電圧を設定したりしていたため、時間と手間がかかっていた。しかし、上記の発明によれば、リークが発生した場合、制御手段がリーク発生時間に比例して現像バイアス電圧の下げ幅を決定し、この下げ幅分だけ現像バイアス電圧の値を下げるため、リークが発生しないための最適な現像バイアス電圧の調整を簡単に行うことができる。
【0012】
ここで、制御手段が行う「前記算出手段が算出したリーク発生時間に比例して前記現像バイアス電圧の下げ幅を決定し、」とは、詳しくは、リーク発生時間の長さに比例して、現像バイアス電圧の下げ幅が大きくなるように制御手段が下げ幅を決定するということである。
【0013】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置であって、前記電圧印加部は、交流電圧と直流電圧を重畳させることによって現像バイアス電圧を生成し、当該現像バイアス電圧を前記現像ローラーに印加するものであり、前記制御手段は、前記リーク発生時間が予め定められた時間より短い場合は、前記交流電圧又は前記直流電圧の何れか一方の電圧値を下げ、前記予め定められた時間以上である場合は、前記交流電圧及び前記直流電圧の両方の電圧値を下げて前記現像バイアス電圧を下げる制御を行うものである。
【0014】
また、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の現像バイアス電圧制御方法であって、前記電圧印加部は、交流電圧と直流電圧を重畳させることによって現像バイアス電圧を生成し、当該現像バイアス電圧を前記現像ローラーに印加するものであり、前記制御ステップでは、前記リーク発生時間が予め定められた時間より短い場合は、前記交流電圧又は前記直流電圧の何れか一方の電圧値を下げ、前記予め定められた時間以上である場合は、前記交流電圧及び前記直流電圧の両方の電圧値を下げて前記現像バイアス電圧を下げる制御を行うものである。
【0015】
これらの発明によれば、リーク発生時間が予め定められた時間より短いときは、制御手段は交流電圧又は直流電圧の何れか一方のみを変化させて現像バイアス電圧を下げるため、現像バイアス電圧の調整を簡単、短時間で行うことができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、リークが発生した場合、制御手段がリーク発生時間に比例して現像バイアス電圧を下げるため、リークが発生しないための最適な現像バイアス電圧の調整を簡単に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】画像形成装置の機械的構成の一例を示す断面図。
【図2】現像装置の構成の概略を示す断面図。
【図3】現像バイアス電圧の電圧波形の一例を示す図。
【図4】気圧とリークが発生するときの現像バイアス電圧の関係を示す図。
【図5】現像バイアス電圧の調整方法の流れを示したフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明に係る画像形成装置の一実施の形態を図面に基づいて説明する。尚、本実施の形態では画像形成装置1としてプリンターを例に説明するが、電子写真方式のコピー機、ファクシミリ、またこれらの複数の機能を備えた複合機であってもよい。
【0019】
図1は、本実施の形態における画像形成装置1の機械的構成の一例を示す断面図である。画像形成装置1は、露光装置11、現像装置12、帯電器13、感光体ドラム14、転写ローラー15及び定着器16を備えて構成される。
【0020】
感光体ドラム14は、円筒状の部材であり、図略のモータからの駆動力を受けて、図1における時計回りの方向に回転する。帯電器13は、感光体ドラム14の表面を略一様に帯電する。露光装置11は、レーザダイオード等の光源を備え、帯電器13によって略一様に帯電された感光体ドラム14の表面に対して、画像データに応じた光を照射して、静電潜像を形成する。尚、画像データは、画像形成装置1に接続されたパーソナルコンピュータ等によって送信されたものを画像形成装置1が受信したものである。
【0021】
現像装置12は、トナーを収納するトナーコンテナを備え、静電潜像が形成された感光体ドラム14の表面にトナーを供給してトナー像を形成する。感光体ドラム14に形成されたトナー像が、後述する転写ローラー15によって、搬送路Pを搬送される用紙又は転写ベルト(図示省略)に転写される。
【0022】
感光体ドラム14と対向する位置には、転写ローラー15が配設されている。転写ローラー15は、導電性を有するゴム材料等で構成され、感光体ドラム14に形成されたトナー像を搬送路Pを搬送される用紙又は転写ベルトに転写する。
【0023】
定着器16は、ヒータ等を内蔵する定着ローラー160及び定着ローラー160と対向する位置に設けられた加圧ローラー161を備え、トナー像が形成された用紙を加熱搬送することにより、用紙に転写されたトナー像を定着させる。
【0024】
次に、画像形成装置1の画像形成動作について簡単に説明する。先ず、帯電器13により感光体ドラム14の表面が略均一に帯電される。そして、帯電された感光体ドラム14表面が、露光装置11により露光され、静電潜像が感光体ドラム14の表面に形成される。そして、現像装置12により感光体ドラム14の表面にトナーが供給されることによりこの静電潜像が顕像化してトナー像となり、転写ローラー15により感光体ドラム14の表面のトナー像が用紙に転写される。用紙に転写されたトナー像は、定着器16により固着される。
【0025】
図2は、現像装置12の構成の概略を示す断面図であり、図1に示した現像装置12の周辺部を拡大して示したものである。現像装置12は、現像ローラー72、磁気ローラー73、パドルミキサ74、攪拌ミキサ75、穂切りブレード76、仕切板77、及び電圧印加部80を備える。
【0026】
現像ローラー72は、表面にトナーを担持して搬送することにより、感光体ドラム14の表面に形成された静電潜像をトナー像として顕像化する。磁気ローラー73は、内部に配置された磁石によって2成分現像剤を吸着して磁気ブラシを発生させ、現像ローラー72にトナーを供給する。
【0027】
パドルミキサ74及び攪拌ミキサ75は、らせん状羽根を有し、互いに逆方向に2成分現像剤を搬送しながら攪拌してトナーを帯電させる。更に、パドルミキサ74は、帯電させたトナーとキャリアとを含む2成分現像剤を磁気ローラー73に供給する。穂切りブレード76は、磁気ローラー73上に形成された磁気ブラシの厚さを規制する。仕切板77は、パドルミキサ74と攪拌ミキサ75との間に設けられ、仕切板77の両端側より外側で、2成分現像剤が自由に通過できるようになっている。
【0028】
電圧印加部80は、現像ローラー72及び磁気ローラー73に現像バイアス電圧を印加する電源である。尚、現像バイアス電圧は後述する制御部100による制御に従って出力する。図3は、電圧印加部80が現像ローラー72に印加する電圧波形を示している。図3の波形は、周波数3[kHz]、正デューティー30%、ピーク電圧1.6[kV]の交流電圧に200[V]の直流電圧を重畳することによってシフトさせてものである。
【0029】
また、図4は、気圧と、感光体ドラム14と現像ローラー72の間でリークが発生するときの現像バイアス電圧の関係を示したものであり、感光体ドラム14と現像ローラー72の周面同士の距離がt=0.3[mm]のときのものである。図4によると、例えば、760[mmHg]の平地では放電電圧(リークが発生し始める電圧)が約1.82[kV]であるのに対し、700[mmHg]の地域では約1.7[kV]となっている。つまり、平地ではピーク電圧が1.82[kV]を超えるとリークが発生しやすいが、標高の高い(気圧の低い)地域では、ピーク電圧が1.7[kV]を超えるとリークが発生しやすくなる。従って、平地等の標高が低い地域で現像バイアス電圧を設定した後に、標高が高い(気圧が低い)地域で同じ画像形成装置を使用すると、リークが発生しやすくなり、現像バイアス電圧を設定し直す必要があった。
【0030】
また、画像形成装置の稼働初期にはリークが発生しなくても、稼働時間が長くなると負荷変動が大きくなり、僅かな気圧変化等でリークが発生してトナー像の乱れを引き起こす場合がある。このようなリーク発生を防ぐためには現像バイアス電圧を調整する必要があるが、従来は印字動作を停止させて手動で現像バイアス電圧を調整したり、現像バイアス電圧を変化させながらリークが発生する電圧値を検出して最適な現像バイアス電圧を設定したりしていたため、時間と手間がかかっていた。
【0031】
そこで、本実施の形態における画像形成装置1は、リークが発生しない最適な現像バイアス電圧の設定の簡単化を図った。以下、現像バイアス電圧の設定方法について詳しく説明する。
【0032】
制御部100は、CPU(Central Processing Unit:中央処理装置)やROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等からなり、画像形成装置1の動作全般を制御するものであり、リーク検知部101、リーク発生時間計測部102及び現像バイアス電圧制御部103を有する。リーク検知部101は、感光体ドラム14と現像ローラー72との間に流れた過電流を検出することによって、リーク発生を検知する。リーク発生時間計測部102は、リーク検知部101の検知結果を用いて、リークを検知した時から検知を終了するまでの時間、即ち、リークが発生している間の時間(リーク発生時間)を計測する。
【0033】
現像バイアス電圧制御部103は、リーク発生時間に基づいて現像バイアス電圧の下げ幅を決定し、現像バイアス電圧を調整する。リークが発生すると現像バイアス電圧を低く変更する必要があるが、リーク発生時間が長い場合は、短い場合に比べて現像バイアス電圧をより低く設定する必要がある。言い換えると、リーク発生時間が短いにもかかわらず、リーク発生時間が長いときに採用していた現像バイアス電圧の下げ幅を用いて調整すると、現像バイアス電圧の最適値から大きく離れ、画質悪化の原因となる。従って、現像バイアス電圧制御部103は、リーク発生時間計測部102が計測したリーク発生時間に比例して現像バイアス電圧の下げ幅を決定する。
【0034】
図5を用いて具体的に説明する。図5は、リークが発生したときの現像バイアス電圧の調整方法の流れを示したフローチャートである。リーク検知部101がリーク発生を検知すると(ステップS11)、リーク発生時間計測部102は時間計測を開始する(ステップS12)。そしてリーク検知部101がリークを検知しなくなると(ステップS13;YES)、リーク発生時間計測部102は時間計測を終了し(ステップS14)、現像バイアス電圧制御部103は、リーク発生時間から現像バイアス電圧の下げ幅を決定する(ステップS15)。
【0035】
現像バイアス電圧制御部103は、リーク発生時間に対する現像バイアス電圧の最適な下げ幅を示したテーブルや計算式等を予め記憶しており、このテーブルや計算式に従って現像バイアス電圧の下げ幅を決定する。現像バイアス電圧の下げ幅の具体例としては、リーク発生時間が1[ms]の時、下げ幅50[Vpp]、リーク発生時間が50[ms]の時、下げ幅100[Vpp]、リーク発生時間が100[ms]の時、下げ幅200[Vpp]となる。これらの数値は、設計者が装置設計時に実験等を行って決定する。
【0036】
次に現像バイアス電圧制御部103は、リーク発生時間が予め定められた時間Tより短いとき(ステップS16;YES)、ピーク電圧又は直流電圧の何れか一方を変化させてステップS15で決定した下げ幅分だけ現像バイアス電圧を下げる制御を行う(ステップS17)。一方、リーク発生時間が予め定められた時間T以上であるとき(ステップS16;NO)、現像バイアス電圧制御部103はピーク電圧及び直流電圧の両方を変化させて上記の下げ幅分だけ現像バイアス電圧を下げる制御を行う(ステップS18)。
【0037】
この時間Tは、リークの発生をピーク電圧又は直流電圧の何れか一方を下げることによって回避可能であるか、或いはピーク電圧及び直流電圧の両方を下げなければ回避できないか否かを分ける閾値的なものである。リーク発生時間が時間Tより短いときは、現像バイアス電圧制御部103はピーク電圧又は直流電圧の何れか一方のみを変化させて現像バイアス電圧を下げればよいため、現像バイアス電圧の調整を簡単、短時間で行うことができる。この時間Tも、設計者が装置設計時に実験等を行って決定する。
【0038】
以上、説明したように、現像バイアス電圧制御部103はリーク発生時間計測部102が計測したリーク発生時間に比例して現像バイアス電圧の下げ幅を決定して電圧値の調整を行うことで、リークが発生しないための現像バイアス電圧の調整を簡単に行うことができる。更に、リーク発生時間が予め定められた時間Tより短いときは、現像バイアス電圧制御部103はピーク電圧又は直流電圧の何れか一方のみを変化させて現像バイアス電圧を下げることによって、現像バイアス電圧の調整を簡単、短時間で行うことができる。
【符号の説明】
【0039】
1 画像形成装置
12 現像装置
14 感光体ドラム(像担持体)
72 現像ローラー
80 電圧印加部
100 制御部
101 リーク検知部(検出手段)
102 リーク発生時間計測部(算出手段)
103 現像バイアス電圧制御部(制御手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現像剤であるトナーを表面に担持して搬送する現像ローラーと、当該現像ローラーに現像バイアス電圧を印加する電圧印加部とを有する現像装置と、
画像データに基づいた静電潜像が形成され、当該静電潜像が前記現像ローラーから供給されるトナーによって顕像化したトナー像を担持する像担持体と、
前記現像ローラーと前記像担持体との間で発生する電圧リークを検出する検出手段と、
前記検出手段の検出結果を用いて前記電圧リークが発生してから終了するまでのリーク発生時間を算出する算出手段と、
前記算出手段が算出したリーク発生時間に比例して前記現像バイアス電圧の下げ幅を決定し、前記電圧印加部に対して前記現像バイアス電圧の値を前記下げ幅分低下させる制御を行う制御手段と、
を備えた画像形成装置。
【請求項2】
前記電圧印加部は、交流電圧と直流電圧を重畳させることによって現像バイアス電圧を生成し、当該現像バイアス電圧を前記現像ローラーに印加するものであり、
前記制御手段は、前記リーク発生時間が予め定められた時間より短い場合は、前記交流電圧又は前記直流電圧の何れか一方の電圧値を下げ、前記予め定められた時間以上である場合は、前記交流電圧及び前記直流電圧の両方の電圧値を下げて前記現像バイアス電圧を下げる制御を行うものである請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
現像剤であるトナーを表面に担持して搬送する現像ローラーと当該現像ローラーに現像バイアス電圧を印加する電圧印加部とを有する現像装置と、画像データに基づいた静電潜像が形成され、当該静電潜像が前記現像ローラーから供給されるトナーによって顕像化したトナー像を担持する像担持体と、を備えた画像形成装置の現像バイアス電圧制御方法であって、
前記現像ローラーと前記像担持体との間で発生する電圧リークを検出する検出ステップと、
前記検出ステップにおける検出結果を用いて前記電圧リークが発生してから終了するまでのリーク発生時間を算出する算出ステップと、
前記算出ステップにて算出されたリーク発生時間に比例して前記現像バイアス電圧の下げ幅を決定する決定ステップと、
前記電圧印加部が前記現像ローラーに印加する前記現像バイアス電圧の値を前記決定ステップにて決定された前記下げ幅分低下させる制御を行う制御ステップと、
を含んだ現像バイアス電圧制御方法。
【請求項4】
前記電圧印加部は、交流電圧と直流電圧を重畳させることによって現像バイアス電圧を生成し、当該現像バイアス電圧を前記現像ローラーに印加するものであり、
前記制御ステップでは、前記リーク発生時間が予め定められた時間より短い場合は、前記交流電圧又は前記直流電圧の何れか一方の電圧値を下げ、前記予め定められた時間以上である場合は、前記交流電圧及び前記直流電圧の両方の電圧値を下げて前記現像バイアス電圧を下げる制御を行う請求項3に記載の現像バイアス電圧制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−211997(P2012−211997A)
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−77279(P2011−77279)
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(000006150)京セラドキュメントソリューションズ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】