説明

画像形成装置及び用紙搬送装置

【課題】用紙のスイッチバック時にループを作成しても、ローラ対の回転によって用紙が捲れてしまうことを抑制することができる用紙搬送装置及び画像形成装置を提供する。
【解決手段】用紙搬送装置70は、正逆回転ローラ74A,74Bと、用紙ガイド部75と、用紙停止ローラとを有する。用紙ガイド部75は、正逆回転ローラ74A,74Bのスイッチバック前の搬送方向下流に配置されており、用紙の搬送路を形成するとともに、搬送路の用紙の進入高さを変更可能に構成される。用紙停止ローラは、用紙ガイド部75のスイッチバック前の搬送方向下流に配置されており、スイッチバック前に用紙Sを停止させて、用紙ガイド部75との間で用紙SにループSrを作成する。そして、用紙ガイド部75は、搬送路78の用紙の進入高さを、用紙Sが搬送路78に進入する前よりも進入後の方が狭くなるように変更する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、用紙の搬送方向を逆転するスイッチバックを行う用紙搬送装置及びこの用紙搬送装置を備える画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置は、用紙に画像を形成する画像形成部と、用紙を搬送する用紙搬送装置を備えている。用紙搬送装置によって搬送された用紙は、搬送過程で斜行(以下、「紙曲がり」という。)が発生することがある。特に、用紙の両面に画像を形成する場合において、用紙を裏返しするときに紙曲がりが発生すると、表面にすでに形成された画像と、その後裏面に形成される画像との位置が合わなくなる。
【0003】
この対策として、搬送中の用紙にループを作成して、紙のコシを利用して紙曲がりを矯正する技術が提案されている。搬送中の用紙にループを作成する用紙搬送装置は、例えば、特許文献1に記載されている。
【0004】
特許文献1に記載された用紙搬送装置は、用紙のスイッチバック時に、ローラ対への用紙端部の突き当て動作と、用紙の搬送方向の切換動作とを1回の用紙停止動作で行う。その際、生産性を確保するために、用紙端部をローラ対のニップ部に突き当て用紙にループを作成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−341958号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載された用紙搬送装置では、ローラ対を回転させるモータの特性上、ローラ対の停止までに所定の時間(例えば、20msec)を要するため、ループを作成した状態でローラ対が空転する。そのため、用紙端部が空転するローラ対によって捲れて折れてしまうことがある。
【0007】
本発明の目的は、上記従来技術における実情を考慮し、用紙のスイッチバック時にループを作成しても、ローラ対の回転によって用紙が捲れてしまうことを抑制することができる画像形成装置及び用紙搬送装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決し、本発明の目的を達成するため、本発明の画像形成装置は、用紙に画像を形成する画像形成部と、用紙を搬送する用紙搬送装置とを備える。この用紙搬送装置は、ローラ対と、用紙ガイド部と、用紙停止部とを有する。
ローラ対は、正逆回転が可能であって、用紙の搬送方向を逆転するスイッチバックを行う。
用紙ガイド部は、ローラ対のスイッチバック前の搬送方向下流に配置されており、用紙の搬送路を形成するとともに、搬送路の用紙の進入高さを変更可能に構成される。
用紙停止部は、用紙ガイド部のスイッチバック前の搬送方向下流に配置されており、スイッチバック前に用紙を停止させて、用紙ガイド部との間で用紙にループを作成する。
そして、用紙ガイド部は、搬送路の用紙の進入高さを、用紙が搬送路に進入する前よりも進入後の方が狭くなるように変更する。
【0009】
上記構成の画像形成装置及び用紙搬送装置では、ローラ対が正回転することで、用紙が用紙ガイド部により形成された搬送路を通過し、用紙停止部へ搬送される。その後、用紙停止部によって用紙を停止させると、用紙の後端側がローラ対により搬送されているため、用紙にループが作成される。そして、用紙の後端がローラ対(ニップ部)を通過すると、用紙のコシにより用紙の後端がローラ対に突き当てられ、用紙の紙曲がりが矯正される。
【0010】
一方、用紙ガイド部は、用紙が搬送路に進入後の搬送路の用紙の進入高さを、用紙が搬送路に進入する前よりも狭くする。これにより、用紙の後端がローラ対に突き当てられるときに、用紙の表裏面に交差する方向への移動を用紙ガイド部で規制することができる。その結果、ローラ対の回転によって用紙の後端が捲れることを抑制することができる。
【発明の効果】
【0011】
上記構成の画像形成装置及び用紙搬送装置によれば、用紙のスイッチバック時にループを作成しても、ローラ対の回転によって用紙が捲れてしまうことを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の画像形成装置の一実施形態を示す全体構成図である。
【図2】本発明の用紙搬送装置の第1の実施の形態を示す構成図である。
【図3】本発明の用紙搬送装置の第1の実施の形態の動作を説明する説明図である。
【図4】本発明の用紙搬送装置の第2の実施の形態の動作を説明する説明図である。
【図5】本発明の用紙搬送装置の第1の処理例を示すフローチャートである。
【図6】本発明の用紙搬送装置の第2の処理例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、用紙搬送装置及び画像形成装置を実施するための形態について、図1〜図6を参照して説明する。各図において共通の部材には、同一の符号を付している。なお、本欄の記載は、特許請求の範囲に記載される技術的範囲や用語の意義を限定するものではない。
【0014】
1.画像形成装置の構成例
まず、画像形成装置の構成例について、図1を参照して説明する。
図1は、本発明の画像形成装置の一実施形態を示す全体構成図である。
【0015】
図1に示す画像形成装置1は、タンデム型カラー画像形成装置であり、イエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の4色のトナーを重ね合わせてカラー画像の形成を行う。
【0016】
画像形成装置1は、画像読取部10と、4組の画像形成部20Y,20M,20C,20Kと、中間転写ベルト30と、用紙収納部40と、2次転写部50と、定着部60と、用紙のスイッチバックを行う用紙搬送装置70とを有する。また、画像形成装置1は、操作表示部80と、制御部90を有する。
【0017】
画像読取部10は、原稿台11に載置された原稿の画像を走査露光して、ラインイメージセンサで読み込む。そして、光電変換することにより画像情報信号を生成する。この画像情報信号は、画像処理部(不図示)に送信される。画像処理部は、画像情報信号に対してアナログ処理、A/D変換、シェーディング補正、画像圧縮処理等をして画像形成信号を生成する。この画像形成信号は、画像形成部20Y,20M,20C,20Kの後述する各光書込部23Y,23M,23C,23Kに入力される。
【0018】
画像形成部20Yは、イエロー(Y)色の画像を形成し、画像形成部20Mは、マゼンタ(M)色の画像を形成する。また、画像形成部20Cは、シアン(C)色の画像を形成し、画像形成部20Kは、ブラック(K)色の画像を形成する。
【0019】
画像形成部20Yは、感光体ドラム21Yと、その感光体ドラム21Yの周囲に配置された帯電部22Yと、光書込部23Yと、現像部24Yと、ドラムクリーナ25Yを有している。これと同様に、画像形成部20Mは、感光体ドラム21Mと、帯電部22Mと、光書込部23Mと、現像部24Mと、ドラムクリーナ25Mを有している。
【0020】
また、画像形成部20Cは、感光体ドラム21Cと、帯電部22Cと、光書込部23Cと、現像部24Cと、ドラムクリーナ25Cを有している。そして、画像形成部20Kは、感光体ドラム21Kと、帯電部22Kと、光書込部23Kと、現像部24Kと、ドラムクリーナ25Kを有している。
【0021】
感光体ドラム21Y,21M,21C,21K、帯電部22Y,22M,22C,22K、光書込部23Y,23M,23C,23K、現像部24Y、24M、24C、24K及びドラムクリーナ25Y,25M,25C,25Kは、それぞれ共通する機能を有する。以下、特に区別が必要な場合を除き符号Y、M、C、Kを付さずに説明する。
【0022】
感光体ドラム21は、不図示の駆動モータによって回転する。帯電部22は、感光体ドラム21に電荷を与え、感光体ドラム21の表面を一様に帯電する。光書込部23は、画像情報信号に基づいて、感光体ドラム21の表面に対して露光操作を行って、感光体ドラム21上に静電潜像を形成する。
【0023】
現像部24は、感光体ドラム21に形成された静電潜像にトナーを付着させる。これにより、感光体ドラム21の表面には、トナー像が形成される。ドラムクリーナ25は、感光体ドラム21の表面に残留しているトナーを除去する。
【0024】
感光体ドラム21上に付着したトナーは、転写材の一例を示す中間転写ベルト30に転写される。中間転写ベルト30は、無端状に形成されており、複数のローラによって感光体ドラム21の回転方向とは逆方向に回転される。
【0025】
中間転写ベルト30における各画像形成部20Y,20M,20C,20Kの感光体ドラム21Y,21M,21C,21Kと対向する位置には、1次転写部31Y,31M,31C,31Kが設けられている。1次転写部31Y,31M,31C,31Kは、中間転写ベルト30にトナーと反対の極性を印加させることで、感光体ドラム21上に形成されたトナー像を中間転写ベルト30に転写する。
【0026】
そして、中間転写ベルト30が回転することで、中間転写ベルト30の表面には、4組の画像形成部20Y,20M,20C,20Kで形成されたトナー像が順次転写される。これにより、中間転写ベルト30上には、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)の各トナー像が重畳したカラー画像が形成される。
【0027】
用紙収納部40は、装置本体の下部に配置されており、用紙Sのサイズに応じて複数設けられている。この用紙Sは、給紙部41により給紙されて搬送部43に送られ、レジストローラ44を経て転写位置である2次転写部50に搬送される。
【0028】
2次転写部50は、ローラ状に形成されており、レジストローラ44を経て送られてきた用紙Sを中間転写ベルト30側に押圧する。これにより、用紙S上には、中間転写ベルト30上のカラー画像が転写される。
【0029】
2次転写部50における用紙Sの排出側には、定着部60が設けられている。定着部60は、用紙Sに転写されたトナー像を加圧加熱して定着させる。トナー像が定着した用紙Sは、定着搬送ローラ46及び排紙ローラ47を経て装置外に排出される。
【0030】
定着搬送ローラ46の搬送方向下流には、切換ゲート48が配置されている。切換ゲート48は、定着搬送ローラ46を通過した用紙Sの搬送方向を切り換える。
【0031】
すなわち、片面画像形成におけるフェイスアップ排紙を行う場合に、切換ゲート48は、用紙Sを直進させる。これにより、用紙Sは、排紙ローラ47によって排紙される。なお、フェイスアップ排紙とは、画像形成を行った面を表にする排紙(表排紙)のことである。
【0032】
また、片面画像形成におけるフェイスダウン排紙又は両面画像形成を行う場合に、切換ゲート48は、用紙Sを用紙搬送装置70へ案内する。なお、フェイスダウン排紙とは、画像形成を行った面を裏にする排紙(裏排紙)のことである。
用紙搬送装置70は、用紙Sの搬送方向を逆転するスイッチバックを行って、用紙Sの表裏を反転させる。この用紙搬送装置70については、後で詳しく説明する。
【0033】
フェイスダウン排紙を行う場合は、用紙搬送装置70によって表裏が反転された用紙Sを、切換ゲート48へ案内し、排紙ローラ47によって排紙する。また、両面画像形成を行う場合は、用紙搬送装置70によって表裏が反転された用紙Sを転写位置に送る。
【0034】
操作表示部80は、タッチパネル等を有しており、ユーザが画像形成装置1を動作させるためのジョブ情報を入力する入力部として機能する。この操作表示部80では、例えば、用紙のサイズの選択、用紙の枚数の選択、片面画像形成又は両面画像形成の選択等をジョブ情報として入力することができる。操作表示部80で入力されたジョブ情報は、制御部90に送信される。
【0035】
また、操作表示部80は、スタートボタンを有している。ユーザが操作表示部80によりジョブ情報を入力してスタートボタンを押圧することにより、画像形成装置1は、入力されたジョブ情報に基づいた動作を開始する。制御部90は、受信したジョブ情報に基づいて画像形成装置1の画像形成動作を制御する。
【0036】
2.用紙搬送装置の第1の実施の形態
次に、用紙搬送装置の第1の実施の形態である用紙搬送装置70の構成例について、図2を参照して説明する。
図2は、用紙搬送装置70の構成図である。
【0037】
図2に示すように、用紙搬送装置70は、用紙反転経路71と、再給紙路72と、切換ゲート73と、ローラ対である正逆回転ローラ74A,74Bと、用紙ガイド部75と、用紙停止部である用紙停止ローラ76A,76Bとを備えている。
【0038】
用紙反転経路71は、切換ゲート48(図1参照)と切換ゲート73との間に設けられており、フェイスダウン排紙又は両面画像形成を行う場合に用紙Sを案内する。また、再給紙路72は、切換ゲート73と搬送部43(図1参照)との間に設けられており、両面画像形成を行う場合に用紙Sを案内する。
【0039】
切換ゲート73は、用紙Sの搬送路を切り換える。すなわち、切換ゲート73は、用紙Sが用紙反転経路71に案内される場合(スイッチバック前)に、用紙Sを正逆回転ローラ74A,74Bへ導く。また、スイッチバック後は、用紙Sを再給紙路72へ導く。この切換ゲート73は、用紙ガイド部75に連動して動作させてもよい。これにより、両者の駆動源を統一することができ、装置の小型化及びコストの低減を図ることができる。
【0040】
正逆回転ローラ74A,74Bは、切換ゲート73のスイッチバック前の搬送方向下流に配置されている。これら正逆回転ローラ74A,74Bは、ニップ部74cで用紙Sを挟持する。
また、正逆回転ローラ74A,74Bは、回転軸74a,74bを中心に正逆回転可能であって、回転方向の正逆を切換可能に構成されている。この正逆回転ローラ74A,74Bは、互いに反対方向に回転することにより、用紙Sの搬送を行う。そして、用紙Sの搬送方向を逆転するスイッチバックを行う。
【0041】
スイッチバックを行う前の正逆回転ローラ74A,74Bは、それぞれの正回転方向R1へ回転する。これにより、用紙Sは、用紙停止ローラ76A,76B側へ搬送される。
そして、正逆回転ローラ74A,74Bは、スイッチバックを行う場合に、それぞれの逆回転方向R2へ回転する。これにより、用紙Sは、用紙反転経路71又は再給紙路72へ搬送される。
【0042】
一方のローラである正逆回転ローラ74Aは、少なくとも表面が金属部材によって形成されている。正逆回転ローラ74Aに使用する金属部材は、例えば、ステンレス、アルミニウム、チタン等の金属材料から形成することができる。本実施の形態に係る正逆回転ローラ74Aは、金属部材としてステンレスを適用しており、表面の用紙との動摩擦係数が0.1〜0.3程度に設定されている。
【0043】
また、他方のローラである正逆回転ローラ74Bは、少なくとも表面がゴム部材によって形成されている。正逆回転ローラ74Bに使用するゴム部材は、例えば、ウレタンゴム、ニトリルゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム等の各種ゴム材料から形成することができる。本実施の形態に係る正逆回転ローラ74Bは、ゴム部材としてウレタンゴムを適用しており、表面の用紙との動摩擦係数が0.8〜1.2程度に設定されている。
【0044】
つまり、正逆回転ローラ74Aの表面の動摩擦係数は、正逆回転ローラ74Bの表面の動摩擦係数よりも低く設定されている。
【0045】
用紙ガイド部75は、正逆回転ローラ74A,74Bのスイッチバック前の搬送方向下流に配置されている。この用紙ガイド部75は、用紙Sの表裏面に対向する2枚のガイド板77A,77Bを有している。これらガイド板77A,77Bは、用紙Sが通過する搬送路78を形成する。
【0046】
ガイド板77Aは、正逆回転ローラ74A側に配置され、ガイド板77Bは、正逆回転ローラ74B側に配置されている。これらガイド板77A,77Bは、回動軸77a,77bを中心に回動可能に構成されており、搬送路78の大きさ(用紙の進入高さ)を変更する。
【0047】
正逆回転ローラ74A,74Bを通過した用紙Sの先端が搬送路78に進入する前のガイド板77A,77Bは、正逆回転ローラ74A,74B側に向かうにつれて搬送路78が連続的に大きくなるように傾斜する。これにより、正逆回転ローラ74A,74Bを通過した用紙Sの先端を搬送路78へ容易に進入させることができ、用紙Sを用紙停止ローラ76A,76B側へ確実に案内することができる。
【0048】
用紙停止ローラ76A,76Bは、用紙ガイド部75のスイッチバック前の搬送方向下流に配置されている。用紙停止ローラ76A,76Bは、ニップ部76cで用紙Sを挟持する。また、用紙停止ローラ76A,76Bは、回転軸76a,76bを中心に正逆回転可能に構成されており、正逆回転ローラ74A,74Bと共に用紙Sの搬送方向を逆転するスイッチバックを行う。
【0049】
用紙停止ローラ76A,76Bは、回転を停止することで用紙Sを停止させる。そのため、用紙停止ローラ76A,76Bの少なくとも一方の表面は、用紙Sを停止可能な摩擦係数に設定されている。このような摩擦係数を満たすには、用紙停止ローラ76A,76Bの少なくとも一方の表面を用紙との動摩擦係数が0.8〜1.2程度のゴム部材によって形成するとよい。
【0050】
用紙停止ローラ76A,76Bと用紙ガイド部75との間には、用紙Sを案内する搬送ガイド79が設けられている。この搬送ガイド79には、用紙Sにループを作成する場合にその用紙Sとの干渉を避けるための開口部79aが設けられている。用紙Sにループを作成すると、そのループ部分は、開口部79aから突出する。
【0051】
また、用紙搬送装置70には、用紙Sの位置を検出するために複数のセンサ(不図示)が設けられている。これら複数のセンサは、例えば、ニップ部74c,76cの近傍や、搬送路78における正逆回転ローラ74A,74B側の開口部等に配置され、用紙Sの先端及び後端の通過を検出する。このようなセンサとしては、例えば、フォトセンサを適用することができる。
【0052】
3.用紙搬送装置の第1の実施の形態の動作
次に、用紙搬送装置70の動作について、図3を参照して説明する。
図3Aは、用紙反転経路71に案内された用紙Sが正逆回転ローラ74A,74Bを通過している状態を示す説明図である。図3Bは、スイッチバックを行う直前の状態を示す説明図である。
【0053】
図3Aに示すように、用紙搬送装置70によって用紙Sのスイッチバックを行う場合は、用紙Sが用紙反転経路71に案内されて正逆回転ローラ74A,74Bへ向かう。このとき、用紙反転経路71の正逆回転ローラ74A,74B側は、切換ゲート73によって開放されている。
【0054】
正逆回転ローラ74A,74Bは、ニップ部74cによって用紙Sを挟持して、正回転方向R1へ回転する。これにより、用紙Sは、用紙ガイド部75、搬送ガイド79に案内され、用紙停止ローラ76A,76B(図2参照)へ搬送される。
【0055】
このとき、用紙ガイド部75のガイド板77A,77Bは、正逆回転ローラ74A,74B側に向かうにつれて搬送路78が連続的に大きくなるように傾斜している。このときのガイド板77A,77Bの位置を「引き込み時ポジション」とする(図3A参照)。
【0056】
引き込み時ポジションでは、搬送路78が正逆回転ローラ74A,74B側に向かうにつれて連続的に大きくなるように傾斜しているため、用紙Sの先端を搬送路78へ容易に進入させることができる。したがって、用紙Sを用紙停止ローラ76A,76B側へ確実に案内することができる。
【0057】
用紙停止ローラ76A,76B(図2参照)は、ニップ部74cによって用紙Sを挟持して、正回転方向R1へ回転する。そして、ニップ部76c近傍に設けられた不図示のセンサで用紙Sを検出してから所定の時間が経過すると、用紙停止ローラ76A,76Bは、正回転方向R1への回転を停止する。これにより、用紙Sの搬送が停止される。
【0058】
用紙停止ローラ76A,76Bが用紙Sの搬送を停止した状態で、正逆回転ローラ74A,74Bは、用紙Sを用紙停止ローラ76A,76Bへ送り続ける。その結果、用紙Sには、湾曲して盛り上がるループSrが作成される(図3B参照)。
【0059】
一方、用紙ガイド部75の2枚のガイド板77A,77Bは、回動軸77a,77bを中心に回動して、搬送路78の正逆回転ローラ74A,74B側を狭める。このとき、ガイド板77Aは、用紙Sの搬送方向と平行になり、ガイド板77Bは、用紙Sの搬送方向に対して傾斜する。このときのガイド板77A,77Bの位置を「引き込み終了ポジション」とする(図3B参照。)
【0060】
ガイド板77A,77Bの引き込み終了ポジションへの動作は、用紙Sの先端が搬送路78に進入した直後から、用紙Sの後端が正逆回転ローラ74A,74Bのニップ部74cを通過した(離れた)直後までの間であれば、どのタイミングで行ってもよい。
【0061】
用紙SにループSrを作成すると、用紙Sには、ループSrを元に戻そうとする力(紙のコシ)が生じる。そのため、用紙Sの後端は、正逆回転ローラ74A,74Bのニップ部74cを通過しても、正逆回転ローラ74A,74Bから離れない。
【0062】
そして、用紙Sの搬送方向に対して傾斜したガイド板77Bが用紙Sを押圧するため、用紙Sの後端が正逆回転ローラ74Aに突き当てられる(図3B参照)。その結果、用紙Sの後端が正逆回転ローラ74Aに倣って、正逆回転ローラ74Aの回転中心と略平行になるため、紙曲がりが矯正される。
【0063】
正逆回転ローラ74Aの表面の動摩擦係数は、正逆回転ローラ74Bの表面の動摩擦係数よりも低く、0.1〜0.3程度に設定されている。したがって、正逆回転ローラ74A,74Bが空転していても、用紙Sの後端が正逆回転ローラ74Aの回転によって変位することを抑制できる。その結果、用紙Sの後端に傷、捲れ、しわ等のダメージを生じさせないようにすることができる。
【0064】
なお、本実施の形態では、用紙ガイド部75のガイド板77Bにより用紙Sを押圧して、用紙Sの後端を正逆回転ローラ74Bに突き当てたが、用紙ガイド部75としては、少なくとも搬送路78を狭める構成であればよい。これにより、用紙Sの表裏面に交差する方向への移動を用紙ガイド部75で規制することができるため、正逆回転ローラ74A,74Bの回転によって用紙Sの後端が捲れることを抑制することができる。
【0065】
正逆回転ローラ74A,74Bが正回転方向R1への回転を停止した後、正逆回転ローラ74A,74B及び用紙停止ローラ76A,76B(図2参照)は、逆回転方向R2へ回転し、用紙Sのスイッチバックを行う。これにより、用紙Sの表裏が反転されると共に、用紙Sの先端と後端が逆になる。
【0066】
両面画像形成を行う場合には、切換ゲート73により、用紙反転経路71が閉じられており、再給紙路72の正逆回転ローラ74A,74B側が開放されている(図3B参照)。したがって、用紙Sは、再給紙路72に案内されて、転写位置に搬送される。
なお、切換ゲート73の動作は、スイッチバックを行う前の用紙Sの後端が用紙反転経路71を通過していれば、どのタイミングで行ってもよく、例えば、ガイド板77A,77Bの動作に連動させてもよい。
【0067】
一方、片面画像形成におけるフェイスダウン排紙を行う場合には、切換ゲート73により、再給紙路72が閉じられており、用紙反転経路71の正逆回転ローラ74A,74B側が開放されている(図2参照)。したがって、用紙Sは、用紙反転経路71に案内されて、排紙ローラ47によって排紙される。
【0068】
4.用紙搬送装置の第2の実施の形態
次に、用紙搬送装置の第2の実施の形態の構成例について、図4を参照して説明する。
図4Aは、用紙反転経路71に案内された用紙Sが正逆回転ローラ74A,74Bを通過している状態を示す説明図である。図4Bは、スイッチバックを行う直前の状態を示す説明図である。
【0069】
図4A及び図4Bに示す用紙搬送装置100は、第1の実施の形態の用紙搬送装置70と(図2参照)同様の構成を備えている。この用紙搬送装置100が用紙搬送装置70と異なるところは、用紙ガイド部105のみである。そのため、ここでは、用紙ガイド部105について説明する。
【0070】
用紙ガイド部105は、正逆回転ローラ74A,74Bのスイッチバック前の搬送方向下流に配置されている。この用紙ガイド部105は、用紙Sの表裏面に対向する2枚のガイド板107A,107Bを有している。これらガイド板107A,107Bは、用紙Sが通過する搬送路108を形成する。
【0071】
ガイド板107Aは、正逆回転ローラ74A側に配置されており、用紙Sの搬送方向と略平行な状態で固定されている。また、ガイド板107Bは、正逆回転ローラ74B側に配置されている。このガイド板107Bは、回動軸109を中心に回動可能に構成されており、搬送路108の大きさ(用紙の進入高さ)を変更する。
【0072】
正逆回転ローラ74A,74Bを通過した用紙Sの先端が搬送路108に進入する前のガイド板107Bは、ガイド板107Aと同様に、用紙Sの搬送方向と略平行な状態で停止している。このときのガイド板107A,107Bの位置を「引き込み時ポジション」とする(図4A参照。)
【0073】
このような用紙ガイド部105の動作は、用紙搬送装置70(図3参照)における用紙ガイド部75の動作と同様である。
すなわち、用紙ガイド部105のガイド板107Bは、回動軸109を中心に回動して、搬送路108の正逆回転ローラ74A,74B側を狭める。このときのガイド板107A,107Bの位置を「引き込み終了ポジション」とする(図4B参照)。
【0074】
ガイド板107Bの引き込み終了ポジションへの動作は、用紙Sの先端が搬送路108に進入した直後から、用紙Sの後端が正逆回転ローラ74A,74Bのニップ部74cを通過した(離れた)直後までの間であれば、どのタイミングで行ってもよい。
【0075】
第1の実施の形態で説明したように、用紙SにループSrを作成すると、用紙Sには、ループSrを元に戻そうとする力(紙のコシ)が生じる。そのため、用紙Sの後端は、正逆回転ローラ74A,74Bのニップ部74cを通過しても、正逆回転ローラ74A,74Bから離れない。
【0076】
そして、用紙Sの搬送方向に対して傾斜したガイド板107Bが用紙Sを押圧するため、用紙Sの後端が正逆回転ローラ74Aに突き当てられる(図4B参照)。これにより、用紙Sの後端は、正逆回転ローラ74Aに倣って、正逆回転ローラ74Aの回転軸方向と略平行になる。その結果、用紙Sの紙曲がりが矯正される。また、用紙Sの後端に傷、捲れ、しわ等のダメージを生じさせないようにすることができる。
【0077】
5.用紙搬送装置の第1の処理例
次に、用紙搬送装置70の第1の処理例について、図5を参照して説明する。なお、用紙搬送装置70の第1の処理例は、用紙搬送装置100にも適用できる。
図5は、用紙搬送装置70の第1の処理例を示すフローチャートである。
【0078】
用紙Sのスイッチバックが行われる場合に、制御部90(図1参照)は、まず、正逆回転ローラ74A,74B(図3参照)の正回転方向R1への回転を開始させる(ステップS1)。
これにより、用紙反転経路71に案内された用紙Sの先端が正逆回転ローラ74A,74Bのニップ部74cに到達する(ステップS2)。
【0079】
次に、制御部90は、不図示のセンサの検出結果に基づいて、用紙Sの先端が搬送路78に進入したか否かを判別する(ステップS3)。
用紙Sの先端が搬送路78に進入していない(NO)と判別したとき、制御部90は、用紙Sの先端が搬送路78に進入するまで待機する。
【0080】
ステップS3の処理において、用紙Sの先端が搬送路78に進入した(YES)と判別したとき、制御部90は、用紙ガイド部75のガイド板77A,77Bを動作させて、引き込み終了ポジションに配置する(ステップS4)。
【0081】
つまり、ガイド板77A,77Bは、用紙Sの先端が搬送路78に進入直後に動作して、引き込み終了ポジションに移動する。
なお、本実施の形態における用紙Sの先端が搬送路78に進入直後とは、用紙Sの先端が搬送路78に進入してから10msec以内とする。
【0082】
次に、制御部90は、不図示のセンサの検出結果に基づいて、用紙Sの後端がニップ部74cを通過したか否かを判別する(ステップS5)。
用紙Sの後端がニップ部74cを通過していない(NO)と判別したとき、制御部90は、用紙Sの後端がニップ部74cを通過するまで待機する。
【0083】
なお、制御部90は、ステップS4の処理とステップS5の処理に並行して、用紙停止ローラ76A,76Bを停止させる処理を行う。これにより、用紙SにループSr(図3B参照)が作成される。
【0084】
ステップS5の処理において、用紙Sの後端がニップ部74cを通過した(YES)と判別したとき、制御部90は、正逆回転ローラ74A,74Bを停止させる(ステップS6)。
【0085】
この際、制御部90が正逆回転ローラ74A,74Bを停止させる指令を出してから、正逆回転ローラ74A,74Bが実際に停止するまでに、正逆回転ローラ74A,74Bが空転する場合がある。しかし、ガイド板77Bによって用紙Sの後端が押圧されて正逆回転ローラ74Bに突き当てられるため、用紙Sの後端に傷、捲れ、しわ等のダメージが発生することを抑制或いは防止できる。
【0086】
次に、制御部90は、正逆回転ローラ74A,74Bを逆回転方向R2へ回転させる(ステップS7)。
これにより、用紙Sのスイッチバックが行われる。なお、制御部90は、正逆回転ローラ74A,74Bを逆回転方向R2へ回転させてから、用紙停止ローラ76A,76Bも逆回転方向R2へ回転させる。
【0087】
次に、制御部90は、正逆回転ローラ74A,74Bを逆回転方向R2へ回転させてから10msecが経過したか否かを判別する(ステップS8)。
正逆回転ローラ74A,74Bを逆回転方向R2へ回転させてから10msecが経過していない(NO)と判別したとき、制御部90は、10msecが経過するまで待機する。
【0088】
なお、本実施の形態では、待機する時間を10msecとしたが、この待機時間は、任意に設定することができる。但し、待機時間を10msec程度に設定すると、ガイド板77A,77Bの動作に多くの時間を費やすことが可能になり、動力源として電磁ソレノイド等の安価なアクチュエータを使用することができる。
待機時間は、作業の効率化の観点から短い方が好ましい。しかし、待機時間を10msecよりも短くすると、ソフトの処理時間によっては正逆回転ローラ74A,74Bの逆回転とガイド板77A,77Bの切換動作の順番が入れ替わる可能性がある。
【0089】
ステップS8の処理で正逆回転ローラ74A,74Bを逆回転方向R2へ回転させてから10msecが経過した(YES)と判別したとき、制御部90は、用紙ガイド部75のガイド板77A,77Bを動作させて、引き込み時ポジションに配置する(ステップS9)。
その後、スイッチバック後の用紙Sの後端が搬送路78を通過する(ステップS10)。
【0090】
第1の処理例では、用紙Sの先端が搬送路78に進入直後に、ガイド板77A,77Bの動作が開始される。そのため、正逆回転ローラ74A,74Bの停止時には、ガイド板77A,77Bの引き込み終了ポジションへの移動が完了する。したがって、正逆回転ローラ74A,74Bの停止動作から逆回転方向R2への回転動作へ迅速に移行可能となり、画像形成に係る処理の高生産性を実現することができる。
【0091】
6.用紙搬送装置の第2の処理例
次に、用紙搬送装置70の第2の処理例について、図6を参照して説明する。なお、用紙搬送装置70の第2の処理例は、用紙搬送装置100にも適用できる。
図6は、用紙搬送装置70の第2の処理例を示すフローチャートである。
【0092】
用紙Sのスイッチバックが行われる場合に、制御部90(図1参照)は、まず、正逆回転ローラ74A,74B(図3参照)の正回転方向R1への回転を開始させる(ステップS21)。
これにより、用紙反転経路71に案内された用紙Sの先端が正逆回転ローラ74A,74Bのニップ部74cに到達する(ステップS22)。
【0093】
次に、制御部90は、不図示のセンサの検出結果に基づいて、用紙Sの後端がニップ部74cを通過したか否か判別する(ステップS23)。
用紙Sの後端がニップ部74cを通過していない(NO)と判別したとき、制御部90は、用紙Sの後端がニップ部74cを通過するまで待機する。
【0094】
なお、制御部90は、ステップS2の処理とステップS3の処理とに並行して、用紙停止ローラ76A,76Bを停止させる処理を行う。これにより、用紙SにループSr(図3B参照)が作成される。
【0095】
ステップS23の処理において、用紙Sの後端がニップ部74cを通過した(YES)と判別したとき、制御部90は、用紙ガイド部75のガイド板77A,77Bを動作させて、引き込み終了ポジションに配置する(ステップS24)。
【0096】
つまり、ガイド板77A,77Bは、用紙Sの後端がニップ部74cを通過した(離れた)直後に動作して、引き込み終了ポジションに移動する。
なお、本実施の形態における用紙Sの後端がニップ部74cを通過した直後とは、用紙Sの後端がニップ部74cを通過してから10msec以内とする。
【0097】
次に、制御部90は、正逆回転ローラ74A,74Bを停止させる(ステップS25)。
【0098】
この際、制御部90が正逆回転ローラ74A,74Bを停止させる指令を出してから、正逆回転ローラ74A,74Bが実際に停止するまでに、正逆回転ローラ74A,74Bが空転する場合がある。しかし、ガイド板77Bによって用紙Sの後端が押圧されて正逆回転ローラ74Bに突き当てられるため、用紙Sの後端に傷、捲れ、しわ等のダメージの発生を抑えることができる。
【0099】
次に、制御部90は、正逆回転ローラ74A,74Bを逆回転方向R2へ回転させる(ステップS26)。
これにより、用紙Sのスイッチバックが行われる。なお、制御部90は、正逆回転ローラ74A,74Bを逆回転方向R2へ回転させてから、用紙停止ローラ76A,76Bも逆回転方向R2へ回転させる。
【0100】
次に、制御部90は、正逆回転ローラ74A,74Bを逆回転方向R2へ回転させてから10msecが経過したか否かを判別する(ステップS27)。
正逆回転ローラ74A,74Bを逆回転方向R2へ回転させてから10msecが経過していない(NO)と判別したとき、制御部90は、10msecが経過するまで待機する。
【0101】
なお、本実施の形態では、待機する時間を10msecとしたが、この待機時間は、任意に設定することができる。但し、待機時間を10msec程度に設定すると、ガイド板77A,77Bの動作に多くの時間を費やすことが可能になり、動力源として電磁ソレノイド等の安価なアクチュエータを使用することができる。
【0102】
ステップS27の処理で正逆回転ローラ74A,74Bを逆回転方向R2へ回転させてから10msecが経過した(YES)と判別したとき、制御部90は、用紙ガイド部75のガイド板77A,77Bを動作させて、引き込み時ポジションに配置する(ステップS28)。
その後、スイッチバック後の用紙Sの後端が搬送路78を通過する(ステップS29)。
【0103】
第2の処理例では、用紙Sの後端がニップ部74cを通過した直後に、ガイド板77A,77Bの動作が開始される。そのため、ガイド板77Bで用紙Sを押圧する時間を短くして、用紙Sに生じるストレスを減らすことができる。その結果、用紙Sの後端に傷、捲れ、しわ等のダメージの発生を第1の処理例よりも抑えることができる。
【0104】
上述した第1の処理例と第2の処理例は、用紙の種類に応じて選択してもよい。例えば、厚紙やコート紙などを用いる場合は、第2の処理例を行って、用紙Sへのダメージを減らす。また、普通紙を用いる場合は、第1の処理例を行って、生産性を高める。
【0105】
ここで、本実施の形態に係る普通紙、厚紙、コート紙を定義する。コート紙は、表面にコーティングが施されている用紙とする。また、厚紙は、厚さが200μm以上の用紙とする。普通紙は、厚さが200μmよりも薄く、表面にコーティングが施されていない用紙とする。
【0106】
以上、用紙搬送装置及び画像形成装置の実施の形態について、その作用効果も含めて説明した。しかしながら、本発明の用紙搬送装置及び画像形成装置は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形実施が可能である。
【0107】
上述した用紙搬送装置70では、用紙ガイド部75のガイド板77A,77Bを回動させて、搬送路78の大きさ(用紙の進入高さ)を変更した。しかしながら、本発明に係る用紙ガイド部としては、例えば、ガイド板77A,77Bを用紙Sの表裏面に直交する方向へ移動させて、搬送路78の大きさ(用紙の進入高さ)を変更してもよい。
【0108】
上述した用紙搬送装置70,100では、用紙停止部として用紙停止ローラ76A,76Bを適用した。しかしながら、本発明に係る用紙停止部としては、ローラ対に限定されるものではなく、例えば、用紙の先端が突き当たる平板部材であってもよい。
【0109】
また、上述した画像形成装置1は、4組の画像形成部20Y,20M,20C,20Kを用いてカラー画像を形成する構成としたが、本発明に係る画像形成装置としては、1つの画像形成部を用いて単色画像を形成する構成としてもよい。
【0110】
また、上述した画像形成装置1は、感光体に形成されたトナー像を転写させる転写材として中間転写ベルトを有し、中間転写ベルトから用紙に画像を2次転写させる構成とした。しかし、本発明に係る画像形成装置としては、感光体から用紙に直接トナー像を転写させる構成であってもよい。
【符号の説明】
【0111】
1…画像形成装置、10…画像読取部、11…原稿台、20Y,20M,20C,20K…画像形成部、21Y,21M,21C,21K…感光体ドラム、20Y,20M,22C,22K…帯電部、23Y,23M,23C,23K…光書込部、24Y,24M,24C,24K…現像部、25Y,25M,25C,25K…ドラムクリーナ、30…中間転写ベルト、31Y,31M,31C,31K…1次転写部、40…用紙収納部、50…2次転写部、60…定着部、70,100…用紙搬送装置、71…用紙反転経路、72…再給紙路、73…切換ゲート、74A,74B…正逆回転ローラ、74c…ニップ部、75,105…用紙ガイド部、76A,76B…用紙停止ローラ、76c…ニップ部、77A,77B,107A,107B…ガイド板、78,108…搬送路、79…搬送ガイド部、80…操作表示部、90…制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙に画像を形成する画像形成部と、
前記用紙を搬送する用紙搬送装置と、を備え、
前記用紙搬送装置は、
回転が正逆可能であって、用紙の搬送方向を逆転するスイッチバックを行うローラ対と、
前記ローラ対の前記スイッチバック前の搬送方向下流に配置されており、前記用紙の搬送路を形成するとともに、前記搬送路の用紙の進入高さを変更可能な用紙ガイド部と、
前記用紙ガイド部の前記スイッチバック前の搬送方向下流に配置されており、前記スイッチバック前に前記搬送路に進入した前記用紙を停止させて、前記用紙ガイド部との間で前記用紙にループを作成する用紙停止部と、を有し、
前記用紙ガイド部は、前記搬送路の用紙の進入高さを、前記用紙が前記搬送路に進入する前よりも進入後の方が狭くなるように変更する画像形成装置。
【請求項2】
前記ローラ対における一方のローラの表面の動摩擦係数は、他方のローラの表面の動摩擦係数よりも低く設定され、
前記用紙ガイド部は、前記搬送路を狭くするときに、前記搬送路に進入した用紙を押圧して前記スイッチバック前の前記用紙の後端を前記一方のローラの表面に接触させる請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記用紙ガイド部は、前記スイッチバック前の前記用紙の先端が前記搬送路に進入直後から、前記スイッチバック前の前記用紙の後端が前記ローラ対のニップを離れた直後までの間に前記搬送路の用紙の進入高さを狭くする変更動作を開始する請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記用紙ガイド部は、前記スイッチバック前の前記用紙の先端が前記搬送路に進入直後に前記変更動作を開始する請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記用紙ガイド部は、前記スイッチバック前の前記用紙の後端が前記ローラ対のニップを離れた直後に前記変更動作を開始する請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記用紙ガイド部の動作タイミングは、前記用紙の種類に応じて切り替えられる請求項1から5の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記用紙搬送装置は、前記ローラ対の前記スイッチバック前の搬送方向上流に配置され、前記用紙の搬送方向を切り替える切換ゲートを有し、
前記切換ゲートは、前記用紙ガイド部に連動して動作する請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記用紙ガイド部は、前記スイッチバック前に、前記搬送路の前記ローラ対側を前記用紙停止部側よりも広くする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項9】
回転が正逆可能であって、用紙の搬送方向を逆転するスイッチバックを行うローラ対と、
前記ローラ対の前記スイッチバック前の搬送方向下流に配置されており、前記用紙の搬送路を形成するとともに、前記搬送路の用紙の進入高さを変更可能な用紙ガイド部と、
前記用紙ガイド部の前記スイッチバック前の搬送方向下流に配置されており、前記スイッチバック前に前記搬送路に進入した前記用紙を停止させて、前記用紙ガイド部との間で前記用紙にループを作成する用紙停止部と、を有し、
前記用紙ガイド部は、前記搬送路の用紙の進入高さを、前記用紙が前記搬送路に進入する前よりも進入後の方が狭くなるように変更する用紙搬送装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−1536(P2013−1536A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−136248(P2011−136248)
【出願日】平成23年6月20日(2011.6.20)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】