説明

画像形成装置

【課題】プリンター部にスキャナー部が取り付ける可能となる画像形成装置において、専用の外装カバー等の部品を取り替えることなく、また、廃棄物を出すこともなく、プリンター部にスキャナー部を容易に取り付けることができる、画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置10は、プリンター部12と、プリンター部12に後付けで取り付け可能となるスキャナー部14とを有する。プリンター部12は、スキャナー部14と取り付けられる接続部位に凹形状部としてのたとえば溝部18を含む。スキャナー部14は、当該溝部18に嵌装される凸形状部42を含む。プリンター部12の溝部18には、溝部18を蓋うように、カバー部材50が着脱自在に取り付けられている。また、このプリンター部12にスキャナー部14を取り付ける場合、溝部18からカバー部材50が取り外され、取り外されたカバー部材50は、適宜、スキャナー部14および/またはプリンター部12に着脱自在に装着されるようになっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、プリンター、複写機、ファクシミリ装置およびそれらの機能を併せ持つ複合機等の画像形成装置に関し、特に、たとえばプリンター部にスキャナー部が取り付け可能となる、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スキャナー部をたとえば後付でプリンター部に取り付けることができる構造を備えた複写機等の画像形成装置において、プリンター部は、スキャナー部が取り付けられていない状態で、つまり、プリンター部単体で完成された状態で出荷される。そのため、プリンター部には、スキャナー部をプリンター部に取り付けるための取付け用の穴、突起等の取付け構造を有しないプリンター部専用の外装カバーが取り付けられていた。
そして、プリンター部にスキャナー部を取り付ける場合、プリンター部からプリンター部専用の外装カバーを取り外し、スキャナー部をプリンター部に取り付けるための取り付け用の穴、突起等の取り付け構造を有するスキャナー部専用の外装カバーに取り替えた後、スキャナー部をプリンター部に取り付けていた。
また、プリンター部にスキャナー部を取り付ける場合には、スキャナー部に独立した固定用脚部を設けて、プリンター部専用の外装カバーに影響のないようにスキャナー部をそれ単体でプリンター部に自立させる構造としていた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、プリンター部専用の外装カバーからスキャナー部専用の外装カバーに取り替えて、プリンター部にスキャナー部を取り付ける構造では、プリンター部専用の外装カバーが廃棄物となっていたため、損失が大きく、また、廃棄物が増加することは環境面、リサイクルや製品回収の面でも不具合が生じるものであった。
一方、プリンター部専用の外装カバーに影響のない状態で、固定用脚部を備えたスキャナー部をプリンター部に取り付けて自立させる構造では、スキャナー部の固定用脚部を構成する部品およびボルト,ビス,ブラケット等の取付け用の部品点数が多く、取り付け構造も複雑なものとなっていたので、スキャナー部の取り付け性が決して良いものとはいえなかった。また、スキャナー部を取り付けた時の一体感に欠け、外観デザインも満足のいくものでもなかった。
【0004】
それゆえに、本願発明の主たる目的は、プリンター部にスキャナー部が取り付ける可能となる画像形成装置において、専用の外装カバー等の部品を取り替えることなく、また、廃棄物を出すこともなく、プリンター部にスキャナー部を容易に取り付けることができる、画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1にかかる本願発明は、プリンター部と、プリンター部に取り付け可能となるスキャナー部とを有し、プリンター部は、スキャナー部と取り付けられる接続部位を含む、画像形成装置であって、接続部位に着脱自在に取り付けられるカバー部材を含み、接続部位から取り外されたカバー部材は、スキャナー部および/またはプリンター部に着脱自在に装着されて再利用可能となることを特徴とする、画像形成装置である。
請求項1にかかる本願発明では、接続部位からカバー部材を取り外し、プリンター部の接続部位にスキャナー部が取り付けられる。この場合、たとえばプリンター部に設けられたプリンター部専用の外装カバーを、スキャナー部を取付けるための取り付け手段を設けたスキャナー部専用の外装カバー等の部品と交換する必要がない。また、プリンター部の接続部位から取り外されたカバー部材は、スキャナー部および/またはプリンター部に着脱自在に装着して再利用可能となる構造を有しているため、カバー部材を廃棄処理する必要がない。
請求項2にかかる本願発明は、請求項1にかかる発明に従属する発明であって、カバー部材がプリンター部の接続部位に取り付けられたときに、カバー部材は、プリンター部の外装部の一部として構成されることを特徴とする、画像形成装置である。
請求項2にかかる本願発明では、プリンター部にスキャナー部が取り付けられない場合、カバー部材がプリンター部の接続部位に取り付けられ、プリンター部の外装部の一部として機能しているため、プリンター部単体でも、カバー部材の影響を受けることなく使用することが可能となる。
請求項3にかかる本願発明は、請求項1または請求項2にかかる発明に従属する発明であって、プリンター部とスキャナー部とを接続する配線を含み、プリンター部にスキャナー部が取り付けられるときには、プリンター部の接続部位から取り外されたカバー部材は、スキャナー部および/またはプリンター部に取り付けられ、配線を保持することが可能な配線カバーとして構成されることを特徴とする、画像形成装置である。
請求項3にかかる本願発明では、プリンター部の接続部位から取り外したカバー部材をスキャナー部および/またはプリンター部に取り付け、たとえばスキャナー部とプリンター部とを繋ぐ配線を保持する配線カバーとして機能させることで、煩雑に広がる配線を集約、固定することが可能となる。この場合、カバー部材は、外観上、違和感のないものとなる。
請求項4にかかる本願発明は、請求項1または請求項2にかかる発明に従属する発明であって、接続部位から取り外されたカバー部材は、スキャナー部および/またはプリンター部に取り付けられ、取扱説明書、書類、書類入れ、書類止め具、筆記具等の物品を収納するための収納部として構成されることを特徴とする、画像形成装置である。
請求項4にかかる本願発明では、プリンター部の接続部位から取り外されたカバー部材が収納部を構成するため、その収納部に取扱説明書、書類、書類入れ、書類止め具、筆記具等の物品が収納可能となる。この場合、カバー部材は、たとえばコの字状に形成されるとより好ましいものとなる。
請求項5にかかる本願発明では、プリンター部が、スキャナー部と取り付けられる接続部位に凹形状部を含み、スキャナー部は、凹形状部に嵌装される凸形状部を含み、カバー部材は、凹形状部を蓋うように、プリンター部の凹形状部に着脱自在に取り付けられ、凹形状部から取り外されたカバー部材は、スキャナー部および/またはプリンター部に着脱自在に装着されて再利用可能となる構成とすることができる。
この場合、プリンター部に取り付けられたカバー部材を取り外し、プリンター部の凹形状部にスキャナー部の凸形状部を嵌装させるだけで、簡易にスキャナー部をプリンター部に後付けするための構造を有している。そのため、ボルト・ナット、ビス等の締結手段を必要とせずに、プリンター部にスキャナー部を容易に取り付けることができる。したがって、プリンター部にスキャナー部を後付けする際に、たとえばプリンター部に設けられたプリンター部専用の外装カバーを、スキャナー部を取付けるための取り付け手段を設けたスキャナー部専用の外装カバー等の部品と交換する必要がない。また、プリンター部から取り外されたカバー部材は、スキャナー部および/またはプリンター部に着脱自在に装着して再利用可能となる構造を有しているため、カバー部材を廃棄処理する必要がない。
また、本願発明にかかる画像形成装置では、カバー部材が、接続部材に取り付けられ、プリンター部とスキャナー部との接続部位を補強する機能を有する構成としてもよい。
さらに、本願発明にかかる画像形成装置では、カバー部材がプリンター部の凹形状部に取り付けられたときに、カバー部材は、カバー部材の周囲のプリンター部の外装面と略同一平面になる構造を有することが好ましい。この場合、プリンター部の外装面には、カバー部材が突起部として突出することがないため、プリンター部単体を梱包して出荷するときでも、梱包材がカバー部材に当たり破損する恐れがない。また、カバー部材は、たとえば梱包に対して固定された梱包用のカバーと同等の強度は不要となり、簡易的な設計とすることが可能となる。
また、上述した画像形成装置では、プリンター部の凹形状部が、係止凹部および/または係止凸部、あるいは、穴部を含み、スキャナー部の凸形状部は、プリンター部の係止凹部および/または係止凸部、あるいは、穴部に凹凸係止可能な係止部を含むとよい。
【発明の効果】
【0006】
本願発明によれば、プリンター部にスキャナー部が取り付け可能となる画像形成装置において、後付け用の部品を必要とすることなく、また、廃棄物を出すこともなく、プリンター部にスキャナー部を容易に取り付けることができる、画像形成装置が得られる。
【0007】
この発明の上述の目的、その他の目的、特徴および利点は、図面を参照して行う以下の発明を実施するための最良の形態の説明から一層明らかとなろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
図1は、本願発明にかかる画像形成装置の実施形態の一例を示す概略斜視図であり、図2は、図1に示す画像形成装置の背面側を示す概略斜視図である。本実施形態例では、画像形成装置の一例としての複写機について説明する。
複写機10は、プリンター部12およびプリンター部12の上に取り付けられるスキャナー部14を含む。プリンター部12とスキャナー部14とは、信号送信用等のたとえばケーブル,ハーネスを含む配線部16により接続されている。なお、配線部16は、プリンター部12からスキャナー部14へ電源を供給する電源用のケーブル,ハーネスも有している。プリンター部12には、スキャナー部14が取り付け可能となっている。
【0009】
プリンター部12は、図5に示すように、凹形状部としてのたとえば2つの溝部18を含む。この2つの溝部18は、プリンター部12とスキャナー部14とが取り付けられる接続部位に配設されている。2つの溝部18は、プリンター部12の上面両側に配設されている。2つの溝部18は、プリンター部12の後端からプリンター部の前面側に所定の長さをもって配設されている。2つの溝部18は、同様の構造を有しているので、一方の溝部18について説明する。
溝部18は、平面視矩形状で且つ断面「コ」字状に形成され、所定の深さを有する。溝部18は、その長手方向の一方端側(プリンター部12の後面側)に「コ」字状の開放口端20を有する。溝部18の底面22(以下、溝面22という。)には、その長手方向の一方側に係止凸部24が配設されている。係止凸部24は、図5に示すように、溝面22の長手方向の一方側(プリンター部12の後面側)に配設され、たとえば2条のスリット26で囲まれたスナップ片28を含む。2条のスリット26で囲まれたスナップ片28は弾性を有する。さらに、スナップ片28の上面には、たとえば断面三角形状のスナップ突起30が形成されている。スナップ突起30は、たとえば図6に示すように、勾配面32を有する。勾配面32は、スナップ突起30の頂端側から溝面22の開放口端20側へ向いて漸次低くなるように形成されている。
【0010】
また、溝部18は、図5,図7に示すように、たとえば2つの係止凹部34を有する。この係止凹部34は、たとえば断面矩形状のガイド突起片38とその下の溝面22との間に設けられたスペースで構成されている。この場合、ガイド突起片38は、溝面22の幅方向の両側で対向して立設する一方の溝壁面36aの長手方向に所定の間隔を隔てて配設されている。ガイド突起片38は、溝壁面36aの高さ方向の中間部に配設されている。
なお、ガイド突起片38の下方の溝面22に設けられた孔39は、成形型の抜き孔である。
【0011】
スキャナー部14は、図1,図2,図4に示すように、スキャナー部14をプリンター部12の上面に後付けで取り付けられるたとえば2つの支持脚部40を有する。2つの支持脚部40は、それぞれ、その下部に、図5,図7に示すように、上述したプリンター部12の溝部18に嵌装される凸形状部42を含む。2つの凸形状部42は、たとえば断面L字状に形成されている。凸形状部42は、支持脚部40から下方に延びる断面略四角形筒状の凸部本体44と、凸部本体44から外方に張り出た張出し部46とを備え、張出し部46は、上述した係止凹部34に挿嵌されて係止される係止部としての機能を有するものである。
【0012】
また、2つの凸形状部42の内側には、それぞれ、図5,図6に示すように、他の係止部としてのたとえば断面「コ」字状の突出片48が配設されている。2つの突出片48は、それぞれ、支持脚部40の内方に向いて突出している。突出片48は、凸部本体44の長手方向の一方の内側に配設され、凸部本体44の外面から内面に向けて「コ」字形に凹んだ構造となっている。
【0013】
ここで、プリンター部12にスキャナー部14を取り付ける場合について、図5,図6,図7を参照しながら説明する。
本実施形態例では、プリンター部12の溝部18にスキャナー部14の支持脚部40が嵌装されることによって、プリンター部12とスキャナー部14とが結合される。プリンター部12の後面側から、凸形状部42の突出片48と反対側の部位が、溝部18の開放口端20を介して挿入され、凸形状部42の底端面が溝面22に沿ってスライドしながら嵌め込まれる。
【0014】
この場合、凸形状部42の底端面は、スナップ突起30の勾配面32に沿って挿入される。また、凸形状部42の底端部が係止凸部24のスナップ片28の弾性による付勢力に抗してスナップ突起30を下に押圧した状態で、凸形状部42の張出し部46が、図7に示すように、溝部18の2つのガイド突起片38と溝面22との間に構成された2つの係止凹部34に挿入される。なお、スナップ突起30の勾配面32は、その頂端側から溝面22の開放口端20側へ向いて漸次低くなるように形成されているため、凸形状部42の底端面は、溝面22の開放口端20側から挿入し易いものとなっている。
【0015】
そして、支持脚部40の凸形状部42は、ガイド突起片38の下面を案内面として、図5に示す溝部18の突き当たり面49に当接する位置まで挿入される。凸形状部42が突き当たり面49に当接されると、図7に示すように、溝部18の2つの係止凹部34と凸形状部42の張出し部46とが凹凸係止されると共に、図6に示すように、溝部18の係止凸部24のスナップ突起30と、凸形状部42の突出片48とが凹凸係止され、プリンター部12の溝部18にスキャナー部14が取り付けられる。そのため、容易にスキャナー部14をプリンター部12に取り付けることができる。すなわち、本実施形態例では、プリンター部12の溝部18にスキャナー部14の支持脚部40を嵌装させるだけでよいため、ボルト・ナット、ビス等の締結手段が不要となり、プリンター部にスキャナー部を簡単に取り付けることができる。
【0016】
なお、本実施形態例では、プリンター部12の凹形状部としての溝部18に、係止凸部24および係止凹部34を配設し、スキャナー部14の凸形状部42に、係止凸部24に凹凸係止される突出片48と、係止凹部34に凹凸係止される張り出し部46とを配設したが、プリンター部12の凹形状部に、係止凹部および/または係止凸部、あるいは、穴部を配設し、スキャナー部14の凸形状部に、プリンター部12の係止凹部および/または係止凸部、あるいは、穴部に凹凸係止可能な係止部を配設するようにしてもよい。
【0017】
本実施形態例では、プリンター部12にスキャナー部14を取り付けていない場合、たとえば図3に示すように、プリンター部12の2つの溝部18に、それぞれ、溝部18を蓋うカバー部材50が着脱自在に取り付けられることによって、プリンター部12の外装部の一部として機能するものとなっている。そのため、プリンター部12は、それ単体でも、カバー部材50の影響を受けることなく使用することができる。
【0018】
そこで、カバー部材50、および、カバー部材50とプリンター部12の溝部18との取り付け構造について、特に、たとえば図8を参照しながら説明する。
カバー部材50は、たとえば「コ」字形で矩形のカバー本体52を含む。カバー本体52は、その幅方向の一方側にたとえば2つの矩形状の切欠き部54を有する。2つの切欠き部54は、カバー本体52の長手方向に所定の間隔を隔てて配置されている。2つの切欠き部54の切欠き長さは、プリンター部12の溝部18に配設されたガイド突起片38の長手方向の長さよりも僅かに長く形成されている。
【0019】
また、カバー本体52の長手方向の一端部には、その両側にたとえば略L字形の係止爪片56が配設されている。さらに、カバー本体52の長手方向の他端側には、その両側にたとえばスナップ係止片58が配設されている。なお、このスナップ係止片58は、たとえばプリンター部12の溝面22に設けた係止凸部24と同じような構造に形成されていてもよい。
【0020】
一方、プリンター部12の溝部18は、その突き当たり面49に、上述した係止爪片56が係止される係止穴(図示せず)を有する。この係止穴(図示せず)は、溝部18の突き当たり面49において、2つの係止爪片56と対向する位置に、配置されている。
【0021】
また、溝部18は、その幅方向の両側で対向して立設する一方の溝壁面36aおよび他方の溝壁面36bに、それぞれ、上述したスナップ係止片58が係止される係止穴60aおよび60b(係止穴60bは図示せず)を有する。係止穴60aおよび60b(係止穴60bは図示せず)は、溝部18の一方の溝壁面36aおよび他方の溝壁面36bにおいて、スナップ係止片58と対向する位置に、それぞれ配置されている。
【0022】
カバー部材50は、その係止爪片56を溝部18の突き当たり面49に設けた係止穴(図示せず)に係止し、そのスナップ係止片58を溝部18の対向する溝壁面36a,36bに設けられた係止穴60a,60b(係止穴60bは図示せず)に係止させることによって、プリンター部12の溝部18に簡単に着脱自在に取り付けることが可能となる。この場合、カバー本体52の切欠き部54は、カバー本体52が溝部18の係止凸部34のガイド突起片38に当たらないようにするための逃し部としての機能を有している。
【0023】
また、本実施形態例では、プリンター部12の外装部位(外装面)の一部に設けられた溝部18の深さと、該溝部18に嵌め込まれるカバー部材50の嵌装部の高さとが、略同一に形成されているので、カバー部材50を溝部18に取り付けた場合に、カバー部材50とその周囲のプリンター部12の外装面(外装部)とは、略同一平面に形成される。すなわち、プリンター部12の外装面には、カバー部材50が突起部として突出することがないため、プリンター部12単体を梱包して出荷するときでも、梱包材がカバー部材50に当たり破損することが防止される。また、カバー部材50は、たとえば梱包に対して固定された梱包用のカバーと同等の強度が有する必要が無く、簡易的な設計とすることができる。
【0024】
さらに、本実施形態例では、プリンター部12にスキャナー部14が取り付けられるときには、たとえば図4に示すように、プリンター部12の2つの溝部18から2つのカバー部材50が取り外される。そして、2つのカバー部材50は、図9に示すように、それぞれ、スキャナー部14の後面に装着され、たとえば配線部16の配線カバーとして構成される。そのため、カバー部材50は、煩雑に広がる配線を集約、固定することができる。
【0025】
本実施形態例では、2つのカバー部材50が、図10に示すように、たとえばスキャナー部14の後面の両側に装着される。スキャナー部14の後面の両側には、それぞれ、配線部16を集約し固定するのに適宜な箇所に、たとえば縦長矩形の4つの係止穴62と、たとえば横長矩形の1つの係止穴64とが配設される。4つの係止穴62は、カバー部材50の4つの係止爪片56と対応する位置に、1つの係止穴64は、カバー部材50の2つのスナップ係止片58と対応する位置に、それぞれ配設されている。また、係止穴64は、幅方向の長さと略同じか僅かに大きく形成されている。
【0026】
2つのカバー部材50は、それぞれ、4つの係止爪片56が4つの係止穴62に挿入されて係止され、2つのスナップ係止片58が1つの係止穴64に挿入されて係止されることによって、スキャナー部14の後面の両側に装着される。この場合、2つのカバー部材50は、それぞれ、カバー部材50とスキャナー部14の後面との間で配線部16のケーブル,ハーネス等を押さえるように取り付けられ、配線部16をスキャナー部14の後面の左右2箇所に分けてまとめることができ、外観上も違和感なくスキャナー部14に装着される。
なお、本実施形態例では、プリンター部12の溝部18から取り外されたカバー部材50が、配線カバーとして、たとえばスキャナー部14の後面側に装着されたが、カバー部材50は、プリンター部12の後面側に装着してもよく、あるいは、プリンター部12およびスキャナー部14の双方に装着するようにしてもよい。
【0027】
また、図9,図10に示す実施形態例では、プリンター部12の溝部18から取り外されたカバー部材50が、配線カバーとして、たとえばスキャナー部14の後面側に装着されたが、それに限定されるものではなく、カバー部材50は、たとえばプリンター部12とスキャナー部14との接続部位に取り付けられ、プリンター部12とスキャナー部14との接続部位を補強する補強カバーとして再利用する構成としてもよい。
さらに、カバー部材は、たとえば図11に示すように、スキャナー部14の側面側に装着され、プリンター部12,スキャナー部14に関する取扱説明書、読み取り原稿等の書類入れ、書類の止め具、筆記具等の物品を収納するためのサイドポケット部70を構成するようにしてもよい。
【0028】
すなわち、サイドポケット部70は、たとえば平面視矩形で断面「コ」字状のポケット本体72を含む。ポケット本体72の長手方向両側の突き出し片74の端部には、たとえば図8,図10で示したカバー部材50のスナップ係止片58と同様のスナップ係止片(図示せず)が配設されている。また、スキャナー部14の側面には、当該スナップ係止片(図示せず)が挿入されて係止される係止穴(図示せず)が配設されている。そして、当該スナップ係止片(図示せず)と当該係止穴(図示せず)とが凹凸係止されることによって、サイドポケット部70とスキャナー部14の側面との間に収納部76が形成される。
なお、このサイドポケット70は、スキャナー部14の側面部に装着されるものに限定されることなく、たとえばプリンター部12の側面、あるいは、プリンター部12およびスキャナー部14の側面部に適宜装着するようにしてもよい。
【0029】
なお、本実施形態例では、プリンター部12、スキャナー部14の外装部位およびカバー部材50およびサイドポケット部70が、適宜、プラスチック材料および金属材料等で形成され得る。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本願発明にかかる画像形成装置の実施形態の一例を示す概略斜視図である。
【図2】図1に示す画像形成装置の背面側を示す概略斜視図である。
【図3】図1に示す画像形成装置のプリンター部にカバー部材を取り付けた状態の一例を示す概略斜視図である。
【図4】図3に示すプリンター部にスキャナー部を取り付ける場合の概略説明図である。
【図5】プリンター部とスキャナー部との取り付け構造の一例を示す要部分解斜視図である。
【図6】プリンター部にスキャナー部を取り付けた場合の図5に示すx−x矢視線における断面図解図である。
【図7】プリンター部にスキャナー部を取り付けた場合の図5に示すy−y矢視線における断面図解図である。
【図8】プリンター部とカバー部材との取り付け構造の一例を示す要部分解斜視図である。
【図9】プリンター部から取り外したカバー部材を配線カバーとして構成した状態の一例を示す説明図である。
【図10】図9に示すカバー部材とスキャナー部との取り付け構造の一例を示す要部分解斜視図である。
【図11】プリンター部から取り外したカバー部材の他の取り付け状態の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0031】
10 複写機
12 プリンター部
14 スキャナー部
16 配線部
18 溝部(凹形状部)
20 開放口端
22 溝面(溝部の底面)
24 係止凸部
26 スリット
28 スナップ片
30 スナップ突起
32 勾配面
34 係止凹部
36a,36b 溝壁面
38 ガイド突起片
39 孔
40 支持脚部
42 凸形状部
44 凸部本体
46 張出し部
48 突出片
49 溝部の突き当たり面
50 カバー部材
52 カバー本体
54 切欠き部
56 係止爪片
58 スナップ係止片
60a,60b,62,64 係止穴
70 サイドポケット部
72 ポケット本体
74 突き出し片
76 収納部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリンター部および前記プリンター部に取り付け可能となるスキャナー部を有し、前記プリンター部は、前記スキャナー部と取り付けられる接続部位を含む、画像形成装置であって、
前記接続部位に着脱自在に取り付けられるカバー部材を含み、
前記接続部位から取り外された前記カバー部材は、前記スキャナー部および/または前記プリンター部に着脱自在に装着されて再利用可能となることを特徴とする、画像形成装置。
【請求項2】
前記カバー部材が前記接続部位に取り付けられたときに、前記カバー部材は、前記プリンター部の外装部の一部として構成されることを特徴とする、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記プリンター部と前記スキャナー部とを接続する配線を含み、
前記プリンター部に前記スキャナー部が取り付けられるときには、前記接続部位から取り外された前記カバー部材が、前記スキャナー部および/または前記プリンター部に取り付けられ、前記配線を保持することが可能な配線カバーとして構成されることを特徴とする、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記接続部位から取り外された前記カバー部材は、前記スキャナー部および/または前記プリンター部に取り付けられ、取扱説明書、書類、書類入れ、書類止め具、筆記具等の物品を収納するための収納部として構成されることを特徴とする、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記プリンター部は、前記スキャナー部と取り付けられる接続部位に凹形状部を含み、前記スキャナー部は、前記凹形状部に嵌装される凸形状部を含み、前記カバー部材は、前記凹形状部を蓋うように、前記プリンター部の凹形状部に着脱自在に取り付けられ、前記凹形状部から取り外された前記カバー部材は、前記スキャナー部および/または前記プリンター部に着脱自在に装着されて再利用可能となることを特徴とする、請求項1に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2007−271893(P2007−271893A)
【公開日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−97104(P2006−97104)
【出願日】平成18年3月31日(2006.3.31)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】