説明

画像形成装置

【課題】外装カバーが電装基板に当たることを防ぎつつ、画像形成装置を小型化することを目的とする。
【解決手段】コントローラ基板43に設けられた穴(43a〜43c)を貫通して設けられると共に、コントローラ基板43に実装されるプロセッサ50よりも左カバー44側に突出して設けられた支柱1aを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録材に画像を形成する電子写真画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子写真プロセスを用いて記録材に画像を記録する画像記録装置の従来例について図10を用いて説明する。
【0003】
図10は、従来の画像形成装置の概略構成を示す正面図である。
【0004】
図10に示す画像形成装置は、左側板66と右側板68、中央板67と、レーザ露光装置70と、駆動部60と、ギアカバー69と、駆動回路基板61と、制御回路基板62と、コントローラ基板63と、左カバー64、右カバー65とを有する。
【0005】
左側板66と右側板68、中央板67、ギアカバー69は板金部品であり、画像形成装置の本体フレームを構成する。駆動回路基板61は、スイッチング電源回路部と、定着ヒータを駆動するヒータ駆動回路部と、電子写真プロセスに必要な高圧電源回路部とにより構成されている。
【0006】
制御回路基板62は、電子写真プロセスに必要な高圧回路制御部と、ヒータ制御回路部と、レーザスキャナ制御回路部と、モータ駆動制御回路部と、それらを制御するプロセッサとにより構成されている。
【0007】
コントローラ基板63は、不図示のホストコンピュータからの画像データに基づいて、半導体レーザのON/OFFを制御したり、エンジン制御回路との通信を行うプロセッサで構成されている。
【0008】
駆動回路基板61は、左側板66に固定される。制御回路基板62は、レーザ露光装置38の上方に平面配置されている。ギアカバー69は、駆動部60の外側に配置され、右側板68に固定される。
【0009】
コントローラ基板63は、ギアカバー69に固定されており、制御回路基板62と接続されている。左カバー64と右カバー65はモールドで成型された被覆部材としての外装カバーである。駆動回路基板61と左側板66の外側に、左カバー64が配置される。
【0010】
ここで、物流時に異常な衝撃が左カバー64に力が加わった場合、左カバー64が変形して、駆動回路基板61に当たる可能性がある。そのため、駆動回路基板61に実装される電装部品や基板自体が破損することを防ぐため、左カバー64と駆動回路基板61とは十分な隙間が確保されている。
【0011】
同様に、ギアカバー69に固定されたコントローラ基板63と右カバー65とは十分な隙間が確保されている。
【0012】
なお、関連する従来例が開示された文献としては、特許文献1がある。
【特許文献1】特開2003−195594号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、上記従来例では、物流時に異常な衝撃が外装カバーに加わった場合、外装カバーが変形して電装基板が破損する可能性があるため、外装カバーと電装基板とは十分な隙間を確保する必要がある。このため、装置本体の小型化が困難なものとなっている。
【0014】
また、外装カバーと電装基板の隙間を狭くするために、電装基板を貫通するカシメ軸を本体フレームに設けて外装カバーに突き当てる構成が考えられる。このように構成した場合、部品のバラツキがあっても、カシメ軸が電装基板に当たらないように十分大きな穴を電装基板に設ける必要があるため、電装基板の面積が狭くなるだけでなく、電装設計の自由度が小さくなることが懸念される。
【0015】
また、電装基板を貫通するリブを外装カバーに設けて本体フレームに突き当てる構成にした場合、上記と同様に、部品のバラツキがあっても、リブが電装基板に当たらないように十分大きな穴にする必要がある。さらに、物流時に異常な衝撃が加わった場合、外装カバーは変形しやすくリブの位置が大きく動いてしまうため、さらに大きな穴にする必要があり、電装基板の面積が狭くなるだけでなく、電装設計の自由度が小さくなることが懸念される。
【0016】
また、装置全体を小型化するためには、実装部品や回路パターンの配置を密集させて電装基板も小型化する必要があるが、上記に述べたようなカシメ軸やリブを避けるための大きな穴を開けるためには、電装基板を大きくする必要がある。したがって、電装基板を小型化できず、よって装置も小型化できないことが懸念される。
【0017】
本発明は上記したような事情に鑑みてなされたものであり、被覆部材が電装基板に当たることを防ぎつつ、画像形成装置を小型化することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記目的を達成するために本発明にあっては、
実装部材が実装された電装基板と、前記電装基板を支持する支持部材と、前記電装基板の少なくとも一部を覆う被覆部材と、を有する画像形成装置において、
前記電装基板は開口部を備え、前記支持部材側から前記開口部を通り前記電装基板の実装部材より前記被覆部材側に突出した突出部を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、被覆部材が電装基板に当たることを防ぎつつ、画像形成装置を小型化することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下に図面を参照して、この発明を実施するための最良の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状それらの相対配置などは、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものであり、この発明の範囲を以下の実施の形態に限定する趣旨のものではない。
【0021】
本発明は、記録材(記録媒体)に画像を形成する電子写真画像形成装置に好適に適用することができるものである。ここで、電子写真画像形成装置とは、電子写真画像形成方式を用いて記録材に画像を形成するものである。そして、電子写真画像形成装置の例としては、例えば、電子写真複写機、電子写真プリンタ(例えばレーザプリンタ、LEDプリンタ等)、ファクミリ装置、ワードプロセッサ及びこれらの複合機(マルチファンクションプリンタ等)が含まれる。
【実施例1】
【0022】
本発明の実施例1を図1〜5に基づいて説明する。
【0023】
図4は、本実施例の画像形成装置の概略構成を示す正面図である。
【0024】
図4に示すように本実施例の画像形成装置は、左側板46と右側板48、中央板47と、レーザ露光装置38と、駆動部40と、ギアカバー49と、基板ステー42と、電装回路基板41と、コントローラ基板43と、左カバー44、右カバー45とを有する。
【0025】
左側板46と右側板48、中央板47、ギアカバー49、基板ステー42は板金部品であり、画像形成装置の本体フレームを構成する。なお、基板ステー42は支持部材として、画像形成装置の筐体を構成しており、左カバー44は被覆部材として、画像形成装置の筐体を包含する外装カバーを構成している。
【0026】
電装回路基板41は、電子写真プロセスに必要な高圧電源回路部と、制御回路部と、コントローラなどで構成されて、左側板46に固定される。ギアカバー49は、駆動部40の外側に配置され、右側板48に固定される。
【0027】
電装基板としてのコントローラ基板43は、不図示のホストコンピュータからの画像データに基づいて半導体レーザのON/OFFを制御したり、エンジン制御回路との通信を行う実装部材としてのプロセッサ50が実装されている。
【0028】
コントローラ基板43は、基板ステー42に固定(支持)されており、電装回路基板41と接続されている。左カバー44と右カバー45はモールドで成型された外装カバーである。
【0029】
図5は、本実施例の画像形成装置の概略構成を示す断面図である。
【0030】
図5において、20は画像形成装置であり、この画像形成装置20には給送部と、画像形成部と、排出部が設けられている。
【0031】
ここで、画像形成部は、感光ドラム21、帯電ローラ22、現像スリーブ25、トナー容器27、転写ローラ32、レーザ露光装置38、加熱装置9と加圧ローラ8とからなる定着装置36等を備えている。
【0032】
給送部は、給送トレイ33と、給送トレイ33に収納された記録材Pを送り出す給送ローラ34、給送ローラ34により送り出された記録材Pを分離する分離パッド35を備えている。
【0033】
排出部は、排出ローラ10、排出コロ6からなる排出ローラ対などを備えている。
【0034】
そして、図5のように構成された画像形成装置20において、記録材Pに画像を形成する際には、まず感光ドラム21の表面を不図示の高圧電源から給電される帯電ローラ22によって一様に帯電する。
【0035】
そして、感光ドラム表面を一様に帯電した後、レーザ露光装置38から感光ドラム21へ照射することにより、感光ドラム上に静電潜像を形成する。
【0036】
次に、現像スリーブ25を回転させる。これにより、トナー容器27の中に充填されたトナーは、この現像スリーブ25の回転に伴って適度の帯電を受けた後、感光ドラム21
上に供給される。そして、この後、トナーは感光ドラム21の静電潜像に付着し、これにより潜像が現像され、トナー像として可視化される。
【0037】
給送ローラ34がタイミングをとって回転して給送トレイ33に収納された記録材Pを送り出し、このように送り出された記録材Pは給送ローラ34に圧接した分離パッド35により1枚ずつ分離されて搬送される。なお、この分離パッド35の表面摩擦係数、接触角度、形状は1度の給送動作毎に最上位の記録材1枚のみを搬送することができるように調整されている。
【0038】
次に、1枚のみに分離された記録材Pは、感光ドラム21と転写ローラ32とにより構成される転写部に所定のタイミングで搬送され、この転写部において転写ローラ32により、可視化された感光ドラム上のトナー像が転写される。
【0039】
なお、記録材Pに転写されずに感光ドラム上に残った転写残トナーは不図示のクリーニングブレードにより廃トナー容器31に収納され、このように表面をクリーニングされた感光ドラム21は繰り返し次の画像形成プロセスに入る。
【0040】
次に、トナー像が転写された記録材Pは加熱装置9と加圧ローラ8とからなる定着装置36に搬送される。
【0041】
定着装置36は、フィルム加熱方式の定着器であり、発熱部を有する略面状のヒータ14と、定着フィルム(耐熱性フィルム部材)16と、この定着フィルム16を挟んでヒータに圧接されて加熱ニップ部を形成する加圧ローラ8とを有している。そして、加熱ニップ部に記録材Pを導入して定着フィルム16を介してヒータ14の熱で記録材Pを加熱するものである。
【0042】
定着装置36は、定着フィルム16として円筒状のフィルム部材を使用し、定着フィルム16を、加圧手段としての加圧ローラ8で回転駆動する加圧ローラ駆動方式のものである。
【0043】
ヒータ14は、図5の紙面に対して垂直方向を長手方向とする横長の細板状発熱体である。
【0044】
加圧ローラ8は画像形成の際に駆動部40によって回転駆動される(図5において反時計方向)。加圧ローラ8が回転すると、加圧ローラ8と定着フィルム16との加熱ニップ部における圧接摩擦力により定着フィルム16に回転力が生じる。これによって定着フィルム16がその内面をヒータ14の下面に接触摺動させつつフィルムガイド15の外周を矢印方向(図5において時計方向)に従動回転する。
【0045】
定着装置36で加熱、加圧されることにより、記録材P上にトナー像が永久定着された後、搬送ガイド5を経て、排出ローラ10と排出コロ6に挟持、搬送され、排出積載トレイの機能を有するCRGドア12に排出される。
【0046】
排出部の上流には、記録材Pの通過タイミングや有無を検知する排出センサ17とフォトセンサ17aが配置されており、記録材の斜行や重送などの搬送不良で定着装置36と排出部の付近で記録材Pが滞留した場合検知することができる。
【0047】
図1は、左側板46に配置された電装部の正面図である。図2は、左側板46に配置された電装部の斜視図である。図3は、図2よりコントローラ基板43を取り除いた斜視図である。
【0048】
図1において、コントローラ基板43に実装される部品の中でプロセッサ50が最も背が高いので、物流時に異常な衝撃が加わって左カバー44が変形してしまうような場合、プロセッサ50が左カバー44に最も当たりやすい。
【0049】
そのため、本実施例では、プロセッサ50を保護するための保護部材1が設けられている。保護部材1は、図3に示すように、左カバー44と基板ステー42との間に設けられおり、突出部としての3本の支柱(リブ)1aと、連結部としての平板部1bで構成されている。
【0050】
そして、コントローラ基板43においては、図2に示すように、支柱1aが貫通することにより、支柱1aを位置決め保持するための開口部としての穴が3つ、プロセッサ50の周囲に設けられている。3つの穴は、嵌合穴43aと長丸穴43bと逃げ穴43cである。
【0051】
保護部材1は、図3に示すように、3本の支柱1aがそれぞれコントローラ基板43の3つの穴と嵌合(係合)することにより、ラフに位置決めされる。すなわち、3本の支柱1aがそれぞれコントローラ基板43の3つの穴と嵌合することで、コントローラ基板43に略平行な方向に対しては位置決めされている。これに対して、支柱1aの軸方向に対しては移動可能に設けられている。このように、保護部材1は、コントローラ基板43の3つの穴と嵌合することで、左カバー44や基板ステー42に固定されることなく、コントローラ基板43に保持されている。ここで、平板部1bは、基板ステー42とコントローラ基板43に挟まれている。
【0052】
基板ステー42には4ヶ所の絞り形状があり、絞り形状の先端部はコントローラ基板43を位置決め固定するための平面部と位置決め用のバーリングと、バーリングの内側にはタップ穴とが設けられている。そして、コントローラ基板43は基板ステー42にビス止めで固定される。
【0053】
支柱1aは、図1に示すように、保護部材1が基板ステー42とコントローラ基板43の間に設けられた状態、特に、支柱1a(平板部1b)が基板ステー42に突き当たったときに、次のように設けられている。支柱1aは、基板ステー42側からコントローラ基板43の穴を通りプロセッサ50より左カバー44側に突出して設けられている。すなわち、支柱1aは、コントローラ基板43に対する長さ(距離)がプロセッサ50よりも長く設けられ、かつ、左カバー44の内壁には当たらない長さとなるように設けられている。
【0054】
通常使用時は、支柱1aは左カバー44と接触することはないが、左カバー44が図1に対して右方向に変形したときには、左カバー44が支柱1aに突き当たり、保護部材1が基板ステー42に突き当たることとなる。このため、左カバー44がプロセッサ50に当たることを防止できる。
【0055】
支柱1aはコントローラ基板43に対して位置決めされているが、基板ステー42や左カバー44には固定されていない。このため、物流時等に異常な衝撃が加わって、例えば図1の紙面に対して垂直な方向や上下方向に力が加わるような場合であっても、支柱1aはコントローラ基板43と一緒に動くので、支柱1aがコントローラ基板43に力を加えることがない。
【0056】
ここで、コントローラ基板43に開ける3つの穴は、プロセッサ50の周囲が望ましい。穴同士の間隔を広くした場合、左カバー44が変形して支柱1aに突き当たったとして
も、左カバー44が3つの支柱1aを支点として撓んでしまい、プロセッサ50に当たりやすくなるためである。そのため、本実施例では、3つの穴は、プロセッサ50の近くで、かつ回路パターンがない所に配置している。
【0057】
また、支柱1aはコントローラ基板43の穴に嵌合して位置決めされるため、コントローラ基板43に開ける穴は最小限の大きさで良い。そのため、穴の位置は自由度があり、また穴を開けてもコントローラ基板43の面積はほとんど変わらない。
【0058】
従来例では、左カバー44がプロセッサ50に当たることを防止するため、左カバー44とプロセッサ50との隙間を十分に確保する必要があった。これに対して、本実施例では、支柱1aを設けることにより、左カバー44とプロセッサ50との隙間を狭くすることができるので、画像形成装置を小型化することができる。
【0059】
以上説明したように、本実施例によれば、コントローラ基板43を貫通し位置決めされる支柱1aをコントローラ基板43と垂直に設けて、支柱1aをコントローラ基板43に位置決めしている。このことで、左カバー44が変形した場合であっても、左カバー44が支柱1aを介して基板ステー42に突き当たるため、左カバー44がコントローラ基板43に当たることを防ぐことができる。したがって、画像形成装置を小型化することができる。
【0060】
なお、本実施例では、支柱1aと、支柱1aを連結している平板部1bとにより保護部材1を構成しているが、平板部1bを設けず支柱1aのみで保護部材を構成しても、左カバー44がコントローラ基板43に当たることを防ぐことができる。
【実施例2】
【0061】
本発明の実施例2を図6、図7に基づいて説明する。なお、実施例1と同様の構成部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0062】
図6は、保護部材2(支柱2a)と、電装基板としてのコントローラ基板53と、基板ステー42を示す図である。図7は、図6よりコントローラ基板53を除いた図である。
【0063】
本実施例では、プロセッサ50を保護するための保護部材2が設けられている。保護部材2は、図7に示すように、突出部としての3本の支柱(リブ)2aと、連結部としての平板部2bで構成されている。
【0064】
そして、コントローラ基板53においては、プロセッサ50の周囲に、支柱2aを位置決め保持するための開口部としての穴が3つ開けられている。3つの穴は、2つの嵌合穴53aと、長丸穴53bである。
【0065】
保護部材2は、図7に示すように、3本の支柱2aがそれぞれコントローラ基板53の3つの穴と嵌合して位置決めされる。コントローラ基板53の3つの穴とは、図6に示すように、2つの嵌合穴53aと、長丸穴53bとから構成される。
【0066】
ここで、保護部材2は、2本の支柱2aが、コントローラ基板53の3つの穴のうち2つの穴である、嵌合穴53aと長丸穴53bに対して位置合せが行われたときについて説明する。この場合、残りの1本の支柱2a(以下、2a1とする)が、残りの嵌合穴53a(以下、嵌合穴53a1とする)の位置に対して数mmずれるように設けられている。
【0067】
支柱2a1は、図7に示すように、平板部2bのうち湾曲して設けられた弾性変形可能な腕部2cの先端に配置されている。そして、腕部2cを撓ませて支柱2a1を残りの嵌
合穴53a1に合せると、腕部2cが弾性変形することにより支柱2a1を嵌合穴53a1に嵌合させることができる。これにより、保護部材2をコントローラ基板53に嵌合させることができる。
【0068】
以上説明したように、本実施例によれば、実施例1で説明した効果に加えて次のような効果を得ることができる。
【0069】
従来のように支柱2aがコントローラ基板53に嵌合していない場合には、支柱2aとコントローラ基板53の両方を押えながら、コントローラ基板53を基板ステー42に位置決め固定する必要があった。
【0070】
これに対して本実施例では、支柱2aとコントローラ基板53を嵌合させることにより、コントローラ基板53を基板ステー42に位置決め固定する際に支柱2aを押える必要がないため、組立性がさらに向上するという効果が得られる。さらに、腕部2cの弾性により、支柱2aがコントローラ基板53に対してガタつくことを防止することができるため、物流時に支柱と電装基板の穴とが擦れず、部品の削れを防止できる。さらに、部品の削れが防止できるため、削れ粉がコントローラ基板53の実装部品や回路パターンに付着することによる誤動作や故障を防ぐことができる。
【実施例3】
【0071】
本発明の実施例3を図8、図9に基づいて説明する。なお、実施例1と同様の構成部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0072】
図8は、左側板46に配置された電装部の正面図である。図9は、図8より支持部材としての基板ステー52とコントローラ基板43を取り除いた斜視図である。
【0073】
本実施例では、実施例1と同様にプロセッサ50を保護するための保護部材1が設けられており、さらに、これに加えて、電装基板としての電装回路基板51に実装された実装部材としてのトランス55を保護するための保護部材3が設けられている。保護部材3においても、保護部材1と同様の作用効果が得られるものである。
【0074】
保護部材3は、図9に示すように、突出部としての4本の支柱(リブ、足)3aと、4本の支柱3aを連結する連結部3bで構成されている。
【0075】
そして、電装回路基板51においては、図9に示すように、電装回路基板51に実装されたトランス55の周囲に、支柱3aを位置決め保持するための開口部として4つの穴51aが開けられている。
【0076】
これにより、支柱3aはトランス55の周囲に、トランス55を囲むように設けられることとなる。また、連結部3bもトランス55を囲むように設けられることとなる。そして、4本の支柱3aが電装回路基板51の4つの穴51aとそれぞれ嵌合することにより、保護部材3が電装回路基板51に位置決めされる。
【0077】
また、図8に示すように、保護部材3は、基板ステー52と左側板46に挟まれ、図8における左右方向に対してはラフに位置決めされている。
【0078】
保護部材3は、支柱3aが左側板46に突き当たったときの支柱3a又は連結部3bの位置が、トランス55と基板ステー52との間に位置するように設けられている。これは、左側板46に対する長さ(距離)がトランス55よりも長く、基板ステー52に当たらない位置ということもできる。
【0079】
通常使用時は、保護部材3は基板ステー52と接触しないが、物流時に異常な衝撃が加わって左カバー54が変形してしまう場合、左カバー54が支柱1を介して基板ステー52に突き当たる。そして、基板ステー52が変形すると、保護部材3(支柱3a)を介して左側板46に突き当たる。よって、基板ステー52がトランス55に当たることを防止することができる。
【0080】
また、支柱1aの場合と同様に、支柱3aは電装回路基板51に位置決めされているが、基板ステー52や左側板46に固定されていない。このため、物流時等に異常な衝撃が加わって、例えば図8の紙面に対して垂直な方向や上下方向に力が加わるような場合であっても、保護部材3は電装回路基板51と一緒に動くため、保護部材3が電装回路基板51に力を加えるようなことはない。
【0081】
実施例1では、基板ステー42がトランスに当たることを防止するため、基板ステー42とトランスとの隙間を十分に確保していた(図1参照)。これに対して本実施例では、実施例1の構成に加えて保護部材3を設けることで、基板ステー52がトランス55の間の隙間を狭くすることができるので、画像形成装置をさらに小型化することができる。
【0082】
なお、実施例1では保護部材1はモールド部品(左カバー)と板金部品(左側板)との間に配置されているが、本実施例のように保護部材(支柱)を板金部品同士(左側板と基板ステー)の間に配置してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】実施例1に係る電装部を示す正面図。
【図2】実施例1に係る電装部を示す斜視図。
【図3】実施例1に係る電装部を示す斜視図。
【図4】実施例1に係る画像形成装置の概略構成を示す正面図。
【図5】実施例1に係る画像形成装置の概略構成を示す断面図。
【図6】実施例2に係る電装部を示す斜視図。
【図7】実施例2に係る電装部を示す斜視図。
【図8】実施例3に係る電装部を示す正面図。
【図9】実施例3に係る電装部を示す斜視図。
【図10】従来の画像形成装置の概略構成を示す正面図。
【符号の説明】
【0084】
1,2,3 保護部材
1a,2a,3a 支柱
1b,2b 平板部
3b 連結部
20 画像形成装置
41,51 電装回路基板
42,52 基板ステー
43,53 コントローラ基板
43a,53a 嵌合穴
43b,53b 長丸穴
43c 逃げ穴
44,54 左カバー
50 プロセッサ
51a 穴
55 トランス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
実装部材が実装された電装基板と、前記電装基板を支持する支持部材と、前記電装基板の少なくとも一部を覆う被覆部材と、を有する画像形成装置において、
前記電装基板は開口部を備え、前記支持部材側から前記開口部を通り前記電装基板の実装部材より前記被覆部材側に突出した突出部を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記突出部は前記電装基板により保持されることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記突出部は、前記電装基板の実装部材の周囲に複数設けられていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記複数の突出部を連結する弾性変形可能な連結部を有することを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記支持部材は、装置本体を構成する筐体であり、前記被覆部材は、前記筐体を覆う外装カバーであることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−149619(P2008−149619A)
【公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−341452(P2006−341452)
【出願日】平成18年12月19日(2006.12.19)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】