説明

画像形成装置

【課題】部品点数の増加を抑制することが可能で、かつ、印刷時に印字ヘッドがインクシートに対して適切な押圧力で確実に押圧することが可能であるとともに、非印刷時にインクシートに幅方向の反りが生じることを抑制することが可能な画像形成装置を提供する。
【解決手段】この昇華型プリンタ100(画像形成装置)は、インクシート51により用紙60に画像が印刷可能な印字ヘッド2と、印刷時に印字ヘッド2のヘッド部2bの上面を所定の押圧力で押圧することにより、印字ヘッド2をインクシート51に押圧するためのヘッド部押圧部材7および8と、印字ヘッド2のヘッド部2bに取り付けられ、ヘッド部押圧部材7および8と係合して印字ヘッド2を上下動させるための係合部30bを含む係合部材30と、係合部材30と一体的に設けられ、平面的に見て平坦部30fがインクシート51の巻取方向(矢印A方向)に向かって凸状に形成されるとともに、印刷時にインクシート51の搬送をガイドするインクシートガイド部30eとを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、画像形成装置に関し、特に、インクシートにより用紙に画像が印刷可能な印字ヘッドを備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、インクシートにより用紙に画像が印刷可能な印字ヘッドを備えた画像形成装置やインクシートが収納されたインクシートカートリッジが知られている(たとえば、特許文献1〜5参照)。
【0003】
上記特許文献1には、サーマルヘッド(印字ヘッド)の後端部に、サーマルヘッド上の発熱抵抗体を通過したインクドナーフィルム(インクシート)の搬送方向を規定するガイドバーが設けられた感熱転写記録装置(画像形成装置)が開示されている。この特許文献1に記載の感熱転写記録装置(画像形成装置)では、印刷時にインクドナーフィルムに接触するガイドバーの接触面が、ガイドバーの幅方向の中央部から両端部に向かって下り勾配を有しながら湾曲するような形状に形成されることによって、インクドナーフィルムは、両端部をガイドバーの接触面と同一方向に湾曲させながら搬送されるように構成されている。
【0004】
また、上記特許文献2には、所定の印字幅を有する発熱体が設けられた基板と、基板を取り付ける支持板に一体的に形成されるとともに熱転写リボン(インクシート)の搬送動作をガイドするガイド部とを含むサーマルヘッドを備えた熱転写式印刷装置(画像形成装置)が開示されている。この特許文献2に記載の熱転写式印刷装置(画像形成装置)では、支持板が、基板の背面を取り付ける第1部分と、この第1部分に連結され、支持板全体を揺動させるための第2部分とによって構成されている。そして、支持板の第2部分の端部に設けられた揺動軸の回動によって、基板および発熱体が熱転写リボンに対して押圧されるように構成されている。
【0005】
また、上記特許文献3には、印字ヘッドが挿入される凹部と、凹部の両側にインクリボンが当接する4つのリボンガイド壁とを有し、プリンタ(画像形成装置)に表裏反転可能に装着されるインクリボンカセット(インクシートカートリッジ)が開示されている。この特許文献3に記載のインクリボンカセット(インクシートカートリッジ)では、リボンが幅方向に当接するリボンガイド壁の頂部のうち、中央部が両端部よりも低くなるように形成されている。また、インクリボンは弛み取り用のスプリングによって所定の引張り力によって張られた状態でリボンガイド壁の頂部に常時当接されるように構成されている。
【0006】
また、上記特許文献4には、リボンカートリッジが装着され、印字ヘッドと、プラテンローラと、印刷リボンの走行経路上に配置されたリボンよじれ防止用ガイドローラとを備えた印刷装置(画像形成装置)が開示されている。この特許文献4に記載の印刷装置(画像形成装置)では、印刷中に、印刷リボンの張力に偏りが発生した場合に、リボンよじれ防止用ガイドローラのローラ体が回転軸を傾けながら回転することが可能なように構成されている。
【0007】
また、上記特許文献5には、先端部にインクリボンのガイド溝が設けられた一対のアーム状リボンガイド部を備え、プリンタ(画像形成装置)に装着されるプリンタ用インクリボンカセット(インクシートカートリッジ)が開示されている。この特許文献5に記載のプリンタ用インクリボンカセット(インクシートカートリッジ)では、インクリボンが当接されるとともに、印刷時にインクリボンが走行するガイド溝が、ガイド溝の幅方向の中央部から両端部に向かって下り勾配を有しながら湾曲するような形状に形成されることによって、インクリボンは、両端部をガイド溝の接触面と同一方向に湾曲させながら搬送されるように構成されている。
【0008】
【特許文献1】特開平7−156487号公報
【特許文献2】特許登録第3832097号公報
【特許文献3】実開平5−74854号公報
【特許文献4】特開平10−100519号公報
【特許文献5】特開平6−135106号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上記特許文献1に記載の感熱転写記録装置では、ガイドバーがサーマルヘッドとは別部材として設けられていると考えられる。したがって、感熱転写記録装置(画像形成装置)を構成する部品点数が増加するという問題点がある。
【0010】
また、上記特許文献2に記載の熱転写式印刷装置では、支持板の回動動作は、熱転写リボンを押圧する基板および発熱体から離れた位置に設けられた第2部分の回動によって行われているために、発熱体(印字ヘッド)が直接的に押圧されない状態で印刷が行われていると考えられる。この場合、横長形状で長手方向に所定の印字幅を有する発熱体を、印刷慈悲熱転写リボン(インクシート)に対して適切な押圧力で確実に押圧することができないという問題点がある。
【0011】
また、上記特許文献3に記載のインクリボンカセットでは、印刷動作の有無に関わらず常にインクリボンがリボンガイド壁の凹形状の頂部に当接しているために、非印刷時にインクリボンカセットが長期間放置された場合、インクリボン(インクシート)に幅方向の反りが生じてしまうという問題点がある。
【0012】
また、上記特許文献4に記載の印刷装置では、リボンよじれ防止用ガイドローラが印字ヘッドとは別部材として設けられているために、印刷装置を構成する部品点数が増加するという問題点がある。
【0013】
また、上記特許文献5に記載のプリンタ用インクリボンカセットでは、印刷の有無に関わらず常にインクリボンがガイド溝の湾曲形状に当接されているために、非印刷時にインクリボンカセットが長期間放置された場合、インクリボン(インクシート)に幅方向の反りが生じてしまうという問題点がある。
【0014】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、部品点数の増加を抑制することが可能で、かつ、印刷時に印字ヘッドがインクシートに対して適切な押圧力で確実に押圧することが可能であるとともに、非印刷時にインクシートに幅方向の反りが生じることを抑制することが可能な画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0015】
この発明の第1の局面による画像形成装置は、インクシートカートリッジに収納されるとともに、インクシートカートリッジの巻取ボビンにより巻き取られるインクシートと印刷時に当接する印字部を含み、インクシートにより用紙に画像が印刷可能な印字ヘッドを備えた画像形成装置において、印刷時に印字ヘッドの上部を所定の押圧力で押圧することにより、印字ヘッドをインクシートに押圧するためのヘッド部押圧部材と、ヘッド部押圧部材の押圧力を係合部材を介して印字ヘッドに伝達するためのバネ部材と、固定部により印字ヘッドに取り付けられ、ヘッド部押圧部材と係合して印字ヘッドを上下動させるための係合部を含むとともに、バネ部材を固定することが可能に形成された板金製の係合部材と、係合部材と一体的に設けられ、平面的に見て中央部がインクシートの巻取方向に向かって凸状に形成されるとともに印字ヘッドの印字部と巻取ボビンとの間に配置され、印刷時にインクシートの搬送をガイドするインクシートガイド部とをさらに備え、係合部材は、固定部とインクシートガイド部の中央部とを接続する連結部とをさらに含み、インクシートガイド部は、平面的に見て幅方向の端部側に設けられ、巻取ボビン側から印字部側に向かって傾斜する傾斜部を有し、インクシートガイド部の傾斜部は、インクシートの幅方向の端部近傍に対応する位置であるとともに、インクシートガイド部の連結部が接続されていない幅方向の端部側に設けられ、インクシートに当接するインクシートガイド部の当接部は、係合部材の端部を折り曲げることによりインクシートの搬送方向に沿った断面形状がU字形状に形成されている。
【0016】
この第1の局面による画像形成装置では、上記のように、印刷時に印字ヘッドの上部を所定の押圧力で押圧することにより、印字ヘッドをインクシートに押圧するためのヘッド部押圧部材を備えるように構成することによって、ヘッド部押圧部材による印字ヘッドの上部への押圧により、ヘッド部押圧部材による押圧力を直接的に印字ヘッドに伝達させることができる。したがって、横長形状で長手方向に所定の印字幅を有する印字ヘッドを、インクシートに対して適切な押圧力で確実に押圧することができる。また、印字ヘッドに取り付けられ、ヘッド部押圧部材と係合して印字ヘッドを上下動させるための係合部を含む係合部材と、係合部材と一体的に設けられ、インクシートの搬送をガイドするインクシートガイド部とを備えるように構成することによって、インクシートガイド部を係合部材とは別体として設ける場合と異なり、印字ヘッドを構成する部品点数が増加することを抑制することができる。また、ヘッド部押圧部材と係合して印字ヘッドを上下動させるための係合部を含む係合部材と一体的に、印刷時にインクシートの搬送をガイドするインクシートガイド部を設けるように構成することによって、印刷時に、インクシートガイド部は、印字ヘッドの押圧動作に伴ってインクシートの搬送をガイドする一方、非印刷時には、印字ヘッドとともにインクシートから離間した状態となるので、インクシートには不要な外力が加えられない。したがって、非印刷時にインクシートカートリッジが長期間放置された場合でも、インクシートに幅方向の反りが生じることを抑制することができる。また、インクシートガイド部を、平面的に見て中央部がインクシートの巻取方向に向かって凸状に形成するように構成することによって、インクシートガイド部は、インクシートの幅方向の中央部と端部とにおいて、インクシートの巻取方向に対して前後に異なった位置でガイドを行う。すなわち、インクシートは、インクシートの端部から順に中央部に向かって搬送動作をガイドされるので、インクシートの幅方向の端部に発生しやすい皺を優先的に抑制することができる。
【0017】
また、第1の局面による画像形成装置では、印字ヘッドを、印刷時にインクシートと当接する印字部を含むように構成するとともに、印字ヘッドの印字部と巻取ボビンとの間に配置されるインクシートガイド部を、平面的に見て幅方向の端部側に、巻取ボビン側から印字部側に向かって傾斜する傾斜部を有するように構成することによって、インクシートは、インクシートガイド部の傾斜部により、より印字部に近い位置からインクシートの幅方向の端部をガイドされるので、印字ヘッドは、より確実に皺の発生が抑制されたインクシートを押圧することができる。また、インクシートガイド部の傾斜部を、インクシートの幅方向の端部近傍に対応する位置に設けるように構成することによって、インクシートガイド部の傾斜部は、インクシートの幅方向の端部近傍に対応する位置においてインクシートの搬送をガイドすることができるので、インクシートガイド部の傾斜部によりインクシートの幅方向の端部に皺が発生することを、容易に抑制することができる。
【0018】
また、第1の局面による画像形成装置では、インクシートに当接するインクシートガイド部の当接部を、板金製の係合部材の端部を折り曲げることによりインクシートの搬送方向に沿った断面形状がU字形状に形成されるように構成することによって、印刷時にインクシートが巻き取られる際、インクシートガイド部は、当接部においてインクシートに滑らかに当接することができるので、インクシートにインクシートガイド部による擦り傷や当接面との摩擦による皺の発生を抑制することができる。また、インクシートガイド部が一体的に形成される係合部材を、印字ヘッドに取り付けられる固定部と、固定部とインクシートガイド部の中央部とを接続する連結部とを含むように構成するとともに、インクシートガイド部の傾斜部を、インクシートガイド部の連結部が接続されていない幅方向の端部側に設けるように構成することによって、インクシートガイド部の連結部が接続されていない部分は、板部材の曲げ加工により容易に曲げることができるので、インクシートガイド部の傾斜部を容易に形成することができる。また、ヘッド部押圧部材の押圧力を係合部材を介して印字ヘッドに伝達するためのバネ部材を備えるとともに、係合部材を、バネ部材を固定することが可能に形成されるように構成することによって、バネ部材を固定する部材を係合部材に別途設ける必要がないので、印字ヘッドを構成する部品点数の増加を抑制することができる。
【0019】
この発明の第2の局面による画像形成装置は、インクシートにより用紙に画像が印刷可能な印字ヘッドと、印刷時に印字ヘッドの上部を所定の押圧力で押圧することにより、印字ヘッドをインクシートに押圧するためのヘッド部押圧部材と、印字ヘッドに取り付けられ、ヘッド部押圧部材と係合して印字ヘッドを上下動させるための係合部を含む係合部材と、係合部材と一体的に設けられ、平面的に見て中央部がインクシートの巻取方向に向かって凸状に形成されるとともに、印刷時にインクシートの搬送をガイドするインクシートガイド部とを備える。
【0020】
この第2の局面による画像形成装置では、上記のように、印刷時に印字ヘッドの上部を所定の押圧力で押圧することにより、印字ヘッドをインクシートに押圧するためのヘッド部押圧部材を備えるように構成することによって、ヘッド部押圧部材による印字ヘッドの上部への押圧により、ヘッド部押圧部材による押圧力を直接的に印字ヘッドに伝達させることができる。したがって、横長形状で長手方向に所定の印字幅を有する印字ヘッドを、インクシートに対して適切な押圧力で確実に押圧することができる。また、印字ヘッドに取り付けられ、ヘッド部押圧部材と係合して印字ヘッドを上下動させるための係合部を含む係合部材と、係合部材と一体的に設けられ、インクシートの搬送をガイドするインクシートガイド部とを備えるように構成することによって、インクシートガイド部を係合部材とは別体として設ける場合と異なり、印字ヘッドを構成する部品点数が増加することを抑制することができる。また、ヘッド部押圧部材と係合して印字ヘッドを上下動させるための係合部を含む係合部材と一体的に、印刷時にインクシートの搬送をガイドするインクシートガイド部を設けるように構成することによって、印刷時に、インクシートガイド部は、印字ヘッドの押圧動作に伴ってインクシートの搬送をガイドする一方、非印刷時には、印字ヘッドとともにインクシートから離間した状態となるので、インクシートには不要な外力が加えられない。したがって、非印刷時にインクシートカートリッジが長期間放置された場合でも、インクシートに幅方向の反りが生じることを抑制することができる。また、インクシートガイド部を、平面的に見て中央部がインクシートの巻取方向に向かって凸状に形成するように構成することによって、インクシートガイド部は、インクシートの中央部と端部とにおいて、インクシートの巻取方向に対して前後に異なった位置でガイドを行う。すなわち、インクシートは、インクシートの端部から順に中央部に向かって搬送動作をガイドされるので、インクシートの端部に発生しやすい皺を優先的に抑制することができる。
【0021】
上記第2の局面による画像形成装置において、好ましくは、印字ヘッドは、印刷時にインクシートと当接する印字部を含み、インクシートはインクシートカートリッジに収納されるとともに、インクシートカートリッジの巻取ボビンにより巻き取られ、インクシートガイド部は、印字ヘッドの印字部と巻取ボビンとの間に配置され、インクシートガイド部は、平面的に見て幅方向の端部側に設けられ、巻取ボビン側から印字部側に向かって傾斜する傾斜部を有する。このように構成すれば、インクシートは、インクシートガイド部の傾斜部により、より印字部に近い位置からインクシートの幅方向の端部をガイドされるので、印字ヘッドは、より確実に皺の発生が抑制されたインクシートを押圧することができる。
【0022】
上記第2の局面による画像形成装置において、好ましくは、インクシートガイド部の傾斜部は、インクシートの幅方向の端部近傍に対応する位置に設けられている。このように構成すれば、インクシートガイド部の傾斜部は、インクシートの幅方向の端部近傍に対応する位置においてインクシートの搬送をガイドすることができるので、インクシートガイド部の傾斜部によりインクシートの幅方向の端部に皺が発生することを、容易に抑制することができる。
【0023】
上記第2の局面による画像形成装置において、好ましくは、インクシートガイド部が一体的に形成される係合部材は板金製であり、インクシートに当接するインクシートガイド部の当接部は、板金製の係合部材の端部を折り曲げることによりインクシートの搬送方向に沿った断面形状がU字形状に形成されている。このように構成すれば、印刷時にインクシートが巻き取られる際、インクシートガイド部は、当接部においてインクシートに滑らかに当接することができるので、インクシートにインクシートガイド部による擦り傷や当接面との摩擦による皺の発生を抑制することができる。
【0024】
上記第2の局面による画像形成装置において、好ましくは、インクシートガイド部が一体的に形成される係合部材は、印字ヘッドに取り付けられる固定部と、固定部とインクシートガイド部の中央部とを接続する連結部とをさらに含み、インクシートガイド部の傾斜部は、インクシートガイド部の連結部が接続されていない幅方向の端部側に設けられている。このように構成すれば、インクシートガイド部の連結部が接続されていない部分は、板部材の曲げ加工により容易に曲げることができるので、インクシートガイド部の傾斜部を容易に形成することができる。
【0025】
上記第2の局面による画像形成装置において、好ましくは、ヘッド部押圧部材の押圧力を係合部材を介して印字ヘッドに伝達するためのバネ部材をさらに備え、係合部材は、バネ部材を固定することが可能に形成されている。このように構成すれば、バネ部材を固定する部材を係合部材に別途設ける必要がないので、印字ヘッドを構成する部品点数の増加を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0027】
図1は、本発明の一実施形態による昇華型プリンタの全体構成を示した分解斜視図である。図2は、図1に示した本発明の一実施形態による昇華型プリンタの斜視図である。図3は、図1に示した本発明の一実施形態による昇華型プリンタの内部構造を示した断面図である。図4〜図12は、図1に示した本発明の一実施形態による昇華型プリンタの詳細を説明するための図である。まず、図1〜図12を参照して、本発明の一実施形態による昇華型プリンタ100の構造について説明する。なお、本実施形態では、画像形成装置の一例である昇華型プリンタに本発明を適用した場合について説明する。
【0028】
本発明の一実施形態による昇華型プリンタ100の装置本体90は、図1に示すように、金属製のシャーシ1と、印字を行うための印字ヘッド2と、印字ヘッド2に対向するように配置されたプラテンローラ3(図4参照)と、金属製の送りローラ4(図4参照)と、所定の押圧力で送りローラ4を押圧する金属製の押さえローラ5(図4参照)と、金属製の支持棒6と、印字ヘッド2の上部を所定の押圧力で押圧するためのヘッド部押圧部材7および8と、樹脂製の駆動ギア9と、送りローラギア10(図5参照)と、樹脂製の下部用紙ガイド11aと、樹脂製の上部用紙ガイド11b(図4参照)と、ゴム製の給紙ローラ12と、給紙ローラギア13(図2参照)と、ゴム製の排紙ローラ14と、排紙ローラギア15(図2参照)と、巻取リール16(図2参照)と、モータブラケット17(図2参照)と、用紙60を搬送するためのステッピングモータ18(図2参照)と、印字ヘッド2を回動させる際の駆動源となるステッピングモータ19(図2参照)と、揺動可能な揺動ギア20(図5参照)と、複数の中間ギア21〜24(図5参照)と、インクシート51が収納されたインクシートカートリッジ50を支持するカートリッジ支持部25とを備えている。また、装置本体90は、図3に示すように、樹脂製の筐体26の内部に配置されるように構成されている。また、本実施形態による昇華型プリンタ100は、図3に示すように、インクシートカートリッジ50と、装置本体90に供給する用紙60を収納するための給紙カセット70とが装置本体90に着脱可能に装着されている。
【0029】
また、図1に示すように、シャーシ1は、互いに対向するように配置された一方側面1aと、他方側面1bと、底面1cとを有している。また、シャーシ1の一方側面1aには、上記したモータブラケット17(図2参照)が取り付けられている。また、シャーシ1の一方側面1aに対向する他方側面1bには、インクシートカートリッジ50を挿入するためのカートリッジ挿入孔1dが設けられている。また、シャーシ1の一方側面1aおよび他方側面1bには、図1に示すように、それぞれ、ヘッド部押圧部材7および8が取り付けられた支持棒6を回動可能に支持する支持孔1eが設けられている。また、シャーシ1の底面1cには、図4に示すように、印刷時に用紙60の前端部および後端部を検出するための用紙センサ27aおよび27bが設けられている。
【0030】
また、2つのプラテンローラ軸受3aは、図1に示すように、それぞれ、シャーシ1の一方側面1aおよび他方側面1bに取り付けられているとともに、その2つのプラテンローラ軸受3aにプラテンローラ3(図4参照)が回動可能に支持されるように構成されている。また、送りローラ4は、図5に示すように、送りローラギア10に挿入される送りローラギア挿入部4aを有している。また、送りローラ4は、シャーシ1に取り付けられた図示しない送りローラ軸受に回動可能に支持されるように構成されている。また、押さえローラ5(図4参照)は、図示しない押さえローラ軸受に回動可能に支持されるように構成されている。また、送りローラ4および押さえローラ5は、図4に示すように、用紙60を間に挟んだ状態で回動することにより、用紙60を給紙方向(矢印T1方向)または排紙方向(矢印U1方向)に搬送する機能を有している。また、給紙ローラ12は、図3に示すように、給紙カセット70(図1参照)に収納された用紙60をシャーシ1の内部に搬送する機能を有している。また、排紙ローラ14は、図3に示すように、印刷終了後の用紙60をシャーシ1の外部に搬送する機能を有している。
【0031】
また、支持棒6の一方および他方の端部には、図7に示すように、それぞれ、支持部6aが設けられている。そして、支持棒6の一方および他方の支持部6aは、図7に示すように、それぞれ、シャーシ1の一方側面1aの支持孔1e、および、他方側面1bの支持孔1eに回動可能に挿入されるように構成されている。また、支持棒6の一方および他方の端部の内側には、図7に示すように、それぞれ、ヘッド部押圧部材7および8が、支持棒6に対して空回りすることなく取り付けられている。
【0032】
また、図1に示すように、ヘッド部押圧部材7には、押圧部7aと、ギア部7bとが一体的に形成されている。また、図2に示すように、ヘッド部押圧部材8には、押圧部8aと、支持棒6が延びる方向に突出する突起部8bとが一体的に形成されている。
【0033】
また、ヘッド部押圧部材7および8には、それぞれ、D字形状に加工された挿入孔7cおよび8cが形成されているとともに、支持棒6の両端部近傍に設けられた挿入部6bの各々に、挿入孔7cおよび8cが嵌め込まれている。これにより、ヘッド部押圧部材7の回動に伴って、支持棒6およびヘッド部押圧部材8を回動させることが可能なように構成されている。また、図1および図2に示すように、ヘッド部押圧部材7および8は、それぞれ、シャーシ1の一方側面1aおよび他方側面1b側に配置されている。
【0034】
また、印字ヘッド2は、図1および図4に示すように、支持軸2aと、プラテンローラ3(図4参照)に対向するように配置されたヘッド部2bと、支持軸2aとヘッド部2bとを連結する一対のアーム部2cと、印刷時にヘッド部2bの熱を放熱するためのアルミニウム製の放熱部2dと、ヘッド部2bの下面に突出するように設けられた印字部2eとを含んでいる。また、印字ヘッド2は、図8および図9に示すように、ヘッド部2bに下方から樹脂製の用紙搬送ガイド28が別部材として取り付けられている。また、図6に示すように、ヘッド部2bの印字部2eの内部には、ヘッド部2bの幅方向(図中の矢印X方向)に沿って複数の発熱体29(外形を破線で示す)が埋め込まれている。また、印字ヘッド2は、図4に示すように、シャーシ1の一方側面1aおよび他方側面1bの内面側にそれぞれ取り付けられた一対の支持軸2aを中心として、上下方向(矢印P1方向および矢印Q1方向)に回動可能となるように配置されている。
【0035】
ここで、本実施形態では、図1および図8に示すように、印字ヘッド2の放熱部2dの上面には、板金製の係合部材30がネジ31によって取り付けられている。また、図8に示すように、係合部材30には、切欠部30aとヘッド部押圧部材8(図4参照)の突起部8b(図4参照)とが係合することにより印字ヘッド2(図4参照)を上下動させるための係合部30bと、放熱部2dのうちヘッド部2bに対応する部分の上面に固定される固定部30cと、幅方向(図中の矢印X方向)に固定部30cと同一の寸法(図10の長さL1に相当)を有し、印字ヘッド2の前面部2f側に固定部30cから実質的に垂直方向下向きに折り曲げられて延びる連結部30dと、連結部30dから印字ヘッド2の幅方向(図中の矢印X方向)に沿って延びるように配置されたインクシートガイド部30eとが一体的に設けられている。
【0036】
また、本実施形態では、インクシートガイド部30eは、平面的に見て、図9および図10に示すように、印字ヘッド2の幅方向(矢印X方向)中央部の所定の領域に設けられた平坦部30fと、印字ヘッド2の幅方向(矢印X方向)の両端部に設けられ、平坦部30fの延びる方向からヘッド部2bの前面部2f側に向かって折り曲げられることにより、一定の傾斜角度αで傾斜するように形成された傾斜部30gとから構成されている。なお、平坦部30fは、本発明の「中央部」の一例である。また、図6および図11に示すように、インクシートガイド部30eは、印字ヘッド2の印字部2eと、後述するインクシートカートリッジ50の巻取ボビン53(図6参照)との間に配置されるように構成されている。したがって、インクシートガイド部30eは、平面的に見て、図10に示すように、平坦部30fおよび傾斜部30gによってインクシート51の巻取方向(図中の矢印A方向)に向かって凸形状となるように形成されている。
【0037】
また、本実施形態では、図10に示すように、インクシートガイド部30eの平坦部30fは、実質的に連結部30dと同一の長さL1(印字ヘッド2の幅方向(矢印X方向)の長さ)を有し、傾斜部30gは、インクシートガイド部30eのうち、連結部30に接続されていない幅方向(矢印X方向)の端部(平坦部30fの両端部に相当する)から外側(インクシート51の幅方向の端部)に向かって延びるように形成されている。また、図10に示すように、印字ヘッド2が回動(図4に示した位置から図11に示した位置まで回動する)して印刷を行う際に、インクシートガイド部30eの平坦部30fは、インクシート51の幅方向の中央領域51aに対応する位置に配置されるとともに、インクシートガイド部30eの傾斜部30gは、インクシート51の端部領域51bに対応する位置に配置されるように構成されている。
【0038】
また、本実施形態では、図11に示すように、印刷時にインクシート51に対して上方から当接するインクシートガイド部30eの当接部30hは、板金部材を実質的に180度折り返すことによって形成されるとともに、インクシート51が滑らかに当接することが可能なように、インクシート51の搬送方向(図中の矢印A方向)に沿った当接部30hの断面形状がU字形状を有するように形成されている。したがって、図11に示すように、印刷時のインクシート51は、供給ボビン52から供給され、印字ヘッド2の印字部2eを矢印A方向に通過した直後に、インクシートガイド部30eの当接部30hによって、搬送方向(巻取方向)を略水平方向から斜め上方向に変化させて巻取ボビン53(図4参照)に巻き取られるように構成されている。また、その際、図12に示すように、インクシート51の中央領域51a(実線で示す)は、インクシートガイド部30eの平坦部30fにおける位置R1(丸印で示す)において当接部30hにより搬送方向を斜め上方向に変化される一方、インクシート51の端部領域51b(2点鎖線で示す)は、インクシートガイド部30eの傾斜部30g(2点鎖線で示す)における位置R2(丸印で示す)において当接部30hにより搬送方向を斜め上方向に変化される。したがって、インクシート51は、インクシートガイド部30eの平坦部30fが当接する中央領域51aから、傾斜部30gに当接する端部領域51bに向かってインクシート51の幅方向(図10の矢印X方向)に反らされた形状を形成しながら、インクシートガイド部30eの当接部30hを通過するように構成されている。
【0039】
また、本実施形態では、係合部材30のヘッド部2bの上方に位置する領域には、図8に示すように、第1バネ固定部30iおよび第2バネ固定部30jが一体的に設けられている。そして、第1バネ固定部30iおよび第2バネ固定部30jには、ヘッド部2bをプラテンローラ3(図7および図11参照)側に付勢するための第1ねじりコイルバネ32および第2ねじりコイルバネ33が、それぞれ、ヘッド部押圧部材7および8(図7参照)に対応する領域に配置されている。なお、第1ねじりコイルバネ32および第2ねじりコイルバネ33は、それぞれ、本発明の「バネ部材」の一例である。また、図7および図8に示すように、係合部材30の第1バネ固定部30iおよび第2バネ固定部30jは、プラテンローラ3(図7参照)の軸方向に所定の間隔を隔てて配置されている。そして、図8に示すように、第1ねじりコイルバネ32および第2ねじりコイルバネ33は、それぞれ、係合部材30の第1バネ固定部30iおよび第2バネ固定部30jに固定されている。また、係合部材30の第1バネ固定部30iには、図8に示すように、係止部30kおよび突出部30lがそれぞれ設けられている。また、係合部材30の第2バネ固定部30jには、図8に示すように、係止部30mおよび突出部30nがそれぞれ設けられている。
【0040】
また、本実施形態では、図7および図8に示すように、第1ねじりコイルバネ32は、ヘッド部押圧部材7(図7参照)が下方に回動したときに、ヘッド部押圧部材7(図7参照)の押圧部7a(図7参照)に押圧される一方端部32aと、その一方端部32aが押圧されることにより発生した付勢力を固定部30cを介してヘッド部2bの上面(上部)に伝達する他方端部32bとを有している。また、図7および図8に示すように、第2ねじりコイルバネ33は、ヘッド部押圧部材8(図7参照)が下方に回動したときに、ヘッド部押圧部材8(図7参照)の押圧部8b(図7参照)に押圧される一方端部33aと、その一方端部33aが押圧されることにより発生した付勢力を固定部30cを介してヘッド部2bの上面(上部)に伝達する他方端部33bとを有している。したがって、図6および図7に示すように、ヘッド部2bの上面(上部)に伝達された第1ねじりコイルバネ32および第2ねじりコイルバネ33の付勢力により、ヘッド部2bの印字部2eがプラテンローラ3側に所定の押圧力で押圧されることが可能なように構成されている。
【0041】
なお、図7および図8に示すように、第1ねじりコイルバネ32の一方端部32aは、係合部材30の係止部30kに係止されているとともに、他方端部32bは、係合部材30の突出部30lに固定されている。また、図7および図8に示すように、第2ねじりコイルバネ33の一方端部33aは、係合部材30の係止部30mに係止されているとともに、他方端部33bは、係合部材30の突出部30nに固定されている。
【0042】
また、本実施形態では、図4に示すように、ヘッド部押圧部材8が上方(矢印Q2方向)に回動する際は、ヘッド部押圧部材8の突起部8bと係合部30bの切欠部30aとが係合することによってヘッド部2bも上方(矢印P2方向)に回動されるように構成されている。その結果、図4に示すように、ヘッド部押圧部材8が上方(矢印Q2方向)に回動する際は、プラテンローラ3に押圧されたヘッド部2bがプラテンローラ3から上方に離間されるように構成されている。なお、切欠部30aの開口側には、突起部8bとの係合を容易に行わせるために、面取加工が施されている。
【0043】
また、図1および図6に示すように、駆動ギア9および中間ギア34(図6参照)は、ステッピングモータ19(図2参照)の駆動力をヘッド部押圧部材7および8に伝達して、ヘッド部押圧部材7および8を回動させるために設けられている。この駆動ギア9は、シャーシ1の一方側面1aの内側に取り付けられている。また、中間ギア34およびステッピングモータ19は、図2に示すように、モータブラケット17を介してシャーシ1の一方側面1a側の外側に取り付けられている。また、駆動ギア9の小径ギア部9aは、図6に示すように、ヘッド部押圧部材7のギア部7bに噛合されているとともに、駆動ギア9の大径ギア部9bは、中間ギア34(図6参照)の小径ギア34aに噛合されている。また、中間ギア34の大径ギア34bは、図6に示すように、ステッピングモータ19のモータギア35に噛合されている。これにより、ステッピングモータ18の駆動力が、中間ギア34および駆動ギア9を介してヘッド部押圧部材7および8に伝達されることが可能とされている。
【0044】
また、図5に示すように、モータブラケット17に取り付けられたステッピングモータ18の軸部には、モータギア36が取り付けられている。また、ステッピングモータ18は、巻取リール16のギア部16aと、給紙ローラギア13と、排紙ローラギア15と、送りローラギア10とを駆動させるための駆動源としての機能を有している。
【0045】
また、巻取リール16は、図5に示すように、後述するインクシートカートリッジ50の巻取ボビン収納部54bの内部に配置された巻取ボビン53に係合することによって、巻取ボビン53に巻き付けられたインクシート51を巻き取るように構成されている。また、図5に示すように、巻取リール16のギア部16aは、揺動ギア20が揺動することによって噛合するように配置されている。
【0046】
また、図4に示すように、下部用紙ガイド11aは、送りローラ4および押さえローラ5の近傍に設置されている。また、上部用紙ガイド11bは、下部用紙ガイド11aの上部に取り付けられている。この上部用紙ガイド11bは、給紙時には、用紙60が下面側を通過するようにして印刷部への給紙経路に案内するとともに、排紙時には、用紙60が上面側を通過するようにして排紙経路に案内することが可能なように構成されている。
【0047】
また、筐体26は、図3に示すように、蓋部材26aおよび26bと、押しボタンスイッチ26cとを含んでいる。また、蓋部材26aおよび26bは、図3に示すように、下端部を中心として筐体26の外部側に回動可能に設けられている。また、筐体26の蓋部材26aは、図3に示すように、給紙カセット70を装置本体90に装着するために開閉可能に設けられている。なお、給紙カセット70が取り外された状態においては、蓋部材26aを閉じることにより、装置本体90の内部に埃などが侵入するのが抑制されるように構成されている。また、筐体26の蓋部材26bは、図3に示すように、インクシートカートリッジ50を装置本体90に装着するために開閉可能に設けられている。なお、インクシートカートリッジ50の着脱時以外は、蓋部材26bを閉じることにより、装置本体90の内部に埃などが侵入するのが抑制されるように構成されている。また、筐体26の押しボタンスイッチ26cは、図3に示すように、ユーザが印刷を開始する際の操作ボタンとして設けられている。
【0048】
また、図1に示すように、インクシートカートリッジ50は、インクシート51を供給するための供給ボビン52と、供給されたインクシート51を矢印A方向に巻き取るための巻取ボビン53とを備えている。また、インクシートカートリッジ50を構成するカートリッジケース54は、図1に示すように、供給ボビン52を回動可能に収納する供給ボビン収納部54aと、巻取ボビン53を回動可能に収納する巻取ボビン収納部54bと、供給ボビン収納部54aおよび巻取ボビン収納部54bを所定の距離を隔てて連結する一対の連結部54cおよび54dとから構成されている。これにより、図1および図4に示すように、供給ボビン収納部54aおよび巻取ボビン収納部54bに、それぞれ、供給ボビン52および巻取ボビン53が収納されると、供給ボビン52および巻取ボビン53に巻き付けられたインクシート51は、供給ボビン収納部54aと巻取ボビン収納部54bとの所定の距離の間で、外部に露出された状態となる。また、インクシート51は、Y色(イエロー色)インクシート、M色(マゼンダ)インクシートおよびC色(シアン色)インクシートの3色のインクシートが順に繋げられて構成されている。また、インクシートカートリッジ50の供給ボビン収納部54aおよび巻取ボビン収納部54bの内部には、それぞれ、図示しない圧縮コイルバネが設けられている。この圧縮コイルバネにより、インクシートカートリッジ50は、装置本体90に装着された状態で、インクシートカートリッジ50の取り出し方向(図1の矢印B方向)に常に付勢されている。
【0049】
図13〜図15は、図1に示した本発明の一実施形態による昇華型プリンタの印刷動作を説明するための図である。次に、図1、図3〜図7および図12〜図15を参照して、本実施形態による昇華型プリンタ100の印刷動作について説明する。
【0050】
まず、印刷開始前の状態では、図4に示すように、印字ヘッド2のヘッド部2bが、プラテンローラ3に対して上方に離間された位置に保持されている。また、この場合、ヘッド部2bは、ヘッド部押圧部材8の突起部8bがヘッド部2bの上部に設けられた係合部材30の係合部30b(厳密には切欠部30aを示す)と係合していることにより、ヘッド部2bは矢印P1方向への回動が抑制されている。
【0051】
そして、ユーザが押しボタンスイッチ26c(図3参照)を押圧することによって印刷動作が開始されると、図4に示すように、ステッピングモータ19(図6参照)が駆動して、ステッピングモータ19(図6参照)の駆動力が中間ギア34(図6参照)の大径ギア34b(図6参照)、小径ギア34a(図6参照)および駆動ギア9(図6参照)を介してヘッド部押圧部材7(図7参照)のギア部7b(図7参照)に伝達されることにより、ヘッド部押圧部材7(図7参照)が支持棒6を支点として矢印Q1方向に回動される。この際、ヘッド部押圧部材7および8(図7参照)が支持棒6に対して空回りすることがないので、ヘッド部押圧部材8もヘッド部押圧部材7(図7参照)と共に矢印Q1方向に回動される。そして、ヘッド部押圧部材8の突起部8bが矢印Q1方向に回動することにより、突起部8bにより矢印P1方向への回動が抑制されていたヘッド部2bが矢印P1方向に回動する。これにより、図4に示した状態から、図13に示すように、ヘッド部2bがプラテンローラ3に対して上方に離間された位置から徐々に降下し始め、プラテンローラ3側(押圧側)に移動を開始される。
【0052】
また、印字ヘッド2の矢印P1方向への回動に伴って、図13に示した状態から、用紙60が印刷開始位置に向かって搬送(給紙)されるとともに、用紙60の前端部および後端部を検出するための用紙センサ27aおよび27bによって、図14に示すように、用紙60の頭出しが行われる。なお、給紙時には、図5に示すように、ステッピングモータ18が駆動するのに伴って、ステッピングモータ18に取り付けられたモータギア36が矢印C3方向に回動し、中間ギア21および22を介して、送りローラギア10が矢印C1方向に回動する。これにより、送りローラ4が、矢印C1方向に回動する。さらに、中間ギア23および24を介して、給紙ローラギア13および給紙ローラ12が、矢印C4方向に回動する。これにより、用紙60(図13参照)が給紙方向(図13の矢印T1方向)に搬送される。このとき、揺動可能な揺動ギア20(図5参照)は、巻取リール16(図5参照)のギア16a(図5参照)に噛合しておらず、巻取リール16(図5参照)のギア16a(図5参照)は回動しない。これにより、給紙時には、供給ボビン52(図13参照)に巻き付けられたインクシート51は、巻取ボビン53によって巻き取られない。
【0053】
そして、図14に示すように、用紙60の頭出し完了後に、印字ヘッド2がインクシート51および用紙60を押圧する位置に移動された状態で、さらにヘッド部押圧部材7および8が矢印Q1方向に回動される。これにより、図7に示すように、ヘッド部押圧部材7の押圧部7aによって、係合部材30の第1バネ固定部30iに取り付けられた第1ねじりコイルバネ32の一方端部32aが押圧される。また、ヘッド部押圧部材8の押圧部8aによって、係合部材30の第2バネ固定部30jに取り付けられた第2ねじりコイルバネ33の一方端部33aが押圧される。この際、第1ねじりコイルバネ32および33に付勢力が発生するとともに、その付勢力が第1ねじりコイルバネ32および第2ねじりコイルバネ33の各々の他方端部32bおよび33bを介してヘッド部2bの上部に伝達される。これにより、図14に示すように、ヘッド部2bの印字部2eが、インクシート51(Y色インクシート)および用紙60を介して、プラテンローラ3に押圧される。そして、印字部2eの発熱体29が発熱することによって、インクシート51(Y色インクシート)のインクが溶融・昇華して、用紙60にインクが転写される。
【0054】
また、図5に示すように、ステッピングモータ18が駆動するのに伴って、ステッピングモータ18に取り付けられたモータギア36が矢印D3方向に回動し、中間ギア21および22を介して、送りローラギア10が矢印D1方向に回動する。これにより、送りローラ4は、図14に示すように、送りローラギア10(図5参照)の回動に伴って、図5の矢印D1方向に回動されているので、用紙60は、排紙方向(矢印U1方向)に搬送される。また、揺動可能な揺動ギア20は、図5に示すように、巻取リール16のギア部16aに噛合する方向(矢印D2方向)に揺動されて、巻取リール16のギア部16aと噛合される。これにより、巻取リール16のギア部16aが矢印D4方向に回動されるので、供給ボビン52(図14参照)に巻き付けられたインクシート51が巻取ボビン53に巻き取られる。このようにして、図14に示すように、用紙60およびインクシート51は、ともに排紙方向(矢印U1方向)に搬送されながら、インクシート51(Y色インクシート)のインクが連続して用紙60に転写される。
【0055】
ここで、本実施形態では、図12に示すように、インクが用紙60に転写された直後のインクシート51が矢印A方向に搬送される際、インクシート51の中央領域51a(実線で示す)は、インクシートガイド部30eの平坦部30fにおける位置R1(丸印で示す)において当接部30hにより搬送方向を略水平方向から斜め上方向に変化させる一方、インクシート51の端部領域51b(2点鎖線で示す)は、インクシートガイド部30eの傾斜部30g(2点鎖線で示す)における位置R2(丸印で示す)において当接部30hにより搬送方向を斜め上方向に変化される。したがって、インクシート51は、インクシートガイド部30eの平坦部30fが当接する中央領域51aから、傾斜部30gに当接する端部領域51bに向かってインクシート51の幅方向(図10の矢印X方向)に反らされた形状を形成しながら、インクシートガイド部30eの当接部30hを通過するとともに、巻取ボビン(図14参照)に巻き取られる。
【0056】
次に、Y色(イエロー色)インクシートの印刷が終了されると、ステッピングモータ19(図5参照)が駆動され、ステッピングモータ19の駆動力が、中間ギア34(図7参照)および駆動ギア9(図1参照)を介してヘッド部押圧部材7のギア部7b(図1参照)に伝達される。そして、ヘッド部押圧部材7(図6参照)が、図15に示すように、支持棒6を中心として矢印Q2方向に回動される。このとき、ヘッド部押圧部材7および8(図6参照)が支持棒6に対して空回りすることがないので、ヘッド部押圧部材8も矢印Q2方向に回動される。そして、ヘッド部押圧部材8の突起部8bが矢印Q2方向に回動されることにより、ヘッド部押圧部材8の突起部8bにより突起部8bと係合する印字ヘッド2の係合部材30の係合部30b(厳密には切欠部30aを示す)が上方に持ち上げられるとともに、印字ヘッド2のヘッド部2bが矢印P2方向に回動される。これにより、印字ヘッド2のヘッド部2bがプラテンローラ3に対して離間された位置に移動される。
【0057】
そして、図5に示すように、ステッピングモータ18が駆動するのに伴って、ステッピングモータ18に取り付けられたモータギア36が矢印C3方向に回動されるとともに、中間ギア21および22を介して、送りローラギア10が矢印C1方向に回動される。これにより、送りローラ4は、図15に示すように、送りローラギア10(図4参照)の回動に伴って、矢印C1方向に回動されているので、用紙60は給紙方向(矢印T1方向)に再び搬送され、用紙センサ27aおよび27bによって、用紙60の頭出しが行われる。また、揺動可能な揺動ギア20(図5参照)は、巻取リール16(図5参照)のギア部16aと離間する方向(図5の矢印C2方向)に揺動される。これにより、供給ボビン52に巻き付けられたインクシート51が巻取ボビン53に巻き取られることなく、用紙60のみが給紙方向に搬送される。
【0058】
その後、M色(マゼンタ色)インクシートおよびC色(シアン色)インクシートについて、図13〜図15に示した上記のY色(イエロー色)インクシートを印刷する際の印刷動作と同様の動作が繰り返し行われる。
【0059】
ここで、本実施形態では、インクシート51(図14参照)のM色(マゼンタ色)インクシートおよびC色(シアン色)インクシートが、それぞれ、巻取ボビン53(図14参照)によって巻き取られながら用紙60(図14参照)に印刷が繰り返される際も、図12に示すように、インクシート51の中央領域51a(実線で示す)は、インクシートガイド部30eの平坦部30fにおける位置R1(丸印で示す)において当接部30hにより搬送方向を略水平方向から斜め上方向に変化させる一方、インクシート51の端部領域51b(2点鎖線で示す)は、インクシートガイド部30eの傾斜部30g(2点鎖線で示す)における位置R2(丸印で示す)において当接部30hにより搬送方向を斜め上方向に変化させるので、インクシート51は、インクシートガイド部30eの平坦部30fが当接する中央領域51aから、傾斜部30gに当接する端部領域51bに向かって斜め上方向に反った形状を形成しながら、インクシートガイド部30eの当接部30hを通過するとともに、巻取ボビン53(図14参照)に巻き取られる。
【0060】
そして、全ての色のインクシート51の印刷が終了されると、用紙60が排紙方向(図15の矢印U1方向)に搬送され、装置本体90の外部に排出される。そして、印字ヘッド2のヘッド部2bが、図4に示すように、プラテンローラ3に対して上方に離間された位置まで矢印P2方向に回動され、用紙60への印刷動作が終了される。
【0061】
本実施形態では、上記のように、印刷時に印字ヘッド2のヘッド部2bの上部を所定の押圧力で押圧することにより、印字ヘッド2をインクシート51に押圧するためのヘッド部押圧部材7および8を備えるように構成することによって、ヘッド部押圧部材7および8による印字ヘッド2の上部への押圧により、ヘッド部押圧部材7および8による押圧力を直接的に印字ヘッド2に伝達させることができる。したがって、横長形状で長手方向に所定の印字幅を有する印字ヘッド2を、インクシート51に対して適切な押圧力で確実に押圧することができる。また、印字ヘッド2の放熱部2dの上面側に取り付けられ、ヘッド部押圧部材7および8と係合して印字ヘッド2を矢印P1方向(図4参照)および矢印P2方向(図4参照)に上下動させるための係合部30bを含む係合部材30と、係合部材30と一体的に設けられ、インクシート51の搬送をガイドするインクシートガイド部30eとを備えるように構成することによって、インクシートガイド部30eを係合部材30とは別体として設ける場合と異なり、印字ヘッド2を構成する部品点数が増加することを抑制することができる。
【0062】
また、本実施形態では、ヘッド部押圧部材7および8と係合して印字ヘッド2を矢印P1方向(図4参照)および矢印P2方向(図4参照)に上下動させるための係合部30bを含む係合部材30と一体的に、印刷時にインクシート51の搬送をガイドするインクシートガイド部30eを設けるように構成することによって、印刷時に、インクシートガイド部30eは、印字ヘッド2の押圧動作に伴ってインクシート51の矢印A方向(図11参照)への搬送をガイドする一方、非印刷時には、印字ヘッド2とともにインクシート51から離間した状態となるので、インクシート51には不要な外力が加えられない。したがって、非印刷時にインクシートカートリッジ50が長期間放置された場合でも、インクシート51に幅方向の反りが生じることを抑制することができる。
【0063】
また、本実施形態では、インクシートガイド部30eを、平面的に見て平坦部30fがインクシート51の巻取方向(図10の矢印A方向)に向かって凸状に形成するように構成することによって、インクシートガイド部30eは、インクシート51の中央領域51a(図12参照)と端部領域51b(図12参照)とにおいて、インクシート51の巻取方向(図12の矢印A方向)に対して前後に異なった位置R1(図12参照)およびR2(図12参照)で、それぞれガイドを行う。すなわち、インクシート51は、インクシート51の端部領域51b(位置R2に相当)から順に中央領域51a(位置R1に相当)に向かって搬送動作をガイドされるので、インクシート51の端部領域51bに発生しやすい皺を優先的に抑制することができる。さらに、インクシート51は、図12に示すように、インクシートガイド部30eの平坦部30fが当接する中央領域51aから、傾斜部30gに当接する端部領域51bに向かって斜め上方向に反った形状を形成させながら、インクシートガイド部30eを通過させることもできるので、インクシート51は、巻取方向(図10の矢印A方向)のみならず幅方向にも張力が発生するために、インクシート51の全領域に皺が発生することを抑制することができる。
【0064】
また、本実施形態では、印字ヘッド2のヘッド部2bを、印刷時にインクシート51と当接する印字部2eを含むように構成するとともに、印字ヘッド2の印字部2eと巻取ボビン53との間に配置されるインクシートガイド部30eを、平面的に見て幅方向の端部側に設けられ、巻取ボビン53側から印字部2e側に向かって一定の傾斜角度αで傾斜する傾斜部30gを有するように構成することによって、インクシート51は、インクシートガイド部30eの傾斜部30gにより、より印字部2eに近い位置からインクシート51の幅方向(図6の矢印X方向)の端部領域51bをガイドされるので、印字ヘッド2は、より確実に皺の発生が抑制されたインクシート51を押圧することができる。また、特に、図12に示すように、インクシートガイド部30eによるインクシート51の中央領域51aから端部領域51bに向かってインクシート51の幅方向(図6の矢印X方向)に反った形状を、インクシートガイド部30eから傾斜部30gに沿って印字部2e側の方向(インクシート51の搬送方向と逆の方向)に継続させることができるので、印字ヘッド2は皺の発生が抑制されたインクシート51を、より一層、確実に押圧することができる。
【0065】
また、本実施形態では、インクシートガイド部30eの傾斜部30gを、インクシート51の幅方向の端部領域51b近傍に対応する位置に設けるように構成することによって、インクシートガイド部30eの傾斜部30gは、インクシート51の幅方向(図6の矢印X方向)の端部領域51bにおいてインクシート51の搬送をガイドすることができるので、インクシートガイド部30eの傾斜部30gによりインクシート51の幅方向の端部領域51bに皺が発生することを、容易に抑制することができる。また、特に、図12に示すように、インクシートガイド部30eの傾斜部30gは、インクシート51の幅方向(図6の矢印X方向)の端部領域51bにおいて、インクシート51の端部領域51bをインクシート51の幅方向(図6の矢印X方向)に反らせることができるので、インクシート51の端部領域51bに皺が発生することを、より一層、確実に抑制することができる。
【0066】
また、本実施形態では、インクシートガイド部30eが一体的に形成される係合部材30は板金製であり、インクシート51に当接するインクシートガイド部30eの当接部30hを、板金製の係合部材30の端部を実質的に180度折り返すことによりインクシート51の搬送方向(図11の矢印A方向)に沿った断面形状がU字形状に形成されるように構成することによって、印刷時にインクシート51が矢印A方向(図11参照)に巻き取られる際、インクシートガイド部30eは、当接部30hにおいてインクシート51に滑らかに当接することができるので、インクシート51にインクシートガイド部30eによる擦り傷や当接部30hとの摩擦による皺の発生を抑制することができる。
【0067】
また、本実施形態では、インクシートガイド部30eが一体的に形成される係合部材30を、印字ヘッド2の上面側の放熱部2dに取り付けられる固定部30cと、固定部30cとインクシートガイド部30eの平坦部30fとを接続する連結部30dとを含むように構成するとともに、インクシートガイド部30eの傾斜部30gを、インクシートガイド部30eの連結部30dが接続されていない幅方向(図6の矢印X方向)の端部側に設けるように構成することによって、インクシートガイド部30eの連結部30dが接続されていない傾斜部30gは、板部材の曲げ加工により、容易に曲げることができるので、インクシートガイド部30eの傾斜部30gを容易に形成することができる。
【0068】
また、本実施形態では、ヘッド部押圧部材7および8の押圧力を、係合部材30を介して印字ヘッド2のヘッド部2bの上面(上部)に伝達するための第1ねじりコイルバネ32および第2ねじりコイルバネ33を備えるとともに、係合部材30を、第1ねじりコイルバネ32および第2ねじりコイルバネをそれぞれ固定することが可能に形成されるように構成することによって、第1ねじりコイルバネ32および第2ねじりコイルバネを固定する部材を係合部材30に別途設ける必要がないので、印字ヘッド2を構成する部品点数の増加を抑制することができる。
【0069】
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0070】
たとえば、上記実施形態では、画像形成装置の一例としての昇華型プリンタに本発明を適用した例を示したが、本発明はこれに限らず、インクシートにより用紙に画像が印刷可能な印字ヘッドを備えた画像形成装置であれば、昇華型プリンタ以外の他の画像形成装置にも適用可能である。
【0071】
また、上記実施形態では、インクシートガイド部30eを、平坦部30fの両端部に一定の傾斜角度αを有する傾斜部30gを形成した例を示したが、本発明はこれに限らず、平坦部30fの両端部に一定の傾斜角度以外のたとえば湾曲した傾斜面を有する傾斜部を形成するようにしてもよい。
【0072】
また、上記実施形態では、係合部材30を板金製とする例を示したが、本発明はこれに限らず、係合部材30を樹脂部材による一体成形品によって構成するようにしてもよい。
【0073】
また、上記実施形態では、第1ねじりコイルバネ32および第2ねじりコイルバネ33によって、ヘッド部押圧部材7および8の押圧力を係合部材30を介して印字ヘッド2の上部に伝達するように構成した例を示したが、本発明はこれに限らず、ねじりコイルバネ以外のバネ部材によってヘッド部押圧部材7および8の押圧力を印字ヘッド2の上部に伝達するように構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明の一実施形態による昇華型プリンタの全体構成を示した分解斜視図である。
【図2】図1に示した一実施形態による昇華型プリンタの斜視図である。
【図3】図1に示した一実施形態による昇華型プリンタの全体構成を示した分解斜視図である。
【図4】図1に示した一実施形態による昇華型プリンタの内部構造を示した断面図である。
【図5】図1に示した一実施形態による昇華型プリンタのギアの配置位置を示した図である。
【図6】図1に示した一実施形態による昇華型プリンタの上面図である。
【図7】図1に示した一実施形態による昇華型プリンタの正面図である。
【図8】図1に示した一実施形態による昇華型プリンタの印字ヘッドの詳細構造を示した斜視図である。
【図9】図1に示した一実施形態による昇華型プリンタの印字ヘッドの下面図である。
【図10】図1に示した一実施形態による昇華型プリンタの印字ヘッドとインクシートとの位置関係を示した図である。
【図11】図1に示した一実施形態による昇華型プリンタの印字ヘッドがプラテンローラを押圧する際の状態を示した図である。
【図12】図1に示した一実施形態による昇華型プリンタの印字ヘッドがプラテンローラを押圧する際のインクシートガイド部近傍の拡大図である。
【図13】図1に示した一実施形態による昇華型プリンタの印刷動作を説明するための図である。
【図14】図1に示した一実施形態による昇華型プリンタの印刷動作を説明するための図である。
【図15】図1に示した一実施形態による昇華型プリンタの印刷動作を説明するための図である。
【符号の説明】
【0075】
2 印字ヘッド
2e 印字部
7、8 ヘッド部押圧部材
30 係合部材
30b 係合部
30c 固定部
30d 連結部
30e インクシートガイド部
30f 平坦部(中央部)
30g 傾斜部
30h 当接部
32 第1ねじりコイルバネ(バネ部材)
33 第2ねじりコイルバネ(バネ部材)
50 インクシートカートリッジ
51 インクシート
53 巻取ボビン
60 用紙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インクシートカートリッジに収納されるとともに、前記インクシートカートリッジの巻取ボビンにより巻き取られるインクシートと印刷時に当接する印字部を含み、前記インクシートにより用紙に画像が印刷可能な印字ヘッドを備えた画像形成装置において、
印刷時に前記印字ヘッドの上部を所定の押圧力で押圧することにより、前記印字ヘッドを前記インクシートに押圧するためのヘッド部押圧部材と、
前記ヘッド部押圧部材の押圧力を前記係合部材を介して前記印字ヘッドに伝達するためのバネ部材と、
固定部により前記印字ヘッドに取り付けられ、前記ヘッド部押圧部材と係合して前記印字ヘッドを上下動させるための係合部を含むとともに、前記バネ部材を固定することが可能に形成された板金製の係合部材と、
前記係合部材と一体的に設けられ、平面的に見て中央部が前記インクシートの巻取方向に向かって凸状に形成されるとともに前記印字ヘッドの前記印字部と前記巻取ボビンとの間に配置され、前記印刷時に前記インクシートの搬送をガイドするインクシートガイド部とをさらに備え、
前記係合部材は、前記固定部と前記インクシートガイド部の中央部とを接続する連結部とをさらに含み、
前記インクシートガイド部は、平面的に見て幅方向の端部側に設けられ、前記巻取ボビン側から前記印字部側に向かって傾斜する傾斜部を有し、
前記インクシートガイド部の前記傾斜部は、前記インクシートの幅方向の端部近傍に対応する位置であるとともに、前記インクシートガイド部の前記連結部が接続されていない幅方向の端部側に設けられ、
前記インクシートに当接する前記インクシートガイド部の当接部は、前記係合部材の端部を折り曲げることにより前記インクシートの搬送方向に沿った断面形状がU字形状に形成されている、画像形成装置。
【請求項2】
インクシートにより用紙に画像が印刷可能な印字ヘッドと、
印刷時に前記印字ヘッドの上部を所定の押圧力で押圧することにより、前記印字ヘッドを前記インクシートに押圧するためのヘッド部押圧部材と、
前記印字ヘッドに取り付けられ、前記ヘッド部押圧部材と係合して前記印字ヘッドを上下動させるための係合部を含む係合部材と、
前記係合部材と一体的に設けられ、平面的に見て中央部が前記インクシートの巻取方向に向かって凸状に形成されるとともに、前記印刷時に前記インクシートの搬送をガイドするインクシートガイド部とを備えた、画像形成装置。
【請求項3】
前記印字ヘッドは、印刷時に前記インクシートと当接する印字部を含み、
前記インクシートはインクシートカートリッジに収納されるとともに、前記インクシートカートリッジの巻取ボビンにより巻き取られ、
前記インクシートガイド部は、前記印字ヘッドの前記印字部と前記巻取ボビンとの間に配置され、
前記インクシートガイド部は、平面的に見て幅方向の端部側に設けられ、前記巻取ボビン側から前記印字部側に向かって傾斜する傾斜部を有する、請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記インクシートガイド部の前記傾斜部は、前記インクシートの幅方向の端部近傍に対応する位置に設けられている、請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記インクシートガイド部が一体的に形成される前記係合部材は板金製であり、
前記インクシートに当接する前記インクシートガイド部の当接部は、前記板金製の前記係合部材の端部を折り曲げることにより前記インクシートの搬送方向に沿った断面形状がU字形状に形成されている、請求項2〜4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記インクシートガイド部が一体的に形成される前記係合部材は、前記印字ヘッドに取り付けられる固定部と、前記固定部と前記インクシートガイド部の中央部とを接続する連結部とをさらに含み、
前記インクシートガイド部の前記傾斜部は、前記インクシートガイド部の前記連結部が接続されていない幅方向の端部側に設けられている、請求項2〜5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記ヘッド部押圧部材の押圧力を前記係合部材を介して前記印字ヘッドに伝達するためのバネ部材をさらに備え、
前記係合部材は、前記バネ部材を固定することが可能に形成されている、請求項2〜6のいずれか1項に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2008−168479(P2008−168479A)
【公開日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−2217(P2007−2217)
【出願日】平成19年1月10日(2007.1.10)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】