説明

画像形成装置

【課題】インデックス印刷に好適な画像形成装置を提供すること。
【解決手段】ファイルの内容を示す画データと、ファイルを識別するためのファイル識別情報とを配置する配置区画42を行方向と列方向とにレイアウトして記録用紙に印刷する画像形成装置において、ファイル識別情報の長さによりソートして、その順にファイル識別情報とそのファイル識別情報に関連する画データとを行方向に並ぶ配置区画42に各々配置し、ファイル識別情報を配置区画42に全体表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インデックス印刷機能を有する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、インデックス機能を有する画像形成装置が知られている。例えば、特許文献1に記載する画像形成装置用インデックスプリント作成方法は、同一フォルダに保存されている画像を選択した後、画像1コマの大きさの設定、付帯印刷事項の設定、並びに必要に応じてフォントやプリンタの設定を行い、設定された条件に従って選択した画像を付帯印刷事項とともに自動的にレイアウトし、インデックス印刷する。付帯印刷事項には、ファイル名、画像タイトル、ファイル更新日時が含まれる。よって、特許文献1に記載するインデックスプリント作成方法によれば、インデックス印刷時に画像や付帯印刷事項のレイアウトを設定する複雑な手順が不要であり、画像形成装置の操作性を向上させることができる。
【0003】
【特許文献1】特開2000−332985号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記インデックスプリント作成方法を適用する画像形成装置は、ファイル名が長いと、そのファイル名全体を記録用紙にインデックス印刷できず、ファイルを判別することができないことがあり、不便であった。
【0005】
具体的には、例えば、文書データの1頁目を画像表示してインデックスプリントする場合、画像表示される文字が点となることがある。また、例えば、作成した報告書の内容を何回か修正し、修正回数をファイル名の後方につけて各報告書を同一フォルダに保存する場合、それらの文書データは、インデックス印刷する画像が報告書の表紙で同一になる一方、画データとともに表示するファイル名が、後方に付加した修正回数の部分だけ異なることがある。このようにインデックス印刷した画像からファイルを特定できない場合には、ユーザはファイル名を手がかりにして、文書データの内容を判別する必要がある。
【0006】
ところが、従来のインデックスプリント作成方法を適用する画像形成装置は、ファイル名が長い場合、ファイル名を先頭部分から部分的にしか印刷しなかった。そのため、ユーザは、インデックス印刷したファイル名から文書内容等のデータを確認できず、結局、ファイルの文書データを一つずつ打ち出して文書内容を確認しなければならなかった。
【0007】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、インデックス印刷に好適な画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る画像形成装置は、次のような構成を有している。
(1)ファイルの内容に応じた画データと、前記ファイルを識別するためのファイル識別情報とを配置する配置区画を行方向と列方向とにレイアウトして記録用紙に印刷する画像形成装置において、前記ファイル識別情報の長さが近いものを選択し、選択したファイル識別情報とそのファイル識別情報に関連する画データとを前記行方向に並ぶ前記配置区画に各々配置することを特徴とする。
【0009】
(2)ファイルの内容に応じた画データと、前記ファイルを識別するためのファイル識別情報とを配置する配置区画を行方向と列方向とにレイアウトして印刷する画像形成装置において、前記ファイル識別情報の長さに基づいて選択したファイル識別情報と、そのファイル識別情報に関連する画データとを前記行方向に並ぶ前記配置区画に各々配置する配置手段と、を有することを特徴とする。
(3)(2)に記載の発明、前記配置手段は、前記ファイル識別情報の長さ順にソートして、その順に前記配置区画に各々配置することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
上記構成を有する本発明の画像形成装置によれば、ファイル識別情報が長い場合であっても、ファイル識別情報の長さが近いものを選択し、選択したファイル識別情報とそのファイル識別情報に関連する画データとを行方向に並ぶ配置区画に各々配置するので、ファイル識別情報全体を見やすく印刷することができる。
また、本発明の画像形成装置は、記録用紙の利用度が高くなるように、画データとファイル識別情報とを配置区画に配置するので、印刷効率を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
次に、本発明に係る画像形成装置の一実施の形態について図面を参照して説明する。
【0012】
図1は、レーザプリンタ1の外観構成図である。
本発明の「画像形成装置」の一例であるレーザプリンタ1は、画データとファイル識別情報とを配置区画42に配置して印刷するインデックス機能を備える。本実施形態のレーザプリンタ1は、ファイル識別情報の長さに応じて画データ及びファイル情報をソートして配置区画42に順番に配置する点に特徴を有する。
【0013】
(レーザプリンタの外観構成)
レーザプリンタ1は、箱形の本体ケーシング2によって外観が構成されている。本体ケーシング2の下方には、記録用紙3を収容する給紙カセット4が正面側から着脱できるように設けられている。本体ケーシング2の上面には、排紙トレイ5が形成され、排紙トレイ5の片側に操作部6が設けられている。操作部6は、レーザプリンタ1を操作するものであって、操作指示を入力する操作ボタン7やデータを表示する表示パネル8等を備える。本体ケーシング2の側面には、レーザプリンタ1をON/OFFする電源投入スイッチ9が設けられている。また、本体ケーシング2の正側面(給紙カセット4を装着する側面)には、USBポート10が設けられ、USBケーブルやUSBメモリなどの外部記憶装置が接続されるようになっている。
【0014】
(レーザプリンタの内部構造)
図2は、図1に示すレーザプリンタ1の内部構造を示す概略図である。
レーザプリンタ1は、給紙カセット4の上方に搬送ベルト駆動ローラ11と搬送ベルト従動ローラ12とが本体ケーシング2に内設され、その搬送ベルト駆動ローラ11と搬送ベルト従動ローラ12とに巻回された搬送ベルト13を半時計回りに移動させる。搬送ベルト駆動ローラ11と搬送ベルト従動ローラ12の上流側には、給紙部14が設けられ、給紙カセット4から記録用紙3をピックアップして画像形成部15へ送り出す。
【0015】
画像形成部15は、画像形成ユニット16Y,16M,16C,16Kを搬送ベルト13の搬送方向に沿って並べて設け、画像形成ユニット16Y,16M,16C,16Kの下流側に定着部17を配置している。画像形成ユニット16Y,16M,16C,16Kは、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色トナーを収容し、搬送ベルト13によって搬送される記録用紙3に各色の可視像を重ね合わせて形成する。記録用紙3に形成された可視像は、定着部17において熱定着される。
【0016】
画像形成部15の下流側には、排紙部18が設けられ、画像形成部15で画像形成された記録用紙3を排紙トレイ5に排紙する。
このような構成を有するレーザプリンタ1は、制御部19に各部を制御される。
【0017】
(レーザプリンタの電気的構成)
図3は、図2に示す制御部19の電気ブロック図である。
制御部19は、周知のコンピュータであって、データの加工・演算を行うCPU21を中心に構成されている。CPU21には、入出力インターフェース(以下「入出力I/F」という。)22と、ROM(Read Only Memory)23と、RAM(Random Access Memory)24と、HDD(Hard Disk Drive)25と、USBインターフェース(以下「USBI/F」という。)26とが接続されている。
【0018】
CPU21は、データを加工・演算して処理するものである。
入出力I/F22には、操作ボタン7、表示パネル8、電源投入スイッチ9、給紙部14、画像形成ユニット16、定着部17、排紙部18などが接続されている。
【0019】
ROM23は読み出し専用の不揮発性メモリであり、各種データやプログラムを記憶する。ROM23には、インデックス印刷プログラム27が格納されている。
【0020】
インデックス印刷プログラム27は、USBメモリ30などの記憶媒体に記憶されている画データと画データに関連するファイル識別情報とを読み込んで、画データとファイル識別情報とを配置するための配置区画42を複数備える配置領域41に配置し、記録用紙3に一覧印刷するインデックス印刷を制御するものである。インデックス印刷プログラム27の具体的内容については後述する。
【0021】
図4は、インデックス印刷プログラム27を実行して得た印刷結果の一例を示す図である。
記録用紙3には、配置領域41内に配置区画42が行方向(X方向)と列方向(Y方向)に並んで格子状に配置される。各配置区画42は、画データを配置するための画データ配置欄43と、ファイル情報を配置するためのファイル情報配置欄44とを備える。本実施形態では、ファイル情報配置欄44には、通し番号を表示するための通し番号表示欄45と、ファイル識別情報を表示するためのファイル識別情報表示欄46と、更新情報を表示するための更新情報表示欄47とが設けられている。
【0022】
本実施形態において、「画データ」とは、ファイルに記憶されているデータを画像表示するものをいい、デジタルカメラなどで撮影した画像データの他、文書ファイル内の文字列を画像表示するデータなどを含む。
「ファイル情報」とは、ファイルに関連する情報をいい、例えば、ファイル名、ファイルパス名、データのプロパティ(作成日時、更新日時、作成者など)、文書ファイルであった場合の先頭文字列等を含む。
「通し番号」とは、各配置区画42に個別に付与した番号をいう。
「ファイル識別情報」とは、ファイル情報に含まれる情報の一つであり、ファイルを識
別するための情報をいう。例えば、ファイル識別情報は、ファイル名、データ内の文字列識別子などを含む。
「更新情報」とは、ファイル更新に関する情報であり、例えば、年月日、時間を含む。
【0023】
尚、本実施形態では、ファイル識別情報表示欄46は、1行の文字数が24文字とする。そのため、ファイル識別情報表示欄46は、ファイル識別情報が24文字を超える場合には、ファイル識別情報を複数行にわたって全体表示する。よって、ファイル識別情報表示欄46の設定範囲(面積)は、ファイル識別情報の長さに応じて異なる。これに伴い、配置区画42の設定範囲(面積)も異なることがある。本実施形態では、ファイル識別情報の長さが短い順にファイルの画データ等を配置区画42に順番に配置する。また、本実施形態では、画データ位置を行方向に一列に整列させるように配置区画42を行方向に並べている。そのため、本実施形態は、配置区画42が横一例に並ぶ行の行間が、必ずしも一定でない。
【0024】
図3に戻り、RAM24は読み書き可能な揮発性メモリであり、各種データやプログラムを記憶する。RAM24には、ファイル識別情報記憶テーブル28と、バッファ29とが設けられている。ファイル識別情報記憶テーブル28は、USBメモリ30などの記憶媒体から読み込んだファイルのファイル識別情報を記憶するものである。バッファ29は、インデックス印刷時に使用する画データやファイル情報などを記憶するものである。
【0025】
HDD25は読み書き可能な不揮発性メモリである。
USBI/F26は、USBポート10(図1参照)に接続されるUSBメモリ30などとの間でデータを入出力するものである。
【0026】
(インデックス印刷プログラム)
図5は、図3に示すインデックス印刷プログラム27のフロー図である。
インデックス印刷プログラム27は、ファイル識別情報の長さに基づいて画データとその画データに関連するファイル情報とをソートして配置区画42に配置し、記録用紙3に印刷するものである。インデックス印刷プログラム27は、ユーザが操作部6を操作してインデックス印刷指令を入力すると、USBポート10にUSBメモリ30等の記憶媒体が外部接続していることを条件に、ROM23からRAM24に読み込まれて実行される。
【0027】
インデックス印刷プログラム27は、先ずステップ1(以下「S1」と略記する。)において、バッファ29に記憶されている配置領域情報を初期化し、直前のインデックス印刷において更新登録された配置領域情報を消去する。ここで、「配置領域情報」とは、配置領域41(図4参照)に関する情報をいい、例えば、配置領域41の設定範囲、行方向と列方向に配置可能な配置区画42の数、配置区画42の1個当たりの設定範囲、配置区画42にデータが配置されたかどうかの情報、画データ配置欄43に配置可能な画データのサイズ、ファイル情報配置欄44に配置するデータの条件(例えば通し番号の付与方法、ファイル識別情報表示欄46の1行に表示できる文字数、更新情報の表示方法、ファイル情報配置欄44に配置するデータの種類)などを含む。尚、本実施形態では、画データ及びその画データに関連するファイル識別情報は、ソート結果に従ってファイルの順序を入れ替え、図4において上段左側から右側に向かって順次配置される。
【0028】
そして、S2において、USBポート10に接続されているUSBメモリ30から、USBメモリ30に記憶されているファイルを全て読み込んでRAM24に記憶する。そして、S3において、RAM24に記憶した全ファイルからファイル識別情報を抽出して取得し、RAM24のファイル識別情報記憶テーブル28に記憶する。この時点では、USBメモリ30に記憶されているファイルの順序に従って、ファイル識別情報をファイル識別情報記憶テーブル28に記憶する。
【0029】
そして、S4において、ファイル識別情報記憶テーブル28に記憶したファイル識別情報の長さ(文字数)を調べ、ファイル識別情報の長さ(文字数)が短い(少ない)ものから長い(多い)ものへ順にファイル識別情報を並べ替えてソートする。そして、S5において、S4のソート結果に従ってファイルを配置する順序を決定する。本実施形態では、ファイル識別情報の短いものから順番にファイルを配置区画42に配置するものとする。
【0030】
そして、S6において、配置領域情報をバッファ29から取得する。配置領域情報が初期化された段階では、配置区画42は行方向と列方向に一定間隔で配置され、全ての配置区画42が空欄になっている。配置区画42には、上段左側から右側に向かって順番に通し番号が付与され、通し番号表示欄45に通し番号が表示される。
【0031】
そして、S7において、ファイル識別情報記憶テーブル28を参照して、配置区画42に配置されていない未配置のファイル識別情報の中で最も短いファイル識別情報を特定し、特定したファイル識別情報に対応する画データとファイル情報をRAM24から取得する。尚、ファイル識別情報が未配置であるか、配置済みであるかは、例えば、ファイル識別情報記憶テーブルにファイル識別情報毎に立てられるフラグ(未配置:0、配置済み:1)により判断するものとする。そして、S6において取得した配置領域情報を調べ、通し番号に従って、空欄になっている最初の配置区画42を抽出する。そして、ファイル情報に対応する画データを、配置区画42の画データ配置欄43に配置する。また、ファイル情報に含まれるファイル識別情報を、配置区画42のファイル識別情報表示欄46に全体表示するように配置する。また、ファイル情報に含まれるファイルの更新情報を、配置区画42の更新情報表示欄47に配置する。
【0032】
ここで、ファイル識別情報は、ファイルによって異なる。そのため、ファイル識別情報の文字数が、ファイル識別情報表示欄46の一行当たりの文字数(本実施形態では24文字)を超え、一行で表示できない場合には、ファイル識別情報表示欄46の設定範囲(面積)を列方向に広げ、ファイル識別情報を複数行で表示する。このファイル識別情報表示欄46の設定範囲(面積)の変更により、配置区画42の設定範囲(面積)も広げられる。配置区画42の設定範囲(面積)を広げたときには、当該配置区画42が設けられた行と、当該配置区画42が設けれた行の下側にある次行との行間を空けるように配置領域41のレイアウトを変更する。次行に設けられた配置区画42の画データ位置を行方向に整列させるためである。
【0033】
このようにして、配置区画42に画データとファイル識別情報と更新情報を配置した配置区画42をバッファ29に記憶する。このとき、配置区画42の設定範囲(面積)が変更されていれば、その変更内容も含めてバッファ29に記憶する。
【0034】
そして、S8において、S7で配置区画42にデータを配置して書き換えられた配置領域情報を更新する。これにより、空欄であった配置区画42の一つが画データと通し番号とファイル識別情報と更新情報とで埋められる。また、配置区画42の設定範囲(面積)を列方向に広げた場合には、配置区画42の行間を広げたレイアウトも更新される。
【0035】
そして、S9において、バッファ29の配置領域情報を参照し、全ての配置区画42に画データとファイル識別情報と更新情報を配置したか否かを確認することにより、配置領域41が一杯か否かを判断する。
【0036】
配置区画42に空欄があって、配置領域41が一杯でないと判断した場合には(S9:No)、S10において、ファイル識別情報記憶テーブル28を参照して、配置区画42に配置されていないファイル識別情報があるか否かを確認することにより、配置予定のファイルが残っていないか判断する。ファイル識別情報記憶テーブル28に未配置のファイル識別情報がある場合には、配置予定のファイルが残っていると判断し(S10:No)、S6へ戻る。そして、S6以降の処理によって、残っているファイルの画データとファイル識別情報と更新情報を、空欄になっている次の順番の配置区画42に配置する。
【0037】
上記のようにファイルの画データとファイル識別情報と更新情報を、通し番号に従って空欄の配置区画42に配置していき、配置領域41が一杯になる前に(S9:No)、ファイル識別情報記憶テーブル28に未配置のファイル識別情報が無くなった場合には、配置予定のファイルが残っていないと判断し(S10:Yes)、S11において、バッファ29に記憶している情報を記録用紙3に印刷する。すなわち、配置区画42の途中まで画データとファイル識別情報と更新情報と通し番号とを表示するようにインデックス印刷を行う。そして、処理を終了する。
【0038】
これに対して、全ての配置区画42にファイル識別情報等を配置し、配置領域41が一杯であると判断した場合には(S9:Yes)、S12において、バッファ29に記憶した情報を記録用紙3に印刷する。すなわち、全ての配置区画42に画データとファイル識別情報と更新情報と通し番号を表示するようにインデックス印刷を行う。そして、S13において、S10と同様の処理で配置予定のファイルが残っていないか確認する。
【0039】
配置予定のファイルが残っている場合には(S13:No)、S14において、バッファ29の配置領域情報を初期化し、直前のインデックス印刷で使用した情報を破棄する。これにより、全ての配置区画42が空欄になり、また、行間も初期状態に戻る。その後、S6へ戻り、別の記録用紙3にインデックス印刷を行うために、配置区画42に画データやファイル識別情報等を配置する。
【0040】
これに対して、配置予定のファイルが残っていない場合には(S13:Yes)、処理を終了する。
【0041】
尚、本実施形態において、S4とS5の処理が「選択手段」に相当し、S6〜S20の処理が「配置手段」に相当する。
【0042】
(作用効果)
従って、本実施形態のレーザプリンタ1は、ファイル識別情報が配置区画42のファイル識別情報表示欄46に一列に表示できない程に長い場合であっても、ファイルのファイル識別情報の長さに基づいてファイル識別情報をソートし、配置区画42に配置する順番を決め(図5のS4,S5参照)、決定した順番に従ってファイル識別情報とそのファイル識別情報に関連する画データとを行方向に並ぶ配置区画42に各々配置するので(図5のS6〜S10参照)、ファイル識別情報全体を見やすく配置区画42に印刷することができる。
【0043】
具体的には、例えば、図4の通し番号「No.9」に示す配置区画42のように、文書ファイルの先頭文字列を画データとして画データ配置欄43に印刷する場合、文字が点で表示されて読めないことがある。
また例えば、図4の通し番号「No.7」、「No.8」に示すように、「No.2」に示す「報告書」を何回か修正し、修正回数が分かるようにファイル名の後方に修正回数を付けて報告書の文書データをファイルに保存する場合、画データ配置欄43には、「報告書」の1頁目(表紙)が同じ形式で表示され、画データのみで「報告書」を特定することができないことがある。
上記のように画データによって文書内容を認識できない場合には、ユーザはファイル識別情報を見て文書内容を判別することになる。
【0044】
本実施形態のレーザプリンタ1は、ファイル識別情報の長さに基づいてソートして、その順番で配置したので、例えば、長さが近いファイル識別情報「testdata_031620061700_TIFFbunsho_Ver1.PDF」と、「testdata_031620061700_TIFFbunsho_Ver2.PDF」とが、同じ行にある配置区画42に配置される可能性が高い。そのため、画データやファイル識別情報全体が記録用紙3に見やすく印刷され、文書ファイルの内容把握や、報告書の特定を行うことができる。
【0045】
しかも、ファイル識別情報が長く複数段表示するものと、ファイル識別情報が短く1段表示するものとを混在させてインデックス印刷した場合には、行間の余白が多くなり、見栄えや印刷効率が悪い問題がある。これに対して、本実施形態のレーザプリンタ1は、ファイル識別情報の長さの短い順にソートして順番に配置区画42に配置するので、行間の余白が少なくて済み、見栄えや印刷効率を良好にすることができる。
【0046】
また、本実施形態のレーザプリンタ1は、各行の画データの位置を揃えるように配置領域41の行間を調整し、配置区画42を行方向に並べて配置するので(図4参照)、画データとファイル識別情報を見やすく印刷できる。
【0047】
尚、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されることなく、色々な応用が可能である。
【0048】
(1)例えば、上記実施形態では、USBポート10に接続するUSBメモリ30を記憶媒体の一例として挙げた。これに対して、データ送信機能を有する機器(例えば、カメラ等)をUSBポート10に接続してもよいし、USB以外のデータ送信手段を介して画像形成装置にデータ送信可能な機器であってもよい。
【0049】
(2)例えば、上記実施形態では、レーザプリンタ1を画像形成装置の一例として挙げたが、インクジェットプリンタなどを画像形成装置としてもよい。
【0050】
(3)例えば、上記実施形態では、図5のS5において、ファイル識別情報を短いものから順に配置区画42に配置するようにファイル配置順を決定した。これに対して、長いものから順に配置区画42に配置するようにファイル配置順を決定してもよい。また、ファイル識別情報表示欄46(配置区画42)の設定範囲(面積)を利用して記録用紙の利用率(印字範囲)を算出し、利用率が高くなるように(印字範囲が大きくなるように)、ファイル配置順を決定することにより、記録用紙3の無駄を少なくして効率的な印刷を実現するようにしてもよい。さらに、ファイル識別情報を文字単位ではなく、行単位(行数)に基づいてソートしても良い。
【0051】
(4)例えば、上記実施形態では、ファイル識別情報記憶テーブル28を作成し、ファイル識別情報をソートしてファイル順序を決めた。これに対して、USBメモリ30等の記憶媒体から読み込んだ全てのファイル情報を記憶するファイル情報テーブルをRAM23に設け、ファイル情報記憶テーブルからファイル識別情報を抽出してファイル識別情報の長さを調べ、長さの近いものから順にファイル情報記憶テーブルのファイル情報を並べ替えてソートするようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の実施形態に係り、レーザプリンタ(画像形成装置)の外観構成図である。
【図2】図1に示すレーザプリンタの内部構造を示す概略図である。
【図3】図2に示す制御部の電気ブロック図である。
【図4】図3に示すインデックス印刷プログラムを実行して得た印刷結果の一例を示す図である。
【図5】図3に示すインデックス印刷プログラムのフロー図である。
【符号の説明】
【0053】
1 レーザプリンタ(画像形成装置)
27 インデックス印刷プログラム(選択手段、配置手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ファイルの内容に応じた画データと、前記ファイルを識別するためのファイル識別情報とを配置する配置区画を行方向と列方向とにレイアウトして記録用紙に印刷する画像形成装置において、
前記ファイル識別情報の長さが近いものを選択し、選択したファイル識別情報とそのファイル識別情報に関連する画データとを前記行方向に並ぶ前記配置区画に各々配置することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
ファイルの内容に応じた画データと、前記ファイルを識別するためのファイル識別情報とを配置する配置区画を行方向と列方向とにレイアウトして印刷する画像形成装置において、
前記ファイル識別情報の長さに基づいて選択したファイル識別情報と、そのファイル識別情報に関連する画データとを前記行方向に並ぶ前記配置区画に各々配置する配置手段と、を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項2に記載する画像形成装置において、
前記配置手段は、前記ファイル識別情報の長さ順にソートして、その順に前記配置区画に各々配置することを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−23713(P2008−23713A)
【公開日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−195005(P2006−195005)
【出願日】平成18年7月18日(2006.7.18)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】