説明

画像形成装置

【課題】通信不能を含む通信エラーを正確に検出する。
【解決手段】プリンタ10は、用紙を上流側から下流側に順次搬送する搬送路と、所定の通信位置まで搬送された用紙に付加されたICタグと非接触で通信を行うタグ通信部と、正常に画像印刷が施された用紙として排紙される用紙を検知する排紙センサと、を備えている。タグ通信部に設けられた通信制御部は、通信が行えたICタグの個数である通信タグ数と、排紙センサで検知された排紙枚数に付加されたICタグの個数である排紙タグ数と、をそれぞれカウントする。そして、通信タグ数と排紙タグ数との比較に基づき、通信不能の有無を判断する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送される用紙に画像印刷を施す画像形成装置、および、搬送される用紙に付加されたICタグと非接触で通信可能なタグ通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、用紙を搬送するとともに、当該用紙に所定の処理を施す装置、例えば、搬送される用紙に画像印刷を施す画像形成装置などにタグ通信装置が搭載される場合がある(例えば、特許文献1など)。タグ通信装置は、用紙に付加されたICタグと非接触で通信可能な装置である。そして、用紙に付加されたICタグから情報の読み込みやICタグに情報を書き込むことで、より柔軟な用紙管理を可能としている。
【0003】
ここで、タグ通信装置は、基本的に、所定の通信位置まで搬送されてきた用紙に付加されたICタグと通信を行う。その際、タグ通信装置は、その通信が正常に行えたか否かの判断を行う。例えば、ICタグからデータを読み込んだ場合には、当該読み込んだデータが途中で途切れていないかなどを確認する。また、ICタグに所定のデータを書き込む場合には、当該データの書き込み処理が終了した時点で、ICタグに記憶されているデータを読み込み、読み込まれたデータが書き込み処理に係るデータと一致するか否かで正常なデータ書き込みができたか否かを判断する。タグ通信装置は、このような通信エラーの有無を記憶し、その後の用紙管理などに利用している。
【0004】
【特許文献1】特開2003−140548号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記のような通信エラーの有無判断は、あくまで、ICタグと通信できた場合にのみ可能となる。一方、用紙が通信位置まで搬送されているにも関わらず、ICタグとの通信が全く行えなかった場合、すなわち、通信不能となった場合には、通信エラーの有無を判断することは困難となる。例えば、ICタグの故障により通信不能となったとしても、タグ通信装置はその事実を認識することができない。その結果、通信エラー無しという誤った情報をユーザに提供することになり、適切な用紙管理等が行えないという問題があった。
【0006】
そこで、本発明では、通信不能を含む通信エラーを正確に検出でき得る画像形成装置およびタグ通信装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の画像形成装置は、搬送される用紙に画像印刷を施す画像形成装置であって、用紙を上流側から下流側に順次搬送する搬送手段と、搬送手段により所定の印刷位置まで搬送された用紙に画像印刷を施す印刷手段と、搬送手段により所定の通信位置まで搬送された用紙に付加されたICタグと非接触で通信を行う通信手段と、正常に画像印刷が施された用紙として排紙される用紙に付加されたICタグの総数を排紙タグ数としてカウントする第一カウント手段と、通信手段が通信を行ったICタグの総数を通信タグ数としてカウントする第二カウント手段と、排紙タグ数と通信タグ数との比較に基づき、通信不能となったICタグの有無を判断する判断手段と、を備えることを特徴とする。
【0008】
好適な態様では、各用紙に一つずつICタグが付加されている場合に、第一カウント手段は、排紙される用紙の数を排紙タグ数としてカウントする。
【0009】
他の好適な態様では、各用紙に規定数ずつICタグが付加されている場合に、第一カウント手段は、排紙される用紙の数をカウントする排紙枚数取得手段と、前記規定数を取得するタグ付加状況取得手段と、を備え、排紙枚数と前記規定数と、を乗じた値を排紙タグ数としてカウントする。
【0010】
他の好適な態様では、予め各用紙に、付加されているICタグの個数を示す画像が付加状況画像として形成されている場合に、第一カウント手段は、排紙される各用紙に形成された付加状況画像を読み取る読取手段と、読取手段により読み取られた付加状況画像を解析して、各用紙に付加されたICタグの個数を識別する識別手段と、を備え、各用紙に付加されたICタグの個数の総和を排紙タグ数として取得する。
【0011】
他の本発明であるタグ通信装置は、搬送手段により搬送される用紙に付加されたICタグと非接触で通信可能なタグ通信装置であって、所定の通信位置まで搬送された用紙に付加されたICタグと非接触で通信を行う通信手段と、通信位置を通過した用紙に付加されたICタグの総数を排紙タグ数としてカウントする第一カウント手段と、通信手段が通信を行ったICタグの総数を通信タグ数としてカウントする第二カウント手段と、排紙タグ数と通信タグ数との比較に基づき、通信不能となったICタグの有無を判断する判断手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、タグ通信回数と、排出される用紙に付加されたICタグの総数と、の比較に基づき、通信不能となったICタグの有無を判断している。その結果、タグ通信装置とICタグとが全く通信できなかった通信不能を含む通信エラーを正確に検出できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明の第一実施形態であるプリンタ10の概略構成図である。以下で説明するプリンタ10は、比較的大型の高速プリンタを想定している。ただし、その構成の一部を変更することにより、複写機や小型プリンタなどの他の画像形成装置に応用してもよい。また、搬送される用紙に対して所定の処理を施す装置であれば、プリンタに限らず、他の種類の装置にも応用できる。
【0014】
このプリンタ10は、図示しない画像印刷制御部により制御されており、画像印刷用制御部に記憶された原稿画像データと同じ画像を用紙に印刷する。また、このプリンタ10の用紙の搬送経路過程には、用紙の管理等のために、当該用紙に付加されたICタグと非接触通信を行うタグ通信部11が設けられている。すなわち、本実施形態のプリンタ10は、予め各用紙に一つのICタグを付加し、当該ICタグに種々の情報を読み書きすることでより柔軟な用紙の管理等を実現している。このICタグに種々の情報を読み書きするために、本実施形態のプリンタ10にはタグ通信部11が設けられている。なお、図1では、このタグ通信部11を、印刷部18の下流、排紙部24の上流に設けているが、当然ながら、この位置に限られるものではなく、用紙の搬送経路過程であれば他の位置に設けられてもよい。以下、このプリンタ10について詳説する。
【0015】
印刷前の用紙は、収容部15に収容されている。収容部15には、用紙のサイズや種類等によって用紙を弁別して収容するための用紙トレイ14が複数設けられている。そして、ユーザからの指示に応じて、所定の用紙トレイ14から印刷前の用紙が搬送路16に供給される。
【0016】
搬送路16は、用紙の移動をガイドする搬送ベルトと、用紙に搬送力を付与する搬送ローラと、を備えている。搬送ローラは、搬送ベルトに沿って多数設けられており、供給された用紙を挟持しつつ回転することで、用紙を下流側へと順次搬送する。
【0017】
印刷部18は、原稿画像データに基づいて用紙に画像を印刷する。印刷部18は、図示しない帯電部および露光部で感光体上に静電潜像を形成し、静電力により感光体表面にトナーを付着させてトナー像を形成する。ここで形成されるトナー像は、原稿画像に基づいた像である。感光体または感光体からトナー像が転写された転写ローラ26は搬送路16上に設けられ、ここに用紙が搬送されることにより用紙にトナーが転写される。転写ローラ26の下流には定着ローラ28が設けられている。トナーが付着した用紙は、定着ローラ28により加熱、加圧される。これによりトナーが用紙に定着する。
【0018】
画像の転写および定着により画像印刷が終了した用紙は、さらに、下流へと搬送され、排紙部24へと導かれ、排紙される。排紙部24には、排紙された用紙が収容される排紙トレイ21が設けられている。この排紙部24の直前には、当該排紙部24に排紙される用紙を検知する排紙センサ30が設けられている。この排紙センサ30の構成としては種々の構成が考えられるが、例えば、光学式の用紙センサを用いることが考えられる。光学式用紙センサは、対向配置された投光器と受光器からなり、搬送される用紙によって受光器での受光が阻害されることにより用紙の到達を検知するセンサである。本実施形態では、かかる構成の排紙センサ30を、排紙部24の直前位置に設け、当該位置に到達した用紙を検知している。排紙センサ30での検知結果は、後述する通信制御部(図示せず)に送られる。通信制御部は、排紙センサ30での検知結果をカウントし、排紙部24に排紙された用紙の総数を取得する。ここで、各用紙にはそれぞれ一つのICタグが付加されているので、ここで得られた排紙部24に排紙された用紙の総数は、すなわち、排紙された用紙に付加されたICタグの総数(以下、「排紙タグ数」という)として取り扱うことができる。すなわち、この排紙センサ30および当該排紙センサ30での検出結果を管理する通信制御部は、排紙される用紙に付加されたICタグの総数をカウントする第一カウント手段として機能する。なお、通信制御部は、この排紙用紙の総数、換言すれば、排紙タグ数を利用して、通信不能の発生有無判断を行うが、これについては後に詳説する。
【0019】
印刷部18の下流側、かつ、排紙部24の上流側には、タグ通信部11が設けられている。タグ通信部11は、搬送される用紙に付加されたICタグから情報を読み込み、および、ICタグに情報の書き込みを行う。そして、このとき読み書きされた情報に基づいて用紙の管理等を行う。
【0020】
図2は、タグ通信部11周辺の概略構成図である。既述したとおり、搬送路16には、搬送ベルト32に沿って搬送ローラ34が多数配設されており、当該搬送ローラ34が用紙を挟持、回転することで用紙50が搬送される。タグ通信部11は、この搬送路16の経路上に設けられている。タグ通信部11は、用紙50に付加されたICタグ52との間で電波送受を行うアンテナ12、および、通信用制御部(図示せず)を備えている。
【0021】
アンテナ12は、搬送ベルト32の上方において、搬送ベルト32に対向して設けられている。このアンテナ12は、順次搬送される用紙50に付加されたICタグ52に電波を送信、および、ICタグ52から送信された電波を受信することで、情報の読み書きを実行する。アンテナ12で受信された信号の内容は、通信制御部に出力される。
【0022】
通信制御部は、ICタグ52との間で通信が行えた場合、その通信の成否を判断する。すなわち、ICタグ52に記録されている情報の読み込み処理を行った場合には、当該処理により得られた情報の内容を解釈し、正常に読み込み処理が出来たか否かを判断する。また、ICタグ52に情報の書き込み処理を行った場合には、この書き込み処理が終了した時点で、当該ICタグ52に記録されている情報の読み込み処理を行い、書き込み処理に係る情報が確実に当該ICタグ52に書き込まれているか否かを判断する。判断の結果、読み込まれた情報が不完全の場合、情報の書き込みが正確にできていなかった場合は、通通信内容が不完全な通信内容不良が発生したと判断する。
【0023】
また、通信制御部は、通信タグ数、および、通信内容不良の発生回数をカウントし、記憶する。ここで、通信タグ数とは、通信が行えたICタグ52の個数であり、その通信の内容が不完全(すなわち、通信内容不良)となったICタグについても、一応通信ができたとして、通信タグ数にカウントする。
【0024】
ここで記憶された通信タグ数は、排紙センサでの用紙検知結果に基づいてカウントされた排排タグ数と比較され、通信不能の有無判断に利用される。これについて詳説する。
【0025】
既述したとおり、タグ通信部11は、ICタグ52との間で不完全ながらも通信ができれば、その通信の成否を判断することはできる。しかし、ICタグ52の故障などの理由により、タグ通信部11とICタグ52との間で、一切の通信が出来なかった場合、タグ通信部11はその通信の成否を判断することはできない。その結果、実際には通信が一切行えなかった通信不能という通信エラーが発生しているにも関わらず、通信エラー無しと判断される場合がある。この場合、ユーザは、実際には通信エラーが発生しているにも関わらず、その事実を認識することができないため、適切な対応をとることができない。
【0026】
かかる通信不能も確実に検知するために、通信制御部は、通信タグ数と排紙タグ数とを比較し、通信不能の有無を判断している。すなわち、搬送される用紙に付加されたICタグ52の全てに対して通信が行えた場合、タグ通信部11が通信を行えたICタグ52の数(通信タグ数)と、排紙トレイに排紙された用紙50に付加されたICタグ52の総数(排紙タグ数)と、は一致するはずである。しかし、用紙50に付加されているICタグ52に何らかの不具合があり、タグ通信部11と一切通信が行えなかった場合、すなわち、通信不能が発生した場合、通信タグ数と排紙タグ数との間に差が生じることになる。通信制御部は、この通信タグ数と排紙タグ数とを比較し、両者が一致する場合には通信不能は発生しなかったと判断し、両者が一致しない場合には通信不能が発生したと判断する。そして、この判断結果を、ユーザに提示する。これにより、ユーザは通信不能の有無を認識することができ、通信不能が発生している場合には、適宜、通信不能に対する対応、例えば、再度、用紙の搬送を実行するなどの対応を取ることができる。
【0027】
なお、当然ながら、この通信不能の有無判断結果を提示する際、通信の度に判断された通信の成否判断結果、すなわち、通信内容不良の発生回数等もユーザに提示してもよい。これにより、ユーザは、ICタグとの通信が一切出来なかった通信不能の有無だけでなく、ICタグと通信はできたもののその内容が不完全であった通信内容不良の発生有無も認識でき、適宜、適切な対応を取ることができる。
【0028】
なお、本実施形態では、通信の内容が不完全な通信内容不良となったICタグ52の個数も通信タグ数としてカウントしている。しかし、通信の内容が不完全な通信内容不良となったICタグ52の個数は通信タグ数としてカウントせず、正常に通信が実行できたICタグ52の個数のみを通信タグ数としてカウントするようにしてもよい。この場合、正常に通信が実行できたICタグ52の個数と排紙タグ個数とを比較し、両者に差が有る場合には通信不能および通信内容不良の少なくともいずれか一方が発生していると判断できる。かかる構成とすれば、カウントすべき個数が、通信タグ数と排紙タグ数の二種類だけとなるため、より簡易に通信エラー(通信内容不良および通信不能)の有無を検知できる。
【0029】
以上の説明から明らかなように本実施形態によれば、タグ通信部11による総通信回数と、排紙部24に排紙された用紙に付加されたICタグ数と、の比較に基づき、搬送された用紙全体での通信成否を判断する。その結果、ICタグ52の故障などの理由による通信不能も確実に検出することができ、装置の信頼性を向上させることができる。
【0030】
なお、上記の説明は、一つの用紙50に必ず1つのICタグ52が付加されていることを前提としている。しかしながら、一つの用紙に複数のICタグ52が付加されている場合や、ICタグ52が一つも付加されていない場合なども当然あり得る。かかる場合でも、正確に通信エラーを検知するために、各用紙50へのICタグ付加状況を取得するタグ付加状況取得手段を設けてもよい。
【0031】
タグ付加状況を取得するタグ付加状況取得手段の構成としては種々の構成が考えられるが、例えば、ユーザからタグ付加状況の情報入力を受け付ける操作パネル(図示せず)をタグ付加状況取得手段として用いることができる。
【0032】
この場合、ユーザは、予め操作パネルを介して各用紙のICタグ付加状況を入力する。そして、通信制御部は、この入力されたICタグの付加状況を考慮した上で、通信不良の発生有無を判断する。例えば、各用紙にそれぞれ二つのICタグが付加されている場合を考える。この場合、ユーザは、あらかじめ、各用紙に二つのICタグが付加されている旨を操作パネルを介して入力する。
【0033】
一方、通信制御部は、上述の実施例と同じく、通信が行えたICタグ52の個数(通信タグ数)と、排紙部24に排紙された用紙50の枚数をカウントし、記憶しておく。ここで、上述の実施例のように、一枚の用紙50に一つのICタグ52が付加されている場合は、排紙枚数を排紙部24に存在するICタグ数として取り扱うことができる。一方、各用紙50それぞれに二つのICタグ52が付加されている場合において、排紙部24に存在するICタグ52の総数を得るためには、排紙枚数に、各用紙50に付加されているICタグ52の個数、すなわち、2を乗じることが必要となる。したがって、通信不良の発生有無を判断する場合、通信制御部は、記憶されている排紙枚数に各用紙50に付加されたICタグ52の個数(2)を乗算し、その乗算結果と通信タグ数とを比較する。比較の結果、両者の間に差がある場合は、通信不良が発生したと判断し、その旨をユーザに通知する。
【0034】
以上の説明から明らかなように、各用紙に付加されているICタグの個数等を取得する手段、例えば、ユーザからICタグの付加状況の入力を受け付ける操作パネル等を設けておくことにより、一枚の用紙に複数のICタグが付加されている場合であっても、正確に、通信不能を含む通信エラーを検知することができる。
【0035】
なお、各用紙50に付加されるICタグ52の個数は、通常、同一の場合が多い。しかし、場合によって、用紙50ごとに付加されるICタグ52の個数が異なる場合もある。かかる場合において、ユーザが各用紙50ごとに付加されているICタグ52の個数を入力することは極めて煩雑といえる。したがって、そのような場合には、プリンタ側で自動的に各用紙50に付加されているICタグ52の個数を取得する手段を設けておくことが望ましい。
【0036】
例えば、各用紙に予めタグ付加状況を示す画像を付加状況画像として印刷しておく。また、プリンタには、当該付加状況画像を読み取る画像読取装置および当該画像読取装置で読み取られた画像データを解析する画像解析手段をタグ付加状況取得手段として設けておいてもよい。
【0037】
例えば、図3に図示するように予め、各用紙50にICタグ52の付加状況、すなわち、ICタグ52の有無や付加されているICタグ52の個数等の情報を示すバーコードなどを付加状況画像56として印刷しておく。この付加状況画像56は、印刷画像の邪魔にならない位置、例えば、用紙50の隅部などに形成しておくことが望ましい。あるいは、紫外線照射時にのみ可視可能となる不可視インク等で付加状況画像を印刷しておくようにしてもよい。
【0038】
一方、プリンタ10には、図4に図示するように、当該付加状況画像56を読み取る読取装置40を排紙部24の直前に設けておく。この読取装置40としては、例えば、CMOSセンサやCCDセンサなどをライン状に並べたラインセンサを用いることができる。そして、この読取装置40は、排紙部24に排紙される各用紙50に印刷されている付加状況画像56を順次読み取る。そして、読取装置40は、読み取った付加状況画像56を通信制御部に送信する。通信制御部は、周知の画像処理技術により、当該付加状況画像データを解析し、各用紙50に付加されたICタグ52の有無や個数を判別する。そして、通信制御部は、判別の結果、得られた各用紙50のタグ付加状況に基づいて、最終的に、排紙部24に排紙される用紙50に付加されたICタグ52の総数を算出する。
【0039】
また、通信制御部は、上述の実施形態と同様に、順次搬送される用紙50との間で通信ができたICタグ52の個数を通信タグ数としてカウントする。そして、最終的に、排紙部24に排紙された用紙50に付加されたICタグ52の総数と、通信タグ数の総数と、を比較し、両者の間に差異がある場合には、通信不能が発生したものと判断する。
【0040】
以上、説明したように、各用紙50ごとに付加されているICタグ52の個数等を識別可能な読取装置40を設けることにより、各用紙50ごとに付加されるICタグ52の個数が異なっていても、簡易、かつ、正確に通信不能を含む通信エラーを検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の実施形態であるプリンタ10の概略構成図である。
【図2】タグ通信部周辺の概略側面図である。
【図3】付加状況画像が印刷された用紙の一例を示す図である。
【図4】他の実施形態であるプリンタ10の概略構成図である。
【符号の説明】
【0042】
10 プリンタ、11 タグ通信部、12 アンテナ、14 用紙トレイ、15 収容部、16 搬送路、18 印刷部、21 排紙トレイ、24 排紙部、26 転写ローラ、28 定着ローラ、30 排紙センサ、40 読取装置、50 用紙、52 ICタグ、56 付加状況画像。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送される用紙に画像印刷を施す画像形成装置であって
用紙を上流側から下流側に順次搬送する搬送手段と、
搬送手段により所定の印刷位置まで搬送された用紙に画像印刷を施す印刷手段と、
搬送手段により所定の通信位置まで搬送された用紙に付加されたICタグと非接触で通信を行う通信手段と、
正常に画像印刷が施された用紙として排紙される用紙に付加されたICタグの総数を排紙タグ数としてカウントする第一カウント手段と、
通信手段が通信を行ったICタグの総数を通信タグ数としてカウントする第二カウント手段と、
排紙タグ数と通信タグ数との比較に基づき、通信不能となったICタグの有無を判断する判断手段と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成装置であって、
各用紙に一つずつICタグが付加されている場合に、
第一カウント手段は、排紙される用紙の数を排紙タグ数としてカウントすることを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1に記載の画像形成装置であって、
各用紙に規定数ずつICタグが付加されている場合に、
第一カウント手段は、
排紙される用紙の数をカウントする排紙枚数取得手段と、
前記規定数を取得するタグ付加状況取得手段と、
を備え、排紙枚数と前記規定数と、を乗じた値を排紙タグ数としてカウントすることを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項1に記載の画像形成装置であって、
予め各用紙に、付加されているICタグの個数を示す画像が付加状況画像として形成されている場合に、
第一カウント手段は、
排紙される各用紙に形成された付加状況画像を読み取る読取手段と、
読取手段により読み取られた付加状況画像を解析して、各用紙に付加されたICタグの個数を識別する識別手段と、
を備え、各用紙に付加されたICタグの個数の総和を排紙タグ数として取得することを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
搬送手段により搬送される用紙に付加されたICタグと非接触で通信可能なタグ通信装置であって、
所定の通信位置まで搬送された用紙に付加されたICタグと非接触で通信を行う通信手段と、
通信位置を通過した用紙に付加されたICタグの総数を排紙タグ数としてカウントする第一カウント手段と、
通信手段が通信を行ったICタグの総数を通信タグ数としてカウントする第二カウント手段と、
排紙タグ数と通信タグ数との比較に基づき、通信不能となったICタグの有無を判断する判断手段と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−93935(P2008−93935A)
【公開日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−277578(P2006−277578)
【出願日】平成18年10月11日(2006.10.11)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】