説明

画像形成装置

【課題】ファンを用いることなく,原稿読み取り装置の温度上昇を防止するとともに,トナー容器に熱が伝達されることを防止することのできる画像形成装置を提供すること。
【解決手段】本発明のコピー機1は,画像形成部12と現像装置32と定着装置33と排紙トレイ34とを有するものであって,装置下部と装置上部とにそれぞれ機外に開口する通気口(吸気口52と排気口54)を有する通気流路部材を有し,通気流路部材の一部である分岐路53が,定着装置33と現像装置32との間を少なくとも部分的に遮っており,定着装置33を通過した媒体が,分岐路53の上方を越えて,排紙トレイ34へ排出されるものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,電子写真方式の画像形成装置に関する。さらに詳細には,加熱により定着処理を行う定着装置を有する画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式の画像形成装置では,シート上に転写されたトナー像を定着するために加熱加圧式の定着装置を有するものが多い。従来一般に,加熱された定着装置により,その周辺部材に熱の影響が及ぶことを防止するために,温度上昇防止用のファンが設けられていた。しかし,ファンによる強制対流によって温度上昇を防止する方法では,ファンによる騒音が発生したり,消費電力が増大する等の問題があった。
【0003】
これに対し,特許文献1には,ファンを用いることなく,ダクトを設けて自然対流を促すことにより排熱する排熱装置を有する画像形成装置が開示されている。本文献の装置によれば,ダクトの吸気口を熱源部の両側に開口させ,排気口を装置上部に開口させることにより,自然対流が促進されるとされている。
【特許文献1】特開2000−259064号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら,例えばコピー機では一般に,装置上部に原稿読み取り装置が配置される。これは,立った姿勢のユーザによって操作しやすい位置であることや,原稿を載置するためにユーザが持ち上げる部分をできるだけ軽くすること等の理由によるものである。そのため,排気口の開口位置によっては,この原稿読み取り装置付近に温度の高い空気が流れ込むおそれがあった。原稿読み取り装置には,CCDセンサ等の電子部品が含まれており,この部分が加熱されることは望ましくない。また,定着装置からの熱がトナー容器に伝達されると,その内部に収容されているトナーが固着するおそれがあるという問題点があった。
【0005】
本発明は,前記した従来の画像形成装置が有する問題点を解決するためになされたものである。すなわちその課題とするところは,ファンを用いることなく,原稿読み取り装置の温度上昇を防止するとともに,トナー容器に熱が伝達されることを防止することのできる画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題の解決を目的としてなされた本発明の画像形成装置は,トナーを用いて媒体に画像を形成する画像形成部と,画像形成部に供するトナーを収容するトナー収容部と,画像形成部で画像の形成を受けた媒体上のトナー像を定着する定着部と,定着部を通過した媒体を載置する排紙トレイとを有する画像形成装置であって,装置下部と装置上部とにそれぞれ機外に開口する通気口を有する通気流路部材を有し,通気流路部材の一部が,定着部とトナー収容部との間を少なくとも部分的に遮る迂回路となっており,定着部を通過した媒体が,迂回路の上方を越えて,排紙トレイへ排出されるものである。
【0007】
本発明の画像形成装置によれば,トナー収容部に収容されているトナーが使用されて,画像形成部によって媒体にトナー像が形成され,定着部によって定着される。ここで,通気流路部材には,装置下部と装置上部とにそれぞれ機外に開口する通気口が設けられている。そして,定着部の熱で暖められた通気流路部材の中の空気は上昇し,装置上部の通気口から機外に排出される。さらに,通気流路部材には,装置下部の通気口から暖められていない空気が導入されるので,通気流路部材によって熱の伝達が遮られるとともに,その周囲は冷却される。従って,排出された媒体やトナー容器に熱が伝達されることが防止される。
【0008】
さらに本発明では,迂回路の内部に空気の流れを分流する案内板が設けられていることが望ましい。
このようになっていれば,案内板によって空気の流れが分けられ,迂回路のうちの広範囲の部分が流路として活用される。
【0009】
さらに本発明では,装置上部から装置下部まで貫通する中空の柱を有し,柱の少なくとも一部が通気流路部材の一部分をなしていることが望ましい。
このようになっていれば,柱に装置を支える役目と通気流路の役目とをともに担わせることができる。
【0010】
また本発明の画像形成装置は,原稿の画像を読み込んで画像データを取得する原稿読み取り部と,原稿読み取り部が取得した画像データに基づいてトナーを用いて媒体に画像を形成する画像形成部と,画像形成部に供するトナーを収容するトナー収容部と,画像形成部で画像の形成を受けた媒体上のトナー像を定着する定着部とを有する画像形成装置であって,原稿読み取り部が,画像形成部とトナー収容部と定着部とのいずれよりも上方に配置されており,装置下部と装置上部とにそれぞれ機外に開口する通気口を有する通気流路部材を有し,通気流路部材の一部が,定着部と原稿読み取り部との間を少なくとも部分的に遮っており,装置上部の通気口が,上方から見て,原稿読み取り部による読み取り可能な範囲の外部に設けられている画像形成装置であってもよい。
【0011】
本発明の画像形成装置によれば,原稿の画像を読み取る原稿読み取り部が,画像形成部とトナー収容部と定着部とのいずれよりも上方に配置されている。そして,通気流路部材には,装置下部と装置上部とにそれぞれ機外に開口する通気口が設けられている。従って,定着部の熱で暖められた空気は上昇し,装置上部の通気口から機外に排出される。このとき,装置上部の通気口が,上方から見て原稿読み取り部による読み取り可能な範囲の外部に設けられているので,この通気口から排出される暖められた空気が原稿読み取り部に当たることはない。従って,ファンを用いることなく,原稿読み取り部の温度上昇を防止することができる。
【0012】
さらに本発明では,通気流路部材の一部が,原稿読み取り部の下方を通過するガイド路となっており,ガイド路が,上方から見て,少なくとも原稿読み取り部による読み取り可能な範囲を包含する範囲にわたって設けられていることが望ましい。
このようになっていれば,原稿読み取り部のうち,読み取り可能な範囲は全てガイド路によって冷却される。従って,ファンを用いることなく,原稿読み取り装置の温度上昇を防止することができる。
【0013】
さらに本発明では,装置上部から装置下部まで貫通する中空の柱を有し,柱の少なくとも一部が通気流路部材の一部分をなしていることが望ましい。
【0014】
さらに本発明では,通気流路部材のうち,柱とガイド路との連結箇所の部分の内部に,空気の流れを分流する案内板が設けられていることが望ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明の画像形成装置によれば,ファンを用いることなく,原稿読み取り装置の温度上昇を防止するとともに,トナー容器に熱が伝達されることを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
(第1の形態)
以下,本発明を具体化した第1の形態について,添付図面を参照しつつ詳細に説明する。本形態は,電子写真方式のコピー機に本発明を適用したものである。
【0017】
本形態のコピー機1は,図1にその概略構成を示すように,上方から順に原稿読み取り部11,画像形成部12,給紙部13が設けられている。原稿読み取り部11は,原稿搬送部21とスキャナ部22とを有している。原稿搬送部21は,載置された束原稿から1枚ずつ引き込み,その原稿面をスキャナ部22のスキャナ面に供するものである。スキャナ部22は,その上面に原稿ガラス23が配置され,原稿ガラス23の下部に発光部,CCDセンサ,ミラー等の光学部品24が収納されている。
【0018】
画像形成部12は,感光体31,現像装置32,定着装置33,排紙トレイ34等を有している。このコピー機1の現像装置32には,単色のトナーが収容されている。また,定着装置33は,2本のローラが内蔵され,加熱と加圧により媒体にトナー像を定着させるものである。排紙トレイ34は,図1中の中央付近に斜面状に形成されている。画像形成部12にはまた,各部の制御を行う制御装置35も設けられている。
【0019】
また,給紙部13は,複数の給紙カセット41や手差し給紙部42を有している。このコピー機1では,原稿読み取り部11で読み取った原稿の画像データに基づいて,給紙部13から給紙された媒体にトナー像が形成される。さらに,トナー像が載置された媒体は,定着装置33によって画像が定着された後,排紙トレイ34に排出される。なお,画像形成用の各装置は,いずれも,一般的な公知のものである。
【0020】
定着装置33は加熱加圧する装置であり,発熱装置である。また,本形態で使用するトナーは,加熱されることで溶融するものである。そのため,トナーを収容する現像装置32がある程度以上加熱されることは,内部に収容されている使用前のトナーに影響を及ぼすため,好ましくない。また,排紙トレイ34に排出された媒体には,定着されたばかりのトナー像が載っている。この媒体がさらに温められることは,このトナー像が多少溶けて媒体同士が張り付く場合があるため,好ましくない。
【0021】
本形態のコピー機1では,図1中右手前の角と右奥の角とにそれぞれ,プリンタ1の全体を支えるために,図中縦方向に配置された柱51を有している。この柱51は,中空の四角柱形状であり,最上面と最下面とはいずれも筐体によって閉止されている。また,四角柱の各側面のうち,プリンタ1の外部に向いている面(右手前の柱51では手前面と右面)は,筐体の一部と共通であっても良い。
【0022】
そして,それぞれの柱51の図1中下部の手前面には,複数の貫通穴からなる吸気口52が設けられている。ここでは,縦長のスリット形状の貫通穴が複数形成されている。なお,この吸気口52は筐体をも貫通して,機外に開口している。また,図では手前面の吸気口52のみを示しているが,図中右面に形成されていても良いし,手前面と右面との両方に形成されていても良い。また,上下方向には,できるだけ下方に設けられることが望ましいが,少なくとも画像形成部12より低い位置であればよい。
【0023】
さらに,柱51の中央部から分岐して,中空の分岐路53が設けられている。柱51の内部空間と分岐路53の内部空間とは,その分岐箇所Dで連通されている。この分岐箇所Dの位置は,定着装置33の高さ位置よりやや下方で,吸気口52より上方である。この分岐箇所Dは,両方の柱51で同じ高さ位置にあっても良いし,他の部材の配置などとの関係で多少異なる位置となっても構わない。
【0024】
さらに本形態のコピー機1の分岐路53は,図2に示すように,中央付近で互いに隣接して配置された中空の迂回路となっている。すなわち,図2中左右の柱51から分岐した両分岐路53は,分岐箇所Dより上方で互いに近づいて,互いに隣接した配置となる。さらにその先で,ほぼ水平またはやや上方に向かいつつ両側に離れ,先端部は再びそれぞれの柱51と隣接した配置となっている。すなわち,各分岐路53はいずれも,横向きの略U字形状となっている。また,各分岐路53の先端部には,それぞれ外部に開口する多数の排気口54が設けられている。
【0025】
さらに,両側の分岐路53は,図2に示すように,図中上下方向にある程度の幅を有し,中央部では図中左右方向に幅広の屈曲部55をなしている。そして,図中左右の分岐路53の屈曲部55は,現像装置32と定着装置33との間の位置で互いに隣接するように配置されている。このことにより,現像装置32と定着装置33との間のうちかなりの部分が,両分岐路53によって遮られている。特に,図中左右方向の中央部分は,完全に遮られている。すなわち,この分岐路53のうち,特に屈曲部55周辺の部分が迂回路に相当している。
【0026】
また,排気口54は,図2に示すように,屈曲部55より上方に設けられており,この配置は定着装置33より上方となっている。そして,排気口54は,上向きかつ図中左右の外側向きに開口している。すなわち,コピー機1に対して,左右方向に外側ほど下方となる斜面上に配置されている。
【0027】
次に,図2中右側の分岐路53の内部の様子を図3に示す。図3に示すように,分岐路53の屈曲部55の内部には,内部の空気を屈曲部55の形状に沿って,分割して導くための案内板56が設けられている。案内板56によって,分岐箇所Dから排気口54までの流路のうち,屈曲部55の前後の部分は複数の流路に分割されている。これにより,屈曲部55を流れる空気は,各流路に分散して導かれる。
【0028】
このように構成されていることから,図2に示すように,柱51(主に吸気口52から分岐路53との分岐箇所Dまで)と分岐路53の内部は全て連通されている。ここでは,その空間全体を連通路と呼ぶ。この連通路が,通気流路部材に相当する。すなわち,本形態のコピー機1では,図2に太い実線の矢印で示すように,
外部→吸気口52→柱51→分岐路53→排気口54→外部
と連通されている。この連通路は,吸気口52と排気口54とでのみ外部と連通されているため,内部の空気は,吸気口52と排気口54だけからしか出入りできない。そして,連通路のうち,最も低い位置に吸気口52が,最も高い位置には排気口54が,それぞれ形成されている。
【0029】
なお,図1中奥側の柱51にも,手前側と同様に分岐路53が設けられている。従って,奥側にも,
外部→吸気口52→柱51→分岐路53→排気口54→外部
と連通する連通路が形成されている。この2つの連通路の分岐路53によって,現像装置32と定着装置33との間はほぼ遮られている。
【0030】
さらに,本形態のコピー機1では,その平面視での配置を図4に示すように,両側の排気口54は,定着装置33の定着ローラより図4中で上下方向の外部に設けられている。さらに,この位置は,原稿読み取り部11における,原稿の読み取りが可能な領域Gの外部となっている。図1に示す原稿ガラス23や光学部品24は,この領域Gの内部に位置している。従って,排気口54から外部に排出される空気は,原稿読み取り部11の光学部品24に直接当たることはない。
【0031】
本形態のコピー機1によって画像形成が行われると,定着装置33が加熱される。分岐路53の屈曲部55は定着装置33のごく近傍に配置されているので,定着装置33の熱によって分岐路53内部の空気が加熱される。温度の高い空気は上昇するので,定着装置33の熱によって加熱された空気は,連通路のうち最も高い位置にある排気口54から排出される。ここで連通路は,吸気口52と排気口54とでのみ外部と連通されているので,排気口54から空気が排出されると,その分,吸気口52から新しい空気が吸い込まれる。
【0032】
従って,図2に太い実線の矢印で示す方向に,空気の流れができる。吸気口52の周辺の空気は加熱されていないので,この空気の流れにより連通路に沿ってその周辺が冷却される。さらに,分岐路53の屈曲部55によって,現像装置32と定着装置33との間が遮られているので,定着装置33の熱が現像装置32に直接伝わることはない。これにより,現像装置32内部のトナーが加熱されることが防止されている。
【0033】
さらに,定着装置33によってトナー像が定着された媒体は,図2に帯状の矢印で示すように,分岐路53の上方を越えて排紙トレイ34に排出される。従って,排紙トレイ34と定着装置33との間も,分岐路53によってほとんど遮られている。これにより,定着装置33の熱が排紙トレイ34に直接伝わることが防止され,媒体同士の張り付きが防止されている。
【0034】
また,排気口54は,原稿の読み取りが可能な領域Gの外部に配置されているので,光学部品24等に加熱された空気が直接当たることはない。さらに,分岐路53には案内板56が設けられているので,分岐路53が幅広で屈曲した形状であっても,空気の流れは分散される。従って,広い範囲を冷却することができる。
【0035】
以上詳細に説明したように,本形態のコピー機1によれば,連通路が形成されているので,通気口52から入力された外気は,分岐路53を介して,定着装置33の熱を受けて上昇し,排気口54から排出される。そして,加熱されていない空気が吸気口52から入力される。このため,定着装置33の熱は現像装置32へはあまり伝わらない。また,排気口54の配置は原稿の読み取りが可能な領域Gの外部なので,定着装置33の熱が原稿読み取り部11へ伝わることもない。従って,ファンを用いることなく,原稿読み取り部11の温度上昇を防止するとともに,現像装置32のトナーに熱が伝達されることを防止することができる。
【0036】
(第2の形態)
次に,本発明を具体化した第2の形態について,添付図面を参照しつつ詳細に説明する。本形態は,第1の形態に比較して分岐路の配置がやや異なるのみであり,第1の形態と共通の部分には共通の符号を付して説明を省略する。
【0037】
本形態のコピー機2では,図5と図6とに示すように,柱51が第1の形態のものよりやや短く,その上端部の接続箇所61に中空のガイド路62が接続されている。この接続箇所61は,少なくとも,定着装置33より高い位置にある。そして,ガイド路62は,スキャナ部22の下方において,図5中左上がりの斜面状に形成され,さらに,スキャナ部22の図中左端部より左側から上方へ屈曲している。そして,その上端部には,排気口63が形成されて,外部に開口している。
【0038】
さらに,ガイド路62は,図6に示すように,両側の柱51の接続箇所61より上方において,両側の柱51の中央付近で合流されている。この合流箇所64は,定着装置33のほぼ直上に位置している。また,このガイド路62の内部の形状を図7に示す。接続箇所61から,合流箇所64へ向かう部分の内部には案内板65が設けられている。これにより,2箇所の接続箇所61から流入する空気を,適度に分散しつつ合流箇所64へ導くようになっている。従って,ガイド路62のかなり広い範囲が,空気の流路として使用される。
【0039】
このように構成されていることから,図6に示すように,柱51(主に吸気口52からガイド路62との接続箇所61まで)とガイド路62の内部は全て連通されている。ここでは,その空間全体を連通路と呼ぶ。この連通路が,通気流路部材に相当する。すなわち,本形態のコピー機2では,図6に太い実線の矢印で示すように,
外部→吸気口52→柱51→ガイド路62→排気口63→外部
と連通されている。この連通路は,吸気口52と排気口63とでのみ外部と連通されているため,内部の空気は,吸気口52と排気口63だけからしか出入りできない。そして,連通路のうち,最も低い位置に吸気口52が,最も高い位置には排気口63が,それぞれ形成されている。
【0040】
さらに,本形態のコピー機2では,排気口63は,スキャナ部22より図5中左側の外部に設けられている。つまり,その平面視での配置を図8に示すように,この位置は,原稿読み取り部11における,原稿の読み取りが可能な領域Gの外部となっている。従って,排気口63から外部に排出される空気は,原稿読み取り部11の光学部品24に直接当たることはない。
【0041】
なお,本形態のコピー機2には,図6に示すように,ユーザが操作するための操作部67が,左手前側に突出して設けられている。そのため,スキャナ部22は,図5中の奥行き方向に,中央よりはやや奥側に配置されている。これに合わせて,図8に示すように,ガイド路62も図8中の中央よりやや上方(図5中では奥側)に配置されている。さらに,ガイド路62の平板状の部分の図8中上下方向の幅は,スキャナ部22の幅とほぼ同等かやや幅広とされている。これにより,ガイド路62は,平面視でスキャナ部22の範囲全体をカバーしている。少なくとも,光学部品24の範囲は全てカバーしている。一方,排気口63は,スキャナ部22の幅とほぼ同等かやや幅広に形成されているが,その上方には何もない箇所に設けられている。
【0042】
本形態のコピー機2によって画像形成が行われると,定着装置33が加熱され,その周囲の空気も加熱される。本形態では,柱51や接続箇所61付近の内部の空気が加熱される。あるいは,定着装置33の直上に配置されている合流箇所64の内部の空気が加熱される。温度の高い空気は上昇し,排気口54から排出される。連通路は,吸気口52と排気口54とでのみ外部と連通されているので,排気口54から空気が排出されると,その分,吸気口52から新しい空気が吸い込まれる。従って,図6に太い実線の矢印で示す方向に,空気の流れができる。吸気口52の周辺の空気は加熱されていないので,この空気の流れによって連通路の周辺が冷却される。特に,スキャナ部22やその光学部品24の周辺に熱が伝わることは,確実に防止されている。
【0043】
以上詳細に説明したように本形態のコピー機2によっても,ファンを用いることなく,原稿読み取り部11の温度上昇を防止するとともに,現像装置32のトナーに熱が伝達されることを防止することができる。
【0044】
なお,本形態は単なる例示にすぎず,本発明を何ら限定するものではない。したがって本発明は当然に,その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良,変形が可能である。
例えば,第1の形態では,分岐路53はそれぞれ別の流路であるとしたが,隣接している箇所で合流されていても良い。また,第2の形態のガイド路62は,合流箇所64で合流されているとしたが,並列した別々の流路であっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】第1の形態のコピー機を示す外観図である。
【図2】第1の形態のコピー機の通気流路部材を示す説明図である。
【図3】第1の形態の分岐路を示す透視図である。
【図4】第1の形態のコピー機を示す平面図である。
【図5】第2の形態のコピー機を示す外観図である。
【図6】第2の形態のコピー機の通気流路部材を示す説明図である。
【図7】第2の形態のガイド路を示す透視図である。
【図8】第2の形態のコピー機を示す平面図である。
【符号の説明】
【0046】
1,2 コピー機
11 原稿読み取り部
12 画像形成部
22 スキャナ部
32 現像装置
33 定着装置
34 排紙トレイ
51 柱
52 吸気口
53 分岐路
54,63 排気口
56,65 案内板
62 ガイド路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナーを用いて媒体に画像を形成する画像形成部と,前記画像形成部に供するトナーを収容するトナー収容部と,前記画像形成部で画像の形成を受けた媒体上のトナー像を定着する定着部と,前記定着部を通過した媒体を載置する排紙トレイとを有する画像形成装置において,
装置下部と装置上部とにそれぞれ機外に開口する通気口を有する通気流路部材を有し,
前記通気流路部材の一部が,前記定着部と前記トナー収容部との間を少なくとも部分的に遮る迂回路となっており,
前記定着部を通過した媒体が,前記迂回路の上方を越えて,前記排紙トレイへ排出されることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成装置において,
前記迂回路の内部に空気の流れを分流する案内板が設けられていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の画像形成装置において,
装置上部から装置下部まで貫通する中空の柱を有し,
前記柱の少なくとも一部が前記通気流路部材の一部分をなしていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
原稿の画像を読み込んで画像データを取得する原稿読み取り部と,前記原稿読み取り部が取得した画像データに基づいてトナーを用いて媒体に画像を形成する画像形成部と,前記画像形成部に供するトナーを収容するトナー収容部と,前記画像形成部で画像の形成を受けた媒体上のトナー像を定着する定着部とを有する画像形成装置において,
前記原稿読み取り部が,前記画像形成部と前記トナー収容部と前記定着部とのいずれよりも上方に配置されており,
装置下部と装置上部とにそれぞれ機外に開口する通気口を有する通気流路部材を有し,
前記通気流路部材の一部が,前記定着部と前記原稿読み取り部との間を少なくとも部分的に遮っており,
前記装置上部の通気口が,上方から見て,前記原稿読み取り部による読み取り可能な範囲の外部に設けられていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項4に記載の画像形成装置において,
前記通気流路部材の一部が,前記原稿読み取り部の下方を通過するガイド路となっており,
前記ガイド路が,上方から見て,少なくとも前記原稿読み取り部による読み取り可能な範囲を包含する範囲にわたって設けられていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項4または請求項5に記載の画像形成装置において,
装置上部から装置下部まで貫通する中空の柱を有し,
前記柱の少なくとも一部が前記通気流路部材の一部分をなしていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項6に記載の画像形成装置において,
前記通気流路部材のうち,前記柱と前記ガイド路との連結箇所の部分の内部に,空気の流れを分流する案内板が設けられていることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−14825(P2009−14825A)
【公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−174000(P2007−174000)
【出願日】平成19年7月2日(2007.7.2)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】