説明

画像形成装置

【課題】合紙する記録媒体を収納する収容部を別に設けることなく、合紙する記録媒体による画像形成部の劣化を抑制した画像形成装置を提供する。
【解決手段】給紙トレイ12に収容された用紙Pを画像形成部14を介してスタッカ18へ搬送する搬送経路20と、給紙トレイ12に収容された用紙Pを画像形成部14を介さずにスタッカ18へ搬送する搬送経路22を設け、用紙Pに画像を形成する場合、給紙トレイ12に収容された用紙Pを搬送経路20へ搬送させ、用紙Pを合紙する場合、給紙トレイ12に収容された用紙Pを搬送経路22に搬送させるように制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プリンタ等の画像形成装置では、印刷データを複数部印刷する際に、各部毎に仕切り(セパレータ)や表紙、裏表紙として用紙を合紙する機能が知られている。
【0003】
この用紙を合紙する動作では、仕切りとして用いる用紙(以下「セパレータ用紙」という。)を印刷有無に関係無く、通常の印刷を行なう用紙と同一の印刷経路を経由して排紙部へ排紙する。このため、セパレータ用紙への印刷を必要としない場合でも、現像部、定着部などの印刷部を停止することができず無駄なエネルギーを使用するとともに消耗品や装置の寿命まで短縮していた。
【0004】
そこで、特許文献1には、セパレータとして用いる色紙を収容する色紙収容部を別に設けて、画像形成部で印刷(画像を形成)された用紙の最終ページの次に色紙収容部より搬送される色紙を合紙する構成が開示されている。
【特許文献1】特開平5−270722号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、合紙する記録媒体を収納する収容部を別に設けることなく、合紙する記録媒体による画像形成部の劣化を抑制した画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明の画像形成装置は、記録媒体を収容した収容部と、搬送される記録媒体に対して画像を形成する画像形成部と、前記収容部に収容された記録媒体を前記画像形成部を介して排出部へ搬送する第1搬送経路と、前記収容部に収容された記録媒体を前記画像形成部を介さずに排出部へ搬送する第2搬送経路と、記録媒体に画像を形成する場合、前記収容部に収容された記録媒体を第1搬送経路へ搬送させ、記録媒体を合紙する場合、前記収容部に収容された記録媒体を第2搬送経路に搬送させるように制御する制御手段と、を備えている。
【0007】
また、請求項2に記載の発明は、本発明において、前記第1搬送経路と前記第2搬送経路が、搬送経路を一部共用している。
【0008】
また、請求項3に記載の発明は、本発明において、前記制御手段が、合紙する記録媒体に画像を形成する場合、前記収容部に収容された記録媒体を第1搬送経路へ搬送させるように制御する。
【0009】
また、請求項4に記載の発明は、本発明において、前記画像形成部が、像保持体上に形成された潜像を現像剤によって現像する現像部、及び前記現像剤によって現像されて前記記録媒体に転写された画像を加熱定着する定着部を有し、前記第2搬送経路を、前記現像部に接触するように設けている。
【0010】
また、請求項5に記載の発明は、請求項4記載の発明において、前記第2搬送経路を、前記現像部との接触部分が頂点となるように湾曲させている。
【0011】
さらに、請求項6に記載の発明は、本発明において、前記第2搬送経路を、前記第1搬送経路よりも短くしている。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に記載の発明によれば、合紙する記録媒体を収納する収容部を別に設けることなく、合紙する記録媒体による画像形成部の劣化を抑制することができる、という優れた効果を有する。
【0013】
また、請求項2に記載の発明によれば、搬送経路をコンパクト化でき、搬送経路に用いる部品を減らすことができる、という優れた効果を有する。
【0014】
また、請求項3に記載の発明によれば、合紙する記録媒体に画像を形成して表紙や裏表紙として用いることができる、という優れた効果を有する。
【0015】
また、請求項4に記載の発明によれば、合紙する記録媒体によって現像部が冷却されるため、本発明を適用しない場合と比較して、現像部と定着部をより近くに配置することができる、という優れた効果を有する。
【0016】
また、請求項5に記載の発明によれば、第2搬送経路を通る記録媒体が現像部により強く接触するようになるため、冷却効果が上昇する、という優れた効果を有する。
【0017】
さらに、請求項6に記載の発明によれば、第2搬送経路で記録媒体を搬送する際の搬送不良の発生が抑制される、という優れた効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、以下では、本発明を電子写真方式を用いて画像を形成する画像形成装置に適用した場合について説明する。
【0019】
[第1の実施の形態]
図1には、本実施の形態に係る画像形成装置10の概略構成が示されている。
【0020】
同図に示すように、画像形成装置10は、用紙Pを積層した状態で収容する2つの給紙トレイ12と、搬送される用紙Pに対して画像を印刷(画像形成)する画像形成部14と、用紙Pが排出されるスタッカ18と、各給紙トレイ12に収容された用紙Pを画像形成部14を介してスタッカ18へ搬送する搬送経路20と、各給紙トレイ12に収容された用紙Pを画像形成部14を介さずにスタッカ18へ搬送する搬送経路22と、を備えている。なお、本実施の形態では、各給紙トレイ12毎に別々に搬送経路22を設けている。
【0021】
画像形成部14は、電子写真方式で画像を形成しており、感光体ドラム16Aと、感光体ドラム16A上に形成された潜像をトナー(現像剤)によって現像する現像部16B(図10参照。)と、トナーによって現像されて用紙Pに転写された画像を加熱定着する定着部16C(図10参照。)と、が設けられている。
【0022】
各給紙トレイ12は、同図右斜め上方に、取り出しローラ24が配置されている。また、各給紙トレイ12の取り出しローラ24による用紙Pの取り出し方向下流側には、ローラ対26が配置されている。また、搬送経路20及び搬送経路22にも用紙Pを搬送するための不図示のローラ対がそれぞれ複数配置されている。各ローラ対26の下流側には、各給紙トレイ12から取り出された用紙Pの搬送経路を搬送経路20又は搬送経路22に切り換える切替部28が設けられている。
【0023】
各給紙トレイ12の最も上に置かれた用紙Pは、取り出しローラ24が回転することにより給紙トレイ12から取り出され、ローラ対26によって切替部28により切り換えられて搬送経路20又は搬送経路22へ搬送される。
【0024】
また、搬送経路20は、両面印刷用の反転経路20Aを備えている。反転経路20Aは、画像形成部14により片面に画像が形成された用紙を取り込んで表裏が反転させた後に搬送経路20の画像形成部14よりも上流側へ搬送する。これにより、用紙Pの両面に画像を形成することが可能とされている。
【0025】
本実施の形態に係る画像形成装置10では、搬送経路20を画像形成部14を介して給紙トレイ12とスタッカ18を結ぶように設け、各搬送経路22は給紙トレイ12とスタッカ18を直接結ぶように設けており、搬送経路22を搬送経路20よりも短くしている。
【0026】
図2には、本実施の形態に係る画像形成装置10を制御する制御系の構成が示されている。
【0027】
画像形成装置10には、装置全体の動作を制御する制御部30が設けられている。制御部30は、CPU30A、ROM及びRAMを含むメモリ30B、また、必要に応じてHDD30C等を備えている。
【0028】
制御部30には、操作メニューやメッセージ等を表示すると共にユーザからの各種の操作指示が入力される操作パネル32と、画像形成部14による画像形成処理を制御する画像形成制御部34と、各取り出しローラ24、各ローラ対26、搬送経路20及び搬送経路22に配置された不図示のローラ対を回転駆動させる図示しないモータや、切替部28を駆動させる図示しないモータを制御して用紙Pの搬送を制御する搬送制御部36と、ネットワークNETに接続され、当該ネットワークNETに接続された図示しない外部端末と印刷データ等の各種データの送受信を行う通信I/F(インタフェース)38が接続されている。
【0029】
従って、制御部30は、操作パネル32への操作画面、各種メッセージ等の各種情報の表示の制御と、画像形成制御部34を介した画像形成部14の作動の制御と、搬送制御部36を介した用紙Pの搬送の制御と、通信I/F38を介したネットワークNETに接続された他の端末装置とのデータの送受信の制御と、を各々行うことができる。また、制御部30は、操作パネル32に対する操作内容の把握を行なうことができる。ただし、本発明は通信I/F38をネットワーク接続に限定するものではない。
【0030】
次に、本実施の形態に係る画像形成装置10の作用について説明する。
【0031】
各給紙トレイ12には、サイズや紙種などが異なる用紙Pが収容される。なお、各給紙トレイ12に同じ用紙Pを収容してもよい。
【0032】
本実施の形態係る画像形成装置10は、ネットワークNETを介してサーバやクライアントPC等をまとめて示す上位ホストからの印刷データを制御部30が受ける。この印刷データには、印刷する文書に関する文書情報と共に、印刷対象とする用紙のサイズを示すサイズ情報や、印刷部数を示す部数情報が含まれている。また、印刷データには、セパレータとして用紙を合紙するか否かを含むセパレータ情報も含まれており、本実施の形態では、複数部印刷する際に、印刷データに、1部印刷する毎に、表紙として用紙を合紙する前セパレータ及び裏表紙として用紙を合紙する後セパレータを行なうかを否かを示すセパレータ情報が含まれている。
【0033】
制御部30は、印刷データを展開して解析し、印刷データに含まれるサイズ情報に基づいて印刷対象とする用紙Pを判別すると共に、印刷データに含まれるセパレータ情報に基づいてセパレータの有無を判別する。
【0034】
制御部30は、印刷データの展開及び解析が完了すると印刷を開始し、搬送制御部36を制御して印刷対象とする用紙Pが収容された給紙トレイ12からの用紙Pの搬送経路20への搬送を開始すると共に、展開された印刷データをビットマップデータ又はビデオ信号として画像形成制御部34に出力する。
【0035】
画像形成制御部34は、当該ビットマップデータ又はビデオ信号に基づいて画像形成部14を制御して、搬送経路20を搬送される用紙Pに文書を印刷する。この際、セパレータの挿入が指定されている場合には、制御部30からの指示により搬送制御部36が切替部28を制御し、セパレータ専用の搬送経路22を経由してスタッカ18上にセパレータを排紙(挿入)するよう動作する。
【0036】
図3には、ネットワークNETを介して上位ホストからの印刷データが受け付けられた場合に、CPU30Aにより実行される印刷制御処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートが示されている。なお、当該プログラムはROMやHDD等の記憶媒体の所定の領域に予め記憶されており、メモリ30B(主にRAM)に読み込まれて動作する。
【0037】
同図のステップS10では、受信した印刷データを展開して解析する。
【0038】
次のステップS12では、印刷データに含まれるセパレータ情報でセパレータ有りの設定がなされているか否かを判定し、肯定判定となった場合はステップS22へ移行し、否定判定となった場合はステップS14へ移行する。
【0039】
ステップS14では、展開された印刷データをビットマップデータ又はビデオ信号として画像形成制御部34へ出力し、次のステップS16では、画像形成部14で用紙Pに画像を印刷する。
【0040】
ステップS18では、印刷データに含まれる文書情報により示される文書を全て印刷したか否かを判定し、肯定判定となった場合はステップS20へ移行し、否定判定となった場合はステップS14へ移行して文書情報により示される文書の印刷を継続する。
【0041】
ステップS20では、印刷データに含まれる部数情報により示される印刷部数だけ印刷が完了したか否かを判定し、肯定判定となった場合は処理終了となり、否定判定となった場合はステップS12へ移行して部数情報により示される印刷部数だけ印刷を行なう。
【0042】
一方、ステップS22では、セパレータ情報で前セパレータ有りが指定されているか否かを判定し、肯定判定となった場合はステップS30へ移行し、否定判定となった場合はステップS36へ移行する。
【0043】
ステップS30では、搬送制御部36を介して切替部28を制御して用紙Pの搬送経路を搬送経路22に切り替える。
【0044】
次のステップS32では、前セパレータとして用紙Pを搬送経路22を介して搬送してスタッカ18に排出させる。なお、セパレータとして用紙Pを挿入する場合に、画像形成部14を停止した状態で搬送経路22内に用紙Pを搬送させてセパレータを挿入することは勿論、搬送経路22内で用紙Pを停止させた状態で挿入のタイミングまで待機させたり、用紙Pを予め給紙トレイ12からピックアップした後、印刷用の用紙Pの搬送速度とは異なる超低速で搬送し、挿入するタイミングを調整するなどの制御が、それぞれの搬送経路22毎に可能である。
【0045】
次のステップS34では、搬送制御部36を介して切替部28を制御して用紙Pの搬送
経路を搬送経路20に切り替える。
【0046】
次のステップS36では、展開された印刷データをビットマップデータ又はビデオ信号として画像形成制御部34へ出力し、次のステップS38では、画像形成部14で用紙Pに画像を印刷する。
【0047】
ステップS40では、印刷データに含まれる文書情報により示される文書を全て印刷したか否かを判定し、肯定判定となった場合はステップS42へ移行し、否定判定となった場合はステップS36へ移行して文書情報により示される文書の印刷を継続する。
【0048】
ステップS42では、セパレータ情報で後セパレータ有りが指定されているか否かを判定し、肯定判定となった場合はステップS50へ移行し、否定判定となった場合はステップS20へ移行する。
【0049】
ステップS50では、搬送制御部36を介して切替部28を制御して用紙Pの搬送経路を搬送経路22に切り替える。
【0050】
次のステップS52では、後セパレータとして用紙Pを搬送経路22を介して搬送してスタッカ18に排出させる。
【0051】
次のステップS54では、搬送制御部36を介して切替部28を制御して用紙Pの搬送
経路を搬送経路20に切り替える。
【0052】
次のステップS56では、印刷データに含まれる部数情報により示される印刷部数だけ印刷が完了したか否かを判定し、肯定判定となった場合は処理終了となり、否定判定となった場合はステップS12へ移行して部数情報により示される印刷部数だけ印刷を行なう。
【0053】
以上のように本実施の形態によれば、合紙する用紙Pを収納する収容部を別に設けることなく、合紙する用紙Pによる画像形成部14の劣化が抑えられる。
【0054】
また、本実施の形態によれば、合紙する用紙Pを収納する収容部を別に設ける必要がないため、特許文献1のような当該収容部による出っ張りが無いスッキリとした構成となる。
【0055】
また、本実施の形態によれば、給紙トレイ12毎に搬送経路22を設けたので、互いの給紙動作が干渉されない制御が可能となる。
[第2の実施の形態]
第2の実施の形態に係る画像形成装置10の概略構成は、上記第1の実施の形態(図1参照)と同一であるため、ここでの説明は省略する。
【0056】
図4には、本実施の形態に係る画像形成装置10を制御する制御系の構成が示されている。なお、図4における図2と同一部分については同一の符号を付して説明を省略する。
【0057】
本実施の形態に係る制御部30には、用紙Pを合紙する際に搬送経路22を使用するか否かの設定を行なうためのスイッチ30Dが設けられている。
【0058】
第2の実施の形態に係る画像形成装置10は、スイッチ30Dで設定を切替えることにより、セパレータとして用いる用紙Pの搬送を搬送経路20又は搬送経路22で行なうことが可能とされている。
【0059】
制御部30は、スイッチ30Dの設定状態の把握を行なうことができる。
【0060】
図5には、本実施の形態に係る印刷制御処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートが示されている。なお、図5における図3と同一部分については同一の符号を付して説明を省略する。
【0061】
ステップS24では、前セパレータに対して印刷を行なうか否かを判定し、肯定判定となった場合はステップS14へ移行して前セパレータにも印刷を行ない、否定判定となった場合はステップS26へ移行する。
【0062】
ステップS26では、スイッチ30Dがセパレータとして用いる用紙Pの搬送を搬送経路22で行なうの設定となっている否かを判定し、肯定判定となった場合はステップS30へ移行し、否定判定となった場合は、ステップS28へ移行する。
【0063】
ステップS28では、前セパレータとして用紙Pを搬送経路20を介して搬送してスタッカ18に排出させた後にステップS36へ移行する。なお、セパレータとして用いる用紙Pの表裏反転させて挿入する必要がある場合には、反転経路20A側へ搬送して用紙Pの表裏を反転させるよう制御してもよい。
【0064】
一方、ステップS44では、後セパレータに対して印刷を行なうか否かを判定し、肯定判定となった場合はステップS14へ移行して後セパレータにも印刷を行ない、否定判定となった場合はステップS46へ移行する。
【0065】
ステップS46では、スイッチ30Dがセパレータとして用いる用紙Pの搬送を搬送経路22で行なうの設定となっている否かを判定し、肯定判定となった場合はステップS50へ移行し、否定判定となった場合は、ステップS48へ移行する。
【0066】
ステップS48では、後セパレータとして用紙Pを搬送経路20を介して搬送してスタッカ18に排出させた後にステップS56へ移行する。
【0067】
以上のように本実施の形態によれば、合紙する用紙Pに画像を形成して表紙や裏表紙として用いることが可能となる。
【0068】
また、本実施の形態によれば、合紙する用紙Pの搬送経路20又は搬送経路22への搬送が可能となる。
【0069】
なお、上記各実施の形態では、給紙トレイ12毎に搬送経路22を別々に設けた場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0070】
例えば、図6に示すように搬送経路22の排出口側の搬送経路を一部共用するようにしてもよい。このように排紙部手前で搬送経路22をまとめることにより、排紙口部分の構成を簡易となる。この場合、セパレータとして用紙Pを挿入する場合に、画像形成部14を停止した状態で搬送経路22内に用紙Pを搬送させてセパレータを挿入することは勿論、搬送経路22内で用紙Pを停止させた状態で挿入のタイミングまで待機させたり、用紙Pを予め給紙トレイ12からピックアップした後、印刷用の用紙Pの搬送速度とは異なる超低速で搬送し、挿入するタイミングを調整するなどの制御は、図3と同様に可能であるが、各搬送経路22を一部共用したことで各搬送経路22の独立した制御はできない。
【0071】
また、例えば、図7に示すように搬送経路20と搬送経路22の用紙Pの排出口側の搬送経路を一部共用するようにしてもよい。
【0072】
図7では、図6の状態からさらに印刷用の搬送経路20の排紙口とセパレータ用の搬送経路22の排紙口を1箇所にまとめることで更なるコンパクト化をはかっている。
【0073】
本構成でも図6と同様の効果を得ることは可能であるが、搬送経路20と搬送経路22で排出口を共用していることから、印刷用の搬送経路20に流れる用紙Pの位置情報を正確に把握して搬送経路22に用紙Pを搬送させる制御が必要となり、図6の構成時よりも正確な制御が要求される。
【0074】
さらに、例えば、図8及び図9に示すように搬送経路20と搬送経路22の用紙Pの給紙口側を一部共用するようにしてもよい。
【0075】
図8及び図9では、搬送経路20と搬送経路22の給紙口側の一部を共有することで用紙搬送路を簡素化し、セパレータ用紙に印刷を行わない場合や、セパレータ用紙を表裏反転させて挿入する必要がなかった場合に、省エネ及び装置寿命,消耗品の寿命を改善し、簡易な搬送ルートで用紙Pを搬送することにより搬送不良(所謂ジャム)の発生を極力低減させると共に、印刷性能の向上が可能なり、本実施の形態の中で一番安価で容易に得ることのできる構成である。
【0076】
特に図9は、印刷用の用紙Pとの給紙タイミング制御の煩雑さはあるが、コンパクト化及び部品点数の削減を同時に実現可能である。
【0077】
また、例えば、図10に示すように、搬送経路22と現像部16Bとの密着部分が頂点となるように搬送経路22を湾曲させた状態で現像部16Bに密着して配置することにより、現像部16Bと搬送経路22の密着部分で用紙Pが現像部16B側に確実に接触しながら搬送されるように構成してもよい。なお、図10では、画像形成部14の上側を迂回するように両面印刷用の反転経路20Aを設けている。
【0078】
この場合、搬送経路22の湾曲部分で内部の気流を多くするため、通常の幅(高さ)よりも広く(高く)し、さらに、現像部16Bとの密着面の反対側となる搬送経路面(湾曲面の内側の面)に用紙Pの搬送に影響を与えない程度の通気孔を設けることで熱の発散効率を高めてもよい。これにより、搬送経路22の空間を流れる空気との温度差や、搬送される用紙Pとの接触による温度差を利用して現像部16Bに伝わる熱が発散されるため、トナーの融解や固形化による印字不良が抑制される。
【0079】
この図10のような構成とすることにより搬送経路22自体のスペースは増加するが、現像部16Bと定着部16Cを隣接して配置可能となるため、本構成を適用しない場合よりも画像形成部14のコンパクト化が可能である。
【0080】
また、上記各実施の形態では、セパレータの有無がセパレータ情報によって設定される場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、操作パネル32やスイッチ30Dによってセパレータの有無が設定されてもよい。
【0081】
また、上記第2の実施の形態では、スイッチ30Dによってセパレータの搬送を搬送経路20又は搬送経路22で行なう設定を行なう場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、操作パネル32や上位ホストからの印刷データによってセパレータの搬送を搬送経路20又は搬送経路22で行なう設定がされてもよい。
【0082】
また、上記各実施の形態では、画像形成部14を電子写真方式を用いたものとした場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、インクジェット方式を用いたものであってもよい。
【0083】
その他、上記実施の形態で説明した画像形成装置10の概略構成及び制御系の構成(図1、図2、図4、図6〜図10参照。)は、一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において適宜変更可能であることは言うまでもない。
【0084】
また、上記実施の形態で説明した印刷制御処理プログラムの処理の流れ(図3、及び図5参照。)も、一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において適宜変更可能であることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】実施の形態に係る画像形成装置の概略構成を示す図である。
【図2】第1の実施の形態に係る画像形成装置の制御系の構成を示すブロック図である。
【図3】第1の実施の形態に係る印刷制御処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。
【図4】第2の実施の形態に係る画像形成装置の制御系の構成を示すブロック図である。
【図5】第2の実施の形態に係る印刷制御処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】他の形態に係る画像形成装置の概略構成を示す図である。
【図7】他の形態に係る画像形成装置の概略構成を示す図である。
【図8】他の形態に係る画像形成装置の概略構成を示す図である。
【図9】他の形態に係る画像形成装置の概略構成を示す図である。
【図10】他の形態に係る画像形成装置の概略構成を示す図である。
【符号の説明】
【0086】
10 画像形成装置
12 給紙トレイ(収容部)
14(16) 画像形成部
16A 感光体ドラム(像保持体)
16B 現像部
16C 定着部
18 スタッカ
20 搬送経路(第1搬送経路)
20A 両面印刷用反転経路
22 搬送経路(第2搬送経路)
24 取り出しローラ
26 ローラ対
28 切替部
30 制御部(制御手段)
30A CPU
30B メモリ
30C HDD
30D スイッチ
32 操作パネル
34 画像形成制御部
36 搬送制御部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体を収容した収容部と、
搬送される記録媒体に対して画像を形成する画像形成部と、
前記収容部に収容された記録媒体を前記画像形成部を介して排出部へ搬送する第1搬送経路と、
前記収容部に収容された記録媒体を前記画像形成部を介さずに排出部へ搬送する第2搬送経路と、
記録媒体に画像を形成する場合、前記収容部に収容された記録媒体を第1搬送経路へ搬送させ、記録媒体を合紙する場合、前記収容部に収容された記録媒体を第2搬送経路に搬送させるように制御する制御手段と、
を備えた画像形成装置。
【請求項2】
前記第1搬送経路と前記第2搬送経路は、搬送経路を一部共用している
請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記制御手段は、合紙する記録媒体に画像を形成する場合、前記収容部に収容された記録媒体を第1搬送経路へ搬送させるように制御する
請求項1又は請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記画像形成部は、像保持体上に形成された潜像を現像剤によって現像する現像部、及び前記現像剤によって現像されて前記記録媒体に転写された画像を加熱定着する定着部を有し、
前記第2搬送経路を、前記現像部に接触するように設けた
請求項1〜請求項3の何れか1項記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記第2搬送経路を、前記現像部との接触部分が頂点となるように湾曲させた
請求項4記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記第2搬送経路を、前記第1搬送経路よりも短くした
請求項1〜請求項5の何れか1項記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−100385(P2010−100385A)
【公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−272405(P2008−272405)
【出願日】平成20年10月22日(2008.10.22)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】