説明

画像形成装置

【課題】画像形成対象となった画像情報と、読み取った画像との対応を取って、むら補正情報を生成する。
【解決手段】情報合成部212によって、元画像データと、識別情報とを合成して、合成画像データを生成し、画像形成ユニットによって、合成画像データが表わす画像を記録媒体に形成する。元画像データと識別情報とが対応して元画像データ蓄積部204に記憶される。画像読取ユニットによって記録媒体に形成された画像が読取られ、画像分離部216によって、読取られた画像から、画像データ及び識別情報を取得する。元画像データ読出部218によって、識別情報に対応する元画像データを読み出し、ムラ検出部220によって、元画像データと、読み出された画像データとに基づいて、画像のむらを検出する。ムラ補正情報生成部222によって、検出された画像のむらに基づいて、ムラ補正情報を生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、プリント画像データを利用して面内むら補正を行う方法について、様々な技術が提案されている。例えば、原稿画像内からパッチとして使えそうな領域を抽出して色味を検知する画像形成装置が知られている(特許文献1)。
【0003】
また、実画像を使ってムラ補正するときに、原稿に適当な領域がない場合、ある程度の時間、面内ムラが安定であることを利用して、複数の原稿にまたがって領域を抽出し、補正パターンを形成する画像処理システムが知られている(特許文献2)。
【0004】
また、ムラを検出する領域として、均一な色が連続する部分を抽出する画像処理システムが知られている(特許文献3)。また、感光体の位置を検出し、感光体の位置に応じて補正量を変える画像形成装置が知られている(特許文献4)。
【特許文献1】特開2005−217747号公報
【特許文献2】特開2007−59974号公報
【特許文献3】特開2007−36330号公報
【特許文献4】特開2000−267363号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
装置の内部に読取装置が設けられていない場合であっても、画像形成対象となった画像情報と、読み取った画像の画像情報との対応を取って、むら補正情報を生成することができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、請求項1記載の発明に係る画像形成装置は、画像形成対象となる画像情報と、該画像情報を識別するための識別情報とを合成して、合成画像情報を生成する合成手段と、前記合成手段によって合成された前記合成画像情報が表わす画像を記録媒体に形成する画像形成手段と、前記画像情報と前記識別情報とを対応して記憶する画像記憶手段と、前記記録媒体に形成された画像を読取る画像読取手段と、前記画像読取手段によって読取られた画像の前記合成画像情報から、前記画像情報及び前記識別情報を取得する画像情報取得手段と、前記画像記憶手段から、前記取得された前記識別情報に対応する前記画像情報を読み出す画像読出手段と、前記取得された前記画像情報と、前記画像読出手段によって読み出された前記画像情報とに基づいて、画像のむらを検出するむら検出手段と、前記むら検出手段によって検出された前記画像のむらに基づいて、むらを補正するためのむら補正情報を生成するむら補正情報生成手段とを含んで構成されている。
【0007】
請求項2記載の発明では、上記請求項1に係る画像形成装置において、前記画像形成手段は、回転可能な像保持体と、前記合成画像情報に基づいて前記像保持体の表面に潜像を形成する潜像形成手段と、現像剤で前記像保持体の表面の潜像を現像する現像手段と、現像された画像を記録媒体に転写する転写手段とを備え、前記記録媒体と前記像保持体の回転位置との位置関係を検出する位置検出手段とを更に含み、前記合成手段は、前記画像情報と、該画像情報の識別情報と、前記位置検出手段によって検出された位置関係を示す位置関係情報とを合成して、前記合成画像情報を生成し、前記画像情報取得手段は、前記画像読取手段によって読取られた画像の前記合成画像情報から、前記画像情報、前記識別情報、及び前記位置関係情報を取得し、前記補正情報生成手段は、前記むら検出手段によって検出された前記画像のむらに基づいて、前記取得した位置関係情報が示す位置関係に対するむらを補正するための前記むら補正情報を生成する。
【0008】
請求項3記載の発明では、上記請求項1又は2に係る画像形成装置において、前記合成手段は、前記画像情報と、該画像情報の識別情報と、現在の日付又は日時を示す日時情報とを合成して、前記合成画像情報を生成し、前記画像情報取得手段は、前記画像読取手段によって読取られた画像の前記合成画像情報から、前記画像情報、前記識別情報、及び前記日時情報を取得し、前記補正情報生成手段は、前記むら検出手段によって検出された前記画像のむらと、前記取得した日時情報と、現在の日付又は日時に基づいて、前記むら補正情報を生成する。
【0009】
請求項4記載の発明では、上記請求項1〜請求項3の何れか1項に係る画像形成装置において、前記合成手段は、前記画像情報と、該画像情報の識別情報と、前記画像情報の所定方向の向きを示す方向情報とを合成して、前記合成画像情報を生成し、前記画像情報取得手段は、前記画像読取手段によって読取られた画像の前記合成画像情報から、前記画像情報、前記識別情報、及び前記方向情報を取得し、前記むら検出手段は、前記取得された前記画像情報と、前記画像読出手段によって読み出された前記画像情報とについて、前記取得した前記方向情報に基づいて、前記方向情報が示す所定方向を対応させて、画像のむらを検出する。
【0010】
請求項5記載の発明では、上記請求項1〜請求項4の何れか1項に係る画像形成装置において、前記合成手段は、前記画像情報と、該画像情報の識別情報と、自装置を識別するための装置情報とを合成して、前記合成画像情報を生成し、前記画像情報取得手段は、前記画像読取手段によって読取られた画像の前記合成画像情報から、前記画像情報、前記識別情報、及び前記装置情報を取得し、前記むら補正情報生成手段は、前記取得した前記装置情報が自装置の装置情報でない場合、前記むら補正情報を生成しない。
【発明の効果】
【0011】
以上説明したように、請求項1記載の画像形成装置によれば、装置の内部に読取装置が設けられていない場合であっても、画像形成対象となった画像情報と、読み取った画像の画像情報との対応を取って、むら補正情報を生成することができる、という効果が得られる。
【0012】
請求項2記載の画像形成装置によれば、記録媒体と像保持体の回転位置との位置関係に対するむらを補正するためのむら補正情報を生成することができる、という効果が得られる。
【0013】
請求項3記載の画像形成装置によれば、画像形成が行われたときの日時情報に応じて、むら補正情報を生成することができる、という効果が得られる。
【0014】
請求項4記載の画像形成装置によれば、画像形成対象となった画像情報と読み取った画像の画像情報とについて方向を対応させて、むらを検出することができる、という効果が得られる。
【0015】
請求項5記載の画像形成装置によれば、読取られた画像から得られる装置情報が自装置の装置情報でない場合には、むら補正情報を生成しないようにすることができる、という効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、本発明の実施の形態では、画像形成装置に本発明を適用した場合を例に説明する。
【0017】
図1に示すように、第1の実施の形態に係る画像形成装置10は、画像読取ユニット12、画像形成ユニット14、中間転写ベルト16、給紙手段17、用紙搬送路18、定着器19、画像処理装置20、像形成制御装置21、排紙手段22、及びユーザインターフェイス(UI)装置23を有する。
【0018】
この画像形成装置10は、パーソナルコンピュータ(図示省略)などから受信した画像データを印刷するプリンタ機能に加えて、画像読取ユニット12を用いたフルカラー複写機としての機能、及び、ファクシミリとしての機能を兼ね備えている。
【0019】
まず、画像形成装置10の概略を説明すると、画像形成装置10の上部には、画像読取ユニット12、画像処理装置20、及び像形成制御装置21が配設されている。画像読取ユニット12は、原稿30に表示された画像を読み取って、画像処理装置20に対して出力する。画像処理装置20は、画像読取ユニット12から入力された読取画像データ、又は、LANなどのネットワーク回線を介してパーソナルコンピュータ等から入力された画像データに対して、後述する補正処理などの画像処理を施し、像形成制御装置21に対して出力する。像形成制御装置21は、画像処理を施された画像データに基づいて、画像形成ユニット14を制御する。なお、像形成制御装置21は、画像処理装置20の一部として、画像処理装置20に含まれてもよい。
【0020】
画像形成装置10の上面には、例えばタッチパネルなどのUI装置23が設けられている。UI装置23は、画像形成装置10の制御情報や指示情報などを表示すると共に、指示情報などのユーザによる入力を受入れる。即ち、ユーザは、UI装置23を介して画像形成装置10を操作することができる。なお、UI装置23は、スイッチなどの入力のみを受入れるものであってもよいし、表示などの出力のみを行うものであってもよく、これらを組み合わせたものであってもよい。
【0021】
画像読取ユニット12の下方には、カラー画像を構成する色に対応して、複数の画像形成ユニット14が配設されている。本例では、黒(K)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の各色に対応して第1の画像形成ユニット14K、第2の画像形成ユニット14Y、第3の画像形成ユニット14M、及び第4の画像形成ユニット14Cが、中間転写ベルト16に沿って一定の間隔を空けて水平に配列されている。中間転写ベルト16は、中間転写体として図中矢印Aの方向に回転し、これら4つの画像形成ユニット14K、14Y、14M、14Cは、画像処理装置20から入力された画像データに基づいて各色のトナー像を順次形成し、これら複数のトナー像が互いに重ね合わせられるタイミングで中間転写ベルト16に転写(一次転写)する。なお、各画像形成ユニット14K、14Y、14M、14Cの色の順序は、黒(K)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の順に限定されるものではなく、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の順序など、その順序は任意である。
【0022】
用紙搬送路18は、中間転写ベルト16の下方に配設されている。給紙手段17から供給された記録用紙32は、この用紙搬送路18上を搬送され、上記中間転写ベルト16上に多重に転写された各色のトナー像が一括して転写(二次転写)され、転写されたトナー像が定着器19によって定着され、矢印Bに沿って外部に排出される。
【0023】
次に、画像形成装置10の各構成についてより詳細に説明する。図1に示すように、画像読取ユニット12は、原稿30を載せるプラテンガラス124と、この原稿30をプラテンガラス124上に押圧するプラテンカバー122と、プラテンガラス124上に載せられた原稿30の画像を読み取る画像読取部130とを有する。この画像読取部130は、プラテンガラス124上に載せられた原稿30を光源132によって照明し、原稿30からの反射光像を、フルレートミラー134、第1のハーフレートミラー135、第2のハーフレートミラー136、及び結像レンズ137からなる縮小光学系を介して、CCD等からなる画像読取素子138上に走査露光して、この画像読取素子138によって原稿30の色材反射光像を所定のドット密度(例えば、16ドット/mm)で読み取るように構成されている。
【0024】
画像処理装置20は、画像読取ユニット12により読み取られた読取画像データ、又は、ネットワーク回線を介して入力された画像データに対して、色変換等の所定の画像処理を施す。なお、画像読取ユニット12により読み取られた原稿30の色材反射光像は、例えば、赤(R)、緑(G)、青(B)の3色の原稿反射率データであり、画像処理装置20による画像処理によって、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の4色の原稿色材階調データに変換される。
【0025】
像形成制御装置21は、画像処理装置20から入力された画像データ(YMCK)に応じて、パルス信号を発生させ、光走査装置140に対して出力する。より具体的には、像形成制御装置21は、画像データに基づいて、後述する第1の光走査装置140K、第2の光走査装置140Y、第3の光走査装置140M、及び第4の光走査装置140Cに対して、パルス信号を出力し、画像を形成する。
【0026】
第1の画像形成ユニット14K、第2の画像形成ユニット14Y、第3の画像形成ユニット14M、及び第4の画像形成ユニット14Cは、水平方向に一定の間隔をおいて並列的に配置され、形成する画像の色が異なる他は、ほぼ同様に構成されている。そこで、以下、第1の画像形成ユニット14Kについて説明する。なお、各画像形成ユニット14の構成は、K、Y、M、又はCを付すことにより区別する。
【0027】
画像形成ユニット14Kは、画像処理装置20から入力された画像データに応じてレーザ光を走査する光走査装置140Kと、この光走査装置140Kにより走査されたレーザ光により静電潜像が形成される像形成装置150Kとを有する。
【0028】
光走査装置140Kは、半導体レーザ142Kを黒色(K)の画像データに応じて変調して、この半導体レーザ142Kからレーザ光LB(K)を画像データに応じて出射する。この半導体レーザ142Kから出射されたレーザ光LB(K)は、第1の反射ミラー143K及び第2の反射ミラー144Kを介して回転多面鏡146Kに照射され、この回転多面鏡146Kよって偏向走査され、第2の反射ミラー144K、第3の反射ミラー148K及び第4の反射ミラー149Kを介して、像形成装置150Kの感光体ドラム152K上に照射される。
【0029】
像形成装置150Kは、矢印Aの方向に沿って所定の回転速度で回転する像保持体としての感光体ドラム152Kと、この感光体ドラム152Kの表面を一様に帯電する帯電手段としての一次帯電用のスコロトロン154Kと、感光体ドラム152K上に形成された静電潜像を現像する現像器156Kと、クリーニング装置158Kと、感光体ドラム152Kの表面に対向するように設けられた回転位置センサ160Kとを備えている。感光体ドラム152Kは、スコロトロン154Kにより一様に帯電され、光走査装置140Kにより照射されたレーザ光LB(K)により静電潜像を形成される。感光体ドラム152Kに形成された静電潜像は、現像器156Kにより黒色(K)のトナーで現像され、中間転写ベルト16に転写される。なお、トナー像の転写工程の後に感光体ドラム152Kに付着している残留トナー及び紙粉等は、クリーニング装置158Kによって除去される。回転位置センサ160Kは、感光体ドラム152Kの回転位置を検出する。
【0030】
他の画像形成ユニット14Y、14M、及び14Cも、上記と同様に、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、及びシアン(C)の各色のトナー像を形成し、形成された各色のトナー像を中間転写ベルト16に転写する。
【0031】
中間転写ベルト16は、ドライブロール164と、第1のアイドルロール165と、ステアリングロール166と、第2のアイドルロール167と、バックアップロール168と、第3のアイドルロール169との間に一定のテンションで掛け回されており、駆動モータ(図示省略)によってドライブロール164が回転駆動されることにより、矢印Aの方向に所定の速度で循環駆動される。この中間転写ベルト16は、例えば、可撓性を有するポリイミド等の合成樹脂フィルムを帯状に形成し、この帯状に形成された合成樹脂フィルムの両端を溶着等によって接続することにより無端ベルト状に形成されたものである。
【0032】
また、中間転写ベルト16には、各画像形成ユニット14K、14Y、14M、14Cに対向する位置にそれぞれ第1の一次転写ロール162K、第2の一次転写ロール162Y、第3の一次転写ロール162M、及び第4の一次転写ロール162Cが配設され、感光体ドラム152K、152Y、152M、152C上に形成された各色のトナー像は、これらの一次転写ロール162により中間転写ベルト16上に多重に転写される。なお、中間転写ベルト16に付着した残留トナーは、二次転写位置の下流に設けられたベルト用クリーニング装置189のクリーニングブレード又はブラシにより除去される。
【0033】
また、中間転写ベルト16の表面に対向するように、表面位置センサ170が設けられ、中間転写ベルト16の表面の位置を検出する。
【0034】
用紙搬送路18には、給紙手段17から記録用紙32を取り出す給紙ローラ180と、用紙搬送用の第1のローラ対181、第2のローラ対182、及び第3のローラ対183と、記録用紙32を既定のタイミングで二次転写位置に搬送するレジストロール184とが配設される。
【0035】
また、用紙搬送路18上の二次転写位置には、バックアップロール168に圧接する二次転写ロール185が配設されており、中間転写ベルト16上に多重に転写された各色のトナー像は、この二次転写ロール185による圧接力及び静電気力で記録用紙32上に二次転写される。各色のトナー像が転写された記録用紙32は、第1の搬送ベルト186及び第2の搬送ベルト187によって定着器19へと搬送される。
【0036】
定着器19は、上記各色のトナー像が転写された記録用紙32に対して加熱処理及び加圧処理を施すことにより、トナーを記録用紙32に溶融固着させる。
【0037】
次に、画像処理装置20の機能構成について説明する。図2に示すように、画像処理装置20は、元画像データ生成部200、識別情報生成部202、元画像データ蓄積部204、時刻方向情報生成部206、検出位置取得部208、印刷条件生成部210、情報合成部212、データ出力部214、画像分離部216、元画像データ読出部218、ムラ検出部220、ムラ補正情報生成部222、ムラ補正情報記憶部224、入力画像受付部226、色空間変換部228、補正部230、及びデータ出力部232を備える。
【0038】
画像処理装置20に含まれる上記各構成は、CPU、メモリ、及びプログラムなどによりソフトウェア的に実現されてもよいし、ASICなどによりハードウェア的に実現されてもよい。また、画像処理装置20は、画像形成装置10のみでなく、例えばパーソナルコンピュータなどに含まれてもよい。
【0039】
画像処理装置20において、元画像データ生成部200は、元画像データとして補正専用画像データを生成して、識別情報生成部202、元画像データ蓄積部204、及び情報合成部212に出力する。識別情報生成部202は、補正専用画像データが入力されると、補正専用画像データを識別するための識別情報を生成して、元画像データ蓄積部204、及び情報合成部212に出力する。元画像データ蓄積部は、入力された補正専用画像データ及び識別情報を対応させて記憶する。
【0040】
時刻方向情報生成部206は、補正専用画像データを印刷しようとする現在の日時を示す日時情報と、補正専用画像データが表わす画像の天地方向を示す方向情報とを生成する。
【0041】
検出位置取得部208は、各回転位置センサ160より検出された各感光体ドラム152の回転位置と、表面位置センサ170より検出された中間転写ベルト16の表面位置とを取得する。印刷条件生成部210は、取得した各感光体ドラム152の回転位置と、取得した中間転写ベルト16の表面位置とに基づいて、各感光体ドラム152から中間転写ベルト16にトナー像が転写されるときの各感光体ドラム152の回転位置と中間転写ベルト16の表面位置との位置関係、及び記録用紙32にトナー像が転写されるときの記録用紙32と中間転写ベルト16の表面位置との位置関係を示す印刷条件情報を生成する。
【0042】
情報合成部212は、補正専用画像データに、識別情報と日時情報と方向情報と印刷条件情報とを合成して、合成画像データを生成して、データ出力部214に出力する。データ出力部214は、入力された合成画像データを像形成制御装置21に対して出力する。
【0043】
また、画像処理装置20において、画像分離部216は、画像読取ユニット12からの読取画像データが入力されると、読取画像データを、補正専用画像データ、識別情報、日時情報、方向情報、及び印刷条件情報に分離して、識別情報を元画像データ読出部218に出力し、補正専用画像データ及び方向情報をムラ検出部220に出力し、日時情報及び印刷条件情報をムラ補正情報生成部222に出力する。なお、画像分離部216が、本発明の画像情報取得手段の一例である。
【0044】
元画像データ読出部218は、入力された識別情報に対応して記憶された元画像データとしての補正専用画像データを、元画像データ蓄積部204から読み出して、ムラ検出部220に出力する。
【0045】
ムラ検出部220は、読取画像データから分離された補正専用画像データと、元画像データとして読み出された補正専用画像データとを比較して、画像のムラを検出して、検出されたムラを表わすムラデータをムラ補正情報生成部222に出力する。このとき、ムラ検出部220は、入力された方向情報が示す天地方向に基づいて、元画像データとして読み出された補正専用画像データと天地方向を一致させて、補正専用画像データを比較する。
【0046】
ムラ補正情報生成部222は、入力されたムラデータと、日時情報と、印刷条件情報とに基づいて、印刷条件情報が示す位置関係に対するムラ補正情報として、検出されたムラを相殺するように各画素値を変換するムラ補正情報を生成して、ムラ補正情報記憶部224に記憶される、印刷条件情報が示す位置関係に対するムラ補正情報を更新する。このとき、ムラ補正情報生成部222は、日時情報が示す日時と現在の日時とに基づいて、ムラの経時変化を考慮したムラ補正情報を生成する。例えば、日時情報が示す日時が現在の日時に近いほど、ムラ補正情報の生成に寄与させるムラの度合いを多くし、日時情報が示す日時が現在の日時と遠いほど、ムラ補正情報の生成に寄与させるムラの度合いを少なくする。更新されたムラ補正情報は、次回以降の画像処理において、補正部230により用いられる。ムラ補正情報記憶部224には、位置関係毎にムラ補正情報が記憶される。
【0047】
また、ムラ補正情報を更新する場合には、以前に生成されたムラ補正情報を廃棄して、新たに生成されたムラ補正情報に更新してもよく、また、以前に生成されたムラ補正情報と新たに生成されたムラ補正情報とに応じて、ムラ補正情報を更新するようにしてもよい。このとき、以前のムラ補正情報を廃棄するか、以前のムラ補正情報に応じてムラ補正情報を更新するかを、ユーザの操作によって指示できるようにしてもよい。また、UI装置23に、ムラ補正情報の更新の有無、ムラ補正情報の更新の程度、又は更新方法を表示するようにしてもよい。
【0048】
なお、ムラの検出方法、ムラ補正情報の生成方法、及びムラ補正の方法については、従来既知の方法を用いればよく、本実施の形態では詳細な説明を省略する。
【0049】
また、画像処理装置20において、入力画像受付部226は、図1に示された画像読取ユニット12又はユーザのパーソナルコンピュータから、入力画像データを受け付け、色空間変換部228に対して出力する。入力画像データは、例えば、RGB各8bitで表現されており、sRGB空間に属する画像である。
【0050】
色空間変換部228は、所定のプロファイル(色再現特性)を用いて、入力画像(RGB)を測色値であるCIELAB(L*,a*,b*)色空間(又はCIEXYZ)に変換する。また、色空間変換部228は、プロファイルを用いて、変換されたCIELAB色空間の画像データを印刷処理に適した表色系のYMCK色空間の画像データに変換して、補正部230に対して出力する。ここで、プロファイルは、画像の色再現特性を示す情報であり、例えば、ICCプロファイルである。なお、色空間変換部228は、予め記憶されている色変換テーブルを用いて、入力されたRGB色空間の画像をYMCK色空間の画像データに変換してもよい。
【0051】
補正部230は、入力された画像データを印刷処理に適合した階調に補正し、むら補正処理を施して、データ出力部232に対して出力する。より具体的には、補正部230は、印刷条件生成部210より現在の印刷処理に関する印刷条件情報を取得し、ムラ補正情報記憶部224に記憶されている、印刷条件情報が示す位置関係に対応するムラ補正情報を参照して、各画素の画素値を変換する。
【0052】
データ出力部232は、補正部230から入力されたYMCK色空間の画像データを、像形成制御装置21に対して出力する。画像データの画素値が補正部230により変換されるので、像形成制御装置21は、むら補正に適するように感光体ドラム152への露光光量を制御する。また、データ出力部232は、画像データ蓄積のためのメモリに対して、入力された画像データを出力してもよい。
【0053】
次に、第1の実施の形態に係る画像形成装置10の作用を説明する。
【0054】
まず、ユーザが、UI装置23を操作して、ムラ補正用画像の形成を指示すると、画像形成装置10の画像処理装置20において、図3に示すムラ補正用画像印刷処理ルーチンが実行される。
【0055】
まず、ステップ100において、補正専用画像データを生成し、ステップ102において、上記ステップ100で生成された補正専用画像データを識別するための識別情報を生成する。
【0056】
そして、ステップ104で、現在の日時を示す日時情報、及び補正専用画像データの天地方向を示す方向情報を生成し、ステップ106において、各回転位置センサ160から各感光体ドラム152の回転位置を取得すると共に、表面位置センサ170から中間転写ベルト16の表面位置を取得する。
【0057】
そして、ステップ108において、上記ステップ106で取得した各感光体ドラム152の回転位置、及び中間転写ベルト16の表面位置に基づいて、各感光体ドラム152の回転位置と中間転写ベルト16の表面位置との位置関係、及び記録用紙32と中間転写ベルト16の表面位置との位置関係を示す印刷条件情報を生成する。
【0058】
次のステップ110では、上記ステップ100で生成された補正専用画像データに、上記ステップ102で生成された識別情報と、上記ステップ104で生成された日時情報及び方向情報と、上記ステップ108で生成された印刷条件情報とを合成して、合成画像データを生成する。
【0059】
そして、ステップ112では、上記ステップ110で生成された合成画像データを、像形成制御装置21に対して出力して、合成画像データが表わす画像を、記録用紙32に形成させる。このとき、像形成制御装置21は、合成画像データに基づいて、画像形成ユニット14を制御する。このため、感光体ドラム152への露光光量が制御されて、合成画像データが表わす画像が記録用紙32上に形成される。
【0060】
次のステップ114では、上記ステップ100で生成された補正専用画像データと、上記ステップ102で生成された識別情報とを対応させて、元画像データ蓄積部204に記憶し、ムラ補正用画像印刷処理ルーチンを終了する。
【0061】
次に、ユーザによって、上記ムラ補正用画像印刷処理ルーチンによって印刷された記録用紙32が、画像読取りユニット12のプラテンガラス124上に載せられると共に、UI装置23を操作して、ムラ補正情報の生成が指示されると、画像形成装置10の画像処理装置20において、図4に示すムラ補正情報生成処理ルーチンが実行される。
【0062】
まず、ステップ120によって、画像読取ユニット12によって読取られた読取画像データとしての合成画像データを取得する。そして、ステップ122において、上記ステップ120で取得した合成画像データを、補正専用画像データと、識別情報と、日時情報と、方向情報と、印刷条件情報とに分離する。
【0063】
次のステップ124では、上記ステップ122で得られた識別情報に対応する元画像データとしての補正専用画像データを、元画像データ蓄積部204から読み出し、ステップ126において、上記ステップ122で得られた方向情報に基づいて、上記ステップ122で得られた補正専用画像データと、上記ステップ124で読み出された補正専用画像データとを、天地方向を揃えた状態で比較して、画像のむらを検出する。
【0064】
そして、ステップ128において、上記ステップ126で検出された画像のむらと、上記ステップ122で得られた日時情報及び印刷条件情報とに基づいて、印刷条件情報が示す位置関係に対応する、画像のむらを相殺するためのムラ補正情報を生成する。そして、ステップ130において、上記ステップ128で生成された、印刷条件情報が示す位置関係に対応したムラ補正情報を、ムラ補正情報記憶部224に記憶して、ムラ補正情報生成処理ルーチンを終了する。
【0065】
また、ユーザが、パーソナルコンピュータ又は画像読取ユニット12を介して印刷要求を行った場合には、画像処理装置20において、入力画像受付部226によって、入力画像データをネットワーク又は画像読取ユニット12を介して取得し、受け付けられた画像データ(例えばRGB各8ビット)を、色空間変換部228に対して出力する。
【0066】
そして、色空間変換部228は、プロファイルを用いて、RGB色空間の入力画像データをCIELAB色空間に色変換し、所定の画像処理を施し、次に、異なるプロファイルを用いて、変換されたCIELAB色空間のデータを出力デバイスに依存するYMCK色空間の画像データに色変換する。色空間変換部228は、色変換テーブルを用いて、RGB色空間の入力画像データをYMCK色空間の画像データに色変換してもよい。色空間変換部228は、色空間を変換された画像データを、補正部230に対して出力する。
【0067】
そして、補正部230は、印刷条件生成部210から現在の印刷処理に関する印刷条件情報を取得し、ムラ補正情報記憶部224に記憶されている、印刷条件情報が示す位置関係に対応するムラ補正情報を参照して、たとえば、色信号を補正する。
【0068】
そして、データ出力部232は、補正部230から入力された画像データを、像形成制御装置21に対して出力する。像形成制御装置21は、この画像データに基づいて、画像形成ユニット14を制御する。このため、感光体ドラム152への露光光量が制御されて、むら補正処理がなされた画像が記録用紙32上に形成される。
【0069】
以上説明したように、第1の実施の形態によれば、元画像データである補正専用画像データの識別情報を、読取った画像データから取得することにより、装置の内部に読取装置が設けられていない場合であっても、元画像データとしての補正専用画像データと、読み取った画像から得られる補正専用画像データとの対応を取って、ムラを検出し、ムラ補正情報を生成することができる。
【0070】
また、ムラ補正で用いられる印刷条件情報などを、補正専用画像データと共に記録用紙に印刷し、印刷された記録用紙を読取った場合に、印刷条件情報を取得して、印刷条件情報が示す位置関係に対応するムラを補正するためのムラ補正情報を生成することができる。
【0071】
また、画像形成された記録用紙の搬送路中に読取装置を設けなくても、ユーザによってセットされた原稿を読み取る読取装置を備えていれば、元画像データとしての補正専用画像データと、読み取った画像から得られる補正専用画像データとの対応を取ることができる。
【0072】
ムラ補正のために専用に用いる補正専用画像データを記録用紙に印刷し、補正専用画像データが印刷された記録用紙を読み取って、ムラ補正情報を生成することにより、実際に印刷する実画像データが印刷された記録用紙を読み取ってムラを検出する場合に比べて、1枚の画像で、より多くの、あるいは、より精度の高いムラ補正が可能となる。
【0073】
次に、第2の実施の形態について説明する。なお、第2の実施の形態に係る画像形成システムの構成は、第1の実施の形態と同様の構成であるため、同一符号を付して説明を省略する。
【0074】
第2の実施の形態では、画像形成装置を識別するための装置情報を、補正専用画像データに合成している点と、装置情報に応じて、ムラ補正情報の生成を行っている点とが、第1の実施の形態と主に異なっている。
【0075】
第2の実施の形態に係る画像形成装置10では、画像処理装置20において、画像形成装置を識別するための装置情報を生成し、情報合成部212によって、補正専用画像データと、識別情報と、日時情報と、方向情報と、印刷条件情報と、装置情報とを合成して、合成画像データを生成して、データ出力部214に出力する。
【0076】
また、画像処理装置20において、画像分離部216によって、読取画像データである合成画像データから、補正専用画像データと、識別情報と、日時情報と、方向情報と、印刷条件情報と、装置情報とを分離して、得られた装置情報が、自装置の装置情報と一致するかを判断して、一致しない場合には、元画像データ読出部218による読み出し、ムラ検出部220によるむらの検出、及びムラ補正情報生成部222によるムラ補正情報を中止する。
【0077】
なお、第2の実施の形態に係る画像形成装置10の他の構成は、第1の実施の形態と同様であるため、説明を省略する。
【0078】
次に、第2の実施の形態に係るムラ補正情報生成処理ルーチンについて図5を用いて説明する。なお、第1の実施の形態と同様の処理については、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0079】
まず、ステップ120によって、画像読取ユニット12によって読取られた読取画像データとしての合成画像データを取得する。そして、ステップ122において、上記ステップ120で取得した合成画像データを、補正専用画像データと、識別情報と、日時情報と、方向情報と、印刷条件情報と、装置情報とに分離する。
【0080】
そして、ステップ200において、上記ステップ122で得られた装置情報が、自装置を示す装置情報と一致するか否かを判定し、一致しない場合には、ステップ124以降の処理を行わずに、ムラ補正情報生成処理ルーチンを終了する。一方、装置情報が一致する場合には、ステップ124へ移行する。
【0081】
ステップ124では、上記ステップ122で得られた識別情報に対応する補正専用画像データを、元画像データ蓄積部204から読み出し、ステップ126において、画像のむらを検出する。そして、ステップ128において、ムラ補正情報を生成し、ステップ130において、上記ステップ128で生成されたムラ補正情報をムラ補正情報記憶部224に記憶して、ムラ補正情報生成処理ルーチンを終了する。
【0082】
なお、第2の実施の形態に係る画像形成装置の他の作用については、第1の実施の形態と同様であるため、説明を省略する。
【0083】
このように、読み取られた画像データから得られる装置情報が、自装置の装置情報でない場合には、補正専用画像データの対応を取ってムラ補正情報を生成することを中止することができる。
【0084】
なお、上記の第1の実施の形態及び第2の実施の形態では、識別情報や印刷条件情報などをそのまま印刷する場合を例に説明したが、これに限定されるものではなく、これらの情報を示すインデックス(例えば、バーコード)を印刷するようにしてもよい。この場合には、インデックスと、識別情報や印刷条件情報などの情報との対応関係を予め記憶しておき、読取った画像データから得られるインデックスから、インデックスに対応する識別情報や印刷条件情報などの情報を取得するようにすればよい。
【0085】
次に、第3の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同様の構成となる部分については、同一符号を付して説明を省略する。
【0086】
第3の実施の形態では、画像形成のために入力された画像データや複写のための読取画像データなどの実画像データに対して、識別情報などの各種情報を合成して、記録用紙に画像を形成している点と、各種情報が不可視パターンで表わされている点とが、第1の実施の形態と主に異なっている。
【0087】
図6に示すように、第3の実施の形態に係る画像形成装置の画像処理装置350は、入力画像受付部300、識別情報生成部202、合成領域抽出部302、元画像データ蓄積部204、時刻方向情報生成部206、検出位置取得部208、印刷条件生成部210、情報合成部312、データ出力部214、画像分離部316、元画像データ読出部218、ムラ検出部220、ムラ補正情報生成部222、ムラ補正情報記憶部224、入力画像受付部226、色空間変換部228、補正部230、及びデータ出力部232を備える。
【0088】
画像処理装置350において、入力画像受付部300は、ムラ補正用画像の形成が指示された場合に、画像読取ユニット12又はユーザのパーソナルコンピュータから、元画像データから、入力画像データを受け付け、識別情報生成部202、合成領域抽出部302、元画像データ蓄積部204、及び情報合成部212に出力する。
【0089】
合成領域抽出部302は、入力画像データの空間周波数分析を行い、予め求められた、図7に示すようなムラ領域の空間周波数以外の空間周波数となる領域を、各種情報の合成領域として抽出する。例えば、画像のエッジ部分や細かなテクスチャ領域などが、合成領域として抽出される。
【0090】
情報合成部312は、識別情報と日時情報と方向情報と印刷条件情報との各々を、例えば、電子透かしなどの不可視パターンに変換し、入力画像データと変換された不可視パターンとを合成して、合成画像データを生成して、データ出力部214に出力する。
【0091】
また、画像処理装置350において、画像分離部316は、画像読取ユニット12からの読取画像データが入力されると、読取画像データを、実画像データと、識別情報、日時情報、方向情報、及び印刷条件情報の各々を表わす不可視パターンとに分離すると共に、不可視パターンを、識別情報、日時情報、方向情報、及び印刷条件情報に変換する。また、画像分離部316は、識別情報を元画像データ読出部218に出力し、画像データ及び方向情報をムラ検出部220に出力し、日時情報及び印刷条件情報をムラ補正情報生成部222に出力する。
【0092】
ムラ検出部220は、読取画像データから分離された実画像データと、元画像データとして読み出された画像データとを比較して、画像のムラを検出して、検出されたムラを表わすムラデータをムラ補正情報生成部222に出力する。
【0093】
次に、第3の実施の形態に係る画像形成装置では、ユーザが、パーソナルコンピュータ又は画像読取ユニット12を介して印刷要求を行う共にムラ補正用画像の形成を指示すると、画像形成装置10の画像処理装置350において、以下に説明するように、ムラ補正用画像印刷処理ルーチンが実行される。
【0094】
まず、パーソナルコンピュータ又は画像読取ユニット12を介して入力画像データを取得し、取得された入力画像データを識別するための識別情報を生成する。
【0095】
そして、入力画像データに対して空間周波数分析を行い、ムラ領域の空間周波数以外の空間周波数となる領域を、合成領域として抽出する。
【0096】
また、現在の日時を示す日時情報、及び補正専用画像データの天地方向を示す方向情報を生成し、各感光体ドラム152の回転位置を取得すると共に、中間転写ベルト16の表面位置を取得する。
【0097】
そして、取得した各感光体ドラム152の回転位置、及び中間転写ベルト16の表面位置に基づいて、各感光体ドラム152の回転位置と中間転写ベルト16の表面位置との位置関係、及び記録用紙32と中間転写ベルト16の表面位置との位置関係を示す印刷条件情報を生成する。次に、生成された識別情報と、生成された日時情報及び方向情報と、生成された印刷条件情報との各々を、不可視パターンに変換し、入力画像データに、変換された不可視パターンを合成して、合成画像データを生成する。
【0098】
そして、生成された合成画像データを、像形成制御装置21に対して出力して、合成画像データが表わす画像を、記録用紙32に印刷させる。また、入力画像データと、生成された識別情報とを対応させて元画像データ蓄積部204に記憶し、ムラ補正用画像印刷処理ルーチンを終了する。
【0099】
なお、第3の実施の形態に係る画像形成装置の他の構成及び作用については、第1の実施の形態と同様であるため、説明を省略する。
【0100】
以上説明したように、第3の実施の形態によれば、元画像データである実画像データの識別情報を、読取った画像データから取得することにより、装置の内部に読取装置が設けられていない場合であっても、元画像データとしての実画像データと、読み取った画像から得られる画像データとの対応を取って、ムラを検出し、ムラ補正情報を生成することができる。
【0101】
また、ムラ補正で用いられる印刷条件情報などの情報を、実画像データと共に記録用紙に印刷し、印刷された記録用紙を読取った場合に、印刷条件情報を取得して、印刷条件情報が示す位置関係に対応するムラを補正するためのムラ補正情報を生成することができる。
【0102】
なお、上記の第1の実施の形態〜第3の実施の形態では、元画像データと、識別情報などの情報とについて、同じトナーによって記録用紙に印刷する場合を例に説明したが、これに限定されるものではなく、識別情報などの情報については、トナーとは異なるインクによって、記録用紙に印刷するようにしてもよい。例えば、透明な赤外線吸収インキを用いて、識別情報などの情報を記録用紙に印刷し、赤外線カメラによって、記録用紙に印刷された識別情報などの情報を読み取るようにしてもよい。
【0103】
また、方向情報が、画像データの天地方向を示している場合を例に説明したが、これに限定されるものではなく、方向情報が、画像データの他の方向、例えば、横方向を示していてもよい。
【0104】
また、日時情報が、元画像データによる画像形成を行ったときの日時を示している場合を例に説明したが、これに限定されるものではなく、日時情報が、元画像データによる画像形成を行ったときの日付のみを示していてもよい。
【0105】
また、元画像データに対して、識別情報、印刷条件情報、日時情報、方向情報、及び装置情報を合成する場合を例に説明したが、これに限定されるものではなく、元画像データに対して、識別情報のみを合成するようにしてもよく、また、元画像データに対して、識別情報と、印刷条件情報、日時情報、方向情報、及び装置情報の少なくとも一つとを合成するようにしてもよい。
【0106】
また、ユーザの操作によって、ムラ補正用画像の形成が指示された場合に、識別情報などの情報が合成された合成画像データに基づく画像形成が行われる場合を例に説明したが、これに限定されるものではなく、画像形成装置の設置時、一定時間が経過した時、印刷枚数が一定枚数に達した時などに、識別情報などの情報を合成した合成画像データを用いて、記録用紙に画像を形成するようにしてもよい。この場合には、読取ユニットを操作してムラ補正情報の生成を指示するように、ユーザに対して促せばよい。
【0107】
また、上記の識別情報などの各種情報を不可視パターンで記録用紙に印刷する方法を、上記第1の実施の形態又は第2の実施の形態に適用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0108】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る画像形成装置の構成を示す概略図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る画像形成装置における画像処理装置の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る画像形成装置の画像処理装置におけるムラ補正用画像印刷処理ルーチンの内容を示すフローチャートである。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係る画像形成装置の画像処理装置におけるムラ補正情報生成処理ルーチンの内容を示すフローチャートである。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係る画像形成装置の画像処理装置におけるムラ補正情報生成処理ルーチンの内容を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第3の実施の形態に係る画像形成装置における画像処理装置の構成を示すブロック図である。
【図7】ムラ領域の空間周波数の例を示すグラフである。
【符号の説明】
【0109】
10 画像形成装置
12 画像読取ユニット
14 画像形成ユニット
16 中間転写ベルト
20、350 画像処理装置
21 像形成制御装置
30 原稿
32 記録用紙
152 感光体ドラム
156 現像器
160 回転位置センサ
170 表面位置センサ
200 元画像データ生成部
202 識別情報生成部
204 元画像データ蓄積部
206 時刻方向情報生成部
208 検出位置取得部
210 印刷条件生成部
212、312 情報合成部
216、316 画像分離部
218 元画像データ読出部
220 ムラ検出部
222 ムラ補正情報生成部
230 補正部
302 合成領域抽出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成対象となる画像情報と、該画像情報を識別するための識別情報とを合成して、合成画像情報を生成する合成手段と、
前記合成手段によって合成された前記合成画像情報が表わす画像を記録媒体に形成する画像形成手段と、
前記画像情報と前記識別情報とを対応して記憶する画像記憶手段と、
前記記録媒体に形成された画像を読取る画像読取手段と、
前記画像読取手段によって読取られた画像の前記合成画像情報から、前記画像情報及び前記識別情報を取得する画像情報取得手段と、
前記画像記憶手段から、前記取得された前記識別情報に対応する前記画像情報を読み出す画像読出手段と、
前記取得された前記画像情報と、前記画像読出手段によって読み出された前記画像情報とに基づいて、画像のむらを検出するむら検出手段と、
前記むら検出手段によって検出された前記画像のむらに基づいて、むらを補正するためのむら補正情報を生成するむら補正情報生成手段と、
を含む画像形成装置。
【請求項2】
前記画像形成手段は、回転可能な像保持体と、前記合成画像情報に基づいて前記像保持体の表面に潜像を形成する潜像形成手段と、現像剤で前記像保持体の表面の潜像を現像する現像手段と、現像された画像を記録媒体に転写する転写手段とを備え、
前記記録媒体と前記像保持体の回転位置との位置関係を検出する位置検出手段とを更に含み、
前記合成手段は、前記画像情報と、該画像情報の識別情報と、前記位置検出手段によって検出された位置関係を示す位置関係情報とを合成して、前記合成画像情報を生成し、
前記画像情報取得手段は、前記画像読取手段によって読取られた画像の前記合成画像情報から、前記画像情報、前記識別情報、及び前記位置関係情報を取得し、
前記補正情報生成手段は、前記むら検出手段によって検出された前記画像のむらに基づいて、前記取得した位置関係情報が示す位置関係に対するむらを補正するための前記むら補正情報を生成する請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記合成手段は、前記画像情報と、該画像情報の識別情報と、現在の日付又は日時を示す日時情報とを合成して、前記合成画像情報を生成し、
前記画像情報取得手段は、前記画像読取手段によって読取られた画像の前記合成画像情報から、前記画像情報、前記識別情報、及び前記日時情報を取得し、
前記補正情報生成手段は、前記むら検出手段によって検出された前記画像のむらと、前記取得した日時情報と、現在の日付又は日時に基づいて、前記むら補正情報を生成する請求項1又は2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記合成手段は、前記画像情報と、該画像情報の識別情報と、前記画像情報の所定方向の向きを示す方向情報とを合成して、前記合成画像情報を生成し、
前記画像情報取得手段は、前記画像読取手段によって読取られた画像の前記合成画像情報から、前記画像情報、前記識別情報、及び前記方向情報を取得し、
前記むら検出手段は、前記取得された前記画像情報と、前記画像読出手段によって読み出された前記画像情報とについて、前記取得した前記方向情報に基づいて、前記方向情報が示す所定方向を対応させて、画像のむらを検出する請求項1〜請求項3の何れか1項記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記合成手段は、前記画像情報と、該画像情報の識別情報と、自装置を識別するための装置情報とを合成して、前記合成画像情報を生成し、
前記画像情報取得手段は、前記画像読取手段によって読取られた画像の前記合成画像情報から、前記画像情報、前記識別情報、及び前記装置情報を取得し、
前記むら補正情報生成手段は、前記取得した前記装置情報が自装置の装置情報でない場合、前記むら補正情報を生成しない請求項1〜請求項4の何れか1項記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−130076(P2010−130076A)
【公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−299650(P2008−299650)
【出願日】平成20年11月25日(2008.11.25)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】