説明

画像形成装置

【課題】記録紙の除電を、除電用ブラシを使用することなく簡素な構造にて行うとともに、消費電力の小さい画像形成装置を提供すること。
【解決手段】装置内の空気を装置外に放出する空気放出手段820と、イオンを生成するイオン生成手段810とを有し、空気放出手段がイオン生成手段により生成されたイオンとともに装置外に放出した空気に記録紙を接触させて除電する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電子写真方式による画像形成装置における記録紙の除電に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式による画像形成装置では、装置内を搬送される記録紙に、トナー像を転写し、トナー像を転写された記録紙を加熱、定着して装置外に排出し、排紙トレイに載置する。
【0003】
記録紙は、画像形成の過程においてコロナチャージを受けたり、帯電されたトナーが転写されたり、さらには記録紙が搬送過程において、案内部材等の、周囲の絶縁体と摺擦されるため、静電気が帯電されやすい。
【0004】
静電気が帯電した記録紙は絶縁物と吸着しやすくなるため、それをそのまま排出すると、先に排出されて排紙トレイに載置されている記録紙に次の記録紙が吸着し、先に排出された記録紙を押し出して排紙トレイに積載された記録紙の整合を乱してしまったり、先に排出された記録紙を排紙トレイから落としてしまったりするような不具合を発生させることがある。また、排出され重なり合った用紙どうしが静電気的に吸着して、取り扱いに不便を感じさせることもある。
【0005】
そこで、記録紙の搬送経路に導電部材で形成された除電用ブラシを配設し、記録紙に接触させることによって、記録紙の帯電を除去(以下、除電、とも記す。)することが行われる(特許文献1参照)。
【0006】
この、除電用ブラシによる記録紙の除電は、記録紙が除電用ブラシに摺擦しつつ移動するので、摺擦による騒音を発生させる、また、ブラシの摩耗や抜けが発生しやすくメンテナンスを頻繁に行う必要がある、等の問題がある。
【0007】
このような、除電用ブラシの使用による問題を回避するため、排紙トレイに対向してイオン生成手段と送風手段とを配し、排紙トレイに載置された記録紙にイオンを含む風を吹き付けて接触させて除電する技術が開示されている(特許文献2参照)。
【特許文献1】特開平6−297807号公報
【特許文献2】特開2006−343491号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献2に記載されている技術は、イオンを含む風を吹き付けるためのイオン生成手段と専用の送風手段とを排紙トレイに対向して配設するもので、画像形成装置の構造を複雑にするとともに、電力消費量の増加が避けられない。
【0009】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたもので、記録紙の除電を、除電用ブラシを使用することなく簡素な構造にて行うとともに、消費電力の小さい画像形成装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題は、以下の手段により達成される。
【0011】
1.トナー像を形成し、記録紙にトナー像を転写する画像形成部と、
記録紙に転写されたトナー像を加熱により定着する定着部と、
記録紙を、前記画像形成部および前記定着部を経由して搬送し、装置外に排出する記録紙搬送部と、
装置内の空気を装置外に放出する空気放出手段と、
イオンを生成するイオン生成手段と、
を有し、
前記空気放出手段が前記イオン生成手段により生成されたイオンとともに装置外に放出した空気に記録紙を接触させて該記録紙を除電する
ことを特徴とする画像形成装置。
【0012】
2.前記イオン生成手段は、記録紙の排出に連動して動作することを特徴とする前記1に記載の画像形成装置。
【0013】
3.前記空気放出手段は、前記イオン生成手段が動作しているときに動作し、前記イオン生成手段が動作していないときは装置内の温度が所定の値以上のときに動作することを特徴とする前記1または2に記載の画像形成装置。
【発明の効果】
【0014】
本発明により、記録紙の除電を、除電用ブラシを使用することなく簡素な構造にて行うとともに、消費電力の小さい画像形成装置を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態の一例である画像形成装置を説明する。
【0016】
図1は、本発明の実施の形態の一例である画像形成装置を説明する図である。
【0017】
画像形成装置10は電子写真方式により記録紙に画像や文字をプリントして排出する画像形成装置である。
【0018】
画像形成装置10は、原稿読み取り部100、画像処理部200(図2に表示)、画像書き込み部300、画像形成部400、転写部500、定着部600、給紙搬送部700、操作表示部90、および、制御部900を備えている。給紙搬送部700は記録紙搬送部として機能する。
【0019】
操作表示部90からは、画像形成装置10を動作させるための条件、たとえば画像形成を行う記録紙の枚数、サイズ等を、ジョブ情報として入力することができる。
【0020】
制御部900は、画像形成装置10の各部の動作を制御する制御手段であり、操作表示部90から入力されたジョブ情報を踏まえて、各部が実行する一連の画像形成の動作を制御する。
【0021】
画像形成装置10の上部には、自動原稿送り装置DFが搭載されている。自動原稿送り装置DFの原稿台上に載置された原稿dは矢印方向に搬送され、原稿読み取り部100の光学系により原稿の画像が読みとられ、画像情報が取得される。
【0022】
取得された画像情報は、画像処理部にて必要な画像処理がなされ、画像書き込み部300に送付される。
【0023】
画像書き込み部300は、半導体レーザにて、画像処理がなされた画像情報に基づく出力光を画像形成部400の感光体ドラム410に照射し、感光体ドラム410に潜像を形成する。感光体ドラム410に形成された潜像は画像形成部400の現像器450により現像され、トナー像となる。
【0024】
感光体ドラム410上のトナー像は、転写部500にて、給紙搬送部700により搬送された記録紙Sに転写される。
【0025】
転写されたトナー像を担持した記録紙Sは、給紙搬送部700により、定着部600に搬送される。
【0026】
定着部600はローラ対610と、ローラ対610を加熱するヒータ620を有し、ローラ対610にてトナー像を担持した記録紙Sを挟持して加熱することにより、トナー像を記録紙Sに定着する。
【0027】
トナー像が定着された記録紙Sは、給紙搬送部700により搬送され、記録紙排出口15から画像形成装置10の装置外に排出され、排紙トレイ17に載置される。
【0028】
排紙センサ840は、記録紙排出口15の近傍に配置され、定着がなされて記録紙排出口15に向けて搬送される記録紙の先端と後端を検知する記録紙検知手段である。
【0029】
図中、810はイオン生成手段として機能するイオン発生器、820は空気放出手段として機能するファン、830は温度センサ、840は排紙センサである。
【0030】
イオン発生器810は、たとえば、コロナ放電あるいは電磁波の照射等、周知の手段によりイオンを生成するイオン生成手段である。
【0031】
また、11は、画像形成装置10の図示左側面の記録紙排出口15の上方に配された空気放出口、12は、画像形成装置10の図示右側面に配された空気取り入れ口である。
【0032】
ファン820は、非図示のモータ820Mにより駆動される羽根車を備え、モータ820Mを回転することにより、画像形成装置10の装置内の空気を吸引し、空気放出口11から放出する。
【0033】
前述のように、画像形成装置10の定着部600はヒータ620を有し、ヒータ620の発する熱は、ローラ対610を経て記録紙Sを加熱してトナー像を定着するが、一部は画像形成装置10の装置内に放射され、画像形成装置10の装置内の温度を上昇せしめる。画像形成装置10には、定着部600のほかにも画像形成動作に伴い熱を発生し、装置内の温度を上昇せしめる部材を有する。
【0034】
ファン820は、動作することにより、画像形成装置10の装置内の空気を空気放出口11から放出する。画像形成装置10においては、ファン820は、装置内の温度が所定の値を越えているとき動作するように構成されている。ファン820が動作するとき、空気取り入れ口12からは、空気放出口11から放出された空気の量に見合う空気が装置内に取り入れられ、画像形成装置10の装置内は所定の温度範囲に保たれる。
【0035】
そして、ファン820が動作により空気放出口11から放出される空気の流れ(以下、エアフロー、とも記す)が、排紙トレイ17に向かうように、ファン820が画像形成装置10に取り付けられている。
【0036】
記録紙排出口15から排出される記録紙Sは、記録紙排出口15から順次露呈される部位がエアフローに接触されつつ排紙トレイ17に載置される。
【0037】
温度センサ830は、画像形成装置10の装置内の温度を計測し、計測結果に基づく装置内の温度情報を発信する温度計測手段である。ファン820は、温度センサ830により計測された画像形成装置10の装置内の温度を踏まえて動作する。
【0038】
イオン生成手段として機能するイオン発生器810は、ファン820の空気吸引側に配置されている。
【0039】
イオン発生器810により生成されたイオンは、ファン820により画像形成装置10の装置内の空気とともに吸引され、排紙トレイ17に向かうエアフローとして空気放出口11から放出される。
【0040】
記録紙排出口15から排出され排紙トレイ17に向かう記録紙Sは、エアフローに接触され、エアフローに含まれるイオンにより帯電が中和され、除電される。
【0041】
以上述べたように、本実施の形態の画像形成装置10は、イオンを含むエアフローを記録紙Sに接触させて除電を行うに際し、エアフローの生成を、ファン820により行う。
【0042】
ファン820は、画像形成装置10の装置内の温度を所定の範囲に保つために必要とされるファンであり、このようなファンを記録紙Sの除電のためのエアフロー生成手段として機能させることにより、イオンを含むエアフロー生成のための独立した送風手段が不要であり、画像形成装置10の構成を簡素なものとしている。また、消費電力も小さいものとすることができる。
【0043】
本実施の形態の画像形成装置10は、イオン発生器810、および、ファン820は、記録紙Sが画像形成装置10のから排出されるときに動作し、記録紙Sを除電する。
【0044】
図2は、画像形成装置10の制御系を示すブロック図である。
【0045】
画像形成装置10の制御部900は、画像形成装置10が、画像形成を行うに際し、原稿の読み取り、画像処理、記録紙への画像形成、定着、および、記録紙の給紙、搬送、排紙等の動作を制御するものである。
【0046】
制御部900は、CPU910、ROM920、RAM930、を有するコンピュータシステムである。
【0047】
CPU910は、ROM920に収納されたプログラムを実行することにより画像形成装置10を動作させる。そして、操作表示部90から入力されたジョブ情報に基づいて画像形成装置10の各部の動作を制御してジョブを実行させるとともに、イオン発生器810、および、ファン820を動作させるタイミングを制御する。
【0048】
ROM920は、CPU910が画像形成装置10を動作させるプログラムと、その制御に必要な定数、たとえば、ファン820を動作させる閾値tを収納している。
【0049】
閾値tは、画像形成装置10の装置内温度を所定の範囲に保つために予め設定された温度値で、の温度が閾値tを越えているときはファン820を動作させて、装置内の空気を排出するとともに装置外から空気を取り入れて装置内の温度を所定の範囲に保つように設定されている。
【0050】
RAM930は、CPU910が画像形成装置10を動作させるに際して生成、あるいは取得したデータの書込、読み出し、および消去が可能な記憶手段である。また、RAM930は、ジョブ実行に際し画像形成を行った記録紙の枚数を記憶するカウンタとしても機能する。
【0051】
CPU910は、操作表示部90よりユーザにより入力されたジョブの内容に従って原稿読み取り部100に原稿の画像の読み取りを行わせ、次に、読み取った画像データを画像処理部200にて処理させる。そして、処理後の画像データを画像書き込み部300にて画像形成部400の感光体ドラム410に照射させて、潜像を形成させ、現像器450にてトナー像となす。そして、トナー像を転写部500にて、給紙搬送部700により搬送されてきた記録紙Sに画像を転写させ、定着部600にて定着した後、装置外に排出させる。
【0052】
排紙センサ840は、記録紙排出口15の近傍に配置され、排出される記録紙が記録紙排出口15の近傍に搬送されてきたとき、その搬送方向の先端(以下、先端、とも記す。)と搬送方向の後端(以下、後端、とも記す。)を検知する記録紙検知手段である。
【0053】
排紙センサ840は、排出される記録紙Sの先端を検知したときは先端検知信号を発信し、その後端を検知したときは後端検知信号を発信する。
【0054】
CPU910は、排紙センサ840の先端検知信号、あるいは後端検知信号を得てイオン発生器810の動作を制御する。イオン発生器810の動作によりイオンが生成される。
【0055】
温度センサ830は画像形成装置の装置内の温度を計測し、計測結果に基づく温度情報を発信する温度計測手段である。
【0056】
CPU910は、ROM920に収納されたプログラムに基づく所定のタイミングにてファン820を動作させるとともに、排紙センサ840から発信された装置内の温度情報と、ROM920に収納されている閾値tとを比較して、装置内の温度が閾値tを越えているときにファン820を動作させる。
【0057】
ファン820の動作により、画像形成装置10の装置内の空気がエアフローとして空気放出口11から放出される。このエアフローには、イオン発生器810が動作中のときはイオンが含まれる。
【0058】
このCPU910が制御するイオン発生器810とファン820の動作について説明する。
<実施の形態1>
図3は、CPU910によりなされるイオン発生器810とファン820の動作の流れを説明するフローチャートである。
【0059】
図3に示されるように、CPU910は、ステップS1にて、ユーザにより操作表示部90からジョブ情報の入力がなされ、スタートボタンがONされると、ステップS2に移行し画像形成を開始する。なお、入力されるジョブ情報には、少なくとも、画像形成を行い出力する記録紙の枚数が含まれる。
【0060】
ステップS2にて、CPU910は、入力されたジョブ情報に基づいて、原稿読み取り部100、画像処理部200、画像書き込み部300、画像形成部400、転写部500、給紙搬送部700、定着部600を動作させて、入力されたジョブ情報に基づく画像形成を行い、画像形成および定着がなされた記録紙を排紙トレイ17に排出する。また、画像形成の開始とともに、イオン発生器810とファン820とを動作させる。イオン発生器810とファン820との動作により、空気放出口11からイオンを含む空気が排紙トレイ17に向かうエアフローとして放出される。空気放出口11から放出されるエアフローに、記録紙排出口15から排紙トレイ17に排出される記録紙Sが接触し、記録紙Sは除電される。
【0061】
ステップS3にて、CPU910は排紙センサ840からの後端検知信号の発信を待つ。後端検知信号は排紙センサ840が、排出される記録紙の後端を検知したとき発信される。後端検知信号の発信を確認した(ステップS3 Yes)とき、ステップS4に移行する。排紙センサ840に後端を検知された記録紙は、記録紙排出口15から放出され、排紙トレイ17に載置される。
【0062】
続くステップS4にては、ステップS3にて後端が検知された記録紙が、ジョブに基づく最終紙であるか否かを確認する。排出した記録紙がジョブに基づく最終紙であるか否かは、ステップS1にて入力されたジョブ情報における記録紙の枚数と、画像形成装置10が画像形成を行い順次排出した記録紙の数数の合計とから判断される。
【0063】
記録紙が、ジョブに基づく最終紙ではない(ステップS4 No)ときは、ステップS2に戻り、ステップS2〜ステップS4までの工程を、排出した記録紙が、ジョブに基づく最終紙となるまで繰り返す。
【0064】
記録紙が、ジョブに基づく最終紙である(ステップS4 Yes)ときは、ステップS5に移行する。
【0065】
ステップS5にて、CPU910は、画像形成装置10の画像形成動作を終了させる。すなわち、原稿読み取り部100、画像処理部200、画像書き込み部300、画像形成部400、転写部500、給紙搬送部700、定着部600の動作を停止させる。また、イオン発生器810の動作も停止させる。
【0066】
続くステップS6にては、画像形成装置の装置内の温度に基づいて温度センサ830から発信される装置内の温度情報と、ROM920に収納されている閾値tとを比較し、装置内の温度が閾値t以下か否かを確認する。装置内の温度が閾値t以下でない(ステップS6 No)ときはその状態で待機し、装置内の温度が閾値t以下である(ステップS6 Yes)ときステップS7に移行する。
【0067】
ステップS7にては、ファン820をOFFさせて、一連の動作を終了させる。
【0068】
このように、ジョブ情報に基づく画像形成を実行する間、ファン820とイオン発生器810を動作させることにより、空気放出口11からイオンを含むエアフローが放出され、エアフローに記録紙排出口15から排出される記録紙Sが接触し、除電される。
【0069】
本実施の形態による画像形成装置10は、除電用ブラシを必要とせず、イオンを含むエアフローに記録紙Sを接触させて除電を行う。したがって除電用ブラシにより除電を行うときような、記録紙と除電用ブラシの摺擦による騒音を発生させることがなく、また、ブラシの摩耗や抜けがないので、メンテナンスを頻繁に行う必要がない。
【0070】
そして、イオンを含むエアフローの形成、画像形成装置10の装置内を所定の温度範囲に保つためのファン820を使用するので、イオンを含むエアフローの形成に専用の送風手段を必要としない。したがって、画像形成装置10の構造を簡素なものにすることができるとともに、除電に係る消費電力を小さいものにすることができる。
【0071】
以上述べた実施の形態1においては、イオン発生器810の動作の開始を、画像形成装置10における画像形成の実行開始に合わせて行うものであったが、イオン発生器810を、画像形成における記録紙の排出に合わせて動作させるようにしても良い。
<実施の形態2>
図4は、イオン発生器810を、画像形成がなされた記録紙の排出に合わせて動作させる流れを説明するフローチャートである。
【0072】
図4に示されるように、CPU910は、ステップS101にて、ユーザにより操作表示部90からジョブ情報の入力がなされ、スタートボタンがONされると、ステップS102に移行し画像形成を開始する。入力されるジョブ情報には、少なくとも、画像形成を行い出力する記録紙の枚数が含まれる。
【0073】
ステップS102にて、CPU910は、入力されたジョブ情報に基づいて、原稿読み取り部100、画像処理部200、画像書き込み部300、画像形成部400、転写部500、給紙搬送部700、定着部600を動作させて、入力されたジョブ情報に基づく画像形成を行い、画像形成がなされた記録紙を排紙トレイ17に排出する。また、画像形成を開始とともにファン820を動作させる。ファン820の動作により、装置内の空気が空気放出口11から排紙トレイ17に向かうエアフローとして放出される。
【0074】
ステップS103にて、CPU910は排紙センサ840からの先端検知信号の発信を待つ。先端検知信号は排紙センサ840が、画像形成され排出される記録紙Sの先端を検知したとき発信される。先端検知信号の発信を確認した(ステップS103 Yes)とき、ステップS104に移行する。
【0075】
ステップS104にては、CPU910はイオン発生器810を動作させる。イオン発生器810が動作することにより、ファン820により形成された空気放出口11から排紙トレイ17に向かうエアフローにイオンが含まれるようになる。
【0076】
排紙センサ840に先端を検知された記録紙は、記録紙排出口15から排出され排紙トレイ17に載置されるが、その過程で空気放出口11から放出されるイオンを含むエアフローに接触し、除電される。
【0077】
続くステップS105にて、CPU910は排紙センサ840からの後端検知信号の発信を待つ。後端検知信号は排紙センサ840が、画像形成され排出される記録紙Sの後端を検知したとき発信される。後端検知信号の発信を確認した(ステップS105 Yes)とき、ステップS106に移行する。排紙センサ840に後端を検知された記録紙は、記録紙排出口15から放出され、排紙トレイ17に載置される。
【0078】
続くステップS106では、イオン発生器810の動作を停止させ、ステップS107に移行する。
【0079】
ステップS107にて、CPU910は後端が検知された記録紙が、ジョブに基づく最終紙であるか否かを確認する。排出した記録紙がジョブに基づく最終紙であるか否かは、ステップS101にて入力されたジョブ情報における記録紙の枚数と、画像形成装置10が画像形成を行い順次排出した記録紙の枚数の合計とから判断される。
【0080】
記録紙が、ジョブに基づく最終紙ではない(ステップS107 No)ときは、ステップS102に戻り、ステップS102〜ステップS107までの工程を、排出した記録紙が、ジョブに基づく最終紙となるまで繰り返す。
【0081】
記録紙が、ジョブに基づく最終紙である(ステップS107 Yes)ときは、ステップS108に移行する。
【0082】
ステップS108にて、CPU910は、画像形成装置10の画像形成動作を終了させる。すなわち、原稿読み取り部100、画像処理部200、画像書き込み部300、画像形成部400、転写部500、給紙搬送部700、定着部600の動作を停止させる。
【0083】
続くステップS109にては、画像形成装置の装置内の温度に基づいて温度センサ830から発信される装置内の温度情報と、ROM920に収納されている閾値tとを比較し、装置内の温度が閾値t以下か否かを確認する。装置内温度が閾値t以下でない(ステップS109 No)ときはその状態で待機し、装置内の温度が閾値t以下である(ステップS109 Yes)ときステップS110に移行する。
【0084】
ステップS110にては、ファン820をOFFさせて、一連の動作を終了させる。
【0085】
このように、イオン発生器810を、画像形成がなされた記録紙の排出に合わせて動作させることによりイオン発生器810の動作を短時間とすることができ、少ない電力で記録紙Sの除電を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】本発明の実施の形態の一例である画像形成装置を説明する図である。
【図2】画像形成装置10の制御系を示すブロック図である。
【図3】CPU910によりなされるイオン発生器810とファン820の動作の流れを説明するフローチャートである。
【図4】イオン発生器810を、画像形成がなされた記録紙の排出に合わせて動作させる流れを説明するフローチャートである。
【符号の説明】
【0087】
10 画像形成装置
11 空気放出口
12 空気取り入れ口
15 記録紙排出口
17 排紙トレイ
90 操作表示部
100 原稿読み取り部
200 画像処理部
300 画像書き込み部
400 画像形成部
500 転写部
600 定着部
700 給紙搬送部
810 イオン発生器
820 ファン
830 温度センサ
840 排紙センサ
900 制御部
S 記録紙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナー像を形成し、記録紙にトナー像を転写する画像形成部と、
記録紙に転写されたトナー像を加熱により定着する定着部と、
記録紙を、前記画像形成部および前記定着部を経由して搬送し、装置外に排出する記録紙搬送部と、
装置内の空気を装置外に放出する空気放出手段と、
イオンを生成するイオン生成手段と、
を有し、
前記空気放出手段が前記イオン生成手段により生成されたイオンとともに装置外に放出した空気に記録紙を接触させて該記録紙を除電する
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記イオン生成手段は、記録紙の排出に連動して動作することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記空気放出手段は、前記イオン生成手段が動作しているときに動作し、前記イオン生成手段が動作していないときは装置内の温度が所定の値以上のときに動作することを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−139710(P2010−139710A)
【公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−315551(P2008−315551)
【出願日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】