説明

画像形成装置

【課題】硬質層を有する中間転写ベルトを用いても、中間転写ベルト表面において、被記録媒体の搬送方向に対する垂直方向の両端部にあたる位置で表面粗さの増大が抑制され、長期にわたって画像不良の発生を十分に抑制する画像形成装置を提供することを目的とする。
【解決手段】表面に硬質層を有し、該硬質層上に潜像担持体から一次転写されたトナー像を担持する中間転写ベルト;およびトナー像を担持した中間転写ベルトに対して、被記録媒体を介して押圧する二次転写ローラを備えた画像形成装置であって、中間転写ベルト3表面の被記録媒体との接触領域16における、中間転写ベルト幅手方向TDで両端の領域17a,17bにトナーを0.01〜0.20g/mで供給することを特徴とする画像形成装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モノクロ/フルカラーの電子写真複写機、プリンタ、FAXおよびそれらの複合機などの画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
中間転写方式を用いたフルカラー画像形成装置では、色別に潜像担持体上に形成された複数のトナー像を一度、中間転写ベルトに転写させ、重ね合わせた後、紙などの被記録媒体に一括して転写してカラー画像を得ている。潜像担持体から中間転写ベルトへの転写は「一次転写」と呼ばれ、中間転写ベルトから被記録媒体への転写は「二次転写」と呼ばれている。特に、二次転写工程では、トナー像を担持した中間転写ベルトに対して、二次転写ローラにより被記録媒体を介して押圧するとともに、二次転写ローラ等にバイアスを印加して電界を発生させる。これによって、トナー像を被記録媒体に二次転写させる。
【0003】
そのような二次転写工程での画像品質を向上させるために、中間転写ベルトの表面に1層以上の硬質層を設けることが提案されている(特許文献1,2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−212921号公報
【特許文献2】特開2007−17666号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、表面に硬質層を設けた中間転写ベルトを用いた場合、二次転写工程で硬い異物が二次転写ローラでベルト表面に押圧されると、表層にヒビ割れが発生して、基材の樹脂が陥没した。そのため、初期から画像不良やクリーニング不良といった不具合が発生した。異物は主に、用紙等の被記録媒体によって外部から搬送されてくるものや、用紙等に含まれる填料粒子が挙げられる。
【0006】
そのような中間転写ベルトの硬質層のヒビ割れの問題は、用紙の搬送方向に対する垂直方向の両端部にあたる位置で顕著に起こった。用紙は給紙部から二次転写部へ複数の搬送ローラによって搬送されるので、填料粒子は搬送ローラの搬送ストレスによって用紙から離脱する。一方、搬送ローラは両端で支持されており、ベンディングにより中央部よりも両端部で搬送力が強くなるため、用紙の搬送方向に対する垂直方向において中央部よりも両端部で填料粒子がより多く離脱する。更に、二次転写の際に用紙を中間転写ベルトに押圧させる二次転写ローラも、ベンディングにより中央部よりも両端部で当接圧が強くなる。それらの結果、中間転写ベルトは、用紙の搬送方向に対する垂直方向の両端部にあたる位置でヒビ割れが顕著に起こるものと考えられる。
【0007】
しかも、長期の耐久印字を行った場合には、中間転写ベルト表面の一部でヒビ割れが多く発生し、表面粗さが大きくなるため、画像不良がより一層、顕著に発生した。例えば、比較的小サイズの用紙を多く使用した場合、中間転写ベルトは、小サイズ紙の搬送方向に対する垂直方向の両端部に当たる位置で表面が荒れてしまう。その後に比較的大サイズの用紙を使用した際、中間転写ベルト表面における小サイズ紙の上記両端部にあたる荒れた部分で濃度ムラのような画像不良が発生した。従来の樹脂基材のみの中間転写ベルトを用いた場合では、ベルト表面が磨耗するため、耐久印字を行っても表面が平滑に保たれていた。しかし、硬質層を表面に設けた中間転写ベルトは表面が有効に磨耗されないため、耐久印字を行うと、一方的に表面粗さが増大した。その結果、硬質層の平滑性が失われ、転写率が低下し、濃度ムラが顕著に発生するものと考えられる。さらに、トナーが埋没し、クリーニング不良が顕著に発生するものと考えられる。
【0008】
本発明は、硬質層を有する中間転写ベルトを用いても、中間転写ベルト表面において、被記録媒体の搬送方向に対する垂直方向の両端部にあたる位置で表面粗さの増大が抑制され、長期にわたって画像不良の発生を十分に抑制する画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、表面に硬質層を有し、該硬質層上に潜像担持体から一次転写されたトナー像を担持する中間転写ベルト;および
トナー像を担持した中間転写ベルトに対して、被記録媒体を介して押圧する二次転写ローラを備えた画像形成装置であって、
中間転写ベルト表面の被記録媒体との接触領域における、中間転写ベルト幅手方向で両端の領域にトナーを0.01〜0.20g/mで供給することを特徴とする画像形成装置に関する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、硬質層を有する中間転写ベルトを用いても、長期にわたって、中間転写ベルトの表面粗さの増大を抑制できる。特に、中間転写ベルトは、被記録媒体の搬送方向に対する垂直方向の両端部にあたる位置で、ヒビ割れを十分に抑制され得る。そのため、そのような位置での表面粗さの増大を有効に抑制できる。その結果、画像不良の発生を十分に抑制できる。本発明において、表面粗さの増大を抑制するためのトナーを供給する領域は両端部の比較的小さい領域であって、当該トナーの供給量は微量であるので、トナー消費を抑制でき、経済性に優れている。
被記録媒体上、搬送方向に対する垂直方向の両端部において、汚れやカブリ等と認識されるノイズの発生が十分に抑制される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明に係る画像形成装置の一例の概略構成図である。
【図2】本発明に係る画像形成装置において二次転写直前の中間転写ベルト表面におけるトナー供給状態の一例を示す概略模式図である。
【図3】(A)〜(C)はいずれもスペーサートナーの供給領域の好ましい具体例を示す模式図である。
【図4】本発明に係る画像形成装置が二次転写時において中間転写ベルト表面の硬質層のヒビ割れを抑制するメカニズムを示す二次転写部の概略模式図である。
【図5】従来の画像形成装置が二次転写時において中間転写ベルト表面の硬質層にヒビ割れを生じるメカニズムを示す二次転写部の概略模式図である。
【図6】中間転写ベルトを製造する製造装置の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明に係る画像形成装置は、潜像担持体から一次転写されたトナー像を担持する中間転写ベルト、およびトナー像を担持した中間転写ベルトに対して、被記録媒体を介して押圧する二次転写ローラを備えたものである。以下、本発明の画像形成装置を、潜像担持体上にトナー像を形成する各色の現像部ごとに潜像担持体を有するタンデム型フルカラー画像形成装置を例に挙げて説明するが、中間転写ベルトおよび二次転写ローラを有する限り、他の構造のものであってよく、例えば、1つの潜像担持体に対して各色の現像部を有する4サイクル型フルカラー画像形成装置であってもよい。
【0013】
図1は、本発明の画像形成装置の一例の概略構成図である。図1のタンデム型フルカラー画像形成装置において、各現像部(1a、1b、1c、1d)では通常、潜像担持体(2a、2b、2c、2d)の周りに、少なくとも帯電装置、露光装置、現像装置およびクリーニング装置(いずれの装置も図示せず)等が配置されている。そのような現像部(1a、1b、1c、1d)は、少なくとも2つの張架ローラ(10,11)によって張架された中間転写ベルト3に並列して配置されている。各現像部で潜像担持体(2a、2b、2c、2d)の表面に形成されたトナー像はそれぞれ、一次転写ローラ(4a、4b、4c、4d)を用いて中間転写ベルト3に一次転写され、当該中間転写ベルト上で重ねられてフルカラー画像が形成される。中間転写ベルト3の表面に転写されたフルカラー画像は二次転写ローラ5を用いて一括して紙等の被記録媒体6に二次転写された後、定着装置(図示せず)を通過させて、被記録媒体上にフルカラー画像を得る。一方、中間転写ベルト上に残留した転写残トナーはクリーニング装置7によって除去されるようになっている。以下、ユーザーが選択して被記録媒体上への印字・形成を希望する画像を「選択画像」と呼ぶものとする。
【0014】
潜像担持体(2a、2b、2c、2d)は、表面に形成された静電潜像に基づいてトナー像が形成される、いわゆる感光体である。潜像担持体は従来の電子写真方式の画像形成装置に搭載され得るものであれば、特に制限されるものではなく、通常は感光層が有機系のものが使用される。
【0015】
中間転写ベルト3は、各現像部において潜像担持体上に形成されたトナー像を一次転写により自己の表面に担持するものである。一次転写は、トナー像を担持した潜像担持体(2a、2b、2c、2d)に対して、一次転写ローラ(4a、4b、4c、4d)により中間転写ベルト3を介して押圧するとともに、所望により一次転写ローラ等にバイアスを印加することにより電界を発生させて、達成される。
【0016】
本発明においては、中間転写ベルト3表面の被記録媒体との接触領域における、中間転写ベルト幅手方向で両端の領域にトナーを供給する。すなわち、選択画像を被記録媒体に形成するために、例えば図2に示すように一次転写によって中間転写ベルト3表面にトナー像15を形成する時、中間転写ベルト3表面の被記録媒体との接触領域16(破線領域)におけるTD方向で両端の領域(17a,17b)にトナーを供給する。図2は、二次転写直前の中間転写ベルト表面におけるトナー供給状態の一例を示す概略模式図であり、図2においてTDは中間転写ベルト3の幅手方向であり、MDは中間転写ベルト3の移動方向を示す。
【0017】
中間転写ベルト3表面の被記録媒体との接触領域とは、二次転写時に被記録媒体6と接触する中間転写ベルト3表面上の領域16(破線領域)のことである。そのため選択画像が形成されるべき被記録媒体の寸法および搬送方向(通紙方向)に依存して、当該接触領域16の大きさおよび位置は変化するものである。
【0018】
中間転写ベルト3表面のそのような接触領域16(破線領域)におけるTD方向で両端の領域(17a,17b)にトナーを供給することにより、図4に示すように、当該両端領域(17a,17b)において供給されたトナー18が二次転写時において中間転写ベルト3と被記録媒体6との間でスペーサーとして機能する。その結果、硬質な異物19に圧力が集中することを抑制でき、中間転写ベルト表面の硬質層32のヒビ割れを抑制できるので、当該両端領域(17a,17b)において顕著に起こる表面粗さの増大を抑制できる。そのため、その後に比較的大サイズの被記録媒体を使用した場合でも、当該被記録媒体上、当該両端領域(17a,17b)に対応する位置での画像不良を抑制できる。以下、中間転写ベルト3表面の両端領域(17a,17b)に供給されるトナー18をスペーサートナーと呼ぶものとする。図4は、本発明に係る画像形成装置が二次転写時において中間転写ベルト表面の硬質層のヒビ割れを抑制するメカニズムを示す二次転写部の概略模式図である。
【0019】
スペーサートナー18が中間転写ベルト3表面の両端領域(17a,17b)に供給されないと、当該両端領域(17a,17b)において、中間転写ベルトの硬質層にヒビ割れが発生し、耐久時において表面粗さが増大するため、画像不良が発生する。そのような現象は以下のメカニズムに基づくものと考えられる。被記録媒体として一般に使用されているPPC用紙は表面の平滑性と不透過性を確保するために、炭酸カルシウム等の無機粒子が充填剤として添加されている。そのような被記録媒体が二次転写工程に達するまでには複数のローラで搬送されるので、搬送時のストレスによって充填剤が表面に離脱してくる。一方、搬送ローラは両端で支持されており、ベンディングにより中央部よりも両端部で搬送力が強くなるため、用紙の搬送方向に対する垂直方向において中央部よりも両端部で填料剤がより多く離脱する。更に、二次転写の際に用紙を中間転写ベルトに押圧させる二次転写ローラも、ベンディングにより中央部よりも両端部で当接圧が強くなる。それらの結果、中間転写ベルトは、用紙の搬送方向に対する垂直方向の両端部にあたる位置において、すなわち、接触領域16(破線領域)におけるTD方向で両端の領域(17a,17b)において、充填剤等のような硬質な異物19が、図5に示すように、二次転写工程で二次転写ローラ5によって顕著に押し付けられ、ベルト表面に陥没が生じ、硬質層32にヒビ割れが生じる。これにより、ベルトの表面粗さが増大する。硬質層32にヒビ割れが増えると、硬質層の表面平滑性が失われるため、転写性が部分的に悪化し、濃度ムラが発生する。またヒビ割れにトナーが埋没するため、クリーニング不良が発生する。図5は、従来の画像形成装置が二次転写時において中間転写ベルト表面の硬質層にヒビ割れを生じるメカニズムを示す二次転写部の概略模式図である。
【0020】
スペーサートナーが供給される中間転写ベルト3表面の前記両端領域(17a,17b)はそれぞれ、図2に示すように、被記録媒体との接触領域16において、TD方向の最端部に位置し、通常は長手方向の辺がMD方向に平行な帯状の領域である。前記両端領域(17a,17b)は、前記接触領域16におけるTD方向の長さをLとしたとき、それぞれ独立してL/100〜L/10、特にL/100〜L/50の幅Wを有していればよい。幅Wが大きすぎると、スペーサートナーの当該供給領域に選択画像が印字される可能性が高くなり、選択画像の色再現性およびコントラストが低下する。幅Wが小さすぎると、表面粗さの増大防止効果が十分に得られない。
【0021】
中間転写ベルト3表面でのスペーサートナー18の供給領域は、少なくとも前記両端領域(17a,17b)を含むものである。そのためスペーサートナーの供給領域は、選択画像が形成されるべき被記録媒体の寸法および搬送方向(通紙方向)に依存して変化させる。スペーサートナーの供給領域は、詳しくは、接触領域16の前記両端領域(17a,17b)を含む限り、特に制限されないが、被記録媒体の搬送時のバラツキの観点から、前記両端領域(17a,17b)を、中間転写ベルト3表面において接触領域16の外側の領域に拡張した領域とすることが好ましい。スペーサートナー18のそのような好ましい供給領域の具体例として、例えば、図3(A)〜(C)において斜線領域で示す領域171(171a,171b)が挙げられる。
【0022】
図3(A)において、スペーサートナーは、両端領域(17a,17b)を、中間転写ベルト3表面において接触領域16の外側の領域に拡張した領域(171a,171b)(斜線領域)に供給される。図3(A)中、比較的狭い間隔の斜線領域が前記両端領域(17a,17b)である。拡張した領域(171a,171b)(斜線領域)の寸法について、TD方向の拡張寸法Wは、接触領域16におけるTD方向の長さをLとしたとき、それぞれ独立してL/100〜L/10、特にL/100〜L/50が好ましい。MD方向の拡張寸法Sは、接触領域16におけるMD方向の長さをLとしたとき、それぞれ独立してL/100〜L/10、特にL/100〜L/50が好ましい。図3(A)中、Wは前記Wと同様の範囲内である。
【0023】
図3(B)は、被記録媒体の搬送方向を図3(A)と異なる方向としたこと以外、図3(A)と同様であるため、詳しい説明を省略する。図3(B)における図3(A)と共通する記号は図3(A)においてと同様の意味内容を示すものとする。
【0024】
図3(C)は、被記録媒体の寸法を小さくしたこと以外、図3(A)と同様であるため、詳しい説明を省略する。図3(C)における図3(A)と共通する記号は図3(A)においてと同様の意味内容を示すものとする。
【0025】
スペーサートナー18は0.01〜0.20g/m、好ましくは0.01〜0.20g/mの割合で供給する。当該供給量は中間転写ベルト上での値である。スペーサートナーの供給量が少なすぎると、表面粗さの増大防止効果が十分に得られない。スペーサートナーの供給量が多すぎると、被記録媒体上、印字された選択画像の両端部にスペーサートナーによる像が顕著に表れ、汚れやカブリとして認識されるようになる。
【0026】
スペーサートナー18が中間転写ベルト表面で形成するトナー像は、前記供給量で供給領域全体として略均一に形成されれば特に制限されず、例えば、図2に示すような、ドット画像の形態を有していてもよいし、または全露光画像の形態を有していても良い。色再現性の観点から、スペーサートナーはドット画像の形態を有するトナー像を前記供給量で形成することが好ましい。
【0027】
スペーサートナー像がドット画像の形態を有する場合、ドットの大きさ、間隔および配置は本発明の目的が達成される限り特に制限されない。ドットの大きさは通常、30〜100μmであり、好ましくは30〜60μmである。ドットの間隔は通常、0.1〜3.0mmであり、好ましくは1.0〜3.0mmである。ドットは、図2において、格子状に配置されているが、前記供給量が確保されれば、これに制限されるものではなく、ランダムに配置されてもよい。
【0028】
スペーサートナー18は前記供給量で供給されるため、選択画像への影響はほとんどない。またスペーサートナー18は、選択画像の形成のために使用されるトナーと同様のものが使用され、一次転写によって供給される。そのため、スペーサートナーはいずれの現像部から供給されてもよい。スペーサートナー18の供給は、例えば、図1において現像部1a、1b、1c、1dから選択される1以上の現像部によって達成されればよい。スペーサートナーの選択画像への影響を最小限に留める観点から、スペーサートナー18は、イエロー現像部単独によって供給されたイエロートナーであることが好ましい。スペーサートナーの供給が2以上の現像部によって達成される場合はそれらの合計供給量が前記範囲内であればよい。
【0029】
スペーサートナー18の現像部からの供給は、潜像担持体の周辺に配置された露光装置、および当該露光装置に連結された露光制御装置を制御することによって達成される。具体的には、例えば、まず、所定の現像部において印字されるべき選択画像を露光装置または画像処理装置によって認識する。次いで、印字されるべき選択画像の情報、潜像担持体の回転速度、中間転写ベルトの移動速度ならびに被記録媒体の搬送速度および寸法等に基づいて、スペーサートナーが中間転写ベルト上において所定の供給量にて所定の供給領域に所定の画像形態で供給されるように、露光制御装置から露光装置に信号を送る。次いで、当該信号に基づいて潜像担持体表面を露光装置により露光し、潜像を形成した後、従来と同様の方法により、現像および一次転写を行う。その結果、スペーサートナーの供給が達成される。この間、当該現像部では、印字されるべき選択画像のトナー像領域についての、露光、現像よび一次転写も同時に行われる。その後、従来と同様の方法により、二次転写および定着を行う。
【0030】
中間転写ベルト3は外周表面に硬質層を有するものである。図4において中間転写ベルト3は基材31上に硬質層32を有する構造が示されているが、表面に硬質層32を有する限り、これに制限されるものではなく、例えば、基材と硬質層との間に他の層を有する構造であってもよい。
【0031】
基材31は、特に限定されないが、表面抵抗率が10〜1012Ω/□の範囲のものが好ましく、通常はシームレスベルト形状を有する。基材を構成する材料として、例えば、ポリカーボネート(PC);ポリイミド(PI);ポリフェニレンスルフィド(PPS);ポリアミドイミド(PAI);ポリビニリデンフルオライド(PVDF)、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体(ETFE)等のフッ素系樹脂;ポリウレタン等のウレタン系樹脂;ポリアミドイミド等のポリアミド系樹脂等の樹脂材料、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM);ニトリル−ブタジエンゴム(NBR);クロロプレンゴム(CR);シリコンゴム;ウレタンゴム等のゴム材料、およびそれらの混合物が挙げられる。基材には導電性フィラーが含有されてもよい。導電性フィラーとして、例えば、カーボン、アンチモン酸亜鉛、酸化錫、酸化亜鉛、チタン酸カリウム、酸化インジウムおよびこれらの複合酸化物等の金属酸化物あるいは、イオン性の導電材料等が挙げられる。基材の厚みは通常、樹脂材料の場合は50〜200μm程度、ゴム材料の場合は300〜700μm程度に設定される。
【0032】
基材31は、硬質層32の積層前にプラズマ、火炎、紫外線照射等の公知の表面処理方法により、表面を前処理されても良い。
【0033】
硬質層32は、無機材料からなる無機層であっても、有機材料からなる有機層であってもよい。硬質層の厚みは特に制限されるものではなく、屈曲による当該層の割れや剥がれの防止の観点からは10nm〜1μm、特に10〜500nmが好ましい。
【0034】
硬質層32の硬度は通常は3GPa以上、特に3〜11GPaである。
本明細書中、硬度はナノインデンテーション法により測定される硬度であり、NANO Indenter XP/DCM(MTS Systems社/MTS NANO Instruments社製)を用いて測定された値を用いている。
【0035】
硬質層32の表面粗さRaは通常は10〜100nm、特に20〜50nmである。
表面粗さRaは非接触三次元形状測定装置(WYKO NT1100veeco社製)によって測定された任意の3点の測定値の平均値を用いている。
【0036】
硬質層の具体例として、例えば、無機酸化物層、硬質炭素含有層、硬化樹脂層等が挙げられる。
【0037】
無機酸化物層は、珪素酸化物、アルミニウム酸化物、ジルコニウム酸化物、チタン酸化物、亜鉛酸化物から選ばれる少なくとも1つの酸化物を含むものが好ましく、特に珪素酸化物(SiO2)が好ましい。無機酸化物層は少なくとも放電ガスと無機酸化物層の原料ガスとの混合ガスをプラズマ化して原料ガスに応じた膜を堆積・形成するプラズマCVD法、特に大気圧または大気圧近傍下において行われるプラズマCVD法により形成することが好ましい。無機酸化物層の厚さは特に制限されず、例えば、10〜500nmが好ましい。
【0038】
以下に、珪素酸化物(SiO2)を含む無機酸化物層を大気圧プラズマCVD法により形成する場合を例に取り、その製造装置及び製造方法について説明する。大気圧またはその近傍の圧力とは20kPa〜110kPa程度であり、本発明に記載の良好な効果を得るためには、93kPa〜104kPaが好ましい。
【0039】
図6は、無機酸化物層を製造する製造装置の説明図である。無機酸化物層の製造装置40は、放電空間と薄膜堆積領域が略同一部で、プラズマを基材に晒して堆積・形成するダイレクト方式によって、基材上に無機酸化物層を形成するものであり、エンドレスベルト状の基材31を巻架して矢印方向に回転するロール電極50と従動ローラ60、及び、基材表面に無機酸化物層を形成する成膜装置である大気圧プラズマCVD装置70より構成されている。
【0040】
大気圧プラズマCVD装置70は、ロール電極50の外周に沿って配列された少なくとも1式の固定電極71と、固定電極71とロール電極50との対向領域で且つ放電が行われる放電空間73と、少なくとも原料ガスと放電ガスとの混合ガスGを生成して放電空間73に混合ガスGを供給する混合ガス供給装置74と、放電空間73等に空気の流入することを軽減する放電容器79と、固定電極71に接続された第1の電源75と、ロール電極50に接続された第2の電源76と、使用済みの排ガスG’を排気する排気部78とを有している。固定電極71に第2の電源76、ロール電極50に第1の電源75を接続しても良い。
【0041】
混合ガス供給装置74は珪素酸化物を含む膜を形成する原料ガスと、窒素ガス或いはアルゴンガス等の希ガスを混合した混合ガスを放電空間73に供給する。
従動ローラ60は張力付勢手段61により矢印方向に付勢され、基材31に所定の張力を掛けている。張力付勢手段61は基材31の掛け替え時等は張力の付勢を解除し、容易に基材31の掛け替え等を可能としている。
【0042】
第1の電源75は周波数ω1の電圧を出力し、第2の電源76は周波数ω1より高い周波数ω2の電圧を出力し、これらの電圧により放電空間73に周波数ω1とω2とが重畳された電界Vを発生する。そして、電界Vにより混合ガスGをプラズマ化して混合ガスGに含まれる原料ガスに応じた膜(無機酸化物層)が基材31の表面に堆積される。
【0043】
他の形態として、ロール電極50と固定電極71との内、一方の電極をアースに接続して、他方の電極に電源を接続しても良い。この場合の電源は第2の電源を使用することが、緻密な薄膜形成を行えるので好ましく、特に放電ガスにアルゴン等の希ガスを用いる場合に好ましく用いられる。
【0044】
複数の固定電極の内、ロール電極の回転方向下流側に位置する複数の固定電極と混合ガス供給装置で無機酸化物層を積み重ねるように堆積し、無機酸化物層の厚さを調整するようにしても良い。
【0045】
複数の固定電極の内、ロール電極の回転方向最下流側に位置する固定電極と混合ガス供給装置で無機酸化物層を堆積し、より上流に位置する他の固定電極と混合ガス供給装置で、例えば無機酸化物層と基材との接着性を向上させる接着層等、他の層を形成しても良い。
【0046】
無機酸化物層と基材との接着性を向上させるために、無機酸化物層を形成する固定電極と混合ガス供給装置の上流に、アルゴンや酸素或いは水素などのガスを供給するガス供給装置と固定電極を設けてプラズマ処理を行い、基材の表面を活性化させるようにしても良い。
【0047】
硬質炭素含有層の具体例としては、例えば、アモルファスカーボン膜、水素化アモルファスカーボン膜、四面体アモルファスカーボン膜、窒素含有アモルファスカーボン膜、および金属含有アモルファスカーボン膜等が挙げられる。硬質炭素含有層の厚みは無機酸化物層と同様の厚さが好ましい。
【0048】
硬質炭素含有層は、上記した無機酸化物層の製造方法と同様の方法により製造可能であり、すなわち、少なくとも放電ガスと原料ガスとの混合ガスをプラズマ化して原料ガスに応じた膜を堆積・形成するプラズマCVD法、特に大気圧または大気圧近傍下において行われるプラズマCVD法により製造可能である。
【0049】
硬質炭素含有層を形成するための原料ガスとしては、常温で気体または液体の有機化合物ガス、特に炭化水素ガスが用いられる。これら原料における相状態は常温常圧において必ずしも気相である必要はなく、混合ガス供給装置で加熱或は減圧等により溶融、蒸発、昇華等を経て気化し得るものであれば、液相でも固相でも使用可能である。原料ガスとしての炭化水素ガスについては、例えば、CH、C、C、C10等のパラフィン系炭化水素、C、C等のアセチレン系炭化水素、オレフィン系炭化水素、ジオレフィン系炭化水素、さらには芳香族炭化水素などの炭化水素を少なくとも含むガスが使用可能である。さらに、炭化水素以外でも、例えば、アルコール類、ケトン類、エーテル類、エステル類、CO、CO等少なくとも炭素元素を含む化合物であれば使用可能である。
【0050】
硬化樹脂層は、導電性フィラーを分散させた硬化性樹脂をコートし、熱または光(UV)により硬化させてなる樹脂層である。導電性フィラーは基材に含有され得る導電性フィラーと同様のものが使用可能である。硬化性樹脂としては、樹脂の分野で硬化性を示す公知の樹脂が使用可能であり、例えば、アクリル系UV硬化樹脂、ポリカーボネート系UV硬化樹脂等が挙げられる。
【0051】
硬化性樹脂は市販品として入手可能である。
アクリル系UV硬化樹脂は例えば、サンランド(三洋化成社製)等が使用可能である。
ポリカーボネート系UV硬化樹脂は例えば、ユーピロン(三菱ガス化学社製)等が使用可能である。
【0052】
一次転写ローラ4(4a、4b、4c、4d)は、中間転写ベルト3について潜像担持体2に対して逆側に配置される。一次転写ローラ4(4a、4b、4c、4d)により中間転写ベルト3を押圧するとともに、所望により一次転写ローラ4にバイアスを印加することによって、潜像担持体2(2a、2b、2c、2d)表面に担持されたトナー像を中間転写ベルト3に一次転写させる。
【0053】
一次転写ローラにバイアスが印加される場合、例えばトナーの帯電極性に対して逆極性であって、その絶対値が300〜3000V、特に600〜1500Vの範囲内のDC成分が印加される。トナーの帯電極性に対して逆極性とは、例えばトナーが負帯電性の場合は+極性を、トナーが正帯電性の場合は−極性を意味する。一次転写ローラには上記DC成分とともにAC成分が重畳されてもよい。
【0054】
一次転写ローラの構造は特に制限されるものではなく、例えば、EPDM、NBR等に導電材としてカーボン等を分散させたコート層を金属の芯金表面に有するもの、又は金属ローラ等が使用可能である。
【0055】
二次転写ローラ5は、中間転写ベルト3について張架ローラ11に対して逆側に配置される。二次転写ローラ5により、トナー像を担持した中間転写ベルト3に対して、被記録媒体6を介して押圧することにより、トナー像を被記録媒体6に二次転写させる。二次転写ローラには、所望によりバイアスが印加され、二次転写を促進させることができる。
【0056】
二次転写ローラの構造は特に制限されるものではないが、弾性層を有することが好ましい。被記録媒体との密着性を確保するためである。
【0057】
弾性層を有する二次転写ローラの構造として、例えば、芯金表面に弾性層を有してなる構造が挙げられる。芯金として、鉄、ステンレス等の金属からなるものが使用可能である。
【0058】
弾性層はアスカーC硬度が20°〜60°、特に30°〜50°の層である。
本明細書中、アスカーC硬度はアスカーゴム硬度計C型によって測定された値を用いている。
【0059】
弾性層は、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM);ニトリル−ブタジエンゴム(NBR);クロロプレンゴム(CR);シリコンゴム;ウレタンゴム等の弾性材料を用いて形成され、通常はさらに導電材が含有される。導電材として、例えば、カーボン等が使用可能である。
弾性層の厚みは通常、1〜20mmであり、好ましくは3〜10mmである。
【0060】
二次転写ローラの抵抗は、転写性確保の観点から、10〜1010Ω、特に10〜10Ωが好ましい。
【0061】
二次転写ローラにバイアスが印加される場合、例えばトナーの帯電極性に対して逆極性であって、その絶対値が300〜5000V、特に600〜3000Vの範囲内のDC成分が印加される。二次転写ローラには上記DC成分とともにAC成分が重畳されてもよい。
【0062】
張架ローラ(10,11)は特に制限されず、例えば、アルミや鉄などの金属ローラを用いることができる。また芯金の外周面にコート層を設けたローラであって、コート層がEPDM、NBR、ウレタンゴム、シリコンゴムなどの弾性材料に導電粉体やカーボンを分散させたものであり、抵抗値が1×10Ω・cm以下に調整されたローラを用いることもできる。
【0063】
本発明の画像形成装置が有する他の部材・装置、例えばクリーニング装置7、帯電装置、露光装置、現像装置および潜像担持体用クリーニング装置は特に制限されず、従来より画像形成装置に使用されている公知のものが使用可能である。
【0064】
例えば現像装置は、トナーのみを用いる一成分現像方式を採用したものであってもよいし、またはトナーとキャリアを用いる二成分現像方式を採用したものであってもよい。
【0065】
トナーは、重合法等の湿式法で製造されたトナー粒子を含むものであってもよいし、または粉砕法(乾式法)で製造されたトナー粒子を含むものであってもよい。
トナーの平均粒径は特に制限されるものではなく、7μm以下、特に4.5μm〜6.5μmが好ましい。
【0066】
トナーの帯電性は特に制限されるものではなく、負帯電性または正帯電性を有していてよい。
【実施例】
【0067】
[実験例A]
<中間転写ベルトの製造>
押出成形によって、PPS樹脂中にカーボンが分散されてなる表面抵抗率1.30×10Ω/□および厚み120μmのシームレス形状基材を得た。
基材の外周表面に、大気圧プラズマCVD法に基づいて図6に示す装置によって、膜厚200nmのSiO薄膜層(硬度4GPa、表面粗さRa31nm)を形成し、中間転写ベルトを得た。
【0068】
<二次転写ローラの製造>
直径8mmの鉄製芯金の外周表面に、NBRに導電材としてカーボンを分散させた弾性層を厚み8.5mmで形成し、二次転写ローラを得た。アスカーC硬度は42°、抵抗は10Ωであった。
【0069】
<実施例1>
上記した方法で製造した中間転写ベルトおよび二次転写ローラをプリンター(Bizhub C353;コニカミノルタ製)に搭載し、コニカミノルタ製Jペーパー(A4サイズ)に「KM」の文字画像を選択画像として10万枚印字した。印字条件は、上記中間転写ベルトおよび二次転写ローラを用いたこと、以下に記載の方法でスペーサートナーの供給を行ったこと以外、上記プリンターの標準条件と同様であった。トナーの平均粒径は6.5μmであった。
【0070】
(スペーサートナーの供給)
画像形成時において、図3(A)に示すように、中間転写ベルト3表面の被記録媒体との接触領域16におけるTD方向で両端の領域(17a,17b)と、拡張領域とからなる領域(171a,171b)に、イエロートナーをスペーサートナーとして0.05g/mで供給した。スペーサートナーの供給領域の寸法は、L=210mm、L=297mm、W=4mm、W=4mm、S=4mmであった。スペーサートナーによるトナー像はドット画像の形態を有しており、ドットの大きさは30μm、ドットの間隔は2mmであり、ドットは格子状に配置されていた。
【0071】
(評価)
10万枚目の印字画像上、搬送方向に対する垂直方向の両端部にはスペーサートナーによる像がわずかに表れたものの、実用上問題のない範囲であった。
10万枚印字後、中間転写ベルト表面において両端領域(17a,17b)になり得る領域(図3(A)に示す2つの帯状の領域A)の任意の測定点において表面粗さRaを測定した。Raは68nmであった。
10万枚印字後、長手方向を搬送方向としてA3サイズの用紙を用いて、当該用紙に、全面均一なハーフトーン画像をプリントしたところ、濃度ムラは発生せず、クリーニング不良も発生しなかった。
10万枚印字後、長手方向を搬送方向としてA3サイズの用紙を用いて、当該用紙に、全面均一なベタ画像をプリントしたところ、クリーニング不良は発生しなかった。
【0072】
<比較例1>
スペーサートナーを供給しなかったこと以外、実施例1と同様の方法により耐久印字および評価を行った。
【0073】
(評価)
10万枚印字後、Raは102nmであった。
10万枚印字後、長手方向を搬送方向としてA3サイズの用紙を用いて、当該用紙に、全面均一なハーフトーン画像をプリントしたところ、A4サイズ用紙の搬送方向に対する垂直方向の両端部に対応する位置で転写性の違いによる濃度ムラが発生した。
10万枚印字後、長手方向を搬送方向としてA3サイズの用紙を用いて、当該用紙に、全面均一なベタ画像をプリントしたところ、A4サイズ用紙の搬送方向に対する垂直方向の両端部に対応する位置でクリーニング不良が発生した。
【0074】
<実施例2>
スペーサートナーの供給量を0.01g/m、0.10g/m、0.15g/m、0.20g/mに変更したこと以外、実施例1と同様の方法により、耐久印字および評価を行った。
スペーサートナーによるドット画像は、所定のトナーの供給量に対応したドットの大きさとしたこと以外、実施例1と同様であった。
【0075】
(評価)
10万枚印字後、Raは、トナー供給量0.01g/mのとき74nmであり、0.10g/mのとき64nmであり、0.15g/mのとき62nmであり、0.20g/mのとき60nmであった。
以下の評価結果はいずれのトナー供給量のときも共通していた。
10万枚目の印字画像上、搬送方向に対する垂直方向の両端部にはスペーサートナーによる像がわずかに表れたものの、実用上問題のない範囲であった。
10万枚印字後、長手方向を搬送方向としてA3サイズの用紙を用いて、当該用紙に、全面均一なハーフトーン画像をプリントしたところ、濃度ムラは発生せず、クリーニング不良も発生しなかった。
10万枚印字後、長手方向を搬送方向としてA3サイズの用紙を用いて、当該用紙に、全面均一なベタ画像をプリントしたところ、クリーニング不良は発生しなかった。
【0076】
<比較例2>
スペーサートナーの供給量を0.40g/mに変更したこと以外、実施例1と同様の方法により、耐久印字および評価を行った。
スペーサートナーによるドット画像は、所定のトナーの供給量に対応したドットの大きさとしたこと以外、実施例1と同様であった。
【0077】
(評価)
10万枚目の印字画像上、搬送方向に対する垂直方向の両端部にスペーサートナーによる像が顕著に表れ、汚れやカブリ等と認識された。
【符号の説明】
【0078】
1:1a:1b:1c:1d:現像部
2:2a:2b:2c:2d:潜像担持体
3:中間転写ベルト
4:4a:4b:4c:4d:一次転写ローラ
5:二次転写ローラ
6:被記録媒体
7:クリーニング装置
10:11:張架ローラ
15:トナー像
16:中間転写ベルト表面における被記録媒体との接触領域
17:17a:17b:中間転写ベルト表面の被記録媒体との接触領域における幅手方向で両端の領域(トナー供給領域)
18:スペーサートナー
19:異物
31:基材
32:硬質層
171:171a:171b:拡張領域(トナー供給領域)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に硬質層を有し、該硬質層上に潜像担持体から一次転写されたトナー像を担持する中間転写ベルト;および
トナー像を担持した中間転写ベルトに対して、被記録媒体を介して押圧する二次転写ローラを備えた画像形成装置であって、
中間転写ベルト表面の被記録媒体との接触領域における、中間転写ベルト幅手方向で両端の領域にトナーを0.01〜0.20g/mで供給することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
二次転写ローラが弾性層を有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
中間転写ベルトの硬質層が無機酸化物層、硬質炭素含有層または硬化樹脂層である請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
無機酸化物層が珪素酸化物、アルミニウム酸化物、ジルコニウム酸化物、チタン酸化物、亜鉛酸化物から選ばれる少なくとも1つの酸化物を含む層である請求項3に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−190966(P2010−190966A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−32745(P2009−32745)
【出願日】平成21年2月16日(2009.2.16)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】