説明

画像形成装置

【課題】機密情報の漏洩を確実に防止し得る画像形成装置を提供する。
【解決手段】入力画像を入力するスキャナ部2又はプリンタコントローラ6と、入力画像の試し出力を指示するための試し出力ボタン403と、指示により、入力画像に基づいて差替え画像を生成する制御部11と、生成された差替え画像を形成する画像形成部5と、を備え、差替え画像は、入力画像の内容を予め定められた内容に差替えた画像であって、入力画像と同一の画像サイズである画像形成装置100とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、大量の用紙が画像形成される際は画像形成位置や濃度等を調整するための画像形成(以下、「試し出力」)が事前に行われる。
【0003】
通常、試し出力では、画像形成装置に入力された画像(以下、「入力画像」)が画像形成対象として用いられる。つまり、本来画像形成する画像(入力画像)が試し出力においても用いられる。パンチ処理やステイプル処理等が施された場合に、入力画像が適切に用紙に表わされるか確認するためである。
軽印刷やオンデマンド印刷市場において、試し出力は特に必須な処理となっている。
【0004】
ここで、試し出力された用紙は、最終的には排紙トレイに排紙される。排紙トレイに排紙された用紙は、ユーザによって取り上げられることになるが、それまで用紙は放置されたままである。
【0005】
試し出力された用紙は取り忘れられる場合が多く、排紙された用紙は排紙トレイに長時間放置されることになる。
用紙に画像形成された内容が機密情報である場合、排紙トレイに長時間放置しておくと機密情報の漏洩に繋がり、セキュリティ面において問題となる。
【0006】
特許文献1及び特許文献2によれば、画像形成された用紙が所定時間経過後も排紙トレイに放置されている場合、用紙を画像形成装置内部に取り込み、取り込んだ用紙に所定の上書き画像を形成する技術が開示されている。
【0007】
また、特許文献3によれば、複写禁止ページに係る画像データ中の文字又は線画を所定の符号や画像に変換し、変換した符号等を複写禁止ページに係る用紙に上書きする技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2004−284081号公報
【特許文献2】特開2007−168322号公報
【特許文献3】特開2008−61027号公報
【0009】
しかし、特許文献1〜3の何れにおいても、画像形成された用紙は一度排紙トレイに排紙され、ある程度の時間は放置される。長時間放置されることはなくても、一定時間放置されることにより画像形成された内容が第三者に見られる可能性は取り除けない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の課題は、機密情報の漏洩を確実に防止し得る画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明によれば、
入力画像を入力する入力部と、
前記入力画像の試し出力を指示するための試し出力指示部と、
前記試し出力指示部からの指示により、前記入力画像に基づいて差替え画像を生成する制御部と、
前記生成された差替え画像を形成する画像形成部と、を備え、
前記差替え画像は、前記入力画像の内容を予め定められた内容に差替えた画像であって、前記入力画像と同一の画像サイズである画像形成装置が提供される。
【0012】
また、
画像形成位置又は濃度の情報について変更を指示する変更指示部と、
前記変更指示部からの指示に基づいて、変更された画像形成位置又は濃度の情報を記憶する記憶部と、を更に備え、
前記制御部は、前記記憶部に記憶されている変更後の画像形成位置又は濃度の情報に基づいて、前記差替え画像又は前記入力画像を前記画像形成部により形成する画像形成装置が提供される。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、試し出力において差替え画像を形成することができる。差替え画像は入力画像と同一の画像サイズであるため、差替え画像を用いて入力画像の用紙上の画像形成位置を調整することができる。試し出力で入力画像は画像形成されないため、試し出力による第三者への情報の漏洩を確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】画像形成装置の全体構成を示す図である。
【図2】画像形成装置の機能的構成を示す図である。
【図3】差替え画像の一例を示す図である。
【図4】操作部の構成を示す図である。
【図5】設定画面の一例を示す図である。
【図6】画像形成処理を示すフロー図である。
【図7】差替えられた画像、用紙及び印刷物の概念図である。
【図8】差替えられた画像、用紙及び印刷物の他の概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1に、本実施形態における画像形成装置100の全体構成を示す。
画像形成装置100は、本体部10及び後処理部20を備えて構成される。
画像形成装置100は、スキャナ機能、コピー機能、プリンタ機能を備えた、いわゆるデジタル複合機である。
【0016】
本体部10は、スキャナ部2、ADF(Auto Document Feeder)部3、操作部4、画像形成部5、給紙トレイFT1、大容量トレイユニットFT2を備える。
【0017】
後処理部20は、本体部10から搬送された用紙に各種後処理を行うユニット及び排紙トレイET1を備える。各種後処理を行うユニットは、例えばパンチ処理、ソート処理、折り処理、裁断処理、カッティング処理等を行う。
【0018】
図2に、画像形成装置100の機能的構成を示す。
本体部10は、画像制御部1、スキャナ部2、ADF部3、操作部4、画像形成部5、プリンタコントローラ6、電源スイッチ7等を備えて構成される。
【0019】
画像制御部1は、制御部11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、不揮発メモリ14、読取処理部15、書込処理部16、DRAM(Dynamic Random Access Memory)制御IC17、圧縮IC18、伸長IC19、及び画像メモリ19a等を備えて構成される。
【0020】
制御部11は、ROM12に記憶されているシステムプログラムや各種処理プログラムを読み出してRAM13に展開し、展開したプログラムに従って画像形成装置100の各部を統括的に制御する。
【0021】
また、制御部11は差替え画像生成部11aを備える。
差替え画像生成部11aは、スキャナ部2又はプリンタコントローラ6に入力される画像データ(以下、「入力画像」)に基づいて、差替え画像を生成する。
差替え画像生成部11aは、生成された差替え画像を差替え画像メモリ193aに出力する。
【0022】
図3に、差替え画像の一例を示す。
差替え画像CG1は入力画像IG1とサイズが同一の画像であり、ユーザにサイズを把握し易くするため濃度の高い実線がサイズ枠に沿って形成された画像である。
また、差替え画像CG1は、入力画像IG1の内容を予め定められた内容に差替えた画像である。予め定められた内容とは、例えば図3に示すような「試し出力/内容を差替えています。」等である。なお、予め定められた内容は必ずしもこれに限られない。
【0023】
差替え画像CG2は、差替え画像CG1と同様、入力画像IG1とサイズが同一の画像であり、濃度の高い実線がサイズ枠に沿って形成された画像である。
また、差替え画像CG2は、入力画像IG1の内容を関連情報に差替えた画像である。関連情報とは、例えば図3に示すように、入力画像IG1の「ジョブ名」、「ページ番号」の情報であり、差替え画像CG2が画像形成された「日付」の情報である。
差替え画像CG2における「ジョブ名」は、バーコード等の一次元コードで表してもよいし、QRコード(登録商標)等の二次元コードで表してもよい。
【0024】
図2に戻り、ROM12は、半導体メモリ等の不揮発メモリにより構成され、システムプログラムや各種処理プログラムを記憶する。
RAM13は、制御部11により実行される各種プログラム及びこれらプログラムに係るデータを一時的に記憶するワークエリアを形成し、各種動作設定の情報を記憶する。
不揮発メモリ14は、電源供給の無い状態で各種情報を記憶する。
【0025】
読取処理部15は、入力したアナログ画像データに各種処理を施してデジタル画像データ(入力画像)を生成し、生成された入力画像を圧縮IC18に出力する。
書込処理部16は、入力画像に基づいてPWM(Pulse Width Modulation)信号を生成し、画像形成部5へ出力する。
【0026】
DRAM制御IC17は、制御部11の制御に基づいて、圧縮IC18の圧縮処理及び伸長IC19の伸長処理を制御する。
また、DRAM制御IC17は、入力画像を画像メモリ19aに記憶し、又は画像メモリ19aから入力画像を取得する。
【0027】
圧縮IC18は、DRAM制御IC17の制御により、入力画像の圧縮処理を施す。
伸長IC19は、DRAM制御IC17の制御により、入力画像に伸長処理を施す。
【0028】
画像メモリ19aは、揮発性メモリであるDRAMで構成され、圧縮メモリ191a、ページメモリ192a、差替え画像メモリ193aを備える。
【0029】
圧縮メモリ191aは、圧縮された入力画像を記憶するためのメモリである。
ページメモリ192aは、画像形成前に圧縮された画像形成に係る入力画像を一時的に記憶する。
差替え画像メモリ193aは、入力画像に基づいて生成された差替え画像を記憶する。
【0030】
スキャナ部2は、CCD等のイメージセンサ201、スキャナ制御部202等を備えて構成される。
スキャナ制御部202は、スキャナ部2の各部を駆動制御する。具体的には、コンタクトガラスに載置された原稿面の露光走査を実行させ、反射光をイメージセンサ201において結像させて画像を読み取る。スキャナ制御部202は、結像された光信号を光電変換してアナログの画像データを生成し、読取処理部15に出力する。
【0031】
ADF部3は、ADF制御部301を備える。ADF制御部301は、制御部11から出力される制御信号に基づいて、図示しない原稿トレイに載置された原稿をスキャナ部2のコンタクトガラス上に1枚ずつ自動給送する。
【0032】
操作部4は、LCD(Liquid Crystal Display)401、操作表示制御部402、試し出力ボタン403、その他操作キー群等を備えて構成される。
【0033】
LCD401は、透明電極を格子状に配置した感圧式のタッチパネルを備えて構成される。LCD401は、手指やタッチペン等で操作された力点のXY座標を電圧値で検出し、検出された位置信号を操作表示制御部402に出力する。
【0034】
操作表示制御部402は、LCD401の表示制御を行い、画像形成条件を入力するための基本画面や各種処理結果等をLCD401に表示させる。
また、操作表示制御部402は、LCD401上のタッチパネル又は操作キー群から入力された操作信号を制御部11に出力する。
【0035】
試し出力ボタン403は、試し出力を行う際に押下されるボタンであり、試し出力を指示する信号を制御部11に出力する。
【0036】
図4に、操作部4の構成を示す。
LCD401は、画面上に各種設定画面の表示を行う。
試し出力ボタン403は、ハードウェア構成のボタンである。試し出力ボタン403が押下されると差替え画像が画像形成される。なお、試し出力ボタン403をハードウェア構成とせず、LCD401において表示する構成としてもよい。
【0037】
試し出力ボタン403が押下されると用紙に差替え画像が画像形成されることになる。用紙に画像形成された差替え画像がユーザの所望の位置や濃度でない場合、ユーザの操作によりLCD401に画像調整のための設定画面が表示される。
【0038】
図5に、画像調整のための設定画面の一例を示す。
画面G1は、用紙上での画像形成位置を上下左右にシフトさせて調整するための画面である。調整量は、画面G1に表示されている数字キーの入力に基づいて決定される。
調整完了を指示するOKボタン405が押下されると図4の画面に戻る。
図4に戻り、画像形成ボタン404が押下されると入力画像が画像形成されることになる。
【0039】
図2に戻り、画像形成部5は、LD(Laser Diode)部501、画像形成制御部502等を備えて構成される。
画像形成部5は、書込処理部106から出力された入力画像又は差替え画像を用紙に画像形成するとともに、画像形成された用紙を後処理部20に搬送する。
【0040】
LD部501は、LD、感光体ドラム、帯電部、露光部、現像部、転写部、クリーニング部、及び定着部等を備える。また、LD部501内の搬送経路に従って用紙を搬送するための各種ローラ、搬送路切換板、反転部等を備える。
【0041】
画像形成制御部502は、LD部501の各部の動作を制御する。
また、画像形成制御部502は、制御部11と後処理制御部21との間のデータ通信の中継を行う。
【0042】
プリンタコントローラ6は、コントローラ制御部601、DRAM制御IC602、画像メモリ603、LANIF604等を備えて構成される。
【0043】
コントローラ制御部601は、各部の動作を統括的に制御する。
また、コントローラ制御部601は、LANIF604を介して外部端末PCから出力される画像データを入力画像として入力し、入力画像を画像制御部1に出力する。
【0044】
DRAM制御IC602は、LANIF604を介して入力された入力画像を画像メモリ603に出力し、又は画像メモリ603から入力画像の読み出しを行う。
また、DRAM制御IC602は、画像制御部1のDRAM制御IC17とPCI(Peripheral Components Interconnect)バスで接続されており、入力画像を画像メモリ603から読み出してDRAM制御IC17に出力する。
【0045】
画像メモリ603はDRAMから構成され、入力画像を記憶する。
LANIF604は、NIC(Network Interface Card)やモデム等のネットワークに接続するための通信インタフェースであり、外部端末PCからネットワークNを介して画像データを入力画像として受信し、受信された入力画像をDRAM制御IC602に出力する。
【0046】
電源スイッチ7は、スイッチによる副電源のオン/オフ及び主電源によるオン/オフを切り替えて、オン/オフ信号を制御部11へ出力する。
【0047】
後処理部20は、後処理部20の各部の制御を行う後処理制御部21を備える。
後処理制御部21は、CPU、ROM、RAM等により構成される。
後処理制御部21のCPUは、ROMに記憶されたプログラムとの協働により各部を駆動制御し、パンチ処理、ソート処理、折り処理、裁断処理、カッティング処理等を行う。
また、後処理制御部21は、画像形成部5から排紙された用紙を所定の排紙トレイET1に排紙する。
【0048】
図6を参照して、画像形成処理について説明する。
本処理は、一般的な画像形成処理と比較して、試し出力時に入力画像を差替え画像に差替えて画像形成する点を特徴とする。
【0049】
制御部11は、画像形成ボタン404が押下されたか否か判断する(ステップS1)。
画像形成ボタン404が押下された場合(ステップS1:Y)、制御部11は、ステップS9に移行する。
画像形成ボタンが押下されていない場合(ステップS1:N)、制御部11は、試し出力ボタン403が押下されたか否か判断する(ステップS2)。
【0050】
試し出力ボタン403が押下されていない場合(ステップS2:N)、制御部11は、ステップS1に移行する。
試し出力ボタン403が押下された場合(ステップS2:Y)、制御部11は、入力画像に基づいて差替え画像を生成し、生成された差替え画像を差替え画像メモリ193aにより記憶する(ステップS3)。
【0051】
制御部11は、差替え画像メモリ193aに記憶されている差替え画像を読み出して、画像形成部5に出力する(ステップS4)。
制御部11は、画像形成部5により、差替え画像を形成する(ステップS5)。
【0052】
制御部11は、調整完了を指示するOKボタン405が押下されたか否か判断する(ステップS6)。
OKボタン405が押下されていない場合(ステップS6:N)、制御部11は、操作部4を介して入力された画像形成位置や濃度等の調整に関する情報をROM12等に記憶する(ステップS8)。
制御部11は、記憶された調整に関する情報に基づいて、差替え画像を再度画像形成する(ステップS5)。
【0053】
OKボタン405が押下された場合(ステップS6:Y)、制御部11は、画像形成対象を差替え画像とする設定を解除する(ステップS7)。
制御部11は、画像形成ボタン404が押下されたか否かについて再度判断する(ステップS1)。
【0054】
制御部11は、画像形成ボタンが押下されると(ステップS1:Y)、入力画像をページメモリ192aに記憶する(ステップS9)。
制御部11は、ページメモリ192aから入力画像を読み出して画像形成部5に出力する(ステップS10)。
【0055】
制御部11は、画像形成部5により、入力画像を用紙に画像形成して(ステップS11)、本処理を終了する。
【0056】
図7に、画像形成処理において生成される画像、用紙及び最終印刷物の概念図を示す。
まず、後処理がないケースC1について説明する。
試し出力において、入力画像IG1は差替え画像CG1に差替えられる。
差替え画像CG1は用紙P1に画像形成され、排紙トレイET1に排紙される。
【0057】
用紙P1と用紙P11とは対応しており、画像形成対象が差替え画像CG1の場合は用紙P1が生成され、画像形成対象が入力画像IG1の場合は用紙P11が生成される。
用紙P1において差替え画像CG1の内容が適切に表示されている場合、用紙P11においても入力画像IG1の内容が適切に表示されることになる。
【0058】
次に、後処理にパンチ処理を施した最終印刷物P4を作成するケースC2について説明する。
入力画像IG1は、最終印刷物P4における一の入力画像である。
試し出力において、入力画像IG1は差替え画像CG1に差替えられ、差替え画像CG1は用紙P1に画像形成される。ここまでは、後処理がないケースC1と同様である。
【0059】
用紙P2は、用紙P1にパンチ処理が施された後の用紙である。
用紙P2と用紙P22とは対応しており、用紙P2において差替え画像CG1の内容がパンチ処理部分で欠けているため、用紙P22においても入力画像IG1の内容がパンチ処理部分で欠けて表示されることになる。
【0060】
試し出力において用紙P2が生成された場合、操作部4を介して画像位置が調整されることになる。
画像位置の調整が第三者ユーザによって行われる場合でも、用紙P2に表示されている画像は差替え画像CG1であるため、入力画像IG1の内容が見られることはない。
【0061】
用紙P3は、画像位置が調整された後の用紙である。
用紙P3と用紙P33とは対応しており、用紙P3において差替え画像CG1の内容がパンチ処理部分で欠けずに適切に表示されているため、用紙P33においても入力画像IG1の内容が適切に表示されることになる。
試し出力において用紙P3が生成された後、本来画像形成すべき入力画像IG1が画像形成され最終印刷物P4が作成されることとなる。
【0062】
図8に、画像形成処理において生成される画像、用紙及び最終印刷物の他の概念図を示す。図8では、後処理として束見本が作成される場合について説明する。
最終印刷物P5は、作成された束見本に製本用入力画像IG5が画像形成された場合の印刷物であり、最終的に製本として作成される印刷物である。
【0063】
白紙画像WG1は、束見本の作成に用いられる白紙の画像である。
束見本は、最終印刷物P5のページ番号や厚さを確認するために作成されることから通常、その内容は白紙である。
【0064】
差替え画像CG2は、試し出力において白紙画像WG1を差替えた画像である。差替え画像CG2には、製本用入力画像IG5のジョブ名やページ番号等の情報が含まれる。
【0065】
用紙P6は、差替え画像CG2を用いて束見本を作成した場合の一の用紙である。
用紙P6と用紙P66とは対応しており、用紙P6では差替え画像CG2が右下にずれて表示されているが、用紙P66では白紙画像WG1がずれて表示されているか否か確認できない。
【0066】
束見本P7は、用紙P6を用いた束見本である。
束見本P7と最終印刷物P77とは対応しており、束見本P7では差替え画像CG2が右下にずれて表示されているため、最終印刷物P77でも製本用入力画像IG5が右下にずれて表示されることになる。
【0067】
束見本P7によれば、最終印刷物P77を作成しなくとも、最終印刷物P77で製本用入力画像IG5が右下にずれて表示されることが確認できる。
用紙P66を束見本として作成した場合には、通常の白紙の束見本が作成されるため、最終印刷物P77を作成するまで画像形成位置がずれているか否か確認できない。
【0068】
束見本P8は、画像形成位置が調整された後に作成された束見本である。
束見本P8と最終印刷物P5とは対応しており、束見本P8において差替え画像CG2の内容が適切に表示されているため、最終印刷物P5においても製本用入力画像IG5の内容が適切に表示されることになる。
試し出力において束見本P8が生成された後、最終印刷物P5が作成されることとなる。
【0069】
以上のように、本実施形態によれば、スキャナ部2又はプリンタコントローラ6によって入力された入力画像に基づいて、差替え画像を生成することができる。
試し出力ボタン403が押下された際、画像調整用として入力画像ではなく差替え画像が画像形成される。よって、第三者に入力画像の内容を見られることなく画像調整を行うことができる。
【0070】
また、差替え画像の内容は、入力画像の内容を差替えた旨を示す内容とすることができ、例えば「試し出力/内容を差替えています。」等の内容にすることができる。
試し出力による用紙であることが容易に把握できる。
【0071】
また、差替え画像の内容は、入力画像のジョブ名、ページ番号、又は差替え画像を形成した日付、のうち何れか一又は全ての情報を含む内容とすることができる。
試し出力による用紙であることが容易に把握できるとともに、入力画像に関する情報についても容易に把握することができる。
【0072】
また、差替え画像の内容に入力画像のジョブ名を含ませる場合、ジョブ名をそのまま表示せず予め定められた識別子によって表示することができる。
差替え画像においてジョブ名が識別子によって表示されるため、第三者にジョブ名が見られることを防止できる。
【0073】
また、予め定められた識別子は、バーコード等の一次元コード又はQRコード(登録商標)等の二次元コードとすることができる。
【0074】
また、試し出力による用紙を第三者ユーザが確認して画像形成位置又は濃度を調整する必要があると判断した場合、操作部4により画像形成位置又は濃度を調整することができる。調整された情報は、ROM12、RAM13、不揮発メモリ14等に記憶され、記憶された調整の情報に基づいて差替え画像又は入力画像を形成することができる。
【符号の説明】
【0075】
100 画像形成装置
10 本体部
20 後処理部
1 画像制御部
11 制御部
2 スキャナ部
3 ADF部
4 操作部
5 画像形成部
6 プリンタコントローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力画像を入力する入力部と、
前記入力画像の試し出力を指示するための試し出力指示部と、
前記試し出力指示部からの指示により、前記入力画像に基づいて差替え画像を生成する制御部と、
前記生成された差替え画像を形成する画像形成部と、を備え、
前記差替え画像は、前記入力画像の内容を予め定められた内容に差替えた画像であって、前記入力画像と同一の画像サイズである画像形成装置。
【請求項2】
前記差替え画像は、前記入力画像の内容を異なる内容に差替えた旨の情報を含む画像である請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記差替え画像は、前記入力画像のジョブ名、ページ番号、又は前記差替え画像が画像形成された日付、のうち何れか一又は全ての情報を含む画像である請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記入力画像のジョブ名は、前記差替え画像において、予め定められた識別子により表示される請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記予め定められた識別子は、一次元コード又は二次元コードである請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
画像形成位置又は濃度の情報について変更を指示する変更指示部と、
前記変更指示部からの指示に基づいて、変更された画像形成位置又は濃度の情報を記憶する記憶部と、
を更に備え、
前記制御部は、前記記憶部に記憶されている変更後の画像形成位置又は濃度の情報に基づいて、前記差替え画像又は前記入力画像を前記画像形成部により形成する請求項1〜5の何れか1項に記載の画像形成装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2010−217370(P2010−217370A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−62596(P2009−62596)
【出願日】平成21年3月16日(2009.3.16)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】