説明

画像形成装置

【課題】トナー画像定着後のシート材の搬送性能を向上させることができる画像形成装置を得る。
【解決手段】記録媒体Pが用紙である場合には、制御部392は、用紙の坪量に関わらず、ファン390の吸込力を一定とする、又は、用紙の坪量が小さいときには、用紙の坪量が大きいときに比べ、ファン390の吸込力を強くするようになっている。このように、ファン390の吸込力を制御することで、カールし易い坪量の小さい記録媒体Pでも、無端ベルト334の外周面に吸着される。無端ベルト334の外周面に記録媒体Pが吸着されることで、記録媒体Pの搬送性能が向上する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には円孔が形成された無端ベルトの表面にシート材を吸い付けて、この無端ベルトを周回させることで吸い付けたシート材を搬送するベルト搬送装置が記載されている。
【0003】
詳細には、無端ベルトには複数個の円孔が形成され、無端ベルトの内周側には、無端ベルトに形成された円孔から空気を吸い込んで無端ベルトの表面にシート材を吸い付ける減圧室が設けられている。
【0004】
この減圧室は矩形状の筐体によって構成され、無端ベルトの内周面に対向する筐体の壁面には、空気を吸い込む複数個の通気孔が形成されている。そして、この通気孔はベルトが駆動する駆動方向に直交する方向に対して傾斜するように並べられ、複数の通気孔列が設けられている。つまり、通気孔は、ベルトが駆動する駆動方向の下流側に順次ずれるように配置されている。
【0005】
このように、通気孔を配置することで、無端ベルトの外周面に吸い付けられたシート材に浮きや弛みが発生するのを抑制するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−302406号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、トナー画像定着後のシート材の搬送性能を向上させることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の請求項1に係る画像形成装置は、トナー画像が形成されたシート材を加熱及び加圧して、前記トナー画像をシート材に定着させる定着手段と、複数個の孔部が設けられる帯材で形成された無端ベルトと、前記無端ベルトの内周面側に設けられ、空気を吸い込む吸込部材によって生じた空気流で前記無端ベルトの外周面にシート材を吸着させる風道部材と、回転して前記無端ベルトを周回させる回転部材と、シート部材の坪量に関わらず、前記吸込部材の吸込力を一定とする、又は、シート材の坪量が小さいときには、シート材の坪量が大きいときに比べ、前記吸込部材の吸込力を強くするように前記吸込部材の吸込力を制御する制御手段と、を含んで構成され、前記定着手段に対してシート材搬送方向の下流側に配置されるシート材搬送装置と、を備えることを特徴とする。
【0009】
本発明の請求項2に係る画像形成装置は、請求項1に記載において、前記制御手段は、シート材が普通紙又はコート紙に関わらず、前記吸込部材の吸込力を一定とする、又は、シート材が普通紙のときには、シート材がコート紙のときに比べ、前記吸込部材の吸込力を強くすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の請求項1の画像形成装置によれば、シート材の坪量が大きいときには、シート材の坪量が小さいときに比べ、吸込部材の吸込力を強くする場合と比して、トナー画像定着後のシート材の搬送性能を向上させることができる。
【0011】
本発明の請求項2の画像形成装置によれば、シート材がコート紙のときには、シート材が普通紙のときに比べ、吸込部材の吸込力を強くする場合と比して、画質を低下させることなくシート材を搬送することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態に係るシート材搬送装置を示した斜視図である。
【図2】本発明の実施形態に係るシート材搬送装置を示した斜視図である。
【図3】本発明の実施形態に係るシート材搬送装置を示した斜視図である。
【図4】本発明の実施形態に係るシート材搬送装置を示した斜視図である。
【図5】本発明の実施形態に係るシート材搬送装置を示した斜視図である。
【図6】本発明の実施形態に係るシート材搬送装置を示した斜視図である。
【図7】(A)(B)本発明の実施形態に係るシート材搬送装置に採用された無端ベルトを示した拡大平面図である。
【図8】本発明の実施形態に係るシート材搬送装置を示した平面図である。
【図9】本発明の実施形態に係るシート材搬送装置を示した断面斜視図である。
【図10】本発明の実施形態に係るシート材搬送装置を示した断面斜視図である。
【図11】本発明の実施形態に係るシート材搬送装置を示した断面斜視図である。
【図12】本発明の実施形態に係るシート材搬送装置を示した断面斜視図である。
【図13】本発明の実施形態に係るシート材搬送装置を示した断面斜視図である。
【図14】本発明の実施形態に係るシート材搬送装置を示した斜視図である。
【図15】本発明の実施形態に係るシート材搬送装置を示した斜視図である。
【図16】本発明の実施形態に係るシート材搬送装置に採用されたファンの風量を示した図面である。
【図17】本発明の実施形態に係るシート材搬送装置を示した側面図である。
【図18】本発明の実施形態に係る画像形成装置に採用された画像形成ユニットを示した概略構成図である。
【図19】本発明の実施形態に係る画像形成装置を示した概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施形態に係るシート材搬送装置及び画像形成装置の一例を図1〜図19に従って説明する。なお図中に示す矢印UPは鉛直方向上方を示す。
【0014】
(全体構成)
本実施形態に係る画像形成装置10は、フルカラー画像又は白黒画像を形成するものであり、図19に示されるように、水平方向一側(図19における左側)部分を構成する第1処理部が収容された第1筐体10Aと、第1筐体10Aと分割可能に接続され、水平方向他側(図19における右側)部分を構成する第2処理部が収容された第2筐体10Bとを備えている。
【0015】
第2筐体10Bの上部には、コンピュータ等の外部装置から送られてくる画像データに画像処理を施す画像信号処理部13が設けられている。
【0016】
一方、第1筐体10Aの上部には、第1特別色(V)、第2特別色(W)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各トナーを収容するトナーカートリッジ14V、14W、14Y、14M、14C、14Kが水平方向に沿って交換可能に設けられている。
【0017】
なお、第1特別色及び第2特別色としては、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック以外の色(透明を含む)から適宜選択される。また、以後の説明では、各構成部品について第1特別色(V)、第2特別色(W)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)を区別する場合は、数字の後にV、W、Y、M、C、Kのいずれかの英字を付して説明し、第1特別色(V)、第2特別色(W)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)を区別しない場合は、V、W、Y、M、C、Kを省略する。
【0018】
さらに、トナーカートリッジ14の下側には、各色のトナーに対応する6つの画像形成ユニット16が、各トナーカートリッジ14と対応するように水平方向に沿って設けられている。
【0019】
画像形成ユニット16毎に設けられた光走査装置40は、前述した画像信号処理部13によって画像処理を施された画像データを画像信号処理部13から受け取り、この画像データに応じて変調した光ビームLを後述の像保持体18へ照射するように構成されている(図18参照)。
【0020】
各画像形成ユニット16は、図18に示されるように、一方向(図18における時計回り方向)に回転駆動される像保持体18を備えている。各光走査装置40から各像保持体18へ光ビームLが照射されることにより、各像保持体18には静電潜像が形成される。
【0021】
各像保持体18の周囲には、像保持体18を帯電する帯電装置の一例としてのコロナ放電方式(非接触帯電方式)のスコロトロン帯電器20と、光走査装置40によって像保持体18に形成された静電潜像を現像剤で現像する現像装置22と、転写後の像保持体18に残留する現像剤を除去する除去部材としてのブレード24と、転写後の像保持体18に光を照射して除電を行う除電装置26とが設けられている。
【0022】
スコロトロン帯電器20、現像装置22、ブレード24、除電装置26は、像保持体18の表面と対向して、像保持体18の回転方向上流側から下流側へ向けてこの順番で配置されている。
【0023】
現像装置22は、トナーを含んだ現像剤Gを収容する現像剤収容部材22Aと、現像剤収容部材22Aに収容された現像剤Gを像保持体18に供給する現像ロール22Bとを含んで構成されている。現像剤収容部材22Aは、トナーカートリッジ14(図19参照)とトナー供給路(図示省略)を通して接続されており、トナーカートリッジ14からトナーが供給されるようになっている。
【0024】
図19に示されるように、各画像形成ユニット16の下側には、転写部32が設けられている。転写部32は、各像保持体18と接触する環状の中間転写ベルト34と、各像保持体18に形成されたトナー画像を中間転写ベルト34に多重転写させる一次転写部材としての一次転写ロール36とを含んで構成されている。
【0025】
中間転写ベルト34は、図示しないモータで駆動される駆動ロール38と、中間転写ベルト34に張力を付与する張力付与ロール41と、後述する二次転写ロール62に対向する対向ロール42と、複数の巻掛ロール44とに巻き掛けられており、駆動ロール38により、一方向(図19における反時計回り方向)に周回移動されるようになっている。
【0026】
各一次転写ロール36は、中間転写ベルト34を挟んでそれぞれの各画像形成ユニット16の像保持体18と対向配置されている。また、一次転写ロール36は、給電ユニット(図示省略)によって、トナー極性とは逆極性の転写バイアス電圧が印加されるようになっている。この構成により、像保持体18に形成されたトナー画像が中間転写ベルト34に転写されるようになっている。
【0027】
中間転写ベルト34を挟んで駆動ロール38の反対側には、ブレードを中間転写ベルト34に接触させて、中間転写ベルト34上の残留トナーや紙粉等を除去する除去装置46が設けられている。
【0028】
転写部32の下方には、シート材の一例である用紙等の記録媒体Pが収容される記録媒体収容部48が水平方向に沿って2個設けられている。
【0029】
各記録媒体収容部48は、第1筐体10Aから引き出し自在とされている。各記録媒体収容部48の一端側(図19における右側)の上方には、各記録媒体収容部48から記録媒体Pを搬送経路60へ送り出す送出ロール52が設けられている。
【0030】
各記録媒体収容部48内には、記録媒体Pが載せられる底板50が設けられている。この底板50は、記録媒体収容部48が第1筐体10Aから引き出されると、図示せぬ制御手段の指示によって下降するようになっている。底板50が下降することで、ユーザーが記録媒体Pを補充する空間が記録媒体収容部48に形成される。
【0031】
第1筐体10Aから引き出された記録媒体収容部48を第1筐体10Aに装着すると、底板50が、制御手段の指示によって上昇するようになっている。底板50が上昇することで、底板50に載せられた最上位の記録媒体Pと送出ロール52とが当るようになっている。
【0032】
送出ロール52の記録媒体搬送方向下流側(以下、単に「下流側」という場合がある)には、記録媒体収容部48から重なって送り出された記録媒体Pを1枚ずつに分離する分離ロール56が設けられている。分離ロール56の下流側には、記録媒体Pを搬送方向下流側に搬送する複数の搬送ロール54が設けられている。
【0033】
記録媒体収容部48と転写部32との間に設けられる搬送経路60は、記録媒体収容部48から送り出された記録媒体Pを第1折返部60Aで図19における左側に折り返し、さらに、第2折返部60Bで図19における右側に折り返すように、二次転写ロール62と対向ロール42との間の転写位置Tへ延びている。
【0034】
二次転写ロール62は、給電部(図示省略)によって、トナー極性とは逆極性の転写バイアス電圧が印加されるようになっている。この構成により中間転写ベルト34に多重転写された各色のトナー画像が、二次転写ロール62によって、搬送経路60に沿って搬送されてきた記録媒体Pに二次転写される構成となっている。
【0035】
搬送経路60の第2折返部60Bへ合流するように、第1筐体10Aの側面から延びる予備経路66が設けられている。第1筐体10Aに隣接して配置される別の記録媒体収容部(図示省略)から送り出された記録媒体Pが予備経路66を通って搬送経路60に入り込めるようになっている。
【0036】
転写位置Tの下流側には、トナー画像が転写された記録媒体Pを第2筐体10Bに向けて搬送する複数の搬送ベルト70が第1筐体10Aに設けられ、搬送ベルト70に搬送された記録媒体Pを下流側に搬送するシート材搬送装置80が第2筐体10Bに設けられている。
【0037】
複数の搬送ベルト70は、環状に形成されており、一対の巻掛ロール72に巻き掛けられている。一対の巻掛ロール72は、記録媒体Pの搬送方向上流側(以下、単に「上流側」という場合がある)と下流側とにそれぞれ配置されており、一方が回転駆動することにより、搬送ベルト70を一方向(図19における時計回り方向)に周回移動させる。
【0038】
そして、搬送ベルト70に対して記録媒体Pの搬送方向下流側に設けられるシート材搬送装置80が、記録媒体Pの表面に転写されたトナー画像を記録媒体Pに熱と圧力で定着させる定着手段の一例としての定着ユニット82へ記録媒体Pを搬送するようになっている。
【0039】
定着ユニット82は、定着ベルト84と、定着ベルト84に対して下側から接触するように配置された加圧ロール88と、を備えている。定着ベルト84と加圧ロール88との間には、記録媒体Pを加圧加熱してトナー画像を定着させる定着部Nが形成されている。
【0040】
定着ベルト84は、環状に形成されており、駆動ロール89及び従動ロール90に巻き掛けられている。駆動ロール89は、加圧ロール88に対して上側から対向しており、従動ロール90は、駆動ロール89よりも上側に配置されている。
【0041】
駆動ロール89及び従動ロール90は、それぞれに、ハロゲンヒータ等の加熱部が内蔵されている。これにより、定着ベルト84が加熱される。
【0042】
図19に示されるように、定着ユニット82に対して記録媒体Pの搬送方向下流側には、定着ユニット82から送り出された記録媒体Pを搬送するシート材搬送装置108が設けられている。
【0043】
なお、シート材搬送装置80及びシート材搬送装置108については詳細を後述する。
【0044】
シート材搬送装置108の下流側には、定着ユニット82によって加熱された記録媒体Pを冷却する冷却ユニット110が設けられている。
【0045】
冷却ユニット110は、記録媒体Pの熱を吸収する吸収装置112と、記録媒体Pを吸収装置112に押し付ける押付装置114とを備えている。吸収装置112は、搬送経路60に対する一方側(図19における上側)に配置され、押付装置114は、他方側(図19における下側)に配置されている。
【0046】
吸収装置112は、記録媒体Pと接触し、記録媒体Pの熱を吸収する環状の吸収ベルト116を備えている。吸収ベルト116は、吸収ベルト116へ駆動力を伝達する駆動ロール120と、複数の巻掛ロール118とに巻き掛けられている。
【0047】
吸収ベルト116の内周側には、吸収ベルト116と面状に接触して吸収ベルト116が吸収した熱を放熱させるアルミニウム材料で形成されたヒートシンク122が設けられている。
【0048】
さらに、ヒートシンク122から熱を奪い熱気を外部へ排出させるためのファン128が、第2筐体10Bの裏側(図19に示す紙面奥側)に配置されている。
【0049】
記録媒体Pを吸収装置112に押し付ける押付装置114は、記録媒体Pを吸収ベルト116へ押し付けながら記録媒体Pを搬送する環状の押付ベルト130を備えている。押付ベルト130は、複数の巻掛ロール132に巻き掛けられている。
【0050】
冷却ユニット110の下流側には、記録媒体Pを挟んで搬送し、記録媒体Pの湾曲(カール)を矯正する矯正装置140が設けられている。
【0051】
矯正装置140の下流側には、記録媒体Pに定着されたトナー画像のトナー濃度欠陥、画像欠陥、画像位置欠陥等を検出する検出装置180が設けられている。
【0052】
検出装置180では、光源から記録媒体Pへ出射され、記録媒体Pによって上方に反射された反射光をCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ等の検出素子で検出することにより、トナー濃度欠陥、画像欠陥、画像位置欠陥等を検出するようになっている。
【0053】
検出装置180の下流側には、片面に画像が形成された記録媒体Pを第2筐体10Bの側面に取り付けられた排出部196に排出する排出ロール198が設けられている。
【0054】
一方、両面に画像を形成させる場合は、検出装置180から送出された記録媒体Pは、検出装置180の下流側に設けられた反転経路202に搬送されるようになっている。
【0055】
反転経路202には、搬送経路60から分岐する分岐パス202Aと、分岐パス202Aに沿って搬送される記録媒体Pを第1筐体10A側に向けて搬送する用紙搬送パス202Bと、用紙搬送パス202Bに沿って搬送される記録媒体Pを逆方向に向けて折返してスイッチバック搬送させて表裏を反転させる反転パス202Cが設けられている。
【0056】
この構成により、反転パス202Cでスイッチバック搬送された記録媒体Pは、第1筐体10Aに向けて搬送され、さらに、記録媒体収容部48の上方に設けられた搬送経路60に入り込み、転写位置Tへ再度送り込まれるようになっている。
【0057】
次に、画像形成装置10の画像形成工程について説明する。
【0058】
画像信号処理部13で画像処理が施された画像データが、各光走査装置40に送られる。各光走査装置40では、画像データに応じて各光ビームLを出射して、スコロトロン帯電器20によって帯電した各像保持体18に露光し、静電潜像が形成される。
【0059】
図18に示されるように、像保持体18に形成された静電潜像は、現像装置22によって現像され、第1特別色(V)、第2特別色(W)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のトナー画像が形成される。
【0060】
図19に示されるように、各画像形成ユニット16V、16W、16Y、16M、16C、16Kの感光体28に形成された各色のトナー画像は、6つの一次転写ロール36V、36W、36Y、36M、36C、36Kによって中間転写ベルト34に順次多重転写される。
【0061】
中間転写ベルト34に多重転写された各色のトナー画像は、二次転写ロール62によって、記録媒体収容部48から搬送されてきた記録媒体P上に二次転写される。トナー画像が転写された記録媒体Pは、搬送ベルト70によって第2筐体10Bの内部に設けられた定着ユニット82に向けて搬送される。
【0062】
記録媒体P上の各色のトナー画像が定着ユニット82により加熱・加圧されることで記録媒体Pに定着する。さらに、トナー画像が定着された記録媒体Pは、冷却ユニット110を通過して冷却された後、矯正装置140に送り込まれ、記録媒体Pに生じた湾曲が矯正される。
【0063】
湾曲が矯正された記録媒体Pは、検出装置180によって画像欠陥等が検出された後、排出ロール198によって排出部196に排出される。
【0064】
一方、画像が形成されていない非画像面に画像を形成させる場合(両面印刷の場合)は、検出装置180を通過後に、記録媒体Pが反転経路202で反転され、記録媒体収容部48の上方に設けられた搬送経路60に送り込まれて、前述した手順で裏面にトナー画像が形成される。
【0065】
なお、本実施形態に係る画像形成装置10では、第1特別色及び第2特別色の画像を形成するための部品(画像形成ユニット16V・16W、光走査装置40V・40W、トナーカートリッジ14V・14W、一次転写ロール36V・36W)は、ユーザーの選択により、追加部品として第1筐体10Aに装着可能に構成されている。従って、画像形成装置10としては、第1特別色及び第2特別色の画像を形成するための部品を有さない構成、第1特別色及び第2特別色のうちいずれか1色の画像を形成するための部品のみを有する構成としてもよい。
【0066】
(要部構成)
次ぎに、定着ユニット82の上流側に配置されるシート材搬送装置80ついて説明する。
【0067】
図14、図17に示されるように、シート材搬送装置80は、回転駆動される駆動部材の一例としてのドライブロール302と、ドライブロール302の下流側に設けられ、回転可能に支持された従動部材の一例としての従動ロール304と、ドライブロール302と従動ロール304とに巻き掛けられた4つの無端ベルト306と、無端ベルト306の内周面側に配置され、上流側で従動ロール304を支持すると共に、内部が空洞とされた風道部材308と、を含んで構成されている。つまり、無端ベルト306を周回させる回転部材は、ドライブロール302と、従動ロール304とで構成され、ドライブロール302が回転駆動することで無端ベルト306は周回し、従動ロール304が周回する無端ベルト306に接して従動回転するようになっている。
【0068】
詳細には、無端ベルト306の内周面を支持する従動ロール304は樹脂材料で成形され、無端ベルト306の内周面を支持するドライブロール302の外周部は、ゴム材料で形成されている。
【0069】
また、無端ベルト306の下側には、風道部材308に固定されたブラケット311に支持された駆動源の一例としてのモータ310と、風道部材308に固定されたブラケット313及びモータ310の出力軸310Aに支持されたギア列312が設けられている。そして、ドライブロール302の一端部には、モータ310の出力軸310Aからギア列312を介して駆動力が伝達されるギア314が備えられている。
【0070】
さらに、図17に示されるように、モータ310の駆動を制御する第1制御手段の一例としての制御部316が設けられ、制御部316は、記録媒体P(シート材)に画像を形成する画像形成時にモータ310を駆動させると共に、記録媒体P(シート材)に画像を形成しない非画像形成時(待機中)にもモータ310を駆動させ、無端ベルト306を周回させるようになっている。
【0071】
また、図14に示されるように、内部が空洞とされた風道部材308の一端には、略円形状の開口部308Aが設けられ、この開口部308Aは、装置本体に設けられた空気を吸い込む吸込部材の一例としてのファン326の空気吸込み口(図示省略)に取り付けられるようになっている。
【0072】
さらに、無端ベルト306を挟んで搬送される記録媒体Pの反対側に設けられる風道部材308の上面には、複数個の開口孔(図示省略)が設けられており、装置本体に設けられたファン326を稼動させると風道部材308の上面に設けられた開口孔から空気が風道部材308の内部に吸い込まれるようになっている。
【0073】
そして、ファン326の稼動を制御する第2制御手段の一例としての制御部328が設けられ、制御部328は、記録媒体P(シート材)に画像を形成する画像形成時にファン326を稼動させると共に、記録媒体Pに画像を形成しない非画像形成時(待機中)にもファン326を稼動させ、風道部材308の上面に設けられた開口孔から空気が風道部材308の内部に吸い込まれるようになっている。
【0074】
また、図7(A)に示されるように、無端ベルト306は、樹脂材料(本実施形態では、ポリエステル樹脂)で成形された繊維306Aを網目状に織った帯材を環状として形成されている。そして、繊維306Aの織り方向は、記録媒体搬送方向(図7に示す矢印A方向)に対して互いに線対称となるように斜めとされている。
【0075】
このように、記録媒体搬送方向に対して繊維306Aの織り方向を斜めにすることで、図7(B)に示されるように、無端ベルト306は、記録媒体搬送方向に対して伸縮可能とされている。また、無端ベルト306を網目状とすることで、無端ベルト306の外周側の空気を網目状の孔部306B(網目)から風道部材308内に吸い込む吸込力は、無端ベルト306の外周面でむらにならないようになっている。
【0076】
さらに、この無端ベルト306の外周面には、表面処理(本実施形態では、表面処理に用いられる材質はウレタン樹脂とされている)が施されており、搬送される記録媒体Pとの摩擦係数が内周面と比べて高められている。なお、表面処理が内周面に付着しないように外周面だけに表面処理を施すようになっている。
【0077】
また、図14、図17に示されるように、無端ベルト306の下流側には、無端ベルト306によって搬送された記録媒体Pを定着ユニット82へ案内する板状の案内部材318が設けられている。さらに、案内部材318の先端部(下流側端部)には、搬送される記録媒体Pを除電する除電ブラシ320が設けられている。
【0078】
また、図15に示されるように、無端ベルト306の下側には、無端ベルト306の外周面と接して従動回転するクリーニングロール322が設けられており、無端ベルト306の外周面は、クリーニングロール322によってクリーニングされるようになっている。
【0079】
さらに、風道部材308の下面(記録媒体Pを搬送しない面側)には、無端ベルト306の端部と当って、記録媒体搬送方向と直交する直交方向(スラスト方向)における無端ベルト306の移動を規制する規制部材324が風道部材308の下面から突出するように設けられている。
【0080】
次ぎに、定着ユニット82の下流側に配置されるシート材搬送装置108ついて説明する。
【0081】
図1、図4に示されるように、シート材搬送装置108は、回転駆動される駆動部材の一例としてのドライブロール330と、ドライブロール330の上流側に設けられ、回転可能に支持された従動部材の一例としての従動ロール332と、ドライブロール330と従動ロール332とに巻き掛けられた2つの無端ベルト334と、を含んで構成されている。
【0082】
さらに、ドライブロール330と従動ロール332との間には、周回する無端ベルト334の内周面と接して従動回転すると共に、無端ベルト334の上面(記録媒体Pを搬送する面)を上方に持ち上げて記録媒体Pの突入領域334Cを傾斜させる従動ロール336が設けられている。
【0083】
つまり、突入領域334Cを設けることで、搬送される記録媒体Pの搬送面が下流側に行くに従って、徐々に無端ベルト334の上面に近づくように、上流側の無端ベルト334の上面が定着ユニット82から送り出される記録媒体Pの搬送方向に対して傾斜している。
【0084】
また、2つの無端ベルト334の間には、ドライブロール330と従動ロール336とに巻き掛けられた無端ベルト338が設けられている。そして、無端ベルト338の記録媒体Pを搬送する搬送面の長さは、無端ベルト334の記録媒体Pを搬送する搬送面の長さより短くされている。つまり、無端ベルト334、338を周回させる回転部材は、ドライブロール330と、従動ロール332、336とで構成されている。なお、無端ベルト338の幅方向(記録媒体搬送方向に対して直交する直交方向)の寸法は、無端ベルト334の幅方向の寸法より小さくされている。
【0085】
さらに、無端ベルト334及び無端ベルト338の内周面側には、内部が空洞とされた風道部材340が設けられている。
【0086】
ここで、図1、図4に示されるように、無端ベルト334、338の内周面を支持する従動ロール332、336は、樹脂材料で成形され、無端ベルト334、338の内周面を支持するドライブロール330の外周部は、ゴム材料で形成されている。また、ドライブロール330の一端部には、シート材搬送装置108によって記録媒体Pが搬送される搬送速度が、定着ユニット82(図17参照)によって記録媒体Pが搬送される搬送速度にならうように、駆動源の一例としてのモータ344の駆動力の伝達を制限する駆動力制限手段の一例としての駆動力制限部材342(例えばトルクリミッタ)が設けられている。また、この駆動力制限部材342には、風道部材340の下側に設けられたモータ344の出力軸344Aからギア列346及び駆動力伝達ベルト348を介して駆動力が伝達されるプーリ350が取り付けられている。
【0087】
さらに、駆動力伝達ベルト348の外周面を押圧して、駆動力伝達ベルト348に張力を付与する張力付与ロール352が設けられている。また、このモータ344は、パルス電圧に同期して動作するステッピングモータとされている。なお、本実施例では、駆動力制限部材342の設定値は、モータ負荷トルク及び記録媒体Pの波打ち等を考慮して150〔mN・m〕とされている。
【0088】
また、モータ344の駆動を制御する制御手段の一例としての制御部378が設けられ、制御部378は、記録媒体Pを搬送する定着ユニット82の設定速度(ローラの周速度)に対して、記録媒体Pを搬送するシート材搬送装置108の設定速度(ベルトの周速度)が0.5%速くなるようにモータ344の駆動を制御している。
【0089】
また、無端ベルト334、338の内周面側に配置される風道部材340は、従動ロール336の上流側に配置された上流側風道部材354と従動ロール336の下流側に配置された下流側風道部材356とで構成されている。
【0090】
図2には、一方の無端ベルト334を取り外した状態のシート材搬送装置108が記載されている。図2に示されるように、無端ベルト334を挟んで搬送される記録媒体Pの反対側に配置される上流側風道部材354の上面には、複数個の開口部358が設けられている。同様に、下流側風道部材356の上面には、複数個の開口部360が設けられている。
【0091】
図8に示されるように、開口部358及び開口部360を設ける位置は、記録媒体Pの大きさに関わらず、記録媒体Pを弛み無く無端ベルト334、338の上面に吸い付けられるように決められている。
【0092】
また、図2に示されるように、上流側風道部材354の上流側の端部には、前述した従動ロール332を支持する凹部362が設けられ、下流側風道部材356の上流側の端部には、前述した従動ロール336を支持する凹部364が設けられている。
【0093】
さらに、図11、図12に示されるように、下流側風道部材356の内部には、内部を上下に仕切る整流板366が設けられ、この整流板366には、整流板366によって仕切られた上部空間368と下部空間370とを繋げると共に、記録媒体搬送方向と直交する直交方向に延びる長孔372(スリット)が設けられている。さらに、図9、図10に示されるように、上部空間368は、複数の隔壁部材381によって複数に分割されている。
【0094】
また、図11、図12に示されるように、下流側風道部材356には、板状の整流板366が設けられ、この整流板366によって下流側風道部材356の内部は、上部空間368と下部空間370に仕切られている。そして、整流板366には、上部空間368と下部空間370とを繋げる長孔372が形成されている。
【0095】
さらに、図9、図10、図11、図12に示されるように、無端ベルト334の下面を挟んで風道部材340の下側には、内部が空洞とされた支持部材380が設けられている。詳細には、支持部材380は内部が空洞とされ、支持部材380には、記録媒体搬送方向と直交する直交方向に並んだ2個の空間382が設けられている。そして、支持部材380の2個の空間382の間には、上方が開放された凹部384が設けられている。
【0096】
また、支持部材380の上面の外側(軸方向端部側、図6参照)には、空間382が開放される開口部386が設けられている。これに対し、開口部386と上下方向に対向する下流側風道部材356の下面には、下部空間370を開放する開口部388が設けられ、開口部386及び開口部388を介して空間382と下部空間370とが繋がるようになっている。
【0097】
さらに、支持部材380の下面には、夫々の空間382と対応するように、空間382内の空気を吸い込む吸込部材の一例としてのファン390(図5参照)が設けられている。
【0098】
図9、図10、図11、図12、図13に示されるように、このファン390を稼動させることで、上流側風道部材354の上面の空気は、開口部358(図2参照)を通って上流空間374に入り、さらに、開口孔376を通って下部空間370に入り、開口部386及び開口部388を通って空間382に入り、ファン390に吸い込まれて外部に排出されるようになっている。
【0099】
また、下流側風道部材356の上面の空気は、開口部360(図2参照)を通って上部空間368に入り、さらに、整流板366に設けられた長孔372を通って下部空間370に入り、開口部386及び開口部388を通って空間382に入り、ファン390に吸い込まれて外部に排出されるようになっている。これにより、記録媒体Pが、無端ベルト334、338の外周面に吸着されるようになっている。
【0100】
そして、整流板366に設けられた長孔372の形状を調整することで、上流側風道部材354の上面に生じる吸着力が、下流側風道部材356の上面に生じる吸着力より大きくなるように設定されている。
【0101】
さらに、ファン390の風量を制御する制御手段の一例としての制御部392が設けられている。図16に示されるように、記録媒体Pが用紙である場合には、制御部392は、用紙の坪量に関わらず、ファン390の吸込力を一定とする、又は、用紙の坪量が小さいときには、用紙の坪量が大きいときに比べ、ファン390の吸込力(風量)を強くするようになっている。なお、図16に示す風量の数値が大きい程、吸込力(風量)が強くなる。
【0102】
また、制御部392は、記録媒体Pが普通紙又はコート紙に関わらず、ファン390の吸込力を一定とする、又は、記録媒体Pが普通紙のときには、記録媒体Pがコート紙のときに比べ、ファン390の吸込力を強くするようになっている。
【0103】
なお、記録媒体Pの坪量や紙種は、ユーザーが入力することで、判別されるようになっている。
【0104】
また、図7(A)に示されるように、無端ベルト334、338は、樹脂材料(本実施形態では、ポリエステル樹脂)で成形された繊維334A、338Aを網目状に織った帯材を環状として形成されている。
【0105】
そして、無端ベルト334、338の繊維334A、338Aの織り方向は、記録媒体搬送方向(図7に示す矢印A方向)に対して互いに線対称となるように斜めとされている。
【0106】
このように、記録媒体搬送方向に対して繊維334A、338Aの織り方向を斜めにすることで、図7(B)に示されるように、無端ベルト334、338は、記録媒体搬送方向に対して伸縮可能とされている。また、無端ベルト334を網目状とすることで、ファン390を稼動させることで無端ベルト334、338の外周側の空気を網目状の孔部334B、338B(網目)から風道部材340内に吸い込む吸込力は、無端ベルト334、338の外周面でむらにならないようになっている。
【0107】
さらに、この無端ベルト334、338の外周面には、表面処理(本実施形態では、表面処理に用いられる材質はウレタン樹脂とされている)が施されており、搬送される記録媒体Pとの摩擦係数が高められている。なお、表面処理が内周面に付着しないように外周面だけに表面処理を施すようになっている。
【0108】
図6には、風道部材340を、ドライブロール330を中心に回転移動させた状態のシート材搬送装置108が示されている。図6に示されるように、上流側風道部材354の下面(記録媒体Pを搬送しない面側)には、無端ベルト334の端部と当って、記録媒体搬送方向と直交する直交方向(スラスト方向)における無端ベルト334の移動を規制する規制部材394が突出して設けられている。
【0109】
また、下流側風道部材356の下面には、無端ベルト338に張力を付与する張力付与ロール396が下流側風道部材356の下面から突出するように設けられ、支持部材380に設けられた凹部384に納まるようになっている。
【0110】
さらに、図1、図3に示されるように、2枚の無端ベルト334の間であって、無端ベルト338の上流側(従動ロール336とドライブロール330の間)の上流側風道部材354の上面には、搬送される記録媒体Pを検知する検知部材398が設けられている。
【0111】
また、無端ベルト334、338の下流側には、無端ベルト334、338によって搬送された記録媒体Pを冷却ユニット(図19参照)へ案内する板状の案内部材400が設けられている。
【0112】
(作用)
図17、図19に示されるように、中間転写ベルト34に多重転写された各色のトナー画像は、二次転写ロール62によって、搬送される記録媒体P上に二次転写される。トナー画像が転写された記録媒体Pは、搬送ベルト70により搬送され、定着ユニット82の上流側に配置されたシート材搬送装置80に送られる。
【0113】
図14、図17に示されるように、シート材搬送装置80の制御部316が、モータ310を駆動させることにより、ドライブロール302が回転駆動する。ドライブロール302が回転駆動することで無端ベルト306は周回し、従動ロール304が、周回する無端ベルト306に接して従動回転する。
【0114】
さらに、制御部328がファン326を稼動させ、ファン326は、風道部材308内の空気を外部へ吸い出し、風道部材308の上面に設けられた複数個の開口孔から空気が風道部材308の内部に吸い込まれる。複数個の開口孔から空気が風道部材308の内部に吸い込まれると、無端ベルト306の外周側の空気は、無端ベルト306の網目状の孔部306Bから風道部材308内に吸い込まれ、搬送ベルト70から送られてきた記録媒体Pは、周回する無端ベルト306に吸着されながら搬送される。
【0115】
周回する無端ベルト306に吸着されて搬送される記録媒体Pは、板状の案内部材318によって除電ブラシ320に触れてから定着ユニット82に向けて案内される。
【0116】
定着ユニット82は、記録媒体Pの表面に転写されたトナー画像を記録媒体Pに熱と圧力で定着させた後、シート材搬送装置108に向けて記録媒体Pを搬送する。
【0117】
図4、図17に示されるように、シート材搬送装置108の制御部378が、モータ344を駆動させることにより、ドライブロール330が回転駆動する。ドライブロール330が回転駆動することで無端ベルト334、338は周回し、従動ロール332、336が、周回する無端ベルト334、338に接して従動回転する。
【0118】
さらに、図9に示されるように、制御部392は、ファン390を稼動し、ファン390は、風道部材340内の空気を空間382を通して外部へ吸い出し、これにより、風道部材340の上面に設けられた開口部358、360(図2参照)から空気が風道部材340の内部に吸い込まれる。
【0119】
詳細には、図9、図10、図11、図12、図13に示されるように、ファン390を稼動させることで、上流側風道部材354の上面の空気は、開口部358(図2参照)を通って上流空間374に入り、さらに、開口孔376を通って下部空間370に入り、開口部386及び開口部388を通って空間382に入り、ファン390に吸い込まれて外部に排出される。
【0120】
また、下流側風道部材356の上面の空気は、開口部360(図2参照)を通って上部空間368に入り、さらに、整流板366に設けられた長孔372を通って下部空間370に入り、開口部386及び開口部388を通って空間382に入り、ファン390に吸い込まれて外部に排出される。
【0121】
開口部358、360(図2参照)から空気が風道部材340の内部に吸い込まれると、無端ベルトの外周側の空気は、無端ベルト334、338の網目状の孔部334B、338Bから風道部材308内に吸い込まれる。これにより、搬送されて来る記録媒体Pは、無端ベルト334、338の外周面に吸着される。
【0122】
定着ユニット82によって送り出された記録媒体Pの搬送面が下流側に行くに従って、徐々に無端ベルト334の上面に近づき、記録媒体Pは、上流側風道部材354の上面に生じた吸着力によって、周回する無端ベルト334に吸着される。そして、検知部材398が、搬送される記録媒体Pを検知し、記録媒体Pは、網目状とされた無端ベルト334、338に吸着されながら搬送される。
【0123】
ここで、前述したように、記録媒体Pが用紙である場合には、制御部392は、用紙の坪量に関わらず、ファン390の吸込力を一定とする、又は、用紙の坪量が小さいときには、用紙の坪量が大きいときに比べ、ファン390の吸込力を強くするようになっている。このように、ファン390の吸込力を制御することで、カールし易い坪量の小さい記録媒体Pでも、無端ベルト334の外周面に吸着される。
【0124】
また、無端ベルト334の外周面に記録媒体Pが吸着されることで、記録媒体Pの搬送性能が向上する。
【0125】
また、制御部392は、記録媒体Pが普通紙又はコート紙に関わらず、ファン390の吸込力を一定とする、又は、記録媒体Pが普通紙のときには、記録媒体Pがコート紙のときに比べ、ファン390の吸込力を強くするようになっている。このように、ファン390の吸込力を制御することで、画質を低下させることなく記録媒体Pが搬送される。
【0126】
なお、本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能であることは当業者にとって明らかである。例えば、上記実施形態では、用紙の坪量に基づいてファン390の吸込力を調整したが、用紙サイズ等によってファン390の吸込力を調整してもよい。
【0127】
また、上記実施形態では、制御部316、制御部328、制御部378、制御部392を別個に設けたが、夫々の制御を一つの制御部で行ってもよい。
【符号の説明】
【0128】
10 画像形成装置
82 定着ユニット(定着手段)
108 シート材搬送装置
330 ドライブロール(回転部材)
332 従動ロール(回転部材)
334 無端ベルト
334B 孔部
336 従動ロール(回転部材)
338 無端ベルト
338B 孔部
340 風道部材
390 ファン(吸引部材)
392 制御部(制御手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナー画像が形成されたシート材を加熱及び加圧して、前記トナー画像をシート材に定着させる定着手段と、
複数個の孔部が設けられる帯材で形成された無端ベルトと、前記無端ベルトの内周面側に設けられ、空気を吸い込む吸込部材によって生じた空気流で前記無端ベルトの外周面にシート材を吸着させる風道部材と、回転して前記無端ベルトを周回させる回転部材と、シート部材の坪量に関わらず、前記吸込部材の吸込力を一定とする、又は、シート材の坪量が小さいときには、シート材の坪量が大きいときに比べ、前記吸込部材の吸込力を強くするように前記吸込部材の吸込力を制御する制御手段と、を含んで構成され、前記定着手段に対してシート材搬送方向の下流側に配置されるシート材搬送装置と、
を備える画像形成装置。
【請求項2】
前記制御手段は、シート材が普通紙又はコート紙に関わらず、前記吸込部材の吸込力を一定とする、又は、シート材が普通紙のときには、シート材がコート紙のときに比べ、前記吸込部材の吸込力を強くする請求項1に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2011−123258(P2011−123258A)
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−280386(P2009−280386)
【出願日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】