説明

画像形成装置

【課題】印刷と送信といった多出力の予約を同時に行う。
【解決手段】原稿の画像情報を読み取る読取手段と、画像データを印刷する印刷手段、画像データを送信する送信手段、画像データを蓄積する蓄積手段を含む、画像データを出力する複数出力手段と、ユーザからの動作設定を入力する操作手段と、 画像形成装置の動作設定を表示する表示制御手段と、出力実行中に画像形成装置の出力設定を表示する出力設定表示手段と、出力実行中に次のジョブの予約要求がされると、表示画面を次の出力要求の動作設定を入力可能な表示画面に切り替え、次の予約の動作設定を入力可能とする予約動作入力手段と、ジョブの実行管理と複数のジョブが実行される際の実行順管理を行う要求管理手段と、入力と出力を組み合わせたジョブの実行制御を行うジョブ制御手段とを備え、多出力の予約を可能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、MFP(Multi Function Printer)等の画像形成装置の制御技術に関する。
【背景技術】
【0002】
印刷と送信を行うことができる画像形成装置が既に知られている。かかる画像形成装置では、印刷実行中に次に行いたい印刷の予約をすることができ、実行中の印刷が終了すると予約した印刷が実行する。同様に、送信実行中に次に行いたい送信の予約をすることができ、実行中の送信が終了すると予約した送信が実行する。
【0003】
特許文献1には、コピーの印刷実行中に次に行いたいコピーの印刷を予約することができる画像形成装置が開示され、この画像形成装置は、次に行いたいコピーの動作設定を入力可能にする画面と、予約したコピーの印刷を印刷実行中のジョブが終了した後に実行するように制御する構成とが示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したように、印刷と送信といった出力についてそれぞれ予約を行うことができる画像形成装置が提案されている。しかし、従来の画像形成装置では、印刷と送信の多出力の予約を同時に行うことができず、印刷の予約と送信の予約とで計2回の操作を行う必要があった。そのため、操作が煩雑であるという問題があった。
【0005】
本発明は上記の従来の問題点に鑑み提案されたものであり、その目的とするところは、印刷と送信といった多出力の予約を同時に行うことのできる画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するため、本発明にあっては、請求項1に記載されるように、原稿の画像情報を読み取る読取手段と、画像データを印刷する印刷手段、画像データを送信する送信手段、画像データを蓄積する蓄積手段を含む、画像データを出力する複数出力手段と、ユーザからの動作設定を入力する操作手段と、 画像形成装置の動作設定を表示する表示制御手段と、出力実行中に画像形成装置の出力設定を表示する出力設定表示手段と、出力実行中に次のジョブの予約要求がされると、表示画面を次の出力要求の動作設定を入力可能な表示画面に切り替え、次の予約の動作設定を入力可能とする予約動作入力手段と、ジョブの実行管理と複数のジョブが実行される際の実行順管理を行う要求管理手段と、入力と出力を組み合わせたジョブの実行制御を行うジョブ制御手段とを備え、多出力の予約を可能とする画像形成装置を要旨としている。
【0007】
また、請求項2に記載されるように、請求項1に記載の画像形成装置において、予約したジョブの出力設定を表示する予約ジョブ出力設定表示手段を更に備えるようにすることができる。
【0008】
また、請求項3に記載されるように、請求項1または2のいずれか一項に記載の画像形成装置において、予約したジョブの削除を行う予約ジョブ削除手段を更に備えるようにすることができる。
【0009】
また、請求項4に記載されるように、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の画像形成装置において、予約したジョブの出力設定の変更を行う予約ジョブ設定変更手段を更に備えるようにすることができる。
【0010】
また、請求項5に記載されるように、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の画像形成装置において、予約した多出力のジョブの出力先を個別に削除する個別出力削除手段を更に備え、出力先を削除した際に、前記要求管理手段および前記ジョブ制御手段は、出力先を削除したジョブより実行順の早い予約ジョブの出力と出力先を削除したジョブの残った出力に同じものがないときに出力先を削除したジョブの実行を行うようにすることができる。
【0011】
また、請求項6に記載されるように、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の画像形成装置において、予約した多出力のジョブの出力先を個別に追加する予約ジョブの個別出力追加手段を更に備えるようにすることができる。
【0012】
また、請求項7に記載されるように、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の画像形成装置において、予約した多出力のジョブの出力先を個別に変更する予約ジョブの個別出力変更手段を更に備え、出力先を変更した際に、前記要求管理手段および前記ジョブ制御手段は、出力先を変更したジョブより実行順の早い予約ジョブの出力と出力先を変更したジョブの出力に同じものがないときに出力先を削除したジョブの実行を行うようにすることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の画像形成装置にあっては、印刷と送信といった多出力の予約を同時に行うことができ、印刷と送信といった複数の出力の予約を1回の操作で行うことができるので、手間を省くことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態にかかる画像形成装置のハードウェア構成例を示す図である。
【図2】本発明の一実施形態にかかる画像形成装置のソフトウェア構成例を示す図である。
【図3】制御動作に用いられるジョブ実行順管理テーブルおよび利用機能テーブルの例を示す図である。
【図4A】実施形態の基本的な処理例を示すシーケンス図(その1)である。
【図4B】実施形態の基本的な処理例を示すシーケンス図(その2)である。
【図4C】実施形態の基本的な処理例を示すシーケンス図(その3)である。
【図5A】表示部(操作部兼用)に表示される設定画面の例を示す図(その1)である。
【図5B】表示部(操作部兼用)に表示される設定画面の例を示す図(その2)である。
【図5C】表示部(操作部兼用)に表示される設定画面の例を示す図(その3)である。
【図6A】利用機能テーブルの例を示す図(その1)である。
【図6B】利用機能テーブルの例を示す図(その2)である。
【図6C】利用機能テーブルの例を示す図(その3)である。
【図6D】利用機能テーブルの例を示す図(その4)である。
【図7A】ジョブ実行順管理テーブルの例を示す図(その1)である。
【図7B】ジョブ実行順管理テーブルの例を示す図(その2)である。
【図8】他の実施形態における画像形成装置の構成例を示す図である。
【図9A】表示部に表示される他の画面の例を示す図(その1)である。
【図9B】表示部に表示される他の画面の例を示す図(その2)である。
【図9C】表示部に表示される他の画面の例を示す図(その3)である。
【図9D】表示部に表示される他の画面の例を示す図(その4)である。
【図10A】個別出力の削除を伴う処理例を示すシーケンス図(その1)である。
【図10B】個別出力の削除を伴う処理例を示すシーケンス図(その2)である。
【図10C】個別出力の削除を伴う処理例を示すシーケンス図(その3)である。
【図11A】個別出力の追加を伴う処理例を示すシーケンス図(その1)である。
【図11B】個別出力の追加を伴う処理例を示すシーケンス図(その2)である。
【図12】表示部に表示される他の画面の例を示す図(その5)である。
【図13A】個別出力の変更を伴う処理例を示すシーケンス図(その1)である。
【図13B】個別出力の変更を伴う処理例を示すシーケンス図(その2)である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の好適な実施形態につき説明する。
【0016】
<第1の実施形態:構成>
図1は本発明の一実施形態にかかる画像形成装置1のハードウェア構成例を示す図である。
【0017】
図1において、画像形成装置1は、バス102に接続されたCPU(Central Processing Unit)103、記憶装置104、ネットワークI/F(Interface)105および外部メディアI/F106を含むコントローラ101を備えている。
【0018】
コントローラ101は画像形成装置1の主たる制御動作を行う部分である。CPU103は、コンピュータプログラムの実行により所定の制御処理を行う部分である。記憶装置104は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)等のデータ記憶媒体である。ネットワークI/F105は、PC(Personal Computer)等の外部機器22との間でデータ通信を行う部分である。外部メディアI/F106は、フラッシュメモリ等の外部メディア23との間でデータの読み書きを行う部分である。
【0019】
また、画像形成装置1は、コントローラ101のバス102に接続された操作部107、表示部108、プロッタデバイス109、スキャナデバイス110およびFAXデバイス111を備えている。操作部107は、ユーザにより操作されるボタンおよびタッチパネルを含む。表示部108は、液晶パネル等により構成され、画像形成装置1の設定内容や状態を表示する部分である。プロッタデバイス109は、用紙への印字を行う部分である。スキャナデバイス110は、原稿の読み取りを行う部分である。FAXデバイス111は、電話回線を介してFAX専用機等の外部機器21との間でファクシミリ送受信を行う部分である。
【0020】
図2は本発明の一実施形態にかかる画像形成装置1のソフトウェア構成例を示す図である。
【0021】
図2において、画像形成装置1は、共通の制御部として、表示制御部121、要求管理部122、実行順制御部123、ジョブ制御部124および出力順制御部125を備えている。
【0022】
表示制御部121は、操作部107(図1)のキー押下情報を受け、表示部108への画面の表示、画面の遷移、要求管理部122への実行指示を行う機能を有している。
【0023】
要求管理部122は、ジョブ単位の実行管理を行う部分であり、内部機能の一つとして実行順制御部123を有している。実行順制御部123は、複数のジョブが実行される際の実行順管理を行う機能を有している。
【0024】
ジョブ制御部124は、入力と出力を組み合わせたジョブの実行制御を行う部分であり、内部機能の一つとして出力順制御部125を有している。出力順制御部125は、複数の出力の順序制御を行う機能を有している。
【0025】
また、入力群として、FAX受信制御部126、読み取り制御部127、PC受信制御部128および文書読み出し制御部129を有している。
【0026】
FAX受信制御部126は、外部機器21(図1)より電話回線を利用して送られてくるデータを解析し、画像形成装置1内で取り扱い可能な形の画像データを生成する画像入力機能を提供する。
【0027】
読み取り制御部127は、画像形成装置1内のスキャナデバイス110を制御することで原稿を読み取り、画像形成装置1内で取り扱い可能な形で画像データを生成する画像入力機能を提供する。
【0028】
PC受信制御部128は、ネットワークで送られてくるPCからのデータを解析し、画像形成装置1内で取り扱い可能な形の画像データを生成する画像入力機能を提供する。
【0029】
文書読み出し制御部129は、画像形成装置1内の記憶装置104やSDカード等の外部メディア23に保管文書として記憶されている画像データを、画像形成装置1内で取り扱い可能な形の画像データに変換する画像入力機能を提供する。
【0030】
また、出力群として、印刷制御部130、FAX送信制御部131、文書蓄積制御部132およびメール送信制御部133を有している。
【0031】
印刷制御部130は、画像形成装置1内のプロッタデバイス109を制御することで、画像形成装置1内で加工された画像データを紙などの媒体に転写することによって機器外に出力する画像出力機能を提供する。
【0032】
FAX送信制御部131は、画像形成装置1から電話回線を介して外部機器21に画像データを送出する画像出力機能を提供する。
【0033】
文書蓄積制御部132は、画像データを画像形成装置1内の記憶装置104やSDカード等の外部メディア23に保管文書として記憶する画像出力機能を提供する。
【0034】
メール送信制御部133は、画像形成装置1からネットワークに画像データを送出する画像出力機能を提供する。
【0035】
図3は制御動作に用いられるジョブ実行順管理テーブルT1および利用機能テーブルT2の例を示す図である。
【0036】
図3において、要求管理部122は、ジョブの実行順を管理するためのデータとしてジョブ実行順管理テーブルT1を有し、ジョブ制御部124は、ジョブが利用している機能を管理するためのデータとして利用機能テーブルT2を有している。
【0037】
ジョブ実行順管理テーブルT1は、要求管理部122が記憶領域上に実行管理処理のために一時的に保存することで保持しているデータである。縦軸にジョブ、横軸にシステム上利用可能な機能の利用の有無が並んでいる。ユーザがジョブの実行要求を行うたびに、投入されたジョブのデータをジョブ実行順管理テーブルT1上に作成し、ジョブが利用している機能が何かを記載する。ジョブのデータは、新規ジョブが作成されるごとにテーブル下部から上部に向かって追加、記載していくが、ジョブの実行状態が変化するたびに最新の実行順にソートされる。
【0038】
利用機能テーブルT2は、ジョブ制御部124が記憶領域上に実行管理処理のために一時的に保存することで保持しているデータである。このデータはジョブごとに存在し、利用できる機能とその利用状態を入力と出力に分けて記載している。利用状態としては、このジョブを実行する上で不要な機能であることを示す「不使用」、このジョブを実行する上で必要な機能であるか、機能が利用されているか(情報を得ていないので)不明な状態であることを示す「利用予定」、このジョブを実行する上で必要な機能であり、他のジョブで使用されているので順番待ちしている状態を示す「空き待ち」、このジョブを実行する上で必要な機能であり、このジョブ実行で実際に使用している状態を示す「利用中」がある。加えて、出力に関しては、どのようなタイミングで出力動作を開始するかについての設定を記載している。ここでは「一斉実行」が設定されているが、他に「順次実行」がある。
【0039】
<第1の実施形態:動作>
図4A〜図4Cは上記の実施形態の基本的な処理例を示すシーケンス図である。また、図5A〜図5Cは表示部108(操作部107兼用)に表示される設定画面の例を示す図、図6A〜図6Dは利用機能テーブルT2の例を示す図、図7A、図7Bはジョブ実行順管理テーブルT1の例を示す図である。
【0040】
以下、ジョブ#1として入力:読み取り、出力:印刷、FAX送信、ジョブ#2として入力:読み取り、出力:印刷、FAX送信を順次に投入する場合を例に、多出力ジョブの予約と実行の処理例について説明する。
【0041】
先ず、画像形成装置1に実行中のジョブも予約中のジョブもない状態から1ジョブ目の投入を行う場合について説明する。
【0042】
図4Aにおいて、表示制御部121により表示部108(操作部107兼用)に表示される動作設定画面を利用してユーザは設定を行う(ステップS101)。ここでは、設定内容を動作設定#1とする。
【0043】
図5Aは動作設定画面の例を示しており、領域141にはステータス等のメッセージ142と受け付けられるジョブ番号143とが表示されている。領域144の領域145には入力として利用可能な機能が表示され、文字列「▽入力」の横には選択中の入力機能146が表示される。領域147の領域148には出力として利用可能な機能が表示される。
【0044】
ユーザは設定が終わると、操作部107のスタートキー(図示せず)を押下して画像形成装置1に対してジョブの実行を指示する。ユーザが操作部107のスタートキーを押下することにより、操作部107はスタートキーが押下されたことを表示制御部121に通知する。
【0045】
図4Aに戻り、表示制御部121はスタートキーの押下の通知を受けて、動作設定として画面で設定されているパラメータ郡"動作設定#1"を伴って要求管理部122に対して実行要求の"投入"を指示する(ステップS102)。
【0046】
表示制御部121から"投入"指示を受けると、要求管理部122は、受け取った"動作設定#1"を伴ってジョブ制御部124に対して"ジョブ生成"を指示する(ステップS103)。"ジョブ生成"指示を受けると、ジョブ制御部124は、受け取った"動作設定#1"の内容を実行するための"ジョブ#1"を生成し、要求元の要求管理部122に返す(ステップS104)。なお、ジョブ制御部124は、"動作設定#1"を解析し、"ジョブ#1"で利用する入力機能、出力機能の使用状態を利用機能テーブルT2に記載する。図6Aはこの時点における利用機能テーブルT2の例を示しており、ジョブ#1は、入力機能として"読み取り"、出力機能として、"印刷"、"FAX送信"を利用するので、それらが"利用予定"になっている。利用しない機能は、"不使用"になっている。
【0047】
図4Aに戻り、ジョブが生成されると、要求管理部122は、"ジョブ#1"を実行するためのリソースの状況を確認するために、"ジョブ#1"を伴ってジョブ制御部124に対して"問い合わせ"を指示する(ステップS105)。
【0048】
"問い合わせ"指示を受けると、ジョブ制御部124は、受け取った"ジョブ#1"の利用機能テーブルT2を参照し、"利用予定"になっている機能に対応する制御部(読み取り制御部127、印刷制御部130、FAX送信制御部131)に対して、"ジョブ#1"を伴って"問い合わせ"を実施する(ステップS106、S108、S110)。
【0049】
"問い合わせ"指示を受けた各制御部は、現在実行されているジョブがあるのかを確認し、ジョブ実行を受け付けることが可能かどうかを返す(ステップS107、S109、S111)。ここでは、何も実行されているものがないので、各制御部からは、"OK"が返答される。すなわち、読み取り:OK、印刷:OK、FAX送信:OKとなる。
【0050】
ジョブ制御部124は、この結果を、利用機能テーブルT2に記録する。この時点での"ジョブ#1"の利用機能テーブルT2は、図6Bに示すように、以前の"利用予定"が"利用OK"になる。そして、図4Aに戻り、ジョブ制御部124は、この結果を要求管理部122に返答する(ステップS112)。全ての機能が利用可能状態にあるので、"全OK"を返答する。
【0051】
ジョブ制御部124からの返答を受けると、要求管理部122は、実行順制御部123を使って"実行順判断"を行う(ステップS113)。この際、要求管理部122は、"ジョブ#1"の利用機能テーブルT2を参照して、ジョブ実行順管理テーブルT1にエントリを追加する。基本的に、新規エントリは投入された順番にジョブ実行順管理テーブルT1の下部から上部に積み上がっていく。この時点でのジョブ実行順管理テーブルT1の例を図7Aに示す。
【0052】
また、図4Aにおいて、実行順制御部123による"実行順判断"は、ジョブ間で利用機能の競合がないので、"ジョブ#1"はすぐに実行可能な状態("実行全OK")にあると判断される(ステップS114)。
【0053】
続いて、要求管理部122は、先の判断結果に基づき、ジョブ制御部124に対して、実行対象のジョブである"ジョブ#1"と実行を許可する機能の指定である"読み取り:OK、印刷:OK、FAX送信:OK"を指定して"実行"を指示する(ステップS115)。
【0054】
"実行"指示を受けると、ジョブ制御部124は、出力順制御部125を利用して、出力可否チェックを行う(ステップS116)。出力順制御部125は、出力のタイミングを判断する役割を持っていて、本実施形態では、一斉に実行するためのタイミングを判定している。出力順制御部125は、"ジョブ#1"の利用機能テーブルT2を元に出力を開始してもよいか否か判断する。ここでは、利用出力機能の印刷、FAX送信がどちらも"利用OK"であるので、出力可能である("OK")と判断される(ステップS117)。
【0055】
そのため、ジョブ制御部124は、要求管理部122から実行を許可された機能、ここでは"読み取り:OK、印刷:OK、FAX送信:OK"であるので、読み取り制御部127、印刷制御部130、FAX送信制御部131に対して、"実行"を指示していく(ステップS118〜S123)。ジョブ制御部124は、この指示の後、利用機能テーブルT2を更新する。更新後の利用機能テーブルT2は、図6Cに示すように、以前の"利用OK"が"利用中"になる。
【0056】
図4Aに戻り、実行指示が完了してジョブ制御部124から要求管理部122に応答があると(ステップS124)、要求管理部122は生成した"ジョブ#1"を表示制御部121に渡す(ステップS125)。
【0057】
その後、読み取り制御部127で管理する読み取り動作が完了すると、読み取り制御部127は、対象のジョブである"ジョブ#1"を伴ってジョブ制御部124に対して"実行完了"を伝える(ステップS126)。
【0058】
これを受け、ジョブ制御部124は、利用機能テーブルT2を更新し(読み取り:利用中→読み取り:利用完了)、要求管理部122に対し、次のジョブを受け付け可能になった("次ジョブOK")ことを伝える(ステップS127)。
【0059】
これを受け、要求管理部122は、表示制御部121に対して次の要求の受け付けが可能になった("要求受付可")ことを伝える(ステップS128)。表示制御部121から読み取り制御部127へは応答が行われる(ステップS129〜S131)。
【0060】
これにより、表示制御部121は、動作設定画面に予約キーを表示して、ユーザに対して次のジョブが受付可能になったことを知らせる。図5Bは動作設定画面の例を示しており、画面上方に「新規予約」という見出しの予約キー149が表示されている。
【0061】
次に、1ジョブ目の実行中における2ジョブ目の実行予約を説明する。基本的には、1ジョブ目の実行と同様の流れになる。
【0062】
図4Bにおいて、表示制御部121により表示部108(操作部107兼用)に表示される動作設定画面を利用してユーザは設定を行う(ステップS132)。ここでは、設定内容を動作設定#2とする。
【0063】
設定開始時の動作設定画面は図5Bに示したようなものとなっており、予約キー149を押下することで、図5Cのような動作設定画面となり、ユーザに条件設定を促す。領域141の表示は、図5Aと比べ、メッセージ142が「実行できます。」から「予約できます。」に変更され、ジョブ番号143が"ジョブ#1"から"ジョブ#2"に変更されている。
【0064】
ユーザは設定が終わると、操作部107のスタートキー(図示せず)を押下して画像形成装置1に対してジョブの実行を指示する。ユーザが操作部107のスタートキーを押下することにより、操作部107はスタートキーが押下されたことを表示制御部121に通知する。
【0065】
図4Bに戻り、表示制御部121はスタートキーの押下の通知を受けて、動作設定として画面で設定されているパラメータ郡"動作設定#2"を伴って要求管理部122に対して実行要求の"投入"を指示する(ステップS133)。
【0066】
表示制御部121から"投入"指示を受けると、要求管理部122は、受け取った"動作設定#2"を伴ってジョブ制御部124に対して"ジョブ生成"を指示する(ステップS134)。"ジョブ生成"指示を受けると、ジョブ制御部124は、受け取った"動作設定#2"の内容を実行するための"ジョブ#2"を生成し、要求元の要求管理部122に返す(ステップS135)。なお、ジョブ制御部124は、"動作設定#2"を解析し、"ジョブ#2"で利用する入力機能、出力機能の使用状態を利用機能テーブルT2に記載する。
【0067】
ジョブが生成されると、要求管理部122は、"ジョブ#2"を実行するためのリソースの状況を確認するために、"ジョブ#2"を伴ってジョブ制御部124に対して"問い合わせ"を指示する(ステップS136)。
【0068】
"問い合わせ"指示を受けると、ジョブ制御部124は、受け取った"ジョブ#2"の利用機能テーブルT2を参照し、"利用予定"になっている機能に対応する制御部(読み取り制御部127、印刷制御部130、FAX送信制御部131)に対して、"ジョブ#2"を伴って"問い合わせ"を実施する(ステップS137、S139、S141)。
【0069】
"問い合わせ"指示を受けた各制御部は、現在実行されているジョブがあるのかを確認し、ジョブ実行を受け付けることが可能かどうかを返す(ステップS138、S140、S142)。ここでは、読み取り動作は完了しているため読み取り制御部127からは"OK"が返答されるが、"ジョブ#1"で印刷とFAX送信を利用中であるので、印刷制御部130とFAX送信制御部131からはそれぞれ"NG"が返答される。
【0070】
ジョブ制御部124は、この結果を、利用機能テーブルT2に記録する。この時点での"ジョブ#2"の利用機能テーブルT2は、図6Dに示すようなものとなる。そして、図4Bに戻り、ジョブ制御部124は、この結果、読み取り:OK、印刷:NG、送信:NGを要求管理部122に返答する(ステップS143)。
【0071】
ジョブ制御部124からの返答を受けると、要求管理部122は、実行順制御部123を使って"実行順判断"を行う(ステップS144)。この際、要求管理部122は、"ジョブ#2"の利用機能テーブルT2を参照して、ジョブ実行順管理テーブルT1にエントリを追加する。この時点でのジョブ実行順管理テーブルT1の例を図7Bに示す。
【0072】
また、図4Bにおいて、実行順制御部123による"実行順判断"では、"ジョブ#2"の利用機能テーブルT2から、印刷、FAX送信は空きを待っている状態で、読み取りのみ利用可能な状態であることと、ジョブ実行順管理テーブルT1から"ジョブ#2"が利用予定の出力機能と、"ジョブ#2"の前に実行しているジョブ("ジョブ#1")が利用している機能とが競合していることがわかるため、判断結果は、読み取りのみ実行可能("入力:OK")となる(ステップS145)。
【0073】
続いて、要求管理部122は、先の判断結果に基づき、ジョブ制御部124に対して、実行対象のジョブである"ジョブ#2"と実行を許可する機能の指定である"読み取り:OK"を指定して"実行"を指示する(ステップS146)。
【0074】
"実行"指示を受けると、ジョブ制御部124は、出力順制御部125を利用して、出力可否チェックを行う(ステップS147)。出力順制御部125は、"ジョブ#2"の利用機能テーブルT2を元に出力を開始してもよいか否か判断する。ここでは、利用予定の出力機能(印刷、FAX送信)が"空き待ち"であるので、まだ出力を開始できる状況ではないということで、"NG"と判断される(ステップS148)。
【0075】
そのため、ジョブ制御部124は、要求管理部122から実行を許可された機能、ここでは"読み取り:OK"であるので、読み取り制御部127に対してのみ"実行"を指示する(ステップS149、S150)。ジョブ制御部124は、この指示の後、利用機能テーブルT2を更新し、実行を指示した"読み取り"につき、以前の"利用OK"から"利用中"に変更する。
【0076】
実行指示が完了してジョブ制御部124から要求管理部122に応答があると(ステップS151)、要求管理部122は生成した"ジョブ#2"を表示制御部121に渡す(ステップS152)。
【0077】
その後、読み取り制御部127で管理する読み取り動作が完了すると、読み取り制御部127は、対象のジョブである"ジョブ#2"を伴ってジョブ制御部124に対して"実行完了"を伝える(ステップS153)。
【0078】
これを受け、ジョブ制御部124は、利用機能テーブルT2を更新し(読み取り:利用中→読み取り:利用完了)、要求管理部122に対し、次のジョブを受け付け可能になった("次ジョブOK")ことを伝える(ステップS154)。
【0079】
これを受け、要求管理部122は、表示制御部121に対して次の要求の受け付けが可能になった("要求受付可")ことを伝える(ステップS155)。表示制御部121から読み取り制御部127へは応答が行われる(ステップS156〜S158)。
【0080】
次に図4Cにおいて、印刷制御部130で管理する印刷動作が完了すると、印刷制御部130は、対象のジョブである"ジョブ#1"を伴ってジョブ制御部124に対して"実行完了"を伝える(ステップS159)。
【0081】
これを受け、ジョブ制御部124は、"ジョブ#1"の利用機能テーブルT2を更新し(印刷:利用中→印刷:利用完了)、印刷制御部130に応答を返す(ステップS160)。
【0082】
次いで、印刷制御部130は、"ジョブ#2"を伴ってジョブ制御部124に対して"実行可能"を伝える(ステップS161)。
【0083】
これを受け、ジョブ制御部124は、"ジョブ#2"の利用機能テーブルT2を更新し(印刷:空き待ち→印刷:利用OK)、"ジョブ#2"を伴って要求管理部122に"印刷:空き(ジョブ#2)"を伝える(ステップS162)。
【0084】
これを受け、要求管理部122は、実行順制御部123を使って"実行順判断"を行うが(ステップS163)、このタイミングでは、まだFAX送信が完了していないため、実行順判断はNGとなる(ステップS164)。要求管理部122から印刷制御部130へは応答が行われる(ステップS165、S166)。
【0085】
その後、FAX送信制御部131で管理するFAX送信動作が完了すると、FAX送信制御部131は、対象のジョブである"ジョブ#1"を伴ってジョブ制御部124に対して"実行完了"を伝える(ステップS167)。
【0086】
これを受け、ジョブ制御部124は、"ジョブ#1"の利用機能テーブルT2を更新し(FAX送信:利用中→FAX送信:利用完了)、"ジョブ#1"を伴って要求管理部122に"実行完了"を伝える(ステップS168)。
【0087】
これを受け、要求管理部122は、表示制御部121に"ジョブ#1"を伴って"実行完了"を伝え(ステップS169)、表示制御部121は表示部108に"ジョブ#1"の完了を表示する。表示制御部121からFAX送信制御部131へは応答が行われる(ステップS170〜S172)。
【0088】
次いで、FAX送信制御部131は、"ジョブ#2"を伴ってジョブ制御部124に対して"実行可能"を伝える(ステップS173)。
【0089】
これを受け、ジョブ制御部124は、"ジョブ#2"の利用機能テーブルT2を更新し(FAX送信:空き待ち→FAX送信:利用OK)、"ジョブ#2"を伴って要求管理部122に"印刷:空き(ジョブ#2)"を伝える(ステップS174)。
【0090】
これを受け、要求管理部122は、実行順制御部123を使って"実行順判断"を行い(ステップS175)、このタイミングになると、"ジョブ#2"が利用予定の出力機能が全て利用可能な状態になるので、実行順判断では"全出力OK"となる(ステップS176)。
【0091】
そのため、要求管理部122は、"ジョブ#2"および"全出力:OK"を伴ってジョブ制御部124に対して"実行"を指示する(ステップS177)。
【0092】
"実行"指示を受けると、ジョブ制御部124は、印刷制御部130およびFAX送信制御部131に対して"実行"を指示していく(ステップS178〜S181)。ジョブ制御部124からFAX送信制御部131へは応答が返される(ステップS182〜S184)。
【0093】
その後、印刷制御部130で管理する印刷動作が完了すると、印刷制御部130は、対象のジョブである"ジョブ#2"を伴ってジョブ制御部124に対して"実行完了"を伝える(ステップS185)。
【0094】
これを受け、ジョブ制御部124は、"ジョブ#2"の利用機能テーブルT2を更新し(印刷:利用中→印刷:利用完了)、印刷制御部130に応答を返す(ステップS186)。
【0095】
その後、FAX送信制御部131で管理するFAX送信動作が完了すると、FAX送信制御部131は、対象のジョブである"ジョブ#2"を伴ってジョブ制御部124に対して"実行完了"を伝える(ステップS187)。
【0096】
これを受け、ジョブ制御部124は、"ジョブ#2"の利用機能テーブルT2を更新し(FAX送信:利用中→FAX送信:利用完了)、"ジョブ#2"を伴って要求管理部122に"実行完了"を伝える(ステップS188)。
【0097】
これを受け、要求管理部122は、表示制御部121に"ジョブ#2"を伴って"実行完了"を伝え(ステップS189)、表示制御部121は表示部108に"ジョブ#2"の完了を表示する。表示制御部121からFAX送信制御部131へは応答が行われる(ステップS190〜S192)。
【0098】
<第2の実施形態>
第2の実施形態は、第1の実施形態をベースとしつつ、予約したジョブの出力設定を表示する機能を追加したものである。かかる機能は、図8に示すように、画像形成装置1に新たに設けられる予約ジョブ出力設定表示部161により提供される。
【0099】
図9Aは予約ジョブ出力設定表示部161により表示部108に表示される予約一覧画面の例を示しており、予約された複数のジョブが一覧151に表示されている。この予約一覧画面の一覧151から設定内容を確認したい予約ジョブを選択し、「設定確認」ボタン152を押下すると、図9Bに示すような内容確認画面に遷移し、予約ジョブの設定内容を確認することができる。
【0100】
<第3の実施形態>
第3の実施形態は、第1の実施形態をベースとしつつ、予約したジョブの削除を行える機能を追加したものである。かかる機能は、図8に示すように、画像形成装置1に新たに設けられる予約ジョブ削除部162により提供される。
【0101】
図9Aに示した予約一覧画面にて、削除したい予約ジョブを選択し、「削除」ボタン154を押下すると、その予約を削除(取り消し)することができる。
【0102】
<第4の実施形態>
第4の実施形態は、第1の実施形態をベースとしつつ、予約したジョブの出力設定の変更を行える機能を追加したものである。かかる機能は、図8に示すように、画像形成装置1に新たに設けられる予約ジョブ設定変更部163により提供される。
【0103】
図9Aに示した予約一覧画面にて、設定内容を変更したい予約ジョブを選択し、「設定変更」ボタン153を押下すると、図9Cに示すような出力機能の一覧が表示される。ここで、設定内容を変更したい出力機能の「設定変更」ボタン、例えば印刷機能の「設定変更」ボタン155を押下すると、図9Dに示すような出力に応じた予約内容変更画面が表示される。この予約内容変更画面において所望の操作を行うことにより、予約ジョブの設定内容を変更することができる。
【0104】
<第5の実施形態>
第5の実施形態は、第1の実施形態をベースとしつつ、予約した多出力のジョブの出力先を個別に削除できるようにし、出力先を削除した際に、出力先を削除したジョブより実行順の早い予約ジョブの出力と出力先を削除したジョブの残った出力に同じものがないときに、出力先を削除したジョブの実行を行えるようにしたものである。かかる機能は、図8に示すように、画像形成装置1に新たに設けられる個別出力削除部164により提供される。これにより、予約した多出力のジョブの不必要な出力先を削除することができるため、実行時に不必要な出力を行わないようにすることができる。また、重複のない出力を先に実行させることで、効率的に処理を行わせることができる。
【0105】
図10A〜図10Cは個別出力の削除を伴う処理例を示すシーケンス図である。ここでは、出力として"印刷"および"FAX送信"が指定されている"ジョブ#1"、続く予約ジョブの出力として"印刷"、"蓄積(HDD)"が指定された"ジョブ#2"が投入されるケースにおいて、"ジョブ#2"の出力先の1つである"印刷"を削除するケースを例に説明する。
【0106】
図10Aの処理(ステップS201〜S231)は、既に説明した図4Aの処理(ステップS101〜S131)と同様である。
【0107】
図10Bの処理(ステップS232〜S258)は、既に説明した図4Bの処理(ステップS132〜S158)と比較して、ステップS241の問い合わせ先が文書蓄積制御部132になっている点と、ステップS243における結果に"蓄積:OK"が含まれる点が異なる。
【0108】
図10Cの先頭の時点では、"ジョブ#2"は"ジョブ#1"の"印刷"が実行中状態であるため、実行待機状態にある。
【0109】
ユーザは削除対象の個別出力のジョブを指定し、表示制御部121に対してそのジョブの出力(ここでは"印刷")の削除を要求する(ステップS259)。ジョブの指定は図9Aに示した予約一覧画面の一覧151からジョブを選択して「設定変更」ボタン153を押下することにより行い、出力の削除の要求は、図9Cに示した予約内容変更画面において出力先の機能を"OFF"にすることで実現する。
【0110】
図10Cに戻り、出力の削除の要求は表示制御部121から要求管理部122→ジョブ制御部124→印刷制御部130へと伝わり(ステップS260〜S262)、その個別出力ジョブは削除される。印刷制御部130から表示制御部121へは応答が返される(ステップS263〜S265)。
【0111】
"ジョブ#2"は"ジョブ#1"の"印刷"が実行中状態であったため実行保留となっていたが、"ジョブ#2"の出力先である"印刷"が削除されたことによって"ジョブ#1"の"印刷"の完了を待つ必要がなくなる。
【0112】
そのため、"ジョブ#2"の"印刷"の削除完了をもって(ステップS266〜S269)、要求管理部122は実行順制御部123により"ジョブ#2"のジョブは全て実行が可能と判断する(ステップS270、S271)。これを受けて、要求管理部122は、"ジョブ#2"の実行をジョブ制御部124に対して要求する(ステップS272〜S275)。要求管理部122から印刷制御部130へは応答が行われる(ステップS276、S277)。
【0113】
<第6の実施形態>
第6の実施形態は、第1の実施形態をベースとしつつ、予約した多出力のジョブの出力先を追加できるようにしたものである。かかる機能は、図8に示すように、画像形成装置1に新たに設けられる個別出力追加部165により提供される。これにより、予約した多出力のジョブの出力先を追加することができるので、新規に足りない出力に関して予約しなおす必要がなくなる。
【0114】
図11Aおよび図11Bは個別出力の追加を伴う処理例を示すシーケンス図であり、図10A、図10Bに続く処理である(図10Cに図11Aおよび図11Bを代える)。ここでは、出力として"印刷"および"FAX送信"が指定されている"ジョブ#1"、続く予約ジョブの出力として"印刷"、"蓄積(HDD)"が指定された"ジョブ#2"が投入されるケースにおいて、"ジョブ#2"の出力先に"メール送信"を追加するケースを例に説明する。
【0115】
図11Aの先頭の時点では、"ジョブ#2"は"ジョブ#1"の"印刷"が実行中状態にあるため、実行待機状態にある。
【0116】
ユーザは個別出力の追加を要求する(ステップS301)。ジョブの指定は図9Aに示した予約一覧画面の一覧151からジョブを選択して「設定変更」ボタン153を押下することにより行い、出力の追加の要求は、図9Cに示した予約内容変更画面において出力先の機能を"ON"にすることで実現する。予約内容変更画面において"送信"をONにすると、図12に示すようなスキャナ/ファクス画面に切り替わる。ここでユーザは宛先の追加操作を行い、宛先を追加する。宛先の入力方法についてはソフトウェアキーボードを使用した方法や機器に登録済みの宛先をアドレス帳から読み出して設定するといった方法がある。
【0117】
図11Aに戻り、個別出力の追加の要求は表示制御部121→要求管理部122→ジョブ制御部124へと伝わる(ステップS302、S303)。
【0118】
このあと、要求管理部122がジョブ制御部124に対してジョブが実行可能かを問い合わせる(ステップS305〜S312)。ここではこの問い合わせ時点でまだ"ジョブ#1"の"印刷"が完了していない状況を例に示している。"印刷"の実行がNGの状態であるため、要求管理部122はジョブの実行を見送る。
【0119】
従って、"ジョブ#1"の"印刷"が完了した時点(ステップS314〜S317)でジョブの実行が可能になるため、"ジョブ#2"の出力の実行を開始する(ステップS320〜S326)。その後の図11Bにおける処理は従前と同様である。
【0120】
<第7の実施形態>
第7の実施形態は、第1の実施形態をベースとしつつ、予約した多出力のジョブの出力先を個別に変更できるようにし、出力先を変更した際に、出力先を変更したジョブより実行順の早い予約ジョブの出力と出力先を変更したジョブの出力に同じものがないときに、出力先を削除したジョブの実行を行えるようにしたものである。かかる機能は、図8に示すように、画像形成装置1に新たに設けられる個別出力変更部166により提供される。これにより、予約した多出力のジョブの出力先を変更することができる。
【0121】
図13Aおよび図13Bは個別出力の変更を伴う処理例を示すシーケンス図であり、図10A、図10Bに続く処理である(図10Cに図13Aおよび図13Bを代える)。ここでは、出力として"印刷"および"FAX送信"が指定されている"ジョブ#1"、続く予約ジョブの出力として"印刷"、"蓄積(HDD)"が指定された"ジョブ#2"が投入されるケースにおいて、"ジョブ#2"の出力先の"印刷"を"メール送信"に変更するケースを例に説明する。
【0122】
図13Aおよび図13Bにおける処理(ステップS401〜S443)は、個別出力ジョブの削除(図10C)と追加(図11A)の組み合わせで処理される。そのため、処理の詳細な説明は割愛する。
【0123】
<総括>
以上、本発明の好適な実施の形態により本発明を説明した。ここでは特定の具体例を示して本発明を説明したが、特許請求の範囲に定義された本発明の広範な趣旨および範囲から逸脱することなく、これら具体例に様々な修正および変更を加えることができることは明らかである。すなわち、具体例の詳細および添付の図面により本発明が限定されるものと解釈してはならない。
【符号の説明】
【0124】
1 画像形成装置
101 コントローラ
102 バス
103 CPU
104 記憶装置
105 ネットワークI/F
106 外部メディアI/F
107 操作部
108 表示部
109 プロッタデバイス
110 スキャナデバイス
111 FAXデバイス
121 表示制御部
122 要求管理部
123 実行順制御部
124 ジョブ制御部
125 出力順制御部
126 FAX受信制御部
127 読み取り制御部
128 PC受信制御部
129 文書読み出し制御部
130 印刷制御部
131 FAX送信制御部
132 文書蓄積制御部
133 メール送信制御部
161 予約ジョブ出力設定表示部
162 予約ジョブ削除部
163 予約ジョブ設定変更部
164 個別出力削除部
165 個別出力追加部
166 個別出力変更部
21、22 外部機器
23 外部メディア
T1 ジョブ実行順管理テーブル
T2 利用機能テーブル
【先行技術文献】
【特許文献】
【0125】
【特許文献1】特許第3716085号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿の画像情報を読み取る読取手段と、
画像データを印刷する印刷手段、画像データを送信する送信手段、画像データを蓄積する蓄積手段を含む、画像データを出力する複数出力手段と、
ユーザからの動作設定を入力する操作手段と、
画像形成装置の動作設定を表示する表示制御手段と、
出力実行中に画像形成装置の出力設定を表示する出力設定表示手段と、
出力実行中に次のジョブの予約要求がされると、表示画面を次の出力要求の動作設定を入力可能な表示画面に切り替え、次の予約の動作設定を入力可能とする予約動作入力手段と、
ジョブの実行管理と複数のジョブが実行される際の実行順管理を行う要求管理手段と、
入力と出力を組み合わせたジョブの実行制御を行うジョブ制御手段と
を備え、
多出力の予約を可能とすることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成装置において、
予約したジョブの出力設定を表示する予約ジョブ出力設定表示手段
を更に備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1または2のいずれか一項に記載の画像形成装置において、
予約したジョブの削除を行う予約ジョブ削除手段
を更に備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の画像形成装置において、
予約したジョブの出力設定の変更を行う予約ジョブ設定変更手段
を更に備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の画像形成装置において、
予約した多出力のジョブの出力先を個別に削除する個別出力削除手段
を更に備え、
出力先を削除した際に、前記要求管理手段および前記ジョブ制御手段は、出力先を削除したジョブより実行順の早い予約ジョブの出力と出力先を削除したジョブの残った出力に同じものがないときに出力先を削除したジョブの実行を行うことを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか一項に記載の画像形成装置において、
予約した多出力のジョブの出力先を個別に追加する予約ジョブの個別出力追加手段
を更に備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか一項に記載の画像形成装置において、
予約した多出力のジョブの出力先を個別に変更する予約ジョブの個別出力変更手段
を更に備え、
出力先を変更した際に、前記要求管理手段および前記ジョブ制御手段は、出力先を変更したジョブより実行順の早い予約ジョブの出力と出力先を変更したジョブの出力に同じものがないときに出力先を削除したジョブの実行を行うことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図6D】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図9D】
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【図10A】
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【図10B】
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【図10C】
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【図11A】
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【図11B】
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【図12】
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【図13A】
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【図13B】
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【公開番号】特開2011−130109(P2011−130109A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−285578(P2009−285578)
【出願日】平成21年12月16日(2009.12.16)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】