説明

画像形成装置

【課題】受熱部を温度上昇するユニットに圧接させても、前記ユニットの設置位置の変動などの問題を抑制することのできる画像形成装置を提供する。
【解決手段】受熱部32Kは、保持部材41Kに押圧手段たるコイルスプリング142Kを介して保持されており、保持部材41Kは、支持部材42Kに支持されている。支持部材42Kは、コイルスプリング142Kの押圧方向と平行に移動可能となっているととともに、現像ユニット19Kに設けられた被係合部191K,192Kと係合する係合部161K,162Kが設けられている。受熱部32Kが現像ユニット19Kに圧接すると、受熱部32Kを押圧するコイルスプリング142Kの押圧力の反作用を支持部材42Kが受け、支持部材42Kが押圧方向と反対方向へ移動して支持部材42Kの係合部161K,162Kと被係合部191K,192Kとが係合する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンタなどの画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置においては、装置内に設けられた書込ユニット、定着ユニット及び現像ユニットなどのユニットが発熱し、装置内を温度上昇させることが知られている。
【0003】
例えば、現像ユニットにおいては、現像ユニット内の現像剤を攪拌搬送する現像剤攪拌搬送部材を駆動した際に、現像剤攪拌搬送部材と現像剤との摺擦による摩擦熱や、現像剤同士の摺擦による摩擦熱により装置内を温度上昇させる。また、現像剤を現像領域に搬送する前に現像剤担持体上に担持されている現像剤の層厚を規制する現像剤規制部材と現像剤との摺擦による摩擦熱や、現像剤規制部材による規制の際の現像剤同士の摺擦による摩擦熱により装置内を温度上昇させる。
【0004】
装置内の温度が上昇すると、トナーの帯電量が低下してトナー付着量が増加し、所定の画像濃度が得られなくなる。また、温度上昇によりトナーが溶融して現像剤規制部材や現像剤担持体、像担持体などに固着し、画像にスジ状の異常画像などが生じるおそれがある。特に、近年、定着エネルギーを小さくするために溶融温度の低いトナーを用いた場合は、トナーの固着による異常画像などが生じやすい。
【0005】
そのため、従来において空冷ファンで取り込んだ外気をダクトで現像ユニットの周辺に搬送し、気流を発生させ現像ユニットを空冷して、現像ユニットの温度が過度に上昇するのを抑制している。しかし、近年、画像形成装置の小型化のため、装置内が高密度化して現像ユニットの周囲に空間的余裕がなくなってきている。このため、現像ユニット周辺に空冷ファンの気流を搬送するためのダクトを設置するスペースの確保が難しくなっており、現像ユニットを強制空冷することが困難となっている。
【0006】
一方、中間転写部においても以下の問題がある。中間転写ベルトをクリーニングするクリーニングブレードにより掻き取られたトナー等は廃トナー搬送部に回収され、廃トナー搬送ユニットによって、画像形成装置内で不要になった廃トナー等と合流し、集積される。ベルトクリーニングユニットは定着ユニットの近傍にあることや搬送による自己発熱の影響により、自然放置ではトナー溶解温度よりも高くなってしまう。そのため、従来においては、空冷ファンで取り込んだ外気をダクトで中間転写ユニットの周辺に搬送し、気流を発生させ中間転写ユニットを空冷して、中間転写ユニットの温度が過度に上昇するのを抑制している。しかし、近年、画像形成装置の小型化のため、装置内が高密度化して中間転写ユニットの周囲に空間的余裕がなくなってきている。このため、中間転写ユニット周辺に空冷ファンの気流を搬送するためのダクトを設置するスペースの確保が難しくなっており、中間転写ユニットを強制空冷することが困難となっている。また、空冷により周囲に気流が発生すると、トナー等の粉塵問題が起こり機内および機外を汚してしまう等の不具合が起きていた。
【0007】
特許文献1には、液体を循環させて発熱ユニットたる現像ユニットを冷却する液冷方式を用いた画像形成装置が記載されている。液冷装置は、発熱ユニットたる現像ユニット壁面に接触して冷却液が現像ユニットの熱を受ける受熱部と、冷却液の熱を放熱するための放熱手段たるラジエータと、冷却液が受熱部とラジエータとを循環するように配管された循環パイプと、循環パイプ内の冷却液を受熱部へ搬送するための搬送手段たる搬送ポンプとを備えている。液冷装置は、空冷装置よりも効率良く冷却できるため、現像ユニットを効率よく冷却することができる。また、冷却液を循環させるための循環パイプは、ダクトよりも小さいため、現像ユニットの周囲の空間が狭くても、現像ユニットの周囲に循環パイプを配置することができる。よって、装置内が高密度化しても現像ユニットを冷却することができる。
【0008】
また、現像ユニットは、単体で装置本体から着脱可能に構成されていたり、プロセスカートリッジとして潜像担持体と一体で装置本体から着脱可能に構成されていたりする。また、潜像担持体と現像ユニットが備える現像剤担持体との現像ギャップが、画質の良否に大きな影響を及ぼすことが知られている。このため、位置決め手段を設けて、現像ユニットを潜像担持体に対して精度よく位置決めして現像ユニットを組み付けている。
【0009】
また、上記特許文献1に記載の画像形成装置においては、現像ユニットを着脱する際は、受熱部を現像ユニットから離間させ、現像ユニットが装置本体に装着されると、受熱部が付勢手段によって現像ユニット側へ付勢され、受熱部が現像ユニットに密着する接離機構を備えている。このように構成することで、現像ユニットの着脱を容易に行うことができる。また、現像ユニット装着時には、受熱部が現像ユニットに密着するので、効率よく現像ユニットを冷却することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、特許文献1に記載の画像形成装置においては、現像ユニットセット時において、付勢手段の付勢力で受熱部が現像ユニットを押圧する。その結果、現像ユニットに受熱部からの押圧力がかかり、現像ユニットにかかった押圧力が位置決め手段等に作用する。その結果、位置決め手段等が変形し、現像ギャップが変動するなどの問題があった。
【0011】
また、中間転写ベルトのクリーニングユニットを冷却するために、特許文献1に記載の液冷方式を用いた場合においても、中間転写ベルトの表面のクリーニングを行うクリーニングブレードと中間転写ベルトとの距離に変動があると、クリーニングブレードによる中間転写ベルトのクリーニングが機能を満たさなくなってしまう。例えば、規定値よりも前記距離が遠ざかると中間転写ベルト表面上のトナーなどがクリーニングブレードによって掻き取れない状況がおき、中間転写ベルトの表面が汚れたまま次の転写が行われることになる。そのため、画像が汚れたり、前記表面が汚れたままの状態が連続すると粉塵が詰まり機械停止を引き起こしたりする可能性がある。また、逆に前記距離が近づいてしまうとクリーニングブレードが捲くれてしまい、クリーニングブレードの破損または中間転写ベルトの破損を引き起こす可能性がある。
【0012】
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、受熱部を温度上昇するユニットに圧接させても、前記ユニットの設置位置の変動などの問題を抑制することのできる画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、潜像担持体と、該潜像担持体との対向部へ現像剤を搬送する現像剤担持体を有し、装置本体に対して着脱可能に設けられた現像ユニットと、前記現像ユニットを前記潜像担持体に対して位置決めする位置決め手段と、前記現像ユニットの壁面に接触するように設置され、内部に冷却媒体を流して前記現像ユニットの熱を受熱する受熱部を有する冷却装置と、前記受熱部を前記現像ユニットに対して接離させる接離機構とを備えた画像形成装置において、前記接離機構は、前記受熱部を押圧して前記受熱部を前記現像ユニットの壁面に圧接させる押圧手段を有し、前記受熱部を前記現像ユニットの壁面に圧接させたとき、前記押圧手段にかかる前記受熱部からの押圧力の反作用を前記現像ユニットの所定の箇所に及ばせることを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の画像形成装置において、前記接離機構は、前記押圧力の反作用を受ける受け手段を備え、前記受け手段は、前記現像ユニットの被係合部と係合する係合部を備えており、前記受け手段が前記押圧力の反作用を受けたとき、前記係合部が前記被係合部と係合して、前記接離機構が現像ユニットに固定されることを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項2の画像形成装置において、前記受熱部を現像ユニットに対して離間させたとき、前記係合部と前記被係合部とが現像ユニット着脱方向に相対的に移動可能に構成したことを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項2または3の画像形成装置において、前記受け手段は、前記押圧手段を介して前記受熱部を保持する保持部材と、前記保持部材を現像ユニットに対して接離可能に支持し、前記係合部を備えた支持部材とを有することを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項4の画像形成装置において、前記保持部材は、係合ピンを有し、前記支持部材は、前記係合ピンと係合し、前記係合ピンを現像ユニットに対して接離する方向に案内する係合穴を有することを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項5の画像形成装置において、前記係合ピンを、前記受熱部よりも低い熱伝導率材料で構成したことを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項5または6の画像形成装置において、前記係合ピンを、前記保持部材の現像ユニット着脱方向中央部に設けたことを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項7の画像形成装置において、前記支持部材は、前記保持部材の前記受熱部の現像ユニットに圧接する圧接面と反対側の面に対向する対向部における受熱部対向側の面と反対側の面に対向する背面部を有し、前記支持部材の背面部の現像ユニット着脱方向両端と、前記保持部材の前記対向部における受熱部対向側の面と反対側の面の現像ユニット着脱方向両端とが、磁気的に反発または引き合うよう構成したことを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、請求項7の画像形成装置において、前記支持部材は、前記保持部材の前記受熱部の現像ユニットに圧接する圧接面と反対側の面に対向する対向部における受熱部対向側の面と反対側の面に対向する背面部を有し、前記支持部材の背面部の現像ユニット着脱方向両端、または、前記保持部材の前記対向部における受熱部対向側の面と反対側の面の現像ユニット着脱方向両端に、前記受熱部よりも低い熱伝導率材料で構成されたスペーサを設けたことを特徴とするものである。
また、請求項10の発明は、請求項5または6の画像形成装置において、前記係合ピンを、前記保持部材の現像ユニット着脱するための開口部側と反対側の端部に設けたことを特徴とするものである。
また、請求項11の発明は、請求項10の画像形成装置において、前記現像ユニットの現像剤が収容されている剤収容部よりも前記保持部材の開口部側と反対側の端部を、前記開口部から前記現像ユニット着脱方向に離したことを特徴とするものである。
また、請求項12の発明は、請求項10または11の画像形成装置において、前記受熱部の現像ユニットに圧接する圧接面の前記開口部側と反対側の端部および前記現像ユニットの前記受熱部と対向する対向面の前記開口部側と反対側の端部の少なくとも一方に、前記圧接面を保護する保護層を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項13の発明は、請求項12の画像形成装置において、前記保護層として、低摩擦部材を用いたことを特徴とするものである。
また、請求項14の発明は、請求項5乃至13いずれかの画像形成装置において、前記係合穴は、前記係合ピンを現像ユニットに対して接離する方向に案内するガイド部と、前記受熱部を前記現像ユニットの壁面に圧接させたときに、前記係合ピンを係止する係止部とを有することを特徴とするものである。
また、請求項15の発明は、請求項14の画像形成装置において、前記係合穴のガイド部は、前記現像ユニット着脱方向に対して傾斜して延びる部分であり、前記係合穴の係止部は、前記現像ユニット着脱方向に対して平行に延びる部分であることを特徴とするものである。
また、請求項16の発明は、請求項1乃至15いずれかの画像形成装置において、前記接離機構を、現像ユニットの着脱方向に対して直交する方向に移動可能に装置本体に支持したことを特徴とするものである。
また、請求項17の発明は、請求項1乃至16いずれかの画像形成装置において、前記押圧手段として弾性部材を用いたことを特徴とするものである。
また、請求項18の発明は、請求項17の画像形成装置において、前記弾性部材を前記受熱部の長手方向に複数設けたことを特徴とするものである。
また、請求項19の発明は、請求項18の画像形成装置において、前記受熱部の前記弾性部材の一端が当接する弾性部材当接部を、前記現像ユニットに圧接する圧接面と反対側の面よりも現像ユニット側に窪ませたことを特徴とするものである。
また、請求項20の発明は、請求項1乃至19いずれかの画像形成装置において、前記現像ユニットの壁面以外から前記受熱部へ入射される赤外光を遮蔽する遮蔽手段を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項21の発明は、請求項4に記載の構成を備えた請求項20の画像形成装置において、前記保持部材を、前記遮蔽手段として用いたことを特徴とするものである。
また、請求項22の発明は、請求項1乃至21いずれかの画像形成装置において、前記接離機構の前記受熱部と接触する部材を、前記受熱部よりも低い熱伝導率材料で構成したことを特徴とするものである。
また、請求項23の発明は、請求項1乃至22いずれかの画像形成装置において、前記現像ユニットの下面に前記受熱部を圧接させたことを特徴とするものである。
また、請求項24の発明は、請求項23の画像形成装置において、前記接離機構を鉛直上向きに付勢する付勢手段を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項25の発明は、請求項24の画像形成装置において、前記付勢手段の付勢力を、前記押圧手段の押圧力よりも弱くしたことを特徴とするものである。
また、請求項26の発明は、請求項24または25の画像形成装置において、前記付勢手段として、弾性部材を用いたことを特徴とするものである。
また、請求項27の発明は、請求項23乃至26いずれかの画像形成装置において、少なくとも前記潜像担持体と、前記現像ユニットとを有する複数の画像形成ユニットを水平に並設させており、前記受熱部が、複数の現像ユニットの壁面に圧接するよう構成したことを特徴とするものである。
また、請求項28の発明は、請求項1乃至22いずれかの画像形成装置において、前記現像ユニットの下面と側面に前記受熱部を圧接させたことを特徴とするものである。
また、請求項29の発明は、請求項1乃至28いずれかの画像形成装置において、前記現像ユニットを、前記潜像担持体に対して位置決めされた状態で潜像担持体と一体的に装置本体から着脱可能に構成したことを特徴とするものである。
また、請求項30の発明は、請求項1乃至29いずれかの画像形成装置において、前記受熱部の前記現像ユニットに圧接する圧接面と被冷却部の前記圧接面と接触する面との少なくとも一方に受熱部よりも硬度の低い高効率熱伝導部材からなる密着シートを設けたことを特徴とするものである。
また、請求項31の発明は、装置本体に対して着脱可能に設けられた被冷却部と、前記被冷却部に接触するように設置され、内部に冷却媒体を流して前記被冷却部の熱を受熱する受熱部を有する冷却装置と、前記受熱部を前記被冷却部に対して接離させる接離機構とを備えた画像形成装置において、前記接離機構は、前記受熱部を押圧して前記受熱部を前記被冷却部に圧接させる押圧手段を有し、前記受熱部を前記被冷却部に圧接させたとき、前記押圧手段にかかる前記受熱部からの押圧力の反作用を前記被冷却部の所定の箇所に及ばせることを特徴とするものである。
また、請求項32の発明は、請求項31の画像形成装置において、前記接離機構は、前記押圧力の反作用を受ける受け手段を備え、前記受け手段は、前記被冷却部の被係合部と係合する係合部を備えており、前記受け手段が前記押圧力の反作用を受けたとき、前記係合部が前記被係合部と係合して、前記接離機構が被冷却部に固定されることを特徴とするものである。
また、請求項33の発明は、請求項32の画像形成装置において、前記受熱部を被冷却部に対して離間させたとき、前記係合部と前記被係合部とが被冷却部着脱方向に相対的に移動可能に構成したことを特徴とするものである。
また、請求項34の発明は、請求項32または33の画像形成装置において、前記受け手段は、前記押圧手段を介して前記受熱部を保持する保持部材と、前記保持部材を被冷却部に対して接離可能に支持し、前記係合部を備えた支持部材とを有することを特徴とするものである。
また、請求項35の発明は、請求項34の画像形成装置において、前記保持部材は、係合ピンを有し、前記支持部材は、前記係合ピンと係合し、前記係合ピンを被冷却部に対して接離する方向に案内する係合穴を有することを特徴とするものである。
また、請求項36の発明は、請求項35の画像形成装置において、前記係合ピンを、前記受熱部よりも低い熱伝導率材料で構成したことを特徴とするものである。
また、請求項37の発明は、請求項35または36の画像形成装置において、前記係合ピンを、前記保持部材の被冷却部着脱方向中央部に設けたことを特徴とするものである。
また、請求項38の発明は、請求項37の画像形成装置において、前記支持部材は、前記保持部材の前記受熱部の被冷却部に圧接する圧接面と反対側の面に対向する対向部における受熱部対向側の面と反対側の面に対向する背面部を有し、前記支持部材の背面部の被冷却部着脱方向両端と、前記保持部材の前記対向部における受熱部対向側の面と反対側の面の被冷却部着脱方向両端とが、磁気的に反発または引き合うよう構成したことを特徴とするものである。
また、請求項39の発明は、請求項37の画像形成装置において、前記支持部材は、前記保持部材の前記受熱部の被冷却部に圧接する圧接面と反対側の面に対向する対向部における受熱部対向側の面と反対側の面に対向する背面部を有し、前記支持部材の背面部の被冷却部着脱方向両端、または、前記保持部材の前記対向部における受熱部対向側の面と反対側の面の被冷却部着脱方向両端に、前記受熱部よりも低い熱伝導率材料で構成されたスペーサを設けたことを特徴とするものである。
また、請求項40の発明は、請求項35または36の画像形成装置において、前記係合ピンを、前記保持部材の被冷却部着脱方向中央部よりも奥側に設けたことを特徴とするものである。
また、請求項41の発明は、請求項40の画像形成装置において、前記受熱部の被冷却部に圧接する圧接面の前記被冷却部着脱方向中央部よりも奥側および前被冷却部の前記受熱部と対向する対向面の前記被冷却部着脱方向中央部よりも奥側の少なくとも一方に、前記圧接面を保護する保護層を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項42の発明は、請求項41の画像形成装置において、前記保護層として、低摩擦部材を用いたことを特徴とするものである。
また、請求項43の発明は、請求項35乃至42いずれかの画像形成装置において、前記係合穴は、前記係合ピンを被冷却部に対して接離する方向に案内するガイド部と、前記受熱部を前記被冷却部に圧接させたときに、前記係合ピンを係止する係止部とを有することを特徴とするものである。
また、請求項44の発明は、請求項43の画像形成装置において、前記係合穴のガイド部は、前記被冷却部着脱方向に対して傾斜して延びる部分であり、前記係合穴の係止部は、前記被冷却部着脱方向に対して平行に延びる部分であることを特徴とするものである。
また、請求項45の発明は、請求項31乃至44いずれかの画像形成装置において、前記接離機構を、被冷却部の着脱方向に対して直交する方向に移動可能に装置本体に支持したことを特徴とするものである。
また、請求項46の発明は、請求項31乃至45いずれかの画像形成装置において、前記押圧手段として弾性部材を用いたことを特徴とするものである。
また、請求項47の発明は、請求項46の画像形成装置において、前記弾性部材を前記受熱部の長手方向に複数設けたことを特徴とするものである。
また、請求項48の発明は、請求項47の画像形成装置において、前記受熱部の前記弾性部材の一端が当接する弾性部材当接部を、前記被冷却部に圧接する圧接面と反対側の面よりも被冷却部側に窪ませたことを特徴とするものである。
また、請求項49の発明は、請求項30乃至48いずれかの画像形成装置において、前記被冷却部の壁面以外から前記受熱部へ入射される赤外光を遮蔽する遮蔽手段を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項50の発明は、請求項34に記載の構成を備えた請求項49の画像形成装置において、前記保持部材を、前記遮蔽手段として用いたことを特徴とするものである。
また、請求項51の発明は、請求項31乃至50いずれかの画像形成装置において、前記接離機構の前記受熱部と接触する部材を、前記受熱部よりも低い熱伝導率材料で構成したことを特徴とするものである。
また、請求項52の発明は、請求項31乃至51いずれかの画像形成装置において、前記被冷却部の下面に前記受熱部を圧接させたことを特徴とするものである。
また、請求項53の発明は、請求項52の画像形成装置において、前記接離機構を鉛直上向きに付勢する付勢手段を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項54の発明は、請求項53の画像形成装置において、前記付勢手段の付勢力を、前記押圧手段の押圧力よりも弱くしたことを特徴とするものである。
また、請求項55の発明は、請求項53または54の画像形成装置において、前記付勢手段として、弾性部材を用いたことを特徴とするものである。
また、請求項56の発明は、請求項31乃至51いずれかの画像形成装置において、前記被冷却部の下面と側面に前記受熱部を圧接させたことを特徴とするものである。
また、請求項57の発明は、請求項31乃至56いずれかの画像形成装置において、前記受熱部の前記被冷却部に圧接する圧接面と前記冷却部の前記圧接面と接触する面との少なくとも一方に受熱部よりも硬度の低い高効率熱伝導部材からなる密着シートを設けたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、受熱部を現像ユニットの壁面に圧接させたとき、押圧手段にかかる受熱部からの押圧力の反作用を現像ユニットの所定の箇所に及ばせることで、受熱部から現像ユニットの壁面にかかる押圧力が内力となり、位置決め手段などが現像ユニットから受ける受熱部からの押圧力に起因する力を低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本実施形態に係る画像形成装置の概略構成図。
【図2】K色の画像形成ユニットの手前側斜視図。
【図3】K色の画像形成ユニットの奥側斜視図。
【図4】現像ローラの両端に金属ローラを設けた構成を示す概略構成図。
【図5】液冷装置の概略構成図。
【図6】受熱部の概略構成図。
【図7】液冷装置の第1の変形例を示す図。
【図8】液冷装置の第2の変形例を示す図。
【図9】液冷装置の第3の変形例を示す図。
【図10】K色の画像形成ユニットの周辺を装置手前側見たときの概略構成図。
【図11】K色の画像形成ユニット周辺の断面図。
【図12】保持部材と受熱部とを示す斜視図。
【図13】保持部材を示す斜視図。
【図14】保持部材と受熱部とを手前側から見た図。
【図15】保持部材に係合ピンがカシメ固定された様子を示す図。
【図16】受熱部を示す斜視図。
【図17】支持部材を示す斜視図。
【図18】係合穴の概略構成図。
【図19】固定部材と支持部材とを示す斜視図。
【図20】固定部材と支持部材とを別の角度が見た斜視図。
【図21】受熱部が現像ユニットに圧接した状態を示す図。
【図22】受熱部が現像ユニットから離間した状態を示す図。
【図23】係合穴の第1の変形例を示す図。
【図24】係合穴の第2の変形例を示す図。
【図25】保持部材の外面に受熱部よりも低い熱伝導率の材料のシートを貼り付けた構成を示す図。
【図26】保持部材の内面に受熱部よりも低い熱伝導率の材料のシートを貼り付けた構成を示す図。
【図27】支持部材と保持部材の両端に磁石を設けた構成を示す図。
【図28】支持部材の両端にスペーサを設けた構成を示す図。
【図29】露光装置が現像形成部よりも下方にある画像形成装置を示す図。
【図30】現像ユニットの下面に受熱部が圧接している状態を示す図。
【図31】現像ユニットの下面から受熱部が離間している状態を示す図。
【図32】支持部材を、弾性部材を介して固定する構成を示す図。
【図33】画像形成ユニットを取り外したときにおける支持部材の位置について説明する図。
【図34】ひとつの受熱部で全ての現像ユニットを冷却する構成を示す図。
【図35】直接転写タンデム方式のカラー画像形成装置を示す図。
【図36】係合部と被係合部とが係合した様子を示す図。
【図37】変形例2に係る画像形成装置のK色の画像形成ユニット周辺の断面図。
【図38】変形例2における保持部材と受熱部とを示す断面図。
【図39】変形例2の第1係合部周辺を示す概略斜視図。
【図40】変形例2の第2係合部周辺を示す概略構成図。
【図41】変形例2に係る画像形成装置におけるK色の画像形成ユニットを取り外したときの様子を示す図。
【図42】受熱部が現像ユニットの側面から離間した状態を示す図。
【図43】変形例3の画像形成装置における保持部材の斜視図。
【図44】変形例3の画像形成装置における支持部材の斜視図。
【図45】現像ユニットの奥側側面に突出部を設けた構成を示す図。
【図46】受熱部の奥側端部に保護層を設けた構成を示す図。
【図47】変形例4に係る中間転写ベルトクリーニングユニットと液冷装置とを模式的に表した模式図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を画像形成装置に適用した一実施形態について説明する。まず、本実施形態に係る画像形成装置の構成及び動作について説明する。
【0017】
図1は、本実施形態に係る画像形成装置の概略構成図である。図1の画像形成装置は、4つの画像形成ユニット11Y,M,C,Kが並列に配置された画像形成部1を有している、各画像形成ユニット11Y,M,C,Kは、潜像担持体たるドラム状の感光体18Y,M,C,K、ドラムクリーニングユニット12Y,M,C,K、帯電ユニット13Y,M,C,K、2成分現像方式の現像ユニット19Y,M,C,K等を図示しない枠体に収めている。これら画像形成ユニット11Y,M,C,Kは、プリンタ本体に脱着可能であり、一度に消耗部品を交換できるようになっている。
【0018】
画像形成部1の上方には、潜像形成手段としての露光ユニット9が設けられている。また、装置上部には、コンタクトガラス上に載置された原稿を走査して読み取る読取装置10が設けられている。画像形成部1の下方には、中間転写体としての中間転写ベルト15を備えた転写ユニット2が設けられている。中間転写ベルト15は、複数の支持ローラに掛け渡されており、図中時計回り方向に回転移動する。転写ユニット2の下方には2次転写装置4が設けられている。2次転写装置4は、2次転写ローラ17を備えており、2次転写ローラ17は、中間転写ベルト15における転写対向ローラ16に対する掛け回し箇所にベルトおもて面から当接して2次転写ニップを形成している。2次転写ローラ17には図示しない電源によって2次転写バイアスが印加されている。また、転写対向ローラ16は、電気的に接地されている。これにより、2次転写ニップ内に2次転写電界が形成されている。2次転写装置4の図中左方には、用紙上に転写されたトナー像を定着するために、内部に発熱体を備えた加熱ローラを有する定着ユニット7が設けられている。また、2次転写装置4と定着ユニット7との間には、トナー像転写後の用紙を定着ユニット7へと搬送する搬送ベルト6が設けられている。また、装置下方には、図示しない給紙収容部から1枚ずつ分離して給送された用紙を2次転写装置4へ給紙する給紙ユニット3が設けられている。また、定着ユニット7を通過した用紙を機外または両面ユニット5へ搬送する排紙ユニット8が設けられている。
【0019】
この画像形成装置でコピーをとるときは、読取装置10により原稿を読み取る。この原稿読み取りに並行して、中間転写ベルト15が図中時計回り方向に移動する。これと同時に、画像形成部1では、各帯電ユニット13Y,M,C,Kによって表面が帯電せしめられた各感光体18Y,M,C,K上に、読み取った原稿内容に基づきイエロー、マゼンタ、シアン、黒の色別情報を用いて露光ユニット9によりそれぞれ露光して潜像を形成する。次いで、各感光体18Y,M,C,K上の潜像を現像ユニット19Y,M,C,Kにより現像し、単色のトナー像(顕像)を形成する。そして、各感光体18Y,M,C,K上のトナー像を中間転写ベルト15上に互いに重なり合うように順次転写して、中間転写ベルト15上に合成トナー像を形成する。トナー像転写後の各感光体18Y,M,C,Kは、ドラムクリーニングユニット12Y,M,C,Kで、感光体18Y,M,C,K上に残留する残留トナーを除去し、再度の画像形成に備える。
【0020】
このようなトナー像形成に並行して、図示しない給紙収容部から1枚づつ用紙を繰り出し、レジストローラ14に突き当てて止める。そして、中間転写ベルト15上の合成トナー像の形成にタイミングを合わせてレジストローラ14を回転し、中間転写ベルト15と2次転写装置4との間に用紙を送り込み、2次転写装置4で転写して用紙上にトナー像を転写する。トナー像転写後の用紙は、搬送ベルト6で搬送して定着ユニット7へと送り込み、定着ユニット7で熱と圧力とを加えてトナー像を定着した後、排紙ユニット8へ送り込む。排紙ユニット8では切換爪で切換えて、機外(装置左側)の図示しない排紙トレイまたは下方の両面ユニット5へ案内する。両面ユニット5では、用紙を反転して再び2次転写位置(2次転写装置4と中間転写ベルト15とのニップ位置)へと導き、裏面にも画像を記録して後、排紙ユニット8で排紙トレイ上に排出する。なお、画像転写後の中間転写ベルト15は、中間転写ベルトクリーニングユニット90で、中間転写ベルト15上に残留する残留トナーを除去し、再度の画像形成に備える。
【0021】
図2は、K色の画像形成ユニット11Kの手前側斜視図であり、図3は、K色の画像形成ユニット11Kの奥側斜視図である。なお、図2、図3においては、感光体18K、現像ユニット19Kのみを示している。
感光体18Kは、感光層が塗工された感光管18cKと、手前側フランジ18aKと、奥側フランジ18bKとで構成されている。感光体18Kの手前側フランジ18aKと奥側フランジ18bKとが、画像形成ユニット11Kの枠体110Kに回転自在に支持されている。
現像ユニット19Kは、画像形成ユニット11Kの枠体110Kに仮位置決めされた後、位置決め手段たる前位置決め板111Kと奥位置決め板112Kとによって、位置決めされる。これら位置決め板111K、112Kは、感光体18Kの支持軸であるドラム軸18dKと現像ユニット19Kが備える現像剤担持体である現像ローラ19aKの不図示の現像ローラ軸とを回転自在に支持して、感光体18Kと現像ローラ19aKとの間に一定の現像ギャップを保持する。すなわち、感光体18Kのドラム軸18dKは、軸受を介して各位置決め板111K、112Kに回転可能に嵌合している。また、現像ローラ19aKの現像ローラ軸も、軸受を介して各位置決め板111K、112Kに回転可能に嵌合している。
また、奥位置決め板112Kには、長孔よりなる不図示の従基準孔が形成され、この従基準孔には、現像ユニット19Kに固定された従基準ピン19bKが嵌合している。同様に、前位置決め板111Kにも、長孔よりなる不図示の従基準孔が形成され、この従基準孔に現像ユニット19Kに固定された従基準ピン19bKが嵌合している。このように、従基準ピン19bKが各位置決め板111K、112Kに形成された不図示の従基準孔に嵌合することによって、現像ユニット19Kが現像ローラ19aKの中心軸線のまわりに回転することが禁止される。
【0022】
画像形成装置本体の側面には、画像形成ユニット11Kを着脱するための開口部が設けられている。
画像形成ユニット11Kを装着すると、感光体モータ30Kから延びるドラム軸18dKが感光体18Kを貫通するとともに、各位置決め板111K,112Kの軸受と嵌合する。これにより、感光体18Kの位置決めがなされ、感光体18Kの中心軸線と現像ローラ19aKの中心軸線との間の距離が正しく規制される。これによって、感光体18Kと現像ローラ19aKとの微小ギャップが正しく維持され、感光体18Kに高品質なトナー像を現像することができる。各位置決め板111K,112Kは、価格面、軽量化から樹脂が好ましいが、金属を用いてもよい。
また、図4に示すように、現像ローラ19aKの両端に金属ローラ190を設け、これら金属ローラ190を感光体のフランジ18aK,18bKに当接させて、現像ローラ19aKと感光体18Kとが所定の現像ギャップとなるように位置決めするようにしてもよい。
【0023】
ここで、画像形成装置では機械サイズを小型化する観点から機械内部の高密度化と共に定着ユニット7を転写ユニット2の下側にもぐりこませるような配置としている。図1の画像形成装置では、中間転写ベルト15は、定着ユニット7の上面および右側面を覆うよう屈曲している。この構成により装置の高さ方向と幅方向をコンパクトにしている。
【0024】
しかし、中間転写ベルト15に対して定着ユニット7を近接させると、発熱体である定着ユニット7によって中間転写ベルト15が熱的影響を受け変形し、色ずれ等の画像不具合が発生する恐れがある。これは、装置が高速化するにつれて装置内部の発熱量が増大することにより、顕著になってきている。また、両面印刷時は、定着ユニット7で加熱された用紙が両面ユニット5を通過し、再び2次転写位置にて中間転写ベルト15に接触するため、用紙からの熱伝達により、さらに中間転写ベルト15の温度が上昇して、より厳しい条件となる。また、中間転写ベルト15に接触している感光体18Y,M,C,K、さらには現像ユニット19Y,M,C,Kにも熱が伝わり、ベルト変形による画像不具合、及びトナーの固化等の不具合がより一層発生しやすくなる。
【0025】
そこで、発熱源である定着ユニット7と、定着ユニット7と近接して配置される中間転写ベルト15との間に断熱装置20を設けている。断熱装置20は、ダクトによる気流から成る場合も多いが、ここではヒートパイプを使った断熱装置について説明する。これは、主として受熱板21と、ヒートパイプ22と、放熱板23と、ダクト24及び図示しない排気ファンとで構成される。受熱部材である受熱板21は熱を吸収しやすい材料で形成され、発熱源である定着ユニット7と、その熱の影響から保護したい保護対象部である転写ユニット2との間に配置されている。伝熱手段(熱輸送手段)としてのヒートパイプ22は、受熱板21の下面に装着され、その一端部(下端部)側が受熱部となっている。ヒートパイプ22の他端側は放熱部であり、受熱部よりも高い位置で放熱板23に装着されている。放熱部材である放熱板23は、熱を放出しやすい材料で形成され、必要に応じてヒートシンクを設けても良い。ダクト24は本例では画像形成装置本体の前面から背面に延設され、そのダクト内部に放熱板23が位置するように設けられる。ダクト24の装置前面側端部には空気流入口が設けられ、背面側端部には排気口が設けられ、その排気口部には図示しない排気ファンが設けられている。このように構成された断熱装置20は、発熱部(本例では定着ユニット7)からの熱を受熱板21で受け、その熱が伝熱手段であるヒートパイプ22によって放熱部(放熱板23)まで輸送される。そして、ダクト24内にある放熱板23から熱が放出され、放出された熱は図示しない排気ファンにより機外に排出される。なお、排気ファンを設けず、自然冷却とすることも可能である。このように、定着熱の影響を遮断し、保護対象である画像形成ユニット11Y,M,C,K及び転写ユニット2を効果的に保護することにより、中間転写ベルト15の変形による色ズレ等の不具合や、トナー固化等による不具合の発生を未然に防止する。
【0026】
また、現像ユニット19Y,M,C,Kにおいては、現像ユニット内の現像剤を攪拌搬送する現像剤攪拌搬送部材を駆動した際に、現像剤攪拌搬送部材と現像剤との摺擦による摩擦熱や、現像剤同士の摺擦による摩擦熱により現像ユニット内を温度上昇させる。また、現像剤を現像領域に搬送する前に現像剤担持体上に担持されている現像剤の層厚を規制する現像剤規制部材と現像剤との摺擦による摩擦熱や、現像剤規制部材による規制の際の現像剤同士の摺擦による摩擦熱により現像ユニット内を温度上昇させる。
【0027】
現像ユニット内の温度が上昇すると、トナーの帯電量が低下してトナー付着量が増加し、所定の画像濃度が得られなくなる。また、温度上昇によりトナーが溶融して現像剤規制部材や現像剤担持体、感光体などに固着し、画像にスジ状の異常画像などが生じるおそれがある。近年、定着エネルギーを小さくするために溶融温度の低いトナーを用いた場合は、トナーの固着による異常画像などが生じやすい。また、印刷スピードの高速化により、現像ユニットが高温になりやすくなっている。
【0028】
そのため、現像ユニット19Y,M,C,Kは、高画像品質、高信頼達成のため非常に重要な冷却部位である。従来においては空冷ファンなどによって現像ユニット周辺に気流を発生させ温度上昇箇所である現像ユニット19Y,M,C,Kを空冷し、現像ユニット19Y,M,C,Kの温度が過度に上昇するのを抑制している。しかし、小型化の要請に伴い、現像ユニットの周辺に流路形成するためのダクトを小さくする必要がある。ダクトが小さくなると、現像ユニットの周囲に流れ込む気体の流量が減り、十分に現像ユニットを冷却することができない。
【0029】
このため、本実施形態の画像形成装置においては、現像ユニット19Y,M,C,Kの冷却を液冷装置で行っている。
【0030】
図5は、液冷装置30の概略構成図である。
図に示すように、液冷装置30は、温度上昇箇所である現像ユニット19Y,M,C,Kの壁面に圧接し、冷却液が現像ユニットからの熱を受ける4つの受熱部32Y,M,C,K、冷却液を冷却する3つの冷却手段たる冷却部35、冷却液を内包する循環パイプ34、冷却液を循環パイプ内で循環させるための搬送手段たる冷却ポンプ31、余剰の冷却液を貯留するリザーブタンク33などを備えている。各冷却部35は、放熱手段たるラジエータ35b、冷却ファン35aなどを備えている。
【0031】
図6は、受熱部32Kの概略構成図である。なお、他の受熱部32Y,M,Cも同様な構成である。受熱部32Kは、熱伝導性の高い部材で形成されたケース32aK内部に熱伝導性の高い部材で形成された流路32bKが設けられている。通常、熱伝導率が400[W/mK]程の銅、もしくは200[W/mK]程のアルミニウムをベースにして受熱部32Kのケース32aKおよび流路32bKが構成されている。また、さらに熱伝導率の高い材質(例えば、銀や金)を用いても良い。流路32bKの先端には、ゴムチューブや樹脂チューブのような柔軟性のある部材で構成された循環パイプ34が接続されている。これは、詳細は後述するが、受熱部32Kは、後述する接離機構によって画像形成ユニット11Kの着脱方向に移動可能に支持されている。このため、循環パイプ34をゴムチューブや樹脂チューブなどの柔軟性のある部材で構成した方が、循環パイプ34を受熱部32Kの動きに追随させることができ、流路32bKから循環パイプ34が外れてしまうなどの不具合が生じるのを抑制することができる。ただし、必ずしも全系でゴムチューブが必要かというとそうではなく、循環パイプ34の一部を金属配管にしてもよく、またそのほうが水分透過性を極力抑えることができるなど、都合が良い。
【0032】
また、現像ユニット19Kの側面などもアルミや銅などの熱伝導性の高い部材で構成しているため、現像ユニット19Kの側面に受熱部32Kを密着させようとすると、少なからず空気層ができてしまう。空気層ができてしまうと、熱交換の効率が落ちてしまう。そのため、本実施形態においては、受熱部32Kの現像ユニット19Kと対向する面(以下、圧接面という)に熱伝導シート130Kを貼り付けている(図10参照)。この熱伝導シート130Kは高熱伝導性であると同時に、現像ユニット19Kと受熱部32Kとの面精度を潰してくれるような硬さ(変形しやすさ)が要求される。しかし、熱伝導シート130Kは高熱伝導であると硬く、低熱伝導だと軟らかいという性質を持っているため、高熱伝導性を得るためには、熱伝導シート130Kは、ある程度硬くなってしまう。そのため、本実施例では、受熱部32Kを現像ユニット19Kの側面に圧接するように、受熱部32Kを大きな押圧力で押圧している。これにより、ある程度硬い熱伝導シートを用いても熱伝導シート130Kが変形して、現像ユニット19Kと受熱部32Kとの面精度を潰してくれる。これにより、現像ユニット19Kと受熱部32Kとの間に空気層ができるのを抑制し、現像ユニット19Kの熱を受熱部に良好に伝導させることができる。また、熱伝導シート130Kは、現像ユニット側面に貼り付けてもよい。
【0033】
先の図5に示すように、各冷却部35では、循環パイプ34からの冷却媒体を内包する収容部(熱伝導率が高いアルミ等で構成)を介して冷却液を伝熱・放熱する放熱手段であるラジエータ35bを備え、放熱量に応じて冷却ファン35aによる強制空冷、または自然空冷がとられる。また、冷却部35は、一つでもよいし、4つ以上であっても構わない。また、冷却部毎に冷却ファンを設けているが、一つの冷却ファンで各冷却部のラジエータに外気を供給するよう構成してもよい。冷却部35を複数備えることで各冷却部の冷却効率が低くても、全ての現像ユニット19Y,M,C,Kの温度上昇を良好に抑制することができる。その結果、ひとつの冷却部で全ての現像ユニット19Y,M,C,Kの温度上昇を抑制するものに比べて、放熱面積が小さく冷却効率のあまり高くない小型のラジエータを用いることができ、冷却部を小型化することが可能となる。
【0034】
冷却ポンプ31は冷却液を受熱部32Y,M,C,Kと冷却部35とで循環させる駆動源であり、冷却液は図5中矢印のように循環させる。また、リザーブタンク33は冷却液保管用のタンクである。冷却液は、受熱部32Y,M,C,Kで受けた熱をラジエータ35bまで輸送する熱輸送媒体であり、水を主成分とし、凍結温度を下げるためにプロピレングリコールやエチレングリコールなどを添加したり、金属の構成部品の錆を防ぐために防錆剤(例えば、リン酸塩系物質:リン酸カリ塩、無機カリ塩等)を添加したりして使用する。冷却液が水の場合、定積熱容量が空気の3000倍以上であり、少ない流量で大きな熱量を移送できるので、強制空冷に比べ効率のよい冷却が可能である。
【0035】
ラジエータ35bで冷やされた冷却液を、受熱部32YからC,M、Kへ順に送り、さらにこの後、リザーブタンク33、冷却ポンプ31へ送り、再び、ラジエータ35bに戻す順序を採っているが、この限りではない。例えば、図7に示すように、各受熱部32Y、M、C,Kを並列に連結してもよい。さらには、図8に示すように、冷却部を4つ設け、それぞれの冷却部を各現像ユニットに対応させ、冷却部で冷却された冷却液が、対応する現像ユニットに設けられた受熱部に流れるまでの間に、対応しない現像ユニットに設けられた受熱部に流れないように循環パイプ34を構成してもよい。また、図9に示すように、Y色の現像ユニット19YとM色の現像ユニット19Mとを冷却する第1の液冷装置30aと、C色の現像ユニット19CとK色の現像ユニット19Kとを冷却する第2の液冷装置30bとを設けて、2つの冷却装置を用いて、各現像ユニットを冷却してもよい。冷却装置の構成は、受熱部が冷却すべき熱量と温度条件、すなわち熱設計条件によって決定されるものである。
【0036】
次に、受熱部を現像ユニットに対して接離させる接離機構について説明する。なお、各接離機構の構成は、同じであるので、以下においては、K色の受熱部32Kを接離させる接離機構を代表にして説明する。
現像ユニット19Kの冷却効率を落とさないように、受熱部32Kを現像ユニット19Kの側面に圧接させる必要がある。このため、現像ユニット19Kに大きな押圧力がかかり、この現像ユニット19Kにかかった受熱部32Kからの押圧力は、各位置決め板111K,112Kなどにおよぶ。その結果、位置決め板111K,112Kなどが変形するおそれがある。位置決め板111K,112Kが変形すると、現像ギャップも変動してしまう。現像ギャップの誤差範囲は非常にシビアであり、位置決め板111K,112Kが微小に変形して現像ギャップが微小に変動しただけでも画像に影響を与えてしまうおそれがある。しかしながら、受熱部32Kの現像ユニット19Kに対する押圧力を弱めると、受熱部32Kを現像ユニット19Kに密着させることができず、現像ユニット19Kの冷却効率が低下してしまう。そこで、本実施形態においては、受熱部32Kを現像ユニット19Kに押圧したときに、接離機構と現像ユニット19Kとを係合固定させて、現像ユニット19Kの壁面にかかる受熱部32Kの押圧力が外力とならないようにし、受熱部32Kからの押圧力が現像ユニット19Kから位置決め板111K,112Kなどに及ぶことを低減した。以下に、具体的説明する。
【0037】
図10は、K色の画像形成ユニット11Kの周辺を装置手前側見たときの概略構成図であり、図11は、K色の画像形成ユニット周辺の断面図である。
図に示すように、装置本体には収縮するレール62a,62b(例えばアキュライド等)が設けられている。これらレール62a、62bと、ドラム軸18dKとに画像形成ユニット11Kを装着して、画像形成ユニット11Kを装置本体へ押入れることで、画像形成ユニット11Kが装置本体に装着される。
図10に示すように、現像ユニット側には、受熱部32Kを現像ユニット19Kに対して接離させるための接離機構40Kが設けられている。
接離機構40Kは、受熱部32Kを保持する保持手段たる保持部材41Kと、保持部材41Kを現像ユニット19Kに対して接離可能に支持する支持手段たる支持部材42Kとを有している。支持部材42Kは、図中左側のレール62aが取り付けられている固定部材50Kに固定されている。固定部材50Kは、露光ユニット9が配置された書き込みエリアと画像形成部1とを仕切る仕切り板61に固定されている。
保持部材41Kは、図10に示すように、受熱部32Kの圧接面と反対側の面、上面および下面の3面と対向しており、受熱部32Kを覆っている。このように、保持部材41Kで受熱部32Kを覆うことで、定着ユニット等からの赤外光を遮蔽することができ、受熱部32Kが現像ユニット19K以外から熱的影響を受けるのを抑制することができる。これにより、受熱部32Kが現像ユニット19K以外からの熱的影響を受けて加熱されるのが抑制され、現像ユニット19Kを効率よく冷却することができる。
【0038】
図12は、保持部材41Kと受熱部32Kとを示す斜視図であり、図13は保持部材41Kを示す斜視図である。図14は、保持部材41Kと受熱部32Kとを手前側から見た図である。
図13に示すように保持部材41Kは、板金を折り曲げ加工などを施して形成されたもので、受熱部32Kの圧接面と反対側の面に対向する対向部41aKには、長手方向にほぼ等間隔で5箇所に穴41bKが設けられている。保持部材41Kの対向部41aKの短手方向両端部付近から折り曲げ加工によって形成された第1折り曲げ部41cKと第2折り曲げ部41dK(図14参照)との長手方向中央には係合穴41eKが設けられている。これら係合穴41eKには、図15に示すように、係合ピン140Kがカシメ固定されている。
【0039】
図16に示すように、受熱部32Kには、保持部材41Kの対向部41aKに設けられた5つの穴41bKと対応するように、5つの丸溝32cKが形成されている。各丸溝32cKの底面中央部には、ネジ穴32dKが設けられている(図6、図14参照)。図14に示すように、保持部材41Kの対向部41aKに設けられた5つの穴41bKには、段ネジ141Kが遊嵌しており、段ネジ141Kのネジ部が受熱部32Kのネジ穴32dKにねじ込まれている。また、段ネジ141Kの段部には、押圧手段であり弾性部材であるコイルスプリング142Kが巻きつけられている。そして、コイルスプリング142Kの一端は、保持部材41Kの対向部41aKに当接しており、他端が弾性部材当接部である丸溝の底部32eKに当接している。これにより、受熱部32Kは、コイルスプリング142Kにより現像ユニット19K側に付勢されて保持部材41Kに保持される。また、図14に示すように受熱部32Kの圧接面と反対側の面と対向部41aKとの間に所定の隙間を有して、受熱部32Kが保持部材41Kに保持される。これにより、受熱部32Kが現像ユニット19Kの側面に当てたとき、受熱部32Kを、保持部材41Kに対して相対的に移動させることができ、受熱部32Kを現像ユニット19Kに良好に圧接させることができる。また、図14に示すように、受熱部32Kの圧接面が、保持部材41Kの第1、第2折り曲げ部41cK,41dKの先端よりも突出するよう受熱部32Kが保持される。これにより、受熱部32Kを現像ユニット19Kに当接させる際に保持部材41Kの第1、第2折り曲げ部41cK,41dKの先端が、現像ユニット19Kに突き当ってしまうのを防止することができる。
また、弾性部材たるコイルスプリング142Kの種類を変更することによって、受熱部32Kの現像ユニット19Kに対する押圧力を容易変更することができる。
また、受熱部32Kに丸溝32cKを形成し、丸溝32cKの底部を受熱部の弾性部材当接部32eKとして、受熱部32Kの弾性部材当接部32eKを圧接面と反対側の面よりも現像ユニット側へ窪ませている。これにより、保持部材41Kの対向部41aKと弾性部材当接部32eKとの距離を、対向部41aKと受熱部32Kの圧接面と反対側の面との距離よりも広げることができる。これにより、コイルスプリング142Kの長さの変動などによる、コイルスプリング142Kの押圧力の変動を少なくすることができる。また、対向部41aKと受熱部32Kの圧接面と反対側の面との距離を狭めることができるので、装置のコンパクト化を図ることができる。
また、本実施形態においては、長手方向に等間隔で受熱部32Kを弾性保持することで、受熱部32Kに均一な押圧力を発生させることができる。
【0040】
なお、本実施形態においては、図13に示すように、保持部材41Kの対向部41aKに設けられた穴41bKは、長手方向に一列に並んでいるが、穴41bKを千鳥に配置してもよい。また、本実施形態においては、5箇所で受熱部32Kを弾性保持しているが、これに限られず、受熱部32K全面で均一に現像ユニット19Kに対して圧力をかけられるのであれば受熱部32Kを何箇所で弾性保持しようと構わない。また、対向部41aKと受熱部32Kの圧接面と反対側の面との距離を十分とれる場合は、受熱部32Kに丸溝32cKを掘らなくてもよい。また、本実施形態では押圧力を与える弾性部材をコイルスプリング142Kにしたが、板バネでも良く、さらには弾性力が復元するスポンジなどでもよい。スポンジなどの場合は段ネジ141Kでの保持でなくてもよく、スポンジを受熱部32K、保持部材41Kの両方に接着剤などにより接合し、スポンジによって受熱部32Kを保持部材41Kに保持するようにしてもよい。
【0041】
図17は、支持部材42Kの斜視図である。支持部材42Kは、第1部材421Kと第2部材422Kとで構成され、第1部材421Kは、背面部421aKと、支持部421bKと、固定部421cKとを有している。第1部材421Kは、板金を折り曲げ加工などを施して形成されたものであり、背面部421aKの短手方向端部付近を折り曲げ加工を施して、支持部421bKと固定部421cKとが形成されている。支持部421bKの長手方向両端付近には、取り付け部421dKが設けられており、これら取り付け部421dKの略中央には、長穴421eKが形成されている。第1部材421Kの固定部421cKの長手方向両端付近には、ネジ穴が形成されており、第2部材422Kが第1部材421Kにネジ止めされている。第1部材421Kの支持部421bKの長手方向中央と、第2部材422Kの長手方向中央には、保持部材41Kの係合ピン140Kが係合する係合穴423Kが形成されている。係合穴423Kは、図18に示すように、長手方向(現像ユニット挿入方向)に対して45°傾斜したガイド部423aKと、長手方向(現像ユニット挿入方向)に平行に延びる係止部423bKとを有している。
保持部材41Kの第1折り曲げ部41cKの穴にカシメ固定された係合ピン140Kを支持部421bKの係合穴423Kに係合させた後、第2部材422Kの係合穴423Kに保持部材41Kの第2折り曲げ部41dKの穴にカシメ固定された係合ピン140Kを係合させる。そして、第2部材422Kを第1部材421Kの固定部421cKにネジ止めする。これにより、保持部材41Kが支持部材42Kに支持される。
なお、本実施形態においては、図11に示すように、第1部材421Kの支持部421bKが上面となっているが、第1部材421Kの支持部421bKが下面でもよい。また、第2部材422Kは、第1部材421Kの固定部421cKにネジ止めされているが、リベットや溶接で固定してもよい。しかし、受熱部32Kのメンテナンス性を考えると、ネジ止めなどで固定し、容易に第1部材421Kと第2部材422Kとを分割できるようになっている方がよい。
【0042】
また、図17に示すように、第1部材421Kの支持部421bKの先端には、長手方向に延びて上方へ折り曲げられた第1係合部161Kが設けられており、第2部材422Kの先端には、長手方向に延びて上方へ折り曲げられた第2係合部162Kが設けられている。
また、図11に示すように、現像ユニット19Kの側面には、側面から突出した部分と突出した部分の先端から下方へ延びる部分とからなる第1被係合部191Kが現像ユニット長手方向にわたって設けられている。また、現像ユニット19Kの下面の受熱部側端部には、下面から突出した第2被係合部192Kが現像ユニット長手方向にわたって設けられている。第1係合部161Kは、第1被係合部191Kよりも感光体18K側に設けられており、第1係合部161Kと第1被係合部191Kとが対向している。また、第2係合部162Kは、第2被係合部192Kよりも感光体18K側に設けられており、第2被係合部192Kと対向している。
【0043】
支持部材42Kは、図19に示すように、仕切り板61の3箇所にネジ止めされた固定部材50Kに固定されている。具体的には、支持部材42Kの取り付け部421dKの長穴421eKに段ネジ150Kを遊嵌し、図20に示すように、固定部材50Kの長手方向両端部付近に設けられた支持部材固定台51Kの略中央部に設けられた不図示のネジ穴に段ネジ150Kのネジ部をネジ止めする。また、支持部材42Kの背面部421aKと、固定部材50Kとの間に隙間が生じるよう支持部材42Kを固定部材50に固定する。これにより、支持部材42Kが固定部材50Kに対して、コイルスプリング142Kの押圧方向に対して平行に揺動可能に固定される。このように、支持部材42Kが、コイルスプリング142Kの押圧方向に対して平行に揺動可能であるので、後述するように、現像ユニット着脱時に係合部161K,162Kと被係合部191K,192Kとの引っ掛かりを抑制することができ、現像ユニット19Kをスムーズに着脱することができる。また、後述するように、コイルスプリング142Kが受熱部32Kを介して現像ユニット19Kを押圧したとき、現像ユニット19Kからの反力を受けて、支持部材42Kが現像ユニット19Kから離間する方向へ移動することができる。その結果、係合部161K,162Kと被係合部191K,192Kとが係合して、接離機構40Kを現像ユニット19Kに固定することができる。
【0044】
次に、接離機構40Kによる受熱部32Kの接離について説明する。
図21は、受熱部32Kが現像ユニット19Kに圧接した状態を示す図であり、図22は、受熱部32Kが現像ユニット19Kから離間した状態を示す図である。
画像形成ユニット11Kを装置本体から取り出すときは、装置手前側に設けられた不図示のレバーを操作すると、保持部材41Kが装置手前側へ移動せしめられる。保持部材41Kが装置手前側移動すると、保持部材41Kの係合ピン140Kが、係合穴423Kの係止部423bKからガイド部423aKへ移動する。係合ピン140Kがガイド部423aKへ移動すると、保持部材41Kの係合ピン140Kが係合穴423Kのガイド部423aKに案内され、保持部材41Kが支持部材42Kに対して相対的に現像ユニット19Kから離間する方向へ移動する。これにより、保持部材41Kに保持されている受熱部32Kが現像ユニット19Kから離間する。係合ピン140Kがガイド部423aKの端部に突き当ると、図22に示すように、受熱部32Kが現像ユニット19Kから完全に離間する。受熱部32Kが現像ユニット19Kから離間したら、画像形成ユニット11Kを装置本体から引き出す。このように、画像形成ユニット11Kを装置本体から引き出すとき、受熱部32Kが現像ユニット19Kから離間して、現像ユニット19Kに受熱部32Kからの押圧力がかからない。また、各係合部161K,162Kと被係合部191K,192Kとの係合が解除され、係合部と被係合部とが現像ユニット着脱方向に相対的に移動可能となる。その結果、画像形成ユニット11Kを容易に装置本体から引き出すことができる。また、画像形成ユニット11K取り出し時に、熱伝導シート130Kと現像ユニット19Kとが摺擦することが抑制される。よって、熱伝導シート130Kが傷つくのを抑制することができる。
【0045】
画像形成ユニット11Kを交換するなどして、画像形成ユニット11Kを装置本体に装着したら、不図示のレバーを操作して、保持部材41Kを装置奥側へ移動せしめる。保持部材41Kを装置奥側へ移動させると、保持部材41Kの係合ピン140Kが、係合穴423Kのガイド部423aKによって案内され、保持部材41Kが、現像ユニット側へ移動する。これにより、保持部材41Kに保持された受熱部32Kが現像ユニット側へ移動する。さらに、保持部材41Kを装置奥側へ移動させていくと、図36に示すように、保持部材41Kの係合ピン140Kがガイド部423aKに案内されて受熱部32Kが現像ユニット19Kの側面に当接する。この状態からさらに保持部材41Kを装置奥側へ移動させていくと、受熱部32Kが現像ユニット側面と摺動しながら、現像ユニット19Kを押圧する。このとき、現像ユニット19Kの各被係合部191K,192Kと、接離機構40Kの各係合部161K,162Kとが当接していないときは、現像ユニットからの反力が受熱部32Kから保持部材41Kの係合ピン140Kを介して支持部材42Kに伝わり、支持部材42Kが現像ユニット19Kから離れる方向に押される。支持部材42Kは、コイルスプリング142Kの押圧方向に対して平行な方向に移動可能に固定部材50Kに対して固定されているので、現像ユニット19Kからの反力を受けて、図36の矢印に示すように、現像ユニット19Kから離間する方向へ支持部材42Kが移動する。これにより、現像ユニット19Kの各被係合部191K,192Kと接離機構の各係合部161K,162Kとが突き当り、係合部と被係合部とが係合する。この状態からさらに保持部材41Kを装置奥側へ移動させると、現像ユニット19Kからの反力を受けても支持部材42Kは、現像ユニット19Kから離間する方向へ移動しないため、コイルスプリング142Kが圧縮し、受熱部32Kがコイルスプリング142Kによって現像ユニット19Kの壁面に押圧される。このとき、受熱部32Kからコイルスプリング142Kにかかる押圧力の反作用を保持部材41Kが受け、保持部材41Kが受けた反作用は、係合ピン140Kを介して支持部材42Kが受ける。すなわち、保持部材41Kと支持部材42Kとが、押圧力の反作用を受ける受け手段として機能する。支持部材42Kの各係合部161K,162Kは、被係合部191K,192Kと突き当っているため、支持部材42Kが受けた反作用が、現像ユニット19Kの被係合部191K,192Kにおよぶ。すなわち、各係合部161K,162Kが各被係合部191K,192Kと係合して接離機構40Kが現像ユニット19Kに固定された状態となり、装置内で現像ユニット19Kと接離機構40Kとが一体物のようになる。これにより、受熱部32Kが現像ユニット19Kの壁面を押す押圧力が、外力として現像ユニット19Kに作用せずに、現像ユニット19K内の内力として作用させることができる。その結果、位置決め板111K,112Kなどが、現像ユニット19Kから受ける(受熱部32Kからの押圧力に起因する)力を低減することができる。これにより、位置決め板111K,112Kなどが変形するのを抑制することができる。また、位置決め板111K,112Kの変形を抑制することができるので、現像ギャップの変動を抑制することができ、高画質な画像を経時にわたり維持することができる。そして、保持部材41Kの係合ピン140Kが係合穴423Kの係止部423bKまで案内されると、受熱部32Kが、所定の押圧力で現像ユニット19Kを押圧することができる。
【0046】
なお、図18に示すように、本実施形態においては、係合穴423Kのガイド部423aKの傾斜角度を45°にしているが、45°でなくてもよい。45°よりも角度を小さくすれば、保持部材41Kを装置手前側から装置奥側へ、移動させるときに保持部材41Kを押す力が少なくてすむ。また、逆に傾斜角度を45°よりも大きくすれば、保持部材41Kの係合ピン140Kを係合穴423Kのガイド部423aKに案内して受熱部32Kを接離する際、熱伝導シート130Kと現像ユニット19Kの側面との摺擦面積を少なくすることができ、熱伝導シート130Kの傷つきを抑制することができる。
また、図23に示すように、係合穴の係止部423bKを装置奥側に行くに連れて、現像ユニット側へ近づくよう少し傾斜させた形状にしてもよい。このようにすることで、受熱部32Kを接離する際の熱伝導シート130Kと現像ユニット19Kの側面との摺擦面積を少なくすることができ、熱伝導シート130Kの傷つきを抑制することができる。ただし、この場合は、現像ユニット19Kからの反作用を受け、保持部材41Kの係合ピン140Kが係止部423bKの先端からガイド部423aK側へ移動して、受熱部32Kが現像ユニット19Kに対して所定の押圧力が発揮できないおそれがある。このため、図23に示すように係合穴423Kを構成した場合は、保持部材41Kの係合ピン140Kが係止部423bKの先端から移動できないように保持部材41Kの画像形成ユニット11Kの着脱方向に対する移動をロックするロック機構を設ける必要がある。
また、図24に示すように、係止部423bKに係合ピン140Kが止まる溝423cKを設けてもよい。このように溝423cKを設けることで、係合ピン140Kが係止部423bKの先端まで移動すると、係合ピン140Kが現像ユニット19Kから離れる方向へ移動し、受熱部32Kの現像ユニット19Kに対する押圧力が減少する。このため、係合ピン140Kが係止部423bKの先端までくると、ユーザがクリック感を感じることができ、ユーザが保持部材41Kを移動させて受熱部32Kの接離作業を行った際、保持部材41Kの係合ピン140Kが係止部423bKの先端に突き当ったことが分かりやくなるといった長所がある。
【0047】
また、画像形成ユニット11Kは、装置本体に対して着脱可能に構成している性質上、多少のガタを有して装置本体に装着される。このため、画像形成ユニット11Kが装置本体に対して多少斜めに装着されてしまう場合もある。このように、斜めに装着された際、装着時に第1被係合部191Kが第1係合部161Kに引っかかったり、第2被係合部192Kが第2係合部162Kに引っかかったりして、うまく装着できない場合がある。しかし、本実施形態においては、支持部材42Kは、固定部材50Kに対して、コイルスプリング142Kの押圧方向に対して平行に揺動可能に固定されている。よって、画像形成ユニット11Kが装置本体に対して斜めに装着されて、被係合部191K,192Kが係合部161K,162Kに突き当ると、支持部材42Kが揺動して、支持部材42Kが画像形成ユニット11Kと平行になる。これにより、現像ユニット19Kの被係合部191K,192Kが係合部161K,162Kに引っ掛かることなく装着することができる。
なお、本実施形態においては、支持部材42Kを、固定部材50Kに2箇所で固定しているが、固定箇所はいくつでもよい。しかし、固定箇所を増やすと、過拘束となり、支持部材42Kがスムーズに揺動ができなくなるので、2〜3箇所に抑えたほうがよい。さらに、支持部材42Kの取り付け部421dKと段ネジ150Kとの間、および、固定部材50Kの支持部材固定台51Kと支持部材42Kの取り付け部421dKとの間をすべり易くするため、ナイロンワッシャを挟んだりグリスを塗ったりしてもよい。これにより、画像形成ユニット11Kが装置本体に対して斜めに装着されて、被係合部191K,192Kが係合部161K,162Kに突き当った際、支持部材42Kがスムーズに揺動し、より一層容易に画像形成ユニット11Kを装着することができる。
【0048】
また、本実施形態においては、保持部材41Kを、支持部材42Kに対して、保持部材41Kの長手方向中央部に設けた係合ピン140Kのみで支持するようにしている。さらに、図21に示すように、保持部材41Kの対向部41aKと、支持部材42Kの背面部421aKとの間に隙間が生じるよう保持部材41Kが支持部材42Kに支持されている。これにより、保持部材41Kを、係合ピン140Kを中心にして揺動可能に支持することができる。その結果、装置本体に対して斜めに装着された画像形成ユニット11Kの現像ユニット側面に受熱部32Kを押圧するとき、保持部材41Kが係合ピン140Kを中心にして回動し、受熱部32Kを現像ユニット19Kの側面と平行にして押し当てることができる。これにより、均一な押圧力で受熱部32Kを現像ユニット19Kに押し当てることができ、均一に現像ユニット19Kを冷却することができる。
【0049】
また、保持部材41Kを受熱部32Kよりも低い熱伝導率材料で構成してもよい。保持部材41Kを受熱部32Kよりも低い熱伝導率材料で構成することにより、保持部材41Kの温度上昇を抑えることができ、保持部材41Kから受熱部32Kへ伝わる熱量を低減することができる。上述したように、受熱部32Kは、熱伝導率が400[W/mK]程の銅、もしくは200[W/mK]程のアルミニウムをベースで作られるため、保持部材41Kとしては、これよりも低い熱伝導率を持つ、例えば、0.2[W/mK]程のPOM等の樹脂を用いることがこのましい。
また、保持部材41Kの全体を受熱部32Kよりも低い熱伝導率材料にしなくても、部分的に低い熱伝導率材料にしてもよい。例えば、図25に示すように、受熱部32Kよりも低い熱伝導率材料からなるシート410Kを保持部材41Kの外面に貼付したり、図26に示すように保持部材41Kの内面に貼付したりしてもよい。また、受熱部32Kよりも低い熱伝導率の材料を保持部材41Kの内面や外面に塗布するようにしてもよい。こうすることで、たとえばベースとなる材料の強度を高くしておけば、保持部材41Kの強度を確保できる。また受熱部32Kよりも低い熱伝導率の材料を塗布するのであれば、これを後処理として行える等のメリットも生じる。
【0050】
さらに、受熱部32Kと当接する部材、段ネジ141Kやコイルスプリング142Kにおいても、受熱部32Kよりも低い熱伝導率材料とするのが好ましい。これにより、段ネジ141Kやコイルスプリング142Kから受熱部32Kへの熱伝導による伝熱を低減させることができる。また、受熱部32Kのネジ穴32dKや、丸溝32cKの底部32eKを受熱部32Kよりも低い熱伝導率材料としてもよい。このように構成しても、段ネジ141Kやコイルスプリング142Kから受熱部32Kへの熱伝導による伝熱を低減させることができる。
【0051】
また、支持部材42Kは、固定部材50Kなどから装置本体からの熱伝導による熱量が存在するため、係合ピン140Kを高い熱伝導率材料で構成すると、支持部材42Kから係合ピン140Kを介して保持部材41Kに熱が伝導してしまう。よって、保持部材41Kの係合ピン140Kを受熱部32Kよりも低い熱伝導率材料で構成するのが好ましい。このように、係合ピン140Kを受熱部32Kよりも低い熱伝導率材料で構成することで、支持部材42Kから係合ピン140Kを介して保持部材41Kに熱が伝導するのを抑制でき、保持部材41Kの温度上昇を抑制することができる。これにより、保持部材41Kから受熱部32Kへ伝わる熱量を低減でき、受熱部32Kによる現像ユニット19Kの冷却効率を一層向上することができる。
【0052】
さらに、本実施形態においては、保持部材41Kは、係合ピン140Kを中心にして揺動可能に支持部材42Kに支持されているため、画像形成ユニット11Kを装置本体から抜き出しているときに、装置に振動などが加わるなどして、保持部材41Kの長手方向端部が支持部材42Kと接触してしまう場合がある。このように、接触した場合、接触面を通して熱伝導によって保持部材41Kが温度上昇してしまい、受熱部32Kによる現像ユニット19Kの冷却効率を損ねるおそれがある。
そこで、図27に示すように、支持部材42Kの長手方向両端と、保持部材41Kの長手方向両端とに磁石411Kを配置し、磁石411Kの反発力を利用して保持部材41Kの長手方向端部が支持部材42Kと接触しないようにする。また、磁石411Kの引力を利用して、支持部材42Kと保持部材41Kとの間で磁力のバランスをとり、保持部材41Kの長手方向端部が支持部材42Kと接触しないようにする。しかしながら、磁力の引力を利用する場合は、磁力のバランスがくずれると、逆に、保持部材41Kの長手方向端部が支持部材42Kと接触してしまうので、磁力の引力を利用するよりも反発力を利用するのがこのましい。
また、図28に示すように、支持部材42Kの長手方向両端に受熱部32Kよりも低い熱伝導率材料のスペーサ214を配置してもよい。このようにすることで、保持部材41Kの端部は、スペーサ214に接触することになり、保持部材41Kの加熱を抑制することができる。図28に示す例では、支持部材42Kの両端にスペーサ214を設けているが、保持部材41Kの両端にスペーサ214を設けてもよい。
【0053】
[変形例1]
次に、本実施形態の変形例1について説明する。
この変形例1においては、受熱部を現像ユニットの下面に圧接させるようにしたものである。図29に示すように、露光ユニット9が画像形成部1の下側にある画像形成装置など現像ユニットの下面にスペースがある場合は、受熱部を現像ユニットの下面に圧接させるようにした方が、現像装置を効率よく冷却でき、好ましい。これは、現像剤攪拌搬送部材と現像剤との摺擦による摩擦熱や、現像剤同士の摺擦による摩擦熱が生じる現像ユニットの下面が最も温度上昇するからである。このため、受熱部を現像ユニットの下面に圧接させて現像ユニットの下面を積極的に冷やすことで、現像ユニットを効率よく冷却することができる。
【0054】
図30は、K色の受熱部32Kを現像ユニット19Kの下面に圧接させた状態を示す図であり、図31は、受熱部32Kを現像ユニット19Kの下面から離間させた状態を示す図である。
図30、図31に示すように、受熱部32Kの接離機構40Kの構成は、上記実施形態と同様である。すなわち、接離機構40Kは、受熱部32Kが、コイルスプリング142Kで現像ユニット側に付勢された状態で保持部材41Kに保持されており、保持部材41Kの長手方向中央部に設けられた係合ピン140Kが支持部材42Kの係合穴に係合することで保持部材41Kが支持されている。係合穴は、図18に示したように、ガイド部と係止部とで構成されている。
【0055】
現像ユニットの図中左側側面に第1被係合部191Kが設けられており、図中右側(感光体側)側面に第2被係合部192Kが設けられている。そして、図30に示すように、受熱部32Kが現像ユニット19Kの下面に圧接しているときは、第1被係合部191Kが、支持部材42Kの図中左先端に設けられた第1係合部161Kに突き当り、第2被係合部192Kが、支持部材42Kの図中右側先端に設けられた第2係合部162Kに突き当る。これにより、コイルスプリング142Kが受熱部32Kを押す押圧力の反作用が、現像ユニット19Kの第1被係合部191K,第2被係合部192Kに及ばせることができる。これにより、現像ユニット19Kの下面にかかる受熱部32Kの押圧力が現像ユニット19Kの内部に生じる内力となり、不図示の位置決め板などが現像ユニット19Kから受ける受熱部32Kからの押圧力に起因する力が低減され、位置決め板の変形を抑制することができる。よって、現像ギャップの変動を抑制することができる。
【0056】
また、保持部材41Kを装置手前側へ引くと、図31に示すように、保持部材41Kが下側へ移動して、保持部材41Kに保持された受熱部32Kが現像ユニット19Kの下面から離間する。これにより、各係合部161K,162Kと被係合部との係合固定が解除され、係合部161K,162Kと被係合部191K,192Kとが現像ユニット着脱方向に相対的に移動可能となる。よって、画像形成ユニット11Kを装置本体から引き出すときには、受熱部32Kからの押圧力や、係合部161K,162Kからの押圧力の反作用が現像ユニット19Kにかかっていないので、画像形成ユニット11Kを装置本体から容易に取り出させることができる。
【0057】
また、図32に示すように、支持部材42Kを、弾性部材151Kを介して装置本体に固定してもよい。このように構成することで、画像形成ユニット11Kが装置本体に対して斜めに装着され、被係合部191K,192Kが係合部161K,162Kに突き当ったとき、弾性部材151Kが弾性変形して支持部材42Kが画像形成ユニット11Kと平行な姿勢を取ることができる。これにより、現像ユニット19Kの被係合部191K,192Kが係合部161K,162Kに引っ掛かることなく装着することができる。また、図33に示すように、画像形成ユニット11Kが装置本体から取り出されたとき、支持部材42Kが自重で下がっても、各係合部161K,162Kが、図中点線で示す被係合部191K,192Kよりも上方へくるような付勢力を有する弾性部材151Kを用いる。
また、弾性部材151Kの付勢力は、コイルスプリング142Kの付勢力(押圧力)よりも弱いものを用いる。これにより、保持部材41Kを装置奥側へ移動させて、受熱部32Kが現像ユニット19Kと当接した際、支持部材42Kが、現像ユニット19Kからの反力によって下方へ移動して、各係合部161K,162Kを各被係合部191K,192Kに突き当てることができる。これにより、確実に被係合部161K,162Kが受熱部からの押圧力の反作用を受けることができる。また、確実に受熱部32Kを所定の押圧力で押圧することができるので、受熱部32Kを現像ユニット19Kの下面に密着させることができる。
【0058】
また、図29に示すように露光ユニット9が画像形成部1の下側にある画像形成装置の場合は、図34に示すようにひとつの受熱部32で現像ユニット19Y,M,C,Kを冷却してもよい。受熱部32には、Y色の感光体に照射するレーザー光を通すための貫通孔、M色の感光体に照射するレーザー光を通すための貫通孔、C色の感光体に照射するレーザー光を通すための貫通孔が設けられている。接離機構は、受熱部32を保持する保持部材41と、各現像ユニット19Y,M,C,Kに対応した4つの係合部材342Y,M,C,Kを有している。K色の係合部材342Kの第2係合部342bKとY色の係合部材342Yの第1係合部342aYには、先の図18に示したような係合穴が設けられており、保持部材41に設けた係合ピン140Kがそれぞれ係合している。保持部材41は、受熱部32同様、Y色の感光体に照射するレーザー光を通すための貫通孔、M色の感光体に照射するレーザー光を通すための貫通孔、C色の感光体に照射するレーザー光を通すための貫通孔が設けられている。また、保持部材41は各現像ユニットの下面と対向する箇所に設けられたコイルスプリング142Y,M,C,Kを介して受熱部32を弾性保持している。K色の係合部材342Kの第1係合部342aK、C色の係合部材342Cの第1、第2係合部342aC,342bC、M色の係合部材342Mの第1、第2係合部342aM,342bM、Y色の係合部材342Yの第2係合部342bYには、それぞれ保持部材41と受熱部32とが貫通する貫通孔が設けられている。
【0059】
ここで、K色の画像形成ユニット11Kを交換する場合、保持部材41を装置手前側へ移動させて、受熱部32を各現像ユニット19Y,M,C,Kから離間させてから、画像形成ユニット11Kを装置本体から取り出す。新品のK色画像形成ユニット11Kが交換されたら、保持部材41を装置奥側へ移動させ、受熱部32を各現像ユニット19Y,M,C,Kに押圧する。すると、各色の係合部材342Y,M,C,Kが現像ユニット19Y,M,C,Kに係合して、各色の現像ユニット19Y,M,C,Kが、受熱部32からの反力を受けることができる。これにより、各色の位置決め板に現像ユニット19Y,M,C,Kから受ける受熱部32からの押圧力に起因する力を低減させることができる。これにより、各色の位置決め板の変形を抑制することができる。
【0060】
[変形例2]
次に、本実施形態の変形例2について説明する。
この変形例2においては、受熱部を現像ユニットの下面と側面に圧接させるようにしたものである。このように、2面で現像ユニットを冷却するので、より効率よく現像ユニットを冷却することができる。
【0061】
図37は、変形例2の画像形成装置におけるK色の画像形成ユニット周辺の断面図である。
図に示すように、変形例2においては、受熱部32Kが、断面L字状に形成されている。また、図38に示すように、この変形例2においては、受熱部32Kの下面と側面が、コイルスプリング142Kで現像ユニット側に付勢された状態で保持部材41Kに保持されている。また、先の図37に示すように、受熱部32Kの下面に固定されている段ネジ141Kの頭部は、それぞれ保持部材に当接している。
【0062】
また、図38に示すように、受熱部32Kの下面の長手方向中央部に固定されている段ネジ141の頭部に係合ピン143Kが設けられている。保持部材41Kの第1折り曲げ部41cKの長手方向中央には、実施形態同様、係合ピン140Kがカシメ固定されている。これら係合ピン140K、143Kが支持部材42Kの係合穴に係合することで保持部材41Kが支持されている。係合穴は、図18に示したように、ガイド部と係止部とで構成されている。
【0063】
支持部材42Kは、固定部材50Kに対して図中上下方向、左右方向に移動可能に固定部材50Kの支持部材固定台51Kに段ネジ150Kにより固定されている。
【0064】
図39は、変形例2の第1係合部周辺を示す概略斜視図である。
変形例2においては、第1係合部161Kは、第1部材421Kの支持部421bKの先端における装置奥側端部から現像ユニット側へ突出している突出部分161aKと、鉤状部分161bKとからなっている。
【0065】
第1係合部161Kと係合するための第1被係合部191Kは、現像ユニット側面の奥側端部に設けられている。第1被係合部191Kは、実施形態同様、側面から突出した部分と突出した部分の先端から下方へ延びる部分とからなる。また、現像ユニット19Kは、第1被係合部191Kの側面から突出した部分と対向するように、第1台座面193Kを有している。第1台座面193Kよりも奥側には、第1台座面193Kから下方へ傾斜する第1案内面195Kが設けられている。
【0066】
図40は、変形例2の第2係合部周辺を示す概略構成図である。なお、図40は、第2係合部と、第2被係合部との構成をわかりやすく示すために、現像ユニット19Kについては、一部省略して記載してある。
図40に示すように、変形例2においては、第2部材422Kの装置奥側端部と、手前側端部との2箇所に第2係合部162aK,162bKが設けられており、それぞれ上方へ突出している。各第2係合部162aK,162bKの先端部分は、内側に折り曲げられている。また、現像ユニット19Kに設けられた第2被係合部192Kの奥側と手前側には、第2被係合部192Kから感光体側に突出する第2台座面194aK,194bKがそれぞれ設けられている。各第2台座面194aK,194bKの奥側には、下方へ傾斜する第2案内面196aK,196bKが設けられている。
【0067】
また、手前側の第2係合部162bKの上方への突出量は、奥側の第2係合部162aKの突出量よりも少なくなっており、手前側の第2台座面194bKが設けられる位置は、奥側の第2台座面194aKよりも低い位置に設けられ、画像形成ユニット装着時に手前側の第2係合部162bKが、奥側の第2台座部196aKや第2案内面196196aKなどと当接しないようになっている。なお、これに限らず、奥側の第2係合部162aKの上方への突出量を、手前側の第2係合部162bKの突出量よりも少なくなし、奥側の第2台座面194aKが設けられる位置を、手前側の第2台座面194bKよりも低い位置に設けて、手前側と奥側との高さ関係を逆にしてもよい。また、現像ユニット19Kを上下方向に斜めにしながら画像形成装置へ挿入可能な場合は、手前側と奥側との第2台座部および第2係合部の高さを同じにしてもよい。
【0068】
次に、変形例2における、受熱部32Kの現像ユニット19Kに対する接離について、説明する。
画像形成ユニット11Kが、装置本体から取り出されているときは、図41に示すように、支持部材42Kの取り付け部421dKが、固定部材50Kの支持部材固定台51K上に載っている。画像形成ユニット11Kを挿入していくと、第1被係合部161Kの突出部分161aKが、第1案内面195Kに突き当る。また、奥側と手前側の第2係合部162aK,162bKが、それぞれ第2案内面196aK,196bKに突き当る。この状態からさらに現像ユニット19Kを装着していくと、支持部材42Kが、第2案内面196aK,196bK、第1案内面195Kに案内されて、上方へ移動する。また、支持部材42Kとともに、保持部材41Kおよび受熱部32Kも上方へ移動していき、受熱部32Kが、現像ユニット19Kの下面と当接する。さらに、現像ユニット19Kを装置本体へ装着すると、図42に示すように、奥側と手前側の第2係合部162aK,162bKが、それぞれ第2台座面196aK,196bKに載り、第1係合部161Kの突出部分161aKが第1台座面193Kに載る。このとき、受熱部32Kの下面を押圧するコイルスプリング142Kが圧縮し、受熱部32Kを上方へ押圧する。これにより、現像ユニット19Kの下面に受熱部32Kを圧接させることができる。また、受熱部32Kの下面を押圧するコイルスプリング142Kが受熱部32Kを押す押圧力の反作用が、受熱部32Kの下面に固定されている段ネジ144Kの頭部に作用し、段ネジ144Kが、支持部材42Kを下方へ押圧する。その結果、押圧力の反作用が、支持部材42Kの第1係合部161Kの突出部分161aKから現像ユニット19Kの第1台座面193Kに作用し、支持部材42Kの各第2係合部162aK,162bKから現像ユニット19Kの第2台座面196aK,196bKに作用する。これにより、現像ユニット19Kが、受熱部32Kからの現像ユニット19Kを上方へ押し上げる押圧力の反作用を受けることができる。よって、受熱部32Kにより現像ユニットを上方へ押す押圧力を、現像ユニット19Kの内力とすることができる。
【0069】
図42に示すように、現像ユニット19Kが装置本体に装着されたら、実施形態と同様にして、不図示のレバーを操作し、保持部材41Kを装置奥側へ移動せしめる。そして、実施形態と同様にして、現像ユニット19Kの側面からの反力が受熱部32Kから保持部材41Kの係合ピン140Kを介して支持部材42Kに伝わり、支持部材42Kが現像ユニット19Kから離れる方向(図中左方向)に移動する。その結果、図37に示すように、現像ユニット19Kの各被係合部191K,192Kと接離機構の各係合部161K,162aK,162bKとが突き当り、支持部材42Kが受けた反作用が、現像ユニット19Kの被係合部191K,192Kにおよぶ。
【0070】
このように、変形例2においても、受熱部から受ける押圧力を現像ユニットの内力にすることができ、位置決め板111K,112Kなどが、現像ユニット19Kから受ける(受熱部32Kからの押圧力に起因する)力を低減することができる。よって、位置決め板111K,112Kなどが変形するのを抑制することができ、現像ギャップの変動を抑制することができ、高画質な画像を経時にわたり維持することができる。
【0071】
[変形例3]
次に、本実施形態の変形例3について説明する。
変形例3は、図43に示すように、保持部材41Kの奥側端部に係合ピン140Kをカシメ固定し、図44に示すように、支持部材42Kの奥側端部に係合穴423を設け、保持部材41Kの奥側端部に設けた係合ピン140Kを支持部材42Kの奥側端部に設けた係合穴423に係合させたものである。これにより、保持部材41Kは、奥側端部を中心にして、揺動可能に支持部材42Kに支持される。
【0072】
変形例3のような構成を有することで、次のようにして受熱部32Kの現像ユニット19Kへの圧接を行えば、受熱部32Kの圧接面と現像ユニット19Kの側面との摺擦を奥側端部付近のみにすることができる。すなわち、保持部材41Kの手前側端部を支持部材42Kへ寄せて、受熱部32Kの手前側を現像ユニット19Kの側面から十分離間させて、保持部材41Kを装置奥側へ移動せしめるのである。このようにして、保持部材41Kを装置奥側へ移動せしめることで、受熱部32Kの奥側端部付近のみを、現像ユニット19Kの側面と摺擦させることができる。その結果、現像ユニット19Kと受熱部32Kの摺動面を小さくし、耐久性を向上させることができる。とりわけ、受熱部32Kと現像ユニット11Kの間に熱伝導シート130Kを設けた場合、熱伝導シート130Kの劣化を低減できる。これは、熱伝導シート130Kは、金属よりも柔らかいため、現像ユニット19K(または受熱部32K)と摺動した際、熱伝導シート130Kが、傷つきやすいためである。
【0073】
保持部材41Kを装置奥側へ移動せしめたら、保持部材41Kの装置手前側に設けられた不図示のロック機構を用いて、保持部材41Kを現像ユニット19Kに固定する。この不図示のロック機構により保持部材41Kを現像ユニット19Kに固定することにより、装置手前側端部においては、コイルスプリング142Kの押圧力の反作用が、不図示のロック機構を介して現像ユニット19Kにおよぶ。一方、保持部材41Kの装置奥側においては、ロック機構により保持部材41Kの装置手前側端部を現像ユニット19Kに固定する際に、現像ユニット19Kからの反力を、係合ピン140Kを介して、支持部材42Kが受ける。そして、支持部材42Kが現像ユニット19Kから離間する方向へ移動して、支持部材42Kの係合部161K,162Kが、現像ユニット19Kと係合する。これにより、装置奥側においては、コイルスプリング142Kの押圧力の反作用が、支持部材42Kの係合部161K,162Kを介して現像ユニット19Kにおよぶ。これにより、接離機構40Kが現像ユニット19Kに固定された状態となり、装置内で現像ユニット19Kと接離機構40Kとが一体物のようになり、受熱部32Kが現像ユニット19Kの壁面を押す押圧力を現像ユニット19K内の内力として作用させることができる。その結果、位置決め板111K,112Kなどが、現像ユニット19Kから受ける(受熱部32Kからの押圧力に起因する)力を低減することができ、位置決め板111K,112Kなどが変形するのを抑制することができる。
【0074】
また、この変形例3においても、保持部材41Kを、係合ピン140Kを中心にして揺動可能に支持している。よって、装置本体に対して斜めに装着された画像形成ユニット11Kの現像ユニット側面に受熱部32Kを押圧するとき、保持部材41Kが係合ピン140Kを中心にして回動し、受熱部32Kを現像ユニット19Kの側面と平行にして押し当てることができる。これにより、均一な押圧力で受熱部32Kを現像ユニット19Kに押し当てることができ、均一に現像ユニット19Kを冷却することができる。
【0075】
また、変形例3においては、図45に示すように、現像ユニット19Kの剤収容部80よりも奥側に設けられ、現像ユニット19Kの奥側側面から突出する突出部73を設けて、現像ユニット19Kが装置本体に装着されたとき、現像ユニット19Kの剤収容部80よりも受熱部32Kの奥側端部が、装置奥側となるようにしてもよい。このように構成することによって、上述のようにして、保持部材41Kの手前側を支持部材42Kへ寄せて保持部材を装置奥側へ移動させたとき、受熱部32Kの奥側端部付近は、突出部73と摺擦する。この突出部73は、冷却する必要性がないので、受熱部32Kの奥側端部付近が、突出部73との摺擦により傷ついても、問題がない。これにより、冷却の必要性が高い現像ユニット19Kの剤収容部80と対向する受熱部32Kの圧接面と現像ユニットの側面との摺擦による傷つきを抑制することができる。その結果、現像ユニット19Kの剤収容部80と対向する受熱部32Kの圧接面と現像ユニット側面との密着性を経時にわたり確保することができ、良好な冷却性能を経時にわたり維持することができる。なお、突出部73は、特に設けなくても構わない。
【0076】
また、この変形例3においては、図46に示すように、受熱部32Kの奥側端部に、保護層71を設けてもよい。なお、図46(a)は、受熱部32Kの圧接面に熱伝導シート130Kを設けていない例を示す図であり、図46(b)は、受熱部32Kの圧接面に熱伝導シート130Kを設けた例を示す図である。このように保護層71を設けることで、上述したように保持部材41Kの手前側を支持部材42Kへ寄せて保持部材41Kを装置奥側へ移動させたとき、保護層71が、現像ユニット19の側面と摺擦することにより、受熱部32K(または熱伝導シート130K)の傷つきを防止することができる。また、保護層71を、低摩擦部材とすることにより、現像ユニット19Kとの摺動性を良くすることができ、保護層71と現像ユニット19Kとの耐久性を向上させることができる。また、保護層71は現像ユニット19Kの奥側端部に設けても良いし、現像ユニット19Kと受熱部32Kとの両方に設けてもよい。
なお、図45,図46においては、わかりやすくするため、保護層71の厚みを厚く記載しているが、実際は、薄膜であり、保護層71を設けたことによる受熱部32Kの現像ユニット19Kへの圧接力の影響は、ほとんどない。
【0077】
なお、上記においては、現像ユニットと感光体とが位置決め板によって位置決めされ、画像形成ユニットとして現像ユニットが感光体と一体となって装置本体に着脱される構成について説明したが、現像ユニット単体で画像形成装置本体から着脱される構成であってもよい。この場合は、現像ユニットが、装置本体に装着されることで、現像ユニットが装置本体内の位置決め部材に位置決めされ、感光体と現像ローラとのギャップが所定の値に維持される。このように、現像ユニットが単体で装置本体から着脱される構成であっても、本発明を適用することで、装置本体内の位置決め部材が現像ユニットから受ける受熱部の押圧力に起因する力を低減することができる。これにより、位置決め部材の変形が抑制され、高精度の現像ギャップを維持することができる。
【0078】
また、本発明は、中間転写タンデム方式のカラー画像形成装置に限られない。例えば、図35に示すように、直接転写タンデム方式のカラー画像形成装置にも適用できる。また、本発明は、感光体と現像ローラとの間に現像ギャップを形成し、現像を行う2成分現像方式を採用した画像形成装置について説明したが、現像ローラを感光体に接触させて現像を行う1成分現像方式を採用した画像形成装置にも適用することができる。この1成分現像方式を採用した画像形成装置においても、現像ユニットに受熱部を圧接させることで、現像ローラと感光体との接触圧が高くなるなどの不具合が生じるが、本発明を用いることによって、受熱部の押圧力が内力となり、受熱部の押圧力に起因する現像ローラと感光体との接触圧の上昇などを抑制することができる。
【0079】
[変形例4]
図47は、被冷却部としての中間転写ベルトクリーニングユニット90の廃トナー回収部97に液冷装置30を装着した場合の図である。
【0080】
中間転写ベルトクリーニングユニット90は、中間転写ベルト15の表面に付着した紙粉やトナーなどを中間転写ベルト15の表面に摺擦して取り除くクリーニングブラシローラ91、クリーニングブラシローラ91に付着した紙粉やトナーなどをクリーニングブラシローラ91から掻き出すフリッカー96、中間転写ベルト15の表面に接触して設けられ中間転写ベルト15の表面からトナーなどを取り除くクリーニングブレード92、クリーニングブラシローラ91やクリーニングブレード92によって中間転写ベルト15の表面から取り除いたトナーなどを回収する廃トナー回収部97、廃トナー回収部97に回収されたトナーなどを画像形成装置の他の箇所で回収された廃トナーなどと合流させて集積する廃トナー集積部(図示しない)に搬送する回転可能に設けられた搬送スクリュー98、中間転写ベルト15の表面に潤滑剤93を塗布する潤滑剤塗布ブラシローラ94、潤滑剤塗布ブラシローラ94によって塗布された中間転写ベルト表面上の潤滑剤を伸ばして均す潤滑剤均しブレード95で構成される。また、クリーニングブラシローラ91、フリッカー96、クリーニングブレード92、廃トナー回収部97、潤滑剤塗布ブラシローラ94、及び、潤滑剤均しブレード95などは、中間転写ベルトクリーニングユニット90の支持板99に一体で設けられておりユニット化されている。
【0081】
クリーニングブラシローラ91とトナー等を取り除くクリーニングブレード92とで取り除かれたトナーなどは、廃トナー回収部97に回収されてから搬送スクリュー98により、画像形成装置内の他の箇所で回収された廃トナーと前記廃トナー集積部で合流し集積される。
【0082】
ここで、図1からわかるように、中間転写ベルトクリーニングユニット90は定着装置7の近くに位置している。そのため、廃トナー回収部内のトナーが画像形成動作時に定着装置7から発生する熱によって溶融し、その溶融したトナーが画像形成動作終了後などに定着装置7からの熱の影響を受けなくなって、廃トナー回収部97の内側側面や搬送スクリュー98などに固着することがある。また、搬送スクリュー98の回転による発熱により廃トナー回収部内のトナーが溶融し、その溶融したトナーが廃トナー回収部97の内側側面や搬送スクリュー98などに固着することがある。そのため、このようなトナーの固着を防ぐために、本実施例では熱伝導シート130を介して液冷装置30の受熱部32が中間転写ベルトクリーニングユニット90内の廃トナー回収部97の壁面に圧接するように、液冷装置30を廃トナー回収部97に取り付けた。
【0083】
廃トナー回収部97には、第1被係合部191や第2被係合部192が設けられており、上述のように液冷装置30の接離機構に設けられた第1係合部161と第2係合部162とにそれぞれ係合される。この構成により、接離機構40に設けられた押圧手段であるコイルスプリング142による押圧力の反作用を、廃トナー回収部97の第1被係合部191や第2被係合部192に及ばせることができる。
【0084】
このように本変形例では、受熱部32を廃トナー回収部97の壁面に圧接させたとき、コイルスプリング142にかかる受熱部32からの押圧力の反作用を廃トナー回収部97の第1被係合部101や第2被係合部192に及ばせることで、受熱部32から廃トナー回収部97の壁面にかかる押圧力が内力となる。
【0085】
よって、本変形例においては、中間転写ベルト表面のクリーニングを行うクリーニングブレード92と中間転写ベルト15との距離に変動が生じるのを抑制しつつ、廃トナー回収部内の廃トナーを冷却することができ、トナー固着による搬送スクリュー98の停止や機械の停止などを起こすことがない。
【0086】
したがって、中間転写ベルト15とクリーニングブレード92などとの距離が、クリーニングブレード92などによって中間転写ベルト15の表面を良好にクリーニングできるように予め設定された規定値よりも遠ざかった場合に、中間転写ベルト15に付着したトナーなどがクリーニングブレード92などによって掻き取れない状況がおき、中間転写ベルト15の表面が汚れたまま次の転写が行われてしまい、画像が汚れたりするなどの不具合が生じるのを抑制することができる。
【0087】
また、逆に中間転写ベルト15とクリーニングブレード92などとの距離が、前記規定値よりも近づいてしまうことにより、クリーニングブレード92が捲れてしまい、クリーニングブレード92の破損や中間転写ベルト15の破損を引き起こしてしまうことを抑制することができる。
【0088】
以上、本実施形態の画像形成装置によれば、受熱部を現像ユニットの壁面に圧接させたとき、押圧手段たるコイルスプリングにかかる受熱部からの押圧力の反作用を現像ユニットの所定の箇所に及ばせることで、受熱部から現像ユニットの壁面にかかる押圧力が内力となり、位置決め手段たる位置決め板が現像ユニットから受ける受熱部からの押圧力に起因する力を低減させることができる。その結果、潜像担持体たる感光体と現像剤担持体たる現像装置とのギャップの変動を抑制することのできる。
【0089】
また、接離機構は、押圧力の反作用を受ける支持部材と保持部材とからなる受け手段を備え、受け手段は、現像ユニットの被係合部と係合する係合部を備えている。この受け手段が押圧力の反作用を受けたとき、係合部が被係合部と係合して、接離機構が現像ユニットに固定されることで、コイルスプリングにかかる受熱部からの押圧力の反作用を現像ユニットの被係合部に及ばせることができる。
【0090】
また、受熱部を現像ユニットに対して離間させたとき、係合部と被係合部とが現像ユニット着脱方向に相対的に移動可能に構成したので、現像ユニットを容易に装置本体から抜き出すことができる。
【0091】
また、接離機構は、保持部材を現像ユニットに対して接離可能に支持する支持手段たる支持部材を有することで、保持部材を操作することによって、受熱部を現像ユニットに対して接離することができる。
【0092】
また、保持部材は、係合ピンを有し、支持部材は、係合ピンと係合し、係合ピンを現像ユニットに対して接離する方向に案内する係合穴を有することで、保持部材を操作することによって、受熱部を現像ユニットに対して接離することができる。また、保持部材が支持部材から外れることを防止することができる。
【0093】
また、係合ピンを、受熱部よりも低い熱伝導率材料で構成することで、係合ピンから支持部材の熱量が保持部材へ伝導するのを抑制することができる。これにより、保持部材の温度上昇を抑制することができ、保持部材の熱による受熱部の温度上昇を抑制することができる。その結果、現像ユニットの冷却効率の低下を抑制することができる。
【0094】
また、係合ピンを保持部材の現像ユニット着脱方向中央部に設けることで、保持部材が係合ピンを中心にして揺動可能に支持される。これにより、現像ユニットが装置本体に対して傾斜して装着されたとしても、保持部材が係合ピンを中心にして揺動して、保持部材を現像ユニットの側面に対して平行にすることができる。これにより、現像ユニットが装置本体に対して傾斜して装着されても、現像ユニット長手方向に均一に受熱部を押圧することができ、長手方向均一に現像ユニットを冷却することができる。
【0095】
また、支持部材の背面部の現像ユニット着脱方向両端と、保持部材の支持部材の背面部と対向する面の現像ユニット着脱方向両端とが、磁気的に反発または引き合うよう構成することで、保持部材の長手方向端部が支持部材と接触するのを抑制することができる。これにより、支持部材から保持部材に熱が伝導するのを抑制することができ、保持部材の温度上昇を抑制することができる。よって、保持部材の熱による受熱部の温度上昇を抑制することができ、現像ユニットの冷却効率の低下を抑制することができる。
【0096】
また、支持部材の背面部の現像ユニット着脱方向両端、または、保持部材の支持部材の背面部と対向する面の現像ユニット着脱方向両端に、受熱部よりも低い熱伝導率材料で構成されたスペーサを設けることで、保持部材の長手方向端部がスペーサと接触し、支持部材と接触しなくなる。スペーサは、受熱部よりも低い熱伝導率材料で構成されているので、保持部材がスペーサと接触してもスペーサから保持部材へ熱の伝導を抑制することができる。これにより、保持部材の温度上昇を抑制することができ、保持部材の熱による受熱部の温度上昇を抑制することができる。その結果、現像ユニットの冷却効率の低下を抑制することができる。
【0097】
また、係合ピンを、保持部材の現像ユニット着脱するための開口部側と反対側である装置奥側の端部に設けてもよい。これにより、保持部材の手前側を支持部材へ寄せて、保持部材を装置奥側へ移動せしめることで、受熱部の圧接面の奥側端部付近のみ、現像ユニットの側面と摺動させることができる。その結果、現像ユニット19Kと受熱部32Kのしゅう動面を小さくすることが可能となり、受熱部32Kの耐久性を向上させることができる。
【0098】
また、現像ユニットの現像剤が収容されている剤収容部よりも保持部材の奥側端部を、奥側にした。これにより、受熱部の奥側端部付近が剤収容部と対向しなくなくなり、受熱部の剤収容部と対向する箇所が、現像ユニットとの摺動により傷つくのを抑制することができる。その結果、現像ユニットの剤収容部と対向する受熱部と現像ユニット側面との密着性を経時にわたり確保することができ、良好な冷却性能を経時にわたり維持することができる。
【0099】
また、受熱部の現像ユニットに圧接する圧接面の奥側端部および現像ユニットの受熱部と対向する対向面である側面の奥側端部の少なくとも一方に、圧接面を保護する保護層を設けた。これにより、保護層が摺擦することなり、保護層を設けた面の傷つきを防止することができる。
【0100】
また、保護層として、低摩擦部材を用いることにより、保護層の摺動性が良好になり、保護層と、保護層と摺擦する面の傷つきを抑制することができる。
【0101】
また、係合穴は、係合ピンを現像ユニットに対して接離する方向に案内するガイド部と、受熱部を現像ユニットの壁面に圧接させたときに、係合ピンを近接位置に係止する係止部とを有する。これにより、受熱部を現像ユニットに当接させて現像ユニットを押圧した際、係合ピンが現像ユニットからの反作用によって現像ユニットから離間する方向へ移動するのを抑制することができる。これにより、受熱部を現像ユニットへ所定の押圧力で押圧することができ、良好に受熱部を現像ユニットに密着させることができる。
【0102】
また、係合穴のガイド部を、現像ユニット着脱方向に対して傾斜して延びる部分としたので、保持部材を現像ユニット着脱方向に移動させるだけで、受熱部を現像ユニットに対して接離することができる。また係合穴の係止部を、現像ユニット着脱方向に対して平行に延びる部分とすることで、保持部材を所定の位置で確実に係止することができる。これにより、受熱部を現像ユニットへ所定の押圧力で押圧することができ、良好に受熱部を現像ユニットに密着させることができる。
【0103】
また、押圧手段として弾性部材を用いることで、弾性部材の種類を変えるだけで、容易に押圧力を変更することができる。
【0104】
また、弾性部材を受熱部の長手方向に複数設けたことで、現像ユニット長手方向に均一に受熱部を押圧することができる。これにより、長手方向均一に現像ユニットを冷却することができる。
【0105】
また、弾性部材は、受熱部の圧接面と反対側の面に設けられた弾性部材当接部と、保持部材の対向部との間に圧縮挟持されるよう構成されており、受熱部の弾性部材当接部を、圧接面と反対側の面よりも現像ユニット側に窪ませている。これにより、保持部材の対向部と弾性部材当接部との距離を、対向部と受熱部の圧接面と反対側の面との距離よりも広げることができる。よって、弾性部材の長さの変動などによる、弾性部材の押圧力の変動を少なくすることができる。また、対向部と受熱部の圧接面と反対側の面との距離を狭めることができるので、装置のコンパクト化を図ることができる。
【0106】
また、接離機構を、現像ユニットの着脱方向に対して直交する方向に移動可能に装置本体に支持することで、現像ユニットが装置本体に対して斜めに装着されたとき、接離機構が移動して、係合部が現像ユニットに引っ掛からなくすることができる。これにより、現像ユニットが斜めに装着されても、スムーズに現像ユニットを装着させることができる。
【0107】
また、現像ユニットの壁面以外から受熱部へ入射される赤外光を遮蔽する遮蔽手段を設けることで、受熱部が現像ユニット以外から熱的影響を受けるのを抑制することができる。これにより、受熱部の温度上昇を抑制することができ、効率よく現像ユニットを冷却することができる。
【0108】
また、受熱部を保持する保持部材を、遮蔽手段として用いることで、良好に受熱部へ入射する赤外光を遮蔽することができる。
【0109】
また、接離機構の受熱部と接触する部材(コイルスプリング、段ネジ)を、受熱部よりも低い熱伝導率材料で構成することで、受熱部と接触する部材から受熱部への熱が伝導するのを抑制することができ、受熱部の温度上昇を抑制することができる。
【0110】
また、現像ユニットの下面に受熱部を圧接させることで、現像ユニットの中で最も温度上昇する箇所を受熱部で冷却することができ、効率よく現像ユニットを冷却することができる。
【0111】
また、接離機構を鉛直上向きに付勢する付勢手段たる弾性部材を設けたことで、現像ユニット装着時に接離機構の係合部に突き当ったとき、弾性部材が弾性変形して、係合部を逃がすことができる。これにより、係合部が現像ユニットに引っ掛からなくすることができ、現像ユニットが斜めに装着されても、スムーズに現像ユニットを装着させることができる。
【0112】
また、接離機構を鉛直上向きに付勢する弾性部材の付勢力を、コイルスプリングの押圧力よりも弱くしたので、受熱部が現像ユニットを押圧したとき、現像ユニットからの反作用で、接離機構を下方へ移動し、係合部を現像ユニットに確実に当接させることができる。これにより、確実に係合部で現像ユニットにかかった受熱部からの押圧力を受けることができる。
【0113】
また、接離機構を鉛直上向きに付勢する付勢手段として、弾性部材を用いることで、弾性部材の種類を変更するだけで、容易に付勢力を変更することができる。
【0114】
また、潜像担持体たる感光体と現像ユニットとを有する複数の画像形成ユニットを水平に並設させており、受熱部が、複数の現像ユニットの壁面に圧接するよう構成したので、一つの現像ユニットに対して一つの受熱部で冷却するものに比べて、受熱部の数を削減することができる。これにより、冷却装置の構成を単純化することができる。また、複数の現像ユニットを交換する際、1回の操作で複数の現像ユニットから受熱部を離間させることができるので、複数の現像ユニットを交換する際の作業を容易に行うことができる。
【0115】
また、現像ユニットの下面と側面に受熱部を圧接させてもよい。これにより、より効率的に現像ユニットを冷却することができる。
【0116】
また、現像ユニットを、感光体に対して位置決めされた状態で感光体と一体的に装置本体から着脱可能に構成することで、現像ユニット単体で装置本体に対して着脱可能に構成したものに比べて、現像ギャップの変動を抑えることができる。
【0117】
また、受熱部の現像ユニットに圧接する圧接面に受熱部よりも硬度の低い高効率熱伝導部材からなる密着シートを設けたことで、受熱部を現像ユニットに圧接させると、熱伝導シートが変形して、現像ユニットと受熱部との面精度を潰してくれる。これにより、現像ユニットと受熱部との間に空気層ができることなくなり、現像ユニットの熱を受熱部に良好に伝導させることができる。
【0118】
本実施形態では、冷却媒体として冷却液を使用する冷却装置である液冷装置30を用いて説明したが、冷却媒体としては冷却液に限るものではなく、気体などの他の冷却媒体を使用する冷却装置を用いても構わない。
【符号の説明】
【0119】
1:画像形成部
7:定着ユニット
9:露光ユニット
11Y,M,C,K:画像形成ユニット
15:中間転写ベルト
18dK:ドラム軸
18Y,M,C,K:各感光体
19Y,M,C,K:現像ユニット
19aK:現像ローラ
19bK:従基準ピン
30:液冷装置
31:冷却ポンプ
32Y,M,C,K:受熱部
32aK:ケース
32bK:流路
32cK:丸溝
32dK:ネジ穴
32eK:丸溝の底部(弾性部材当接部)
33:リザーブタンク
34:循環パイプ
35:冷却部
40K:接離機構
41K:保持部材
41aK:対向部
41bK:穴
41cK:第1折り曲げ部
41dK:第2折り曲げ部
42K:支持部材
50K:固定部材
51K:支持部材固定台
61:仕切り板
90:中間転写ベルトクリーニングユニット
91:クリーニングブラシローラ
92:クリーニングブレード
93:潤滑剤
94:潤滑剤塗布ブラシローラ
95:潤滑剤均しブレード
96:フリッカー
97:廃トナー回収部
98:搬送スクリュー
99:支持板
110K:枠体
111K:前位置決め板
112K:奥位置決め板
130K:熱伝導シート
140K:係合ピン
141K,150K:段ネジ
142K:コイルスプリング
151K:弾性部材
161K:第1係合部
162K:第2係合部
191K:第1被係合部
192K:第2被係合部
214:スペーサ
342Y,M,C,K:係合部材
410K:シート
411K:磁石
421:第1部材
421aK:背面部
421bK:支持部
421cK:固定部
421dK:取り付け部
421eK:長穴
422K:第2部材
423K:係合穴
423aK:ガイド部
423bK:係止部
423cK:溝
【先行技術文献】
【特許文献】
【0120】
【特許文献1】特開2005−164927号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
潜像担持体と、
該潜像担持体との対向部へ現像剤を搬送する現像剤担持体を有し、装置本体に対して着脱可能に設けられた現像ユニットと、
前記現像ユニットを前記潜像担持体に対して位置決めする位置決め手段と、
前記現像ユニットの壁面に接触するように設置され、内部に冷却媒体を流して前記現像ユニットの熱を受熱する受熱部を有する冷却装置と、
前記受熱部を前記現像ユニットに対して接離させる接離機構とを備えた画像形成装置において、
前記接離機構は、前記受熱部を押圧して前記受熱部を前記現像ユニットの壁面に圧接させる押圧手段を有し、
前記受熱部を前記現像ユニットの壁面に圧接させたとき、前記押圧手段にかかる前記受熱部からの押圧力の反作用を前記現像ユニットの所定の箇所に及ばせることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1の画像形成装置において、
前記接離機構は、前記押圧力の反作用を受ける受け手段を備え、
前記受け手段は、前記現像ユニットの被係合部と係合する係合部を備えており、
前記受け手段が前記押圧力の反作用を受けたとき、前記係合部が前記被係合部と係合して、前記接離機構が現像ユニットに固定されることを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項2の画像形成装置において、
前記受熱部を現像ユニットに対して離間させたとき、前記係合部と前記被係合部とが現像ユニット着脱方向に相対的に移動可能に構成したことを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項2または3の画像形成装置において、
前記受け手段は、前記押圧手段を介して前記受熱部を保持する保持部材と、
前記保持部材を現像ユニットに対して接離可能に支持し、前記係合部を備えた支持部材とを有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項4の画像形成装置において、
前記保持部材は、係合ピンを有し、
前記支持部材は、前記係合ピンと係合し、前記係合ピンを現像ユニットに対して接離する方向に案内する係合穴を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項5の画像形成装置において、
前記係合ピンを、前記受熱部よりも低い熱伝導率材料で構成したことを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項5または6の画像形成装置において、
前記係合ピンを、前記保持部材の現像ユニット着脱方向中央部に設けたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
請求項7の画像形成装置において、
前記支持部材は、前記保持部材の前記受熱部の現像ユニットに圧接する圧接面と反対側の面に対向する対向部における受熱部対向側の面と反対側の面に対向する背面部を有し、
前記支持部材の背面部の現像ユニット着脱方向両端と、前記保持部材の前記対向部における受熱部対向側の面と反対側の面の現像ユニット着脱方向両端とが、磁気的に反発または引き合うよう構成したことを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
請求項7の画像形成装置において、
前記支持部材は、前記保持部材の前記受熱部の現像ユニットに圧接する圧接面と反対側の面に対向する対向部における受熱部対向側の面と反対側の面に対向する背面部を有し、
前記支持部材の背面部の現像ユニット着脱方向両端、または、前記保持部材の前記対向部における受熱部対向側の面と反対側の面の現像ユニット着脱方向両端に、前記受熱部よりも低い熱伝導率材料で構成されたスペーサを設けたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
請求項5または6の画像形成装置において、
前記係合ピンを、前記保持部材の現像ユニット着脱するための開口部側と反対側の端部に設けたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項11】
請求項10の画像形成装置において、
前記現像ユニットの現像剤が収容されている剤収容部よりも前記保持部材の開口部側と反対側の端部を、前記開口部から前記現像ユニット着脱方向に離したことを特徴とする画像形成装置。
【請求項12】
請求項10または11の画像形成装置において、
前記受熱部の現像ユニットに圧接する圧接面の前記開口部側と反対側の端部および前記現像ユニットの前記受熱部と対向する対向面の前記開口部側と反対側の端部の少なくとも一方に、前記圧接面を保護する保護層を設けたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項13】
請求項12の画像形成装置において、
前記保護層として、低摩擦部材を用いたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項14】
請求項5乃至13いずれかの画像形成装置において、
前記係合穴は、前記係合ピンを現像ユニットに対して接離する方向に案内するガイド部と、前記受熱部を前記現像ユニットの壁面に圧接させたときに、前記係合ピンを係止する係止部とを有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項15】
請求項14の画像形成装置において、
前記係合穴のガイド部は、前記現像ユニット着脱方向に対して傾斜して延びる部分であり、前記係合穴の係止部は、前記現像ユニット着脱方向に対して平行に延びる部分であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項16】
請求項1乃至15いずれかの画像形成装置において、
前記接離機構を、現像ユニットの着脱方向に対して直交する方向に移動可能に装置本体に支持したことを特徴とする画像形成装置。
【請求項17】
請求項1乃至16いずれかの画像形成装置において、
前記押圧手段として弾性部材を用いたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項18】
請求項17の画像形成装置において、
前記弾性部材を前記受熱部の長手方向に複数設けたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項19】
請求項18の画像形成装置において、
前記受熱部の前記弾性部材の一端が当接する弾性部材当接部を、前記現像ユニットに圧接する圧接面と反対側の面よりも現像ユニット側に窪ませたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項20】
請求項1乃至19いずれかの画像形成装置において、
前記現像ユニットの壁面以外から前記受熱部へ入射される赤外光を遮蔽する遮蔽手段を設けたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項21】
請求項4に記載の構成を備えた請求項20の画像形成装置において、
前記保持部材を、前記遮蔽手段として用いたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項22】
請求項1乃至21いずれかの画像形成装置において、
前記接離機構の前記受熱部と接触する部材を、前記受熱部よりも低い熱伝導率材料で構成したことを特徴とする画像形成装置。
【請求項23】
請求項1乃至22いずれかの画像形成装置において、
前記現像ユニットの下面に前記受熱部を圧接させたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項24】
請求項23の画像形成装置において、
前記接離機構を鉛直上向きに付勢する付勢手段を設けたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項25】
請求項24の画像形成装置において、
前記付勢手段の付勢力を、前記押圧手段の押圧力よりも弱くしたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項26】
請求項24または25の画像形成装置において、
前記付勢手段として、弾性部材を用いたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項27】
請求項23乃至26いずれかの画像形成装置において、
少なくとも前記潜像担持体と、前記現像ユニットとを有する複数の画像形成ユニットを水平に並設させており、
前記受熱部が、複数の現像ユニットの壁面に圧接するよう構成したことを特徴とする画像形成装置。
【請求項28】
請求項1乃至22いずれかの画像形成装置において、
前記現像ユニットの下面と側面に前記受熱部を圧接させたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項29】
請求項1乃至28いずれかの画像形成装置において、
前記現像ユニットを、前記潜像担持体に対して位置決めされた状態で潜像担持体と一体的に装置本体から着脱可能に構成したことを特徴とする画像形成装置。
【請求項30】
請求項1乃至29いずれかの画像形成装置において、
前記受熱部の前記現像ユニットに圧接する圧接面と被冷却部の前記圧接面と接触する面との少なくとも一方に受熱部よりも硬度の低い高効率熱伝導部材からなる密着シートを設けたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項31】
装置本体に対して着脱可能に設けられた被冷却部と、
前記被冷却部に接触するように設置され、内部に冷却媒体を流して前記被冷却部の熱を受熱する受熱部を有する冷却装置と、
前記受熱部を前記被冷却部に対して接離させる接離機構とを備えた画像形成装置において、
前記接離機構は、前記受熱部を押圧して前記受熱部を前記被冷却部に圧接させる押圧手段を有し、
前記受熱部を前記被冷却部に圧接させたとき、前記押圧手段にかかる前記受熱部からの押圧力の反作用を前記被冷却部の所定の箇所に及ばせることを特徴とする画像形成装置。
【請求項32】
請求項31の画像形成装置において、
前記接離機構は、前記押圧力の反作用を受ける受け手段を備え、
前記受け手段は、前記被冷却部の被係合部と係合する係合部を備えており、
前記受け手段が前記押圧力の反作用を受けたとき、前記係合部が前記被係合部と係合して、前記接離機構が被冷却部に固定されることを特徴とする画像形成装置。
【請求項33】
請求項32の画像形成装置において、
前記受熱部を被冷却部に対して離間させたとき、前記係合部と前記被係合部とが被冷却部着脱方向に相対的に移動可能に構成したことを特徴とする画像形成装置。
【請求項34】
請求項32または33の画像形成装置において、
前記受け手段は、前記押圧手段を介して前記受熱部を保持する保持部材と、
前記保持部材を被冷却部に対して接離可能に支持し、前記係合部を備えた支持部材と
を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項35】
請求項34の画像形成装置において、
前記保持部材は、係合ピンを有し、
前記支持部材は、前記係合ピンと係合し、前記係合ピンを被冷却部に対して接離する方向に案内する係合穴を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項36】
請求項35の画像形成装置において、
前記係合ピンを、前記受熱部よりも低い熱伝導率材料で構成したことを特徴とする画像形成装置。
【請求項37】
請求項35または36の画像形成装置において、
前記係合ピンを、前記保持部材の被冷却部着脱方向中央部に設けたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項38】
請求項37の画像形成装置において、
前記支持部材は、前記保持部材の前記受熱部の被冷却部に圧接する圧接面と反対側の面に対向する対向部における受熱部対向側の面と反対側の面に対向する背面部を有し、
前記支持部材の背面部の被冷却部着脱方向両端と、前記保持部材の前記対向部における受熱部対向側の面と反対側の面の被冷却部着脱方向両端とが、磁気的に反発または引き合うよう構成したことを特徴とする画像形成装置。
【請求項39】
請求項37の画像形成装置において、
前記支持部材は、前記保持部材の前記受熱部の被冷却部に圧接する圧接面と反対側の面に対向する対向部における受熱部対向側の面と反対側の面に対向する背面部を有し、
前記支持部材の背面部の被冷却部着脱方向両端、または、前記保持部材の前記対向部における受熱部対向側の面と反対側の面の被冷却部着脱方向両端に、前記受熱部よりも低い熱伝導率材料で構成されたスペーサを設けたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項40】
請求項35または36の画像形成装置において、
前記係合ピンを、前記保持部材の被冷却部着脱方向中央部よりも奥側に設けたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項41】
請求項40の画像形成装置において、
前記受熱部の被冷却部に圧接する圧接面の前記被冷却部着脱方向中央部よりも奥側および前被冷却部の前記受熱部と対向する対向面の前記被冷却部着脱方向中央部よりも奥側の少なくとも一方に、前記圧接面を保護する保護層を設けたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項42】
請求項41の画像形成装置において、
前記保護層として、低摩擦部材を用いたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項43】
請求項35乃至42いずれかの画像形成装置において、
前記係合穴は、前記係合ピンを被冷却部に対して接離する方向に案内するガイド部と、前記受熱部を前記被冷却部に圧接させたときに、前記係合ピンを係止する係止部とを有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項44】
請求項43の画像形成装置において、
前記係合穴のガイド部は、前記被冷却部着脱方向に対して傾斜して延びる部分であり、前記係合穴の係止部は、前記被冷却部着脱方向に対して平行に延びる部分であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項45】
請求項31乃至44いずれかの画像形成装置において、
前記接離機構を、被冷却部の着脱方向に対して直交する方向に移動可能に装置本体に支持したことを特徴とする画像形成装置。
【請求項46】
請求項31乃至45いずれかの画像形成装置において、
前記押圧手段として弾性部材を用いたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項47】
請求項46の画像形成装置において、
前記弾性部材を前記受熱部の長手方向に複数設けたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項48】
請求項47の画像形成装置において、
前記受熱部の前記弾性部材の一端が当接する弾性部材当接部を、前記被冷却部に圧接する圧接面と反対側の面よりも被冷却部側に窪ませたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項49】
請求項30乃至48いずれかの画像形成装置において、
前記被冷却部の壁面以外から前記受熱部へ入射される赤外光を遮蔽する遮蔽手段を設けたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項50】
請求項34に記載の構成を備えた請求項49の画像形成装置において、
前記保持部材を、前記遮蔽手段として用いたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項51】
請求項31乃至50いずれかの画像形成装置において、
前記接離機構の前記受熱部と接触する部材を、前記受熱部よりも低い熱伝導率材料で構成したことを特徴とする画像形成装置。
【請求項52】
請求項31乃至51いずれかの画像形成装置において、
前記被冷却部の下面に前記受熱部を圧接させたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項53】
請求項52の画像形成装置において、
前記接離機構を鉛直上向きに付勢する付勢手段を設けたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項54】
請求項53の画像形成装置において、
前記付勢手段の付勢力を、前記押圧手段の押圧力よりも弱くしたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項55】
請求項53または54の画像形成装置において、
前記付勢手段として、弾性部材を用いたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項56】
請求項31乃至51いずれかの画像形成装置において、
前記被冷却部の下面と側面に前記受熱部を圧接させたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項57】
請求項31乃至56いずれかの画像形成装置において、
前記受熱部の前記被冷却部に圧接する圧接面と前記冷却部の前記圧接面と接触する面との少なくとも一方に受熱部よりも硬度の低い高効率熱伝導部材からなる密着シートを設けたことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【公開番号】特開2011−18008(P2011−18008A)
【公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−257855(P2009−257855)
【出願日】平成21年11月11日(2009.11.11)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】