画像形成装置
【課題】機器設定値等をバックアップ／リストアする画像形成装置において、適正にリストアするための時間と手間を減らし、誤った設定値にリストアされることを防ぐ。
【解決手段】本発明は、画像形成装置の内蔵記憶媒体に格納されている設定情報を画像形成装置の種別情報とともに、外部記憶媒体に書き込む外部記憶媒体書き込み手段とを備えるバックアップ手段と、外部記憶媒体に格納されている設定情報を読み込む外部記憶媒体読み込み手段と、外部記憶媒体読み込み手段によって読み込んだ設定情報を画像形成装置の内蔵記憶媒体に書き込む内蔵記憶媒体書き込み手段とを備えるリストア手段と、リストア手段によってリストアされた設定情報の適正を判断する設定情報判断手段と、適正な設定情報に補正する設定情報補正手段とを備え、内蔵記憶媒体に記憶された設定値を補正された設定情報へ内蔵記憶媒体書き込み手段により書き換える補正処理手段とを備える。
【解決手段】本発明は、画像形成装置の内蔵記憶媒体に格納されている設定情報を画像形成装置の種別情報とともに、外部記憶媒体に書き込む外部記憶媒体書き込み手段とを備えるバックアップ手段と、外部記憶媒体に格納されている設定情報を読み込む外部記憶媒体読み込み手段と、外部記憶媒体読み込み手段によって読み込んだ設定情報を画像形成装置の内蔵記憶媒体に書き込む内蔵記憶媒体書き込み手段とを備えるリストア手段と、リストア手段によってリストアされた設定情報の適正を判断する設定情報判断手段と、適正な設定情報に補正する設定情報補正手段とを備え、内蔵記憶媒体に記憶された設定値を補正された設定情報へ内蔵記憶媒体書き込み手段により書き換える補正処理手段とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、外部記憶媒体を介して機器設定値やアドレス帳をバックアップ／リストアする画像形成装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
画像形成装置の機器設定値やアドレス帳をメモリカードやＵＳＢ（Ｕｎｉｖｅｒｓａｌ Ｓｅｒｉａｌ Ｂｕｓの略）メモリなどの外部記憶媒体にバックアップし、機器の故障時や、機器の置き換え時などには、バックアップした機器設定値やアドレス帳を他の画像形成装置にリストアすることで、効率よく画像形成装置の機器設定環境を復旧させるという技術が考えられ既に知られている。
【０００３】
特許文献１には、可搬性記憶媒体への設定情報のバックアップ及び／又はリストアを可能とする画像形成装置を提供する目的で、画像形成装置の設定情報とともに、設定項目毎に異なる機種間で共通の設定項目かどうか、同じ機種の異なる機器間で共通の設定項目かどうか、及び異なる機器間で共有不可の設定項目かどうかの付加情報を可搬性記憶媒体に書き込む可搬性記憶媒体書き込み手段が開示され、この付加情報により、バックアップされた設定情報を機種の違いを考慮しつつ、他の画像形成装置に安全にリストアできる構成が開示されている。
【０００４】
しかし、今までの外部記憶媒体により機器設定値やアドレス帳をリストアする装置では、機器のバリエーションが増えてバックアップ元とリストア先の機器間の設定値の対応関係が複雑になるにしたがって、共通な設定値か、非共通な設定値を判断しなければならない項目が増えて、適正にリストアするためのユーザの手間が増えていくとともに、元々共有できていた設定値がバリエーションが増えることで共有できなくなっていて、誤った設定値にリストアされてしまうという問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
そこで、本発明は、外部記憶媒体を介して機器設定値やアドレス帳をバックアップ／リストアする画像形成装置で、機器のバリエーションが増えて、バックアップ元とリストア先の機器間の設定値の対応関係が複雑になったとしても、対応関係の不一致などによる設定値の誤りを自動的に補正、もしくは元の値に書き戻すことにより、適正にリストアするための手間を減らしユーザがリストアにかける時間を少なくするとともに、誤った設定値にリストアされることを防ぐことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
本発明は、外部記録媒体を接続するためのインターフェースと、画像形成装置に内蔵された記憶媒体に格納されている設定情報を画像形成装置の種別を識別する種別情報とともに、外部記憶媒体に書き込む外部記憶媒体書き込み手段とを備えるバックアップ手段と、インターフェースに着脱可能な外部記憶媒体が装着されると、該外部記憶媒体に格納されている設定情報を読み込む外部記憶媒体読み込み手段と、外部記憶媒体読み込み手段によって読み込んだ設定情報を画像形成装置に内蔵された記憶媒体に書き込む内蔵記憶媒体書き込み手段とを備えるリストア手段と、リストア手段によってリストアされた設定情報が適正か否かを判断する設定情報判断手段と、適正な設定情報に補正する設定情報補正手段とを備え、内蔵記憶媒体に記憶された設定値を補正された設定情報へ内蔵記憶媒体書き込み手段により書き換える補正処理手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【０００７】
本発明によれば、機器のバリエーションが増えて、バックアップ元とリストア先の機器間の設定値の対応関係が複雑になったとしても、対応関係の不一致などによる設定値の誤りを自動的に補正、もしくは元の値に書き戻すことにより、適正にリストアするための手間を減らし、ユーザがリストアにかける時間を少なくするとともに誤った設定値にリストアされることを防ぐことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【０００８】
【図１】本発明の実施形態に係る画像形成装置の構成図である。
【図２】本発明の実施形態に係る画像形成装置Ａでバックアップした設定値を画像形成装置Ｂにおいてリストアする構成図である。
【図３】本発明の実施形態に係るリストア時に設定値が適正でなかった場合、設定値を補正する処理を示したフローチャートである。
【図４】本発明の実施形態に係るリストア時にリストア対象機器の設定値をバックアップしておき、リストアにより設定値が適正でなくなった場合にリストア前に戻す処理を示したフローチャートである。
【図５】本発明の実施形態に係るリストア時に設定値が適正でなかった場合、設定値を補正する方法をユーザに選択させる処理を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【０００９】
本発明の実施形態について説明する。本発明は、外部記憶媒体による機器設定値のリストア時の処理に際して、以下の特徴を有する。即ち、リストア時に、リストアされた設定値の不備を検知して、設定値の内容を確認し、自動的に値を補正することが特徴になっている。本発明の特徴について、以下の図面を用いて詳細に説明する。
【００１０】
図１は、本発明の実施形態に係る画像形成装置の構成図である。図１において、画像形成装置１は、脱着不可な不揮発の記憶手段である内部記憶媒体２と、記憶媒体インターフェイス（以下、ＩＦと略す）部である外部記憶媒体ＩＦ部３と、バックアップ処理手段５、補正処理手段６、及び、リストア処理手段７を有するコントローラ部８と、ホストインターフェイス（以下、ＩＦと略す）部９と、操作パネル１０と、ユーザ通知部１１と、ＲＯＭ１２と、ＲＡＭ１３と、ＰｌｏｔｔｅｒＥｎｇｉｎｅ１４とを備え、脱着可能な不揮発の記憶媒体である外部記憶媒体４と、ホスト計算機１５とに接続している。
【００１１】
次に、実施形態に係る画像形成装置の動作について説明する。まず、ホスト計算機１５から送信された外字やフォーム等のデータを脱着不可な不揮発の記憶手段である内部記憶媒体２内に登録、保持することが可能となっている画像形成装置１において、さらに、脱着可能な不揮発の外部記憶媒体４の外部記憶媒体ＩＦ部３と、内部記憶媒体２内に保持されている機器設定値等のデータをこの外部記憶媒体ＩＦ部３を介して外部記憶媒体４に書き込み保存するバックアップ処理手段５と、このバックアップ処理手段５で以前に書き込み保存された外部記憶媒体４内のデータをその外部記憶媒体ＩＦ部３を介して読み込んで機器設定値等のデータを内部記憶媒体２内に回復するリストア処理手段７と、を備えたものである。
【００１２】
脱着不可な不揮発の記憶手段である内部記憶媒体２としては、ハードディスクドライブやＥＥＰＲＯＭ、ＮＶＲＡＭ等が挙げられる。また、脱着可能な不揮発の外部記憶媒体４とその外部記憶媒体ＩＦ部３としては、ＩＣカード装置、ＵＳＢメモリ、ＳＤカード装置等が挙げられる。
【００１３】
ここで、ユーザは外字やフォームのデータを画像形成装置１に登録する場合は、ホスト計算機１５からホストＩＦ部９を介してデータを画像形成装置１に送信する。 画像形成装置１は、受信したデータを脱着不可な不揮発の記憶手段である内部記憶媒体２内に保持するものとする。
【００１４】
次に、ユーザは、画像形成装置１内の脱着不可な不揮発の記憶手段である内部記憶媒体２内に保持されているデータを保存したい場合は、脱着可能な不揮発の記憶媒体である外部記憶媒体４を画像形成装置１内に備えた外部記憶媒体ＩＦ部３に装着し、操作パネル１０等を介して画像形成装置１にその旨の指示を与えるものとする。 そして指示を受けた画像形成装置１では、コントローラ部８上で動作するバックアップ処理手段５が呼び出されて処理が実行される。
【００１５】
呼び出されたバックアップ処理手段５は、脱着不可な不揮発の記憶手段である内部記憶媒体２内に保持されている機器設定値等のデータを読み取り、それを外部記憶媒体ＩＦ部３を介して脱着可能な不揮発の記憶媒体である外部記憶媒体４に書き込むことを行う。
【００１６】
また、ユーザが以前に外部記憶媒体４に保存したデータを画像形成装置１内の脱着不可な不揮発の記憶手段である内部記憶媒体２内に回復したい場合は、以前にデータを保存した脱着可能な不揮発の記憶媒体である外部記憶媒体４を外部記憶媒体ＩＦ部３に装着し、操作パネル１０等を介して画像形成装置１にその旨の指示を与えるものとする。
【００１７】
指示を受けた画像形成装置１では、コントローラ部８上で動作するリストア処理手段７が呼び出されて処理が実行される。呼び出されたリストア処理手段７は、外部記憶媒体４内に保存されているデータをその外部記憶媒体ＩＦ部３を介して読み取り、それを内部記憶媒体２内に書き込むことを行う。
【００１８】
また、バックアップ処理手段５においては、内部記憶媒体２と外部記憶媒体４の間で機器設定値等のデータの保存あるいは回復の処理実行中にあっては、ホスト計算機１５から送信されるデータの登録あるいは既に登録されているデータの削除の指示に対して、その受け付けあるいは実行処理を同時に行わないように排他制御の処理を行う。
【００１９】
同様にリストア処理手段７においても、該当処理実行中はホスト計算機１５から送信される機器設定値等のデータの登録指示あるいは既に登録されているデータの削除指示に対して、それらの指示の受け付けあるいは実行を同時に処理しないように排他制御の処理を行う。
【００２０】
また、バックアップ処理手段５は、各外部記憶媒体４に機器設定値等のデータの他に、バックアップのＩＤ、バックアップの日時、設定項目毎に異なる機種間で共通の設定項目かどうか、同じ機種の異なる機器間で共通の設定項目かどうか、及び異なる機器間で共有不可の設定項目かどうかなどの付属情報の書き込みも行う。
【００２１】
そして、補正処理手段６は、リストア処理手段７によって書き込まれた内部記憶媒体２のデータを読み取り、データの適正を確認して、適正でない場合には適正なデータに補正したり、リストア前のデータに戻したり、操作パネルによって補正の方法をユーザに選択させる処理を行う。
【００２２】
図２は、本発明の実施形態に係る画像形成装置Ａでバックアップした設定値を画像形成装置Ｂにおいてリストアする構成図である。
【００２３】
図２において、画像形成装置Ａ、画像形成装置Ｂはそれぞれ、図１の概略構成と同様である。ここでは、画像形成装置Ａで外部記憶媒体４にバックアップした設定値等を、外部記憶媒体４を介して、画像形成装置Ｂで外部記憶媒体４からリストアすることによって、画像形成装置Ａから画像形成装置Ｂに共通した設定値を移行するときの構成を示している。画像形成装置ＡとＢは同じ機種か、または同様の構成を持った異なる機種であってもよい。
【００２４】
図３は、本発明の実施形態に係るリストア時に設定値が適正でなかった場合、設定値を補正する処理を示したフローチャートである。
【００２５】
最初に、外部記憶媒体４による機器設定値のバックアップ／リストアが可能な画像形成装置１に機器設定値のバックアップデータが保存された外部記憶媒体４が装着され、ユーザにより機器設定値のリストアの実行開始が要求される（ステップＳ１０１）。そして、通常のリストア動作を実行する（ステップＳ１０２）。
【００２６】
次に、リストア終了後に、リストアされた設定値を確認し（ステップＳ１０３）、設定値が適正かどうかを判定する（ステップＳ１０４）。このとき設定値の上下限値、単位、精度などを設定値と紐付けてＲＯＭ１２に保存しておくことにより、リストアされたデータと比較することで設定値が適正かどうかを判断することができる。
【００２７】
設定値が適正でないと判定される（ステップＳ１０４のＮｏ）と、設定値が補正可能かどうかを判定する（ステップＳ１０５）。このとき設定値が補正可能かの判定は、例えば、補正可能な上下限値の範囲内に収まっているかどうか、ｃｍとｍｍのような単純に変換できる単位系かどうかを確認する方法がある。
【００２８】
補正可能であると判定された場合（ステップＳ１０５のＹｅｓ）、補正処理を実行する（ステップＳ１０６）。補正処理は、例えば、上下限を超えている場合は設定値に上下限値を採用することや、ｃｍ→ｍｍの場合は設定値を１００倍するという方法が考えられる。 補正可能でないと判定された場合（ステップＳ１０５のＮｏ）、ＲＯＭ１２に保存されている初期設定値へ戻す（ステップＳ１０７）。
【００２９】
本実施形態の特徴は、異なる機種間のデータ移行などで、共有できないデータに対して共有する設定がされて、設定値が正しくリストアされなかったとしても、自動的に設定値が修正されることで、ユーザは設定値の確認や、リストアのやり直しをしなくてもよいということである。
【００３０】
図４は、本発明の実施形態に係るリストア時にリストア対象機器の設定値をバックアップしておき、リストアにより設定値が適正でなくなった場合にリストア前に戻す処理を示したフローチャートである。
【００３１】
最初に、外部記憶媒体４による機器設定値のバックアップ／リストアが可能な画像形成装置１に機器設定値のバックアップデータが保存された外部記憶媒体４が装着され、ユーザにより機器設定値のリストアの実行開始が要求される（ステップＳ２０１）。
【００３２】
次に、リストア対象機器を確認し（ステップＳ２０２Ａ）、外部記憶媒体４に保存されているバックアップデータがリストア対象の機器と同一の機器でバックアップされたかどうかを判定する（ステップＳ２０２Ｂ）。同一機器かどうかの判定は、バックアップデータに含まれている機器IDの情報と、リストア対象機器の機器IDを比較する方法がある。
【００３３】
同一機器でないと判定されると（ステップＳ２０２ＢのＮｏ）、リストア対象機器のバックアップを実行し（ステップＳ２０２Ｃ）、外部記憶媒体４にバックアップデータを保存する（ステップＳ２０２Ｄ）。このとき、他の機器でバックアップされたデータと、リストア対象機器のバックアップデータにより、バックアップデータが二重化されることになる。
【００３４】
次にリストアを実行する（ステップＳ２０３）。このとき使用されるバックアップデータは、リストア対象機器バックアップ処理（ステップＳ２０２）で構築されたバックアップデータではなく、リストア開始要求前から外部記憶媒体に保存されていたバックアップデータである。
【００３５】
リストア終了後のＳ２０４、Ｓ２０５、Ｓ２０６、Ｓ２０７のステップは、図３のＳ１０３、Ｓ１０４、Ｓ１０５、Ｓ１０６のステップと同様である。そして、補正可能でないと判定された場合（ステップＳ２０６のＮｏ）、外部記憶媒体４にリストア対象機器のバックアップデータがあるかを確認する（ステップＳ２０８）。
【００３６】
バックアップデータがあると判定された場合（ステップＳ２０８のＹｅｓ）、外部記憶媒体４からバックアップデータを取得し（ステップＳ２０９）、リストアを実行する（ステップＳ２１０）。ここで、使用されるバックアップデータはリストア対象機器バックアップ処理（ステップＳ２０２）によって構築されたバックアップデータである。
【００３７】
バックアップデータがないと判定された場合（ステップＳ２０８のＮｏ）、ＲＯＭ１２に保存されている初期設定値へ戻す（ステップＳ２１１）。
【００３８】
本実施形態の特徴は、設定値が補正できない場合でも、初期設定値に戻せるだけでなく、リストア前の設定値に戻すことができるため、ユーザのリストアにかける手間を軽減できる。
【００３９】
図５は、本発明の実施形態に係るリストア時に設定値が適正でなかった場合、設定値を補正する方法をユーザに選択させる処理を示したフローチャートである。
【００４０】
最初に、ステップＳ３０１からＳ３０６までは、図４のステップＳ２０１からＳ２０６までと同様である。
【００４１】
次に、補正可能であると判定された場合（ステップＳ３０６のＹｅｓ）、補正処理を実行するかどうかをユーザに確認する（ステップＳ３０７）。そして、オペレータパネルでユーザが補正処理実行を選択した場合（ステップＳ３０８のＹｅｓ）、補正処理を実行する（ステップＳ３０９）。補正処理は、図３のステップＳ１０６と同様である。
【００４２】
補正可能でないと判定された場合（ステップＳ３０６のＮｏ）と、ユーザが補正処理実行を選択しなかった場合（ステップＳ３０８のＮｏ）、外部記憶媒体４にリストア対象機器のバックアップデータがあるかを確認する（ステップＳ３１０）。
【００４３】
バックアップデータがあると判定された場合（ステップＳ３１０のＹｅｓ）、リストア前の設定値に戻すかをユーザに確認する（ステップＳ３１１）。オペレータパネルでユーザがリストア前の設定値に戻す選択をした場合（ステップＳ３１２のＹｅｓ）、外部記憶媒体４からバックアップデータを取得し（ステップＳ３１３）、リストアを実行する（ステップＳ３１４）。ここで、ステップＳ３１３、Ｓ３１４は、図４のステップＳ２０９、Ｓ２１０と同様である。
【００４４】
バックアップデータがないと判定された場合（ステップＳ３１０のＮｏ）と、ユーザがリストア前の設定値に戻す選択をしなかった場合（ステップＳ３１２のＮｏ）、初期設定値に戻すかをユーザに確認する（ステップＳ３１５）。オペレータパネルでユーザが初期設定値に戻す選択をした場合（ステップＳ３１６のＹｅｓ）、ＲＯＭ１２に保存されている初期設定値へ戻す（ステップＳ３１７）。
【００４５】
ユーザが初期設定値に戻す選択をしなかった場合（ステップＳ３１６のＮｏ）は、設定値はそのままとする。ステップＳ３０７、Ｓ３１１、Ｓ３１５のユーザへの確認は、確認しないで次のステップに進むようにしてもよい。また、すべて確認してもよいし、どれを確認するかは任意に決めてもよい。
【００４６】
本実施形態の特徴は、適正にリストアされなかった場合に、ユーザに補正の方法を選択させることにより、ユーザが求める設定値にリストアすることができるため、ユーザが望む設定値へリストアをやり直す手間が軽減される。
【００４７】
このように、本発明の実施形態に係る画像形成装置は、機器のバリエーションが増えて、バックアップ元とリストア先の機器間の設定値の対応関係が複雑になったとしても、対応関係の不一致などによる設定値の誤りを自動的に補正、もしくは元の値に書き戻すことにより、適正にリストアするための手間を減らし、ユーザがリストアにかける時間を少なくするとともに誤った設定値にリストアされることを防ぐことができるという効果を奏する。
【００４８】
また、本発明の実施形態に係る画像形成装置は、外部記憶媒体に対して、画像形成装置の機器設定値をバックアップ／リストア可能な画像形成装置であって、また、外部記憶媒体に対して、リストア前にリストア先の機器設定値をバックアップしておき、異なる機種の機器間で共通とされている設定値をリストア後に、設定値が不正であった場合、リストア前の値に戻すか、設定値を自動的に補正することができる。このように、リストア後に設定値の不備を自動的に修正するので、ユーザは、項目ごとに設定値の確認と修正をする必要がなく、リストアにかける時間を少なくできる。
【００４９】
更に、上記の実施形態では、画像形成装置に関して具体的な説明を行ったが、上記の画像形成装置を動作させるプログラムに関しても、本発明を実現することは可能であり、発明の実施形態のひとつであることは言うまでもない。
【００５０】
また、実施形態の一部または全部は、以下のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【００５１】
（付記１）外部記録媒体を接続するためのインターフェースと、画像形成装置に内蔵された記憶媒体に格納されている設定情報を前記画像形成装置の種別を識別する種別情報とともに、前記外部記憶媒体に書き込む外部記憶媒体書き込み手段とを備えるバックアップ手段と、前記インターフェースに着脱可能な外部記憶媒体が装着されると、該外部記憶媒体に格納されている設定情報を読み込む外部記憶媒体読み込み手段と、前記外部記憶媒体読み込み手段によって読み込んだ前記設定情報を画像形成装置に内蔵された記憶媒体に書き込む内蔵記憶媒体書き込み手段とを備えるリストア手段と、前記リストア手段によってリストアされた設定情報が適正か否かを判断する設定情報判断手段と、適正な設定情報に補正する設定情報補正手段とを備え、内蔵記憶媒体に記憶された設定値を補正された設定情報へ前記内蔵記憶媒体書き込み手段により書き換える補正処理手段とを備える画像形成装置。
【００５２】
（付記２）前記バックアップ手段によりリストア前にリストア対象機器の設定情報をバックアップし、前記補正処理手段により設定情報を補正できない場合に、リストア前の設定情報へリストアするリストア手段を、さらに備えた付記１に記載の画像形成装置。
【００５３】
（付記３）補正するか否かを操作パネルに表示してユーザにより選択させる補正実行選択手段を、さらに備えた付記１に記載の画像形成装置。
【００５４】
（付記４）リストア前の設定情報に戻すか否かを操作パネルに表示してユーザにより選択させるリストア前の設定情報補正実行選択手段を、さらに備えた付記２に記載の画像形成装置。
【００５５】
（付記５）初期設定値に戻すか否かを操作パネルに表示してユーザにより選択させる初期設定値補正実行選択手段を、さらに備えた付記１又は付記２に記載の画像形成装置。
【００５６】
（付記６）付記３、付記４、付記５のすべて、或いは、いずれかの組み合わせを備えた画像形成装置。
【００５７】
（付記７）付記１から付記６のいずれかに記載の画像形成装置を動作させるプログラム。
【符号の説明】
【００５８】
１ 画像形成装置
２ 内部記憶媒体
３ 外部記憶媒体ＩＦ部
４ 外部記憶媒体
５ バックアップ処理手段
６ 補正処理手段
７ リストア処理手段
８ コントローラ部
９ ホストＩＦ部
１０ 操作パネル
１１ ユーザ通知部
１２ ＲＯＭ
１３ ＲＡＭ
１４ ＰｌｏｔｔｅｒＥｎｇｉｎｅ
１５ ホスト計算機
【先行技術文献】
【特許文献】
【００５９】
【特許文献１】特開２００７−１２８４９３号公報
【技術分野】
【０００１】
本発明は、外部記憶媒体を介して機器設定値やアドレス帳をバックアップ／リストアする画像形成装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
画像形成装置の機器設定値やアドレス帳をメモリカードやＵＳＢ（Ｕｎｉｖｅｒｓａｌ Ｓｅｒｉａｌ Ｂｕｓの略）メモリなどの外部記憶媒体にバックアップし、機器の故障時や、機器の置き換え時などには、バックアップした機器設定値やアドレス帳を他の画像形成装置にリストアすることで、効率よく画像形成装置の機器設定環境を復旧させるという技術が考えられ既に知られている。
【０００３】
特許文献１には、可搬性記憶媒体への設定情報のバックアップ及び／又はリストアを可能とする画像形成装置を提供する目的で、画像形成装置の設定情報とともに、設定項目毎に異なる機種間で共通の設定項目かどうか、同じ機種の異なる機器間で共通の設定項目かどうか、及び異なる機器間で共有不可の設定項目かどうかの付加情報を可搬性記憶媒体に書き込む可搬性記憶媒体書き込み手段が開示され、この付加情報により、バックアップされた設定情報を機種の違いを考慮しつつ、他の画像形成装置に安全にリストアできる構成が開示されている。
【０００４】
しかし、今までの外部記憶媒体により機器設定値やアドレス帳をリストアする装置では、機器のバリエーションが増えてバックアップ元とリストア先の機器間の設定値の対応関係が複雑になるにしたがって、共通な設定値か、非共通な設定値を判断しなければならない項目が増えて、適正にリストアするためのユーザの手間が増えていくとともに、元々共有できていた設定値がバリエーションが増えることで共有できなくなっていて、誤った設定値にリストアされてしまうという問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
そこで、本発明は、外部記憶媒体を介して機器設定値やアドレス帳をバックアップ／リストアする画像形成装置で、機器のバリエーションが増えて、バックアップ元とリストア先の機器間の設定値の対応関係が複雑になったとしても、対応関係の不一致などによる設定値の誤りを自動的に補正、もしくは元の値に書き戻すことにより、適正にリストアするための手間を減らしユーザがリストアにかける時間を少なくするとともに、誤った設定値にリストアされることを防ぐことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
本発明は、外部記録媒体を接続するためのインターフェースと、画像形成装置に内蔵された記憶媒体に格納されている設定情報を画像形成装置の種別を識別する種別情報とともに、外部記憶媒体に書き込む外部記憶媒体書き込み手段とを備えるバックアップ手段と、インターフェースに着脱可能な外部記憶媒体が装着されると、該外部記憶媒体に格納されている設定情報を読み込む外部記憶媒体読み込み手段と、外部記憶媒体読み込み手段によって読み込んだ設定情報を画像形成装置に内蔵された記憶媒体に書き込む内蔵記憶媒体書き込み手段とを備えるリストア手段と、リストア手段によってリストアされた設定情報が適正か否かを判断する設定情報判断手段と、適正な設定情報に補正する設定情報補正手段とを備え、内蔵記憶媒体に記憶された設定値を補正された設定情報へ内蔵記憶媒体書き込み手段により書き換える補正処理手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【０００７】
本発明によれば、機器のバリエーションが増えて、バックアップ元とリストア先の機器間の設定値の対応関係が複雑になったとしても、対応関係の不一致などによる設定値の誤りを自動的に補正、もしくは元の値に書き戻すことにより、適正にリストアするための手間を減らし、ユーザがリストアにかける時間を少なくするとともに誤った設定値にリストアされることを防ぐことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【０００８】
【図１】本発明の実施形態に係る画像形成装置の構成図である。
【図２】本発明の実施形態に係る画像形成装置Ａでバックアップした設定値を画像形成装置Ｂにおいてリストアする構成図である。
【図３】本発明の実施形態に係るリストア時に設定値が適正でなかった場合、設定値を補正する処理を示したフローチャートである。
【図４】本発明の実施形態に係るリストア時にリストア対象機器の設定値をバックアップしておき、リストアにより設定値が適正でなくなった場合にリストア前に戻す処理を示したフローチャートである。
【図５】本発明の実施形態に係るリストア時に設定値が適正でなかった場合、設定値を補正する方法をユーザに選択させる処理を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【０００９】
本発明の実施形態について説明する。本発明は、外部記憶媒体による機器設定値のリストア時の処理に際して、以下の特徴を有する。即ち、リストア時に、リストアされた設定値の不備を検知して、設定値の内容を確認し、自動的に値を補正することが特徴になっている。本発明の特徴について、以下の図面を用いて詳細に説明する。
【００１０】
図１は、本発明の実施形態に係る画像形成装置の構成図である。図１において、画像形成装置１は、脱着不可な不揮発の記憶手段である内部記憶媒体２と、記憶媒体インターフェイス（以下、ＩＦと略す）部である外部記憶媒体ＩＦ部３と、バックアップ処理手段５、補正処理手段６、及び、リストア処理手段７を有するコントローラ部８と、ホストインターフェイス（以下、ＩＦと略す）部９と、操作パネル１０と、ユーザ通知部１１と、ＲＯＭ１２と、ＲＡＭ１３と、ＰｌｏｔｔｅｒＥｎｇｉｎｅ１４とを備え、脱着可能な不揮発の記憶媒体である外部記憶媒体４と、ホスト計算機１５とに接続している。
【００１１】
次に、実施形態に係る画像形成装置の動作について説明する。まず、ホスト計算機１５から送信された外字やフォーム等のデータを脱着不可な不揮発の記憶手段である内部記憶媒体２内に登録、保持することが可能となっている画像形成装置１において、さらに、脱着可能な不揮発の外部記憶媒体４の外部記憶媒体ＩＦ部３と、内部記憶媒体２内に保持されている機器設定値等のデータをこの外部記憶媒体ＩＦ部３を介して外部記憶媒体４に書き込み保存するバックアップ処理手段５と、このバックアップ処理手段５で以前に書き込み保存された外部記憶媒体４内のデータをその外部記憶媒体ＩＦ部３を介して読み込んで機器設定値等のデータを内部記憶媒体２内に回復するリストア処理手段７と、を備えたものである。
【００１２】
脱着不可な不揮発の記憶手段である内部記憶媒体２としては、ハードディスクドライブやＥＥＰＲＯＭ、ＮＶＲＡＭ等が挙げられる。また、脱着可能な不揮発の外部記憶媒体４とその外部記憶媒体ＩＦ部３としては、ＩＣカード装置、ＵＳＢメモリ、ＳＤカード装置等が挙げられる。
【００１３】
ここで、ユーザは外字やフォームのデータを画像形成装置１に登録する場合は、ホスト計算機１５からホストＩＦ部９を介してデータを画像形成装置１に送信する。 画像形成装置１は、受信したデータを脱着不可な不揮発の記憶手段である内部記憶媒体２内に保持するものとする。
【００１４】
次に、ユーザは、画像形成装置１内の脱着不可な不揮発の記憶手段である内部記憶媒体２内に保持されているデータを保存したい場合は、脱着可能な不揮発の記憶媒体である外部記憶媒体４を画像形成装置１内に備えた外部記憶媒体ＩＦ部３に装着し、操作パネル１０等を介して画像形成装置１にその旨の指示を与えるものとする。 そして指示を受けた画像形成装置１では、コントローラ部８上で動作するバックアップ処理手段５が呼び出されて処理が実行される。
【００１５】
呼び出されたバックアップ処理手段５は、脱着不可な不揮発の記憶手段である内部記憶媒体２内に保持されている機器設定値等のデータを読み取り、それを外部記憶媒体ＩＦ部３を介して脱着可能な不揮発の記憶媒体である外部記憶媒体４に書き込むことを行う。
【００１６】
また、ユーザが以前に外部記憶媒体４に保存したデータを画像形成装置１内の脱着不可な不揮発の記憶手段である内部記憶媒体２内に回復したい場合は、以前にデータを保存した脱着可能な不揮発の記憶媒体である外部記憶媒体４を外部記憶媒体ＩＦ部３に装着し、操作パネル１０等を介して画像形成装置１にその旨の指示を与えるものとする。
【００１７】
指示を受けた画像形成装置１では、コントローラ部８上で動作するリストア処理手段７が呼び出されて処理が実行される。呼び出されたリストア処理手段７は、外部記憶媒体４内に保存されているデータをその外部記憶媒体ＩＦ部３を介して読み取り、それを内部記憶媒体２内に書き込むことを行う。
【００１８】
また、バックアップ処理手段５においては、内部記憶媒体２と外部記憶媒体４の間で機器設定値等のデータの保存あるいは回復の処理実行中にあっては、ホスト計算機１５から送信されるデータの登録あるいは既に登録されているデータの削除の指示に対して、その受け付けあるいは実行処理を同時に行わないように排他制御の処理を行う。
【００１９】
同様にリストア処理手段７においても、該当処理実行中はホスト計算機１５から送信される機器設定値等のデータの登録指示あるいは既に登録されているデータの削除指示に対して、それらの指示の受け付けあるいは実行を同時に処理しないように排他制御の処理を行う。
【００２０】
また、バックアップ処理手段５は、各外部記憶媒体４に機器設定値等のデータの他に、バックアップのＩＤ、バックアップの日時、設定項目毎に異なる機種間で共通の設定項目かどうか、同じ機種の異なる機器間で共通の設定項目かどうか、及び異なる機器間で共有不可の設定項目かどうかなどの付属情報の書き込みも行う。
【００２１】
そして、補正処理手段６は、リストア処理手段７によって書き込まれた内部記憶媒体２のデータを読み取り、データの適正を確認して、適正でない場合には適正なデータに補正したり、リストア前のデータに戻したり、操作パネルによって補正の方法をユーザに選択させる処理を行う。
【００２２】
図２は、本発明の実施形態に係る画像形成装置Ａでバックアップした設定値を画像形成装置Ｂにおいてリストアする構成図である。
【００２３】
図２において、画像形成装置Ａ、画像形成装置Ｂはそれぞれ、図１の概略構成と同様である。ここでは、画像形成装置Ａで外部記憶媒体４にバックアップした設定値等を、外部記憶媒体４を介して、画像形成装置Ｂで外部記憶媒体４からリストアすることによって、画像形成装置Ａから画像形成装置Ｂに共通した設定値を移行するときの構成を示している。画像形成装置ＡとＢは同じ機種か、または同様の構成を持った異なる機種であってもよい。
【００２４】
図３は、本発明の実施形態に係るリストア時に設定値が適正でなかった場合、設定値を補正する処理を示したフローチャートである。
【００２５】
最初に、外部記憶媒体４による機器設定値のバックアップ／リストアが可能な画像形成装置１に機器設定値のバックアップデータが保存された外部記憶媒体４が装着され、ユーザにより機器設定値のリストアの実行開始が要求される（ステップＳ１０１）。そして、通常のリストア動作を実行する（ステップＳ１０２）。
【００２６】
次に、リストア終了後に、リストアされた設定値を確認し（ステップＳ１０３）、設定値が適正かどうかを判定する（ステップＳ１０４）。このとき設定値の上下限値、単位、精度などを設定値と紐付けてＲＯＭ１２に保存しておくことにより、リストアされたデータと比較することで設定値が適正かどうかを判断することができる。
【００２７】
設定値が適正でないと判定される（ステップＳ１０４のＮｏ）と、設定値が補正可能かどうかを判定する（ステップＳ１０５）。このとき設定値が補正可能かの判定は、例えば、補正可能な上下限値の範囲内に収まっているかどうか、ｃｍとｍｍのような単純に変換できる単位系かどうかを確認する方法がある。
【００２８】
補正可能であると判定された場合（ステップＳ１０５のＹｅｓ）、補正処理を実行する（ステップＳ１０６）。補正処理は、例えば、上下限を超えている場合は設定値に上下限値を採用することや、ｃｍ→ｍｍの場合は設定値を１００倍するという方法が考えられる。 補正可能でないと判定された場合（ステップＳ１０５のＮｏ）、ＲＯＭ１２に保存されている初期設定値へ戻す（ステップＳ１０７）。
【００２９】
本実施形態の特徴は、異なる機種間のデータ移行などで、共有できないデータに対して共有する設定がされて、設定値が正しくリストアされなかったとしても、自動的に設定値が修正されることで、ユーザは設定値の確認や、リストアのやり直しをしなくてもよいということである。
【００３０】
図４は、本発明の実施形態に係るリストア時にリストア対象機器の設定値をバックアップしておき、リストアにより設定値が適正でなくなった場合にリストア前に戻す処理を示したフローチャートである。
【００３１】
最初に、外部記憶媒体４による機器設定値のバックアップ／リストアが可能な画像形成装置１に機器設定値のバックアップデータが保存された外部記憶媒体４が装着され、ユーザにより機器設定値のリストアの実行開始が要求される（ステップＳ２０１）。
【００３２】
次に、リストア対象機器を確認し（ステップＳ２０２Ａ）、外部記憶媒体４に保存されているバックアップデータがリストア対象の機器と同一の機器でバックアップされたかどうかを判定する（ステップＳ２０２Ｂ）。同一機器かどうかの判定は、バックアップデータに含まれている機器IDの情報と、リストア対象機器の機器IDを比較する方法がある。
【００３３】
同一機器でないと判定されると（ステップＳ２０２ＢのＮｏ）、リストア対象機器のバックアップを実行し（ステップＳ２０２Ｃ）、外部記憶媒体４にバックアップデータを保存する（ステップＳ２０２Ｄ）。このとき、他の機器でバックアップされたデータと、リストア対象機器のバックアップデータにより、バックアップデータが二重化されることになる。
【００３４】
次にリストアを実行する（ステップＳ２０３）。このとき使用されるバックアップデータは、リストア対象機器バックアップ処理（ステップＳ２０２）で構築されたバックアップデータではなく、リストア開始要求前から外部記憶媒体に保存されていたバックアップデータである。
【００３５】
リストア終了後のＳ２０４、Ｓ２０５、Ｓ２０６、Ｓ２０７のステップは、図３のＳ１０３、Ｓ１０４、Ｓ１０５、Ｓ１０６のステップと同様である。そして、補正可能でないと判定された場合（ステップＳ２０６のＮｏ）、外部記憶媒体４にリストア対象機器のバックアップデータがあるかを確認する（ステップＳ２０８）。
【００３６】
バックアップデータがあると判定された場合（ステップＳ２０８のＹｅｓ）、外部記憶媒体４からバックアップデータを取得し（ステップＳ２０９）、リストアを実行する（ステップＳ２１０）。ここで、使用されるバックアップデータはリストア対象機器バックアップ処理（ステップＳ２０２）によって構築されたバックアップデータである。
【００３７】
バックアップデータがないと判定された場合（ステップＳ２０８のＮｏ）、ＲＯＭ１２に保存されている初期設定値へ戻す（ステップＳ２１１）。
【００３８】
本実施形態の特徴は、設定値が補正できない場合でも、初期設定値に戻せるだけでなく、リストア前の設定値に戻すことができるため、ユーザのリストアにかける手間を軽減できる。
【００３９】
図５は、本発明の実施形態に係るリストア時に設定値が適正でなかった場合、設定値を補正する方法をユーザに選択させる処理を示したフローチャートである。
【００４０】
最初に、ステップＳ３０１からＳ３０６までは、図４のステップＳ２０１からＳ２０６までと同様である。
【００４１】
次に、補正可能であると判定された場合（ステップＳ３０６のＹｅｓ）、補正処理を実行するかどうかをユーザに確認する（ステップＳ３０７）。そして、オペレータパネルでユーザが補正処理実行を選択した場合（ステップＳ３０８のＹｅｓ）、補正処理を実行する（ステップＳ３０９）。補正処理は、図３のステップＳ１０６と同様である。
【００４２】
補正可能でないと判定された場合（ステップＳ３０６のＮｏ）と、ユーザが補正処理実行を選択しなかった場合（ステップＳ３０８のＮｏ）、外部記憶媒体４にリストア対象機器のバックアップデータがあるかを確認する（ステップＳ３１０）。
【００４３】
バックアップデータがあると判定された場合（ステップＳ３１０のＹｅｓ）、リストア前の設定値に戻すかをユーザに確認する（ステップＳ３１１）。オペレータパネルでユーザがリストア前の設定値に戻す選択をした場合（ステップＳ３１２のＹｅｓ）、外部記憶媒体４からバックアップデータを取得し（ステップＳ３１３）、リストアを実行する（ステップＳ３１４）。ここで、ステップＳ３１３、Ｓ３１４は、図４のステップＳ２０９、Ｓ２１０と同様である。
【００４４】
バックアップデータがないと判定された場合（ステップＳ３１０のＮｏ）と、ユーザがリストア前の設定値に戻す選択をしなかった場合（ステップＳ３１２のＮｏ）、初期設定値に戻すかをユーザに確認する（ステップＳ３１５）。オペレータパネルでユーザが初期設定値に戻す選択をした場合（ステップＳ３１６のＹｅｓ）、ＲＯＭ１２に保存されている初期設定値へ戻す（ステップＳ３１７）。
【００４５】
ユーザが初期設定値に戻す選択をしなかった場合（ステップＳ３１６のＮｏ）は、設定値はそのままとする。ステップＳ３０７、Ｓ３１１、Ｓ３１５のユーザへの確認は、確認しないで次のステップに進むようにしてもよい。また、すべて確認してもよいし、どれを確認するかは任意に決めてもよい。
【００４６】
本実施形態の特徴は、適正にリストアされなかった場合に、ユーザに補正の方法を選択させることにより、ユーザが求める設定値にリストアすることができるため、ユーザが望む設定値へリストアをやり直す手間が軽減される。
【００４７】
このように、本発明の実施形態に係る画像形成装置は、機器のバリエーションが増えて、バックアップ元とリストア先の機器間の設定値の対応関係が複雑になったとしても、対応関係の不一致などによる設定値の誤りを自動的に補正、もしくは元の値に書き戻すことにより、適正にリストアするための手間を減らし、ユーザがリストアにかける時間を少なくするとともに誤った設定値にリストアされることを防ぐことができるという効果を奏する。
【００４８】
また、本発明の実施形態に係る画像形成装置は、外部記憶媒体に対して、画像形成装置の機器設定値をバックアップ／リストア可能な画像形成装置であって、また、外部記憶媒体に対して、リストア前にリストア先の機器設定値をバックアップしておき、異なる機種の機器間で共通とされている設定値をリストア後に、設定値が不正であった場合、リストア前の値に戻すか、設定値を自動的に補正することができる。このように、リストア後に設定値の不備を自動的に修正するので、ユーザは、項目ごとに設定値の確認と修正をする必要がなく、リストアにかける時間を少なくできる。
【００４９】
更に、上記の実施形態では、画像形成装置に関して具体的な説明を行ったが、上記の画像形成装置を動作させるプログラムに関しても、本発明を実現することは可能であり、発明の実施形態のひとつであることは言うまでもない。
【００５０】
また、実施形態の一部または全部は、以下のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【００５１】
（付記１）外部記録媒体を接続するためのインターフェースと、画像形成装置に内蔵された記憶媒体に格納されている設定情報を前記画像形成装置の種別を識別する種別情報とともに、前記外部記憶媒体に書き込む外部記憶媒体書き込み手段とを備えるバックアップ手段と、前記インターフェースに着脱可能な外部記憶媒体が装着されると、該外部記憶媒体に格納されている設定情報を読み込む外部記憶媒体読み込み手段と、前記外部記憶媒体読み込み手段によって読み込んだ前記設定情報を画像形成装置に内蔵された記憶媒体に書き込む内蔵記憶媒体書き込み手段とを備えるリストア手段と、前記リストア手段によってリストアされた設定情報が適正か否かを判断する設定情報判断手段と、適正な設定情報に補正する設定情報補正手段とを備え、内蔵記憶媒体に記憶された設定値を補正された設定情報へ前記内蔵記憶媒体書き込み手段により書き換える補正処理手段とを備える画像形成装置。
【００５２】
（付記２）前記バックアップ手段によりリストア前にリストア対象機器の設定情報をバックアップし、前記補正処理手段により設定情報を補正できない場合に、リストア前の設定情報へリストアするリストア手段を、さらに備えた付記１に記載の画像形成装置。
【００５３】
（付記３）補正するか否かを操作パネルに表示してユーザにより選択させる補正実行選択手段を、さらに備えた付記１に記載の画像形成装置。
【００５４】
（付記４）リストア前の設定情報に戻すか否かを操作パネルに表示してユーザにより選択させるリストア前の設定情報補正実行選択手段を、さらに備えた付記２に記載の画像形成装置。
【００５５】
（付記５）初期設定値に戻すか否かを操作パネルに表示してユーザにより選択させる初期設定値補正実行選択手段を、さらに備えた付記１又は付記２に記載の画像形成装置。
【００５６】
（付記６）付記３、付記４、付記５のすべて、或いは、いずれかの組み合わせを備えた画像形成装置。
【００５７】
（付記７）付記１から付記６のいずれかに記載の画像形成装置を動作させるプログラム。
【符号の説明】
【００５８】
１ 画像形成装置
２ 内部記憶媒体
３ 外部記憶媒体ＩＦ部
４ 外部記憶媒体
５ バックアップ処理手段
６ 補正処理手段
７ リストア処理手段
８ コントローラ部
９ ホストＩＦ部
１０ 操作パネル
１１ ユーザ通知部
１２ ＲＯＭ
１３ ＲＡＭ
１４ ＰｌｏｔｔｅｒＥｎｇｉｎｅ
１５ ホスト計算機
【先行技術文献】
【特許文献】
【００５９】
【特許文献１】特開２００７−１２８４９３号公報
【特許請求の範囲】
【請求項１】
外部記録媒体を接続するためのインターフェースと、画像形成装置に内蔵された記憶媒体に格納されている設定情報を前記画像形成装置の種別を識別する種別情報とともに、前記外部記憶媒体に書き込む外部記憶媒体書き込み手段とを備えるバックアップ手段と、
前記インターフェースに着脱可能な外部記憶媒体が装着されると、該外部記憶媒体に格納されている設定情報を読み込む外部記憶媒体読み込み手段と、前記外部記憶媒体読み込み手段によって読み込んだ前記設定情報を画像形成装置に内蔵された記憶媒体に書き込む内蔵記憶媒体書き込み手段とを備えるリストア手段と、
前記リストア手段によってリストアされた設定情報が適正か否かを判断する設定情報判断手段と、適正な設定情報に補正する設定情報補正手段とを備え、内蔵記憶媒体に記憶された設定値を補正された設定情報へ前記内蔵記憶媒体書き込み手段により書き換える補正処理手段と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項２】
請求項１記載の画像形成装置において、
前記バックアップ手段によりリストア前にリストア対象機器の設定情報をバックアップし、前記補正処理手段により設定情報を補正できない場合に、リストア前の設定情報へリストアするリストア手段を、さらに備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項３】
請求項１記載の画像形成装置において、
補正するか否かを操作パネルに表示してユーザにより選択させる補正実行選択手段を、さらに備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項４】
請求項２記載の画像形成装置において、
リストア前の設定情報に戻すか否かを操作パネルに表示してユーザにより選択させるリストア前の設定情報補正実行選択手段を、さらに備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項５】
請求項１又は２に記載の画像形成装置において、
初期設定値に戻すか否かを操作パネルに表示してユーザにより選択させる初期設定値補正実行選択手段を、さらに備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項１】
外部記録媒体を接続するためのインターフェースと、画像形成装置に内蔵された記憶媒体に格納されている設定情報を前記画像形成装置の種別を識別する種別情報とともに、前記外部記憶媒体に書き込む外部記憶媒体書き込み手段とを備えるバックアップ手段と、
前記インターフェースに着脱可能な外部記憶媒体が装着されると、該外部記憶媒体に格納されている設定情報を読み込む外部記憶媒体読み込み手段と、前記外部記憶媒体読み込み手段によって読み込んだ前記設定情報を画像形成装置に内蔵された記憶媒体に書き込む内蔵記憶媒体書き込み手段とを備えるリストア手段と、
前記リストア手段によってリストアされた設定情報が適正か否かを判断する設定情報判断手段と、適正な設定情報に補正する設定情報補正手段とを備え、内蔵記憶媒体に記憶された設定値を補正された設定情報へ前記内蔵記憶媒体書き込み手段により書き換える補正処理手段と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項２】
請求項１記載の画像形成装置において、
前記バックアップ手段によりリストア前にリストア対象機器の設定情報をバックアップし、前記補正処理手段により設定情報を補正できない場合に、リストア前の設定情報へリストアするリストア手段を、さらに備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項３】
請求項１記載の画像形成装置において、
補正するか否かを操作パネルに表示してユーザにより選択させる補正実行選択手段を、さらに備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項４】
請求項２記載の画像形成装置において、
リストア前の設定情報に戻すか否かを操作パネルに表示してユーザにより選択させるリストア前の設定情報補正実行選択手段を、さらに備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項５】
請求項１又は２に記載の画像形成装置において、
初期設定値に戻すか否かを操作パネルに表示してユーザにより選択させる初期設定値補正実行選択手段を、さらに備えたことを特徴とする画像形成装置。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【公開番号】特開２０１２−１３１１７０（Ｐ２０１２−１３１１７０Ａ）
【公開日】平成２４年７月１２日（２０１２．７．１２）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１０−２８６４８０（Ｐ２０１０−２８６４８０）
【出願日】平成２２年１２月２２日（２０１０．１２．２２）
【出願人】（０００００６７４７）株式会社リコー (37,907)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２４年７月１２日（２０１２．７．１２）
【国際特許分類】
【出願日】平成２２年１２月２２日（２０１０．１２．２２）
【出願人】（０００００６７４７）株式会社リコー (37,907)
【Ｆターム（参考）】
[ Back to top ]