説明

画像形成装置

【課題】用紙を搬送しつつ、複数色の画像を重畳したカラー画像を用紙に形成可能な画像形成装置に関し、用紙の撓み量を適正範囲に調整し、画像のズレを防止可能な画像形成装置を提供する。
【解決手段】レーザプリンタ1は、用紙Pを搬送経路Rに沿って搬送しつつ、各色の画像を用紙Pに重畳してカラー画像を形成する。当該レーザプリンタ1は、搬送速度調整処理プログラムにより、一枚の用紙Pを搬送経路Rに沿って搬送する。当該用紙Pの搬送に際し、レーザプリンタ1は、第1用紙検出センサ26、レジセンサ75、第2用紙検出センサ83により、給紙部搬送所要時間Ta、ベルト搬送所要時間Tb、定着部搬送所要時間Tcを測定する。レーザプリンタ1は、給紙部搬送所要時間Ta、ベルト搬送所要時間Tb、定着部搬送所要時間Tcに基づいて、各ユニット間における用紙の撓み量が適正量となるように、給紙部20、定着ユニット80での搬送速度を調整する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送ローラ及びベルトユニットによって用紙を搬送しつつ、画像形成部により、複数色の画像を重畳することでカラー画像を当該用紙上に形成可能な画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成装置は、搬送ローラ及びベルトユニットにより、用紙を搬送しつつ、ベルトユニットの上方に配設された画像形成部によって、カラー画像を構成する複数色の画像を重畳させることで、所望のカラー画像を当該用紙表面に形成している。
【0003】
このような画像形成装置に関する発明として、特許文献1に係る発明が知られている。特許文献1記載の画像形成装置は、カラー画像を用紙に形成する場合、給紙部を構成する搬送ローラ(給紙ローラ)により、無端状に形成された搬送ベルトを有するベルトユニットに対して用紙を給紙する。そして、当該画像形成装置は、ベルトユニットに給紙された用紙を所定の搬送方向に搬送しつつ、その途中で、カラー画像を構成する各色(マゼンタ、シアン、イエロー、ブラック)の画像を、画像形成部によって、順次、用紙に重畳的に転写してカラー画像を転写する。その後、当該画像形成装置は、定着部を構成する搬送ローラ(加熱ローラ、加圧ローラ)によって、ベルトユニットを通過した用紙を前記搬送方向に搬送しつつ、当該用紙に転写されたカラー画像を用紙に定着することで、カラー画像を用紙に形成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−064263号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、特許文献1記載の画像形成装置のように、給紙部、ベルトユニット、定着部の順に、用紙を搬送しつつ、当該用紙にカラー画像を形成する場合、カラー画像を構成する各色の画像をズレなく重畳させるためには、当該用紙が、給紙部とベルトユニットの間、及び、ベルトユニットと定着部の間において適度に撓んでいる必要がある。各ユニット間における用紙の撓み量が少ない場合、当該用紙には、用紙の搬送方向側に引っ張られるように張力が加わるため、各色の画像を重畳させる際に、ズレが生じてしまう。又、各ユニット間における用紙の撓み量が大きい場合、当該大きな撓み量に起因して、各色の画像の間にズレが生じたり、当該用紙によるジャムが生じたりしてしまう。
【0006】
そして、各ユニット間における用紙の撓み量は、各ユニット(給紙部、ベルトユニット、定着部)における用紙の搬送速度に対応する。搬送方向上流側のユニット(例えば、給紙部)における搬送速度が、搬送方向下流側のユニット(例えば、ベルトユニット)における搬送速度よりも小さすぎれば、用紙を引っ張る方向への張力が大きくなり、各色の画像を重畳させる際にズレが生じてしまい、搬送方向下流側のユニットにおける搬送速度よりも大きすぎれば、用紙には大きな撓みが生じ、ジャム等の要因となってしまう。
【0007】
従来の画像形成装置では、各ユニットにおける用紙の搬送速度は、実験等により求められた値により設定されていた。しかしながら、各画像形成装置は、製造工程や、当該装置を構成する部品精度等に起因して、実験等により求められた値に基づく搬送速度に対して若干の誤差を有している。従って、実験等で求められた値に基づく搬送速度であっても、各画像形成装置にとって最適な搬送速度であるとは限らず、各ユニット間における撓み量を適切に確保できない場合がある。更に、各ユニットにおける搬送速度は、画像形成装置の継続使用に伴う消耗や、画像形成装置を取り巻く環境の変化に起因して変化し得る。従って、画像形成装置の継続使用や、環境の変化に伴い、各ユニット間における撓み量を適切に確保できない場合が生じる。
【0008】
又、従来の画像形成装置において、各ユニットにおける用紙の搬送速度を確認する方法はなかった。従って、各ユニット間における用紙の撓み量が適正範囲でない場合、従来の画像形成ユニットでは、各ユニットにおける搬送速度を適切に調整できず、用紙の撓み量を適正範囲に補正することはできなかった。この結果、当該画像形成装置では、用紙の撓み量の多少に基づく画像のズレや用紙のジャムを防止できなかった。
【0009】
本発明は、搬送ローラ及びベルトユニットによって用紙を搬送しつつ、画像形成部により、複数色の画像を重畳することでカラー画像を当該用紙上に形成可能な画像形成装置に関し、用紙の撓み量を適正範囲に調整することで、画像のズレや用紙のジャムを防止可能な画像形成装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の請求項1に係る画像形成装置は、本体筐体と、画像形成部と、ベルトユニットと、搬送ローラと、パターン形成手段と、第1検出手段と、第2検出手段と、搬送速度調整手段と、を有する。当該画像形成装置は、ベルトユニットおよび搬送ローラによって用紙を搬送しつつ、画像形成部により各色の画像を重畳させることで、複数色で構成される画像を当該用紙に形成する。そして、当該画像形成装置は、用紙がベルトユニットに搬送されると、パターン形成手段により、第1範囲及び第2範囲に対して、検出用パターンを形成する。その後、当該画像形成装置は、検出用パターンが形成された用紙を、前記ベルトユニットから所定の搬送方向へ搬送した後、第1検出手段により、前記搬送ベルト表面の第1範囲及び第2範囲に残存する検出用パターンの間隔を検出することで、第1通過時間を測定する。又、当該画像形成装置は、第2検出手段によって、当該用紙の上流端及び下流端を検出することで、搬送ローラを当該用紙が通過する為に要する第2通過時間を測定する。ここで、第1範囲は当該用紙の上流端を含み、第2範囲が当該用紙の下流端を含んでいるため、搬送ベルト表面の第1範囲及び第2範囲に残存する検出用パターンの間隔は、用紙の搬送方向に沿った長さ寸法に対応する。従って、当該画像形成装置は、第1通過時間と、用紙の搬送方向に沿った長さに基づいて、ベルトユニットによる用紙の搬送速度を特定でき、更に、第2通過時間と、用紙の搬送方向に沿った長さに基づいて、搬送ローラによる用紙の搬送速度を特定し得る。そして、当該画像形成装置は、搬送速度調整手段により、第1通過時間と、第2通過時間に基づいて、前記ベルトユニットによる用紙の搬送速度と、前記搬送ローラによる用紙の搬送速度の間に、所定の速度差が生じるように、前記搬送ローラによる前記用紙の搬送速度を調整する。この結果、当該画像形成装置は、搬送ローラとベルトユニットの間における用紙に適切な量の撓みを付与し、もって、画像のズレや用紙のジャムを防止し得る。
【0011】
そして、請求項2記載の画像形成装置において、搬送速度調整手段は、第1通過時間と、第2通過時間に基づいて、前記搬送方向上流側ほど用紙の搬送速度が大きく、且つ、前記ベルトユニットによる用紙の搬送速度と、前記搬送ローラによる用紙の搬送速度の間に、所定の速度差が生じるように、前記搬送ローラによる前記用紙の搬送速度を自動的に調整する。この結果、当該画像形成装置は、ベルトユニットと搬送ローラの間における用紙の撓み量を適正範囲に調整し、画像のズレや用紙のジャムを防止し得る。
【0012】
又、請求項3記載の画像形成装置において、前記搬送速度調整手段は、前記第1通過時間と前記第2通過時間の差分値と、前記速度差に基づく基準値とを、大小比較することにより、前記搬送ローラによる前記用紙の搬送速度の調整の要否を判断する。従って、当該画像形成装置は、ベルトユニットによる用紙の搬送速度、及び搬送ローラによる用紙の搬送速度を算出することなく、搬送ローラによる用紙の搬送速度に関する調整の要否を判断することができ、搬送速度の調整の要否に係る制御負担を軽減しつつ、必要な状態での搬送速度の調整を行い得る。
【0013】
そして、請求項4記載の画像形成装置において、前記搬送ローラは、前記ベルトユニットよりも前記用紙の搬送方向上流側に配設されており、回転駆動することによって、前記ベルトユニットに対して、前記用紙を給紙する。従って、当該画像形成装置は、ベルトユニットに対して用紙を給紙する搬送ローラと、ベルトユニットの間における用紙に、適正範囲の撓み量を付与することができ、もって、画像のズレや用紙のジャムを防止し得る。
【0014】
又、請求項5記載の画像形成装置において、前記搬送ローラは、前記ベルトユニットよりも前記用紙の搬送方向下流側に配設されており、回転駆動することによって、前記ベルトユニットを搬送された用紙を、前記搬送方向下流側に搬送する。従って、当該画像形成装置は、ベルトユニットから搬送された用紙を更に搬送方向下流側に搬送する搬送ローラと、ベルトユニットの間における用紙に、適正範囲の撓み量を付与することができ、もって、画像のズレや用紙のジャムを防止し得る。
【0015】
そして、請求項6記載の画像形成装置において、前記搬送ローラは、第1搬送ローラと、第2搬送ローラと、を含む。第1搬送ローラは、前記ベルトユニットよりも前記用紙の搬送方向上流側に配設され、回転駆動することによって、前記ベルトユニットに対して、前記用紙を供給する。第2搬送ローラは、前記ベルトユニットよりも前記用紙の搬送方向下流側に配設され、回転駆動することによって、前記ベルトユニットを搬送された用紙を、前記搬送方向下流側に搬送する。そして、前記搬送速度調整手段は、前記ベルトユニットによる用紙の搬送速度と、前記第1搬送ローラによる用紙の搬送速度の間に、所定の速度差が生じるように、前記第1搬送ローラによる前記用紙の搬送速度を調整すると共に、前記ベルトユニットによる用紙の搬送速度と、前記第2搬送ローラによる用紙の搬送速度の間に、所定の速度差が生じるように、前記第2搬送ローラによる前記用紙の搬送速度を調整する。従って、当該画像形成装置は、ベルトユニットに対して用紙を給紙する第1搬送ローラとベルトユニットの間における用紙、及び、ベルトユニットから搬送された用紙を更に搬送方向下流側に搬送する第2搬送ローラとベルトユニットの間における用紙の何れに対しても、適正範囲の撓み量を付与することができ、もって、画像のズレや用紙のジャムを防止し得る。
【0016】
又、請求項7記載の画像形成装置において、前記第1検出手段は、前記画像形成部により形成される画像の濃度や、前記複数色の画像を重畳する際における各画像のズレを検出する検出センサにより構成されている。従って、当該画像形成装置によれば、画像形成部により形成される画像の濃度や、前記複数色の画像を重畳する際における各画像のズレを検出する為の検出センサを有効に活用することで、搬送途中の用紙の撓み量の大小に起因する画像のズレや用紙のジャムを防止し得る。この結果、当該画像形成装置によれば、当該画像形成装置を構成する部品点数を削減しつつ、画像のズレや用紙のジャムを防止し得る。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本実施形態に係るレーザプリンタの側断面図である。
【図2】レーザプリンタの制御系を示すブロック図である。
【図3】搬送速度調整処理プログラムのフローチャートである。
【図4】第1用紙検出センサで用紙の上流端を検出した状態を示す説明図である。
【図5】第1用紙検出センサで用紙の下流端を検出した状態を示す説明図である。
【図6】第2用紙検出センサで用紙の上流端を検出した状態を示す説明図である。
【図7】第2用紙検出センサで用紙の下流端を検出した状態を示す説明図である。
【図8】搬送ベルト及び用紙に形成される検出用パターンに関する説明図である。
【図9】用紙がベルトユニットから搬送された状態の検出用パターンに関する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明に係る画像形成装置を、レーザプリンタ1に具体化した一実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。尚、以下の説明において、レーザプリンタ1使用時のユーザを基準にした方向を用いて説明する。即ち、図1において、紙面に向かって右側を「前側」、紙面に向かって左側を「後側」とし、紙面に向かって手前側を「左側」、紙面に向かって奥側を「右側」とする。又、紙面に向かって上下方向を「上下方向」とする。
【0019】
図1等に示すように、レーザプリンタ1は、本体筐体10を有している。本体筐体10は、箱状に形成されており、内部に、給紙部20と、画像形成部30と、ベルトユニット70と、定着ユニット80と、排紙部90を備えている。給紙部20は、記録媒体である用紙Pを供給する。画像形成部30は、ベルトユニット70と協働して、給紙部20により給紙された用紙Pに画像を形成・転写する。定着ユニット80は、用紙Pに転写された画像を当該用紙P表面に定着させる。排紙部90は、画像形成部30により画像が形成された用紙Pを、レーザプリンタ1外部へ排出する。尚、給紙部20、画像形成部30、ベルトユニット70、定着ユニット80及び排紙部90については、後に詳細に説明する。
【0020】
本体筐体10の前面には、フロントカバー11が下方を支点として前後に回動自在に設けられている。そして、本体筐体10の上部には、排紙トレイ13が形成されている。排紙トレイ13は、排紙部90により、本体筐体10から排出された用紙Pを蓄積する。排紙トレイ13下面には、画像形成部30を構成するLEDユニット40が配設されている。尚、本体筐体10内には、本体フレームが当該本体筐体10等に固定されている。そして、本体フレームは、レーザプリンタ1を構成する各部を固定・支持する為に用いられ、後述する各プロセスカートリッジ50を着脱自在に収容する装置本体の一部として機能する。
【0021】
図1に示すように、給紙部20は、本体筐体10内の下部に設けられている。給紙部20は、主に、給紙トレイ21と、用紙供給機構22と、第1用紙検出センサ26により構成される。給紙トレイ21は、記録媒体である用紙Pを積層状態で収納しており、本体筐体10に対して着脱自在に装着される。
【0022】
そして、用紙供給機構22は、給紙トレイ21の手前側に設けられ、搬送経路R上を搬送方向Dに従って、用紙Pを給紙トレイ21から画像形成部30へ搬送する。当該用紙供給機構22は、給紙ローラ23と、分離ローラ24と、分離パッド25と、を有している。給紙ローラ23は、給紙トレイ21内の用紙Pを、給紙トレイ21から分離ローラ24へ向かって給紙する。分離ローラ24は、分離パッド25と協働して、給紙された用紙Pを一枚ずつに分離する。従って、給紙部20では、給紙トレイ21内の用紙Pは、一枚ずつ分離されて上方へ送られる。その後、用紙Pは、搬送経路Rに沿って後方向に方向転換され、画像形成部30に供給される。
【0023】
第1用紙検出センサ26は、分離ローラ24、分離パッド25よりも上方(即ち、搬送方向D下流側)に配設されており、給紙部20により搬送される用紙Pの端部を検出する。当該第1用紙検出センサ26は、通常、搬送経路R内に突出するように位置しており、給紙部20によって搬送経路Rを搬送される用紙Pと接触する(図4参照)。この用紙Pの接触を検知することで、第1用紙検出センサ26は、給紙部20により搬送される用紙Pの下流端Ebを検出し得る。又、第1用紙検出センサ26は、当該用紙Pが搬送方向Dに搬送されると、搬送方向D側に回動する。従って、第1用紙検出センサ26は、給紙部20により搬送される用紙Pの移動を妨げることはない。又、当該第1用紙検出センサ26は、用紙Pが第1用紙検出センサ26近傍を通過すると、搬送経路R内に突出する位置に戻る。従って、当該第1用紙検出センサ26は、給紙部20により搬送される用紙Pの上流端Eaを検出し得る。尚、当該第1用紙検出センサ26は、本発明における第2検出手段の一つとして機能する。
【0024】
画像形成部30は、4つのLEDユニット40と、4つのプロセスカートリッジ50と、を有している。各LEDユニット40及び各プロセスカートリッジ50は、夫々、カラー画像の形成に用いられる色に対応している。即ち、各LEDユニット40及び各プロセスカートリッジ50は、レーザプリンタ1の前方から順に、ブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの各色に対応している。
【0025】
図1に示すように、各LEDユニット40は、所定のプロセスカートリッジ50の間であって、感光ドラム53表面に対向する露光位置に位置し、夫々、露光器の一例であるLEDヘッドを有している。LEDヘッドは、LEDユニット40下側に形成され、LEDからなる複数の発光部を左右方向に配列して構成される。そして、LEDヘッドの各発光部は、制御部15(図2参照)による制御信号に基づいて発光し、感光ドラム53表面を画像データに基づいて露光する。
【0026】
そして、4つのプロセスカートリッジ50は、本体筐体10上面と給紙部20との間で前後方向に並んで配置されており、夫々、他のプロセスカートリッジ50と、所定の間隔を隔てて配設されている。尚、各プロセスカートリッジ50は、後述するトナー収容室66に収容されるトナーの色(即ち、ブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの何れか一色)が相違するのみであり、構成は同一である。
【0027】
図1に示すように、各プロセスカートリッジ50は、ドラムユニット51と、現像ユニット61を有している。現像ユニット61は、ドラムユニット51に対して着脱自在に構成されている。ドラムユニット51は、感光ドラム53と、帯電器54を有している。感光ドラム53は、ドラムユニット51の下部において回転自在に軸支されている。又、ドラムユニット51は、感光ドラム53の上方に位置する面に、LEDユニット40が挿入される露光孔を有している。
【0028】
感光ドラム53は、感光体の一例であり、LEDユニット40により、感光ドラム53表面に静電潜像が形成される。そして、帯電器54は、所謂、スコロトロン型帯電器であり、感光ドラム53表面を一様に帯電させる。
【0029】
そして、現像ユニット61は、現像ローラ63と、供給ローラ64と、トナー収容室66を有している。現像ユニット61は、現像ローラ63及び供給ローラ64を回転可能に保持している。現像ローラ63は、トナー収容室66から供給されたトナーを、感光ドラム53表面に供給する。供給ローラ64は、トナー収容室66内のトナーを、現像ローラ63表面に供給する。現像ローラ63に担持されたトナー層は、層厚規制ブレードによって一定の厚みに規制される。トナー収容室66は、カラー画像の形成に用いられるブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの何れか一色のトナーを収容している。
【0030】
図1に示すように、ベルトユニット70は、給紙部20と画像形成部30の間に配設されている。当該ベルトユニット70は、駆動ローラ71、従動ローラ72、搬送ベルト73、転写ローラ74、レジセンサ75を備えている。駆動ローラ71及び従動ローラ72は、前後方向に離間して平行に配置されている。そして、搬送ベルト73は、無端ベルトにより構成され、駆動ローラ71と従動ローラ72の間に張設されている。従って、搬送ベルト73は、駆動ローラ71の回転駆動に伴い循環移動し、当該ベルトユニット70に搬送された用紙Pを搬送方向Dへ搬送し得る。当該搬送ベルト73の外表面は、各感光ドラム53表面と接触しており、搬送ベルト73の内側には、4つの転写ローラ74が配設されている。各転写ローラ74は、各感光ドラム53の下方に位置し、感光ドラム53との間で搬送ベルト73を挟持している。そして、当該転写ローラ74は、転写バイアスが印加されることで、感光ドラム53表面のトナー画像を用紙Pに転写する。
【0031】
レジセンサ75は、本体筐体10内部において、ベルトユニット70後部であって、当該ベルトユニット70よりも下方となる位置に配設されている。当該レジセンサ75は、搬送ベルト73の外表面に対向する面に検出範囲を有しており、搬送ベルト73外表面に形成された検出パターン(例えば、第1検出用パターンMa、第2検出用パターンMb)を検出する。これにより、当該レーザプリンタ1は、レジセンサ75による検出パターンの検出結果に基づいて、制御部15で種々の制御を行うことによって、画像形成時における位置ずれや濃度の補正を行い得る。当該レジセンサ75は、本発明における第1検出手段として機能する。
【0032】
定着ユニット80は、画像形成部30及びベルトユニット70よりも後側に配設されており、ベルトユニット70により搬送方向Dに沿って搬送された用紙Pを、排紙部90、排紙トレイ13に向かって搬送しつつ、当該用紙Pに形成された画像を熱定着する。当該定着ユニット80は、加熱ローラ81と、加圧ローラ82と、第2用紙検出センサ83を有している。加熱ローラ81は、画像の熱定着に関する熱源として機能すると共に、回転駆動することで、用紙Pを搬送方向D下流側に搬送する。加圧ローラ82は、加熱ローラ81と対向配置されており、用紙Pを加熱ローラ81に向かって押圧すると共に、加熱ローラ81と同様に回転する。
【0033】
第2用紙検出センサ83は、ベルトユニット70と定着ユニット80の間に配設されており、定着ユニット80により搬送される用紙Pの端部を検出する。当該第2用紙検出センサ83は、通常、搬送経路R上に突出しており、定着ユニット80によって搬送される用紙Pと接触する(図6参照)。この用紙Pの接触を検知することで、第2用紙検出センサ83は、定着ユニット80により搬送される用紙Pの下流端Ebを検出し得る。又、第2用紙検出センサ83は、用紙Pが更に搬送方向Dに搬送されると、搬送方向D側に回動する。従って、第2用紙検出センサ83は、定着ユニット80により搬送される用紙Pの移動を妨げることはない。又、当該第2用紙検出センサ83は、用紙Pが第2用紙検出センサ83近傍を通過すると、搬送経路R内に突出する位置に戻る。従って、当該第2用紙検出センサ83は、定着ユニット80により搬送される用紙Pの上流端Eaを検出し得る。尚、当該第2用紙検出センサ83は、本発明における第2検出手段の一つとして機能する。
【0034】
そして、排紙部90は、定着ユニット80から排紙トレイ13へ向かって延びる搬送経路R上に配設されており、複数のローラ92を有している。各ローラ92は、定着ユニット80よりも搬送方向D下流側の搬送経路Rに沿って配設されており、定着ユニット80を通過した用紙Pを、当該搬送経路Rに従って排紙トレイ13へ向かって搬送する。トナー像が熱定着された用紙Pは、ローラ92によって、本体筐体10の外部に排出されて排紙トレイ13に収納される。
【0035】
続いて、当該レーザプリンタ1における用紙Pに対する印刷について説明する。用紙Pに対する印刷が行われる場合、先ず、各感光ドラム53の表面が、帯電器54により一様に帯電される。その後、各感光ドラム53表面は、各LEDユニット40から照射されるLED光により露光される。これにより、画像データに基づく静電潜像が、各感光ドラム53上に形成される。
【0036】
そして、トナー収容室66内のトナーは、供給ローラ64の回転により現像ローラ63に供給される。当該トナーは、現像ローラ63の回転により現像ローラ63と層厚規制ブレードとの間に進入し、一定厚さの薄層として現像ローラ63上に担持される。現像ローラ63上に担持されたトナーは、現像ローラ63が感光ドラム53表面と接触する際に、感光ドラム53上に供給される。これにより、感光ドラム53上でトナーが選択的に担持され、静電潜像が可視像化される。即ち、トナー像が、反転現像により、感光ドラム53上に形成される。
【0037】
そして、給紙部20により給紙された用紙Pが、搬送ベルト73の駆動によって、感光ドラム53と転写ローラ74との間を通過すると、各感光ドラム53上に形成されたトナー像が用紙P上に転写される。即ち、当該レーザプリンタ1は、ベルトユニット70により用紙Pを搬送しつつ、当該用紙Pに、ブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの順に、各色のトナー像を重畳的に転写する。当該レーザプリンタ1は、各色のトナー像をズレなく重畳することにより、用紙Pにカラー画像を形成し得る。そして、用紙P上に転写されたトナー像は、用紙Pが加熱ローラ81と加圧ローラ82との間を通過することで、用紙P上に熱定着される。その後、画像が熱定着された用紙Pは、排紙部90により搬送され、排紙トレイ13上に排紙される。
【0038】
続いて、本実施形態に係るレーザプリンタ1における制御系の構成について、図2を参照しつつ詳細に説明する。図2に示すように、レーザプリンタ1は、制御部15を有している。当該制御部15は、CPU、ROM、RAMを有しており、レーザプリンタ1の各種制御を行う。尚、当該ROMは、レーザプリンタ1の制御に必要な種々のデータや制御プログラムを格納している。尚、ROMに格納されている制御プログラムは、後述する搬送速度調整処理プログラム(図3参照)を含む。
【0039】
図2に示すように、制御部15は、給紙部20と、画像形成部30と、ベルトユニット70と、定着ユニット80と接続されている。従って、制御部15は、公知の画像形成処理プログラムに従って、給紙部20、画像形成部30、ベルトユニット70、定着ユニット80を制御することによって、用紙Pに対する画像形成を行い得る。又、当該制御部15は、画像形成部30を制御することにより、搬送ベルト73の外表面に、検出パターンを形成し得る。更に、当該制御部15は、後述する搬送速度制御プログラム(図3参照)に従って、画像形成部30を制御することで、搬送ベルト73外表面等の所定範囲に、第1検出用パターンMa、第2検出用パターンMbを形成し得る(図8参照)。
【0040】
又、制御部15は、第1用紙検出センサ26、第2用紙検出センサ83と接続されている。従って、当該制御部15は、第1用紙検出センサ26からの検出信号に基づいて、給紙部20によって搬送される用紙Pの上流端Eaの検出時期、及び当該用紙Pの下流端Ebの検出時期を特定し得る。同様に、当該制御部15は、第2用紙検出センサ83からの検出信号に基づいて、定着ユニット80によって搬送される用紙Pの上流端Eaの検出時期、及び当該用紙Pの下流端Ebの検出時期を特定し得る。
【0041】
更に、当該制御部15は、ベルトユニット70の下方に位置するレジセンサ75と接続されている。従って、当該制御部15は、レジセンサ75からの検出パターンの検出信号に基づいて、画像形成時における位置ずれや濃度の補正に関する制御を行い得る。又、当該制御部15は、レジセンサ75から検出信号に基づいて、第1検出用パターンMaの検出時期、及び第2検出用パターンMbの検出時期を特定し得る。
【0042】
続いて、本実施形態に係るレーザプリンタ1の搬送速度調整処理プログラムについて、図3を参照しつつ詳細に説明する。又、当該搬送速度調整処理プログラムは、当該レーザプリンタ1の出荷調整時やユーザによるメンテナンス作業時において、所定の操作が行われた場合に、制御部15により実行される。尚、以下の説明において、レーザプリンタ1は、給紙トレイ21内に用紙Pが積層状態で収容されているものとする。
【0043】
図3に示すように、搬送速度調整処理プログラムの実行を開始すると、制御部15は、先ず、搬送所要時間検出処理を実行する(S1)。搬送所要時間検出処理においては、制御部15は、給紙トレイ21から排紙トレイ13まで、一枚の用紙Pを搬送経路Rに沿って搬送することで、給紙部搬送所要時間Ta、ベルト搬送所要時間Tb、定着部搬送所要時間Tcを測定する。制御部15は、給紙部搬送所要時間Ta、ベルト搬送所要時間Tb、定着部搬送所要時間Tcを、制御部15のRAMに格納した後、S2に処理を移行する。
【0044】
ここで、搬送所要時間検出処理(S1)の具体的内容について、図4〜図9を参照しつつ詳細に説明する。尚、搬送方向Dとは、搬送経路Rに沿って、給紙トレイ21から、画像形成部30とベルトユニット70の間、定着ユニット80を経由して、排紙トレイ13へ向かう方向を意味する。又、搬送所要時間検出処理(S1)で搬送される用紙Pにおいて、搬送方向D上流側(即ち、給紙トレイ21側)の端部を「上流端Ea」といい、搬送方向D下流側(即ち、排紙トレイ13側)の端部を「下流端Eb」という。更に、当該用紙Pは、搬送方向Dに沿う方向の寸法として、用紙長Lを有している。
【0045】
搬送所要時間検出処理(S1)においては、先ず、制御部15は、給紙部20を制御することで、一枚の用紙Pを、給紙トレイ21から搬送経路Rに沿って搬送方向Dへ搬送する。給紙部20による搬送に伴い、当該用紙Pは、下流端Ebを先頭に搬送方向Dへ移動していく。
【0046】
図4に示すように、給紙トレイ21から用紙Pを搬送経路Rに沿って所定量搬送すると、当該用紙Pの下流端Ebは、第1用紙検出センサ26と接触する。そして、当該用紙Pが搬送方向D下流側へ継続的に搬送されるため、第1用紙検出センサ26は、当該用紙Pとの接触により所定方向に回動し、検出信号を制御部15へ出力する。従って、当該制御部15は、第1用紙検出センサ26の検出信号に基づいて、用紙Pの下流端Ebが第1用紙検出センサ26を通過した時点を特定し得る。
【0047】
そして、当該用紙Pの下流端Ebが第1用紙検出センサ26と接触した時点から、用紙Pを搬送経路Rに沿って用紙長Lに相当する搬送量搬送すると、用紙Pの上流端Eaが、第1用紙検出センサ26を通過する(図5参照)。この時、第1用紙検出センサ26は、搬送経路Rに沿って搬送された用紙Pとの接触から解放され、所定方向に回動した状態から、搬送経路R上に突出した状態に戻る。従って、当該制御部15は、第1用紙検出センサ26の検出信号に基づいて、用紙Pの上流端Eaが第1用紙検出センサ26を通過した時点を特定し得る。
【0048】
つまり、当該制御部15は、第1用紙検出センサ26からの検出信号に基づいて、当該用紙Pの下流端Eb及び上流端Eaが第1用紙検出センサ26を通過した時期を特定し得る。即ち、当該制御部15は、「用紙長Lを有する用紙Pが、給紙部20による搬送によって、第1用紙検出センサ26を通過する為に要する時間」を特定し、給紙部搬送所要時間TaとしてRAMに格納し得る。
【0049】
又、搬送所要時間検出処理(S1)では、制御部15は、用紙Pの下流端Ebが所定のプロセスカートリッジ50(例えば、ブラックのプロセスカートリッジ50)の感光ドラム53近傍の上流側における所定位置を通過した時点で、第2検出用パターンMbの形成を開始する。具体的には、制御部15は、当該用紙Pの下流端Ebが当該感光ドラム53下流側の所定位置を通過するまで、ベルトユニット70により用紙Pを搬送しつつ、搬送ベルト73外表面と当該用紙Pの一部を含む第2範囲Abに、ブラックのトナー像を転写する。これにより、第2検出用パターンMbが、第2範囲Abに含まれる用紙P及び搬送ベルト73外表面に形成される(図8参照)。
【0050】
更に、当該用紙Pの上流端Eaが所定のプロセスカートリッジ50(例えば、ブラックのプロセスカートリッジ50)の感光ドラム53近傍の上流側における所定位置を通過した時点で、制御部15は、第1検出用パターンMaの形成を開始する。具体的には、制御部15は、当該用紙Pの上流端Eaが当該感光ドラム53下流側の所定位置を通過するまで、ベルトユニット70により用紙Pを搬送しつつ、搬送ベルト73外表面と当該用紙Pの一部を含む第1範囲Aaに、ブラックのトナー像を転写する。これにより、第1検出用パターンMaが、第1範囲Aaに含まれる用紙P表面及び搬送ベルト73外表面に形成される(図8参照)。
【0051】
ここで、ベルトユニット70は、無端状の搬送ベルト73を、駆動ローラ71、従動ローラ72の間に張設しており、搬送ベルト73は、駆動ローラ71の回転駆動に伴い、所定方向(図1中、反時計回り)へ循環移動する。そして、当該ベルトユニット70は、搬送ベルト73の循環移動に伴って、用紙Pを、画像形成部30とベルトユニット70の間を搬送方向Dへ搬送し得る。そして、ベルトユニット70の後部では、用紙Pが第2用紙検出センサ83、定着ユニット80へ向かって搬送される一方で、搬送ベルト73は、駆動ローラ71周面に沿って移動する。即ち、第1検出用パターンMa及び第2検出用パターンMbが形成された用紙Pは、搬送ベルト73外表面から取り除かれる。
【0052】
図9に示すように、当該用紙Pが搬送ベルト73外表面から取り除かれると、第1検出用パターンMa及び第2検出用パターンMbは、搬送ベルト73外表面に形成された部分のみとなる。即ち、ベルトユニット70から定着ユニット80へ用紙Pを搬送した後、第1検出用パターンMaは、第1範囲Aaの内、用紙Pの上流端Eaを境界として搬送方向D上流側の部分(即ち、搬送ベルト73外表面に形成された部分)となる。同様に、第2検出用パターンMbは、第2範囲Abの内、用紙Pの下流端Ebを境界として搬送方向D下流側の部分(即ち、搬送ベルト73外表面に形成された部分)となる。
【0053】
上述したように、用紙Pを搬送方向Dへ向かって搬送することで、搬送ベルト73は、駆動ローラ71、従動ローラ72の間を循環移動する。従って、用紙Pの搬送に伴って、先ず、搬送ベルト73上の第2検出用パターンMbは、駆動ローラ71周面に沿って移動し、レジセンサ75の検出範囲を通過する。このとき、レジセンサ75は、搬送ベルト73外表面における第2検出用パターンMbの有無に基づいて、検出信号を制御部15に出力する。この結果、制御部15は、レジセンサ75の検出信号に基づいて、第2検出用パターンMbの上流側境界(即ち、用紙Pの下流端Ebに相当する位置)を検出し、もって、前記第2検出用パターンMbの上流側境界がレジセンサ75の検出範囲を通過する時期を特定し得る。
【0054】
搬送ベルト73上の第2検出用パターンMbがレジセンサ75の検出範囲を通過すると、搬送ベルト73上の第1検出用パターンMaは、用紙Pを更に搬送方向Dへ向かって搬送することに伴って、レジセンサ75の検出範囲を通過する。このとき、レジセンサ75は、搬送ベルト73外表面における第1検出用パターンMaの有無に基づいて、検出信号を制御部15に出力する。この結果、制御部15は、レジセンサ75の検出信号に基づいて、第1検出用パターンMaの下流側境界(即ち、用紙Pの上流端Eaに相当する位置)を検出し、もって、前記第1検出用パターンMaの下流側境界がレジセンサ75の検出範囲を通過する時期を特定し得る。
【0055】
従って、当該制御部15は、レジセンサ75からの検出信号に基づいて、第1検出用パターンMaの下流側境界及び第2検出用パターンMbの上流側境界がレジセンサ75を通過した時期を特定し得る。ここで、図8、図9に示すように、第1検出用パターンMaの下流側境界は、用紙Pの上流端Eaの位置に対応し、第2検出用パターンMbの上流側境界は、用紙Pの下流端Ebの位置に対応する。そして、第1検出用パターンMaの下流側境界と第2検出用パターンMbの上流側境界の間の距離は、第1検出用パターンMa、第2検出用パターンMb形成時における用紙Pの用紙長Lに対応する。即ち、当該制御部15は、「ベルトユニット70の駆動によって、搬送ベルト73が用紙Pに係る用紙長Lに相当する距離を循環移動する為に要する時間」を特定し得る。換言すれば、制御部15は、「用紙長Lを有する用紙Pが、ベルトユニット70による搬送によって、ベルトユニット70における所定位置を通過する為に要した時間」を特定し、ベルト搬送所要時間TbとしてRAMに格納し得る。
【0056】
そして、第1検出用パターンMa及び第2検出用パターンMbが形成された用紙Pがベルトユニット70から、更に搬送方向D下流側へ向かって搬送されると、当該用紙Pの下流端Ebが、第2用紙検出センサ83に接触する(図6参照)。そして、当該用紙Pが定着ユニット80等によって搬送方向Dへ継続的に搬送されるため、第2用紙検出センサ83は、当該用紙Pとの接触により所定方向に回動し、検出信号を制御部15へ出力する。これにより、当該制御部15は、第2用紙検出センサ83の検出信号に基づいて、用紙Pの下流端Ebが第2用紙検出センサ83を通過した時点を特定し得る。
【0057】
そして、当該用紙Pの下流端Ebが第2用紙検出センサ83と接触した時点から、用紙Pを用紙長Lに相当する搬送量搬送すると、用紙Pの上流端Eaが、第2用紙検出センサ83を通過する(図7参照)。この時、第2用紙検出センサ83は、用紙Pとの接触から解放され、所定方向に回動した状態から、搬送経路R上に突出した状態に戻る。従って、当該制御部15は、第2用紙検出センサ83の検出信号に基づいて、用紙Pの上流端Eaが第2用紙検出センサ83を通過する時期を特定し得る。
【0058】
従って、当該制御部15は、第2用紙検出センサ83からの検出信号に基づいて、当該用紙Pの下流端Eb及び上流端Eaが第2用紙検出センサ83を通過する時期を特定し得る。即ち、当該制御部15は、「用紙長Lを有する用紙Pが、定着ユニット80による搬送によって、第2用紙検出センサ83を通過する為に要した時間」を特定し、定着部搬送所要時間TcとしてRAMに格納し得る。その後、当該用紙Pは、定着ユニット80により、搬送経路R上を搬送方向Dへ搬送され、排紙トレイ13へ排出される。
【0059】
上述したように、給紙部搬送所要時間Ta、ベルト搬送所要時間Tb、定着部搬送所要時間Tcは、何れも「用紙長L分の距離を移動する為に要した時間」を示す。従って、給紙部搬送所要時間Taは、給紙部20による用紙Pの搬送速度に対応し、ベルト搬送所要時間Tb、定着部搬送所要時間Tcは、夫々、ベルトユニット70による用紙Pの搬送速度、定着部搬送所要時間Tcによる用紙Pの搬送速度に対応する。又、給紙部搬送所要時間Ta、ベルト搬送所要時間Tb、定着部搬送所要時間Tcは、同一の距離(用紙長L)の移動に要した時間を示すため、各ユニットにおける搬送速度の大小を比較し得る。
【0060】
尚、当該制御部15は、給紙部搬送所要時間Ta、ベルト搬送所要時間Tb、定着部搬送所要時間Tcにより「時間」を特定することができ、用紙長Lという「距離」も特定することができるので、給紙部20による用紙Pの搬送速度、ベルトユニット70による用紙Pの搬送速度、定着ユニット80による用紙Pの搬送速度を算出可能である。
【0061】
再び図3に戻り、搬送速度調整処理プログラムについて説明する。S2においては、制御部15は、差分値算出処理を実行する。差分値算出処理(S2)では、制御部15は、搬送所要時間検出処理(S1)で検出・測定された給紙部搬送所要時間Ta、ベルト搬送所要時間Tb、定着部搬送所要時間Tcに基づいて、第1差分値Da、第2差分値Dbを算出する。
【0062】
具体的には、制御部15は、給紙部搬送所要時間Taからベルト搬送所要時間Tbを減算し、第1差分値Daを算出する。当該第1差分値Daは、給紙部20による用紙Pの搬送速度と、ベルトユニット70による用紙Pの搬送速度の差に対応する。又、制御部15は、ベルト搬送所要時間Tbから定着部搬送所要時間Tcを減算し、第2差分値Dbを算出する。当該第2差分値Dbは、ベルトユニット70による用紙Pの搬送速度と、定着ユニット80による用紙Pの搬送速度の差に対応する。その後、制御部15は、第1差分値Da、第2差分値DbをRAMに格納し、S3に処理を移行する。
【0063】
S3では、制御部15は、差分値算出処理(S2)で算出した差分値(第1差分値Da、第2差分値Db)と、ROMに格納されている基準値を比較する。当該基準値は、各ユニット(給紙部20、ベルトユニット70、定着ユニット80)間を搬送される用紙Pに所定量の撓みが生じる為に必要な各ユニット間の搬送速度差と、各ユニット間の搬送経路Rに沿った距離に基づいて規定される。
【0064】
つまり、S3においては、制御部15は、第1差分値Daと基準値の大小比較を行い、「給紙部20における用紙の搬送速度が、ベルトユニット70における搬送速度よりも大きく、両者の搬送速度の差が所定の基準範囲内であるか否か」を判断する。又、制御部15は、第2差分値Dbと基準値の大小比較を行い、「ベルトユニット70における用紙の搬送速度が、定着ユニット80における搬送速度よりも大きく、両者の搬送速度の差が所定の基準範囲内であるか否か」を判断する。換言すると、制御部15は、「給紙部20とベルトユニット70の間を搬送される用紙Pに適正量の撓みが生じるか否か」及び「ベルトユニット70と定着ユニット80の間を搬送される用紙Pに適正量の撓みが生じるか否か」を判断する。差分値が基準値以上である場合(S3:YES)、制御部15は、S4に処理を移行する。差分値が基準値未満である場合(S3:NO)、制御部15は、搬送速度調整処理プログラムを終了する。
【0065】
S4に移行すると、制御部15は、搬送速度調整処理を実行する。搬送速度調整処理(S4)では、制御部15は、給紙部搬送所要時間Ta、ベルト搬送所要時間Tb、定着部搬送所要時間Tcに基づいて、給紙部20における用紙Pの搬送速度、定着ユニット80における用紙Pの搬送速度を調整する。その後、制御部15は、搬送速度調整処理プログラムを終了する。
【0066】
具体的に、搬送速度調整処理(S4)では、制御部15は、給紙部20における用紙Pの搬送速度を、ベルトユニット70における用紙Pの搬送速度よりも所定値分速くなるように調整する。このように調整することで、用紙Pが給紙部20とベルトユニット70の間を搬送される際に、当該用紙Pには、給紙部20とベルトユニット70における搬送速度の差に起因して、適正量の撓みが生じることとなる。この結果、当該レーザプリンタ1は、給紙部20とベルトユニット70の間を搬送される用紙Pに適正量の撓みを生じさせ得るため、当該用紙Pに各色の画像を重畳してカラー画像を形成する際に、各色の画像にズレが生じることを防止し得る。又、当該レーザプリンタ1は、用紙Pに適正量の撓みを生じさせるため、大きな撓みを用紙Pに付与した場合とは異なり、当該用紙Pがベルトユニット70よりも上流側の搬送経路Rに詰まることを防止し得る。
【0067】
又、搬送速度調整処理(S4)において、制御部15は、定着ユニット80における用紙Pの搬送速度を、ベルトユニット70における用紙Pの搬送速度よりも所定値分遅くなるように調整する。このように調整することで、用紙Pがベルトユニット70と定着ユニット80の間を搬送される際に、当該用紙Pには、ベルトユニット70と定着ユニット80における搬送速度の差に起因して、適正量の撓みが生じることとなる。この結果、当該レーザプリンタ1は、ベルトユニット70と定着ユニット80の間を搬送される用紙Pに適正量の撓みを生じさせ得るため、当該用紙Pに各色の画像を重畳してカラー画像を形成する際に、各色の画像にズレが生じることを防止し得る。又、当該レーザプリンタ1は、用紙Pに適正量の撓みを生じさせるため、大きな撓みを用紙Pに付与した場合とは異なって、用紙Pが定着ユニット80よりも上流側の搬送経路Rに詰まることを防止し得る。
【0068】
以上、説明したように、本実施形態に係るレーザプリンタ1は、給紙部20、画像形成部30、ベルトユニット70、定着ユニット80を有し、用紙Pを搬送経路Rに沿って搬送方向Dへ搬送しつつ、用紙P上に各色の画像を重畳的に形成することで、カラー画像を形成し得る。
【0069】
又、当該レーザプリンタ1は、給紙部20からベルトユニット70へ向かう搬送経路R上に、用紙Pの上流端Ea及び下流端Ebを検出する第1用紙検出センサ26を有している。当該レーザプリンタ1は、制御部15により搬送速度調整処理プログラムを実行することで、第1用紙検出センサ26からの検出信号に基づいて、「用紙長Lを有する用紙Pが、給紙部20による搬送によって、第1用紙検出センサ26を通過する為に要する時間(給紙部搬送所要時間Ta)」を特定し得る。
【0070】
そして、当該レーザプリンタ1は、制御部15により搬送速度調整処理プログラムを実行することで、搬送ベルト73上を搬送されている用紙Pの上流端Eaを含む第1範囲Aa、当該用紙Pの下流端Ebを含む第2範囲Abに、夫々、第1検出用パターンMa、第2検出用パターンMbを形成する。そして、当該レーザプリンタ1は、用紙Pが搬送ベルト73上から取り除かれた状態で、レジセンサ75により、第1検出用パターンMa、第2検出用パターンMbを検出する。従って、当該レーザプリンタ1は、レジセンサ75による第1検出用パターンMa、第2検出用パターンMbの検出信号に基づいて、「用紙長Lを有する用紙Pが、ベルトユニット70による搬送によって、ベルトユニット70における所定位置を通過する為に要した時間(ベルト搬送所要時間Tb)」を特定し得る。
【0071】
更に、当該レーザプリンタ1は、ベルトユニット70から定着ユニット80へ向かう搬送経路R上に、用紙Pの上流端Ea及び下流端Ebを検出する第2用紙検出センサ83を有している。当該レーザプリンタ1は、制御部15により搬送速度調整処理プログラムを実行することで、第2用紙検出センサ83からの検出信号に基づいて、「用紙長Lを有する用紙Pが、定着ユニット80による搬送によって、第2用紙検出センサ83を通過する為に要する時間(定着部搬送所要時間Tc)」を特定し得る。
【0072】
そして、当該レーザプリンタ1は、給紙部搬送所要時間Taと、ベルト搬送所要時間Tbに基づいて、第1差分値Daを算出し(S2)、第1差分値Daと基準値を比較することで、「給紙部20とベルトユニット70の間を搬送される用紙Pに適正量の撓みが生じるか否か」を判断する(S3)。用紙Pにおける適正範囲外である場合、当該レーザプリンタ1は、給紙部20における用紙供給機構22を駆動制御することにより、給紙部20における用紙Pの搬送速度を、ベルトユニット70における用紙Pの搬送速度よりも所定値分速くなるように調整する。これにより、用紙Pが給紙部20とベルトユニット70の間を搬送される際に、当該用紙Pには、給紙部20とベルトユニット70における搬送速度の差に起因して、適正量の撓みが生じる。この結果、当該レーザプリンタ1は、当該用紙Pに各色の画像を重畳してカラー画像を形成する際に、各色の画像にズレが生じることを防止し得る。又、当該レーザプリンタ1は、用紙Pに適正量の撓みを生じさせるため、大きな撓みを用紙Pに付与した場合のように、当該用紙Pがベルトユニット70よりも上流側の搬送経路Rに詰まることを防止し得る。
【0073】
そして、当該レーザプリンタ1は、ベルト搬送所要時間Tbと、定着部搬送所要時間Tcに基づいて、第2差分値Dbを算出し(S2)、第2差分値Dbと基準値を比較することで、「ベルトユニット70と定着ユニット80の間を搬送される用紙Pに適正量の撓みが生じるか否か」を判断する(S3)。用紙Pにおける適正範囲外である場合、当該レーザプリンタ1は、定着ユニット80における加熱ローラ81等を駆動制御することにより、定着ユニット80における用紙Pの搬送速度を、ベルトユニット70における用紙Pの搬送速度よりも所定値分遅くなるように調整する。これにより、用紙Pがベルトユニット70と定着ユニット80の間を搬送される際に、当該用紙Pには、ベルトユニット70と定着ユニット80における搬送速度の差に起因して、適正量の撓みが生じる。この結果、当該レーザプリンタ1は、当該用紙Pに各色の画像を重畳してカラー画像を形成する際に、各色の画像にズレが生じることを防止し得る。又、当該レーザプリンタ1は、用紙Pに適正量の撓みを生じさせるため、大きな撓みを用紙Pに付与した場合のように、当該用紙Pが定着ユニット80よりも上流側の搬送経路Rに詰まることを防止し得る。
【0074】
又、当該レーザプリンタ1においては、用紙Pに対する画像形成に関する濃度調整や重畳させる画像のズレを補正する為に用いられるレジセンサ75を用いて、搬送ベルト73上の第1検出用パターンMa、第2検出用パターンMbを検出し、ベルト搬送所要時間Tbを測定する。従って、当該レーザプリンタ1によれば、ベルト搬送所要時間Tbの測定に専用のセンサ等を配設する必要はなく、少ない構成部品により、当該用紙Pに各色の画像を重畳してカラー画像を形成する際に、各色の画像にズレが生じることを防止し得る。
【0075】
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変更が可能である。例えば、本実施形態においては、レーザプリンタ1は、搬送ベルト73上を搬送される用紙Pに、感光ドラム53表面のトナー像を直接的に転写する構成であったが、この態様に限定されるものではない。例えば、感光ドラム53表面のトナー像を、搬送ベルト73表面に転写した後、搬送ベルト73表面から用紙Pに再び転写する中間転写方式を、採用することも可能である。
【0076】
又、本実施形態においては、第1用紙検出センサ26、第2用紙検出センサ83は、搬送経路R上に突出するアクチュエータを備える機械式のセンサであったが、この態様に限定するものではない。即ち、第1用紙検出センサ26、第2用紙検出センサ83は、搬送経路R上を搬送される用紙Pの上流端Ea及び下流端Ebを検出し得るセンサであれば、種々のセンサを採用し得る。光学式センサ等を採用すれば、より高い精度で用紙Pの上流端Ea及び下流端Ebを検出し得る。又、第1用紙検出センサ26、第2用紙検出センサ83の配設位置は、上記実施形態における位置に限定されるものではなく、給紙部20や定着ユニット80のできるだけ近傍に配設されることが望ましい。
【符号の説明】
【0077】
1 レーザプリンタ
10 本体筐体
20 給紙部
22 用紙供給機構
26 第1用紙検出センサ
30 画像形成部
70 ベルトユニット
75 レジセンサ
80 定着ユニット
83 第2用紙検出センサ
P 用紙
Ma 第1検出用パターン
Mb 第2検出用パターン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体筐体と、
画像形成に用いられる複数色の何れか一色に対応する静電潜像が形成される感光ドラムを、前記複数色の各色分有すると共に、当該複数の感光ドラムが前記本体筐体内で一方向に並列配置された画像形成部と、
前記画像形成部の各感光ドラムに対向する位置に配設され、各感光ドラムに対向する面を有する無端状の搬送ベルトを備え、当該搬送ベルトを駆動することによって、画像が形成される用紙を所定の搬送方向へ搬送するベルトユニットと、
前記本体筐体内で用紙が搬送される所定の搬送経路に沿って配設され、当該用紙を前記搬送経路に沿って搬送する搬送ローラと、を有する画像形成装置であって、
前記搬送ベルト上の用紙における前記搬送方向上流側に位置する上流端、及び、当該上流端に隣接する搬送ベルト表面を含む所定の第1範囲と、当該用紙における搬送方向下流側に位置する下流端、及び、当該下流端に隣接する搬送ベルト表面を含む第2範囲に対して、検出用パターンを形成するパターン形成手段と、
前記パターン形成手段により検出用パターンが形成された用紙が、前記ベルトユニットから所定の搬送方向へ搬送された後に、前記搬送ベルト表面の第1範囲及び第2範囲に残存する検出用パターンの間隔を検出することによって、前記ベルトユニットを当該用紙が通過する為に要する第1通過時間を測定する第1検出手段と、
前記搬送ローラにより搬送される用紙の上流端及び下流端を検出することにより、前記搬送ローラを当該用紙が通過する為に要する第2通過時間を測定する第2検出手段と、
前記第1検出手段により検出された第1通過時間と、前記第2検出手段により検出された第2通過時間に基づいて、前記ベルトユニットによる用紙の搬送速度と、前記搬送ローラによる用紙の搬送速度の間に、所定の速度差が生じるように、前記搬送ローラによる前記用紙の搬送速度を調整する搬送速度調整手段と、を有する
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1記載の画像形成装置であって、
前記搬送速度調整手段は、
前記第1検出手段により検出された第1通過時間と、前記第2検出手段により検出された第2通過時間に基づいて、
前記搬送方向上流側ほど用紙の搬送速度が大きく、且つ、前記ベルトユニットによる用紙の搬送速度と、前記搬送ローラによる用紙の搬送速度の間に、所定の速度差が生じるように、前記搬送ローラによる前記用紙の搬送速度を自動的に調整する
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置であって、
前記搬送速度調整手段は、
前記第1通過時間と前記第2通過時間の差分値と、前記速度差に基づく基準値とを、大小比較することにより、前記搬送ローラによる前記用紙の搬送速度の調整の要否を判断する
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3の何れかに記載の画像形成装置であって、
前記搬送ローラは、
前記ベルトユニットよりも前記用紙の搬送方向上流側に配設されており、回転駆動することによって、前記ベルトユニットに対して、前記用紙を給紙する
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項3の何れかに記載の画像形成装置であって、
前記搬送ローラは、
前記ベルトユニットよりも前記用紙の搬送方向下流側に配設されており、回転駆動することによって、前記ベルトユニットを搬送された用紙を、前記搬送方向下流側に搬送する
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項1乃至請求項3の何れかに記載の画像形成装置であって、
前記搬送ローラは、
前記ベルトユニットよりも前記用紙の搬送方向上流側に配設され、回転駆動することによって、前記ベルトユニットに対して、前記用紙を供給する第1搬送ローラと、
前記ベルトユニットよりも前記用紙の搬送方向下流側に配設され、回転駆動することによって、前記ベルトユニットを搬送された用紙を、前記搬送方向下流側に搬送する第2搬送ローラと、を含み、
前記搬送速度調整手段は、
前記ベルトユニットによる用紙の搬送速度と、前記第1搬送ローラによる用紙の搬送速度の間に、所定の速度差が生じるように、前記第1搬送ローラによる前記用紙の搬送速度を調整すると共に、
前記ベルトユニットによる用紙の搬送速度と、前記第2搬送ローラによる用紙の搬送速度の間に、所定の速度差が生じるように、前記第2搬送ローラによる前記用紙の搬送速度を調整する
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6の何れかに記載の画像形成装置であって、
前記第1検出手段は、
前記画像形成部により形成される画像の濃度や、前記複数色の画像を重畳する際における各画像のズレを検出する検出センサにより構成されている
ことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2012−137533(P2012−137533A)
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−288140(P2010−288140)
【出願日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】