説明

画像形成装置

【課題】 PDLの種類によらず適切に従来より効率良く認証を実行することができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】 認証データと、認証データより後に配置された複数のページのデータとを含んでいるPDLデータを受信するMFPは、PDLデータから認証データを取得する認証データ取得手段と、PDLデータからページのデータを取得するページデータ取得手段と、認証データ取得手段によって取得された認証データに基づいて認証を実行する認証実行手段と、認証実行手段による認証が成功しているときにページのデータに基づいて印刷を実行する印刷実行手段とを備えており、印刷実行手段は、ページデータ取得手段によって複数のページのデータのうち最初のページのデータが取得された時点で認証実行手段による認証が成功しているとき(S111でYES)に、ページのデータに基づいて印刷を実行する(S114)ことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ページ記述言語、すなわち、PDL(Page Description Language)によって記述されている印刷データであるPDLデータに付加されている認証データに基づいた認証を実行する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
PDLデータに付加されている認証データに基づいた認証を実行する画像形成装置として、PDLデータに付加されている認証データとしてのIDおよびパスワードと、操作パネルなどから入力されたIDおよびパスワードとが一致した場合に、PDLデータの秘匿情報部分を読み取り可能な状態で印刷出力し、PDLデータに付加されている認証データとしてのIDおよびパスワードと、操作パネルなどから入力されたIDおよびパスワードとが一致しなかった場合に、PDLデータの秘匿情報部分を伏せ字状態で印刷出力するプリンターが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
ここで、認証データは、PDLデータにおいて、ID用のコマンドであるIDコマンド、および、パスワード用のコマンドであるパスワードコマンドとして、最初のページのデータより前に付加される。つまり、認証データは、最初のページのデータより前に画像形成装置に受信される。
【0004】
従来、PDLデータに付加されている認証データに基づいた認証の方法としては、PDLデータのうち認証データを受信した時点で認証が実行される方法と、PDLデータを全て受信した時点で認証が実行される方法とが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−173720号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、PDLデータのうち認証データを受信した時点で認証が実行される方法においては、PDLデータにおいてIDコマンドおよびパスワードコマンドが配置されている順序など、PDLの種類に応じてPDLデータの構造が異なるので、PDLの種類に応じた処理を画像形成装置が実行することができなければならないという問題がある。また、PDLデータのうち認証データを受信した時点で認証が実行される方法においては、PDLデータにおいて複数の認証データが含まれている場合、その複数の認証データのうち最初の認証データによる認証が失敗するときには、その複数の認証データのうち最初の認証データ以外の認証データによる認証が成功する可能性があったとしても、最初の認証データが画像形成装置によって受信されて解釈された時点で認証が失敗となってしまうので、適切ではないという問題がある。
【0007】
また、PDLデータを全て受信した時点で認証が実行される方法においては、PDLデータにおいて複数のページのデータが含まれている場合、全てのページのデータが画像形成装置によって受信されて解釈された後に認証が実行されるので、認証が失敗するときに画像形成装置によるページのデータの解釈が無駄になって効率が悪いという問題がある。
【0008】
そこで、本発明は、PDLの種類によらず適切に従来より効率良く認証を実行することができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の画像形成装置は、認証データと、前記認証データより後に配置された複数のページのデータとを含んでいるPDLデータを受信して前記認証データに基づいた認証を実行する画像形成装置であって、前記PDLデータから前記認証データを取得する認証データ取得手段と、前記PDLデータから前記ページのデータを取得するページデータ取得手段と、前記認証データ取得手段によって取得された前記認証データに基づいて前記認証を実行する認証実行手段と、前記認証実行手段による前記認証が成功しているときに前記ページのデータに基づいて印刷を実行する印刷実行手段とを備えており、前記印刷実行手段は、前記ページデータ取得手段によって前記複数のページのデータのうち最初のページのデータが取得された時点で前記認証実行手段による前記認証が成功しているときに、前記ページのデータに基づいて印刷を実行することを特徴とする。
【0010】
この構成により、本発明の画像形成装置は、PDLデータに含まれている複数のページのデータのうち最初のページのデータが取得された時点で認証が成功しているときに印刷を実行するが、PDLデータの構造上、最初のページのデータが取得された時点で認証データの取得が完了しているので、PDLの種類によらず認証を実行することができる。また、本発明の画像形成装置は、PDLデータに複数の認証データが含まれている場合であっても、最初のページのデータが取得された時点で全ての認証データの取得が完了しているので、取得が完了した全ての認証データのうち適切な認証データに基づいて適切に認証を実行することができる。また、本発明の画像形成装置は、PDLデータに含まれている複数のページのデータのうち最初のページのデータが取得された時点で認証が成功しているときに印刷を実行するので、PDLデータを全て受信した時点で認証を実行する従来の構成と比較して、認証の成否を早期に確定することができ、効率良く認証を実行することができる。
【0011】
また、本発明の画像形成装置の前記認証実行手段は、前記ページデータ取得手段によって前記最初のページのデータが取得されたときに前記認証に使用した前記認証データに基づいて、前記最初のページ以外の各ページに対して前記認証を実行し、前記印刷実行手段は、前記ページデータ取得手段によって前記各ページのデータが取得された時点で前記認証実行手段による前記認証が成功しているときに、前記各ページのデータに基づいて印刷を実行しても良い。
【0012】
この構成により、本発明の画像形成装置は、最初のページにおける認証に使用した認証データを、他のページにおける認証にも使用することができる。
【0013】
本発明の画像形成プログラムは、認証データと、前記認証データより後に配置された複数のページのデータとを含んでいるPDLデータを受信して前記認証データに基づいた認証を実行する画像形成装置を、前記PDLデータから前記認証データを取得する認証データ取得手段、前記PDLデータから前記ページのデータを取得するページデータ取得手段、前記認証データ取得手段によって取得された前記認証データに基づいて前記認証を実行する認証実行手段、および、前記認証実行手段による前記認証が成功しているときに前記ページのデータに基づいて印刷を実行する印刷実行手段として機能させ、前記印刷実行手段は、前記ページデータ取得手段によって前記複数のページのデータのうち最初のページのデータが取得された時点で前記認証実行手段による前記認証が成功しているときに、前記ページのデータに基づいて印刷を実行することを特徴とする。
【0014】
この構成により、本発明の画像形成プログラムを実行する画像形成装置は、PDLデータに含まれている複数のページのデータのうち最初のページのデータが取得された時点で認証が成功しているときに印刷を実行するが、PDLデータの構造上、最初のページのデータが取得された時点で認証データの取得が完了しているので、PDLの種類によらず認証を実行することができる。また、本発明の画像形成プログラムを実行する画像形成装置は、PDLデータに複数の認証データが含まれている場合であっても、最初のページのデータが取得された時点で全ての認証データの取得が完了しているので、取得が完了した全ての認証データのうち適切な認証データに基づいて適切に認証を実行することができる。また、本発明の画像形成プログラムを実行する画像形成装置は、PDLデータに含まれている複数のページのデータのうち最初のページのデータが取得された時点で認証が成功しているときに印刷を実行するので、PDLデータを全て受信した時点で認証を実行する従来の構成と比較して、認証の成否を早期に確定することができ、効率良く認証を実行することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の画像形成装置は、PDLの種類によらず適切に従来より効率良く認証を実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る画像形成システムのブロック図である。
【図2】図1に示すPCによって生成されるPDLデータを示す図である。
【図3】図1に示すMFPの動作のフローチャートである。
【図4】図3に示す動作の続きのフローチャートである。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係る画像形成システムのMFPの一部の動作のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0018】
(第1の実施の形態)
まず、本実施の形態に係る画像形成システムの構成について説明する。
【0019】
図1は、本実施の形態に係る画像形成システム10のブロック図である。
【0020】
図1に示すように、画像形成システム10は、本発明の画像形成装置としてのMFP(Multifunction Peripheral)20と、PDLデータ80(図2参照。)を生成するPC(Personal Computer)90とを備えている。MFP20と、PC90とは、USB(Universal Serial Bus)ケーブルなどのケーブルを介して互いに通信可能に直接接続されているか、LAN(Local Area Network)などのネットワーク経由で互いに通信可能に接続されている。
【0021】
図2は、PC90によって生成されるPDLデータ80を示す図である。
【0022】
図2に示すように、PDLデータ80は、認証データ81と、複数のページのデータであるページデータ群82とを含んでいる。
【0023】
認証データ81は、ID用のコマンドであるIDコマンド81aと、パスワード用のコマンドであるパスワードコマンド81bとを含んでいる。
【0024】
ページデータ群82は、認証データ81より後に配置されている。ページデータ群82は、最初のページのデータ82aから最後のページのデータまで複数のページのデータが順番に配置されている。
【0025】
図1に示すように、MFP20は、MFP20を制御するコントローラー30と、コントローラー30に接続されていて種々の情報を表示するディスプレイ41と、コントローラー30に接続されていて利用者によって種々の操作が入力される操作部42と、コントローラー30に接続されていて用紙などの記録媒体に印刷を実行するプリンター43と、コントローラー30に接続されていて原稿を読み込んで画像データを生成する読込デバイスであるスキャナー44と、コントローラー30に接続されていてPC90と通信を行う通信I/F(interface)部45と、コントローラー30に接続されているEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)などの不揮発性記憶装置46とを備えている。
【0026】
コントローラー30は、CPU(Central Processing Unit)と、本発明の画像形成プログラムを含むプログラムおよび各種のデータを予め記憶しているROM(Read Only Memory)と、CPUの作業領域として用いられる書き換え可能な揮発性の記憶装置であるRAM(Random Access Memory)とを備えている。CPUは、ROMに記憶されているプログラムを実行することによってコントローラー30を動作させる演算処理装置である。RAMは、CPUによってプログラムが実行されるときにプログラムや各種のデータを一時的に記憶するようになっている。コントローラー30は、画像形成プログラムを実行することによって、PDLデータ80から認証データ81を取得する認証データ取得手段31と、PDLデータ80からページのデータを取得するページデータ取得手段32と、認証データ取得手段31によって取得された認証データ81に基づいて認証を実行する認証実行手段33と、認証実行手段33による認証が成功しているときにページのデータに基づいて印刷を実行する印刷実行手段34として機能する。
【0027】
ディスプレイ41は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)などの表示デバイスである。
【0028】
操作部42は、ディスプレイ41とともにタッチパネルを形成するボタンなどの入力デバイスである。
【0029】
プリンター43は、例えば、スキャナー44によって生成された画像データや、PC90から通信I/F部45を介して受信されたPDLデータ80などの各種のデータを印刷する印刷デバイスである。
【0030】
通信I/F部45は、例えば、スキャナー44によって生成された画像データをPC90に送信したり、プリンター43で印刷されるためのPDLデータ80をPC90から受信したりする。
【0031】
不揮発性記憶装置46は、ID46aと、そのID46aに対応したパスワード46bとの組み合わせを利用者毎に記憶している。ID46aおよびパスワード46bは、利用者によって操作部42を介して入力されるか、利用者によってPC90から通信I/F部45を介して入力されたものである。
【0032】
次に、画像形成システム10の動作について説明する。
【0033】
PC90は、利用者からMFP20での印刷が指示されると、利用者からの指示に応じたPDLデータ80を生成し、生成したPDLデータ80をMFP20に送信する。ここで、PC90は、PDLデータ80を生成するとき、プリンタードライバに予め入れられていた利用者のID、パスワードをそれぞれIDコマンド81a、パスワードコマンド81bとしてPDLデータ80に含める。
【0034】
図3は、MFP20の動作のフローチャートである。図4は、図3に示す動作の続きのフローチャートである。
【0035】
MFP20は、通信I/F部45によってPC90からPDLデータ80を受信すると、図3および図4に示す処理を実行する。
【0036】
図3および図4に示すように、MFP20のコントローラー30は、通信I/F部45によって受信されたPDLデータ80を通信I/F部45から読み込むことを開始する(S101)。つまり、コントローラー30は、PDLデータ80をインタプリタによって先頭から解析することを開始する。なお、コントローラー30は、PDLデータ80の解析によってIDコマンド81aを認識すると、認識したIDコマンド81aを認証データ取得手段31によって取得する。また、コントローラー30は、PDLデータ80の解析によってパスワードコマンド81bを認識すると、認識したパスワードコマンド81bを認証データ取得手段31によって取得する。また、コントローラー30は、PDLデータ80の解析によってページのデータを認識すると、認識したページのデータをページデータ取得手段32によって取得する。
【0037】
次いで、コントローラー30の認証データ取得手段31は、PDLデータ80からIDコマンド81aを取得したか否かを判断する(S102)。
【0038】
S102においてIDコマンド81aを取得したと判断されると、認証データ取得手段31は、取得したIDコマンド81aに応じたIDを一時的にRAMに保存する(S103)。なお、認証データ取得手段31は、既にRAMにIDが保存されている場合、S103の処理においてRAM上のIDを上書きする。
【0039】
一方、S102においてIDコマンド81aを取得していないと判断されると、認証データ取得手段31は、PDLデータ80からパスワードコマンド81bを取得したか否かを判断する(S104)。
【0040】
S104においてパスワードコマンド81bを取得したと判断されると、認証データ取得手段31は、取得したパスワードコマンド81bに応じたパスワードを一時的にRAMに保存する(S105)。なお、認証データ取得手段31は、既にRAMにパスワードが保存されている場合、S105の処理においてRAM上のパスワードを上書きする。
【0041】
S103またはS105の処理が終了すると、認証実行手段33は、S103において一時的にRAMに保存されたIDと、S105において一時的にRAMに保存されたパスワードとが揃っているか否かを判断する(S106)。
【0042】
S106においてIDおよびパスワードが揃っていると判断されると、認証実行手段33は、認証を実行する(S107)。つまり、認証実行手段33は、S103において一時的にRAMに保存されたIDと、S105において一時的にRAMに保存されたパスワードとの組み合わせが、不揮発性記憶装置46に記憶されているID46aおよびパスワード46bの組み合わせに存在するとき、認証が成功したと判断し、存在しないとき、認証が失敗したと判断する。MFP20は、認証が成功すると、PDLデータ80によるログイン状態となる。
【0043】
S104においてパスワードコマンド81bを取得していないと判断されるか、S106においてIDおよびパスワードが揃っていないと判断されるか、S107の処理が終了すると、ページデータ取得手段32は、PDLデータ80から最初のページのデータ82aを取得したか否かを判断する(S108)。
【0044】
S108において最初のページのデータ82aを取得していないと判断されると、再びS102の処理が実行される。
【0045】
一方、S108において最初のページのデータ82aを取得したと判断されると、印刷実行手段34は、認証が成功しているか否かを判断する(S111)。
【0046】
S111において認証が失敗していると判断されると、コントローラー30は、S103において一時的にRAMに保存されたIDと、S105において一時的にRAMに保存されたパスワードとを削除し(S112)、ディスプレイ41にエラー表示を出力して(S113)、図3および図4に示す処理を終了する。
【0047】
一方、S111において認証が成功していると判断されると、印刷実行手段34は、最初のページのデータ82aに基づいて最初のページの印刷をプリンター43によって実行する(S114)。
【0048】
次いで、印刷実行手段34は、次のページのデータが存在するか否かを判断する(S115)。
【0049】
S115において次のページのデータが存在すると判断されると、ページデータ取得手段32は、次のページのデータを取得したと判断するまで、次のページのデータを取得したか否かを判断する(S116)。
【0050】
S116において次のページのデータを取得したと判断されると、印刷実行手段34は、S116において取得したと判断されたページのデータに基づいて、そのページの印刷をプリンター43によって実行する(S114)。
【0051】
S115において次のページのデータが存在しないと判断されると、コントローラー30は、S103において一時的にRAMに保存されたIDと、S105において一時的にRAMに保存されたパスワードとを削除し(S117)、PDLデータ80によるログイン状態をログアウト状態にして(S118)、図3および図4に示す処理を終了する。
【0052】
以上に説明したように、MFP20は、ページデータ取得手段32によってPDLデータ80に含まれている複数のページのデータのうち最初のページのデータ82aが取得された時点(S108でYES)で認証実行手段33による認証が成功しているとき(S111でYES)にページのデータに基づいて印刷実行手段34が印刷を実行する(S114)が、PDLデータ80の構造上、最初のページのデータ82aが取得された時点(S108でYES)で認証データ81の取得が完了している(S106でYES)ので、PDLの種類によらず認証を実行する(S107)ことができる。例えば、MFP20は、パスワードコマンド81bの後にIDコマンド81aが配置されているPDLデータ80であっても、最初のページのデータ82aが取得された時点で認証データ81の取得が完了しているので、PDLの種類によらず認証を実行することができる。
【0053】
また、MFP20は、PDLデータ80に複数の認証データ81が含まれている場合であっても、最初のページのデータ82aが取得された時点で全ての認証データ81の取得が完了しているので、取得が完了した全ての認証データ81のうち適切な認証データ81に基づいて適切に認証を実行することができる。例えば、MFP20は、複数の認証データ81のうち先行する認証データ81に基づいて認証を実行した(S107)ときに認証が失敗しても、後続の認証データ81に基づいて認証を実行した(S107)ときに認証が成功すれば、印刷を実行する(S114)ことができる。なお、MFP20は、S107において認証が一旦成功した場合、図3および図4に示す処理を終了するまで、S103の処理やS105の処理においてRAM上のIDやパスワードを上書きしないようになっていても良い。
【0054】
また、MFP20は、PDLデータ80に含まれている複数のページのデータのうち最初のページのデータ82aが取得された時点(S108でYES)で認証が成功しているとき(S111でYES)にページのデータに基づいて印刷を実行する(S114)ので、PDLデータ80を全て受信した時点で認証を実行する従来の構成と比較して、認証の成否を早期に確定することができ、効率良く認証を実行することができる。
【0055】
なお、MFP20は、S103において一時的にRAMに保存されたIDと、S105において一時的にRAMに保存されたパスワードとの組み合わせとS107において比較するIDおよびパスワードとして、不揮発性記憶装置46に記憶されているID46aおよびパスワード46bの組み合わせを使用するようになっているが、不揮発性記憶装置46に記憶されているID46aおよびパスワード46bの組み合わせではなく、都度、操作部42から利用者によって入力されるIDおよびパスワードの組み合わせを使用するようになっていても良い。
【0056】
(第2の実施の形態)
本実施の形態に係る画像形成システムの構成は、画像形成プログラムを除いて第1の実施の形態に係る画像形成システムの構成と同様である。したがって、本実施の形態に係る画像形成システムの構成については、第1の実施の形態に係る画像形成システムの構成と同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0057】
本実施の形態に係る画像形成システムの動作は、以下に述べるMFP20の動作を除いて第1の実施の形態に係る画像形成システムの動作と同様である。したがって、第1の実施の形態に係る画像形成システムの動作と同一の動作については、説明を省略する。
【0058】
図5は、本実施の形態に係るMFP20の一部の動作のフローチャートである。
【0059】
図3に示すS108において最初のページのデータ82aを取得したと判断されると、本実施の形態に係るMFP20は、図5に示す処理を実行する。
【0060】
図5に示すように、本実施の形態に係るMFP20は、S111〜S115、S117およびS118の処理を、第1の実施の形態に係るMFP20と同様に処理する。
【0061】
S115において次のページのデータが存在すると判断されると、認証実行手段33は、認証を実行する(S151)。つまり、認証実行手段33は、S103において一時的にRAMに保存されたIDと、S105において一時的にRAMに保存されたパスワードとの組み合わせが、不揮発性記憶装置46に記憶されているID46aおよびパスワード46bの組み合わせに存在するとき、認証が成功したと判断し、存在しないとき、認証が失敗したと判断する。
【0062】
次いで、ページデータ取得手段32は、次のページのデータを取得したと判断するまで、次のページのデータを取得したか否かを判断する(S152)。
【0063】
S152において次のページのデータを取得したと判断されると、印刷実行手段34は、認証が成功しているか否かを判断する(S111)。
【0064】
以上に説明したように、本実施の形態に係る認証実行手段33は、ページデータ取得手段32によって最初のページのデータ82aが取得されたときに認証に使用した認証データ81に基づいて、最初のページ以外の各ページに対して認証を実行する(S151)。また、本実施の形態に係る印刷実行手段34は、ページデータ取得手段32によって各ページのデータが取得された時点(S152でYES)で認証実行手段33による認証が成功しているとき(S111でYES)に各ページのデータに基づいて印刷を実行する(S114)。したがって、MFP20は、最初のページにおける認証に使用した認証データを、他のページにおける認証にも使用することができる。
【0065】
なお、本発明の画像形成装置は、上述した各実施の形態においてMFPであるが、コピー機、プリンターなど、MFP以外の画像形成装置であっても良い。
【符号の説明】
【0066】
20 MFP(画像形成装置)
31 認証データ取得手段
32 ページデータ取得手段
33 認証実行手段
34 印刷実行手段
46a ID
46b パスワード
80 PDLデータ
81 認証データ
82 ページデータ群(複数のページのデータ)
82a 最初のページのデータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
認証データと、前記認証データより後に配置された複数のページのデータとを含んでいるPDLデータを受信して前記認証データに基づいた認証を実行する画像形成装置であって、
前記PDLデータから前記認証データを取得する認証データ取得手段と、前記PDLデータから前記ページのデータを取得するページデータ取得手段と、前記認証データ取得手段によって取得された前記認証データに基づいて前記認証を実行する認証実行手段と、前記認証実行手段による前記認証が成功しているときに前記ページのデータに基づいて印刷を実行する印刷実行手段とを備えており、
前記印刷実行手段は、前記ページデータ取得手段によって前記複数のページのデータのうち最初のページのデータが取得された時点で前記認証実行手段による前記認証が成功しているときに、前記ページのデータに基づいて印刷を実行することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記認証実行手段は、前記ページデータ取得手段によって前記最初のページのデータが取得されたときに前記認証に使用した前記認証データに基づいて、前記最初のページ以外の各ページに対して前記認証を実行し、
前記印刷実行手段は、前記ページデータ取得手段によって前記各ページのデータが取得された時点で前記認証実行手段による前記認証が成功しているときに、前記各ページのデータに基づいて印刷を実行することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
認証データと、前記認証データより後に配置された複数のページのデータとを含んでいるPDLデータを受信して前記認証データに基づいた認証を実行する画像形成装置を、前記PDLデータから前記認証データを取得する認証データ取得手段、前記PDLデータから前記ページのデータを取得するページデータ取得手段、前記認証データ取得手段によって取得された前記認証データに基づいて前記認証を実行する認証実行手段、および、前記認証実行手段による前記認証が成功しているときに前記ページのデータに基づいて印刷を実行する印刷実行手段として機能させ、
前記印刷実行手段は、前記ページデータ取得手段によって前記複数のページのデータのうち最初のページのデータが取得された時点で前記認証実行手段による前記認証が成功しているときに、前記ページのデータに基づいて印刷を実行することを特徴とする画像形成プログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2012−144013(P2012−144013A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−5822(P2011−5822)
【出願日】平成23年1月14日(2011.1.14)
【出願人】(000006150)京セラドキュメントソリューションズ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】