説明

画像形成装置

【課題】装置本体を小型化することができ、載置するためのスペースの省スペース化を図ることができる画像形成装置を提供すること。
【解決手段】
LED露光方式が採用されるカラープリンタ1において、互いに間隔を隔てて並列配置される各感光ドラム20を保持するプロセスユニット15に、感光ドラム20を露光するように感光ドラム20に近接される近接位置と、感光ドラム20から退避される退避位置とに移動可能な各LEDユニット16を備え、各LEDユニット16を、プロセスユニット15の下方において本体ケーシング2に着脱可能に設けられる給紙トレイ8が本体ケーシング2から離脱されることにより形成される空間に、プロセスユニット15に干渉しないように退避させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式が採用される画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子写真方式のカラープリンタとして、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色に対応して設けられる4つの感光ドラムと、各感光ドラムを露光する4つのLEDユニットとを備えるLED露光方式のカラープリンタが知られている。
【0003】
このようなLED露光方式のカラープリンタでは、感光ドラムをLEDユニットによって露光するために、LEDユニットを感光ドラムの近傍に配置する必要がある。
【0004】
そのため、感光ドラムを交換するときには、感光ドラムに近接されているLEDユニットを一旦、退避させる必要があり、LEDユニットを近接または退避させる機構が必要となる。
【0005】
このようなカラープリンタとして、例えば、感光ドラムを有する複数のプロセスユニットと、感光ドラムを露光する複数のLEDユニットとを備え、各LEDユニットを、本体ケーシングの上面に設けられるトップカバーに連結し、トップカバーの開閉に連動して、感光ドラムを露光する露光位置と、感光ドラムから上方に退避される退避位置とに移動させるカラープリンタが提案されている(たとえば、下記特許文献1参照。)。
【0006】
また、例えば、装置本体の上にフラットベッドスキャナを有し、複数の感光ドラムを有するドラムユニットと、各感光ドラムを露光する複数のLEDユニットとを備え、各LEDユニットを、装置本体の前面に設けられるフロントカバーの開閉に連動して、感光ドラムに近接、または、感光ドラムに対して上方に退避させるプリンタが提案されている(たとえば、下記特許文献2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−296379号公報
【特許文献2】特開2009−265442号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかるに、上記した特許文献1に記載のカラープリンタでは、各LEDユニットは、トップカバーの開閉に連動されている。
【0009】
そのため、本体ケーシングの上方に、別途、トップカバーを開閉させるための大きなスペースを作る必要があり、カラープリンタを載置するスペースの省スペース化を図ることが困難な場合がある。
【0010】
また、上記した特許文献2に記載のプリンタでは、フラットベッドスキャナが装置本体の上方に設けられているため、各LEDユニットは、本体ケーシングの前面に設けられるフロントカバーの開閉に連動されている。
【0011】
この場合においても、各LEDユニットは、装置本体内において、感光ドラムに対して上方に退避される。
【0012】
そのため、装置本体内の上方に、各LEDユニットを退避させるためのスペースが必要となり、装置本体の小型化、ひいては、プリンタを載置するスペースの省スペース化を図ることが困難な場合がある。
【0013】
そこで、本発明の目的は、装置本体を小型化することができ、載置するためのスペースの省スペース化を図ることができる画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記した課題を解決するため、本発明は、画像形成装置であって、装置本体と、互いに間隔を隔てて並列配置される複数の感光体を保持し、前記装置本体内に装着される装着位置と、前記装置本体から引き出される引出位置とに移動可能な第1保持部材と、前記第1保持部材の上方において、各前記感光体に対向配置されるエンドレスベルトと、前記エンドレスベルトの下方に設けられ、前記感光体を露光するように前記感光体に近接される近接位置と、前記感光体から退避される退避位置とに移動可能な複数の露光ユニットと、前記第1保持部材の下方において前記第1保持部材に対向するように前記装置本体に着脱可能に設けられ、現像剤像が転写される被転写部材を供給する供給トレイとを備え、前記露光ユニットは、前記供給トレイが前記装置本体から離脱されることにより形成される空間に、前記第1保持部材に干渉しないように退避されることを特徴としている。
【発明の効果】
【0015】
この発明によれば、露光ユニットは、供給トレイが装置本体から離脱されることにより形成される空間に、各感光体を保持する第1保持部材に干渉しないように退避される。
【0016】
そのため、別途、露光ユニットを退避させるためのスペースを用意することなく、供給トレイが装置本体から離脱されることにより形成される空間を利用して、露光ユニットを各感光体から退避させることができる。
【0017】
その結果、画像形成装置を小型化することができ、ひいては、画像形成装置を載置するためのスペースの省スペース化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の画像形成装置の一例としてのカラープリンタの第1実施形態を示す断面図である。
【図2】図1に示すカラープリンタのA−A断面図である。
【図3】図1に示すフロントカバーとLEDユニットとの連動を説明するための説明図であって、フロントカバーが閉位置に配置され、LEDユニットが近接位置に配置されている状態を示す。
【図4】図1に示すフロントカバーとLEDユニットとの連動を説明するための説明図であって、フロントカバーが開位置に配置され、LEDユニットが退避位置に配置されている状態を示す。
【図5】図1に示すプロセスカートリッジの本体ケーシングに対する着脱を説明するための説明図であって、本体ケーシングから給紙トレイを離脱させた状態を示す。
【図6】図5に続いて、プロセスカートリッジの本体ケーシングに対する着脱を説明するための説明図であって、フロントカバーを開位置に配置して、LEDユニットを退避位置に配置させた状態を示す。
【図7】図6に続いて、プロセスカートリッジの本体ケーシングに対する着脱を説明するための説明図であって、プロセスユニットを引出位置に引き出した状態を示す。
【図8】カラープリンタの第2実施形態を示す断面図である。
【図9】図8に示すフロントカバーと支持部材との連動を説明するための説明図であって、フロントカバーが閉位置に配置され、支持部材が第1位置に配置されている状態を示す。
【図10】図8に示すフロントカバーと支持部材との連動を説明するための説明図であって、フロントカバーが開位置に配置され、支持部材が第2位置に配置されている状態を示す。
【図11】図8に示すドラムドロワおよび現像ドロワの本体ケーシングに対する着脱を説明するための説明図であって、本体ケーシングから給紙トレイを離脱させた後、フロントカバーを開位置に配置して、現像ドロワを退避位置に配置させた状態を示す。
【図12】図11に続いて、現像ドロワの本体ケーシングに対する着脱を説明するための説明図であって、現像ドロワを引き出した状態を示す。
【図13】図11に続いて、ドラムドロワの本体ケーシングに対する着脱を説明するための説明図であって、ドラムドロワを引き出した状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
1.カラープリンタの全体構成
図1に示すように、画像形成装置の一例としてのカラープリンタ1は、横置きタイプの中間転写型カラープリンタである。
【0020】
また、カラープリンタ1は、装置本体の一例としての本体ケーシング2と、本体ケーシング2の上に設けられ、原稿の画像情報を読み取るフラットベッドスキャナ3とを一体的に備える複合機である。
【0021】
カラープリンタ1は、本体ケーシング2内において、被転写部材の一例としての用紙Pを給紙するための給紙部4と、給紙された用紙Pに画像を形成するための画像形成部5とを備えている。
(1)本体ケーシング
本体ケーシング2は、給紙部4および画像形成部5を収容する側面視略矩形状のボックス形状に形成されており、その一方側壁には、本体開口部6が形成されており、カバー部材の一例としてのフロントカバー7が、その下端部を支点として、本体開口部6を閉鎖する閉位置と、本体開口部6を開放する開位置とに揺動(移動)可能に設けられている。
【0022】
なお、以下の説明において、フロントカバー7が設けられる側(図1における紙面左側)を前側とし、その反対側(図1における紙面右側)を後側とする。また、カラープリンタ1を前側から見たときを左右の基準とする。すなわち、図1の紙面手前側が右側であり、紙面奥側が左側である。
(2)給紙部
給紙部4は、用紙Pを収容する供給トレイの一例としての給紙トレイ8を備えている。
【0023】
給紙トレイ8は、本体ケーシング2内の底部に着脱自在に装着されている。また、給紙トレイ8は、用紙Pの後端部を昇降させるリフト部材9を備えている。
【0024】
リフト部材9は、前後に延びる略平板形状に形成され、給紙トレイ8の後側半分の底面に、その前端部を支点として揺動可能に設けられている。また、リフト部材9の後端部は、ばねなどの付勢部材(図示せず)により、常には、上側に向かって付勢されている。
【0025】
そして、リフト部材9は、給紙トレイ8が本体ケーシング2に装着されているときには、付勢部材(図示せず)の付勢力によって、後側へ向かうに従って上側へ傾斜するように起立されている(図1参照)。リフト部材9が起立されているときには、用紙Pの後端部は、ピックアップローラ10に向かって上昇されてリフト部材9とピックアップローラ10との間に挟持されている。
【0026】
なお、リフト部材9は、給紙トレイ8が本体ケーシング2から離脱されるときには、付勢部材(図示せず)の付勢力に抗して、給紙トレイ8の底面に沿うように傾倒される(図5参照。)。リフト部材9が傾倒されると、用紙Pの後端部は、給紙トレイ8内に収容される。
【0027】
また、給紙部4には、給紙トレイ8の後端部上側において、リフト部材9の後端部の上側に対向配置される供給部材の一例としてのピックアップローラ10と、ピックアップローラ10の後側に配置される給紙ローラ11と、給紙ローラ11の下側に対向配置される給紙パッド12と、給紙ローラ11に後側から接触される上下1対のピンチローラ13と、給紙ローラ11の上側に配置され、互いに前後方向に対向される1対のレジストローラ14とが設けられている。
【0028】
そして、給紙トレイ8上の用紙Pは、ピックアップローラ10の回転により、給紙ローラ11と給紙パッド12との間に送られ、給紙ローラ11の回転により1枚ずつ捌かれる。その後、捌かれた用紙Pは、給紙ローラ11の回転により、給紙ローラ11と各ピンチローラ13との間を順次通過するように、上側の両レジストローラ14間に向けて給紙され、レジストローラ14の回転により、所定のタイミングで、画像形成部5(中間転写ベルト30(後述)と二次転写ローラ27(後述)との間)に供給される。
(3)画像形成部
画像形成部5は、給紙部4の上側に配置されており、第1保持部材の一例としてのプロセスユニット15、各色に対応する4つの露光ユニットの一例としてのLEDユニット16、転写ユニット17および定着ユニット18を備えている。
(3−1)プロセスユニット
プロセスユニット15は、前後方向に投影したときにピックアップローラ10と重なるように、ピックアップローラ10の前側において、給紙トレイ8に上側から対向配置され、各色に対応する4つのプロセスカートリッジ19を保持している。また、プロセスユニット15は、本体ケーシング2内に装着される装着位置と、本体ケーシング2から引き出される引出位置とに、前後方向に沿ってスライド可能に設けられている。
【0029】
各プロセスカートリッジ19は、前後方向に互いに間隔を隔てて並列配置されている。具体的には、前側から後側に向かって、ブラックプロセスカートリッジ19K、イエロープロセスカートリッジ19Y、マゼンタプロセスカートリッジ19Mおよびシアンプロセスカートリッジ19Cが、順次配置されている。
【0030】
また、各プロセスカートリッジ19は、感光ドラム20、スコロトロン型帯電器21および現像ユニット22を備えている。
【0031】
感光ドラム20は、左右方向に長手の円筒形状に形成されており、左右に沿って設けられている。
【0032】
スコロトロン型帯電器21は、対応する感光ドラム20の後下側に、感光ドラム20と間隔を隔てて対向配置されている。
【0033】
各現像ユニット22は、対応する感光ドラム20の前下側において、前後方向に互いに間隔を隔てて並列配置されている。また、各現像ユニット22は、現像剤担持体の一例としての現像ローラ23を備えている。
【0034】
現像ローラ23は、現像ユニット22の上端において、上側(後上側)から露出されるように回転可能に支持されており、感光ドラム20に対して下側から接触されている。
【0035】
なお、現像ユニット22は、現像ローラ23にトナーを供給する供給ローラ24、現像ローラ23に供給されたトナーの厚みを規制する層厚規制ブレード25を備えている。また、各現像ユニット22は、供給ローラ24の下側において、各色に対応する現像剤の一例としてのトナーを収容するトナー収容部39を備えている。トナー収容部39は、左右方向に延びる2つの円筒が前後方向に連結された2連筒形状に形成されている。
(3−2)LEDユニット
各LEDユニット16は、対応する現像ユニット22の後側において、対応する感光ドラム20に下方から対向するように設けられている。LEDユニット16は、所定の画像データに基づいて、対応する感光ドラム20の表面を露光する。
(3−3)転写ユニット
転写ユニット17は、ベルトユニット26と二次転写ローラ27とを備えている。
【0036】
ベルトユニット26は、プロセスユニット15の上側において、各感光ドラム20に上側から対向するように、前後方向に沿って配置されている。
【0037】
ベルトユニット26は、駆動ローラ28、従動ローラ29、エンドレスベルトの一例としての中間転写ベルト30、および、4つの一次転写ローラ31を備えている。
【0038】
駆動ローラ28および従動ローラ29は、前後方向に間隔を隔てて対向配置されている。
【0039】
中間転写ベルト30は、その下側部分が各感光ドラム20に接触されるように、駆動ローラ28および従動ローラ29の周りに掛け渡されている。また、中間転写ベルト30は、駆動ローラ28の駆動により、各感光ドラム20と接触する下側部分が前側から後側に向かって移動するように、周回移動されている。
【0040】
各一次転写ローラ31は、各感光ドラム20と、それぞれ中間転写ベルト30の下側部分を挟んで対向するように、設けられている。
【0041】
二次転写ローラ27は、ベルトユニット26の駆動ローラ28と、中間転写ベルト30を挟んで対向するように、ベルトユニット26の後方に設けられている。
(3−4)定着ユニット
定着ユニット18は、二次転写ローラ27の上側に配置され、加熱ローラ37、および、加熱ローラ37に対向する加圧ローラ38を備えている。
(3−5)画像形成動作
(3−5−1)現像動作
現像ユニット22内のトナーは、供給ローラ24に供給され、さらに、現像ローラ23に供給される。
【0042】
現像ローラ23に供給されたトナーは、現像ローラ23の回転に伴って、層厚規制ブレード25によって厚さが規制され、一定厚さの薄層として現像ローラ23の表面に担持される。また、現像ローラ23に供給されたトナーは、層厚規制ブレード25と現像ローラ23との間で正極性に摩擦帯電される。
【0043】
一方、感光ドラム20の表面は、感光ドラム20の回転に伴って、スコロトロン型帯電器21により一様に正帯電された後、LEDユニット16により露光される。これにより、用紙Pに形成すべき画像に対応した静電潜像が感光ドラム20の表面に形成される。
【0044】
感光ドラム20がさらに回転すると、現像ローラ23の表面に担持され、かつ、正帯電されているトナーが、感光ドラム20の表面に形成されている静電潜像に供給される。これにより、感光ドラム20の静電潜像は可視像化され、感光ドラム20の表面には、反転現像によるトナー像が担持される。
(3−5−2)転写・定着動作
感光ドラム20の表面に反転現像により担持されたトナー像は、前側から後側へ移動される中間転写ベルト30の下側部分に順次、一次転写される。これにより、中間転写ベルト30にカラー画像が形成される。
【0045】
中間転写ベルト30に形成されたカラー画像は、中間転写ベルト30が二次転写ローラ27との対向位置を通過する間に、給紙部4から供給される用紙Pに、二次転写される。
【0046】
そして、用紙Pに転写されたカラー画像は、定着ユニット18において、用紙Pが加熱ローラ37と加圧ローラ38との間を通過する間に、加熱および加圧されることによって用紙Pに熱定着される。
(4)排紙
定着ユニット18においてトナー像を定着された用紙Pは、各排紙ローラ32によって、本体ケーシング2の上面に形成される排紙トレイ33上に排紙される。
(5)フラットベッドスキャナ
フラットベッドスキャナ3は、排紙トレイ33の上方に設けられている。フラットベッドスキャナ3では、原稿が押えカバー34とガラス面35との間に配置された後、CCDセンサ36がスライドすることにより、原稿の画像情報が読み取られる。
【0047】
そして、読み取られた原稿の画像情報に基づいて、画像形成部5において、上記したように、用紙Pに画像を形成することができる。
2.本体ケーシング
本体ケーシング2は、カラープリンタ1の外形を構成する外側ケーシング41と、外側ケーシング41の内側に設けられる内側ケーシング42(図2参照)とを備えている。
(1)外側ケーシングの詳細
外側ケーシング41は、略ボックス形状に形成されており、前端部において、フロントカバー7を備えている。
【0048】
フロントカバー7は、その下端部において、外側ケーシング41の底壁に回動可能に連結されている。また、フロントカバー7の下端部には、フロントカバー7が閉位置に配置されているときに給紙トレイ8が挿通される開口43が形成されている。
(2)内側ケーシングの詳細
内側ケーシング42は、図2および図3に示すように、前後方向に延びる略角筒形状に形成されている。また、内側ケーシング42は、プロセスユニット15、ベルトユニット26および給紙トレイ8を収容可能な上下方向長さおよび左右方向長さを有し、上側および左右両側において外側ケーシング41と間隔を隔てるように、外側ケーシング41内に収容されている。
【0049】
また、内側ケーシング42には、ベルトユニット26を収容するベルト収容部44、プロセスユニット15を支持するプロセス支持部45、LEDユニット16を支持するLED支持部46が設けられている。
(2−1)ベルト収容部
ベルト収容部44は、内側ケーシング42の上端部に設けられている。ベルト収容部44には、各感光ドラム20をベルトユニット26に対して位置決めする1対のドラム位置決め部材48が設けられている。
【0050】
両ドラム位置決め部材48は、前後方向に延びる略平板形状に形成されている。また、両ドラム位置決め部材48は、各感光ドラム20の通紙領域(用紙Pが接触する領域)よりも左右方向外側において、各感光ドラム20に対向するように、ベルトユニット26を挟んで左右方向に互いに間隔を隔てて配置され、その上端部において、内側ケーシング42の上壁に固定されている。
【0051】
また、各ドラム位置決め部材48の下端部には、各感光ドラム20に対応するように、4つのドラム位置決め溝49(図3参照)が形成されている。
【0052】
各ドラム位置決め溝49は、ドラム位置決め部材48の下端縁から上側へ向かって、下側へ開放される側面視略U字形状に切り欠かれ、前後方向に互いに間隔を隔てて並列配置されている。各ドラム位置決め溝49は、感光ドラム20の左右方向両端部の上端部を受け入れる。
(2−2)プロセス支持部
プロセス支持部45は、内側ケーシング42の上下方向略中央において、ベルト収容部44の下側に連続して設けられている。プロセス支持部45には、その左右両側壁にそれぞれ、プロセスユニット15の後端部を案内する第1ガイド溝52と、プロセスユニット15の前端部を案内する第2ガイド溝54(図3参照)とが設けられている。
【0053】
第1ガイド溝52は、プロセスユニット15の後側ころ85(後述)を受け入れ可能な溝幅(上下方向長さ)で、プロセス支持部45の前後方向ほぼ全幅にわたって、前後方向に延びる略直線形状に形成されている。また、第1ガイド溝52は、後端部の溝幅が上側に向かって拡がるように形成されている。そして、第1ガイド溝52の後端部内には、上側へ向かって膨出する板ばね53(図3参照)が設けられている。
【0054】
板ばね53は、前後方向に延びる金属製の屈曲板であり、その前端部において、第1ガイド溝52の下壁に固定されている。詳しくは、板ばね53は、その前端部から後上側に延び、後側へ屈曲された後、前後方向に延びるように形成されている。
【0055】
第2ガイド溝54は、第1ガイド溝52の前端部の下側において、プロセスユニット15の前側ころ84(後述)を受け入れ可能な溝幅(上下方向長さ)で、前後方向に延びる略直線形状に形成されている。また、第2ガイド溝54は、後端部の溝幅が上側に向かって拡がるように形成されている。そして、第2ガイド溝54の後端部内には、上側へ向かって膨出する板ばね55(図3参照)が設けられている。
【0056】
板ばね55は、第1ガイド溝52内の板ばね53と同様の形状に形成されており、その前端部において、第2ガイド溝54の下壁に固定されている。
(2−3)LED支持部
LED支持部46は、内側ケーシング42の下端部において、プロセス支持部45の下側に連続して設けられている。
【0057】
LED支持部46には、LEDユニット16の支持アーム101(後述)を支持する支持ボス56が、その左右両側壁にそれぞれ4つ設けられている。また、LED支持部46には、LEDユニット16の支持軸106(後述)を案内するLEDガイド溝57が、その左右両側壁にそれぞれ4つ形成されている。
【0058】
各支持ボス56は、内側ケーシング42の左右方向内面から左右方向内側へ突出する略円柱形状に形成され、前後方向に互いに間隔を隔てて並列配置されている。
【0059】
各LEDガイド溝57は、各支持ボス56の後側から前下側へ延びるように、対応する支持ボス56と中心を共有する円弧形状に形成されている。また、左右方向に投影したときに、各LEDガイド溝57の下端縁は、給紙トレイ8と重なるように配置され(図5参照)、各LEDガイド溝57の上端縁は、LED挿入開口83(後述)内に配置されている(図6参照)。
3.給紙トレイ
給紙トレイ8は、図1および図2に示すように、有底略矩形枠形状に形成され、内側ケーシング42の下端部内(すなわち、LED支持部46の下端部内)に着脱可能に装着されている。給紙トレイ8の前端部には、フロントカバー7の開口43の上側周縁部に、前側から対向される干渉部71が設けられている。
【0060】
干渉部71は、給紙トレイ8の前端部の上端縁から上方へ向かって突出するように、左右方向に延びる突条として形成されている。
4.プロセスユニット
(1)プロセスフレーム
プロセスユニット15は、各プロセスカートリッジ19を一体的に保持するプロセスフレーム81を備えている。
【0061】
プロセスフレーム81は、有底略矩形枠形状に形成されている。プロセスフレーム81には、各プロセスカートリッジ19の着脱を案内する4つのカートリッジガイド溝82(図2参照)と、各LEDユニット16が配置される4つのLED挿入開口83とが形成されている。
【0062】
各カートリッジガイド溝82は、プロセスフレーム81の左右両側壁の内面において、上下方向に延び、感光ドラム20の回転軸92(後述)を受け入れ可能な溝幅を有する凹溝として形成されている。
【0063】
各LED挿入開口83は、カートリッジガイド溝82の下側において、プロセスフレーム81の下端縁から上側に向かうように、プロセスフレーム81の左右方向全幅にわたって切り欠き形成されている。詳しくは、各LED挿入開口83は、プロセスフレーム81の底壁の左右方向全幅にわたって形成される底部開口86と、底部開口86に連続するようにプロセスフレーム81の左右両側壁に形成される側部開口87とからなる。
【0064】
また、プロセスフレーム81は、その左右両側壁の前端部外側に回転可能に設けられる前側ころ84と、その左右両側壁の後端部外側に回転可能に設けられる後側ころ85とを備えている。
(2)プロセスカートリッジ
各プロセスカートリッジ19は、左右方向に間隔を隔てて対向配置される1対の側板91を備え、両側板91間において、感光ドラム20、スコロトロン型帯電器21および現像ユニット22を備えている。
【0065】
なお、感光ドラム20の回転軸92は、両側板91を内側から貫通するように、左右方向両端部において、両側板91に回転可能に支持されている。また、回転軸92の左右方向両端部は、両側板91の左右方向外面よりも左右方向外側へ突出されている。
【0066】
また、ブラックプロセスカートリッジ19Kには、現像ユニット22の前側において、クリーニングユニットの一例としてのベルトクリーニングユニット93が一体的に保持されている。
【0067】
ベルトクリーニングユニット93は、廃トナー収容部94と、掻き取りローラ96と、掻き取りブレード98と、ベルトクリーニングローラ95とを備えている。
【0068】
廃トナー収容部94は、上端部に開口97を有する略ボックス形状に形成されている。
【0069】
掻き取りローラ96は、廃トナー収容部94の開口97の上側において、開口97に対向配置されている。
【0070】
掻き取りブレード98は、前後方向に延びる略平板形状に形成され、その後端部(遊端部)が掻き取りローラ96に下側から接触されるように、その前端部(基端部)が、開口97の前側周縁部において、廃トナー収容部94に固定されている。
【0071】
ベルトクリーニングローラ95は、掻き取りローラ96に上側から接触されるように、ベルトクリーニングユニット93の上端部において、回転可能に支持されている。
【0072】
そして、ベルトクリーニングユニット93は、ベルトクリーニングローラ95が中間転写ベルト30の下側部分に下側から接触されるように配置されている。ベルトクリーニングユニット93は、中間転写ベルト30の表面に残存したトナーなどを、ベルトクリーニングローラ95によってクリーニングする。ベルトクリーニングローラ95に保持されたトナーは、一旦掻き取りローラ96に保持された後、掻き取りブレード98で掻き取られることにより、廃トナー収容部94内に収容される。
5.LEDユニット
各LEDユニット16は、図2および図3に示すように、LED支持部46内において、感光ドラム20から退避するように下方に垂下する退避位置(図4参照)と、感光ドラム20に近接するように前後方向に延びる近接位置(図3参照)とに揺動可能に支持されている。なお、以下のLEDユニット16の説明において、LEDユニット16が近接位置に配置されている状態を上下前後の基準とする。
【0073】
各LEDユニット16は、左右一対の支持アーム101と、両支持アーム101間に架設されるLEDアレイ支持部材104と、LEDアレイ支持部材104に支持されるLEDアレイ102とを備えている。
【0074】
両支持アーム101は、前後方向に延びる側面視略L字形の平板形状に形成されている。また、支持アーム101は、支持ボス56に連結されるアーム部109と、LEDアレイ支持部材104の左右方向端部を支持する支持部110とを一体的に備えている。
【0075】
アーム部109は、前後方向に延びる略杆形状に形成されている。また、アーム部109の前端部には、支持ボス56を受け入れ可能な直径を有する側面視略円形状の嵌合穴100が貫通形成されている。
【0076】
支持部110は、アーム部109の後端部から上側へ延びる略杆形状に形成されている。
【0077】
LEDアレイ支持部材104は、支持軸106と、LEDアレイ収容部103とを備えている。
【0078】
支持軸106は、左右方向に延びる略円柱形状に形成されている。支持軸106の左右方向長さは、内側ケーシング42の左右方向長さよりも長く形成されている。また、支持軸106は、その左右方向端部が支持アーム101の左右方向両端面よりも左右方向外側へ突出するように、支持アーム101のアーム部109の後端部に挿通されている。
【0079】
LEDアレイ収容部103は、左右方向に長手の有底略矩形枠形状に形成され、その底壁において支持軸106に連結されるとともに、その左右両側壁において両支持アーム101の支持部110間に架設されている。LEDアレイ収容部103の前後方向および左右方向の内寸は、それぞれ、LEDアレイ102の前後方向および左右方向の外寸とほぼ同じ(わずかに長い)である。
【0080】
LEDアレイ102は、左右方向に延びる略杆形状に形成され、左右方向に並列配置される多数のLEDを一体的に保持している。LEDアレイ102の左右方向長さは、感光ドラム20の左右方向長さよりも短く、感光ドラム20の通紙領域の左右方向長さよりも長い。
【0081】
また、LEDアレイ102の左右方向両端部には、LEDアレイ102を感光ドラム20に対して位置決めするLED位置決め部材105が設けられている。
【0082】
LED位置決め部材105は、側面視略矩形平板形状に形成され、LEDアレイ102の左右方向両端縁において、上側に向かってわずかに突出するように設けられている。LED位置決め部材105は、感光ドラム20に下側から当接されている。これにより、LED位置決め部材105は、LEDアレイ102を、感光ドラム20に対して間隔(LED位置決め部材105の突出長さに相当する間隔)を隔てて対向するように位置決めしている。なお、LED位置決め部材105の形状は、特に限定されず、例えば、略円板形状のころであってもよい。
【0083】
そして、LEDアレイ102は、その下端部において、LEDアレイ収容部103の上端部に相対移動可能に収容され、左右1対の圧縮ばね108により、LEDアレイ収容部103の底壁に弾性的に支持されている。
【0084】
詳しくは、両圧縮ばね108は、一端がLEDアレイ収容部103の底壁の左右方向端部に連結され、他端がLEDアレイ102の左右方向端部に連結されている。これにより、LEDアレイ102は、LEDアレイ収容部103の底壁に対して、圧縮ばね108を介して弾性的に支持されている。
【0085】
そして、各LEDユニット16は、両支持アーム101の嵌合穴100が、内側ケーシング42の支持ボス56に外嵌されるとともに、支持軸106の左右方向両端部が、内側ケーシング42のLEDガイド溝57に挿通されることにより、内側ケーシング42に対して揺動可能に支持されている。なお、支持軸106の左右方向端縁は、内側ケーシング42とガイド部材64(後述)との間に配置されている。
【0086】
そして、各LEDユニット16は、常には、その自重により、下方に付勢されている。
【0087】
LEDユニット16が近接位置に配置されているときには、支持軸106は、LEDガイド溝57の上端部に配置され(図3参照)、また、LEDユニット16が退避位置に配置されているときには、支持軸106は、LEDガイド溝57の下端部に配置される(図4参照)。
6.連動機構
(1)連動機構の構成
本体ケーシング2内には、内側ケーシング42の左右両側において、外側ケーシング41と内側ケーシング42との間に、フロントカバー7と各LEDユニット16とを連動させる左右1対の連動機構61が設けられている。
【0088】
各連動機構61は、各LEDユニット16を連結する第1連結部材62と、第1連結部材62とフロントカバー7とを連結する第2連結部材63(図3参照)と、第1連結部材62の移動を案内するガイド部材64とを備えている。
【0089】
第1連結部材62は、前後方向に延びる略杆形状に形成されている。第1連結部材62には、各LEDユニット16の支持軸106が挿通される4つの挿通穴65と、ガイド部材64の連結部材ガイド溝68(後述)に嵌合される前後1対のガイドボス66とが形成されている。
【0090】
各挿通穴65は、前後方向に延びる長穴として形成され、互いに前後方向に間隔を隔てて並列配置されている。各挿通穴65は、LEDユニット16の支持軸106を受け入れ可能な上下方向長さに形成されている。
【0091】
両ガイドボス66は、第1連結部材62の左右方向外面から左右方向外側へ延びる略円柱形状に形成されており、第1連結部材62の前端部と後端部とに1つずつ設けられている。
【0092】
第2連結部材63は、前後方向に延びる略杆形状に形成され、前端部において、フロントカバー7に揺動可能に連結されている。また、第2連結部材63の後端部には、第1連結部材62の前側のガイドボス66に連結される連結穴67が形成されている。
【0093】
連結穴67は、前後方向に延びる長穴として形成されている。連結穴67は、第1連結部材62のガイドボス66を受け入れ可能な上下方向長さに形成されている。
【0094】
ガイド部材64は、前後方向に延び、上下両端部が左右方向内側へ屈曲された略平板形状に形成され、LED支持部46を左右方向外側から被覆するように設けられている。これにより、内側ケーシング42の左右方向側壁とガイド部材64とによって、LED支持部46の左右両側に正面視略矩形状の空間が画成されている。
【0095】
また、ガイド部材64には、第1連結部材62の両ガイドボス66を案内する前後1対の連結部材ガイド溝68が形成されている。
【0096】
両連結部材ガイド溝68は、ガイド部材64の左右方向内面から左右方向外側へ切り欠かれる凹溝であり、前下側と後上側とを結ぶ方向に延びる側面視略クランク形状に形成されている。両連結部材ガイド溝68は、第1連結部材62のガイドボス66を受け入れ可能な溝幅に形成されている。また、両連結部材ガイド溝68は、前後方向に投影したときに、その下端縁が各LEDガイド溝57の下端縁と重なり、その上端縁が各LEDガイド溝57の上端縁と重なるように配置されている(図3参照)。
【0097】
そして、第1連結部材62は、前側のガイドボス66が、第2連結部材63の連結穴67を貫通して、ガイド部材64の前側の連結部材ガイド溝68に嵌合されるとともに、後側のガイドボス66が、ガイド部材64の後側の連結部材ガイド溝68に嵌合されることにより、第2連結部材63を介してフロントカバー7に連結されるとともに、ガイド部材64に支持されている。
【0098】
フロントカバー7が閉位置に配置されているときには、第1連結部材62は、前後両ガイドボス66が対応する連結部材ガイド溝68の後上側端部に嵌合される第1位置(図3参照)に配置されている。このとき、第1連結部材62は、各LEDガイド溝57の上端部と左右方向に対向しており、各LEDガイド溝57の上端部と、各挿通穴65の前端部とは、左右方向に投影したときに互いに重なっている。
【0099】
そして、フロントカバー7を閉位置から開位置へ移動させると、第1連結部材62は、第2連結部材63によって前下側へ引っ張られて、各ガイドボス66において各連結部材ガイド溝68に案内されながら前下側へスライドされる。
【0100】
そして、フロントカバー7が開位置に配置されると、第1連結部材62は、前後両ガイドボス66が対応する連結部材ガイド溝68の前下側端部に嵌合される第2位置(図4参照)に配置される。このとき、第1連結部材62は、各LEDガイド溝57の下端部と左右方向に対向しており、各LEDガイド溝57の下端部と、各挿通穴65の後端部とが、左右方向に投影したときに互いに重なっている。
【0101】
なお、フロントカバー7を開位置から閉位置へ移動させると、第1連結部材62は、第2連結部材63によって後上側へ押圧されて、各ガイドボス66において各連結部材ガイド溝68に案内されながら後上側へスライドされ、第2位置から第1位置へ移動される。
(2)フロントカバーと各LEDユニットとの連動
各LEDユニット16は、支持軸106の左右方向端部が、内側ケーシング42とガイド部材64との間において、第1連結部材62の挿通穴65に挿通されることにより、連動機構61に連結されている(図2参照)。
【0102】
そして、フロントカバー7が閉位置に配置され、第1連結部材62が第1位置に配置されているときには、各LEDユニット16の支持軸106が、第1連結部材62によって、各LEDガイド溝57の上端部に保持されており、各LEDユニット16は、近接位置に保持されている(図3参照)。
【0103】
このとき、図5に示すように、各LEDユニット16は、プロセスユニット15の各LED挿入開口83内に配置されている。
【0104】
そして、フロントカバー7を閉位置から開位置に移動させると、第1連結部材62の第1位置から第2位置への移動に伴って、各LEDユニット16が、自重により、下方に垂下するように右側面視時計回りに揺動される。
【0105】
そして、図4に示すように、フロントカバー7が開位置に配置されて、第1連結部材62が第2位置に配置されると、各LEDユニット16の支持軸106が、第1連結部材62によって、各LEDガイド溝57の下端部に保持され、各LEDユニット16は、退避位置に配置される。
【0106】
このとき、各LEDユニット16は、図6に示すように、プロセスユニット15に干渉しないように、プロセスユニット15の各LED挿入開口83から下側へ引き抜かれている。
【0107】
なお、フロントカバー7を開位置から閉位置に移動させると、第1連結部材62の第2位置から第1位置への移動に伴って、各LEDユニット16が、重力に抗して支持ボス56を支点として退避位置から近接位置に向かって右側面視反時計回りに揺動される。
7.プロセスカートリッジの本体ケーシングに対する着脱
プロセスカートリッジ19を本体ケーシング2に対して着脱するには、まず、フロントカバー7を開放して、本体ケーシング2からプロセスユニット15を引き出す。
【0108】
ここで、給紙トレイ8が本体ケーシング2に装着されているときには、給紙トレイ8の干渉部71が、フロントカバー7の開口43の上側周縁部に前方から対向されているため、ユーザーがフロントカバー7を閉位置から開位置へ移動させようとしても、フロントカバー7が干渉部71に干渉し、その移動が規制される。
【0109】
そこで、図5に示すように、まず、給紙トレイ8を前方に向かって引き出し、給紙トレイ8を本体ケーシング2から離脱させる。すると、プロセスユニット15の下方に、空間が形成される。
【0110】
次いで、本体ケーシング2からプロセスユニット15を引き出すには、図6に示すように、フロントカバー7を閉位置から開位置へ移動させ、本体開口部6を開放する。
【0111】
すると、上記したように、フロントカバー7の移動に連動して、LEDユニット16が、給紙トレイ8が本体ケーシング2から離脱されることによって形成される空間に退避されるように退避位置へ移動される。
【0112】
次いで、図7に示すように、本体ケーシング2から、本体開口部6を介して、プロセスユニット15を前方に引き出す。
【0113】
すると、第1ガイド溝52の後端部において、プロセスユニット15の後側ころ85が板ばね53から外れるとともに、第2ガイド溝54の後端部において、プロセスユニット15の前側ころ84が板ばね55から外れて、プロセスユニット15は、各感光ドラム20が中間転写ベルト30の下側部分から離間するように、下側へ移動される。
【0114】
その後、さらにプロセスユニット15を前方に引き出すと、プロセスユニット15は、第1ガイド溝52および第2ガイド溝54に案内されて、中間転写ベルト30の下側部分とわずかに間隔を隔てながら、本体ケーシング2から引き出される。
【0115】
そして、引き出されたプロセスユニット15に対してプロセスカートリッジ19を着脱する。詳しくは、プロセスユニット15に装着されているプロセスカートリッジ19をプロセスユニット15から離脱させるには、プロセスカートリッジ19を上側に引き抜く。また、プロセスカートリッジ19をプロセスユニット15に装着するには、プロセスカートリッジ19を、感光ドラム20の回転軸92の左右方向両端部がプロセスフレーム81のカートリッジガイド溝82の上側に配置されるように、プロセスフレーム81の上側に位置決めし、上側からプロセスフレーム81内に挿入する。
【0116】
なお、プロセスユニット15を本体ケーシング2内に装着するには、上記した引き出し動作と逆に操作する。
【0117】
具体的には、プロセスユニット15を、第1ガイド溝52および第2ガイド溝54に沿って本体ケーシング2内に挿入する。
【0118】
このとき、プロセスユニット15は、第1ガイド溝52および第2ガイド溝54に案内されて、中間転写ベルト30の下側部分とわずかに間隔を隔てながら挿入される。
【0119】
そして、第1ガイド溝52の後端部において、プロセスユニット15の後側ころ85が板ばね53に乗り上げるとともに、第2ガイド溝54の後端部において、プロセスユニット15の前側ころ84が板ばね55に乗り上げると、プロセスユニット15は、各感光ドラム20が中間転写ベルト30の下側部分に接触するように、上側へ移動される。
【0120】
これにより、プロセスユニット15は、板ばね53および板ばね55の付勢力により、常には、上側に向かって付勢されるように、本体ケーシング2に装着される。
【0121】
そして、フロントカバー7を開位置から閉位置へ移動させた後、フロントカバー7の開口43を介して、給紙トレイ8を本体ケーシング2に装着する。
8.作用効果
(1)このカラープリンタ1によれば、図6に示すように、LEDユニット16は、給紙トレイ8が本体ケーシング2から離脱されることにより形成される空間に、各感光ドラム20を保持するプロセスユニット15に干渉しないように退避される。
【0122】
そのため、別途、LEDユニット16を退避させるためのスペースを用意することなく、給紙トレイ8が本体ケーシング2から離脱されることにより形成される空間を利用して、LEDユニット16を各感光ドラム20から退避させることができる。
【0123】
その結果、カラープリンタ1を小型化することができ、ひいては、カラープリンタ1を載置するためのスペースの省スペース化を図ることができる。
(2)また、このカラープリンタ1によれば、図3および図4に示すように、本体ケーシング2は、フロントカバー7の閉位置から開位置への移動に連動して、各LEDユニット16を近接位置から退避位置へ移動させ、フロントカバー7の開位置から閉位置への移動に連動して、各LEDユニット16を退避位置から近接位置へ移動させる連動機構61を備えている。
【0124】
そのため、フロントカバー7を開位置へ移動させることにより、確実に、各LEDユニット16を各感光ドラム20から退避させることができる。
【0125】
その結果、プロセスユニット15を本体ケーシング2に対して移動させるときに、各LEDユニット16がプロセスユニット15と干渉することを、確実に、防止することができる。
【0126】
また、フロントカバー7を閉位置へ移動させることにより、各LEDユニット16を、確実に、近接位置に移動させることができる。
(3)また、このカラープリンタ1によれば、図1に示すように、給紙トレイ8は、本体ケーシング2に装着されているときに、フロントカバー7と干渉して、フロントカバー7の開位置への移動を規制する。
【0127】
そのため、給紙トレイ8が装着された状態で、各LEDユニット16が退避位置へ移動されることを防止することができる。
【0128】
その結果、各LEDユニット16と給紙トレイ8とが干渉されることを防止することができる。
(4)また、このカラープリンタ1によれば、図1に示すように、プロセスユニット15が装着位置に配置されている状態において、前後方向に投影したときに、ピックアップローラ10は、プロセスユニット15と重なるように配置されている。
【0129】
具体的には、給紙トレイ8の上側に配置されるピックアップローラ10が、プロセスユニット15の後側に配置されている。
【0130】
そのため、プロセスユニット15と給紙トレイ8とを上下方向に近接させることができ、カラープリンタ1を薄型化(上下方向に小型化)することができる。
9.第2実施形態
図8〜図12を参照して、本発明の第2実施形態について説明する。なお、第2実施形態において、第1実施形態と同様の部材には同様の符号を付し、その説明を省略する。
【0131】
上記した第1実施形態では、プロセスユニット15に、各感光ドラム20、各スコロトロン型帯電器21および各現像ユニット22を保持し、各LEDユニット16を、給紙トレイ8が本体ケーシング2から離脱されることによって形成される空間に退避させることにより、退避位置に退避させている。
【0132】
対して、第2実施形態では、図8に示すように、プロセスユニット15を、各感光ドラム20および各スコロトロン型帯電器21を保持する第1保持部材の一例としてのドラムドロワ121と、各現像ユニット22および各LEDユニット127を保持する第2保持部材の一例としての現像ドロワ122とに、分割するように構成する。
【0133】
そして、図11に示すように、現像ドロワ122を、給紙トレイ8が本体ケーシング2から離脱されることによって形成される空間に退避させることにより、退避位置に退避させる。
(1)プロセスユニット
(1−1)ドラムドロワ
ドラムドロワ121は、図8に示すように、上下に開放された略矩形枠形状のドラムドロワフレーム125を有し、そのドラムドロワフレーム125に、各感光ドラム20と各スコロトロン型帯電器21とを一体的に保持している。
【0134】
各感光ドラム20は、前後方向に互いに間隔を隔てて並列配置されている。具体的には、前側から後側に向かって、ブラック感光ドラム20K、イエロー感光ドラム20Y、マゼンタ感光ドラム20Mおよびシアン感光ドラム20Cが、順次配置されている。
【0135】
各スコロトロン型帯電器21は、第1実施形態と同様に、対応する感光ドラム20の後下側に、感光ドラム20と間隔を隔てて対向配置されている。
【0136】
また、ドラムドロワ121は、ブラック感光ドラム20Kの前側において、ベルトクリーニングローラ95を備えている。
【0137】
ベルトクリーニングローラ95は、中間転写ベルト30の下側部分に下側から接触されるように、ドラムドロワフレーム125に回転可能に支持されている。
【0138】
また、ドラムドロワ121は、ドラムドロワフレーム125の左右両側壁の前端部外側に回転可能に設けられる前側ころ84と、ドラムドロワフレーム125の左右両側壁の後端部外側に回転可能に設けられる後側ころ85とを備えている。
(1−2)現像ドロワ
現像ドロワ122は、有底略矩形枠形状の現像ドロワフレーム126を有し、その現像ドロワフレーム126に、各現像ユニット22および各LEDユニット127を一体的に保持している。
【0139】
また、現像ドロワ122は、内側ケーシング42の現像ドロワ支持部124(後述)内において、感光ドラム20から下側に退避する退避位置(図11参照)と、各現像ローラ23を各感光ドラム20に下側から接触させるように、感光ドラム20に近接する近接位置(図8参照)とに移動可能に支持されている。
【0140】
各現像ユニット22は、第1実施形態と同様に、対応する感光ドラム20の前下側に配置されるように、前後方向に互いに間隔を隔てて並列配置されている。具体的には、前側から後側に向かって、ブラック現像ユニット22K、イエロー現像ユニット22Y、マゼンタ現像ユニット22Mおよびシアン現像ユニット22Cが、順次配置されている。また、各現像ユニット22は、現像ドロワフレーム126の図示しないガイド溝にガイドされ、現像ドロワフレーム126に対して上下方向に着脱可能に設けられている(図12参照)。
【0141】
また、ブラック現像ユニット22Kには、その前側において、廃トナー収容部94、掻き取りローラ96および掻き取りブレード98が一体的に設けられている。
【0142】
廃トナー収容部94は、上端部に開口97を有する略ボックス形状に形成されている。
【0143】
掻き取りローラ96は、廃トナー収容部94の開口97の上側において、開口97に対向配置されている。また、掻き取りローラ96は、ドラムドロワ121のベルトクリーニングローラ95に下側から接触されている。
【0144】
掻き取りブレード98は、前後方向に延びる略平板形状に形成され、その後端部(遊端部)が掻き取りローラ96に下側から接触されるように、その前端部(基端部)が、開口97の前側周縁部において、廃トナー収容部94に固定されている。
【0145】
これにより、廃トナー収容部94、掻き取りローラ96および掻き取りブレード98は、ベルトクリーニングローラ95とともにクリーニングユニットの一例としてのベルトクリーニングユニット93を構成している。
【0146】
そして、ベルトクリーニングユニット93は、中間転写ベルト30の表面に残存したトナーなどを、ベルトクリーニングローラ95によってクリーニングする。ベルトクリーニングローラ95に保持されたトナーは、一旦掻き取りローラ96に保持された後、掻き取りブレード98で掻き取られることにより、廃トナー収容部94内に収容される。
【0147】
各LEDユニット127は、支持アーム101を有さず、支持軸106の代わりに略角柱形状の支持ビーム128を備える以外は、第1実施形態のLEDユニット16と同様に構成されており、対応する現像ユニット22の後側において、現像ドロワ122の現像ドロワフレーム126に固定されている。
【0148】
つまり、各LEDユニット127は、LEDアレイ102と、LEDアレイ支持部材104とを備え、各LEDユニット127は、LEDアレイ支持部材104の支持ビーム128の左右両端部において、LEDアレイ102が上側に向かって露光するように、現像ドロワ122の現像ドロワフレーム126に固定されている。
【0149】
また、現像ドロワ122は、現像ドロワフレーム126の左右両側壁の前端部外側に回転可能に設けられる前側ころ841と、現像ドロワフレーム126の左右両側壁の後端部外側に回転可能に設けられる後側ころ851とを備えている。
(2)本体ケーシング
図9に示すように、本体ケーシング2の内側ケーシング42には、ベルト収容部44の下側において、ドラムドロワ121を支持するドラムドロワ支持部123、現像ドロワ122を支持する現像ドロワ支持部124が設けられている。
(2−1)ドラムドロワ支持部
ドラムドロワ支持部123は、第1実施形態のプロセス支持部45と同様に形成されている。
【0150】
つまり、ドラムドロワ支持部123は、内側ケーシング42の上下方向略中央において、ベルト収容部44の下側に連続して設けられている。また、ドラムドロワ支持部123には、その左右両側壁にそれぞれ、ドラムドロワ121の後端部(後側ころ85)を案内する第1ガイド溝52と、ドラムドロワ121の前端部(前側ころ84)を案内する第2ガイド溝54とが形成されている。
(2−2)現像ドロワ支持部
現像ドロワ支持部124は、内側ケーシング42の下端部において、ドラムドロワ支持部123の下側に連続して設けられている。現像ドロワ支持部124内には、フロントカバー7と現像ドロワ122とを連動させる左右1対の連動機構131が設けられている。また、現像ドロワ支持部124には、その左右両側壁にそれぞれ、連動機構131の支持部材132を案内する前後1対の支持部材ガイド溝134が形成されている。
【0151】
各連動機構131は、現像ドロワ122を前後方向にスライド可能に支持する支持部材132と、支持部材132とフロントカバー7とを連結する連結部材133とを備えている。
【0152】
支持部材132は、前後方向に延び、現像ドロワ122の前後方向長さよりも長い前後方向長さを有する略平板形状に形成されている。支持部材132には、現像ドロワ122の前側ころ841および後側ころ851を案内する第3ガイド溝130と、支持部材ガイド溝134に嵌合される前後1対のガイドボス135とが形成されている。
【0153】
第3ガイド溝130は、前側ころ841および後側ころ851を受け入れ可能な溝幅(上下方向長さ)で、支持部材132の前後方向ほぼ全幅にわたって、前後方向に延びる略直線形状に形成されている。
【0154】
両ガイドボス135は、支持部材132の左右方向外面から左右方向外側へ延びる略円柱形状に形成されており、支持部材132の前端部と後端部とに1つずつ設けられている。
【0155】
連結部材133は、第1実施形態の第2連結部材63と同様に構成されている。つまり、連結部材133は、前後方向に延びる略杆形状に形成され、前端部において、フロントカバー7に揺動可能に連結されている。また、連結部材133の後端部には、支持部材132の前側のガイドボス135に連結される連結穴67が形成されている。
【0156】
両支持部材ガイド溝134は、現像ドロワ支持部124の左右方向内面から左右方向外側へ切り欠かれる凹溝であり、前下側と後上側とを結ぶ方向に延びる側面視略クランク形状に形成されている。両支持部材ガイド溝134は、支持部材132の両ガイドボス135を受け入れ可能な溝幅に形成されている。
【0157】
また、両支持部材ガイド溝134は、現像ドロワ122のドラムドロワフレーム125から上側に突出する現像ユニット22の突出長さより長い上下方向長さに形成されている。また、左右方向に投影したときに、両支持部材ガイド溝134の下端縁は、給紙トレイ8の直上(上側近傍)に配置され(図8参照)、両支持部材ガイド溝134の上端縁は、ドラムドロワ121の下側に配置されている(図12参照)。また、後側の支持部材ガイド溝134の上端部は、左右方向に投影したときに、ピックアップローラ10と重なっている。
【0158】
そして、支持部材132は、前側のガイドボス135が、連結部材133の連結穴67を貫通して、前側の支持部材ガイド溝134に嵌合されるとともに、後側のガイドボス66が、後側の支持部材ガイド溝134に嵌合されることにより、連結部材133を介してフロントカバー7に連結されるとともに、現像ドロワ支持部124の側壁に支持されている。
【0159】
フロントカバー7が閉位置に配置されているときには、支持部材132は、前後両ガイドボス135が対応する支持部材ガイド溝134の後上側端部に嵌合される第1位置(図9参照)に配置されている。
【0160】
そして、フロントカバー7を閉位置から開位置へ移動させると、支持部材132は、連結部材133によって前下側へ引っ張られて、各ガイドボス135において各支持部材ガイド溝134に案内されながら前下側へスライドされる。
【0161】
そして、フロントカバー7が開位置に配置されると、支持部材132は、前後両ガイドボス135が対応する支持部材ガイド溝134の前下側端部に嵌合される第2位置(図10参照)に配置される。
【0162】
なお、フロントカバー7を開位置から閉位置へ移動させると、支持部材132は、連結部材133によって後上側へ押圧されて、各ガイドボス135において各支持部材ガイド溝134に案内されながら後上側へスライドされ、第2位置から第1位置へ移動される。
(3)フロントカバーと現像ドロワとの連動
現像ドロワ122は、図11および図12に示すように、その前側ころ841および後側ころ851が支持部材132の第3ガイド溝130に回転可能に内嵌されることにより、支持部材132に前後方向にスライド可能に支持されている。
【0163】
そして、図8および図9に示すように、フロントカバー7が閉位置に配置され、支持部材132が第1位置に配置されているときには、現像ドロワ122は、近接位置に保持されている。
【0164】
このとき、各現像ローラ23は、対応する感光ドラム20に前下側から接触されている。また、各LEDユニット127は、そのLED位置決め部材105において、対応する感光ドラム20に前下側から当接されている。これにより、各LEDユニット127のLEDアレイ102は、感光ドラム20に対して、所定の間隔を隔てて露光可能に対向配置されている。
【0165】
そして、図10および図11に示すように、フロントカバー7を閉位置から開位置に移動させると、支持部材132が第1位置から第2位置へ移動され、現像ドロワ122が退避位置に配置される。
【0166】
このとき、各現像ユニット22および各LEDユニット127は、ドラムドロワ121に干渉しないように、ドラムドロワ121から下側へ引き抜かれている(図11参照)。
【0167】
なお、フロントカバー7を開位置から閉位置に移動させると、支持部材132が第2位置から第1位置へ移動され、現像ドロワ122が近接位置へ配置される。このとき、現像ドロワ122の後端部は、ピックアップローラ10の前側に設けられるストッパ120に当接され、位置決めされる(図8参照)。
(4)ドラムドロワおよび現像ユニットの着脱
ドラムドロワ121および現像ユニット22を本体ケーシング2に対して着脱するには、まず、給紙トレイ8を、前方に向かって引き出して本体ケーシング2から離脱させた後、フロントカバー7を閉位置から開位置へ移動させて、本体開口部6を開放する。
【0168】
すると、上記したように、フロントカバー7の移動に連動して、現像ドロワ122が、給紙トレイ8が本体ケーシング2から離脱されることによって形成される空間に退避されるように、退避位置へ移動される。
【0169】
次いで、ドラムドロワ121を本体ケーシング2から離脱させるには、図13に示すように、本体ケーシング2から、本体開口部6を介して、ドラムドロワ121を前方に引き出す。
【0170】
すると、第1ガイド溝52の後端部において、ドラムドロワ121の後側ころ85が板ばね53から外れるとともに、第2ガイド溝54の後端部において、ドラムドロワ121の前側ころ84が板ばね55から外れて、ドラムドロワ121は、各感光ドラム20が中間転写ベルト30の下側部分から離間するように、下側へ移動される。
【0171】
その後、さらにドラムドロワ121を前方に引き出すと、ドラムドロワ121は、第1ガイド溝52および第2ガイド溝54に案内されて、中間転写ベルト30の下側部分とわずかに間隔を隔てながら、引き出され、本体ケーシング2から離脱される。
【0172】
また、現像ユニット22を本体ケーシング2に対して着脱するには、図12に示すように、本体ケーシング2から、本体開口部6を介して、現像ドロワ122を前方に引き出す。
【0173】
そして、引き出された現像ドロワ122に対して各現像ユニット22を着脱する。詳しくは、現像ユニット22を現像ドロワ122から離脱させるには、現像ユニット22を上側に引き抜く。また、現像ユニット22を現像ドロワ122に装着するには、現像ユニット22を、所定の位置に位置決めし、上側から現像ドロワ122の現像ドロワフレーム126内に挿入する。
【0174】
なお、ドラムドロワ121および現像ドロワ122を本体ケーシング2内に装着するには、上記した引き出し動作と逆に操作する。
【0175】
具体的には、ドラムドロワ121を本体ケーシング2内に装着するには、ドラムドロワ121を、第1ガイド溝52および第2ガイド溝54に沿って本体ケーシング2内に挿入する。
【0176】
このとき、ドラムドロワ121は、第1ガイド溝52および第2ガイド溝54に案内されて、中間転写ベルト30の下側部分とわずかに間隔を隔てながら挿入される。
【0177】
そして、第1ガイド溝52の後端部において、ドラムドロワ121の後側ころ85が板ばね53に乗り上げるとともに、第2ガイド溝54の後端部において、ドラムドロワ121の前側ころ84が板ばね55に乗り上げると、ドラムドロワ121は、各感光ドラム20が中間転写ベルト30の下側部分に接触するように、上側へ移動される。
【0178】
これにより、ドラムドロワ121は、板ばね53および板ばね55の付勢力により、常には、上側に向かって付勢されるように、本体ケーシング2に装着される。
【0179】
また、現像ドロワ122を本体ケーシング2内に装着するには、まず、現像ドロワ122を、両支持部材132の第3ガイド溝130に沿って本体ケーシング2内に挿入し、その後、フロントカバー7を開位置から閉位置へ移動させて、上記したように、現像ドロワ122を近接位置へ移動させる。
【0180】
そして、フロントカバー7を閉位置へ配置した後、フロントカバー7の開口43を介して、給紙トレイ8を本体ケーシング2に装着する。
(5)第2実施形態の作用効果
第2実施形態のカラープリンタ1においても、第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0181】
また、第2実施形態のカラープリンタ1によれば、図8に示すように、各現像ユニット22および各LEDユニット127を保持し、感光ドラム20に近接される近接位置と、感光ドラム20から退避される退避位置とに移動可能な現像ドロワ122を備えている。
【0182】
そのため、交換頻度の高い各現像ユニット22を、感光ドラム20と別に交換することができ、効率よく、各現像ユニット22の交換作業を実施することができる。
【0183】
また、第2実施形態のカラープリンタ1によれば、図8に示すように、中間転写ベルト30に対して感光ドラム20と同じ方向(下側)から対向され、中間転写ベルト30をクリーニングするベルトクリーニングユニット93を備えている。
【0184】
そのため、ベルトクリーニングユニット93を、中間転写ベルト30に対して感光ドラム20と反対の方向(上側)から対向するように、配置した場合と比べて、上下方向(中間転写ベルト30と各感光ドラム20との対向方向)に、カラープリンタ1を小型化することができる。
【0185】
また、第2実施形態のカラープリンタ1によれば、図8に示すように、現像ドロワ122に廃トナーを収容する廃トナー収容部94が設けられている。
【0186】
そのため、交換頻度の高い現像ドロワ122とともに、効率よく、廃トナー収容部94を交換することができる。
【符号の説明】
【0187】
1 カラープリンタ
2 本体ケーシング
6 本体開口部
7 フロントカバー
8 給紙トレイ
10 ピックアップローラ
15 プロセスユニット
16 LEDユニット
20 感光ドラム
30 中間転写ベルト
61 連動機構
93 ベルトクリーニングユニット
94 廃トナー収容部
121 ドラムドロワ
122 現像ドロワ
127 LEDユニット
131 連動機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体と、
互いに間隔を隔てて並列配置される複数の感光体を保持し、前記装置本体内に装着される装着位置と、前記装置本体から引き出される引出位置とに移動可能な第1保持部材と、
前記第1保持部材の上方において、各前記感光体に対向配置されるエンドレスベルトと、
前記エンドレスベルトの下方に設けられ、前記感光体を露光するように前記感光体に近接される近接位置と、前記感光体から退避される退避位置とに移動可能な複数の露光ユニットと
前記第1保持部材の下方において前記第1保持部材に対向するように前記装置本体に着脱可能に設けられ、現像剤像が転写される被転写部材を供給する供給トレイと
を備え、
前記露光ユニットは、前記供給トレイが前記装置本体から離脱されることにより形成される空間に、前記第1保持部材に干渉しないように退避されることを特徴とする、画像形成装置。
【請求項2】
前記装置本体には、前記第1保持部材を通過させる本体開口部が形成されており、
前記装置本体は、
前記本体開口部を開放する開位置と、前記本体開口部を閉鎖する閉位置とに移動可能なカバー部材と、
前記カバー部材の前記閉位置から前記開位置への移動に連動して、各前記露光ユニットを前記近接位置から前記退避位置へ移動させ、前記カバー部材の前記開位置から前記閉位置への移動に連動して、各前記露光ユニットを前記退避位置から前記近接位置へ移動させる連動機構と
を備えていることを特徴とする、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記供給トレイは、前記装置本体に装着されているときに、前記カバー部材と干渉して、前記カバー部材の前記開位置への移動を規制することを特徴とする、請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
各前記感光体に対向される複数の現像剤担持体を保持し、前記感光体に近接される近接位置と、前記感光体から退避される退避位置とに移動可能な第2保持部材を備え、
前記露光ユニットは、前記第2保持部材に設けられていることを特徴とする、請求項1ないし3のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記エンドレスベルトに対して前記感光体と同じ方向から対向され、前記エンドレスベルトをクリーニングするクリーニングユニットを備えていることを特徴とする、請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記クリーニングユニットは、廃トナーを収容する廃トナー収容部を備え、
前記廃トナー収容部は、前記第2保持部材に設けられていることを特徴とする、請求項4または5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記供給トレイ上の前記被転写部材を供給する供給部材を備え、
前記供給部材は、前記第1保持部材が前記装着位置に配置されている状態において、前記第1保持部材のスライド方向に投影したときに、前記第1保持部材と重なるように配置されていることを特徴とする、請求項1ないし3のいずれか一項に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−168273(P2012−168273A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−27518(P2011−27518)
【出願日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】