説明

画像形成装置

【課題】本発明は、封筒のフラップとプリントヘッドとの干渉を防止し、封筒の搬送不良、封筒の損傷、印刷品質の劣化を生じることがなく、1つの画像を封筒の本体裏面及びフラップ表面に印刷することができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置1において、封筒の本体裏面及びフラップ表面に印刷する裏面画像の画像情報を格納する画像情報格納部81と、格納された画像情報に基づきフラップを本体裏面側に折り返し閉じた状態において裏面画像となる、封筒の本体裏面に印刷される第1の印刷情報及びフラップ表面に印刷される第2の印刷情報を生成する画像情報展開部812と、第1の印刷情報に基づき封筒の本体裏面に裏面画像の一部を印刷し、第2の印刷情報に基づきフラップ表面に裏面画像の他の一部を印刷する印刷部6とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関し、特に、封筒に印刷を行うことができる画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
低価格で高速カラー印刷が可能なインクジェットプリンタの普及が目覚ましい。インクジェットプリンタは、パーソナルコンピュータ等の端末に接続され、この端末において製作された文字、イラスト、記号等の画像情報を取り込み、用紙に印刷を行う。また、スキャナやファクシミリと一体化された複合型のインクジェットプリンタにおいては、スキャナユニットから取り込んだ画像情報の印刷を行うことができ、或いはファクシミリにより転送された画像情報の印刷を行うことができる。
【0003】
インクジェットプリンタにおいては、普通紙、フォト紙、インクジェット用紙、光沢紙、OHPフィルム等の記録媒体が印刷に使用されている。家庭用には、一般的にはがきサイズからA4版サイズまでの記録媒体に印刷を行うインクジェットプリンタが使用されている。また、オフィス用には、例えばはがきサイズからA3版サイズまでの記録媒体に印刷を行うインクジェットプリンタが使用されている。
【0004】
インクジェットプリンタの印刷速度、印刷品質等の性能の向上に伴い、インクジェットプリンタを用いて広告や宣伝に使用する大量の封筒(状袋)を印刷する要求が高まりつつある。通常、インクジェットプリンタの印刷には1枚の記録媒体が使用されている。従って、インクジェットプリンタの印刷部において搬送される記録媒体とプリントヘッドとのヘッドギャップを容易に調整することができ、双方の干渉を避けることができるので、記録媒体の搬送不良(例えばジャム)、記録媒体の損傷(例えば捲れ)、印刷品質の劣化(例えば汚れ)等の不具合を回避しつつ印刷を行うことができる。
【0005】
しかしながら、封筒の厚さは部分的に異なり、ヘッドギャップを均等に確保することが難しく、封筒とプリントヘッドとの干渉が生じ易いので、封筒の印刷は難しい。封筒は、手紙、文章等を内包し、用紙を折り重ねて作成された方形形状を有し、この方形形状の3辺が封じられた本体(封筒本体)と、本体の残りの1辺に作成され手紙等を内包した後に折り返して綴じるフラップ(折り返し蓋)とを有する。このため、本体は、用紙を2枚に折り重ねた部分と、更に糊付けされた3枚の用紙を重ねた部分とを有し、本体の厚さは厚い。仮に、内包していなくても厚さに違いがある。また、フラップは折り返していない場合(フラップを開いた場合)には1枚の用紙であり、フラップの厚さは薄い。ところが、フラップを折り返した場合(フラップを閉じた場合)には3枚の用紙を重ねた状態になり、フラップの厚さは厚くなる。また、封筒において、本体内部に内袋を有する場合には、更に用紙の重ね枚数が増える。インクジェットプリンタにおいて、封筒の本体表面には宛先の住所、会社名、氏名等が印刷され、本体裏面には送付元の住所、会社名、氏名等が印刷される。
【0006】
下記特許文献1には、電子写真装置において、封筒の本体裏面に住所等を印字する場合、フラップを開いて印字を行い、後にフラップを綴じると、印字の一部がフラップによって隠れてしまうので、フラップを綴じて印字を行う技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平5−94067号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、前述の特許文献1に開示された電子写真装置においては、以下の点について配慮がなされていなかった。封筒の本体裏面にフラップを折り返し綴じた状態にしても、本体裏面とフラップとは糊付けされてないので、本体裏面からフラップの折り返した先端が浮いた状態になり易い。このため、印字する際にフラップとプリントヘッドとが干渉し易く、封筒の搬送不良、封筒の損傷、印刷品質の劣化が生じ易かった。
【0009】
封筒のフラップとプリントヘッドとの干渉を避けるためには、フラップを開いた状態において封筒の本体裏面及びフラップ表面に印刷を行う必要がある。印刷後にフラップを綴じた状態において、封筒の本体裏面に印刷された画像と綴じられたフラップ表面に印刷された画像とは予め作成した1つの画像として印刷される必要がある。
【0010】
本発明は上記課題を解決するためになされたものである。従って、本発明は、封筒のフラップとプリントヘッドとの干渉を防止し、封筒の搬送不良、封筒の損傷、印刷品質の劣化を生じることがなく、1つの画像を封筒の本体裏面及びフラップ表面に印刷することができる画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明に係る第1の特徴は、画像形成装置において、封筒の本体裏面及びフラップ表面に印刷する裏面画像の画像情報を格納する画像情報格納部と、画像情報格納部に格納された画像情報に基づき、フラップを本体裏面側に折り返し閉じた状態において裏面画像となる、封筒の本体裏面に印刷される第1の印刷情報及びフラップ表面に印刷される第2の印刷情報を生成する画像情報展開部と、画像情報展開部において生成された第1の印刷情報に基づき封筒の本体裏面に裏面画像の一部を印刷し、第2の印刷情報に基づきフラップ表面に裏面画像の他の一部を印刷する印刷部とを備える。
【0012】
本発明の第2の特徴は、第1の特徴に係る画像形成装置において、画像情報展開部は、印刷部において印刷される裏面画像の一部に対して、裏面画像の他の一部を90度、180度又は270度回転させた第2の印刷情報を生成することである。
【0013】
本発明の第3の特徴は、第1の特徴又は第2の特徴に係る画像形成装置において、画像情報展開部は、フラップ表面の周辺領域において画像情報の一部を削除し、この削除された領域に余白を設定した第2の印刷情報を生成することである。
【0014】
本発明の第4の特徴は、第1の特徴又は第2の特徴に係る画像形成装置において、画像情報展開部は、フラップ表面の周辺領域側から封筒の本体とフラップとの間の折り返し領域側に向かって裏面画像の他の一部を移動し、この移動によってフラップ表面の周辺領域に余白を設定した第2の印刷情報を生成することである。
【0015】
本発明の第5の特徴は、第1の特徴又は第2の特徴に係る画像形成装置において、画像情報展開部は、フラップ表面の周辺領域において画像情報の一部の間引きを行い第2の印刷情報を生成することである。
【0016】
本発明の第6の特徴は、第1の特徴又は第2の特徴に係る画像形成装置において、印刷部は、インクジェット型プリントヘッドを有し、このプリントヘッドのインク吐出ノズルから吐出されるインクを用いて裏面画像の一部及び裏面画像の他の一部を印刷し、画像情報展開部は、フラップ表面の周辺領域の画像情報の一部においてインク吐出ノズルから吐出されるインクドロップ数の間引きを行う第2の印刷情報を生成することである。
【0017】
本発明の第7の特徴は、第1の特徴に係る画像形成装置において、封筒の本体及びフラップの形状情報を格納する封筒形状情報格納部と、封筒の本体及びフラップの形状を検出し、封筒形状情報格納部に格納された形状情報に照合し、検出された形状から格納された形状情報を確定する封筒形状確定手段とを備え、画像情報展開部は、封筒形状確定手段に基づき確定された形状情報のフラップの形状情報に対応した第2の印刷情報を生成することである。
【0018】
本発明の第8の特徴は、第7の特徴に係る画像形成装置において、封筒を給紙する給紙部と、封筒を排紙する排紙部と、給紙部から給紙される封筒を印刷部を通して排紙部まで搬送する搬送手段とを備え、搬送手段を用いて通紙される封筒の本体及びフラップの形状を検出し、この検出結果に基づき本体及びフラップの形状情報を取得する封筒形状情報格納部に格納する封筒形状情報取得部を更に備えたことである。
【0019】
本発明の第9の特徴は、第1の特徴に係る画像形成装置において、インクジェット型プリントヘッドを有し、このプリントヘッドのインク吐出ノズルから吐出されるインクを用いて裏面画像の一部及び裏面画像の他の一部を印刷する印刷部と、印刷部において封筒の本体とプリントヘッドとのヘッドギャップに対して、フラップとプリントヘッドとのヘッドギャップを狭く調整するヘッドギャップ調整部を備えたことである。
【0020】
本発明の第10の特徴は、第1の特徴に係る画像形成装置において、インクジェット型プリントヘッドを有し、このプリントヘッドのインク吐出ノズルから吐出されるインクを用いて裏面画像の一部及び裏面画像の他の一部を印刷する印刷部と、プリントヘッドのインク吐出ノズルから封筒の本体にインクを吐出すタイミングに対して、インク吐出ノズルからフラップにインクを吐出するタイミングを速く調整するインク吐出タイミング調整部とを備えたことである。
【発明の効果】
【0021】
本発明の第1の特徴に係る画像形成装置によれば、画像情報格納部に格納された裏面画像の画像情報を画像情報展開部において第1の印刷情報及び第2の印刷情報に分割し、印刷部において本体裏面に第1の印刷情報に基づき裏面画像の一部を印刷し、フラップ表面に第2の印刷情報に基づき裏面画像の他の一部を印刷することができる。これらの印刷はフラップを開いた状態において行うことができ、印刷後のフラップを折り返し綴じた状態においては1つの裏面画像を構築する。従って、本体とフラップとに跨る画像の印刷のときのフラップとプリントヘッドとの干渉を防止することができるので、封筒の搬送不良、封筒の損傷、印刷品質の劣化を防止することができる。
【0022】
本発明の第2の特徴に係る画像形成装置によれば、第1の特徴に係る画像形成装置により得られる効果に加えて、画像情報展開部において裏面画像の他の一部に相当する画像情報の回転処理を実行するだけなので、画像情報の情報量が少なく、第2の印刷情報の生成速度の高速化を図ることができる。また、画像情報の情報量が少ないので、画像情報展開部の記憶容量の小型化を図ることができる。
【0023】
本発明の第3の特徴に係る画像形成装置によれば、第1の特徴又は第2の特徴に係る画像形成装置により得られる効果に加えて、画像情報展開部は、フラップ表面の周辺領域に画像情報の一部を削除することよって余白を設定し、フラップ表面の周辺領域に印刷される裏面画像量を減少することができる。特に、画像形成装置がインクジェットプリンタである場合、封筒のフラップは印刷のときに搬送方向先端、搬送方向後端又は搬送方向側端に位置し、搬送に伴う空気の流れに伴い、プリントヘッドから吐出されるインク滴の軌跡に変化を生じ易い、或いはインクミストが生じ易いフラップ表面の周辺領域の印刷を行わないので、フラップのインク滴やインクミストに起因する汚染を防止することができ、印刷品質を向上することができる。
【0024】
本発明の第4の特徴に係る画像形成装置によれば、第1の特徴又は第2の特徴に係る画像形成装置により得られる効果に加えて、画像情報展開部は、フラップ表面の周辺領域に裏面画像の他の一部を移動することによって余白を設定し、フラップ表面の周辺領域に印刷される裏面画像量を減少することができる。特に、画像形成装置がインクジェットプリンタである場合、封筒のフラップは印刷のときに搬送方向先端、搬送方向後端又は搬送方向側端に位置し、搬送に伴う空気の流れに伴い、プリントヘッドから吐出されるインク滴の軌跡に変化を生じ易い、或いはインクミストが生じ易いフラップ表面の周辺領域の印刷を行わないので、フラップのインク滴やインクミストに起因する汚染を防止することができ、印刷品質を向上することができる。
【0025】
本発明の第5の特徴に係る画像形成装置によれば、第1の特徴又は第2の特徴に係る画像形成装置により得られる効果に加えて、画像情報展開部は、フラップ表面の周辺領域に画像情報の一部の間引きを行うことによって、フラップ表面の周辺領域に印刷される裏面画像量を減少することができる。特に、画像形成装置がインクジェットプリンタである場合、封筒のフラップは印刷のときに搬送方向先端、搬送方向後端又は搬送方向側端に位置し、搬送に伴う空気の流れに伴い、プリントヘッドから吐出されるインク滴の軌跡に変化を生じ易い、或いはインクミストが生じ易いフラップ表面の周辺領域のインク吐出量を減少することができるので、フラップのインク滴やインクミストに起因する汚染を防止することができ、印刷品質を向上することができる。
【0026】
本発明の第6の特徴に係る画像形成装置によれば、第1の特徴又は第2の特徴に係る画像形成装置により得られる効果に加えて、画像情報展開部は、フラップ表面の周辺領域に印刷するときのプリントヘッドのインク吐出ノズルから吐き出されるインクドロップ数を間引いて(減少して)第2の印刷情報を生成しているので、軌跡に変化を生じ易いインク滴の発生要因そのもの、インクミストの発生要因そのものを減少することができる。封筒のフラップは印刷のときに搬送方向先端、搬送方向後端又は搬送方向側端に位置し、搬送に伴う空気の流れに伴い、プリントヘッドから吐出されるインク滴の軌跡に変化を生じ易く、或いはインクミストが生じ易いが、この発生要因そのものを減少することができるので、フラップのインク滴やインクミストに起因する汚染を防止することができ、印刷品質を向上することができる。
【0027】
本発明の第7の特徴に係る画像形成装置によれば、第1の特徴に係る画像形成装置により得られる効果に加えて、封筒形状確定手段を用い、封筒の本体及びフラップの形状の検出及び封筒形状情報格納部に格納された形状情報の照合を行い、封筒の本体及びフラップの形状情報を確定することができるので、裏面画像を本体に印刷する第1の印刷情報とフラップに印刷する第2の印刷情報とに分割することができる。
【0028】
本発明の第8の特徴に係る画像形成装置によれば、第7の特徴に係る画像形成装置により得られる効果に加えて、封筒形状情報取得部を用いて、通紙した封筒の本体及びフラップの形状を検出し、この検出結果に基づき本体及びフラップの形状情報を取得し、封筒形状確定手段を用い、取得した形状情報に基づき封筒の本体及びフラップの形状情報を確定し、裏面画像を本体に印刷する第1の印刷情報とフラップに印刷する第2の印刷情報とに分割することができる。
【0029】
本発明の第9の特徴に係る画像形成装置によれば、第1の特徴に係る画像形成装置により得られる効果に加えて、ヘッドギャップ調整部を用いて、封筒の本体とプリントヘッドとのヘッドギャップとフラップとプリントヘッドとのヘッドギャップとを均一化し、双方の印刷のときのインク滴の飛距離を均一することができるので、印刷品質を向上することができる。また、インク吐出ノズルから本体に付着されるインク滴の到達時間とフラップに付着されるインク滴の到達時間とを均一することができるので、本体に印刷される裏面画像の一部とフラップに印刷される裏面画像の他の一部との印刷品質を均一化し、双方の境界における画像移り目(画質が変化したと認識できるような境界領域)を目立たないようにすることができ、1つの裏面画像として遜色のない印刷品質を得ることができる。
【0030】
本発明の第10の特徴に係る画像形成装置によれば、第1の特徴に係る画像形成装置により得られる効果に加えて、インク吐出タイミング調整部を用いて、インク吐出ノズルからフラップにインクを吐出するタイミングを速く調整することにより、本体に印刷される裏面画像の一部とフラップに印刷される裏面画像の他の一部との印刷品質を均一化し、双方の境界における画像移り目を目立たないようにすることができ、1つの裏面画像として遜色のない印刷品質を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の実施例1に係る画像形成装置の概略構成図である。
【図2】(A)は実施例1に係る画像形成装置を用いて印刷を行う長形封筒の表面図、(B)は長形封筒の裏面図である。
【図3】(A)は実施例1に係る画像形成装置を用いて印刷を行う角形封筒の表面図、(B)は角形封筒の裏面図である。
【図4】(A)は実施例1に係る画像形成装置を用いて印刷を行う洋形封筒の表面図、(B)は洋形封筒の裏面図である。
【図5】実施例1に係る画像形成装置のシステム構成図である。
【図6】(A)は実施例1に係る画像形成装置を用いて印刷を行う封筒の拡大表面図、(B)は封筒の拡大裏面図である。
【図7】(A)は実施例1に係る画像形成装置において余白の形成方法を説明するための封筒の拡大表面図、(B)は封筒の拡大裏面図である。
【図8】(A)は実施例1に係る画像形成装置において余白の他の形成方法を説明するための封筒の拡大表面図、(B)は封筒の拡大裏面図である。
【図9】(A)は実施例1に係る画像形成装置において記録媒体の模式的な断面図、(B)は媒体サイズ検出部において記録媒体のサイズの検出結果を示す図である。
【図10】(A)は実施例1に係る画像形成装置において封筒の模式的な断面図、(B)は媒体厚検出部において封筒の厚さの検出結果を示す図である。
【図11】(A)は実施例1に係る画像形成装置において封筒の模式的な断面図、(B)は封筒形状検出部において封筒の形状の検出結果を示す図である。
【図12】実施例1に係る画像形成装置の封筒印刷方法を説明するフローチャートである。
【図13】図12に示すフローチャートの続きのフローチャートである。
【図14】実施例1の変形例1に係る画像形成装置において画像の間引き方法を説明するための封筒の拡大表面図である。
【図15】実施例1の変形例2に係る画像形成装置において画像の間引き方法を説明するための封筒の拡大表面図である。
【図16】本発明の実施例2に係る画像形成装置のシステム構成図である。
【図17】(A)は実施例2に係る画像形成装置において封筒の模式的な断面図、(B)はインク吐出タイミング調整部のインク吐出タイミングを示すタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0032】
次に、図面を参照して、本発明の実施例を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、現実のものとは異なる。
【0033】
また、以下に示す実施例はこの発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、この発明の技術的思想は各構成部品の配置等を下記のものに特定するものでない。この発明の技術的思想は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
【0034】
(実施例1)
本発明の実施例1は、画像形成装置としてインクジェットプリンタに本発明を適用した例を説明するものである。インクジェットプリンタは、ここではシアンインク、マゼンダインク、イエローインク、ブラックインクを用いてプリントを行うカラーインクジェットプリンタである。なお、本発明は、必ずしもカラーインクジェットプリンタにのみ適用されるのではなく、グレースケールを含むモノクロインクジェットプリンタにも適用可能である。
【0035】
[画像形成装置の構成]
図1に示すように、実施例1に係る画像形成装置1は、記録媒体100を供給する給紙部2と、給紙部2から供給された記録媒体100の搬送を行う搬送手段3と、搬送手段3により搬送が行われた記録媒体100に印刷を行う印刷部6と、印刷が行われた記録媒体100を排出する排紙部4及び5と、これらの各ユニットの動作の制御を司る制御部8とを備えている。
【0036】
給紙部2は、この配設個数や形態に限定されるものではないが、給紙トレイ21〜24を備えている。給紙トレイ21は、画像形成装置1の符号を付けていない筐体の左側側面にこの筐体から外側に突出し、着脱自在に配設されている。給紙トレイ22〜24は、筐体内部に積層した状態において配設されている。これらの給紙トレイ21〜24には未印刷(印刷前)の記録媒体100が格納されている。
【0037】
排紙部4は筐体の左側側面にこの筐体から外側に突出して配設された排紙トレイを備えている。この排紙部4は、フェイスアップ排紙部であって、印刷面を上向きにした状態において印刷済み(印刷後)の記録媒体100を収納する。また、排紙部5は、画像形成装置1の筐体の左側上部にこの筐体から外側に突出して配設された排紙トレイを備えている。排紙部5は、フェイスダウン排紙部であって、印刷面を下向きにした状態において印刷済み(印刷後)の記録媒体100を収納する。
【0038】
ここで、記録媒体100には、普通紙、フォト紙、インクジェット用紙、光沢紙、OHPフィルム等の記録媒体が一般的に使用される。更に、実施例1に係る画像形成装置1において、記録媒体100に封筒100Eが使用され、この封筒100Eの印刷を行うことができる。封筒100Eの種類並びにその形態は後述する。
【0039】
搬送手段(搬送機構)3は、給紙搬送部31と、印刷搬送部32と、上昇搬送部33と、水平搬送部34と、排紙搬送部35と、反転搬送部36とを備えている。
【0040】
給紙搬送部31は、給紙部2の給紙トレイ21〜24のそれぞれから印刷搬送部32(ここではレジストローラ37)まで記録媒体100(又は封筒100E)を搬送する給紙経路RSと、給紙トレイ21〜24のそれぞれに格納された記録媒体100を給紙経路RSに供給する給紙ローラ201〜204と、給紙経路RSに沿って記録媒体100を搬送する搬送ローラ205と、給紙経路RSに沿って記録媒体100をレジストローラ37に向けて搬送する搬送ローラ206とを備えている。
【0041】
印刷搬送部32は、給紙搬送部31から上昇搬送部33(ここではレジストローラ37から切換部325の前段)まで記録媒体100を搬送する搬送経路RCと、印刷部6のプリントヘッド61に対向して配設され搬送方向に移動する搬送ベルト321と、この搬送ベルト321を駆動する駆動ローラ322とを備えている。
【0042】
印刷搬送部32の終端つまり切換部325と排紙部4との間には排紙搬送部38が配設されている。排紙搬送部38は、印刷部6において印刷され印刷搬送部32を搬送されてきた記録媒体100を切換部325を介して導く排紙経路RD1と、この排紙経路RD1に配設され排紙経路RD1に沿って記録媒体100を排紙トレイに搬送する排紙ローラ381とを備えている。実施例1に係る画像形成装置1においては、この排紙搬送部38は搬送手段3に含まれる。
【0043】
上昇搬送部33は、印刷搬送部32から水平搬送部34まで記録媒体100を搬送する搬送経路RVと、搬送経路RVに沿って記録媒体100を搬送する搬送ローラ331及び332とを備えている。上昇搬送部33は、印刷搬送部32からその上に重複して配設された水平搬送部34まで垂直方向に記録媒体100を押し上げて搬送する。
【0044】
水平搬送部34は、上昇搬送部33から排紙搬送部35及び反転搬送部36(ここでは反転切換部361)まで記録媒体100を搬送する搬送経路RCと、搬送経路RCに沿って記録媒体100を搬送する搬送ローラ341とを備えている。
【0045】
排紙搬送部35は、水平搬送部34の終端つまり切換部361から排紙部5まで記録媒体100を搬送する排紙経路RD2と、排紙経路RD1に沿って排紙トレイまで記録媒体100を搬送する排紙ローラ351とを備えている。この排紙搬送部35は、一方の表面に印刷が行われた片面印刷済みの記録媒体100、並びに一方及び他方の表面に印刷が行われた両面印刷済みの記録媒体100を搬送する。
【0046】
反転搬送部36は、記録媒体100の搬送方向の向きを反転させるスイッチバック部364と、水平搬送部34の終端の切換部361からスイッチバック部364を通して再度印刷搬送部32まで記録媒体100を搬送する反転搬送経路RRと、水平搬送部34から搬送される記録媒体100をスイッチバック部364に導きスイッチバック部364から搬送される記録媒体100を印刷搬送部32に導く反転切換部365と、反転搬送経路RRに沿って記録媒体100を搬送する搬送ローラ362、363及び366とを備えている。この反転搬送部36は、片面印刷済みの記録媒体100を搬送しながら反転し、両面印刷に際して印刷搬送部32まで記録媒体100を搬送する。
【0047】
印刷部6においては、印刷搬送部32の搬送経路RC上にプリントヘッド61が配列されている。このプリントヘッド61は、図示を省略するが、搬送経路RC側にインク吐出ノズルを配列し、このインク吐出ノズルからインクを記録媒体100に向かって突出するインクジェット型プリントヘッドである。プリントヘッド61は、搬送経路RCに沿って各色のインクをそれぞれ吐出する複数個を配列し、搬送経路RCに交差する方向(ここでは直交する方向)に同色のインクをそれぞれ吐出する複数個を配列している。つまり、実施例1に係る画像形成装置1は、プリントヘッド61からブラックインク、シアンインク、マゼンダインク、イエローインクを吐出し、ライン単位において印刷を行う、ラインプリント方式を採用するカラーインクジェットプリンタである。
【0048】
必ずしもこの方式に限定されるものではないが、又その構成を詳細に図示していないが、実施例1に係る画像形成装置1は、プリントヘッド61にインクを供給し、印刷に使用されなかった余剰のインクを回収し、この回収されたインクを再び循環させるインク循環ユニット62を備えている。インク循環ユニット62は各色のインク毎に配設されており、ここでは4色分のインクを循環させるインク循環ユニット62が配設されている。プリントヘッド61の動作並びにインク循環ユニット62は制御部8によって制御を行っている。
【0049】
印刷部6において、搬送経路RCに沿って配設された搬送ベルト321は、終端のない巡回ベルトであり、プラテンプレート63の表面上を走行する。搬送ベルト321は、プラテンプレート63上に記録媒体100を搬送し(供給し)、印刷後にプラテンプレート4上から記録媒体100を搬送(排出)する。
【0050】
プラテンプレート63下つまり搬送経路RCを中心にプリントヘッド61とは反対側(図1中、下側の裏面)には吸引装置7が配設されている。吸引装置7は、印刷部6に搬送され印刷される記録媒体100を搬送ベルト3の図示しない穴を通してしてプラテンプレート63に吸着させる機能を有する。実施例1において、吸引装置7にはエア吸引ファンが使用される。また、実施例1において、吸引装置7は、画像形成装置1の筐体内部に内蔵されているが、画像形成装置1の筐体外部に外付け装置として設置し、吸引ダクトを用いてプラテンプレート63下に配管してもよい。吸引装置7は制御部8に接続され、この制御部8によって吸引装置7の吸引動作が制御されている。
【0051】
また、搬送手段3の給紙搬送部31において、給紙経路RSには各種検出部が配設されている。実施例1に係る画像形成装置1においては、給紙経路RSに、媒体サイズ検出部25、媒体厚検出部26及び封筒形状検出部27が配設されている。媒体サイズ検出部25は、記録媒体100のサイズを検出する機能を有し、例えば反射センサにより構成されている。媒体厚検出部26は、記録媒体100の厚さを検出する機能を有し、例えば透過センサにより構成されている。封筒形状検出部27は、封筒100Eの形状を検出する機能を有し、例えば高精度な検出を実現することができかつ小型サイズを有するコンタクトイメージセンサ(CIS)により構成されている。
【0052】
なお、実施例1に係る画像形成装置1は、ライン単位において印刷を行う方式だけに限定されるものではなく、ライン方向に走査して印刷を行うシリアル方式に適用してもよい。
【0053】
[画像形成装置の基本的な印刷動作]
前述の図1に示す画像形成装置1の印刷動作は以下の通りである。まず最初に、給紙部2の給紙トレイ21〜24のいずれかに格納された未印刷状態の記録媒体100は、搬送手段3の給紙搬送部31において給紙ローラ201〜204のいずれかを用いて給紙経路RSに導かれる。この記録媒体100は、搬送ローラ205及び206を用いて給紙経路RSに沿ってレジストローラ37に搬送される。この給紙経路RSの搬送中において、媒体サイズ検出部25を用いて記録媒体100のサイズが検出され、媒体厚検出部26を用いて記録媒体100の厚さが検出される。また、給紙トレイ21〜24のいずれかから封筒100Eが供給される場合、給紙経路RSの搬送中に、封筒形状検出部27を用いて封筒100Eの形状が検出される。
【0054】
レジストローラ37は、給紙経路RSに対して垂直方向に配設された一対のローラを備えており、搬送された記録媒体100の供給方向先端の位置合わせ、斜行修正等を行う機能を有する。レジストローラ37に搬送された記録媒体100(又は封筒100E)はここで一旦停止した後、所定のタイミングにおいて印刷搬送部32に搬送される。
【0055】
印刷搬送部32においては、印刷条件によって定められた移動速度において搬送ベルト321の移動が行われ、この搬送ベルト321の移動に従い搬送経路RCに沿って記録媒体100が搬送される。プラテンプレート63上に記録媒体100が搬送されると、印刷部6のプリントヘッド61は各色のインクを吐出し、カラー印刷、モノクロ印刷又はグレースケール印刷が行われる。
【0056】
印刷済みの記録媒体100は、搬送経路RCに沿って搬送され、排紙部4に排紙する場合には切換部325を用いて排紙搬送部38に搬送される。排紙搬送部38に搬送された記録媒体100は排紙部4の排紙トレイに格納される。
【0057】
排紙部5に排紙する場合には、印刷済み記録媒体100は上昇搬送部33に搬送され、引き続き水平搬送部34に搬送される。ここで、片面印刷であって直接排紙部5に排紙する場合には反転切換部325を用いて排紙搬送部35に搬送される。排紙搬送部35に搬送された記録媒体100は排紙部5の排紙トレイに格納される。両面印刷の場合には、水平搬送部34から反転切換部325を用いて記録媒体100は反転搬送部36に搬送される。反転搬送部36において、記録媒体100は反転搬送経路RRを通してスイッチバック部364に搬送され、この記録媒体100はスイッチバック部364から搬送方向を反転させかつ表裏を反転させて再度レジストローラ37まで搬送される。片面印刷の場合と同様に、この記録媒体100は、印刷搬送部32に搬送されて印刷を行った後、上昇搬送部33、水平搬送部34、排紙搬送部35を順次搬送され、排紙部5の排紙トレイに格納される。
【0058】
[封筒の種類及び構成]
前述の記録媒体100として使用される封筒100Eの種類には、少なくとも図2(A)及び図2(B)に示す長形封筒100E1、図3(A)及び図3(B)に示す角形封筒100E2、図4(A)及び図4(B)に示す洋形封筒100E3がある。実施例1に係る画像形成装置1においては、長形封筒100E1、角形封筒100E2、洋形封筒100E3のいずれの封筒100Eにも印刷を行うことができる。
【0059】
図2(A)及び図2(B)に示す長形封筒100E1は、手紙、文章等を内包し、用紙を折り重ねて作成された長方形形状を有し、この長方形形状の3辺が封じられた本体(封筒本体)101と、本体101の残りの1辺に作成され手紙等を内包した後に折り返して綴じるフラップ(折り返し蓋)102とを有する。本体101は、1枚(又は内袋を含めて複数毎)の用紙を2枚に折り重ねた部分と、更に糊付けされた3枚の用紙を重ねた部分1011及び1012とを有する。用紙を重ねた部分1011は、センタ貼りの場合、本体101の中央部に位置しているが、サイド貼りとして3辺のうちの対向する2辺のいずれかに位置してもよい。また、用紙を重ねた部分1012は、本体101のフラップ102と対向する1辺(天に対して地)に位置し、フラップ102と同様の形状を有し、予め糊付けされている。
【0060】
図2(A)に示す長形封筒100E1の本体101及びフラップ102は表面である。この本体101の表面には住所、会社名、氏名等の宛先を表示する表面画像1013が印刷される。図2(B)に示す長形封筒100E1の本体101及びフラップ102は裏面である。この本体101の裏面には住所、会社名、氏名等の送付元を表示する裏面画像1014が印刷される。
【0061】
実施例1に係る画像形成装置1は、封筒100Eのフラップ102を開いた状態において印刷を行い、フラップ102を本体101の裏面に折り返し印刷したときにこのフラップ102とプリントヘッド61との干渉を防止するようになっている。従って、裏面画像1014のうち、折り返されたフラップ102に重複しない裏面画像の一部1014Aは本体101の裏面に印刷され、フラップ102の折り返された表面には裏面画像の他の一部1014Bが印刷される。裏面画像の他の一部1014Bは本体101の表面に表面画像1013を印刷するときに併せて印刷される。また、本体101の裏面に印刷された裏面画像の一部1014Aとフラップ102の表面に印刷された裏面画像の他の一部1014Bとは、本体101の裏面にフラップ102を折り返したときに合体され1つの裏面画像1014になる。この1つの裏面画像1014とは、裏面画像の一部1014A及び裏面画像の他の一部1014Bの双方の画像としての方向例えば文字の向きが正方向同士において一致し、双方の画像が連続的に繋がり、双方の画像の繋がる境界が目立たない、あたかも本体101の裏面の印刷とフラップ102の表面の印刷とをフラップ102を折り返した状態において同時に行った結果得られる画像に相応する画像という意味で使用される。
【0062】
図3(A)及び図3(B)に示す角形封筒100E2、図4(A)及び図4(B)に示す洋形封筒100E3は、いずれも図2(A)及び図2(B)に示す長形封筒100E1と同様に、本体101及びフラップ102を有する。表面、裏面の定義、本体101の表面に印刷される表面画像1013、フラップ10の表面に印刷される裏面画像の他の一部1014B、本体101の裏面に印刷される裏面画像の一部1014Aの定義等は、長形封筒100E1の各種定義と同様である。
【0063】
なお、封筒100Eは、上記の種類に限定されるものではなく、例えば本体101の表面側に透明フィルムの窓がそれぞれ配設された窓付きの長形封筒100E1、窓付きの角形封筒100E2、窓付きの洋形封筒100E3であってもよい。
【0064】
[画像形成装置のシステム構成]
図5に示すように、実施例1に係る画像形成装置1の制御部8は、制御用IC(制御用中央演算ユニット)80と、画像情報格納部81と、封筒形状情報取得部82と、インターフェイス部83と、操作部84とを備えている。制御部8のこれらの制御用IC80等は相互に接続され、制御用IC80は画像情報格納部81、封筒形状情報取得部82、インターフェイス部83、操作部84の制御を司る。
【0065】
制御部8の画像情報格納部81は、封筒情報格納部810と、画像情報展開部811と、封筒画像情報展開部812とを備えている。封筒情報格納部810は、更に封筒形状情報格納部8101と、封筒印刷画像情報格納部8102とを備えている。
【0066】
制御部8の制御用IC80には、更に給紙搬送部31に配設された各種検出部である媒体サイズ検出部25、媒体厚検出部26、封筒形状検出部27のそれぞれが接続されている。また、制御用IC80には駆動回路220が接続され、この駆動回路220は給紙搬送部駆動源210、レジストローラ駆動源211、排紙搬送部駆動源212のそれぞれが接続されている。また、制御用IC80には、ベルト駆動源230、搬送部駆動源231、反転搬送部駆動源232がそれぞれ接続されている。
【0067】
更に、制御用IC80には印刷部6、吸引装置7のそれぞれが接続されている。印刷部6は、更にヘッドギャップ駆動部610と、ヘッドギャップ調整部611と、インク循環ユニット62とを備え、これらのヘッドギャップ駆動部610等は制御用IC80に接続されている。
【0068】
インターフェイス部83は、画像形成装置1の外部に設置された図示しない外部端末に有線若しくは無線LAN、電話回線、ケーブル等の通信経路を通して接続され、外部端末から送信される画像情報を受信する機能を有する。外部端末は例えばパーソナルコンピュータである。また、インターフェイス部83は、図示しない内蔵スキャナを用いて取り込んだ画像情報や内蔵ファクシミリを通じて送信された画像情報を受信する機能を有する。また、インターフェイス部83は、内蔵スキャナを用いて取り込んだ画像情報や印刷ジョブの処理状態に関する情報を外部端末や外部ファクシミリに送信する機能を有する。更に、インターフェイス部83は、図示しないが、USBメモリ、カードメモリ等の可搬性メモリのスロットを備え、可搬性メモリに記憶された画像情報を取り込む機能を有する。
【0069】
操作部34は、その詳細な構成を省略してあるが、ユーザにおいて画像形成装置1の起動、停止、終了、印刷、画像取り込み、画像送受信等の操作を行う、電源スイッチ、操作パネル等を配設している。操作部34においては、印刷に際して、記録媒体100の種類、サイズ、カラー印刷、モノクロ印刷、グレースケール印刷等の印刷条件の設定を行うことができる。更に、操作部34においては、封筒100Eの印刷に際して、封筒100Eの種類、サイズ、カラー印刷、モノクロ印刷、グレースケール印刷等の印刷条件の設定を行うことができる。
【0070】
画像情報格納部81はインターフェイス部83を通して受信又は取り込まれた画像を格納する機能を有する。この画像情報格納部81には記録媒体100に印刷される画像情報が格納されるとともに、画像情報格納部81の封筒情報格納部810には封筒100Eに印刷される画像情報が格納される。
【0071】
封筒情報格納部810の封筒形状情報格納部8101は各種の封筒100Eの形状情報を格納する。ここで、封筒100Eの形状情報とは、少なくとも種類及びサイズの情報である。例えば、図2(A)及び図2(B)に示す長形封筒100E1はJIS規格化されており、その形状情報には、種類「長4」、この種類の本体101の縦寸法(天地寸法)L「205mm」、幅寸法(巾寸法)W「90mm」に関する情報が含まれている。更に、実施例1に係る画像形成装置1においては、形状情報にフラップ102の縦寸法Lf例えば「20mm」に関する情報が含まれている。封筒100Eの形状情報は各種類毎に対応する情報として格納される。
【0072】
封筒情報格納部810の封筒印刷画像情報格納部8102には、前述の図2(A)及び図2(B)に示す長形封筒100E1の本体101の表面に印刷される表面画像1013、本体101の裏面に印刷される裏面画像の一部1014A及びフラップ102の表面に印刷される裏面画像の他の一部1014Bを含む裏面画像1014の双方の画像情報が格納される。図3(A)及び図3(B)に示す角形封筒100E2又は図4(A)及び図4(B)に示す洋形封筒100E3の場合も同様に、本体101の表面に印刷される表面画像1013、本体101の裏面に印刷される裏面画像の一部1014A及びフラップ102の表面に印刷される裏面画像の他の一部1014Bを含む裏面画像1014の双方の画像情報が封筒情報格納部810に格納される。
【0073】
画像情報展開部811は、画像情報格納部81に格納された記録媒体100に印刷する画像情報(ここでは、封筒100Eに印刷する画像情報は除く。)に基づき生成された印刷情報を格納する。この画像情報展開部811において、印刷情報の生成とは、例えば画像情報格納部81に格納された画像情報の画素毎に画素値に対応づけたビットマップ情報に展開し印刷情報を生成することである。画像情報展開部811は、回路構成を含み、内部において印刷情報の生成を実行することもできるが、実施例1においては制御用IC80を利用し、この制御用IC80内部の図示しない記憶装置又は画像情報展開部811内に格納されたプログラムに基づき生成された印刷情報を格納する。
【0074】
封筒画像情報展開部812は、基本的には画像情報展開部811と同様の構成並びに機能を有し、封筒情報格納部810の封筒印刷画像情報格納部8102に格納された封筒100Eに印刷する画像情報つまり表面画像1013及び裏面画像1014に基づき生成された封筒印刷情報を格納する。封筒画像情報展開部812において、封筒印刷情報の生成とは、前述の印刷情報の生成と同様に、例えば封筒印刷画像情報格納部8102に格納された画像情報の画素毎に画素値に対応づけたビットマップ情報に展開し封筒印刷情報を生成することである。封筒画像情報展開部812は、回路構成を含み、内部において封筒印刷情報の生成を実行することもできるが、実施例1においては制御用IC80を利用し、この制御用IC80内部の図示しない記憶装置又は封筒画像情報展開部812内に格納されたプログラムに基づき生成された封筒印刷情報を格納する。
【0075】
更に、実施例1に係る封筒画像情報展開部812において、封筒印刷情報は、図6(A)及び図6(B)に示すように、フラップ102を本体101の裏面側に折り返し閉じた状態において1つの裏面画像1014となる、封筒100Eの本体101の裏面に印刷される第1の印刷情報及びフラップ102の表面に印刷される第2の印刷情報として生成され、この第1の印刷情報及び第2の印刷情報を格納する。裏面画像1014は、封筒情報格納部810の封筒形状情報格納部8101に格納された封筒100Eの形状特にフラップ102の形状(フラップ102の平面形状やサイズ)に基づき、本体101の裏面に印刷される裏面画像の一部1014Aとフラップ102の表面に印刷される裏面画像の他の一部1014Bとに分割される。裏面画像の一部1014Aは第1の印刷情報として、裏面画像の他の一部1014Bは第2の印刷情報として、それぞれ封筒画像情報展開部812に格納される。フラップ102の形状に基づく裏面画像1014の分割処理、並びに第1の印刷情報及び第2の印刷情報の生成処理は制御用IC及びそのような処理を実行するプログラムを用いて行う。このプログラムは、制御用IC80内部の図示しない記憶装置又は封筒画像情報展開部812に格納されている。
【0076】
実施例1に係る画像形成装置1において、反転搬送部36(図1参照。)を通過させて自動的に封筒100Eに両面印刷を行う場合、片面印刷を行う封筒100Eの搬送方向に対して、別の片面印刷を行う封筒100Eの搬送方向が180度反転する。例えば、封筒100Eのフラップ102を搬送方向の先頭として本体101の表面及びフラップ102の表面に片面印刷を行った後、本体101の裏面に印刷を行うときには、フラップ102は搬送方向の後尾になる。このような印刷方法に応じて、図6(A)及び図6(B)に示すように、封筒画像情報展開部812は、本体101の裏面に印刷される裏面画像の一部1014Aに対して、フラップ102の表面に印刷される裏面画像の他の一部1014Bを180度回転させた第2の印刷情報を生成し、この第2の印刷情報を格納する。フラップ102の表面に印刷される裏面画像の他の一部1014Bは本体101の表面に印刷される表面画像1013に対しても180度回転させた状態になる。
【0077】
また、封筒100Eの本体101の表面及びフラップ102の表面に片面印刷を行った後に、手動印刷に切り替えて、片面印刷の搬送方向に対して90度又は270度回転させて(直交させて)本体101の裏面に別の片面印刷を行う場合がある。このような印刷方法において、封筒画像情報展開部812は、本体101の裏面に印刷される裏面画像の一部1014Aに対して、フラップ102の表面に印刷される裏面画像の他の一部1014Bを90度又は270度回転させた第2の印刷情報を生成し、この第2の印刷情報を格納する。印刷方法の選択は、図示しない外部端末(例えば、パーソナルコンピュータ)を用いて画像情報を作成し、印刷実行を行うときに印刷ジョブに情報として含ませ自動的に行うか、又は操作部84を用いてユーザが直接操作して行う。
【0078】
更に、実施例1に係る封筒画像情報展開部812は、図7(A)及び図7(B)に示すように、フラップ102の表面の周辺領域において画像情報の一部を削除し、この削除された領域に余白1014Cを設定した第2の印刷情報を生成し、この第2の印刷情報を格納する。余白1014Cは、ここでは、フラップ102の表面において裏面画像の他の一部1014Bを印刷するときの搬送方向の最も先頭となる3列目の画素(インクの吐出ドロップ)に相当する裏面画像の他の一部1014Bの画像情報の一部を削除し、この削除した領域に生成される。搬送方向の最も先頭となる部分においては、封筒100Eの搬送に伴う空気の流れ、吸引装置7を用いて搬送ベルト321に封筒100Eを吸引するときに発生する空気の流れが速くなるので、プリントヘッド61のインク吐出ノズルから吐出されるインクの軌跡に乱れが生じ、フラップ102端部にインクミストが付着し、印刷品質の低下(印刷画質の低下)を生じ易く、又インクミストが生じ易く、封筒100Eのインク汚れを生じ易い。余白1014Cにおいてはインクの吐出が無いので、インクの軌跡に乱れを生じることが無く、印刷品質を向上することができ、又インクミストを生じ難くすることができ、封筒100Eの汚れを防止することができる。
【0079】
更に、実施例1に係る封筒画像情報展開部812は、図8(A)及び図8(B)に示すように、フラップ102の表面の周辺領域側から封筒100Eの本体101の表面とフラップ102の表面との間の折り返し領域103側に向かって裏面画像の他の一部1014Bを移動し、この移動によってフラップ102の表面の周辺領域に余白1014Dを設定し、この余白1014Dが設定された第2の印刷情報を格納する。余白1014Dは、フラップ102の表面において裏面画像の他の一部1014Bを印刷するときの搬送方向の最も先頭となる3列目の画素に相当する領域に生成することができるように、1列目から3列目までの画素の間隔を行方向に詰める。余白1014Dは余白1014Cと同様にインクの吐出が無いので、インクの軌跡に乱れを生じることが無く、印刷品質を向上することができ、又インクミストを生じ難くすることができ、封筒100Eの汚れを防止することができる。
【0080】
実施例1に係る画像形成装置1においては、画像情報の一部を削除して余白1014Cを生成するか、画像情報を詰めて余白1014Dを生成するかいずれか一方の機能を備えるようにしてもよいが、双方の機能を備え、いずれかを適宜選択することができる。この余白1014Cか余白1014Dかの選択は、図示しない外部端末を用いて画像情報を作成し、印刷実行を行うときに印刷ジョブに情報として含ませ自動的に行うか、又は操作部84を用いてユーザが直接操作して行う。
【0081】
封筒情報格納部810、画像情報展開部811及び封筒画像情報展開部812を備えた画像情報格納部81は実施例1において記憶装置であり、この記憶装置は例えば大容量を有するハードディスクにより構築されている。記憶装置は、1つのハードディスクを用い封筒情報格納部810、画像情報展開部811、封筒画像情報展開部812のそれぞれを領域として適宜割り当ててもよいし、複数のハードディスクにそれぞれを別々に割り当ててもよい。また、記憶装置は、不揮発性メモリに置き換えてもよいし、複数のハードディスクの場合にはその一部を不揮発性メモリに置き換えてもよい。
【0082】
搬送手段3の給紙搬送部31に配設された媒体サイズ検出部25、媒体厚検出部26及び封筒形状検出部27は制御部8の制御用IC80に接続されている。媒体サイズ検出部25は主に記録媒体100のサイズの検出に使用される。図9(A)及び図9(B)に示すように、媒体サイズ検出部25は、給紙経路RSに搬送される記録媒体100の反射光量の違いに基づき記録媒体100のサイズを検出する。この検出信号は制御用IC80に出力される。
【0083】
媒体厚検出部26は、記録媒体100の厚さの検出に使用されるとともに、封筒100Eの厚さの検出に使用される。媒体厚検出部26は、図10(A)及び図10(B)に示すように、給紙経路RSに搬送される記録媒体100や封筒100Eの透過光量を検出して記録媒体100や封筒100Eの厚さを検出する。封筒100Eにおいては、フラップ102は1枚の用紙であるので透過光量が大であり、本体101は2枚の用紙であるので透過光量は中であり、用紙を重ねた部分1012は3枚の用紙であるので透過光量は小である。従って、媒体厚検出部26においては、透過光量の違いに基づき、フラップ102、本体101、用紙を重ねた部分1012のそれぞれを検出することができる。この検出信号は制御用IC80に出力される。
【0084】
封筒形状検出部27は主に封筒100Eの形状の検出に使用される。封筒形状検出部27は、図11(A)及び図11(B)に示すように、給紙経路RSに搬送される封筒100Eの反射光量(又は透過光量)の違いを検出して封筒100Eの形状を検出する。この検出信号は制御用IC80に出力される。
【0085】
なお、実施例1に係る画像形成装置1は媒体サイズ検出部25及び封筒形状検出部27の双方を備えているが、媒体サイズ検出部25及び封筒形状検出部27は、いずれも記録媒体100並びに封筒100Eのサイズを検出可能であるので、一方を備えていればよい。
【0086】
前述の図5に示す封筒形状情報取得部82は、封筒形状検出部27の出力結果に基づき封筒100Eの形状情報を取得する。なお、封筒100Eの形状情報は媒体サイズ検出部25の出力結果に基づき取得することができる。同一種類、同一形状の多量の封筒100Eの印刷を開始する前には、印刷は行わずに、給紙部2から印刷部6を通して排紙部4又は5まで搬送手段3を用いて封筒100Eの通紙が行われ、この通紙の際に封筒100Eの形状情報が取得される。
【0087】
駆動回路220は、制御部8詳細には制御用IC80からの制御信号に基づき、給紙搬送部駆動源210、レジストローラ駆動源211、排紙搬送部駆動源212の駆動を行う。給紙搬送部駆動源210は給紙搬送部31の給紙ローラ201〜204の駆動を行う。レジストローラ駆動源211はレジストローラ37の駆動を行う。排紙搬送部駆動源212は排紙搬送部38の排紙ローラ381、排紙搬送部35の排紙ローラ351の駆動を行う。給紙搬送部駆動源210、レジストローラ駆動源211、排紙搬送部駆動源212のそれぞれには例えばDCモータが使用されている。
【0088】
また、制御用IC80からの制御信号に基づき、ベルト駆動源230、搬送部駆動源231、反転搬送部駆動源232の駆動が行われる。ベルト駆動源230は駆動ローラ322を駆動し、駆動ローラ322は搬送ベルト321を駆動する。搬送部駆動源231は上昇搬送部33の搬送ローラ341、342、水平搬送部34の搬送ローラ351等の駆動を行う。反転搬送部駆動源232は反転搬送部36の搬送ローラ362、363、366の駆動を行う。ベルト駆動源230、搬送部駆動源231、反転搬送部駆動源232のそれぞれには例えばDCブラシレスモータが使用されている。
【0089】
印刷部6のヘッド駆動部610は、制御用IC80に接続され、この制御用IC80の制御信号に基づきプリントヘッド2の図示しない圧電素子に印加する電圧を調整し、インクの吐出の制御を行う。インク循環ユニット62は制御用IC80に接続されている。制御用IC80は、例えば、インク循環ユニット62のインク循環ポンプを制御しインクの循環の制御を行い、又循環されるインクの温度を検出してこの検出結果に基づき温度調整器を制御してインク温度の制御を行う。
【0090】
印刷部6のヘッドギャップ調整部611は、媒体厚検出部26の検出結果に基づき、プリントヘッド61のノズル面と記録媒体100の表面との間のヘッドギャップを適正値に調整する。特に、前述の図10(A)及び図10(B)に示すように、封筒100Eにおいては、本体101、フラップ102、用紙を重ねた部分1012のそれぞれの厚さが異なるので、一定のヘッドギャップを確保するために、ヘッドギャップ調整部611によってヘッドギャップが調整される。実施例1に係る画像形成装置1において、ヘッドギャップ調整部611は、その機構の詳細を省略しているが、駆動源を用いてプラテンプレート63を上下方向(プリントヘッド61に近づき又は遠ざかる方向)に移動することよって、ヘッドギャップを調整している。
【0091】
封筒100Eの印刷において、本体101とプリントヘッド61とのヘッドギャップに対して、フラップ102とプリントヘッド61とのヘッドギャップは狭く調整され、用紙を重ねた部分1012とプリントヘッド61とのヘッドギャップは広く調整される。つまり、封筒100Eの本体101、フラップ102、用紙を重ねた部分1012のそれぞれの厚さは異なるが、それらの各領域においてヘッドギャップを適宜調整することによって、それらの各領域のヘッドギャップを均一化することができる。ヘッドギャップの均一化は、プリントヘッド61のインク吐出ノズルから吐出されるインクの飛距離が均一化されることを意味し、各領域の印刷品質は均一化される。
【0092】
吸引装置7は制御用IC80に接続され、この制御用IC80の制御によって吸引装置7の稼働の制御が行われる。吸引装置7は、図示しないが、プラテンプレート63に配設された吸引孔並びに搬送ベルト321に配設された穴を通して、記録媒体100や封筒100Eを搬送ベルト321の表面に吸着させる。従って、記録媒体100や封筒100Eとプリントヘッド61との干渉を防止することができ、かつヘッドギャップを適正に確保することができる。
【0093】
[画像形成装置の封筒印刷方法]
図12及び図13に示すように、実施例1に係る画像形成装置1の封筒100Eの印刷方法は以下の通りである。
【0094】
まず最初に、例えば外部端末(例えばパーソナルコンピュータ)を用いて封筒100Eの本体101の表面に印刷される表面画像1013及び本体101の裏面に印刷される裏面画像1014が生成される(S1)。この画像情報は画像形成装置1の制御部8の画像情報格納部81、更に詳細には封筒印刷画像情報格納部8102(図5参照。)に格納される(S2)。
【0095】
次に、封筒100Eの印刷に際して、封筒100Eの形状、厚み等を含む封筒情報の入力方式が判定される(S3)。ここでは、封筒情報が画像形成装置1の各種検出部を利用した自動入力か、ユーザが直接操作部84を操作する手動入力かが判定される。
【0096】
自動入力であると判定されると、封筒印刷画像情報格納部8102に格納された画像情報の展開が終了しているか否かが判定される(S4)。画像情報の展開とは、封筒100Eの本体101の裏面に印刷される裏面画像1014の画像情報が本体101の裏面に印刷される裏面画像の一部1014Aとフラップ102の表面に印刷される裏面画像の他の一部1014Bとに分割され、裏面画像の一部1014Aの画像情報から第1の印刷情報が、裏面画像の他の一部1014Bの画像情報から第2の印刷情報が生成されることを意味する。画像情報が展開された第1の印刷情報及び第2の印刷情報は封筒画像情報展開部812に格納されている。画像情報が展開されていない場合は前段のステップに戻り、画像情報の展開が行われる。
【0097】
画像情報の展開が終了している場合には、封筒100Eの形状(サイズ)を検知するための搬送動作(通紙動作)が不要であるか必要であるかが判定される(S5)。通紙動作が不要であると判定されると、画像形成装置1の給紙部2の例えば給紙トレイ21から搬送手段3の給紙搬送部31に封筒100Eの給紙が開始される(S6)。実施例1に係る画像形成装置1の封筒印刷方法において、本体101に対してフラップ102は開いた状態とし、本体101の表面及びフラップ102の表面を上(印刷面)にして、フラップ102が搬送方向の先頭になるように、給紙が行われる。
【0098】
給紙搬送部31において搬送される記録媒体100が封筒100Eであるか否かが検知される(S7)。封筒形状検出部27において封筒100Eの形状が検出され、この検出結果に基づき封筒形状情報取得部82において封筒形状情報として格納され、制御用IC80に配設された封筒形状確定手段801において封筒形状情報格納部8101に予め格納された封筒形状情報と封筒形状情報取得部82に格納された封筒形状情報とが照合され、双方が一致している場合に封筒100Eの形状が確定される。封筒100Eの検知が行われていない場合には前段のステップに戻る。
【0099】
封筒100Eであると検知されると、封筒100Eのフラップ102の長さLfが検出される(S8)。媒体厚検出部26においてフラップ102の長さが検出され、この検出結果に基づき封筒形状情報取得部82において封筒形状情報として格納され、制御用IC80に配設された封筒形状確定手段801において封筒形状情報格納部8101に予め格納された封筒形状情報と封筒形状情報取得部82に格納された封筒形状情報とが照合され、双方が一致している場合にフラップ102の長さLfが確定される。
【0100】
フラップ102の長さLfが確定されると、この長さLfを基準に(配慮して)封筒印刷画像情報格納部8102に格納された裏面画像1014の展開(再展開)が開始される(S9)。実施例1に係る画像形成装置1において、裏面画像1014には、封筒100Eの本体101の裏面に印刷される裏面画像の一部1014Aとフラップ102の表面に印刷される裏面画像の他の一部1014Bとに分割し、裏面画像の一部1014Aに対して裏面画像の他の一部1014Bを180度回転させる展開処理が行われる。このような展開処理を経て、裏面画像の一部1014Aに基づき第1の印刷情報が生成され、裏面画像の他の一部1014Bに基づき第2の印刷情報が生成され、これらの第1の印刷情報及び第2の印刷情報は封筒画像情報展開部812に格納される。
【0101】
更に、実施例1に係る画像形成装置1において、第2の印刷情報の生成に際して、余白が必要か否かが選択される(S10)。余白が必要である場合、余白の生成方法が選択される(S11)。ここでは、裏面画像の他の一部1014Bを移動して余白1014Dを生成する(S12)か、裏面画像の他の一部1014Bの画像情報の一部を削除して余白1014Cを生成する(S13)かのいずれかを選択することができる。選択された余白1014C又は1014Dの情報を含めて第2の印刷情報が生成され、この第2の印刷情報は封筒画像情報展開部812に格納される。
【0102】
この後、封筒100Eの印刷が開始される(S14)。まず、封筒100Eのフラップ102の表面に第2の印刷情報(裏面画像の他の一部1014Bの印刷情報)が印刷される(S15)。引き続き、ヘッドギャップ調整部611を用いてヘッドギャップが調整され(S16)、封筒100Eの本体101の表面に表面画像1013が印刷され(S17)、封筒100Eの表面側の片面印刷は終了する(S18)。
【0103】
そして、反転搬送部36を通して、再度、封筒100Eが印刷搬送部32に搬送され(S19)、封筒100Eの本体101の裏面に印刷が開始される(S20)。本体101の裏面には裏面画像の一部1014Aである第1の印刷情報が印刷される。裏面画像の一部1014Aはフラップ102の表面に印刷された裏面画像の他の一部1014Bに対して180度回転した状態において印刷される。フラップ102を折り返したとき、印刷された裏面画像の一部1014Aと裏面画像の他の一部1014Bは1つの連続した境目が目立たない裏面画像1014として認識される。
【0104】
封筒100Eの本体101の裏面の印刷が終了する(S21)と、封筒100Eの両面印刷が終了し、封筒100Eは排紙部4又は5の排紙トレイに排紙される。
【0105】
前述のステップS5において、搬送動作が必要であると判定されると、通紙動作が開始され(S25)、封筒形状を検出するための封筒100Eの給紙が開始される(S26)。通紙動作は、給紙部2の例えば搬送トレイ21に格納された1枚の封筒100Eを搬送手段3の給紙搬送部31に給紙し、通常の印刷動作と同様であって印刷を行わずに、印刷搬送部32を通して排紙搬送部38から排紙部4の排紙トレイに又は排紙搬送部35から排紙部5の搬送トレイに排紙を行う動作である。この通紙動作中、給紙搬送部31において、封筒形状検出部27を用いて封筒100Eの形状が検出され、媒体厚検出部26を用いて封筒100Eの少なくとも本体101及びフラップ102の形状が検出され、これらの検出結果は封筒形状情報として封筒形状情報取得部82に格納される。
【0106】
給紙搬送部31において搬送される記録媒体100が封筒100Eであるか否かが検知される(S27)。前述のステップS7と同様に、封筒形状検出部27において封筒100Eの形状が検出され、この検出結果に基づき封筒形状情報取得部82において封筒形状情報として格納され、制御用IC80に配設された封筒形状確定手段801において封筒形状情報格納部8101に予め格納された封筒形状情報と封筒形状情報取得部82に格納された封筒形状情報とが照合され、双方が一致している場合に封筒100Eの形状が確定される。封筒100Eの検知が行われていない場合には前段のステップに戻る。
【0107】
通紙動作において、封筒100Eであると検知されると、封筒形状情報取得部82に格納された封筒形状情報と封筒印刷画像情報格納部8102に格納された画像情報とが照合され、裏面画像1014の本体101の裏面に印刷される裏面画像の一部1014Aに対するフラップ102の表面に印刷される裏面画像の他の一部1014Bの画像回転角度が判定される(S28)。ここでは、例えば裏面画像の一部1014Aに対して裏面画像の他の一部1014Bは180度回転させると判定される。
【0108】
通紙動作において、媒体厚検出部26を用いて封筒100Eのフラップ102の長さLfが検出されるので、前述のステップS9からステップS13と同様に、フラップ102の長さLfを基準に(配慮して)封筒印刷画像情報格納部8102に格納された裏面画像1014の展開(再展開)が開始される(S29)。このステップS29においては、ステップS10からステップS13までの余白の生成も同時に行われ、余白(1014C又は1014D)の情報を含めて第2の印刷情報が生成される。この第2の印刷情報は封筒画像情報展開部812に格納される。この一連のステップS25からステップS29を経て通紙動作が終了し、封筒100Eの給紙が行われ(S30)、封筒100Eの印刷が開始される(S14)。
【0109】
また、前述のステップS3において、手動入力であると判定される(手動入力を選択する)と、封筒情報格納部8101に格納された封筒100Eのフラップ102の長さLfに関する情報、或いは操作部84からユーザが直接入力したフラップ102の長さLfに関する情報を基準に(配慮して)封筒印刷画像情報格納部8102に格納された裏面画像1014の展開(再展開)が開始される(S31)。このステップS31においては、ステップS10からステップS13までの余白の生成も同時に行われ、余白(1014C又は1014D)の情報を含めて第2の印刷情報が生成される。この第2の印刷情報は封筒画像情報展開部812に格納される。このステップS31を経て、封筒100Eの給紙が行われ(S32)、封筒100Eの印刷が開始される(S14)。
【0110】
[実施例1の特徴]
前述の実施例1に係る画像形成装置1においては、画像情報格納部81の封筒印刷情報格納部8102に格納された裏面画像1014の画像情報を封筒画像情報展開部812において第1の印刷情報及び第2の印刷情報に分割し、印刷部6において本体101の裏面に第1の印刷情報に基づき裏面画像の一部1014Aを印刷し、フラップ102の表面に第2の印刷情報に基づき裏面画像の他の一部1014Bを印刷することができる。これらの印刷はフラップ102を開いた状態において行うことができ、印刷後のフラップ102を折り返し綴じた状態においては1つの裏面画像1014を構築する。従って、フラップ102と本体101とに跨る裏面画像1014の印刷のときのフラップ102とプリントヘッド61との干渉を防止することができるので、封筒100Eの搬送不良、封筒100Eの損傷、印刷品質の劣化を防止することができる。
【0111】
更に、実施例1に係る画像形成装置1においては、封筒画像情報展開部812において裏面画像の他の一部1014Bに相当する画像情報の回転処理を実行するだけなので、画像情報の情報量が少なく、第2の印刷情報の生成速度の高速化を図ることができる。また、画像情報の情報量が少ないので、封筒画像情報展開部812の記憶容量の小型化を図ることができる。
【0112】
更に、実施例1に係る画像形成装置1においては、封筒画像情報展開部812は、フラップ102の表面の周辺領域に裏面画像の他の一部1014Bの画像情報の一部を削除することよって余白1014Cを設定し、フラップ102の表面の周辺領域に印刷される裏面画像量を減少することができる。特に、画像形成装置1がインクジェットプリンタである場合、封筒100Eのフラップ102は印刷のときに搬送方向先端、搬送方向後端又は搬送方向側端に位置し、搬送に伴う空気の流れに伴い、プリントヘッド61から吐出されるインク滴の軌跡に変化を生じ易い、或いはインクミストが生じ易いフラップ102の表面の周辺領域の印刷を行わないので、フラップ102のインク滴やインクミストに起因する汚染を防止することができ、印刷品質を向上することができる。
【0113】
更に、実施例1に係る画像形成装置1によれば、封筒画像情報展開部812は、フラップ102の表面の周辺領域に裏面画像の他の一部1014Bを移動することによって余白1014Dを設定し、フラップ102の表面の周辺領域に印刷される裏面画像量を減少することができる。同様に、フラップ102の表面の周辺領域の印刷を行わないので、フラップ102のインク滴やインクミストに起因する汚染を防止することができ、印刷品質を向上することができる。
【0114】
更に、実施例1に係る画像形成装置1においては、封筒形状確定手段801を用い、封筒100Eの本体101及びフラップ102の形状の検出及び封筒形状情報格納部8101に格納された形状情報の照合を行い、封筒100Eの本体101及びフラップ102の形状情報を確定することができるので、裏面画像1014を本体101に印刷する第1の印刷情報とフラップ102に印刷する第2の印刷情報とに分割することができる。
【0115】
更に、実施例1に係る画像形成装置1においては、封筒形状情報取得部82を用いて、通紙した封筒100Eの本体101及びフラップ102の形状を検出し、この検出結果に基づき本体101及びフラップ102の形状情報を取得し、封筒形状確定手段801を用い、取得した形状情報に基づき封筒100Eの本体101及びフラップ102の形状情報を確定し、裏面画像1014を本体101に印刷する第1の印刷情報とフラップ102に印刷する第2の印刷情報とに分割することができる。
【0116】
更に、実施例1に係る画像形成装置1においては、ヘッドギャップ調整部611を用いて、封筒100Eの本体101とプリントヘッド61とのヘッドギャップとフラップ102とプリントヘッド61とのヘッドギャップとを均一化し、双方の印刷のときのインク滴の飛距離を均一することができるので、印刷品質を向上することができる。また、インク吐出ノズルから本体101に付着されるインク滴の到達時間とフラップ102に付着されるインク滴の到達時間とを均一することができるので、本体101に印刷される裏面画像の一部1014Aとフラップ102に印刷される裏面画像の他の一部1014Bとの印刷品質を均一化し、双方の境界における画像移り目(画質が変化したと認識できるような境界領域)を目立たないようにすることができ、1つの裏面画像1014として遜色のない印刷品質を得ることができる。
【0117】
[変形例1]
変形例1は、前述の実施例1に係る画像形成装置1において、封筒100Eのフラップ102の表面に印刷される裏面画像1014Bの余白の形成方法を代えた例を説明するものである。
【0118】
変形例1に係る画像形成装置1において、封筒画像情報展開部812は、フラップ102の表面の周辺領域において裏面画像の他の一部1014Bの画像情報の一部の間引きを行い第2の印刷情報を生成し、この第2の印刷情報を格納する。ここでは、フラップ102の表面において裏面画像の他の一部1014Bを印刷するときの搬送方向の最も先頭となる3列目の画素に相当する裏面画像の他の一部1014Bの画像情報の一部に間引きが行われる。間引きされた画素に対応する部分にはインクが吐出されない。間引きは例えば3列目において1又は複数画素毎に1又は複数画素を削除することによって行われる。間引きは完全な余白ではないが、画素数を減少することができるので、軌跡に乱れを生じるインク滴を減少することができ、又インクミストの発生を減少することができる。
【0119】
前述の図12に示すフローチャートにおいて、ステップS10からステップS13までの工程を間引く工程に置き換えれば、封筒100Eの印刷を容易に実施することができる。
【0120】
このように変形例1に係る画像形成装置1においては、フラップ102の表面の周辺領域に画像情報の一部の間引きを行うことによって、フラップ102の表面の周辺領域に印刷される裏面画像量を減少することができる。特に、画像形成装置1がインクジェットプリンタである場合、封筒100Eのフラップ102は印刷のときに搬送方向先端、搬送方向後端又は搬送方向側端に位置し、搬送に伴う空気の流れに伴い、プリントヘッド61から吐出されるインク滴の軌跡に変化を生じ易い、或いはインクミストが生じ易いフラップ102の表面の周辺領域のインク吐出量を減少することができるので、フラップ102のインク滴やインクミストに起因する汚染を防止することができ、印刷品質を向上することができる。
【0121】
[変形例2]
変形例2は、前述の実施例1に係る画像形成装置1において、封筒100Eのフラップ102の表面に印刷される裏面画像1014Bの余白の形成方法を代えた例を説明するものである。
【0122】
変形例2に係る画像形成装置1において、封筒画像情報展開部812は、フラップ102の表面の周辺領域の裏面画像の他の一部1014Bの画像情報の一部においてインク吐出ノズルから吐出されるインクドロップ数の間引きを行う第2の印刷情報を生成し、この第2の印刷情報を格納する。ここでは、フラップ102の表面において裏面画像の他の一部1014Bを印刷するときの搬送方向の最も先頭となる3列目の画素に相当する裏面画像の他の一部1014Bの画像情報の一部にインクドロップ数の間引きが行われる。間引きされた画素に対応する部分のインクドロップ数は他の画素の部分のドロップ数に比べて少ない。ドロップ数の間引きは例えば3列目において2ドロップ、2列目において3ドロップ、1列目において4ドロップと、段階的にインクドロップ数を減少することが効果的である。インクドロップ数の間引きは完全な余白ではないが、ドロップ数を減少することができるので、軌跡に乱れを生じるインク滴を減少することができ、又インクミストの発生を減少することができる。
【0123】
前述の図12に示すフローチャートにおいて、ステップS10からステップS13までの工程をインクドロップ数を間引く工程に置き換えれば、封筒100Eの印刷を容易に実施することができる。
【0124】
このように変形例2に係る画像形成装置1において、封筒画像情報展開部812は、フラップ102の表面の周辺領域に印刷するときのプリントヘッド61のインク吐出ノズルから吐き出されるインクドロップ数を間引いて(減少して)第2の印刷情報を生成しているので、軌跡に変化を生じ易いインク滴の発生要因そのもの、インクミストの発生要因そのものを減少することができる。封筒100Eのフラップ102は印刷のときに搬送方向先端、搬送方向後端又は搬送方向側端に位置し、搬送に伴う空気の流れに伴い、プリントヘッド61から吐出されるインク滴の軌跡に変化を生じ易く、或いはインクミストが生じ易いが、この発生要因そのものを減少することができるので、フラップ102のインク滴やインクミストに起因する汚染を防止することができ、印刷品質を向上することができる。
【0125】
(実施例2)
本発明の実施例2は、前述の実施例1に係る画像形成装置1において、印刷部6のプリントヘッド61から吐出されるインク吐出タイミングを封筒100Eの各領域に応じて変えた例を説明するものである。
【0126】
実施例2に係る画像形成装置1は、基本的には実施例1に係る画像形成装置1と同様であるが、図16に示すように、印刷部6にヘッド駆動部610に接続されたインク吐出タイミング調整部6101を備えている。このインク吐出タイミング調整部6101は、プリントヘッド61のインク吐出ノズルから封筒100Eの本体101にインクを吐出すタイミングに対して、インク吐出ノズルからフラップ102にインクを吐出するタイミングを速く調整する。つまり、インク吐出タイミング調整部6101は、ヘッドギャップが小さい場合にはインク吐出タイミングを遅く、ヘッドギャップが大きい場合にはインク吐出タイミングを速く調整する機能を有する。
【0127】
図17(A)は封筒100Eの模式的な断面を示し、図17(B)インク吐出タイミング調整部6101によって調整されたインク吐出タイミングを示す。インク吐出タイミング調整部6101は、本体101のインク吐出タイミングに対して、フラップ102のインク吐出タイミングを速く、用紙を重ねた部分1012のインク吐出タイミングを遅く調整する。
【0128】
このように実施例2に係る画像形成装置1においては、実施例1に係る画像形成装置1により得られる効果に加えて、インク吐出タイミング調整部6101を用いて、インク吐出ノズルからフラップ102にインクを吐出するタイミングを速く調整することにより、本体101に印刷される裏面画像の一部1014Aとフラップ102に印刷される裏面画像の他の一部1014Bとの印刷品質を均一化し、双方の境界における画像移り目を目立たないようにすることができ、1つの裏面画像1014として遜色のない印刷品質を得ることができる。
【0129】
なお、実施例2に係る画像形成装置1においては、ヘッドギャップの調整は行わなくてよい。
【0130】
(その他の実施例)
上記のように、本発明を実施例1及び実施例2によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものでない。本発明は様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術に適用することができる。例えば、本発明は、プリンタ機能単独ではなく、スキャナ機能やファクシミリ機能を備えた複合型のインクジェットプリンタに適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0131】
本発明は、封筒のフラップとプリントヘッドとの干渉を防止し、封筒の搬送不良、封筒の損傷、印刷品質の劣化を生じることがなく、1つの画像を封筒の本体裏面及びフラップ表面に印刷することができる画像形成装置に広く適用可能である。
【符号の説明】
【0132】
1…画像形成装置、100…記録媒体、100E…封筒、100E1…長形封筒、100E2…角形封筒、100E3…洋形封筒、101…本体、102…フラップ、1013…表面画像、1014…裏面画像、1014A…裏面画像の一部、1014B…裏面画像の他の一部、1014C、1014D…余白、103…折り返し領域、2…給紙部、21〜24…給紙トレイ、25…媒体サイズ検出部、26…媒体厚検出部、27…封筒形状検出部、220…駆動回路、210…給紙搬送部駆動源、211…レジストローラ駆動源、212…排紙搬送部駆動源、230…ベルト駆動源、231…搬送部駆動源、232…反転搬送部駆動源、3…搬送手段、31…給紙搬送部、32…印刷搬送部、33…上昇搬送部、34…水平搬送部、35…排紙搬送部、36…反転搬送部、4、5…排紙部、6…印刷部、61…プリントヘッド、610…ヘッドギャップ駆動部、611…ヘッドギャップ調整部、6101…インク吐出タイミング調整部、62…インク循環ユニット、63…プラテンプレート、7…吸引装置、8…制御部、80…制御用IC、801…封筒形状確定手段、81…画像情報格納部、810…封筒情報格納部、8101…封筒形状情報格納部、8102…封筒印刷画像情報格納部、811…画像情報展開部、812…封筒画像情報展開部、82…封筒形状情報取得部、83…インターフェイス部、84…操作部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
封筒の本体裏面及びフラップ表面に印刷する裏面画像の画像情報を格納する画像情報格納部と、
前記画像情報格納部に格納された前記画像情報に基づき、前記フラップを前記本体裏面側に折り返し閉じた状態において前記裏面画像となる、前記封筒の本体裏面に印刷される第1の印刷情報及び前記フラップ表面に印刷される第2の印刷情報を生成する画像情報展開部と、
前記画像情報展開部において生成された第1の印刷情報に基づき前記封筒の本体裏面に前記裏面画像の一部を印刷し、前記第2の印刷情報に基づき前記フラップ表面に前記裏面画像の他の一部を印刷する印刷部と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記画像情報展開部は、前記フラップ表面の周辺領域において前記画像情報の一部を削除し、この削除された領域に余白を設定した前記第2の印刷情報を生成することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記画像情報展開部は、前記フラップ表面の周辺領域側から前記封筒の本体と前記フラップとの間の折り返し領域側に向かって前記裏面画像の他の一部を移動し、この移動によって前記フラップ表面の周辺領域に余白を設定した前記第2の印刷情報を生成することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記画像情報展開部は、前記フラップ表面の周辺領域において前記画像情報の一部の間引きを行い前記第2の印刷情報を生成することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記印刷部は、インクジェット型プリントヘッドを有し、このプリントヘッドのインク吐出ノズルから吐出されるインクを用いて前記裏面画像の一部及び前記裏面画像の他の一部を印刷し、
前記画像情報展開部は、前記フラップ表面の周辺領域の前記画像情報の一部において前記インク吐出ノズルから吐出されるインクドロップ数の間引きを行う前記第2の印刷情報を生成することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記封筒の前記本体及び前記フラップの形状情報を格納する封筒形状情報格納部と、
前記封筒の前記本体及び前記フラップの形状を検出し、前記封筒形状情報格納部に格納された前記形状情報に照合し、検出された前記形状から格納された前記形状情報を確定する封筒形状確定手段と、を備え、
前記画像情報展開部は、前記封筒形状確定手段に基づき確定された前記形状情報の前記フラップの形状情報に対応した前記第2の印刷情報を生成することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記封筒を給紙する給紙部と、
前記封筒を排紙する排紙部と、
前記給紙部から給紙される前記封筒を前記印刷部を通して前記排紙部まで搬送する搬送手段と、を備え、
前記搬送手段を用いて通紙される前記封筒の前記本体及び前記フラップの形状を検出し、この検出結果に基づき前記本体及び前記フラップの形状情報を取得する封筒形状情報取得部を更に備えたことを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
インクジェット型プリントヘッドを有し、このプリントヘッドのインク吐出ノズルから吐出されるインクを用いて前記裏面画像の一部及び前記裏面画像の他の一部を印刷する前記印刷部と、
前記印刷部において前記封筒の前記本体と前記プリントヘッドとのヘッドギャップに対して、前記フラップと前記プリントヘッドとのヘッドギャップを狭く調整するヘッドギャップ調整部と、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項9】
インクジェット型プリントヘッドを有し、このプリントヘッドのインク吐出ノズルから吐出されるインクを用いて前記裏面画像の一部及び前記裏面画像の他の一部を印刷する前記印刷部と、
前記プリントヘッドの前記インク吐出ノズルから前記封筒の前記本体にインクを吐出すタイミングに対して、前記インク吐出ノズルから前記フラップにインクを吐出するタイミングを速く調整するインク吐出タイミング調整部と、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2012−187764(P2012−187764A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−51857(P2011−51857)
【出願日】平成23年3月9日(2011.3.9)
【出願人】(000250502)理想科学工業株式会社 (1,191)
【Fターム(参考)】