説明

画像形成装置

【課題】吸引キャップ内を仕切り壁部で複数の室に分割してキャッピングして吸引を行うと、高密度配置のノズルを有する場合に吸引できないノズルが発生する。
【解決手段】吸引キャップ91にはノズル列242全体を囲んでノズル面240に当接する第1ニップ部291と、ノズル面240に当接する第2ニップ部292を有し、吸引キャップ91内を第1室301及び第2室302に仕切る仕切り壁部300とが設けられ、第2ニップ部292はノズル面240に対して第1ニップ部291よりも後退し、吸引キャップ91は第1ニップ部291がノズル面240に当接し、第2ニップ部292がノズル面240から離間している第1進出位置と、第1ニップ部291及び第2ニップ部292がノズル面に当接している第2進出位置との間で進退可能に配設され、第1室301、第2室302に通じる吸引排出経路97A、97Bがそれぞれ接続されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は画像形成装置に関し、液滴を吐出する記録ヘッドを備える画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プリンタ、ファクシミリ、複写装置、プロッタ、これらの複合機等の画像形成装置として、例えばインク液滴を吐出する記録ヘッドを用いた液体吐出記録方式の画像形成装置としてインクジェット記録装置などが知られている。この液体吐出記録方式の画像形成装置は、記録ヘッドからインク滴を、搬送される用紙に対して吐出して、画像形成(記録、印字、印写、印刷も同義語で使用する。)を行なうものであり、記録ヘッドが主走査方向に移動しながら液滴を吐出して画像を形成するシリアル型画像形成装置と、記録ヘッドが移動しない状態で液滴を吐出して画像を形成するライン型ヘッドを用いるライン型画像形成装置がある。
【0003】
なお、本願において、「画像形成装置」は、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックス等の媒体にインクを着弾させて画像形成を行う装置を意味し、また、「画像形成」とは、文字や図形等の意味を持つ画像を媒体に対して付与することだけでなく、パターン等の意味を持たない画像を媒体に付与すること(単に液滴を媒体に着弾させること)をも意味する。また、「インク」とは、インクと称されるものに限らず、記録液、定着処理液、液体、樹脂などと称されるものなど、画像形成を行うことができるすべての液体の総称として用いる。また、「用紙」とは、材質を紙に限定するものではなく、上述したOHPシート、布なども含み、インク滴が付着されるものの意味であり、被記録媒体、記録媒体、記録紙、記録用紙などと称されるものを含むものの総称として用いる。また、「画像」とは平面的なものに限らず、立体的に形成されたものに付与された画像、また立体自体を三次元的に造形して形成された像も含まれる。
【0004】
ところで、液体吐出方式の画像形成装置において、記録ヘッドのノズルの吐出安定性を維持し、ノズル内のインク乾燥、ノズル内への埃混入防止のため、記録ヘッドのノズル面をキャッピングするキャップと、記録ヘッドのノズル面を払拭して清浄化するワイパ部材(ワイパブレード、ワイピングブレード、ブレードなどとも称される。)などを含む維持回復機構を備え、例えばノズルから増粘インクをキャップ内に排出した後、ノズル面をワイパ部材で払拭してノズルメニスカスを形成する回復動作などを行なう。
【0005】
従来の維持回復機構として、垂直方向に配設された記録ヘッドのノズル面をキャッピングし、上端部に大気開放口が設けられ、下方側部に吸引口が設けられた吸引キャップを備えるものが知られている(特許文献1、2)。
【0006】
また、ノズル開口列をそれぞれ独立に封止する部屋を備えたキャップ部材により封止し、各部屋にそれぞれ負圧を供給し、各部屋の負圧が一定値に到達後、任意の部屋のみに独立に負圧を供給するインク吸引方法も知られている(特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第4186557号公報
【特許文献2】特開平09−254401号公報
【特許文献3】特許第3632201号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、液体吐出ヘッドからなる記録ヘッドにあっては、内部に気泡が混入すると吐出滴の噴射曲がりや吐出不能になるどの不都合が生じる。特に、ノズル列の端部では気泡溜りが発生し易いので、ノズル列端部からの吸引排出を確実に行う必要がある。
【0009】
この場合、上述したように、ノズル開口列をそれぞれ独立に封止する部屋を備えたキャップ部材にあっては、ノズル列端部の室のみの吸引を行うこともできるが、ノズル列の一部のノズルがキャップ部材の部屋を仕切る壁部によって塞がれ、一部のノズルについて回復不良が生じるという課題がある。
【0010】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、気泡排出性を向上しつつ回復不良が生じないようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の課題を解決するため、本発明に係る画像形成装置は、
液滴を吐出する複数のノズルが配列されたノズル列を有する記録ヘッドと、
前記記録ヘッドのノズル面に対して進退可能に配設され、前記記録ヘッドのノズル面をキャッピングするキャップと、を備え、
前記キャップには、前記ノズル列全体を囲んで前記ノズル面に当接する第1ニップ部と、前記ノズル面に当接する第2ニップ部を有し、前記キャップ内を前記ノズル列に沿う方向で少なくとも2つの第1室及び第2室に仕切る仕切り壁部とが設けられ、
仕切り壁部の前記第2ニップ部は、前記ノズル面に対して前記第1ニップ部よりも後退して形成され、
前記キャップは、前記第1ニップ部が前記ノズル面から離間している後退位置と、前記第1ニップ部が前記ノズル面に当接し、前記第2ニップ部が前記ノズル面から離間している第1進出位置と、前記第1ニップ部及び前記第2ニップ部が前記ノズル面に当接している第2進出位置との間で進退可能に配設され、
前記キャップには、前記仕切り壁部で分けられる前記第1室及び第2室に通じる吸引経路がそれぞれ接続されている
構成とした。
【0012】
ここで、前記第2室は前記ノズル列の端部の領域を囲み、
前記キャップを前記第2進出位置まで移動させた状態で前記第2室から前記吸引経路を介して吸引した後、前記キャップを前記第2進出位置から前記第1進出位置まで後退移動させた状態で、前記キャップ内の前記第1室及び第2室全体を吸引する
構成とできる。
【0013】
また、前記各吸引経路は同じ吸引手段に接続され、前記第1室に通じる吸引経路は、前記キャップが第2進出位置まで移動したときに塞がれる構成とできる。
【0014】
また、前記記録ヘッドは前記ノズル面が上下方向に沿う方向にして配置され、
前記第2室は前記ノズル列の最上端部側の領域を囲む
構成とした。
【0015】
また、前記第2室を吸引するときの負圧が前記第1室を吸引するときの負圧よりも高い構成とできる。
【0016】
本発明に係る画像形成装置は、
液滴を吐出する複数のノズルが配列されたノズル列を有する記録ヘッドと、
前記記録ヘッドのノズル面に対して進退可能に配設され、前記記録ヘッドのノズル面をキャッピングするキャップと、を備え、
前記キャップ内には、前記キャップ全体で囲まれる室を第1室とするとき、前記ノズル面に当接して前記第1室から分離された第2室を形成するサブキャップを有し、
前記サブキャップは前記キャップと独立して進退可能であり、
前記キャップ及び前記サブキャップにはそれぞれ吸引経路が接続されている
構成とした。
【0017】
また、前記記録ヘッドは前記ノズル面が上下方向に沿う方向にして配置され、
前記第2室は前記ノズル列の最上端部側の領域を囲む
構成とできる。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る画像形成装置によれば、キャップには、ノズル列全体を囲んでノズル面に当接する第1ニップ部と、ノズル面に当接する第2ニップ部を有し、キャップ内をノズル列に沿う方向で少なくとも2つの第1室及び第2室に仕切る仕切り壁部とが設けられ、仕切り壁部の第2ニップ部は、ノズル面に対して第1ニップ部よりも後退して形成され、キャップは、第1ニップ部がノズル面から離間している後退位置と、第1ニップ部がノズル面に当接し、第2ニップ部がノズル面から離間している第1進出位置と、第1ニップ部及び第2ニップ部がノズル面に当接している第2進出位置との間で進退可能に配設され、キャップには、仕切り壁部で分けられる第1室及び第2室に通じる吸引経路がそれぞれ接続されている構成としたので、例えばノズル列端部のみを吸引することもノズル列全体を吸引することもでき、気泡排出性を向上しつつ回復不良が生じないようにすることができる。
【0019】
本発明に係る画像形成装置によれば、キャップ内には、キャップ全体で囲まれる室を第1室とするとき、ノズル面に当接して第1室から分離された第2室を形成するサブキャップを有し、サブキャップはキャップと独立して進退可能であり、キャップ及びサブキャップにはそれぞれ吸引経路が接続されている構成としたので、例えばノズル列端部のみを吸引することもノズル列全体を吸引することもでき、気泡排出性を向上しつつ回復不良が生じないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明に係る画像形成装置の機構部の側面説明図である。
【図2】図1を矢示A方向から見た説明図である。
【図3】本発明の第1実施形態のデキャップ状態の記録ヘッド及びキャップの斜視説明図である。
【図4】同デキャップ状態の記録ヘッド及びキャップの斜視説明図である。
【図5】同維持回復機構の説明に供する模式的説明図である。
【図6】同維持回復機構による吸引動作の説明に供する模式的説明図である。
【図7】仕切り壁部によって塞がれるノズルが発生する状態の説明に供する説明図である。
【図8】本発明の第2実施形態における維持回復機構の説明に供する模式的説明図である。
【図9】本発明の第3実施形態における維持回復機構の説明に供する模式的説明図である。
【図10】同維持回復機構の吸引動作の説明に供する模式的説明図である。
【図11】本発明の第4実施形態における維持回復機構の一例の説明に供する模式的説明図である。
【図12】同実施形態における維持回復機構の他の例の説明に供する模式的説明図である。
【図13】本発明の第5実施形態における維持回復機構の説明に供する模式的説明図である。
【図14】本発明の他の実施形態における維持回復機構の説明に供する模式的説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して説明する。まず、本発明に係る画像形成装置について図1及び図2を参照して説明する。なお、図1は同画像形成装置の機構部の側面説明図、図2は図1を矢示A方向から見た説明図である。
【0022】
この画像形成装置は、シリアル型画像形成装置であり、装置本体の内部に画像形成部2、搬送機構部5等を有し、装置本体の下方側に被記録媒体である用紙10を積載可能な給紙トレイ(給紙カセットを含み、給紙部の意味で使用する。)4を備え、この給紙トレイ4から給紙される用紙10を取り込み、搬送機構5によって用紙10を垂直方向(鉛直方向に沿う方向)に間歇的に搬送しながら、画像形成部2によって水平方向に液滴を吐出させて所要の画像を記録した後、排紙部6を通じて画像が形成された用紙10を更に上方向に搬送して、装置本体の上方側に設けられた排紙トレイ7に用紙10を排紙する。
【0023】
また、両面印刷を行うときには、一面(表面)印刷終了後、排紙部6から反転部8内に用紙10を取り込み、搬送機構部5によって用紙10を逆方向(下方向)に搬送しながら反転させて他面(裏面)を印刷可能面として再度搬送機構部5に送り込み、他面(裏面)印刷終了後排紙トレイ7に用紙10を排紙する。
【0024】
ここで、画像形成部2は、左右の側板101L、101R間に横架した主ガイド部材21及び従ガイド部材22で、記録ヘッド24を搭載したキャリッジ23を摺動自在に保持し、図示しないキャリッジ移動機構の主走査モータによって駆動プーリと従動プーリ間に架け渡したタイミングベルトを介して主走査方向に移動走査する。
【0025】
キャリッジ23には、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のインク滴を吐出するための液体吐出ヘッドからなる記録ヘッド24a、24b(区別しないときは「記録ヘッド24」という。)を、複数のノズルからなるノズル列を主走査方向と直交する副走査方向に配列し、滴吐出方向を水平方向に向けて装着している。つまり、液滴を吐出するノズルが形成されたノズル面が垂直方向に配置され、水平方向に向けて液滴を吐出する記録ヘッド24を備える水平打ち方式を採用している。
【0026】
記録ヘッド24は、それぞれ複数の液滴を吐出するノズルが列設された2つのノズル列を有し、記録ヘッド24aの一方のノズル列はイエロー(Y)の液滴を、他方のノズル列はマゼンタ(Y)の液滴を、記録ヘッド24bの一方のノズル列はブラック(K)の液滴を、他方のノズル列はシアン(C)の液滴を、それぞれ吐出する。
【0027】
また、キャリッジ23には、記録ヘッド24の各ノズル列に対応して各色のインクを供給するためのヘッドタンク29が搭載され、このヘッドタンク29には、装置本体に着脱自在に装着される各色のインクカートリッジ(メインタンク)からインクが供給される。
【0028】
給紙トレイ4の用紙10は、給紙コロ(半月コロ)43と分離パッド44によって1枚ずつ分離されて装置本体内に給紙され、搬送ガイド部材45に沿って、搬送機構部5の搬送ベルト51と押えコロ48との間に送り込まれ、搬送ベルト51に吸着されて搬送される。
【0029】
搬送機構部5は、駆動ローラである搬送ローラ52と従動ローラ53との間に掛け渡した無端状の搬送ベルト51と、この搬送ベルト51を帯電させるための帯電ローラ54と、画像形成部2に対向する部分で搬送ベルト51の平面性を維持するプラテン部材55となどを有している。なお、搬送ベルト51は、図示しない副走査駆動機構の副走査モータによってタイミングベルト及びタイミングプーリを介して搬送ローラ52が回転駆動されることによって、ベルト搬送方向(副走査方向、用紙搬送方向)に周回移動する。
【0030】
排紙部6は、排紙ガイド部材61と、排紙搬送ローラ62及び拍車63と、排紙ローラ64及び拍車65とが配置され、画像が形成された用紙10を排紙ローラ64及び拍車65間から排紙トレイ7上にフェイスダウンで排紙する。
【0031】
また、反転部8は、排紙トレイ7に一部を排出した用紙10をスイッチバック方式で反転して搬送ベルト51と押えコロ48との間に送り込むため、排紙経路と反転経路を切り替える切替爪81と、反転ガイド部材82と、反転ローラ83及び反転コロである拍車84と、従動ローラ53に対向する従動補助ローラ85と、搬送ベルト51の逆送部分51bと、搬送ベルト51の逆送部分51bから分離された用紙10を、帯電ローラ54を迂回させて、搬送ベルト51と押えコロ48との間に案内する迂回ガイド部材86などを備えている。
【0032】
また、キャリッジ23の走査方向一方側の非印字領域には、記録ヘッド24のノズル124bの状態を維持し、回復するための維持回復機構9を配置している。この維持回復機構9のフレーム90には、記録ヘッド24の各ノズル面124(図1参照)をキャピングするための吸引キャップ91及び保湿キャップ92と、ノズル面124をワイピング(払拭)するワイパ部材(ワイパブレード)94などが保持されている。吸引キャップ91はキャップホルダ93に保持されている。また、増粘したインクを排出するために記録に寄与しない液滴を吐出させる予備吐出(空吐出)を行うときの液滴を受ける空吐出受け95を備えている。吸引キャップ91には吸引手段としての吸引ポンプ96を有する吸引経路である吸引排出経路97が接続され、吸引排出経路97は廃液タンク98に通じている。
【0033】
なお、維持回復機構9のフレーム90内部には、図示しないキャッピング機構用ステッピングモータが配設され、キャッピング機構用ステッピングモータを正転回転すると、図示しないギアとカムを通じて、キャップホルダ93とともに吸引キャップ91が、図示しないキャップホルダとともに保湿キャップ92が、それぞれキャッピングとデキャップ動作を行う。また、キャッピング機構用ステッピングモータを逆転回転することで吸引ポンプ96が駆動される。
【0034】
このように構成したこの画像形成装置においては、給紙トレイ4から用紙10が1枚ずつ分離給紙され、帯電された搬送ベルト51に用紙10が静電吸着され、搬送ベルト51の周回移動によって用紙10が垂直方向に搬送される。そこで、キャリッジ23を移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド24を駆動することにより、停止している用紙10にインク滴を吐出して1行分を記録し、用紙10を所定量搬送後、次の行の記録を行い、記録が終了した用紙10を排紙トレイ7に排紙する。
【0035】
そして、記録ヘッド24のノズルの維持回復を行うときには、キャリッジ23をホーム位置である維持回復機構9に対向する位置に移動して、吸引キャップ91によるキャッピングを行ってノズルからの吸引排出を行うノズル吸引、画像形成に寄与しない液滴を吐出する空吐出などの維持回復動作を行うことにより、安定した液滴吐出による画像形成を行うことができる。
【0036】
また、両面印刷を行う場合には、第1面印刷は上述したとおりの動作を行い、用紙10の後端が反転部分岐(切替爪81)を通過すると、排紙ローラ64が反転駆動されて用紙10がスイッチバックされ、反転ガイド部材82側に案内され、反転ローラ83と拍車84の間で搬送され、搬送ベルト51の逆搬送部分51bと搬送補助ローラ85との間へと用紙10が送り込まれる。
【0037】
これにより、用紙10は搬送ベルト51に吸着され、搬送ベルト51の周回移動によって搬送され、搬送ローラ52側で搬送ベルト51から分離されて、迂回ガイド部材86で案内され(迂回パスを経由し)、再度搬送ベルト51の正搬送部分51aと押圧コロ48との間に送り込まれて搬送ベルト51に吸着され、再度記録ヘッド24による画像形成領域に吸着搬送されることで第2面印刷が行われた後、排紙トレイ7に排紙される。
【0038】
次に、本発明の第1実施形態における維持回復機構について図3ないし図6を参照して説明する。なお、図3は同実施形態のデキャップ状態の記録ヘッド及びキャップの斜視説明図、図4は同デキャップ状態の記録ヘッド及びキャップの斜視説明図、図5は同維持回復機構の説明に供する模式的説明図、図6は同維持回復機構による吸引動作の説明に供する模式的説明図である。
【0039】
記録ヘッド24は、液滴を吐出する複数のノズル241が配列された2つのノズル列242a、242b(区別しないときは「ノズル列242」という。)がノズル面240に設けられ、ノズル面240は前述したように上下方向(ここでは、前述したように垂直方向)に配置されている。各ノズル241には共通液室243を通じてヘッドタンク29から液体(インク)500が供給され、図示しない圧力発生手段が駆動されることで液滴を吐出する。
【0040】
吸引キャップ91は、ノズル列242全体を囲んでノズル面240に当接する周縁部の第1ニップ部291を有するとともに、内部に、ノズル面240に当接する第2ニップ部292を有し、キャップ内をノズル列に沿う方向で2つの第1室301及び第2室302に仕切る仕切り壁部300が設けられている。ここで、第2室302は、第2ニップ部291がノズル面240に当接したときにノズル列242の最上端部の領域のノズルを囲む室となる。
【0041】
ここで、仕切り壁部300の第2ニップ部292は、ノズル面240に対して第1ニップ部291よりも距離Lだけ後退して形成されている。また、吸引キャップ91の少なくとも側壁部91aは変形可能な部材で形成されている。
【0042】
また、この吸引キャップ91は、第1ニップ部191がノズル面240から離間している後退位置(図5の位置)と、第1ニップ部291がノズル面240に当接し、第2ニップ部292がノズル面240から離間している第1進出位置(図6(a)の位置)と、第1ニップ部291及び第2ニップ部292がノズル面240に当接している第2進出位置(図6(b)の位置)との間で、記録ヘッド24のノズル面240に対して進退可能に配設されている。
【0043】
この吸引キャップ91の移動は、図示しないキャップ移動機構によって行われ、例えばカムの回転によって、退避位置から第1進出位置に進出移動し、次いで第1進出位置から第2進出位置に進出移動し、次いで第2進出位置から第1進出位置に後退移動し、その後退避位置まで後退移動する。
【0044】
さらに、吸引キャップ91には、キャッピング時に内部を大気に開放する大気開放路305が接続され、大気開放路305は大気開放弁306にて開閉される。
【0045】
また、吸引キャップ91の第1室301には吸引排出経路97Aが接続され、吸引排出経路97Aには吸引ポンプ96Aが介装されている。また、第2室302には吸引排出経路97Bが接続され、吸引排出経路97Bには吸引ポンプ96Aが介装されている。
【0046】
このように構成したので、吸引動作を行なうときには、図5に示すように吸引キャップ91が退避位置にある状態から、図示しないキャッピング移動機構によって、吸引キャップ91を記録ヘッド24のノズル面240に向かって進出移動させると、まず、図6(a)に示すように、第1ニップ部291がノズル面240に当接し、第2ニップ部292がノズル面240から離間している第1位置になる。
【0047】
そして、そのまま第1位置を通過して更に吸引キャップ91を記録ヘッド24のノズル面240に向かって第2位置まで進出移動させると、図6(b)に示すように、吸引キャップ91の側壁部91aが潰れて、第2ニップ部292もノズル面240に当接し、吸引キャップ91とノズル面240との間の密閉空間は第1室301と第2室302とに分離される。
【0048】
そこで、吸引ポンプ96Bを駆動して第2室302を負圧にすることにより、図6(c)に示すように、ノズル列242の最上端部側のノズル241からインク(液体)500が吸引排出される。このとき、記録ヘッド24内に侵入した気泡501は浮力によって上昇してノズル列242の最上端部側に溜まるので、気泡501もインクと共に第2室302内に排出される。
【0049】
その後、吸引キャップ91を第2位置から第1位置まで後退移動させることにより、第2ニップ部292がノズル面240から離間して第1ニップ部291のみが当接し、第1室301及び第2室302は連通状態になる。
【0050】
ここで、吸引ポンプ96A(あるいは吸引ポンプ96B、あるいはその両者)を駆動することにより、第1室301及び第2室302全体が負圧になるので、ノズル列242全体のノズル241からインク500を吸引キャップ91内に吸引排出することができる。
【0051】
これにより、第2ニップ部291によって塞がれていたノズル241からも吸引することができ、すべてのノズル241からの吸引排出による維持回復を確実に行うことができる。
【0052】
すなわち、図7に示すように、吸引キャップ91内を複数の室(部屋)に仕切る仕切り壁部602を設けてノズル面をキャッピングしたときに周縁部601及び仕切り壁部602がノズル面に同時に当接するように構成した場合、仕切り壁部602がノズル241を塞ぐことがある。特に、ノズル241を高密度で配置した場合、ノズル241間が狭くなり、仕切り壁602をノズル241間に高精度に位置決めして当接させることは不可能になり、吸引動作を行っても吸引されないノズル241が発生して、回復不良が生じる。
【0053】
これに対して、上記実施形態のように、仕切り壁部300の第2ニップ部292がノズル面240に当接する位置と離間する位置とを取り得るように構成することで、吸引キャップ291全体の吸引と、部分的に区画された領域の吸引とを行うことができるので、すべてのノズルから吸引することができて、回復不良が生じることが防止される。
【0054】
なお、第2室302を吸引する吸引ポンプ96Bで発生する負圧を、第1室301を吸引する吸引ポンプ96Aで発生する負圧より高くする(大きくする)ことにより、前記第2位置で第2室302内のみに負圧を発生させてノズル列242の最上端部側のノズル241から吸引排出を行うとき、気泡の排出をより確実に行うことができる。
【0055】
また、吸引キャップ91内にインク500を吸引排出した後は、大気開放弁306を開いて吸引キャップ91内を大気開放状態にし、吸引ポンプ96A、96Bを駆動して、吸引排出されたインク500などを吸引排出経路97A、97Bを通じて廃液タンク98に排出する。
【0056】
このように、キャップには、ノズル列全体を囲んでノズル面に当接する第1ニップ部と、ノズル面に当接する第2ニップ部を有し、キャップ内をノズル列に沿う方向で少なくとも2つの第1室及び第2室に仕切る仕切り壁部とが設けられ、仕切り壁部の第2ニップ部は、ノズル面に対して第1ニップ部よりも後退して形成され、キャップは、第1ニップ部がノズル面から離間している後退位置と、第1ニップ部がノズル面に当接し、第2ニップ部がノズル面から離間している第1進出位置と、第1ニップ部及び第2ニップ部がノズル面に当接している第2進出位置との間で進退可能に配設され、キャップには、仕切り壁部で分けられる第1室及び第2室に通じる吸引経路がそれぞれ接続されている構成とすることで、例えばノズル列端部のみを吸引することもノズル列全体を吸引することもでき、気泡排出性を向上しつつ回復不良が生じないようにすることができる。
【0057】
次に、本発明の第2実施形態における維持回復機構について図8を参照して説明する。なお、図8は同維持回復機構の説明に供する模式的説明図である。
本実施形態では、第1室301に通じる吸引排出経路97Aと第2室302に通じる吸引排出経路97Bとを途中で合流させて1つの吸引ポンプ96に接続している。また、第1室301に通じる吸引排出経路97Aの第1室301への開口部97Aaは、吸引キャップ91が第2位置に進出移動されて側壁部91aが潰れたときに共に潰されて閉じる位置に設けている。なお、このように構成するには吸引排出経路97Aは可撓性を有するチューブで形成すればよい。
【0058】
このように構成したので、吸引キャップ91を図8(a)に示す第2位置に進出移動させたときには、前記第1実施形態と同様に、吸引キャップ91の側壁部91aが潰れて、第2ニップ部292がノズル面240に当接し、吸引キャップ91とノズル面240との間の密閉空間は第1室301と第2室302とに分離される。また、上述したように、第1室301に通じる吸引排出経路97Aの開口部97Aaが閉じられる。
【0059】
そこで、吸引ポンプ96を駆動することによって第1室301を負圧にすることにより、図8(c)に示すように、ノズル列242の最上端部側のノズル241からインク(液体)500が吸引排出される。このとき、記録ヘッド24内に侵入した気泡501は浮力によって上昇してノズル列242の最上端部側に溜まるので、気泡501もインクと共に第2室302内に排出される。
【0060】
その後、吸引キャップ91を第2位置から第1位置まで後退移動させることにより、図8(a)に示すように、第2ニップ部292がノズル面240から離間して第1ニップ部291のみが当接し、第1室301及び第2室302は連通状態になる。また、第1室301に通じる吸引排出経路97Aの開口部97Aaも開かれる。
【0061】
そこで、吸引ポンプ96を駆動することによって第1室301及び第2室302全体が負圧になるので、ノズル列242全体のノズル241からインク500を吸引キャップ91内に吸引排出することができる。
【0062】
これにより、第2ニップ部291によって塞がれていたノズル241からも吸引することができ、すべてのノズル241からの吸引排出による維持回復を確実に行うことができる。
【0063】
このように、1つの吸引ポンプ96で2つの室301、302を吸引することができるので、コストを低減できる。
【0064】
次に、本発明の第3実施形態における維持回復機構について図9及び図10を参照して説明する。なお、図9は同維持回復機構の説明に供する模式的説明図、図10は同維持回復機構の吸引動作の説明に供する模式的説明図である。
【0065】
吸引キャップ91は、ノズル列242全体を囲んでノズル面240に当接する周縁部の第1ニップ部291を有するとともに、内部に、ノズル面240に当接する第2ニップ部292を有し、キャップ内をノズル列に沿う方向で2つの第1室301及び第2室302に仕切るサブキャップ330を有している。ここで、サブキャップ330の第2室302は、第2ニップ部291がノズル面240に当接したときにノズル列242の最上端部の領域のノズルを囲む室となる。
【0066】
また、吸引キャップ91とサブキャップ330とは独立して記録ヘッド24のノズル面240に対して進退可能に配設され、それぞれ図示しないキャップ移動機構によってカムなどにより進退移動される。
【0067】
さらに、吸引キャップ91には、キャッピング時に内部を大気に開放する大気開放路305が接続され、大気開放路305は大気開放弁306にて開閉される。また、サブキャップ330にはキャッピング時に内部を大気に開放する大気開放路335が接続され、大気開放路335は大気開放弁336にて開閉される。
【0068】
また、吸引キャップ91の第1室301には吸引排出経路97Aが接続され、吸引排出経路97Aには吸引ポンプ96Aが介装されている。また、第2室302には吸引排出経路97Bが接続され、吸引排出経路97Bには吸引ポンプ96Aが介装されている。
【0069】
このように構成したので、吸引動作を行なうときには、図9に示すように吸引キャップ91が退避位置にある状態から、図示しないキャッピング移動機構によって、吸引キャップ91及びサブキャップ330を記録ヘッド24のノズル面240に向かって進出移動させると、まず、図10(a)に示すように、第1ニップ部291及び第2ニップ部291がノズル面240に当接し、吸引キャップ91とノズル面240との間の密閉空間は第1室301と第2室302とに分離される。
【0070】
そこで、吸引ポンプ96Bを駆動して第2室302を負圧にすることにより、図10(b)に示すように、ノズル列242の最上端部側のノズル241からインク(液体)500が吸引排出される。このとき、記録ヘッド24内に侵入した気泡501は浮力によって上昇してノズル列242の最上端部側に溜まるので、気泡501もインクと共に第2室302内に排出される。
【0071】
その後、図10(c)に示すように、サブキャップ330のみを後退移動させて第2ニップ部292をノズル面240から離間させることにより、第1ニップ部291のみがノズル面240に当接して第1室301及び第2室302は連通状態になる。
【0072】
ここで、吸引ポンプ96A(あるいは吸引ポンプ96B、あるいはその両者)を駆動することにより、第1室301及び第2室302全体が負圧になるので、ノズル列242全体のノズル241からインク500を吸引キャップ91内に吸引排出することができる。
【0073】
これにより、第2ニップ部291によって塞がれていたノズル241からも吸引することができ、すべてのノズル241からの吸引排出による維持回復を確実に行うことができる。
【0074】
なお、吸引キャップ91内にインク500を吸引排出した後は、大気開放弁306、336を開いて吸引キャップ91及びサブタンク330内を大気開放状態にし、吸引ポンプ96A、96Bを駆動して、吸引排出されたインク500などを吸引排出経路97A、97Bを通じて廃液タンク98に排出する。
【0075】
このように、キャップ内には、キャップ全体で囲まれる室を第1室とするとき、ノズル面に当接して第1室から分離された第2室を形成するサブキャップを有し、サブキャップはキャップと独立して進退可能であり、キャップ及びサブキャップにはそれぞれ吸引経路が接続されている構成とすることで、例えばノズル列端部のみを吸引することもノズル列全体を吸引することもでき、気泡排出性を向上しつつ回復不良が生じないようにすることができる。
【0076】
次に、本発明の第4実施形態における維持回復機構の異なる例について図11及び図12を参照して説明する。なお、図11及び図12は同維持回復機構の説明に供する模式的説明図である。
図11に示す一例は、前記第1実施形態において、第2室302を吸引する吸引ポンプ96Bを、第1室301を吸引する吸引ポンプ96Aよりも吸引圧が高い吸引ポンプとしたものである。これにより、第2室302を吸引する吸引ポンプ96Bで発生する負圧を、第1室301を吸引する吸引ポンプ96Aで発生する負圧より高くする(大きくする)ことができるので、前記第2位置で第2室302内のみに負圧を発生させてノズル列242の最上端部側のノズル241から吸引排出を行うとき、気泡の排出をより確実に行うことができる。
【0077】
図12に示す他の例は、前記第1実施形態において、第2室302を吸引する吸引ポンプ96Bを有する吸引排出経路97Aの径D2を、第1室301を吸引する吸引ポンプ96Aを有する吸引排出経路97Aの径D1よりも大きくしたものである。これにより、第2室302を吸引する吸引ポンプ96Bで発生する負圧を、第1室301を吸引する吸引ポンプ96Aで発生する負圧より高くする(大きくする)ことができるので、前記第2位置で第2室302内のみに負圧を発生させてノズル列242の最上端部側のノズル241から吸引排出を行うとき、気泡の排出をより確実に行うことができる。
【0078】
次に、本発明の第5実施形態における維持回復機構について図13を参照して説明する。なお、図13は同維持回復機構の説明に供する模式的説明図である。
ここでは、前記第2実施形態と同様に、第1室301に通じる吸引排出経路97Aと第2室302に通じる吸引排出経路97Bとを途中で合流させて1つの吸引ポンプ96に接続している。そして、第1室301に通じる吸引排出経路97Aには開閉弁315を介装している。
【0079】
そして、第2室302のみから吸引を行うときには、図13(a)に示すように開閉弁315を閉じて吸引ポンプ96による吸引力を第2室302のみに作用させ、第1室301及び第2室302から吸引を行うときには、図13(b)に示すように開閉弁315を開いて吸引ポンプ96による吸引力を第1室301及び第2室302に作用させる。
【0080】
これにより、吸引ポンプを1つにすることができてコストを低減できる。
【0081】
次に、本発明の他の実施形態における維持回復機構ついて図14を参照して説明する。なお、図14は同維持回付機構の説明に供する模式的説明図である。
ここでは、吸引キャップ91内を第1室301及び第2室302に仕切る仕切り壁部370を設けてノズル面をキャッピングしたときに周縁部の第1ニップ部291及び仕切り壁部370の第2ニップ部291がノズル面240に同時に当接するようにしている。
【0082】
そして、図14(a)に示すように、吸引キャップ91でノズル面240をキャッピングした後、同図(b)に示すように、第2室302のみ吸引を行って気泡501とともにインク500を第2室302に排出し、その後同図(c)に示すように、第1室301の吸引を行う。これにより、ノズル列241の最上端部に溜まる気泡を効果的に排出することができる。
【0083】
特に、前記第5実施形態で説明したように、第2室302に発生させる負圧を第1室301に発生させる負圧よりも大きくすることにより、ノズル列241の最上端部に溜まる気泡を効果的に排出することができる。
【0084】
なお、上記実施形態では、用紙を鉛直方向に沿う方向(垂直方向)に搬送し、液滴を水平方向に吐出する例で説明しているが、用紙を鉛直方向に沿う方向(垂直方向)に対して傾斜した方向に搬送し、液滴を水平方向に対して傾斜した方向に吐出する記録ヘッドを備える構成であっても、本発明を同様に適用することができる。また、用紙を水平方向に搬送し、液滴を垂直方向下方に向けて吐出する記録ヘッドを備える装置であっても、本発明を同様に適用することができる。また、上記実施形態ではシリアル型画像形成装置で説明しているが、ライン型画像形成装置にも同様に適用できる。
【符号の説明】
【0085】
2 画像形成部
4 給紙部
5 搬送機構
6 排紙部
7 排紙トレイ
8 反転部
9 維持回復機構
10 用紙(被記録媒体)
23 キャリッジ
24 記録ヘッド
51 搬送ベルト
91 吸引キャップ
93 キャップホルダ
96、96A、96B 吸引ポンプ
97、97A、97B 吸引排出経路
98 廃液タンク
291 第1ニップ部
292 第2ニップ部
300 仕切り壁部
301 第1室
302 第2室
330 サブキャップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液滴を吐出する複数のノズルが配列されたノズル列を有する記録ヘッドと、
前記記録ヘッドのノズル面に対して進退可能に配設され、前記記録ヘッドのノズル面をキャッピングするキャップと、を備え、
前記キャップには、前記ノズル列全体を囲んで前記ノズル面に当接する第1ニップ部と、前記ノズル面に当接する第2ニップ部を有し、前記キャップ内を前記ノズル列に沿う方向で少なくとも2つの第1室及び第2室に仕切る仕切り壁部とが設けられ、
仕切り壁部の前記第2ニップ部は、前記ノズル面に対して前記第1ニップ部よりも後退して形成され、
前記キャップは、前記第1ニップ部が前記ノズル面から離間している後退位置と、前記第1ニップ部が前記ノズル面に当接し、前記第2ニップ部が前記ノズル面から離間している第1進出位置と、前記第1ニップ部及び前記第2ニップ部が前記ノズル面に当接している第2進出位置との間で進退可能に配設され、
前記キャップには、前記仕切り壁部で分けられる前記第1室及び第2室に通じる吸引経路がそれぞれ接続されている
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記第2室は前記ノズル列の端部の領域を囲み、
前記キャップを前記第2進出位置まで移動させた状態で前記第2室から前記吸引経路を介して吸引した後、前記キャップを前記第2進出位置から前記第1進出位置まで後退移動させた状態で、前記キャップ内の前記第1室及び第2室全体を吸引することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記各吸引経路は同じ吸引手段に接続され、前記第1室に通じる吸引経路は、前記キャップが第2進出位置まで移動したときに塞がれることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記記録ヘッドは前記ノズル面が上下方向に沿う方向にして配置され、
前記第2室は前記ノズル列の最上端部側の領域を囲む
ことを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記第2室を吸引するときの負圧が前記第1室を吸引するときの負圧よりも高いことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
液滴を吐出する複数のノズルが配列されたノズル列を有する記録ヘッドと、
前記記録ヘッドのノズル面に対して進退可能に配設され、前記記録ヘッドのノズル面をキャッピングするキャップと、を備え、
前記キャップ内には、前記キャップ全体で囲まれる室を第1室とするとき、前記ノズル面に当接して前記第1室から分離された第2室を形成するサブキャップを有し、
前記サブキャップは前記キャップと独立して進退可能であり、
前記キャップ及び前記サブキャップにはそれぞれ吸引経路が接続されている
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
前記記録ヘッドは前記ノズル面が上下方向に沿う方向にして配置され、
前記第2室は前記ノズル列の最上端部側の領域を囲む
ことを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−192624(P2012−192624A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−58194(P2011−58194)
【出願日】平成23年3月16日(2011.3.16)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】