説明

画像形成装置

【課題】本発明の目的は、インクジェット方式による画像のみを形成する場合に、電子写真方式の画像形成部を記録媒体が通過することによる、記録媒体の劣化及び電子写真方式の画像形成部の劣化を防止するとともに、装置の小型化を実現することである。
【解決手段】電子写真方式の第一の画像形成部99と、インクジェット方式の第二の画像形成部100と、を有する画像形成装置であって、第一の画像形成部99によって画像が形成された記録媒体を再び第一の画像形成部99に搬送するための両面搬送経路133,132を備え、両面搬送経路133,132に第二の画像形成部100を設けるとともに、記録媒体Sを、第一の画像形成部99へ送る第一の搬送パス121と、第一の画像形成部99を通過させずに第二の画像形成部100を設けた両面搬送経路133,132へ送る第二の搬送パス131とに、切り替える切替部材105を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式の画像形成部とインクジェット方式の画像形成部を有する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像を得るための方法としては、主に電子写真方式(トナー型)による方法と、インクジェット方式(インク型)による方法がある。これら2つの方法(記録方式)には、それぞれに長所がある。電子写真方式は高速化が可能であり、インクジェット方式はインクの色再現性に優れている。このお互いの長所を使い分けて画像形成する装置が提案されている。
【0003】
例えば特開2002−301838では、電子写真方式の画像形成部の後にインクジェット方式の画像形成部を配置することで、お互いの長所を使い分けて画像形成する装置を達成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−301838号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の画像形成装置では、記録媒体の搬送経路が、電子写真方式の画像形成部を通過してからインクジェット方式の画像形成部へと通じる経路となっている。そのため、インクジェット方式による画像のみを形成する場合でも、記録媒体は電子写真方式の画像形成部を通過することになる。この場合、インクジェット方式による画像のみを形成する記録媒体でも、電子写真方式の画像形成部を通過するため、記録媒体又は電子写真方式の画像形成部が劣化するおそれがある。
【0006】
例えば、記録媒体が普通紙とは種類の異なる封筒などの特殊紙の場合、電子写真方式の画像形成部における定着部によってシワなどが生じるおそれがある。また、記録媒体が使用可能なサイズのうち小サイズ紙の場合、電子写真方式の画像形成部における定着部で記録媒体が通過しない部分の昇温などが生じ、劣化するおそれがある。
【0007】
また、電子写真方式の画像形成部の後にインクジェット方式の画像形成部を配置することで、電子写真方式の画像形成部を有する装置に対してインクジェット方式の画像形成部を有する装置が付け足される形になるため、装置が大型化してしまう。
【0008】
そこで、本発明の目的は、インクジェット方式による画像のみを形成する場合に、電子写真方式の画像形成部を記録媒体が通過することによる、記録媒体の劣化及び電子写真方式の画像形成部の劣化を防止することである。
【0009】
また、本発明の他の目的は、電子写真方式の画像形成部とインクジェット方式の画像形成装置を設ける装置の小型化を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明は、記録媒体を一枚ずつ給送する給送手段と、前記給送手段によって給送された記録媒体に電子写真方式で画像を形成する第一の画像形成部と、前記給送手段によって給送された記録媒体にインクジェット方式で画像を形成する第二の画像形成部と、を有する画像形成装置であって、前記第一の画像形成部によって画像が形成された記録媒体を再び前記第一の画像形成部に搬送するための両面搬送経路を備え、前記両面搬送経路に前記第二の画像形成部を設けるとともに、前記給送手段によって給送された記録媒体を、前記第一の画像形成部へ送る第一の搬送経路と、前記第一の画像形成部を通過させずに前記第二の画像形成部を設けた前記両面搬送経路へ送る第二の搬送経路とに、切り替える切替機構を設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、記録媒体を、第一の画像形成部へ送る第一の搬送経路、または、第一の画像形成部を通過させずに第二の画像形成部へ送る第二の搬送経路に切り替えて送る。そのため、インクジェット方式による画像のみを形成する場合に、電子写真方式の第一の画像形成部を記録媒体が通過することによる、記録媒体の劣化及び電子写真方式の第一の画像形成部の劣化を防止することができる。
【0012】
また、画像が形成された記録媒体を再び第一の画像形成部に搬送するための両面搬送経路に第二の画像形成部を設けたため、装置の小型化を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】画像形成装置の模式断面図
【図2】電子写真方式による両面画像形成を表す断面図
【図3】インクジェット方式による片面画像形成を表す断面図
【図4】画像形成を行うフローチャート図
【図5】画像形成を行うブロック図
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、以下の実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、それらの相対配置などは、本発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものである。従って、特に特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0015】
〔第1実施形態〕
図1〜図5を用いて、第1実施形態に係る画像形成装置について説明する。本実施形態では、画像形成装置として、電子写真方式及びインクジェット方式を用いたカラー画像形成装置を例示している。
【0016】
図1は、第1実施形態に係る画像形成装置の概略構成を示す模式断面図である。ここでは、電子写真方式においては、色の異なる4色の画像形成部を中間転写ベルト下に並べて配置した中間転写タンデム方式を採用している。一方、インクジェット方式においては、シート搬送方向に対して直交する方向に設けたライン状の記録部で記録するライン方式を採用している。
【0017】
<シートの搬送プロセス>
記録媒体Sは記録媒体収納庫61,62に積載される形で収納されており、各給送手段71,72により画像形成タイミングに合わせて一枚ずつ給送される。前記給送手段71,72により送り出された記録媒体Sは、搬送パス106を通過して、切替機構を構成する切替部材105により、第一の搬送経路である搬送パス121か、第二の搬送経路である搬送パス131のいずれかに案内される。
【0018】
第一の搬送経路である搬送パス121は、電子写真方式で画像を形成する第一の画像形成部99へ記録媒体Sを送る搬送パスである。第二の搬送経路である搬送パス131は、インクジェット方式で画像を形成する第二の画像形成部100へ記録媒体Sを送る搬送パスである。
【0019】
画像形成装置は、第一の画像形成部99によって画像が形成された記録媒体Sを再び第一の画像形成部99に搬送するための両面搬送経路133,132,111を備えている。この両面搬送経路133,132,111に第二の画像形成部100を設けている。第二の搬送経路である搬送パス131は、インクジェット方式の画像形成部100が設けられている両面搬送経路133,132,111へ記録媒体Sを送る搬送パスである。
【0020】
続いて、画像の作像プロセスについて、電子写真方式とインクジェット方式の各々を説明する。
【0021】
<電子写真方式による画像の作像プロセス>
前記切替部材105によって第一の画像形成部99に向けて案内された記録媒体Sは、第一の搬送経路である搬送パス121を通過してレジストローラ対73へと搬送される。レジストローラ対73は記録媒体収納庫61,62から搬送されてくる記録媒体Sを突き当ててループを作成することにより記録媒体Sの先端を倣わせ斜行を修正する機能を有している。また、レジストローラ対73は、記録媒体Sへの画像形成のタイミング、即ち、像担持体上に担持されたトナー像に合わせて、所定のタイミングにて記録媒体Sを二次転写部へ搬送する機能を有している。
【0022】
レジストローラ対73は、斜行修正を行った後に、所望のタイミングにて二次転写部へ記録媒体Sを送り出す。二次転写部は、対向する二次転写内ローラ32および二次転写外ローラ41により形成される記録媒体Sへのトナー像転写ニップ部であり、所定の加圧力と静電的負荷バイアスを与えることで記録媒体S上にトナー像を転写させる。
【0023】
次に、二次転写部までの記録媒体Sの搬送プロセスに対して、同様のタイミングで二次転写部まで送られて来る画像の形成プロセスについて説明する。
【0024】
電子写真方式による画像形成部99は、主に像担持体と、これに作用するプロセス手段から構成されている。ここでは、画像形成部99は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、およびブラック(K)の4セット存在する。勿論、色数は4色に限定されるものではなく、また色の並び順もこの限りではない。
【0025】
各画像形成部は、像担持体としての感光体11(11Y,11M,11C,11K)、プロセス手段としての帯電装置12(12Y,12M,12C,12K)、露光装置13(13Y,13M,13C,13K)、現像装置14(14Y,14M,14C,14K)、一次転写装置35(35Y,35M,35C,35K)、および感光体クリーナ15(15Y,15M,15C,15K)等から構成される。
【0026】
予め帯電装置12により表面を一様に帯電され、回転する感光体11に対し、送られてきた画像情報の信号に基づいて露光装置13が駆動され、潜像が形成される。感光体11上に形成された静電潜像は、現像装置14によるトナー現像を経て、感光体11上にトナー像として顕在化する。その後、一次転写装置35により所定の加圧力および静電的負荷バイアスが与えられ、中間転写ベルト31上にトナー像が転写される。その後、感光体11上に僅かに残った転写残トナーは感光体クリーナ15により回収され、再び次の画像形成に備える。
【0027】
次に、中間転写ベルト31について説明。前記中間転写ベルト31は駆動ローラ33、テンションローラ34,36、および二次転写内ローラ32等のローラによって張架され、図中矢印A方向へと搬送駆動される。先述のY,M,C,Kの各画像形成部により並列処理される各色の画像形成プロセスは、中間転写ベルト31上に一次転写された上流色のトナー像上に重ね合わせるタイミングで行われる。その結果、最終的にはフルカラーのトナー像が中間転写ベルト31上に形成され、二次転写部へと搬送される。
【0028】
二次転写部において中間転写ベルト31から記録媒体S上にフルカラーのトナー像が二次転写され、その後、記録媒体Sは定着装置5へと搬送される。定着装置5は、対向するローラもしくはベルト等による所定の加圧力と、一般的にはヒータ等の熱源による加熱効果を加えて記録媒体S上にトナー像を溶融固着させる。
【0029】
定着装置5によってトナー像を溶融固着された記録媒体Sは、搬送パス122を通り搬送ローラ対74によって搬送され、さらに排出ローラ対76により搬送され、排出トレイ65上に積載される。
【0030】
また、省エネルギーの観点から、電子写真方式による画像形成部99で画像形成をしている間は、インクジェット方式による画像形成部100は動作しない構成をとっている。この動作の制御は、後述する制御部(図5に示すコントローラ(CPU)90によって行われる。
【0031】
<電子写真方式による両面画像形成プロセス>
次に図2を用い電子写真方式で記録媒体Sに両面画像形成をする場合の説明を行う。
【0032】
定着装置5によってトナー像を溶融固着された記録媒体Sは、搬送パス122を通り搬送ローラ対74によって搬送され、さらに排出ローラ対76により搬送される。排出ローラ対76は回転方向を正逆転させることが可能であり、記録媒体Sの後端を挟持したタイミングで回転方向を逆転する機能を持っている。
【0033】
逆転する排出ローラ対76により反転搬送された記録媒体Sは、切替部材107により両面搬送経路を構成する搬送パス133に搬送される。記録媒体Sは搬送ローラ対84、レジストローラ対83、搬送ローラ対82により順次搬送され、両面搬送経路を構成する搬送パス132を搬送される。次に搬送ローラ対82によって搬送される記録媒体Sは、切替部材108により両面搬送経路を構成する搬送パス111に案内され、レジストローラ対73に到る。その後の画像形成プロセスは前述したので割愛する。
【0034】
そして、両面にトナー像を溶融固着された記録媒体Sは、搬送パス122を通り搬送ローラ対74によって搬送され、さらに排出ローラ対76により搬送され、排出トレイ65上に積載される。
【0035】
<インクジェット方式による画像の作像プロセス>
次に図3を用いてインクジェット方式による画像形成部100の説明をする。前記切替部材105によって第二の画像形成部100に向けて案内された記録媒体Sは、第二の搬送経路である搬送パス131を通過して、搬送ローラ対82によって搬送パス132に送られレジストローラ対83へと搬送される。
【0036】
前記搬送ローラ対82は前述した電子写真方式の両面画像形成プロセスにおいては正転することで、図で示すところの下方向に記録媒体Sを搬送した。搬送ローラ対82は、回転方向を正逆に切り替えることが可能であり、インクジェット方式による画像形成プロセスで画像形成する場合は逆転して図で示すところの上方向に記録媒体Sを搬送できる。
【0037】
次にレジストローラ対83は搬送ローラ対82から搬送されてくる記録媒体Sを突き当ててループを作成することにより、記録媒体Sの先端を倣わせ斜行を修正する機能を持っている。また、記録媒体Sへの画像形成のタイミング、即ち、インクジェット方式の画像形成部のインク吐出タイミングに合わせて、記録媒体Sをインクジェット方式の画像形成部100へ搬送する機能を有している。
【0038】
前述のようにインクジェット方式による画像形成を行う際はレジストローラ対83が正逆転の切り替えが可能であることは言うまでもない。
【0039】
記録媒体Sはインクジェット方式による画像形成部100により画像情報に応じてインクが吐出されて画像が形成される。画像形成部100の記録部は、例えばイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、およびブラック(K)の各記録ヘッド101Y,102M,103C,104Kを有する。
【0040】
図1に示すように、各々の記録ヘッド101Y,102M,103C,104Kは、記録媒体の搬送方向と直交する方向の長さ分(幅分)のノズル列を持ったインクジェット方式のラインヘッドである。
【0041】
これら4本の記録ヘッド101Y,102M,103C,104Kからそれぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、およびブラック(K)のインクを選択的に吐出し、記録媒体Sに対しカラー画像を記録する。
【0042】
吐出するインクは、不図示のインクカートリッジから、不図示のポンプ、チューブによってそれぞれ対応する記録ヘッド101Y,102M,103C,104Kに供給される。勿論、色数は4色に限定されるものではなく、また色の並び順もこの限りではない。
【0043】
前記インクジェット方式によってインクを吐出された記録媒体Sは、逆転した搬送ローラ対84によって搬送パス133に搬送される。搬送された記録媒体Sは、排出ローラ76により搬送され、排出トレイ65上に積載される。
【0044】
前述したように、本実施形態では、インクジェット方式による画像のみを形成する場合に、記録媒体を、電子写真方式の第一の画像形成部99を通過させずに、第二の画像形成部100を設けた両面搬送経路133,132,111へ送る。そのため、インクジェット方式による画像のみを形成する場合に、電子写真方式の第一の画像形成部99を記録媒体が通過することによる、記録媒体の劣化及び電子写真方式の第一の画像形成部99の劣化を防止することができる。
【0045】
また、画像が形成された記録媒体を再び第一の画像形成部99に搬送するための両面搬送経路133,132の間に第二の画像形成部100を設けたため、画像形成部99,100を直列させる構成に比べて、装置の小型化を実現することができる。
【0046】
また、省エネルギーの観点から、インクジェット方式による画像形成部100で画像形成をしている間は、電子写真方式による画像形成部99は動作しない構成をとっている。この動作の制御は、後述する制御部(図5に示すコントローラ(CPU)90によって行われる。
【0047】
<電子写真方式とインクジェット方式に関するプロセス>
ここで、両面画像形成を含めた電子写真方式とインクジェット方式の使い分けに関して説明する。
【0048】
画像形成装置には、図5に示すように、装置全体の動作を制御する制御部としてのコントローラ90が配置されている。コントローラ90は、記録媒体収納庫61,62に収納されている記録媒体Sが、電子写真方式による画像形成部99に適合するのか、インクジェット方式による画像形成部100に適合するのか、電子写真方式による画像形成部99及びインクジェット方式による画像形成部100のどちらにも適合するのかを、あらかじめ記録されている。
【0049】
例えば電子写真方式による画像形成が適合する紙種としては、普通紙や64g以下の薄紙やOHPが挙げられる。またインクジェット方式による画像形成が適合する紙種としては、インクジェットコート紙やエンボス紙や封筒等があり、紙サイズとしてはA4以下の紙サイズであるA4やB5やLGLやSTMTといった小サイズ紙が挙げられる。
【0050】
記録媒体Sおよび画像データに応じて画像形成部を選択して画像形成を行うフローチャート図を図4、ブロック図を図5に示す。
【0051】
画像形成装置に対して、例えば外部装置からプリント信号、及び画像データが入力され、不図示の操作部からユーザが設定した記録媒体の種類に関する情報が入力されたときのコントローラ90の動作を以下に説明する。
【0052】
なお、記録媒体の種類に関する情報は、記録媒体収納庫61,62などに配置された記録媒体の種類を自動で判別するセンサから入力されるようにしてもよい。
【0053】
外部装置からのプリント信号が片面画像であれば(S11)、電子写真方式による画像形成部99とインクジェット方式による画像形成部100から適合する画像形成部を選択する。
【0054】
適合する画像形成部が電子写真方式であれば画像データを送り、電子写真方式による画像形成部99で画像形成を行う(S13)。一方、適合する画像形成部がインクジェット方式であれば画像データを送り、切替部材105が動作して(S15)両面搬送経路の各ローラ対が逆転を始め(S16)、インクジェット方式による画像形成部100で画像形成を行う(S17)。
【0055】
次に両面画像である場合は、電子写真方式による画像形成部99で画像形成を行う(S13)。その後、切替部材107が動作して(S19)再び電子写真方式による画像形成部22で2面目の画像形成を行う(S20)。
【0056】
このように、コントローラ90は、外部装置からのプリント信号や画像データなどの情報に基づいて、第一の画像形成部99、第二の画像形成部100、切替部材105,107などの動作を制御する。
【0057】
上述したように、本実施形態によれば、インクジェット方式による画像のみを形成する場合に、記録媒体を、電子写真方式の第一の画像形成部99を通過させずに、第二の画像形成部100を設けた両面搬送経路133,132,111へ送る。そのため、インクジェット方式による画像のみを形成する場合に、電子写真方式の第一の画像形成部99を記録媒体が通過することはない。これにより、電子写真方式の第一の画像形成部99を記録媒体が通過することによる、記録媒体の劣化及び電子写真方式の第一の画像形成部99の劣化を防止することができる。
【0058】
また、画像が形成された記録媒体を再び第一の画像形成部99に搬送するための両面搬送経路133,132の間に第二の画像形成部100を設けたため、画像形成部99,100を直列させる構成に比べて、装置の小型化を実現することができる。
【0059】
〔他の実施形態〕
前述した実施形態では、電子写真方式、インクジェット方式ともに、色の異なる画像形成部(記録部)を4つ使用しているが、この使用個数、配置順などは限定されるものではなく、必要に応じて適宜設定すれば良い。
【0060】
また前述した実施形態では、コントローラが、記録媒体の種類やサイズに応じて、使用する画像形成部を選択する構成を例示したが、本発明はこれに限定されるものでもない。例えば、使用する画像形成部を、操作部(不図示)あるいはパーソナルコンピュータなどの外部装置(不図示)からの情報によりユーザが適宜選択する構成としても良い。また、記録媒体の種類(紙種)やサイズなども前述した実施形態に例示されたものに限定されるものではない。
【0061】
また前述した実施形態では、画像形成装置としてプリンタを例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば複写機、ファクシミリ装置等の他の画像形成装置や、或いはこれらの機能を組み合わせた複合機等の他の画像形成装置であっても良い。また、中間転写体を使用し、該中間転写体に各色のトナー像を順次重ねて転写し、該中間転写体に担持されたトナー像を記録媒体に一括して転写する画像形成装置に限定されるものでもない。例えば、記録媒体担持体を使用し、該記録媒体担持体に担持された記録媒体に各色のトナー像を順次重ねて転写する画像形成装置であっても良い。これらの画像形成装置に本発明を適用することにより同様の効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0062】
S …記録媒体
5 …定着装置
11 …感光体
31 …中間転写ベルト
32 …二次転写内ローラ
33 …駆動ローラ
34,36 …テンションローラ
41 …二次転写外ローラ
71,72 …給送手段
73 …レジストローラ対
74 …搬送ローラ対
76 …排出ローラ対
82,84 …搬送ローラ対
83 …レジストローラ対
90 …コントローラ
99,100 …画像形成部
101Y,102M,103C,104K …記録ヘッド
105,107,108 …切替部材
106,111,121,122,131,132,133 …搬送パス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体を一枚ずつ給送する給送手段と、
前記給送手段によって給送された記録媒体に電子写真方式で画像を形成する第一の画像形成部と、
前記給送手段によって給送された記録媒体にインクジェット方式で画像を形成する第二の画像形成部と、
を有する画像形成装置であって、
前記第一の画像形成部によって画像が形成された記録媒体を再び前記第一の画像形成部に搬送するための両面搬送経路を備え、前記両面搬送経路に前記第二の画像形成部を設けるとともに、
前記給送手段によって給送された記録媒体を、前記第一の画像形成部へ送る第一の搬送経路と、前記第一の画像形成部を通過させずに前記第二の画像形成部を設けた前記両面搬送経路へ送る第二の搬送経路とに、切り替える切替機構を設けたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記第一の画像形成部と、前記第二の画像形成部と、前記切替機構の動作を制御する制御部を有し、
前記制御部は、前記第二の画像形成部で画像形成する時は、前記第一の画像形成部を動作させないよう制御することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記第一の画像形成部と、前記第二の画像形成部と、前記切替機構の動作を制御する制御部を有し、
前記制御部は、前記第一の画像形成部で画像形成する時は、前記第二の画像形成部を動作させないよう制御することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−203162(P2012−203162A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−67110(P2011−67110)
【出願日】平成23年3月25日(2011.3.25)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】