説明

画像形成装置

【課題】転写ベルト方式の転写装置による記録用シートへのトナー像転写にあたり、薄く腰の弱い記録用シートでも、トナー像転写には支障を来すことなく分離ローラに対応するベルト部分で転写ベルトから曲率分離させることができるようにする。
【解決手段】像担持体8から記録用シート11へトナー像を転写する転写ベルト方式の転写装置70A(70B)を備えている画像形成装置100A(100B)であり、転写装置70A(70B)は、転写ベルト7の中央部と少なくとも片方の側端部との間でベルト張力に差をもたせて転写ベルト7の分離ローラ12に巻き掛けられた部分に皺を発生させる皺発生装置を含んでいるとともに、転写ローラ71から分離ローラ12へ向け走行する部分を張架する皺消し用ローラ14を含んでいる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、提供される画像情報に応じたトナー像を像担持体上に形成し、前記トナー像を転写装置で記録用シートに転写し、定着装置で該記録用シートに定着させることができる、複写機、プリンタ、ファクシミリ機、これらのうち2以上を組み合わせた複合機等の画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
提供される画像情報に応じたトナー像を像担持体上に形成し、前記トナー像を転写装置で記録用シートに転写し、定着装置で該記録用シートに定着させることができる画像形成装置には、モノクロ画像形成装置もあれば、カラー画像形成装置もある。
【0003】
モノクロ画像形成装置では、前記提供される画像情報に応じて静電潜像担持体に静静電潜像を形成し、前記静電潜像を現像してトナー像を形成し、前記静電潜像担持体上のトナー像を記録用シートに転写できるものが一般的である。このような画像形成装置では、前記転写装置は前記静電潜像担持体上のトナー像を前記記録用シートに転写するための転写装置である。
【0004】
カラー画像形成装置では、前記提供される画像情報に応じて第1の像担持体である静電潜像担持体に静静電潜像を形成し、前記静電潜像を現像してトナー像を形成し、前記静電潜像担持体上のトナー像を第2の像担持体である中間転写体に1次転写し、前記中間転写体上のトナー像を前記記録用シートに2次転写できるものが一般的である。このような画像形成装置では、前記転写装置は前記中間転写体上のトナー像を前記記録用シートに2次転写するための転写装置である。
【0005】
いずれにしても、このような転写装置としては、転写バイアスが印加される転写チャージャや転写ローラからなるものがあるが、ベルト方式の転写装置も知られている。
【0006】
ベルト方式の転写装置は転写バイアスが印加される転写ローラと、分離ローラと、前記転写ローラ及び分離ローラに巻き掛けられて回転駆動される転写ベルトを含んでいるものが知られている。
【0007】
この種の転写装置では、前記転写ローラに転写バイアスを印加することで、記録用シートを前記転写ベルトに静電的に吸着してトナー像転写域に搬入、通過させて前記トナー像を該シートに転写させ、前記分離ローラにより該転写ベルトから記録用シートの剛性を利用して所謂曲率分離させて前記定着装置へ移行できるようにする。
【0008】
ところで、記録用シートについてみると、今日では、例えば60g/m程度の薄紙コート紙までも画像形成装置で記録用シートとして用いることが試みられるようになってきている。
【0009】
このような薄い記録用シートに前記のようなベルト方式の転写装置を用いて像担持体からトナー像を転写させると、薄い記録用シートは所謂腰が弱い(剛性が小さい)ので、静電的に転写ベルトに吸着された状態が前記分離ローラ対応位置へ搬送されてもなお維持される傾向があり、分離ローラ対応位置で転写ベルトから曲率分離し難い。
【0010】
このような問題に対して、例えば特開平9−90770号公報には、分離ローラに溝を設け、該溝に臨むベルト部分を転写ベルトの張力で溝側へ凹ませ、それにより記録用シートの転写ベルトへの密着性を低下させ、転写ベルトからの分離性を向上させることが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開平9−90770号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、実際に分離ローラに転写ベルトを凹ませて記録用シートの密着性を適度に低下させる溝を設けることは、簡単な作業ではなく、また、分離ローラ構造を複雑化し、高価にする。
【0013】
そこで本発明は、提供される画像情報に応じたトナー像を像担持体上に形成し、前記トナー像を転写装置で記録用シートに転写し、定着装置で該記録用シートに定着させることができ、前記転写装置は、転写ローラと、分離ローラと、前記転写ローラ及び分離ローラに巻き掛けられて回転駆動される転写ベルトを含んでおり、前記転写ローラに転写バイアスを印加することで、前記記録用シートを前記転写ベルトに静電的に吸着してトナー像転写域に搬入、通過させて前記トナー像を該記録用シートに転写させ、前記分離ローラにより該転写ベルトから曲率分離させて前記定着装置へ移行できるようにする転写装置である画像形成装置であって、前記転写装置による前記記録用シートへのトナー像転写にあたり、坪量80g/m程度の記録用紙より薄い記録用シートでも、トナー像転写には支障を来すことなく前記分離ローラに対応するベルト部分で前記転写ベルトから曲率分離させることができ、かくして薄い記録用シートにも画像形成できる画像形成装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は前記課題を解決するため、
提供される画像情報に応じたトナー像を像担持体上に形成し、前記トナー像を転写装置で記録用シートに転写し、定着装置で該記録用シートに定着させることができ、前記転写装置は、転写ローラと、分離ローラと、前記転写ローラ及び分離ローラに巻き掛けられて回転駆動される転写ベルトを含んでおり、前記転写ローラに転写バイアスを印加することで、前記記録用シートを前記転写ベルトに静電的に吸着してトナー像転写域に搬入、通過させて前記トナー像を該記録用シートに転写させ、前記分離ローラにより該転写ベルトから曲率分離させて前記定着装置へ移行できるようにする転写装置である画像形成装置であって、
前記転写装置は、前記転写ベルトのベルト走行方向を横切るベルト幅方向におけるベルト中央部と少なくとも片方のベルト側端部との間でベルト張力に差をもたせて前記転写ベルトの少なくとも前記分離ローラに巻き掛けられた部分に該転写ベルトの走行方向に延びる皺を発生させる皺発生装置を含んでいるとともに、前記転写ベルトの前記転写ローラから前記分離ローラへ向け走行する部分を張架する皺消し用ローラを含んでいる画像形成装置を提供する。
【0015】
本発明に係る画像形成装置によると、前記転写装置は前記皺発生装置を含んでおり、該皺発生装置はベルト幅方向における張力差で前記転写ベルトの少なくとも前記分離ローラに巻き掛けられた部分にベルト走行方向に延びる皺を発生させるので、該転写ベルトの分離ローラに巻き掛けられた部分への記録用シートの密着性はそのような皺がない場合と比べると低下し、たとえ坪量80g/m程度の記録用紙より薄い記録用シートでも前記分離ローラに巻き掛けられた部分からの曲率分離性が向上する。
【0016】
また、前記皺発生装置は、前記転写ベルトの少なくとも前記分離ローラに巻き掛けられた部分に前記皺を発生させるが、前記転写装置は前記転写ベルトの前記転写ローラから前記分離ローラへ向け走行する部分を張架する皺消し用ローラ(換言すると、転写ベルトを張って皺を無くすローラ)を含んでいるので、前記転写ベルトの前記転写ローラに巻き掛けられたトナー像転写に寄与する部分には皺が発生せず、従って前記像担持体から前記転写ベルト上の記録用シートへのトナー像転写に支障はない。
【0017】
前記皺発生装置は、前記転写ベルトのベルト走行方向を横切るベルト幅方向におけるベルト中央部と少なくとも片方のベルト側端部との間でベルト張力に差をもたせて前記ベルト皺を発生させるものである。さらに言えば、前記転写ベルトのベルト走行方向を横切るベルト幅方向におけるベルト中央部と少なくとも片方のベルト側端部との間でベルト張力に差をもたせ、それによりベルトにベルト幅方向の力を発生させつつ走行させることで前記皺を発生させるものである。
【0018】
そのため、転写ベルトが蛇行しようとする場合があり得る。そこで、前記皺発生装置に蛇行を防止する機構を含めて、より確実に皺を発生させてもよい。
【0019】
前記皺発生装置のより具体的な幾つかの例を以下に列挙する。
(1)前記皺発生装置は前記転写ベルトの前記分離ローラから前記転写ローラへ向け走行する部分を張架するための張架ローラ(換言すれば、ベルトに張りを与えるテンションローラ)及び前記張架ローラの各端部にベルト張架力を付与するバネ装置を含んでいるものであり、前記バネ装置は前記張架ローラの両端部間でベルト張架力に差をもたせて前記ベルト張架力を付与できる。
(2)皺発生装置は前記分離ローラ及び前記分離ローラの各端部にベルト張架力を付与するバネ装置を含んでいるものであり、前記バネ装置は前記分離ローラの両端部間でベルト張架力に差をもたせて前記ベルト張架力を付与できる。
【0020】
(3)前記分離ローラが皺発生装置を兼ねており、前記分離ローラは中央部より両端部の方がベルト張力を大きくするように逆クラウン形状に形成されている。
(4)前記分離ローラは皺発生装置を兼ねており、前記分離ローラは中央部より一端部の方がベルト張力を大きくし、前記中央部より他端部の方がベルト張力を小さくするように一端部から他端部へ外径が小さくなっている。
(5)前記転写ベルトの前記分離ローラから前記転写ローラへ向け走行する部分を張架するための張架ローラが設けられており、前記張架ローラは前記皺発生装置を兼ねており、前記張架ローラは中央部より両端部の方がベルト張力を大きくするように逆クラウン形状に形成されている。
(6)前記転写ベルトの前記分離ローラから前記転写ローラへ向け走行する部分を張架するための張架ローラが設けられており、前記張架ローラは前記皺発生装置を兼ねており、前記張架ローラは中央部より一端部の方がベルト張力を大きくし、前記中央部より他端部の方がベルト張力を小さくするように一端部から他端部へ外径が小さくなっている。
【0021】
また、本発明に係る画像形成装置は予め定めた薄さの薄紙シートを検知する薄紙シート検知手段を含んでいてもよく、その場合、前記皺発生装置は、前記薄紙シート検知手段が前記トナー像転写に供される前記記録用シートが前記薄紙シートであることを検知した場合のみ前記ベルト張力に差をもたせるものであってもよい。
【0022】
例えば、前記皺発生装置が前述の(1)や(2)の皺発生装置のように張架ローラ或いは分離ローラの各端部にベルト張架力を付与するバネ装置を含んでいる場合、そのバネ装置等を次のものとする例を挙げることができる。
【0023】
すなわち、前記バネ装置は、ローラの一端部にベルト張架力を付与する第1のバネと、該ローラの他端部にベルト張架力を付与する第2のバネと、前記両バネのうち少なくとも一方のベルト張架力(バネ力)をベルト皺を発生させない第1力からベルト皺発生のための第2力へ切り替え可能なバネ力切り替え装置と、該バネ力切り替え装置の制御部を含むものとし、該制御部は、前記薄紙シート検知手段が前記トナー像転写に供される前記記録用シートが前記薄紙シートであることを検知した場合のみ前記バネ力切り替え装置に前記第1力を前記第2力に切り替えさせるものとする。
【0024】
本発明に係る画像形成装置には様々なタイプのものが含まれる。例えば、
(1)前記提供される画像情報に応じて静電潜像担持体に静静電潜像を形成し、前記静電潜像を現像してトナー像を形成し、前記静電潜像担持体上のトナー像を前記記録用シートに転写できる画像形成装置であり、前記転写装置は前記静電潜像担持体上のトナー像を前記記録用シートに転写するための転写装置である画像形成装置、
(2)前記提供される画像情報に応じて第1の像担持体である静電潜像担持体に静静電潜像を形成し、前記静電潜像を現像してトナー像を形成し、前記静電潜像担持体上のトナー像を弟2の像担持体である中間転写体に1次転写し、前記中間転写体上のトナー像を前記記録用シートに2次転写できる画像形成装置であり、前記転写装置は前記中間転写体上のトナー像を前記記録用シートに2次転写するための転写装置である画像形成装置
を挙げることができる。
【発明の効果】
【0025】
以上説明したように本発明によると、提供される画像情報に応じたトナー像を像担持体上に形成し、前記トナー像を転写装置で記録用シートに転写し、定着装置で該記録用シートに定着させることができ、前記転写装置は、転写ローラと、分離ローラと、前記転写ローラ及び分離ローラに巻き掛けられて回転駆動される転写ベルトを含んでおり、前記転写ローラに転写バイアスを印加することで、前記記録用シートを前記転写ベルトに静電的に吸着してトナー像転写域に搬入、通過させて前記トナー像を該記録用シートに転写させ、前記分離ローラにより該転写ベルトから曲率分離させて前記定着装置へ移行できるようにする転写装置である画像形成装置であって、前記転写装置による前記記録用シートへのトナー像転写にあたり、坪量80g/m程度の記録用紙より薄い記録用シートでも、トナー像転写には支障を来すことなく前記分離ローラに対応するベルト部分で前記転写ベルトから曲率分離させることができ、かくして薄い記録用シートにも画像形成できる画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明に係る画像形成装置の1例の構成を概略的に示す図である。
【図2】本発明に係る画像形成装置の他の例の構成を概略的に示す図である。
【図3】ベルト方式転写装置のベルト皺発生装置を兼ねる分離ローラ又は張架ローラの例を示す図である。
【図4】図4(A)はベルト方式転写装置のベルト皺発生装置を兼ねる分離ローラ又は張架ローラの他の例を示す図であり、図4(B)はベルト蛇行防止機構の1例を示す図である。
【図5】ベルト方式転写装置のベルト皺発生装置のさらに他の例を示す図である。
【図6】ベルト方式転写装置のベルト皺発生装置のさらに他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明に係る画像形成装置の1例を示している。図1に示す画像形成装置100Aは、タンデム型のフルカラー画像形成装置であり、プリンタ機能、ファクシミリ機能等を備えたいわゆる複合機である。
【0028】
画像形成装置100Aは無端の中間転写ベルト8を含んでいる。転写ベルト8はローラ1、2、3及び72等からなるローラ群に巻き掛けられている。ローラ1は図示省略の駆動部により回転駆動される駆動ローラである。ローラ72は後述する2次転写装置70Aの2次転写ローラ71に対向する2次転写対向ローラである。
【0029】
中間転写ベルト8は駆動ローラ1の回転により図1において時計方向まわりXに回される。ローラ1、2、3、72等はベルトに従動回転する。
【0030】
2次転写装置70Aは転写ベルト方式のもので、2次転写ローラ71、皺消し用ローラ14、分離ローラ12及びベルト張架ローラ13に無端転写ベルト7を巻き掛け、図示省略のベルト駆動部によりベルト7を図中反時計方向に回転駆動できるようにしたものである。
【0031】
2次転写ローラ71、延いてはベルト7に、図示省略の電源から、トナーの正規帯電極性とは逆極性の2次転写バイアスを印加することができる。分離ローラ12は後述するようにトナー像が2次転写された記録シート11をベルト7からシート剛性を利用して曲率分離するローラである。
【0032】
皺消し用ローラ14及び張架ローラ13はいずれもベルト7を張る作用を示すローラ(張架ローラ)である。ローラ14を皺消し用ローラと称する理由は後ほど明らかにする。
【0033】
皺消し用ローラ14は転写ベルト7の転写ローラ71から分離ローラ12へ向け走行する部分を張架する。張架ローラ13は転写ベルト7の分離ローラ12から転写ローラ71ヘ向け戻り走行する部分を張架する。
【0034】
駆動ローラ1に巻き掛けられたベルト8の部分に対してベルト8上の2次転写残トナー等を除去清掃するベルトクリーナ91が臨んでいる。クリーナ91はベルト8に当接するクリーニングブレード92を有するものである。
【0035】
中間転写ベルト8及び2次転写装置70Aの図中左方には定着装置10が配置されており、右方にはレジストローラTRが、さらにその下方に、記録シート11の供給部CAが配置されている。
【0036】
定着装置10は、それとは限定されないが、ここではハロゲンランプヒータ等の熱源を内蔵した加熱ローラ101と定着ローラ102に巻き掛けられた定着ベルト103と、バックアップローラ104との間に後述するようにトナー像が転写された記録シート11を通して該トナー像を定着させるものである。
【0037】
画像形成に供すべき記録シート11は記録シートを収容したシート供給部CAから所定のタイミングで1枚ずつ引き出してレジストローラTRへ供給することができる。
【0038】
中間転写ベルト8を巻き掛けたローラ2及びローラ3の間には、転写ベルト8に沿ってローラ2側からローラ3側へ向けて、イエロー画像形成部Y、マゼンタ画像形成部M、シアン画像形成部C及びブラック画像形成部Kがこの順序で配置されている。
【0039】
Y、M、C、Kの各画像形成部は電子写真方式により静電潜像を形成し、これを現像してトナー像を形成できるものである。
【0040】
Y、M、C、Kの各画像形成部は静電潜像担持体としてドラム型の感光体1aを備えており、感光体1aの周囲に帯電器2a、画像露光装置3a、現像器4a及びクリーニング装置5aがこの順序で配置されている。また、各感光体1に対してベルト8を間にして1次転写ローラ6が配置されている。
【0041】
各画像形成部における感光体1aは、ここでは負帯電性の感光体であり、図示省略の感光体駆動モータから駆動力が伝達されて図1中反時計回りに回転駆動される。
【0042】
各画像形成部における帯電器2aは図示省略の電源から帯電用の電圧が印加されて感光体1a表面を帯電させるものである。
【0043】
画像露光装置3aは、ここでは図示省略の画像読取装置、図示省略のパーソナルコンピュータ、図示省略のファクシミリ機等から提供される画像情報に応じて感光体1aに画像露光を施して静電潜像を形成できる。
【0044】
各画像形成部における現像器は、それには限定されないが本例では、負帯電性トナーを用いて、感光体1a上に形成される静電潜像を、図示省略の電源から現像バイアスが印加される現像ローラで反転現像することができる。
【0045】
1次転写ローラ6は転写ベルト8を間にして感光体1aに対向し、ベルト8を感光体1aへ押圧接触させ、ベルトの走行に従動回転する。1次転写ローラ6には、感光体1a上に形成されるトナー像をベルト8へ1次転写するための、トナーの帯電極性とは逆極性の1次転写バイアスを図示省略の電源から印加できる。
【0046】
以上説明した画像形成装置100Aによると、Y、M、C、Kの画像形成部のうち1または2以上を用いて画像を形成することができる。
画像形成部Y、M、C及びKのすべてを用いてフルカラー画像を形成する場合を例にとると、先ず、イエロー画像形成部Yにおいてイエロートナー像を形成し、これを転写ベルト8に1次転写する。
【0047】
すなわち、イエロー画像形成部Yにおいて、感光体1aが図中反時計方向に回転駆動され、帯電器2aにて表面が一様に所定電位に帯電され、該帯電域に画像露光装置3aからイエロー画像用の画像露光が施され、感光体1a上にイエロー用静電潜像が形成される。この静電潜像はイエロートナーを有する現像器4aの現像バイアスが印加された現像ローラにて現像されて可視イエロートナー像となり、該トナー像が1次転写ローラ6にて転写ベルト8上に1次転写される。このとき、1次転写ローラ6には図示省略の電源から1次転写バイアスが印加される。
【0048】
同様にして、マゼンタ画像形成部Mにおいてマゼンタトナー像が形成されて転写ベルト8に転写され、シアン画像形成部Cにおいてシアントナー像が形成されて転写ベルト8に転写され、ブラック画像形成部Kにおいてブラックトナー像が形成されて転写ベルト8に転写される。
【0049】
イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナー像はこれらが中間転写ベルト8上に重ねて転写されるタイミングで形成される。かくして転写ベルト8上に形成された多重トナー像は転写ベルト8の回動により2次転写装置70Aへ向け移動する。
【0050】
一方、記録シート11が供給部CAから引き出され、レジストローラTRへ供給され、待機している。
【0051】
このようにレジストローラTRのところで待機する記録シート11は、中間転写ベルト8にて送られてくる多重トナー像に合わせて、転写ベルト8の2次転写対向ローラ72で支持されている部分と2次転写装置70Aの2次転写ローラ71で支持されているベルト7の部分とのニップ部に供給され、図示省略の電源から2次転写バイアスが印加された2次転写ローラ71にて該多重トナー像が記録シート11上に2次転写される。
【0052】
その後記録シート11は定着装置10に通され、そこで多重トナー像が加熱加圧下に記録シート11に定着される。記録シート11はひき続き、排出ローラRにて排出トレイTへ排出される。
【0053】
トナー像のベルト8への1次転写において感光体1上に残留する転写残トナー等は画像形成部のクリーニング装置5aで清掃され、次の画像形成に備えられる。
2次転写によりベルト8上に残留する2次転写残トナー等はクリーナ91で清掃される。
これら清掃除去されたトナーはそれぞれ図示省略の搬送手段にて廃棄容器へ送られる。
【0054】
図2は、本発明に係る画像形成装置の他の例を示している。図2に示す画像形成装置100Bは、図1の画像形成装置100Aにおいて2次転写装置70Aを2次転写装置70Bに置き換えたものであり、他の点は画像形成装置100Aと同構成、同作用を示すものである。装置100Aと同じ部分、部品等には装置100Aと同じ符号を付してある。
【0055】
2次転写装置70Bの基本構成は2次転写装置70Aの基本構成において張架ローラ13を省略したものである。その他の点は2次転写装置70Aと同じである。
【0056】
以上説明した画像形成装置100A、100Bの転写装置70A、70Bは2次転写ローラ71に転写バイアスを印加することで、記録用シート11を転写ベルト7に静電的に吸着してトナー像転写域に搬入、通過させて中間転写ベルト8上のトナー像をシート11に転写させ、分離ローラ12により転写ベルト7から記録用シートの剛性を利用して所謂曲率分離させて定着装置10へ移行できるようにするものである。
【0057】
しかし、坪量80g/m程度の記録用紙より少坪量の記録用シート、例えば60g/m程度の薄紙コート紙に転写ベルト方式の転写装置を用いて中間転写体8からトナー像を転写させようとすると、薄い記録用シートは所謂腰が弱い(剛性が小さい)ので、静電的に転写ベルトに吸着された状態が分離ローラ対応位置へ搬送されてもなお維持され、分離ローラ対応位置で転写ベルトから曲率分離し難い事態が発生することがある。
【0058】
そこで画像形成装置100A、100Bの転写装置70A、70Bは、転写ベルト7のベルト走行方向を横切るベルト幅方向におけるベルト中央部と少なくとも片方のベルト側端部(ここでは両側端部)との間でベルト張力に差をもたせ、それにより転写ベルト7の少なくとも分離ローラ12に巻き掛けられた部分に転写ベルト7の走行方向に延びる皺を発生させる皺発生装置を含めている。それとともに、ベルト皺の影響でトナー像2次転写に支障が生じないように前記皺消し用ローラ14を採用している。ローラ14は外径が全体的に均一な真円ローラである。
【0059】
図3に示すように、転写装置70A、70Bの分離ローラ12を中央部121より両端部122、123の方がベルト張力を大きくするように逆クラウン形状に形成して、この分離ローラ12に皺発生装置を兼ねさせている。
ローラ12の中央部121と端部122、123のそれぞれとの外径差を2mm以上5mm以下とする場合を例示できる。
【0060】
分離ローラ12を逆クラウン形状に形成することに代えて、図4(A)に示すように、分離ローラ12を中央部121より一端部122の方がベルト張力を大きくし、中央部121より他端部123の方がベルト張力を小さくするように一端部122から他端部123へ次第に外径を小さくしてもよい。
この場合、ローラ一端部と他端部間のローラ外径差を2mm以上5mm以下とする場合を例示できる。
【0061】
図4(A)のようなローラ形態ではベルト7がローラ12の片側端部へ寄るように蛇行しやすくなるので、例えば図4(B)に示すようにベルト蛇行防止機構120を設けてもよい。図4(B)のベルト蛇行防止機構120は、それとは限定されないが、本例ではベルト7の側端部の内面に形成された無端リブ帯bと、リブ帯bが摺動可能に嵌まるローラ12の溝gとからなっている。図示していないが、それ自体既に知られているようなステアリングローラを利用したベルト蛇行防止機構も採用できる。ここで「ステアリングローラ」とは、転写ベルト7の内周面に対する接触圧がローラ幅方向(換言すれば、ローラ回転軸線方向)において全体的に均等であるように、或いはいずれか一方のローラ端部の方が他方のローラ端部より大きく(又は小さく)なるように、例えばいずれか一方のローラ端部に対して設定された回動中心を中心に傾動可能なものであり、転写べルト7の蛇行を制御できる。
【0062】
ベルト蛇行防止機構は図3に示す分離ローラ12を採用する場合でも採用してもよい。
ベルト蛇行防止機構を採用すると、ベルト幅方向におけるベルト張力差に起因するベルト幅方向移動制限が確実化し、それだけベルト皺が発生しやすくなる。
【0063】
以上説明した皺発生装置は分離ローラ12を利用したものであるが、転写装置70Aの場合、分離ローラ12に代えて、張架ローラ13を図3の分離ローラ12のように逆クラウン形状に形成してもよい。この場合、ローラ13の中央部と各端部との外径差を2mm以上5mm以下とする場合を例示できる。
【0064】
また、張架ローラ13を、図4(A)の分離ローラ12のように、ローラ中央部より一端部の方がベルト張力を大きくし、中央部より他端部の方がベルト張力を小さくするように一端部から他端部へ次第に外径を小さくしてもよい。この場合もローラ13の一端部と他端部間のローラ外径差を2mm以上5mm以下とする場合を例示できる。
さらにこのような張架ローラ13についてもベルト蛇行防止機構を採用してもよい。
【0065】
また、転写装置70Aや70Bにおいて、上記のような皺発生装置に代えて、図5や図6に示す皺発生装置を採用することもできる。
図5の皺発生装置Pは、分離ローラ12及び分離ローラ12の各端部にベルト張架力を付与するバネ装置12Pを含んでいる。バネ装置12Pは、本例では、分離ローラ12の両端部の回転軸受け部B1,B2を圧縮バネS1、S2でベルト張架力を付与するように支持し、一方のバネS1が付与する張架力を他方のバネS2が付与する張架力より大きく設定し、かくして分離ローラ12の両端部間でベルト張架力に差をもたせてベルト張架力を付与するようにしたものである。
ローラ12の一端部に与えられるベルト張架力と他端部に与えられるベルト張架力の差を2N以上10N以下とする場合を例示できる。
【0066】
図6の皺発生装置Qは、分離ローラ12及び分離ローラ12の各端部にベルト張架力を付与するバネ装置12Qを含んでいる。バネ装置12Qは、本例では、分離ローラ12の両端部の回転軸受け部B1、B2を圧縮バネS1、S2でベルト張架力を付与するように支持している。一方のバネS1はその支持体SpをソレノイドSOLオンで初期状態より圧縮して、軸受け部B1側のローラ端部に軸受け部B2側のローラ端部より強いベルト張架力を与えることができる。ソレノイドSOLオフのときは、バネS1、S2はローラ12の両端部に同等のベルト張架力を与える。
【0067】
ソレノイドSOLのオン、オフ動作は本例では画像形成装置動作を制御する制御部Contからの指示に基づいてなされる。制御部Contには画像形成装置の操作パネルPAが接続されている。操作パネルPAには画像形成対象シート種を指定するキー、画像形成枚数等を指定するテンキー、画像形成開始を指示するプリント開始キー、各種情報を表示するディスプレイなどが搭載されている。
本例では、操作パネルPAで画像形成対象シート種として坪量が予め定めたもの以下である薄い記録用シートが指定されると、これを認識する制御部Contの部分が薄紙シート検知手段として機能する。この検知手段がトナー像転写に供される記録用シート11が、本例では、坪量80g/m以下の薄いシートであることを検知すると、制御部ContはソレノイドSOLをオンさせて、分離ローラ12の両端部間に与えられるベルト張架力に差を持たせ、それにより転写ベルト7に皺を発生させるベルト幅方向でのベルト張力差を発生させる。この場合も、ローラ12の一端部に与えられるベルト張架力と他端部に与えられるベルト張架力の差を2N以上10N以下とする場合を例示できる。
なお、前記ソレノイドSOLに代えて支持体Spを変位させてバネ力を調整するカム機構なども採用できる。
【0068】
図5、図6に示す皺発生装置は分離ローラ12を利用したものであるが、転写装置70Aの場合、分離ローラ12に代えて、張架ローラ13について、図5や図6と同様の皺発生装置を採用してもよい。これらの場合も、ローラ13の一端部に与えられるベルト張架力と他端部に与えられるベルト張架力の差を2N以上10N以下とする場合を例示できる。
【0069】
また、図5や図6に示すタイプの皺発生装置を採用する場合にも、ベルト蛇行防止機構を採用してもよい。
【0070】
画像形成装置100A、100Bによると、転写装置70A、70Bは前記皺発生装置を含んでおり、皺発生装置はベルト7の幅方向における張力差でベルト7の少なくとも分離ローラ12に巻き掛けられた部分にベルト走行方向に延びる皺を発生させる。
【0071】
転写ベルト7の分離ローラ12に巻き掛けられた部分への記録用シート11の密着性はそのような皺がない場合と比べると低下し、たとえ坪量が80g/m程度の記録用紙より薄い記録用シート11でも分離ローラ12に巻き掛けられた部分からの曲率分離性が向上する。
【0072】
また、前記皺発生装置は、転写ベルト7の少なくとも分離ローラ12に巻き掛けられた部分に前記皺を発生させるが、転写装置70A、70Bは転写ベルト7の転写ローラ71から分離ローラ12へ向け走行する部分を張架する皺消し用ローラ14を含んでいるので、転写ベルト7の転写ローラ71に巻き掛けられたトナー像転写に寄与する部分には皺が発生せず、従って中間転写体8から転写ベルト7上の記録用シート11へのトナー像転写に支障はない。
【0073】
次に、画像形成装置100A又は100Bのタイプの画像形成装置(実施例1〜8)及び転写装置70A、70Bに代えて比較例転写装置1,2を採用した画像形成装置(比較例1〜2)によって記録用シートへ2次転写されたトナー像の画質及び転写装置の転写ベルト7からの該記録用シートの分離性について評価したので評価結果を次表1に示す。
【0074】
転写装置における分離性の評価はOK中質コート紙(王子製紙 坪量60.2g/m)を15℃、10%RHの低温低湿環境下において、連続1000枚通紙したとき、紙詰まりが3枚以下なら良「○」、3枚より多いと不良「×」と評価した。
【0075】
画質評価は、目視で画像不良が無いと評価できるものを良「○」、そうでないものを不良「×」と評価した。
【0076】
なお、いずれの画像形成装置における転写装置においても、
転写ローラ71は外径38mm、皺消しローラ14は外径10mm、
分離ローラ12は外径16mm、張架ローラ13(ある場合)は外径16mmを基本とし、ローラ幅は全て同じとし、転写ベルト7は同材質、同厚さ、同幅のものを採用し、転写電圧等も同じとした。
そのうえで実施例、比較例ごとに次のように変更等を加えた。
【0077】
・実施例1:画像形成装置100Aを採用するとともに、転写装置70Aにおいて、張架
ローラ13の各端部に図5に示すように異なるベルト張架力を与えた。ロー
ラ両端部間でベルト張架力の差を2N以上10N以下の範囲(本例では4N)
に設定した。
・実施例2:画像形成装置100Aを採用するとともに、転写装置70Aにおいて、分離
ローラ12を図3のように逆クラウン形状に形成し、ローラ中央部(外径
16mm)と各端部間でのローラ外径差を2mm以上5mm以下(本
例では2mm)に設定した。
・実施例3:画像形成装置100Aを採用するとともに、転写装置70Aにおいて、張架
ローラ13を図3のように逆クラウン形状に形成し、ローラ中央部と各端部
間でのローラ外径差を2mm以上5mm以下(本例では2mm)に設定
した。
ローラ中央部外径は16mmである。
・実施例4:画像形成装置100Aを採用するとともに、転写装置70Aにおいて、分離
ローラ12を図4(A)のようにテーパ形状に形成し、ローラ両端部間での
ローラ外径差を2mm以上5mm以下(本例では4mm)に設定した。
ローラ中央部外径は16mmである。
・実施例5:画像形成装置100Aを採用するとともに、転写装置70Aにおいて、張架
ローラ13を図4(A)のようにテーパ形状に形成し、ローラ両端部間での
ローラ外径差を2mm以上5mm以下(本例では4mm)に設定した。
ローラ中央部外径は16mmである。
・実施例6:画像形成装置100Bを採用するとともに、転写装置70Bにおいて、分離
ローラ12の各端部に図5に示すように異なるベルト張架力を与えた。ロー
ラ両端部間でベルト張架力の差を2N以上10N以下の範囲(本例では4N)
に設定した。
・実施例7:画像形成装置100Bを採用するとともに、転写装置70Bにおいて、分離
ローラ13を図3のように逆クラウン形状に形成し、ローラ中央部と各端部
間でのローラ外径差を2mm以上5mm以下(本例では2mm)に設定した

ローラ中央部外径は16mmである。
・実施例8:画像形成装置100Bを採用するとともに、転写装置70Bにおいて、分離
ローラ12を図4(A)のようにテーパ形状に形成し、ローラ両端部間での
ローラ外径差を2mm以上5mm以下(本例では4mm)に設定した。
ローラ中央部外径は16mmである。
・比較例1:画像形成装置100Bを採用するとともに、転写装置70Bにおいて、転写
ベルト7の張力に左右で差をつけなかった。
・比較例2:実施例1〜5のいずれかの構成にするが、皺消しローラ14を設けなかった

【0078】
表1
分離性 画 質
実施例1 ○ ○
実施例2 ○ ○
実施例3 ○ ○
実施例4 ○ ○
実施例5 ○ ○
実施例6 ○ ○
実施例7 ○ ○
実施例8 ○ ○
比較例1 × ○
比較例2 ○ ×
【0079】
上記評価結果からわかるように、本発明に係る画像形成装置では、薄い記録用シートでも転写装置70A、70Bの転写ベルト7からの分離性がよく、それでいてトナー像転写に支障はない。
【0080】
図1、図2に示す画像形成装置はタンデム型のものであったが、本発明は例えば、担当色トナーにより現像を行う複数の現像器が現像領域へ順次移動せしめられるサイクル型(例えば四つの現像器を備えた4サイクル型)のカラー画像形成装置等にも適用できる。
【産業上の利用可能性】
【0081】
本発明はベルト方式のトナー像転写装置を採用する画像形成装置であって、転写装置による記録用シートへのトナー像転写にあたり、薄く腰の弱い記録用シートでも、トナー像転写には支障を来すことなく分離ローラに対応するベルト部分で転写ベルトから曲率分離させることができる画像形成装置を提供することに利用できる。
【符号の説明】
【0082】
100A,100B 画像形成装置
Y イエロー画像形成部
M マゼンタ画像形成部
C シアン画像形成部
K ブラック画像形成部
1a 感光体
2a 帯電器
3a 画像露光装置
4a 現像器
5a クリーニング装置
6 1次転写ローラ
8 中間転写ベルト
1、2、3 ベルト巻き掛け用ローラ
72 2次転写用ローラ(2次転写対向ローラ)
70A、70B 2次転写装置
7 転写ベルト
71 2次転写ローラ
12 分離ローラ
13 張架ローラ
14 皺消しローラ
121 分離ローラ中央部
122,123 分離ローラ端部
P、Q 皺発生装置
12P、12Q バネ装置
B1、B2 軸受け部
S1、S2 バネ
Sp バネ支持体
SOL ソレノイド


【特許請求の範囲】
【請求項1】
提供される画像情報に応じたトナー像を像担持体上に形成し、前記トナー像を転写装置で記録用シートに転写し、定着装置で該記録用シートに定着させることができ、前記転写装置は、転写ローラと、分離ローラと、前記転写ローラ及び分離ローラに巻き掛けられて回転駆動される転写ベルトを含んでおり、前記転写ローラに転写バイアスを印加することで、前記記録用シートを前記転写ベルトに静電的に吸着してトナー像転写域に搬入、通過させて前記トナー像を該記録用シートに転写させ、前記分離ローラにより該転写ベルトから曲率分離させて前記定着装置へ移行できるようにする転写装置である画像形成装置であって、
前記転写装置は、前記転写ベルトのベルト走行方向を横切るベルト幅方向におけるベルト中央部と少なくとも片方のベルト側端部との間でベルト張力に差をもたせて前記転写ベルトの少なくとも前記分離ローラに巻き掛けられた部分に該転写ベルトの走行方向に延びる皺を発生させる皺発生装置を含んでいるとともに、前記転写ベルトの前記転写ローラから前記分離ローラへ向け走行する部分を張架する皺消し用ローラを含んでいることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記皺発生装置は前記転写ベルトの蛇行を防止する蛇行防止機構を含んでいる請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記皺発生装置は前記転写ベルトの前記分離ローラから前記転写ローラへ向け走行する部分を張架するための張架ローラ及び前記張架ローラの各端部にベルト張架力を付与するバネ装置を含んでおり、前記バネ装置は前記張架ローラの両端部間でベルト張架力に差をもたせて前記ベルト張架力を付与できる請求項1又は2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記皺発生装置は前記分離ローラ及び前記分離ローラの各端部にベルト張架力を付与するバネ装置を含んでおり、前記バネ装置は前記分離ローラの両端部間でベルト張架力に差をもたせて前記ベルト張架力を付与できる請求項1又は2記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記分離ローラは前記皺発生装置を兼ねており、前記分離ローラは中央部より両端部の方がベルト張力を大きくするように逆クラウン形状に形成されている請求項1又は2記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記分離ローラは前記皺発生装置を兼ねており、前記分離ローラは中央部より一端部の方がベルト張力を大きくし、前記中央部より他端部の方がベルト張力を小さくするように一端部から他端部へ外径が小さくなっている請求項1又は2記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記転写ベルトの前記分離ローラから前記転写ローラへ向け走行する部分を張架するための張架ローラが設けられており、前記張架ローラは前記皺発生装置を兼ねており、前記張架ローラは中央部より両端部の方がベルト張力を大きくするように逆クラウン形状に形成されている請求項1又は2記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記転写ベルトの前記分離ローラから前記転写ローラへ向け走行する部分を張架するための張架ローラが設けられており、前記張架ローラは前記皺発生装置を兼ねており、前記張架ローラは中央部より一端部の方がベルト張力を大きくし、前記中央部より他端部の方がベルト張力を小さくするように一端部から他端部へ外径が小さくなっている請求項1又は2記載の画像形成装置。
【請求項9】
予め定めた薄さの薄紙シートを検知する薄紙シート検知手段を含んでおり、前記皺発生装置は、前記薄紙シート検知手段が前記トナー像転写に供される前記記録用シートが前記薄紙シートであることを検知した場合のみ前記ベルト張力に差をもたせる請求項1、2、3又は4記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記提供される画像情報に応じて静電潜像担持体に静静電潜像を形成し、前記静電潜像を現像してトナー像を形成し、前記静電潜像担持体上のトナー像を前記記録用シートに転写できる画像形成装置であり、前記転写装置は前記静電潜像担持体上のトナー像を前記記録用シートに転写するための転写装置である請求項1から9のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記提供される画像情報に応じて第1の像担持体である静電潜像担持体に静静電潜像を形成し、前記静電潜像を現像してトナー像を形成し、前記静電潜像担持体上のトナー像を第2の像担持体である中間転写体に1次転写し、前記中間転写体上のトナー像を前記記録用シートに2次転写できる画像形成装置であり、前記転写装置は前記中間転写体上のトナー像を前記記録用シートに2次転写するための転写装置である請求項1から9のいずれか1項に記載の画像形成装置。









【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−237911(P2012−237911A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−107756(P2011−107756)
【出願日】平成23年5月13日(2011.5.13)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】