説明

画像形成装置

【課題】 画像データ中の異常による出力画像の劣化を目立たなくする。
【解決手段】 異常画素アドレス通知部27は、10B8B変換部25からエラー信号を受信したと判断したら、カウンタ29から異常画素アドレスを読み出し、画素補正部28へ送信する。画素補正部28は、受信した異常画素アドレスに基いてメモリ部26からエラー画素の周辺の画素、エラー画素の副走査方向に隣接する正常な画素、又はエラー画素の主走査方向に隣接する正常な画素を読み出し、そのエラー画素の周辺の画素に基いて補正画素を作成し、メモリ部26の異常画素アドレスに補正画素を書き込む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ファクシミリ装置、プリンタ、複写機、および複合機を含む画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ファクシミリ装置、プリンタ、複写機、および複合機を含む画像形成装置は、画像データを処理するメイン制御板から画像書き込みを担当するレーザ制御板まで長いケーブルで電装することが多い。
また、画像形成装置は、内部において高圧源を含むノイズ源が多く、外部から静電気ノイズを印加されたりすることもある。
したがって、画像形成装置では、内部における画像データの転送の際、ノイズ等が原因となって画像データの一部が画素欠損を起こすエラーが頻繁にある。
【0003】
上記のようなエラーが発生すると、画像データを出力したときに画像が異常画像となる。
例えば、印刷した画像の一部が欠損する。
従来、画像データの転送時、画像データについてライン単位でエラーを発行し、ライン単位でデータの補填あるいは補正をする画像形成装置(例えば、特許文献1参照)があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の画像形成装置では、画像データの1ラインデータ中にエラーがあった場合、1つ前のラインデータで補填するので、補填後のラインが目立ってしまって画像全体の劣化をもたらすという問題があった。
この発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、画像データ中の異常による出力画像の劣化を目立たなくすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明は上記の目的を達成するため、画像データに基いて画像を形成する画像形成装置であって、上記画像データをシリアルデータで受信して上記画像データ中の画素単位で受信エラーの画素を検出するエラー画素検出手段と、そのエラー画素検出手段によって検出した受信エラーの画素を、その画素の周囲の正常に受信した画素に基いて補正する補正手段を備えた画像形成装置を提供する。
【発明の効果】
【0006】
この発明による画像形成装置は、画像データ中の異常による出力画像の劣化を目立たなくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】図2に示す書込制御部の画素補正に係る内部機能の構成を示すブロック図である。
【図2】図3に示す露光装置と制御部を含む画像書き込みに係る各部の概略構成図である。
【図3】この発明の一実施形態である画像形成装置の内部構成を示す図である。
【図4】図1に示す異常画素アドレス通知部におけるアドレスのカウント処理の説明に供するタイミングチャート図である。
【図5】図1に示す画素補正部における画素補正処理の一例の説明図である。
【0008】
【図6】図1に示す画素補正部における画素補正処理の他の例の説明図である。
【図7】図1に示す画素補正部における画素補正処理のまた他の例の説明図である。
【図8】図1に示す画素補正部における画素補正処理のさらに他の例の説明図である。
【図9】図1に示す画素補正部における画素補正処理のさらにまた他の例の説明図である。
【図10】図1に示す書込制御部における画素補正処理を示すフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、この発明を実施するための形態を図面に基づいて具体的に説明する。
図3は、この発明の一実施形態である画像形成装置の内部構成を示す図である。
この実施例の画像形成装置1は、例えば、デジタルカラー複写機であり、給紙部2、原稿搬送部3、原稿読取部4、及び画像形成部5を有する。
給紙部2は、複数のトレイ部6を備えており、プリント、コピー時に、搬送手段7によって各トレイ部6の用紙Pを画像形成部5へ給紙する。
【0010】
原稿搬送部3は、画像読み取り時に原稿を原稿読取部4へ搬送する。
原稿読取部4は、内部に図示を省略した光源やミラーを含む複数の部品を有する。
この原稿読取部4は、原稿搬送部3から給紙される原稿の画像を読み取り、その画像データを入力するスキャナ機構部である。
上記各部品については公知なので詳細な説明を省略する。
【0011】
画像形成部5は、中間転写ベルト8が設けられており、その周りには4個の感光体(ドラム状の感光体の場合「感光体ドラム」とも呼ぶ)9y〜9kが並べて配置されている。
感光体9yは、表面にイエロー(Y)のトナー画像が書き込まれ、そのイエローのトナー画像を中間転写ベルト8に転写するための画像担持体であり、感光体9mは、表面にマゼンタ(M)のトナー画像が書き込まれ、そのマゼンタのトナー画像を中間転写ベルト8に転写するための画像担持体である。
【0012】
また、感光体9cは、表面にシアン(C)のトナー画像が書き込まれ、そのシアンのトナー画像を中間転写ベルト8に転写するための画像担持体であり、感光体9kは、表面にブラック(K)のトナー画像が書き込まれ、そのブラックのトナー画像を中間転写ベルト8に転写するための画像担持体である。
すなわち、この画像形成部5は、中間転写ベルト8に複数の異なる色の画像を重ねるようにして各色の画像からなる画像を形成する画像形成手段の機能を果たす。
【0013】
中間転写ベルト8は、各感光体9y〜9kのいずれか1つに書き込まれた単色のトナー画像が転写、各感光体9y〜9kに書き込まれた複数の色のトナー画像が重ねて転写される画像担持体である。
この中間転写ベルト8を張架しながら無端移動させるための中間転写ユニットには、中間転写ベルト8の他、公知なので符号を付して示すのを省略した、複数の1次転写バイアスローラ、クリーニング装置、2次転写バックアップローラ、クリーニングバックアップローラ、テンションローラ等が備えられている。
【0014】
画像形成部5には、各感光体9y〜9kの周りに、各感光体9y〜9kのそれぞれの表面を帯電処理する各帯電装置10y〜10kと、それぞれの感光体9y〜9kの表面に形成された静電潜像をそれぞれの色のトナーで可視像化する各現像装置(「現像ユニット」とも呼ぶ)11y〜11kと、各感光体9y〜9k上にそれぞれ形成されたトナー像(可視像)を中間転写ベルト8上に重ねるように転写した後に各感光体9y〜9kに残ったトナーを回収する各クリーニング装置12y〜12kをそれぞれ設けている。
【0015】
また、各感光体9y〜9kのそれぞれの表面上に静電潜像を形成する光源ユニットと振動ミラーと複数のレンズを含む露光部を備えた露光ユニット(「書き込みユニット」とも呼ぶ)である露光装置20が設けられている。
制御部30は、CPU、ROMおよびRAMを含むマイクロコンピュータによって実現され、この画像形成装置1の全体の制御を司る。
【0016】
この画像形成装置1は、フルカラー印刷(「FC印刷」と略称する)の場合、中間転写ベルト8に、各感光体9y〜9kに書き込まれた各トナー画像を重ねるように転写し、フルカラーのトナー画像を形成する。また、モノクロ印刷(「Bk印刷」と略称する)の場合、中間転写ベルト8に、感光体9kに書き込まれたブラックのトナー画像を転写し、モノクロのトナー画像を形成する。
【0017】
一方、給紙部2のトレイ部6から搬送手段7によって搬送された用紙(転写紙)Pは、レジストローラ部13において一旦停止し、中間転写ベルト8の回転と同期をとって再給紙され、転写ローラ部14によって中間転写ベルト8上のトナー像を用紙Pに転写する。トナー像が転写された用紙Pは定着装置(「定着ユニット」とも呼ぶ)15によって定着処理され、最後に排紙手段16によって排紙収納部17に排出される。
【0018】
図2は、図3に示した露光装置20と制御部30を含む画像書き込みに係る各部の概略構成図である。
制御部30は、この画像形成装置1の印刷に係る制御を司るプリントコントローラ部31を備えている。また、露光装置20は、CPU、ROMおよびRAMを含むマイクロコンピュータによって実現される書込制御部21とLDドライバ部22を備えている。
さらに、露光装置20は、光源であるレーザダイオード(LD)23とポリゴンミラー24を備えている。
【0019】
書込制御部21は、プリントコントローラ部31からプリントスタートの指示と共に、画像データ信号ライン32によって画像データを受信すると、プリントを開始し、所定のタイミングに基いてLDドライバ部22にLD駆動信号として画像データを送ってLD23を発光させる。
そして、LDドライバ部22は、画像データに基いてLD23の発光を制御する。
【0020】
LD23からポリゴンミラー24へ光ビームを照射し、ポリゴンミラー24の回転と図示を省略したミラー類による反射により光ビームを偏向して各感光体9y〜9k上にスキャンする。書込制御部21は、ポリゴンミラー24を回転駆動するポリゴンモータの回転駆動も制御する。
また、書込制御部21は、同期センサ(例えば、水平同期センサ)33からの検知信号に基いて一回あるいは特定のスキャンタイミングで同期をとっており、これによって各感光体9y〜9k上に一定のタイミングで画像を形成することができる。
【0021】
上記画像データ信号ライン32は、制御部30のプリントコントローラ部31から露光装置20の書込制御部21まで画像データを長距離伝送する通信線であり、画像形成装置1の内部の高圧源を含むノイズ源と、外部から印加される静電気ノイズに影響される場合がある。
そこで、この画像形成装置1の書込制御部21では、画像データ中の異常画素(以下「エラー画素」という)を画素単位で検知し、そのエラー画素を補正する。
【0022】
図1は、図2に示した書込制御部21の画素補正に係る内部機能の構成を示すブロック図である。
プリントコントローラ部31から出力される画像データ中には、無効データと有効データとを含む。この有効データは、例えば、画像の主走査方向(水平方向)の1ライン分のデータに相当する。
【0023】
この画像データは、プリントコントローラ部31において、8ビットの画像データを公知の8B10B符号化技術により10ビットの画像データに変換されている。そして、有効データの前部には有効データの開始を示すスタート情報が、後部には有効データの終了を示すエンド情報がそれぞれ挿入されている。
【0024】
例えば、プリントコントローラ部31から書込制御部21へシリアル通信で画像データをシリアルデータで転送するとき、ノイズ等が原因となって、画像データ中に画素欠陥等の通信エラーが生じる場合がある。
そこで、この書込制御部21では、画像データをシリアルデータで受信して、その画像データ中の画素単位で受信エラーの画素を検出し、その受信エラーの画素を、エラー画素を含む1ライン全ての画素データを補填するのではなく、その受信エラーの画素の周囲の正常に受信した画素に基いて欠損画素データのみを補填又は異常を起こした画素データのみを正常に補正する。
その結果、データの補填又は補正の影響を最小限にとどめることができ、出力画像の劣化をより目立たせなくすることができる。
【0025】
図1に示した10B8B変換部25は、プリントコントローラ部31からシリアルデータで受信した10ビットの画像データを8ビットの画像データに変換し、メモリ部26へ送って画像の主走査方向のライン単位で蓄積する。
また、10B8B変換部25は、画像データの受信時、受信した画像データ中のスタート情報を検知するとスタート信号を、エンド情報を検知するとエンド信号をそれぞれ異常画素アドレス通知部27へ送信する。
一方、異常画素アドレス通知部27は、シリアルデータの受信開始と共に10B8B変換部25からスタート信号を受信すると、カウンタ29のカウントを開始し、エンド信号の受信によってカウントを終了する。そして、カウンタ29のカウント値はライン単位の画像データ中の各画素の位置情報を表す。
【0026】
さらに、10B8B変換部25は、シリアルデータで受信した画像データ中の画素単位でエラー画素を検知すると、その都度エラー信号を異常画素アドレス通知部27へ送信する。この受信エラーのエラー画素の検知については、公知の技術を用いればよいので詳細な説明を省略するが、例えば、ノイズ等の影響で受信エラーとなり正しく認識できなかった画素データをエラー画素と検知する。
異常画素アドレス通知部27は、10B8B変換部25からエラー信号を受信すると、その受信と共にカウントした値を含むカウンタ29にカウントされているカウント値を読み出し、それを異常画素アドレスとして画素補正部28へ送信(通知)する。このカウント値は1ラインの画像データ中のエラー画素の位置を表す。
【0027】
画素補正部28は、異常画素アドレス通知部27から異常画素アドレスを受信すると、その異常画素アドレスに基いてメモリ部26からエラー画素の周囲の画素データのみを読み出し、エラー画素の補正(画素欠損の補填又はエラー画素を正常に補正)し、補正した画素データをメモリ部26の異常画素アドレスに書き込む。
上記10B8B変換部25と上記異常画素アドレス通知部27が、画像データをシリアルデータで受信して、その画像データ中の画素単位で受信エラーの画素を検出するエラー画素検出手段と、上記受信した画像データを記憶手段に記憶し、上記シリアルデータの受信開始と共に上記画像データ中の各画素の位置情報をカウントし、上記受信エラーの画素を検出したときにカウントされた位置情報を上記画像データ中の上記受信エラーの画素の位置情報として補正手段に通知する手段の機能を果たす。
【0028】
また、上記画素補正部28が、上記エラー画素検出手段によって検出した受信エラーの画素を、その画素の周囲の正常に受信した画素に基いて補正する補正手段と、上記エラー画素検出手段から通知された位置情報に基づいて記憶手段に記憶された画像データ中の受信エラーの画素を補正する手段の機能を果たす。
さらに、上記メモリ部26が、上記記憶手段に相当する。
なお、この実施形態では、画像データを10B8B符号化技術によって変換した場合を示したが、この実施形態の画素補正処理は、128B/130Bを含む他の符号化技術でも適用できる。その場合、ブロック単位が異なるだけである。
【0029】
次に、上記異常画素アドレス通知部27におけるアドレスのカウント処理について説明する。
図4は、図1に示した異常画素アドレス通知部27におけるアドレスのカウント処理の説明に供するタイミングチャート図である。
図1の異常画素アドレス通知部27は、図1の10B8B変換部25の変換タイミングと図1のカウンタ29のカウントとを同期させている。
【0030】
異常画素アドレス通知部27は、図4の(a)に矢示50で示すように、スタート信号を受信すると、図4の(c)に示すように、カウンタ29のカウント値を1,2,3,4,5,・・・と開始する。
異常画素アドレス通知部27は、カウント開始後、図4の(d)に矢示51で示すように、エラー信号を受信すると、図4の(c)に示すように、エラー信号受信時のカウンタ29のカウント値kを読み出し、そのカウント値kを異常画素アドレスとして図1の画素補正部28へ送信する。
そして、異常画素アドレス通知部27は、カウント開始後、図4の(b)に矢示52で示すように、エンド信号を受信すると、図4の(c)に示すように、カウントを停止する。その直前のカウント値nが1ライン中の有効データの最終画素のアドレスを示す。
【0031】
次に、上記画素補正部28における画素補正処理について説明する。
図5は、図1に示す画素補正部28における画素補正処理の一例の説明図である。
図5の(a)には、図1のメモリ部26における各ライン毎の画素データの記憶例を示している。
画素データは「0」「1」の2値で表し、8ビット(bit)単位にまとめている。
図5の(a)中の画素の主走査方向のアドレスをKで示し、副走査方向のアドレスをLで示している。
【0032】
図1の画素補正部28は、図5の(a)に示すように、主走査方向のアドレスKと副走査方向のアドレスLの8ビットの画素データがエラー画素(図中黒く塗り潰して示す)の場合、メモリ部26から主走査方向のアドレスKと副走査方向のアドレスL−1の画素データ(8ビット全てが「1」)を読み出す。この主走査方向のアドレスKと副走査方向のアドレスL−1の画素データが、エラー画素の副走査方向に隣接する正常な画素に相当する。
【0033】
そして、図1の画素補正部28は、図5の(b)に示すように、メモリ部26の主走査方向のアドレスKと副走査方向のアドレスLの8ビットの画素データ(エラー画素)に画素データ(8ビット全てが「1」)を書き込み、主走査方向のアドレスKと副走査方向のアドレスLのエラー画素を補正する。
また、図1の画素補正部28は、メモリ部26の主走査方向のアドレスKと副走査方向のアドレスLの8ビットの画素データ(エラー画素)に、主走査方向のアドレスKと副走査方向のアドレスL+1の画素データ(8ビット全てが「0」)を書き込み、エラー画素を補正するようにしてもよい。
このようにして、画像データの副走査方向のアドレスによって画素単位での補正が可能となる。
【0034】
図6は、図1に示す画素補正部28における画素補正処理の他の例の説明図である。
上記画素補正処理では、エラー画素の副走査方向に隣接する正常な画素に基いてエラー画素を補正した場合を示したが、エラー画素の主走査方向に隣接する正常な画素データに基いてエラー画素を補正するようにしてもよい。
【0035】
図1の画素補正部28は、図6の(a)に示すように、主走査方向のアドレスKと副走査方向のアドレスLの8ビットの画素データがエラー画素(図中黒く塗り潰して示す)の場合、メモリ部26から主走査方向のアドレスK−1と副走査方向のアドレスLの画素データ(8ビット全てが「1」)の最後の画素データ(図6の(b)に53で示すデータ)と、主走査方向のアドレスK+1と副走査方向のアドレスLの画素データ(8ビット全てが「0」)の最初の画素データ(図6の(b)に54で示すデータ)とを読み出す。
上記最後と最初の各画素データが、エラー画素の主走査方向に隣接する正常な画素に相当する。
【0036】
そして、図1の画素補正部28は、図6の(b)に示すように、メモリ部26の主走査方向のアドレスKと副走査方向のアドレスLの前半の4ビットの画素データ(エラー画素)に上記最後の画素データ(「1」)を書き込み、主走査方向のアドレスKと副走査方向のアドレスLの後半の4ビットの画素データ(エラー画素)に上記最初の画素データ(「0」)を書き込み、エラー画素を補正する。
このようにして、画像データの主走査方向のアドレスによって画素単位での補正が可能となる。
【0037】
図7は図1に示す画素補正部28における画素補正処理のまた他の例の説明図である。
図1の画素補正部28は、図7の(a)に示すように、主走査方向のアドレスKと副走査方向のアドレスLの8ビットの画素データがエラー画素(図中黒く塗り潰して示す)の場合、メモリ部26から主走査方向のアドレスK−1と副走査方向のアドレスLの画素データ(「10101010」)を読み出す。上記主走査方向のアドレスK−1と副走査方向のアドレスLの画素データが、エラー画素の主走査方向に隣接する正常な画素に相当する。
【0038】
そして、図1の画素補正部28は、図7の(b)に示すように、メモリ部26の主走査方向のアドレスKと副走査方向のアドレスLの8ビットの画素データ(エラー画素)に上記主走査方向のアドレスK−1と副走査方向のアドレスLの画素データ(「10101010」)を書き込み、エラー画素を補正する。
このように、8ビットのエラー画素の補正に、そのエラー画素の主走査方向に前側に位置する8ビットの正常な画素データ全てを用いる。
【0039】
なお、メモリ部26の主走査方向のアドレスKと副走査方向のアドレスLの8ビットの画素データ(エラー画素)に上記主走査方向のアドレスK+1と副走査方向のアドレスLの画素データ(「00000000」)を書き込んで補正するようにしても良い。
このようにして、画像データの主走査方向のアドレスによって画素単位での補正が可能となる。
【0040】
図8は、図1に示す画素補正部28における画素補正処理のさらに他の例の説明図である。
図9は、図1に示す画素補正部28における画素補正処理のさらにまた他の例の説明図である。
画素データが2ビットのような多値データを用いるときは、エラー画素の上下の画素データに基いてその間の値で補正することも可能である。
例えば、((L−1)+(L+1))/2=(補正値)とする。
【0041】
図1の画素補正部28は、図8の(a)に示すように、主走査方向のアドレスKと副走査方向のアドレスLの画素データがエラー画素(図中黒く塗り潰して示す)の場合、主走査方向のアドレスKと副走査方向のアドレスL−1の画素データ(「10」「10」「10」「10」)と、主走査方向のアドレスKと副走査方向のアドレスL+1の画素データ(「00」「00」「00」「00」)とを読み出す。
【0042】
図8の(b)に示すように、それらを多値データで表記すると、主走査方向のアドレスKと副走査方向のアドレスL−1の画素データ(「2」「2」「2」「2」)と、主走査方向のアドレスKと副走査方向のアドレスL+1の画素データ(「0」「0」「0」「0」)とになる。
【0043】
そして、図1の画素補正部28は、((L−1)+(L+1))/2=(2+0)/2=1により、図8の(c)に示すように、メモリ部26の主走査方向のアドレスKと副走査方向のアドレスLの画素データ(エラー画素)に画素データ(「1」「1」「1」「1」)を書き込んで補正する。
このようにして、画像データの副走査方向のアドレスによって画素単位での補正が可能となる。
【0044】
また、図1の画素補正部28は、図9の(a)に示すように、主走査方向のアドレスKと副走査方向のアドレスLの画素データがエラー画素(図中黒く塗り潰して示す)の場合、主走査方向のアドレスK−1と副走査方向のアドレスLの画素データ(「10」「10」「10」「10」)と、主走査方向のアドレスK+1と副走査方向のアドレスLの画素データ(「00」「00」「00」「00」)とを読み出す。
【0045】
図9の(b)に示すように、それらを多値データで表記すると、主走査方向のアドレスK−1と副走査方向のアドレスLの画素データ(「2」「2」「2」「2」)と、主走査方向のアドレスK+1と副走査方向のアドレスLの画素データ(「0」「0」「0」「0」)とになる。
【0046】
そして、図1の画素補正部28は、((K−1)+(K+1))/2=(2+0)/2=1により、図9の(c)に示すように、メモリ部26の主走査方向のアドレスKと副走査方向のアドレスLの画素データ(エラー画素)に画素データ(「1」「1」「1」「1」)を書き込んで補正する。
このようにして、画像データの主走査方向のアドレスによって画素単位での補正が可能となる。
【0047】
図10は、書込制御部21における画素補正処理を示すフローチャート図である。
図1の書込制御部21は、例えば印刷時、ステップ(図中「S」で示す)1で図1の異常画素アドレス通知部27によって図1の10B8B変換部25からエラー信号を受信したか否かを判断する。
ステップ1の判断で、図1の異常画素アドレス通知部27は10B8B変換部25からエラー信号を受信したと判断したら(Yの場合)、ステップ2へ進む。
【0048】
また、ステップ1の判断で、図1の異常画素アドレス通知部27は図1の10B8B変換部25からエラー信号を受信しなかった場合(Nの場合)、ステップ1の判断処理を繰り返す。
ステップ2で、図1の異常画素アドレス通知部27は図1のカウンタ29から異常画素アドレスを読み出し、図1の画素補正部28へ送信し、ステップ3へ進む。
【0049】
ステップ3で、図1の画素補正部28は、図1の異常画素アドレス通知部27から受信した異常画素アドレスに基いて図1のメモリ部26からエラー画素の周辺の画素を読み出し、ステップ4へ進む。
ステップ4で、図1の画素補正部28は、エラー画素の周辺の画素に基いて補正画素を作成し、ステップ5へ進む。この補正画素は、エラー画素であるノイズ等が原因で欠損した画素を補完する画素である。
ステップ5で、図1の画素補正部28は、図1のメモリ部26の異常画素アドレスに補正画素を書き込み、最初の処理に戻る。
この処理を印刷中に行い、印刷が終了するとこの処理も終了する。
【0050】
このようにして、印刷時に、プリントコントローラ部31から書込制御部21に送信される画像データにノイズ等が原因で画素単位で欠損が発生しても、上述した画素補正によってエラー画素の周囲の正常な画素に基いて画素単位で補填できるので、印刷後の画像の劣化を目立たなくすることができる。
また、エラー画素を含むラインの前後のライン中におけるエラー画素に対して上下に位置する正常な画素を参考にすれば、より目立ちにくい補正が可能となる。
【0051】
さらに、1ライン中のエラー画素の前後の正常な画素に基いて画素単位で補完するようにすれば、1ライン分のメモリ領域を準備するだけでよいので、装置構成がシンプルになり、低コストで目立ちにくい補正が可能となる。
なお、上述の実施形態では、書込制御部において画素補正を行う場合を説明したが、それに限らず、画像形成装置中の画像データを受信する他の部分でも上述と同様にして画素補正を行うことができる。
また、上述した画素補正の機能は、ファクシミリ装置、プリンタ、および複合機を含む画像データを扱う画像形成装置全般に適用することができる。
【符号の説明】
【0052】
1:画像形成装置 2:給紙部 3:原稿搬送部 4:原稿読取部 5:画像形成部 6:トレイ部 7:搬送手段 8:中間転写ベルト 9y〜9k:感光体 10y〜10k:帯電装置 11y〜11k:現像装置 12y〜12k:クリーニング装置 13:レジストローラ部 14:転写ローラ部 15:定着装置 16:排紙手段 17:排紙収納部 20:露光装置 21:書込制御部 22:LDドライバ部 23:LD 24:ポリゴンミラー 25:10B8B変換部 26:メモリ部 27:異常画素アドレス通知部 28:画素補正部 29:カウンタ 30:制御部 31:プリントコントローラ部 33:同期センサ P:用紙
【先行技術文献】
【特許文献】
【0053】
【特許文献1】特開2003−46709号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データに基いて画像を形成する画像形成装置であって、
前記画像データをシリアルデータで受信して前記画像データ中の画素単位で受信エラーの画素を検出するエラー画素検出手段と、
該エラー画素検出手段によって検出した受信エラーの画素を、該画素の周囲の正常に受信した画素に基いて補正する補正手段とを備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記エラー画素検出手段は、前記受信した画像データを記憶手段に記憶し、前記シリアルデータの受信開始と共に前記画像データ中の各画素の位置情報をカウントし、前記受信エラーの画素を検出したときにカウントされた位置情報を前記画像データ中の前記受信エラーの画素の位置情報として前記補正手段に通知する手段を含み、
前記補正手段は、前記エラー画素検出手段から通知された位置情報に基づいて前記記憶手段に記憶された画像データ中の受信エラーの画素を補正する手段を含むことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記補正手段は、前記受信エラーの画素を、該画素の副走査方向に隣接する正常に受信した画素に基いて補正する手段を含むことを特徴とする請求項1又は2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記補正手段は、前記受信エラーの画素を、該画素の主走査方向に隣接する正常に受信した画素に基いて補正する手段を含むことを特徴とする請求項1又は2記載の画像形成装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2012−248918(P2012−248918A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−116595(P2011−116595)
【出願日】平成23年5月25日(2011.5.25)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】