説明

画像形成装置

【課題】 本発明は、新品検知機構の破損等を低減しつつ、新品のカートリッジの装着により、カウンタのリセットの精度を向上させることが出来る画像形成装置を提供する。
【解決手段】 新品の感光体カートリッジ32は、クリーニングローラ対104の間にPETフィルム150を有し、クリーニングローラ対104の間を電気的に非接続状態に保つ。クリーニングローラ対104とPETフィルム150は、感光体カートリッジ32の内部に収容されている。PETフィルム150は、クリーニングローラ対104が回転されることでクリーニングローラ対104の間から排出され、クリーニングローラ対104の間は、電気的に接続される。電流検出回路340は、クリーニングローラ対104の回転前後において、クリーニングローラ対104に供給される電流の有無を検知する。そして、リセット手段は330、電流検出回路340の検出結果に基づいて、カウンタ311の値をリセットする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、画像形成装置は、一般的に現像剤収容室を有する現像カートリッジをその画像形成装置本体内に着脱可能に備えている。この種の現像カートリッジは、現像剤収容室内の現像剤が無くなったときに新品の現像カートリッジと交換される。
【0003】
このような画像形成装置では、新品の現像カートリッジの使用開始時に印字枚数をカウントするカウンタがリセットされる。画像形成装置は、カウンタがリセットされた後、印字枚数のカウントを開始する。そして、画像形成装置は、カウント数が所定値を超えたら現像カートリッジの交換をユーザに促す。従って、このような画像形成装置の構成では、画像形成装置本体の現像カートリッジ装着時に、現像カートリッジの新旧判定が必要とされる。
【0004】
現像カートリッジの新旧の判定方法として、例えば、特許文献1に記載のものが挙げられる。具体的には、現像カートリッジの側面には、所定の軸部から径方向外側へ延出する検知突起と、前記軸部を中心として検知突起と一体に回転する検出ギヤと、この検出ギヤに噛合するとともに、現像ローラやアジテータ等に駆動力を伝達する複数のギヤとが設けられている。そして、装置本体に対して新品状態の現像カートリッジが装着されると、検知突起が装置本体側の検知アクチュエータの一端を押圧する。その後、検知アクチュエータが揺動し、センサがこの揺動を検知することで、現像カートリッジが新品であると判断される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−267994号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このように、特許文献1に記載の新品検知機構の検知突起は、現像カートリッジの側面から外方に突出して設けられている。そのため、検知突起は、現像カートリッジの搬送時において、ユーザが検知突起に触れたり、他の部材と干渉することにより、検出位置からずれてしまうことがある。すると、新品の現像カートリッジは、画像形成装置への装着後、新品であると判断されない可能性がある。また、現像カートリッジが装置本体外にあるときに、検知突起に外部から衝撃が加わり、検知突起が誤って破損してしまうことが考えられる。検知突起が破損した新品の現像カートリッジは、新品の現像カートリッジが画像形成装置本体に装着されても新品であると判断されず、カウンタをリセットできないという可能性がある。
【0007】
そこで、本発明は、新品検知機構の破損等を低減しつつ、新品のカートリッジの画像形成装置への装着により、カウンタのリセットの精度を向上させることが出来る画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の画像形成装置は、画像形成装置本体と、前記画像形成装置本体に対して着脱自在なカートリッジと、を備える画像形成装置であって、前記カートリッジは、筐
体と、前記筐体内に配置され、回転駆動される感光体と、前記筐体内に前記感光体と接触して配置され、前記感光体との電位差によって前記感光体の表面をクリーニングする1次クリーニングローラと、前記筐体内に前記1次クリーニングローラと接触して配置され、前記1次クリーニングローラとの電位差によって前記1次クリーニングローラの表面をクリーニングする2次クリーニングローラと、一部が外部に露出して前記筐体内に配置され、前記1次クリーニングローラと前記2次クリーニングローラとに電気的に接続される電気接点と、前記筐体内に配置され、前記感光体が回転駆動されることにより、前記1次クリーニングローラと前記2次クリーニングローラとの間の電気的な接続を、非接続状態から接続状態に復帰不能に変化させる状態変化手段と、を有し、前記画像形成装置本体は、前記電気接点を介して前記1次クリーニングローラと前記2次クリーニングローラとに電圧を印加することで、前記1次クリーニングローラと前記2次クリーニングローラとの間に電位差を発生させる電圧印加手段と、前記感光体を回転駆動させる駆動手段と、前記駆動手段による前記感光体の駆動前後において、前記電圧印加手段による電圧の印加によって発生する電流を検出する電流検出手段と、前記感光体が使用されることで累積される値を記憶する記憶手段と、前記電流検出手段によって、前記駆動手段による前記感光体の回転前において電流が非検出であり、かつ、前記駆動手段による前記感光体の回転後において電流が検出された場合に、前記記憶手段に記憶される前記値をリセットするリセット手段とを備えることを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の画像形成装置は、請求項1に記載の画像形成装置において、前記状態変化手段は、前記1次クリーニングローラと前記2次クリーニングローラとによって前記1次クリーニングローラの回転軸線方向全域にわたって挟持される絶縁部材であり、前記絶縁部材は、前記駆動手段によって前記感光体が回転駆動されることで、前記1次クリーニングローラと前記2次クリーニングローラとの間から排出されることを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載の画像形成装置は、請求項2に記載の画像形成装置において、前記カートリッジは、前記1次クリーニングローラの前記感光体と対向する面を露出しつつ、前記1次クリーニングローラと前記2次クリーニングローラとを覆うように収容する収容部を有することを特徴とする。
【0011】
請求項4に記載の画像形成装置は、請求項3に記載の画像形成装置において、前記絶縁部材は、前記1次クリーニングローラおよび前記2次クリーニングローラの回転軸線方向を長手方向とする矩形状であり、前記絶縁部材の短手方向端部には、前記絶縁部材の長手方向に沿って開口部が形成されることを特徴とする。
【0012】
請求項5に記載の画像形成装置は、請求項3または請求項4に記載の画像形成装置において、前記絶縁部材は、前記1次クリーニングローラと前記2次クリーニングローラとの間に挟持される第1位置と、前記1次クリーニングローラと前記2次クリーニングローラとの間から排出される位置である第2位置とを取りえ、前記収容部は、前記1次クリーニングローラおよび前記2次クリーニングローラの回転軸線方向両端部を支持する支持壁を有し、前記支持壁は、排出された前記絶縁部材を第2位置に向けて案内する案内部が設けられていることを特徴とする。
【0013】
請求項6に記載の画像形成装置は、請求項1に記載の画像形成装置において、前記状態変化手段は、前記1次クリーニングローラと前記2次クリーニングローラとを接離する接離手段であり、前記接離手段は、前記駆動手段によって前記感光体が回転駆動されることより、前記1次クリーニングローラと前記2次クリーニングローラとを離間状態から接触状態に変化させることを特徴とする。
【0014】
請求項7に記載の画像形成装置は、請求項6に記載の画像形成装置において、 前記接
離手段は、前記1次クリーニングローラと前記2次クリーニングローラとをそれらが互いに近づく方向に付勢する付勢部材と、前記付勢部材による付勢力に抗して、前記1次クリーニングローラと前記2次クリーニングローラとの回転軸の間に設けられ、前記1次クリーニングローラと前記2次クリーニングローラとを離間する離間部材を有し、前記離間部材は、前記1次クリーニングローラが回転することで、前記1次クリーニングローラと前記2次クリーニングローラとの回転軸の間から取り除かれることを特徴とする。
【0015】
請求項8に記載の画像形成装置は、画像形成装置本体と、前記画像形成装置本体に対して着脱自在なカートリッジと、を備える画像形成装置であって、前記カートリッジは、筐体と、前記筐体内に配置され、回転駆動される感光体と、前記筐体内に前記感光体と接触して配置され、前記感光体との電位差によって前記感光体の表面をクリーニングする1次クリーニングローラと、前記筐体内に前記1次クリーニングローラと接触して配置され、前記1次クリーニングローラとの電位差によって前記1次クリーニングローラの表面をクリーニングする2次クリーニングローラと、一部が外部に露出して前記筐体内に配置され、前記1次クリーニングローラと前記2次クリーニングローラとの回転軸に電気的に接続される電気接点と、前記筐体内に配置され、前記回転軸と前記電気接点との間の電気的接続を非接続状態から接続状態に復帰不能に変化させる状態変化手段と、を有し、前記画像形成装置本体は、前記電気接点を介して前記1次クリーニングローラと前記2次クリーニングローラとに電圧を印加することで、前記1次クリーニングローラと前記2次クリーニングローラとの間に電位差を発生させる電圧印加手段と、前記感光体を回転駆動させる駆動手段と、前記駆動手段による前記感光体の駆動前後において、前記電圧印加手段による電圧の印加によって発生する電流を検出する電流検出手段と、前記感光体が使用されることで累積される値を記憶する記憶手段と、前記電流検出手段によって、前記駆動手段による前記感光体の回転前において電流が非検出であり、かつ、前記駆動手段による前記感光体の回転後において電流が検出された場合に、前記記憶手段に記憶される前記値をリセットするリセット手段とを備えることを特徴とする。
【0016】
請求項9に記載の画像形成装置は、請求項8に記載の画像形成装置において、前記状態変化手段は、前記1次クリーニングローラと前記2次クリーニングローラとのうちの、いずれか一方の前記回転軸と前記電気接点の間に設けられる絶縁部材であり、前記絶縁部材は、前記感光体が回転駆動されることにより、前記回転軸と前記電気接点との間から取り除かれることを特徴とする。
【0017】
請求項10に記載の画像形成装置は、請求項2から請求項5、および請求項9のいずれかに記載の画像形成装置において、前記絶縁部材はPETフィルムであることを特徴とする画像形成装置。
【0018】
請求項11に記載の画像形成装置は、請求項1から請求項10のいずれかに記載の画像形成装置において、前記感光体の表面に形成された静電潜像を正帯電の現像剤により現像する画像形成装置において、前記電圧印加手段は、前記1次クリーニングローラに前記感光体の表面電位より高い電圧を印加することで、前記感光体表面の紙粉を前記1次クリーニングローラ表面に移動させ、前記2次クリーニングローラと前記1次クリーニングローラに対して、前記1次クリーニングローラの電位よりも前記2次クリーニングローラの電位の方が高くなるように電圧を印加することで、前記1次クリーニングローラ表面の紙粉を前記2次クリーニングローラ表面に移動させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
請求項1に記載の画像形成装置によると、カートリッジは、感光体と、1次クリーニングローラと、2次クリーニングローラと、1次クリーニングローラおよび2次クリーニングローラに電気的に接続される電気接点と、状態変化手段とを有する。そして、感光体と
、1次クリーニングローラと、2次クリーニングローラと、電気接点と、状態変化手段とは、筐体内に収容されている。
【0020】
カートリッジが装置本体に装着された状態で、1次クリーニングローラと2次クリーニングローラとは、電気接点を介して電圧印加手段により電圧が印加される。電流検知手段は、駆動手段による感光体の回転前後において、電圧印加手段により発生する電流を検出する。そして、リセット手段は、検知手段の検知結果に基づいて記憶手段に記憶される値をリセットする。具体的には、リセット手段は、電流検出手段の検出結果が、感光体の駆動前後で非導通状態から導通状態に変化した場合、記憶手段に記憶される感光体の使用に伴い累積される値をリセットする。
【0021】
このように、1次クリーニングローラと2次クリーニングローラと状態変化手段は、カートリッジ内部に収容される。そして、リセット手段は、電流検出手段が検出する検出結果に基づいて、記憶手段に記憶される値をリセットする。したがって、ユーザによる新品検知機構の破損等は低減され、リセット手段によるカウンタのリセットの精度を上げることができる。
【0022】
請求項2に記載の画像形成装置によると、1次クリーニングローラと2次クリーニングローラとの間に、絶縁部材を挟持させる。これにより、クリーニングローラ間は、電気的に非接続状態に保たれる。従って、簡易な構成でカートリッジの新品検知を行うことが出来る。
【0023】
請求項3に記載の画像形成装置によると、感光体が回転されることにより排出された絶縁部材を、収容部内に収容することができ、装置内の汚染を確実に防止することが出来る。
【0024】
請求項4に記載の画像形成装置によると、絶縁部材の短手方向端部には、開口部が形成される。従って、収容部内に排出された絶縁部材が、収容部内部を2部屋に分けるように収容された場合であっても、開口部を異物が通過することで収容部内に十分な量の異物を回収することが出来る。また、絶縁部材の短手方向の長さを長くすることができ、クリーニングローラ間をより正確に非接続状態にすることができる。
【0025】
請求項5に記載の画像形成装置によると、1次クリーニングローラおよび2次クリーニングローラの回転軸の軸線方向両端部を支持する支持壁には、絶縁部材を第2位置に向けて案内する案内部が設けられる。絶縁部材は、第2位置に向けて排出することで、排出後の絶縁部材とクリーニングローラとの接触を抑えることができる。
【0026】
請求項6に記載の画像形成装置によると、新品状態において1次クリーニングローラと2次クリーニングローラとを離間状態に保ち、感光体の回転に伴い1次クリーニングローラと2次クリーニングローラとを接触状態に変位させる接離部材を設ける。1次クリーニングローラと2次クリーニングローラとを離間しているので、より正確にクリーニングローラの間を電気的に非接続状態に保つことが出来る。
【0027】
請求項7に記載の画像形成装置によると、1次クリーニングローラと2次クリーニングローラの離間時は、離間部材を用いて一対のクリーニングローラを離間する。従って、1次クリーニングローラと2次クリーニングローラと確実に離間し、非接触状態とすることで、カウンタのリセットの精度を向上さることが出来る。
【0028】
請求項8に記載の画像形成装置によると、新品のカートリッジにおいて、1次クリーニングローラまたは2次クリーニングローラと電気接点の間は、状態変化手段によって、非
接続状態に保たれる。そして、絶縁部材、回転軸、状態変化手段は、感光体カートリッジの筐体内部に配置されている。したがって、ユーザによる新品検知機構の破損等は低減され、リセット手段は、カートリッジの画像形成装置への装着により、必要に応じてカウンタのリセットを精度良く行うことが出来る。
【0029】
請求項9に記載の画像形成装置によると、簡易な構成により、新品のカートリッジにおいて、電気接点とクリーニングローラの回転軸との間の電気的な接続を非接続状態に保つことが出来る。
【0030】
請求項10に記載の画像形成装置によると、絶縁部材としてPETフィルムを用いることで、コストの低減を図れる。
【0031】
請求項11に記載の画像形成装置によると、2次クリーニングローラは、紙粉のみを筐体内に効率的に回収することができる。従って、良好な画像形成が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】図1は、左側から見たレーザプリンタ1の中央側断面図である。
【図2】図2は、左側から見た感光体カートリッジの後側部分の側断面図である。
【図3】図3は、右上から見た上フレームを取り外した感光体カートリッジの後側部の斜視図である。
【図4】図4は、前側から見たクリーニングユニット正面図である。
【図5】図5は、感光ドラムとクリーニングローラ対に電圧を印加するための回路図である。
【図6】図6は、新品の感光体カートリッジにおける、左側から見たクリーニングユニットの側断面図である。
【図7】図7は、PETフィルムの平面図である。
【図8】図8は、旧品の感光体カートリッジにおける、左側から見たクリーニングユニットの側断面図である。
【図9】本発明に係る、制御部のブロック図である。
【図10】感光体カートリッジの新旧を判定し、カウンタをリセットするまでの制御に係るフローチャートである。
【図11】1次クリーニングローラと2次クリーニングローラの回転駆動前後にける、電流検出回路の検出結果と、それに対応する判定手段の判定結果の対応関係を示す表である。
【図12】第2実施形態に係る、新品の感光体カートリッジにおける、右上側から見たクリーニングユニットの左側部分の斜視図である。
【図13】第2実施形態に係る、旧品の感光体カートリッジにおける、左上側から見たクリーニングユニットの斜視図である。
【図14】第3実施形態に係る、新品の感光体カートリッジを右上側から見た後側部の斜視図である。
【図15】第3実施形態に係る、新品の感光体カートリッジの右側から見た側面図である。
【図16】第3実施形態に係る、旧品の感光体カートリッジの右側から見た側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
<レーザプリンタの全体構成>
図1は、本発明の画像形成装置の一例としてのレーザプリンタの一実施形態を示す側断面図である。以下図面上に定義される方向(前後、上下、左右)を用いて、本実施形態の説明をする。
【0034】
図1において、このレーザプリンタ1は、非磁性1成分の現像方式によって画像を形成する電子写真方式のレーザプリンタである。このレーザプリンタ1は、本体フレーム2内において、用紙3を給紙するためのフィーダ部4、給紙された用紙3に画像を形成するための画像形成部5を備えている。
【0035】
<フィーダ部の構成>
フィーダ部4は、本体フレーム2内の底部に、着脱可能に装着される給紙トレイ6と、給紙トレイ6の一端側端部に設けられる給紙機構部7と、給紙機構部7に対し用紙3の搬送方向の下流側に設けられる搬送ローラ8、9および10と、これら搬送ローラ8、9および10に対し用紙3の搬送方向の下流側に設けられるレジストローラ11とを備えている。
【0036】
給紙トレイ6は、用紙3を積層状に収容可能な上面が開放されたボックス形状をなし、本体フレーム2の底部に対して水平方向に着脱可能とされている。この給紙トレイ6内には、用紙押圧板12が設けられている。用紙押圧板12は、用紙3を積層状にスタック可能とされ、給紙機構部7に対して遠い方の端部において揺動可能に支持されることによって、給紙機構部7に対して近い方の端部が上下方向に移動可能とされる。用紙押圧板12の下方には、図示しないばねが配置され、そのばねによって用紙押圧板12が上方向に付勢されている。そのため、用紙押圧板12は、用紙3の積層量が増えるに従って、給紙機構部7に対して遠い方の端部を支点として、ばねの付勢力に抗して下向きに揺動される。
【0037】
給紙機構部7は、給紙ローラ13と、その給紙ローラ13に対向する分離パット14と、分離パット14の裏側に配置されるばね15とを備えている。給紙機構部7では、ばね15の付勢力によって、分離パット14が給紙ローラ13に向かって押圧されている。
【0038】
そして、用紙押圧板12がばねによって上方に付勢されると、用紙押圧板12上の最上位にある用紙3は、給紙ローラ13に向かって押圧される。給紙ローラ13の回転によって用紙3の先端は、給紙ローラ13と分離パット14とで挟まれ、給紙ローラ13と分離パット14との協動により、用紙3が1枚毎に分離される。分離された用紙3は、搬送ローラ8、9および10によってレジストローラ11に送られる。
【0039】
レジストローラ11は、1対のローラから構成されており、用紙3の斜行を矯正して、画像形成位置(後述する感光ドラム47と転写ローラ49との接触部分)に送るようにしている。
【0040】
なお、このレーザプリンタ1のフィーダ部4は、さらに、任意のサイズの用紙3を積層可能とするマルチパーパストレイ16と、マルチパーパストレイ16に積層される用紙3を給紙するためのマルチパーパス給紙ローラ18と、そのマルチパーパス給紙ローラ18に対向するマルチパーパス分離パット19とを備えている。マルチパーパストレイ16は、後述する前カバー29内に折り畳まれた状態で収容されている。
【0041】
<画像形成部の構成>
画像形成部5は、スキャナ部20、プロセスカートリッジ21および定着部22を備えている。
【0042】
<スキャナ部の構成>
スキャナ部20は、本体フレーム2内の上部に設けられ、レーザ発光部(図示せず。)、回転駆動されるポリゴンミラー23、レンズ24および25、反射鏡26、27および28を備えている。
【0043】
画像データに基づいて変調され、レーザ発光部から発光されるレーザビームは、鎖線で示すように、ポリゴンミラー23、レンズ24、反射鏡26および27、レンズ25、反射鏡28の順に通過あるいは反射して、後述するプロセスカートリッジ21の感光ドラム47の表面に照射される。
【0044】
<プロセスカートリッジの構成>
プロセスカートリッジ21は、スキャナ部20の下方に設けられ、本体フレーム2に対して着脱自在に装着されている。
【0045】
すなわち、本体フレーム2は、プロセスカートリッジ21を収容するための本体収容部30と、プロセスカートリッジ21を本体フレーム2に対して着脱させるための本体収容部30へ通じる開口31と、開口31を被覆または開放するための前カバー29とを備えている。
【0046】
本体収容部30は、本体フレーム2におけるスキャナ部20の下方の空間として設けられている。また、開口31は、本体収容部30の前方に形成されている。
【0047】
また、前カバー29は、本体フレーム2の前側の前面および上面にわたって設けられている。この前カバー29は、閉位置と開位置との間を揺動して、閉位置において開口31を開放し、閉位置において開口31を被覆する。
【0048】
そして、プロセスカートリッジ21は、前カバー29を開位置に位置させた状態で、開口31を介して、本体収容部30に対して着脱される。
【0049】
プロセスカートリッジ21は、本体フレーム2に対して着脱されるカートリッジの一例としての感光体カートリッジ32と、感光体カートリッジ32に収容される現像カートリッジ33とを備えている。
【0050】
感光体カートリッジ32は、筐体の一例としての感光体フレーム46と、感光体の一例としての感光ドラム47と、スコロトロン型帯電器48と、転写ローラ49と、クリーニングユニット50とを備えている。
【0051】
感光ドラム47は、感光体フレーム46に回転可能に支持されている。この感光ドラム47、ドラム本体が接地されるとともに、その表面部分が正帯電性の感光層により形成されている。
【0052】
スコロトロン型帯電器48は、感光ドラム47の上方に、感光ドラム47と所定間隔を隔てて対向して配置される。このスコロトロン型帯電器48は、帯電用ワイヤからコロナ放電を発生させる正帯電用のスコロトロン型の帯電器であり、感光ドラム47の表面を一様に正極性に帯電させるように構成されている。
【0053】
転写ローラ49は、感光ドラム47の下方において、この感光ドラム47に対向して接触するように配置され、感光体フレーム46に回転可能に支持されている。この転写ローラ49は、金属製のローラ軸に、導電性のゴム材料が被覆されて構成されている。
【0054】
現像カートリッジ33は、筐体34と、その筐体34内に、トナーホッパ35、供給ローラ36、現像ローラ37および層厚規制ブレード38とを備えている。
【0055】
トナーホッパ35には、現像剤の一例として、正帯電性の非磁性1成分のトナーが充填
されている。
【0056】
また、トナーホッパ35には、アジテータ39が設けられている。このアジテータ39は、筐体34の幅方向に沿って設けられ、トナーホッパ35内の中心に回転可能に支持されるアジテータ回転軸40と、そのアジテータ回転軸40の周りに設けられる攪拌羽根41とを備えている。アジテータ回転軸40が回転すると、攪拌羽根41が周方向に移動して、フィルムがトナーホッパ35内のトナーを掻き上げて、そのトナーを供給ローラ36に向けて搬送する。また、筐体34の側壁は、アジテータ回転軸40に対して供給ローラ36よりの位置に、トナー残量を検出するための窓42が設けられている。窓42は、レーザプリンタ1に設けられた図示しない発光部と受光部からなる光学センサからのレーザ光を透過させることで、トナー残量の検知を行う。
【0057】
供給ローラ36は、トナーホッパ35の後方において、筐体34の幅方向に沿って設けられ、筐体34の幅方向両端部において回転可能に支持されている。この供給ローラ36は、アジテータ39の回転方向と逆方向に回転可能に設けられている。
【0058】
現像ローラ37は、供給ローラ36の後方において、筐体34の幅方向に沿って設けられ、筐体34の幅方向両端部において回転可能に支持されている。この現像ローラ37は、供給ローラ36の回転方向と同方向に回転可能に設けられている。
【0059】
また、現像ローラ37のローラ軸には、図示しない電源が接続され、現像時には現像バイアスが印加される。
【0060】
そして、これら供給ローラ36と現像ローラ37とは、互いに対向配置され、現像ローラ37に対して供給ローラ36がある程度圧縮するような状態で接触されている。供給ローラ36と現像ローラ37とは、それらの対向接触部分において、互いに逆方向に回転する。
【0061】
層厚規制ブレード38は、供給ローラ36の上方であって、現像ローラ37の回転方向における供給ローラ36との対向位置と感光ドラム47との対向位置との間において、筐体34の幅方向に沿って設けられ、現像ローラ37の軸方向に沿って現像ローラ37と対向配置されている。
【0062】
この層厚規制ブレード38は、板ばね部材44と、その板ばね部材44の先端部に設けられ、現像ローラ37と接触される絶縁性のシリコーンゴムからなる圧接部45とを備えている。層厚規制ブレード38は、板ばね部材44が筐体34に支持された状態で、圧接部45が板ばね部材44の弾性力によって、現像ローラ37の表面に圧接されている。
【0063】
トナーホッパ35内のトナーは、アジテータ39の回転によって掻き上られ、供給ローラ36に向けて搬送される。
【0064】
供給ローラ36に搬送されてきたトナーは、その供給ローラ36の回転によって、現像ローラ37に供給される。この供給ローラ36から現像ローラ37へのトナーの供給時において、供給ローラ36と現像ローラ37との間においてトナーが摺擦され正極性に帯電される。
【0065】
そして、帯電されたトナーは、現像ローラ37の表面上に担持され、現像ローラ37の回転に伴って、現像ローラ37と層厚規制ブレード38の圧接部45との間に進入する。トナーは現像ローラ37と圧接部45との間を通過するときに、さらに摩擦によって帯電され、その層の厚さが規制されて、現像ローラ37の表面上に薄層として担持される。
【0066】
そして、感光ドラム47の表面は、スコロトロン型帯電器48により一様に正帯電された後、スキャナ部20からのレーザビームの走査により露光される。これにより、露光された部分の電位が下がって、画像データに基づく静電潜像が形成される。次いで現像ローラ37の回転により、現像ローラ37に担持されている現像剤が、感光ドラム47に対向して接触するときに、感光ドラム47の表面上に形成される静電潜像に供給され、可視像が形成される。
【0067】
その後、感光ドラム47と転写ローラ49とは、用紙3を挟持して搬送するように回転駆動され、感光ドラム47と転写ローラ49との間を用紙3が搬送されることにより、感光ドラム47の表面に担持されているトナー像が用紙3上に転写される。
【0068】
<定着部の構成>
定着部22は、図1に示すように、プロセスカートリッジ21の後方であって、用紙3の搬送方向下流側に設けられており、加熱ローラ125と加圧ローラ126とを備えている。加圧ローラ126は、加熱ローラ125の下方に対向配置され、加熱ローラ125を下方から押圧するように設けられている。
【0069】
用紙3に転写されたトナーは、加熱ローラ125と加圧ローラ126との間を通る間に、熱によって溶融し、用紙3に固着する。
【0070】
そして、定着部22を通過した用紙3は、定着部22の用紙搬送方向下流側に配置された排紙ローラ129によって、排紙トレイ130上に排紙される。
【0071】
<感光体カートリッジ後側部の詳細な説明>
次に、図2を用いて、感光体カートリッジ32の後側部の詳細な説明をする。図2において、左右方向は、紙面に対して垂直な方向であり、紙面に対して奥方向が、右方向である。
【0072】
図2に示すように、感光体カートリッジ32は、筐体の一例としての感光体フレーム46と、感光体の一例としての感光ドラム47と、スコロトロン型帯電器48と、転写ローラ49と、クリーニングユニット50とを備えている。
【0073】
感光体フレーム46は、下フレーム51と、下フレーム51の上方に配置され、下フレーム51に装着される上フレーム52とを備えている。
【0074】
下フレーム51は、感光ドラム47および転写ローラ49を収容するドラム収容部54を一体的に備えている。
【0075】
ドラム収容部54は、転写ローラ49を受ける転写ローラ受け部58と、その転写ローラ受け部58の幅方向両側において、対向配置される両側板59(右側板59A、左側板59B)とを一体的に備えており、上方が開放される略コ字状に形成されている。図2において示される側板59は、右側板59Aである。
【0076】
転写ローラ受け部58には、幅方向に沿って転写ローラ49が設けられている。この転写ローラ49は、転写ローラ受け部58の両側に設けられる両側板59において、感光ドラム47の回転方向と逆方向に回転可能に支持されている。
【0077】
この転写ローラ49は、金属製のローラ軸に、導電性のゴム材料からなるローラが被覆されており、転写時には、転写バイアスが印加される。
【0078】
また、両側板59の間には、感光ドラム47が回転可能に支持されている。この感光ドラム47は、転写ローラ49の上方において、この転写ローラ49に対向配置されている。
【0079】
また、下フレーム51は、感光ドラム47の後方側で、かつ、クリーニングユニット50の下側に配置される支持底板70が設けられている。支持底板70は、クリーニングユニット50の底壁109を支持する。
【0080】
また、各側板59の上端部前側には、上フレーム52と係合するための下側係合部65が設けられている。この下側係合部65は、前側が開放され前後方向に延びる略凹をなし、その上側部分が突部66とされている。
【0081】
上フレーム52は、下フレーム51のドラム収容部54の上方を覆う上板68が設けられ、上板68の前後方向途中には、幅方向において互いに所定間隔を隔てて対向状に形成される1対の支持板98が設けられている。これら支持板98は、上板68から下方に向かって屈曲して延びるように形成されている。そして、これら支持板98の間にスコロトロン型帯電器48が設けられている。
【0082】
図3は、感光体カートリッジ32の後方右側面の斜視図である。図3に示す感光体カートリッジ32は、感光体カートリッジ32の上フレーム52が取りはずされている
感光体カートリッジ32の右側板59Aの後方部は、階段状に切り欠かれ、階段部510が形成される。階段部510は、後方から感光ドラム47に近づくにつれ、転写ローラ49に近づくように、下方に向けて段差が形成される。そして、階段部510は、第1階段部511と第2階段部512が設けられる。
【0083】
そして、右側板59Aは、レーザプリンタ1にプロセスカートリッジが装着された状態で電圧印加電源350と接続される電気接点の一例としての電極520が2つ設けられる。そして、電極520の一方はカラー部材135と接続される第一電極520Aで、他方はカラー部材136と接続される第二電極520Bである。第一電極520Aは、第二電極520Bより下方に配置されている。
【0084】
第二電極520Bは、金属製の板状部材により形成されている。第二電極520Bは、クリーニングローラ対104の回転軸線方向において、外方に突出する矩形状の突出部521を有する。突出部521の右側板59Aよりの端部からは、右側板59Aの面に沿って、かつ、上方に向かう略円弧形状の円弧部522が延びる。円弧部522の突出部521と反対側の端部は、第一階段部511の端面まで延びる。そして、第二電極520Bは、当該端部から感光体カートリッジ32の内側に向けて略直角に折り曲げられ、矩形状の固定部523が設けられる。固定部523は、感光体カートリッジ32の筐体に対してネジ524で固定される。更に、第二電極520Bは、固定部523から、前方に向かって延び、複数回折り曲げられることで、カラー部材136と接触する接触面525が形成されている。また、第二電極520Bは、突出部521の外側端部に、本体側の電圧印加電源350と電気的に接続するための接点600Bを有する。第一電極520Aは、第二電極520Bと同様の形状であるため、説明を省略する。また、第一電極520Aは、同様に第二電極と同様に、本体側の電圧印加電源350と電気的に接続するための接点600Aを有する。
【0085】
そして、感光体カートリッジ32は、クリーニングローラ対104の回転軸線方向において、第一電極520Aおよび第二電極520Bと感光体カートリッジ32の内側方向に隣接して、内側支持側壁570が形成されている。内側支持側壁570は、クリーニング
ユニット50が、感光体カートリッジ32に装着された状態でクリーニングユニット50を支持する支持階段部571が形成される。支持階段部571は、階段部510と同様に、後方から感光ドラム47に近づくにつれ、転写ローラ49に近づくように、下方に向けて段差が形成される。支持階段部571は、第1支持階段部572と第2支持階段部573が設けられ、クリーニングローラ対104の回転軸線方向において、それぞれ第一電極520Aと第二電極520Bとに隣接している。
【0086】
そして、上フレーム52は、感光体カートリッジ32に装着されることで、電極520の突出部521を外部に露出させつつ、円弧部522と固定部523と接触面525を感光体カートリッジ32の内部に収容する。
【0087】
<クリーニングユニットの詳細な構成>
クリーニングユニット50は、図2、図4に示すように、下フレーム51の後端部であって、感光ドラム47と対向するように設けられており、下ユニットフレーム102と、上ユニットフレーム103と、クリーニングローラ対104(1次クリーニングローラ104Aおよび2次クリーニングローラ104B)と、スポンジスクレーパ106とを備えている。
【0088】
下ユニットフレーム102は、底壁109、後壁110および支持壁の一例としての左側壁111および右側壁112(図4参照)を一体的に備えている。また、この下ユニットフレーム102には、前後方向途中において、幅方向に沿って仕切り壁113が設けられている。
【0089】
そして、上ユニットフレーム103は、下ユニットフレーム102の上方に配置され、下ユニットフレーム102を被覆するように装着され、下ユニットフレーム102に対して上ユニットフレーム103を、ねじ137により固定することによって組み付けられ、上ユニットフレーム103および下ユニットフレーム102とで、感光ドラム47と対向する前側が開放される収容部の一例としてのユニット筐体118を形成している。
【0090】
図2に示すように、1次クリーニングローラ104Aは、シリコーンゴムなどの発泡弾性体からなり、紙粉除去室119において、ユニット筐体118の開口部分から一部が露出して感光ドラム47と対向状に接触する状態で、下ユニットフレーム102の左側壁111および右側壁112に回転可能に支持されている。
【0091】
1次クリーニングローラ104Aにおける左側壁111からさらに幅方向外側に突出する一端部には、後述するメインモータ360からの動力が伝達される1次クリーニングローラ駆動ギヤ133が設けられている。1次クリーニングローラ104Aは、この1次クリーニングローラ駆動ギヤ133に入力される動力により回転駆動される。1次クリーニングローラ駆動ギヤ133は、感光ドラム47の端部に設けられた感光ドラム駆動ギヤ(図示せず)とかみ合うように配置されている。従って、1次クリーニングローラ104Aは、感光ドラム47が回転することにより、回転させられる。
【0092】
また、図4に示すように、1次クリーニングローラ104Aにおける右側壁112からさらに幅方向外側に突出する他端部には、カラー部材135が設けられている。カラー部材135は、感光体カートリッジ32に設けられた電極520と接触する。1次クリーニングローラ104Aには、このカラー部材135を介して、電圧印加電源350から1次クリーニング電圧(約800V)が印加される。
【0093】
2次クリーニングローラ104Bは、金属性のローラからなり、紙粉除去室119において、1次クリーニングローラ104Aの後側で、1次クリーニングローラ104Aと対
向状に接触するように配置され、下ユニットフレーム102の左側壁111および右側壁112に回転可能に支持されている。
【0094】
2次クリーニングローラ104Bにおける一方の左側壁111からさらに幅方向外側に突出する一端部には、1次クリーニングローラ駆動ギヤ133に噛み合う2次クリーニングローラ駆動ギヤ134が設けられている。2次クリーニングローラ104Bは、この2次クリーニングローラ駆動ギヤ134に入力される動力により回転駆動される。
【0095】
また、2次クリーニングローラ104Bにおける他方の右側壁112からさらに幅方向外側に突出する他端部には、カラー部材136が設けられている。カラー部材136は、感光体カートリッジ32に設けられた電極520と接触する。2次クリーニングローラ104Bには、このカラー部材136を介して、後述する電圧印加電源350から2次クリーニング電圧(約900V)が印加される。電圧印加電源350は、2次クリーニング電圧が、1次クリーニング電圧より大きな値となるように、クリーニングローラ対104に電圧を印加している。
【0096】
スポンジスクレーパ106は、紙粉除去室119において、2次クリーニングローラ104Bの上方で、2次クリーニングローラ104Bと対向状に接触するように配置され、上ユニットフレーム103の上壁114に支持されている。
【0097】
そして、図5は、感光ドラム47とクリーニングローラ対104に電圧をかけるための回路図である。図5は、感光体カートリッジ32が、レーザプリンタ1に装着されている時の状態を表す。1次クリーニングローラ104Aと2次クリーニングローラ104Bは、接点600A、600Bを介して、電圧印加電源350と接続される。このクリーニングユニット50では、感光ドラム47の回転時には、感光ドラム47表面上の紙粉を1次クリーニングローラ104Aに移動すべく、感光ドラム47の表面電位(約600V以下)よりも高い電位(約800V)となるように、1次クリーニングローラ104Aに電圧が印加される。
【0098】
一方、2次クリーニングローラ104Bは、1次クリーニングローラ104A表面の紙粉を2次クリーニングローラ104B表面に移動させるために、1次クリーニングローラ104Aの電位(約800V)よりも高い電位(約900V)となるよう電圧が印加される。
【0099】
そして、1次クリーニングローラ104Aに捕捉された紙粉は、2次クリーニングローラ104Bと対向した時に、常に2次クリーニングローラ104B表面へ電気的に捕捉される。2次クリーニングローラ104Bに捕捉された紙粉は、スポンジスクレーパ106と対向した時に、そのスポンジスクレーパ106によって掻き取られ、紙粉貯留室120に貯留される。このような構成とすることで、1次クリーニングローラ104Aのクリーニング機能を低下させることなく、紙粉をクリーニングユニット50内に貯留することが出来る。
【0100】
すなわち、このクリーニングユニット50では、1次クリーニングローラ104Aによって、感光ドラム47表面上の紙粉が電気的に移動される。1次クリーニングローラ104A表面に移動された紙粉は、2次クリーニングローラ104Bによって電気的に移動され、2次クリーニングローラ104B表面に捕捉される。そのため、クリーナレス現像方式によって現像ローラ37によって残存トナーの回収と並行して効率的に紙粉を除去することができ、紙粉除去性能の向上を図ることができる。
【0101】
ここで、クリーニングユニット50の側断面図を図6に示す。新品の感光体カートリッ
ジ32では、1次クリーニングローラ104Aと2次クリーニングローラ104B間は、状態変化手段および絶縁部材の一例としての挟持部材である矩形状のPETフィルム150が挟持される。ここでPETフィルム150の体積抵抗値は、約1017Ω・cmである。
【0102】
PETフィルム150は、1次クリーニングローラ104Aと2次クリーニングローラ104Bとの間の回転軸線方向全域にわたって、1次クリーニングローラ104Aと2次クリーニングローラ104Bによって挟持される。これにより、1次クリーニングローラ104Aと2次クリーニングローラ104Bの間は電流が流れず、電気的に非接続状態に保たれている。
【0103】
そして、図6に示すように、左側壁111、右側壁112のクリーニングユニット50内部側には、PETフィルム150を底壁109に向けて案内する案内部160が設けられている。案内部160は、左側壁111、右側壁112に対して同一の形状で設けられる。従って、左側壁111に設けられる案内部160についての説明は省略し、右側壁112に設けられる案内部160について説明する。
【0104】
案内部160は、一対の板状部材が右側壁112からクリーニングユニット50内部に向けて突出して形成されている。第一案内板160Aは、1次クリーニングローラ104Aと2次クリーニングローラ104Bとのニップ位置付近から、後下方向に向けて、仕切り壁113の上端部113Aの後下側付近まで延びる。第二案内板160Bは、第一案内板160Aの上方に位置し、1次クリーニングローラ104Aと2次クリーニングローラ104Bとのニップ位置付近から、後下方向に向かって底壁109と後壁110の接続部まで延びる。
【0105】
また、上ユニットフレーム103の前側には、フィルム挿入口90が設けられる。フィルム挿入口90は、左右方向に延び、上ユニットフレーム103を矩形状に切り欠くことで形成されている。フィルム挿入口90は、フィルム挿入口90を介して挿入されるPETフィルム150を、1次クリーニングローラ104Aと2次クリーニングローラ104Bとのニップ部に向けて案内するように、前側上方から後側下方に向けて形成されている。PETフィルム150は、フィルム挿入口90からクリーニングユニット50内部に挿入され、1次クリーニングローラ104Aと2次クリーニングローラ104Bとの間に挟持される。
【0106】
図7は、PETフィルム150の上側から見た平面図を表す。図7に示すようにPETフィルム150は、矩形状である。PETフィルム150は、クリーニングローラ対104の回転軸線方向に平行な長辺部151と、長辺部151に対して垂直な短辺部152を有する。PETフィルム150の長辺部151は、クリーニングローラ対104の回転軸線方向の長さよりも長い。
【0107】
そして、短辺部151長さは、1次クリーニングローラ104Aと2次クリーニングローラ104Bとのニップ部のクリーニングローラ対104の回転軸線方向と垂直な方向の長さよりも長い。従って、PETフィルム150は、1次クリーニングローラ104Aと2次クリーニングローラ104Bとの間に挿入された状態で、1次クリーニングローラ104Aと2次クリーニングローラ104Bとの間を電気的に非接続状態に保つことが出来る。そして、PETフィルム150は、長辺部151に沿って、複数の開口部153が形成されている。開口部153は、PETフィルム150がクリーニングローラ対104に挟持された状態で、クリーニングローラ対104よりも後方側に位置する。
【0108】
そして、クリーニングローラ対104は、メインモータ360からの駆動力により、図
6に示す矢印の向きに回転する。1次クリーニングローラ104Aと2次クリーニングローラ104Bによって挟持されたPETフィルム150は、クリーニングローラ対104の回転によりクリーニングユニット50内に排出される。即ち、PETフィルム150は、クリーニングローラ対104によって挟持される第一位置から、クリーニングユニット50内に排出された後の第二位置に変位する。
【0109】
そして、1次クリーニングローラ104Aと2次クリーニングローラ104Bの間は、接続される。このとき、案内部160は、PETフィルム150の短辺部152を、底壁109に向けて案内する(図8参照)。
【0110】
<制御部の構成>
上述した各装置は、レーザプリンタ1本体が有する制御部300により動作が制御される。次に制御部300による制御について説明する。図9は、制御部300のブロック図である。
【0111】
図9に示すように、制御部300の機能を、本発明に関する範囲で説明する。制御部300は、主にCPU301を有し、更に記憶手段310、判定手段320、リセット手段330を備える。
【0112】
CPU301は、記憶手段310に記憶された各種のプログラムに従って、各部の制御を実行する。
【0113】
記憶手段310は、主にROMやRAMを備える。ROMには、画像形成処理の制御を行うための各種のプログラムが格納されている。また、RAMには、後述するカウンタ311の値、電流検出回路340の検出結果、判定手段320判定結果等が記憶される。
【0114】
カウンタ311は、CPU301によって起動されると、感光ドラム47の累積の回転回数が記憶される。感光ドラム47の寿命は、感光ドラム47の累積の回転数によって判断される。CPU301は、感光ドラム47の累積の回転数が予め定められた値に達すると、ユーザに対して感光体カートリッジ32の交換の支持をする。
【0115】
CPU301、後述するメインモータ360の回転数から、感光ドラム47の回転数を求めることが出来る。本発明における「感光体が使用されることで累積される値」の一例は、メインモータ360の駆動による、感光ドラム47の累積の回転数である。
【0116】
判定手段320は、後述する電流検出回路340の検出結果に基づいて感光体カートリッジ32の新旧の判定を行う。本発明に関して、感光体カートリッジ32が新品(未使用)の状態とは、感光ドラム47が未だ回転駆動されたことが無いものを指す。一方、感光ドラム47が回転された感光体カートリッジ32は、旧品(使用済み)となる。
【0117】
リセット手段330は、判定手段320の判定結果に基づいて、カウンタ311の値をリセットする。
【0118】
電圧印加手段としての電圧印加電源350は、制御部300と1次クリーニングローラ104Aと2次クリーニングローラ104Bに接続される。電圧印加電源350は、1次クリーニングローラ104Aと2次クリーニングローラ104Bに、クリーニング電圧を印加し、その間に電位差を発生させることで、1次クリーニングローラ104Aと2次クリーニングローラ104Bに電流を供給している。
【0119】
従って、クリーニングローラ対104は、1次クリーニングローラ104Aと2次クリ
ーニングローラ104Bの間が接続状態にある場合に、それらの間が電気的に導通され、電圧印加電源350によって電流が供給される。
【0120】
電流検出手段の一例としての電流検出回路340は、クリーニングローラ対104と制御部300とに接続される。そして、電流検出回路340は、電圧印加電源350からクリーニングローラ対104に供給される電流の有無を検出する。
【0121】
駆動手段の一例としてのメインモータ360は、クリーニングローラ対104に接続され、制御部300の指示によって、感光ドラム47、クリーニングローラ対104を回転させる。
【0122】
<制御方法>
次に、図10を用いて、制御部300による感光体カートリッジ32の新旧を判定し、カウンタ311をリセットする制御について説明する。図10は、感光体カートリッジ32の新旧を判定し、カウンタ311をリセットするまでの制御部300の制御に係るフローチャートである。
【0123】
具体的な処理の例について説明する。まず、CPU301は、感光体カートリッジ32の新品検知を行うタイミングであると判断した場合、新品検知処理を開始する。ここで、新品検知を行うタイミングとは、CPU301が、前カバー29が閉じられたことを検知するか、あるいは、レーザプリンタ1の電源が投入された時のことを言う。
【0124】
CPU301は、感光体カートリッジ32の新旧の判定を行うタイミングであると判断した場合、電圧印加電源350によって1次クリーニングローラ104Aと2次クリーニングローラ104Bに電圧を印加する。そして、CPU301は、このときの電流検出回路340の検出結果を記憶手段310に一時的に記憶する(S01)。
【0125】
次に、CPU301は、レーザプリンタ1に取り付けられたメインモータ360を駆動させる。これにより、1次クリーニングローラ駆動ギヤ133に駆動力が入力され、1次クリーニングローラ104Aは回転する。更に、2次クリーニングローラ104Bは、2次クリーニングローラ駆動ギヤ134に1次クリーニングローラ駆動ギヤ133からの駆動力が入力されることで、回転する。CPU301は、1次クリーニングローラ104Aと2次クリーニングローラ104Bを図示しないタイマ等により監視することで所定時間回転させる(S02)。
【0126】
レーザプリンタ1に装着されている感光体カートリッジ32が新品である場合、S02におけるクリーニングローラ対104の回転により、1次クリーニングローラ104Aと2次クリーニングローラ104Bとの間は、電気的に非接続状態から接続状態に復帰不能に変化する。
【0127】
具体的には、クリーニングローラ対104が回転される前では、クリーニングローラ対104によってPETフィルムが挟持されているので、クリーニングローラ対104間は、非接続状態である。しかし、S03でクリーニングローラ対104が回転されることにより、PETフィルム150は、クリーニングローラ対104の間から、紙粉貯留室120内に排出される。そして、クリーニングローラ対104の間は、接続状態に変化する。また、本発明における復帰不能とは、1次クリーニングローラ104Aと2次クリーニングローラ104Bが接続状態に変化したら、感光体カートリッジ32がリサイクルされるまで、接続状態に保たれることを意味する。
【0128】
そして、CPU301は、再度、電圧印加電源350によって1次クリーニングローラ
104Aと2次クリーニングローラ104Bに電圧を印加する。そして、CPU301は、このときの電流検出回路340の検出結果を記憶手段310に一時的に記憶する(S03)。
【0129】
判定手段320は、記憶手段310に記憶されるクリーニングローラ対104の回転前後の電流検出回路340の検出結果と、記憶部310に記憶される図11に示す表に基づいて感光体カートリッジ32の新旧等を判定し(S04)、その判定結果を記憶手段310に一時的に記憶する。
【0130】
そして、CPU301は、S04における判定手段320結果に基づいて、予め定められた処理を実行する(S05)。
【0131】
ここで、S04における判定処理の内容と、その判定処理に基づいた制御部300の処理について説明する。
【0132】
状態1で、電流検出回路340は、クリーニングローラ対104の回転前と回転後で、電流を検出している。この場合、PETフィルム150は、すでにクリーニングローラ対104が回転され、クリーニングユニット内に排出されているものと考えられる。従って、このような感光体カートリッジ32は、すでに感光ドラム47が使用された(回転された)後のものであり、判定手段320によって旧品(使用済み)であると判定される。そして、CPU301は、図10に示すフローを終了し、画像形成処理に入る。
【0133】
状態2で、電流検出回路340は、クリーニングローラ対104の回転前に電流を検出し、回転後で電流を検出していない。このような状態は、通常では起こり得ないため、レーザプリンタ1あるいはプロセスカートリッジ21側で、何らかの不具合が発生した結果であると考えられる。従って、判定手段320は、エラーと判定し、その旨を図示しない報知手段等によってユーザに報知する。
【0134】
状態3で、電流検出回路340は、クリーニングローラ対104の回転前に電流を検出せず、回転後に電流を検出している。この場合、クリーニングローラ対104が回転される前では、クリーニングローラ対104は、そのローラ間にPETフィルム150を挟持している。したがって、1次クリーニングローラ104Aと2次クリーニングローラ104Bの間は、非接続状態にある。そして、クリーニングローラ対104の回転後は、クリーニングローラ対104の間からPETフィルム150が排出され、クリーニングローラ対104の間は接続状態に変化する。従って、このような感光体カートリッジ32は、判定手段320によって新品であると判定される。そして、リセット手段330は、カウンタ311に記憶される値をリセットする。その後、CPU301は、図10に示すフローを終了し、画像形成処理に入る。
【0135】
状態4で、電流検出回路340は、クリーニングローラ対104の回転前と回転後で、共に電流を検出していない。このような状態は、状態2と同様に通常では起こり得ないため、判定手段320は、エラーである判定し、図示しない報知手段等によってその旨をユーザに報知する。
【0136】
以上に述べたように、クリーニングユニット50は、感光体フレーム46内の後方部に収容される。具体的には、クリーニングユニット50は、感光体カートリッジ32の上フレーム52と、両側板59と、支持底板70によって覆われる。
【0137】
そして、電流検出回路340は、クリーニングローラ対104に供給される電流の有無を検出する。そして、判定手段320は、電流検出回路340の検出結果に基づいて感光
体カートリッジ32の新旧を判定する。そして、リセット手段330は、判定手段320の判定結果に基づいてカウンタ311の値をリセットする。このように、リセット手段330は、クリーニングローラ対104の間の接続状態に基づいて、カウンタ311の値をリセットする。すなわち、リセット手段330は、感光体カートリッジ32内部の状態変化に基づいて、カウンタ311の値をリセットすることが出来る。
【0138】
従って、感光体カートリッジ32の外部に新品検知機構を設けた場合に、ユーザが誤って新品検知機構の破損することや、ユーザが新品検知機構に触れることによる新品検知機構の状態変化を防止することができる。そのため、リセット手段330は、感光体カートリッジ32のレーザプリンタ1への装着されることで、精度の良くカウンタ311の値をリセットすることが出来る。
【0139】
また、1次クリーニングローラ104Aと2次クリーニングローラ104Bとの間にPETフィルム150を挟むことで、クリーニングローラ対104の間を非接続状態に保つことが出来る。従って、感光体カートリッジ32の構成を簡易なものにしつつ、感光体カートリッジ32の新品検知が可能となる。
【0140】
また、感光体カートリッジ32は、1次クリーニングローラ104Aと2次クリーニングローラ104Bをユニット筐体118内に収容している。従って、PETフィルム150は、ユニット筐体118内に確実に収容される。よって、レーザプリンタ1内の汚染を防止することが出来る。
【0141】
また、PETフィルム150の短辺方向一端の端部は、PETフィルム150の長辺方向に沿って、開口部が形成されている。従って、紙粉貯留室120内に排出されたPETフィルム150が、収容部内部を2部屋に分けるように収容された場合であっても、開口部を異物が通過することで収容部内に十分な量の異物を回収することが出来る。また、PETフィルム150の短辺152を長く取ることが出来るため、クリーニングローラ対104の間を確実に非接触状態に保つことが出来る。
【0142】
また、左側壁111と右側壁112は、ユニット筐体118の内部側に、案内部160が形成される。従って、クリーニングローラ対104の間から排出されたPETフィルム150は、確実に紙粉貯留室120内の底壁109に向けて案内される。従って、排出後のPETフィルム150は、クリーニングローラ対104と接触することなく、感光ドラム47のクリーニングを妨げることが無い。
【0143】
<第二実施形態>
続いて、適宜図面を参照しながら、第二実施形態について説明する。図12は、1次クリーニングローラ104Aと2次クリーニングローラ104Bとの離間状態を表すクリーニングユニット50の斜視図である。図12は、見易さのため上ユニットフレーム103を取り外してある。ここでは、便宜上、第一実施形態と同様の構成を有する部材は、同一の番号を付してあるものとする。
【0144】
図12に示すように、クリーニングローラ対104の間は、クリーニングローラ対104の回転軸線方向端部に設けられた、状態変化手段、接離手段の一例としての接離機構400によって離間されている。離間状態では、2次クリーニングローラ104Bは、1次クリーニングローラ104Aに対して、斜め上後方向に所定間隔空けて位置されている。
【0145】
接離機構400は、主に第1離間部材410と第2離間部材420と付勢部材の一例としてのバネ部材430とを有する。
【0146】
第1離間部材410は、離間部材の一例としてのスペーサ411と円筒部412とを有する。スペーサ411は、1次クリーニングローラ104Aと2次クリーニングローラ104Bとの離間方向に沿って延びる略角柱形状であり、一端は円筒部412接続され一体に形成される。そして、スペーサ411は、円筒部412が形成された一端に対する他端に、接触平面部413が形成されている。接触平面部413は、後述する第2離間部材420の平面部422と接触し、1次クリーニングローラ104Aと2次クリーニングローラ104Bとを離間する。
【0147】
円筒部412は、2次クリーニングローラ104Bの回転軸線方向に延びる。円筒部412は、内部に2次クリーニングローラ104Bの回転軸140Bが挿入されている。そして、円筒部412は、回転軸140Bに対して回転自在に装着されている。円筒部412は、2次クリーニングローラ104Bの回転軸線方向において、クリーニングユニット50の左側壁111と2次クリーニングローラ駆動ギヤ134との間に配置されている。
【0148】
第2離間部材420は、1次クリーニングローラ104Aの回転軸線方向に沿って延び、左右方向から見て略D字形状のブロック体である。第2離間部材420は、その外面を形成する曲面部421と平面部422とを有する。また、第2離間部材420は、1次クリーニングローラ104Aの回転軸140Aが挿入される挿入孔423を有する。第2離間部材420は、回転軸140Aに対して左側壁111と1次クリーニングローラ駆動ギヤ133との間に固定され、回転軸140Aの回転とともに回転する構成となっている。第2離間部材420は、1次クリーニングローラ104Aと2次クリーニングローラ104Bの離間状態において、平面部422を円筒部412に向け、回転軸140Aに対して固定されている。そして、クリーニングローラ対104の離間状態において、平面部422は、接触平面部413と接触している。
【0149】
バネ部材430は、クリーニングローラ対104の回転軸線方向において、左側壁111と第1離間部材410および第2離間部材420との間に配置されている。そして、バネ部材430は、つるまきばね431の両端に回転軸140A、140Bを挿通するためのリング部材432が設けられている。
【0150】
左側壁111は、回転軸140Aの軸受部440が形成される。軸受部440は、1次クリーニングローラ104Aと2次クリーニングローラ104Bとの接離方向に沿って延びる、長孔441が形成されている。
【0151】
このような接離機構400の2次クリーニングローラ104Bは、バネ部材430によって、1次クリーニングローラ104Aに向かう方向に力が働いている。しかしながら、スペーサ411の接触平面部413と第2離間部材420の平面部422が当接することでクリーニングローラ対104を離間状態に保っている。また、バネ部材430の弾性力によりスペーサ411の接触平面部413を、平面部422に対して押し付け、接触平面部413と平面部422との接触状態を保っている。そして、クリーニングローラ対104の離間状態では、クリーニングローラ対104の間は、非接続状態である。
【0152】
離間状態から、1次クリーニングローラ104Aは、メインモータ360によって感光ドラム47が回転されると、駆動力が1次クリーニングローラ駆動ギヤ133に加わることにより回転する。そして、第2離間部材420は、回転軸140Aに固定されているため1次クリーニングローラ104Aとともに、1次クリーニングローラ104Aの回転方向に回転する。すると、接触平面部413は、平面部422から第2離間部材420の回転方向とは逆回転する力を受ける。具体的には、図12に示すように、第1離間部材410は、第2離間部材420がA方向に回転することで、B方向に回転する。そして、第1離間部材410は、回転軸140Bを中心として第2離間部材420の回転方向とは逆向
きに回転し、平面部422と接触平面部413の接続は解除される。
【0153】
平面部422と接触平面部413との接続が解除されると同時に、2次クリーニングローラ104Bは、バネ部材430の力によって、軸受部440の長孔441に沿って、1次クリーニングローラ104Aに向けて移動を開始する。そして、2次クリーニングローラ104Bは、1次クリーニングローラ104Aに対して接触する。クリーニングローラ対104の接続状態を表す図を図13に示す。
【0154】
図13は、クリーニングユニット50の上ユニットフレーム103をはずした状態の上方斜視図である。図13に示すように、第1離間部材410は、第2離間部材420が回転されたことにより、回転軸140Bのみに支持され、接触平面部413は、下方を向いている。そして、クリーニングローラ対104の間が接触する状態では、1次クリーニングローラ104Aと2次クリーニングローラ104Bとの間は接続状態である。したがって、電圧印加電源350は、クリーニングローラ対104に電圧を印加することで、電流を供給することが出来る。
【0155】
以上に述べたように、第2実施形態では、クリーニングユニット50と接離機構400は、感光体フレーム46内の後方部に収容される。具体的には、クリーニングユニット50と接離機構400は、感光体カートリッジ32の上フレーム52と、両側板59と、支持底板70によって覆われる。
【0156】
また、クリーニングローラ対104の間は、クリーニングローラ対104の間を接離する接離機構400を設けることで、クリーニングローラ対104の間を、非接続状態から接続状態に状態変化させられる。このように、1次クリーニングローラ104Aと2次クリーニングローラ104Bの間は、接離機構400によりされることで、確実に非接続状態に保たれる。従って、クリーニングローラ対104の間は、確実に非接続状態から接続状態に切り替えられる。よって、感光体カートリッジ32の新旧判定の精度を上げ、リセット手段330によりカウンタ311の値のリセットすることが出来る。
【0157】
また、クリーニングローラ対104は、バネ部材430により接続状態に保たれる。従って、クリーニングローラ対104は、画像形成時のクリーニング機能の低下を低減される。
【0158】
<第三実施形態>
続いて、適宜図面を参照しながら、第三実施形態について説明する。図14は、新品の感光体カートリッジ32の後方右側面の斜視図である。図14では、クリーニングユニット50の上ユニットフレーム103と、感光体カートリッジ32の上フレーム52が取りはずされている。図15は、図14に示す感光体カートリッジ32の状態における、感光体カートリッジ32の右側面図である。図16は、図14に示す感光体カートリッジ32の状態から、クリーニングローラ対104が所定量回転された後の、感光体カートリッジ32の右側面図である。
【0159】
新品の感光体カートリッジ32は、図14に示すように、カラー部材136と接触面525との間に、状態変化手段の一例としてのPETフィルム560が挟まれている。PETフィルム560は、カラー部材136と接触面525との間に挟まれることで、電圧印加電源350からクリーニングローラ対104に供給される電流を絶縁している。PETフィルム560の2次クリーニングローラ104B方向における長さは、カラー部材136と接触面525の間を確実に絶縁するために、接触面525の、2次クリーニングローラ104Bの回転軸線方向の長さよりも長くなるように形成されている。
【0160】
そして、図15に示すように、内側支持側壁570は、カラー部材136の後方側に、PETフィルム560を巻き取る巻取部材530が設けられている。
【0161】
巻取部材530は、クリーニングローラ対104の回転軸線方向を長手とする円柱形状であり、巻取回転軸531によって内側支持側壁570に対して回転可能に取り付けられている。そして、巻取回転軸531は、クリーニングローラ対104の回転軸線方向において、巻取部材530と隣接してギヤ532が設けられている。ギヤ532は欠歯部533が形成される(図15参照)。
【0162】
また、2次クリーニングローラ104Bの回転軸140Bは、カラー部材136と回転軸線方向に隣接してギヤ534が設けられる。ギヤ532は、2次クリーニングローラ104Bの回転軸140Bに固定されている。そして、ギヤ534は、ギヤ532と対向し、ギヤ532とかみ合う位置に配置されている。
【0163】
図15に示すように、PETフィルム560は、巻取部材530が回転することで、カラー部材136と接触面525との間から取り除かれる。そして、カラー部材136と接触面525は、電気的に接続される。この状態では、2次クリーニングローラ104Bと第二電極520Bとの間は、接続状態である。従って、電圧印加電源350は、クリーニングローラ対104に電圧を印加することで、電流を供給することが出来る。
【0164】
そして、巻取部材530によってカラー部材136と第二電極520Bとの間から巻き取られたPETフィルム560は、突出壁540内に収容される。突出壁540は、巻取部材530の上方に設けられ、2次クリーニングローラ104Bの回転軸線方向において、右側に向かって内側突出壁570から突出している。そして、突出壁570の外形は、上部が巻取部材530の外周面に沿い、後方側の端部が後下方向に延びている。
【0165】
そして、図16に示すように、2次クリーニングローラ104Bが、回転することでギヤ534が回転し、ギヤ532に駆動力が加わる。ギヤ532に駆動力が加わることで巻取部材530は回転する。巻取部材530は、ギヤ532の欠歯部533がギヤ534と対向することで回転が止まる。
【0166】
以上のように、新品の感光体カートリッジ32は、回転軸140Bと電極520Bとの間が、PETフィルム560によって電気的に非接続状態に保たれている。そして、PETフィルム560は、クリーニングローラ対104が回転されるによって、電極520Bと回転軸140Bとの間から取り除かれる。従って、クリーニングローラ対104の回転前は、クリーニングローラ対104に電流は供給されず、回転後に供給される。よって、リセット手段330は、クリーニングローラ対104の回転前後における、電流検出回路340の検出結果に基づいて、カウンタ311の値をリセットすることが出来る。
【0167】
更に、接触面525とPETフィルム560と巻取部材530は、上フレーム52によって、感光体カートリッジ32の内部に収容される。従って、感光体カートリッジ32の外部に新品検知機構を設けた場合に、ユーザが誤って新品検知機構の破損することや、ユーザが新品検知機構に触れることによる新品検知機構の状態変化を防止することができる。そのため、リセット手段330は、感光体カートリッジ32のレーザプリンタ1への装着されることで、精度よくカウンタ311の値をリセットすることが出来る。
【0168】
また、電極520Bの接触面525とカラー部材136との間は、PETフィルム560によって非接続状態に保たれる。従って、感光体カートリッジ32は、その構成を簡易にしつつ、新品検知が行われる。
【0169】
また、上述した実施形態は、絶縁部材としてPETフィルムを用いた。しかしながら、絶縁部材は、これに限られるものではなく、ポリエチレン、ポリカーボネイト、ポリイミド等用いても良い。
【0170】
また、第二実施形態は、バネ部材430を用いてクリーニングローラ対104を接続状態に変化させたが、バネ部材430のほかに、ゴム部材等を用いても良い。また、接離機構は、本実施形態に記載のものに限られない。
【0171】
また、上述した実施形態において、感光ドラム47の寿命を判断する基準として感光ドラム47の回転数を用い、リセット手段330は、この回転数をリセットするものとした。しかしながら、感光ドラム47の寿命の判断の基準は、これに限られるものではなく、排紙トレイ130に排紙された用紙3の枚数、即ち、印字枚数を基準としても良い。
【符号の説明】
【0172】
32 感光体カートリッジ
46 感光体フレーム
47 感光ドラム
50 クリーニングユニット
104A 1次クリーニングローラ
104B 2次クリーニングローラ
150、560 PETフィルム
160 案内部
310 記憶部
311 カウンタ
320 判定手段
330 リセット手段
340 電流検出回路
350 電圧印加電源
360 メインモータ
400 接離部材
410 第1離間部材
420 第2離間部材
430 バネ部材
520A 第一電極
520B 第二電極
530 巻取部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置本体と、
前記画像形成装置本体に対して着脱自在なカートリッジと、を備える画像形成装置であって、
前記カートリッジは、
筐体と、
前記筐体内に配置され、回転駆動される感光体と、
前記筐体内に前記感光体と接触して配置され、前記感光体との電位差によって前記感光体の表面をクリーニングする1次クリーニングローラと、
前記筐体内に前記1次クリーニングローラと接触して配置され、前記1次クリーニングローラとの電位差によって前記1次クリーニングローラの表面をクリーニングする2次クリーニングローラと、
一部が外部に露出して前記筐体内に配置され、前記1次クリーニングローラと前記2次クリーニングローラとに電気的に接続される電気接点と、
前記筐体内に配置され、前記感光体が回転駆動されることにより、前記1次クリーニングローラと前記2次クリーニングローラとの間の電気的な接続を、非接続状態から接続状態に復帰不能に変化させる状態変化手段と、を有し、
前記画像形成装置本体は、
前記電気接点を介して前記1次クリーニングローラと前記2次クリーニングローラとに電圧を印加することで、前記1次クリーニングローラと前記2次クリーニングローラとの間に電位差を発生させる電圧印加手段と、
前記感光体を回転駆動させる駆動手段と、
前記駆動手段による前記感光体の駆動前後において、前記電圧印加手段による電圧の印加によって発生する電流を検出する電流検出手段と、
前記感光体が使用されることで累積される値を記憶する記憶手段と、
前記電流検出手段によって、前記駆動手段による前記感光体の回転前において電流が非検出であり、かつ、前記駆動手段による前記感光体の回転後において電流が検出された場合に、前記記憶手段に記憶される前記値をリセットするリセット手段とを備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記状態変化手段は、前記1次クリーニングローラと前記2次クリーニングローラとによって前記1次クリーニングローラの回転軸線方向全域にわたって挟持される絶縁部材であり、
前記絶縁部材は、前記駆動手段によって前記感光体が回転駆動されることで、前記1次クリーニングローラと前記2次クリーニングローラとの間から排出されることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記カートリッジは、前記1次クリーニングローラの前記感光体と対向する面を露出しつつ、前記1次クリーニングローラと前記2次クリーニングローラとを覆うように収容する収容部を有することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記絶縁部材は、前記1次クリーニングローラおよび前記2次クリーニングローラの回転軸線方向を長手方向とする矩形状であり、前記絶縁部材の短手方向端部には、前記絶縁部材の長手方向に沿って開口部が形成されることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記絶縁部材は、前記1次クリーニングローラと前記2次クリーニングローラとの間に挟持される第1位置と、前記1次クリーニングローラと前記2次クリーニングローラとの間から排出される位置である第2位置とを取りえ、
前記収容部は、前記1次クリーニングローラおよび前記2次クリーニングローラの回転軸線方向両端部を支持する支持壁を有し、
前記支持壁は、排出された前記絶縁部材を第2位置に向けて案内する案内部が設けられていることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記状態変化手段は、前記1次クリーニングローラと前記2次クリーニングローラとを接離する接離手段であり、
前記接離手段は、前記駆動手段によって前記感光体が回転駆動されることより、前記1次クリーニングローラと前記2次クリーニングローラとを離間状態から接触状態に変化させることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記接離手段は、
前記1次クリーニングローラと前記2次クリーニングローラとをそれらが互いに近づく方向に付勢する付勢部材と、
前記付勢部材による付勢力に抗して、前記1次クリーニングローラと前記2次クリーニングローラとの回転軸の間に設けられ、前記1次クリーニングローラと前記2次クリーニングローラとを離間する離間部材を有し、
前記離間部材は、前記1次クリーニングローラが回転することで、前記1次クリーニングローラと前記2次クリーニングローラとの回転軸の間から取り除かれることを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
画像形成装置本体と、
前記画像形成装置本体に対して着脱自在なカートリッジと、を備える画像形成装置であって、
前記カートリッジは、
筐体と、
前記筐体内に配置され、回転駆動される感光体と、
前記筐体内に前記感光体と接触して配置され、前記感光体との電位差によって前記感光体の表面をクリーニングする1次クリーニングローラと、
前記筐体内に前記1次クリーニングローラと接触して配置され、前記1次クリーニングローラとの電位差によって前記1次クリーニングローラの表面をクリーニングする2次クリーニングローラと、
一部が外部に露出して前記筐体内に配置され、前記1次クリーニングローラと前記2次クリーニングローラとの回転軸に電気的に接続される電気接点と、
前記筐体内に配置され、前記回転軸と前記電気接点との間の電気的接続を非接続状態から接続状態に復帰不能に変化させる状態変化手段と、を有し、
前記画像形成装置本体は、
前記電気接点を介して前記1次クリーニングローラと前記2次クリーニングローラとに電圧を印加することで、前記1次クリーニングローラと前記2次クリーニングローラとの間に電位差を発生させる電圧印加手段と、
前記感光体を回転駆動させる駆動手段と、
前記駆動手段による前記感光体の駆動前後において、前記電圧印加手段による電圧の印加によって発生する電流を検出する電流検出手段と、
前記感光体が使用されることで累積される値を記憶する記憶手段と、
前記電流検出手段によって、前記駆動手段による前記感光体の回転前において電流が非検出であり、かつ、前記駆動手段による前記感光体の回転後において電流が検出された場合に、前記記憶手段に記憶される前記値をリセットするリセット手段とを備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
前記状態変化手段は、前記1次クリーニングローラと前記2次クリーニングローラとの
うちの、いずれか一方の前記回転軸と前記電気接点の間に設けられる絶縁部材であり、
前記絶縁部材は、前記感光体が回転駆動されることにより、前記回転軸と前記電気接点との間から取り除かれることを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記絶縁部材はPETフィルムであることを特徴とする請求項2から請求項5、および請求項9のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記感光体の表面に形成された静電潜像を正帯電の現像剤により現像する画像形成装置において、
前記電圧印加手段は、
前記1次クリーニングローラに前記感光体の表面電位より高い電圧を印加することで、前記感光体表面の紙粉を前記1次クリーニングローラ表面に移動させ、
前記2次クリーニングローラと前記1次クリーニングローラに対して、前記1次クリーニングローラの電位よりも前記2次クリーニングローラの電位の方が高くなるように電圧を印加することで、前記1次クリーニングローラ表面の紙粉を前記2次クリーニングローラ表面に移動させることを特徴とする請求項1から請求項10にいずれかに記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−37734(P2012−37734A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−178147(P2010−178147)
【出願日】平成22年8月6日(2010.8.6)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】