説明

画像形成装置

【課題】原稿等の画像データを複数回にわたって連続読込みを行ない、ユーザが所望する複雑な組合せの原稿仕上げ処理に対応できる画像形成装置を提供する。
【解決手段】原稿読取部102、画像データを蓄積する蓄積手段105、画像出力手段107、出力される画像の画像出力条件を設定する機能設定手段1312と、画像データに基づいて表示画像を生成する表示画像生成手段137と、表示パネル132と、画像データに基づく表示画像を表示パネル132にプレビュー表示する機能を備えた操作ユニット側制御部131を具備する操作ユニット120を備える画像形成装置100において、機能設定手段1312の構成として、追加入力モードを備え、さらに、セクション区切り設定手段1314、セクション対応画像出力条件保持手段1315、セクション対応画像出力手段1316を備えることを特徴とするものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機やプリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置に係り、特に、入力された画像データに基づいて出力される画像の画像出力条件を設定する機能を備える画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、画像データを追加入力する機能を有する入力手段と、前記入力手段により入力された画像データに基づいて画像出力を行なう出力手段とを備え、前記出力手段により出力される画像の画像出力条件を設定する機能を備える画像形成装置が知られている。このような画像形成装置によれば、ジョブの実行前に出力される画像の画像出力条件の設定や変更を簡単に行なうことができる。
【0003】
従来技術として、例えば、原稿を複数回にわたって読込む機能(たとえば連続読込みコピー機能)を備えた画像形成装置において、前方ジャンプボタンもしくは後方ジャンプボタンを操作することで、現在表示中の原稿束のプレビューから、その前後に読込んだ原稿束のプレビューに、表示を切替えることを可能にするようにしたものが開示されている(特許文献1を参照)。
【0004】
ここで、連続読込みコピー機能とは、自動原稿送り装置を使用して原稿を読込む際、複数回にわたって自動原稿送り装置にセットされて読込まれた原稿画像を、一括して出力する機能をいう。
【0005】
通常、連続読込みコピー機能を利用する場合には、まず、動作モードを連続読込みモードに設定する。この後、原稿(1枚または複数枚の原稿)をセットしてスタートキーを押す。これにより、セットした原稿の読込みが行なわれる。そして、セットした原稿の読込みが終了すると、再び原稿をセットしてスタートキーを押すという手順を繰り返す。
【0006】
このようにして、全ての原稿の読込みが終了した場合には、連続読込み終了キーを押す。連続読込み終了キーが押されると、読込んだ原稿画像の印刷が開始される。
【0007】
上述した画像形成装置によれば、連続読込みコピー機能によって原稿画像が読込まれた場合に、前方ジャンプボタンもしくは後方ジャンプボタンを操作することによって、現在表示中の原稿束のプレビュー表示から、その前後に読込んだ原稿束のプレビュー表示に迅速に切替えることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2008−306469号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、原稿を複数回にわたって連続読込する際の連続読込みコピー機能しか開示されておらず、2回目以降の読込時に画像出力を行なう際の片面印刷や両面印刷、2画面印刷、また、カラー印刷、モノクロ印刷などの画像出力条件の設定を変更することに関しては開示されていない。そのため、ユーザが、複数ページからなる原稿を分割し、分割した原稿毎に設定を異ならせた処理(例えば、複雑な組合せの原稿仕上げ)を望んでも対応できないという問題がある。
【0010】
本発明は、上記従来の課題に鑑みてなされたものであり、画像形成装置において、原稿等の画像データを複数回にわたって連続読込みを行ない、ユーザが所望する複雑な組合せの原稿仕上げ処理に対応できる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、画像データを追加入力する機能を有する入力手段と、前記入力手段から入力される画像データを蓄積する蓄積手段と、前記蓄積手段に蓄積された画像データに基づいて画像出力を行なう出力手段とを備えるとともに、前記出力手段により出力される画像の画像出力条件を設定する機能を有する機能設定手段と、前記蓄積手段に蓄積された画像データに基づいて表示画像を生成する表示画像生成手段と、前記表示画像生成手段により生成された表示画像を表示する表示画面を備えた表示手段と、前記入力手段から入力される画像データに基づく表示画像を前記表示手段にプレビュー表示する機能を備えた表示制御手段とを具備する画像表示操作装置を備える画像形成装置において、前記機能設定手段の構成として、複数回に分けて画像データを入力して複数の画像データを形成する機能を有する追加入力モードを備え、さらに、画像データを追加入力する際に、追加入力される画像データと前に入力された画像データを区別するセクションを作成するセクション区切りを設定する機能と、前記セクション毎に設定された画像出力条件を保持する機能と、前記画像出力条件の設定に基づき各セクションに応じた画像出力を実行させる機能と、を備えることを特徴とするものである。
【0012】
また、本発明は、前記機能設定手段の構成として、画像データを追加入力する際に、任意のタイミングで実行可能に前記セクション区切りを設定する機能を備えることが好ましい。
【0013】
また、本発明は、前記機能設定手段の構成として、入力された順に蓄積された画像データ配列における任意の位置で前記セクション区切りの設定する機能を備えることが好ましい。
【0014】
また、本発明は、前記機能設定手段の構成として、前記セクション区切りで区切られたセクション内において、画像データ配列における任意の位置で設定された画像出力条件の設定変更を可能とする機能と、前記画像出力条件の設定変更を同一セクション内全体に反映する機能と、を備えることが好ましい。
【0015】
また、本発明は、前記機能設定手段の構成として、前記画像出力条件の設定を行なうときには、当該機能設定手段の有する全ての機能の設定を可能とすることが好ましい。
【0016】
また、本発明は、前記機能設定手段の構成として、設定されたセクション区切りを任意に取消すことができる機能を備えることが好ましい。
【0017】
また、本発明は、前記機能設定手段の構成として、仕上げ処理、例えば、ステープル/パンチ、ページ振り等の処理を設定する機能を備え、前記仕上げ処理の設定は、複数のセクションを同一の設定とすることを可能とすることが好ましい。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、画像データを追加入力する機能を有する入力手段と、前記入力手段から入力される画像データを蓄積する蓄積手段と、前記蓄積手段に蓄積された画像データに基づいて画像出力を行なう出力手段とを備えるとともに、前記出力手段により出力される画像の画像出力条件を設定する機能を有する機能設定手段と、前記蓄積手段に蓄積された画像データに基づいて表示画像を生成する表示画像生成手段と、前記表示画像生成手段により生成された表示画像を表示する表示画面を備えた表示手段と、前記入力手段から入力される画像データに基づく表示画像を前記表示手段にプレビュー表示する機能を備えた表示制御手段とを具備する画像表示操作装置を備える画像形成装置において、前記機能設定手段の構成として、複数回に分けて画像データを入力して複数の画像データを形成する機能を有する追加入力モードを備え、さらに、画像データを追加入力する際に、追加入力される画像データと前に入力された画像データを区別するセクションを作成するセクション区切りを設定する機能と、前記セクション毎に設定された画像出力条件を保持する機能と、前記画像出力条件の設定に基づき各セクションに応じた画像出力を実行させる機能と、を備えることで、原稿等の画像データを複数回にわたって連続読込みを行ない、ユーザが複雑な組合せの原稿仕上げを実現したいと望んだ場合でも、ユーザの意図に応じた処理を実行して、ユーザのニーズを満たすことができる画像形成装置を実現できる。
【0019】
また、本発明によれば、前記機能設定手段の構成として、画像データを追加入力する際に、任意のタイミングで実行可能に前記セクション区切りを設定する機能を備えることで、例えば、1スキャン原稿をセクション分割することも、複数スキャン原稿を任意のスキャンのタイミングでセクション分割することも、さらに、これら両者を組合せたセクション分割も可能となる。
【0020】
また、本発明によれば、前記機能設定手段の構成として、入力された順に蓄積された画像データ配列における任意の位置で前記セクション区切りの設定する機能を備えることで、入力された複数の画像データを任意の位置でセクション分割することが可能になる。
【0021】
また、本発明によれば、前記機能設定手段の構成として、前記セクション区切りで区切られたセクション内において、画像データ配列における任意の位置で設定された画像出力条件の設定変更を可能とする機能と、前記画像出力条件の設定変更を同一セクション内全体に反映する機能と、を備えることで、どの時点で機能設定をしても、同一セクション内であれば、その設定を反映させることができる。
【0022】
また、本発明によれば、前記機能設定手段の構成として、前記画像出力条件の設定を行なうときには、当該機能設定手段の有する全ての機能の設定を可能とすることで、セクション単位で設定を行なう場合であっても、全機能について、全く制限なしに設定を行なうことができる。
【0023】
また、本発明によれば、前記機能設定手段の構成として、設定されたセクション区切りを任意に取消すことができる機能を備えることで、設定されたセクション区切りの位置を任意に編集することができる。
【0024】
また、本発明によれば、前記機能設定手段の構成として、仕上げ処理、例えば、ステープル/パンチ、ページ振り等を設定する機能を備え、前記仕上げ処理の設定は、複数のセクションを同一の設定とすることを可能とすることで、複数のセクションに及ぶような設定を複数のセクションに対して一括で設定し、1つの記録物として仕上げることができるため、ユーザの意図した複雑な組合せの原稿仕上げを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置の全体の構成を示す説明図である。
【図2】前記画像形成装置の内部構成を簡略化して示す説明図である。
【図3】前記画像形成装置のハードウェア構成を示す機能ブロック図である。
【図4】前記画像形成装置のタッチパネルディスプレイの表示領域を示す説明図である。
【図5】前記タッチパネルディスプレイに表示される画面例を示す説明図である。
【図6】前記タッチパネルディスプレイを構成する表示パネルの表示態様の一例を示す説明図である。
【図7】前記画像形成装置における操作ユニットの電気的構成を示すブロック図である。
【図8】前記操作ユニットを構成するタッチパネルディスプレイの構成を示すブロック図である。
【図9】(a)は前記画像形成装置において大量原稿モードにおける追加読込時にセクション区切りを設定して作成したセクションに対応して画像出力条件の設定を変更する状態を示す説明図、(b)は前記画像形成装置の大量原稿モードにおける追加読込時に作成したセクションに対応した画像出力状態を示す説明図である。
【図10】(a)は前記画像形成装置において通常モードにおける追加読込時に画像出力条件の設定が変更された状態を示す説明図、(b)は通常モードにおける画像出力状態を示す説明図である。
【図11】実施例1の画像形成装置におけるコピーモード初期画面を示す説明図である。
【図12】前記画像形成装置において原稿読取りが終了した後にセクション区切りを挿入して追加読込みを行なうときの表示画面を示す説明図である。
【図13】前記画像形成装置において原稿読取り後に追加読取りを行なった場合の追加原稿束を含む複数の原稿束のプレビュー表示された表示画面を示す説明図である。
【図14】読込まれた原稿束を表すその他のプレビュー表示の例を示す説明図である。
【図15】その他のプレビュー表示の例を示す説明図である。
【図16】その他のプレビュー表示の他の例を示す説明図である。
【図17】実施例2の画像形成装置における編集画面を示す説明図である。
【図18】前記編集画面においてセクション区切りの設定を開始するときの操作状態を示す説明図である。
【図19】前記編集画面においてセクション区切りを設置する操作の一例を示す説明図である。
【図20】前記編集画面においてセクション区切りを設置する操作のその他の例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は発明を実施する形態の一例であって、本発明の実施形態に係る画像形成装置の全体の構成を示す説明図、図2は前記画像形成装置の内部構成を簡略化して示す説明図、図3は前記画像形成装置のハードウェア構成を示す機能ブロック図、図4は前記画像形成装置のタッチパネルディスプレイのプレビュー表示領域を示す説明図、図5は前記タッチパネルディスプレイに表示される画面例を示す説明図である。
【0027】
本発明の実施形態は、図1に示すように、画像データを追加入力する機能を有する原稿読取部(入力手段)102と、原稿読取部102により入力された画像データに基づいて記録媒体上に画像を形成する画像形成部(出力手段)104と、画像データに基づいてプレビュー画像を表示する表示パネル(表示手段)132と原稿読取部102から入力される画像データに基づく表示画像を表示パネル132上にプレビュー表示する機能を有するとともに画像形成部104により記録媒体上に出力される画像の画像出力条件を設定する機能を有する操作ユニット(画像表示操作装置)120とを備える画像形成装置100において、操作ユニット側制御部131の構成として、本発明に係る表示制御手段の構成を採用したものである。
【0028】
前記表示制御手段として機能する操作ユニット120は、画像形成部104により出力される画像の画像出力条件を設定する機能を備えて、出力される画像の画像出力条件を表示パネル132上で設定するように構成されている。
【0029】
表示パネル132に表示される複数原稿画像は、画像形成装置100の原稿読取部などから取り込まれた原稿画像の形態をプレビュー表示するものであり、且つ、画像形成部から記録用紙上に形成される画像の出力形態を仕上がりプレビュー画像として表示するものである。
【0030】
本実施形態に係る画像形成装置100は、画像処理装置の1種である画像形成装置である。本発明に係る画像表示操作装置の適用は、このような画像形成装置以外の画像処理装置または電子機器であっても構わない。
【0031】
また、本実施形態に係る画像形成装置100は、複数の動作モードを備え、その動作モードが切り換えられて表示機器の画面が切り換えられた場合において、ユーザが画面構成を覚えていなくても、ユーザが求める情報をユーザが容易に取得することができるように、情報を表示する表示機器を備えた装置であればよい。
【0032】
なお、本実施形態に係る画像形成装置100は、ジェスチャー操作方法とジェスチャー操作によらないタッチ操作方法とにより操作が可能なタッチパネルディスプレイ(操作画面)を備えるとするが、タッチ操作のみが可能なタッチパネルディスプレイを備える装置であってもよく、さらには、操作が不可能な表示のみ可能な表示パネルおよび操作用のボタンを備える装置であってもよい。
【0033】
この画像形成装置100は、電子写真方式により記録用紙に画像を形成する。
また、画像形成装置100は、動作モードとして、コピーモード、ファクシミリモード(FAXモード)、ドキュメントファイリングモード(スキャンした画像を画像形成装置内部の記憶装置に記憶するモード)およびメールモード(スキャンした画像を電子メールに添付する形式で送信するモード)を備える。なお、この画像形成装置100は、さらにネットワークプリンタモードを備えていても構わない。
【0034】
また、本発明はこれに限定されず、動作モード毎に画面が切り換わる画像形成装置であれば構わない。また、印刷方式は電子写真方式に限定されない。
【0035】
まず、本発明の実施形態に係る画像形成装置100について説明する。
本実施形態に係る画像形成装置100は、図1に示すように、原稿読取部102、画像形成部104、給紙部106、排紙処理装置108、および、操作ユニット120を備える。
操作ユニット120は、タッチパネルディスプレイ130と表示操作部140とで構成される。タッチパネルディスプレイ130は、液晶パネル等で構成された表示パネル132と、表示パネル132に重ねて配置されたユーザの指で押圧された位置を検出するタッチパネル(タッチ操作認識手段)134とで構成される。表示操作部140は、表示灯142と、電源キー144と、省エネルギーキー(以下「省エネキー」と記載)146と、動作モードを選択するホーム画面ヘタッチパネルディスプレイ130の表示画面を戻すためのホームキー148とで構成される。
【0036】
このように画像形成装置100は、主たる操作デバイスとしてタッチパネルディスプレイ130を備えるとともに、ハードウェアキーおよび表示灯により構成される表示操作部140を備える。表示操作部140のキー(電源キー144、省エネキー146、ホームキー148)は、タッチパネルディスプレイ130により構成されるソフトウェアボタンと対比して、ハードウェアボタンとして構成される点が特徴である。
【0037】
なお、画像形成装置100は、このような構成の表示操作部140を備えるものに限定されず、タッチパネルディスプレイ130のみを備えるものであってもよい。タッチパネルディスプレイ130に表示されたホーム画面においてユーザが動作モードを選択すると、選択された動作モードにおける初期画面に切り換わるものであれば構わない。このような画像形成装置100の動作モードについて説明する。
【0038】
(コピーモード)
以下において、画像形成装置100のコピーモードでの動作について説明する。
このコピーモードにおいては、主として、原稿読取部(以下、「スキャナ部」と称する。)102および画像形成部104が動作する。
【0039】
画像形成装置100においては、原稿載置台に置かれた原稿が原稿読取部102により画像データとして読取られ、読取られた画像データが図3に示すマイクロコンピュータ等から構成されるCPU300に入力され、ここで画像データに各種の画像処理が施され、この画像データが画像形成部104へと出力される。
【0040】
画像形成部104は、図2に示すように、画像データによって示される原稿の画像を記録媒体(多くの場合、記録用紙)に印刷するものであって、感光体ドラム222、帯電装置224、レーザスキャンユニット(以下、「LSU」と称する。)226、現像装置228、転写装置230、クリーニング装置232、定着装置234、および図示しない除電装置等を備えている。
【0041】
画像形成部104には、主搬送路236および反転搬送路238が設けられており、給紙部106から給紙されてきた記録用紙が主搬送路236に沿って搬送される。給紙部106は、用紙カセット240に収納された記録用紙、または手差トレイ242に載置された記録用紙を1枚ずつ引出して記録用紙を画像形成部104の主搬送路236へと送り出す。
【0042】
画像形成部104の主搬送路236に沿って記録用紙が搬送されている途中で、記録用紙が感光体ドラム222と転写装置230との間を通過し、さらに定着装置234を通過して、記録用紙に対する印刷が行なわれる。
【0043】
感光体ドラム222は、一方向に回転し、その表面は、クリーニング装置232と除電装置によりクリーニングされた後、帯電装置224により均一に帯電される。
【0044】
LSU226は、印刷対象の画像データに基づいてレーザ光を変調し、このレーザ光によって感光体ドラム222の表面を主走査方向に繰返し走査して、静電潜像を感光体ドラム222の表面に形成する。
【0045】
現像装置228は、トナーを感光体ドラム222の表面に供給して静電潜像を現像し、トナー像を感光体ドラム222の表面に形成する。
【0046】
転写装置230は、当該転写装置230と感光体ドラム222との間を通過していく記録用紙に感光体ドラム222の表面のトナー像を転写する。
【0047】
定着装置234は、記録用紙を加熱するための加熱ローラ248と、記録用紙を加圧するための加圧ローラ250とを含む。記録用紙は、加熱ローラ248によって加熱され、かつ、加圧ローラ250によって加圧されることによって、記録用紙上に転写されたトナー像が記録用紙に定着される。この定着装置234へ供給される電力によりヒータを温めて加熱ローラ248の温度が定着に適した温度になるように制御されている。なお、省エネモードに移行すると、例えば、このヒータへ供給される電力が停止されたり削減されたりする。
【0048】
主搬送路236と反転搬送路238との接続位置には、分岐爪244が配設されている。記録用紙の片面のみに印刷が行なわれる場合は、分岐爪244が位置決めされ、この分岐爪244により定着装置234からの記録用紙が排紙トレイ246または排紙処理装置108の方へと導かれる。
【0049】
記録用紙の両面に印刷が行なわれる場合は、分岐爪244が所定方向に回動されて記録用紙が一旦排紙トレイ246側へ導かれた後、スイッチバック搬送されて反転搬送路238の方へと導かれる。記録用紙は、反転搬送路238を通過して、その表裏を反転されて主搬送路236へと再び搬送され、主搬送路236の再度の搬送途中で、その裏面への印刷が行なわれて排紙トレイ246または排紙処理装置108の方へと導かれる。
【0050】
上述のようにして印刷された記録用紙は、排紙トレイ246または排紙処理装置108の方へと導かれて排紙トレイ246に排出され、または排紙処理装置108の各排紙トレイ110のいずれかに排出される。
【0051】
排紙処理装置108では、複数の記録用紙を各排紙トレイ110に仕分けして排出する処理、各記録用紙にパンチングする処理、および各記録用紙にステープルする処理を施す。例えば、複数部の印刷物を作成する場合は、各排紙トレイ110に印刷物の一部ずつが割り当てられるように、各記録用紙を各排紙トレイ110に仕分けして排出し、排紙トレイ110毎に、排紙トレイ110上の各記録用紙に対しパンチングユニット111によるパンチング処理またはステープルユニット112によるステープル処理を施して印刷物を作成する。
【0052】
(ファクシミリモード)
以下において、ファクシミリモードでの動作について説明する。
このファクシミリモードにおいては、図3に示すように、主として、送信動作は原稿読取部(スキャナ部)102およびFAX通信部160が動作することにより、受信動作はFAX通信部160および画像形成部104が動作する。
【0053】
(送信動作)
画像形成装置100においては、ファクシミリモードを指定して、原稿載置台に置かれた原稿が原稿読取部102により画像データとして読取られ、読取られた画像データが図3に示すマイクロコンピュータ等から構成されるCPU300に入力され、ここで画像データに各種の画像処理が施され、この画像データがFAX通信部(図3のFAX通信部160)へと出力される。
【0054】
図3に示すように、送信側の画像形成装置100のFAX通信部160は、指定された送信側の回線を指定された送信先に接続して、画像データをファクシミリ通信規格に合致した通信データへ変換して、受信側のファクシミリ装置(例えばファクシミリ機能を備えた画像形成装置100)へ送信する。
【0055】
(通信動作)
回線が接続されると、受信側の画像形成装置100のFAX通信部160は、送信側の画像形成装置100のFAX通信部160からの通信要求信号を検出して、応答信号を送信する。その後、例えば、FAX通信部160は、送信側および受信側で互いに実装されている能力情報の受渡しを行ない、利用可能な最大能力での通信速度および画像データの符号化・符号訂正方式などを決定してモデムの通信方式を設定する。この通信方式にあわせた画像信号静式を用いて、送信側の画像形成装置100のFAX通信部160から受信側の画像形成装置100のFAX通信部160ヘデータを送信する。送信が終了すると回線が切断される。
【0056】
(受信動作)
受信側の画像形成装置100のFAX通信部160は、受信したデータを画像データに変換して、画像形成部104へ送る。なお、受信したデータを画像データへ変換するのは画像形成部104であっても構わない。画像形成部104は、上述したコピーモードにおける動作と同じように、受信したデータから変換された画像データによって示される原稿の画像を記録用紙に印刷する。
【0057】
次に、画像形成装置100の制御ブロック構成について図面を参照して説明する。
図3に示すように、画像形成装置100は、さらに、コピーモード、ファクシミリモードとして装置が搭載する機能の設定が可能な操作ユニット120と、プログラム等を記憶するためのROM306と、通電が遮断された場合であってもプログラムおよびデータ等を記憶可能な不揮発性記憶領域であるハードディスク302と、プログラムを実行する際の記憶領域を提供するためのRAM(Random Access Memory)308とを含む。
【0058】
画像形成装置100は、さらに、原稿読取部102、画像形成部104、FAX通信部160、操作ユニット120、ROM306、ハードディスク302、およびRAM308に接続されるパス310と、パス310に接続された、画像形成装置としての一般的機能を実現するためのCPU300とを含む。
【0059】
ハードディスク302には、この画像形成装置100でスキャンした原稿の画像データのファイルが記憶される。また、ハードディスク302には、各動作モードの初期画面データが記憶されている。(ハードディスク302でなくてもROM306に記憶させておくことも可能)
【0060】
ROM306には、画像形成装置100の動作を制御するのに必要なプログラムおよびデータ等が記憶されている。このROM306にプログラムとともに記憶するデータとして、各動作モードの初期画面データを記憶するようにしても構わない。CPU300は、ROM306に格納されているプログラムおよびデータに従って画像形成装置100の制御を行なうとともに画像形成装置100の各機能に関する制御を実行する。
【0061】
図3に示すように、この画像形成装置100のFAX通信部160には、画像データの送受信用に公衆回線が接続され、ネットワークインターフェイス304には、ネットワーク回線が接続されている。このネットワーク回線には、この画像形成装置100をネットワーク対応のプリンタとして使用するコンピュータ等が接続されたり、インターネットを介して指定されたURL(Uniform Resource Locator)により特定されるコンピュータ等が接続されたりする。このようにインターネットに接続されると、画像形成装置100は、インターネットを介して、必要な情報を取得することができる。
【0062】
RAM308は、CPU300による演算および処理の結果を一時的に記憶するワーキングメモリとしての機能と、画像データを記憶するフレームメモリとしての機能とを提供する。
【0063】
原稿読取部102、画像形成部104、操作ユニット120を構成するタッチパネルディスプレイ130および表示操作部140、ならびにROM306、ハードディスク302、およびRAM308に対する制御は、CPU300が所定のプログラムを実行することにより行なわれる。なお、操作ユニット120は、入出力インターフェイスを介してCPU300と通信する。
【0064】
操作ユニット120は、ユーザが目視しやすいように傾斜して設けられた板状のパネルで構成される。操作ユニット120の表面には、その左側の領域にタッチパネルディスプレイ130が、右側の領域に表示操作部140(表示灯142ならびにハードウェアボタンである電源キー144、省エネキー146およびホームキー148)が、備えられている。タッチパネルディスプレイ130および表示操作部140は、操作ユニット120が全体として一体となるように構成されている。
【0065】
上述したように、このタッチパネルディスプレイ130は、表示パネル132と、表示パネル132に重ねて配置されたタッチパネル134とで構成される。
【0066】
このタッチパネルディスプレイ130においては、表示パネル132に、この画像形成装置100における動作モードを選択するホーム画面、この画像形成装置100の現在の状態、宛先指定状況、ジョブの処理状況等が表示される。表示パネル132のプレビュー表示領域上にはソフトウェアボタンである選択ボタンが表示され、この選択ボタンの表示されている領域を指で押すと、タッチパネル134がその押された位置を検出する。プログラム上で、選択ボタンの表示位置とタッチパネル134が押された位置とを照合することにより、画像形成装置100の動作モード選択、機能設定および動作指示等が行なわれる。この画像形成装置100はこのようなタッチ操作(ユーザによる押圧位置に基づくコマンド入力操作)に加えて、上述したジェスチャー操作(ユーザによる操作軌跡に基づくコマンド入力操作)にも対応している。
【0067】
また、表示操作部140の表示灯142は、例えばLED(Light Emitting Diode)で構成され、CPU300により点灯/消灯(/点滅)が制御される。主電源スイッチとは別に設けられた電源キー144をユーザが押下すると、この画像形成装置100が待機モード(例えば主電源がオンの状態でFAX受信動作のみ可能)から通常モードへ移行して、この画像形成装置100の全ての動作モードが使用できるようになる。この状態に連動して表示灯142が点灯する。さらに、ユーザが操作しない時間が予め定められた時間を経過したり、省エネキー146をユーザが押下したりすると、この画像形成装置100が通常モードから省エネモードへ移行して、この画像形成装置100の一部の動作モードしか使用できないようになる。この状態に連動して表示灯142が点滅する。さらに、この省エネモードのときに、省エネキー146をユーザが押下すると、この画像形成装置100が省エネモードから通常モードへ移行する。ホームキー148は、タッチパネルディスプレイ130の表示を初期状態(ホーム画面)へ戻すためのハードウェアキーである。なお、電源キー144、省エネキー146およびホームキー148を押下したときの処理はこれらに限定されるものではない。
【0068】
なお、表示操作部140のハードウェアボタン(電源キー144、省エネキー146およびホームキー148)には、CPU300により点灯/消灯(/点滅)が制御されるキーランプを埋め込むようにしても構わない。例えば、このキーランプは、円型のキーの5周囲をリング状に光らせたり、キーの中央部を光らせたりする。操作デバイスとしてハードウェアボタンを使用することが許可されているタイミングで(ハードウェアボタンを使用すると処理が実行されるタイミングで)、このキーランプが点灯する。
【0069】
本実施形態に係る画像形成装置100においては、上述した2つの動作モード(コピーモード、ファクスモード)を備える。タッチパネルディスプレイ130には、それぞれの動作モードにおける機能設定用のソフトウェアボタンと、必要に応じて、画像形成イメージであるプレビューまたは宛先設定用のボタン等が表示される。
【0070】
動作モードが違う場合には、タッチパネルディスプレイ130は、異なる画面が表示される。このような場合であっても、ユーザが要求する情報を容易に見つけることのできるように、タッチパネルディスプレイ130は複数の領域に分割されて(かつその領域の大きさを可変として)、各領域に情報を表示するという本発明の本質的部分を備える。特にこの画像形成装置100においては、主たる表示操作デバイスとして設けられたタッチパネルディスプレイ130のホーム画面において動作モードを選択すると、各動作モードの初期画面が表示される。
【0071】
この初期画面において、(1)基本レイアウトが5つの領域(「システム領域」、「機能選択領域」、「プレビュー領域」、「アクションパネル領域」、「タスクトリガー領域」)に分割されて適切に配置されているので、左上から右下へユーザが操作することにより(このような大型のタッチパネルディスプレイ130を備えない従来機と同じようなユーザの視点の動線および指先の動線が実現されるために)容易に設定が可能で、(2)異なる動作モードであっても5つの領域のそれぞれに表示される概念は同じものであって、動作モードが異なってもユーザが混乱することなく操作が可能である。
以下に、このような基本レイアウトの構成について説明する。
【0072】
まず、画像形成装置100のタッチパネルディスプレイ130における基本レイアウトについて図面を参照して説明する。
タッチパネルディスプレイ130の基本レイアウトは、図4に示すように、横長のタッチパネルディスプレイ130において(例えば、横1024ピクセル×縦600ピクセル)、最上部に配置されたシステム領域1000、画面中央部に配置されたプレビュー領域(プレビュー表示領域)3000、プレビュー領域3000の左側に配置された機能設定/確認領域2000(以下、機能選択領域2000と記載する)、プレビュー領域3000の右上部に配置されたアクションパネル領域(情報表示領域)4000、および、プレビュー領域3000の右下部に配置されたタスクトリガー領域(操作キー表示領域)5000で構成される。
【0073】
なお、タッチパネルディスプレイ130における領域の数は5つに限定されるものではなく、左右の並びもこれに限定されず、例えば、ユーザの利き手に応じて領域の左右の配置を逆にしても構わない。また、システム領域1000の位置は最下部であっても構わない。また、状態もしくは設定によっては表示されなくても構わない。
【0074】
システム領域1000には、この画像形成装置100の現時点での状態が表示され、操作中の動作モードのタイトル、画像形成装置100の状況・状態が表示される。例えば、システム領域1000には、動作モード名、割り込みキー、ログインユーザ名、処理中のジョブ状況、内蔵メモリ使用状態、時刻等が表示される。
【0075】
機能選択領域2000には、各機能の設定、表示の切り換え、設定の確認のためにユーザにより操作される機能選択メニュー(アイコン、ボタン等)が、アイコンモード、レギュラーモードおよびエキスプレスモードで表示態様を変更して、表示される。アイコンモードにおいては、プレビュー領域3000が最も広くなるように機能選択領域2000には機能設定用のアイコンのみが表示される。エキスプレスモードにおいては、プレビュー領域3000が最も狭くなっても機能選択領域2000には機能を一度に設定できる画面が大きく表示される。レギュラーモードにおいては、プレビュー領域3000の大きさはアイコンモードとエキスプレスモードとの中間の大きさであって、機能選択領域2000には機能設定のアイコンとともに機能名称がテキスト表示される。
【0076】
これらのアイコンモード、レギュラーモードおよびエキスプレスモードの切り換えはユーザの操作に基づく。すなわち、プレビュー領域3000の大きさが、ユーザの操作に応じて変更して表示される。このように、アイコンは、小さい領域でユーザへの情報を伝達することができるので、全ての機能に対して準備しておいて、プレビュー領域3000が大きく表示できることが好ましい。
【0077】
この機能選択領域2000には、その下部に機能選択領域2000の表示スタイルを変更する変更ボタン群2010を備える。変更ボタン群2010には、アイコンモードで機能選択領域2000を表示するアイコンモード移行ボタン2012、「お気に入り」登録した機能を表示させるお気に入りボタン2014、設定が変更された機能を表示させるチェックボタン2016、選択されている動作モードにおいて設定可能な全ての機能の一覧を表示するリストボタン2018、レギュラーモードで機能選択領域2000を表示するレギュラーモード移行ボタン2020、および、エキスプレスモードで機能選択領域2000を表示するエキスプレスモード移行ボタン2022が配置されている。
【0078】
なお、機能選択領域2000に表示される情報が多い場合には、この機能選択領域2000において上下方向に移動可能に情報が表示される。この場合において、この変更ボタン群2010は移動されないで、機能選択領域2000の最下部に常に表示される。
【0079】
プレビュー領域3000には、原稿の出力(仕上がり)イメージが表示される。ダミーデータまたはスキャンデータを用いてイメージ表示し、ユーザが仕上がりを変更する毎にプレビュー領域3000に表示されているイメージが変更される。このプレビュー領域3000においては、スキャン前のバーチヤルモードでのダミーイメージでの仕上がり表示、スキャン後のスキャンインモードでの実イメージでの仕上がり表示の2つのモードを有し、さらにバーチヤルモードには、原稿セット前および原稿セット後の2種類がある。
【0080】
このプレビュー領域3000には、その下部にプレビュー領域3000の表示スタイルを変更するプレビュー変更ボタン群3010を備える。プレビュー変更ボタン群3010には、プレビューを左に90度回転させる左回転ボタン3016、プレビューを右に90度回転させる右回転ボタン3018、ズームバー3020が配置されている。これら以外にも、例えばカラー変更ボタン3012およびプレビュー操作ボタン3014が配置されている。
【0081】
ここで、左回転ボタン3016を1回タッチ操作するとプレビューが左に90度回転されて、2回タッチ操作するとプレビューが左に180度回転される(上下反転)。また、プレビュー領域に表示された仕上がり原稿イメージをジェスチャー操作しても(指先で原稿イメージを反時計回転方向に180度回転させても)、プレビューが左に180度回転されて上下反転される。
【0082】
右回転ボタン3018を1回タッチ操作するとプレビューが右に90度回転されて、2回タッチ操作するとプレビューが右に180度回転される(上下反転)。また、プレビュー領域に表示された仕上がり原稿イメージをジェスチャー操作しても(指先で原稿イメージを時計回転方向に180度回転させても)、プレビューが右に180度回転されて上下反転される。
【0083】
ズームバー3020のプラスボタン3020Aをタッチ操作したり、バー3020Cをプラスボタン3020A側へジェスチャー操作(ドラッグまたはスライド)したりすると、プレビューが拡大して表示される。また、プレビュー領域に表示された仕上がり原稿イメージをジェスチャー操作しても(指先で原稿イメージをピンチアウト/ピンチオープンさせても)、プレビューが拡大して表示される。
【0084】
ズームバー3020のマイナスボタン3020Bをタッチ操作したり、バー3020Cをマイナスボタン3020B側ヘジェスチャー操作(ドラッグまたはスライド)したりすると、プレビューが縮小して表示される。また、プレビュー領域に表示された仕上がり原稿イメージをジェスチャー操作しても(指先で原稿イメージをピンチイン/ピンチクローズさせても)、プレビューが縮小して表示される。
【0085】
なお、プレビュー領域3000に表示される原稿イメージのページ数が多い場合には、タッチ操作可能な表示ページ選択ボタン(ページ番号入力ボタン、ページ送りボタン、ページ戻しボタン、単ページ表示ボタン、複数ページ表示ボタン等)を表示するようにしても構わない。なお、原稿イメージをスライドタッチ(フリック操作)してもプレビューされる原稿のページ送り、ページ戻しを行なうことができる。また、プレビュー領域3000に表示される原稿イメージが大きい場合には、タッチ操作またはジェスチャー操作可能なスクロールバーを表示するようにしても構わない。
【0086】
アクションパネル領域4000には、操作についての補助・助言・提案についての情報が表示される。このアクションパネル領域4000には、例えば、あるユーザが特定の機能を選択すると、その機能に関連する機能を表示したり、目的指向でその機能についての他の機能を表示したり、このユーザまたはこのユーザが所属するグループのユーザが過去に組み合わせて選択した機能を「おすすめ機能」として表示したりする。
【0087】
タスクトリガー領域5000には、その動作モードにおける全ての設定が完了して、この画像形成装置100を実際に動作させるためにユーザにより操作されるトリガー一項目が表示される。例えば、処理を開始させるためのスタートボタン(ソフトウェアボタン)である。なお、印字を伴う動作モード(ファクス送信以外)において、消耗品切れについての情報も、タスクの実行不可に関連するので、この「タスクトリガー領域」に表示される。
【0088】
この場合において、スタートボタンが押下できる状態の場合にのみ、スタートボタンを表示することも好ましい。スタートボタンが押下できる状態とは、印字を伴う動作モードの場合には、全ての設定が終了してかつ消耗品(記録用紙およびトナー)切れでない状態であって、印字を伴わない動作モードであるファクスモード(送信)の場合には、宛先を含む全ての送信パラメータの設定が終了した状態である。
【0089】
これらの5領域は、動作モードが変更されても(どの動作モードの初期画面においても)、その配置された位置は変更されない。また、機能選択領域2000(およびプレビュー領域3000)におけるアイコンモード/レギュラーモード/エキスプレスモードの切り換え表示のように、領域はタッチパネルディスプレイ130の画面横方向(長手方向)に伸縮してサイズが変化する。
【0090】
このような5領域の配置は、従来機におけるユーザインターフェイスをも考慮しつつ、ユーザの視点の動線および操作の動線に着目して配置されている。このような配置により、タッチパネルディスプレイ130において、左上から右下へユーザの視線が動いて、左上から右下へユーザの操作(利き手の指先)が動く。
【0091】
なお、ある動作モードから他の動作モードへ遷移するためには、ホームキー148を押下して、ホーム画面において他の動作モードを選択する。このように、ホーム画面を経由して、動作モードが切り換えられる。
【0092】
(コピーモードの初期画面表示動作)
コピーモードが選択されると、ハードディスク302等から読出したコピー初期画面データを用いてタッチパネルディスプレイ130にコピーモードの初期画面が表示される。
このとき、例えば、タッチパネルディスプレイ130には、図5に示すように、コピーモード初期画面7100が表示される。コピーモード初期画面7100は、上述したレイアウト構成の5領域に分割されて情報が表示される。
【0093】
コピーモード初期画面7100のシステム領域1000には、図5に示すように、選択されている動作モード(ここではコピーモード)を示すエリア1102、選択された動作モードに付随するサブ情報を表示するエリア1104、ログインユーザ名を表示するエリア1106、ログアウトボタン(ソフトウェアボタン)が表示されるエリア1108、現在実行中のジョブ状況を表示するエリア1110、ジョブ状況に関係するボタン(ソフトウェアボタン)が表示されるエリア1112、通信状態が表示されるエリア1114、現在時刻が表示されるエリア1116が配置されている。
【0094】
エリア1102には、動作モードを示す名称または/およびアイコンが表示される。
このエリア1102をタッチ操作、タップ操作またはダブルタップ操作すると、動作モードを示すメニューがプルダウン表示されて動作モードを切り換えることができるようにすることも好ましい(他の動作モードにおいても同じ)。
【0095】
エリア1104には、サブ情報として、割り込みキー(ソフトウェアボタン)が表示される。この割り込みキーをタッチ操作、タップ操作またはダブルタップ操作すると、コピーモードにおいて割り込み処理を実行することができる。
【0096】
エリア1112には、現在実行中のジョブ状況がアイコンで表示される。このジョブ状況をタッチ操作、タップ操作またはダブルタップ操作すると、詳細なジョブ状況情報が表示される。さらに、エリア1112には、選択されたジョブを停止させるボタン等を表示することも好ましい。
【0097】
コピーモード初期画面7100の機能選択領域2000には、コピーモードにおいてユーザが選択できる機能選択メニュー2100および上述した変更ボタン群2010が表示されている。図5に示す画面では、レギュラーモードで機能選択メニューが表示されている。
【0098】
図5に示すように、レギュラーモードで表示される機能選択メニューは、アイコン群2100とテキスト群2120とで構成される。この機能選択領域2000に表示される機能選択メニューとして、コピー一部数を設定するアイコン2102および設定された内容を表示するテキス卜2122、カラーモードを設定するアイコン2104および設定された内容を表示するテキスト2124、コピー濃度を設定するアイコン2106および設定された内容を表示するテキスト2126、コピー倍率を設定するアイコン2108および設定された内容を表示するテキスト2128、原稿の種類を設定するアイコン2110および設定された内容を表示するテキスト2130、用紙の種類を設定するアイコン2112および設定された内容を表示するテキスト2132、画像を編集するアイコン2114および設定された内容を表示するテキスト2134、レイアウトを編集するアイコン2116および設定された内容を表示するテキスト2136が表示されている。
【0099】
なお、上述したように、これらの機能設定メニューにおけるさらなる項目は、変更ボタン群2010の表示位置を固定した状態で、上下方向にスクロール可能に表示することができる。そして、上下方向に隠れて表示されていない項目を含めて機能設定メニューの表示項目を切り換えることは、タッチ操作(スクロール操作)でもジェスチャー操作(上下方向へフリック操作)のいずれの操作でも可能である。
【0100】
ここで、画像編集とは、1ページの原稿に対する画像編集であって、さらに下位の階層メニューとして、枠消去、印字メニュー、ウォータマーク、ユーザスタンプ等があり、レイアウト編集とは、複数ページの原稿に対する画像編集であって、さらに下位の階層メニューとして、ページ集約、綴じしろ、ページ移動、センタリング等がある。これらのさらなる下位メニューは、アイコン2102〜アイコン2116またはテキスト2122〜テキス卜2136をタッチ操作、タップ操作またはダブルタップ操作すると、タッチパネルディスプレイ130に表示される。
【0101】
コピーモード初期画面7100のプレビュー領域3000には、原稿の出力(仕上がり)イメージ3100および上述したプレビュー変更ボタン群3010が配置されている。このとき、ダミーデータまたはスキャンデータを用いてイメージ3100が表示され、ユーザが機能選択領域2000の機能設定メニューを変更する毎に、イメージ3100が変更されてプレビュー領域3000に表示される(プレビューの表示が変更)。
【0102】
コピーモード初期画面7100のアクションパネル領域4000には、コピー操作についての補助・助言・提案についての情報が表示されている。ここでは、図5に示すように、このユーザが選択したコピーモードにおけるおすすめ機能が表示される。このとき、アクションパネル領域4000は、表示されている情報の内容を示すエリア4100、それ自体がソフトウェアボタンとしておすすめ機能をテキスト表示するエリア4102〜エリア4106が配置されている。
【0103】
エリア4102をタッチ操作、タップ操作またはダブルタップ操作すると、省エネコピーについてのさらに詳細な情報がプルダウン表示される。例えば、このとき、「両面印刷すると用紙を節約できます」というテキストとともに両面コピーの機能設定画面へ遷移するソフトウェアボタンと、「複数の原稿を集約して印刷すると用紙を節約できます」というテキストとともにページ集約の機能設定画面へ遷移するソフトウェアボタンと、「本のように綴じられるように印刷することができます」というテキストとともに中綴じの機能設定画面へ遷移するソフトウェアボタンとが、表示される。
【0104】
コピーモード初期画面7100のタスクトリガー領域5000には、実行ボタン群5100が表示される。この実行ボタン群5100として、原稿をスキャンして画像データを取得するように画像形成装置100を作動させるスキャンインキー(ソフトウェアボタン)5102、設定した機能をクリアするクリアオールキー(ソフトウェアボタン)5104、原稿をスキャンしてモノクロコピーを実行するように画像形成装置100を作動させるモノクロスタートキー(ソフトウェアボタン)5106、原稿をスキャンしてカラーコピーを実行するように画像形成装置100を作動させるカラースタートキー(ソフトウェアボタン)5108が配置されている。
【0105】
このように、5つの領域に分割して情報が表示されたコピーモード初期画面7100において、ユーザが要求を入力すると、その要求に従ってコピー処理が実行される。
【0106】
次に、本実施形態の画像形成装置100の特徴的な構成について図面を参照して説明する。
図6は本実施形態の画像形成装置のタッチパネルディスプレイを構成する表示パネルの表示態様の一例を示す説明図である。
【0107】
本実施形態の画像形成装置100は、図6に示すように、タッチパネルディスプレイ130において、プレビュー領域3000が画面中央部に配置され、そのプレビュー領域3000の左側に機能選択領域2000が配置される。また、プレビュー領域3000の右上部にアクションパネル領域4000が配置され、そのアクションパネル領域4000の下部にタスクトリガー領域5000が配置される。
【0108】
プレビュー領域3000には、初期画面では仮想テンキー3001と、装置全体をイメージするミミック表示3002が表示されている。
【0109】
タスクトリガー領域5000には、実行ボタン群5100が表示される。
実行ボタン群5100として、スキャンインキー5102、クリアオールキー5104、モノクロスタートキー5106、カラースタートキー5108が配置されている。
【0110】
次に、本実施形態の画像形成装置100における操作ユニット120の特徴的な電気的構成について図面を参照して説明する。
図7は本実施形態の画像形成装置における操作ユニットの構成を示すブロック図、図8は前記操作ユニットを構成するタッチパネルディスプレイの構成を示すブロック図である。
【0111】
本実施形態に係る操作ユニット120は、図7に示すように、表示パネル132、タッチパネル134に加えて、操作位置検出手段135、画面表示手段136、表示画像生成手段137及び操作ユニット120における処理・動作を制御する操作ユニット側制御部(表示制御手段)131を備えている。
【0112】
画像形成装置100は、画像データを入力する原稿読取部102、画像処理手段103、原稿読取部102から入力される画像データを蓄積する蓄積手段105、プリンタや送信部などの画像を出力する画像出力手段107を備えて、主制御部101により動作制御される。
【0113】
原稿読取部102は、所望の原稿(画像データ)の読取りを終了した後に、さらに新たな原稿の追加読取り(追加入力)を可能とする追加読取り機能を備えている。
【0114】
操作位置検出手段135は、タッチパネル134上で行なわれる操作位置を検出する。
画面表示手段136は、表示画像生成手段137により形成された画像を表示パネル132上に表示する。
【0115】
表示画像生成手段137は、画像形成装置100本体に入力された画像データに基づき操作ユニット側制御部131からの指示により所定の画像を形成するとともに、原稿読取部102により読取られた一連の複数の原稿より構成される原稿束の表示画像を形成する機能(原稿束表示画像生成機能)を備えている。
【0116】
操作ユニット側制御部131は、画像形成装置100本体の主制御部101に接続され、タッチパネルディスプレイ130における制御部として機能する。
【0117】
ここで、操作ユニット側制御部131について詳細に説明する。
操作ユニット側制御部131は、図8に示すように、原稿読取部102から読取られた原稿に基づく表示画像をタッチパネルディスプレイ130上にプレビュー表示するプレビュー表示機能と、プレビュー表示された複数ページの表示画像を移動表示するスクロール表示機能とを備えている。
【0118】
さらに、操作ユニット側制御部131は、原稿読取部102により読取られた一連の複数の原稿より構成される原稿束の表示画像を表示するとともに、原稿が追加読込みされる以前に読込まれた原稿に基づく原稿束の表示画像と、追加読込みされた原稿に基づく原稿束(以下、「追加原稿束」と称する。)の表示画像との複数の原稿束の表示画像をタッチパネルディスプレイ130上で識別可能にプレビュー表示する原稿束表示手段1311を備えている。
【0119】
また、操作ユニット側制御部131は、画像出力手段107により出力される画像の画像出力条件を設定する機能を有する機能設定手段1312を備えている。
【0120】
機能設定手段1312は、複数回に分けて複数原稿を読込んで複数の原稿束を形成する機能を有する大量原稿モード(追加入力モード)1313を備えている。大量原稿モード1313は、読込まれた複数の原稿束に対して、原稿束毎に画像出力条件を設定する機能と、読込まれた複数の原稿束に対して、一括して同一の画像出力条件を設定する機能とを備える。
【0121】
ここで、本実施形態において、大量原稿モードとは、例えば、読込み原稿の量がADF(自動原稿送り装置)にセット可能な枚数を超える場合に、一旦読取りを中断して原稿の継ぎ足し(追加読込み)を可能とするものを含むものとする。そして、継ぎ足したい原稿をADFにセットした後、スタートキーを押下することにより、読取りは再開する。
【0122】
また、機能設定手段1312は、画像データを追加入力する際に、追加入力される画像データと前に入力された画像データを区別するセクションを作成するセクション区切りを設定するセクション区切り設定手段1314と、セクション毎に設定された画像出力条件を保持するセクション対応画像出力条件保持手段1315と、画像出力条件の設定に基づき各セクションに応じた画像出力を実行させるセクション対応画像出力手段1316と、設定されたセクション区切りを任意に取消すことができるセクション区切り取消し手段1317を備えている。
【0123】
セクション区切り設定手段1314は、画像データを追加入力する際に、任意のタイミングでセクション区切りの設定する機能と、入力された順に蓄積された画像データ配列における任意の位置でセクション区切りの設定する機能とを備えている。
【0124】
さらに、機能設定手段1312は、画像出力条件の設定を行なうときには、当該機能設定手段1312の有する全ての機能の設定を可能としている。
【0125】
また、機能設定手段1312は、大量原稿モードに設定されていないときには、追加読込みされる原稿束の画像出力条件が先に読込まれた原稿束の画像出力条件と異なる場合は、追加読込みされる以前の原稿束を含めて一括して追加読込みされる原稿束の画像出力条件を反映させるようにされている。
【0126】
さらに、機能設定手段1312は、画像出力後のステープル/パンチ、ページ振り等の仕上げ処理を設定する仕上げ処理設定手段1318を備え、仕上げ処理の設定は、複数のセクションを同一の設定とすることができる。
【0127】
次に、本実施形態において、大量原稿モードでセクション区切りを設定して、追加読込みされる原稿の画像出力条件が設定変更された場合の画像出力の一例について模式図を参照して説明する。
【0128】
図9(a)は本実施形態の画像形成装置において大量原稿モードにおける追加読込時にセクション区切りを設定して作成したセクションに対応して画像出力条件の設定を変更する状態を示す説明図、(b)は前記画像形成装置の大量原稿モードにおける追加読込時に作成したセクションに対応した画像出力状態を示す説明図である。
【0129】
この例は、図9(a)に示すように、画像形成装置100の大量原稿モードにおける追加読込みにおいて、読込まれた複数の画像データにより構成された画像データ配列の複数箇所に画像データを区切るセクション区切りを設定して、設定されたセクション区切りにより作成されたセクションに応じてセクション毎に画像出力条件を設定したものである。
【0130】
具体的に説明すると、例えば、画像形成装置100の大量原稿モードにおける追加読込みにおいて、1回目の画像読込時の画像出力条件を「2in1・カラー」に設定し、1回目の画像読込みが終了した時点でセクション区切りSS1を設定して第1のセクションST1を作成する。そして、引き続き2回目の追加読込みを行なう。この時の画像出力条件の設定は、1回目の画像読込みの設定と同じ「2in1・カラー」である。
【0131】
そして、2回目の追加読込みが終了した時点で、画像出力条件を「4in1・カラー」に設定変更して3回目の追加読込みを行なう。そして、3回目の追加読込みが終了した時点でセクション区切りSS2を設定して第2のセクションST2を作成する。
【0132】
そして、引き続き4回目の追加読込みを行なった後に画像読込みを終了する。
この時の画像出力条件の設定は、3回目の追加読込みの設定と同じ「4in1・カラー」である。そして、4回目の追加読込みが終了した時点で、4回目の追加読込みされた画像データを一括りにする第3のセクションST3が作成される。
【0133】
次に、第3のセクションST3が作成された後に、第3のセクションST3を分割する場合は、第3のセクションST3内に第3のセクション区切りSS3を設定して、第3のセクションST3をセクションST3a,ST3bにセクション分割する。
第3のセクション区切りSS3を設定するときは、画像出力条件を「2in1・白黒」で設定する。
【0134】
以上のように、セクション区切りが設定されて、セクション毎に画像出力条件が設定された原稿束(画像データ配列)の画像出力状態は、図9(b)に示すように、1回目に読込まれた第1のセクションST1内の原稿束PP11は「2in1・カラー」の設定で出力され、2回目及び3回目に読込まれた第2のセクションST2内の原稿束PP12,PP13は「4in1・カラー」の設定で出力される。符号PP11aは原稿束PP11の出力画像、PP12aは原稿束PP12,PP13の出力画像を示す。
【0135】
そして、4回目に読込まれた第3のセクションST3内の原稿束PP14の画像出力状態は、セクション区切りSS3によりセクションST3a,ST3bにセクション分割されて、セクションST3a内の原稿束PP14aの出力画像PP14aaは「4in1・カラー」の設定で出力され、セクションST3b内の原稿束PP14bの出力画像PP14baは「2in1・白黒」の設定で出力される。
【0136】
以上のように、本実施形態によれば、追加読込みされる画像データ配列に対してセクション区切りを設定して、特定の画像データに対応したセクションを作成し、セクション毎に画像出力条件の設定をすることで、同じセクション内の画像データに対して同じ画像出力条件で画像出力を行なうことができる。
【0137】
次に、比較例として、大量原稿モードでセクション区切りが設定されることなく追加読込みされる原稿の画像出力条件が設定変更された場合の画像出力の一例について説明する。
図10(a)は本実施形態の画像形成装置において大量原稿モードでセクション区切りが設定されない場合における追加読込時に画像出力条件の設定が変更された状態を示す説明図、(b)は通常モードにおける画像出力状態を示す説明図である。
【0138】
比較例は、図10(a)に示すように、画像形成装置100の通常モードにおける追加読込みにおいて、追加読込みを行なうときに画像出力条件の設定変更を行なうものである。
【0139】
具体的に説明すると、例えば、画像形成装置100の通常モードにおける追加読込みにおいて、1回目及び2回目の画像読込時の画像出力条件を「2in1・カラー」に設定する。そして、3回目の追加読込み時に画像出力条件を「4in1・カラー」に設定変更して、引き続き4回目の追加読込みを行なう。この時の画像出力条件を設定は、3回目の画像読込みの設定と同じ「4in1・カラー」である。
【0140】
尚、従来は、追加読込みされた一連の追加原稿束の一部について画像出力条件の設定変更はできない。例えば、図10(a)に示すように、4回目の追加読込み時に画像出力条件を「4in1・カラー」に設定された原稿束PP24の一部を「2in1・白黒」に設定変更することはできない。
【0141】
従って、追加読込み時に画像出力条件が設定された原稿束(画像データ配列)の画像出力状態は、図10(b)に示すように、1回目及び2回目に読込まれた原稿束PP21,PP22は「2in1・カラー」の設定で出力され、3回目に読込まれた原稿束PP23及3回目以降に読込まれた4回目の原稿束PP24は、設定変更後の「4in1・カラー」の設定で出力される。符号PP21aは原稿束PP21,PP22の出力画像、PP23aは原稿束PP23,PP24の出力画像を示す。
【0142】
すなわち、比較例では、画像出力条件の設定変更は、原稿の追加読込みが行なわれるときに可能であり、本実施形態のような複雑な設定変更を行なうことができない。
【0143】
次に、本実施形態の画像形成装置100において、原稿読取部102により原稿の追加読取りを行なう場合について、実施例に基づき図面を参照して説明する。
【0144】
(実施例1)
実施例1は、画像形成装置100において、コピーモードで原稿読取りを大量原稿モードに設定して、追加読込のタイミングでセクションを挿入して画像出力条件を設定変更するセクションを作成するものである。
図11は実施例1の画像形成装置におけるコピーモード初期画面を示す説明図、図12は前記画像形成装置において原稿読取りが終了した後にセクション区切りを挿入して追加読込みを行なうときの表示画面を示す説明図、図13は前記画像形成装置において原稿読取り後に追加読取りを行なった場合の追加原稿束を含む複数の原稿束のプレビュー表示された表示画面を示す説明図、図14は読込まれた原稿束を表すその他のプレビュー表示の例を示す説明図である。
【0145】
画像形成装置100において、大量原稿モードによりコピー原稿を読取る場合は、タッチパネルディスプレイ130に表示されたホーム画面においてユーザがコピーモードを選択して、図11に示すように、コピーモード初期画面8100を表示する。
【0146】
そして、スキャンインキー5102をタッチして原稿の読込みを開始する。原稿は、例えば、原稿読取部102にA4横送りに複数枚セットされている。
【0147】
原稿が原稿読取部102に読取られると、読取られた複数の原稿の画像データに基づき表示画像生成手段137により複数の原稿よりなる原稿束をイメージする表示画像が生成されて、図12に示すように、プレビュー領域3000中央部に第1の原稿束PP11が表示される。この時、第1の原稿束PP11には、読込まれた原稿の先頭ページの画像情報が表示される。スキャンインキー5102は、「スキャンイン」から「追加スキャンイン」に表示が変更される。
【0148】
この時点で、セクション区切りを設定して、追加読込みを行なう場合は、図12に示すように、セクション区切り設定手段1314として機能するセクション区切りキー5110をタッチしてセクション区切りを設定した後に、追加スキャンインキー5102をタッチして原稿の追加読込みを開始する。
【0149】
次に、追加読込みが実行されると、図13に示すように、追加読込みされた複数の原稿の画像データに基づき表示画像生成手段137により第2の原稿束(追加原稿束)PP12が生成されてプレビュー領域3000に表示される。第2の原稿束PP12は、第1の原稿束PP11と同じ大きさで、第1の原稿束PP11の背後に重ねて配置される。第2の原稿束PP12は、その存在が確認できるように一部を第1の原稿束PP11の下から露出した状態で配置される。
【0150】
実施例1では、原稿が読込まれた原稿束PP11,PP12をプレビュー領域3000において重ねてプレビュー表示しているが、その他のプレビュー表示の例として、図14に示すように、プレビュー領域3000にプレビュー表示された原稿束PP1nを挟んで、原稿束PP1nの左右側端部付近(最初の原稿束と最後の原稿束の場合は一方の側端付近)にページ捲り用スイッチ1312c1,1312c2を表示するようにしてもよい。
【0151】
このように構成することで、ページ捲り用スイッチ1312c1,1312c2をタッチすることで、前後して追加読込みされた原稿束を簡単にプレビュー表示することができる。
【0152】
また、その他のプレビュー表示の例として、図15に示すように、セクション区切りを設定することで作成されたセクションST11,ST12,ST13,ST14・・・毎に背景の色を異ならせて表示するようにしても良い。
【0153】
また、図16に示すように、表示画像をページ捲り可能な3D表示によりプレビュー表示して、作成されたセクションST21,ST22,ST23,ST24・・・に対応してスクロールバー3110の色を異ならせて表示するようにしても良い。
【0154】
(実施例2)
実施例2は、画像形成装置100において、原稿読取り後の画像出力の編集時にセクション区切りを挿入して画像出力条件を設定変更するセクションを作成するものである。
図17は実施例2の画像形成装置における編集画面を示す説明図、図18は前記編集画面においてセクション区切りの設定を開始するときの操作状態を示す説明図、図19は前記編集画面においてセクション区切りを設置する操作の一例を示す説明図、図20は前記編集画面においてセクション区切りを設置する操作のその他の例を示す説明図である。
【0155】
画像形成装置100において、原稿読取部102により読込まれた画像データに基づき出力される画像を編集する場合は、図17に示すように、タッチパネルディスプレイ130に拡大表示されるプレビュー領域3000に表示される編集画面9100において、画面をタッチ操作することで、プレビュー表示された複数の表示画像(画像配列)Pn+1,Pn+2,Pn+3,・・・に対してセクション区切りを設定し、作成されたセクションに対してセクション毎に画像出力条件を設定変更して、出力画像の編集を行なう。
【0156】
タッチパネルディスプレイ130上で出力画像を編集する場合は、図17に示すように、タッチパネルディスプレイ130において拡大表示されたプレビュー領域3000に編集画面9100が表示され、画像データに基づく複数の表示画像Pn+1,Pn+2,Pn+3,・・・が複数ページ図中左右方向でスクロール可能に並んでプレビュー表示される。
【0157】
プレビュー領域3000の下側には、セクション区切り設定手段1314として機能するセクション挿入指示ボタン9101が表示されている。図18に示すように、セクション挿入指示ボタン9101をタッチ操作すると、図19に示すように、編集画面9100上にセクション挿入位置を指定する矢印(指示部)9102が表示される。
【0158】
プレビュー表示された複数の表示画像Pn+1,Pn+2,Pn+3,・・・の画像配列に対してセクション区切りを設定する場合は、矢印9102をタッチして挿入する位置まで移動して、挿入位置を決定することで、セクション区切りを設定することができる。
【0159】
このようにして、プレビュー表示された複数の表示画像に対してセクション区切りを設定することで、画像出力条件を設定するセクションを作成することができる。そして、作成されたセクション毎に画像出力条件を設定変更することができるので、所望する画像出力を実現することができる。
【0160】
その他の例として、図20に示すように、セクション区切り設定手段1314として機能するセクション挿入指示ボタン9101をタッチすることで、編集画面9100上でセクション挿入位置を直接指でタッチして指定することを可能にして、セクション区切りSS11,SS12を設定するようにしてもよい。
【0161】
以上のように構成したので、本実施形態によれば、画像形成装置100において、操作ユニット側制御部131の構成として、画像出力手段107により出力される画像の画像出力条件を設定する機能を有する機能設定手段1312を備え、機能設定手段1312の構成として、大量原稿モード1313を備えるとともに、セクション区切り設定手段1314と、セクション対応画像出力条件保持手段1315と、セクション対応画像出力手段1316とを備えることで、複数のページからなる原稿をセクション単位で区切り、セクション毎に画像出力条件の設定を保持させ、その設定で処理を実行させることができる。これにより、画像出力において複雑な組合せの処理が可能となるので、ユーザが意図する原稿仕上がりを実現することができる。
【0162】
また、本実施形態によれば、機能設定手段1312の構成として、設定されたセクション区切りを任意に取消すことができるセクション区切り取消し手段1317を備えているので、セクションの範囲を変更したいときや、画像出力条件を一度に変更したいときなどに、簡単に設定変更することが可能になる。例えば、画像出力条件をあらためて設定しなおすときは、すべてのセクション区切りを取消すことで、一括して全ての画像データに対して新たに設定することができる。
【0163】
また、本実施形態によれば、機能設定手段1312の構成として、画像出力後のステープル/パンチ、ページ振り等の仕上げ処理を設定する仕上げ処理設定手段1318を備えているので、仕上げ処理の設定を行なうときは、複数のセクションを同一の設定とすることができるので、簡単に仕上げ処理を行なうことができる。
【0164】
尚、上述した実施形態や実施例では、本発明に係る操作ユニット120を図1に示すような画像形成装置100に適用した例について説明したが、画像データを追加読込み(追加入力)が可能で、印刷する前に表示パネル等に原稿画像をプレビュー表示が可能な操作ユニットを備える画像形成装置であれば、上述したような構成の画像形成装置や複写機に限定されるものではなく、その他の画像形成装置等に展開が可能である。
【0165】
また、上述した実施形態や実施例では、原稿束は複数の原稿より構成されるものとして説明したが、本発明はこの構成に限定されるものではなく、原稿束が1枚の原稿より構成される場合も含まれる。
【0166】
以上のように、本発明は、上述した実施形態や実施例に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、すなわち、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0167】
100 画像形成装置
101 主制御部
102 原稿読取部(入力手段)
103 画像処理手段
104 画像形成部
105 蓄積手段
107 画像出力手段
111 パンチングユニット
112 ステープルユニット
120 操作ユニット(画像表示操作装置)
130 タッチパネルディスプレイ(表示手段)
131 操作ユニット側制御部(表示制御手段)
132 表示パネル(表示手段)
134 タッチパネル
135 操作位置検出手段
136 画面表示手段
137 表示画像生成手段
1000 システム領域
1311 原稿束表示手段
1312 機能設定手段
1312c1,1312c2 ページ捲り用スイッチ
1313 大量原稿モード
1314 セクション区切り設定手段
1315 セクション対応画像出力条件保持手段
1316 セクション対応画像出力手段
1317 セクション区切り取消し手段
1318 仕上げ処理設定手段
2000 機能選択領域
3000 プレビュー領域
3110 スクロールバー
4000 アクションパネル領域
5000 タスクトリガー領域
5102 スキャンインキー(追加スキャンインキー)
5104 クリアオールキー
5106 モノクロスタートキー
5108 カラースタートキー
5110 セクション区切りキー
8100 コピーモード初期画面
9100 編集画面
9101 セクション挿入指示ボタン
9102 矢印
PP11,PP12,PP13,PP14,PP14a,PP14b,
PP1n,PP21,PP22,PP23,PP24 原稿束
PP11a,PP14aa,PP14ba,PP21a,PP23a 出力画像
Pn 表示画像
SS1,SS2,SS3,SS11,SS12 セクション区切り
ST1,ST2,ST3,ST3a,ST3b,
ST11,ST12,ST13,ST14,
ST21,ST22,ST23,ST24 セクション

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データを追加入力する機能を有する入力手段と、前記入力手段から入力される画像データを蓄積する蓄積手段と、前記蓄積手段に蓄積された画像データに基づいて画像出力を行なう出力手段とを備えるとともに、前記出力手段により出力される画像の画像出力条件を設定する機能を有する機能設定手段と、前記蓄積手段に蓄積された画像データに基づいて表示画像を生成する表示画像生成手段と、前記表示画像生成手段により生成された表示画像を表示する表示画面を備えた表示手段と、前記入力手段から入力される画像データに基づく表示画像を前記表示手段にプレビュー表示する機能を備えた表示制御手段とを具備する画像表示操作装置を備える画像形成装置において、
前記機能設定手段は、複数回に分けて画像データを入力して複数の画像データを形成する機能を有する追加入力モードを備え、さらに、画像データを追加入力する際に、追加入力される画像データと前に入力された画像データを区別するセクションを作成するセクション区切りを設定する機能と、前記セクション毎に設定された画像出力条件を保持する機能と、前記画像出力条件の設定に基づき各セクションに応じた画像出力を実行させる機能と、を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記機能設定手段は、画像データを追加入力する際に、任意のタイミングで実行可能に前記セクション区切りを設定する機能を備えることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記機能設定手段は、入力された順に蓄積された画像データ配列における任意の位置で前記セクション区切りの設定する機能を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記機能設定手段は、前記セクション区切りで区切られたセクション内において、画像データ配列における任意の位置で設定された画像出力条件の設定変更を可能とする機能と、前記画像出力条件の設定変更を同一セクション内全体に反映する機能と、を備えることを特徴とする請求項1から3のうちの何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記機能設定手段は、前記画像出力条件の設定を行なうときには、当該機能設定手段の有する全ての機能の設定を可能とすることを特徴とする請求項1から4のうちの何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記機能設定手段は、設定されたセクション区切りを任意に取消すことができる機能を備えることを特徴とする請求項1から5のうちの何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記機能設定手段は、仕上げ処理を設定する機能を備え、前記仕上げ処理の設定は、複数のセクションを同一の設定とすることを可能とすることを特徴とする請求項1から6のうちの何れか一項に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2012−68973(P2012−68973A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−214150(P2010−214150)
【出願日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】