説明

画像形成装置

【課題】 画像形成ユニットの上に開閉自在に装着された画像読取ユニットと、画像読取ユニットの上に開閉自在に装着された原稿搬送ユニットとの開閉を適切に制御し、これらが一緒に開放されるのを禁止して、原稿搬送ユニットにセットされた原稿が落下したりするのを簡単に防止する。
【解決手段】 記録シートSに画像を形成する画像形成ユニット10と、画像形成ユニットの上に開閉自在に装着されて原稿の画像を読み取る画像読取ユニット20と、画像読取ユニットの上に開閉自在に装着されて原稿を画像読取ユニットの第1原稿読取部に搬送させる原稿搬送ユニット30とを備えた画像形成装置において、画像読取ユニット内において移動するスキャナー23の停止位置に基づいて、画像読取ユニットと原稿搬送ユニットとの少なくとも一方の開放を禁止するロック手段50,60を設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機,ファクシミリ及びこれらの複合機などの画像形成装置に関するものである。特に、記録シートに画像を形成する画像形成ユニットと、この画像形成ユニットの上に開閉自在に装着されて原稿の画像を読み取る画像読取ユニットと、この画像読取ユニットの上に開閉自在に装着されて原稿を画像読取ユニットの第1原稿読取部に搬送させる原稿搬送ユニットとを備えた画像形成装置において、画像読取ユニットと原稿搬送ユニットとの開閉を適切に制御し、画像読取ユニットと原稿搬送ユニットとが一緒に開放されるのを禁止して、原稿搬送ユニットに原稿がセットされた場合等において、原稿搬送ユニットにセットされた原稿が落下したりするのを簡単に防止できるようにした点に特徴を有するものである。
【背景技術】
【0002】
複写機,ファクシミリ及びこれらの複合機などの画像形成装置においては、記録シートに画像を形成する画像形成ユニットの上に、原稿の画像を読み取る画像読取ユニットを開閉自在に装着させ、さらにこの画像読取ユニットの上に、原稿をこの画像読取ユニットの第1原稿読取部に搬送させる原稿搬送ユニットを開閉自在に装着させたものが用いられるようになっている。
【0003】
そして、このような画像形成装置においては、上記の画像読取ユニットや原稿搬送ユニットを開放させて、画像形成装置におけるジャム処理やメンテナンス等を行うようにしている。
【0004】
ここで、画像形成ユニットの上において上記の画像読取ユニットが開放された状態で、さらにこの画像読取ユニットの上において原稿搬送ユニットが開放されると、画像形成ユニットに対して原稿搬送ユニットが大きく開放され、特に、画像読取ユニットと原稿搬送ユニットとが同じ方向に開閉される場合には、原稿搬送ユニットが画像形成ユニットに対して大きく傾いて開放され、原稿搬送ユニットに原稿をセットさせた状態では、セットされた原稿が原稿搬送ユニットから落下したり、また大きく傾いて開放された原稿搬送ユニットが人や物に当たって傷ついたり、さらに小型の画像形成装置においては、転倒したりする等の問題があった。
【0005】
そして、従来においては、特許文献1において、原稿搬送ユニット内に原稿が存在する場合に、この原稿搬送ユニットをロック機構によりロックして、原稿搬送ユニットが開放されるのを防止するようにしたものが提案されている。
【0006】
しかし、この特許文献1のものにおいては、画像形成ユニットの上において画像読取ユニットが開放された状態で、さらにこの画像読取ユニットの上において原稿搬送ユニットが開放されるのを防止するようにはなっておらず、上記のような問題を解決することはできない。
【0007】
また、特許文献2においては、画像読取ユニットを開放させた状態では原稿搬送ユニットを開放できないようにしたものが、特許文献3,4においては、画像形成ユニットの上において画像読取ユニットが開放された状態では、原稿搬送ユニットを開放できないようにすると共に、原稿搬送ユニットを開放させた状態では、画像読取ユニットを開放できないようにしたものが提案されている。
【0008】
ここで、これらの特許文献2〜4のものにおいては、画像読取ユニットと原稿搬送ユニットとの両方が開放されるのを防止できるようになっているが、必要に応じて、画像読取ユニットと原稿搬送ユニットとの両方の開閉を適切に制御するということはできなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2007−180788号公報
【特許文献2】特開2007−65066号公報
【特許文献3】特開2006−42003号公報
【特許文献4】特開2009−111728号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、記録シートに画像を形成する画像形成ユニットの上に、原稿の画像を読み取る画像読取ユニットを開閉自在に装着させ、さらにこの画像読取ユニットの上に、原稿をこの画像読取ユニットの第1原稿読取部に搬送させる原稿搬送ユニットを開閉自在に装着させた画像形成装置における上記のような問題を解決することを課題とするものである。
【0011】
すなわち、本発明においては、上記のような画像形成装置において、画像読取ユニットと原稿搬送ユニットとの開閉を適切に制御し、画像読取ユニットと原稿搬送ユニットとが一緒に開放されるのを禁止して、原稿搬送ユニットに原稿がセットされた場合等において、原稿搬送ユニットにセットされた原稿が落下したりするのを簡単に防止できるようにすることを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の第1の画像形成装置においては、上記の課題を解決するため、記録シートに画像を形成する画像形成ユニットと、この画像形成ユニットの上に開閉自在に装着されて原稿の画像を読み取る画像読取ユニットと、この画像読取ユニットの上に開閉自在に装着されて原稿を画像読取ユニットの第1原稿読取部に搬送させる原稿搬送ユニットとを備えた画像形成装置において、上記の画像読取ユニット内において移動するスキャナーの停止位置に基づいて、上記の画像読取ユニットと原稿搬送ユニットとの少なくとも一方の開放を禁止するロック手段を設けるようにした。
【0013】
このように、画像読取ユニット内において移動するスキャナーの停止位置に基づいて、ロック手段により画像読取ユニットと原稿搬送ユニットとの少なくとも一方の開放を禁止させるようにすると、スキャナーを適当な位置に移動させて停止させることにより、画像読取ユニットと原稿搬送ユニットとの開閉を適切に制御できるようになり、画像読取ユニットと原稿搬送ユニットとが一緒に開放されるのを適切に防止することができ、特に、画像読取ユニットと原稿搬送ユニットとが同じ方向に開閉されるような場合に、画像形成ユニットに対して原稿搬送ユニットが大きく傾いて開放されるのが防止されるようになる。
【0014】
そして、上記の画像形成装置においては、上記の原稿搬送ユニットに原稿がセットされたことを検知する原稿検知手段を設け、この原稿検知手段によって原稿がセットされたことが検知された場合に、上記のスキャナーを原稿搬送ユニットによって第1原稿読取部に搬送される原稿を読み取る第1原稿読取動作位置に移動させて、上記のロック手段により画像読取ユニットと原稿搬送ユニットとの少なくとも一方の開放を禁止させるようにすることができる。
【0015】
また、上記の画像形成装置においては、上記の画像読取ユニットの開放を禁止する第1ロック手段と、原稿搬送ユニットの開放を禁止する第2ロック手段とを設け、画像読取ユニットと原稿搬送ユニットとの開閉を個別に制御させるようにすることができる。
【0016】
また、上記の画像形成装置においては、画像読取ユニットの開閉を検知する第1検知手段と、原稿搬送ユニットの開閉を検知する第2検知手段とを設け、上記の第1検知手段及び第2検知手段による検知結果に基づいて、スキャナーを所定位置に移動させて、画像読取ユニットと原稿搬送ユニットとの少なくとも一方の開放を禁止させるようにすることもできる。
【0017】
また、上記の画像形成装置の電源をオフした状態で、上記の画像読取ユニットと原稿搬送ユニットとが開放されて、画像形成装置が転倒したり、開放された画像読取ユニットや原稿搬送ユニットが人や物に当たって傷ついたりするのを防止するため、画像形成装置の電源をオフした場合に、上記のスキャナーが所定位置に移動して、上記のロック手段により原稿搬送ユニットと画像読取ユニットとの両方の開放が禁止されるようにすることが好ましい。
【0018】
また、本発明の第2の画像形成装置においては、上記の課題を解決するため、記録シートに画像を形成する画像形成ユニットと、この画像形成ユニットの上に開閉自在に装着されて原稿を画像読取ユニットの第1原稿読取部に搬送させる原稿搬送ユニットとを備えた画像形成装置において、画像読取ユニットの開閉を検知する第1検知手段と、原稿搬送ユニットの開閉を検知する第2検知手段とが設けられ、上記の第1検知手段又は第2検知手段において、画像読取ユニット又は原稿搬送ユニットの開放が検知された場合に、ロック手段により他方の原稿搬送ユニット又は画像読取ユニットの開放が禁止されるようにした。
【発明の効果】
【0019】
本発明の第1の画像形成装置のように、画像読取ユニット内において移動するスキャナーの停止位置に基づいて、ロック手段により画像読取ユニットと原稿搬送ユニットとの少なくとも一方の開放を禁止させるようにすると、スキャナーを適当な位置に移動させて停止させることにより、画像読取ユニットと原稿搬送ユニットとの開閉を適切に制御できるようになり、画像読取ユニットと原稿搬送ユニットとが一緒に開放されるのを適切に防止することができ、特に、画像読取ユニットと原稿搬送ユニットとが同じ方向に開閉されるような場合に、画像形成ユニットに対して原稿搬送ユニットが大きく傾いて開放されるのが防止されるようになる。
【0020】
また、本発明の第2の画像形成装置のように、画像読取ユニットの開閉を検知する第1検知手段と、原稿搬送ユニットの開閉を検知する第2検知手段とを設け、第1検知手段又は第2検知手段により、画像読取ユニット又は原稿搬送ユニットの開放が検知された場合に、ロック手段により他方の原稿搬送ユニット又は画像読取ユニットの開放を禁止させるようにした場合にも、画像読取ユニットと原稿搬送ユニットとが一緒に開放されるのが適切に防止されるようになり、特に、画像読取ユニットと原稿搬送ユニットとが同じ方向に開閉されるような場合に、画像形成ユニットに対して原稿搬送ユニットが大きく傾いて開放されるのが防止されるようになる。
【0021】
この結果、本発明の第1及び第2の画像形成装置においては、画像読取ユニットと原稿搬送ユニットとが一緒に開放されるのが防止され、特に、画像読取ユニットと原稿搬送ユニットとが同じ方向に開閉される場合、原稿搬送ユニットが大きく傾いて開放され、原稿搬送ユニットに原稿をセットさせた状態で、セットされた原稿が原稿搬送ユニットから落下したり、また大きく傾いて開放された原稿搬送ユニットが人や物に当たって傷ついたり、さらに小型の画像形成装置の場合に転倒したりするのが防止されるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置を使用する状態を示した概略説明図である。
【図2】上記の実施形態に係る画像形成装置において、画像形成ユニットの上に開閉自在に装着された画像読取ユニットを第1ロック手段によってロックさせると共に、画像読取ユニットの上に開閉自在に装着された原稿搬送ユニットを第2ロック手段によってロックさせた状態を示した概略側面図である。
【図3】第1の実施形態に係る画像形成装置において、スキャナーが停止するホームポジションと、第1原稿読取位置と、待機位置とを示した概略部分説明図である。
【図4】第2の実施形態に係る画像形成装置において、スキャナーが停止するホームポジションと、第1原稿読取位置と、待機位置と、第1原稿読取位置と待機位置との間の中間位置を示した概略部分説明図である。
【図5】第2の実施形態に係る画像形成装置において、スキャナーがホームポジションにある場合における第1ロック手段と第2ロック手段の状態を示した概略部分説明図である。
【図6】第2の実施形態に係る画像形成装置において、スキャナーが第1原稿読取位置にある場合における第1ロック手段と第2ロック手段の状態を示した概略部分説明図である。
【図7】第2の実施形態に係る画像形成装置において、スキャナーが第1原稿読取位置と待機位置との間の中間位置にある場合における第1ロック手段と第2ロック手段の状態を示した概略部分説明図である。
【図8】第2の実施形態に係る画像形成装置において、スキャナーが待機位置にある場合における第1ロック手段と第2ロック手段の状態を示した概略部分説明図である。
【図9】第2の実施形態に係る画像形成装置において、スキャナーを移動させて、第1ロック手段及び第2ロック手段により、画像読取ユニットや原稿搬送ユニットの開閉を制御する動作を示したフローチャートである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
次に、本発明の実施形態に係る画像形成装置を添付図面に基づいて具体的に説明する。なお、本発明に係る画像形成装置は、下記の実施形態に示したものに限定されず、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施できるものである。
【0024】
この実施形態に係る画像形成装置においては、図1に示すように、記録シートSに画像を形成する画像形成ユニット10の上に、原稿の画像を読み取る画像読取ユニット20が開閉可能に設けられると共に、この画像読取ユニット20の上に、原稿(図示せず)を画像読取ユニット20における第1原稿読取部21に搬送させる原稿搬送ユニット30が開閉可能に設けられている。
【0025】
そして、この実施形態における上記の画像形成ユニット10においては、感光体12a、この感光体12aの表面を帯電させる帯電装置12b、帯電された感光体12aの表面に上記の画像読取ユニット20において読み取られた原稿の画像等に応じた画像情報に基づく露光を行って静電潜像を形成する潜像形成装置12c、感光体12aの表面に形成された静電潜像にトナーを供給してトナー像を形成する現像装置12d等を備えた4つのイメージングカートリッジ11A〜11Dを装着させるようにしている。
【0026】
ここで、上記の各イメージングカートリッジ11A〜11Dにおける各現像装置12dには、黒色,黄色,マゼンダ色,シアン色の異なった色彩のトナーを収容されており、各イメージングカートリッジ11A〜11Dにおける各感光体12aの表面にそれぞれの色彩のトナー像を形成するようにしている。
【0027】
そして、このように各イメージングカートリッジ11A〜11Dにおける各感光体12aの表面に形成された各色彩のトナー像を、回転駆動される中間転写ベルト13に順々に転写させて、この中間転写ベルト13の上にフルカラーのトナー像を形成する。
【0028】
次いで、上記のように中間転写ベルト13の上に形成されたフルカラーのトナー像を転写ローラ14の位置に導く一方、給紙ローラ15により記録シートSを給紙し、タイミングローラ16によってこの記録シートSを適当なタイミングで上記の中間転写ベルト13と転写ローラ14との間に導き、中間転写ベルト13の上に形成されたフルカラーのトナー像をこの記録シートSに転写させる。
【0029】
そして、このようにフルカラーのトナー像が転写された記録シートSを定着装置17に導き、上記のフルカラーのトナー像を記録シートSに定着させた後、この記録シートSを排紙させるようにしている。
【0030】
また、上記の画像読取ユニット20においては、その上面部に、原稿搬送ユニット30によって搬送される原稿の画像を読み取る第1原稿読取部21と、セットされた原稿を読み取る第2原稿読取部22とを設けると共に、その内部に、ホームポジションから上記の第1原稿読取部21及び第2原稿読取部22にわたって移動するスキャナー23を設けている。
【0031】
そして、このスキャナー23を第1原稿読取部21に導き、上記の原稿搬送ユニット30によって第1原稿読取部21に導かれた原稿に、このスキャナー23から光を照射させて、第1原稿読取部21に導かれた原稿における画像を読み取るようにし、また第2原稿読取部22にセットされた原稿にスキャナー23から光を照射させながら、このスキャナー23を第2原稿読取部22に沿って移動させ、第2原稿読取部22にセットされた原稿における画像を読み取るようにしている。
【0032】
また、上記の原稿搬送ユニット30においては、原稿トレイ31にセットされた原稿をピックアップローラや給紙ローラ等の各種ローラ32により給紙、搬送させて、この原稿を上記の第1原稿読取部21に導き、上記のようにしてこの原稿における画像を読み取った後、排紙させるようにしている。
【0033】
また、この実施形態における画像形成装置においては、図2に示すように、上記の画像形成ユニット10の上に、ヒンジ等の第1開閉部材41により画像読取ユニット20を上方に向けて開閉可能に取り付けると共に、この画像読取ユニット20の上に、ヒンジ等の第2開閉部材42により原稿搬送ユニット30を画像読取ユニット20と同じように上方に向けて開閉可能に取り付けている。
【0034】
さらに、上記の画像形成ユニット10に、画像読取ユニット20の開閉を検知する第1検知手段43を設けると共に、上記の原稿搬送ユニット30に、この原稿搬送ユニット30の開閉を検知する第2検知手段44を設けている。また、上記の原稿搬送ユニット30に、上記の原稿トレイ31に原稿がセットされたかを検知する原稿検知手段45を設け、さらに上記の画像読取ユニット20に、上記のスキャナー23がホームポジションに存在するかを検出するホームポジションセンサー46を設けている。
【0035】
また、この実施形態における画像形成装置においては、上記の画像読取ユニット20に、この画像読取ユニット20が画像形成ユニット10から開放されるのを禁止する第1ロック手段50と、上記の原稿搬送ユニット30が画像読取ユニット20から開放されるのを禁止する第2ロック手段60とを設けている。
【0036】
ここで、上記の第1ロック手段50においては、電磁ソレノイド51のオン・オフによりロックレバー52を回動させるようにし、この電磁ソレノイド51により、ロックレバー52を画像読取ユニット20から画像形成ユニット10に突出するように回動させて係止させ、これにより画像読取ユニット20が画像形成ユニット10から開放されるのを禁止するようにしている。また、上記の第2ロック手段60においても、電磁ソレノイド61のオン・オフによりロックレバー62を回動させるようにし、この電磁ソレノイド61により、ロックレバー62を画像読取ユニット20から原稿搬送ユニット30に突出するように回動させて係止させ、これにより原稿搬送ユニット30が画像読取ユニット20から開放されるのを禁止するようにしている。
【0037】
また、第1の実施形態における画像形成装置においては、図3に示すように、上記のスキャナー23が、上記のホームポジションP1と、上記の第1原稿読取部21に搬送される原稿を読み取る第1原稿読取位置P2と、待機位置P3とにおいて停止されるようにしている。
【0038】
そして、スキャナー23が上記の第1原稿読取位置P2と待機位置P3とにある場合には、上記の第1ロック手段50によって画像読取ユニット20が画像形成ユニット10から開放されるのを禁止するようにしている。
【0039】
また、第1の実施形態における画像形成装置においては、上記の原稿搬送ユニット30における原稿トレイ31に原稿がセットされ、原稿トレイ31に原稿が存在することが上記の原稿検知手段45によって検知されると、上記のスキャナー23が第1原稿読取位置P2に移動して、第1ロック手段50により、画像読取ユニット20が画像形成ユニット10から開放されるのを禁止するようになっている。また、上記の原稿搬送ユニット30によって第1原稿読取部21に導かれた原稿を上記のスキャナー23によって読み取るにあたり、このスキャナー23が上記の待機位置P3に導かれて色補正などを行う場合にも、第1ロック手段50により、画像読取ユニット20が画像形成ユニット10から開放されるのを禁止するようになっている。
【0040】
そして、原稿トレイ31にセットされた全ての原稿が上記の第1原稿読取部21に導かれて排紙され、原稿トレイ31に原稿がなくなったことが上記の原稿検知手段45によって検知されると、上記のスキャナー23がホームポジションP1に移動され、スキャナー23がホームポジションP1に導かれたことが上記のホームポジションセンサー46によって検知されると、上記の第1ロック手段50が開放されて、画像読取ユニット20を画像形成ユニット10から開放できるようになる。
【0041】
なお、この第1の実施形態における画像形成装置においては、スキャナー23が上記の第1原稿読取位置P2と待機位置P3とにある場合に、第1ロック手段50によって画像読取ユニット20が画像形成ユニット10から開放されるのを禁止するようにしたが、第1ロック手段50に代えて、上記の第2ロック手段60により、原稿搬送ユニット30が画像読取ユニット20から開放されるのを禁止させるようにすることもできる。
【0042】
また、上記のスキャナー23の位置とは別に、上記の第1検知手段43によって、画像読取ユニット20が画像形成ユニット10から開放されたことが検知された場合に、第2ロック手段60によって原稿搬送ユニット30が画像読取ユニット20から開放されるのを禁止させる一方、上記の第2検知手段44によって、原稿搬送ユニット30が画像読取ユニット20から開放されたことが検知された場合に、第1ロック手段50によって画像読取ユニット20が画像形成ユニット10から開放されるのを禁止させるようにすることもできる。
【0043】
次に、第2の実施形態における画像形成装置においては、図4に示すように、上記のスキャナー23が上記のホームポジションP1と、上記の第1原稿読取部21に搬送される原稿を読み取る第1原稿読取位置P2と、待機位置P3と、さらに第1原稿読取位置P2と待機位置P3との間の中間位置P4において停止されるようにしている。
【0044】
そして、スキャナー23が第1原稿読取位置P2にある場合には、上記の第1ロック手段50によって画像読取ユニット20が画像形成ユニット10から開放されるのが禁止され、待機位置P3にある場合には、上記の第2ロック手段60によって原稿搬送ユニット30が画像読取ユニット20から開放されるのが禁止され、第1原稿読取位置P2と待機位置P3との間の中間位置P4にある場合には、上記の第1ロック手段50と第2ロック手段60とによって画像読取ユニット20が画像形成ユニット10から開放されるのが禁止されると共に、原稿搬送ユニット30が画像読取ユニット20から開放されるのも禁止されるようにしている。
【0045】
ここで、第2の実施形態における画像形成装置においては、画像形成装置の電源がオフされた場合に、スキャナー23が上記の中間位置P4に移動して、画像読取ユニット20と原稿搬送ユニット30との両方の開放を禁止するようにしており、例えば、この画像形成装置の電源がオフされた状態で、この画像形成装置に不意な力が加わったとしても、画像読取ユニット20や原稿搬送ユニット30が勝手に開放されて、人や物に当たって傷ついたり、小型の画像形成装置の場合に転倒したりするのを防止するようにしている。
【0046】
そして、上記のようにスキャナー23が第1原稿読取位置P2にある場合に、第1ロック手段50によって画像読取ユニット20が開放されるのを禁止し、待機位置P3にある場合に、第2ロック手段60によって原稿搬送ユニット30が開放されるのを禁止し、第1原稿読取位置P2と待機位置P3との間の中間位置P4にある場合に、第1ロック手段50と第2ロック手段60とによって画像読取ユニット20と原稿搬送ユニット30との両方の開放を禁止するにあたっては、上記のように第1ロック手段50における電磁ソレノイド51のオン・オフと、第2ロック手段60における電磁ソレノイド61のオン・オフを電気的に制御させて行うことができる。
【0047】
また、このように第1ロック手段50と第2ロック手段60のオン・オフを電気的に制御させる他、図5〜図8に示すように、第1ロック手段50として、上下方向に移動する可動部材53を付勢部材54により上方に付勢させると共に、この可動部材53の下端部にロックレバー55を回動可能に取り付けたものを用い、また第2ロック手段60として、上下方向に移動する可動部材63を付勢部材64により下方に付勢させると共に、この可動部材63の上端部にロックレバー65を回動可能に取り付けたものを用い、上記のスキャナー23に、上記の各可動部材53,63をそれぞれ付勢部材54,64に抗して押圧させる押圧板23aをその移動方向に沿って設け、スキャナー23を移動させて適当な位置に停止させて、上記の第1ロック手段50と第2ロック手段60のオン・オフを機械的に制御させることもできる。
【0048】
そして、上記のスキャナー23がホームポジションP1にある場合には、図5に示すように、スキャナー23に設けられた押圧板23aが第1ロック手段50と第2ロック手段60の何れの可動部材53,63にも接触せず、これらの可動部材53,63がそれぞれ付勢部材54,64により付勢された状態で維持されて、各ロックレバー55,65によって画像形成ユニット10や原稿搬送ユニット30が係止されず、画像読取ユニット20と原稿搬送ユニット30とが自由に開放できる状態になる。
【0049】
次に、上記のスキャナー23が移動して第1原稿読取位置P2に導かれた場合には、図6に示すように、スキャナー23に設けられた押圧板23aにより、第1ロック手段50における可動部材53だけが付勢部材54に抗して下方に押し込まれ、これにより第1ロック手段50におけるロックレバー55が画像読取ユニット20から画像形成ユニット10に突入されながら回動されて、このロックレバー55が画像形成ユニット10に係止され、第1ロック手段50によって画像読取ユニット20だけが画像形成ユニット10から開放されるのが禁止されるようになる。一方、第2ロック手段60においては、可動部材63が付勢部材64により下方に付勢された状態で維持され、ロックレバー65が原稿搬送ユニット30に係止されず、原稿搬送ユニット30が画像読取ユニット20に対して自由に開放できる状態になっている。
【0050】
また、上記のスキャナー23が移動して第1原稿読取位置P2と待機位置P3との間の中間位置P4に導かれた場合には、図7に示すように、スキャナー23に設けられた押圧板23aにより、第1ロック手段50における可動部材53が付勢部材54に抗して下方に押し込まれ、これにより第1ロック手段50におけるロックレバー55が画像読取ユニット20から画像形成ユニット10に突入されながら回動されて、このロックレバー55が画像形成ユニット10に係止されると共に、第2ロック手段60における可動部材63が付勢部材64に抗して上方に押し上げられ、これにより第2ロック手段60におけるロックレバー65が画像読取ユニット20から原稿搬送ユニット30に突入されながら回動され、こロックレバー65が原稿搬送ユニット30に係止され、画像読取ユニット20と原稿搬送ユニット30の両方が、第1ロック手段50と第2ロック手段60とによって開放されるのが禁止されるようになる。
【0051】
また、上記のスキャナー23が移動して待機位置P3に導かれた場合には、図8に示すように、スキャナー23に設けられた押圧板23aにより、第2ロック手段60における可動部材63だけが付勢部材64に抗して上方に押し上げられ、これにより第2ロック手段60におけるロックレバー65が画像読取ユニット20から原稿搬送ユニット30に突入されながら回動され、こロックレバー65が原稿搬送ユニット30に係止され、第2ロック手段60によって原稿搬送ユニット30だけが画像読取ユニット20から開放されるのが禁止されるようになる。一方、第1ロック手段50においては、可動部材53が付勢部材54により上方に付勢された状態で維持され、ロックレバー55が画像形成ユニット10に係止されず、画像読取ユニット20が画像形成ユニット10に対して自由に開放できる状態になっている。
【0052】
次に、第2の実施形態における画像形成装置において、スキャナー23を移動させて、上記の第1ロック手段50や第2ロック手段60により、画像読取ユニット20や原稿搬送ユニット30の開放を制御する動作を、図9に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0053】
電源スイッチがONされたかを判断し(S1)、電源スイッチがONされた場合には、電源をONさせて(S2)、上記のスキャナー23をホームポジションP1に移動させる(S3)。
【0054】
次に、原稿検知手段45によって原稿トレイ31に原稿がセットされたかを判断し(S4)、原稿がセットされた場合には、上記のスキャナー23を第1原稿読取位置P2に移動させ(S5)、上記のように第1ロック手段50により画像読取ユニット20を画像形成ユニット10にロックさせて、画像読取ユニット20の開放を禁止する(S6)。
【0055】
一方、上記の原稿がセットされたかの判断(S4)において、原稿トレイ31に原稿がセットされていない場合には、原稿搬送ユニット30が開放されているかを判断し(S7)、原稿搬送ユニット30が開放されている場合には、上記の原稿がセットされた場合と同様に、スキャナー23を第1原稿読取位置P2に移動させ(S5)、上記のように第1ロック手段50により画像読取ユニット20をロックさせて、画像読取ユニット20が開放されるのを禁止し(S6)、原稿搬送ユニット30と画像読取ユニット20との両方が開放されるのを防止する。
【0056】
また、上記の原稿搬送ユニット30が開放されているかの判断(S7)において、原稿搬送ユニット30が開放されていない場合には、画像読取ユニット20が開放されているかを判断し(S8)、画像読取ユニット20が開放されている場合には、スキャナー23を待機位置P3に移動させ(S9)、上記のように第2ロック手段60により原稿搬送ユニット30をロックさせて、原稿搬送ユニット30が開放されるのを禁止し(S10)、画像読取ユニット20と原稿搬送ユニット30との両方が開放されるのを防止する。
【0057】
そして、前記のように(S6)において画像読取ユニット20の開放を禁止した後や、(S10)において原稿搬送ユニット30の開放を禁止した後や、上記の画像読取ユニット20が開放されているかの判断(S8)において画像読取ユニット20が開放されていないと判断された後は、電源スイッチがOFFされるまで、すなわち電源スイッチがOFFされたかの判断(S11)において、電源スイッチがOFFされていない状態では、上記の(S4)に戻って、上記のような操作を繰り返して行う。
【0058】
一方、電源スイッチがOFFされた場合には、スキャナー23を第1原稿読取位置P2と待機位置P3との間の中間位置P4に移動させ(S12)、上記の第1ロック手段50と第2ロック手段60とにより、画像読取ユニット20及び原稿搬送ユニット30をロックさせて、画像読取ユニット20と原稿搬送ユニット30とが開放されるのを禁止し(S13)、その後、電源をOFFさせて(S14)終了する。
【0059】
このようにすると、画像形成装置の電源がオフされた状態で、画像読取ユニット20や原稿搬送ユニット30が勝手に開放されるのが防止され、この画像形成装置に不意な力が加わったとしても、これらが開放されて人や物に当たって傷ついたり、小型の画像形成装置の場合に転倒したりするのが防止される。
【符号の説明】
【0060】
10 画像形成ユニット
11A〜11D イメージングカートリッジ
12a 感光体, 12b 帯電装置, 12c 潜像形成装置, 12d 現像装置
13 中間転写ベルト
14 転写ローラ
15 給紙ローラ
16 タイミングローラ
17 定着装置
20 画像読取ユニット
21 第1原稿読取部
22 第2原稿読取部
23 スキャナー, 23a 押圧板
30 原稿搬送ユニット
31 原稿トレイ
32 ローラ
41 第1開閉部材
42 第2開閉部材
43 第1検知手段
44 第2検知手段
45 原稿検知手段
46 ホームポジションセンサー
50 第1ロック手段
60 第2ロック手段
51,61 電磁ソレノイド
52,62 ロックレバー
53,63 可動部材
54,64 付勢部材
55,65 ロックレバー
P1 ホームポジション
P2 第1原稿読取位置
P3 待機位置
P4 中間位置
S 記録シート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録シートに画像を形成する画像形成ユニットと、この画像形成ユニットの上に開閉自在に装着されて原稿の画像を読み取る画像読取ユニットと、この画像読取ユニットの上に開閉自在に装着されて原稿を画像読取ユニットの第1原稿読取部に搬送させる原稿搬送ユニットとを備えた画像形成装置において、上記の画像読取ユニット内において移動するスキャナーの停止位置に基づいて、上記の画像読取ユニットと原稿搬送ユニットとの少なくとも一方の開放を禁止するロック手段が設けられていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成装置において、上記の画像読取ユニットと原稿搬送ユニットとが同じ方向に開閉されることを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置において、上記の原稿搬送ユニットに原稿がセットされたことを検知する原稿検知手段が設けられ、この原稿検知手段により原稿がセットされたことが検知された場合に、上記のスキャナーが原稿搬送ユニットによって第1原稿読取部に搬送される原稿を読み取る第1原稿読取動作位置に移動して、上記のロック手段により画像読取ユニットと原稿搬送ユニットとの少なくとも一方の開放が禁止されることを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の画像形成装置において、上記の画像読取ユニットの開放を禁止する第1ロック手段と、原稿搬送ユニットの開放を禁止する第2ロック手段とが設けられていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の画像形成装置において、画像読取ユニットの開閉を検知する第1検知手段と、原稿搬送ユニットの開閉を検知する第2検知手段とが設けられ、上記の第1検知手段及び第2検知手段による検知結果に基づいて、上記のスキャナーが所定位置に移動して、上記のロック手段により画像読取ユニットと原稿搬送ユニットとの少なくとも一方の開放が禁止されることを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の画像形成装置において、電源をオフした場合に、上記のスキャナーが所定位置に移動して、上記のロック手段により上記の原稿搬送ユニットと画像読取ユニットとの両方の開放が禁止されることを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
記録シートに画像を形成する画像形成ユニットと、この画像形成ユニットの上に開閉自在に装着されて原稿の画像を読み取る画像読取ユニットと、この画像読取ユニットの上に開閉自在に装着されて原稿を画像読取ユニットの第1原稿読取部に搬送させる原稿搬送ユニットとを備えた画像形成装置において、画像読取ユニットの開閉を検知する第1検知手段と、原稿搬送ユニットの開閉を検知する第2検知手段とが設けられ、上記の第1検知手段又は第2検知手段において、画像読取ユニット又は原稿搬送ユニットの開放が検知された場合に、ロック手段により他方の原稿搬送ユニット又は画像読取ユニットの開放が禁止されることを特徴とする画像形成装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−12794(P2013−12794A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−142415(P2011−142415)
【出願日】平成23年6月28日(2011.6.28)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】