説明

画像形成装置

【課題】記録媒体が波打っている場合でも、搬送面で支持されながら搬送される記録媒体にシワが生じるのを抑制することができる画像形成装置を得る。
【解決手段】画像記録ドラム36によって搬送されるシート部材Pは、押付ロール70によって搬送面100Aに押し付けられる直前の位置で、ガイド面82Aに形成された吸引孔に吸引される。このため、搬送面100Aに押し付けられるシート部材Pには、張力(バックテンション)が作用する。張力が付与されたシート部材Pが、シート部材Pの先端部から順に押付ロール70によって搬送面100Aに押し付けられるため、シート部材Pが波打っている場合でも、搬送面100Aで支持されながら搬送されるシート部材Pにシワが生じるのを抑制することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録媒体に画像を形成する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ドラム搬送方式を採用したインクジェット記録装置が記載されている。そして、このインクジェット記録装置には、描画ドラム(画像記録ドラム)の搬送面に巻き付けられる記録媒体にシワが発生するのを防止するために、記録媒体を吸引して記録媒体に張力(バックテンション)を付与する吸引ポンプが設けられている。この吸引ポンプ(吸引手段)は、描画ドラムに対して記録媒体の搬送方向の上流側に配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−220954号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の構成では、記録媒体が波打っている場合には、吸引手段から離れて画像記録ドラムへ移ろうとした記録媒体の後端側が、記録媒体の先端側よりも早く画像記録ドラムに張り付くことがある。そして、これにより、記録媒体にシワが生じる場合がある。
【0005】
本発明の課題は、記録媒体が波打っている場合でも、記録媒体にシワが生じるのを抑制することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の請求項1に係る画像形成装置は、回転しながらシート状の記録媒体を搬送面で支持して搬送する画像記録ドラムと、前記画像記録ドラムの搬送面に記録媒体を押し付ける押付部材と、前記押付部材に対して記録媒体の搬送方向の上流側に設けられ、記録媒体を吸引して記録媒体に張力を付与する吸引手段と、前記吸引手段に吸い寄せられた記録媒体の後端側を、風を送り込むことで前記搬送面から離れる方向に移動させる送風手段と、前記画像記録ドラムの前記搬送面と対向するように配置され、前記押付部材によって前記搬送面に押し付けられた記録媒体に画像を形成する画像形成手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
上記構成によれば、吸引手段は、記録媒体を吸引し、記録媒体に張力(バックテンション)を付与する。さらに、送風手段は、吸引手段に吸い寄せられた記録媒体の後端側を、風を送り込むことで搬送面から離れる方向に移動させる。
【0008】
これにより、記録媒体の後端側まで吸引手段によって吸引されることで、記録媒体の後端付近まで張力が付与される。そして、記録媒体の先端部から順に搬送面に接地して搬送面に押し付けられる。このため、記録媒体が波打っている場合でも、記録媒体にシワが生じるのを抑制することができる。
【0009】
本発明の請求項2に係る画像形成装置は、請求項1に記載において、前記送風手段は、前記吸引手段に対して記録媒体の搬送方向の上流側から前記吸引手段と前記搬送面との間に風を送り込むことを特徴とする。
【0010】
上記構成によれば、送風手段は、吸引手段に対して記録媒体の搬送方向の上流側から吸引手段と搬送面との間に風を送り込むため、効果的に、記録媒体の後端側を搬送面から離れる方向に移動させることができる。
【0011】
本発明の請求項3に係る画像形成装置は、請求項1に記載において、前記送風手段は、前記画像形成ドラムの内部から前記吸引手段と前記搬送面との間に風を送り込むことを特徴とする。
【0012】
上記構成によれば、送風手段は、画像形成ドラムの内部から吸引手段と搬送面との間に風を送り込むため、効果的に、記録媒体の後端側を搬送面から離れる方向に移動させることができる。
【0013】
本発明の請求項4に係る画像形成装置は、請求項2に記載において、前記送風手段は、前記吸引手段に対して記録媒体の搬送方向の上流側であって、前記画像形成ドラムの外側に配置される送風部材であることを特徴とする。
【0014】
上記構成によれば、送風部材は、吸引手段に対して記録媒体の搬送方向の上流側であって、画像形成ドラムの外側に配置されるため、容易に送付部材を配置することができる。
【0015】
本発明の請求項5に係る画像形成装置は、請求項4に記載において、前記画像形成ドラムに対して記録媒体の搬送方向の上流側には、前記画像形成ドラムに記録媒体を受け渡す搬送ドラムが設けられ、前記送風部材は前記搬送ドラムの内部に設けられることを特徴とする。
【0016】
上記構成によれば、送風部材は、搬送ドラムの内部に設けられるため、装置全体が大きくなるのを抑制することができる。
【0017】
本発明の請求項6に係る画像形成装置は、請求項5に記載において、前記送風部材は、搬送される記録媒体の幅方向に沿って複数個設けられることを特徴とする。
【0018】
上記構成によれば、送風部材が、搬送される記録媒体の幅方向に沿って複数個設けられるため、送風部材は、記録媒体の幅方向に亘って、吸引手段と搬送面との間に風を送り込むことができる。
【0019】
本発明の請求項7に係る画像形成装置は、請求項4〜6の何れか1項に記載において、前記送風部材の稼働を制御する稼働制御部が設けられ、前記稼働制御部は、搬送される記録媒体の後端部が前記送風部材と対向する位置を通過してから前記送風部材を稼働させることを特徴とする。
【0020】
上記構成によれば、稼働制御部は、搬送される記録媒体の後端部が送風部材と対向する位置を通過してから送風部材を稼働させるため、送風部材に生じる風によって記録媒体の後端側が搬送面に接地(接触)するのを抑制することができる。
【0021】
本発明の請求項8に係る画像形成装置は、請求項7に記載において、前記稼働制御部は、記録媒体のサイズが小さい場合は、記録媒体のサイズが大きい場合に比して、記録媒体の幅方向の外側に配置された前記送風部材の稼働を停止させることを特徴とする。
【0022】
上記構成によれば、稼働制御部は、記録媒体のサイズが小さい場合は、記録媒体のサイズが大きい場合に比して、記録媒体の幅方向の外側に配置された送風部材の稼働を停止させるため、無駄な動力を削減することができる。
【0023】
本発明の請求項9に係る画像形成装置は、請求項1又は2に記載において、前記搬送面に形成された貫通孔を通して空気を吸引することで、前記押付部材によって前記搬送面に押し付けられた記録媒体を前記搬送面に吸着させる吸着装置と、前記吸着装置によって吸引された空気を、前記記録媒体を吸着させる場所とは異なる場所に排出する排出装置と、が設けられ、前記送風手段は、前記排出装置によって排出された空気の流れによって生じる風を前記吸引手段と前記搬送面との間に導く案内部材であることを特徴とする。
【0024】
上記構成によれば、案内部材が、排出装置によって排出された空気の流れによって生じた風を吸引手段と搬送面との間に導くため、風を生じさせる専用の部材を設ける必要がなくなる。
【0025】
本発明の請求項10に係る画像形成装置は、請求項9に記載において、前記案内部材は、前記搬送面を通して前記排出装置によって排出された空気の流れによって生じる風を受け取り、前記搬送面に沿って風を案内することを特徴とする。
【0026】
上記構成によれば、案内部材は、搬送面を通して排出装置によって排出された空気の流れによって生じる風を受け取り、搬送面に沿って風を案内する。このように、効果的に、吸引手段と搬送面との間に風を送り込むことができる。
【0027】
本発明の請求項11に係る画像形成装置は、請求項10に記載において、前記案内部材は、板部材を湾曲させて成形されることを特徴とする。
【0028】
上記構成によれば、板部材を湾曲させることで容易に案内部材を成形することができる。
【0029】
本発明の請求項12に係る画像形成装置は、請求項11に記載において、前記案内部材は、搬送される記録媒体の幅方向に亘って設けられることを特徴とする。
【0030】
上記構成によれば、搬送される記録媒体の幅方向に亘って設けられた案内部材は、記録媒体の幅方向に亘って吸引手段と搬送面との間に風を導くことができる。
【0031】
本発明の請求項13に係る画像形成装置は、請求項1〜12の何れか1項に記載において、前記記録媒体は記録用紙であって、前記送風手段によって前記吸引手段と前記搬送面との間に送り込まれる風量を制御する風量制御部が設けられ、前記風量制御部は、記録用紙の単位面積当りの重さが重い場合には、記録用紙の単位面積当りの重さが軽い場合と比して、前記送風手段によって生じる風量を多くすることを特徴とする。
【0032】
上記構成によれば、風量制御部は、記録用紙の単位面積当りの重さ(坪量)に基づいて、風量を変更する。このため、送風手段は、効果的に、記録媒体の後端側を搬送面から離れる方向に移動させることができる。
【0033】
本発明の請求項14に係る画像形成装置は、請求項1〜12の何れか1項に記載において、前記送風手段によって前記吸引手段と前記搬送面との間に送り込まれる風量を制御する風量制御部が設けられ、前記風量制御部は、記録媒体のサイズが大きい場合には、記録媒体のサイズが小さい場合と比して、前記送風手段によって生じる風量を多くすることを特徴とする。
【0034】
上記構成によれば、風量制御部は、記録媒体のサイズの大きさに基づいて、風量を変更する。このため、送風手段は、効果的に、記録媒体の後端側を搬送面から離れる方向に移動させることができる。
【0035】
本発明の請求項15に係る画像形成装置は、請求項1〜12の何れか1項に記載において、前記送風手段によって前記吸引手段と前記搬送面との間に送り込まれる風量を制御する風量制御部が設けられ、前記風量制御部は、記録媒体の幅方向の外側で生じる風量を記録媒体の幅方向の内側で生じる風量より多くすることを特徴とする。
【0036】
上記構成によれば、風量制御部は、記録媒体の幅方向の外側で生じる風量を記録媒体の幅方向の内側で生じる風量より多くする。このため、記録媒体の後端縁の角部が波打っている(カールしている)場合に、効果的に、記録媒体の後端側を搬送面から離れる方向に移動させることができる。
【発明の効果】
【0037】
本発明によれば、記録媒体が波打っている場合でも、記録媒体にシワが生じるのを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の第1実施形態に係る画像形成装置に採用された画像記録部等をしめした正面図である。
【図2】(A)(B)(C)本発明の第1実施形態に係る画像形成装置に採用された搬送ドラム及び画像記録ドラムの動作を正面から示した動作図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る画像形成装置に採用された搬送ドラム及び画像記録ドラム等を示した斜視図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係る画像形成装置に採用されたテンション付与装置の用紙ガイドを示した斜視図である。
【図5】本発明の第1実施形態に係る画像形成装置を示した概略構成図である。
【図6】本発明の第2実施形態に係る画像形成装置に採用された画像記録部等をしめした正面図である。
【図7】本発明の第3実施形態に係る画像形成装置に採用された画像記録部等をしめした正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
本発明の第1実施形態に係る画像形成装置10の一例について図1〜図5に従って説明する。なお、図中の矢印UPは、鉛直方向上方を示す。
【0040】
(全体構成)
図5に示されるように、画像形成装置10は、記録媒体としてのシート部材Pを装置本体10Aに供給する給紙部12と、シート部材Pの画像形成面に処理液を塗布する処理液塗布部14と、シート部材Pに画像を形成する画像記録部16と、画像が形成された描画部の膜質を強化するためにシート部材Pの水分を減少させる(乾燥させる)乾燥部18と、形成された画像をシート部材Pに定着させる定着部20と、シート部材Pが排出される排出部22と、を備えている。
【0041】
そして、給紙部12では、シート部材Pが積載され、この積載されたシート部材Pを1枚ずつ装置本体10Aに向けて送り出すようになっている。さらに、給紙部12に対して、シート部材Pの搬送方向(以下単に搬送方向という)の下流側には、給紙部12から送り出されたシート部材Pを装置本体10Aに向けて案内する給紙トレイ24が設けられている。また、給紙トレイ24の下流側で、装置本体10A内には、回転しながらシート部材Pを外周面に沿わせて搬送する給紙ドラム26が設けられている。そして、給紙ドラム26によって、シート部材Pは処理液塗布部14へ搬送されるようになっている。
【0042】
また、処理液塗布部14には、給紙部12によって搬送されたシート部材Pを回転しながら受け取り、外周面に沿わせて搬送する処理液塗布ドラム28が設けられている。詳細には、処理液塗布ドラム28の外周面には、シート部材Pの先端部を挟んで保持する保持部材30が設けられている。
【0043】
この構成により、シート部材Pの先端が保持部材30で保持された状態で、処理液塗布ドラム28の回転により、シート部材Pが処理液塗布ドラム28の外周面に沿って搬送方向の下流側へ搬送されるようになっている。
【0044】
なお、この保持部材30は、後述する搬送ドラム34、画像記録ドラム36、搬送ドラム40、乾燥ドラム42、搬送ドラム48、及び定着ドラム50にも同様に設けられている。
【0045】
また、処理液塗布ドラム28の鉛直方向の上方には、処理液塗布ドラム28の外周面に沿って搬送されるシート部材Pの画像形成面に処理液をと塗布する処理液塗布装置32が設けられている。なお、処理液は、後述する液滴と反応して色材(顔料)を凝集し、色材(顔料)と溶媒を分離促進する効果を有している。
【0046】
さらに、処理液塗布ドラム28に対して搬送方向の下流側には、処理液塗布ドラム28よって搬送されたシート部材Pを回転しながら保持部材30で受け取り、画像記録部16に向けて搬送する搬送ドラム34が設けられている。
【0047】
また、画像記録部16には、搬送ドラム34によって搬送されたシート部材Pを回転しながら保持部材30で受け取り、外周面(後述する搬送面100A)に沿わせて搬送する搬送部材の一例としての画像記録ドラム36が設けられている。さらに、画像記録ドラム36の鉛直方向の上方には、画像記録ドラム36の外周面に沿って搬送されるシート部材Pにインク等の液滴を吐出してシート部材Pの画像形成面に画像を形成する画像形成手段の一例としての液滴吐出ヘッド38が設けられている。
【0048】
液滴吐出ヘッド38は、搬送されるシート部材Pの幅方向に延びて設けられ、シート部材Pの最大幅に対応するインク吐出範囲を備え、いわゆるフルラインヘッドとされている。なお、本実施形態では、一例として基本色であるY(イエロー)、M(マゼンタ)、C(サイアン)、K(クロ)の4色の液滴吐出ヘッド38が画像記録ドラム36の周方向に沿って配置されている。なお、画像記録部16については、詳細を後述する。
【0049】
さらに、画像記録ドラム36に対して搬送方向の下流側には、画像記録ドラム36よって搬送されたシート部材Pを回転しながら保持部材30で受け取り乾燥部18に向けて搬送する搬送ドラム40が設けられている。
【0050】
また、乾燥部18には、搬送ドラム40によって搬送されたシート部材Pを回転しながら保持部材30で受け取り、外周面に沿わせて搬送する乾燥ドラム42が設けられている。さらに、乾燥ドラム42の鉛直方向の上方には、乾燥ドラム42の外周面に沿って搬送されるシート部材Pを乾燥するために用いられるハロゲンヒータ44及び温風ノズル46が配置されている。この構成により、シート部材Pが乾燥ドラム42によって搬送されつつ、画像が形成された描画部の膜質を強化するためにシート部材Pに含まれる水分がハロゲンヒータ44からの熱と、温風ノズル46からの温風とにより、減少するようになっている(乾燥するようになっている)。これにより、シート部材Pに形成された画像の膜質強度が向上する。
【0051】
さらに、乾燥ドラム42に対して搬送方向の下流側には、乾燥ドラム42よって搬送されたシート部材Pを回転しながら保持部材30で受け取り定着部20に向けて搬送する搬送ドラム48が設けられている。
【0052】
また、定着部20には、搬送ドラム48によって搬送されたシート部材Pを回転しながら保持部材30で受け取り、外周面に沿わせて搬送する定着ドラム50が設けられている。さらに、定着ドラム50の外周面に対向するように、搬送されるシート部材Pの画像形成面を加熱(予備加熱)するために用いられるハロゲンヒータ61と、シート部材Pを定着ドラム50の外周面に圧接する定着ロール63と、シート部材P上のチェックパターンや水分量、表面温度、光沢度等を計測するインラインセンサ65とがこの順番で設けられている。
【0053】
また、定着ドラム50に対して搬送方向の下流側には、定着ドラム50よって搬送されたシート部材Pを回転しながら保持部材30で受け取り、さらに、湾曲したガイド板54に沿ってシート部材Pを排出部22に排出する搬送ドラム52が設けられている。
【0054】
さらに、搬送ドラム52によってシート部材Pが排出される排紙部22には、周囲の環境にシート部材Pを馴染ませるシーズニング装置58が設けられている。
【0055】
以上の構成により、図5に示されるように、給紙部12によって供給されたシート部材Pは、処理液塗布ドラム28が保持部材30で受け取り、処理液塗布ドラム28の外周面に沿って搬送される。そして、処理液塗布装置32が、処理液塗布ドラム28の外周面に沿って搬送されるシート部材Pの画像形成面に処理液をと塗布する。
【0056】
さらに、処理液が塗布されたシート部材Pは、回転する搬送ドラム34に受け渡され、回転する搬送ドラム34及び画像記録ドラム36の外周面に沿って搬送される。画像記録部16では、各色の液滴吐出ヘッド38が、画像記録ドラム36の外周面に沿って搬送されるシート部材Pの画像形成面にインク等の液滴を吐出してシート部材Pに画像を形成する。
【0057】
また、画像形成面に画像が形成されたシート部材Pは、回転する搬送ドラム40に受け渡され、回転する搬送ドラム40及び乾燥ドラム42の外周面に沿って搬送される。乾燥部18では、ハロゲンヒータ44の熱及び温風ノズル46から噴き出される温風により、乾燥ドラム42の外周面に沿って搬送されるシート部材Pが乾燥される。つまり、シート部材Pに含まれる水分が減少する(乾燥する)ことで、画像が形成された描画部の膜質が強化される。
【0058】
そして、ハロゲンヒータ44の熱及び温風ノズル46から噴き出される温風により高温にされたシート部材Pは、回転する搬送ドラム48に受け渡され、回転する搬送ドラム48及び定着ドラム50の外周面に沿って搬送される。定着部20では、定着ドラム50に対して対向して設けられたハロゲンヒータ61が、熱によりシート部材Pに形成せれた画像をシート部材Pに定着する。さらに、定着ドラム50によって搬送されるシート部材Pは、定着ロール63によって定着ドラム50に圧接されてインラインセンサ65の対向部を通過する。インラインセンサ65は、通過するシート部材P上のチェックパターンや水分量、表面温度、光沢度等を計測する。
【0059】
また、インラインセンサ65によって計測されたシート部材Pは、搬送ドラム52に受け渡され、ガイド板54に沿って排出部22に備えられたシーズニング装置58に排出される。シーズニング装置58に排出されたシート部材Pは、送風等により周囲の環境に馴染む。
【0060】
(要部構成)
次に、画像記録部16について説明する。
【0061】
図1、図3に示されるように、画像記録部16に設けられた画像記録ドラム36の外周には、円弧状のジャケット板100が貼り付けられている。そして、このジャケット板100の外周面が、シート部材Pを支持する搬送面100Aとされている。さらに、ジャケット板100には、表裏を貫通する複数個の貫通孔102が形成されている(図3参照)。
【0062】
また、各色の液滴吐出ヘッド38と対向する位置に搬送されるシート部材Pをこの搬送面100Aに押し付ける押付部材の一例としての押付ロール70が設けられている。この押付ロール70は、所定の押圧力によって搬送面100Aに押し付けられ、搬送面100Aと接して従動回転するように構成されている。
【0063】
さらに、図1に示されるように、画像記録ドラム36の回転軸36Aの鉛直方向上側には、押付ロール70によって搬送面100Aに押し付けられるシート部材Pを搬送面100Aに吸引して吸着させる吸着領域108が設けられている。具体的には、図1で示す正面視で、回転軸36Aの径方向に延びる一対の仕切り板106で挟まれように吸着領域108が形成されている。
【0064】
また、この吸着領域108の貫通孔102を通して外部の空気を吸引することでシート部材Pを搬送面100Aに吸着させる吸着装置110が設けられている。この吸着装置110は、空気を吸引するポンプ104と、吸着領域108に配置された中空状の第1空気室112と、ポンプ104と第1空気室112とを連通される管状のホース114とを備えて構成されている。また、第1空気室112の壁板には、外部の空気を吸引するための複数個の吸引孔(図示省略)が形成されている。
【0065】
これに対し、画像記録ドラム36の回転軸36Aの鉛直方向下側には、吸着装置110によって吸引された空気を外部に排出する排出領域116が設けられている。具体的には、正面視で、回転軸36Aの径方向に延びる一対の仕切り板118で挟まれように排出領域116が形成されている。
【0066】
また、この排出領域116の貫通孔102を通して、吸着装置110によって吸引された空気を外部に排出する排出装置120が設けられている。この排出装置120は、第1空気室112と管状の流路124で連通されると共に排出領域116に配置された第2空気室126と、空気を圧縮して排出するコンプレッサ128と、コンプレッサ128と第2空気室126とを連通される管状のホース130とを備えて構成されている。また、第2空気室126の壁板には、外部に空気を排出するための複数個の排出孔(図示省略)が形成されている。
【0067】
以上の構成により、ポンプ104及びコンプレッサ128を稼働させ、流路124を適宜開放又は閉止することで、第1空気室112の吸引孔から空気を吸引し、吸着領域108の貫通孔102を通して外部の空気が吸引される。さらに、吸着装置110によって吸引された空気は、第2空気室126の排出孔から排出されて排出領域116の貫通孔102を通して外部に排出されるようになっている。
【0068】
さらに、押付ロール70に対して搬送方向の下流側で液滴吐出ヘッド38に対して搬送方向の上流側には、搬送面100Aによって搬送されるシート部材Pの浮きを検知する検知センサ72が設けられている。図3に示されるように、検知センサ72は、画像記録ドラム36を挟んでシート部材Pの幅方向に2個設けられている。
【0069】
詳細には、検知センサ72は、レーザ光を射出する検知センサ72Aと、このレーザ光を受光する検知センサ72とを備えており、検知センサ72Bが受光した受光量によりシート部材Pの浮きを検知するようになっている。
【0070】
一方、図1に示されるように、押付ロール70に対して搬送方向の上流側には、押付ロール70によって搬送面100Aに押し付けられるシート部材Pを吸引し、押付ロール70によって押し付けられるシート部材Pに張力を付与する吸引手段の一例としてのテンション付与装置74が設けられている。
【0071】
テンション付与装置74は、用紙ガイド76と、ポンプ78と、用紙ガイド76とポンプ78とを連通させる連通管80とを備えている。この用紙ガイド76は、正面視で、搬送面100A側が広がった台形形状とされた中空の部材であって、シート部材Pの幅方向(以下単に幅方向という)に沿って延びている。そして、用紙ガイド76は、幅方向において、画像記録ドラム36と同等の長さとされている。
【0072】
また、用紙ガイド76の搬送面100A側の面は、平坦とされ、シート部材Pの画像形成面を吸引するとともに、シート部材Pの搬送をガイドするガイド面82Aとされている。そして、ガイド面82Aは、正面視で、押付ロール70と搬送面100Aとの接点Hにおける画像記録ドラム36の接線Tに沿うように配置されている。
【0073】
さらに、図4に示されるように、ガイド面82Aが形成されるガイド板82には、ガイド板82の表裏を貫通する吸引孔86が2個形成されている。詳細には、各吸引孔86は、シート部材Pの幅方向に延びて設けられ、長手方向中央部が屈曲して搬送方向の上流側に向けて凸となっている。
【0074】
また、用紙ガイド76において、ガイド板82と対向するように設けられた天井板88には、天井板88の表裏を貫通する真空防止孔88Aが形成される。真空防止孔88Aは、用紙ガイド76の内圧を調整して、過剰な吸引力が吸引孔86に作用するのを抑制するようになっている。
【0075】
この構成により、ポンプ78(図1参照)を稼働させることで、用紙ガイド76の内部(中空部)の空気が吸引され、ガイド面82Aに形成された吸引孔86から空気が吸引されるようになっている。
【0076】
さらに、図1、図3に示されるように、テンション付与装置74の用紙ガイド76と搬送面100Aとの間に風を送り込み、シート部材Pの後端側を搬送面100Aから離す方向に移動させる送風部材の一例としての送風ファン90が、幅方向に沿って複数個設けられている。
【0077】
詳細には、送風ファン90は、搬送されるシート部材Pを間において画像記録ドラム36の反対側に配置されている。さらに、各送風ファン90は、搬送ドラム34を構成すると共に回転移動することがない軸部材92に、軸部材92の径方向に延びるブラケット94を介して固定されている。つまり、位置が固定された軸部材92の回りを搬送ドラム34に設けられた保持部材30が回転するようになっている。
【0078】
また、この送風ファン90の稼働を制御する稼働制御部96が設けられている。そして、稼働制御部96は、搬送されるシート部材Pの後端部が送風ファン90と対向する位置を通過してから送風ファン90を稼働させるようになっている。なお、搬送されるシート部材Pの後端部が送風ファン90と対向する位置を通過することを検知する検知部材(図示省略)が、用紙ガイド76と搬送ドラム34との間に設けられている。
【0079】
さらに、この稼働制御部96は、シート部材Pのサイズが小さい場合は、シート部材Pのサイズが大きい場合に比して、シート部材Pの幅方向の外側に配置された送風ファン90の稼働を停止させるようになっている。つまり、稼働制御部96は、シート部材Pのサイズに基づいて、稼働させる送風ファン90を選択するようになっている。
【0080】
さらに、送風ファン90によって用紙ガイド76と搬送面100Aとの間に送り込まれる風量を制御する風量制御部98が設けられている。そして、この風量制御部98は、シート部材Pの単位面積当りの重さ(坪量)が重い場合には、シート部材Pの単位面積当りの重さが軽い場合と比して、送風ファン90によって生じる風量を多くする。さらに、風量制御部98は、シート部材Pのサイズが大きい場合には、シート部材Pのサイズが小さい場合と比して、送風ファン90によって生じる風量を多くするようになっている。また、風量制御部98は、シート部材Pの幅方向の外側で生じる風量をシート部材Pの幅方向の内側で生じる風量より多くするようになっている。
【0081】
さらに、風量制御部98によって制御される送風ファンの風量qは、シート部材Pの幅方向の単位長さ当りで0.02[m/min]以上とされている。
【0082】
なお、搬送面100Aと用紙ガイド76との間における搬送方向の上流側の風速v〔m/s〕と、正面視(図1に示す矢視)で、搬送面100Aと用紙ガイド76との間における搬送方向の上流側の距離h(図1参照)とを用いて、シート部材P幅方向の単位長さ当たりの風量q=h・v[m/min]を算出する。
【0083】
(要部構成の作用・効果)
次に、画像記録部16の作用及び効果について説明する。
【0084】
図1に示されるように、画像記録ドラム36は、搬送ドラム34によって搬送されたシート部材Pを回転しながら保持部材30で受け取り、搬送面100Aに沿わせて搬送する。
【0085】
図2(A)に示されるように、先端部が保持部材30によって保持されながら搬送されるシート部材Pは、回転する押付ロール70により画像記録ドラム36の搬送面100Aに押し付けられる。
【0086】
図1に示されるように、吸着装置110は、吸着領域108の貫通孔102を通して外部の空気を吸引する。これにより、押付ロール70により搬送面100Aに押し付けられたシート部材Pは、搬送面100Aに吸着される。
【0087】
さらに、検知センサ72が、吸着装置110によって搬送面100Aに吸着されたシート部材Pの浮きを検知した後、各色の液滴吐出ヘッド38が、シート部材Pの画像形成面にインク等の液滴を吐出してシート部材Pに画像を形成する。
【0088】
ここで、押付ロール70に対して搬送方向の上流側に設けられたテンション付与装置74のポンプ78は、画像形成装置10の稼働と同時に稼働しいている。このため、画像記録ドラム36によって搬送されるシート部材Pは、押付ロール70によって搬送面100Aに押し付けられる直前の位置で、吸引孔86(図4参照)に吸引される。そして、シート部材Pは、用紙ガイド76のガイド面82Aに吸着されながら搬送される。具体的には、シート部材Pの画像形成面がガイド面82Aと接しながら滑ることで、シート部材Pが、搬送方向の下流側に搬送される。
【0089】
このように、シート部材Pが押付ロール70によって搬送面100Aに押し付けられる直前の位置で吸引されるため、搬送面100Aに押し付けられるシート部材Pには、張力(バックテンション)が作用する。
【0090】
一方、図1、図2(B)(C)に示されるように、稼働制御部96は、画像記録ドラム36によって搬送されるシート部材Pの後端部が 送風ファン90と対向する位置を通過してから送風ファン90を稼働させる。さらに、風量制御部98は、シート部材Pの重さ(坪量)やサイズに基づいて、送風ファン90によって生じる風量を制御する。
【0091】
そして、送風ファン90は、用紙ガイド76と搬送面100Aとの間に風を送り込み、シート部材Pの後端側を搬送面100Aから離す方向に移動させる。
【0092】
これにより、シート部材Pの後端側までテンション付与装置74によって吸引されることで、シート部材Pの後端付近まで張力が付与される。そして、シート部材Pは、張力が付与されたシート部材Pの先端部から順に搬送面100Aに接地して押付ロール70によって搬送面100Aに押し付けられる。
【0093】
以上説明したように、シート部材Pは、張力が付与されたシート部材Pの先端部から順に搬送面100Aに接地して押付ロール70によって搬送面100Aに押し付けられるため、シート部材Pが波打っている場合でも、シート部材Pにシワが生じるのを抑制することができる。
【0094】
また、送風ファン90が、搬送されるシート部材Pの幅方向に沿って複数個設けられているため、送風ファン90は、幅方向に亘って、用紙ガイド76と搬送面100Aとの間に風を送り込むことができる。
【0095】
また、稼働制御部96は、搬送されるシート部材Pの後端部が送風ファン90と対向する位置を通過してから送風ファン90を稼働させる。このため、送風ファン90に生じる風によってシート部材Pの後端側が搬送面100Aに接地(接触)するのを抑制することができる。
【0096】
また、稼働制御部96は、シート部材Pのサイズに基づいて稼働させる送風ファン90を選択するため、無駄な動力を削減することができる。
【0097】
また、風量制御部98は、シート部材Pの単位面積当りの重さ(坪量)に基づいて、送風ファン90によって生じる風量を変更するため、送風ファン90は、効果的に、シート部材Pの後端側を搬送面100Aから離すことができる。
【0098】
また、風量制御部98は、シート部材Pのサイズに基づいて、送風ファン90によって生じる風量を変更するため、送風ファン90は、効果的に、シート部材Pの後端側を搬送面100Aから離すことができる。
【0099】
また、風量制御部98は、シート部材Pの幅方向の外側で生じる風量をシート部材Pの幅方向の内側で生じる風量より多くする。このため、シート部材Pの後端縁の角部が波打っている(カールしている)場合に、効果的に、シート部材Pの後端側を搬送面100Aから離れる方向に移動させることができる。
【0100】
また、送風ファン90によって生じる風量が、シート部材Pの幅方向の単位長さ当りで0.02[m/min]以上であるため、効果的に、シート部材Pの後端側を搬送面100Aから離すことができる。
【0101】
次に、本発明の第2実施形態に係る画像形成装置150の一例について図6に従って説明する。なお、第1実施形態と同一部材については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0102】
図6に示されるように、第2実施形態では、第1実施形態のように、送風ファンは設けられておらず、排出装置120によって排出された空気の流れによって生じる風を用紙ガイド76と搬送面100Aとの間に導く送風手段の一例としての案内部材152が設けられている。
【0103】
詳細には、排出領域116の搬送面100Aと対向するように、正面視で円弧状の案内部材152が、シート部材Pの幅方向に亘って設けられている。そして、画像記録ドラム36の回転方向上流側における案内部材152の一端部は、搬送面100Aに向けて折り曲げられている。これに対し、案内部材152の他端部は、画像記録ドラム36と搬送ドラム34との対向部156に向って延びている。
【0104】
さらに、コンプレッサ128の出力を調整して排出装置120による空気の排出量を制御する風量制御部158が設けられている。
【0105】
この風量制御部158は、シート部材Pの単位面積当りの重さが重い場合には、シート部材Pの単位面積当りの重さが軽い場合と比して、排出装置120による空気の排出量を多くし(風量を多くし)する。さらに、風量制御部158は、シート部材Pのサイズが大きい場合には、シート部材Pのサイズが小さい場合と比して、排出装置120による空気の排出量を多くするようになっている(風量を多くするようになっている)。
【0106】
以上の構成により、案内部材152が、排出装置120によって排出された空気の流れによって生じた風を用紙ガイド76と搬送面100Aとの間に導くため、風を生じさせる専用の部材を設ける必要がなくなる。
【0107】
また、搬送されるシート部材Pの幅方向に亘って案内部材152が設けられているため、シート部材Pの幅方向に沿って用紙ガイド76と搬送面100Aとの間に風を導くことができる。
【0108】
次に、本発明の第3実施形態に係る画像形成装置200の一例について図7に従って説明する。なお、第2実施形態と同一部材については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0109】
図7に示されるように、第3実施形態では、第2実施形態のように、排出領域204は、回転軸36Aの鉛直方向の下側に設けられておらず、搬送面100Aを挟んで用紙ガイド76の反対側に設けられている。そして、この排出領域204には、排出装置206を構成する第2空気室202が設けられている。
【0110】
以上の構成により、排出装置206を稼働させることで、吸着装置110によって吸引された空気は、第2空気室202の排出孔から排出されて排出領域204の貫通孔102(図3参照)を通して外部に排出される。これにより、シート部材Pの後端側が搬送面100Aから離れる。
【0111】
なお、本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能であることは当業者にとって明らかである。例えば、上記第1実施形態では、稼働制御部96と風量制御部98とを別個に設定したが、特に別個に設ける必要は無く、これらの機能を有する1個制御部を設定してもよい。
【0112】
また、上記実施形態では、テンション付与装置74は、外部の空気を吸引することでシート部材Pを吸引したが、静電気力等により吸引してもよい。
【0113】
また、上記実施形態では、シート部材Pのどの部位に波打ちが生じているかについて特に言及しなかったが、限定されることがない。例えば、シート部材Pの後端部に波打っている場合であっても、また、前端部や他の部位に波打ちが生じている場合であっても、本実施形態に係る画像形成装置10を用いることで、シート部材Pにシワが生じるのを抑制することができる。
【符号の説明】
【0114】
10 画像形成装置
34 搬送ドラム
36 画像記録ドラム
38 液滴吐出ヘッド(画像形成手段の一例)
70 押付ロール(押付部材の一例)
74 テンション付与装置(吸引手段の一例)
90 送風ファン(送風手段・送風部材の一例)
96 稼働制御部
98 風量制御部
100A 搬送面
102 貫通孔
110 吸着装置
120 排出装置
150 画像形成装置
152 案内部材(送風手段の一例)
158 風量制御部
200 画像形成装置
206 排出装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転しながらシート状の記録媒体を搬送面で支持して搬送する画像記録ドラムと、
前記画像記録ドラムの搬送面に記録媒体を押し付ける押付部材と、
前記押付部材に対して記録媒体の搬送方向の上流側に設けられ、記録媒体を吸引して記録媒体に張力を付与する吸引手段と、
前記吸引手段に吸い寄せられた記録媒体の後端側を、風を送り込むことで前記搬送面から離れる方向に移動させる送風手段と、
前記画像記録ドラムの前記搬送面と対向するように配置され、前記押付部材によって前記搬送面に押し付けられた記録媒体に画像を形成する画像形成手段と、
を備える画像形成装置。
【請求項2】
前記送風手段は、前記吸引手段に対して記録媒体の搬送方向の上流側から前記吸引手段と前記搬送面との間に風を送り込む請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記送風手段は、前記画像形成ドラムの内部から前記吸引手段と前記搬送面との間に風を送り込む請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記送風手段は、前記吸引手段に対して記録媒体の搬送方向の上流側であって、前記画像形成ドラムの外側に配置される送風部材である請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記画像形成ドラムに対して記録媒体の搬送方向の上流側には、前記画像形成ドラムに記録媒体を受け渡す搬送ドラムが設けられ、
前記送風部材は前記搬送ドラムの内部に設けられる請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記送風部材は、搬送される記録媒体の幅方向に沿って複数個設けられる請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記送風部材の稼働を制御する稼働制御部が設けられ、
前記稼働制御部は、搬送される記録媒体の後端部が前記送風部材と対向する位置を通過してから前記送風部材を稼働させる請求項4〜6の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記稼働制御部は、記録媒体のサイズが小さい場合は、記録媒体のサイズが大きい場合に比して、記録媒体の幅方向の外側に配置された前記送風部材の稼働を停止させる請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記搬送面に形成された貫通孔を通して空気を吸引することで、前記押付部材によって前記搬送面に押し付けられた記録媒体を前記搬送面に吸着させる吸着装置と、
前記吸着装置によって吸引された空気を、前記記録媒体を吸着させる場所とは異なる場所に排出する排出装置と、が設けられ、
前記送風手段は、
前記排出装置によって排出された空気の流れによって生じる風を前記吸引手段と前記搬送面との間に導く案内部材である請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記案内部材は、前記搬送面を通して前記排出装置によって排出された空気の流れによって生じる風を受け取り、前記搬送面に沿って風を案内する請求項9に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記案内部材は、板部材を湾曲させて成形される請求項10に規制の画像形成装置。
【請求項12】
前記案内部材は、搬送される記録媒体の幅方向に亘って設けられる請求項11に記載の画像形成装置。
【請求項13】
前記記録媒体は記録用紙であって、
前記送風手段によって前記吸引手段と前記搬送面との間に送り込まれる風量を制御する風量制御部が設けられ、
前記風量制御部は、記録用紙の単位面積当りの重さが重い場合には、記録用紙の単位面積当りの重さが軽い場合と比して、前記送風手段によって生じる風量を多くする請求項1〜12の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項14】
前記送風手段によって前記吸引手段と前記搬送面との間に送り込まれる風量を制御する風量制御部が設けられ、
前記風量制御部は、記録媒体のサイズが大きい場合には、記録媒体のサイズが小さい場合と比して、前記送風手段によって生じる風量を多くする請求項1〜12の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項15】
前記送風手段によって前記吸引手段と前記搬送面との間に送り込まれる風量を制御する風量制御部が設けられ、
前記風量制御部は、記録媒体の幅方向の外側で生じる風量を記録媒体の幅方向の内側で生じる風量より多くする請求項1〜12の何れか1項に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−28016(P2013−28016A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−164421(P2011−164421)
【出願日】平成23年7月27日(2011.7.27)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】